JP2001178126A - スイッチング電源 - Google Patents

スイッチング電源

Info

Publication number
JP2001178126A
JP2001178126A JP35087299A JP35087299A JP2001178126A JP 2001178126 A JP2001178126 A JP 2001178126A JP 35087299 A JP35087299 A JP 35087299A JP 35087299 A JP35087299 A JP 35087299A JP 2001178126 A JP2001178126 A JP 2001178126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
resonance
power supply
switching power
switching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35087299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4232881B2 (ja
Inventor
Shoji Hatta
昌治 八田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP35087299A priority Critical patent/JP4232881B2/ja
Publication of JP2001178126A publication Critical patent/JP2001178126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4232881B2 publication Critical patent/JP4232881B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電
圧を抑制し得る共振型スイッチング電源を提供する。 【解決手段】 スイッチング回路1は、入力された直流
電圧Vinをスイッチングする。共振回路は、共振用コ
ンデンサ21を含み、スイッチング回路1とトランス3
の一次巻線31とを含む回路ループ内に接続されてい
る。制御回路64は、共振回路2の共振周波数foより
も高い動作周波数Fでスイッチング回路1を動作させ
る。過電圧保護回路63は共振用コンデンサ21に印加
される電圧Vcrに対応した信号S3が入力され、信号
S3が予め定められたコンデンサ印加電圧Vcrに対応
するとき、制御回路64に制御を加え、動作周波数F
を、コンデンサ印加電圧Vcrが過電圧とならない周波
数に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振型のスイッチ
ング電源に関する。
【0002】
【従来の技術】共振型スイッチング電源は、高効率、低
雑音が達成できる可能性があるスイッチング電源として
注目されている。共振型スイッチング電源は、直流電圧
をスイッチング回路によってスイッチングし、スイッチ
ング出力を共振回路で共振させ、共振出力を、トランス
の巻線を介して取り出し、直流に変換して出力する。ス
イッチング回路のスイッチング動作は、制御回路から供
給される制御信号によって制御される。例えば、共振回
路の共振周波数よりも高い周波数領域に設定された周波
数制御領域を持ち、出力電圧が高くなった場合は、動作
周波数を上げて出力電圧を低下させ、出力電圧が低下し
た場合は動作周波数を低下させて、出力電圧が高くなる
方向に制御する。
【0003】上述の共振回路は、共振用コンデンサ及び
共振用インダクタを含んで構成される。共振回路方式と
しては、直列共振、並列共振、直並列共振、複共振また
は準複共振等、種々の回路方式が知られている。共振型
スイッチング電源に係る先行技術文献例としては特開平
7−298614号公報、特開平7−274499号公
報等がある。
【0004】共振型スイッチング電源の歴史は比較的新
しく、種々の解決すべき課題が、未解決のまま残されて
いる。その内の一つが、共振用コンデンサに瞬時的に印
加される過電圧の問題である。
【0005】例えば、スイッチング電源の起動時には、
出力側平滑コンデンサの蓄積電荷が極めて少量であるの
で、出力側平滑コンデンサに流れ込むチャージ電流等に
起因する過電流状態が発生し、共振用コンデンサに瞬時
的に過電圧が印加される。
【0006】また、共振回路の共振用インダクタとして
は、コアに巻線を施したものが用いられる。コアは、そ
の材料等によって定まるBーH特性を有する。このた
め、共振用インダクタに、コアのBーH特性において、
磁気飽和を生じるような大きな共振電流が流れると、共
振用インダクタのインダクタンス値が小さくなり、共振
回路のインピーダンスが低下する。共振回路のインピー
ダンスが低下すると、共振回路に流れる電流が増大する
ので、共振用インダクタのインピーダンスが更に小さく
なる。このような正帰還動作により、共振回路に流れる
電流が急激に増大し、共振用コンデンサに印加される電
圧が、急激に、過電圧状態になる。
【0007】一般に、共振型スイッチング電源には、回
路を過電流から保護する目的で、過電流保護回路が設け
られている。過電流保護回路は、過電流を検出したと
き、スイッチング回路を制御して過電流を抑制する。し
かしながら、過電流制御系は、通常、閉ループ構成であ
るので、過電流を抑制するのに時間を要する。このた
め、瞬時的な過電流は回避できず、共振用コンデンサ
に、過電圧が瞬時的に印加されることになる。
【0008】共振用コンデンサに瞬時的に印加される過
電圧を抑制する手段として、過電流制御系の応答速度を
増大させることが考えられる。しかしながら、過電流制
御系は閉ループを構成しているので、過電流制御系の応
答速度を増大させると、過電流制御系に異常発振を生じ
る。出力電圧制御系の応答速度を増大させた場合も同様
である。
【0009】また、過電流制御系の応答速度を早くした
場合、起動時に、出力側平滑コンデンサに流れ込むチャ
ージ電流等に起因する過電流に対しても、過電流制御系
が動作してしまい、起動できなくなってしまうという事
態を生じる。
【0010】起動時の過電流を回避する手段として、ソ
フトスタート方式は既に知られている。この方式では、
スイッチング電源の起動時に、電力が序々に出力される
ようにスイッチング制御を行うことにより、過電流を回
避する。しかし、負荷容量が未知の場合は、チャージ時
間が決定できないため、ソフトスタート期間を設計する
ことができず、共振用コンデンサを、安定して、過電圧
から保護することができない。
【0011】特開平7ー298614号公報は、過電流
時に、第1及び第2のスイッチを完全にオフにしない
で、オン時間幅を狭めることにより、過電流保護、負荷
への電力供給、及び、正常運転への移行を行うスイッチ
ング電源を開示している。しかしながら、この従来技術
はスイッチを保護するものであって、共振用コンデンサ
を、過電圧から保護するものではない。
【0012】過電流保護制御にパルス・バイ・パルス制
御を利用すれば、過電流検出後に瞬時にスイッチパルス
幅を狭めることができるので、瞬時的な過電流を回避で
き、よって、共振用コンデンサに瞬時的に印加される過
電圧を回避できる。しかし、動作周波数が一定で、パル
ス幅が変わるので、ゼロ・ボルト・スイッチング(ZV
S)を行うことができなくなり、スイッチ損失が増大す
る。
【0013】上述したように、共振用コンデンサを、瞬
時的な過電圧から保護する有効な手段がない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、共振
用コンデンサの過電圧を、瞬時に抑制し得る共振型スイ
ッチング電源を提供することである。
【0015】本発明のもう1つの課題は、動作の安定し
た共振型スイッチング電源を提供することである。
【0016】本発明の更にもう1つの課題は、共振用コ
ンデンサとして、耐電圧の低いコンデンサを用い得る共
振型スイッチング電源を提供することである。
【0017】本発明の更にもう1つの課題は、ゼロ・ボ
ルト・スイッチングに適した共振型スイッチング電源を
提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係るスイッチング電源は、スイッチング
回路と、共振回路と、トランスと、出力整流平滑回路
と、制御回路と、過電圧保護回路とを含む。
【0019】前記スイッチング回路は、入力された直流
電圧をスイッチングする。前記トランスは、少なくと
も、一次巻線と、二次巻線とを含んでいる。前記共振回
路は、共振用コンデンサを含み、前記スイッチング回路
と前記一次巻線とを含む回路ループ内に接続されてい
る。前記出力整流平滑回路は、前記二次巻線に接続され
ている。
【0020】前記制御回路は、前記共振回路の共振周波
数よりも高い動作周波数で前記スイッチング回路を動作
させる。
【0021】前記過電圧保護回路は、前記共振用コンデ
ンサに印加される電圧に対応した信号が入力され、前記
信号が予め定められたコンデンサ印加電圧に対応すると
き、前記制御回路に制御を加え、前記動作周波数を、コ
ンデンサ印加電圧が過電圧とならない周波数に設定す
る。
【0022】上述した本発明に係るスイッチング電源に
おいて、スイッチング回路は、入力された直流電圧をス
イッチングし、そのスイッチング出力を共振回路及びト
ランスの一次巻線に供給する。
【0023】スイッチング回路とトランスの一次巻線と
を含む回路ループ内に、共振回路が接続されているか
ら、スイッチング回路のスイッチング動作により、共振
回路及びトランスの一次巻線に、共振回路の共振周波数
に対応した疑似正弦波電流が流れる。このとき、一次巻
線と結合する二次巻線に誘起電圧が発生する。この誘起
電圧は、トランスの二次巻線に接続された出力整流平滑
回路により直流に変換され、出力される。
【0024】制御回路は、共振回路の共振周波数よりも
高い動作周波数でスイッチング回路を動作させる。より
具体的には、出力電圧が低下したときには、動作周波数
を低下させ、出力電圧が上昇したときには、動作周波数
を高くすることにより、出力電圧を安定化する。
【0025】更に、本発明に係るスイッチング電源は、
過電圧保護回路を備える。過電圧保護回路は、共振用コ
ンデンサに印加される電圧に対応した信号が入力され、
信号が予め定められたコンデンサ印加電圧に対応すると
き、制御回路に制御を加え、動作周波数を、コンデンサ
印加電圧が過電圧とならない周波数に設定する。これに
より、共振回路のインピーダンスが、その設定された周
波数に対応した値になり、共振回路に流れる電流が、そ
の周波数に対応した値に押えられ、共振用コンデンサに
印加される電圧の上昇が押えられる。従って、共振用コ
ンデンサが過電圧から保護される。また、共振用インダ
クタのコアの磁気飽和に起因する過電圧も回避すること
ができる。
【0026】しかも、上述した過電圧保護動作は開ルー
プ制御である。このため、共振用コンデンサに過電圧が
印加されたとき、即座にその過電圧を抑制できる。従っ
て、共振用コンデンサの過電圧を瞬時に抑制することが
できる。起動時に、出力側平滑コンデンサに大きなチャ
ージ電流が流れ込んだ場合も、過電圧保護回路が動作
し、起動時の過電圧が防止される。
【0027】更に、上述の過電圧保護動作は、開ループ
制御であるので、異常発振を生じる恐れはない。従っ
て、本発明の共振型スイッチング電源は、安定した動作
を確保できる。
【0028】しかも、上述のように、共振用コンデンサ
に瞬時的に印加される過電圧を抑制できる。従って、本
発明の共振型スイッチング電源では、共振用コンデンサ
として、耐電圧の低いコンデンサを用いることができ
る。
【0029】更に、本発明では、パルス・バイ・パルス
制御を用いずに、共振用コンデンサに瞬時的に印加され
る過電圧を抑制できる。このため、ゼロ・ボルト・スイ
ッチングに適した共振型スイッチング電源を実現でき
る。
【0030】本発明の他の目的、構成及び利点について
は、実施例である添付図面を参照して、更に詳しく説明
する。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るスイッチング
電源を概略的に示す図である。図示するように、本発明
に係るスイッチング電源は、スイッチング回路1と、共
振回路と、トランス3と、出力整流平滑回路4と、制御
回路64と、過電圧保護回路63とを有する。
【0032】スイッチング回路1は、入力された直流電
圧Vinをスイッチングする。図示のスイッチング回路
1は、直流電源装置7から直流電圧Vinが入力され
る。直流電源装置7は、通常は、交流電源を直流に変換
する整流平滑回路として構成される。直流電源装置7は
スイッチング電源の一部として備えられていてもよい
し、外部要素であってもよい。図示されたスイッチング
回路1は、2つのスイッチング素子11、12を有す
る。2つのスイッチング素子11、12は、互いに直列
に接続され、直列回路の両端が直流電源7に導かれてい
る。
【0033】更に、2つのスイッチング素子11、12
は、交互に駆動される。図示のスイッチング回路1には
駆動回路10が備えられている。この駆動回路10に
は、前述の制御回路64からの信号S7が供給される。
そして、駆動回路10は、信号S7に基づき、2つのス
イッチング素子11、12を交互に駆動する。図示のス
イッチング素子11、12は、それぞれ、電界効果トラ
ンジスタ(FET)により構成されている。
【0034】トランス3は、少なくとも、一次巻線31
と、二次巻線32とを含んでいる。実施例は、出力整流
平滑回路4を両波整流回路方式とした場合に適した二次
巻線構造を示し、二次巻線32は、第1の巻線321
と、第2の巻線322の2つの巻線を備える。第1の巻
線321の一端及び第2の巻線322の一端は、互いに
接続されている。
【0035】共振回路は、共振用コンデンサ21と、共
振用インダクタ22とを含み、スイッチング回路1とト
ランス3の一次巻線31とを含む回路ループ内に接続さ
れている。共振用コンデンサ21と、共振用インダクタ
22とは、直列に接続され、直列共振回路を構成してい
る。直列回路の両端は2つのスイッチング素子11、1
2の接続点と、2つのスイッチング素子11、12によ
って構成される直列回路の一端との間に接続されてい
る。
【0036】実施例では、トランス3の一次巻線31も
インダクタとして動作するので、共振回路は、共振用コ
ンデンサ21及び共振用インダクタ22の他に、トラン
ス3の一次巻線31をも含むことになる。これとは異な
って、共振回路は、トランス3の一次巻線31のインダ
クタンスを含まず、専ら、共振用コンデンサ21と、共
振用インダクタ22とによって構成されるように、設計
することも可能である。
【0037】共振回路方式としては、図示の直列共振の
他、並列共振、直並列共振、複共振または準複共振等、
種々の回路方式が知られており、本発明は何れの回路方
式も適用が可能である。
【0038】出力整流平滑回路4は、トランス3の二次
巻線32に接続されている。出力整流平滑回路4は、二
次巻線32に生じる誘起電圧を直流に変換して出力す
る。出力整流平滑回路4は、整流平滑された出力電圧V
oを、負荷8に供給する。出力整流平滑回路4は、整流
回路42と、平滑回路41とを含む。整流回路42は、
第1のダイオード421と、第2のダイオード422と
を有する。第1のダイオード421のアノードは第1の
巻線321の他端に接続され、第2のダイオード422
のアノードは第2の巻線322の他端に接続されてい
る。第1のダイオード421のカソード及び第2のダイ
オード422のカソードは、互いに接続されて接続点T
2を構成する。
【0039】図示の平滑回路41は、出力チョークコイ
ル411及び出力平滑コンデンサ412を有するチョー
クインプット型である。出力チョークコイル411の一
端は、上述の接続点T2に接続されている。出力チョー
クコイル411の他端及び出力平滑コンデンサ412の
一端は、互いに接続され、出力端子T3に接続されてい
る。出力平滑コンデンサ412の他端と、第1の巻線3
21及び第2の巻線322の接続点とは、互いに接続さ
れ、出力端子T4に接続されている。
【0040】2つの出力端子T3、T4の間には負荷8
が接続されている。出力端子T3と出力端子T4との間
に生じる出力電圧をVoで示し、出力端子T3から負荷
8に流れる出力電流をIoで示す。平滑回路41は、図
示と異なり、出力平滑コンデンサのみを有するコンデン
サインプット型であってもよい。
【0041】制御回路64は、スイッチング回路1に信
号S7を供給し、共振回路の共振周波数よりも高い動作
周波数で、スイッチング回路1を動作させる。図示され
た制御回路64は、電圧制御発振回路(以下VCOと称
する)65と、最低周波数設定回路66と、ドライブパ
ルス生成回路67とを有する。
【0042】VCO65は、入力される電圧信号に応じ
て発振周波数が制御されるもので、その回路構成は従来
よりよく知られている。VCO65は、通常、周波数信
号S6の最低(最小)周波数fminを指定するための
最低周波数設定端子T1を有する。最低周波数設定回路
66は、コンデンサ91と、抵抗92とを有する。コン
デンサ91と、抵抗92とは、互いに並列に接続され、
並列回路の一端がVCO65の最低周波数設定端子T1
に接続され、並列回路の他端がアースされている。最低
周波数設定回路66は、その回路定数によって、所定の
出力電力を出力することが可能な最低周波数fminを
設定する。その回路構成は、任意であり、図示に限定さ
れるものではない。
【0043】図2は、図1に示したスイッチング電源に
おいて、共振回路の周波数−インピーダンス特性を示す
図である。図示において、横軸は周波数(kHz)を示
し、縦軸は共振回路のインピーダンスを示している。特
性P1は周波数−インピーダンス特性を示している。制
御回路64は、図2の周波数ーインピーダンス特性を利
用し、共振回路の共振周波数foよりも高い動作周波数
Fでスイッチング回路1を動作させる。
【0044】過電圧保護回路63には、共振用コンデン
サ21に印加される電圧Vcrに対応した信号S3が入
力される。過電圧保護回路63は、上述の信号S3が過
電圧に対応するとき、制御回路64に対し、制御回路6
4の動作周波数を、共振回路の共振周波数f0よりは高
い特定周波数fstに固定する制御を加える(図2参
照)。
【0045】図1に示す実施例では、電流検出手段51
が備えられている。電流検出手段51は、トランス3の
二次巻線32側に流れる電流を検出して電流検出信号を
出力する。具体的には、電流検出手段51は、トランス
3の二次巻線32を構成する第2の巻線322と、第2
のダイオード422との間に挿入されており、第2の巻
線322に流れる電流I4を検出して電流検出信号を出
力する。電流検出信号は、電流I4に比例する電圧信号
として取り出される。このような電流検出手段51は、
カレントトランスまたは抵抗等を用いて構成することが
できる。
【0046】過電圧保護回路63には、電流検出手段5
1で電圧信号として生成された電流検出信号が、共振用
コンデンサ21に印加される電圧Vcrに対応した信号
S3として入力される。この種の共振型スイッチング電
源では、第2の巻線322に流れる電流I4と、共振用
コンデンサ21に印加される電圧Vcrとに、相関関係
があるから、電流I4に対応する電圧信号は、結局、共
振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrにほぼ対応
することになる。実施例は、この特徴を利用している。
【0047】過電圧保護回路63は、電流検出手段51
から電圧信号として供給される信号S3の値が、予め定
められた電圧値に対応するとき、最低周波数設定回路6
6の回路定数を変更し、制御回路64の動作周波数F
を、共振回路の共振周波数foより高い特定周波数fs
tに固定する。具体的には、抵抗93を介して、コンデ
ンサ91と、抵抗92との接続点及び最低周波数設定端
子T1に接続し、この抵抗93を、コンデンサ91及び
抵抗92に並列に接続することにより、その回路定数を
変更する。これによって、VCO5の発振周波数が共振
回路の共振周波数foより高い特定周波数fstに固定
される。最低周波数設定回路66の回路定数を変更する
手段として、過電圧保護回路63に備えられるべき回路
素子または回路は、抵抗93に限らず、その他の回路素
子、例えば、コンデンサであってもよいし、抵抗または
コンデンサの直並列回路等であってもよい。
【0048】更に、実施例では、過電流保護回路61が
備えられている。過電流保護回路61は、電流検出手段
51から電流検出信号S1が供給される。そして、過電
流保護回路61は、電流検出信号S1に基づき、過電流
を抑制するための信号S11を生成し、この信号S11
を制御回路64に供給する。
【0049】制御回路64は、過電流保護回路61から
供給される信号S11に基づいて、スイッチング回路1
に対し、動作周波数Fを上昇させ、出力電圧Voを零電
圧まで垂下させる過電流保護動作を与える。更に詳しく
は、制御回路64に含まれるVCO65が、過電流保護
回路61から供給される信号S11の電圧値に対応した
発振周波数で動作し、過電流保護のための信号S6を、
ドライブパルス生成回路67に供給する。ドライブパル
ス生成回路67は、VCO65から供給される信号S6
に基づき、スイッチング回路1に過電流保護動作を与え
る。
【0050】実施例では、過電流保護回路61と、制御
回路64とを異なるブロックとして表現したが、過電流
保護回路61を制御回路64の一部と見做してよい。
【0051】更に、実施例には出力電圧制御回路62が
備えられている。出力電圧制御回路62には、出力整流
平滑回路4から出力される出力電圧Voに対応する信号
S2が供給される。出力電圧制御回路62は、信号S2
に基づき、出力電圧検出信号S21を生成し、この信号
S21を制御回路64に供給する。
【0052】制御回路64は、出力電圧制御回路62か
ら供給される信号S21に基づいて、スイッチング回路
1に供給される信号S7の周波数を変化させ、スイッチ
ング回路1の動作周波数Fを変化させ、出力電圧Voを
一定とする出力電圧制御動作を与える。具体的には、制
御回路6に含まれるVCO65が、出力電圧制御回路6
2から供給される信号S21の電圧値に対応した発振周
波数で発振動作をし、発振周波数である信号S6を、ド
ライブパルス生成回路67に供給する。ドライブパルス
生成回路67は、VCO65から供給される信号S6に
基づき、その周波数に応じた動作周波数Fで、スイッチ
ング回路1を動作させる。これにより、出力電圧安定化
制御が得られる。
【0053】実施例では、出力電圧制御回路62と、制
御回路64とを異なるブロックとして表現したが、出力
電圧制御回路62を制御回路64の一部と見做してよ
い。
【0054】上述した本発明に係るスイッチング電源に
おいて、スイッチング回路1は、入力された直流電圧V
inをスイッチングし、そのスイッチング出力を共振回
路及びトランス3の一次巻線31に供給する。
【0055】スイッチング回路1とトランス3の一次巻
線31とを含む回路ループ内に、共振回路が接続されて
いるから、スイッチング回路1のスイッチング動作によ
り、共振回路及びトランス3の一次巻線31に疑似正弦
波電流が流れる。このとき、一次巻線31と結合する二
次巻線32に誘起電圧が発生する。この誘起電圧は、ト
ランス3の二次巻線32に接続された出力整流平滑回路
4により直流に変換され、得られた出力電圧Voが端子
T3、T4から負荷8に供給される。
【0056】負荷8の変動等により、出力電圧Voが低
下した場合、この出力電圧Voの低下は、信号S2とし
て、出力電圧制御回路62に入力される。出力電圧制御
回路62は、信号S2に基づき、出力電圧検出信号S2
1を生成し、この信号S21を制御回路64に供給す
る。制御回路64は、出力電圧制御回路62から供給さ
れる信号S21に基づいて、スイッチング回路1に供給
される信号S7の周波数(動作周波数F)を、低下させ
る方向に動作する。これにより、共振回路のインピーダ
ンスZが低くなるので、出力電圧Voが高くなる方向に
制御され、出力電圧Voが安定化される。出力電圧Vo
が上昇した場合には、上記とは逆の制御作用により、出
力電圧Voが安定化される。
【0057】負荷8が重くなった場合、負荷8に見合っ
た出力電流Ioを供給しなければならない。負荷8の増
大は、出力電圧Voが低下する方向であるから、制御回
路4は、出力電圧Voの低下を補うために、動作周波数
Fを低下させる方向に動作し、出力電圧Voを一定に保
つ。
【0058】負荷8の増大等によって、出力電流Ioが
予め定められた過電流設定値に達した場合、その過電流
状態は電流検出手段51によって検出される。電流検出
手段51によって生成された信号S1は、過電流保護回
路61に供給される。過電流保護回路61は、過電流で
あることを示す信号S1が供給されたとき、制御回路6
4に過電流制御信号S11を送る。これにより、過電流
保護作用が与えられる。
【0059】具体的には、過電流保護回路61から、制
御回路64のVCO65に対して、電圧信号である信号
S11が供給され、信号S11の電圧値に対応した周波
数で発振動作をし、発振周波数の信号S6を出力する。
制御回路64のドライブパルス生成回路67は、信号S
6に基づいて、スイッチング回路1に過電流制御のため
の信号S7を供給する。
【0060】図3は過電流保護回路61による過電流保
護動作を示す図である。図3において、横軸に出力電流
Ioをとり、縦軸に出力電圧Voをとってある。図示す
るように、制御回路64は、過電流設定値Iocに対応
する過電流制御信号S11が供給されたとき、出力電圧
Voを零ボルトまでに垂下させるような過電流保護作用
を、スイッチング回路1に与える。
【0061】ここで、共振用コンデンサ21に印加され
る電圧をVcr、共振回路に流れる電流をIr、励磁電
流をIm、負荷8に流れる電流をIo、トランス3の巻
数比をnとすると、共振回路に流れる電流Irは、励磁
電流Imと、一次側換算負荷電流(Io/n)との和、
即ち、 Ir=Im+Io/n となる。ここに、励磁電流Imは共振用インダクタ22
の励磁電流と、トランス3の励磁電流との和である。
【0062】起動時において、トランス3の二次側に流
れる電流I3は、負荷電流Ioと、出力平滑用コンデン
サ412に流れ込む充電電流I5との和となるから、電
流I3は通常の定格出力電流よりも大きな電流となる。
この電流I3は、当然、トランス3の一次巻線31の側
から供給されるので、電流I3は、起動時には、共振回
路に流れる電流Irも、通常よりは大きな値(過電流)
になる。共振回路は、共振用コンデンサ21、共振用イ
ンダクタ22及びトランス3で構成されており、共振用
コンデンサ21には、共振回路によって流れた電流Ir
によって定まる電圧が発生する。起動時には、前述した
ように、大きな電流(過電流)が流れるので、共振用コ
ンデンサ21には大きな電圧(過電圧)Vcrが印加さ
れる。
【0063】ところが、過電流保護回路61を含む過電
流制御系は、閉ループ制御系であり応答遅れ時間を持
つ。このため、共振回路に流れる電流Irが瞬時に増大
し、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrが、
瞬時に過電圧となった場合には、過電流保護回路61
は、この過電圧に応答することができない。仮に応答速
度を速くして応答させようとした場合は、異常発振を招
いてしまう。この点について、図1を参照して更に具体
的に説明する。
【0064】図1に示したスイッチング電源は、既に述
べたように、動作周波数Fを制御することによって、共
振回路のインピーダンスを変化させ、伝送されるエネル
ギーを制御するものであって、通常動作時は、出力電圧
Voを検出し、その検出信号S2を出力電圧制御回路6
2に供給し、更に出力電圧制御回路62から制御回路6
4に信号S21を供給することによって、動作周波数F
を決定し、決定された動作周波数Fを有する信号S7
を、ドライブ回路10を介して、スイッチング回路1
1、12に与えて動作させる。過電流保護動作も、上述
した動作と同様であり、過電流を検出して、動作周波数
Fを決定する。
【0065】このような閉ループ制御系では、位相とゲ
インとを適正値に設定しなければならない。閉ループ制
御系の応答速度は、出力フィルタとして動作する平滑回
路41のカットオフ周波数よりも低く設定する必要があ
る。応答速度を、カットオフ周波数よりも高い帯域に設
定すると、異常発振を引き起こす。例えば、出力平滑回
路41に含まれるチョークコイル411のインダクタン
ス値を2.3μHとし、出力平滑コンデンサ412の容
量値を6600μFとした場合、出力平滑回路41のカ
ットオフ周波数は約1.3kHzとなる。出力電圧の安
定化制御及び過電流保護のための制御ループの応答速度
は、このカットオフ周波数1.3kHzよりも遅くなる
ように設定する必要がある。
【0066】もし、出力電圧制御ループの応答速度を、
カットオフ周波数よりも速くなるように設定した場合に
は、通常の制御動作において、異常発振が起こり、異音
の発生、リップルの増大等の問題を生じる。
【0067】また、過電流制御ループの応答速度をカッ
トオフ周波数よりも速くなるように設定した場合には、
過電流保護動作において、異常発振が起こり、または起
動不良等の問題を生じる。
【0068】本発明に係るスイッチング電源では、この
ような問題点を解決する手段として、過電圧保護回路6
3を有する。過電圧保護回路63には、共振用コンデン
サ21に印加される電圧Vcrに対応した信号S3が入
力される。
【0069】起動時において、共振用コンデンサ21に
印加される電圧VCrが瞬時的に過電圧に近い電圧値に
上昇した場合、過電圧保護回路63は、上述の信号S3
に基づき、制御回路64の動作周波数Fを制御し、共振
用コンデンサに過電圧が印加されるのを防止する。より
具体的には、過電圧保護回路63は、共振用コンデンサ
21に印加される電圧VCrが瞬時的に過電圧に近い電
圧値に上昇した場合、共振回路の共振周波数foより高
い特定周波数fstに固定する。
【0070】瞬時的過電圧を生じる代表例は、起動時で
あるが、それ以外の場面でも、過電流保護回路61の追
従できない瞬時的過電圧は発生し得る。このような場合
も、動作周波数Fを特定周波数fstに固定する過電圧
保護動作が行われる。
【0071】特定周波数fstは、実用上、部品ディレ
ーテイングを確保するために、共振用コンデンサ21に
おいて許容される最大印加電圧に対応する周波数よりも
高い値に設定するのがよい。
【0072】過電圧保護回路63の動作点Istは過電
流保護時の動作点Iocよりも高い値に設定してある
(図3参照)から、通常動作時には、過電圧保護回路6
3は動作しない。
【0073】上述のように、制御回路64の動作周波数
Fを、共振回路の共振周波数foより高い特定周波数f
stに固定すると、共振回路のインピーダンスZが、こ
の特定周波数fstに対応した値Z1(図2参照)に固
定される。この結果、共振回路に流れる電流Irの増加
が押えられ、共振用コンデンサ21に印加される電圧V
crの上昇が押えられる。従って、共振用コンデンサ2
1が過電圧から保護される。
【0074】図4は従来のスイッチング電源における起
動時の各部の電圧及び電流の波形図である。従来のスイ
ッチング電源とは、図1の回路図において、過電圧保護
回路63を省いたものである。図4(a)は、図1にお
いてスイッチング素子12の両端に印加される電圧Vd
sの波形図である。電圧Vdsは、FETでなるスイッ
チング素子12のドレイン−ソース間電圧である。図4
(b)は、共振回路を流れる電流Irの波形図である。
図4(c)は共振用コンデンサ21に印加される電圧V
crの波形図である。図4(a)、(b)、(c)にお
いて、横軸は時間軸である。
【0075】従来のスイッチング電源は、過電流保護回
路61は有するが、その応答速度が遅い。このため、図
4(a)に示すように、スイッチング素子12の両端に
印加される電圧Vds(約400V)が断続された場合
に、図4(b)に示すように、電源投入時を基準(0)
にして約30μSの間、共振回路に最大13.5Aの電
流Irが流れ、図4(c)に示すように、共振用コンデ
ンサ21に、最大1300Vの過電圧Vcrが印加され
る。即ち、過電流保護回路61は、起動時過電流及び過
電圧に応答できない。もし、応答速度を上げた場合は、
異常発振を生じるし、起動不良を招いてしまう。
【0076】図5は、図1に示したスイッチング電源に
おける起動時の各部の電圧及び電流の波形図である。図
5(a)はスイッチング素子12の両端に印加される電
圧Vdsの波形図である。電圧Vdsは、FETでなる
スイッチング素子12のドレイン−ソース間電圧であ
る。図5(b)は、共振回路を流れる電流Irの波形図
である。図5(c)は、共振用コンデンサ21に印加さ
れる電圧Vcrの波形図である。図5(a)、(b)、
(c)において、横軸は時間軸である。
【0077】図1に示したスイッチング電源では、過電
圧保護回路63により、制御回路64の動作周波数F
を、特定周波数fstに固定することができるので、共
振回路のインピーダンスZが、この特定周波数fstに
対応した値Z1に固定される(図2参照)。この結果、
共振回路に流れる電流Irが、図5(b)のように、最
大5.6Aに抑えられ、共振用コンデンサ21に印加さ
れる電圧Vcrも、図5(c)に示すように、最大54
0Vに抑えられる。従って、共振用コンデンサ21が過
電圧から保護される。
【0078】しかも、上述した過電圧保護動作は開ルー
プ制御である。このため、共振用コンデンサ21に過電
圧が印加されようとしたとき、即座にその過電圧を抑制
できる。
【0079】更に、上述の過電圧保護動作は、開ループ
制御であるので、異常発振を生じる恐れはない。従っ
て、本発明の共振型スイッチング電源は、安定した動作
を確保できる。
【0080】また、上述のように、共振用コンデンサ2
1に印加される過電圧を瞬時的に抑制できる。従って、
本発明の共振型スイッチング電源では、共振用コンデン
サ21として、耐電圧の低いコンデンサを用いることが
できる。
【0081】本発明では、パルス・バイ・パルス制御を
用いずに、共振用コンデンサ21に印加される過電圧を
瞬時的に抑制できる。このため、ゼロ・ボルト・スイッ
チングに適した共振型スイッチング電源を実現できる。
【0082】更に、過電圧保護回路63を有することに
より、共振回路に含まれる共振用インダクタ22のコア
の磁気飽和に起因する過電圧をも、確実に阻止できる。
次に、この点について述べる。
【0083】図6は、図1に示したスイッチング電源に
含まれる共振用インダクタ22の電流−インダクタンス
特性を示す図である。図示において、横軸は、共振用イ
ンダクタ22に流れる電流Irを示し、縦軸は、共振用
インダクタ22のインダクタンスLを示している。図6
はフェライト・コアを用いたインダクタ22の具体的な
特性例である。
【0084】図6に示すように、共振用インダクタ22
は、共振回路に流れる電流Irが大きくなると、インダ
クタンスLが低下するような電流−インダクタンス特性
を有する。共振用インダクタ22は、コアに磁気飽和を
生じない電流Irが流れている間は、一定したインダク
タンス値L1を示すが、コアが磁気飽和し始める程の電
流Ir1が流れると、インダクタンス値が急激に低下す
る。図6の場合、電流Ir2が流れると、インダクタン
ス値L1の約半分のインダクタンス値L2まで低下して
しまう。
【0085】図7は共振回路の周波数−インピーダンス
特性を示す図である。図示において、横軸は周波数を示
し、縦軸は共振回路のインピーダンスを示している。特
性P2は、共振用インダクタ22が図5のインダクタン
ス値L1で動作している時の周波数−インピーダンス特
性、特性P3は共振用インダクタ22が図6のインダク
タンス値L2で動作している時の周波数−インピーダン
ス特性である。
【0086】共振用インダクタ22のインダクタンスL
がインダクタンス値L1からインダクタンス値L2に低
下すると、共振回路の周波数−インピーダンス特性は、
図7に示すように、特性P2から特性P3に変化する。
【0087】共振用インダクタ22が図5のインダクタ
ンス値L1で動作している時の特性P2では、動作周波
数F=f1(kHz)におけるインピーダンスZ3は約
20Ωであるが、共振用インダクタ22がインダクタン
ス値L2で動作している時の特性P3では、同一の動作
周波数F=f1(kHz)におけるインピーダンスZ4
は約10Ωであり、特性P2の約半分のインピーダンス
値に低下している。この状態は、更に過大な電力を出力
できる状態であり、共振回路に流れる電流Irに含まれ
る励磁電流Imが更に増加し、電流Irも増加するか
ら、インピーダンスが更に低下する。この正帰還作用に
より、共振用コンデンサ21に印加される電圧Vcrが
急速に過電圧状態になる。
【0088】本発明のスイッチング電源の場合、共振回
路に流れる電流Irが増大し、共振用コンデンサ21に
印加される電圧Vcrが過電圧に近い状態となったと
き、動作周波数Fが周波数fstに固定され、共振回路
のインピーダンスZがその周波数fstに対応した値に
固定される。この結果、共振回路に流れる電流Irの増
加が抑制され、共振用コンデンサ21に印加される電圧
Vcrの上昇が止まる。従って、共振用コンデンサ21
が過電圧から保護される。
【0089】図8は図1に示したスイッチング電源に含
まれる電流検出手段51、過電流保護回路61、出力電
圧制御回路62及び過電圧保護回路63の具体的な回路
構成を示す図である。
【0090】電流検出手段51は、カレントトランスで
なり、一次巻線511を出力整流ダイオード422に直
列に接続し、二次巻線512の両端間に抵抗513を接
続してある。電流検出信号は、電圧信号として、二次巻
線512に取り出される。
【0091】過電流保護回路61は、電流検出手段51
の二次巻線512に生じた信号を整流素子613によっ
て整流し、整流された信号をコンデンサ614によって
平滑し、平滑された信号を、増幅回路611の入力端子
(−)に供給するようになっている。増幅回路611の
入力端子(+)には基準電圧源612が供給されてい
る。増幅回路611は、入力端子(−)に供給される電
流検出信号S1と、基準電圧源612との差分を増幅
し、増幅された信号(電圧)S11を、制御回路64を
構成するVCO65に供給する。過電流保護回路61の
動作は既に述べた通りである。
【0092】出力電圧制御回路62は、出力電圧検出信
号S2を、整流素子623を介して、増幅回路621の
入力端子(−)に供給するようになっている。増幅回路
621の入力端子(+)には基準電圧源622が供給さ
れている。増幅回路621は、入力端子(−)に供給さ
れる出力電圧検出信号S2と、基準電圧源622との差
分を増幅し、増幅された信号(電圧)S21を、制御回
路64を構成するVCO65に供給する。出力電圧制御
回路62の動作は既に述べた通りである。
【0093】過電圧保護回路63は、トランジスタ63
1、ツェナーダイオード633、ダイオード634、抵
抗632及びコンデンサ635等を含んでいる。電流検
出手段51の二次巻線512に生じた電流検出信号S3
をダイオード634によって整流し、整流された信号を
コンデンサ635によって平滑し、平滑された信号を、
ツェナーダイオード633を介して、トランジスタ63
1のベースに供給する。電流検出手段51の二次巻線5
12に生じた電流検出信号S3の電圧レベルが過電圧に
近い値に対応するとき、ツェナーダイオード633が導
通し、トランジスタ631が導通する。これにより、最
低周波数設定回路66の抵抗92に対して、抵抗93が
並列に接続され、抵抗92及びコンデンサ91とによっ
て定まっていた最低周波数fminが、それよりも高い
特定周波数fstに固定される。これにより、共振用コ
ンデンサ21が過電圧から保護される。
【0094】次に、本発明に係るスイッチング電源の他
の実施例を、図9、10を参照して説明する。これらの
図において、図1に図示された構成部分と同一の構成部
分については、同一の参照符号を付し、重複説明は省略
する。
【0095】まず、図9の実施例では、電流検出手段5
1は一次巻線31と直列に挿入してある。図10の実施
例では、共振用コンデンサ21の端子電圧Vcrを直接
に検出して、その検出信号を、過電圧保護回路63に供
給するようにしてある。図10の実施例は、一次側に印
加される電圧が低い場合に有効である。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。 (a)共振用コンデンサに瞬時的に印加される過電圧を
抑制し得る共振型スイッチング電源を提供することがで
きる。 (b)動作の安定した共振型スイッチング電源を提供す
ることができる。 (c)共振用コンデンサとして、耐電圧の低いコンデン
サを用い得る共振型スイッチング電源を提供することが
できる。 (d)ゼロ・ボルト・スイッチングに適した共振型スイ
ッチング電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源の電気回路図で
ある。
【図2】図1に示したスイッチング電源において、共振
回路の周波数−インピーダンス特性を示す図である。
【図3】図1に示したスイッチング電源に含まれる過電
流保護回路の過電流保護動作を示す図である。
【図4】従来のスイッチング電源における起動時の各部
の電圧及び電流の波形図である。
【図5】図1に示したスイッチング電源における起動時
の各部の電圧及び電流の波形図である。
【図6】図1に示したスイッチング電源に含まれる共振
用インダクタの電流−インダクタンス特性を示す図であ
る。
【図7】図1に示したスイッチング電源に含まれる共振
回路の周波数−インピーダンス特性を示す図である。
【図8】図1に示したスイッチング電源に含まれる電流
検出手段、過電流保護回路、出力電圧制御回路及び過電
圧保護回路の具体的な回路構成を示す図である。
【図9】本発明に係るスイッチング電源の別の実施例を
示す電気回路図である。
【図10】本発明に係るスイッチング電源の更に別の実
施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 スイッチング回路 21 共振用コンデンサ 22 共振用インダクタ 3 トランス 31 一次巻線 32 二次巻線 4 出力整流平滑回路 64 制御回路 63 過電圧保護回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング回路と、共振回路と、トラ
    ンスと、出力整流平滑回路と、制御回路と、過電圧保護
    回路とを含むスイッチング電源であって、 前記スイッチング回路は、入力された直流電圧をスイッ
    チングし、 前記トランスは、少なくとも、一次巻線と、二次巻線と
    を含んでおり、 前記共振回路は、共振用コンデンサを含み、前記スイッ
    チング回路と前記一次巻線とを含む回路ループ内に接続
    されており、 前記出力整流平滑回路は、前記二次巻線に接続されてお
    り、 前記制御回路は、前記共振回路の共振周波数よりも高い
    動作周波数で前記スイッチング回路を動作させるもので
    あり、 前記過電圧保護回路は、前記共振用コンデンサに印加さ
    れる電圧に対応した信号が入力され、前記信号が予め定
    められたコンデンサ印加電圧に対応するとき、前記制御
    回路に制御を加え、前記動作周波数を、コンデンサ印加
    電圧が過電圧とならない周波数に設定するスイッチング
    電源。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたスイッチング電源
    であって、 前記過電圧保護回路は、前記制御回路に対し、前記制御
    回路の前記動作周波数を、前記共振回路の共振周波数よ
    りは高い特定周波数に固定する制御を加えるスイッチン
    グ電源。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された
    スイッチング電源であって、 前記制御回路は、過電流保護回路を含み、前記過電流保
    護回路による過電流検出時に、前記スイッチング回路に
    対し過電流保護動作を与えるスイッチング電源。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載されたス
    イッチング電源であって、 更に、電流検出手段を含み、 前記電流検出手段は、出力電流を検出して電流検出信号
    を生成し、前記電流検出信号を、前記過電流保護回路に
    供給するスイッチング電源。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたスイッチング電源
    であって、 前記過電圧保護回路は、前記電流検出手段で生成された
    前記電流検出信号が、前記共振用コンデンサに印加され
    る電圧に対応した信号として入力されるスイッチング電
    源。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されたスイッチング電源
    であって、 前記過電圧保護回路は、前記電流検出信号で見て、動作
    点が、前記過電流保護回路の動作点よりも高いスイッチ
    ング電源。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載されたス
    イッチング電源であって、 前記制御回路は、出力電圧制御回路を含み、前記出力電
    圧制御回路は出力電圧を検出して、出力電圧検出信号を
    生成し、 前記制御回路は、前記出力電圧検出信号に基づいて前記
    動作周波数が制御されるスイッチング電源。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載されたス
    イッチング電源であって、 前記制御回路は、電圧制御発振回路を含んでおり、 前記電圧制御発振回路は、入力される電圧信号に応じて
    発振周波数が制御され、前記発振周波数が前記動作周波
    数として利用されるスイッチング電源。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたスイッチング電源
    であって、 前記電圧制御発振回路は、最低発振周波数設定回路を有
    し、前記最低発振周波数設定回路の回路定数によって最
    低発振周波数が定まり、 前記過電圧保護回路は、前記最低発振周波数設定回路の
    回路定数を変更させるスイッチング電源。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れかに記載された
    スイッチング電源であって、 前記共振用コンデンサ及び前記共振用インダクタは、直
    列共振回路を構成するスイッチング電源。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れかに記載され
    たスイッチング電源であって、 前記スイッチング回路は、2つのスイッチング素子を有
    し、 前記2つのスイッチング素子は、互いに直列に接続さ
    れ、直列回路の両端が直流電源に導かれ、交互に駆動さ
    れるものであり、 前記共振用コンデンサ及び前記一次巻線は、互いに直列
    に接続され、直列回路の両端が前記2つのスイッチング
    素子の接続点と、前記2つのスイッチング素子によって
    構成される前記直列回路の一端との間に接続されている
    スイッチング電源。
JP35087299A 1999-12-09 1999-12-09 スイッチング電源 Expired - Fee Related JP4232881B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35087299A JP4232881B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 スイッチング電源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35087299A JP4232881B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 スイッチング電源

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001178126A true JP2001178126A (ja) 2001-06-29
JP4232881B2 JP4232881B2 (ja) 2009-03-04

Family

ID=18413471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35087299A Expired - Fee Related JP4232881B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 スイッチング電源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4232881B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006042545A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd スイッチング電源
JP2008522211A (ja) * 2004-11-29 2008-06-26 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ Led動作の方法及び駆動回路
JP2009027803A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Sony Corp スイッチング電源装置
JP2009170918A (ja) * 2008-01-14 2009-07-30 Tai-Her Yang 二方向性電気エネルギーインピーダンス分圧によるled一方向性駆動回路
JP2013183557A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Japan Aerospace Exploration Agency 直列接続された蓄電セルの電圧を均等化する、少数のスイッチで動作可能な電圧均等化回路

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006042545A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd スイッチング電源
JP4661119B2 (ja) * 2004-07-29 2011-03-30 パナソニック株式会社 スイッチング電源
JP2008522211A (ja) * 2004-11-29 2008-06-26 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ Led動作の方法及び駆動回路
JP2009027803A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Sony Corp スイッチング電源装置
JP2009170918A (ja) * 2008-01-14 2009-07-30 Tai-Her Yang 二方向性電気エネルギーインピーダンス分圧によるled一方向性駆動回路
JP2013183557A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Japan Aerospace Exploration Agency 直列接続された蓄電セルの電圧を均等化する、少数のスイッチで動作可能な電圧均等化回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP4232881B2 (ja) 2009-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5691137B2 (ja) スイッチング電源
JP4623092B2 (ja) 絶縁型スイッチング電源装置
JP2003224972A (ja) スイッチング電源装置
JPH06335241A (ja) トランス結合型2次直流電源生成装置
EP1334550B1 (en) Dc-dc converter with reduced input current ripples
JP2003224973A (ja) スイッチング電源装置
JP2009273324A (ja) スイッチング電源装置
JP3653075B2 (ja) スイッチング電力電送装置
JPH07123717A (ja) スイッチング電源装置
JP3568870B2 (ja) コンバータ
JP4232881B2 (ja) スイッチング電源
JP2005176535A (ja) スイッチング電源装置
JPH10225122A (ja) スイッチング電源
JPH0662568A (ja) スイッチング電源装置
JP2002199721A (ja) スイッチング電源
JP2012175809A (ja) スイッチング電源装置
JP2002159176A (ja) 電源装置及び放電灯点灯装置
JPH08308236A (ja) スイッチング電源回路
JPS62285674A (ja) 電力変換装置
JP2003164145A (ja) Dc−dcコンバータ
JPH09285122A (ja) Rccスイッチング方式電源回路
JP2006067651A (ja) スイッチング電源回路
JP2617911B2 (ja) リンギング・チヨーク・コンバータ
JP2010057207A (ja) スイッチング電源装置
JP2006304471A (ja) 自励式スイッチング電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081203

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081203

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees