JP4232707B2 - ダイカストシミュレーション方法、その装置及びそのプログラム、並びに当該プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ダイカストシミュレーション方法、その装置及びそのプログラム、並びに当該プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、ダイカスト鋳造(以下、単にダイカストという)により得られた鋳物に存在する残留歪みおよび残留応力を精度よく予測できるダイカストシミュレーションに関する。
例えば、アルミニウム合金よりなる鋳物を製造する場合には、鋳型内に溶融した材料(溶湯)を加圧充填する方法であるダイカストが多用されている。
ダイカストにより得られる鋳物における課題としては、ひけ巣欠陥、空気等の巻き込み欠陥、湯回り不良欠陥等の他に、鋳物に残る残留歪みおよび残留応力がある。
従来、ダイカストシミュレーションとして、ひけ巣などの鋳造欠陥を予測するものが種々考案されてきたが、残留歪みおよび残留応力を解析するものはほとんど存在していなかった。また、残留歪みおよび残留応力を解析するものであったとしても、それは、凝固後の冷却過程における線膨張係数の変化に基づいて解析するものであり、実際に鋳物に現れる残留歪みおよび残留応力と大きな差異があり、信頼性が低いものであった。
この要因は、鋳造圧力は、ひけ巣部への溶湯の補給への駆動力に使われるのみであり、固相の変化には寄与しないと考えられていたことによる。
例えば、下記の特許文献1に開示された金属溶湯の流動凝固解析方法では、凝固解析において、型を微小要素に分割し、その微小要素毎に熱伝導および溶質移動を解析している。この方法では、鋳造圧力を固相内の溶湯流れの駆動力として取扱い、固相の変形はなく、固相間の溶湯流れのみに鋳造圧力(溶湯圧力)が寄与しているとしてある。
しかしながら、このように、鋳造圧力が固相間の溶湯流れのみに寄与し、残留歪みは冷却時(温度300℃以下)の線膨張差により生じるという手法では、精度よく鋳物の残留歪みおよび残留応力を求めることができなかった。
特開平10−34320号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、残留歪みおよび残留応力を精度よく解析することができるダイカストシミュレーション方法、その装置及びそのプログラム、並びに当該プログラムを記録した記録媒体を提供しようとするものである。
第1の発明は、鋳型内に溶湯を加圧注入して凝固させることにより所望形状の鋳物を得るダイカストを行う際に、少なくとも上記鋳物に生じる歪み及び応力を求めるダイカストシミュレーション方法であって、
上記鋳型の形状データを基に、鋳型部分に位置する鋳型要素、鋳型内の空間に位置する鋳物要素、及び該鋳物要素に加圧力を加える部分に位置する加圧要素として、それぞれ複数の微小要素に分割する要素作成ステップと、
上記鋳物要素のすべてに溶湯が充填された状態の熱的特性値を付与し、該熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度と固相率を経時的に求める凝固解析ステップと、
該凝固解析ステップにより得られた温度及び/又は固相率を基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求めると共に、上記加圧要素によって上記鋳物要素に加圧力を付加し、該加圧力と上記機械的特性値とを基にして、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を経時的に求める途中応力解析ステップと、
上記鋳物要素のすべてが固相になった後に、熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度を経時的に求める冷却解析ステップと、
該冷却解析ステップにより得られた温度を基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求めると共に、該機械的特性値を基にして、かつ、上記途中応力解析ステップにおいて得られた上記鋳物要素の歪み、変位および応力を初期値として用い、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を経時的に求める熱応力解析ステップとを有することを特徴とするダイカストシミュレーション方法にある(請求項1)。
本発明のダイカストシミュレーション方法では、少なくとも、上記要素作成ステップ、凝固解析ステップ、途中応力解析ステップ、冷却解析ステップ、および熱応力解析ステップを行い、最終的に上記熱応力解析ステップを例えば室温まで行うことによって、鋳物に生じる残留歪みおよび残留応力を精度よく求めることができる。
すなわち、本発明の方法では、特に上記途中応力解析ステップを有している。ここでは、上記のごとく、凝固解析ステップにより得られた温度及び/又は固相率を基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求めると共に、上記加圧要素によって上記鋳物要素に加圧力を付加し、該加圧力と上記機械的特性値とを基にして、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を経時的に求める。これにより、従来のシミュレーションでは求めなかった凝固途中における各鋳物要素の歪み、変位および応力が得られる。そのため、その後の上記熱応力解析ステップにおいては、この凝固過程に生じた各鋳物要素の歪み、変位および応力を前提として、これに積み重ねるように凝固後における各鋳物要素の歪み、変位および応力を求めることができる。
それ故、従来のような凝固途中における固相の変形がないという前提の基に行うシミュレーションに比べ、鋳物に残る残留歪みおよび残留応力の解析の精度を格段に高めることができる。そして、このダイカストシミュレーション方法を用いれば、残留歪みおよび残留応力の小さい鋳物が得られる鋳物設計を支援することができる。
第2の発明は、上記第1の発明のダイカストシミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのダイカストシミュレーションプログラムにある(請求項6)。
第3の発明は、上記第2の発明のダイカストシミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にある(請求項7)。
第4の発明は、上記第1の発明のダイカストシミュレーション方法を実行するよう構成されたコンピュータを有することを特徴とするダイカストシミュレーション装置にある(請求項8)。
これら第2〜第4の発明は、いずれも、これらを用いて上記ダイカストシミュレーションを実施することができ、上述したように、鋳物に残る残留歪みおよび残留応力を従来よりも精度よく解析することができる。
第1の発明においては、上記のごとく、少なくとも、要素作成ステップと、凝固解析ステップと、途中応力解析ステップと、冷却解析ステップと、熱応力解析ステップとを実施する。以下に、これらについてさらに説明する。
<要素作成ステップ>
要素作成ステップでは、取り込む鋳型の形状データとして様々な形式のデータを用いることができるが、例えば、国際規格IGES(Initial Graphics Exchange Specification)の機能を介して取り込むことができる。
なお、鋳型内の空間部分(キャビティ部分)はできる限り正確な形状が必要であるが、鋳型部分の形状としては、最小限に絞ることができる。また、上記加圧要素としては、例えば、実際の鋳造時おいて溶湯に圧力をかけるプランジャーに接する鋳物部分を想定して定義することができる。なお、この要素作成ステップにおいて、上記各微小要素を定義すると共に、それぞれの物性値等を与えることもできるが、これは後の解析ステップにおいて行ってもよい。
また、上記微小要素の大きさはできる限り小さい方が精度向上のために好ましいが、小さいほど解析時間が長くなるので、適度な大きさにすることが好ましい。また、微小要素の大きさをすべての部分で統一する必要はなく、部位によって変更することができる。
<凝固解析ステップ>
凝固解析ステップは、上記鋳物要素のすべてに溶湯が充填された状態から開始する。そして、このステップにより解析を開始する際に、各鋳物要素の熱的特性値の初期値を付与する。ここでいう熱的特性値としては、例えば、密度、比熱、熱伝導率、潜熱等がある。また、これらの特性値は、温度等によって変化させることが好ましいが、大幅な精度低下につながらない限り一定値に固定することもできる。
なお、この凝固解析ステップを実施する前に、後述する充填解析ステップを実施して、溶湯の挙動を考慮して溶湯充填完了時あるいはその後の冷却を経て凝固開始する際における各鋳物要素の熱的特性値の初期値を定めることもできる。
そして、この凝固解析ステップでは、上記の熱的特性値に基づいて、微小時間後の上記鋳物要素の温度と固相率を求める。ここで、固相率(fs)とは、その微小要素の体積をA、固相の部分の体積をBとした場合の、B/Aで示される値であって、その要素全体が液相の場合を0、要素全体が固相の場合を1として表す値である。
この凝固解析ステップは、鋳物要素のすべてが固相のみとなるまで、すなわち、すべての固相率が1になるまで繰り返し行われる。
また、凝固解析ステップにおいて鋳物要素の温度と固相率の求め方は様々な手法により行うことができる。
例えば、鋳物要素と鋳型要素のそれぞれの比熱、熱伝導率、および密度と、鋳物要素と鋳型要素の間の熱伝達率等を用いた熱力学的エネルギの式を基にして熱伝導解析を行って温度を求め、その後、溶湯の潜熱放出を考慮して固相率を求める手法がある。
また、上記の鋳物要素の比熱をみかけ比熱(潜熱放出を考慮した比熱)に代えて熱伝導解析を行って温度を求め、その後、シャイルの式を用いて固相率を求める手法もある。
<途中応力解析ステップ>
途中応力解析ステップでは、まず、上記凝固解析ステップにより温度及び固相率が得られる毎に、これらを基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求める。ここでいう機械的特性値は、例えば、ヤング率、ポアソン比、線膨張係数、耐力、加工硬化指数等がある。なお、これらの機械的特性値は、上記温度あるいは固相率に基づいて必ずしも変化させる必要はなく、固定値を用いても誤差が少ない場合には固定値を適用することも可能である。
また、途中応力解析ステップでは、上記加圧要素によって上記鋳物要素に加圧力を付加する。この場合の加圧力の付加方法としては、例えば、実際の溶湯の加圧圧力に相当する加圧力を一気に加え、以後同一圧力をキープする方法、実際の加圧圧力に相当するまで徐々に加圧力を高めて行く方法等がある。
そして、上記加圧力と上記機械的特性値を基にして、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を求める。これを上記凝固解析ステップの結果が出る度に繰り返し行い、鋳物要素のすべてが固相、すなわちすべての固相率が1となるまで行う。
<冷却解析ステップ>
冷却解析ステップは、上記鋳物要素のすべてが固相(固相率が1)になった後、つまり、凝固が完了した後に実施し、上記熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度を経時的に求める。この段階では、固相を求める必要がないので、少なくとも鋳物要素の温度の変化を求める。
<熱応力解析ステップ>
熱応力解析ステップでは、上記途中応力解析ステップによって得られた各鋳物要素の歪み、変位および応力を初期値として、凝固完了後の歪み、変位および応力を引き続き求めていく。
すなわち、熱応力解析ステップでは、まず上記冷却解析ステップにより得られた温度を基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求める。ここで用いる機械的特性値の種類としては、上記途中応力解析ステップにおいて用いたものと同様である。また、ここで、上記機械的特性値は、必ずしも温度に応じて変化させる必要はなく、固定値を用いても誤差が少ない場合には固定値を適用することも可能である。
そして、熱応力解析ステップにおいては、上記のごとく、途中応力解析ステップにおいて得られた上記鋳物要素の歪み、変位および応力を初期値として用い、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を求める。
この熱応力解析ステップを、上記冷却解析ステップにおける温度が室温になるまで繰り返すと、最終的に室温になった鋳物における残留歪みおよび残留応力を得ることができる。
次に、上記第1の発明においては、上記途中応力解析ステップにおける上記加圧要素は、剛体要素とすることが好ましい(請求項2)。
すなわち、上記加圧要素としては、通常は、各要素にそれぞれ圧力が付与される状態で解析する場合が多い。しかし、この場合には、固相率が1の部分には実質的に変位が生じず、固相率が低い部分が集中して変位し、実際の加圧現象を十分に再現できない場合がある。
これに対し、上記のごとく加圧要素を剛体要素として、その全体が変位するようにして解析することにより、解析精度を高めることができる。
また、上記凝固解析ステップを開始する前には、溶湯が上記鋳物要素に充填される充填解析を経時的に行う充填解析ステップを行い、該充填解析ステップの解析結果に基づいて上記凝固解析ステップにおける上記熱的特性値の初期値を付与することが好ましい(請求項3)。
この場合の充填解析ステップとしては、例えば、いわゆるNavier-Stokesの式と連続の式を用いて湯流れ解析を行うと共に、いわゆる熱力学的エネルギの式を用いて充填時の温度解析を行う。さらに、充填後の鋳物要素の冷却を解析するステップを加え、上記凝固解析ステップに連続的に繋ぐこともできる。
この場合には、実際の鋳造により近いシミュレーションを行うことができ、その解析精度を更に高めることができる。なお、ステップが増加する分、解析時間の増加は否めない。
また、上記途中応力解析ステップにおける上記機械的特性値としては、少なくとも、固相率の値を変数とするヤング率算出式により求めたヤング率と、固相率の値を変数とするポアソン比算出式により求めたポアソン比とを用いることが好ましい(請求項4)。すなわち、上記のごとく機械的特性値としては、固定値を用いることも可能であるが、ヤング率とポアソン比とは、固相率を変数とする上記ヤング率算出式とポアソン比算出式とを用いて求めることが好ましい。固相率に応じてヤング率とポアソン比を積極的に変更することにより、各鋳物要素をあたかも固相のような状態で扱いつつ、その鋳物要素における計算上の歪み、変位及び応力を妥当な値として求めることができる。
また、この場合の上記ヤング率算出式および/または上記ポアソン比算出式としては、固相率の範囲を複数の区分に分けた場合の当該区分毎に異なる式を用いることが好ましい(請求項5)。例えば一例を示すと、上記溶湯がアルミニウム合金の場合には、固相率が0.3〜1の場合には、ヤング率(GPa)=(10+固相率×40)、ポアソン比=(0.33−0.01×固相率)を用い、固相率が0.3未満の場合には、ヤング率(GPa)=(7+固相率×50)、ポアソン比=(0.44−0.99×固相率)を用いることができ、この場合にはさらに解析精度を高めることができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るダイカストシミュレーション方法及びその装置につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例のダイカストシミュレーション装置1は、図2に示すごとく、各解析ステップを実行する手段を備えたコンピュータ10を有する装置である。コンピュータ10には、キーボード、記憶媒体読み取り装置等の入力装置11と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置12が接続されている。
コンピュータ10が実行可能な手段は、後述するダイカストシミュレーション方法における各ステップを実行する手段であり、具体的には、要素作成ステップ実行手段21と、凝固解析ステップ実行手段23と、途中応力解析ステップ実行手段24と、冷却解析ステップと実行手段25と、熱応力解析ステップ実行手段26とを有している。なお、これらの実行手段は、後述するダイカストシミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのダイカストシミュレーションプログラムとして作成したものを読み込んで実行可能としたものである。なお、同図に示すごとく、オプションとして充填解析手段実行手段を22を追加することもできるが、本例では省略してある。
本例のダイカストシミュレーション方法は、図1に示すごとく、要素作成ステップS101と、凝固解析ステップS301と、途中応力解析ステップS302と、冷却解析ステップS401と、熱応力解析ステップS402とを行う方法である。なお、この方法においては、凝固解析ステップS301の前に溶湯を充填する際の解析を行う充填解析ステップS201をオプションとして加えることができるが、本例では加えていない。
以下、これをさらに詳説する。
まず、本例では、図3、図4に示すごとく、アルミニウム合金よりなる直方体状の鋳物8を作ることを想定し、また、溶湯の注入加圧部81及び第1ランナ部82、第2ランナ部83も鋳物の一部としたモデルを想定する。そして、これらを囲う部分が鋳型部分7であり、上記注入加圧部81を押圧するプランジャ70に接する部分85を加圧部分として想定する。そして、これらを空間とした鋳型形状をCADデータとして作成し、このCADデータを用いて要素作成ステップS101を行う。
要素作成ステップS101は、上記CADデータを基に、鋳型部分7に位置する鋳型要素、鋳型内の空間(鋳物8、注入加圧部81及び第1ランナ部82、第2ランナ部83を含む部分)に位置する鋳物要素、及び該鋳物要素に加圧力を加える部分(プランジャ70に当接する部分85)に位置する加圧要素として、それぞれ複数の微小要素に分割するステップである。
次に、本例では、充填解析を行うことなく、凝固解析ステップS301を実施する。
凝固解析ステップS301では、上記鋳物要素のすべてに溶湯が充填された状態の熱的特性値を付与する。本例で鋳物要素に与える熱的特性値は、比熱、熱伝導率、密度、及び鋳型との熱伝達率である。また、鋳型要素にも比熱、熱伝導率、密度を与える。なお、これらの熱的特性値は、予め上記要素作成ステップにおいて与えておき、この凝固解析ステップS301においてあらためて置き換えることもできる。
そして、凝固解析ステップS301では、上記熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度と固相率を求め出力する。
具体的な計算方法は、様々な方法があるが、本例では下記の式[数1]に代表される熱力学的エネルギの式及び下記の式[数2]に代表される固相率fsを求める式を用いて行う。
次に、上記凝固解析ステップS301の解析結果が出力される度に上記途中応力解析ステップS302を行う。
途中応力解析ステップS302では、まず、凝固解析ステップS301により得られた温度及び固相率を基にして鋳物要素の機械的特性値を求める。本例では、鋳物すなわち溶湯がアルミニウム合金であるので、固相率が0.3〜1の場合には、ヤング率(GPa)=(10+固相率×40)、ポアソン比=(0.33−0.01×固相率)を用い、固相率が0.3未満の場合には、ヤング率(GPa)=(7+固相率×50)、ポアソン比=(0.44−0.99×固相率)を用いてヤング率及びポアソン比を用いた。また、本例では、線膨張係数として固定値を用いた。
さらに、このステップでは、上記加圧要素によって上記鋳物要素に加圧力を付加する。本例では、加圧力としては、最終的に実際に付加する鋳造圧力を想定して加えるが、その加圧力は徐々に増やしていき、凝固完了までの間に最大圧力に到達するように設定した。また、加圧力のかけ方は、それぞれの加圧要素に与える方法で行い、剛体要素としての設定は行わなかった。
そして、この途中応力解析ステップS302では、その時の上記機械的特性値と加圧力とを基にして、鋳物要素の歪み、変位及び応力を経時的に求め、出力する。
次に、凝固完了判断ステップS303では、上記凝固解析ステップS301における出力値の1つである固相率が、すべての鋳物要素において1になったか否かを判定する。すべての鋳物要素の固相率が1になっていない場合には、上記凝固解析ステップS301と途中応力解析ステップS302を繰り返し行う。一方、すべての鋳物要素において固相率が1になったと判定した場合には、次の冷却解析ステップS401に移る。
冷却解析ステップS401では、鋳物要素における熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度を求める。このときの熱的特性値の種類としては、上記凝固解析ステップS301の場合と同様である。なお、その値自体は、必要に応じて変更することができる。そして、温度の算出は、上記と同様に熱力学エネルギの式を用いて算出する。
次に、熱応力解析ステップS402では、冷却解析ステップS401により得られた温度を基にして鋳物要素の機械的特性値を求める。このときの機械的特性値としては、上記途中応力解析ステップS302で用いた特性値と同様な種類のものを用いる。なお、ヤング率とポアソン比とは、上述した算出式において固相率=1を代入して得られる固定値を用いる。
そして、熱応力解析ステップS402では、上記の熱的特性値を基にして、かつ、上記途中応力解析ステップにおいて得られた上記鋳物要素の歪み、変位および応力を初期値として用い、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を求める。
次に、冷却完了判断ステップS403では、上記冷却解析ステップS401における出力値の温度が、室温、具体的には20℃に到達したか否かを判定する。すべての鋳物要素の温度が室温以下の温度になっていない場合には、上記冷却解析ステップS401と熱応力解析ステップS402を繰り返し行う。一方、すべての鋳物要素において温度が室温に到達したと判定した場合には、すべての解析を終了する。
なお、ダイカストシミュレーション装置1は、上記各ステップにおける出力値をメモリ部分(図示略)に記憶し、様々な形態で出力できるように構成してある。
図7には、上記鋳物8のA部(図3、図4)における歪みの履歴を出力した例を示す。同図は、横軸に溶湯の射出を開始してから室温までの冷却が完了するまでの鋳造時間をとり、縦軸に歪みをとったものである。
そして、プロットした計算結果E1が今回の解析結果であるA部の歪みの経時的変化である。
また、本例では、図5、図6に示すごとく、シミュレーションした鋳型と同じ形状の鋳型を実際に作製し、実際にダイカストを行うと共に上記A部に相当する部分の歪みを実測した。具体的には、これらの図に示すごとく、円筒状のステンレス鋼よりなるダミー材88の内周面に歪みゲージ89を貼設しておき、このダミー材88を鋳ぐるむようにダイカストを行ってその過程で歪みを実測した。この実測値をC1として図7に合わせて示す。
同図から知られるように、本例の場合には、計算結果E1と実測値C1との差が比較的大きいが、歪みの変化傾向は忠実に再現できていることがわかる。
また、本例では、比較のために、上記途中応力解析ステップS302において、加圧力をまったく与えずに、その他は上記と同様にして解析を行った。その結果を比較例としての計算結果C2として図8に示す。同図にも、上記と同様の実測値C1を並記した。
この計算結果C2の結果(図8)と上記計算結果E1(図7)との比較から知られるように、凝固途中の上記途中応力解析ステップS302において鋳造圧力を十分に考慮することにより、解析結果が向上することが分かる。
(実施例2)
本例では、実施例1における途中応力解析ステップS302における加圧力を加える際に、その加圧要素を剛体要素に設定して解析したものである。剛体要素であるか否かによる変位の違いを図9及び図10を用いて説明する。
図9は、加圧要素が剛体要素でない場合の説明図であり、同図(a)は、プランジャに当接している加圧要素85のそれぞれに加圧力ΔPをかけた状態を示してある。また、同図(b)には、固相率の状態を示してある。固相率は、鋳型に当接している部分が1、中央が0で分布している。この状態においては、それぞれ加圧力ΔPを加えると、変位は、変位線S1で示すように中央部が最も変位する。
一方、図10は、加圧要素が剛体要素である場合の説明図であり、同図(a)は、プランジャに当接している加圧要素85全体に加圧力Pがかけられた状態を示してある。この場合の固相率の分布は、同図(b)に示すごとく上記と同様である。この状態においては、加圧力Pを加えると、剛体要素であるので、全体が同じように変位して、変位線S2で示される変位の位置は直線状となる。
このような違いに基づき、本例では加圧要素を剛体要素に設定して、その他は実施例1と同様にして解析を実施した。その結果を図11に示す。
同図は、実施例1の場合と同様に、鋳物8のA部(図3、図4)における歪みの履歴を出力したものであり、本例の結果は計算結果E2としてプロットしてある。また、同図にも、実測値を実測値C1として示してある。
同図と、先に示した図7との比較から知られるように、加圧要素を剛体要素とすることによって、計算結果と実測値との差が格段に減少し、解析精度が向上することが分かる。
(実施例3)
本例は、実施例1における途中応力解析ステップS302で用いたヤング率とポアソン比とを一定値に変更して解析した場合における、解析結果の誤差の拡大度合いを調べた例である。
実施例1における計算結果E1と実測値C1との誤差(%)と、本例における計算結果と実測値C1との誤差(%)を棒グラフで示したものが図12である。なお、これらの誤差(%)は、解析終了時における計算結果をa、実測値をbとした場合に、|a−b|/b×100(%)の式により得られたものである。
同図から知られるように、実施例1の場合には、本例(実施例3)よりも誤差が小さくより高い精度となることが分かる。そして、これにより、途中応力解析ステップS302で用いるヤング率及びポアソン比を上述した固相率の値を変数とする算出式により求めること、特に、固相率の範囲を複数の区分に分けて異なる式を用いることが非常に有効であることがわかる。
実施例1における、ダイカストシミュレーション方法を示すフロー図。 実施例1における、ダイカストシミュレーション装置の構成を示す説明図。 実施例1における、解析対象の鋳物形状を正面から見た説明図。 実施例1における、鋳型形状を断面から見た説明図。 実施例1における、ダミー材を鋳ぐるむ位置を鋳物の正面から見た説明図。 実施例1における、ダミー材を鋳ぐるむ位置を鋳物の断面から見た説明図。 実施例1における、計算結果E1の結果を示す説明図。 実施例1における、計算結果C2の結果を示す説明図。 実施例2における、剛体要素でない加圧要素の変位の状態を示す説明図。 実施例2における、剛体要素である加圧要素の変位の状態を示す説明図。 実施例2における、計算結果E2の結果を示す説明図。 実施例3における、解析誤差の比較を示す説明図。
符号の説明
1 ダイカストシミュレーション装置
10 コンピュータ
21 要素作成ステップ実行手段
23 凝固解析ステップ実行手段
24 途中応力解析ステップ実行手段
25 冷却解析ステップと実行手段
26 熱応力解析ステップ実行手段26
S101 要素作成ステップ
S301 凝固解析ステップ
S302 途中応力解析ステップ
S401 冷却解析ステップ
S402 熱応力解析ステップ

Claims (8)

  1. 鋳型内に溶湯を加圧注入して凝固させることにより所望形状の鋳物を得るダイカストを行う際に、少なくとも上記鋳物に生じる歪み及び応力を求めるダイカストシミュレーション方法であって、
    上記鋳型の形状データを基に、鋳型部分に位置する鋳型要素、鋳型内の空間に位置する鋳物要素、及び該鋳物要素に加圧力を加える部分に位置する加圧要素として、それぞれ複数の微小要素に分割する要素作成ステップと、
    上記鋳物要素のすべてに溶湯が充填された状態の熱的特性値を付与し、該熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度と固相率を経時的に求める凝固解析ステップと、
    該凝固解析ステップにより得られた温度及び/又は固相率を基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求めると共に、上記加圧要素によって上記鋳物要素に加圧力を付加し、該加圧力と上記機械的特性値とを基にして、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を経時的に求める途中応力解析ステップと、
    上記鋳物要素のすべてが固相になった後に、熱的特性値に基づいて微小時間後の上記鋳物要素の温度を経時的に求める冷却解析ステップと、
    該冷却解析ステップにより得られた温度を基にして上記鋳物要素の機械的特性値を求めると共に、該機械的特性値を基にして、かつ、上記途中応力解析ステップにおいて得られた上記鋳物要素の歪み、変位および応力を初期値として用い、上記鋳物要素の歪み、変位及び応力を経時的に求める熱応力解析ステップとを有することを特徴とするダイカストシミュレーション方法。
  2. 請求項1において、上記途中応力解析ステップにおける上記加圧要素は、剛体要素とすることを特徴とするダイカストシミュレーション方法。
  3. 請求項1又は2において、上記凝固解析ステップを開始する前には、溶湯が上記鋳物要素に充填される充填解析を経時的に行う充填解析ステップを行い、該充填解析ステップの解析結果に基づいて上記凝固解析ステップにおける上記熱的特性値の初期値を付与することを特徴とするダイカストシミュレーション方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記途中応力解析ステップにおける上記機械的特性値としては、少なくとも、固相率の値を変数とするヤング率算出式により求めたヤング率と、固相率の値を変数とするポアソン比算出式により求めたポアソン比とを用いることを特徴とするダイカストシミュレーション方法。
  5. 請求項4において、上記ヤング率算出式および/または上記ポアソン比算出式としては、固相率の範囲を複数の区分に分けた場合の当該区分毎に異なる式を用いることを特徴とするダイカストシミュレーション方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイカストシミュレーション方法をコンピュータに実行させるためのダイカストシミュレーションプログラム。
  7. 請求項6に記載のダイカストシミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイカストシミュレーション方法を実行するよう構成されたコンピュータを有することを特徴とするダイカストシミュレーション装置。
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