JPH0622840B2 - 成形プロセスシミユレ−シヨンシステム - Google Patents

成形プロセスシミユレ−シヨンシステム

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JPH0622840B2
JPH0622840B2 JP60174857A JP17485785A JPH0622840B2 JP H0622840 B2 JPH0622840 B2 JP H0622840B2 JP 60174857 A JP60174857 A JP 60174857A JP 17485785 A JP17485785 A JP 17485785A JP H0622840 B2 JPH0622840 B2 JP H0622840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明は成形材料に熱可塑性樹脂を用いる成形金型設計
用のCADシステムに係り、特に成形品のひけ、そり、
成形収縮などの成形形状歪を算定して成形材料や金型構
造、成形条件の適・不適を評価するプラスチック成形プ
ロセスシミュレーションシステムに関するものである。
(発明の背景) 成形材料に熱可塑性樹脂を用いる金型設計用のCADシ
ステムに米国GE社(国内代理店、電通国際情報サービ
ス社)が扱っているモールドフロー(以下MOLD F
LOWと称する)とエムキャップ(以下MCAP(Mold
Cooling Analysis Program)と称する)がある。
MOLD FLOWは、注入−保圧−冷却−離型の各段
階からなる射出成形過程の注入段階の樹脂流動解析を行
なうもので、流動バランスを達成するためや、成形品の
不都合箇所にウエルドラインが生じるのをさけるための
ランナー,ゲート条件を見い出すのに有用である。ま
た、流動不足やバリ発生をさけるための成形品形状(大
きさ、厚さなど)や成形条件(樹脂温度、金型温度、射
出時間、型締力など)を見い出すのに有用である。
MCAPは射出成形過程の冷却段階の熱移動解析を行な
うもので、固定型と可動型の熱流バランスを達成した
り、成形サイクルを短縮するための冷却孔の配置や形状
を見い出したり、金型温度を適正に保つための冷媒温
度、流量を見い出すのに有用である。
しかしながら、MOLD FLOWは流動性の評価を行
なうものでしかなく、またMCAPは熱移動の評価を行
なうものでしかないため、成形品のひけ、そり、成形収
縮など成形形状歪に関する製造条件の評価を行なうこと
はほとんどできない。
また、射出成形品の変形解析に関する先行技術として、
マイケル・ジャッキース;射出成形平板品のアンバラン
ス冷却によるそり変形解析;プラスチックス・エンジニ
ヤリング・サイエンス,22巻4号,ページ241〜2
47,1982年3月(Michael ST.Jacques,“An Anal
ysis of Thermal Warpage in Injection Molded Flat P
arts Due to Unbalanced Cooling”,Polymer Engineeri
ng And Science,March,Vol,22,No.4,PP241
−247(1982))がある。
この論文の中ではそり変形の解析方法が示されている
が、そり変形を樹脂の固化時点の温度分布とその時点の
樹脂の平均温度の差から計算しているという問題と、ひ
けや成形収縮の解説方法を示していないという問題があ
る。成形品の実際の変形を問題にする場合は、固化時点
の樹脂温度分布と室温の差を用いて解析する必要があ
る。何故なら固化時点の樹脂温度分布とその時点の平均
温度の差から成形品の変形を解析する限り、成形収縮を
解析することはできなく、またひけやそりについても成
形品の品質を解析することはできない。
また上記の論文では樹脂物性を平均値で扱っており、樹
脂物性の温度や圧力依存性を扱う方法を示していないと
いう問題もある。
以上のように、従来の成形品の変形解析方法では、ひ
け、成形収縮が解析できず、そりについても現実の品質
を解析できないという問題があった。
他方、近年レンズや光ディスク、キャリッジなどの部品
をプラスチック化する要求が強まっている。これらの部
品は0.1μmから数十μmの形状精度を必要とする高
精度部品である。これら高精度部品をプラスチック化す
る際、成形プロセスに伴うひけ、そり、不均一な成形収
縮などの成形形状歪が常に大きな障害になっており、成
形形状歪を算定し成形材料や金型構造、成形条件の適・
不適を評価するシミュレーションシステムの必要性が高
まっている。
しかしながら、プラスチックの成形プロセスは高温に加
熱溶融した樹脂を金型に高圧で充填・賦形・冷却・固化
するプロセスであるため、流動と冷却が連成し相変化を
伴なうプロセスである。また成形材料として用いられる
熱可塑性樹脂の物性は温度、圧力に大きく依存する複雑
な非線形的性質を有しているため、プラスチックの成形
プロセスは解析が最も困難な現象を有する分野に属する
と言える。
このため従来は、一般には、成形プロセスに伴なう成形
形状歪の発生メカニズムはブラックボックスとされ、高
精度部品に限らずプラスチック成形品の形状精度に関す
る製造条件の設定は、経験と勘で金型を製作し、試行錯
誤の繰返しで決定しており高精度部品ほど開発・設計に
要する期間や費用が増大する問題があった。
(発明の目的) 本発明の目的は、成形プロセスに伴なうひけ、そり、成
形収縮などのプラスチック成形品の成形形状歪を算定
し、成形材料や金型構造、成形条件が成形形状歪に与え
る影響を、実機の製作に先き立ち評価し、適正条件を選
定してプラスチック成形品の開発・設計に要する期間や
費用を減少しうるプラスチック成形プロセスシミュレー
ションシステムを提供することにある。
(発明の概要) 本発明の特徴は、金型内における樹脂の溶融相のつなが
りが断たれる時点を特定し、該時点の樹脂の温度分布を
初期温度とし、成形品が一様に室温になるまでの冷却過
程の温度変化を熱荷重として熱応力歪を解析し、成形形
状歪を算定するようにした点にある。
(発明の実施例) 本発明は本発明者らが過去に発表した下記論文における
射出成形品のひけを解析する方法を発展させたものであ
る。
丸山,日部;非晶性高分子材料を用いた射出成形品のヒ
ケ現象;高分子論文集;38巻,4号,275〜278
頁,1981年4月 上記論文では射出成形品のヒケ量を算定し、算定値と測
定値が全体としてよく一致することを確認した。
次に上記論文における解析方法を発展させた本発明にお
ける解析方法の概要を説明する。
熱可塑性樹脂は高温のときは、流動性のある溶融状態で
あり、温度が少しさがると容易に変形するが流動性を失
なった軟化状態になり、さらに温度がさがると、軟化し
難く剛い固化状態になる。
熱可塑性樹脂の流動する溶融状態から流動性を失なう軟
化状態への転移温度を表わすものとして流動停止温度が
あり、容易に変形する軟化状態から軟化し難い固化状態
への転移温度を表わすものとして熱変形温度がある。
例えば、アクリル樹脂の流動停止温度は約170℃、熱
変形温度は約100℃であり、ポリカーボ樹脂の流動停
止温度は約190℃であり、熱変形温度は約125℃で
ある。
さて、射出成形過程には、高温で溶融状態の樹脂を金型
の中に注入した後、射出圧力を保持し続ける保圧段階が
ある。圧縮成形過程には、金型内に樹脂を充填した後、
高温の溶融状態もしくは軟化状態の相(以下では溶融状
態もしくは軟化状態の相を共に溶融相と称す)の樹脂を
金型で圧縮する圧縮段階がある。
射出成形の保圧や圧縮成形の圧縮は冷却と同時並行して
行なわれるものであり、いずれも樹脂内部の高温溶融相
のつながりを流路として、冷却に伴なう樹脂の体積収縮
を補給するための操作である。冷却による温度低下が生
じていても、樹脂が補給される限り、成形品に収縮が生
じることはない。
それ故、樹脂が補給されながら冷却されている、射出成
形の保圧段階や圧縮成形の圧縮段階にある金型内の成形
品は、解析を行なう数理物理モデル上の扱いとしては、
線膨張率ゼロで冷却されているという表現が許される。
熱可塑性樹脂を成形材料に用いる射出成形や圧縮成形で
は、冷却が進みやがて、樹脂内部の溶融性のつながりが
断たれ、そのため冷却に伴なう体積収縮を補なう樹脂の
補給が途断える時点が必ずある。樹脂の補給が途断えた
時点から、前記したひけ、そり、成形収縮などの成形形
状歪が発生し始める。成形プロセスを対象に温度解析
し、その結果を利用して、金型内における樹脂の溶融相
の領域がせばめられて行く経緯を算定することで、金型
内における樹脂の溶融相のつながりが断たれる時点を特
定できる。その時点を特定することで、樹脂の補給が途
断え、成形形状歪が発生し出す時点を特定することがで
きる。
金型内における樹脂の溶融相のつながりが断たれる時点
を特定し、その時点の樹脂の温度分布を初期温度とし、
成形品が一様に室温になるまでの冷却過程の温度変化を
熱荷重として熱応力歪解析すると、前記成形形状歪は算
定できる。ただし、樹脂物性の温度や圧力の依存性は大
きく、無視できないので、樹脂物性の温度や圧力の依存
性を考慮して計算する必要がある。
次に、第2図および第3図に示す成形プロセスの概念図
を用いて、本発明の原理を説明する。
第2図は射出成形の成形プロセス、すなわち注入−保圧
−冷却−離型の各段階から成る成形プロセスの説明図で
ある。なお、図中の矢印は圧力の方向又は樹脂の流動方
向を示す。また、溶融相A,A′と固化相Bの境が固化
温度の等温線である。射出成形の場合、前記した流動停
止温度を固化温度と見なすことができる。
第2図(1)に示す注入段階後の同図(2)に示す保圧段階で
は、樹脂内部の高温の溶融相AがゲートCにおける溶融
相A′とつながっている限り、ゲートにおける射出圧力
により溶融相A,A′内で矢印の方向に微少な樹脂流動
が生じ、冷却に伴う樹脂の体積収縮は溶融相A,A′の
つながりを流路として補給されると見なすことができ
る。
冷却が進むと固化相Bが発達し、第2図(2)のa部が示
すように溶融相のつながりが断たれる。そうすると樹脂
の補給が断たれ、その時点以後の冷却でそり、ひけ成形
収縮などの成形形状歪が発生する。
したがって、ゲートC近くの厚さより厚さが薄く、内部
が先きに冷却固化するa部では、該a部の内部の最高温
度が固化温度に達する時点まで(金型の固定型Dと可動
型Eが同一温度であると見なせる場合は肉厚の中心温度
が固化温度に達する時点まで)、またゲートC周辺より
厚く、内部が遅れて冷却固化するbの分ではゲートCの
近くにあるA′の内部の最高温度が固化温度に達する時
点まで、温度低下にも係わらず収縮することがない。補
給が断えるその時点以後の冷却で成形形状歪が発生す
る。
第3図は圧縮成形の成形プロセス、すなわち充填−圧縮
−冷却−離型の各段階から成る成形プロセスの説明図で
ある。なお、図中の矢印は圧縮用金型Fの移動又は圧縮
方向を示す。圧縮成形の場合、前記した熱変形温度を固
化温度と見なすことができる。
第3図(1)に示す充填段階後の同図(2)に示す圧縮段階で
は、金型に接すると共に厚さが薄いH部が早く冷却され
やすく、また成形品内部の肉厚中心線G上のすべてにお
いて溶融相Aがつながっている。このように、肉厚中心
線GとHの交点の近傍に溶融相Aが存在している限り、
冷却に伴なう樹脂の収縮は圧縮用金型Fの圧縮作用が吸
収すると見なすことができる。したがって、圧縮成形で
は最も先きに冷却固化する個所Hの内部の最高温度が固
化温度に達し、溶融相Aとのつながりが断たれる時点ま
で、成形品は冷却されて温度低下するにも係わらず収縮
することがない。
先きに冷却固化する個所Hの内部の最高温度が固化温度
になると、該個所Hの樹脂が剛性を有し圧縮用金型Fの
圧縮作用を阻止するので、圧縮用金型Fの圧縮が樹脂の
冷却収縮を吸収することができなくなる。したがって、
その時点以後の冷却で、成形収縮が発生すると見なすこ
とができる。
一般に、材料は冷却もしくは加熱されると材料固有の線
膨張率に従い冷却収縮もしくは加熱膨張し、材料内の温
度分布に対応して変形する。温度変化に伴なう変形や応
力を研究するのが熱応力解析の立場である。
上記熱応力解析の立場から前記射出成形や圧縮成形の成
形プロセスを整理すると次のように言うことができる。
射出成形の保圧段階や圧縮成形の圧縮段階にある、成形
プロセス中の冷却の始めにある金型内の成形品は、冷却
に伴なう変形を生じることなく、従って線膨張率ゼロで
温度低下し、保圧段階や圧縮段階の後、即ち成形品内部
の溶融相Aのつながりが断たれる時点以後、成形品は樹
脂固有の線膨張率を有して冷却に伴なう変形を生じなが
ら室温一様になるまで温度低下すると言える。
温度低下に伴なう変形は熱応力歪関係の法則に支配され
る現象であり、熱応力歪方程式によって算定できる現象
である。ひけ、そり、成形収縮など成形形状歪は樹脂の
不均一な温度低下によって発生する現象であり、従って
熱応力歪方程式によって算定できる現象である。
次に、本発明における樹脂物性の取り扱い方法について
説明する。
樹脂の比熱と熱伝導率、ヤング率、線膨張率の温度依存
性は大きく無視できない。線膨張率については圧力依存
性も大きく無視できない。線膨張率の圧力依存性に対処
することは、線膨張率を樹脂の圧力−比容積−温度デー
タから算定する際、圧力をパラメータとして比容積−温
度曲線を選定することで対処できる。
さらに、有限要素法による非定常非線形の温度解析理論
と熱応力歪解析理論を要約し、本発明の成形形状歪解析
方法を明らかにする。
非定常非線形の熱伝導方程式は下記の(1)式で表され
る。
ここでTは、温度、空間x,y,zおよび時間tの関数
である。ρは密度、cは比熱,kは熱伝導率であり、
ρ,c,kは各々温度Tの関数である。Qは発熱量であ
る。
(1)式を有限要素法により離散化し、ガラーキン法によ
り積分した後、系全体の要素につき重ね合せ、さらに時
間につき差分すると下記の剛性方程式(2)が得られる。
ここで〔K〕=Σ〔k〕,〔C〕=Σ〔c〕,{F}=
Σ{f}でΣは系全体の要素につき重ね合せることを意
味する。また、〔k〕は熱伝導マトリックス,〔c〕は
熱容量マトリックス,{f}は熱流ベクトル,tは時
間,Δtは時間刻み、{φ(t)}は、節点温度ベクトル
を示す。
(2)式における{φ(t)}はt=0で初期値として与えら
れ既知であるので、逐次{φ(t+Δt)}を算出する
ことができる。熱伝導率k,率度ρ,比熱cは温度依存
性があるので,各時間ステップにおいて(2)式中の物性
項を修正して{φ(t+Δt)}が収束するまで繰返し
計算することになる。以上のように(2)式を解くこと
で、成形プロセスの時間経過に伴なう温度変化を算出で
きる。
非線形の熱応力・歪方程式は、応力−歪式,歪−変位
式,力のつり合いの式から成る。
応力−歪式は次式で表わされる。
ここで、εは歪,δは応力,γはせん断歪,τはせん断
応力,小文字x,y,zは各座標成分を表わす。T′は
熱荷重であり、初期時刻tm-1と熱荷重時刻 tの温度T
(tm-1)とT( t)の差T′=T( t)=T
(tm-1)で定義されている。なお、T(tm-1)とT( t
)は前記(2)式の解から与えることができる。さら
に、Eはヤング率、νはポアソン比、αは線膨張率であ
り、E,ν,αはそれぞれ温度Tの関数である。
なお、εy,εzなどのy,z成分も、(3)式と同様に表
わされるが、これらに対する式は省略する。また、以下
の式でもy,z成分は省略する。
歪−変位式は次式で表わされる。
ここでu,v,wはそれぞれ変位のx,y,z成分であ
る。
力のつり合いの式は、Xを外力のx成分とすると、次式
で表わすことができる。
(3),(4),(5)式を増分表示し有限要素法により離散化
し、さらに仮想仕事の原理に従って積分すると、要素に
関する熱応力歪に関する剛性方程式(6)式が得られる。
〔K〕{Δd}={Δf}+{Δf}+{Δf
+{Δr} (6) ここで、〔K〕は弾性剛性マトリックス、{Δd}は節
点変位ベクトル増分、{Δf}は機械的荷重ベクト
ル、{Δf}は熱荷重ベクトルの弾性成分、{Δ
}は物性値の温度依存から生じる荷重ベクトル、
{Δr}は残差の荷重ベクトルである。
要素についての剛性方程式(6)を全要素につき重ね合せ
ると系全体の剛性方程式が得られ、これから前記した熱
荷重T′がもたらす節点変位を算定できる。
ヤング率E、ポアソン比ν、線膨張率αは温度Tの関数
であるので、(6)式を解く際、熱荷重時刻 tの温度T
( t)に対応したE,ν,αを計算して与える。
前記した応力−歪式(3)における熱荷重T′は、初期時
刻tm-1と熱荷重時刻 tの温度差T′=T( t)−T
(tm-1)であるから、(3)〜(5)式を有限要素法により定
式化した(6)式を解いて計算できるのは初期時刻tm-1
熱荷重時刻 t間の1ステップの温度変化に対応した変
位であり、計算に用いられるヤング率E、ポアソン比
ν,線膨張率αは熱荷重時刻 tの温度に対応した値で
しかない。
成形品の成形形状歪を精度よく算定するには、樹脂の溶
融時点から室温に至る温度範囲での樹脂物性の大きな温
度依存性をとり込んで計算を行なう必要がある。
溶融相のつながりが断たれる時点(すなわち、熱荷重を
与える初期時刻)を t、成形品が室温一様になる時点
を t, tから t間における熱応力解析のmステッ
プ(m=1,2,……,n)目の初期時刻をtm-1,熱荷
重時刻を t,熱荷重をT′=T( t)−T(tm-1
とするとき、初期時刻と熱荷重時刻をそれぞれ(tm
t1),(t1,t2),……(tn-1,tn)とするnステップ
の熱応力歪解析を行ない、計算されたnケの変位を累積
することで、前記熱荷重時刻 t, t,……, t
おける温度T(t1),T(t2),……,T(tn)=室温
一様の変化に対応したヤング率E、ポアソン比ν、線膨
張率αの温度依存性をとり込んで成形品の成形形状歪を
算定できる。
以上のことから、成形品の成形形状歪を算定するには、
温度変化を解く温度計算装置と、前記熱応力歪に関する
系全体の剛性方程式を解く熱応力歪計算装置と、熱応力
歪解析の熱荷重を与える初期時刻と熱荷重時刻を更新す
るためのステップ時刻更新装置と、変位を累積計算する
ための変位累積装置とが必要であると言える。なお、本
実施例では前記したごとく、有限要素法に基づく解析方
法を採用しているので、対象形状が制約されることは基
本的にはない。
次に、本発明の一実施例の成形プロセスシミュレーショ
ンシステムの構成を第1図に示し、第1図を参照してそ
の動作を説明する。
図において、1は入力装置であり、該入力装置1は金型
や成形品形状を表現する節点座標や節点番号、要素番号
等の形状データと、境界条件や初期条件、成形開始から
成形品が室温一様になるまでの成形プロセス全体の時間
に関する温度解析の全ステップの時間刻み等の温度解析
用入力データと、固化温度推移計算用入力データである
固化温度と、拘束条件等の熱応力歪解析用入力データと
を作成し、入力データ記憶装置2に送る。
入力データ記憶装置2内の熱応力歪解析用入力データは
熱荷重を与える初期時刻と熱荷重時刻とが欠落している
未完成の入力データである。3は、前記した有限要素法
による剛性方程式(2)を解く温度計算装置で、入力デー
タ記憶装置2内の形状データおよび温度解析用入力デー
タを用いて、金型や樹脂の成形プロセス中および離型後
室温一様になるまでの各節点毎の温度の時間変化を算出
し、算出結果を温度記憶装置4に送る。
温度計算装置3における温度計算のフローチャートを第
14図に示す。第14図のIでは形状、初期温度、境界
条件、時間刻みを与え、IIでは計算ステップを1ステッ
プ進める。IIIでは当ステップの初期温度(又は前記ス
テップの計算結果の温度)に対応した物性値を、物性デ
ータの温度関数から計算して節点ごとに与える。次い
で、IVにおいて熱伝導マトリックスや熱流ベクトルを作
成し、Vで剛性方程式を解く。IVで計算経過を当ステッ
プの前回計算の結果と比較する。当ステップの前回計算
の値と今回計算の値の差が、許応差より大きい場合、II
Iにもどり、物性値を今回の計算値である温度の値に基
づき修正し、再びIV〜VIを実行する。前回計算の値と今
回計算の値の差が許応差内に小さくなり、計算値が収束
するまでIII〜VIを繰返す。収束したとき、IIに戻り、
時間ステップを次のステップに前進させた後、再びIII
〜VIの収束計算を行なう。
以上の手順を時間ステップが終了ステップ時刻に一致す
るまで行なう。各ステップでの収束値が解としてVIIで
出力される。このような手順により、温度記憶装置4内
には温度解析の算出結果である時刻ごとの金型や樹脂の
各節点毎の温度変化が記憶される。5は第1の出力装置
であり温度記憶装置4内の算出結果を等温線や節点温度
の時間変化図として出力する。
6は固化温度推移計算装置で、入力データ記憶装置2内
の形状データや固化温度と温度記憶装置4内の時刻毎の
温度情報を用いて、時刻毎の成形品内の固化温度の座標
位置を算出して、固化温度推移記憶装置7に送る。
8は第2の出力装置であり、固化温度推移記憶装置7内
の算出結果を固化温度推移図として出力する。
第2の出力装置8で出力した固化温度推移図即ち、一枚
の成形品形状の図の上に、時刻ごとの樹脂の固化温度の
座標位置を結んだ線(即ち等温線)を描いた図(後記す
る第6図や第8図)を見ることで、成形品内部で溶融相
の領域が時刻と共に減少する様子が一目して把握でき、
成形品の内部で溶融相のつながりが断たれる時点(熱荷
重を与える初期時刻) tを容易に特定できる。
9は熱応力歪解析用入力データを完成するためのステッ
プ時刻作成装置で、固化温度推移図を見ることで得た、
成形品内部で溶融相のつながりが断たれる時点 tと、
入力データ記憶装置2内の成形開始から成形品が室温一
様になるまでの成形プロセス全体の時間に関する温度解
析の全ステップの時間刻みを用いて、成形品内部で溶融
相のつながりが断たれる時点 t以降の前記温度解析の
全ステップの時間刻みデータを熱応力歪解析ステップ時
刻記憶装置17に送る。
熱応力歪解析ステップ時刻記憶装置17内の時間刻みデ
ータは後記する第2ステップ以降の各ステップの熱応力
歪解析の熱荷重を与える初期時刻と熱荷重時刻として利
用される。なお、該熱荷重時刻を上記の方法以外で作成
してもよい。
前記処理の後、ステップ時刻作成装置9は、入力データ
記憶装置2内の未完成の熱応力歪解析用入力データを呼
び出し、該データに成形品内部で溶融相のつながりが断
たれる時点 tを第1ステップ目の熱応力歪解析の熱荷
重を与える初期時刻として与え、温度解析のステップ時
刻中 tの次のステップ時刻を第1ステップ目の熱応力
歪解析の熱荷重時刻として与えて、第1ステップの熱応
力歪解析用入力データを完成して、熱応力歪解析用入力
データ記憶装置10に送る。
11は前記した有限要素法による熱応力歪に関する剛性
方程式(6)を系全体に対して解く、熱応力歪計算装置
で、熱応力歪解析用入力データ記憶装置10内の熱応力
歪解析用入力データと、温度記憶装置4内の温度算出結
果を用いて、熱応力歪解析を実行し、1ステップ目の熱
荷重がもたらす成形品の変位を算出する。
熱応力歪計算装置11における熱応力歪計算のフローチ
ャートを第15図に示す。第15図のIでは形状、拘束
条件を与え、IIでは熱荷重を与える初期時刻と熱荷重時
刻を与え、熱荷重を与える初期時刻と熱荷重時刻に対応
した各節点の温度を前記温度記憶装置4内から読み、熱
荷重を与える。IIIでは熱荷重時刻に対応した物性値
を、物性データの温度関数から計算して節点ごとに与え
る。次いで、IVでは剛性マトリックスや荷重ベクトルを
作成し、Vで剛性方程式を解く。VIで計算結果である節
点ごとの変位、歪、応力を出力する。
12は前記した、変位を累積計算する変位累積装置で、
変位記憶装置13内に記憶されている前ステップまでの
変位の累積結果を呼び出し、熱応力歪計算装置11で算
出した当ステップの変位を加算した後、変位記憶装置1
3に戻す。
14はステップ時刻比較装置で、熱応力歪解析用入力デ
ータ記憶装置10内の熱荷重時刻が終了ステップの時刻
に達しているかどうか比較する。15は、前記した熱応
力歪解析の熱荷重を与える初期時刻と熱荷重時刻を更新
するステップ時刻更新装置で、終了ステップ時刻に達し
ていない場合、熱応力歪解析ステップ時刻記憶装置17
内の時間刻みデータと熱応力歪解析用入力データ記憶装
置10内の熱応力歪解析用入力データを呼び出し、初期
温度時刻と熱荷重時刻を次のステップの時刻に変更した
後、熱応力歪解析用入力データ記憶装置10に戻す。
ステップ時刻比較装置14において熱応力歪解析用入力
データの熱荷重時刻が終了ステップの時刻になるまで、
熱応力歪計算装置11で熱応力歪解析を実行して変位を
計算し、変位累積装置12で変位を加算し、ステップ時
刻更新装置15で初期温度時刻と熱荷重時刻を変更する
手順を繰返す。
ステップ時刻比較装置14で終了ステップ時刻に達した
後、変位記憶装置13内の累積計算された変位を第3の
出力装置16に送る。第3の出力装置16は送られて来
た変位を成形形状歪図として出力する。
次に熱可塑性樹脂を用いたプラスチックレンズの圧縮成
形に、前記本発明の一実施例の成形プロセスシミュレー
ションシステムを適用した一具体例を説明し、本実施例
の具体的効果を述べる。
以下に示す具体例では、すべて入力形状の左端を中心軸
とする軸対称要素を用いて計算した。第4図は熱変形温
度が100℃のアクリル樹脂を用いた凸レンズ成形金型
の冷却段階の温度分布の計算結果を示し、第5図は第4
図内の凸レンズキャビティ20内の樹脂温度分布の計算
結果を示す。
第4図において、21〜24は金型冷却孔を表わす熱伝
達境界を示し、25はキャビティ20内の樹脂を圧縮す
るための圧縮用入れ駒である。
第6図は固化温度推移の計算結果を示す。第6図上の各
時刻は成形開始後の経過時間を示す。なお、第6図では
固化温度を樹脂の熱変形温度(例えば、PMMA樹脂の
熱変形温度は100℃,PC樹脂は126℃,PS樹脂
は95℃である。)であるとして計算した。
第6図に示す各時刻の固化温度等温線の外側は熱変形温
度以下で固化状態にあり、固化温度等温線の内側は熱変
形温度以上で溶融もしくは軟化状態にあると考えられ
る。
第6図の固化温度等温線位置の時刻ごとの推移から凸レ
ンズ成形品内部で溶融相の領域が時間と共に減少する様
子がわかり、凸レンズ成形品中先きに冷却固化するのは
レンズ側面26であり、肉厚中心線27上の溶融相のつ
ながりが断たれる時点は690秒であることがわかる。
690秒時点を熱応力歪解析の第1ステップの初期時
刻、凸レンズ成形品が室温一様になった時点を熱応力歪
解析の最終ステップの熱荷重時刻として計算した凸レン
ズ成形品形状の算定結果を第7図に示す。
第7図で点線が金型のレンズ形状で、実線が成形品のレ
ンズ形状である。なお、第7図においては、成形品レン
ズ形状の金型レンズ形状に対する変位を約400倍に誇
張して出力してある。
このことは、例えば、金型上の一点Aと、これに対応す
るレンズの成形品上の一点A′との間には、図ではA
A′の変位があるが、実際の変位はAA′の約1/40
0であることを示している。
第7図で実線の形状と点線の形状を比べることで、成形
収縮の様子がよくわかる。第7図を見ると凸レンズ成形
品のR(曲率半径)大側の光学面28はR小側の光学面
29より成形収縮が大きく、このため、理想的には中心
軸30に平行であるべき要素の辺、例えば31はR大側
の光学面28に近い程、中心軸30に近ずくように傾む
き、レンズ形状全体にそりが生じている。また、R小側
の成形品の光学面29は金型の光学面29′より曲率半
径が小さくなっているのに対し、R大側の成形品の光学
面28は金型の光学面28′より曲率半径が大きくなっ
ている。これはR大側の光学面28が中心軸30に近い
ほど大きくひけているためである。
第5図に示したレンズ内の樹脂温度分布を見ると、R大
側の光学面28′の温度は109.8〜107.7℃であり、R小
側の光学面29′の温度は101.3〜105.5℃であり、各温
度の等温線がいずれもR大側の光学面28′の方に寄っ
ている。またレンズ内部程高温である。
第6図に示した固化温度の推移を見ると、固化温度線の
位置は各時刻で常にR大側の光学面28′の方に寄って
いて、樹脂の固化状況が光学面の2面28′,29′に
対してアンバランスに進行していることがわかる。
第7図に示したレンズ成形品の成形形状歪は第5図に示
す温度分布や等温線の片寄りと第6図に示す固化温度の
推移のアンバランスに対応して生じたものである。等温
線の片寄りや固化温度等温線のアンバランスが生じた原
因は、第4図に示した金型で、R大側の光学面28′が
形成されている圧縮用入れ駒25内の冷却孔22が、R
小側の光学面29′が形成されている固定型32内の冷
却孔21より径が小さく、また光学面28′と冷却孔2
2間の距離が光学面29′と冷却孔21間の距離より大
になっているためである。
第4図に示した圧縮用入れ駒25内の冷却孔22の径、
長さ、光学面28′までの最短距離を、固定型32内の
冷却孔21の径、長さ、光学面29′までの最短距離の
各々同じにし、可動型33内の熱伝達境界24の長さ、
光学面28′までの最短距離と、固定型32内の熱伝達
境界23の長さ、光学面29′までの最短距離とを各々
同じにした金型で成形した場合のシミュレーションの算
定結果を第8図および第9図に示す。
第8図は固化温度等温線の推移の算定結果を示し、第9
図は凸レンズ成形品形状の算定結果を示す。
第8図によれば、固化温度等温線の位置は各時刻で光学
面28′,29′の二面のいずれの側にも片寄ることな
く、第6図に比べ樹脂の固化状況がバランス良く進行し
ていることがわかる。また、第9図によれば光学面2
8,29の二面の成形収縮が同等になり、例えば要素の
辺31の中心軸30に対する傾きやレンズ形状全体のそ
りが減少し、第7図に比べ形状精度が大幅に改善できて
いることがわかる。この効果は前記した冷却孔の形状や
配置を固定型32側と可動型33、圧縮用入れ駒25側
で同一化した効果である。
さらに、熱変形温度126℃のポリカーボ樹脂を用いた
凹レンズ成形に本発明を適用した一具体例を示す。第1
0図は第11図に示す凹レンズの中心線34上に位置す
る節点番号364,382,389の温度変化の算定結果であ
る。第10図で縦軸は温度(℃)で横軸は時間(秒)を
示す。
一方、第11図は第10図に示したような温度変化を生
じる金型温度のパターンでの成形条件で成形した凹レン
ズの成形品形状の算定結果を示す。第11図を見ると、
凹レンズの外周面35近くの厚肉箇所にひけe,f,g
が生じ、外周面35はR大側の光学面36側からR小側
の光学面37に近づく程、中心軸38に寄っている。ま
たレンズ形状全体が外周面35に近い程、浮き上がるよ
うにそりを生じていることがわかる。
第12図は成形条件を変更し、ポリカーボ樹脂の熱変形
温度126℃近くで、レンズ内の樹脂温度幅をなるべく
減少するような金型温度パターンの成形条件で圧縮成形
した場合の、凹レンズの肉厚中心線34上に位置する節
点番号364,382,389の温度変化の算定結果を示す。
第13図は、第12図に示した温度変化を生じる金型温
度パターンでの成形条件で圧縮成形した場合の成形品形
状の算定結果を示す。第13図を第11図と比べると、
そり、ひけ、成形収縮のアンバランスが減少し、凹レン
ズの形状精度が大幅に改善できている。この効果は、成
形条件を変更し、第12図に示したように熱変形温度1
26℃近くで樹脂温度を均一化するようにした成形条件
の効果である。
本実施例では固化温度推移図を用いて、成形品内部で溶
融相のつながりが断たれる時点、即ち熱応力解析の第1
ステップ目の初期時刻 tを求めたが、成形品中最も先
きに冷却が進む個所が予め正確に判っており、最も先き
に冷却が進む個所に位置していて、節点温度の時間変化
図上に出力する節点の数を5〜6個程度以下の少数に予
めしぼれる場合は、節点温度の時間変化図を用いて、節
点の温度が固化温度に達した時刻を読み取ることで熱応
力解析の第1ステップ目の初期時刻 tを求めることが
できる。換言すれば、上記の実施例のように、固化温度
推移計算装置で時間毎の成形品内の固化温度の座標位置
を算出し、固化温度推移図を作って初期時刻 tを求め
る必要はない。
しかしながら、通常成形品中最も先きに冷却が進む個所
を予知し、かつ節点温度の時間変化図上に出力する必要
のある節点の数を予め5〜6個程度以下の少数にしぼれ
ることはまれである。出力する節点の数が多くなると温
度の時間変化を示す線が重なり合うため、節点温度の時
間変化を読むことがむずかしく、熱応力解析の第1ステ
ップ目の初期時刻 tを求めがたくなる。
それ故、通常熱応力解析の第1ステップ目の初期時刻 t
を求めるには、固化温度推移図を用いる方がよい。
(発明の効果) 以下のように、本発明の成形プロセスシミュレーション
システムによれば、熱可塑性樹脂を用いる成形品の成形
プロセスに伴なう、ひけ、そり、成形収縮などの成形形
状歪を算定することができ、金型製作や成形実験に先き
立ち金型構造や成形条件を短期間、低コストで評価して
適正化することができるという大きな効果がある。
また、これにより、従来のように試行錯誤的にプラスチ
ック成形品や成形金型の開発・設計を行なう必要がなく
なるので、これらの開発・設計に要する期間や費用を大
幅に減少することができる。
さらに、本発明の結果、所望の特性を有する成形品を歩
留り良く製造できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の成形プロセスシミュレーシ
ョンシステムの構成図、第2図は射出成形プロセスの概
念図、第3図は圧縮成形プロセスの概念図、第4図〜第
9図は本発明の一実施例を凸レンズ成形に適用した具体
例で、第4図は金型温度分布図、第5図は凸レンズキャ
ビディ内の樹脂温度分布図、第6図は固化温度推移図、
第7図は凸レンズ成形品形状図、第8図は金型構造を変
更した後の固化温度推移図、第9図は同凸レンズ成形品
形状図を示す。また、第10図〜第13図は本発明の一
実施例を凹レンズ成形に適用した具体例で、第10図は
凹レンズ内節点の樹脂温度の変化を示す図、第11図は
凹レンズ成形品形状図、第12図は成形条件を変更した
後の凹レンズ内節点の樹脂温度の変化を示す図、第13
図は同凹レンズ成形品形状である図を示す。また、第1
4図は温度計算装置の処理フロー、第15図は熱応力歪
計算装置の処理フローを示す。 1……入力装置、2……記憶装置、3……温度計算装
置、4……記憶装置、6……固化温度推移計算装置、1
0……記憶装置、11……熱応力歪計算装置、12……
変位累積計算装置、13……記憶装置、15……ステッ
プ時刻更新装置、16……出力装置、20……凸レンズ
キャビティ、21〜24……熱伝達境界(冷却孔を表わ
す)、25……圧縮用入れ駒、27……凸レンズ肉厚中
心線、30……凸レンズ中心軸、34……凹レンズ肉厚
中心線、35……凹レンズ外周面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形法や圧縮成形法で用いる成形材
    料、金型構造、成形条件等を評価する成形プロセスシミ
    ュレーションシステムにおいて、少くとも、成形材料の
    温度変化を算出する第1の手段と、該第1の手段から算
    出された成形材料中の溶融もしくは軟化状態の相のつな
    がりが断たれる時点から成形品が室温一様になるまでに
    至る成形材料の温度変化を用いて熱応力歪を算定する第
    2の手段と、該第2の手段の演算で設定する初期時刻と
    熱荷重時刻を更新する第3の手段と、前記第2の手段か
    ら算出される変位を累積する第4の手段を具備し、前記
    第2の手段から算出される変位を繰返し累積して、成形
    品のひけ、そり、成形収縮などの成形形状歪を算定する
    ようにしたことを特徴とする成形プロセスシミュレーシ
    ョンシステム。
  2. 【請求項2】射出成形法や圧縮成形法で用いる成形材
    料、金型構造、成形条件等を評価する成形プロセスシミ
    ュレーションシステムにおいて、少くとも、成形材料の
    温度変化を算出する第1の手段と、該第1の手段から算
    出された温度の変化を用いて成形材料中の溶融もしくは
    軟化状態の相の領域の変化を算出する第5の手段と、該
    第5の手段から算出された成形材料中の溶融もしくは軟
    化状態の相のつながりが断たれる時点から成形品が室温
    一様になるまでの、前記第1の手段から算出された成形
    材料の温度変化を用いて熱応力歪を算定する第2の手段
    と、該第2の手段の計算で設定する初期時刻と熱荷重時
    刻を更新する第3の手段と、前記第2の手段から算出さ
    れる変位を累積する第4の手段を具備し、前記第2の手
    段から算出される変位を繰返し累積して、成形品のひ
    け、そり、成形収縮などの成形形状歪を算定するように
    したことを特徴とする成形プロセスシミュレーションシ
    ステム。
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