JP6639899B2 - 成形品の設計支援方法、成形品の設計支援装置、コンピュータ・ソフトウェア、記憶媒体 - Google Patents

成形品の設計支援方法、成形品の設計支援装置、コンピュータ・ソフトウェア、記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、成形品の設計支援方法、成形品の設計支援装置、コンピュータ・ソフトウェア、記憶媒体に関する。
プラスチック射出成形は、従来から大量生産に適した製造方法として、ものづくり現場において広く活用されている。図1には、射出成形に用いる射出成形機1と金型2を示している。射出成形機1で、樹脂ペレットをホッパー5に投入し、シリンダ3で樹脂ペレットを溶融し、油圧モータ6および油圧シリンダー7に駆動されてスクリュー4が前進しながら、金型2へ流し込む。
図2には、金型2と内部のキャビティ部を示しているが、スクリュー4から吐出された溶融樹脂は、ノズル部8、ランナー部9、製品部の入口であるゲート部10を通過し、製品部11へ充填される(充填工程)。金型内のキャビティ部全域に樹脂が行き届いたあと、樹脂の収縮分を補うため、保圧と呼ばれる二次圧を加える(保圧工程)。その後、離型可能な温度に達するまで樹脂を金型内で冷却した後(冷却工程)、突き出して取り出す(離型工程)。
近年においては、自動車や精密分野の製品軽量化が求められているため、製品内部で多数使われている樹脂部品の小型化・薄肉化への要求が高い。しかし、射出成形品を薄肉化すると、肉厚の3乗に反比例して流れにくくなる。さらに、成形コストを低減するために成形サイクルは常に短縮化を求められるので、成形技術の難易度は高まる一方である。このことから、以前より射出成形において、多くの成形不良現象が生じることが指摘されており、例えば非特許文献1に詳しい。
充填工程中に、金型内のキャビティ部へ流動している溶融樹脂先端をフローフロント部と呼ぶ。フローフロント部はキャビティ内で多数に分岐し、合流し合い、行き場を失ったフローフロント部は流動停止し、固化に至る。充填工程中に生じる成形不良現象は、このフローフロント部の挙動が強く影響していることが多い。例えば、図3に示すような複数のフローフロント部12が合流して生じる成形不良現象の代表例として、ウェルドライン13がある。ウェルドライン13は、フローフロント部12の合流部に残る線状欠陥であり、外観的・強度的に問題となる。成形現場では、成形不良現象を避けつつ、軽量化や成形コスト低減の目的を達成することが常に求められているが、現場で発生した成形不良現象は、成形条件を変更しても改善困難な場合が多く、それは原因の多くが製品や金型形状に起因しているためである。
そのため、従来から製品・金型設計段階において流動解析を使って、成形品の計算用モデルに実際の成形条件を使って、コンピュータ上で成形不具合現象を予測し、対策案を設計へフィードバックすることが行われてきた。たとえば、ウェルドライン13であれば、流動解析で図4に示すような会合角14を評価する。
会合角14は、複数のフローフロント部12が合流したときになす角度のことを言う。会合角14は、0°から180°の数値で示され、0°の時が複数のフローフロント部が正面衝突する場合であり、対向ウエルドラインと呼ばれ、外観上、最も避けるべきウェルドラインとなる。180°の場合は、並走ウェルドラインと呼ばれる。流動解析を用いたウェルドライン改善方法として、特許文献1では、流動解析から求めた流動ベクトルからウェルドラインを構成する要素を求め、会合角からウェルドラインの強弱を予測している。また、特許文献2では、流動解析を行って、成形品の会合角と、ウェルド部強度との相関因子により、品質を判断する方法である。ウェルドラインは外観上のみならず、強度な低下をもたらすことから、あらかじめ会合角と強度の相関を実験的に取得しておき、その関係を利用している。
従来、大きな会合角の数値はウェルドラインの問題が少ないと判断されてしまうが、実際には大きな会合角の位置に外観上問題となる不具合現象が発生する場合がある。特許文献3では、そのような現象を予測する方法として、ウェルドラインの起点をその後の流速ベクトルに従い、移動させた軌跡を求めることにしている。
特開平7−1529号公報 特開平7−205241号公報 特開2002−200662号公報 特開2004−318863号公報 特開2013−67150号公報
射出成形加工の不良対策、有方広洋著、日刊工業新聞社、2003年 フローマーク生成現象と抑止技術、横井秀俊、平野幸喜、成形加工、Vol(20)、No.10、2008 射出成形用金型(第2版)、白石順一郎、日刊工業新聞社、昭和59年
このように、従来、会合角はウェルドラインを評価する指標として用いられてきたが、会合角とは複数のフローフロント部が合流した瞬間の角度を示しているだけで、単体のフローフロント部が原因となって生じる他の成形不具合現象を予測することはできない。例えば、ウェルドライン以外の成形上避けるべき不良現象としてフローマークがある。非特許文献2では、製品肉厚が拡大する段差部や、数十ミクロンの微小な段差部をフローフロント12が通過すると発生することが指摘されている。その主原因は、フローフロント部の不安定流動に起因するものであり、この現象は会合角で予測・評価できず、市販の流動解析プログラムでも予測困難である。
本発明の目的は、このような従来の問題点を鑑みてなされたものであって、会合角では評価困難な成形不良現象を予測し、流動解析に基づく有効な設計支援方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、成形品に基づく樹脂流動解析用モデルを複数の微小要素に分割し、計算モデルを作成する樹脂流動計算モデル作成工程と、樹脂流動解析用設定条件に基づき樹脂流動解析を実施する樹脂流動解析工程と、樹脂流動解析工程で求めた解析結果を用いて、ゲート部から各前記微小要素の節点までの流路の長さである流動長を算出する工程と、前記流動長または前記流動長の変化率の少なくとも一つから外観不良現象の発生を予測する外観不良検出工程を有し、前記外観不良現象は、ウエルドライン、メルドライン、フローマーク、シルバーであることを特徴とする成形品の設計支援方法である。
また、請求項の発明は、請求項1に記載された成形品の設計支援方法をコンピュータに実行させるコンピュータ・ソフトウェアを搭載することを特徴とする成形品の設計支援装置である。
また、請求項の発明は、請求項2に記載された成形品の設計支援装置の各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータ・ソフトウェアである。
また、請求項の発明は、請求項に記載されたコンピュータ・ソフトウェアを記憶した記憶媒体である。
本発明の成形品の設計支援装置によれば、流動長を算出し、流動長または流動長の変化率の少なくとも一つを利用することにより、従来の会合角では予測が困難であったフローフロント部の不安定流動に伴う成形不良現象や、従来の会合角で評価していたウェルドラインも評価可能となる。また、好ましくない場所に、成形不良現象が発生する恐れがある場合は、成形条件や製品肉厚を変更することで、対策実施が可能となる。
射出成形を示す図である。 金型とキャビティ部を示す図である。 射出成形品に発生したウェルドラインを説明する図である。 会合角を示す図である 本発明の成形品の設計支援装置の一例を示す構成図である。 流動解析のフローチャートを示す図である。 均一肉厚を持つ板の計算モデルを示す図である。 流動パターンを示す図である。 流動長の等値面表示を示す図である。 両端から充填した板モデルの流動長を示す図である。 本発明の一実施形態のハードウェア構成例を示す図である。 本発明の実施手順を示すフローチャートである。 流動長の変化率を示す図である。 微小な段差を持つ板モデルを示す図である。 充填パターンを示す図である。 流動長の変化率分布と外観不良発生予測位置の図である。
以下に、本発明の成形品の設計支援方法および設計支援装置の一例について、好ましい態様の例を図面を参照しながら詳細に説明する。
図5に本発明の成形品の設計支援装置の一例を示した構成図を示す。大きく分けて4つの手段を備えている。流動解析用計算モデルを作成する計算用モデル作成手段15、流動解析用の条件設定を行う条件設定手段16、流動解析を行う流動解析手段17、流動解析の結果を表示する結果表示手段18である。
本発明において、流動解析とは射出成形プロセスを対象とした解析全体を示している。流動解析の流れは、まず解析対象の形状を示すCADデータを読み込み、そのCADデータに対して、有限要素分割を行い、微小な要素の集合体である計算用モデルを作成する。次に、樹脂材料を選択し、射出成形条件を設定し、流動解析を実施し、解析結果を確認するものである。
計算用モデル作成手段15は、CADデータ読み込み部20と、CADデータを複数の微小な有限要素に分割する有限要素分割実行部21からなる。
CADデータ読み込み部20では、金型や金型内のキャビティ部のCADデータを読み込む。有限要素分割実行部21では、読みこんだCADデータに対して、分割条件を設定後、複数の微小要素に分割する。分割された微小要素は、頂点に節点と呼ばれる部位を持ち、解析結果は、物理量に応じて、節点値、要素値として得られる。例えば温度、圧力は節点値、樹脂流速や繊維配向は要素値である。
条件設定手段16は、射出成形プロセスの設定条件を定義するもので、使用樹脂設定部22、成形条件設定部23、解析パラメータ設定部24からなる。
使用樹脂設定部22では、あらかじめデータベースに登録された樹脂グレードのデータを選択する。樹脂グレードごとに、登録されているデータは、樹脂の比熱、熱伝導率、密度、樹脂のPVT(Pressure−Volume−Temperture)特性、樹脂の機械的物性、繊維強化材であれば、繊維含有率、繊維の機械的物性などである。
成形条件設定部23は、流動解析用の成形条件を設定する。たとえば、樹脂温度、金型温度、充填時間、保圧力、保圧時間、金型内冷却時間などである。
解析パラメータ設定部24は、たとえば熱伝達係数のように、成形現場の雰囲気状態によって異なる係数など変更する場合に用いる。
流動解析手段17については、図6の流動解析のフローチャートを用いて説明する。図6における括弧内は、次の解析部へ引き渡される主なデータを示している。
金型冷却解析(ステップ1)は、金型冷却解析部25で行われ、射出成形中の金型内温度分布を求めるために実行する。金型は、毎ショットごとに、溶融樹脂から熱量を受けるため、金型の温度が上昇しないように、金型内に冷却管を設け、中を通る冷媒を通じて廃熱をしている。金型内は均一温度に保たれていることが望ましいが、製品部と冷却管とが距離的に離れているため、実際は金型内には温度ムラが生じている。その金型の温度ムラは、成形品にとって、場所ごとに不均一に冷却されることを示しており、そり変形のような成形不良現象の原因となる。
次に、充填解析(ステップ2) は、充填解析部26で行われ、金型内キャビティ部に溶融樹脂が進展していく様子を逐次計算する。金型冷却解析で求めた金型の温度ムラは、充填解析以降の溶融樹脂と金型部との温度境界条件として用いられる。製品肉厚や樹脂の粘度分布から、金型内キャビティ部の流動抵抗が決定され、その流動抵抗に打ち勝ち、キャビティ部内へフローフロント部を前進させていくだけの圧力がノズル部8に必要になる。充填解析は、ノズル部8を設定圧力、フローフロント部12を大気圧と仮定して、微小時間ごとにフローフロント部を前進させながら、既に樹脂が到達している領域内で、樹脂の温度、圧力、流速等を求めていく。充填解析は、フローフロント部12が金型内のキャビティ部全域を満たすまで、計算を続ける。充填解析終了後、各節点位置にフローフロント部12が到達時間が求まる(樹脂到達時間)。キャビティ内で樹脂到達時間をアニメーション表示すると、充填パターンと呼ばれる樹脂がキャビティ内を進展していく様子を表示できる。
保圧・冷却解析(ステップ3)は、保圧・冷却解析部27で実行され、保圧工程解析と冷却工程解析からなる。保圧工程解析は、充填解析終了後、2次圧を加え、収縮分を補填する工程を解析する。この際、樹脂のPVT(Pressure−Volume−Temperature)特性を用いることによって、樹脂の圧縮性を考慮し、収縮ひずみのばらつきを算出する。冷却工程解析は、保圧工程が終わり、金型内で冷却される間の温度・圧力変化を計算する。
繊維配向解析(ステップ4)は、強化繊維が含有されている場合に限り、繊維配向解析部28で実行される。充填解析から得られた流速分布等の結果により、配向テンソルを計算する。
物性解析(ステップ5)は、成形品の物性値を計算する目的で、物性解析部29で実行される。強化繊維が含有されている場合には、繊維配向解析結果から、異方性を考慮した機械的物性値(ヤング率、ポアソン比、線膨張係数)を算出する。
そり解析(ステップ6)は、成形後、金型から離型された後の成形品の形状の変形を計算する目的で、そり解析部30で実行される。物性解析で計算した機械的物性値を用いて、熱応力解析を実行し、節点の移動量を求める。
また、上記ステップ1からステップ6を合わせて、本説明では樹脂流動解析工程と呼ぶ。
結果表示手段18は、充填解析で得られた充填パターン、温度、圧力、せん断応力等の解析結果や、本発明の流動長、流動長の変化率、外観不良評価結果を、アニメーション、コンター、変形図、グラフなどをグラフィック画面上に表示するものである。グラフィック画面の結果を、外部ファイルへ出力する機能を有していてもよい。
次に、本発明で用いる流動長について詳しく説明する。射出成形の金型設計において最も重要なのは、設計中の金型で実際に成形できるかという点であり、流動性を見積もるために、従来から流動比(L/t)という指標が使われている。流動比は、ゲート部10から微小要素に分割された成形品CADデータの各節点までの流路の長さである流動長(L)と、製品肉厚(t)との比を示す。たとえば、非特許文献3で示されている式を例に挙げると下記になる。

Figure 0006639899

Li:ある流路の長さmm、ti:その流路の厚さmm
非特許文献3に示されているように、L/tは、樹脂の温度、射出圧力、ゲートの種類、ランナー9の長さで大きく変化するが、樹脂ごとに目安がある。たとえば、ポリエチレンであれば、射出圧力1500(kg/cm2)で、流動比は280〜250、ポリカードネートであれば、1300(kg/cm2)で、流動比は180〜120である。たとえば特許文献4では、流動比や流動長を使って、充填不足となるような成形不良現象を求める方法が記載されている。特許文献5では、成形実験結果の圧力と流動解析で得られた圧力結果を比較・補正をしながら、パラメータ(樹脂、圧力、温度、ゲートからの流動長)を用いて、成形可否を判断している。
このように、従来から流動比、流動長は、成形可能(充填不足が起こらないか)どうかの判断指標として使われてきた。本発明では、この流動長(L)を使って、会合角では予測が難しいフローマークのような製品肉厚のわずかな変化に伴うフローフロント部の不安定流動に起因する成形不良現象の予測を行っている。
まず、流動長は、ステップ2の充填解析で求めた各節点位置における樹脂到達時間と、その節点を含む要素の流速分布の時系列データから算出できる。流速ベクトルと逆方向に順次時間を遡り、ゲート部までの累積距離を計算すればよい。
流動長から、外観不良予測位置を求める方法の例を挙げる。図7に、均一肉厚を持つ板の計算モデルを示す。両サイドの2点をゲート部10とし、流動解析を行った。図8に流動パターン31を示しているが、中央に対向ウェルドライン部32が発生する。図9に流動長33の等値面表示を示すが、等値面の変化が激しい部位34はウェルドラインが発生する位置に相当することがわかる。このように、流動長の等値面の間隔や形が大きく変化している場所は、言い換えると、流動長の変化率が大きい場所になる。ユーザーが流動長の等値面を見て、変化が大きい部位を外観不良が発生しやすい場所と判断してもよいし、プログラムで自動的に判断するために、流動長の変化率を計算してもよい。
本発明では、流動長または流動長の変化率が大きい場所を確認することで、外観不良が発生しやすい場所と予測することになる。
流動長の変化率、あるいは流動長の微分値は、流動長を何の変数で割るかによって異なるが、その変数の例としては、空間変数(グローバル座標、材料座標(流動方向、直交方向、肉厚方向)、局所座標)、時間などがある。微分回数は、1階微分だけでなく、2階でも良い。プログラムで自動判定する場合、流動長と流動長の変化率の両方とも考慮した方が望ましい場合もある。たとえば、図10の場合では2mm均一肉厚の板形状の両端をゲート部とし、樹脂を射出すると中心部で合流し、対向ウェルドと呼ばれる成形不良現象が生じる。しかし、この製品形状かつゲート位置の場合で、どちらのゲート部からの流動長は等しいため、流動長の変化率はゼロになってしまう。そこで、プログラムで自動判定するために、流動長が閾値を超えており、かつ流動長の変化率がゼロの場合は、対向ウェルドラインを示すとしてもよい。
図11は、本発明の成形品の設計支援方法を実行するハードウェア構成例を示す図である。コンピュータ101に、補助記憶装置102、入力装置103、表示装置104、CAD装置105が接続されている。
オペレータがCAD装置105で作成した成形品の3次元CADデータを表示装置で確認後、コンピュータ101を介して、補助記憶装置102へ格納する。入力装置103で、流動解析の条件を決定する。入力する条件は、成形温度、金型温度、充填時間、想定使用樹脂等であり、データは補助記憶装置102に格納される。次に、オペレータの指示により、コンピュータ101が、補助記憶装置102から、これらのデータを内部のRAM(ランダムアクセス可能な揮発メモリ)に読み込み、流動解析を行う。得られた結果は表示装置104により、表示される。必要に応じてオペレータが成形条件、ゲート部の位置、ゲート部の数を変更し、再び流動解析を行うことができる。また、解析結果の出力は別途用意したプリンタ装置に対して行ってもよく、補助記憶装置102に格納してもよい。
CAD装置105は、3次元的な形状を作成する装置であり、作成した3次元形状は、例えばIGESデータ形式またはSTLデータ形式などのデータとして出力され、補助記憶装置102に保存される。
図12は、本発明の外観不良予測の設計方法と、それに基づいて決定した射出成形条件による射出成形品の製造方法における手順の例を示したフローチャートである。
射出成形過程の解析では、計算用モデル作成手段8で、あらかじめオペレータが作成した3次元CADデータを読み込み(ステップ1001)、次に、CADデータを複数の微小要素に分割する条件設定を行い、有限要素分割を行い、計算用モデルを作成する(ステップ1002)。
次に、条件設定手段9で、あらかじめ登録された樹脂データベースから樹脂材料の選択し、射出成形条件の設定(成形温度、金型設定温度、充填完了時間、保圧時圧力、金型内冷却時間など)、必要であれば解析パラメータ変更を行う(ステップ1003)。
次に、流動解析手段10を実行する(ステップ1004)。樹脂到達時間をもとに、ゲート部までの流動長、流動長の変化率を算出し、外観不良発生予測位置を求める(ステップ1005)。その結果をオペレータが確認し、外観不良位置や程度に問題はないか判断する(ステップ1006)。
品質の改善が必要と判した場合には、成形条件を変更する(ステップ1007)。改善の必要性がない場合は、成形条件どおりの射出成形を行う。(ステップ1008)。
このように、本発明は、従来の会合角では予測が困難であったフローフロント部の不安定流動に伴う成形不良現象や、従来の会合角で評価していたウェルドラインも評価可能となる。また、好ましくない場所に、成形不良現象が発生する恐れがある場合は、成形条件や製品肉厚を変更することで、対策実施が可能となる。
3次元射出成形品への実施例について示す。本成形品は、100mm×100mm×3mmの板状成形品であり、角の2点をゲート部とする。2つのゲート部から注入された溶融樹脂は、それぞれフローフロント部を形成し、成形品中央で合流し、対向ウェルドラインが発生する。ここでは、本発明に基づくウェルドライン位置の予測方法を示す。まず、流動解析ソフトウェアには、3D TIMON(東レエンジニアリング(株)製 登録商標)を使用した。まず、図9のステップ1001において、射出成形品のCADデータを読み込み、複数の6面体微小要素に分割し、図7の計算用モデルを作成した(ステップ1002)。次に、ステップ1003において、射出成形条件(使用樹脂:ナイロン66樹脂 、材料射出温度:280℃、成形型温度:80℃、材料射出時間:1sec)を入力した。
次に、ステップ1004の流動解析を行った。図8に流動解析によって得られた充填パターン、図13に、ステップ1005を実行して得られた流動長の変化率分布35(全体座標系における各X,Y,Z方向変化率の合成した結果)を示す。流動長の変化率が高く色が変化している外観不良予測位置34は、ウェルドラインが発生する成形不良現象発生位置と一致していた。
図14には、微小な製品肉厚差を持つ成形品がある。右側が製品肉厚1mm、左側が製品肉厚1.3mmを持つ。板の中央部からやや右側にあるゲート部から注入された樹脂は、段差によってフローフロント部が乱れ、成形不良現象が破線部に発生することが知られる。
実施例1と同様の手順で流動解析をして、図15の流動パターン、図16の流動長の変化率35を求めた。流動長の変化率が高い場所34と、成形不良現象が発生する場所が一致することがわかった。
本発明によれば、射出成形品に発生する外観不良を精度良く予測することができ、高精度な造形品を得ることができる。
また、上記のように流動長を利用して外観不良の予測を行う設計支援方法は、ウェルドラインに限らずたとえばメルドライン、フローマーク、シルバーといった外観不良予測にも適用することが可能である。
1:射出成形機
2:金型
3:シリンダー
4:スクリュー
5:ホッパー
6:油圧モータ
7:油圧シリンダー
8:ノズル部
9:ランナー部
10:ゲート部
11:製品部
12:フローフロント部
13:ウェルドライン部
14:会合角
15:計算用モデル作成手段
16:条件設定手段
17:流動解析手段
18:結果表示手段
19:データ解析手段
20:CADデータ読み込み
21:有限要素分割実行部
22:使用樹脂設定部
23:成形条件設定部
24:解析パラメータ設定部
25:金型冷却解析部
26:充填解析部
27:保圧・冷却解析部
28:繊維配向解析部
29:物性解析部
30:そり解析部
31:充填パターン
32:対向ウェルドライン
33:流動長分布
34:外観不良予測位置
35:流動長の変化率分布
36:成形不良発生位置
101:コンピュータ
102:補助記憶装置
103:入力装置
104:表示装置
105:CAD装置

Claims (4)

  1. 成形品に基づく樹脂流動解析用モデルを複数の微小要素に分割し、計算モデルを作成する樹脂流動計算モデル作成工程と、樹脂流動解析用設定条件に基づき樹脂流動解析を実施する樹脂流動解析工程と、樹脂流動解析工程で求めた解析結果を用いて、ゲート部から各前記微小要素の節点までの流路の長さである流動長を算出する工程と、前記流動長または前記流動長の変化率の少なくとも一つから外観不良現象の発生を予測する外観不良検出工程を有し、
    前記外観不良現象は、ウエルドライン、メルドライン、フローマーク、シルバーであることを特徴とする成形品の設計支援方法。
  2. 請求項1に記載された成形品の設計支援方法をコンピュータに実行させるコンピュータ・ソフトウェアを搭載することを特徴とする成形品の設計支援装置。
  3. 請求項に記載された成形品の設計支援装置の各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータ・ソフトウェア。
  4. 請求項に記載されたコンピュータ・ソフトウェアを記憶した記憶媒体。
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