JP2004318863A - 成形品の設計支援方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
比較的短い計算時間で成形品の充填不足による成形不良位置を計算する方法および装置ならびにこれらを利用した成形品の設計方法を提供する。
【解決手段】
金型内のキャビティに対して、解析モデルを作成し、肉厚計算と流動解析を行うことで、成形性パラメータとしてキャビティ内の流動比や流動長の分布を算出し、材料によっていあらかじめ定められたしきい値を使用して高成形性パラメータ箇所を特定し、成形不良箇所を予測することを可能にする。
【選択図】図6

Description

本発明は、射出成形品、ダイカスト品やチクソモールディング品、鋳造品などの成形品の成形品の設計支援方法および装置、プログラム、コンピューター読み取り可能な記憶媒体に関する。
射出成形金型を設計する場合、成形品キャビティ部の流体の流入位置などのパラメータは、充填不足、ヤケなどによる成形不良が発生しないよう適切に決定しなければばらない。そのため、充填不足、ヤケ等の問題が成形品キャビティのどの部分に発生するか予測し、発生箇所を避けるように金型を設計し、適切な成形条件を設定することが重要である。
従来、充填不足の予測方法として、経験的な材料の流れやすさの目安として用いられる流動比(L/T)を用いる方法がある。流動比とは基本的には流体の流路の最大充填長さ(L)を成形品肉厚(T)で割った値のことである。
この値が流体の種類別に経験的に知られたしきい値を超えている場合は充填不足による成形不良が起こりやすいと判断する。金型の設計時には流体の流入路をできるだけ流動比がしきい値より小さくなる位置に定めることが望ましいと言える。また、いったん流動比がわかれば、しきい値との比較で、簡単に成形不良の発生の可能性を推定できる。
経験的に知られたしきい値とは、例えば非特許文献1や非特許文献2に記載の流体の種類別に経験的に知られたしきい値や、また、物性的に似ていると判断される流体のしきい値が使用される。
また、しきい値の測定方法としては、例えば非特許文献2に記載のスパイラルフローとよばれる試験方法で金型内の流動性を計測する方法や、成形品に類似の試験金型を使用して計測する方法などがある。
また、流動比の算出方法は、実用上様々な方法がある。例えば図1のように板状の成形品キャビティと流体の流入路からなる金型の場合、式1の示すように板状の成形品のキャビティ流動比と流体流入路の流動比をそれぞれ求め、各部の流動比の和を求め、流路全体の流動比とする。
Figure 2004318863
ここでL1は成形品キャビティの流動長、L2は流体流入路の最大の流動長(流体流入路32と、ここから最も遠い位置にある成形品キャビティまでの距離)、T1は成形品キャビティの肉厚、T2は流体流入路の肉厚である。また、流体流入路のように流路が1次元的で断面が円形の場合は直径を肉厚とみなして計算する。
また、成形品の形状や流体流入路の形状が複雑な場合は、成形品や流体流入路を大きく何箇所かの部分に分けて、各部分の外形寸法からおおよその流路長さをオペレータの経験と勘から概算して、成形品や金型の設計図から各部分の平均的な流路肉厚を概算する。各部分の流路長さを平均的な流路肉厚でわった各部分の流動比を求め、各部分の流動比和を求めることで計算していた。
一方、樹脂がキャビティ内で長い距離を流れた場合、樹脂が金型の壁面との接触する面積が大きくなる。そのため、蓄熱部・過冷却部などの極端な金型温度の変化のために樹脂が劣化したりする可能性が高くなる。つまり、流動長が大きくなることは、ヤケ、充填不良などの不良が発生する可能性が高くなることを意味しており、流動長についても経験的に知られたしきい値以下にすることが望ましい。
しかし、本発明者らの知見によると、成形品や流体流入路の流路長さを正確に求めるためには、実際に流体がどのように流れるかを把握するのが望ましい。また、肉厚についても、成形品のキャビティや流体流入路の各部分で異なるため、平均値ではなく、各部分の局所的な肉厚の値を使用することが望ましい。
特に複数個のキャビティがある金型や異形のキャビティが複数配置されている金型の場合、流体の流れを把握することは困難で、経験と勘に頼って流路長さを求めることは難しい。また、肉厚変化が大きなキャビティの場合、様々な肉厚の値を考慮して流動比を求めるのも困難である。また、先の概算で求める方法についても、実際の流路長さが考慮されているわけでないので、求められた流動比が実際のものとかけはなれている危険性があった。
一方、計算機によって成形性の予測を行う方法として射出成形CAEシステムを使用する方法がある。このようなシステム例としては3D TIMON(東レ株式会社製)、Moldflow(Moldflow社製)、Planets(株式会社プラメディア製)のシステムがあげられる。このようなシステムはキャビティ形状に対して、複数の微小要素からなる解析モデルを定義し、有限要素法や有限体積法などの数値計算手法を用いてキャビティ内の樹脂の流動状態や温度分布を計算する。
特に、キャビティ内の流体の流動解析では、フローフロントと呼ばれる流動先端の進行、非ニュートン性、金型表面付近での著しい温度変化による流体の固化現象などを考慮する必要がある。そのため、射出成形CAEシステムの計算では、充填開始から完了までの時間を細かい時間ステップに分割して、その1つの時間ステップごとに流体の流量、温度、圧力、物性、温度変化による流体の固化の状態の計算を繰り返し行う。この繰り返し計算は充填が完了、または充填が途中で止まるまでの全ての時間ステップで行う必要があるので計算に要する時間はたとえば数時間以上といった具合に非常に長いが、流体の固化による充填不足の精度よい予測が可能である。かかる射出成形システムに好ましく用いられる手法が特許文献1に記載されていうる。
「プラスチック射出成形用金型設計入門(白石順一郎、1986年、シグマ出版)」 「射出成形用金型」(廣恵章利、1973年、日刊工業新聞社) 「鋳造の形状特徴抽出法に関する基礎検討(長坂悦敬、大中逸雄、村上俊彦、日本鋳造工学会誌第72巻第11号、2000年)」 特許第2998596号公報
上記の通り、キャビティの流動比に基づいて成形可能性を判定する方法は、特に複数個のキャビティや異形のキャビティが複数配置されている金型の場合金型設計図から流動比を概算することは難しく、成形性を予測することが難しい。
一方、射出成形CAEシステムの計算は充填不足、流体の固化の予測を行うには、計算工程が膨大で非常に長い計算時間がかかり、さらに固化の正確な予測のために、流体の物性データ(粘度、熱伝導率、密度、流動停止温度など)の正確なデータが必要である。
実際の金型設計時には流体の流入路の位置を決めることが重要であり、充填不足による成形不良の予測をある程度正確に、かつ、高速に計算するのが好ましいが、上記2つの従来技術はいずれもその要請に十分応えられるものではなかった。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたもので、比較的短い計算時間で成形品の充填不足などによる成形不良発生箇所を推定しやすい成形品の設計支援方法および装置、プログラム、コンピューター読み取り可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
本発明によれば、成形品の設計支援方法であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
(2)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルに基づいて成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部における流路肉厚を算出する流路肉厚算出工程と、
(3)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部における流路肉厚から前記金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と
を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の設計支援方法であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
(2)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と
を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、さらに、前記成形性評価パラメータを前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示することにより、成形品の成形性評価パラメータを可視化する成形性評価パラメータ可視化工程を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記成形性評価パラメータ算出工程において、流体の材料物性データとして成形品の材料物性データとは異なる所定の材料物性データを使用して流動解析することを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、さらに、前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定工程と前記高成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化工程を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記高成形性評価パラメータ箇所特定工程の実行前に、複数の材料物性データを記憶した材料データベースから読み取った情報に基づいて前記しきい値を定めることを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、成形品の設計支援方法であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
(2)前記金型における流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義工程と、
(3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力工程と、
(4)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルに基づいて成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部における流路肉厚を算出する流路肉厚算出工程と、
(5)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部における流路肉厚から前記金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と、
(6)前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定工程と
(7)前記成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化工程とを含み、前記高成形性評価パラメータ箇所特定工程において高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定された場合に前記(2)または(3)の工程に戻り(2)または(3)〜(5)の工程を繰り返すことを特徴とする、成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、成形品の設計支援方法であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
(2)前記金型における流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義工程と、
(3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力工程と、
(4)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と、
(5)前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定工程と
(6)前記成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化工程とを含み、前記高成形性評価パラメータ箇所特定工程において高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定された場合に前記(2)または(3)の工程に戻り(2)または(3)〜(4)の工程を繰り返すことを特徴とする、成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記成形性評価パラメータ算出工程は、流体の流動解析の結果求めた流体の流路に沿って、各部における成形性評価パラメータを積算して求めることを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、高成形性評価パラメータ箇所特定工程において高成形性評価パラメータ箇所が発生すると判定され前記流体流入路定義工程に戻ったときに、流体の流入路の位置を直前の前記成形性評価パラメータ算出工程で算出された成形性評価パラメータが大きい値をとる領域に近づくよう移動することを特徴とする成形品の設計支援方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、成形品の設計支援方法によって得られた、高成形性評価パラメータ分布に基づいて成形品の射出成形金型を設計し、設計した前記金型を用いて射出成形品を製造することを特徴とする成形品製造方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の設計支援装置であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
(2)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルから成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部における流路肉厚を算出する流路肉厚算出手段と、
(3)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部における流路肉厚から金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と
を備えてなることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、成形品の設計支援装置であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
(2)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と
を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、さらに、前記成形性評価パラメータを前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示することにより、成形品の成形性評価パラメータを可視化する成形性評価パラメータ可視化手段を備えてなることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、さらに、前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定手段と、前記高成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高流動比箇所可視化手段を備えてなることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記成形性評価パラメータ算出手段は、流体の材料物性データとして成形品の材料物性データとは異なる所定の材料物性データを使用するものであることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、さらに、複数の材料物性データを記憶した材料データベースを備え、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段は、前記材料データベースから読み取った情報に基づいて前記しきい値を定めるものであることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、成形品の設計支援装置であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
(2)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルに対して、流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義手段と、
(3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力手段と、
(4)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルから成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部の流路肉厚を算出する流路肉厚算出手段と、
(5)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部の流路肉厚から金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と、
(6)前記流動比が所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定手段と、
(7)特定された前記高成形性評価パラメータ箇所を可視化する高成形性評価パラメータ箇所可視化手段と、
を備え、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段が高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定した場合に前記流体流入路定義手段および前記成形条件入力手段に、流体の流入路の位置、流体の流入路の数、成形条件、材料のうち1つ以上の条件を変更させるよう構成されていることを特徴とする、成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、成形品の設計支援装置であって、
(1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
(2)前記金型における流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義手段と、
(3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力手段と、
(4)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と、
(5)前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定手段と
(6)前記成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化手段とを含み、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段において高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定された場合に前記流体流入路定義手段および前記成形条件入力手段に、流体の流入路の位置、流体の流入路の数、成形条件、材料のうち1つ以上の条件を変更させるよう構成されていることを特徴とする、成形品の設計支援装置。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記成形性評価パラメータ算出手段は、流体の流動解析の結果求めた流体の流路に沿って、各微小要素における成形性評価パラメータを積算して求めるものであることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段において高成形性評価パラメータ箇所が発生すると判定された場合に、前記流体流入路定義手段に流体の流入路の位置を直前の前記成形性評価パラメータ算出手段で算出された成形性評価パラメータが大きい値をとる領域に近づくよう移動するよう構成されていることを特徴とする成形品の設計支援装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、成形品の設計支援方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、プログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記憶媒体が提供される。
本発明によれば、比較的短い計算時間で成形品の充填不足による成形不良位置の予測が可能になる。
さらに、成形不良が発生しない樹脂流入路を見いだして、成形不良の発生しない金型形状等の成形条件の設計が容易となる。
本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図2は本実施形態の各手順の例を示したフローチャートである。
まず、ステップ11で解析モデルを作成する。これには、3次元CADデータから中立面を作成し、2次元シェル要素を自動作成したり、CADデータを直接利用して3次元ソリッド要素を自動作成したりする方法などがある。これらの方法は、たとえば、I−DEAS(SDRC社製)、CATIA(Dassault社製)、Unigraphics(UGS社製)といった多くのCADソフトウェアに搭載されている既存の技術である。これらの代表的な手法としてはデローニー法による四面体メッシュの作成アルゴリズムや、ボクセル法による直交六面体メッシュの作成アルゴリズムなどがある。また、2次元の図面より、中立面を考慮して2次元シェル要素を作成したり、3次元ソリッド要素を作成したりする方法などがある。これらの計算用モデル作成作業には、汎用の計算用モデル作成ソフト(例えばMSC社のPATRAN)を用いることができる。なお、ここで、解析モデルの作成は、既存の解析モデルがあるときは、いちいち最初から構築するのではなく、使用しているコンピュータの主記憶装置に読み出して達成してもよい。
次に、ステップ12において流路肉厚の計算を行う。
成形品の場合、図10に示すように、流路はキャビティ41または42と流体流入路43に区別される。キャビティは成形後に製品となる部分で、流体流入路は成形機からキャビティに流体を送り込む流路にあたる。
流路肉厚の計算方法としては、3次元CADデータの表面のある節点から、キャビティ内部に向かう法線ベクトルを算出し、法線ベクトルの延長線と向かい側の表面との交点を求めて、節点と交点の距離を求める方法や、その他の画像処理の分野などで知られる既知の方法、例えば非特許文献3記載の方法を使用してもかまわない。
また、3次元CADデータの代わりに、解析モデルから、解析モデルの表面にある微小要素や節点を算出し、表面にある微小要素や節点のデータから表面を構成する三角形や四角形などの2次元の要素から構成される表面モデルを作成して、この表面モデルを利用して、キャビティ内部に向かう法線ベクトルを算出してもかまわない。
また、図3のように、流路の長さが流路の断面の大きさよりも十分に長く、流体が一定方向に流れるような場合、断面の径として最も計算が容易な代表的な値(例えば円形断面なら直径)を肉厚としてもよい。簡易的に肉厚を計算するには最も適した方法であり、特に流体流入路ではこのように肉厚を定義するとよい。さらに、より精度よく流動比を算出するには、肉厚とは流路の厚みであるから、その定義にしたがい円形断面の面積から同一面積の正方形形状を求めてその一辺の長さを流路の厚み、すなわち肉厚とすることが望ましい。
また、流路の断面が四辺形の場合は、代表的な値として、最も短い辺の長さ、対角線の長さなどを肉厚としてもよいし、断面積から相当の直径を求めてその値を肉厚としてもよいが、最も短い辺の長さを肉厚とするのがより望ましい。
ここで計算された流路肉厚分布から、微小要素ごとの流路肉厚の値を算出する。各微小要素は流路形状の該当する部分の肉厚を取り出して、流路肉厚の値を保持する。
微小要素ごとの肉厚の値とは、図4のように微小要素が厚み方向に1層しかない場合は、そのまま流路の肉厚の値が微小要素ごとの肉厚の値となる。図4の場合、微小要素E0の肉厚はTである。図5のように微小要素が厚み方向に多層ある場合についても、そのまま流路の肉厚の値を微小要素ごとの肉厚の値に設定する。図5の場合各微小要素E1〜E4の肉厚の値は全て、流路肉厚の値Tであ
る。これは、流動比の定義は式1に示すように流動長/流路肉厚の和であるため、微小要素ごとの流動比を算出する場合も流路そのものの肉厚を使用するためである。
図5のように微小要素が厚み方向に多層ある場合、肉厚の途中にある微小要素における肉厚は、以下のように求めればよい。微小要素ごとに算出される肉厚のことをことでは微小要素肉厚と称する。
例えばあらかじめ図4のように厚み方向に1層しかない解析モデルを別に作成して微小要素肉厚を求め、図5の微小要素と図4の微小要素の位置を比較し、図5の微小要素の位置と同じ箇所に配置されている図4の微小要素を取り出して、取り出した図4の微小要素肉厚の値を図5の微小要素肉厚とすることで算出すればよい。
または、まず1層しかない解析モデルを作成して微小要素肉厚を求めて、この微小要素をさらに細かく多層に分割して、分割した複数の微小要素にあらかじめ求めてある元の1層の微小要素肉厚を与えることで算出してもよい。
このように1層しかない解析モデルを使用する方法は、直方体の微小要素を作成するボクセル法によって作成された解析モデルや、四面体の微小要素を作成するデローニー法などで作成された解析モデルで、1層しか微小要素のない部分が多数作成されるような場合に有効である。
また、3次元CADデータの表面のある節点から、キャビティ内部に向かう法線ベクトルを算出し、法線ベクトルの延長線と向かい側の表面との交点を求めて、節点と交点の距離を求めることで流路の肉厚がすでに計算されている場合は、まず3次元CADデータの表面の節点が肉厚の値を保持する。次に、法線ベクトルの延長線上にあり、前期表面と向かい側の表面との間にある微小要素を取り出す。そして、取り出した微小要素肉厚を3次元CADデータの表面の節点が保持している肉厚とすることで算出してもよい。
この場合、3次元CADデータの代わりに、解析モデルから、解析モデルの表面にある微小要素や節点を算出し、表面にある微小要素や節点のデータから表面を構成する三角形や四角形などの2次元の要素から構成される表面モデルを使用してもよい。
また、この場合、複数の節点の法線ベクトルの延長線上に存在する微小要素や、逆にどの法線ベクトルの延長線上にも存在しない微小要素が発生する可能性がある。
複数の節点の法線ベクトルの延長線上に存在する微小要素が発生した場合は、複数の節点が有する肉厚の値を平均して微小要素肉厚としてもよいし、最大値または最小値をもって微小要素肉厚としてもよいし、あらかじめ決められた順位付けの高い節点の肉厚をもって微小要素肉厚としてもよく、成形品の形状や解析精度上最も好ましいと判断されるものを使用すればよい。
一方、どの法線ベクトルの延長線上にも存在しない微小要素が発生した場合は、近接する複数の微小要素のうち微小要素肉厚が算出されている微小要素の微小要素肉厚を利用すればよい。例えば、隣接する微小要素肉厚が算出されている微小要素の微小要素肉厚をもって該当する微小要素の微小要素肉厚としてもよい。隣接する微小要素肉厚が算出されている微小要素が複数ある場合は、複数の微小要素が有する微小要素肉厚の値を平均して微小要素肉厚としてもよいし、最大値または最小値をもって微小要素肉厚としてもよいし、あらかじめ決められた順位付けの高い微小要素肉厚をもって微小要素肉厚としてもよく、成形品の形状や解析精度上最も好ましいと判断されるものを使用すればよい。隣接する微小要素がいずれも微小要素肉厚が算出されていない場合は、隣接する微小要素にさらに隣接する微小要素のうち、微小要素肉厚の値が算出されている微小要素の微小要素肉厚をもって該当する微小要素の微小要素肉厚としてもよい。
なお、流路肉厚はすべての微小要素や解析モデルのすべての部位で求めてもよいが、高い流動比となる流路があらかじめ予測できるときなどは、流路沿いの解析モデル各部のみについて流路肉厚を求めるようにしてもよい。
次にステップ13において成形性評価パラメータとして流動比の算出を行う。成形性評価パラメータ算出工程では、まず、入力データとして材料物性の設定と成形条件の設定を行う。ここで与えられる材料物性は成形される材料の粘度、比熱、熱伝導率、密度、流動停止温度などである。また成形品の材料としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネードなどの樹脂材料やマグネシウム合金等の金属材料など様々な材料を使用できる。また、ここで与えられる成形条件は例えば射出成形で成形される成形品の場合は射出圧力、射出温度、充填時間、流体流入ゲート位置、流体流入ゲート数、金型温度などである。そして流動解析を行うことで充填のパターンが得られる。
なお、流体流入ゲートとは、図10の51や52のように、流体流入路からキャビティに流体が進入する場所のことを指す。また、流体流入口とは図10の53のように、金型の流体流入路に流体が進入する場所のことで、成形機内で加熱し溶融状態にある材料の流体が金型内に進入する場所にあたる。
この流動解析は、例えば東レ株式会社の3D TIMONのように実際の射出成形に用いる材料の物性をそのまま用いて、解析に時間はかかるが精度の高い非ニュートン流体の流動解析方法を用いてもかまわない。ただし、流動比を求めるためには材料がどの経路を通って流れるのかがわかればよいので、この点で十分な精度が得られる限りで、実際よりも計算負荷の小さい計算手法や仮の物性を利用してもよい。
例えば、実際の成形には非ニュートン流体の材料を用いるが、ニュートン流体の材料であるとして流動解析を行ってもかまわない。この場合、非ニュートン流体の流動解析よりも計算コストを抑えることが可能になる。また実際の成形には圧縮性の材料を用いるが、この計算のためには圧縮性が無いものとして計算するといった方法を用いることもできる。さらに、解析モデルに直交格子を用いて差分法などを採用すれば、さらに計算コストを抑えることが可能になる。
この充填パターンにより流体の流入路から成形品キャビティの各部分への流体の経路が求まり、流体の経路とステップ12で求めた流路肉厚から流動比を算出する。流動比の計算方法については後で詳しく説明する。
次にステップ14において成形性評価パラメータとして流動比の計算結果を表示する。最終的に成形性評価パラメータの分布が得られることにより、成形性評価パラメータの高い部分が成形不良発生可能性が高いと判断できる。
また、別の好ましい形態においては、図6に示すようにステップ13の後に高成形性評価パラメータ箇所特定工程(ステップ15)を実行することにより、成形不良の発生する蓋然性の高い高流動比箇所の位置を具体的に予測することもできる。このステップは必要に応じて付加されるもので、成形性評価パラメータ算出工程で求めた成形性評価パラメータがあらかじめ設定したしきい値に収まっているかどうか判断する。
または、しきい値のデータベースを使用して、入力した材料物性データから、データベースに登録されている材料のデータを検索して、自動的にしきい値を計算して、しきい値に収まっているかどうか判断してもかまわない。
キャビティ内のしきい値に収まっていない位置の分布は、ステップ16で表示出力される。
成形性評価パラメータがしきい値に収まっていない場合、その位置は、成形性評価パラメータが高く、成形不良が発生する蓋然性が高いといういことになる。そこで、必要に応じて、流体流入ゲートの位置、流体流入ゲートの数を変更するなどして流体流入路の形状を変更したり、成形条件、材料物性条件といった項目に関してパラメータを変更したりする。この場合、まず変更する項目を決定し、変更する項目に関して許容範囲に収まるようなパラメータを決定する。変更する項目は、あらかじめシミュレーションを実行する前に定めておいても構わないし、シミュレーション実行中に決定しても構わない。特に、流体の流入路についてはあらかじめ候補となる位置や、候補となる位置の範囲を指定して、繰り返し計算すると、最も良い成形性を持つ金型を高速に知ることが可能となる。
また、変更するパラメータの探索方法としては、例えば、キャビティ内の流動比分布を見て、概略大きい値を持つ領域の方向に流体の流入路を移動させる方法や、成形性評価パラメータの最大値を評価関数として、数理最適化の手法である準ニュートン法、シミュレーティッド・アニーリング法、遺伝的アルゴリズム法、実験計画法などを用いる方法や、オペレータが経験的に決定する方法などが考えられる。
さらにステップ16で表示された、成形不良発生の可能性の高い箇所の位置を判断して、オペレータが流体流入ゲートの位置や数、流体流入路の形状、成形条件、材料を修正してもよい。
そして設定した値に基づいて再びステップ12からステップ16までの解析を実行し、ステップ17にて流動比の高い箇所の有無から繰り返し計算をするかどうか判断するといったたことを繰り返して、成形性評価パラメータがしきい値に収まるようにパラメータを決定する。
ここでステップ13において、流体の経路とステップ12で求めた成形性評価パラメータである流路肉厚から流動比を計算する方法の一例について、図7を用いてさらに詳しく説明する。
流動比を求めるには、流体の流入口から流体の経路に沿って微小要素を追跡する。
まず、ステップ21で流体の流入口に隣接する微小要素を取り出す。微小要素の数が非常に多い場合などは、複数の微小要素をまとめて1つの対象とみなして微小要素群を取り出してもよい。
次に、ステップ22で、ステップ21または繰り返し計算の途中の場合ステップ25で取り出された微小要素または微小要素群の大きさから、取り出された微小要素ごとの局所的な流路長さを計算する。この局所的な流路長さは、取り出された微小要素の流体の流入面から、流体の流出面までの距離をとってもかまわないし、取り出された微小要素の構成節点のうち、流体の流動方向に沿った2点間の距離をとっても構わないし、他の計算方法をとってもかまわない。
次に、ステップ23で、取り出された微小要素または微小要素群の局所的な流動比を計算する。局所的な流動比とは、ステップ22で計算された取り出された微小要素の局所的な流路長さをステップ12の流路肉厚算出工程で計算された取り出された微小要素における流路肉厚で割った値である。
次に、ステップ24で、取り出された微小要素または微小要素群の流動比を計算する。微小要素の流動比は、流体の経路上で取り出された微小要素または微小要素群の上流に隣接する微小要素または微小要素群の流動比に、ステップ23で求められた取り出された微小要素または微小要素群の局所的な流動比を加算した値である。また、上流に隣接する微小要素または微小要素群が複数存在する場合は、それらの流動比の平均値をとってもかまわないし、最大値や最小値、重みをつけた平均値などをとってもかまわない。
次にステップ25で、流体の経路上で下流に隣接する要素を抽出する。
このステップ22から25までの工程を、流体の流入路の微小要素または微小要素群から、流体の経路の最終充填位置の微小要素または微小要素群まで、流体の経路にしたがい順次計算を行うことで、キャビティ内の流動比分布を求める。なお、流動比の高い部位を見いだせればよい場合は、解析モデル中のすべての微小要素もしくは微小要素群またはすべての部位について流動比を求める必要はなく、必要な部位のみ求めるのでもよい。
または、別の好ましい形態においては、ステップ13で局所的な成形性評価パラメータとして流動比を求める代わりに流動長を求めるステップを設けた。その結果、流路肉厚の計算は必要なくなるため、ステップ12の計算は省略できる。
次に、本発明の成形品の設計支援方法を実行するための装置の例について図8を用いて説明する。
コンピュータ101に補助記憶装置102、入力装置103、出力装置104が接続されている。コンピュータ101の主記憶装置上には解析モデル作成手段105、流路肉厚算出手段106、流体流入路定義手段107、成形条件入力手段108、成形性評価パラメータ算出手段109、成形性評価パラメータ可視化手段110が記憶されている。また必要に応じて高流動比箇所特定手段111や高流動比箇所可視化手段112、複数の材料の物性データとしきい値を持つ材料データベース113が記憶されている。
材料データベース113については主記憶装置ではなく補助記憶装置上にあってもかまわない。
解析モデル作成手段105は図2または図6のステップ11を実行する手段である。
流路肉厚算出手段106は図2または図6のステップ12を実行する手段である。
流体流入路位置定義手段107、成形条件入力手段108、成形性評価パラメータ算出手段109、は図2または図6のステップ13を実行する手段である。
成形性評価パラメータ可視化手段108は図2または図6のステップ14を実行する手段である。
高成形性パラメータ箇所特定手段111は図6のステップ15を実行する手段である。
高成形性パラメータ可視化手段112は図6のステップ16を実行する手段である。
例えば、解析する成形品の解析モデルデータと境界条件、成形条件、材料物性条件は入力装置103により入力が受け付けられ、補助記憶装置102に格納される。そしてこれをオペレータの指示によりコンピュータ101内の演算処理装置が内部の主記憶装置に読み込み、解析モデルを作成し、流路肉厚算出、流動比や流動長の成形性パラメータの算出、成形性パラメータの可視化を実行する。
または、入力装置103により解析モデルデータの入力が受け付けられ、補助記憶装置102に格納される。そしてこれをオペレータの指示によりコンピュータ101内の演算処理装置が内部の主記憶装置に読み込み、流路肉厚算出、成形性パラメータ算出、高成形性パラメータ箇所特定、成形性パラメータ可視化、高成形性パラメータ箇所可視化を実行する。また、成形性パラメータ比算出結果や高成形性パラメータ箇所特定結果などの計算結果は可視化せず、次の解析等の入力としてもかまわない。そして演算処理装置が行った解析の結果は出力装置に出力する。さらに必要に応じて、オペレータが流体の流入路位置、流体の流入路数、成形条件、材料物性条件を変更して再び解析ができる。また、計算結果の出力は別途用意したプリンタ装置に対して行ってもよく、データ記憶装置200に格納してもよい。この場合は別の計算装置の入力データとしてこの出力を利用することもできる。
または、別の好ましい形態においては、成形性評価パラメータとして流動比を求める代わりに流動長を求める成形性評価パラメータ算出手段109を設けた。その結果、流路肉厚の計算は必要なくなるため、流路肉厚算出手段106は省略できる。
以上の通り、本実施形態の成形品の設計支援方法および装置は、コンピュータのメモリ上のプログラムおよびデータならびに中央演算装置の動作によって実現されている。かかるコンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROMといったコンピュータ読み取り可能な有形記憶媒体または無線もしくは有線のネットワーク等の伝送媒体を通じて流通される。
以下に、上記実施形態を用いて本発明の成形品の設計支援方法および装置を樹脂成形品を例にとり、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施例1]
ここでは図9に示す携帯電話のカバーの射出成形による樹脂成形品を計算機でシミュレーションする場合の実施例について説明する。この成形は図10に示すように、携帯電話カバーの表側と裏側を同一の金型50で成形するものである。この樹脂成形品のサイズは、図9の42で示す携帯電話カバーの表側が幅40mm×120mm、高さ10mm、肉厚の平均値は1mmである。図9の41で示す携帯電話カバーの裏側が幅40mm×120mm、高さ12mm、肉厚の平均値は1mmである。
まず図2のフローチャートのステップ11で入力装置103より入力された図9に示すような複数の三角形から成る解析形状モデル41、42を入力しデータ保存装置102に保存し、その後主記憶装置上に読み込む。材料物性条件(使用材料:ガラス繊維非強化ポリカーボネード樹脂)を入力し、成形条件(射出温度:240℃、金型温度:80℃、充填時間:2秒、流体流入路位置:1カ所)および、流体流入路43を入力装置103より入力した。ガラス繊維非強化ポリカーボネード樹脂は圧縮性かつ非ニュートン性の材料であるが、本実施例では非圧縮性かつ、ニュートン性の流体であると仮定して計算を実施した。
各キャビティ41、42それぞれに1カ所の流体流入ゲート51および52が底面に設定されている。これらの入力データを使用して、ステップ12にて成形品の肉厚を算出し、ステップ13にて流動解析を実行し成形性評価パラメータとして流動比の分布を求めた。ステップ14にて出力装置104に成形性評価パラメータとしての流動比の分布を表示した。ここでは各微小要素の流動比を等高線表示した。求められた成形性評価パラメータとしての流動比の分布の例を図12に示す。
さらにステップ15にて、ポリカーボネード樹脂の成形可能性のしきい値を120と入力し、成形可能性予測を行い、ステップ16にて出力装置104に高成形性評価パラメータ箇所の位置を表示した。この位置は、成形不良が発生する可能性が高いと予測される位置である。その例を図13に示す。
経験上、図13で黒く塗りつぶした成形不良発生予測位置61やその近傍で成形不良が発生しやすいことがわかっているので、また、成形不良の可能性がきわめて高いとはいえないが、余裕がなくなるところをしきい値とすれば、成形条件に余裕があるかどうかを判定できる。
この実施例の場合、ステップ12以降の一連の計算時間は510秒である。特許文献1の方法にしたがって、成形に使用する樹脂の物性をそのまま用いて流動解析し、成形性評価パラメータとして流動比を求めた場合の計算時間1230秒と比べておよそ2.4倍高速に計算を実施できた。
[実施例2]
実施例1の成形品に対して、ステップ23で、成形性評価パラメータとして、局所的な流動比を求める代わりに、局所的な流動長を求める。材料物性条件、成形条件、流体流入口は実施例1と同一とした。
これらの入力データを使用して、ステップ13にて流動解析を実行し流動長の分布を求めた。ステップ14にて出力装置104に流動長分布を表示した。求められた流動長の分布の例を図14に示す。
さらにステップ15にて、ポリカーボネード樹脂の成形可能性の流動長のしきい値を140と入力し、成形可能性予測を行い、ステップ16にて出力装置104に高成形性パラメータ箇所の位置を表示した。
成形不良の発生予測位置の例を図15に示す。本実施例では、成形不良予測位置は2箇所発生しており、実施例1で確認された成形不良予測位置に加えて新たに別の箇所で成形不良が発生する可能性があることが判明した。
[実施例3]
実施例1の成形品に対して、ステップ17でくり返し計算の可否を判断し、オペレータの手動作業によって流体流入ゲート、流体流入路を変更して再計算を行う。再計算では図16に示すとおり、各キャビティ41、42それぞれに対して2箇所ずつ、流体流入ゲート54、55、56、57を配置した。その他の成形条件、材料物性条件、流体流入口53は同一とした。
これらの入力データを使用して、ステップ13にて流動解析を実行し成形性評価パラメータとしての流動比の分布を求めた。ステップ14にて出力装置104に成形性評価パラメータとして流動比の分布を表示した。求められた成形性評価パラメータとしての流動比の分布の例を図17に示す。
さらにステップ15にて、ポリカーボネード樹脂の成形可能性の成形性評価パラメータとしての流動比のしきい値を120と入力し、成形可能性予測を行い、ステップ16にて出力装置104に高成形評価性パラメータ箇所の位置を表示した。成形不良の発生予測位置の例を図18に示す。本実施例では、成形不良予測位置は無くなり、実施例3は実施例1より好ましい流体流入路であることを確認した。
この知見に基づいて金型を設計し製作すると、充填不足による成形不良が発生しにくい条件で、成形品を製造することができる。
[実施例4]
ここでは図19に示すパーソナルコンピュータのフロントカバーの射出成形による樹脂成形品を計算機でシミュレーションする場合の実施例について説明する。この樹脂成形品のサイズは、幅350mm×130mm、高さ12mm、肉厚の平均値は2.5mmである。
まず図2のフローチャートのステップ11で入力装置103より入力された図19に示すような複数の三角形からなる解析形状モデル71を入力しデータ保存装置102に保存し、その後主記憶装置上に読み込む。材料物性条件(使用材料:ガラス繊維非強化ABS樹脂)を入力し、成形条件(射出温度:200℃、金型温度:80℃、充填時間:4秒、流体流入路位置:1カ所)および、流体流入路72を103より入力した。
ここではあらかじめ、図20のように流体流入ゲートを設定できる位置73を定義して、遺伝的アルゴリズムを使用して、成形不良位置の発生しない流体流入ゲート位置を探索した。
キャビティ71に1カ所の初期流体流入ゲート74を設定した。これらの入力データを使用して、ステップ12にて成形品の肉厚を算出し、ステップ13にて流動解析を実行し成形性評価パラメータとしての流動比の分布を求めた。ステップ14にて出力装置104に成形性評価パラメータとして流動比の分布を表示した。求められた成形性評価パラメータとしての流動比の分布の例を図21に示す。
さらにステップ15にて、ABS樹脂の成形可能性の成形性評価パラメータとしての流動比のしきい値を160と入力し、成形可能性予測を行い、ステップ16にて出力装置104に高成形性評価パラメータ箇所の位置を表示した。成形不良の発生予測位置の例を図22に示す。
ステップ17でくり返し計算の可否を判断した。ここでは、高成形性評価パラメータ箇所が発生するため、繰り返し計算実行と判断し、ゲート位置を自動的に変更してステップ12〜17まで再計算を行う。
18回のゲート位置変更後、図23に示すように最終流体流入ゲート位置75が探索され、図21に示すように出力装置104に流動比の分布を表示した。出力装置104に成形性評価パラメータとしての流動比の分布を表示し、図22に示すようにステップ16にて出力装置104に成形不良予測位置を表示した。本実施例では、成形不良予測位置は無くなり、最終流体流入ゲート位置は初期流体流入ゲート位置より好ましい流体流入路であることを確認した
今回の計算時間は18回の繰り返し計算の合計で1620秒かかった。
本発明は、成形品の設計支援方法に限らず、金型の設計支援方法や射出成形解析結果の評価方法などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
金型と成形品キャビティと流体流入路の例を示す図である。 本発明の成形不良発生位置予測方法の手順の例を示すフローチャートである。 本発明において用いる微小要素の流路肉厚の例を示す図である。 本発明において用いる微小要素の流路肉厚の例を示す図である。 本発明において用いる流路肉厚の例を示す図である。 本発明の成形不良発生位置予測方法の手順の例を示すフローチャートである。 本発明の成形不良発生位置予測方法の流動比の計算手順の例を示すフローチャートである。 本発明の成形不良発生位置予測装置のハードウェア構成例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティの金型の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティの形状モデルの例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の形状の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の流動比の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の成形不良発生箇所予測の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の流動長の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の成形不良発生箇所予測の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の形状の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の流動比の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の成形不良発生箇所予測の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティの形状モデルの例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の形状の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の流動比の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の成形不良発生箇所予測の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の流動比の例を示す図である。 本発明の実施例において用いた成形品キャビティと流体流入路の成形不良発生箇所予測の例を示す図である。
符号の説明
E0:微小要素
E1:微小要素
E2:微小要素
E3:微小要素
E4:微小要素
30:金型
31:成形品キャビティ
32:流体流入路
41:キャビティ
42:キャビティ
43:流体流入路
50:金型
51:流体流入ゲート
52:流体流入ゲート
53:流体流入口
54:流体流入ゲート
55:流体流入ゲート
56:流体流入ゲート
57:流体流入ゲート
61:成形不良発生予測位置
62:成形不良発生予測位置
63:成形不良発生予測位置
71:キャビティ
72:流体流入路
73:流体流入ゲート候補位置
74:流体流入ゲート初期位置
75:流体流入ゲート最終位置
81:成形不良発生予測位置
101:コンピュータ
102:補助記憶装置
103:入力装置
104:出力装置
105:解析モデル作成手段
106:流路肉厚算出手段
107:流体流入路定義手段
108:成形条件入力手段
109:流動比算出手段
110:流動比可視化手段
111:高流動比箇所特定手段
112:成形不良箇所可視化手段
113:材料データベース

Claims (23)

  1. 成形品の設計支援方法であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
    (2)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルに基づいて成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部における流路肉厚を算出する流路肉厚算出工程と、
    (3)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして流動解析結果と前記各部における流路肉厚から前記金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と
    を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援方法。
  2. 成形品の設計支援方法であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
    (2)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と
    を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援方法。
  3. さらに、前記成形性評価パラメータを前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示することにより、成形品の成形性評価パラメータを可視化する成形性評価パラメータ可視化工程を含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載の成形品の設計支援方法。
  4. 前記成形性評価パラメータ算出工程において、流体の材料物性データとして成形品の材料物性データとは異なる所定の材料物性データを使用して流動解析することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形品の設計支援方法。
  5. さらに、前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定工程と前記高成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化工程を含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形品の設計支援方法。
  6. 前記高成形性評価パラメータ箇所特定工程の実行前に、複数の材料物性データを記憶した材料データベースから読み取った情報に基づいて前記しきい値を定めることを特徴とする請求項5に記載の成形品の設計支援方法。
  7. 成形品の設計支援方法であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
    (2)前記金型における流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義工程と、
    (3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力工程と、
    (4)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルに基づいて成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部における流路肉厚を算出する流路肉厚算出工程と、
    (5)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部における流路肉厚から前記金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と、
    (6)前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定工程と
    (7)前記成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化工程とを含み、前記高成形性評価パラメータ箇所特定工程において高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定された場合に前記(2)または(3)の工程に戻り(2)または(3)〜(5)の工程を繰り返すことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの成形品の設計支援方法。
  8. 成形品の設計支援方法であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成工程と、
    (2)前記金型における流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義工程と、
    (3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力工程と、
    (4)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出工程と、
    (5)前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定工程と
    (6)前記成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化工程とを含み、前記高成形性評価パラメータ箇所特定工程において高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定された場合に前記(2)または(3)の工程に戻り(2)または(3)〜(4)の工程を繰り返すことを特徴とする、成形品の設計支援方法。
  9. 前記成形性評価パラメータ算出工程は、流体の流動解析の結果求めた流体の流路に沿って、各部における成形性評価パラメータを積算して求めることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの成形品の設計支援方法。
  10. 高成形性評価パラメータ箇所特定工程において高成形性評価パラメータ箇所が発生すると判定され前記流体流入路定義工程に戻ったときに、流体の流入路の位置を直前の前記成形性評価パラメータ算出工程で算出された成形性評価パラメータが大きい値をとる領域に近づくよう移動することを特徴とする請求項7または8の成形品の設計支援方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の成形品の設計支援方法によって得られた、高成形性評価パラメータ分布に基づいて成形品の射出成形金型を設計し、設計した前記金型を用いて射出成形品を製造することを特徴とする成形品製造方法。
  12. 成形品の設計支援装置であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
    (2)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルから成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部における流路肉厚を算出する流路肉厚算出手段と、
    (3)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部における流路肉厚から金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と
    を備えてなることを特徴とする成形品の設計支援装置。
  13. 成形品の設計支援装置であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
    (2)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と
    を含んでなることを特徴とする成形品の設計支援装置。
  14. さらに、前記成形性評価パラメータを前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示することにより、成形品の成形性評価パラメータを可視化する成形性評価パラメータ可視化手段を備えてなることを特徴とする請求項12または13に記載の成形品の設計支援装置。
  15. さらに、前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定手段と、前記高成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高流動比箇所可視化手段を備えてなることを特徴とする請求項12〜14に記載の成形品の設計支援装置。
  16. 前記成形性評価パラメータ算出手段は、流体の材料物性データとして成形品の材料物性データとは異なる所定の材料物性データを使用するものであることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の成形品の設計支援装置。
  17. さらに、複数の材料物性データを記憶した材料データベースを備え、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段は、前記材料データベースから読み取った情報に基づいて前記しきい値を定めるものであることを特徴とする請求項12〜16のいずれかに記載の成形品の設計支援装置。
  18. 成形品の設計支援装置であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
    (2)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルに対して、流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義手段と、
    (3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力手段と、
    (4)前記金型内の流体の流路形状定義モデルまたは前記解析モデルから成形品の各部の肉厚を算出し、前記解析モデルの各部の流路肉厚を算出する流路肉厚算出手段と、
    (5)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果と前記各部の流路肉厚から金型内の流体の流動比分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と、
    (6)前記流動比が所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定手段と、
    (7)特定された前記高成形性評価パラメータ箇所を可視化する高成形性評価パラメータ箇所可視化手段と、
    を備え、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段が高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定した場合に前記流体流入路定義手段および前記成形条件入力手段に、流体の流入路の位置、流体の流入路の数、成形条件、材料のうち1つ以上の条件を変更させるよう構成されていることを特徴とする、成形品の設計支援装置。
  19. 成形品の設計支援装置であって、
    (1)金型内の流体の流路形状定義モデルから複数の微小要素からなる解析モデルを作成する解析モデル作成手段と、
    (2)前記金型における流体の流入路の位置、流体の流入路の数を定義する流体流入路定義手段と、
    (3)成形に用いる流体の材料データおよび成形条件を入力する成形条件入力手段と、
    (4)前記解析モデル、流体の材料物性データおよび成形条件データを使用して流動解析を行い、成形性評価パラメータとして、流動解析結果から前記金型内の流体の流動長分布を求める成形性評価パラメータ算出手段と、
    (5)前記成形性評価パラメータが所定のしきい値を超えている箇所を特定する高成形性評価パラメータ箇所特定手段と
    (6)前記成形性評価パラメータ箇所を前記流路形状モデルまたは前記解析モデル上に表示する高成形性評価パラメータ箇所可視化手段とを含み、前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段において高成形性評価パラメータ箇所が存在すると判定された場合に前記流体流入路定義手段および前記成形条件入力手段に、流体の流入路の位置、流体の流入路の数、成形条件、材料のうち1つ以上の条件を変更させるよう構成されていることを特徴とする、成形品の設計支援装置。
  20. 前記成形性評価パラメータ算出手段は、流体の流動解析の結果求めた流体の流路に沿って、各微小要素における成形性評価パラメータを積算して求めるものであることを特徴とする請求項12〜19のいずれかの成形品の設計支援装置。
  21. 前記高成形性評価パラメータ箇所特定手段において高成形性評価パラメータ箇所が発生すると判定された場合に、前記流体流入路定義手段に流体の流入路の位置を直前の前記成形性評価パラメータ算出手段で算出された成形性評価パラメータが大きい値をとる領域に近づくよう移動するよう構成されていることを特徴とする請求項18または19の成形品の設計支援装置。
  22. 請求項1〜11に記載の成形品の設計支援方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  23. 請求項21に記載のプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記憶媒体。
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