JP6665849B2 - 鋳造品の機械的特性予測方法、機械的特性予測システム、機械的特性予測プログラム及び機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

鋳造品の機械的特性予測方法、機械的特性予測システム、機械的特性予測プログラム及び機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、鋳造品の機械的特性予測方法、機械的特性予測システム、機械的特性予測プログラム及び機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
特許文献1には、鋳造された鋼片を再加熱した後に、圧延、冷却を施して製造する鋼材の材質を、鋼の成分、製造条件の実績値または予想値を入力として、予測する方法について記載されている。この方法では、鋼の成分と製造条件の実績値または予想値から、金属学的数式モデルによって、再加熱時、圧延開始までの冷却中、圧延中の各パス、及び圧延後の冷却中の金属組織変化、元素の固溶・析出状態及び金属組織状態が順次求められる。そして、最終的に得られる冷却後金属組織状態及び元素の固溶・析出状態と、これら冷却後金属組織状態と固溶・析出状態から算出した材質を、ニューラルネットワークモデルの入力項目として用い、該モデルにより鋼材の材質が予測される。
特開2005−315703号公報
ところで、鋳造品は、その機械的特性(例えば、0.2%耐力、引張強度、伸び)が必ずしも全体にわたって均一ではなく、部分的に異なることが知られている。その原因の一つは、機械的特性を左右する凝固組織の成長、特にDAS(デンドライトの二次枝の間隔)が鋳造品の各部で異なることにあると考えられる。
そこで、本発明者は、溶湯の湯流れ・凝固解析によってDASに関わる因子(凝固時間等)をとらえ、この因子に基づいて鋳造品の各部の機械的特性を予測することを試みた。しかし、その手法では、重力金型鋳造法による鋳造品各部の機械的特性の予測にはある程度妥当な結果が得られるとしても、ダイカスト鋳造品の機械的特性の予測では実測値とのずれが大きいことがわかった。ダイカストの場合、溶湯の流れが速く、また、溶湯が急速に凝固する関係で、金型内に巻き込み巣や引け巣を生じやすい部位と生じにくい部位ができるためと考えられる。
そこで、本発明は、圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性を精度良く予測することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、凝固組織の成長に関わる因子だけでなく、溶湯の清浄度に関わる因子及び巣欠陥に関わる因子を加味して、鋳造品の各部の機械的特性を予測するようにした。
ここに開示する鋳造品の機械的特性予測方法は、溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを、コンピュータを用いて予測する方法であって、
上記コンピュータのモデル作成手段が、上記鋳造品を得る金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成する第1ステップと、
上記コンピュータの湯流れ・凝固解析手段が、上記金型モデルを用いて、所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記各要素について、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を算出する第2ステップと、
上記コンピュータの機械的特性算出手段が、上記コンピュータの記憶手段に記憶された上記鋳造品の機械的特性を目的変数とし上記各因子を説明変数とする重回帰分析による回帰式に、上記第2ステップで得られた上記要素の上記各因子を適用することによって、上記各部の機械的特性を求める第3ステップとを備えていることを特徴とする。
また、ここに開示する鋳造品の機械的特性予測システムは、溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを予測するシステムであって、
記憶手段と、モデル作成手段と、湯流れ・凝固解析手段と、機械的特性算出手段とを備え、
上記憶手段は、上記機械的特性を目的変数とし、上記溶湯の湯流れ解析及び凝固解析によって得られる上記各部の、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を説明変数とする、重回帰分析によって得られた回帰式を記憶し、
上記モデル作成手段は、上記鋳造品を得る金型の設計データに基づいて該金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成し、
上記湯流れ・凝固解析手段は、上記金型モデルを用いて所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記金型モデルの各要素における上記因子を算出し、
上記機械的特性算出手段は、上記湯流れ・凝固解析手段によって得られた上記各要素の上記各因子を上記回帰式に適用することによって、上記各部の機械的特性を算出することを特徴とする。
また、ここに開示する鋳造品の機械的特性予測プログラムは、溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを予測するためのプログラムであって、
コンピュータに、
上記鋳造品を得る金型の設計データに基づいて該金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成する機能と、
上記金型モデルを用いて所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記各部の、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を算出する機能と、
上記各部の上記各因子を、上記鋳造品の機械的特性を目的変数とし上記各因子を説明変数とする重回帰分析による回帰式に適用することによって、上記各部の機械的特性を算出する機能とを実現させることを特徴とする。
また、ここに開示する鋳造品の機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを予測するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
コンピュータに、
上記鋳造品を得る金型の設計データに基づいて該金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成する機能と、
上記金型モデルを用いて所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記各部の、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を算出する機能と、
上記各部の上記各因子を、上記鋳造品の機械的特性を目的変数とし上記各因子を説明変数とする重回帰分析による回帰式に適用することによって、上記各部の機械的特性を算出する機能とを実現させる鋳造品の機械的特性予測プログラムを記録する。
ここに、上記凝固組織の成長に関わる因子としては、例えば、次の「充填完了時溶湯温度」、「凝固時間」、「冷却速度」等がある。これら因子から、どのような鋳造組織になるか(例えば、DASがどのようになるか)がわかり、その鋳造組織の状態は機械的特性に影響を及ぼす。
「充填完了時溶湯温度」は、キャビティへの溶湯の充填完了時の当該要素における溶湯温度である。
「凝固時間」は、充填完了(凝固開始)から当該要素の溶湯が固相線温度に達するまでの時間である。
「冷却速度」は、当該要素内での規定の温度差に達するまでの時間(℃/s)である。
上記溶湯の清浄度に関わる因子としては、例えば、次の「空気接触時間」、「流動距離」等がある。湯流れ時に空気と接触によって溶湯の表面に酸化膜ができるが、この酸化膜は溶湯に取り込まれて介在物欠陥となる。溶湯の空気との接触時間が長くなるほど、溶湯に取り込まれる酸化膜の量が多くなり、その清浄度が低下する。また、溶湯の流動距離が長くなると、金型に付着している異物(介在物欠陥となる)の溶湯への混入量が多くなり、その清浄度が低下する。すなわち、溶湯の清浄度に関わる因子から、介在物欠陥の量がわかり、その介在物欠陥は機械的特性に影響を及ぼす。
「空気接触時間」は、当該要素に到達するまでの溶湯の空気との接触時間である。
「流動距離」は、当該要素に到達するまでの溶湯の流動距離である。
上記巣欠陥に関わる因子としては、例えば、次の「鋳造圧力」、「ガス巻き込み量」、「温度勾配」、上記「凝固時間」等がある。当該因子から、巣欠陥(巻き込み巣,引け巣)の有無ないし程度がわかり、それは機械的特性に影響を及ぼす。
「鋳造圧力」は、当該要素の溶湯に加わる鋳造圧力である。
「ガス巻き込み量」は、湯流れ完了時における当該要素のガス巻き込み量である。
「温度勾配」は、凝固終了末期での当該要素とこれに隣接する最大温度差のある要素との当該温度差を要素間の距離で除した値(℃/mm)である。
上記予測方法、予測システム、予測プログラム及び予測プログラムを記録した記録媒体によれば、重回帰分析によって、鋳造品の機械的特性と、湯流れ解析及び凝固解析によって得られる機械的特性との関連が強い因子(状態量)とを回帰式で関係づけている。従って、金型モデルを用いた湯流れ解析及び凝固解析によって上記各要素の上記各因子を取得すると、これを上記回帰式に当てはめることにより、上記各部の機械的特性を求めることができる。
そうして、上記因子として、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を採用しているから、鋳造品の各部の機械的特性を精度良く予測することができる。すなわち、鋳造品の鋳造組織の状態だけでなく、溶湯の清浄度に係る介在物欠陥及び巣欠陥を考慮した機械的特性の予測となるから、その予測値の信頼性が高くなる。
上記回帰式に関し、説明変数とする凝固組織の成長に関わる因子の数、溶湯の清浄度に関わる因子の数、並びに巣欠陥に関わる因子の数は、各々1つであっても、複数であってもよい。
上記予測方法、予測システム、予測プログラム及び予測プログラムを記録した記録媒体において、
一実施形態では、上記凝固組織の成長に関わる因子として、上記凝固時間を用い、上記溶湯の清浄度に関わる因子として、空気接触時間及び流動距離を用い、上記巣欠陥に関わる因子として、凝固時間、鋳造圧力及び温度勾配を用いる。
これによれば、鋳造品の各部の機械的特性を精度良く予測することができる。
上記予測方法において、一実施形態では、上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
上記第3ステップにおいては、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求めるものであり、
鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データを備え、上記第3ステップで得られた上記各部の鋳放し状態の機械的特性を上記相関データに適用して上記各部の上記熱処理後の機械的特性を求める第4ステップを備えている。
上記予測システムにおいて、一実施形態では、上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
上記記憶手段は、上記回帰式と、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データとを記憶し、
上記機械的特性算出手段は、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求める手段と、上記各部の鋳放し状態の機械的特性を上記相関データに適用して上記各部の熱処理後の機械的特性を求める手段とを備えている。
上記予測プログラムにおいて、一実施形態では、上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
上記各部の機械的特性を求める機能は、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求める機能と、この各部の鋳放し状態の機械的特性を、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データに適用して、上記各部の上記熱処理後の機械的特性を求める機能とを備えている。
上記予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、一実施形態では、上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
上記各部の機械的特性を求める機能は、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求める機能と、この各部の鋳放し状態の機械的特性を、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データに適用して、上記各部の上記熱処理後の機械的特性を求める機能とを備えている。
上記予測方法、予測システム、予測プログラム及び予測プログラムを記録した記録媒体の各実施形態によれば、上記回帰式によって鋳造品の各部の鋳放し状態の機械的特性を求めることにより、上記相関データによって熱処理後の当該各部の機械的特性を求めることができる。すなわち、各種の熱処理後の機械的特性を予測する場合、各熱処理毎に相関データを準備すれば、各熱処理毎に回帰式を準備して湯流れ・凝固解析を行なうことなく、相関データによって簡便に各熱処理後の機械的特性を予測することができる。
上記相関データのデータ形式は、関数形式であっても、テーブル形式であってもよい。
上記予測方法、予測システム、予測プログラム及び予測プログラムを記録した記録媒体において、一実施形態では、上記圧力鋳造はアルミニウム合金のダイカストである。マグネシウム合金など他の金属のダイカストであってもよい。
また、本発明は、エンジンのシリンダヘッド、シリンダブロック、ミッションケース、サスペンションアームなど各種の機械構造品の鋳造に利用することができる。
本発明によれば、重回帰分析によって、鋳造品の機械的特性と、湯流れ解析及び凝固解析によって得られる因子とを回帰式で関係づけ、金型モデルを用いた湯流れ解析及び凝固解析によって得られる各要素の因子を上記回帰式に当てはめることにより、上記各部の機械的特性を求めるようにし、且つ上記因子として、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を採用したから、鋳造品の各部の機械的特性を精度良く予測することができ、予測値の信頼性が高くなる。
鋳造品の機械的特性予測システムのブロック図。 F材とT5処理材の0.2%耐力についての相関図。 F材とT6処理材(条件A)の0.2%耐力についての相関図。 F材とT6処理材(条件B)の0.2%耐力についての相関図。 本発明の実施形態に係る機械的特性予測の処理フロー図。 機械的特性の実測値と予測値の対応を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<鋳造品の機械的特性予測システム>
図1に示すように、本実施形態に係る鋳造品の機械的特性予測システム21は、鋳造用CAE(Computer AidedEngineering)システムであり、制御装置22、入力装置23、出力装置24、記憶装置25及び演算装置26を備えている。鋳造品は、溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られるものであり、本実施形態では高圧ダイカストによって得られるものである。
入力装置23、出力装置24、記憶装置25及び演算装置26は制御装置22に接続されている。入力装置23は、コンピュータに接続されるキーボードやマウスによって構成され、演算装置26に数値や指示等を入力する。出力装置24は、コンピュータに接続されるディスプレイ等によって構成され、演算装置26による演算結果等に基づく種々のデータを表示する。記憶装置25としては、コンピュータにおけるRAMやROM等からなる記憶部が用いられ、演算装置26としては、コンピュータのCPUからなる演算処理部等が用いられる。
記憶装置25には、金型を含む鋳造方案に関する情報、鋳造条件に関する情報、演算装置26における演算に関する情報、並びに機械的特性予測のための演算処理を実行するプログラム等が記憶されている。また、記憶装置25は、鋳造品の各部の機械的特性(0.2%耐力、引張強度又は伸び)を予測するための回帰式及び相関データを記憶する記憶手段を構成する。
演算装置26は、記憶装置25に記憶されているデータ及び入力装置23から入力される数値及び指示に基づき、記憶されている演算プログラムに従った演算を行なう。演算装置26は、後述するモデル作成手段、境界条件設定手段、湯流れ・凝固解析手段、機械的特性算出手段及び判定手段を構成する。
<回帰式について>
鋳造品の各部の機械的特性を予測するための回帰式は、鋳造品の鋳放し状態(F材)の機械的特性を目的変数とし、CAE解析用の3次元金型モデル(メッシュモデル)を用いた溶湯の湯流れ解析及び凝固解析(シミュレーション解析)によって得られる当該機械的特性との関連が強い複数の因子を説明変数とする、重回帰分析によって得られた回帰式である。
CAE解析用の金型モデル(3Dメッシュモデル)は、鋳造品の金型設計段階で作成される鋳造方案3DCADモデル(金型の設計データ)を用いて作成される。この作成は演算装置26のモデル作成手段により行なうことができる。具体的には、鋳造方案3DCADモデルをメッシュ分割することにより、キャビティが複数の要素に分割されてなる金型モデルを作成する。なお、メッシュサイズや要素の形状は任意である。
湯流れ解析及び凝固解析は、演算装置26の湯流れ・凝固解析手段により行なうことができる。具体的には、鋳造品の圧力鋳造において採用する予定の鋳造条件に対応する境界条件を設定して湯流れ解析及び凝固解析を行なう。この境界条件の設定は、演算装置26の境界条件設定手段において行なうことができる。境界条件として、溶湯温度、射出速度、金型温度、ゲートの形状及び位置等を設定する。これら境界条件は、記憶装置25に記憶されている鋳造条件に基づいて、境界条件設定手段が自動的に選択して設定する。なお、作業者が境界条件を入力装置23により入力するようにしてもよい。
この湯流れ解析及び凝固解析により、上記キャビティの各要素における機械的特性との関連が強い凝固時間等の複数の因子(状態量)を得る。
一方、上記金型を用いた圧力鋳造により鋳造品を得て、この鋳造品の様々な部位、特に上記凝固時間等が異なる部位から試験片を切り出す。各試験片について引張り試験等を実施して機械的特性を実測する。試験片の個数は、信頼性向上のため、多い方が好ましい。
そうして、湯流れ解析及び凝固解析によって得た複数の因子と機械的特性の実測値に基づいて、重回帰分析により、機械的特性を目的変数とし、複数の因子を説明変数とする回帰式を算出する。この算出には、表計算ソフト(エクセル マイクロソフト社)を用いることができる。
この実施形態では、機械的特性との関連が強い因子として、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を採用する。
具体的には、凝固組織の成長に関わる因子(DASに関わる因子)として、「充填完了時溶湯温度」、「凝固時間」及び「冷却速度」の少なくとも一つを採用する。溶湯の清浄度に関わる因子として、「空気接触時間」及び「流動距離」の少なくとも一つを採用する。巣欠陥に関わる因子として、「鋳造圧力」、「ガス巻き込み量」、「温度勾配」及び「凝固時間」の少なくとも一つを採用する。
機械的特性が例えば0.2%耐力であるときの回帰式は、例えば次のように表される。
0.2%耐力=(C1×充填完了時溶湯温度+C2×凝固時間+C3×冷却速 度)+(C4×空気接触時間+C5×流動距離)+(C6×鋳 造圧力+C7×ガス巻き込み量+C8×温度勾配+C9×凝固 時間)+K ……(1)
上記回帰式において、C1〜C9は係数であり、Kは定数項である。
便宜上、「凝固時間」を凝固組織の成長に関わる項と巣欠陥に関わる項とに分けているが、まとめて、「(C2+C9)×凝固時間」と表すことができる。
ここに、凝固時間が短いときは、溶湯に巻き込まれたガスが急冷されて生じる巻き込み巣が多くなる。一方、凝固時間が長くなると、一旦巻き込まれたガスが抜ける、もしくは鋳造加圧によってつぶれるものが多くなるため、巣欠陥は凝固収縮による引け巣が支配的になる。このように巣欠陥の発生するメカニズムが凝固時間の長短で異なるから、上記回帰式の「C9×凝固時間」については、例えば、凝固時間が所定値以下のときと凝固時間が所定値を超えるときとで、分けて設定するようにしてもよい。すなわち、複数の異なる回帰式を設定して、凝固時間の長さに応じて使い分けるようにしてもよい。
<相関データについて>
鋳造品の鋳放し状態、すなわち、F材の機械的特性と、F材に熱処理を施した後の機械的特性には、図2〜図4に示すように比較的強い相関がみられる。図2は、熱処理としてT5処理を行なったT5材の0.2%耐力とF材の0.2%耐力の相関図である。図3は、熱処理として所定の条件AでT6処理を行なったT6材(A)の0.2%耐力とF材の0.2%耐力の相関図である。図4は、熱処理として条件Aとは異なる条件BでT6処理を行なったT6材(B)の0.2%耐力とF材の0.2%耐力の相関図である。図2〜図4に示す関数(相関データ)は、最小二乗法によって求めたものである。
<鋳造品の機械的特性予測方法>
本実施形態に係る鋳造品の機械的特性予測方法を図5に示すフローチャートを参照して説明する。
[CAE解析用金型モデルの作成]
演算装置26のモデル作成手段により、図5に示す機械的特性を予測すべき鋳造品の鋳造方案3DCADモデルをメッシュ分割することにより、CAE解析用の金型モデル(3Dメッシュモデル)、すなわち、金型のキャビティが複数の要素に分割されてなる金型モデルが作成される。なお、メッシュサイズや要素の形状は任意である。
[湯流れ解析及び凝固解析]
演算装置26の湯流れ・凝固解析手段により、上記金型モデルを用いて溶湯の湯流れ解析及び凝固解析が行なわれる。この湯流れ解析及び凝固解析のための境界条件(溶湯射出条件等)が演算装置23の境界条件設定手段により鋳造品の鋳造条件に基づいて設定される。
この湯流れ解析及び凝固解析により、上記各要素について、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子が算出される。図5は、湯流れ解析の結果、空気接触時間、流動距離及び鋳造圧力の各因子が出力され、凝固解析の結果、凝固時間及び温度勾配の各因子が出力されるケースを示している。
[F材の機械的特性の算出]
演算装置26の機械的特性算出手段により、上記湯流れ解析及び凝固解析で得られた各要素の各因子が記憶装置25に記憶されている回帰式に適用されて、F材(鋳造品の鋳放し状態)の各部の機械的特性が求められる。図5に示す5つの因子を用いるケースでは、予め記憶させるF材の機械的特性に係る回帰式は、0.2%耐力の場合、次のようになる。
0.2%耐力=α×凝固時間+β×空気接触時間+γ×流動距離
+δ×鋳造圧力+ζ×温度勾配+η ……(2)
α、β、γ、δ及びζは係数であり、ηは定数項である。
[熱処理後の機械的特性の算出]
演算装置26の機械的特性算出手段により、上記F材の機械的特性と記憶装置25に記憶されている相関データとから、熱処理後の鋳造品の各部の機械的特性が算出される。図5に示す例では、T6処理に係る相関データが用いられて、T6処理後の機械的特性が算出される。このT6処理後の機械的特性の算出結果については、出力装置24により、鋳造品モデルの図形に機械的特性を強度別に色分け表示したコンター図として、ディスプレイに表示される。
[機械的特性の良否判定]
上記T6処理後の機械的特性の算出結果に基づいて、当該鋳造方案及び/又は鋳造条件の良否が判定される。この判定は演算装置26の判定手段において行なう。具体的には、判定手段は、機械的特性について所定のしきい値を備え、判定対象要素の機械的特性としきい値との比較により、当該要素の機械的特性の良否を判定する。その判定結果は、出力装置24により、鋳造品モデルの図形に色分けして表示され、機械的特性不良の要素があるときは、警告が発せられる。
また、機械的特性不良の要素があるときは、鋳造方案もしくは鋳造条件に変更を加えて、上記[CAE解析用金型モデルの作成]から[機械的特性の良否判定]までのステップを繰り返し、或いは[湯流れ解析及び凝固解析]から[機械的特性の良否判定]までのステップを繰り返し、機械的特性が良と判定されるようにすることができる。
機械的特性が良と判定されたときにおいても、製品軽量化等のために、鋳造方案に変更を加え、[湯流れ解析及び凝固解析]から[機械的特性の良否判定]までのステップを繰り返して、機械的特性の良否を判定することができる。
[0.2%耐力の予測]
鋳造品として自動車のサスペンションロアアームをアルミニウム合金のダイカストによって鋳造した。このロアアーム各部の0.2%耐力を引張り試験によって実測する一方、当該各部の0.2%耐力を上記式(2)の回帰式によって予測した。
その結果を図6に示す。同図によれば、実測値と予測値は非常に良く対応しており、本発明に係る機械的特性の予測が有用で信頼性が高いことがわかる。
[記録媒体について]
上述のコンピュータにCAE解析用の金型モデルを作成する機能、湯流れ解析及び凝固解析により機械的特性に関わる各種因子を算出する機能、並びに回帰式や相関データにより鋳造品各部の機械的特性を求める機能を実現させるプログラムを記録する記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
<その他>
予測すべき鋳造品の機械的特性としては、0.2%耐力に限らず、引張強度又は伸びであってもよい。
回帰式の目的変数は鋳放し状態の機械的特性ではなく、T6処理等の熱処理後の機械的特性とすることもできる。
21 機械的特性予測システム
22 制御装置
23 入力装置
24 出力装置
25 記憶装置(回帰式、相関データ及び予測プログラムの記憶手段)
26 演算装置(モデル作成手段、境界条件設定手段、湯流れ・凝固解析手 段、機械的特性算出手段及び判定手段)

Claims (16)

  1. 溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを、コンピュータを用いて予測する方法であって、
    上記コンピュータのモデル作成手段が、上記鋳造品を得る金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成する第1ステップと、
    上記コンピュータの湯流れ・凝固解析手段が、上記金型モデルを用いて、所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記各要素について、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を算出する第2ステップと、
    上記コンピュータの機械的特性算出手段が、上記コンピュータの記憶手段に記憶された上記鋳造品の機械的特性を目的変数とし上記各因子を説明変数とする重回帰分析による回帰式に、上記第2ステップで得られた上記要素の上記各因子を適用することによって、上記各部の機械的特性を求める第3ステップとを備えていることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測方法。
  2. 請求項1において、
    上記凝固組織の成長に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間を用い、
    上記溶湯の清浄度に関わる因子として、上記各要素に到達するまでの溶湯の空気との接触時間及び流動距離を用い、
    上記巣欠陥に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間、当該要素の溶湯に加わる鋳造圧力、並びに凝固終了末期における当該要素とこれに隣接する最大温度差のある要素との間の温度勾配を用いることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
    上記第3ステップにおいては、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求めるものであり、
    鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データを備え、上記第3ステップで得られた上記各部の鋳放し状態の機械的特性を上記相関データに適用して上記各部の上記熱処理後の機械的特性を求める第4ステップを備えていることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記圧力鋳造はアルミニウム合金のダイカストであることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測方法。
  5. 溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを予測するシステムであって、
    記憶手段と、モデル作成手段と、湯流れ・凝固解析手段と、機械的特性算出手段とを備え、
    上記記憶手段は、上記機械的特性を目的変数とし、上記溶湯の湯流れ解析及び凝固解析によって得られる上記各部の、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を説明変数とする、重回帰分析によって得られた回帰式を記憶し、
    上記モデル作成手段は、上記鋳造品を得る金型の設計データに基づいて該金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成し、
    上記湯流れ・凝固解析手段は、上記金型モデルを用いて所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記金型モデルの各要素について上記因子を算出し、
    上記機械的特性算出手段は、上記湯流れ・凝固解析手段によって得られた上記各要素の上記各因子を上記回帰式に適用することによって、上記各部の機械的特性を算出することを特徴とする鋳造品の機械的特性予測システム。
  6. 請求項5において、
    上記凝固組織の成長に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間を用い、
    上記溶湯の清浄度に関わる因子として、上記各要素に到達するまでの溶湯の空気との接触時間及び流動距離を用い、
    上記巣欠陥に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間、当該要素の溶湯に加わる鋳造圧力、並びに凝固終了末期における当該要素とこれに隣接する最大温度差のある要素との間の温度勾配を用いることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測システム。
  7. 請求項5又は請求項6において、
    上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
    上記記憶手段は、上記回帰式と、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データとを記憶し、
    上記機械的特性算出手段は、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求める手段と、上記各部の鋳放し状態の機械的特性を上記相関データに適用して上記各部の熱処理後の機械的特性を求める手段とを備えていることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測システム。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか一において、
    上記圧力鋳造はアルミニウム合金のダイカストであることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測システム。
  9. 溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを予測するためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    上記鋳造品を得る金型の設計データに基づいて該金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成する機能と、
    上記金型モデルを用いて所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記各要素について、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を算出する機能と、
    上記各要素の上記各因子を、上記鋳造品の機械的特性を目的変数とし上記各因子を説明変数とする重回帰分析による回帰式に適用することによって、上記各部の機械的特性を算出する機能とを実現させることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラム。
  10. 請求項9において、
    上記凝固組織の成長に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間を用い、
    上記溶湯の清浄度に関わる因子として、上記各要素に到達するまでの溶湯の空気との接触時間及び流動距離を用い、
    上記巣欠陥に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間、当該要素の溶湯に加わる鋳造圧力、並びに凝固終了末期における当該要素とこれに隣接する最大温度差のある要素との間の温度勾配を用いることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラム。
  11. 請求項9又は請求項10において、
    上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
    上記各部の機械的特性を求める機能は、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求める機能と、この各部の鋳放し状態の機械的特性を、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データに適用して、上記各部の上記熱処理後の機械的特性を求める機能とを備えていることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラム。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれか一において、
    上記圧力鋳造はアルミニウム合金のダイカストであることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラム。
  13. 溶湯を金型に加圧注入する圧力鋳造によって得られる鋳造品の各部の機械的特性としての0.2%耐力、引張強度又は伸びを予測するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    コンピュータに、
    上記鋳造品を得る金型の設計データに基づいて該金型のキャビティを複数の要素に分割してなるCAE解析用の金型モデルを作成する機能と、
    上記金型モデルを用いて所定の鋳造条件で湯流れ解析及び凝固解析を行なって、上記各要素について、凝固組織の成長に関わる因子、溶湯の清浄度に関わる因子、並びに巣欠陥に関わる因子を算出する機能と、
    上記各要素の上記各因子を、上記鋳造品の機械的特性を目的変数とし上記各因子を説明変数とする重回帰分析による回帰式に適用することによって、上記各部の機械的特性を算出する機能とを実現させることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 請求項13において、
    上記凝固組織の成長に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間を用い、
    上記溶湯の清浄度に関わる因子として、上記各要素に到達するまでの溶湯の空気との接触時間及び流動距離を用い、
    上記巣欠陥に関わる因子として、上記各要素における溶湯の凝固時間、当該要素の溶湯に加わる鋳造圧力、並びに凝固終了末期における当該要素とこれに隣接する最大温度差のある要素との間の温度勾配を用いることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. 請求項13又は請求項14において、
    上記回帰式の目的変数は、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性であり、
    上記各部の機械的特性を求める機能は、上記回帰式を用いて上記各部の鋳放し状態の機械的特性を求める機能と、この各部の鋳放し状態の機械的特性を、上記鋳造品の鋳放し状態の機械的特性と該鋳造品を熱処理した後の機械的特性との相関を表す相関データに適用して、上記各部の上記熱処理後の機械的特性を求める機能とを備えていることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 請求項13乃至請求項15のいずれか一において、
    上記圧力鋳造はアルミニウム合金のダイカストであることを特徴とする鋳造品の機械的特性予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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