JP6525026B2 - 圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法及びその装置 - Google Patents

圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法及びその装置 Download PDF

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本発明は圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法及びその装置に関する。
特許文献1には、Al−Si系合金等の溶湯を鋳型中に充填したときの挙動を解析する装置が記載されている。この装置は、鋳型のキャビティを複数の微小体積のセルに分割し、ナビエ・ストークスの式、連続の式及びエネルギの式により各セルの微小時間毎の溶湯の流速と温度を計算し、溶湯の流速より溶湯の移動量を演算して微小時間毎の溶湯位置を把握する。この装置では、当該計算において、溶湯の粘性係数として、各セルの溶湯の流速と温度に基づいて算出した実際の粘性係数に近い値を用いる。
特開平10−137926号公報
ところで、鋳造においては、湯まわり性が問題になる。溶湯が鋳型のキャビティの各部に完全に充填されないときは、鋳造品の薄肉部等に肌荒れや湯境を生じ、更には欠肉を生ずる。
従来は、湯流れ解析によって得られた温度分布データを初期値として凝固解析を行なうことがなされているが、液相−固相の状態変化を伴う溶湯流れの解析は複雑になることから、湯まわり性について、信頼性の高い判定を簡単に得ることができなかった。
そこで、本発明は、鋳造品の壁厚変更等を行なったときの湯まわり性をCAEで簡単に精度良く評価することができるようにする。
本発明は、上記課題を解決するために、湯まわり性の評価指標として湯まわり値を創設し、湯流れ解析で得られる溶湯温度等の状態量と湯まわり値との関係を求めて、湯まわり性を事前に評価できるようにした。
ここに開示する溶湯を鋳型に加圧注入する圧力鋳造における湯まわり性を判定する方法は、
上記圧力鋳造で得た鋳造品の各部の性状に基づいて、該鋳造品に係る鋳型の対応する当該各部への湯まわり性指標である湯まわり値を決定する工程と、
上記鋳造品に係る鋳型のキャビティを複数の要素に分割してなる鋳型モデルを作成する工程と、
上記鋳型モデルについて、上記圧力鋳造のときと同じ溶湯射出条件で湯流れ解析を行なって、上記各部に達した溶湯の複数の状態量を算出する工程と、
重回帰分析によって、上記湯まわり値を目的変数とし、上記湯流れ解析によって得られた複数の状態量を説明変数とする回帰式を求める工程と、
判定対象鋳型のキャビティを複数の要素に分割してなる判定用鋳型モデルを作成する工程と、
上記判定用鋳型モデルについて所定の溶湯射出条件で湯流れ解析を行ない、該判定用鋳型モデルの判定対象要素における上記複数の状態量を算出する工程と、
上記判定対象要素における上記複数の状態量を上記回帰式に適用することによって、該判定対象要素における上記湯まわり値を求める工程と、
上記判定対象要素における上記湯まわり値に基づいて、該判定対象要素への湯まわり性の良否を判定する工程とを備えていることを特徴とする。
この方法によれば、重回帰分析によって、湯まわり値と、湯流れ解析で得られる湯まわり性に影響を与える複数の状態量とを回帰式で関係づける。従って、判定用鋳型モデルについて、湯流れ解析を行なって判定対象要素における当該複数の状態量を取得すると、これを上記回帰式に当てはめることにより、その判定対象要素における湯まわり値を求めることができる。そして、この湯まわり値に基づいて、その判定対象要素への湯まわり性の良否を判定することができる。すなわち、当該モデルに係る鋳型の判定対象要素に係る部分への湯まわり性がどの程度であるかを簡単に精度良く判定(評価)することができる。
上記回帰式の湯まわり値は、実際の鋳造品について評価した値であり、上記回帰式の状態量は、当該鋳造品に係る鋳型モデルについて湯流れ解析によって得られた、当該湯まわり値に係る部位の状態量であるから、当該回帰式によって信頼性が高い湯まわり性判定を行なうことができる。
湯まわり性の良否判定においては、例えば、湯まわり値に基準値(しきい値)を設定すればよい。湯まわり値が基準値以上か否かで湯まわり性を判定することができるから、湯まわり不良を招くことなく、製品(鋳造品)の設計変更(壁厚の変更、湯まわり性向上のための付加的形状部の設定、移動、削除等)をすることが容易になる。
ここに、上記複数の状態量としては、少なくとも、上記判定対象要素に到達した溶湯の温度と該溶湯の流速を用いることが好ましい。この両状態量は、湯まわり性に与える影響が大きいから、湯まわり性判定の信頼性向上に有利になる。
上記複数の状態量としては、上記判定対象要素に到達した溶湯の温度、該溶湯の流速、溶湯が射出開始から当該要素に到達するまでの経過時間(溶湯年齢)、ゲートから当該要素に到達するまでの溶湯の流動距離、並びに当該要素に到達した溶湯の空気との接触時間を用いることがさらに好ましい。これにより、湯まわり性判定の信頼性向上にさらに有利になる。
一実施形態では、上記圧力鋳造は、エンジンのシリンダブロックを鋳造するダイカストである。
ここに開示する溶湯を鋳型に加圧注入する圧力鋳造における湯まわり性を判定する装置は、
回帰式記憶手段と、モデル作成手段と、射出条件設定手段と、湯流れ解析手段と、湯まわり値算出手段と、判定手段とを備え、
上記回帰式記憶手段は、鋳型の各部に対する湯まわり性指標である湯まわり値を目的変数とし、湯流れ解析によって得られる上記湯まわり性に影響を与える複数の状態量を説明変数とする、重回帰分析によって得られた回帰式を記憶し、
上記モデル作成手段は、判定対象鋳型のキャビティを複数の要素に分割してなる判定用鋳型モデルを作成し、
上記射出条件設定手段は、湯流れ解析における上記判定用鋳型モデルに対する溶湯の射出条件を設定し、
上記湯流れ解析手段は、上記判定用鋳型モデルについて上記溶湯射出条件で湯流れ解析を行なって、上記判定用鋳型モデルの判定対象要素における上記複数の状態量を算出し、
上記湯まわり値算出手段は、上記判定対象要素の上記複数の状態量を上記回帰式に適用することによって、該判定対象要素における上記湯まわり値を算出し、
上記判定手段は、上記判定対象要素における湯まわり値に基づいて該判定対象要素への湯まわり性の良否を判定することを特徴とする。
これにより、上記判定対象鋳型の湯まわり性がどの程度であるかを簡単に精度良く判定(評価)することができる。
本発明によれば、重回帰分析によって、湯まわり値を目的変数とし湯流れ解析によって得られる複数の状態量を説明変数とする回帰式を求め、この回帰式と判定対象鋳型についての湯流れ解析結果とに基づいて湯まわり値を求めるから、その鋳型の湯まわり性を簡単に精度良く評価することができる。
本発明の実施形態に係るダイカストマシンの概略を示す断面図。 同ダイカストマシンで得られるエンジンのシリンダブロックの斜視図。 本発明の実施形態に係る湯まわり性判定装置を示すブロック図。 同実施形態に係る湯まわり性判定方法のフローチャート図。 同実施形態に係る鋳造品の湯まわり値の決定方法の説明図。 同実施形態に係る鋳型モデルを示す斜視図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<鋳型の一例>
図1に示すように、本実施形態に係る鋳型はハイプレッシャーダイカスト金型1であり、キャビティを減圧した状態でダイカストが行なわれる真空ダイカスト用金型である。なお、図1はダイカストマシンを概略的に描いたものである。ダイカスト金型(鋳型)1は、中子2を備え、図2に示すエンジンのシリンダブロック3を鋳造するためのキャビティ4を有する。固定盤5には、ランナ6、ゲート7及び真空引き通路8が形成されている。固定盤5には、ランナ6を介して溶湯をキャビティ4に射出するプランジャ9を有するシリンダ11と、真空引き通路8を介してキャビティ4を減圧するための真空ポンプ(図示省略)が取付けられている。
本実施形態のシリンダブロック3は、4つのシリンダボア12を備えた直列4気筒エンジンのシリンダブロックであり、アルミニウム合金製である。
<湯まわり性判定装置>
本発明の実施形態に係る湯まわり性判定方法には、図3に示す湯まわり性判定装置21を利用することができる。
湯まわり性判定装置21は、鋳造用CAE(Computer AidedEngineering)システムであり、制御装置22、入力装置23、出力装置24、記憶装置25及び演算装置26を備えている。入力装置23、出力装置24、記憶装置25及び演算装置26は制御装置22に接続されている。入力装置23は、コンピュータに接続されるキーボードやマウスによって構成される。出力装置24は、コンピュータに接続されるディスプレイ等によって構成される。記憶装置25としては、コンピュータにおけるRAMやROM等からなる記憶部が用いられ、演算装置26としては、コンピュータのCPUからなる演算処理部等が用いられる。
記憶装置25には、金型1に関する情報、溶湯射出条件に関する情報、演算装置26における演算に関する情報、並びに演算処理を実行するプログラム等が記憶されている。
また、記憶装置25は、回帰式記憶手段を構成し、キャビティ3の各部に対する湯まわり性を評価する数値指標として設定された湯まわり値を目的変数とし、湯流れ解析によって得られる、湯まわり性に影響を与える複数の状態量を説明変数とする、重回帰分析によって得られた重回帰式を記憶する。
演算装置26は、後述するモデル作成手段、射出条件設定手段、湯流れ解析手段、湯まわり値算出手段及び判定手段を構成する。
<湯まわり性判定方法>
本発明の実施形態に係る湯まわり性判定方法を図4に示すフローチャート等を参照して説明する。この実施形態は、上記エンジンのシリンダブロックを鋳造する金型1におけるアルミニウム合金溶湯の湯まわり性の判定に関する。
[鋳造品の湯まわり値決定工程]
ステップS1において、上記ダイカストで得た図5に示すテスト鋳造品3Aの各部の湯まわり値を決定する。このテスト鋳造品3Aは、シリンダブロックの側壁13を部分的に湯まわり性が低くなるように薄肉に形成したものである。その薄肉部は、湯まわり性が低いことにより、部分的に密度が低くなり、一部に欠肉(孔)14を生じ、また、肌荒れにより、表面光沢度が部分的に低くなっている。密度が低くなると、当該部分の導電率も低くなる。
そこで、鋳造品3Aの各部について、その密度、外面の光沢度及び断面の導電率に基づいて、湯まわり性を評価するための数値指標としての湯まわり値を求めた。
具体的には、図5に例示するように、まず、側壁13をメッシュ状に区分けして各部位を三次元で特定し、側壁外面の画像から各部の外面の光沢度(√(R+G+B))を求め、さらに、各部の密度(g/cm)及び導電率(%IACS)を測定した。光沢度は画素のRed、Green及びBlueの各値を二乗した和の平方根である。この密度、光沢度及び導電率の各値にそれぞれ係数を掛けて重み付けし、この三者の総和から所定値を差し引いた値に基づいて、最高値が「100」(湯まわり性最良)となり、最低値が「0」(湯まわり性最悪)となる数値指標を創設し、これにて各部の湯まわり値を決定した。
[鋳造品に係る鋳型モデルの作成工程]
ステップS2において、テスト鋳造品3Aに係る図6に示す鋳型モデル15を作成する。この鋳型モデル15はゲートランナー付きである。図6において、16はシリンダブロック部、17はランナー部、18はゲート部である。
この工程は演算装置26のモデル作成手段において行なう。鋳型モデルの作成には、テスト鋳造品3AのCADモデルに基づいて金型の設計段階で作成される鋳造方案CADモデルを用いる。モデル作成手段は、この鋳造方案CADモデルをメッシュ分割することにより、キャビティが複数の要素に分割されてなる鋳型モデル(有限要素モデル)を作成する。なお、メッシュサイズや要素の形状は任意である。
[鋳型モデルを用いた湯流れ解析による複数の状態量の算出工程]
ステップS3において、上記鋳型モデルを用いて鋳造シミュレーションによる湯流れ解析を行なう。この工程は演算装置26の湯流れ解析手段において行なう。具体的には、テスト鋳造品3Aの圧力鋳造のときと同じ溶湯射出条件で湯流れ解析を行なう。溶湯射出条件の設定は、演算装置26の射出条件設定手段において行なう。溶湯射出条件として、溶湯温度、射出速度、ゲートの形状及び位置等を設定する。これら射出条件は、記憶装置25に格納されている射出条件に基づいて、射出条件設定手段が自動的に選択して設定する。なお、作業者が射出条件を入力装置23により入力するようにしてもよい。
この湯流れ解析により、上記キャビティの各要素における状態量として、各要素に到達した溶湯の温度A、該溶湯の流速B、該溶湯年齢C(溶湯が射出開始から当該要素に到達するまでの経過時間)、ゲートから当該要素に到達するまでの溶湯流動距離D、並びに当該要素に到達した溶湯の空気との接触時間Eを算出する。
湯流れ解析手段には、例えば、MAGMA GmbHの「MAGMASOFT」、クオリカ社の「JSCAST」等の汎用の鋳造解析ソフトウェアを用いることができる。
[重回帰分析工程]
ステップS4において、テスト鋳造品3Aの各部の湯まわり値と上記状態量A〜Eとに基づいて、重回帰分析により、湯まわり値Yを目的変数とし、上記状態量A〜Eを説明変数とする下記の重回帰式を算出する。この算出には、表計算ソフト(エクセル マイクロソフト社)を用いることができる。下記回帰式において、α、β、γ、δ及びζは係数であり、ηは定数項である。
Y=α×A+β×B+γ×C+δ×D+ζ×E+η ……(1)
ここに、上記状態量A〜Eの湯まわり値Yへの寄与率は、溶湯温度Aが70%程度であり、溶湯流速Bが20%程度である。溶湯年齢C、溶湯流動距離D及び空気接触時間Eの寄与率は合わせても10%程度に過ぎない。従って、回帰式を簡略化して、Y=α’×A+β’×B+ηとしてもよい。ここでのα’とβ’は前述のα、βとは異なりA、Bの2説明変数の重回帰分析で導いた係数である。
[判定用鋳型モデルの作成工程]
ステップS5において、湯まわり性を判定すべき判定対象鋳型に係るゲートランナー付きの判定用鋳型モデルを作成する。本実施形態の判定対象鋳型は、上述のエンジンのシリンダブロックを鋳造する金型である。
この工程は演算装置26のモデル作成手段において行なう。判定用鋳型モデルの作成には、製品CADモデルに基づいて金型の設計段階で作成される鋳造方案CADモデルを用いる。モデル作成手段は、鋳造方案CADモデルをメッシュ分割することにより、キャビティが複数の要素に分割されてなる鋳型モデル(有限要素モデル)を作成する。なお、メッシュサイズや要素の形状は任意である。
[溶湯射出条件の設定工程]
ステップS6において、湯流れ解析における判定用鋳型モデルに対する溶湯の射出条件を設定する。溶湯射出条件の設定は、演算装置26の射出条件設定手段において行なう。溶湯射出条件としては、溶湯温度、射出速度、ゲートの形状及び位置等がある。これら射出条件は、記憶装置25に格納されている射出条件に基づいて、射出条件設定手段が自動的に選択して設定する。なお、作業者が射出条件を入力装置23により入力するようにしてもよい。
[判定用鋳型モデルを用いた湯流れ解析による複数の状態量の算出工程]
ステップS7において、上記判定用鋳型モデルを用いて、ステップS6で設定された溶湯射出条件で鋳造シミュレーションによる湯流れ解析を行なう。この工程は演算装置26の湯流れ解析手段において行なう。この湯流れ解析により、判定用鋳型モデルの要素のうちの判定対象要素における状態量、すなわち、溶湯温度A、溶湯流速B、溶湯年齢C、溶湯流動距離D及び空気接触時間Eを算出する。
ここに、判定用鋳型モデルの全要素を判定対象要素とすることができるが、一部の要素を判定対象要素とすることもできる。
[回帰式による湯まわり値Yの算出工程]
ステップS8において、ステップS7で得られた判定対象要素における状態量A〜Eを回帰式(1)に適用して、当該要素における湯まわり値Ynを算出する。この工程は演算装置26の湯まわり値算出手段において行なう。
[湯まわり性の良否判定工程]
ステップS9において、上記湯まわり値Ynに基づいて判定対象要素への湯まわり性の良否を判定する。この工程は演算装置26の判定手段において行なう。具体的には、判定手段は、湯まわり値について複数レベルのしきい値を備え、判定対象要素の湯まわり値としきい値との比較により、当該要素への湯まわり性がどのレベルにあるかを判定する。その判定結果は、出力装置24により、判定用鋳型モデルの図形において湯まわり性レベル毎に色分けして表示され、湯まわり不良の要素があるときは、警報が発せられる。なお、湯まわり値についての1つの判定基準値によって、湯まわり性の良否判定をするようにしてもよい。
湯まわり不良の要素があるときは、ステップS5に戻って鋳造方案モデルもしくは溶湯射出条件に変更を加え、ステップS5からS9の工程を繰り返し、湯まわり性が良と判定されるようにすることができる。
湯まわり性が良と判定されたときにおいても、製品軽量化等のために、ステップS5に戻って鋳造方案モデルに変更を加え、ステップS5からS9の工程を繰り返すようにすることもできる。
上記実施形態の判定対象鋳型は、回帰式を求めるための鋳型と同じ、エンジンのシリンダブロックを鋳造する金型である。しかし、判定対象鋳型は、回帰式を求めるための鋳型と同じであることは要さず、すなわち、シリンダブロック用に限らず、シリンダヘッド用鋳型であってもよく、或いはミッションケースなど他の鋳造品を得る鋳型であってもよい。
また、マグネシウム鋳造や半凝固鋳造等、溶湯成分や鋳造形態が異なるダイカストプロセスにおいても、上記ステップS1からS4までを経て湯まわり値Yを求める回帰式を得ることができる。ここでの回帰式は、前述までの実施形態で説明した回帰式とは別の説明変数、係数で構成される場合もある。
1 金型(鋳型)
3 シリンダブロック
4 キャビティ

Claims (5)

  1. 溶湯を鋳型に加圧注入する圧力鋳造における湯まわり性を判定する方法であって、
    上記圧力鋳造で得た鋳造品の各部の性状に基づいて、該鋳造品に係る鋳型の対応する当該各部への湯まわり性指標である湯まわり値を決定する工程と、
    上記鋳造品に係る鋳型のキャビティを複数の要素に分割してなる鋳型モデルを作成する工程と、
    上鋳型モデルについて、上記圧力鋳造のときと同じ溶湯射出条件で湯流れ解析を行なって、上記各部に達した溶湯の複数の状態量を算出する工程と、
    重回帰分析によって、上記湯まわり値を目的変数とし、上記湯流れ解析によって得られた複数の状態量を説明変数とする回帰式を求める工程と、
    判定対象鋳型のキャビティを複数の要素に分割してなる判定用鋳型モデルを作成する工程と、
    上記判定用鋳型モデルについて所定の溶湯射出条件で湯流れ解析を行ない、該判定用鋳型モデルの判定対象要素における上記複数の状態量を算出する工程と、
    上記判定対象要素における上記複数の状態量を上記回帰式に適用することによって、該判定対象要素における上記湯まわり値を求める工程と、
    上記判定対象要素における上記湯まわり値に基づいて、該判定対象要素への湯まわり性の良否を判定する工程とを備えていることを特徴とする圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法。
  2. 請求項1において、
    上記複数の状態量として、少なくとも、上記判定対象要素に到達した溶湯の温度と該溶湯の流速を用いることを特徴とする圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法。
  3. 請求項1において、
    上記複数の状態量として、上記判定対象要素に到達した溶湯の温度、該溶湯の流速、溶湯が射出開始から当該要素に到達するまでの経過時間、ゲートから当該要素に到達するまでの溶湯の流動距離、並びに当該要素に到達した溶湯の空気との接触時間を用いることを特徴とする圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記圧力鋳造はダイカストであり、上記鋳型はエンジンのシリンダブロックを鋳造する鋳型であることを特徴とする圧力鋳造の溶湯湯まわり判定方法。
  5. 溶湯を鋳型に加圧注入する圧力鋳造における湯まわり性を判定する装置であって、
    回帰式記憶手段と、モデル作成手段と、射出条件設定手段と、湯流れ解析手段と、湯まわり値算出手段と、判定手段とを備え、
    上記回帰式記憶手段は、鋳型の各部に対する湯まわり性指標である湯まわり値を目的変数とし、湯流れ解析によって得られる上記湯まわり性に影響を与える複数の状態量を説明変数とする、重回帰分析によって得られた回帰式を記憶し、
    上記モデル作成手段は、判定対象鋳型のキャビティを複数の要素に分割してなる判定用鋳型モデルを作成し、
    上記射出条件設定手段は、湯流れ解析における上記判定用鋳型モデルに対する溶湯の射出条件を設定し、
    上記湯流れ解析手段は、上記判定用鋳型モデルについて上記溶湯射出条件で湯流れ解析を行なって、上記判定用鋳型モデルの判定対象要素における上記複数の状態量を算出し、
    上記湯まわり値算出手段は、上記判定対象要素の上記複数の状態量を上記回帰式に適用することによって、該判定対象要素における上記湯まわり値を算出し、
    上記判定手段は、上記判定対象要素における湯まわり値に基づいて該判定対象要素への湯まわり性の良否を判定することを特徴とする圧力鋳造の溶湯湯まわり判定装置。
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