JP4032848B2 - 成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置及び成形シミュレーションプログラム並びに当該成形シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体 - Google Patents

成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置及び成形シミュレーションプログラム並びに当該成形シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ひけ巣の発生を精度良く解析できる成形シミュレーション方法及び成形シミュレーション装置に関し、更に詳しくはコンピュータにてひけ巣の発生状況を解析する成形シミュレーション方法及び成形シミュレーション装置に関する。そして、ひけ巣の発生を精度良く解析できる成形シミュレーションプログラム並びに当該成形シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋳鉄・アルミ等による鋳造・ダイカスト等や、樹脂の射出成形のように、溶融した材料(溶融材料)を型内に充填することで必要な形状をもつ成形品を製造する手法が汎用されている。
【0003】
ダイカストを例に挙げて説明すると、欠陥の発生としては、ひけ巣欠陥、空気等の巻き込み欠陥、湯回り不良欠陥等がある。特に大きな問題となる欠陥の1つとしてひけ巣欠陥がある。型内に充填した溶融材料が液相状態から固相状態に凝固する際には凝固収縮が発生する。凝固収縮が発生する場合に、キャビティ内の凝固収縮が起こる部分に新たな溶融材料の補給ができれば凝固収縮の影響はなくなるが、ゲート部分の溶融材料が凝固した後のように、新たな溶融材料が補給できない場合には成形品のどこかにひけ巣が発生する。
【0004】
ひけ巣欠陥をなくすためには、成形品の形状、成形方案(ランナ、ゲート、オーバーフロー)、射出条件(低速速度、切り替えタイミング、高速速度等)、型温度制御を適正化する必要がある。
【0005】
しかしながら溶融材料の充填成形方法で製造される成形品は、通常3次元的に複雑な形状且つ肉薄であり、溶融材料の流れ、凝固現象は非常に複雑且つ短時間の現象であり、なかなか現象を理論的に解明できず、それゆえ適正条件を見出すことは容易ではない。また、実験的にひけ巣欠陥を系統的に解析することは容易ではなく、試行錯誤を繰り返すのが現状である。
【0006】
ところで近年のコンピュータの計算能力の向上に伴い、溶融材料を型内に充填するときの溶融材料の挙動についてのコンピュータ上における成形シミュレーションの適用範囲が広がっている。成形シミュレーションは溶融材料の流れ及び凝固の挙動について理解を深めることを目的としており、適正な成形条件を探索する有用な手段として期待されている。
【0007】
成形シミュレーション方法は、溶融材料の流れ解析と共に型内のキャビティ領域中の溶融材料についても凝固の解析を行うのであるが、溶融材料の凝固に伴う凝固収縮による溶融材料の流れについても解析を行うことができれば、ある程度のひけ巣の発生を予測することが可能であると考えられる。例えば、特開平10−34320号公報に開示された金属溶湯の流動凝固解析方法、装置及び記録媒体がある。この方法は、凝固解析において、型を微小要素に分割し、その微小要素毎に熱伝導及び溶質移動を解析している。
【0008】
そして、特開平8−257741号公報に開示された数値解析を利用した鋳造欠陥の予測方法は、型を微小要素に分割して、その微小要素毎に対して所定時間毎に溶湯温度、溶湯圧力及びガス圧力を求め、溶湯圧力よりもガス圧力が高い部位に空孔(ひけ巣欠陥)が発生することを予測する。
【0009】
また、特開2000−271734号公報に開示された流動凝固解析方法は、溶湯の固相率に応じて流れ場の解析を行うことで解析精度を向上している。固相率が0%ではニュートン流体として、固相率が100%では障害物として、それ以外の固相率の値では非ニュートン流体として解析を行う。
【0010】
しかしながら、実際の複雑形状の型を用いて、溶融材料の凝固収縮に伴う流れについての解析を行うことは、多大な計算時間を必要とし現実的ではない。また、将来的にコンピュータの計算能力が向上し、速やかに解析が遂行できるとしても、解析における計算を簡便に行い、解析時間を短縮することは有益である。
【0011】
解析時間の短縮を目的とする従来の成形シミュレーション方法としては、特開平11−314152号公報に開示された鋳造品の凝固解析方法がある。この方法は、凝固解析において、型を微小要素に分割し、その微小要素毎に経時変化毎の凝固時間分布を記憶させると共に、凝固の進行に伴う未凝固領域の分裂過程も追跡する。未凝固領域が、分裂する毎に分裂した各領域の凝固収縮量を求め、この凝固収縮量からひけ巣欠陥の体積を算出する。ひけ巣欠陥が発生する部位としては分裂した未凝固領域内の最も凝固が遅い部分に対応させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−314152号公報に開示の方法では、実際に成形品にひけ巣欠陥が発生する部位を精度良く特定することは困難であった。
【0013】
本発明では溶融材料の型内での凝固時に発生するひけ巣欠陥について、より正確に推測できる成形シミュレーション方法、成形シミュレーション装置及びそれらをコンピュータ上で実現する成形シミュレーションプログラム並びにそのプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体を提供することを解決すべき課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で本発明者が鋭意研究を行った結果、従来の成形シミュレーション方法では最も凝固が遅い部分に凝固収縮を対応させているので、実際の凝固現象を充分に再現することができないことを見出した。ひけ巣欠陥の発生は、凝固収縮が発生するときの固相率が低い部分に集中することを見出した。固相率が低い部分は固相率がより高い部分と比較して流動性が高いので、凝固収縮によるひけ巣の発生が集中する。この場合に、固相率は溶融材料が型内に充填されてから凝固するまでの経時的変化を考慮して解析を行う。解析された固相率の最も低い部分に、順次発生する凝固収縮を対応づけることで高精度の解析ができる。このように、発生するひけ巣欠陥を経時的に固相率の低い部位に集中させる方法により、ほぼ、ひけ巣欠陥が発生する位置・大きさを特定することができる。
【0015】
しかしながら、ひけ巣欠陥の発生位置の予測と、実際の型を用いた試験との間では、ひけ巣欠陥の発生位置が型のゲート近傍において一致しないことが認められた。従来の方法においては、ひけ巣欠陥が発生する位置の予測精度が低いために、この不一致は問題とはされていなかったが、従来の方法の精査によって、従来の方法でも発生する問題であることが分かった。
【0016】
この問題を解決する目的で本発明者が鋭意研究を行った結果、型と溶融材料との間の熱伝達係数に着目した。すなわち、上記課題を解決する本発明の成形シミュレーション方法は前処理工程と解析工程とを有する(請求項1)。前処理工程は(1):溶融した材料の成形に用いる型の形状を座標系上に位置づけ、該座標系の空間を複数の微小要素に分割する要素作成ステップと、(2):該微小要素のそれぞれについて、該型の型領域に位置する場合には型要素と、該型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義する要素定義ステップと、をもつ。
【0017】
解析工程は、(1):該キャビティ要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を経時的に行う充填解析ステップと、(2):▲1▼該溶融材料が充填された該キャビティ要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を経時的に算出する伝熱解析ステップと、▲2▼算出されたそれぞれの該溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップと、をもつ凝固解析ステップと、(3):該型要素と接する該キャビティ要素である境界要素と該型要素との間の該熱伝達係数に、該境界要素内に該溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの該溶融材料の該固相率に基づく値を設定する熱伝達係数設定ステップと、をもつ。
【0018】
つまり、従来技術では型との間の熱伝達係数は型のどの部分でも、経時的にも一定であると仮定して解析していたのに対して、本発明方法では型の部分及び時間に応じて、適正に熱伝達係数を設定する。具体的には、型表面に溶融材料が接する際の溶融材料の固相率の大きさによって型と溶融材料が充填された微小要素である溶融材料充填要素との間の熱伝達係数を設定する。熱伝達係数を適正に設定することで、精度良くひけ巣欠陥が発生する部位及び大きさを予測することが可能となった。
【0019】
以下、ダイカスト成形を例として説明する。溶融材料としての溶湯が型内に射出される際に溶湯の固相率によって溶融材料が型表面に密着する程度が異なってくる。溶湯の固相率が低いと、鋳造圧力によって溶湯が型表面に充分に密着するので高い熱伝達係数を設定する。溶湯の固相率が高く溶湯の流動性が低下すると、型表面への溶湯の密着性が低下するので、低い熱伝達係数を設定する。
【0020】
例えば、型におけるゲート近傍では溶湯の温度が高いので鋳造圧力が直接的に伝播して、型表面との間の密着性が向上するので高い熱伝達係数を設定する。ゲートから遠い部位では溶湯が半凝固状態(固相率が高い)となり鋳造圧力の伝播が充分でなく、型表面との密着性が低くなるので、低い熱伝達係数を設定する。適正な熱伝達係数を設定することで、より正確なひけ巣欠陥の発生部位及び大きさの予測ができる。
【0021】
ところで、一般に成形シミュレーション方法は微小な時間間隔毎に型内の溶融材料の挙動を追跡することで解析を行う。ここで、解析を行う時間間隔は小さいほど解析精度が向上する。しかしながら、時間間隔を小さくすると解析に要する時間が増大して実用性が低下する。従って、解析で採用する時間間隔は必要な解析精度のほか、経済性との兼ね合いでも決定される。ひけ巣欠陥発生の解析における時間間隔についても同様に経済性との兼ね合いで決定される。
【0022】
ここで、本発明者は成形シミュレーション方法のうち、ひけ巣欠陥の解析における解析時間を低減することを目的として検討を行った。ひけ巣欠陥発生の解析は、溶融材料の型内への充填解析と、溶融材料の凝固解析及び溶融材料の温度変化による体積変化のような溶融材料の熱収縮解析との結果に基づいて行う。しかしながら、熱収縮の解析は充填解析と独立しており、充填解析を行う時間間隔よりも長い間隔で熱収縮解析及びひけ巣欠陥解析を行うことができる。但し、解析精度が低下するので、単純にひけ巣欠陥解析における時間間隔を一律に大きくすることはできない。そこで、本発明者が検討を行った結果、成形品に発生するひけ巣欠陥の位置及び大きさの解析精度は解析における時間間隔毎に発生するひけ巣欠陥の大きさに依存していることが判明した。具体的には時間間隔毎に発生するひけ巣欠陥の大きさが小さくなるほどひけ巣欠陥の位置及び大きさの解析精度が向上する。
【0023】
以上の知見に基づき、前処理工程と解析工程とを有する成形シミュレーション方法を発明した(請求項2)。前処理工程は、溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する工程である。解析工程は、(1):該微小要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を行う充填解析ステップと、(2):該溶融材料が充填された該微小要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を算出し、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の熱収縮を算出された温度に応じて所定時間間隔で算出する熱収縮解析ステップと、(3):該溶融材料充填要素に発生する該熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる変動ステップと、をもつ。
【0024】
つまり、発生する熱収縮の大きさが相対的に小さくなった場合には、ひけ巣欠陥の発生も少なくなり、熱収縮の大きさを解析する収縮解析ステップを行う所定時間間隔の大きさを大きくしても解析精度が維持できるので、計算負荷が減少できる。
【0025】
前記変動ステップはそれぞれの溶融材料充填要素に発生する熱収縮の大きさの最大値に応じて前記した所定時間間隔を変動させることができる(請求項3)。溶融材料充填要素全体に発生する熱収縮の大きさは小さくても微小な部分において発生する熱収縮の大きさが大きい場合には所定時間間隔を小さくして、より精密な解析を行う。
【0026】
また、前記解析工程は、(2−2):算出されたそれぞれの前記溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の前記溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップと、(2−3):該固相率が100%未満であるそれぞれの該溶融材料充填要素について、該固相率が100%未満である該溶融材料充填要素以外の前記微小要素によって囲繞された閉領域を経時的に検出する閉領域検出ステップと、をもち、前記変動ステップは、それぞれの該閉領域内に発生する前記熱収縮の総和の最大値に応じて前記所定時間間隔を変動させることができる(請求項4)。溶融材料の凝固に伴い、溶融材料が自由に移動できる空間である単位である閉領域が分裂する場合がある。熱収縮は溶融材料が自由に移動できる空間である閉領域内でひけ巣を発生させるので、同一の閉領域内において発生する熱収縮の大きさの総和が大きくなると、その閉領域内で発生するひけ巣欠陥の大きさも大きくなるので所定時間間隔を相対的に小さくして精密な解析を行う。
【0027】
そして上記課題を解決する本発明の成形シミュレーション装置は、前処理手段と解析手段とを有する(請求項7)。前処理手段は(1):溶融した材料の成形に用いる型の形状を座標系上に位置づけ、該座標系の空間を複数の微小要素に分割する要素作成手段と、(2):該微小要素のそれぞれについて、該型の型領域に位置する場合には型要素と、該型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義する要素定義手段と、をもつ。
【0028】
解析手段は、(1):該キャビティ要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を経時的に行う充填解析手段と、(2):▲1▼該溶融材料が充填された該キャビティ要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を経時的に算出する伝熱解析手段と、▲2▼算出されたそれぞれの該溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出手段と、をもつ凝固解析手段と、(3):該型要素と接する該キャビティ要素である境界要素と該型要素との間の該熱伝達係数に、該境界要素内に該溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの該溶融材料の該固相率に基づく値を設定する熱伝達係数設定手段と、をもつ。
【0029】
また、本発明の成形シミュレーション装置は、前処理手段と解析手段とを有する(請求項8)。前処理手段は、溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する手段である。解析手段は、(1):該微小要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を行う充填解析手段と、(2):該溶融材料が充填された該微小要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を算出し、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の熱収縮を算出された温度に応じて所定時間間隔で算出する熱収縮解析手段と、(3):該溶融材料充填要素に発生する該熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる変動手段と、をもつ。
【0030】
更に本発明の成形シミュレーションプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体は、前述した前処理手段と解析手段とを有する成形シミュレーション手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム(請求項11)及びそのプログラムを記録した記録媒体(請求項12)である。
【0031】
【発明の実施の形態】
〔成形シミュレーション方法〕
[第1実施形態]
本実施形態の成形シミュレーション方法は前処理工程と解析工程とその他必要に応じた工程とを有する。前処理工程は(1):要素作成ステップと(2):要素定義ステップとをもち、型のモデルデータを作成して、型内へ充填する溶融材料について充填解析、凝固解析及び熱伝達係数設定ステップを行う準備をする工程である。要素作成ステップは要素作成手段により、実行することができる。要素定義ステップは要素定義手段により実行することができる。要素定義手段及び要素定義手段はコンピュータ上のロジックとして実現可能である。詳細は後述する第3実施形態の成形シミュレーション装置の欄で説明する各手段とほぼ同様である。
【0032】
解析工程は作成された型のモデルデータに対して、(1):充填解析ステップと(2):凝固解析ステップと(3):熱伝達係数設定ステップとを行う工程である。本成形シミュレーション方法は、ダイカスト等の鋳造、プラスチックの射出成形等に適用してシミュレーションを行うことができる。充填解析ステップは充填解析手段により実行することができる。凝固解析ステップは伝熱解析ステップと固相率算出ステップとをもつ。伝熱解析ステップは伝熱解析手段により実行することができる。固相率算出ステップは固相率算出手段により実行することができる。熱伝達係数設定ステップは熱伝達係数設定手段により実行することができる。充填解析手段、伝熱解析手段、固相率算出手段及び熱伝達係数設定手段はコンピュータ上のロジックとして実現可能である。詳細は後述する第3実施形態の成形シミュレーション装置の欄で説明する各手段とほぼ同様である。その他の工程もそれぞれコンピュータ上のロジックとして実現された手段により実現可能である。
【0033】
(前処理工程)
(1):要素作成ステップ
要素作成ステップは、本成形シミュレーション方法の対象である型を座標系上に位置づけ、その座標系上の空間を多面体からなる複数の微小要素に分割するステップである。すなわち、座標系上の空間を解析用の微小要素に細分化するステップである。
【0034】
座標系は、任意なものを選択することが可能である。この座標系上の空間には必要に応じた大きさで微小要素が形成される。微小要素に分割する方法としては有限差分法で採用されるような直交6面体の微小要素で分割する方法、有限要素法のように要素の形状を鋳造型の形状に応じた多面体として比較的自由に変更できる方法等がある。有限差分法は微小要素への分割が容易であり、且つ解析が数学的に簡潔であるという利点がある。
【0035】
なお、座標系空間のすべてに微小要素を規定する必要はなく、必要な部分(溶融材料が注入されるキャビティ領域とその周りに接する型領域等のように後述する解析工程で必要な部分)を最小限含むような範囲で規定すれば充分である。但し、型温等をより正確に解析するために、型領域のすべてを含むように微小要素を作成することが好ましい。
【0036】
そして作成する微小要素の大きさはできるだけ小さい方が解析の精度が向上できるが、より多くの解析時間が必要となる。また、型の構造を充分に再現できるような微小要素の大きさを採用することが好ましい。従って、微小要素の大きさは要求される精度やシミュレーションの原理的な制約、解析時間等から適正に決定できる。なお、微小要素の大きさはすべての部分について同じ大きさとする必要はなく、解析部位によって大きさを変更することができる。例えば、成形品の肉薄な部分では、局所的に微小要素の大きさを小さく設定し、解析精度を向上することが好ましい。
【0037】
ところで、型を座標系上に位置づけるためには、型の形状がCADデータ型式等の数値データに変換されている必要がある。型の形状を数値データに変換する方法としては、特に限定されず、例えば、最初から型の形状をCADにより設計したり、試作品の形状を3次元スキャナ等の何らかの方法で数値化しても良い。ここでCADにより型の数値データを作成した場合には、CAD等により作成された型のデータを読み込み、型の外形データを抽出する必要がある。その方法については公知の方法が使用できる。また、本方法においてCADデータをそのまま使用できるようにしても良い。なお、本ステップにおいて、型に代えて成形される成形品を座標系上に位置づけることもできる。
【0038】
(2):要素定義ステップ
要素定義ステップは、前述の要素作成ステップにおいて規定された微小要素のそれぞれについて、型の型領域に位置する場合には型要素と定義し、型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義してモデルデータとするステップである。すなわち、後述の解析工程用に各微小要素の属性を定義し、座標系上に型の形状を微小要素により構築するステップである。
【0039】
なお、本ステップは、前述の要素作成ステップにおいて微小要素が規定された後に行われるステップであるが、すべての微小要素が規定された後に行う必要は必ずしもなく1以上の微小要素が規定される毎に本ステップを行い、その後に要素作成ステップを再度行うことを繰り返すこともできる。
【0040】
ここで、型の「型領域」とは型自身を形成する領域であって、溶融材料が流れない部分であり、型の「キャビティ領域」とは溶融材料が流れ最終的に成形品が形成される部分である領域をそれぞれ意味する。
【0041】
具体的に各微小要素を型要素とキャビティ要素とに定義する方法としては特に限定されず、公知の方法が採用可能である。以下に図を参照しながら一例を説明する。図1には、型の形状及び微小要素の一部を拡大して示す。また、図は記載及び説明の便宜上2次元上にて型及び微小要素を示し、以下の説明も2次元の図に基づいて行うが、その本質は3次元のものと異なるところはない。
【0042】
図1に示すように、座標として直交座標を採用し、その座標系上に正方形の微小要素20(形状は特に正方形に限定されるものではない。また、3次元上に適用する場合には直方体・立方体その他任意形状の多面体が要素の形として例示できる。以下同じ。)が規則的に規定されている。また、座標上には、型のモデルデータの境界線が位置づけられている。
【0043】
図1において、各微小要素20それぞれの重心21の位置が、型の型領域(斜線部分)に存在する場合にはその微小要素20を型要素(以下「M要素」という。)と定義し、キャビティ領域に存在する場合にはその微小要素をキャビティ要素(以下「C要素」という。)と定義する。各微小要素20をM要素及びC要素に定義した状態を図2に示す。図2では型領域に存在する重心21を白丸で、キャビティ領域に存在する重心21を黒丸で表す。なお、型領域及びキャビティ領域のいずれにも該当しない微小要素20の扱いは特に限定しないが、計算上の負荷とならないように規定することが好ましい。
【0044】
(解析工程)
解析工程は(1):充填解析ステップと(2):凝固解析ステップと(3):熱伝達係数設定ステップとをもつ。解析工程は微小な時間間隔毎に型内の溶融材料の挙動を追跡することで解析を行う。解析を行う溶融材料の挙動としては、溶融材料の型内での充填率、温度、固相率の変化に加えて、型と溶融材料との間の熱伝達係数の変化を作成したモデルに従いシミュレーションしている。
【0045】
解析工程においては解析工程において基準となる時間が設定される。解析の進行と共に、その基準となる時間を微少量ずつ進めていき、その基準となる時間に基づいて各ステップを適用することで、型内の溶融材料の挙動を解析できる。従って、解析工程においては、実時間の進行に関わらず解析工程で設定された任意の時間経過に基づいて解析を行う。
【0046】
そして、各ステップは解析工程内に設定された時間経過に対して、常に同じ頻度で解析を行うことは必須ではない。例えば、これらのステップを行う時間間隔はすべて同じ間隔を採用することもできるし、異なる間隔を採用することもできる。ここで、熱伝達係数設定ステップは凝固解析ステップの結果に基づいて解析を行い、凝固解析ステップは充填解析ステップの結果に基づいて解析を行う。従って、これらのステップは時間間隔毎にそれぞれの解析を順次行っても良いし、充填解析ステップ、凝固解析ステップそして熱伝達係数設定ステップの順番に解析を行っても良い。
【0047】
(1):充填解析ステップ
充填解析ステップは、C要素のそれぞれについて、溶融材料の充填解析を経時的に行うステップである。すなわち、型内における注入された溶融材料の物理的挙動を解析するステップであり、微小要素毎に微小時間毎の溶融材料の物理的挙動を解析する。溶融材料が充填された微小要素は溶融材料充填要素として扱う。
【0048】
基本的な溶湯の充填解析の方法については、特に限定されるものではない。例えば、VOF(Volume of Fluid)、SOLA、FAN及びそれらの改良された方法等の公知技術・慣用技術等を適用することができる。
【0049】
(2):凝固解析ステップ
凝固解析ステップは、▲1▼溶融材料が充填されたC要素(溶融材料充填要素)について伝熱解析を行い温度を経時的に算出する伝熱解析ステップと、▲2▼算出された温度から溶融材料充填要素内の溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップとをもつ。
【0050】
▲1▼伝熱解析ステップは溶融材料充填要素間での伝熱解析のほか、溶融材料充填要素と鋳造型最表面(すなわちC要素に接するM要素)との間での経時的に伝熱解析を行い、各微小要素の温度を算出できる。伝熱解析ステップでは計算が発散せず且つ許容時間内で計算が終了するように設定された時間間隔で各要素間の伝熱を各モデルに設定された伝熱係数に基づいて計算する。伝熱解析ステップで行う解析方法は特に限定されるものではないが、例えば、熱移流、潜熱を考慮した非定常熱伝導解析に差分法とADI法とを併用する等の計算方法を用いてそれぞれの要素について熱の伝導を計算することができる。
【0051】
▲2▼固相率算出ステップは伝熱解析ステップで算出された溶融材料充填要素の温度に基づいてその溶融材料充填要素に充填された溶融材料の固相率を算出する。固相率の算出は状態図等により求めたり、シャイルの式等の理論式又は近似式により算出することが可能である。ここで、固相率に変えて、固相率と関連のあるパラメータである液相率や温度等を用いて計算を行っても良い。液相率は100%から固相率を減じた値である。固相率に関連するパラメータとして温度を用いる場合には、すべて液相になる温度以上及びすべて固相になる温度以下はそれぞれ同一に扱う。
【0052】
(3):熱伝達係数設定ステップ
熱伝達係数設定ステップはM要素と接するC要素である境界要素とそのM要素との間の熱伝達係数に、境界要素内に溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの溶融材料の固相率に基づく値を設定するステップである。所定割合としては特に限定されない。
【0053】
溶融材料は固相率は低いほど流動性が良くなり型表面との密着性が向上するので、熱伝達性が良くなる。従って、設定する熱伝達係数は、溶融材料の固相率が100%のときに溶融材料が型に確実に到達することが困難となるので一番低い値を設定し、固相率が0%のときには流動性が高く確実に型に密着できるので一番高い値を設定することが好ましい。つまり、固相率が0%である場合には溶融材料の温度に係わらず、溶融材料の流動性はすべて同一であると近似して、一定の熱伝達係数を設定するものである。固相率が100%のときには流動性がないので、この場合にも溶融材料の温度に係わらず、すべて一定の熱伝達係数を設定する。固相率の大きさが0%より大きく、且つ100%未満であるときには固相率が大きくなるにつれて漸減する大きさの熱伝達係数を設定する。具体的に設定する熱伝達係数の値は理論的に導出することもできるし実験により経験的に導出することもできる。
【0054】
また、熱伝達係数の値は、境界要素内における溶融材料の充填圧力が高いと、溶融材料の型への密着性が向上するので、充填圧力が低い場合と比較して高くなる。従って、溶融材料の充填圧力に影響を与える因子を考慮に入れて熱伝達係数を設定することが好ましい。簡易的には溶融材料を型内に導入する圧力に応じて熱伝達係数を高くすることができる。また、C要素内を流動する溶融材料について圧力を考慮した解析を行い、算出された境界要素内の充填圧力に応じて熱伝達係数を高くすることができる。
【0055】
(その他の工程)
本シミュレーション方法はその他に、種々の工程を含ませることができる。例えばその他の欠陥予測解析(空気の巻き込み予測、湯回り及び湯境予測等)、DCスリーブ内流動解析、中子ガス発生解析、残留応力解析等を行う工程を含ませることができる。
【0056】
これらの解析を併せて行うことにより、ひけ巣の解析のみならず、全体として、空気の巻き込み、めざし、型温分布、湯境、湯しわ、ブリスター、残留歪、割れ、耐久強度(静的、疲労、衝撃)、特性予測等を精度及び効率よく行うことができる。
【0057】
特に、本方法は、伝熱解析ステップで算出された各微小要素の温度及び固相率算出ステップで算出された各微小要素の固相率の変化に基づいて発生する熱収縮の大きさを算出して、ひけ巣欠陥の位置及び大きさを解析する工程をもつことが想定されている。発生するひけ巣欠陥の位置及び大きさを解析する好ましい方法としては、固相率が100%未満の溶融材料充填要素からなり、ゲートから溶融材料の供給がない閉領域内で発生する熱収縮の大きさを算出して、算出された熱収縮の大きさをもつひけ巣欠陥がその閉領域内の最も固相率が低い部位に集中することで、その固相率が低い部位にひけ巣欠陥を発生させる方法がある。
【0058】
更に、本実施形態の方法に含ませることができるその他の工程としては、解析結果を出力する工程や解析結果を表示する工程が例示できる。
【0059】
解析結果を出力する工程としては、例えば、独自形式乃至は他の汎用CAD等にて読み込み可能なファイル形式で出力・保存したり、前述の解析結果を出力する工程に出力することができるものである。
【0060】
解析結果を表示する工程は、本実施形態の成形シミュレーション方法における解析結果を可視化する工程である。可視化することにより解析結果の把握がより容易となる。
【0061】
解析結果を出力(可視化)する場合には解析工程で解析したひけ巣の解析結果(ひけ巣欠陥の体積、位置等の情報)を併せて出力(可視化)することが好ましい。
【0062】
[第2実施形態]
本実施形態の成形シミュレーション方法は前処理工程と解析工程とその他必要に応じた工程とを有する。前処理工程は型のモデルデータを作成して、型内へ充填する溶融材料について充填解析及び凝固解析を行う準備をする工程である。解析工程は作成された型のモデルデータに対して、(1):充填解析ステップと(2):熱収縮解析ステップと(3):変動ステップとを行う工程である。本成形シミュレーション方法は、ダイカスト等の鋳造、プラスチックの射出成形等に適用してシミュレーションを行うことができる。
【0063】
前処理工程は前処理手段により実行することができる。充填解析ステップは充填解析手段により実行することができる。熱収縮解析ステップは熱収縮解析手段により実行することができる。変動ステップは変動手段により実行することができる。前処理手段、充填解析手段、熱収縮解析手段及び変動手段はコンピュータ上のロジックとして実現可能である。詳細は後述する第4実施形態の成形シミュレーション装置の欄で説明する各手段とほぼ同様である。その他の工程もそれぞれコンピュータ上のロジックとして実現された手段により実現可能である。
【0064】
(前処理工程)
前処理工程は溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する工程である。解析モデルとしては微小要素に分割していること以外にはどのようなものでも良い。好ましい例としては、第1実施形態の成形シミュレーション方法で説明した前処理工程がそのまま適用できる。
【0065】
(解析工程)
解析工程における各ステップの進行方法は第1実施形態とほぼ同じである。すなわち、解析工程は微小な時間間隔毎に各ステップを適用することで型内の溶融材料の挙動を追跡することで解析を行う。詳細については第1実施形態での説明と同様であるので省略する。
【0066】
(充填解析ステップ)
充填解析ステップは第1実施形態の成形シミュレーション方法の解析工程で説明した充填解析ステップと同様であるのでここでの説明は省略する。充填解析は溶融材料が型内に充填する挙動を解析する。充填解析を行う時間間隔を小さくすると、より精密な充填解析ができる。
【0067】
(熱収縮解析ステップ)
熱収縮解析ステップは第1実施形態の成形シミュレーション方法の解析工程で説明した凝固解析ステップにおける伝熱解析ステップに加えて、算出された各微小要素の温度に基づいて各微小要素で発生する熱収縮の大きさを所定時間間隔で経時的に算出するステップである。算出された温度から熱収縮の大きさを算出する方法は特に限定されない。例えば、算出された各微小要素の温度に基づき、各微小要素内の溶融材料の固相率を算出し、算出された各微小要素の固相率の変化に基づいて発生する熱収縮の大きさを算出して、ひけ巣欠陥の位置及び大きさを解析する工程とすることができる。発生するひけ巣欠陥の位置及び大きさを解析する好ましい方法としては、固相率が100%未満の溶融材料充填要素からなり、ゲートから溶融材料の供給がない閉領域内で発生する熱収縮の大きさを算出して、算出された熱収縮の大きさをもつひけ巣欠陥がその閉領域内の最も固相率が低い部位に集中すると仮定する方法がある。この方法は、固相率が最も低い部位に、発生する熱収縮の大きさを有するひけ巣欠陥を発生させる。
【0068】
(変動ステップ)
変動ステップは発生する熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させるステップである。発生する熱収縮の大きさが小さくなると、所定時間間隔を大きくすることができる。所定時間間隔は必要とされる解析精度及び許容される総解析時間に応じて決定される。つまり、所定時間間隔としては、必要な解析精度が、許容される時間内に得られるように設定できる。
【0069】
ここで、具体的に所定時間間隔を変動させる際の基準とする「熱収縮の大きさ」としては、溶融材料全体で発生する熱収縮の大きさの総和を採用することができる。また、それぞれ個別の微小要素について熱収縮解析ステップにおける直前の所定時間間隔で発生する熱収縮の大きさのうちの最大値を採用することもできる。つまり、一部の微小要素であっても、大きさな熱収縮が発生している場合には、所定時間間隔を小さくして解析精度を向上させることが好ましい。
【0070】
更に、「熱収縮の大きさ」としては、溶融材料充填要素のうち、固相率が100%未満の溶融材料充填要素(閉領域)について、内部で発生する熱収縮の大きさの総和の最大値を採用することができる。つまり、すべての閉領域のうち、一番大きな熱収縮が発生する閉領域に合わせて、所定時間間隔を設定することで、その一番大きな熱収縮が発生する閉領域でも、精度良くひけ巣欠陥の解析を行うことができる。ひけ巣欠陥の発生は、それぞれの閉領域内でそれぞれ独立して進行するものと近似でき、各閉領域がひけ巣欠陥の発生単位であるからである。
【0071】
ここで、固相率の算出及び閉領域の検出を行う場合には、本解析工程は固相率算出ステップ及び閉領域検出ステップをもつ。これら2つのステップは、変動ステップの前に行う。固相率算出ステップは、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0072】
閉領域検出ステップは、固相率が100%未満であるそれぞれの溶融材料充填要素(以下、「含液相要素」と称する)について、含液相要素以外の微小要素(以下、「非液相要素」と称する、例えば、型部分に相当する微小要素や、固相率が100%である溶融材料充填要素、又は溶融材料が充填されていない微小要素である)によって囲繞された閉領域を経時的に検出するステップである。閉領域内では溶融材料の移動が可能であるので、その領域内で発生する凝固収縮はその閉領域内のいずれかの部位に、ひけ巣を発生させる。
【0073】
本ステップで非液相要素により完全に囲繞された含液相要素を検出する方法を例示すると、すべての含液相要素について、その含液相要素を起点として、周りの微小要素を非液相要素に到達するまで順次探索していき、探索が終了したときの連続した含液相要素からなる領域毎に、それぞれ独立した閉領域とする。更に解析時間の経過に伴い、閉領域の一部が凝固してその閉領域を分割することで、一度検出された閉領域が新たに2以上に分割されることもあり得る。
【0074】
(その他の工程)
本シミュレーション方法はその他に、第1実施形態のその他の工程で説明したような種々の工程を含ませることができる。
【0075】
〔成形シミュレーション装置〕
以下に本発明の成形シミュレーション装置について実施形態に基づいて詳細に説明する。本実施形態の成形シミュレーション装置は、前処理手段と解析手段とを有する。また、本実施形態の成形シミュレーション装置は、必要に応じて、その他の手段を含むことができる。本実施形態の各手段はすべてコンピュータ上のロジックとして実現可能であり、また、コンピュータ上のロジックとして実現することが好ましい。
【0076】
[第3実施形態]
本実施形態の成形シミュレーション装置は、前処理手段と解析手段とを有する。前処理手段は要素作成手段と要素定義手段とをもち、型内の溶融材料の充填解析及び凝固解析の準備を行う手段である。解析手段は充填解析手段と凝固解析手段と熱伝達係数設定手段とをもつ。
【0077】
(前処理手段)
〈要素作成手段〉
要素作成手段は、本成形シミュレーション手段の解析対象である型を座標系上に位置づけ、その座標系上の空間を多面体からなる複数の微小要素に分割する手段である。すなわち、座標系上の空間を解析用の微小要素に細分化する手段である。なお、本手段についての説明は、前述の第1実施形態における要素作成ステップにおけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0078】
〈要素定義手段〉
要素定義手段は、前述の要素作成手段において規定された微小要素のそれぞれについて、型の型領域に位置する場合には型要素と定義し、型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義し、ゲートに位置する場合にはゲート要素と定義する手段である。すなわち、後述の解析手段用に各微小要素の属性を定義し、座標系上に型の形状を微小要素により構築する。なお、本手段についての説明は、前述の第1実施形態における要素定義ステップにおけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0079】
(解析手段)
〈充填解析手段〉
充填解析手段は、C要素のそれぞれについて、溶融材料の充填解析を行う手段である。すなわち、型内における注入された溶融材料の物理的挙動を解析する手段であり、微小要素毎に微小時間毎の溶融材料の物理的挙動を解析する。なお、本手段についての説明は、前述の第1実施形態における充填解析ステップにおけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0080】
〈凝固解析手段〉
凝固解析手段は、C要素内に充填された溶融材料について伝熱解析を行い温度を経時的に算出する伝熱解析手段と、算出された温度から溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出手段とをもつ。なお、本手段についての説明は、前述の第1実施形態における凝固解析ステップにおけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0081】
〈熱伝達係数設定手段〉
熱伝達係数設定手段はM要素と接するC要素である境界要素とそのM要素との間の熱伝達係数に、境界要素内に溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの溶融材料の固相率に基づく値を設定する手段である。なお、本手段についての説明は、前述の第1実施形態における熱伝達係数設定手段におけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0082】
(その他の手段)
本実施形態の装置に含ませることができるその他の手段としては、前述した第1実施形態で説明したように、型内のキャビティ内での溶融材料の空気巻き込み等をシミュレーションする解析手段、解析結果を出力する手段や解析結果を表示する手段が例示できる。なお、これらの手段についての説明は、前述の第1実施形態におけるものとほぼ同様であるので先の説明をもってこれらの手段の説明に代える。
【0083】
[第4実施形態]
本実施形態の成形シミュレーション装置は、前処理手段と解析手段とを有する。前処理手段は型内の溶融材料の充填解析及び凝固解析の準備を行う手段である。解析手段は充填解析手段と熱収縮解析手段と変動手段とをもつ。
【0084】
(前処理手段)
前処理手段は、溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する手段である。なお、本手段についての説明は、前述の第2実施形態における前処理工程におけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0085】
(解析手段)
〈充填解析手段〉
充填解析手段は、微小要素のそれぞれについて、溶融材料の充填解析を行う手段である。すなわち、型内における注入された溶融材料の物理的挙動を解析する手段であり、微小要素毎に溶融材料の流れ挙動を解析する。なお、本手段についての説明は、前述の第2実施形態における充填解析ステップにおけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0086】
〈熱収縮解析手段〉
凝固解析手段は、微小要素内に充填された溶融材料について伝熱解析を行い温度を経時的に算出して、算出された温度から溶融材料の熱収縮の大きさを経時的(所定時間間隔毎)に算出する手段である。なお、本手段についての説明は、前述の第2実施形態における熱収縮解析ステップにおけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0087】
〈変動手段〉
変動手段は溶融材料充填要素に発生する熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる手段である。なお、本手段についての説明は、前述の第2実施形態における変動手段におけるものとほぼ同様であるので先の説明をもって本手段の説明に代える。
【0088】
(その他の手段)
本実施形態の装置に含ませることができるその他の手段としては、前述した第2実施形態で説明したように、型内のキャビティ内での溶融材料の空気巻き込み等をシミュレーションする解析手段、解析結果を出力する手段や解析結果を表示する手段が例示できる。なお、これらの手段についての説明は、前述の第2実施形態におけるものとほぼ同様であるので先の説明をもってこれらの手段の説明に代える。
【0089】
〔成形シミュレーションプログラム〕
本成形シミュレーションプログラムは、使用されるコンピュータ上において前述した成形シミュレーション装置が有する各手段を実現可能としたロジックであり、そのコンピュータ上で実行可能な形式で作成されている。また、本プログラムはCD−ROM等の記録媒体上に記録されていても良い。本成形シミュレーションプログラムの各構成要素については前述の成形シミュレーション方法及び装置の各構成要素の説明と概ね同一であるので、先の説明をもって本構成要素の説明に代える。
【0090】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では溶融材料としての溶湯を用いたダイカストにおいて湯流れ及び凝固の解析を行う成形シミュレーション方法に基づき、本発明の成形シミュレーション方法について更に詳しく説明する。本方法では型としての鋳造型をCADで作成し、その鋳造型のモデルデータを用いて成形シミュレーションを行う方法である。本方法は、図3に示すように、大きく分類すると、前処理工程S1と解析工程S2とからなる。
【0091】
(1)前処理工程S1
座標系として直交座標系を採用した。鋳造型の形状はCADデータとして作成される(CADデータ作成S11)。
【0092】
説明を簡略化するためにx、yで表す2次元での説明を図5に示す。以下に行う2次元での説明は単純にそのまま3次元に拡張可能である。まず、CADデータDを2次元の座標系上に配置する。そして、座標系をx、y軸方向で微小要素に分割する(要素作成ステップS12)。この微小要素の重心位置がCADデータDの鋳造型内に位置する要素をM要素、キャビティ内に位置する要素をC要素と定義する(要素定義ステップS13)。C要素間、M要素間及びC要素とM要素との間のそれぞれの熱伝達係数は予め適正値を設定する。本鋳造型は図面右下に溶湯が注入されるゲートGが、左上にキャビティ領域内の空気を排出するためのベントホールVがそれぞれ配置されている。なお、図5から図8において、四角はそれぞれ微小要素を示し、微小要素の境界線のうちの太線は型のCADデータを表す。また、図5において、斜線によるハッチングを行った微小要素は型を示すM要素であり、微小要素のうち白抜き部分はキャビティ領域内を示すC要素である(図6から図8においても図5と同一部分は、それぞれM要素及びC要素である。)。図6から図8におけるC要素のハッチングは充填された溶融材料を示し、ハッチングが濃い方が温度が高く、溶融材料の固相率が0%であることを示し、薄い方は温度が低く、固相率が0%より高いことを示す。
【0093】
(2)解析工程S2
解析工程S2は充填解析ステップS21と凝固解析ステップS22と凝固収縮解析ステップS23と熱伝達係数設定ステップS24とをもつ。解析工程S2はシミュレーション内の時間の進行に従い、各ステップS21、S22、S23、S24により解析を行う。各ステップS21、S22、S23、S24は、シミュレーション内の時間に対して、それぞれに設定された微小時間間隔毎に解析を行う。
【0094】
▲1▼充填解析ステップS21では、C要素について溶湯の充填割合を所定時間間隔で順次計算していく。充填解析ステップS21は、有限差分法のうちSOLA−VOF法と称される方法を用いて湯流れを解析する。充填解析ステップS21における湯流れは、第1微小時間間隔で解析を行う。
【0095】
▲2▼凝固解析ステップS22では、非定常熱伝導計算法により各微小要素の温度を解析する伝熱解析ステップと、算出された温度に基づき、溶湯が充填された微小要素(以下、「溶融材料充填要素」と称する)について、固相率を算出する固相率算出ステップとをもつ。固相率は、各溶融材料充填要素の温度をシャイルの式にあてはめて算出する。凝固解析ステップは、後述する凝固収縮解析ステップと共に、所定時間間隔としての第2微小時間間隔毎に解析を行う。第2微小時間間隔は、第1微小時間間隔に対して適正な大きさとする。
【0096】
▲3▼凝固収縮解析ステップS23は、ゲートGから溶湯の供給がなされない領域を検出する閉領域検出ステップと、閉領域内で発生する凝固収縮を適正に対応づける凝固収縮検出ステップとをもつ。
【0097】
閉領域検出ステップは、固相率が100%未満であるそれぞれの溶融材料充填要素(含液相要素)について、含液相要素以外の微小要素(非液相要素)によって囲繞され且つゲート要素Gを含まない閉領域を経時的に検出するステップである。
【0098】
閉領域検出ステップは、図4に示すように、閉領域内から任意に含液相要素を選出する(S231)。そして、選出された含液相要素を起点として隣接する微小要素を順次探索する。
【0099】
次に、選出された含液相要素について識別可能な識別符号を付す(S232)。その識別符号を付した含液相要素について隣接する微小要素を検出していき(S233)、隣接する微小要素が更に含液相要素である場合には(S236)、その隣接する含液相要素にも先の含液相要素と同じ識別符号を付す(S237)。その結果、最終的に同一の符号を付している含液相要素は連続した含液相要素の領域を表すこととなる。
【0100】
隣接する微小要素が探索済みの含液相要素であるか、非液相要素又はゲート要素である場合には、それ以上隣接する微小要素の探索は行わず、その種類を記録する(S238)。隣接する微小要素をすべて探索してそれ以上含液相要素が存在しない場合には、その他に、識別符号を付していない含液相要素が存在するか否かを探索し(S234)、識別符号を付していない含液相要素が存在する場合にはその中から新たに含液相要素を選出して(S231)、その含液相要素について別の識別符号を付して(S232)、以下同様に隣接する微小要素を探索する工程を繰り返し行う。
【0101】
すべての含液相要素について探索を終了したときに(S234)、同一識別符号が付された含液相要素が含まれる領域内にゲート要素Gが含まれないときには、その同一識別符号が付された含液相要素からなる領域は閉領域であると判断する(S235)。
【0102】
閉領域検出ステップは微小時間間隔毎に閉領域を検出する。解析が進行する結果、同一の識別符号が付された微小要素の一部が解析の途中で固化することで、1つの閉領域が2以上に分割されることもある。
【0103】
凝固収縮検出ステップは直前に検出された閉領域と現在の閉領域とを対比して、閉領域内に含まれる溶融材料の体積変動を求め、その体積変動の大きさを閉領域内の固相率が低い溶融材料充填要素に対応づける。
【0104】
固相率の大きさは段階的に設定されており、同一段階に含まれる固相率をもつ溶融材料充填要素は、すべて同じ固相率であるとみなして解析を行う。閉領域内に含まれる溶融材料充填要素のうち、一番低い固相率をもつ溶融材料充填要素に対して均等に凝固収縮の量を割り当てる。
【0105】
割り当てる凝固収縮の量は各溶融材料充填要素について、それぞれ加算していく。一番低い固相率をもつ溶融材料充填要素に凝固収縮を割り当てると、割り当てられた凝固収縮の大きさの総和がその溶融材料充填要素の体積を超過する場合には、超過した凝固収縮についてはその溶融材料充填要素を除外して対応づけを行う。
【0106】
更に解析が進行して一番低い固相率をもつ溶融材料充填要素がすべてそれ以上凝固収縮が割り当てられない場合には次に固相率の小さい溶融材料充填要素に対して均等に凝固収縮の量を割り当てる。この作業をすべての溶融材料充填要素が完全に凝固するまで行う。
【0107】
▲4▼熱伝達係数設定ステップS24は、充填解析ステップS21による解析で、溶融材料が所定割合を超えて充填された、M要素に隣接するC要素である境界要素について、その境界要素とその境界要素に接するM要素の間の熱伝達係数をそのときの境界要素内の溶融材料の固相率に応じて、新たに設定するステップである。所定割合としては充填率0%を採用できる。つまり、境界要素に僅かにでも溶融材料が充填されたときの固相率に応じて熱伝達係数を設定する。境界要素内に充填された溶融材料の固相率によっては、それ以上の境界要素内への溶融材料の充填が進行しないことが考えられるからである。
【0108】
熱伝達係数は境界要素の溶融材料が所定割合を超えて充填される毎に設定される。つまり、ダイカスト成形で成形品を成形する場合に、1サイクル目はもちろん、2サイクル目以降も、溶融材料を型のキャビティ領域内に射出する度に、境界要素内の溶融材料が、所定割合を超えて充填されるときの固相率に応じて熱伝達係数が設定される。固相率が大きいほど設定する熱伝達係数は小さくする。
【0109】
それぞれの微小時間間隔毎に充填解析ステップS21、凝固解析ステップS22、凝固収縮解析ステップS23及び熱伝達係数設定ステップS24を行いすべての溶融材料充填要素が凝固するまで解析を続行する。
【0110】
以下に解析工程S2を具体的に説明する。図5で示す鋳造型内のキャビティ領域にゲート要素Gから溶湯を射出すると、充填解析ステップS21により解析が進行していき、射出開始から幾らか後に、溶湯が未充填のC要素のうち、ゲート要素Gからキャビティ領域内の幾らかのC要素が溶湯が充填される(図6)。更に時間が進行すると、キャビティ領域内は更に溶湯で充填される(図7)。このときにキャビティ領域内の溶湯は液相温度以下にまで冷却されておらず、固相率は0%である。この場合に、図6及び図7における状態では溶湯の先端部分Sと先端部分Sと接するM要素との間の熱伝達係数を予め溶湯の固相率との関係で決定された最も高い値に設定する。熱伝達係数の設定はM要素に隣接するC要素(境界要素)に所定割合以上の溶湯が充填されたときに一度だけ設定され、その後に成形品がキャビティ領域内から取り出されるまで、その熱伝達係数によりC要素とM要素との間の熱伝達は計算される。成形品がキャビティ領域内から取り出されて、次にキャビティ領域内への溶湯の射出が行われるときには境界要素に所定割合以上の溶湯が充填されたときに、再度、境界要素中の溶湯の固相率に応じて熱伝達係数が新たに設定される。
【0111】
更にキャビティ領域内への溶湯の充填が進行すると、図8に示すように、溶湯の先端部分Sの温度が液相温度以下にまで冷却され固相率が0%より大きくなる。この場合に、溶湯の先端部分Sと先端部分Sと接するM要素との間の熱伝達係数を予め溶湯の固相率との関係で決定された、固相率の大きさに応じた値に設定する。
【0112】
キャビティ領域内への溶湯の充填が進行するに従い、溶湯の先端部分Sの温度が低下(固相率が増加)するので、その固相率の上昇に応じて徐々に低い熱伝達係数設定が設定されていく。
【0113】
その結果、ゲート要素G近傍のM要素は、設定される高い熱伝達係数により溶湯からの熱が良く伝達され、ダイカスト成形を繰り返し行うにつれて過熱していく。その結果、ダイカスト成形が繰り返し行われ、型の温度が定常化した状態では、ゲート要素Gに近づくにつれて型の温度が高くなる。
【0114】
従って、ゲート要素G近傍では充填された溶湯が冷却され難くなるので、凝固解析及び凝固収縮によるひけ巣欠陥の発生位置及び大きさの解析に影響を与える。この影響は、特にゲート要素G近傍で大きい。従来技術では、ゲート要素G近傍での型の過熱が検出できないので、ひけ巣欠陥発生等のように、型の温度により影響される現象の正確な解析が困難であるのに対して、本実施例の成形シミュレーション方法では、ゲート要素G近傍での型の過熱をも考慮した、より正確な解析を行うことができる。
【0115】
(3)解析結果表示工程(図略)
最終的に充填解析ステップS21及び凝固解析ステップS22が終了した後に、シミュレーション結果を可視化する。キャビティ領域内への溶湯の充填の様子を可視化することの他に、最終的に製造される成形品についてひけ巣欠陥の予測位置を表示する。ひけ巣欠陥は、凝固収縮の体積の情報が対応づけられた微小要素に発生するものと予測する。凝固収縮の体積の情報が対応づけられた結果、その微小要素の空隙率((対応づけられた凝固収縮の体積)/(その微小要素の体積)×100(%))が90%以上のものをひけ巣欠陥として表示する。この空隙率の値は適正に変動できる。ひけ巣欠陥の大きさとしては、対応づけられた凝固収縮の体積の大きさの和をもって予測する。
【0116】
本実施例のシミュレーション方法によれば溶湯と型の間の熱伝達係数を適正に設定しているので、溶湯の凝固解析の精度が向上するという効果がある。つまり、凝固に関連する溶湯の性状(ひけ巣発生等)について、より正確な解析を行うことができる。
【0117】
(実施例2)
本実施例の成形シミュレーション方法は、解析工程に変動ステップをもつ以外は実施例1の成形シミュレーション方法とほぼ同様である。具体的には図9に示すように、熱収縮解析ステップ、固相率算出ステップ及び閉領域検出ステップとしての凝固解析ステップS322及び凝固収縮解析ステップS323で算出した熱収縮としての凝固収縮の大きさに応じて、凝固解析ステップS322及び凝固収縮解析ステップS323における所定時間間隔としての第2微小時間間隔を変動させる変動ステップS325を更にもつ。第2微小時間間隔の変動で充填解析ステップS321を行う頻度と、凝固解析ステップS322及び凝固収縮解析ステップS323を行う頻度とを独立に制御できる。更に、充填解析ステップS321において、新たに溶融材料が充填されるC要素の体積の総和に応じて第1微小時間間隔を変動させることもできる。具体的には体積の総和が小さくなるほど第1微小時間間隔を大きくしていく。そして新たに充填されるC要素の体積が0となったときに、第1微小時間間隔は、ほぼ無限大とする。
【0118】
(変動ステップ)
変動ステップS325では凝固収縮解析ステップS323における閉領域検出ステップで検出された閉領域内で発生する熱収縮の大きさに応じて第2微小時間間隔を変動させるステップである。第2微小時間間隔は発生する熱収縮が大きいほど小さくする。
【0119】
具体的に変動ステップS325では以下の解析を行う。前述の閉領域検出ステップで検出された閉領域毎にその閉領域内で発生する熱収縮の総和を算出する。検出されたそれぞれの閉領域内で発生する熱収縮の総和のうちの、最大値に応じて第2微小時間間隔の大きさを変動させる。第2微小時間間隔は、発生する熱収縮の大きさが大きくなるにつれて漸減するように予め設定された関数により設定する。
【0120】
本実施例のシミュレーション方法によれば、実施例1の効果に加えて解析時間を短縮することができる。解析時間の短縮に際して解析精度の低下は最小限に抑えることができる。
【0121】
(実施例3)
本実施例では溶融材料としての溶湯を用いたダイカストにおいて湯流れ及び凝固の解析を行う成形シミュレーション装置に基づき、本発明の成形シミュレーション装置について更に詳しく説明する。本装置は前処理手段と解析手段とをもつ。本装置の各手段はコンピュータ上のロジックとして実現される。本装置は実施例2のシミュレーション方法を実現する装置である。
【0122】
(1)前処理手段
前処理手段は鋳造型の形状を後述する解析手段で取り扱うことができるモデルデータとする手段である。図10に示すように、鋳造型の形状はCADデータ21として作成されている。CADデータ21はコンピュータ10の入力/出力102に接続されたキーボード11等の入出力装置からコンピュータ10内のメモリ103に格納される。CADデータ21は要素作成手段31により微少要素に分割され、分割された微少要素はC要素、M要素等に要素定義手段32により定義されることでモデルデータ22となる。なお、要素作成手段31及び要素定義手段32はそれぞれ実施例1における要素作成ステップS12及び要素定義ステップS13と同様であるので説明を省略する。
【0123】
(2)解析手段
解析手段はモデルデータ22をもつ型内に溶湯を射出した場合の溶湯の充填、温度、凝固、凝固収縮等を解析する手段である。解析手段は、図11に示すように、充填解析手段41、凝固解析手段42、凝固収縮解析手段43、熱伝達係数設定手段44、計時手段45をもつ。充填解析手段41、凝固解析手段42及び凝固収縮解析手段43はそれぞれモデルデータ22に定義されている微少要素のそれぞれについて溶湯の充填、充填された溶湯の温度及び固相率、凝固収縮を解析する手段である。熱伝達係数設定手段44は微少要素に充填された溶湯と型との間の熱伝達係数を適正に設定する手段である。計時手段45は解析手段における基準となる時間を決定する手段であり、各手段41〜44がモデルデータ22について行う解析のタイミングを所定の時間間隔に基づいて決定する。
【0124】
充填解析手段41はモデルデータ22を構成する各微少要素について充填解析を行う。具体的な充填解析方法は実施例2で説明した充填解析ステップS321での方法と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0125】
凝固解析手段42はモデルデータ22を構成する各微少要素について凝固解析を行う。凝固解析手段42は伝熱解析手段421及び固相率解析手段422をもつ。具体的な凝固解析方法は実施例2で説明した凝固解析ステップS322での方法と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0126】
凝固収縮解析手段43はモデルデータ22を構成する各微少要素について凝固収縮解析を行う。凝固収縮の大きさは各微少要素について固相率解析手段422で算出された固相率の差分に応じて算出できる。具体的な凝固収縮解析方法は実施例2で説明した凝固収縮解析ステップS323での方法と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0127】
熱伝達係数設定手段44は溶湯が充填された微少要素について、溶湯の充填率が所定割合を超えたときに、充填された溶湯の固相率の値に応じて、充填された溶湯と型との間の熱伝達係数を設定する手段である。本手段44は充填手段41及び固相率算出手段422の解析結果を常に参照しながら熱伝達係数の設定を行っている。具体的な熱伝達係数の設定方法は実施例2で説明した熱伝達係数設定ステップS324での方法と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0128】
計時手段45は各手段41〜44に対して解析を進行するように信号を送る手段である。本手段45が発する信号にあわせて、本手段45が決定する基準となる時間における溶湯の解析を各手段41〜44は行う。本手段45はタイマ451と変動手段452とをもつ。タイマ451は各手段41〜44が解析を行う際の基準となる時間(すなわち、シミュレーション内で進行する時間)を決定する手段である。具体的には、所定時間間隔で進行するように基準となる時間を規定する。変動手段452はタイマ451における基準となる時間が変化するサイクル毎に、各手段41〜44において解析を行うか否かを決定し、解析を行うべき手段41〜44に対して信号を発する。各手段41〜44が解析を行うか否かは各手段41〜44毎に、前に解析を行った時間からそれぞれの手段41〜44に規定されている時間間隔が経過したか否かを判断し所定時間間隔が経過している手段41〜44について信号を発する。
【0129】
本手段452はそれぞれの手段41〜44について設定されている所定時間間隔は解析の進行によって変動させている。具体的には凝固検出手段432により検出された凝固収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる。より詳しくは実施例2において説明した変動ステップS325で行う方法と同様であるので更なる説明は省略する。
【0130】
(3)解析結果表示手段(図略)
本手段は、計時手段45による計時が終了して解析手段によるモデルデータ22の解析が終了した後に、シミュレーション結果を可視化する手段である。可視化はコンピュータ10の入力/出力102を介して、ディスプレイ12上にモデルデータ22を表示する。モデルデータ22は経時的、空間的に任意の部位を表示することができる。そして、解析結果を経時的に表示することで、より的確に解析結果を判断することができる。
【0131】
そして、キャビティ領域内への溶湯の充填の様子を可視化することの他に、最終的に製造される成形品についてひけ巣欠陥の予測位置を表示する。ひけ巣欠陥は、凝固収縮の体積の情報が対応づけられた微小要素に発生するものと予測する。凝固収縮の体積の情報が対応づけられた結果、その微小要素の空隙率((対応づけられた凝固収縮の体積)/(その微小要素の体積)×100(%))が90%以上のものをひけ巣欠陥として表示する。この空隙率の値は適正に変動できる。ひけ巣欠陥の大きさとしては、対応づけられた凝固収縮の体積の大きさの和をもって予測する。
【0132】
本実施例のシミュレーション装置によれば実施例2におけるシミュレーション方法で説明した効果と同様の効果が得られる。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の成形シミュレーション方法によれば、溶融材料が型内に充填されるときに、溶融材料が型表面と接触するときの温度に応じて、その型表面とその型表面に接触する溶融材料との熱伝達係数を適正に設定することで型温や成形品の冷却挙動等のより正確な解析ができる結果、最終的な成形品に発生するひけ巣欠陥をより高精度で推測することが可能となる。結果として、成形シミュレーションにおける精度の更なる向上が達成できる。
【0134】
同様に本発明の成形シミュレーション装置及び成形シミュレーションプログラムによれば、成形シミュレーションにおける精度の更なる向上が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小要素を定義する方法の一例を示した図である。
【図2】微小要素を定義する方法の一例を示した図である。
【図3】実施例1の鋳造シミュレーション方法のフローチャートである。
【図4】実施例1の鋳造シミュレーション方法の閉領域検出ステップのフローチャートである。
【図5】実施例1における微小要素で分割後の鋳造型を示した概略図である。
【図6】実施例1における鋳造型内への溶湯の充填状態を示した概略図である。
【図7】実施例1における鋳造型内への溶湯の充填状態を示した概略図である。
【図8】実施例1における鋳造型内への溶湯の充填状態を示した概略図である。
【図9】実施例2の鋳造シミュレーション方法のフローチャートである。
【図10】実施例3の鋳造シミュレーション装置におけるブロック図である。
【図11】実施例3の鋳造シミュレーション装置におけるブロック図である。
【符号の説明】
D…CADデータ
C…キャビティ要素(C要素)
M…型要素(M要素)
G…ゲート
V…ベントホール
S…型内での溶融材料の先端部
10…コンピュータ
101…CPU 102…入力/出力 103…メモリ
11…キーボード 12…ディスプレイ
21…CADデータ
22…モデルデータ
31…要素作成手段
32…要素定義手段
41充填解析手段
42…凝固解析手段
43…凝固収縮解析手段
44…熱伝達係数設定手段
45…計時手段

Claims (12)

  1. 溶融した材料の成形に用いる型の形状を座標系上に位置づけ、該座標系の空間を複数の微小要素に分割する要素作成ステップと、
    該微小要素のそれぞれについて、該型の型領域に位置する場合には型要素と、該型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義する要素定義ステップと、
    をもつ前処理工程と、
    該キャビティ要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を経時的に行う充填解析ステップと、
    該溶融材料が充填された該キャビティ要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を経時的に算出する伝熱解析ステップと、算出されたそれぞれの該溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップと、をもつ凝固解析ステップと、
    該型要素と接する該キャビティ要素である境界要素と該型要素との間の該熱伝達係数に、該境界要素内に該溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの該溶融材料の該固相率に基づく値を設定する熱伝達係数設定ステップと、
    をもつ解析工程と、を有し、コンピュータにてひけ巣の発生状況を解析することを特徴とする成形シミュレーション方法。
  2. 要素作成手段が、溶融した材料の成形に用いる型の形状を座標系上に位置づけ、該座標系の空間を複数の微小要素に分割する要素作成ステップと、
    要素定義手段が、該微小要素のそれぞれについて、該型の型領域に位置する場合には型要素と、該型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義する要素定義ステップと、
    をもつ前処理工程と、
    充填解析手段が、該キャビティ要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を経時的に行う充填解析ステップと、
    該溶融材料が充填された該キャビティ要素である溶融材料充填要素について、伝熱解析手段が、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を経時的に算出する伝熱解析ステップと、固相率算出手段が、算出されたそれぞれの該溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップと、をもつ凝固解析ステップと、
    熱伝達係数設定手段が、該型要素と接する該キャビティ要素である境界要素と該型要素との間の該熱伝達係数に、該境界要素内に該溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの該溶融材料の該固相率に基づく値を設定する熱伝達係数設定ステップと、
    をもつ解析工程と、を有し、コンピュータにてひけ巣の発生状況を解析することを特徴とする成形シミュレーション方法。
  3. 溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する前処理工程と、
    該微小要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を行う充填解析ステップと、
    該溶融材料が充填された該微小要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を算出し、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の熱収縮を算出された温度に応じて所定時間間隔で算出する熱収縮解析ステップと、
    該溶融材料充填要素に発生する該熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる変動ステップと、
    をもつ解析工程と、を有し、コンピュータにてひけ巣の発生状況を解析することを特徴とする成形シミュレーション方法。
  4. 前処理手段が、溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する前処理工程と、
    充填解析手段が、該微小要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を行う充填解析ステップと、
    熱収縮解析手段が、該溶融材料が充填された該微小要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を算出し、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の熱収縮を算出された温度に応じて所定時間間隔で算出する熱収縮解析ステップと、
    変動手段が、該溶融材料充填要素に発生する該熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる変動ステップと、
    をもつ解析工程と、を有し、コンピュータにてひけ巣の発生状況を解析することを特徴とする成形シミュレーション方法。
  5. 前記変動ステップは、それぞれの前記溶融材料充填要素に発生する前記熱収縮の大きさの最大値に応じて前記所定時間間隔を変動させる請求項3又は4に記載の成形シミュレーション方法。
  6. 更に前記解析工程は、
    算出されたそれぞれの前記溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の前記溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップと、
    該固相率が100%未満であるそれぞれの該溶融材料充填要素について、該固相率が100%未満である該溶融材料充填要素以外の前記微小要素によって囲繞された閉領域を経時的に検出する閉領域検出ステップと、をもち、
    前記変動ステップは、それぞれの該閉領域内に発生する前記熱収縮の総和の最大値に応じて前記所定時間間隔を変動させる請求項3又は5に記載の成形シミュレーション方法。
  7. 溶融した材料の成形に用いる型の形状を座標系上に位置づけ、該座標系の空間を複数の微小要素に分割する要素作成手段と、
    該微小要素のそれぞれについて、該型の型領域に位置する場合には型要素と、該型のキャビティ領域に位置する場合にはキャビティ要素と定義する要素定義手段と、
    をもつ前処理手段と、
    該キャビティ要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を経時的に行う充填解析手段と、
    該溶融材料が充填された該キャビティ要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を経時的に算出する伝熱解析ステップと、算出されたそれぞれの該溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出ステップと、をもつ凝固解析手段と、
    該型要素と接する該キャビティ要素である境界要素と該型要素との間の該熱伝達係数に、該境界要素内に該溶融材料が所定割合を超えて充填されたときの該溶融材料の該固相率に基づく値を設定する熱伝達係数設定手段と、
    をもつ解析手段と、を有し、コンピュータにてひけ巣の発生状況を解析することを特徴とする成形シミュレーション装置。
  8. 溶融した材料の成形に用いる型の形状を微小要素に分割し、解析モデルを作成する前処理手段と、
    該微小要素のそれぞれについて、該溶融材料の充填解析を行う充填解析手段と、
    該溶融材料が充填された該微小要素である溶融材料充填要素について、それぞれの該溶融材料充填要素間、及び該型要素と該溶融材料充填要素との間、の伝熱をそれぞれの熱伝達係数に基づいて経時的に解析して、それぞれの該溶融材料充填要素の温度を算出し、それぞれの該溶融材料充填要素内の該溶融材料の熱収縮を算出された温度に応じて所定時間間隔で算出する熱収縮解析手段と、
    該溶融材料充填要素に発生する該熱収縮の大きさに応じて所定時間間隔を変動させる変動手段と、
    をもつ解析手段と、を有し、コンピュータにてひけ巣の発生状況を解析することを特徴とする成形シミュレーション装置。
  9. 前記変動手段は、それぞれの前記溶融材料充填要素に発生する前記熱収縮の大きさの最大値に応じて前記所定時間間隔を変動させる請求項8に記載の成形シミュレーション装置。
  10. 更に前記解析手段は、
    算出されたそれぞれの前記溶融材料充填要素の温度に応じて、それぞれの該溶融材料充填要素内の前記溶融材料の固相率を経時的に算出する固相率算出手段と、
    該固相率が100%未満であるそれぞれの該溶融材料充填要素について、該固相率が100%未満である該溶融材料充填要素以外の前記微小要素によって囲繞された閉領域を経時的に検出する閉領域検出手段と、をもち、
    前記変動手段は、それぞれの該閉領域内に発生する前記熱収縮の総和の最大値に応じて前記所定時間間隔を変動させる請求項8又は9に記載の成形シミュレーション装置。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載の成形シミュレーション装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする成形シミュレーションプログラム。
  12. 請求項11に記載の成形シミュレーションプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体。
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