JP4232358B2 - 予熱発生機構 - Google Patents
予熱発生機構 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4232358B2 JP4232358B2 JP2001192275A JP2001192275A JP4232358B2 JP 4232358 B2 JP4232358 B2 JP 4232358B2 JP 2001192275 A JP2001192275 A JP 2001192275A JP 2001192275 A JP2001192275 A JP 2001192275A JP 4232358 B2 JP4232358 B2 JP 4232358B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- current
- preheating
- temperature
- motor
- switching
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B30/00—Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
- Y02B30/70—Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating
Landscapes
- Control Of Electric Motors In General (AREA)
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明はモータ、特に空気調和機の圧縮機用モータを温める予熱を供給する電流を測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は多相モータをインバータで駆動する従来の駆動回路を例示する回路図である。三相電源1から供給された三相交流電流は、コンバータ部2の備えるダイオードブリッジによって全波整流され、平滑コンデンサ3の両端に供給される。便宜上、平滑コンデンサ3の両端のうち、高電位側をP側、低電位側をN側と称する。
【0003】
平滑コンデンサ3の両端の電圧はインバータ部4に供給される。インバータ部4は三相のそれぞれについてP側とN側とにスイッチングトランジスタを1つずつ、合計六個備えている。インバータ部4は、平滑コンデンサ3の両端の電圧を所定のスイッチング動作によってパルス変調し、モータ6に供給する。
【0004】
インバータ部4のスイッチングはマイクロコンピュータ8からのスイッチング信号8aによって制御される。スイッチング信号8aはインバータ部4の六個のスイッチングトランジスタのON/OFFを制御する。
【0005】
このような回路において、インバータ部4に供給される平滑コンデンサ3の両端の電圧をモニタする為に電圧検出部7が、モータ6に流れる交流電流をモニタするために交流電流検出回路5が、それぞれ設けられている。マイクロコンピュータ8はこのようにモニタされる諸量に基づき、スイッチング信号8aによってインバータ部4を制御する。これによって、三相電源1の電源変動や、モータ6の負荷の変動に従って、モータ6は所定の回転を行うように駆動される。
【0006】
電圧検出部7は例えば抵抗分圧及び濾波によって信号7aを生成し、これをマイクロコンピュータ8に供給する。交流電流検出回路5はAC変流器51と電流検出部52とを有しており、AC変流器51から得られた電流値に基づいて、電流検出部52が電流モニタ値5a、例えばモータ6に流れる交流電流の実効値をマイクロコンピュータ8に供給する。
【0007】
ところで、従来からモータの軸受けの摩擦を軽減するための潤滑油が採用されている。かかる技術は空気調和機の圧縮機用モータにおいても採用されている。
【0008】
しかし、特に空気調和機の圧縮機用モータでは冷媒を取り扱っており、低温時には当該潤滑油である冷凍機油に冷媒が溶けやすいという特質を有している。従って、低温で圧縮機用モータを駆動すると、冷凍機油の濃度が低下した状態でモータが回転するため、圧縮機の摺動部分が摩擦により焼き付くという可能性が高かった。
【0009】
かかる問題を防止するため、圧縮機モータの周囲にクランクヒータを設け、圧縮機用モータが回転する前に予熱を与え、冷凍機油の冷媒への溶解度を下げる技術が採用されていた。しかし外部からの予熱では効率が悪く、外気温の低い場合でも冷媒温度を一定値以上にするには大きな発熱容量のヒータが要求される。これでは夏期やいわゆる中間期では非常に効率の悪い制御が行われ、待機電力削減の観点からも好ましくない。またヒータやリレーの部品が必要で、コストが高くつく。
【0010】
そこで、特にインバータで駆動される圧縮機用モータに予熱を与えるため、当該モータが回転しないように直流電流を圧縮機用モータに流す駆動をインバータに行わせる技術も提案されている。このような予熱付与技術を採用する場合、圧縮機用モータに流れる直流電流を評価し、予熱による圧縮機用モータの温度上昇を見積もることが望ましい。さもないと外気温の高低に依って予熱の過不足が生じるからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図10に示された回路では、電流検出回路5はAC変流器51によってモータ6に流れる交流電流を測定しており、予熱を与える直流電流を測定することはできない。もちろん、電流検出回路5とは別途に、モータ6に流れる直流電流を測定するDC変流器を用いることも可能ではある。しかしながらDC変流器は高価であるという問題がある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みて為されたもので、モータに予熱を与える直流電流を簡易に測定できる技術を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは予熱発生機構(100)であって、直流電圧(E)が供給される一対端(P,N)の間でパルス的なスイッチングを行うスイッチング素子(41〜46)を有し、前記一対端の間にパルス電流(I1)を流すインバータ(4)と、前記インバータに接続され、前記スイッチングによって直流電流(I2)が流れる多相モータ(6)と、前記パルス電流を測定する電流センサ(47)と、前記電流センサの出力(47a)から前記パルス電流の波高値(9b)を得る電流検出部(9)とを備える。そして当該直流電流で前記多相モータを予熱する。前記パルス電流(I1)の波高値(9b)に基づいて前記スイッチングを制御するスイッチング信号(8a)を前記インバータ(4)に与える制御部(8)を更に備える。前記制御部(8)は、前記直流電圧(E)及び前記パルス電流(I1)の波高値(9b)に基づいて、前記多相モータ(6)の予熱温度(θ)を見積もる。前記電流センサ(47)の温度を測定する温度センサ(48)を更に備え、前記制御部(8)は前記電流センサの温度にも基づいて前記予熱温度(θ)を見積もる。前記温度センサ(48)は前記スイッチング素子(41〜46)の温度を測定し、前記制御部(8)は前記スイッチング素子の温度が所定温度以上に上昇した場合に、前記スイッチング素子を冷却する指令を出力する。
【0014】
この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載の予熱発生機構(100)であって、前記電流検出部(9)はピークホールド回路(91a)を有する。
【0015】
この発明のうち請求項3にかかるものは、請求項2記載の予熱発生機構(100)であって、前記電流検出部(9)は、前記ピークホールド回路(91a)の出力を濾波する第1ローパスフィルタ(91b)を更に有する。
【0016】
この発明のうち請求項4にかかるものは、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)であって、前記スイッチング素子(41〜46)の各々はトランジスタであり、前記インバータ(4)は前記トランジスタと逆並行に接続されたフリーホイールダイオード(42d)を更に有する。
【0021】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)であって、前記電流検出部(9)は、前記電流センサの出力(47a)を増幅する増幅回路(92a)を更に有する。
【0022】
この発明のうち請求項6にかかるものは、請求項5記載の予熱発生機構(100)であって、前記増幅回路(92a)はオペアンプ(921)を用いて構成され、前記オペアンプについてのオフセット分が予め前記制御部(8)によって記憶されている。
【0023】
この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項5及び請求項6のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)であって、前記電流検出部(9)は、前記増幅回路(92a)の出力を濾波する第2ローパスフィルタ(92b)を更に有する。
【0024】
この発明のうち請求項8にかかるものは、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)であって、前記電流センサ(47)は、前記スイッチング素子(41〜46)と共にモジュール化されたシャント抵抗である。
【0025】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態.
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる多相モータ駆動回路100の構成を例示する回路図である。三相電源1から供給された三相交流電流は、コンバータ部2の備えるダイオードブリッジによって全波整流され、平滑コンデンサ3の両端に供給される。平滑コンデンサ3の両端の電圧はインバータ部4のP側とN側との間に供給される。三相電源1、コンバータ部2、平滑コンデンサ3はインバータ部4のP側とN側との間に直流電圧Eを供給する直流電源として把握することができる。電圧検出部7は平滑コンデンサ3の両端の電圧を測定した結果に基づいて信号7aを生成し、これをマイクロコンピュータ8に供給する。
【0026】
もちろん、三相電源1の代わりに単相電源を採用することができる。その場合には単相交流を全波整流するダイオードブリッジを、コンバータ部2が備えればよい。
【0027】
インバータ部4はU相P側、U相N側、V相P側、V相N側、W相P側、W相N側に、それぞれスイッチング素子たるトランジスタ41,42,43,44,45,46を備えている。これらのトランジスタ41〜46にはそれぞれ逆並行にフリーホイールダイオードが接続されている。通常、モータ6を回転させる場合には、インバータ部4においてトランジスタ41〜46がスイッチング信号8aによって所定のスイッチング動作を行うことにより、平滑コンデンサ3の両端の電圧はパルス変調され、モータ6には三相交流が流れる。
【0028】
電流センサ47はU相N側、V相N側、W相N側(あるいはU相P側、V相P側、W相P側)に流れる電流の合計を測定する機能を有し、例えばDC変流器あるいはシャント抵抗器が採用される。トランジスタ41〜46を過電流から保護するためにこれらと共にモジュール化されて通常設けられる抵抗を、電流センサ47たるシャント抵抗として採用することができる。この場合には構成が容易になり、コストを抑えることができる。
【0029】
電流センサ47によって測定された電流はインバータ4のP側とN側との間に流れる電流I1であり、これに基づいて、例えばシャント抵抗器における電圧降下として、信号47aが電流検出部9に与えられる。電流検出部9は後述する構成に基づき、モータ6に流れる交流電流の実効値9a、モータ6に流れる直流電流の値9b、モータ6に流れる電流の瞬時値9cを生成し、これらをマイクロコンピュータ8に与える。モータ6に流れる交流電流の実効値9a、モータ6に流れる電流の瞬時値9cに基づいて、マイクロコンピュータ8はトランジスタ41〜46を保護するスイッチングをこれらに行わせることができる。
【0030】
マイクロコンピュータ8は値9a〜9c、信号7aに基づいてスイッチング信号8aを生成することにより、インバータ部4にモータ6の回転制御を行わせる。
【0031】
さて、モータ6に予熱を付与する場合について説明する。この場合にはモータ6に直流電流を流す。ここではモータ6のU相からV相、W相へと直流電流を流して予熱を付与する場合を例にとって説明する。
【0032】
マイクロコンピュータ8から与えられたスイッチング信号8aにより、インバータ4においてトランジスタ41,44,46がオン、トランジスタ42,43,45がオフのスイッチング状態をパルス的に、例えばパルス期間τで設定する。そしてこのパルス期間τ以外において、トランジスタ41,43,45がオン、トランジスタ42,44,45がオフのスイッチング状態を保つ。これにより電流I1が、インバータ部4のP側とN側との間でパルス状に流れることになる。
【0033】
モータ6は通常、インダクタ成分を有しており、トランジスタ42にはフリーホイールダイオード42dが設けられている。よってモータ6からの還流電流として、パルス期間τ以外においてもフリーホイールダイオード42dを経由し、電流I2が流れ続ける。図2は電流I1,I2の関係を示すグラフである。パルス期間τにおいて電流I1がパルス的にインバータ4を流れ、電流I2はパルス期間τ以外においてもモータ6を流れる。もちろんパルス期間τ以外では電流I2は減衰するが、パルス期間τを適当な周期で繰り返して設けることにより、電流I2はパルス電流I1の波高値をほぼ維持した直流電流として与えられる。換言すればモータ6に流れる直流電流の値9bはパルス電流I1の波高値として把握することができる。
【0034】
そこで本発明では、このパルス状に流れる電流I1に基づいて値9a〜9c、なかでもモータ6に流れる直流電流I2の値9bを評価し、以て電流I2を見積もる。電流I2を見積もることができれば、モータ6の予熱温度θを予測することができる。
【0035】
予熱温度θの見積は、例えば以下のように行われる。モータ6の巻き線抵抗の大きさは、電圧検出部7から得られる信号7aに基づいて見積もられる直流電圧Eを、電流検出部9から得られる値9bに基づいて見積もられる電流I2で除することで求められる。電流I2は直流電流であるのでモータ6の巻き線抵抗のリアクタンス成分を無視できるからである。予熱を付与した直後のモータ6の温度θ0、予熱を付与した直後の巻き線抵抗(E/I2)の値をR1、予熱温度θを知りたい時点での巻き線抵抗(E/I2)の値をR2とすると、
【0036】
【数1】
【0037】
で予熱温度θを求めることができる。例えば温度θ0としては予熱付与の直前のモータ6の周囲温度、例えば圧縮機が配置された室外機で測定した温度を採用することができる。またこのようにして直流電圧Eを信号7aに基づいて見積もることにより、三相電源1から供給される電源、ひいては直流電圧Eに変動が生じても、予熱温度θを正確に見積もることができる。
【0038】
マイクロコンピュータ8は、上記に例示されたようにして予熱温度θを見積り、モータ6が過熱されたと判断した場合にはパルス期間τ同士の間隔を広げるなど、予熱を減少する方向にスイッチング制御を行うことができる。
【0039】
図3は電流検出部9の構成を例示する回路図であり、ここでは電流センサ47がシャント抵抗で構成されており、信号47aは電位の態様で与えられるものとする。信号47aはピークホールド回路91aによって電流I1の波高値に相当する電位が維持される。そしてローパスフィルタ91bによって濾波され、更に非反転増幅回路92aによって所定の倍率で増幅され、再度ローパスフィルタ92bによって濾波される。その結果、モータ6に流れる直流電流の値9bが電位の態様で与えられる。
【0040】
電流センサ47を構成するシャント抵抗の抵抗値をR、その両端の電圧降下をV1とすると、電流I2はV1/Rとして見積もられる。よってモータ6に流れる直流電流の値9bを非反転増幅回路92aの出力としてマイクロコンピュータ8に与え、マイクロコンピュータ8において数値演算すれば電流I2を見積もることができる。
【0041】
非反転増幅回路92aはマイクロコンピュータ8のアナログ入力として適した電圧範囲に値9bを設定するのに役立つ。図3に示された構成では、非反転増幅回路92aの出力を更にローパスフィルタ92bによって濾波しているので、高周波ノイズが除去された値9bを得ることができる。
【0042】
なお、図3に示された構成では、非反転増幅回路92aをオペアンプ921を用いて構成している。この場合、オペアンプ921についてのオフセット補償を予め行っておくことが望ましい。オフセットを低減し、値9bを正確に求めることができるからである。具体的には例えば、予めモータ6に対して通電する直前、即ちパルス電流I1も直流電流I2も流れていない時点における値9bをマイクロコンピュータ8がオフセット量として記憶しておく。そしてモータ6に対して通電して得られた値9bに対して、上記オフセット量を差し引く演算をマイクロコンピュータ8が行う。
【0043】
図4は値9bを得るための他の構成を例示する回路図である。図3の構成とはピークホールド回路91a、ローパスフィルタ91bからなるピークホールド部91と、非反転増幅回路92a、ローパスフィルタ92bからなる非反転増幅部92の順序が入れ替わっている点で異なっているが、値9bを得ることができるのは明白である。
【0044】
回路93は、瞬時電流を検出し、瞬時値9cをトランジスタ41〜46の保護に供するための構成を備えている。回路93は、オペアンプを用いた瞬時電流検出回路93aと、その出力をマイクロコンピュータ8の入力レベルに整合させて瞬時値9cを出力するための回路93bとを備えている。
【0045】
信号47aはローパスフィルタ94にも与えられ、濾波されて非反転増幅部95に与えられる。非反転増幅部95は非反転増幅回路95aとローパスフィルタ95bとからなり、それぞれローパスフィルタ94の出力を増幅し、濾波する。これによりモータ6に流れる交流電流の実効値9aが電位の態様で出力される。
【0046】
図5は電圧検出部7の構成を例示する回路図である。P側とN側との間には分圧抵抗R1,R2,R3がこの順に直列に接続されており、抵抗R2の両端の電圧はフィルタ71によって濾波され、信号7aが得られる。なおP側、N側とマイクロコンピュータ8とを実質的に絶縁するために、抵抗R1,R3は抵抗R2と比べて抵抗値が高い方が望ましい。例えば抵抗R1,R2,R3の抵抗値をそれぞれr1,r2,r3とすると、r2/(r1+r2+r3)=1/100程度に設定される。
【0047】
図6は電流センサ47、モータ6にそれぞれ流れるパルス電流I1、直流電流I2を実測した結果L1,L2と、信号47a、値9bを実測した結果J1,J2とを示すグラフである。
【0048】
以上のようにして、本実施の形態によれば、インバータ4のP側とN側との間に流れるパルス電流I1に基づいてモータ6に流れる電流I2を見積り、ひいては予熱温度θを見積もることができる。パルス電流I1の見積りにはDC変流器の他、シャント抵抗を採用できる電流センサ47を使用するので、上記見積を簡易に行うことができる。
【0049】
特にインバータ4においてトランジスタ41〜46の過電流保護という大きな電流をモニタするためのセンサをも、予熱のための電流という小さな電流の検出に用いるには、直流電圧Eを用いて予熱温度θを見積もることにより直流電圧Eの変動の影響を避け、またオフセット補償を行って電流検出部9の精度を高めることが望ましい。
【0050】
第2の実施の形態.
図7は本発明の第2の実施の形態の要部を示す回路図である。本実施の形態では、第1の実施の形態の構成に追加して、電流センサ47の温度をモニタする温度センサ48を更に設けた構成を有している。
【0051】
電流センサ47はその温度により、電流検出精度に誤差が生じる可能性がある。例えば電流センサ47としてシャント抵抗を採用する場合には、電流I1が大きいほど発熱してその抵抗値が上昇し、よってシャント抵抗での電圧降下が大きくなって電流I1を真の値よりも大きく見積もってしまう可能性がある。
【0052】
そこで本実施の形態では、温度センサ48から電流センサ47の温度を示す値48aをもマイクロコンピュータ8に与え、電流センサ47の温度にも基づいて電流I2の見積のための演算を行う。つまり電流センサ47の温度による誤差を補償するのである。
【0053】
例えば電流センサ47としてトランジスタ41〜46と共にモジュール化された抵抗を使用する場合、温度センサ48は当該モジュール内に設けられる。図8は温度センサ48の取り付け位置を例示する断面図である。電流センサ47、温度センサ48がトランジスタ41〜46と共にケース49内に収められている。この態様は、次に詳述するようにトランジスタ41〜46を破壊から保護する点で望ましい。
【0054】
モータ6に予熱を付与するに際して、インバータ4の出力電圧は数ボルトから10ボルト程度とするので、パルス電流I1のパルス期間τは非常に狭くなる。パルス期間τが数μ秒以下になると、電流検出部9の応答遅れを無視することができない場合もある。その場合には負荷たるモータ6での短絡によってトランジスタ41〜46に過電流が流れても、トランジスタ41〜46と共にモジュール化された抵抗を用いた過電流保護回路(図示せず)は動作が不確実となる。これはトランジスタ41〜46の破壊を招来する可能性もある。
【0055】
そこで、マイクロコンピュータ8はモジュールの内部に取り付けられた温度センサ48から得られる値48aからトランジスタ41〜46の温度を見積り、これが所定温度以上になればインバータ4を冷却することが望ましい。図9はかかる冷却を行うための技術を例示する概念図である。図1に示されたコンバータ部2、平滑コンデンサ3、インバータ部4は電気回路基板112に載置されている。電気回路基板112には三相電源1が接続される。また図1に示されたモータ6は圧縮機111に載置されている。圧縮機111と電気回路基板112とは空気調和機の室外機11に収納されており、室外機11は更に室外機ファン113bと、これを回転させるためのファンモータ113aとを備えている。
【0056】
モータ6は圧縮機111を機能させるために設けられており、モータ6が回転しない予熱付与時には圧縮機111の機能は停止している。従って、通常、予熱付与時には室外機ファン113bを回転させる必要はない。
【0057】
しかしマイクロコンピュータ8は、温度センサ48の出力する値48aから見積ったトランジスタ41〜46の温度が所定温度以上になった場合に、ファンモータ113aを動作させる指令を出力し、室外機ファン113bを回転させる。これにより室外機11の内部、ひいてはインバータ4の備えるトランジスタ41〜46を空冷する。図9ではマイクロコンピュータ8からファンモータ113aの間に介在する、ファンモータ113aの駆動のためのドライバ回路を省略している。当該ドライバ回路は電気回路基板112に搭載することができる。
【0058】
もちろん、トランジスタ41〜46の温度が所定温度以上であると見積もられた場合の処置として、マイクロコンピュータ8がスイッチング信号8aを介してインバータ4に予熱付与を中断させてもよい。そのようなスイッチング信号8aも冷却のための指令として把握できる。
【0059】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかる予熱発生機構(100)によれば、多相モータ(6)が通常有するインダクタンス成分により、パルス電流(I1)がインバータ(4)の一対端の間に流して、パルス電流が流れない期間においても流れる直流電流(I2)を、多相モータ(6)に流し、これによってモータに予熱を発生させることができる。しかもパルス電流の波高値(9b)を得ることにより、直流電流を見積もることができ、予熱温度(θ)を予測することができる。しかも、パルス電流(I1)の波高値(9b)から予熱温度(θ)を予測し、多相モータ(6)が過熱した場合には予熱を減少させる制御を行うことができる。更に、直流電圧(E)及びパルス電流(I1)の波高値(9b)に基づいて多相モータ(6)の巻き線抵抗を求めることができるので、直流電圧の変動の影響を受けずに予熱温度(θ)を正確に見積もることができる。また更に、電流センサ(47)の温度による誤差を補償することができる。しかも、スイッチング素子(41〜46)を破壊から保護することができる。
【0060】
この発明のうち請求項2にかかる予熱発生機構(100)によれば、パルス電流(I1)の波高値を得ることができる。
【0061】
この発明のうち請求項3にかかる予熱発生機構(100)によれば、パルス電流(I1)の波高値(9b)から高周波ノイズを除去することができる。
【0062】
この発明のうち請求項4にかかる予熱発生機構(100)によれば、多相モータ(6)が通常有するインダクタンス成分により流れる還流電流がフリーホイールダイオード(42d)を経由して流れるので、多相モータ(6)において直流電流(I2)を流すことができる。
【0067】
この発明のうち請求項5にかかる予熱発生機構(100)によれば、パルス電流(I1)の波高値(9b)を、制御部(8)に与えるのに適した範囲に設定することができる。
【0068】
この発明のうち請求項6にかかる予熱発生機構(100)によれば、オペアンプのオフセットを低減してパルス電流(I1)の波高値(9b)を評価することができる。
【0069】
この発明のうち請求項7にかかる予熱発生機構(100)によれば、パルス電流(I1)の波高値(9b)から高周波ノイズを除去することができる。
【0070】
この発明のうち請求項8にかかる予熱発生機構(100)によれば、電流センサ(47)を簡易に得ることができ、容易に構成を得ることができ、以てコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を例示する回路図である。
【図2】電流I1,I2の関係を示すグラフである。
【図3】電流検出部9の構成を例示する回路図である。
【図4】電流検出部9の他の構成を例示する回路図である。
【図5】電圧検出部7の構成を例示する回路図である。
【図6】本発明の動作を示すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施の形態の要部を示す回路図である。
【図8】温度センサ48の取り付け位置を例示する断面図である。
【図9】インバータ4を冷却する技術を例示する概念図である。
【図10】多相モータをインバータで駆動する従来の駆動回路を例示する回路図である。
【符号の説明】
4 インバータ
6 モータ
8 マイクロコンピュータ
8a スイッチング信号
9 電流検出部
9b モータ6に流れる直流電流I2の値
41〜46 トランジスタ
42d フリーホイールダイオード
47 電流センサ
47a 信号
48 温度センサ
91a ピークホールド回路
91b,92b ローパスフィルタ
92a 非反転増幅回路
921 オペアンプ
E 直流電圧
I1 パルス電流
Claims (8)
- 直流電圧(E)が供給される一対端(P,N)の間でパルス的なスイッチングを行うスイッチング素子(41〜46)を有し、前記一対端の間にパルス電流(I1)を流すインバータ(4)と、
前記インバータに接続され、前記スイッチングによって直流電流(I2)が流れる多相モータ(6)と、
前記パルス電流を測定する電流センサ(47)と、
前記電流センサの出力(47a)から前記パルス電流の波高値(9b)を得る電流検出部(9)と、
前記パルス電流(I1)の波高値(9b)に基づいて前記スイッチングを制御するスイッチング信号(8a)を前記インバータ(4)に与える制御部(8)と、
前記電流センサ(47)の温度を測定する温度センサ(48)と
を備え、
当該直流電流で前記多相モータを予熱し、
前記制御部(8)は、前記直流電圧(E)及び前記パルス電流(I1)の波高値(9b)に基づいて、前記多相モータ(6)の予熱温度(θ)を見積もり、
前記制御部(8)は前記電流センサの温度にも基づいて前記予熱温度(θ)を見積もり、
前記温度センサ(48)は前記スイッチング素子(41〜46)の温度を測定し、
前記制御部(8)は前記スイッチング素子の温度が所定温度以上に上昇した場合に、前記スイッチング素子を冷却する指令を出力する予熱発生機構(100)。 - 前記電流検出部(9)はピークホールド回路(91a)を有する、請求項1記載の予熱発生機構(100)。
- 前記電流検出部(9)は、前記ピークホールド回路(91a)の出力を濾波する第1ローパスフィルタ(91b)を更に有する、請求項2記載の予熱発生機構(100)。
- 前記スイッチング素子(41〜46)の各々はトランジスタであって、前記インバータ(4)は前記トランジスタと逆並行に接続されたフリーホイールダイオード(42d)を更に有する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)。
- 前記電流検出部(9)は、前記電流センサの出力(47a)を増幅する増幅回路(92a)を更に有する、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)。
- 前記増幅回路(92a)はオペアンプ(921)を用いて構成され、
前記オペアンプについてのオフセット分が予め前記制御部(8)によって記憶されている、請求項5記載の予熱発生機構(100)。 - 前記電流検出部(9)は、前記増幅回路(92a)の出力を濾波する第2ローパスフィルタ(92b)を更に有する、請求項5及び請求項6のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)。
- 前記電流センサ(47)は、前記スイッチング素子(41〜46)と共にモジュール化されたシャント抵抗である、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の予熱発生機構(100)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192275A JP4232358B2 (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 予熱発生機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001192275A JP4232358B2 (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 予熱発生機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003009589A JP2003009589A (ja) | 2003-01-10 |
JP4232358B2 true JP4232358B2 (ja) | 2009-03-04 |
Family
ID=19030750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001192275A Expired - Fee Related JP4232358B2 (ja) | 2001-06-26 | 2001-06-26 | 予熱発生機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4232358B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4501433B2 (ja) * | 2003-10-24 | 2010-07-14 | ダイキン工業株式会社 | Dcモータのコイル温度推定方法およびその装置 |
JP2005218275A (ja) * | 2004-02-02 | 2005-08-11 | Daikin Ind Ltd | モータのコイル温度検出装置 |
JP4529540B2 (ja) * | 2004-05-13 | 2010-08-25 | パナソニック株式会社 | 空気調和装置と圧縮機の予熱方法 |
JP4717446B2 (ja) * | 2005-01-07 | 2011-07-06 | 三菱電機株式会社 | 電動機装置 |
JP4969924B2 (ja) * | 2006-06-19 | 2012-07-04 | 株式会社東芝 | 洗濯乾燥機 |
JP2008178232A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Daikin Ind Ltd | モータ駆動用インバータ制御方法 |
KR100851905B1 (ko) * | 2007-03-28 | 2008-08-13 | 삼성전자주식회사 | 압축기의 예열 제어 장치 및 방법 |
JP2011139632A (ja) * | 2011-02-14 | 2011-07-14 | Toshiba Elevator Co Ltd | 昇降機制御装置 |
JP5638699B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2014-12-10 | 三菱電機株式会社 | ヒートポンプ装置、ヒートポンプシステム及びインバータの制御方法 |
JP2017131087A (ja) * | 2016-01-22 | 2017-07-27 | サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 | 電流センサの異常検知装置 |
CN106602915A (zh) * | 2016-09-28 | 2017-04-26 | 深圳市盈动力科技有限公司 | 一种逆变装置的功率限制电路及逆变装置 |
-
2001
- 2001-06-26 JP JP2001192275A patent/JP4232358B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003009589A (ja) | 2003-01-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4232358B2 (ja) | 予熱発生機構 | |
JP4894312B2 (ja) | インバータ装置 | |
JP5836469B2 (ja) | 可変周波数航空機搭載冷蔵システムおよびそのコントローラ | |
US5690849A (en) | Current control circuit for improved power application and control of thermoelectric devices | |
JP4151651B2 (ja) | インバータ装置 | |
JP5256837B2 (ja) | インバータ装置 | |
JP4634942B2 (ja) | 電気車制御装置 | |
CN105144554B (zh) | 永磁电动机降级诊断系统 | |
JP5353021B2 (ja) | 電動圧縮機の制御装置 | |
JP2007049837A (ja) | 電力変換器の制御装置 | |
JP5253747B2 (ja) | リフティングマグネット制御システム | |
JP5470098B2 (ja) | インバータ制御装置、および、それを用いた空気調和機 | |
JP6187197B2 (ja) | 電力変換装置 | |
JP4536272B2 (ja) | エレベータ制御装置 | |
JP5228387B2 (ja) | インバータ装置 | |
JP6007461B2 (ja) | 空気調和機、及びコンプレッサ制御装置 | |
JP2005218275A (ja) | モータのコイル温度検出装置 | |
JPH0388980A (ja) | 電動機制御装置 | |
JP3080339B2 (ja) | 電動カーテン駆動装置 | |
JP6767414B2 (ja) | モータ冷却制御システム | |
JP2001231266A (ja) | インバータ駆動電動機装置 | |
JP4498197B2 (ja) | 電動機を冷却する冷却ファンの制御装置 | |
KR20210092540A (ko) | 전력 변환 장치 및 이를 이용하는 공기 조화기 | |
JP3540573B2 (ja) | 冷蔵庫の異常検出装置 | |
JP2004032906A (ja) | インバータ装置、および、空気調和装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060424 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080624 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080822 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080822 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081118 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081201 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |