JP2017131087A - 電流センサの異常検知装置 - Google Patents

電流センサの異常検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017131087A
JP2017131087A JP2016010991A JP2016010991A JP2017131087A JP 2017131087 A JP2017131087 A JP 2017131087A JP 2016010991 A JP2016010991 A JP 2016010991A JP 2016010991 A JP2016010991 A JP 2016010991A JP 2017131087 A JP2017131087 A JP 2017131087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
current sensor
phase
motor
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016010991A
Other languages
English (en)
Inventor
健郎 塚本
Tateo Tsukamoto
健郎 塚本
大輔 廣野
Daisuke Hirono
大輔 廣野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Automotive Components Corp
Original Assignee
Sanden Automotive Components Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Automotive Components Corp filed Critical Sanden Automotive Components Corp
Priority to JP2016010991A priority Critical patent/JP2017131087A/ja
Priority to PCT/JP2017/001828 priority patent/WO2017126639A1/ja
Priority to US16/063,961 priority patent/US20200186011A1/en
Priority to DE112017000466.7T priority patent/DE112017000466T5/de
Priority to CN201780003152.9A priority patent/CN108093674A/zh
Publication of JP2017131087A publication Critical patent/JP2017131087A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/02Providing protection against overload without automatic interruption of supply
    • H02P29/032Preventing damage to the motor, e.g. setting individual current limits for different drive conditions
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/22Current control, e.g. using a current control loop

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)

Abstract

【課題】電流センサの異常検知能力を向上させる。【解決手段】圧縮機を駆動するモータ10へ電力を供給するインバータ12に備えられた単一の電流センサ16が異常であるか否かを検知する、電流センサ16の異常検知装置は、電流センサ16の出力信号に基づいてモータ10の相電流Iu,Iv,Iwを検出する相電流検出部20と、圧縮機の吐出圧力Po及び吸入圧力Pi並びに回転速度検出部46で検出されたモータ10の回転速度ωのうち少なくとも1つに基づいて、モータ10の相電流Iu,Iv,Iwの推定相電流値I*を推定する相電流推定部42と、相電流検出部20で検出された相電流Iu,Iv,Iwの検出値と相電流推定部42で推定された相電流Iu,Iv,Iwの推定相電流値I*との比較を行い、該比較の結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する異常検知部44と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、電流センサの異常検知装置に関する。
電流センサの異常検知装置としては、例えば、モータの相電流を検出する電流センサを各相に設ける等、インバータに複数の電流センサを備えている場合に、各電流センサの出力信号を相互に比較することで、電流センサの異常検知を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−192582号公報
ところで、インバータに電流センサを複数備えていると、インバータの大型化や製品コストの増大を招くおそれがあるため、単一の電流センサで相電流を検出することが考えられる。したがって、インバータに単一の電流センサを備える場合であっても、電流センサの異常を検知可能な技術が望まれる。
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、モータの相電流を検出する単一の電流センサがインバータに備えられている場合であっても電流センサの異常を検知できるように異常検知能力を向上させた、電流センサの異常検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様による電流センサの異常検知装置は、圧縮機を駆動するモータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知することを前提として、電流センサの出力信号に基づいてモータの相電流を検出し、圧縮機の吐出圧力及び吸入圧力並びにモータの回転速度のうち少なくとも1つに基づいて、モータの相電流を推定し、検出された相電流の検出値と推定された相電流の推定値との比較を行い、該比較の結果に基づいて、電流センサが異常であるか否かを検知している。
また、本発明の第2の態様による電流センサの異常検知装置は、モータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知することを前提として、電流センサの出力信号に基づいてモータの相電流を検出し、インバータのスイッチング素子又はその近傍に備えられた第1温度センサの出力信号に基づいて相電流を推定し、検出された相電流の検出値と推定された相電流の推定値との比較を行い、該比較の結果に基づいて、電流センサが異常であるか否かを検知している。
さらに、本発明の第3の態様による電流センサの異常検知装置は、モータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知することを前提として、インバータのスイッチング素子又はその近傍に備えられた第1温度センサの出力信号に基づいて相電流を推定し、推定された相電流の推定値と、電流センサ又はその近傍に備えられた第2温度センサの出力信号に基づいて検出された電流センサに関する温度と、に基づいて、電流センサが異常であるか否かを検知している。
さらにまた、本発明の第4の態様による電流センサの異常検知装置は、モータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知することを前提として、モータの回転駆動前に、モータに対する通電を所定のパターンで保持した状態で、電流センサ又はその近傍に備えられた温度センサの出力信号に基づいて検出された電流センサに関する温度に基づいて、電流センサが異常であるか否かを検知している。
本発明の電流センサの異常検知装置によれば、モータの相電流を検出する単一の電流センサがインバータに備えられている場合であっても、電流センサの異常を検知できるように異常検知能力を向上させることが可能となる。
第1実施形態に係る冷凍サイクルを示す構成図である。 同実施形態に係るモータシステムを示すブロック回路図である。 同実施形態に係る相電流検出方法を説明する回路図である。 同実施形態に係る相電流特定テーブルである。 同実施形態に係る吐出圧力−モータ電流の関係を示す説明図である。 同実施形態に係る回転速度−モータ電流の関係を示す説明図である。 同実施形態に係る回転速度−吐出圧力−モータ電流の関係を示す説明図である。 同実施形態に係る吸入圧力−吐出圧力−モータ電流の関係を示す説明図である。 同実施形態に係る吸入圧力−モータ電流の関係を示す説明図である。 第2実施形態に係るモータシステムを示すブロック回路図である。 同実施形態に係るスイッチング素子近傍温度−モータ電流の関係を示す説明図である。 第3実施形態に係るモータシステムを示すブロック回路図である。 同実施形態に係る電流センサ及びスイッチング素子近傍温度−モータ電流の関係を示す説明図である。 第4実施形態に係るモータシステムを示すブロック回路図である。 同実施形態に係る電流センサに関する温度の時間変化を示す説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電流センサの異常検知装置が適用される冷凍サイクルの一例を示す。
(冷凍サイクル)
冷凍装置等において冷媒を循環させる冷凍サイクル1では、気化した冷媒を圧縮機2で圧縮して昇温し、圧縮・昇温した冷媒が、凝縮器3において電動ファン4を回転させる強制冷却等によって放熱・凝縮されて液体とされ、さらに膨張弁5で減圧・膨張して一部の液体を蒸発させ、そして蒸発器6で周囲空気から熱を奪って残りの液体を気化させる。蒸発器6で気化した冷媒は圧縮機2で再度圧縮され、これを繰り返すことで冷媒が循環する。
圧縮機2の吐出口には、冷媒の吐出圧力を検出する吐出圧センサ7が設けられ、また、圧縮機2の吸入口には、冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧センサ8が設けられている。圧縮機2は、後に詳述するモータ10の軸出力によって駆動される。
図2は、モータ10とその駆動制御系を含むモータシステムの一例を示している。
(モータ)
モータ10は、3相ブラシレスモータであり、U相のコイルCU、V相のコイルCV及びW相のコイルCWの3相のコイルを含む図示省略のステータと、永久磁石を含む図示省略のロータと、を有している。U相コイルCU、V相コイルCV及びW相のコイルCWは、それぞれの一端が中性点Nで電気的に接続されてスター状に結線され、それぞれの他端が後述するインバータ12に接続されている。また、モータ10のロータ近傍には、例えば、モータ10のロータの回転による磁気変化を電気信号に変換するホール素子等、ロータの回転位置に関する出力信号Vθmを出力する回転位置センサ11が設けられている。なお、モータ10のステータは、デルタ状結線で構成されていても、本発明に係る電流センサの異常検知装置を適用可能である。
(インバータ)
直流電源14からの電力をモータ10へ供給するインバータ12は、U相、V相及びW相の各相について、直流電源14の高電位側と低電位側との間に、ダイオードDを逆並列に接続した2つのスイッチング素子を直列に接続して設けた3相ブリッジ回路を有している。U相については上アーム側のスイッチング素子SU 及び下アーム側のスイッチング素子SU の間にU相コイルCUの他端が接続され、V相については上アーム側のスイッチング素子SV 及び下アーム側のスイッチング素子SV の間にV相コイルCVの他端が接続され、W相については上アーム側のスイッチング素子SW 及び下アーム側のスイッチング素子SW の間にW相コイルCWの他端が接続されている。なお、スイッチング素子には、本実施形態で用いられているIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に限らず、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の半導体素子を用いてもよい。
また、インバータ12には、下アーム側のスイッチング素子SU ,SV ,SW と直流電源14の低電位側との間に、モータ10のモータ電流を検出する電流センサ16が1つ単独で介装されている。電流センサ16は、モータ電流が流れるシャント抵抗Rsと、このシャント抵抗Rsの両端の電位差を増幅して出力するオペアンプ(図示省略)と、を有し、電流センサ16はオペアンプの出力を出力信号Vrsとして出力する、シャント抵抗式の電流検出手段である。なお、本実施形態では、電流センサ16は、前述のようなシャント抵抗式の電流検出手段に限らず、ホール素子あるいはトランスを用いた電流センサ等であってもよい。
(モータ制御装置)
モータ10を制御するモータ制御装置18は、電流センサ16の出力信号Vrs、回転位置センサ11の出力信号Vθm、及び、外部の上位制御装置(図示省略)からの指令信号を、適宜、A/D(Analog/Digital)変換し、変換したデジタル値に基づいて、インバータ12のスイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW の各制御端子に対する制御信号としてのPWM信号を生成して出力する。これにより、U相のコイルCU、V相のコイルCV及びW相のコイルCWの3相のコイルに対して正弦波通電(180度通電)が行われるようにしている。モータ制御装置18は、図示省略するが、コンピュータや、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶手段を内蔵し、モータ制御装置18における後述の各機能は、予め記憶されたプログラムを読み込んで動作するコンピュータにより実行されるものとして説明する。ただし、これに限らず、ハードウェアの構成により各機能の一部又は全部を実現することも可能である。
モータ制御装置18は、相電流検出部20、ロータ回転角検出部22、dq変換部24、目標q軸電流設定部26、第1加減算部28、第1PI制御部30、目標d軸電流設定部32、第2加減算部34、第2PI制御部36、逆dq変換部38及びPWM信号設定部40で特定される機能を有している。
相電流検出部20は、電流センサ16の出力信号Vrsと、シャント抵抗Rsの既知の抵抗値と、後述するPWM信号設定部40で設定されたPWM信号と、に基づいて、相電流Iu,Iv,Iwを検出する。相電流Iu,Iv,Iwの具体的な検出方法については後述する。
ロータ回転角検出部22は、回転位置センサ11の出力信号Vθmに基づいて、モータ10のロータの回転角θmを検出する。
dq変換部24は、ロータ回転角検出部22で検出されたロータ位置θmを用いて、相電流検出部20で検出された相電流Iu,Iv,Iwをdq座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換する。dq座標は、モータ10のロータに同期して回転する界磁方向をd軸とするとともに、このd軸と直交するトルク生成方向をq軸としたものである。
目標q軸電流設定部26は、上位制御装置からの指令信号に基づいて、又は、その他の既知の方法により、目標q軸電流値Iqtを設定し、電流フィードバック制御を行うべく、第1加減算部28で目標q軸電流値Iqtとq軸電流値Iqとの偏差であるq軸電流偏差ΔIqを演算し、第1PI制御部30でq軸電流偏差ΔIqに基づいてPI制御を行うことでq軸印加設定電圧値Vqtを演算する。
目標d軸電流設定部32は、上位制御装置からの指令信号に基づいて、又は、その他の既知の方法により、目標d軸電流値Idtを設定し、電流フィードバック制御を行うべく、第2加減算部34で目標d軸電流値Idtとd軸電流値Idとの偏差であるd軸電流偏差ΔIdを演算し、第2PI制御部36でd軸電流偏差ΔIdに基づいてPI制御を行うことでd軸印加設定電圧値Vdtを演算する。
逆dq変換部38は、ロータ位置θmを用いて、dq座標系のq軸印加設定電圧値Vqt及びd軸印加設定電圧値Vdtを、モータ10のU相コイルCUに印加するU相印加設定電圧値Vut、V相コイルCVに印加するV相印加設定電圧値Vvt、及びW相コイルCWに印加するW相印加設定電圧値Vwtの3相座標系の印加設定電圧値に変換する。
PWM信号設定部40は、直流電源14の電源電圧値Vinと、U相印加設定電圧値Vut、V相印加設定電圧値Vvt及びW相印加設定電圧値Vwtと、に基づいて、インバータ12に備えられたスイッチング素子U,U,V,V,W,Wの制御端子へそれぞれ出力する6つのPWM信号について、各スイッチング素子のオンとオフとの比率を規定するデューティを設定する。これにより、U相のコイルCU、V相のコイルCV及びW相のコイルCWの3相のコイルに対して、正弦波通電(180度通電)が行われるようにしている。
(相電流検出方法)
図3は、相電流検出部20における相電流検出方法を説明するための回路図である。図3を用いて相電流検出部20における相電流検出方法を説明する。
図3(a)では、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW がオン状態であり、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW がオフ状態である。このようなスイッチング素子のオン・オフ状態において、電流は、直流電源14から、インバータ12のスイッチング素子SU 、モータ10のU相コイルCUの順で流れ、中性点Nから、V相コイルCVを流れる経路とW相コイルCWを流れる経路との2方向に分流する。中性点NからV相コイルCVを流れる電流はスイッチング素子SV を流れ、一方、中性点NからW相コイルCWを流れる電流はスイッチング素子SW を流れ、2つの経路を流れた電流は、シャント抵抗Rsを流れる前に合流して直流電源14に戻る。このため、電流センサ16のシャント抵抗Rsを流れる電流は、中性点Nに向けて流れる方向のU相電流Iuに相当し、このときの電流センサ16の出力信号Vrsとシャント抵抗Rsの既知の抵抗値とに基づいて、U相電流Iuを検出することができる。
図3(b)では、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW がオン状態であり、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW がオフ状態である。このようなスイッチング素子のオン・オフ状態において、直流電源14からインバータ12に流れる電流は、スイッチング素子SU を流れる経路とスイッチング素子SW を流れる経路との2方向に分流し、モータ10の中性点Nにおいて合流する。中性点Nで合流した電流は、V相コイルCV、シャント抵抗Rsの順で流れて直流電源14に戻る。このため、電流センサ16のシャント抵抗Rsを流れるモータ電流は、中性点Nからインバータ12に向けて流れる方向のV相電流Ivに相当し、このときの電流センサ16の出力信号Vrsとシャント抵抗Rsの既知の抵抗値とに基づいて、V相電流Ivを検出することができる。
したがって、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW のオン・オフ状態が決まれば、相電流検出部20において、電流センサ16の出力信号Vrsに基づいて検出されたモータ電流が、U相、V相、W相の相電流Iu,Iv,Iwのいずれであるかを電流方向も含めて特定できる。
図4は、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW のオン・オフ状態とこの状態に対応して検出される相電流Iu,Iv,Iwとの関係を示した相電流特定テーブルを示している。
相電流特定テーブルには、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW のオン(ON)・オフ(OFF)状態の組み合せであるスイッチングパターンが8通りあり、スイッチング素子SU ,SV ,SW が全てオンになり、かつ、スイッチング素子SU ,SV ,SW が全てオフになるスイッチングパターンと、スイッチング素子SU ,SV ,SW が全てオフになり、かつ、スイッチング素子SU ,SV ,SW が全てオンになるスイッチングパターンと、を除いて、各スイッチングパターンに対応して検出される相電流Iu,Iv,Iwが、中性点Nに向けて流れる方向を示すプラス(+)記号と、中性点Nからインバータ12に向けて流れる方向を示すマイナス(−)記号と、を付して最右欄に特定されている。
相電流検出部20は、前述の相電流特定テーブルを予め記憶しており、PWM信号設定部40で設定されたPWM信号に基づいて、相電流特定テーブルを参照することで、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW のオン・オフ状態が8通りのスイッチングパターンのいずれに該当するかを判定する。そして、該当すると判定されたスイッチングパターンに基づいて、電流センサ16の出力信号Vrsに基づいて検出されたモータ電流が、U相、V相又はW相の相電流Iu,Iv,Iwのいずれに相当するかを電流方向も含めて特定する。これにより、相電流検出部20は相電流Iu,Iv,Iwを検出している。なお、以下の説明において、相電流Iu,Iv,Iwは、電流方向とは関係しない電流の大きさを示し、正の値であるものとする。また、モータ電流は、電流センサ16により検出される電流の大きさ、あるいは、電流センサ16により検出されると推定される電流の大きさを示し、電流方向とは関係しない正の値であるものとする。
(電流センサの異常検知装置)
前述のように、相電流検出部20は、単一の電流センサ16の出力信号Vrsと、シャント抵抗Rsの既知の抵抗値と、PWM信号設定部40で設定されたPWM信号と、に基づいて、相電流Iu,Iv,Iwを電流方向も含めて検出することができるが、インバータ12に複数の電流センサが備えられている場合のように、電流センサ相互の出力信号を互いに比較して、いずれの電流センサが異常であるか否かを検知することができない。
このため、モータ制御装置18では、その一部である相電流推定部42及び異常検知部44に、単一の電流センサ16がインバータ12に備えられている場合であっても、電流センサ16が異常であるか否かを検知できる、電流センサ16の異常検知装置としての機能をもたせている。異常検知部44は、相電流検出部20で検出された相電流Iu,Iv,Iwの検出値と、相電流Iu,Iv,Iwを検出したときに相電流推定部42で相電流Iu,Iv,Iwの推定値として推定された推定相電流値I*(≧0)と、の比較を行い、この比較の結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。例えば、相電流Iu,Iv,Iwの検出値と推定相電流値I*との偏差の絶対値が所定値以上であると判定された場合には電流センサ16が異常であると検知し、相電流Iu,Iv,Iwの検出値と推定相電流値I*との偏差の絶対値が所定値未満であると判定された場合には電流センサ16が正常であると検知することができる。
相電流推定部42は、圧縮機2の吐出圧力及び吸入圧力並びにロータの回転速度のうち少なくとも1つに基づいて推定相電流値I*を推定する。相電流推定部42における推定相電流値I*の推定方法には、例えば、以下の5つがある。
まず、第1の推定方法では、図5に示すように、圧縮機2の吐出圧力に対してモータ電流が略比例するという関係を、実験又はシミュレーション等により予め数値化して、吐出圧力とモータ電流とを関連付けた第1電流データテーブルをROM等に記憶しておく。そして、吐出圧センサ7により検出された吐出圧力の検出値Poに基づいて、第1電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流を推定相電流値I*とする。
なお、第1電流データテーブルに規定されるモータ電流は、相電流Iu,Iv,Iwのいずれに相当するかによらず、同じ吐出圧力に対しては同一であるものとしているが、各相コイルCU,CV,CW間や各スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW 間等に電気的なバラツキがあることを考慮して、モータ電流が相電流Iu,Iv,Iwのいずれに相当するかに応じて、同じ吐出圧力に対し異なる値としてもよい(以下の第2〜第5電流データテーブルにおいて同様である)。
第2の推定方法では、図6に示すように、ロータの回転速度が上昇するに従って、モータ電流が一旦低下してから上昇するという関係を、実験又はシミュレーション等により予め数値化し、回転速度とモータ電流とを関連付けた第2電流データテーブルをROM等に記憶しておく。また、本推定方法に関して、モータ制御装置18は、ロータ回転角検出部22で検出されたロータ位置θmに基づいて、[ω=dθm/dt]なる関係式等を用いてロータの回転速度ωを検出する回転速度検出部46を更に備える。そして、回転速度検出部46で検出されたロータの回転速度ωに基づいて、第2電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流を推定相電流値I*とする。
第3の推定方法では、図7に示すように、圧縮機2の吐出圧力が高くなるに従ってモータ電流が上昇し(図5参照)、かつ、ロータの回転速度が上昇するに従ってモータ電流が一旦低下してから上昇する(図6参照)という関係を、実験又はシミュレーションにより予め数値化し、回転速度と吐出圧力とモータ電流とを関連付けた第3電流データテーブルをROM等に記憶しておく。また、本推定方法に関して、モータ制御装置18は、前述の回転速度検出部46を更に備える。そして、吐出圧センサ7により検出された吐出圧力の検出値Po及び回転速度検出部46で検出されたロータの回転速度ωに基づいて、第3電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流を推定相電流値I*とする。これにより、第1又は第2の推定方法のいずれかで推定相電流値I*を推定するよりも、モータ電流を規定するパラメータが増えて、推定相電流値I*を精度良く推定することができる。
第4の推定方法では、図8に示すように、圧縮機2の吸入圧力が上昇するに従って、モータ電流が一旦上昇してから低下するという関係を、実験又はシミュレーション等により予め数値化し、吸入圧力とモータ電流とを関連付けた第4電流データテーブルをROM等に記憶しておく。そして、吸入圧センサ8により検出された圧縮機2の吸入圧力Piの検出値に基づいて、第4電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流を推定相電流値I*とする。
第5の推定方法は、図9に示すように、圧縮機2の吐出圧力が高くなるに従ってモータ電流が上昇し(図5参照)、かつ、圧縮機2の吸入圧力が上昇するに従ってモータ電流が一旦上昇してから低下する(図8参照)という関係を、実験又はシミュレーション等により予め数値化し、吸入圧力と吐出圧力とモータ電流とを関連付けた第5電流データテーブルをROM等に記憶しておく。そして、吸入圧センサ8により検出された吸入圧力Pi及び吐出圧センサ7により検出された吐出圧力の検出値Poに基づいて、第5電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流から推定相電流値I*を推定する。これにより、第1又は第4の推定方法のいずれかで推定相電流値I*を推定するよりも、モータ電流を規定するパラメータが増えて、推定相電流値I*を精度良く推定することができる。
なお、第1〜第3の推定方法では吸入圧センサ8を設ける必要がなく、第1、第4及び第5の推定方法ではモータ制御装置18に回転速度検出部46は不要であり、第2及び第5の推定方法では吐出圧センサ7を設ける必要がない。
このような第1実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置によれば、異常検知部44において、相電流検出部20で検出された相電流Iu,Iv,Iwの検出値と、相電流Iu,Iv,Iwを検出したときに相電流推定部42で推定された推定相電流値I*と、の比較を行い、この比較の結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知しているので、インバータ12に単一の電流センサ16が備えられている場合であっても、電流センサ16の異常を検知することができる。また、各相に1つずつ電流センサが設けられているような場合であっても、本実施形態の単一の電流センサ16に対する異常検知方法を適用できる。したがって、複数の電流センサの出力信号を相互に比較して異常を検知する電流センサの異常検知装置と比較して、異常検知能力を向上させることができる。
[第2実施形態]
図10は、本発明の第2実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置を適用したモータシステムの一例を示すブロック回路図である。なお、第1実施形態と共通の構成については、同一の符号を付してその説明を極力省略する(以下同様である)。
インバータ12Aにおいて、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW の少なくとも1つ又はその近傍には、サーミスタ等の第1温度センサ48が更に設けられる。以下、第1温度センサ48は、説明の便宜上、スイッチング素子SW の近傍に1つ設けられ、スイッチング素子SW あるいはその周囲の雰囲気温度(以下、「スイッチング素子SW に関する温度」という)Tsを検出するものとする。
モータ制御装置18Aは、その一部である相電流推定部42A及び異常検知部44Aに、電流センサ16の異常検知装置としての機能をもたせている。
第1実施形態に係るモータ制御装置18の相電流推定部42は、圧縮機2の吐出圧力及び吸入圧力並びにロータの回転速度のうちの少なくとも1つに基づいて推定相電流値I*を推定していたが、第2実施形態に係るモータ制御装置18Aの相電流推定部42Aでは、第1温度センサ48の出力信号から検出されたスイッチング素子SW に関する温度Tsに基づいて、推定相電流値I*を推定している。
例えば、スイッチング素子SW に関する温度が、図11に示すように、主にスイッチング素子SW のオン抵抗によるジュール熱の影響を受けて、モータ電流に対して略2次関数的に変化するという関係を、実験又はシミュレーション等により予め数値化しておき、相電流推定部42Aがモータ電流とスイッチング素子SW に関する温度とを関連付けた第6電流データテーブルをROM等に記憶する。第1温度センサ48はスイッチング素子SW に関する温度Tsを検出するものであるので、第6電流データテーブルに規定されるスイッチング素子SW に関する温度は、W相電流Iwに相当するモータ電流に関連付けられてもよい。そして、第1温度センサ48により検出されたスイッチング素子SW に関する温度Tsに基づいて、第6電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流を推定相電流値I*とする。このようにして、相電流推定部42Aは、推定相電流値I*を推定することができる。
異常検知部44Aでは、相電流検出部20で検出された相電流Iu,Iv,Iwの検出値と、相電流Iu,Iv,Iwを検出したときに相電流推定部42Aで推定された推定相電流値I*と、の比較を行い、この比較の結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。例えば、相電流値Iu,Iv,Iwの検出値と推定相電流値I*との偏差の絶対値が所定値以上であるか否かを判定することにより、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。前述のように、第6電流データテーブルに規定されるスイッチング素子SW に関する温度が、W相電流Iwに相当するモータ電流に関連付けられている場合には、異常検知部44Aは、相電流検出部20で検出されたW相電流Iwの検出値と、相電流検出部20でW相電流Iwを検出したときに相電流推定部42Aで推定された推定相電流値I*と、を比較するとよい。
異常検知部44Aにおける電流センサ16の異常検知は、モータ制御装置18Aが、指令信号等に基づいて、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW の各制御端子に対するPWM信号を生成して出力し、3相のコイルCU,CV,CWに対して正弦波通電を行ってロータを回転駆動しているときに限らず、ロータを回転駆動する前に行われてもよい。
ロータを回転駆動する前に電流センサ16の異常検知を行う場合、異常検知部44Aは、PWM信号設定部40に対して、U相印加設定電圧値Vut、V相印加設定電圧値Vvt及びW相印加設定電圧値Vwtによらず、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW へ出力するPWM信号のデューティを強制的に所定比率に保持するよう指示する。これにより、モータ10に対するインバータ12Aの通電経路及びモータ電流のレベルを一定にするようにする。
例えば、前述のように、第6電流データテーブルに規定されるスイッチング素子SW に関する温度が、W相電流Iwに相当するモータ電流に関連付けられている場合には、異常検知部44Aは、PWM信号設定部40に対して、モータ10への通電を以下の所定パターンに保持するように指示することで、W相電流Iwに相当するモータ電流でモータ10に通電するようにしてもよい。すなわち、異常検知部44Aは、PWM信号設定部40に対して、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW へ出力されるPWM信号のデューティを所定比率で保持し、かつ、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW へ出力されるPWM信号のデューティを0%で保持するか(図4のスイッチングパターンNo.7参照)、あるいは、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW へ出力されるPWM信号のデューティを0%で保持し、かつ、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW へ出力されるPWM信号のデューティを所定比率で保持する(図4のスイッチングパターンNo.2参照)ように指示する。
また、ロータを回転駆動する前に電流センサ16の異常検知を行う場合、第6電流データテーブルに規定されるスイッチング素子SW に関する温度は、第6電流データテーブルに規定されたモータ電流による通電状態が、例えば、スイッチング素子SW が熱的に平衡状態に達したと推定される時間等、所定時間継続したときの値であってもよい。この場合、相電流推定部42Aは、上記所定時間が経過したときに第1温度センサ48により検出されたスイッチング素子SW に関する温度Tsを用いて、推定相電流値I*を推定する。
なお、相電流推定部42Aにおける推定相電流値I*の推定には、第1実施形態のように吐出圧センサ7及び吸入圧センサ8を必要としないので、モータ10の駆動対象が冷凍サイクル1における圧縮機2でなくても、本実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置を適用可能である。
このような第2実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置によれば、第1実施形態と同様に、インバータ12Aに単一の電流センサ16が備えられている場合であっても、電流センサ16の異常を検知することができる。また、各相に1つずつ電流センサが設けられているような場合であっても、本実施形態の単一の電流センサ16に対する異常検知方法を適用できる。したがって、複数の電流センサの出力信号を相互に比較して異常を検知する電流センサの異常検知装置と比較して、異常検知能力を向上させることができる。
[第3実施形態]
図12は、本発明の第3実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置を適用したモータシステムの一例を示すブロック回路図である。
インバータ12Bには、第2実施形態と同様に、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW の少なくとも1つ又はその近傍に第1温度センサ48が設けられることに加え、電流センサ16又はその近傍に、サーミスタ等の第2温度センサ50が更に設けられている。
第3実施形態においても、説明の便宜上、第1温度センサ48は、スイッチング素子SW の近傍に1つ設けられ、スイッチング素子SW に関する温度Tsを検出するものとする。
第2温度センサ50は、電流センサ16あるいはその周囲の雰囲気温度(以下、「電流センサ16に関する温度」という)Trを検出する。第2温度センサ50は電流センサ16に関する温度Trを検出するので、電流センサ16は、通電による温度変化が比較的顕著なシャント抵抗式の電流検出手段であることが好ましい。
モータ制御装置18Bは、その一部である相電流推定部42B及び異常検知部44Bに、電流センサ16の異常検知装置としての機能をもたせている。
相電流推定部42Bは、第2実施形態と同様に、第1温度センサ48の出力信号から検出された、スイッチング素子SW に関する温度Tsに基づいて、推定相電流値I*を推定している。例えば、相電流推定部42Bは、第1温度センサ48により検出されたスイッチング素子SW に関する温度Tsに基づいて、前述の第6電流データテーブルを参照し、対応するモータ電流を推定相電流値I*とする。このようにして、相電流推定部42Aは、推定相電流値I*を推定することができる。
異常検知部44Bでは、第2温度センサ50により検出された電流センサ16に関する温度Trが、相電流推定部42Bで推定された推定相電流値I*に対する正常温度範囲に入るか否かを判定し、この判定結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。
前述の正常温度範囲は、図13に示すように、電流センサ16が正常である場合に、第2温度センサ50により検出された電流センサ16に関する温度がモータ電流に対してどのように変化するかを、実験又はシミュレーション等によって予め数値化するとともに、シャント抵抗Rsにおける抵抗値のバラツキ等を考慮して、モータ電流毎に電流センサ16に関する温度の上限値及び下限値の誤差範囲を設けることで規定される(図中の斜線部分)。
異常検知部44Bは、例えば、電流センサ16に関する温度の上限値及び下限値とモータ電流とを関連付けた正常温度範囲データテーブルをROM等に記憶している。この場合、異常検知部44Bは、相電流推定部42Bで推定された推定相電流値I*に基づいて、正常温度範囲データテーブルを参照し、対応するモータ電流における上限値及び下限値と、第2温度センサ50により検知された電流センサ16に関する温度Trと、を比較し、この比較の結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。
例えば、図13を参照して、異常検知部44Bは、第2温度センサ50により検知された電流センサ16に関する温度Trが、推定相電流値I*に対応するモータ電流において、正常温度範囲である上限値と下限値との間に含まれている(下限値<Tr1<上限値)と判定すれば、電流センサ16が正常であると検知する。一方、異常検知部44Bは、第2温度センサ50により検知された電流センサ16に関する温度Trが、下限値以下である(Tr2≦下限値)あるいは上限値以上である(Tr3≧上限値)と判定すれば、電流センサ16が異常であると検知する。
異常検知部44Bにおける電流センサ16の異常検知は、第2実施形態と同様に、ロータを回転駆動しているときに限らず、ロータを回転駆動する前に行われてもよい。異常検知部44Bは、ロータを回転駆動する前に異常検知を行う場合、第2実施形態と同様に、モータ10に対するインバータ12Bの通電経路及びモータ電流のレベルが一定になるように、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW へ出力するPWM信号のデューティを強制的に所定比率に保持する。詳細は第2実施形態の説明を参照されたい。
なお、相電流推定部42Bにおける推定相電流値I*の推定には、第1実施形態のように吐出圧センサ7及び吸入圧センサ8を必要としないので、モータ10の駆動対象が冷凍サイクル1における圧縮機2でなくても、本実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置を適用可能である。
このような第3実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置によれば、第1実施形態と同様に、インバータ12Aに単一の電流センサ16が備えられている場合であっても、電流センサ16の異常を検知することができる。また、各相に1つずつ電流センサが設けられているような場合であっても、本実施形態の単一の電流センサ16に対する異常検知方法を適用できる。したがって、複数の電流センサの出力信号を相互に比較して異常を検知する電流センサの異常検知装置と比較して、異常検知能力を向上させることができる。
[第4実施形態]
図14は、本発明の第4実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置を適用したモータシステムの一例を示すブロック回路図である。
インバータ12Cには、第3実施形態と同様に、電流センサ16又はその近傍に、電流センサ16に関する温度Trを検出する第2温度センサ50が設けられている。電流センサ16は、通電による温度変化が比較的顕著なシャント抵抗式の電流検出手段であることが好ましい。
モータ制御装置18Cは、その一部である異常検知部44Cに、電流センサ16の異常検知装置としての機能をもたせている。なお、本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なり、推定相電流値I*を推定する機能(相電流推定部)を有していない。また、第1実施形態で推定相電流値I*を推定するために用いた吐出圧センサ7及び吸入圧センサ8を必要としないので、モータ10の駆動対象が冷凍サイクル1における圧縮機2でない場合であっても、本実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置を適用可能である。
異常検知部44Cは、ロータを回転駆動する前に、モータ10に対する通電を所定のパターンに保持した状態で第2温度センサ50により検出された電流センサ16に関する温度Trに基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。
モータ10に対する通電を所定のパターンに保持するために、異常検知部44Cは、PWM信号設定部40に対して、U相印加設定電圧値Vut、V相印加設定電圧値Vvt及びW相印加設定電圧値Vwtによらず、スイッチング素子SU ,SU ,SV ,SV ,SW ,SW へ出力するPWM信号のデューティを強制的に所定比率に保持するよう指示する。これにより、モータ10に対するインバータ12Aの通電経路及びモータ電流のレベルを一定にするようにしている。
例えば、図14に示すように、異常検知部44Cは、PWM信号設定部40に対して、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW へ出力されるPWM信号のデューティを所定比率で保持する一方、スイッチング素子SU 、スイッチング素子SV 及びスイッチング素子SW へ出力されるPWM信号のデューティを0%で保持するように指示する(図4のスイッチングパターンNo.4参照)。
また、異常検知部44Cは、図15に示すように、実験又はシミュレーション等によって、モータ10に通電を開始してから、例えば、正常な電流センサが熱的に平衡状態に達する時間等、所定時間Δtが経過したときの電流センサに関する温度を、正常温度Tr0として予め記憶している。
そして、異常検知部44Cは、モータ10に通電を開始してから所定時間Δtが経過したときに第2温度センサ50により検出された、電流センサ16に関する温度Trが、正常温度Tr0を含む所定範囲内にあるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知する。
このような第4実施形態に係る電流センサ16の異常検知装置によれば、第1実施形態と同様に、インバータ12Cに単一の電流センサ16が備えられている場合であっても、電流センサ16の異常を検知することができる。また、各相に1つずつ電流センサが設けられているような場合であっても、本実施形態の単一の電流センサ16に対する異常検知方法を適用できる。したがって、複数の電流センサの出力信号を相互に比較して異常を検知する電流センサの異常検知装置と比較して、異常検知能力を向上させることができる。
なお、第1〜第4の実施形態において、電流センサ16の異常検知装置が適用されるモータ制御装置18,18A,18B,18Cの構成は一例であり、前述の構成に限定するものではない。例えば、ロータ位置θmは、ロータ回転角検出部22において、回転位置センサ11の出力信号に基づいて検出されるものとして説明したが、回転位置センサ11を用いずに、各相に対する印加電圧等に基づいて検出してもよい。また、モータ制御装置18,18A,18B,18Cは直流電源14から電力を受けていたが、これに限られず、交流電源の出力を整流回路(例えば、ダイオードブリッジ等)で整流して電力を受けてもよい。
前述の第3実施形態において、スイッチング素子SW 及び電流センサ16が正常であるときに、スイッチング素子SW に関する温度及び電流センサ16に関する温度がモータ電流に対して同様に温度変化するような場合には、異常検知部44Bは、第1温度センサ48により検出されたスイッチング素子SW に関する温度Tsと第2温度センサ50により検出された電流センサ16に関する温度Trと、の温度差が所定範囲内にあるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、電流センサ16が異常であるか否かを検知してもよい。
1…冷凍サイクル、2…圧縮機、7…吐出圧センサ、8…吸入圧センサ、10…モータ、12,12A,12B,12C…インバータ、16…電流センサ、18,18A,18B,18C…モータ制御装置、20…相電流検出部、40…PWM信号設定部、42,42A,42B…相電流推定部、44,44A,44B,44C…異常検知部、46…回転速度検出部、48…第1温度センサ、50…第2温度センサ、Iu,Iv,Iw…相電流、I*…推定相電流値、ω…回転速度、Po…吐出圧力の検出値、Pi…吸入圧力の検出値、Ts…スイッチング素子Sw に関する温度、Tr…電流センサに関する温度

Claims (4)

  1. 圧縮機を駆動するモータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知する、電流センサの異常検知装置であって、
    前記電流センサの出力信号に基づいて前記モータの相電流を検出する検出部と、
    前記圧縮機の吐出圧力及び吸入圧力並びに前記モータの回転速度のうち少なくとも1つに基づいて、前記相電流を推定する推定部と、
    前記検出部で検出された前記相電流の検出値と前記推定部で推定された前記相電流の推定値との比較を行い、該比較の結果に基づいて、前記電流センサが異常であるか否かを検知する検知部と、
    を含んで構成されたことを特徴とする、電流センサの異常検知装置。
  2. モータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知する、電流センサの異常検知装置であって、
    前記電流センサの出力信号に基づいて前記モータの相電流を検出する検出部と、
    前記インバータのスイッチング素子又はその近傍に備えられた第1温度センサの出力信号に基づいて、前記相電流を推定する推定部と、
    前記検出部で検出された前記相電流の検出値と前記推定部で推定された前記相電流の推定値との比較を行い、該比較の結果に基づいて、前記電流センサが異常であるか否かを検知する検知部と、
    を含んで構成されたことを特徴とする、電流センサの異常検知装置。
  3. モータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知する、電流センサの異常検知装置であって、
    前記インバータのスイッチング素子又はその近傍に備えられた第1温度センサの出力信号に基づいて、前記モータの相電流を推定する推定部と、
    前記推定部で推定された前記相電流の推定値と、前記電流センサ又はその近傍に備えられた第2温度センサの出力信号に基づいて検出された前記電流センサに関する温度と、に基づいて、前記電流センサが異常であるか否かを検知する検知部と、
    を含んで構成されたことを特徴とする、電流センサの異常検知装置。
  4. モータへ電力を供給するインバータに備えられた電流センサが異常であるか否かを検知する、電流センサの異常検知装置であって、
    前記モータの回転駆動前に、前記モータに対する通電を所定のパターンで保持した状態で、前記電流センサ又はその近傍に備えられた温度センサの出力信号に基づいて検出された前記電流センサに関する温度に基づいて、前記電流センサが異常であるか否かを検知する検知部を含んで構成されたことを特徴とする、電流センサの異常検知装置。
JP2016010991A 2016-01-22 2016-01-22 電流センサの異常検知装置 Pending JP2017131087A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016010991A JP2017131087A (ja) 2016-01-22 2016-01-22 電流センサの異常検知装置
PCT/JP2017/001828 WO2017126639A1 (ja) 2016-01-22 2017-01-12 電流センサの異常検知装置
US16/063,961 US20200186011A1 (en) 2016-01-22 2017-01-12 Abnormality detecting device for current sensor
DE112017000466.7T DE112017000466T5 (de) 2016-01-22 2017-01-12 Abnormalitätsfeststellungseinrichtung für einen Stromsensor
CN201780003152.9A CN108093674A (zh) 2016-01-22 2017-01-12 电流传感器的异常感测装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016010991A JP2017131087A (ja) 2016-01-22 2016-01-22 電流センサの異常検知装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017131087A true JP2017131087A (ja) 2017-07-27

Family

ID=59361839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016010991A Pending JP2017131087A (ja) 2016-01-22 2016-01-22 電流センサの異常検知装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20200186011A1 (ja)
JP (1) JP2017131087A (ja)
CN (1) CN108093674A (ja)
DE (1) DE112017000466T5 (ja)
WO (1) WO2017126639A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110667418A (zh) * 2019-09-17 2020-01-10 华中科技大学 一种单相并网零转矩集成充电器及其电流控制方法
JP2021015056A (ja) * 2019-07-12 2021-02-12 三洋電機株式会社 電源装置と電流センサの故障判定方法
JP2021097557A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 株式会社デンソー 電流センサ異常診断装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6802135B2 (ja) * 2017-10-11 2020-12-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 モータ駆動装置及びモータ駆動装置の制御方法
CN112003522B (zh) * 2020-07-22 2021-12-28 北京理工大学 一种基于参数辨识的永磁同步电机单电流传感器控制方法
CN112904255B (zh) * 2021-01-22 2023-12-05 北京车和家信息技术有限公司 电流传感器的故障判定方法和装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000152687A (ja) * 1998-11-05 2000-05-30 Daikin Ind Ltd ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置
JP2003009589A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Daikin Ind Ltd 予熱発生機構
JP2007028793A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Hitachi Ltd 交流モータ駆動装置及びその制御方法
JP2008029174A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Hitachi Ltd アクチュエータの電流制御装置および方法
JP2009085105A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hitachi Ltd スクロール式流体機械及びそれを用いたエアサスペンション装置
JP2009284752A (ja) * 2008-04-21 2009-12-03 Panasonic Corp インバータ装置
JP2010065649A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Sanden Corp 容量制御弁、可変容量圧縮機及び可変容量圧縮機の容量制御システム
US20120177514A1 (en) * 2011-01-12 2012-07-12 Hahn Gregory W Discharge pressure estimation for compressor
JP2013198235A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Hitachi Appliances Inc モータ駆動装置、及びこれを備えた空気調和機、並びにモータ駆動方法
JP2015220852A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 株式会社ジェイテクト 電流センサの異常特定装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1245913B1 (en) * 2001-03-27 2007-07-18 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor diagnostic system
JP2009122056A (ja) * 2007-11-19 2009-06-04 Denso Corp バッテリ充放電電流検出装置
CN104896647B (zh) * 2014-03-03 2018-03-20 合肥海尔空调器有限公司 空调室内机防冷风控制方法及系统
JP2015192582A (ja) 2014-03-28 2015-11-02 トヨタ自動車株式会社 電流センサの故障検出装置
JP6203126B2 (ja) * 2014-06-04 2017-09-27 三菱電機株式会社 密閉型圧縮機駆動装置
JP6582236B2 (ja) * 2015-06-11 2019-10-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷凍サイクル装置
CN105203826B (zh) * 2015-09-11 2017-12-05 同济大学 一种冗余电流传感器动力电池系统的电流检测方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000152687A (ja) * 1998-11-05 2000-05-30 Daikin Ind Ltd ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置
JP2003009589A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Daikin Ind Ltd 予熱発生機構
JP2007028793A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Hitachi Ltd 交流モータ駆動装置及びその制御方法
JP2008029174A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Hitachi Ltd アクチュエータの電流制御装置および方法
JP2009085105A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Hitachi Ltd スクロール式流体機械及びそれを用いたエアサスペンション装置
JP2009284752A (ja) * 2008-04-21 2009-12-03 Panasonic Corp インバータ装置
JP2010065649A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Sanden Corp 容量制御弁、可変容量圧縮機及び可変容量圧縮機の容量制御システム
US20120177514A1 (en) * 2011-01-12 2012-07-12 Hahn Gregory W Discharge pressure estimation for compressor
JP2013198235A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Hitachi Appliances Inc モータ駆動装置、及びこれを備えた空気調和機、並びにモータ駆動方法
JP2015220852A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 株式会社ジェイテクト 電流センサの異常特定装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021015056A (ja) * 2019-07-12 2021-02-12 三洋電機株式会社 電源装置と電流センサの故障判定方法
CN110667418A (zh) * 2019-09-17 2020-01-10 华中科技大学 一种单相并网零转矩集成充电器及其电流控制方法
JP2021097557A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 株式会社デンソー 電流センサ異常診断装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN108093674A (zh) 2018-05-29
US20200186011A1 (en) 2020-06-11
DE112017000466T5 (de) 2018-09-27
WO2017126639A1 (ja) 2017-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2017126639A1 (ja) 電流センサの異常検知装置
JP5217579B2 (ja) 電動機の制御方法及び制御装置
US9444377B2 (en) Motor drive control device
US9461576B2 (en) Fan motor drive device and blower device
US9707825B2 (en) Controller and in-vehicle motor-driven compressor
US9929682B2 (en) Motor control device
JP5697036B2 (ja) モータ制御装置
US10211770B2 (en) Motor drive control device and control method thereof
US9797406B2 (en) Motor device
JP6463966B2 (ja) モータ駆動装置およびモータ駆動用モジュール並びに冷凍機器
JP6718356B2 (ja) モータ制御装置及びヒートポンプ式冷凍サイクル装置
JP2011004538A (ja) インバータ装置
JP6309173B2 (ja) モータ駆動装置ならびにモータ駆動装置を用いたヒートポンプ装置、冷凍空調装置および送風装置
JP2014171293A (ja) 冷却ファンの制御装置、及び制御方法
JP2007028778A (ja) 電動機駆動装置及びそれを用いた空気調和機
JP2006067747A (ja) インバータ装置
JP2004040861A (ja) モータの駆動装置
JPWO2014155622A1 (ja) ヒートポンプ装置、空気調和機及び冷凍機
JP6336264B2 (ja) 永久磁石同期電動機駆動装置
JP2009254191A (ja) モータ制御装置、圧縮装置、冷凍装置および空調装置
JP2007053895A (ja) インバータ装置
JP2016127759A (ja) 回転電機制御装置
WO2019159629A1 (ja) モータ制御回路、モータシステムおよび脱調検出方法
JP2006087185A (ja) 電動機駆動装置及びそれを用いた空気調和機
JP2006296066A (ja) 電動機駆動装置及びそれを用いた空気調和機

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20190117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210105