JP2015220852A - 電流センサの異常特定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MG10を流れる電流を検出する電流センサ34,36の異常状態を特定すること。
【解決手段】電流センサ34,36に異常が検出されると、MG10は一旦停止される。その後、無効電流を流したときのスイッチング素子Supの温度Tupと、インバータ16を冷却する冷却水の温度とに基づき、スイッチング素子Supを流れる電流の推定値を算出する。この推定値の算出は、無効電流の大きさを変えることで、2度行われる。そして、無効電流を流した際の電流センサ34によって検出される電流iuと、推定値とに基づき、電流センサ34のゲインずれ量およびオフセットずれ量を特定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転機を流れる電流を検出する電流センサの異常特定装置に関する。
たとえば特許文献1には、3相交流モータに過電流が流れることを回避すべく、q軸電流の2乗の値が所定値以上となることで、3相交流モータに流れる電流を制限する技術が開示されている。
特開2003−164185号公報
ところで、上記q軸電流は、電流センサによって検出される電流に基づき算出されるものである。このため、電流センサに異常が生じる場合には、上記技術によってはそのねらいとする効果を得ることができなくなる。このため、電流センサの異常自体を検出することが望まれる。
さらに、3相交流モータ等の回転機がたとえば車両駆動用の回転機である場合、電流センサの異常時においても回転機を直ちに使用停止とする代わりに、修理工場まで走行可能とすることが望ましい。このため、電流センサに異常が生じた場合であっても、電流センサの異常状態を把握した上で電流センサの検出値を利用する技術が望まれる。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機を流れる電流を検出する電流センサの異常状態を特定することができる異常特定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
技術的思想1:回転機と、前記回転機の複数の端子のそれぞれに交流電圧を印加する電圧印加回路と、前記複数の端子のそれぞれを前記電圧印加回路の端子に接続する電気経路のうち所定の経路に流れる電流を検出する電流センサと、前記電圧印加回路を構成して電流の流れを規制する素子のうち少なくとも前記所定の経路に接続される素子の温度を検出する素子温度検出部と、前記素子を冷却する冷却流体の温度を検出する流体温度検出部と、を備えたシステムに適用され、前記電圧印加回路を操作することで、前記所定の経路に電流を流す制御を行う通電制御部と、前記通電制御部による制御時に前記素子温度検出部によって検出される温度、および前記流体温度検出部によって検出される温度に基づき、前記所定の経路を流れる電流の推定値を算出する推定部と、前記通電制御部による制御時に前記電流センサによって検出される電流と、前記推定値との乖離に基づき、前記電流センサの異常状態を特定する特定部とを備える電流センサの異常特定装置。
冷却流体によって素子が冷却されている場合、冷却流体の温度に対する素子の温度の差は、素子を流れる電流と正の相関を有する傾向にある。推定部では、この相関関係を利用することで、素子の温度と冷却流体の温度とに基づき、素子を流れる電流を推定する。そして、特定部では、電流の推定値を電流の基準値として利用することで、電流センサによって検出される電流と電流の推定値とが乖離することに基づき、電流センサの異常状態を特定することができる。
技術的思想2:前記通電制御部は、前記電圧印加回路を操作することで、前記所定の経路に第1の電流を流す制御を行う第1通電制御部と、前記電圧印加回路を操作することで、前記所定の経路に前記第1の電流とは相違する第2の電流を流す制御を行う第2通電制御部と、を備え、前記推定部は、前記第1通電制御部による制御時に前記素子温度検出部によって検出される温度、および前記流体温度検出部によって検出される温度に基づき、前記所定の経路を流れる電流の第1推定値を算出する第1推定部と、前記第2通電制御部による制御時に前記素子温度検出部によって検出される温度、および前記流体温度検出部によって検出される温度に基づき、前記所定の経路を流れる電流の第2推定値を算出する第2推定部と、を備え、前記特定部は、前記第1通電制御部による制御時に前記電流センサによって検出される電流、前記第2通電制御部による制御時に前記電流センサによって検出される電流、前記第1推定値、および前記第2推定値に基づき、前記電流センサのゲインおよびオフセットを算出する技術的思想1記載の電流センサの異常特定装置。
電流センサの異常には、正弦波電流を検出する際にその値が一律所定量(オフセット)だけ真の値からずれる異常と、正弦波電流を検出する際にその振幅が真の値からずれる(ゲインずれ)異常とが代表的である。そして、これら2つの値を特定する上では、電流センサによって検出される電流の値と推定値とが少なくとも2組必要である。
そこで上記構成では、第1通電制御部および第2通電制御部を備えることで、所定の経路に第1の電流および第2の電流を流す。これにより、電流センサによって検出される電流として2つの相違するサンプリング値を取得することができる。また、第1推定部および第2推定部を備えることで、第1推定値および第2推定値を算出することができる。そして、これらを用いることで、ゲインおよびオフセットを算出することができる。
技術的思想3:前記特定部によって特定された前記ゲインおよび前記オフセットに基づき、前記電流センサによって検出される電流を補正する補正部と、前記補正部によって補正された電流に基づき、前記回転機の制御量を制御するために前記電圧印加回路を操作する操作部と、を備える技術的思想2記載の電流センサの異常特定装置。
上記構成では、補正部において、ゲインおよびオフセットに基づき、電流センサによって検出される電流を補正する。これにより、補正された電流は、ゲインのずれおよびオフセットが低減された値となる。そして操作部では、この補正された電流に基づき回転機の制御量を制御することで、電流センサによって検出される電流を直接用いる場合と比較して、回転機の制御性を向上させることができる。
技術的思想4:前記通電制御部は、無効電流を流すものである技術的思想1〜3のいずれか1項に記載の電流センサの異常特定装置。
上記構成では、通電制御部が無効電流を流すために、通電制御部による通電時に回転機にトルクが生じない。このため、特定部による電流センサの異常状態の特定のための処理において回転機に望まれないトルクが生じる事態を回避することができる。また、回転機が停止している場合には、回転を開始することがないため、所定の経路に流れる電流を一定値とすることが容易となる。
技術的思想5:前記推定部は、前記所定の経路に接続される素子の温度、冷却流体の温度、および前記所定の経路を流れる電流の関係を定めた関係式に基づき、前記推定値を算出する技術的思想1〜4のいずれか1項に記載の電流センサの異常特定装置。
上記構成では、上記関係式に基づき推定値が算出されるため、素子の温度や冷却流体の温度が様々な値をとったとしても、推定値を算出することが容易となる。
技術的思想6:前記電圧印加回路は、各レッグの各アーム毎に、スイッチング素子を備え、前記通電制御部は、前記所定の経路に接続されるレッグの上アームのスイッチング素子および下アームのスイッチング素子のそれぞれを交互にオン操作することで前記所定の経路に通電するものであり、前記推定部は、前記推定値の算出に際し、前記上アームまたは下アームのスイッチング素子の所定期間におけるオン操作期間の比率を加味する技術的思想1〜5のいずれか1項に記載の電流センサの異常特定装置。
上記構成では、上アームのスイッチング素子および下アームのスイッチング素子のそれぞれを交互にオン操作することで所定の経路に流れる電流が調整される。このため、素子温度検出部による温度検出対象に間欠的に電流が流れ、電流が流れる期間の密度は、上記比率に応じて定まる。そして、温度検出対象の温度は、流れる電流の大きさのみならず、電流が流れる期間の密度とも正の相関を有すると考えられる。ここで、上記構成では、上記比率を加味することで、温度検出対象に電流が流れる期間の密度に応じて温度検出対象の温度が変化することを考慮して、推定値をより高精度に算出することができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるモータジェネレータの駆動回路を示す図。 同実施形態にかかる電流センサの異常検出の処理手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、異常検出の原理を示す図。 同実施形態にかかる電流センサの検出値の補正処理の手順を示す流れ図。 スイッチング素子のオン・オフの時比率を説明するタイムチャート。 第2の実施形態にかかる電流センサの検出値の補正処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、電流センサの異常特定装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるように、本実施形態にかかる車両において、内燃機関2とモータジェネレータ(MG4)とがトランスミッション6を介して前輪8に機械的に連結されている。また、モータジェネレータ(MG10)が、後輪12に機械的に連結されている。ここで、本実施形態では、MG10として、同期機を想定しており、詳しくは、表面磁石同期機(SPM)を想定している。
MG4は、直流交流変換回路(インバータ14)に接続され、MG10は、インバータ16に接続されている。インバータ14,16は、いずれもバッテリ18の電圧を交流電圧に変換する電力変換回路である。ここで、インバータ16は、冷却水22によって冷却される。なお、インバータ14についても適宜、冷却装置によって冷却されることが望ましいが、これについては記載を省略している。
制御装置20は、MG4,10を制御対象とし、インバータ14,16を操作する電子制御装置である。なお、制御装置20は、温度センサ24によって検出される冷却水の温度TCを取り込む。
図2に、MG10、インバータ16および制御装置20を図示する。
MG10は、U相、V相、およびW相のそれぞれのステータコイルCu,Cv,Cwを備え、それらが中性点によって結線されている。
インバータ16は、U相の上アームのスイッチング素子Supおよび下アームのスイッチング素子Sunの直列接続体と、V相の上アームのスイッチング素子Svpおよび下アームのスイッチング素子Svnの直列接続体と、W相の上アームのスイッチング素子Swpおよび下アームのスイッチング素子Swnの直列接続体とを備えている。これら各直列接続体を構成する上アームのスイッチング素子SHp(H=u,v,w)と、下アームのスイッチング素子SHnとの接続点がインバータ16の出力端子であり、それら出力端子にMG10の各端子が接続されている。詳しくは、スイッチング素子Supおよびスイッチング素子Svnの接続点と、スイッチング素子Svpおよびスイッチング素子Svnの接続点とのそれぞれは、リレー30,32のそれぞれを介してMG10に接続されている。一方、スイッチング素子Swpおよびスイッチング素子Swnの接続点は、MG10の端子に直接接続されている。なお、図2では、スイッチング素子SH#(#=p,n)として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を例示している。
また、スイッチング素子SH#には、ダイオードDH#が逆並列に接続されている。さらに、スイッチング素子SH#の近くには、スイッチング素子SH#やダイオードDH#の温度を検出するためのセンスダイオードSDが配置されている。なお、スイッチング素子SH#およびダイオードDH#と、それらの温度を検出するセンスダイオードSDとは、単一の筐体に収容される構成としてもよい。
制御装置20は、スイッチング素子SH#に、操作信号gH#を出力する。これにより、対応するドライブユニットUH#は、スイッチング素子SH#のゲートに印加する信号を生成し、これをゲートに印加する。これにより、スイッチング素子SH#がオン・オフ操作される。一方、ドライブユニットUH#は、センスダイオードSDに一定の電流を流す機能を有する。そして、ドライブユニットUH#は、センスダイオードSDの順方向電圧降下の値を、検出される温度TH#として、制御装置20に出力する。
また、インバータ16の出力端子のうちのU相とMG10の端子との間の配線付近には、この配線を流れる電流iuを検出する電流センサ34が配置されている。また、インバータ16の出力端子のうちのV相とMG10の端子との間の配線付近には、この配線を流れる電流ivを検出する電流センサ36が配置されている。電流センサ34,36は、たとえばカレントトランス等とすればよい。なお、本実施形態では、インバータ16からMG10に流れる電流を正と定義する。
図3に、制御装置20によって実行される電流センサ34,36の異常検出処理の手順を示す。この処理は、たとえば所定の制御周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、制御装置20は、まず、異常検出処理の実行条件が成立したか否かを判断する(S10)。ここで、実行条件には、たとえば、インバータ16を操作してMG10を稼働しているときである旨の条件が含まれる。なお、実行条件には、MG10を流れる電流の振幅が所定値以上である旨の条件を加えることが望ましい。これは、異常検出処理のS/N比を向上させるためのものである。
制御装置20は、実行条件が成立したと判断する場合(S10:YES)、d軸電流idがゼロであるか否かを判断する(S12)。そして制御装置20は、d軸電流idがゼロであると判断する場合(S12:YES)、電気角θが、図4(a)に示す位相φuvまたは「φuv+180」であるか否かを判断する(S14)。これは、U相の電流iuとV相の電流ivとが一致するタイミングであるか否かを判断するためのものである。一方、制御装置20は、d軸電流idがゼロではないと判断する場合(S12:NO)、d軸電流がゼロであるときに対するU相の電流iuとV相の電流ivとが一致する位相のずれ量である位相φ0を算出する(S16)。これは、「φ0=arctan(id/iq)」によって算出することができる。そして、制御装置20は、電気角θが、図4(b)に示す「φuv+φ0」または「φuv+φ0+180」であるか否かを判断する(S18)。この処理も、U相の電流iuとV相の電流ivとが一致するタイミングであるか否かを判断するためのものである。
制御装置20は、ステップS14またはステップS18において肯定判断する場合、電流センサ34によって検出される電流iuと電流センサ36によって検出される電流ivとの差の絶対値が、規定値Δth以上であるか否かを判断する(S20)。この処理は、電流センサ34,36に異常が生じているか否かを判断するためのものである。ここで、規定値Δthは、電流センサ34,36の検出値に許容される公差等による差を超えて異常として検出すべき差が生じている場合の値に設定される。そして、制御装置20は、規定値以上であると判断する場合(S20:YES)、電流センサ34または電流センサ36に異常があると判定する(S24)。そして、制御装置20は、異常がある旨を、図示しないインターフェースを介してユーザ等に通知する(S26)。そして、制御装置20は、図2に示したリレー30,32を開放する(S30)。これにより、インバータ16からMG10に電流が流れず、MG10は、無負荷状態となって後輪12に連れ回される。
なお、制御装置20は、ステップS30の処理が完了する場合や、ステップS10,S14,S18,S20において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
上記処理によって、電流センサ34または電流センサ36に異常が検出された場合、本実施形態では、電流センサ34,36によって検出される電流iu,ivを補正し、補正後の電流に基づきMG10を駆動するフェールセーフ処理を実行可能とする。
図5に、電流センサ34によって検出される電流iuの補正処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、異常が生じた場合、電流センサ34によって検出される電流iuのみならず、電流センサ36によって検出される電流ivについても、図5と同様の処理が実行されるが、これについてはその記載を省略する。
この一連の処理において、制御装置20は、まず電流センサ34,36の異常検出後、図示しないIGがオフ操作された時であるか否かを判断する(S40)。ここで、IGとは、車両の走行許可スイッチのことである。ただし、このスイッチは、ユーザによって操作される部材が車両内に備えられることを必ずしも意味せず、ユーザが携帯する携帯機が、車載機と通信することでオンとなるものであってもよい。ステップS40の処理は、電流センサ34によって検出される電流iuの補正値を算出する処理の実行条件が成立するか否かを判断するためのものである。
制御装置20は、ステップS40において肯定判断する場合、d軸電流の指令値id*を第1所定値id1として且つ、q軸電流の指令値iq*を「0」に設定し、MG10を流れる電流を指令値id*,iq*に開ループ制御する(S42)。ここで、第1所定値id1を、本実施形態では、U相の電流iuが正となる値に設定する。これは、U相の上アームに電流が流れる期間において、ダイオードDupではなく、スイッチング素子Supに電流が流れるようにするための設定である。
上記開ループ制御は、たとえば、電圧方程式において微分演算子の項を無視した定常状態の近似式に基づき算出される下記のdq軸の指令電圧ベクトル(vd*、vq*)を、MG10の電気角に基づき、U相、V相およびW相の電圧に変換することで実行することができる。
vd*=R・id*−ω・L・iq*
vq*=ω・L・id+R・iq*+Φ・ω
なお、上記においては、抵抗R、インダクタンスL、逆起電圧定数Φ、および電気角速度ωを用いた。
そして、制御装置20は、温度センサ24によって検出される冷却水22の温度TC1と、スイッチング素子Supの温度Tup1と、電流センサ34によって検出される電流iu1とを取得する(S44)。次に、制御装置20は、U相の電流の推定値iue1を算出する(S46)。ここでは、スイッチング素子Supの温度Tupが、その通電による発熱量に比例して、冷却水22の温度TCよりも高くなることを利用する。すなわち、スイッチング素子Supの熱抵抗と発熱量との積によって、スイッチング素子Supの温度Tupの冷却水22の温度TCに対する上昇量が定まる。そして、熱抵抗と発熱量との積は、電流に比例するため、この比例係数Kを用いると、以下の式が成立する。
Tup=TC+K・iu
したがって、冷却水22の温度TC1と、スイッチング素子Supの温度Tup1とによって、U相を流れる電流の推定値iue1は、以下の式によって算出される。
iue1=(Tup1−TC1)/K
次に、制御装置20は、d軸電流の指令値id*を第1所定値id1とは相違する第2所定値id2として且つ、q軸電流の指令値iq*を「0」に設定し、MG10を流れる電流を指令値id*,iq*に開ループ制御する(S48)。ここで、第2所定値id2についても、本実施形態では、U相の電流iuが正となる値に設定する。
そして、制御装置20は、温度センサ24によって検出される冷却水22の温度TC2と、スイッチング素子Supの温度Tup2と、電流センサ34によって検出される電流iu2とを取得する(S50)。次に、制御装置20は、U相の電流の推定値iue2を以下の式によって算出する(S52)。
iue2=(Tup2−TC2)/K
そして、制御装置20は、上記推定値iue1,iue2を基準値として、基準値に対して電流センサ34によって検出される電流iu1,iu2のずれをゲインGuおよびオフセットΔuとして下記の連立方程式を解くことで算出する(S54)。
iu1=Gu・iue1+Δu
iu2=Gu・iue2+Δu
ここで、ゲインGuは、正弦波形状の電流を検出する際に電流センサ34によって検出される電流iuの振幅の基準値に対するずれを示す係数である。また、オフセットΔuは、電流センサ34によって検出される電流iuが基準値に対して定常的にずれている場合のそのずれ量を示す。なお、電流センサ34が正常である場合(より正確には、基準値に一致する場合)には、ゲインGuは「1」となり、オフセットΔuは「0」となる。
続いて制御装置20は、ゲインGuおよびオフセットΔuを用いて電流センサ34によって検出される電流iuを補正することを条件に、電流センサ34によって検出される電流iuを用いたフェールセーフ運転を許可する(S56)。換言すれば、電流センサ34によって検出される電流iuを「(iu−Δu)/Gu」と補正することを条件に、これをMG10の制御に用いることを許可する。
なお、制御装置20は、ステップS56の処理が完了する場合や、ステップS40において否定判断する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図5の処理の作用効果を説明する。
図3に示した処理によって、電流センサ34または電流センサ36の異常が検出されると、その旨が通知されることで、車両が停止され、IGがオフされる。これにより、制御装置20は、図5に示した通電制御によってMG10に電流を流す。そして、制御装置20は、そのとき検出される電流iu,ivと、冷却水22の温度TCと、スイッチング素子Sup,Svp等の温度Tup,Tvp等に基づき、電流センサ34,36のそれぞれのゲインGu,GvおよびオフセットΔu,Δvを算出する。そして、その後、ユーザが車両を走行させる期間において、制御装置20は、MG10の駆動要求が生じると、MG10を制御する。すなわち、電流センサ34によって検出される電流iuを「(iu−Δu)/Gu」に補正し、電流センサ36によって検出される電流ivを「(iv−Δv)/Gv」に補正したものを入力として、MG10を制御する。たとえば、ベクトル制御による電流フィードバック制御を行う場合、電流iuが補正された「(iu−Δu)/Gu」と電流ivが補正された「(iv−Δv)/Gv」とをdq変換することで、d軸電流idとq軸電流iqとを算出し、これらを指令値id*およびiq*にフィードバック制御する。これにより、MG10を走行に利用することができることから、たとえば内燃機関2やMG4のみを用いる場合と比較して、リンプホーム運転をより適切に行うことが可能となる。
以上説明した本実施形態によれば、上述したもの以外にも以下に記載する作用効果が得られるようになる。
(1)ゲインGu,GvおよびオフセットΔu,Δvを算出するための通電処理において、無効電流を流した(S42,S48)。この場合、MG10にトルクが生じないため、MG10を停止状態に維持することができる。したがって、この通電処理によって、後輪12が回転する事態が生じることがない。また、電気角が変化しないことから、各相に流れる電流を一定値とすることができる。このため、冷却水22の温度TCに対するスイッチング素子Sup,Svp等の温度の上昇量を、電流センサ34,36によって検出される電流iu,ivと比例係数Kとに基づき容易に算出することができる。
(2)ゲインGu,GvおよびオフセットΔu,Δvを算出するための通電処理を、開ループ制御によって行った。電流センサ34または電流センサ36に異常が生じている場合、これらによって検出される電流iu,ivをdq変換して得られるd軸電流idおよびq軸電流iqは、真の値からずれる。このため、電流フィードバック制御を行う場合、意図せずしてq軸に電流が流れるおそれがある。これに対し、上記実施形態では、開ループ制御をすることで、電流センサ34,36の異常に起因してq軸電流が流れる事態を回避することができる。
(3)IGオフ時に、ゲインGu,GvおよびオフセットΔu,Δvを算出した。これにより、次にIGがオンとされるときまでにゲインGu,GvおよびオフセットΔu,Δvを予め算出しておくことが可能となるため、次にIGがオンとされたときに車両を迅速に発進させることが可能となる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
第1の実施形態において、無効電流を流す場合、U相のスイッチング素子Supおよびスイッチング素子Sunは、交互にオン・オフ操作され、V相のスイッチング素子Svpおよびスイッチング素子Svnも、交互にオン・オフ操作される。ここで、これについて、周知の三角波PWM処理がなされる場合を例にとって更に説明する。
図6は、U相の指令電圧Vu*と、三角波形状のキャリアSsとの大小比較に基づき、操作信号gup,gunを定める例を示している。ここでは、まずU相の指令電圧Vu*と、三角波形状のキャリアSsとの大小比較に基づき、PWM信号guが算出される。そして、PWM信号から、デッドタイムを生成することで、スイッチング素子Supの操作信号gupとスイッチング素子Sunの操作信号gunとが生成される。ここで、スイッチング素子Su#のオン・オフ操作の周期Tpwmは、キャリアSsの周期によって定まる。そして、この周期Tpwmに対するスイッチング素子Supのオン期間の比である時比率Duは、dq軸の指令電圧ベクトル(vd*、vq*)が同一であったとしても、MG10の電気角や、インバータ16の入力電圧(バッテリ18の端子電圧)に応じて変動する。すなわち、電気角に応じて、指令電圧ベクトル(vd*、vq*)を3相変換する際のU相の指令電圧Vu*が変動する。また、インバータ16の入力電圧が変動すると、U相の指令電圧Vu*の大きさが同一であったとしても、キャリアSsの大きさに対する指令電圧Vu*の相対的な大きさが変動する。
そして時比率Duが変動すると、周期Tpwmにおいてスイッチング素子Supに電流が流れる期間が変動し、ひいてはスイッチング素子Supの発熱量が変動する。こうした事情を踏まえて図5の処理によって精度のよいゲインGuおよびオフセットΔuを算出するためには、MG10の電気角や、インバータ16の入力電圧(バッテリ18の端子電圧等)に応じて、第1所定値id1や第2所定値id2の絶対値を変更する必要がある。すなわち、たとえば、スイッチング素子Supに定常的に電流を流したときの各種検出値に基づき比例係数Kを求めるのであれば、時比率Duが「1」に近い値となるように第1所定値id1および第2所定値id2を設定することが必要となる。しかし、これは、インバータ16を構成する特定のスイッチング素子SH#を流れる電流が過度に大きくなる場合には実行できない。
そこで、本実施形態では、ゲインGu,GvおよびオフセットΔu,Δvを算出する処理に、時比率Duを加味することで、こうした問題に対処する。
図7に、本実施形態にかかる電流センサ34によって検出される電流iuの補正処理の手順を示す。この処理は、制御装置20によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図7において、図5に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
図7に示す処理において、制御装置20は、ステップS44の処理が完了すると、以下の式によって、推定値iue1を算出する(S46a)。
iue1=(Tup1−TC1)/K(Du1)
ここで、比例係数Kは、時比率Duの関数であり、特に、上記の式においては、ステップS44の処理におけるスイッチング素子Supの時比率Du1によって可変設定される。詳しくは、時比率Duが大きいほど、比例係数Kは大きい値に設定される。比例係数K(Du)は、時比率Duが「1」に近づくことで、スイッチング素子Supに定常的に電流を流したときの温度TC,Tupから定めた比例係数Kに収束するように設定される。
また、制御装置20は、ステップS50の処理が完了すると、以下の式によって、推定値iue2を算出する(S52a)。
iue2=(Tup2−TC2)/K(Du2)
ここで、比例係数Kは、時比率Duの関数であり、特に、上記の式においては、ステップS50の処理におけるスイッチング素子Supの時比率Du2によって可変設定される。詳しくは、時比率Duが大きいほど、比例係数Kは大きい値に設定される。
次に、図7の処理の作用および効果について、図5の処理との相違点を説明する。
制御装置20は、ゲインGuおよびオフセットΔuを算出するための通電処理を行い、そのときの冷却水22の温度TC1、スイッチング素子Supの温度Tup1を取得する。ここで、たとえば、時比率Du1が「1」よりも小さい場合、スイッチング素子Supに定常的に電流が流れているわけではない。このため、U相を流れる電流が同一であっても、時比率Du1が小さいほど、スイッチング素子Supの温度Tup1は低くなる傾向がある。しかし、U相を流れる電流の推定値iue1を算出する処理においては、通電処理時の時比率Du1によって定まる比例係数K(Du1)を用いる。ここで、比例係数K(Du1)は、時比率Du1が大きいほど大きい値に設定される。このため、U相を流れる電流が同一であっても、時比率Du1が小さいほど、スイッチング素子Supの温度Tup1が低くなる傾向に鑑みて、推定値iue1を高精度に算出することができる。
<技術的思想と実施形態との対応>
以下、上記「課題を解決するための手段」に記載された技術的思想や同思想内の事項と、実施形態との代表的な対応関係を記載する。
回転機…10、複数の端子…Cu,Cv,Cwの端部のうち中性点ではない側、電圧印加回路…16、電圧印加回路の端子…SHpおよびSHnの接続点、素子温度検出部…SD、流体温度検出部…24、所定の経路…スイッチング素子Su#およびMG10間の経路と、スイッチング素子Sv#およびMG10間の経路
[技術的思想1:通電制御部…S42,S48、推定部…S46,S52;S46a,S52a、特定部…S54][技術的思想2:第1通電制御部…S42、第2通電制御部…S48、第1の電流…id1、第2の電流…id2、第1推定部…S46;S46a、第2推定部…S52;S52a、ゲイン…Gu、オフセット…Δu][技術的思想3:補正部…S56、操作部…20][技術的思想4:S42,S48][技術的思想5:S46,S52;S46a,S52a][技術的思想6:図7]
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「電流の推定に用いられる素子の温度について」
上記実施形態では、上アームのスイッチング素子Sup,Svpに電流を流した際のそれらの温度を用いたがこれに限らない。たとえば、下アームのスイッチング素子Sun,Svnに電流を流した際のそれらの温度を検出してもよい。また、たとえば、ステップS42,S48におけるd軸電流の符号を予め定めておき、ステップS44,S50においては、上アームのスイッチング素子SHpおよび下アームのスイッチング素子SHnのうち実際に電流が流れる方の温度を用いてもよい。
スイッチング素子SH#の温度を利用するものに限らない。たとえば、スイッチング素子Sunのオン・オフ操作によって、スイッチング素子SunおよびダイオードDupに交互にMG10に電流が流れる場合、ダイオードDupの温度を検出することによっても、上記実施形態と同様にU相を流れる電流を推定することができる。なお、この場合、ダイオードDH#とスイッチング素子SH#との導通損失の相違に鑑み、比例係数Kは、ダイオードDH#に電流を定常的に流すことで検出されるダイオードDH#の温度に基づき算出することが望ましい。
スイッチング素子SH#およびダイオードDH#のいずれか一方の温度に基づき電流を推定する代わりに、双方に基づき推定してもよい。すなわち、たとえばスイッチング素子Supのオン・オフ操作によって、スイッチング素子SupおよびダイオードDunに交互に電流が流れる場合、スイッチング素子Supの温度とダイオードDunの温度のそれぞれから推定される電流の移動平均値を最終的な推定値としてもよい。
・「電流推定手法について」
上記第1の実施形態において、比例係数Kを、「1」より小さい所定の時比率DH(H=u,v)によってスイッチング素子SH#をオン・オフ操作した場合の値としてもよい。この場合、MG10の電気角や、インバータ16の入力電圧(バッテリ18の端子電圧等)に応じて、d軸電流の指令値id*を変更することで、上記所定の時比率DHにてスイッチング素子SH#がオン・オフ操作される状態を生成するなら、推定精度を高めることができる。
上記第2の実施形態では、比例係数Kを時比率DHに応じて可変設定したが、これに限らない。たとえば、図5のステップS46,S52において算出される推定値iue1,iue2を、時比率Duに応じて補正したものを最終的な推定値としてもよい。ここで、推定値iHe1の補正は、時比率Duが大きいほど、最終的な推定値の値を大きくするものとなる。
上記第2の実施形態では、比例係数Kを時比率DHのみに応じて可変設定したが、これに限らない。たとえば比例係数Kを、時比率DHに加えて、インバータ16の入力電圧や温度検出対象となるスイッチング素子SH#に流れる電流に応じて可変設定してもよい。ここで、入力電圧や電流は、スイッチング損失を定めるパラメータであることから、これらパラメータを用いることで、スイッチング損失を加味して比例係数Kを定めることができる。
比例係数Kに基づき電流を推定するものに限らない。たとえば、素子の温度TH#および冷却水の温度TCと、電流との関係を定めた2次元マップを用いて電流を推定してもよく、またたとえば、素子の温度TH#、冷却水の温度TCおよび時比率DHと、電流値との関係を定めた3次元マップを用いて電流を推定してもよい。
2通りの電流を流すことで、ゲインGHおよびオフセットΔHを算出するものに限らない。たとえば、3通り以上の電流を流した場合のそれぞれの検出値の組に基づき、最小二乗法等に基づき、ゲインGHおよびオフセットΔHを算出してもよい。
・「所定期間におけるオン操作期間の比率を加味した推定について」
上記時比率DHを加味するものに限らない。たとえば、空間ベクトル変調をするものや、瞬時電流値制御を行うもの等にあっては、周期Tpwmに対する上アームのオン操作期間の時比率Duを定義できない。しかし、この場合であっても、時比率DHに代えて、所定期間において温度検出対象に電流が流れる期間の比率を用いることで、上記実施形態の要領で、温度検出対象に間欠的に電流が流れることを考慮しつつ電流の推定値を算出することができる。なお、上記温度検出対象に電流が流れる期間に代えて、該温度検出対象とは逆のアームに電流が流れる期間としてもよい。
・「通電部について」
開ループ制御によって通電制御するものに限らない。たとえば、電流センサ34,36によって検出される電流iu,ivから算出されるd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値にフィードバック制御してもよい。この場合、電流センサ34,36に異常があるなら、検出値が正確ではないことから、実際に流れる電流は無効電流とはならず、q軸電流についてもその絶対値がゼロよりも大きな値となりうる。このため、後輪12が回転を開始する場合には、指令値を変更することが望ましい。
無効電流を流すものに限らない。たとえばMG10のロータと後輪12とを締結および遮断するクラッチ等の締結制御部材を備える場合、MG10と後輪12との機械的な連結を遮断した状態で、トルクを生成可能な電流を流してもよい。ここで、たとえばU相の電流を一定値に制御する場合には、上記実施形態の要領でU相の推定電流を算出することができる。また、MG10に基本波電流を流す場合、その振幅値を一定とする制御をするなら、たとえば図7のS16a,S22aにおいて電流の実効値を推定することができる。
後輪12がMG10に機械的に連結される場合において、無効電流を流す前に一度、わずかに電気角を変化させるためにMG10がトルクを生成する電流をMG10に流してもよい。これにより、無効電流を流した際の温度検出対象(たとえばスイッチング素子Sup)に流れる電流の大きさが大きくなるように電気角を制御することができる。
無効電流または外部に仕事をする電流(力行制御の電流)を流すものに限らない。たとえば、シリーズハイブリッド車の発電機において、内燃機関が稼働しているときに振幅が一定の基本波電流が流れるように回生制御を行って、図7のS16a,S22aにおいて電流の実効値を推定してもよい。
・「特定部について」
たとえば、車両の走行に先立って、図5におけるステップS42〜S46の処理を行った後、電流センサ34によって検出される電流iu1と、推定値iue1との差分の絶対値が規定値以上である場合に、電流センサ34に異常があると判定してもよい。ここで、規定値は、無視できない異常が生じている状態であることを特定するための値に設定される。そしてこの場合には、異常と判定されることで、図5のステップS48以降の処理を実行することにより、ゲインGuおよびオフセットΔuを迅速に算出することが可能となる。
・「所定の経路に流れる電流を検出する電流センサについて」
インバータ16の出力端子のうちのW相とMG10の端子との間の配線(電気経路)に流れる電流を検出する電流センサを備えてもよい。この場合、電流iu,iv,iwのそれぞれを検出対象とするセンサについて、図5や図7に示した処理を実行すればよい。
たとえばインバータ16の高電位側の入力端子(スイッチング素子Sup,Svp,Swpの接続点)とバッテリ18の正極端子との間の電流を検出するものであってもよい。この場合であっても、たとえばスイッチング素子Supおよびスイッチング素子Svn,Swnに電流が流れる期間においては、図2のリレー30を備える経路に流れる電流を検出することができる。このため、図5や図7に例示したように無効電流を流す場合には、スイッチングモードが変化しないことから、電流センサの検出値が、スイッチング素子Supを流れる電流となるため、図5や図7に例示した態様で、電流センサのゲインGuやオフセットΔuを算出することも可能となる。
・「電流センサについて」
カレントトランスに限らない。たとえば、上記実施形態におけるスイッチング素子SH#に代えて、コレクタおよびエミッタを備えるメインセルと、コレクタおよびエミッタ間を流れる電流に比例する微小電流を流すサブセルとを備える半導体チップを搭載する場合、サブセルを電流センサとしてもよい。すなわち、この場合、サブセルの出力する微小電流をコレクタおよびエミッタ間を流れる電流の検出値として利用することができる。そして、たとえばU相の上アームのサブセルの出力する微小電流は、U相上アームを介してインバータ16からMG10に電流が流れる際の電流を表現する。したがって、インバータのU相から上記MG10に流れる電流を一定値とする場合には、メインセルがオンとされる期間におけるサブセルの出力する微小電流によって、MG10に流れる一定値の電流を検出することができる。
・「素子温度検出部について」
センスダイオードSDを備えるものに限らない。たとえばサーミスタを備えるものであってもよい。
・「電圧印加回路について」
スイッチング素子SH#としては、IGBTに限らず、MOS電界効果トランジスタ等であってもよい。この場合、ダイオードは、寄生ダイオードであってもよい。
単一の直流電圧源(バッテリ18)の正極とMG10の端子との間の電気経路を開閉するスイッチング素子SHpと、負極とMG10の端子との間の電気経路を開閉するスイッチング素子SHnのみが電子操作対象となるもの(2レベルインバータ)に限らない。たとえば3レベルインバータ等、多レベルインバータであってもよい。この場合であっても、開閉操作されることで電流が流れるスイッチング素子の電流と温度とを検出することで、上記実施形態と同様にして電流センサの検出値の補正値を算出することができる。
・「回転機について」
SPMに限らず、埋め込み磁石同期機(IPMSM)であってもよい。この場合、通常、d軸電流もゼロとしない制御がなされるのが一般的であることから、図3におけるステップS12〜S14の処理を削除してもよい。もっとも、図3におけるステップS12〜S14の処理は、SPMにおいても削除可能である。また、ステータコイルCu,Cv,Cwが中性点で接続されるものに限らず、たとえばΔ結線されるものであってもよい。また、3相回転機に限らず、たとえば5相回転機等、任意の多相回転機であってよい。
さらに、同期機に限らず、誘導機であってもよい。この場合であっても、誘導機の端子とインバータの出力端子との間の電気経路を流れる電流を検出する電流センサに異常が生じる場合、スイッチング素子SH#やダイオードDH#の温度の検出値と冷却流体の温度TCとに基づき電流を推定することや、推定値と電流センサの検出値とを用いて電流センサの補正量を算出することは有効である。
なお、回転機は、後輪12に機械的に連結されるものに限らず、前輪8に機械的に連結されるものであってもよい。
・「そのほか」
車両としては、ハイブリッド車に限らない。また、冷却流体としては、液体に限らず、たとえば気体であってもよい。換言すれば、空冷方式にてインバータ16を冷却してもよい。
図5や図7のステップS10における実行条件としては、電流センサ異常判定後にIGがオフ操作される旨の条件に限らない。たとえば、電流センサ異常判定後、IGオフされたのち、再度オンされる旨の条件を採用してもよい。
Δu,Δv…オフセット、φuv,φ0…位相、Gu,Gv…ゲイン、K…比例係数、Cu,Cv,Cw…ステータコイル、Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn…スイッチング素子、Dup,Dvp,Dwp,Dun,Dvn,Dwn…ダイオード、Uup,Uvp,Uwp,Uun,Uvn,Uwn…ドライブユニット、SD…センスダイオード、2…内燃機関、4…モータジェネレータ、6…トランスミッション、8…前輪、10…モータジェネレータ、12…後輪、14,16…インバータ、18…バッテリ、20…制御装置、22…冷却水、24…温度センサ、30,32…リレー、34,36…電流センサ。

Claims (6)

  1. 回転機と、前記回転機の複数の端子のそれぞれに交流電圧を印加する電圧印加回路と、前記複数の端子のそれぞれを前記電圧印加回路の端子に接続する電気経路のうち所定の経路に流れる電流を検出する電流センサと、前記電圧印加回路を構成して電流の流れを規制する素子のうち少なくとも前記所定の経路に接続される素子の温度を検出する素子温度検出部と、前記素子を冷却する冷却流体の温度を検出する流体温度検出部と、を備えたシステムに適用され、
    前記電圧印加回路を操作することで、前記所定の経路に電流を流す制御を行う通電制御部と、
    前記通電制御部による制御時に前記素子温度検出部によって検出される温度、および前記流体温度検出部によって検出される温度に基づき、前記所定の経路を流れる電流の推定値を算出する推定部と、
    前記通電制御部による制御時に前記電流センサによって検出される電流と、前記推定値との乖離に基づき、前記電流センサの異常状態を特定する特定部とを備える電流センサの異常特定装置。
  2. 前記通電制御部は、前記電圧印加回路を操作することで、前記所定の経路に第1の電流を流す制御を行う第1通電制御部と、前記電圧印加回路を操作することで、前記所定の経路に前記第1の電流とは相違する第2の電流を流す制御を行う第2通電制御部と、を備え、
    前記推定部は、前記第1通電制御部による制御時に前記素子温度検出部によって検出される温度、および前記流体温度検出部によって検出される温度に基づき、前記所定の経路を流れる電流の第1推定値を算出する第1推定部と、前記第2通電制御部による制御時に前記素子温度検出部によって検出される温度、および前記流体温度検出部によって検出される温度に基づき、前記所定の経路を流れる電流の第2推定値を算出する第2推定部と、を備え、
    前記特定部は、前記第1通電制御部による制御時に前記電流センサによって検出される電流、前記第2通電制御部による制御時に前記電流センサによって検出される電流、前記第1推定値、および前記第2推定値に基づき、前記電流センサのゲインおよびオフセットを算出する請求項1記載の電流センサの異常特定装置。
  3. 前記特定部によって特定された前記ゲインおよび前記オフセットに基づき、前記電流センサによって検出される電流を補正する補正部と、
    前記補正部によって補正された電流に基づき、前記回転機の制御量を制御するために前記電圧印加回路を操作する操作部と、を備える請求項2記載の電流センサの異常特定装置。
  4. 前記通電制御部は、無効電流を流すものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電流センサの異常特定装置。
  5. 前記推定部は、前記所定の経路に接続される素子の温度、冷却流体の温度、および前記所定の経路を流れる電流の関係を定めた関係式に基づき、前記推定値を算出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電流センサの異常特定装置。
  6. 前記電圧印加回路は、各レッグの各アーム毎に、スイッチング素子を備え、
    前記通電制御部は、前記所定の経路に接続されるレッグの上アームのスイッチング素子および下アームのスイッチング素子のそれぞれを交互にオン操作することで前記所定の経路に通電するものであり、
    前記推定部は、前記推定値の算出に際し、前記上アームまたは下アームのスイッチング素子の所定期間におけるオン操作期間の比率を加味する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電流センサの異常特定装置。
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