JP2010183702A - インバータの制御装置 - Google Patents

インバータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010183702A
JP2010183702A JP2009023887A JP2009023887A JP2010183702A JP 2010183702 A JP2010183702 A JP 2010183702A JP 2009023887 A JP2009023887 A JP 2009023887A JP 2009023887 A JP2009023887 A JP 2009023887A JP 2010183702 A JP2010183702 A JP 2010183702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
dead time
inverter
control
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009023887A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukonwimonman Pontep
スコンウイモンマン ポンテップ
Kazuhito Hayashi
和仁 林
Masayoshi Suhama
将圭 洲濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009023887A priority Critical patent/JP2010183702A/ja
Publication of JP2010183702A publication Critical patent/JP2010183702A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P15/00Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
    • G01P15/03Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses by using non-electrical means
    • G01P15/032Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses by using non-electrical means by measuring the displacement of a movable inertial mass
    • G01P15/036Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses by using non-electrical means by measuring the displacement of a movable inertial mass for indicating predetermined acceleration values

Abstract

【課題】インバータのスイッチング制御におけるデッドタイム補償を全電流領域について適切に行なう。
【解決手段】PI演算部242は、フィードバックされたd軸およびq軸の電流偏差ΔId,ΔIqに基づく所定のPI制御演算によってd軸およびq軸の電圧指令値Vdo,Vqoを生成する。デッドタイム補償部245は、PI演算部242による本来の電圧指令値Vdo,Vqoに対して、デッドタイムの影響を補償した補償後の電圧指令値Vd♯,Vq♯を生成する。デッドタイム補償部245は、インバータ電流に含まれるリップル電流レベルに対応して定義される低電流領域におけるデッドタイム補償を、通常電流領域におけるデッドタイム補償とは異なるものとする。
【選択図】図5

Description

この発明は、インバータの制御装置に関し、より特定的には、デッドタイムを設けたスイッチング制御を実行するインバータの制御装置に関する。
従来より、直流−交流電力変換を行なうインバータにおいて、同一相の上アーム素子および下アーム素子の両方がオンして短絡状態となることを防止するために、上アーム素子および下アーム素子のオンオフ制御に所定のデッドタイムを設けることが行なわれている。さらに、デッドタイムの設定によるインバータの出力電圧変化を補償するために、インバータ制御にいわゆるデッドタイム補償を適用することが提案されている。
たとえば、特開2006−320122号公報(特許文献1)には、d−q軸変換を伴う電流フィードバックによるパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御によるインバータ制御において、デッドタイムを補償するデッドタイム補償部を設けるとともに、当該デッドタイム補償部において、d軸電流およびq軸電流から求めた電流ベクトルの大きさに基づいてデッドタイム補償量を設定することが記載されている。特に、特許文献1では、各相のパルス幅に対して、電流の大きさに応じたデッドタイム補償量が、パルス幅の変化量として設定される。
特開2006−320122号公報
デッドタイムがインバータの出力電圧に及ぼす影響は、インバータ電流の極性によって変化することが知られている。たとえば、特許文献1においても、三相電流の極性に応じてパルス幅の変化量の極性が異ならせることが記載されている。
したがって、インバータの低出力電流領域では、インバータ電流のリップル成分によって、電流の極性が頻繁に入換わることによって、通常のデッドタイム補償ではかえって制御誤差を発生させてしまうおそれが懸念される。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、インバータのスイッチング制御におけるデッドタイム補償を全電流領域について適切に行なうことである。
この発明によるインバータの制御装置は、上アーム素子および下アーム素子を含むインバータをパルス幅変調制御する制御装置であって、デッドタイム設定回路と、デッドタイム補償部とを備える。デッドタイム設定回路は、上アーム素子および下アーム素子のスイッチング制御において、同一相の上アーム素子および下アーム素子の両方がオンすることを防止するための所定のデッドタイムを設けるように構成される。デッドタイム補償部は、デッドタイムの影響によるインバータ出力電圧の変化を補償するために、パルス幅変調制御における制御量を補償するように構成される。さらに、デッドタイム補償部は、インバータ出力電流が、インバータ出力電流の最大リップル電流に対応して定められた基準電流以上である第1の電流領域および、基準電流より小さい第2の電流領域との間では、異なる補償式にそれぞれ従って制御量を補償する。
好ましくは、デッドタイム補償部は、第1の電流領域では、パルス幅変調制御に用いる搬送波の周期に対するデッドタイムの期間比を変数の1つに有する第1の関数に従って制御量の補償量を演算する一方で、第2の電流領域において、第2の関数に従って補償量を演算するように構成される。そして、第2の関数は、第1の関数において、期間比を、インバータ出力電流の基準電流を底とする対数関数値と期間比との積に置換したものに相当する。
さらに好ましくは、インバータ制御装置は、インバータ出力電流のd−q軸変換値のフィードバック制御に従ってパルス幅変調制御を実行する。そして、デッドタイム補償の対象とされる制御量は、d軸およびq軸のインバータ出力電圧指令値である。
好ましくは、基準電流は、最大リップル電流の設計値に相当する。
本発明によれば、インバータのPWM制御におけるデッドタイム補償をインバータの低電流領域を含む全電流領域について適切に行なうことができる。
本発明の実施の形態に従うインバータ制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。 本実施の形態によるインバータ制御装置によるPWM制御に従うモータ制御構成を説明するブロック図である。 図2に示したPWM変調部の動作を説明する波形図である。 デッドタイムによるインバータ出力電圧の変動を説明する概念図である。 図2に示した電圧指令生成部の構成を詳細に示すブロック図である。 デッドタイム補償前後での電圧指令を比較するベクトル図である。 基本的なデッドタイム補償を全電流領域に摘要した場合におけるインバータ電流およびインバータ出力電圧の関係を示す波形図である。 インバータ電流がリップル電流よりも十分高いレベルである場合の電流波形およびデッドタイム影響による電圧変動を示す波形図である。 インバータ電流がリップル電流と同等である場合の電流波形およびデッドタイム影響による電圧変動を示す波形図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
図1は、本発明の実施の形態に従うインバータ制御装置が適用されるモータ駆動制御システムの全体構成図である。
図1を参照して、モータ駆動制御システム100は、直流電源10と、平滑コンデンサC0と、インバータ20と、交流電動機M1と、制御装置30とを備える。
交流電動機M1は、たとえば、電動車両(ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車等の電気エネルギによって車両駆動力を発生する自動車をいうものとする)の駆動輪の駆動トルクを発生するための駆動用電動機である。あるいは、この交流電動機M1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように構成されてもよく、電動機および発電機の機能を併せ持つように構成されてもよい。さらに、交流電動機M1は、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態において、「交流電動機」は、交流駆動の電動機、発電機および電動発電機(モータジェネレータ)を含むものである。
直流電源10は、代表的には、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等の蓄電装置により構成される。なお、直流電源10とインバータ20との間に直流電圧変換を実行するためのコンバータをさらに配置してもよい。
平滑コンデンサC0は、電力線7およびアース線5に接続されて、インバータ20の直流側電圧を平滑化する。電圧センサ13は、平滑コンデンサC0の両端の電圧VH(以下、システム電圧VHとも称する)を検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
インバータ20は、電力線7およびアース線5の間に並列に設けられる、各相上下アームから成る。各相上下アームは、電力線7およびアース線5の間に直列接続された電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」と称する)。スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは、電力用バイポーラトランジスタ等のオンオフ制御(スイッチング制御)可能なデバイスを用いることができる。
U相は、上アーム素子としてのスイッチング素子Q1および下アーム素子としてのスイッチング素子Q2から構成され、V相は、上アーム素子としてのスイッチング素子Q3および下アーム素子としてのスイッチング素子Q4から構成される。同様に、W相は、上アーム素子としてのスイッチング素子Q5および下アーム素子としてのスイッチング素子Q6から構成される。スイッチング素子Q1〜Q6のオンオフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S1〜S6によって制御される。さらに、スイッチング素子Q1〜Q6にそれぞれ対応して、逆並列ダイオードD1〜D6が配置されている。
交流電動機M1は、代表的には、3相の永久磁石型同期電動機であり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中性点に共通接続されて構成される。さらに、各相コイルの他端は、インバータ20の各相上下アームのスイッチング素子の中間点と接続されている。
インバータ20は、交流電動機M1のトルク指令値が正(Trqcom>0)の場合には、平滑コンデンサC0から直流電圧が供給されると制御装置30からのスイッチング制御信号S1〜S6に応答した、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して正のトルクを出力するように交流電動機M1を駆動する。また、インバータ20は、交流電動機M1のトルク指令値が零の場合(Trqcom=0)には、スイッチング制御信号S1〜S6に応答したスイッチング動作により、直流電圧を交流電圧に変換してトルクが零になるように交流電動機M1を駆動する。これにより、交流電動機M1は、トルク指令値Trqcomによって指定された零または正のトルクを発生するように駆動される。
さらに、電動車両の回生制動時等には交流電動機M1によって発電するために、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomは負に設定される(Trqcom<0)。この場合には、インバータ20は、スイッチング制御信号S1〜S6に応答したスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧(システム電圧)を平滑コンデンサC0を介して直流電源10へ供給する。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流を制御装置30へ出力する。なお、三相電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配置すれば足りる。
回転角センサ(レゾルバ)25は、交流電動機M1のロータ回転角ANGを検出し、その検出した回転角ANGを制御装置30へ送出する。制御装置30では、回転角ANGに基づき交流電動機M1の回転数(回転速度)および角速度ω(rad/s)を算出できる。なお、回転角センサ25については、回転角ANGを制御装置30にてモータ電圧や電流から直接演算することによって、配置を省略してもよい。
制御装置30は、電子制御ユニット(ECU)により構成され、予め記憶されたプログ
ラムを図示しないCPUで実行することによるソフトウェア処理および/または専用の電子回路によるハードウェア処理により、インバータ20のスイッチング制御によって、モータ駆動制御システム100の動作を制御する。
代表的な機能として、制御装置30は、入力されたトルク指令値Trqcom、電圧センサ13によって検出されたシステム電圧VH、電流センサ24からのモータ電流iv,iw、および回転角センサ25からの回転角ANG等に基づいて、後述するPWM制御に従って、交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するようにインバータ20の動作を制御する。具体的には、インバータ20を上記のように制御するためのスイッチング制御信号S1〜S6を生成して、インバータ20へ出力する。すなわち、制御装置30は、本実施の形態によるインバータ制御装置に対応する。
制御装置30は、基本的には、電流フィードバックによるPWM制御に従って交流電動機M1を制御する。
図2は、本実施の形態によるインバータ制御装置による、PWM制御に従うモータ制御構成を説明するブロック図である。図2を含めて、以下で説明されるブロック図に記載されたモータ制御のための各機能ブロックは、制御装置30による、ハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図2を参照して、PWM制御部200は、交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、インバータ20のスイッチング制御信号S1〜S6を生成する。
PWM制御部200は、電流指令生成部210と、座標変換部220,250と、電圧指令生成部240と、PWM変調部260と、デッドタイム設定回路280とを含む。
電流指令生成部210は、予め作成されたテーブル等に従って、交流電動機M1のトルク指令値Trqcomに応じた、d軸電流指令値Idcomおよびq軸電流指令値Iqcomを生成する。
座標変換部220は、回転角センサ25によって検出される交流電動機M1の回転角ANGを用いた座標変換(3相→2相)により、電流センサ24によって検出されたv相電流ivおよびW相電流iwを基に、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
電圧指令生成部240には、d軸電流の指令値に対する偏差ΔId(ΔId=Idcom−Id)およびq軸電流の指令値に対する偏差ΔIq(ΔIq=Iqcom−Iq)が入力される。電圧指令生成部240は、d軸電流偏差ΔIdおよびq軸電流偏差ΔIqのそれぞれについて、所定ゲインによるPI(比例積分)演算を行なって制御偏差を求め、この制御偏差に応じたd軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯を生成する。
座標変換部250は、交流電動機M1の回転角ANGを用いた座標変換(2相→3相)によって、d軸電圧指令値Vd♯およびq軸電圧指令値Vq♯をU相、V相、W相の各相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。
PWM変調部260は、図3に示すように、搬送波CWと、交流電圧指令Vref(Vu,Vv,Vwを包括的に示すもの)との比較に基づき、インバータ20のスイッチング制御のためのスイッチング制御信号を生成する。なお、モータ電流Imt(相電流)については、電圧指令Vrefとは異なる位相となっている。
搬送波CWは、所定周波数の三角波やのこぎり波によって構成される。また、インバータ制御のためのPWM変調において、搬送波CWの振幅は、インバータ20の直流側電圧(システム電圧VH)に相当する。
搬送波CWの1周期がインバータ20でのスイッチング周期に相当し、各スイッチング周期内で、電圧指令Vrefと搬送波CWの電圧の高低関係が入換わるタイミングで、スイッチング素子のオンオフが切換えられる。このオンオフが入換えられる際に、同一相の上アーム素子および下アーム素子の両方がオンすると、当該相で短絡が発生してしまう。
このような上下アーム間短絡を防止するために、各スイッチング周期において、スイッチング素子のオンオフ切換時には、上アーム素子および下アーム素子の両方を確実にターンオフするためのデッドタイムが設けられる。すなわち、デッドタイムでは、上アーム素子および下アーム素子の両方にオフ指令が発せられた状態とされる。
再び図2を参照して、デッドタイム設定回路280は、PWM変調部260によって生成されたスイッチング制御信号に対して、所定期間(Td)のデッドタイムを設けるように修正を加えて、最終的なスイッチング制御信号S1〜S6を発生する。そして、インバータ20を構成するスイッチング素子Q1〜Q6が、スイッチング制御信号S1〜S6に従ってスイッチング制御されることにより、交流電動機M1に対してトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するための交流電圧が印加される。
図4は、デッドタイムによるインバータ出力電圧の変動を説明する概念図である。
図4に示されるように、電圧指令Vrefおよび搬送波CWが図3上で交差することによって発生するスイッチング素子のオンオフ切換えの際に、本来のインバータ出力電圧に対する誤差となる、デッドタイムによるパルス状の電圧変動300が発生する。周知のように、電圧変動300の極性(正負)は、そのときのモータ電流Imtの極性(正負)と反対である。すなわち、図3に示されたモータ電流Imt>0の区間では、電圧変動300は負電圧パルスと等価となり、反対に、モータ電流Imt<0の期間では、電圧変動300は正電圧パルスと等価となる。
そして、電圧パルス300を平均化した等価電圧変動310は、システム電圧と、スイッチング周期(搬送波CWの周期)に対するデッドタイムの期間比との積、すなわちVH・(Td/Tc)を振幅とする、方形波で示されることが理解される。
本実施の形態によるインバータの制御装置では、図4に示したデッドタイムによる電圧変動300を補償するために、PWM制御におけるd軸電圧指令およびq軸電圧指令を以下のように補償する。
図5は、図2に示した電圧指令生成部240の構成を詳細に示すブロック図である。
図5を参照して、電圧指令生成部240は、PI演算部242と、デッドタイム補償部245とを含む。
PI演算部242は、d軸およびQq軸の電流偏差ΔId,ΔIqに従って、所定のPI(比例演算)演算に従って、本来のd軸およびq軸の電圧指令Vdo,Vqoを生成する。すなわち、電圧指令Vdo,Vqoは、デッドタイム補償前の電圧指令値を示しており、その電圧指令振幅Vは、(Vdo2+Vqo21/2で示される。
デッドタイム補償部245は、PI演算部242によって演算された本来の電圧指令値Vdo,Vqoを、搬送波周期Tc、デッドタイムTdおよびシステム電圧VHに従って補償し、補償された電圧指令値Vd♯,Vq♯を生成する。この補償された電圧指令値Vd♯,Vq♯は、図4に示された、電圧指令生成部240から出力される電圧指令Vd♯,Vq♯に相当する。
次に、d軸およびq軸の電圧指令値に対するデッドタイム補償の演算について詳細に説明する。
図6を参照して、PI演算部242によって生成される本来の電圧指令値Vdo,Vqoによって、本来の電圧指令値についての電圧振幅Vおよび電圧位相φが示される。すなわち、電圧指令値Vdo,Vqo、電圧位相φおよび電圧振幅Vの間には、Vdo=V・sinφおよびVqo=Vcosφの関係が成立する。
一方、座標変換部220によって得られる現在のd軸電流Idおよびq軸電流Iqによって、電流振幅Iおよび電流位相θが定義される。図6から理解されるように、電流位相θは、θ=tan-1(−Id/Iq)で示される。なお、d軸電流Idおよびq軸電流Iqとしては、電流指令値IdcomおよびIqcomを用いてもよい。
デッドタイム補償部245では、電圧指令値Vdo,Vqoがデッドタイムによる電圧変動300(図4)の影響(電圧ドロップ)を受けたときの電圧指令Vdc,Vqcを演算するとともに、この際の電圧指令変化量(電圧ドロップ量)ΔVdc=Vdo−VdcおよびΔVqc=Vqo−Vqcを、d軸およびq軸電圧指令値に対するデッドタイム補償量とする。具体的には、通常の電流領域では、下記(1),(2)式に示される補償式に従って、搬送波周期Tcに対するデッドタイム期間Tdの比に基づいてデッドタイム補償量が演算される。
Figure 2010183702
補償後の電圧指令Vd♯,Vq♯は、上記電圧ドロップ量を補償するように、Vd♯=Vdo+ΔVdc,Vq♯=Vqo+ΔVqcと演算される。したがって、補償後の電圧指令振幅Vcは、下記(3)式によって示される。
Figure 2010183702
このようにすると、搬送波周期Tcに対するデッドタイム期間Tdの比に基づいて、理論的にデッドタイム補償を行なうことができる。
図7には、上記(1)〜(3)式に従う基本的なデッドタイム補償を全電流領域に適用した場合の、インバータ電流に対するインバータ出力電圧の特性が示される。
図7では、上述の基本的なデッドタイム補償を適用したインバータ制御(PWM制御)の下で、インバータ電流(実効値)を一定レートで増加させたときのインバータ出力電圧Vinvの推移(実測値)が示されている。すなわち、図7の横軸は、基本的には時間軸であるが、インバータ電流をも示している。
具体的には、インバータ出力電圧Vinvは、インバータ電流を一定レートで増大させるようにトルク指令値Trqcomを上昇させた場合における線間電圧の実効値を示している。そして、点線560は、インバータ出力電圧Vinvの推移を平均化したものに相当する。
図7中の点線510は、デッドタイムを設けないときの理論的なインバータ出力電圧(実効値)を示すものであり、点線520は、上述の基本的なデッドタイム補償によるインバータ出力電圧(実効値)の理論値を示すものである。
図7から理解されるとおり、基準電流Riよりも電流が大きい領域では、デッドタイム補償が十分に実行されている一方で、インバータ電流が基準電流Riより低い領域では、デッドタイム補償が適切ではなく、インバータ出力電圧Vinvが本来出力されるべき電圧よりも低くなっていることが理解される。
すなわち、低電流領域(たとえば、図7における基準電流Riよりも低電流の領域)と、それよりも電流が大きい領域(通常電流領域)との間では、デッドタイム影響の特性が異なることが理解される。
この現象の原因について、図8および図9を用いて説明する。
図8には、インバータ出力電流がリップル電流よりも十分高いレベルである場合の電流波形およびデッドタイム影響による電圧変動の特性が示され、その一方で、図9には、インバータ電流がリップル電流と同程度であるときの、電流波形およびデッドタイム影響による電圧変動の波形が示されている。
図8に示されるように、インバータ電流の実効値がそのリップル成分よりも十分が大きい場合には、電気角が180度変化する間にモータ電流の正負が逆転することがないため、デッドタイム影響による電圧変動の極性(正負)は、電気角1周期(360度)の半周期ずつ継続する。したがって、デッドタイム影響についても規則的であるので、上記(1)〜(3)式に従う基本的なデッドタイム補償によって、図7でのインバータ電流>Riの領域に示されたように、適切なインバータ出力電圧Vinvを得ることができる。
これに対して、図9に示されるように、インバータ電流がリップル電流と同等、あるいはそれ以下の低電流領域では、リップル電流の影響によって、インバータ出力電流の極性(正負)が頻繁に逆転する。このため、デッドタイム影響による電圧変動の極性(正負)についても頻繁に変化する。すなわち、図4に示した電圧変動300が、インバータ出力電圧に対して正のパルス電圧および負のパルス電圧のいずれとして影響するかについては、白色雑音(ホワイトノイズ)のような正規分布に従うこととなる。
このため、本実施の形態では、このようなデッドタイム影響が不規則に現われる低電流領域におけるデッドタイム補償量の算出について、通常の電流領域に適用される上述の基本的なデッドタイム補償とは異ならせることを特徴とする。
具体的には、インバータ電流(相電流)の実効値Iが、0<I<Riとなる低電流領域では、上述の式(1),(2)に代えて、下記の式(4),(5)に従って、デッドタイム補償量ΔVdc,ΔVqcが演算される。
Figure 2010183702
式(4),(5)から理解されるように、低電流領域(0<I<Ri)では、通常電流領域(I≧Ri)でのデッドタイム補償量にlogRiIを乗じた値が用いられる。0<I<1の極低電流範囲では、logRiI<0であるので、極低電流領域では、デッドタイム補償量の極性(正負)が通常電流領域とは反対となることが理解される。また、式(4),(5)は、式(1),(2)において、デッドタイム期間比Td/Tcが、(Td/Tc)・logRiIに置換されたものであることが理解される。
この結果、本発明の実施の形態によるインバータ制御装置では、デッドタイム補償後の電圧指令振幅Vcは、電流I=0のときはVc=0となる一方で、I>Riの通常電流領域では、上記(3)式に従ったものとなる。
さらに、式(4),(5)に従ってデッドタイム補償が行なわれる低電流領域(0<I<Ri)では、デッドタイム補償後の電圧指令振幅Vcは式(6)に従ったものとなる。
Figure 2010183702
式(6)についても、式(3)において、デッドタイム期間比Td/Tcが、(Td/Tc)・logRiIに置換されたものであることが理解される。
式(4)〜(6)に示すように、対数関数に従ってデッドタイム補償量を修正することにより、図7に示した低電流領域でのインバータ出力電圧Vinvが解消されるように、デッドタイム補償を行うことが可能となる。
なお、基準電流Riは、上述のように、インバータ電流に含まれるリップル電流(最大値)に関連する値となる。基準電流Riは、図7に示した実験結果から設定してもよいが、搬送波周波数および交流電動機M1のモータ定数等からリップル電流振幅が理論的に計算できる場合には、その計算値(すなわち設計値)に基づいて設定することも可能である。
以上説明したように本実施の形態によるインバータの制御装置によるデッドタイム補償では、インバータ電流に含まれるリップル電流レベルに対応して定義される低電流領域におけるデッドタイム補償を、通常電流領域とは異なるものとすることによって、全電流領域についてインバータのスイッチング制御におけるデッドタイム補償を適切に行なうことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 アース線、7 電力線、10 直流電源、13 電圧センサ、20 インバータ、24 電流センサ、25 回転角センサ、30 制御装置、100 モータ駆動制御システム、200 PWM制御部、210 電流指令生成部、220,250 座標変換部、240 電圧指令生成部、242 PI演算部、245 デッドタイム補償部、260 PWM変調部、280 デッドタイム設定回路、300 電圧変動(デッドタイム影響)、310 等価電圧変動、510 インバータ出力電圧理論値(デッドタイム補償無)、520 インバータ出力電圧理論値(デッドタイム補償後)、560 インバータ出力電圧(平均値)、ANG モータ回転角、C0 平滑コンデンサ、CW 搬送波、D1〜D6 逆並列ダイオード、Id d軸電流、Idcom d軸電流指令値、Iqcom q軸電流指令値、Iq q軸電流、Iqcom q軸電流指令値、iu,iv,iw(Imt) 三相電流(モータ電流)、M1 交流電動機、Q1〜Q6 スイッチング素子、Ri 基準電流、S1〜S6 スイッチング制御信号、Tc 搬送波周期、Trqcom トルク指令値、V 電圧指令振幅(デッドタイム補償前)、Vc 電圧指令振幅(デッドタイム補償後)、Vdo d軸電圧指令値(デッドタイム補償前)、Vd♯ d軸電圧指令値(デッドタイム補償後)、VH システム電圧、Vinv インバータ出力電圧、Vqo q軸電圧指令値(デッドタイム補償前)、Vq♯ q軸電圧指令値(デッドタイム補償後)、Vu,Vv,Vw(Vref) 各相電圧指令(交流電圧指令)、ΔId d軸電流偏差、ΔIq q軸電流偏差、ΔVdc,ΔVqc デッドタイム補償量、θ 電流位相、φ 電圧位相、ω 角速度。

Claims (4)

  1. 上アーム素子および下アーム素子を含むインバータをパルス幅変調制御する制御装置であって、
    前記上アーム素子および前記下アーム素子のスイッチング制御において、同一相の前記上アーム素子および前記下アーム素子の両方がオンすることを防止するための所定のデッドタイムを設けるように構成されたデッドタイム設定回路と、
    前記デッドタイムの影響によるインバータ出力電圧の変化を補償するために、前記パルス幅変調制御における制御量を補償するように構成されたデッドタイム補償部とを備え、
    前記デッドタイム補償部は、
    インバータ出力電流が、前記インバータ出力電流の最大リップル電流に対応して定められた基準電流以上である第1の電流領域および、前記基準電流より小さい第2の電流領域との間では、異なる補償式にそれぞれ従って前記制御量を補償する、インバータの制御装置。
  2. 前記デッドタイム補償部は、前記第1の電流領域では、前記パルス幅変調制御に用いる搬送波の周期に対する前記デッドタイムの期間比を変数の1つに有する第1の関数に従って前記制御量の補償量を演算する一方で、前記第2の電流領域において、第2の関数に従って前記補償量を演算するように構成され、
    前記第2の関数は、前記第1の関数において、前記期間比を、前記インバータ出力電流の前記基準電流を底とする対数関数値と前記期間比との積に置換したものに相当する、請求項1記載のインバータの制御装置。
  3. 前記インバータ制御装置は、前記インバータ出力電流のd−q軸変換値のフィードバック制御に従って前記パルス幅変調制御を実行し、
    前記制御量は、d軸およびq軸のインバータ出力電圧指令値である、請求項1または2記載のインバータの制御装置。
  4. 前記基準電流は、前記最大リップル電流の設計値に相当する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインバータの制御装置。
JP2009023887A 2009-02-04 2009-02-04 インバータの制御装置 Withdrawn JP2010183702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009023887A JP2010183702A (ja) 2009-02-04 2009-02-04 インバータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009023887A JP2010183702A (ja) 2009-02-04 2009-02-04 インバータの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010183702A true JP2010183702A (ja) 2010-08-19

Family

ID=42764778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009023887A Withdrawn JP2010183702A (ja) 2009-02-04 2009-02-04 インバータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010183702A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140225537A1 (en) * 2013-02-08 2014-08-14 Denso Corporation Control apparatus for ac motor
JP2017073866A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 株式会社豊田自動織機 車載用電動圧縮機
JP2018191450A (ja) * 2017-05-09 2018-11-29 トヨタ自動車株式会社 駆動装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140225537A1 (en) * 2013-02-08 2014-08-14 Denso Corporation Control apparatus for ac motor
JP2014155335A (ja) * 2013-02-08 2014-08-25 Denso Corp 交流電動機の制御装置
US9590551B2 (en) * 2013-02-08 2017-03-07 Denso Corporation Control apparatus for AC motor
JP2017073866A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 株式会社豊田自動織機 車載用電動圧縮機
KR101854530B1 (ko) * 2015-10-06 2018-05-03 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 차재용 전동 압축기
US10202022B2 (en) 2015-10-06 2019-02-12 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Electrically-driven compressor for vehicle
JP2018191450A (ja) * 2017-05-09 2018-11-29 トヨタ自動車株式会社 駆動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4329880B1 (ja) 交流電動機の制御装置および電動車両
JP4604820B2 (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP5133834B2 (ja) 交流電動機の制御装置
US8866435B2 (en) Control device and control method for power control unit
JP4706324B2 (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP5299439B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP4329855B2 (ja) 交流モータの制御装置および交流モータの制御方法
WO2010047221A1 (ja) 交流電動機の制御装置および制御方法
JP5633639B2 (ja) 電動機の制御装置およびそれを備える電動車両、ならびに電動機の制御方法
JP5633650B2 (ja) 車両および車両の制御方法
JP2007159368A (ja) モータ駆動システムの制御装置
US9590551B2 (en) Control apparatus for AC motor
JP2012120360A (ja) 回転機の制御装置
JP5369630B2 (ja) 交流電動機の制御装置
JP2006311768A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP2010119268A (ja) インバータの異常検出装置および異常検出方法
JP5720644B2 (ja) 車両
JP5955761B2 (ja) 車両の制御装置
JP2008048505A (ja) 3相回転機の制御装置
JP2011067010A (ja) 車両のモータ駆動装置
JP2011019302A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP2010200527A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP2009201250A (ja) モータの制御装置
JP2010183702A (ja) インバータの制御装置
JP2017093218A (ja) 交流電動機の制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120501