JP2021015056A - 電源装置と電流センサの故障判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品コストを削減して、電流センサの故障を判定する。【解決手段】電源装置は、電池1の電流を検出する電流センサ2と、電池1に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子3の温度を検出する温度センサ4と、温度センサ4の検出温度で電池1の電流を制御する演算部5とを備え、演算部5が、電流センサ2の検出電流と温度センサ4の検出温度から電流センサ2の故障を判定している。【選択図】図1
Description
本発明は、電池の電流を検出する電流センサを備える電源装置と、この電源装置が備える電流センサの故障判定方法に関する。
充電できる電池を電源とする電源装置は、電池の残容量をあらかじめ設定している範囲に維持するように充放電をコントロールして、電池の劣化を防止し、安全性を向上している。電池の過充電や過放電が、電池の劣化を促進して、安全性を低下させる原因となるからである。電池の残容量は、電池を充電し、また放電する電流を積算して演算される。したがって、電池の残容量を正確に演算するために、電池の充放電電流を電流センサで正確に検出する必要がある。電流センサが故障して電池電流を正確に検出できない状態では、電流値を積算して演算される電池の残容量は正確に特定できない。残容量で電池の充放電をコントロールする電源装置は、残容量の誤差が電池の過充電や過放電の原因となって、電池を劣化し、また安全性を阻害する。
電流センサの故障判定は、複数の電流センサを設けて、各々の電流センサの検出値を比較して解消できる。ただ、複数の電流センサを設ける回路構成では部品コストが高くなる欠点がある。
電流センサの故障判定は、複数の電流センサを設けて、各々の電流センサの検出値を比較して解消できる。ただ、複数の電流センサを設ける回路構成では部品コストが高くなる欠点がある。
電源装置に装備する部品を電流センサの一部の部品に併用して、電流センサの誤算を判定する装置は開発されている。(特許文献1参照)
特許文献1の装置は、電流センサの誤算を判定するための回路を備える。誤算を判定する回路は、電流センサと直列に接続しているヒューズを電流検出抵抗に兼用して電流を検出する。ヒューズは流れる電流と電気抵抗の積に比例する電圧降下が発生するので、ヒューズ両端の検出電圧から電池の電流を演算できる。電流センサの誤算を判定する回路は、電流センサの検出する電流と、ヒューズ両端の電圧から演算する電流値とを比較して、電流センサの誤算を判定する。この装置は、誤算を判定する回路が、ヒューズを電流検出抵抗に兼用するので、電流を検出するために専用の電流検出抵抗を設ける必要がなく、部品コストを削減できる。しかしながら、誤算を判定する回路は、ヒューズの両端の電圧を増幅する差動アンプなどの部品を省略できず、十分なコストダウンは期待できない。
本発明は、さらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、部品コストを削減して、電流センサの故障を判定できる方法と電源装置を提供することにある。
本発明のある態様に係る電源装置は、電池の電流を検出する電流センサと、電池に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子の温度を検出する温度センサと、温度センサの検出温度で電池の電流を制御する演算部とを備え、演算部が、電流センサの検出電流と温度センサの検出温度から電流センサの故障を判定している。
本発明のある態様に係る電流センサの故障判定方法は、電池の電流を電流センサで検出し、電池に接続されて流れる電流で温度が変化する発熱素子の温度を温度センサで検出し、温度センサの検出温度で電池の電流を制御する演算部でもって、電流センサの検出電流と、温度センサが検出する発熱素子の検出温度から電流センサの故障を判定する。
以上の電源装置と電流センサの故障判定方法は、部品コストを相当に削減しながら、電流センサの故障を判定できる。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
本発明の第1の実施形態に係る電源装置は、電池の電流を検出する電流センサと、電池に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子の温度を検出する温度センサと、温度センサの検出温度で電池の電流を制御する演算部とを備え、演算部が、電流センサの検出電流と温度センサの検出温度から電流センサの故障を判定している。
以上の電源装置は、電池に流れる電流を検出する電流センサの故障を、電池に接続されて、流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子の温度を検出する温度センサの検出温度で判定する。この電源装置は、電流センサの故障を判定するために専用の回路を設ける必要がない。発熱素子は、電池に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱するので、電流センサが検出する電流をパラメーターとして温度が変化する。電池の電流が増加して、電流センサの検出電流が増加する状態において、発熱素子の電流も増加してジュール熱で発熱する。たとえば、電池と直列に接続される発熱素子は、電流センサの検出電流に相当する電流が流れる。発熱素子は流れる電流のジュール熱で発熱し、発熱量は流れる電流の自乗と内部抵抗の積に比例する。このため、発熱素子の温度上昇は、流れる電流で特定され、電流センサの検出電流をパラメーターとして変化する。このことから、電流センサの検出電流と、発熱素子の検出温度とは特定の相関関係があり、電流センサの検出電流が増加すると、温度センサが検出する発熱素子の検出温度も高くなる。したがって、発熱素子の検出温度が高くなる状態では、電流センサの検出電流も大きくなるので、発熱素子の検出温度から電流センサに流れる電流、すなわち検出電流を演算して推定できる。電流センサが正常に動作する状態で、推定電流と検出電流はほぼ等しくなるので、推定電流を電流センサの検出電流に比較して、電流センサの故障を判定できる。正常に動作する電流センサの検出電流は、検出温度から推定した推定電流を含む所定の範囲に含まれるからである。
演算部は、検出温度で電池の電流を演算する演算回路を備えるので、この演算回路にソフトウエアを付加して、電流センサの検出電流から発熱素子の推定温度を演算し、推定温度と温度センサの検出温度を比較して、電流センサの故障を判定し、あるいは演算部が、発熱素子の検出温度から電池の推定電流を演算して、推定電流と検出電流とを比較して、電流センサの故障を判定できる。電流センサが正常に動作する状態で、推定温度と検出温度はほぼ等しく、また推定電流と検出電流とがほぼ等しくなるからである。推定温度の演算や推定電流の演算は、演算部に設けている演算回路にソフトウエアを追加して処理できるので、この演算のために演算部が専用の回路を設ける必要はない。
本発明の第2の実施形態に係る電源装置は、演算部が、電流センサの検出電流から発熱素子の推定温度を演算し、推定温度と温度センサの検出温度とを比較して、電流センサの故障を判定している。
本発明の第3の実施形態に係る電源装置は、演算部が、検出電流に対する発熱素子の推定温度をルックアップテーブル又は関数として記憶しており、記憶するルックアップテーブル又は関数に基づいて、検出電流から推定温度を演算している。
本発明の第4の実施形態に係る電源装置は、演算部が、温度センサの検出温度から電池の推定電流を演算し、推定電流と電流センサの検出電流とを比較して、電流センサの故障を判定している。
本発明の第5の実施形態に係る電源装置は、演算部が、検出温度に対する推定電流をルックアップテーブル又は関数として記憶し、記憶するルックアップテーブル又は関数に基づいて、検出温度から推定電流を演算している。
本発明の第6の実施形態に係る電源装置は、発熱素子を、電池と直列に接続されて電池の電流を制御する半導体素子と、電池のいずれかとしている。
本発明の第7の実施形態に係る電流センサの故障判定方法は、電池の電流を電流センサで検出し、電池に接続されて流れる電流で温度が変化する発熱素子の温度を温度センサで検出し、温度センサの検出温度で電池の電流を制御する演算部でもって、電流センサの検出電流と、温度センサが検出する発熱素子の検出温度から電流センサの故障を判定する。
本発明の第8の実施形態に係る電流センサの故障判定方法は、演算部でもって、電流センサの検出電流から発熱素子の推定温度を演算し、演算する推定温度と発熱素子の検出温度とを比較して、電流センサの故障を判定する。
本発明の第9の実施形態に係る電流センサの故障判定方法は、演算部が、検出電流に対する発熱素子の推定温度をルックアップテーブル又は関数として記憶し、記憶するルックアップテーブル又は関数に基づいて、検出電流から推定温度を演算する。
本発明の第10の実施形態に係る電流センサの故障判定方法は、演算部でもって、発熱素子の検出温度から電池の推定電流を演算し、演算する推定電流と電流センサの検出電流とを比較して、電流センサの故障を判定する。
本発明の第11の実施形態に係る電流センサの故障判定方法は、演算部が、検出温度に対する推定電流をルックアップテーブル又は関数として記憶し、記憶するルックアップテーブル又は関数に基づいて、検出温度から推定電流を演算する。
本発明の第12の実施形態に係る電流センサの故障判定方法は、発熱素子を、電池と直列に接続されて電池の電流を制御する半導体素子、又は電池としている。
(実施の形態1)
図1のブロック図に示す電源装置100は、充電できる電池1と、この電池1に接続されて電池1の充放電の電流を検出する電流センサ2と、電池1に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子3の温度を検出する温度センサ4と、温度センサ4が検出する発熱素子3の検出温度で電池1の充放電の電流を制御する演算部5とを備える。
本明細書において「発熱素子3」は、流れる電流で発熱する素子であって、以下の実施態様においては、電池1と直列に接続している半導体素子6と電池1である。
図1のブロック図に示す電源装置100は、充電できる電池1と、この電池1に接続されて電池1の充放電の電流を検出する電流センサ2と、電池1に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子3の温度を検出する温度センサ4と、温度センサ4が検出する発熱素子3の検出温度で電池1の充放電の電流を制御する演算部5とを備える。
本明細書において「発熱素子3」は、流れる電流で発熱する素子であって、以下の実施態様においては、電池1と直列に接続している半導体素子6と電池1である。
図1の電源装置100はパック電池であるが、本発明は電源装置100をパック電池に限定するものでなく、充電できる電池1から負荷に電力を供給し、また外部から充電されるすべての電源として使用できる。
図の電源装置100は、電池1の充放電の電流を電流センサ2で検出し、演算部5が検出電流を積算して電池1の残容量を演算する。演算部5は、電池1の残容量で電池1の充放電を制御して、電池1の過充電や過放電を防止する。過充電や過放電が電池1の電気特性を低下して安全性を低下させる原因となるからである。さらに、図の電源装置100の演算部5は、電池1の電流に加えて、電池電圧も検出して、残容量を補正する。演算部5は、電池電圧が満充電電圧まで上昇すると満充電と判定し、最低電圧まで低下すると完全に放電されたと判定して、電流の積算値の残容量を補正する。
演算部5は、発熱素子3の温度を検出する温度センサ4の検出温度を演算して、電池1の充放電の電流を制御する。発熱素子3は、電池1の電流で温度が変化する素子で、図の発熱素子3は、電池1と直列に接続している半導体素子6である。半導体素子6はFETで、電池1の充電電流を制御する充電FET6Aと放電を制御する放電FET6Bからなる。充電FET6Aと放電FET6Bは直列に接続されて、電池1の出力側に接続される。充電FET6Aは、充電している電池1の残容量や電圧で電流をコントロールし、電池1が満充電されると電流を遮断して電池1の過充電を防止する。放電FET6Bは、放電している電池1の温度や残容量で電流をコントロールし、電池1が完全に放電されると電流を遮断して電池1の過放電を防止する。充電FET6Aと放電FET6Bは演算部5で制御されて、電池1の充放電電流をコントロールする。
さらに、演算部5は、発熱素子3である半導体素子6や電池1の温度が最高温度まで上昇すると、放電FET6B又は充電FET6Aを制御して電池1の電流を遮断し、あるいは抑制する。放電FET6Bと充電FET6Aは、オン状態からオフ状態に切り換えられて電池1の電流を遮断し、所定の周期でオンオフに切り換えられるデューティーを変更して、電池1の電流を制御する。
電流センサ2は、電池1と直列に接続している電流検出抵抗2Aと、電流検出抵抗2Aの両端に誘導される電圧を増幅して演算部5に出力する差動アンプ2Bとを備える。差動アンプ2Bで電流検出抵抗2Aの両端に誘導される電圧を増幅して演算部5に出力する電流センサ2は、電流検出抵抗2Aの電気抵抗を小さくして、電流検出抵抗2Aの電力ロスを小さくできる。演算部5は、差動アンプ2Bから入力される電圧信号を、所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換して電流値を演算する。入力される電圧をデジタル信号に変換するサンプリング周期は、たとえば1msec〜1secに設定される。演算部5は、電流検出抵抗2Aの両端に誘導される電圧(E)と、差動アンプ2Bの増幅率(α)と、電流検出抵抗2Aの電気抵抗(R)から、電流(I)を以下の式で演算する。
I=E/(α×R)
I=E/(α×R)
図1に示す温度センサ4は、発熱素子3である半導体素子6の温度を検出する。温度センサ4は、放電FET6Bと充電FET6Aを熱結合状態に固定している放熱器の温度を検出して、発熱素子3の温度を検出する。温度センサ4は、温度で電気抵抗が変化するサーミスタが適している。演算部5は、温度センサ4の電気抵抗から温度を演算する。図1の電源装置100は、流れる電流で温度が変化する発熱素子3である電池1の温度を検出する温度センサ4も備えている。温度センサ4は、サーミスタが適しているが、温度で電気抵抗が変化する全ての素子が使用できるので、サーミスタ以外の素子、たとえば、バリスタ等も使用できる。
演算部5はワンチップマイコン7を備える。ワンチップマイコン7は、差動アンプ2Bから入力される電圧から電池1の電流を検出し、温度センサ4からの入力信号で半導体素子6と電池1の温度を検出し、さらに検出する電流と電圧から電池1の残容量を演算する。ワンチップマイコン7は、入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを備える。A/Dコンバータは所定のサンプリング周期で入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。演算部5は、デジタル信号を演算して、電池1の電流と、電池1の残容量と、半導体素子6と電池1の温度とを演算し、演算した結果で放電FET6Bや充電FET6Aをコントロールする。ワンチップマイコン7は、記憶しているソフトウエアのフローチャートに従って演算処理する。
演算部5は、半導体素子6を制御して電池1を充放電する電流をコントロールして電池1を保護する。電池1に接続している発熱素子3は、流れる電流のジュール熱で発熱して温度上昇する。発熱素子3の異常な温度上昇は故障の原因となる。発熱素子3を異常な温度上昇から保護するために、発熱素子3の温度を温度センサ4で検出している。温度センサ4の検出温度は演算部5に入力される。演算部5は検出温度で発熱素子3に流れる電流をコントロールして、発熱素子3を異常な温度上昇から保護する。
演算部5は、発熱素子3を保護するために設けている温度センサ4を利用して電流センサ2の故障を判定する。演算部5は、装備するワンチップマイコン7等のソフトウエアが以上の処理をする。この演算部5は、ソフトウエアを記憶するメモリ(図示せず)も備える。以上の電源装置100は、専用の回路や部品を追加して電流センサ2の故障を判定することなく、電池1やその他のパーツの保護素子として装備する温度センサ4と演算部5を利用して電流センサ2の故障を判定する。
演算部5は、温度センサ4の検出温度から電流センサ2の故障を判定する。温度センサ4は、発熱素子3の保護用として設けている部品であって、電流センサ2の故障を判定する専用部品ではない。発熱素子3をFETなどの半導体素子6とする電源装置100は、発熱素子3であるFETが異常な高温で故障するのを防止するために、FETの温度を検出する温度センサ4を備える。また、充電できる電池1を備える電源装置100は、電池1が異常な高温になって電気特性が低下するのを防止するために、電池温度を検出する温度センサ4を設けている。演算部5も温度センサ4と同様に、温度センサ4の検出温度で電流センサ2の故障を判定するために設けた専用の部品ではない。演算部5は、電池1の過充電や過放電を防止し、また半導体素子6を制御して電池1や半導体素子6を保護するために設けた部品で、この演算部5を温度センサ4の検出温度による電流センサ2の故障判定に兼用する。
演算部5は、あらかじめメモリに記憶しているソフトウエアに従って演算処理し、電流センサ2や温度センサ4から入力される信号で半導体素子6をコントロールして電池1や発熱素子3を保護する。発熱素子3は、この演算部5にソフトウエアを追加して、温度センサ4の検出温度で電流センサ2の故障を判定する。このために、電源装置100は、電流センサ2の故障判定に、特定の部品を追加することなく、保護用に装備する温度センサ4と演算部5を利用して電流センサ2の故障を判定する。
演算部5が、温度センサ4の検出温度で電流センサ2の故障を判定できるのは、電池1に流れる電流が発熱素子3に流れて、この電流のジュール熱で発熱素子3が発熱するからである。ジュール熱で発熱する発熱素子3は、電池1の電流が大きくなると温度上昇し、反対に電池1の電流が減少すると温度が低下するので、電流センサ2の検出電流と、温度センサ4の検出温度との相関関係が成立する。演算部5は、電流センサ2と温度センサ4の相関関係を、ルックアップテーブルや関数としてメモリに記憶している。演算部5は、検出温度から推定電流を演算する相関関係をメモリに記憶し、あるいは、検出電流から発熱素子3の推定温度を演算する相関関係をメモリに記憶している。
図2は、電池1を充放電する電流で発熱素子3であるFETの温度が変化する特性を示すグラフである。この図の実線は、常温において、発熱素子3である半導体素子6のFET温度の電流に対する特性を示している。発熱素子3の温度は、周囲温度によっても変化する。電源装置100は、使用される用途によって、使用される環境における温度範囲が異なる。図2の鎖線は、使用される環境における周囲温度を0℃〜50℃として、最高温度(50℃)と最低温度(0℃)における発熱素子3の電流に対する温度特性を示している。図の鎖線Aは、周囲温度を最高温度(50℃)とする状態における発熱素子3の電流に対する特性である最高閾値を示し、鎖線Bは、周囲温度を最低温度(0℃)とする状態における最低閾値を示している。この温度範囲で使用される電源装置100の発熱素子3は、流れる電流によって変化し、電流センサ2が正常に動作する状態において、電池電流が変化する状態で、発熱素子3の温度は、最高閾値Aと最低閾値Bの間の温度となる。演算部5は、電池1の電流から温度センサ4の推定温度を演算する相関関係として、最高閾値Aと最低閾値Bをルックアップテーブルや関数としてメモリに記憶している。この図に示す相関関係に基づいて、電流センサ2の検出電流から、発熱素子3の推定温度を最高閾値Aと最低閾値Bの間の温度を演算する。演算部5は、演算された推定温度を温度センサ4の検出温度に比較し、検出温度が、最高閾値Aと最低閾値Bの間の推定温度にあると、電流センサ2は正常に動作していると判定し、検出温度が推定温度の閾値の範囲外にあると、電流センサ2は正常に動作していないと判定する。
例えば、図2において、電流センサ2の検出電流がIdetect(A)、温度センサ4の検出温度がT1detect(℃)であると、検出温度が推定温度の範囲内にあるので、演算部5は電流センサ2が正常に動作していると判定する。これに対して、電流センサ2の検出電流がIdetect(A)、温度センサ4の検出温度がT2detect(℃)であると、検出温度が推定温度の範囲外にあるので、演算部5は電流センサ2が正常に動作していない判定する。
以上の電源装置100は、電流値から演算する推定温度と、温度センサ4の検出温度とを比較して電流センサ2の故障を判定するが、電源装置100は、温度センサ4の検出温度から電流センサ2に流れる推定電流を演算し、演算した推定電流を電流センサ2の検出電流に比較して、すなわち温度に代わって、電流値を比較して電流センサ2の故障を判定することもできる。
この電源装置100は、図3に示す電流−温度特性を記憶している演算部5でもって、温度センサ4の検出温度から電流センサ2に流れる推定電流を演算する。この電源装置100の演算部5は、温度センサ4の検出温度から推定電流を演算する相関関係として、最高閾値Bと最低閾値Aをルックアップテーブルや関数としてメモリに記憶している。演算部5は、メモリに記憶するこの図に示す相関関係に基づいて、温度センサ4の検出温度から、電流センサ2の推定電流を最高閾値Bと最低閾値Aの間の電流として演算する。演算部5は、演算された推定電流を電流センサ2の検出電流に比較し、電流センサ2の検出電流が、最高閾値Bと最低閾値Aの間の推定電流にあると、電流センサ2は正常に動作していると判定し、検出電流が推定電流の閾値の範囲外にあると、電流センサ2は正常に動作していないと判定する。
例えば、図3において温度センサ4の検出温度がTdetect(℃)、電流センサ2の検出電流がI1detect(A)であると、検出電流が推定電流の範囲内にあるので、演算部5は電流センサ2が正常に動作していると判定する。これに対して、温度センサ4の検出温度がTdetect(℃)、電流センサ2の検出電流がI2detect(A)であると、検出電流が推定電流の範囲外にあるので、演算部5は電流センサ2が正常に動作していないと判定する。
図1の電源装置100は、半導体素子6の温度を検出する温度センサ4Aと、電池1の温度を検出する温度センサ4Bとを備える。この電源装置100は、温度センサ4が検出する半導体素子6と電池1のいずれかの温度、あるいは半導体素子6と電池1の両方の温度から電流センサ2の故障を判定することができる。半導体素子6の温度センサ4Aは、半導体素子6に熱結合状態に配置され、電池1の温度センサ4Bは電池1に直接に熱結合状態に固定され、あるいは電池1を定位置に配置している電池ホルダー(図示せず)に熱結合状態に配置されて電池1の温度を検出する。
発熱素子3である、半導体素子6と電池1の両方の温度センサ4A、4Bを備える電源装置100は、好ましくは発熱素子3である半導体素子6の温度を温度センサ4Aで検出して電流センサ2の故障を判定する。半導体素子6は、電池1に比較して熱容量が小さく、電流の変化に対して速やかに温度が変化するので、半導体素子6の検出温度で電流センサ2の故障を速やかに判定できるからである。ただ、電池1は電流が増加すると温度が上昇する発熱素子3であるので、電池1の温度を検出する温度センサ4Bで電流センサ2の故障を判定することもできる。さらに、半導体素子6と電池1の両方の温度から電流センサ2の故障を判定する電源装置100は、半導体素子6の温度を検出する温度センサ4Aが故障する状態においても、電池1の温度を検出する温度センサ4Bで電流センサ2の故障を判定できる。
本発明は、部品コストを削減しながら電流センサの故障を判定できる電源装置として、電流センサを備える種々の電源装置に好適に使用できる。
100…電源装置
1…電池
2…電流センサ
2A…電流検出抵抗
2B…差動アンプ
3…発熱素子
4、4A、4B…温度センサ
5…演算部
6…半導体素子
6A…充電FET
6B…放電FET
7…ワンチップマイコン
1…電池
2…電流センサ
2A…電流検出抵抗
2B…差動アンプ
3…発熱素子
4、4A、4B…温度センサ
5…演算部
6…半導体素子
6A…充電FET
6B…放電FET
7…ワンチップマイコン
Claims (12)
- 電池の電流を検出する電流センサと、
前記電池に接続されて流れる電流のジュール熱で発熱する発熱素子の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサで検出した検出温度で前記電池の電流を制御する演算部とを備える電源装置であって、
前記演算部が、
前記電流センサで検出した検出電流と前記温度センサで検出した検出温度から前記電流センサの故障を判定することを特徴とする電源装置。 - 請求項1に記載される電源装置であって、
前記演算部が、
前記電流センサで検出した検出電流から前記発熱素子の推定温度を演算し、
前記推定温度と前記温度センサで検出した検出温度とを比較して、
前記電流センサの故障を判定することを特徴とする電源装置。 - 請求項2に記載される電源装置であって、
前記演算部が、
検出電流に対する発熱素子の推定温度をルックアップテーブル又は関数として記憶し、
前記ルックアップテーブル又は関数に基づいて、
前記検出電流から前記推定温度を演算することを特徴とする電源装置。 - 請求項1に記載される電源装置であって、
前記演算部が、
前記温度センサで検出した検出温度から推定電流を演算し、
前記推定電流と前記電流センサで検出した検出電流とを比較して、
前記電流センサの故障を判定することを特徴とする電源装置。 - 請求項4に記載される電源装置であって、
前記演算部が、
検出温度に対する推定電流をルックアップテーブル又は関数として記憶し、
前記ルックアップテーブル又は関数に基づいて、
前記検出温度から前記推定電流を演算することを特徴とする電源装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載される電源装置であって、
前記発熱素子が、
前記電池と直列に接続されて、該電池の電流を制御する半導体素子と、
前記電池のいずれかであることを特徴とする電源装置。 - 電池の電流を電流センサで検出し、
前記電池に接続されて流れる電流で温度が変化する発熱素子の温度を温度センサで検出し、
前記温度センサで検出する検出温度で前記電池の電流を制御する演算部でもって、
前記電流センサで検出する検出電流と、
前記温度センサで検出する前記発熱素子の検出温度から前記電流センサの故障を判定することを特徴とする電流センサの故障判定方法。 - 請求項7に記載される電流センサの故障判定方法であって、
前記演算部でもって、
前記電流センサで検出する検出電流から前記発熱素子の推定温度を演算し、
前記推定温度と前記発熱素子の検出温度とを比較して、
前記電流センサの故障を判定する電流センサの故障判定方法。 - 請求項8に記載される電流センサの故障判定方法であって、
前記演算部が、
検出電流に対する前記発熱素子の推定温度をルックアップテーブル又は関数として記憶し、
前記ルックアップテーブル又は関数に基づいて、
前記検出電流から推定温度を演算することを特徴とする電流センサの故障判定方法。 - 請求項7に記載される電流センサの故障判定方法であって、
前記演算部でもって、
前記温度センサで検出する検出温度から推定電流を演算し、
前記推定電流と前記電流センサで検出する検出電流とを比較して、
前記電流センサの故障を判定する故障判定方法。 - 請求項10に記載される電流センサの故障判定方法であって、
前記演算部が、
検出温度に対する推定電流をルックアップテーブル又は関数として記憶し、
前記ルックアップテーブル又は関数に基づいて、
前記検出温度から前記推定電流を演算することを特徴とする電流センサの故障判定方法。 - 請求項7ないし11のいずれかに記載される記載される電流センサの故障判定方法であって、
前記発熱素子を、
前記電池と直列に接続されて該電池の電流を制御する半導体素子、
又は前記電池とすることを特徴とする電流センサの故障判定方法。
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JP2019130293A JP2021015056A (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | 電源装置と電流センサの故障判定方法 |
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JP2019130293A JP2021015056A (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | 電源装置と電流センサの故障判定方法 |
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JP2019130293A Pending JP2021015056A (ja) | 2019-07-12 | 2019-07-12 | 電源装置と電流センサの故障判定方法 |
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-
2019
- 2019-07-12 JP JP2019130293A patent/JP2021015056A/ja active Pending
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