JP2000152687A - ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置

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JP2000152687A
JP2000152687A JP10315035A JP31503598A JP2000152687A JP 2000152687 A JP2000152687 A JP 2000152687A JP 10315035 A JP10315035 A JP 10315035A JP 31503598 A JP31503598 A JP 31503598A JP 2000152687 A JP2000152687 A JP 2000152687A
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Japan
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brushless
motor
voltage
stator winding
inverter
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JP10315035A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Maeda
敏行 前田
Manabu Kosaka
学 小坂
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシレスDCモータの運転状態に起因する
位置信号の誤差、検出不能を解消させる。 【解決手段】 差電圧を入力として、回転子の仮の予測
位置を出力する位置検出部4aと、差電圧を入力として
予測位置の補正量を算出し、位置検出部4aから出力さ
れる予測位置に対して補正量に基づく補正を施して補正
後の予測位置を出力する位置補正部4bとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はブラシレスDCモ
ータ制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえ
ば、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモー
タの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電
圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検出し、検
出された位置信号に基づいてインバータを制御し、イン
バータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブ
ラシレスDCモータを制御する方法およびその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ブラシレスDCモータを制御
するに当たって、磁気突極を有する回転子の位置(磁極
位置)を検出し、検出された位置に基づいてインバータ
の出力波形を制御することが行われている。ここで、回
転子の位置を検出するための方法として、ロータリーエ
ンコーダを用いる方法、ホール素子などを用いる方法、
ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点電圧と固定
子巻線の端子電圧の平均値との差を用いる方法が知られ
ている。
【0003】これらの方法のうち、ロータリーエンコー
ダを用いる方法は装置全体の著しいコストアップを招い
てしまうので、ブラシレスDCモータを動力源とする家
電製品などのように、コストダウンの要求が強いものに
は適用することができない。また、ホール素子などを用
いる方法は、コンプレッサーのように高温、高圧などの
過酷な環境を生成するものに組み込むことが著しく困難
もしくは不可能である。
【0004】これらと異なり、ブラシレスDCモータの
固定子巻線の中性点電圧と固定子巻線の端子電圧の平均
値との差を用いる方法は、ロータリーエンコーダを用い
る方法、ホール素子などを用いる方法を適用することが
困難な用途であっても簡単に適用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ブラシレスD
Cモータの固定子巻線の中性点電圧と固定子巻線の端子
電圧の平均値との差を用いる方法を採用した場合であっ
ても、回転子と中性点電圧との相対的位相関係がブラシ
レスDCモータの運転条件により変動し、この変動に起
因して以下の不都合を発生させることになってしまう。
【0006】モータパラメータから最大効率となる電流
位相が分かっているにも拘わらず、最大効率制御時に
は、消費電力など他の情報により位相を調整する必要が
あり、最大効率に収束するまでに時間がかかり、ひいて
は、全体としての効率が劣化することになってしまう。
【0007】瞬間的な制御を行う際には、上記した調整
速度との関係上、電流(電圧)位相がずれてしまうた
め、脱調、効率の低下、運転の不安定化などが発生する
ことになってしまう。
【0008】また、ブラシレスDCモータの固定子巻線
の中性点電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差を
用いる方法としては、差信号のゼロクロスを検出して位
置検出信号を生成することが一般的に採用されている
が、モータ電流、回転数などの運転条件によっては中性
点電圧が乱れ、ゼロクロスが発生しなくなってしまうと
いう不都合がある。この場合には、回転子の位置検出を
行うことができず、ブラシレスDCモータが脱調してし
まうことがある。また、差信号のゼロクロスによる回転
子の位置検出を行う場合には、電気角で60°毎にしか
位置信号を得ることができないのであるから、緻密な制
御、高速な制御を行うことが困難である。
【0009】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、ブラシレスDCモータの運転状態に起因
する位置信号の誤差、検出不能を解消させることができ
るブラシレスDCモータ制御方法およびその装置を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のブラシレスD
Cモータ制御方法は、磁気突極のある回転子を有するブ
ラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固
定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置
を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータを
制御し、インバータからの出力をブラシレスDCモータ
に供給してブラシレスDCモータを制御するに当たっ
て、検出された位置信号をブラシレスDCモータの運転
条件に基づいて補正し、補正された位置信号に基づいて
インバータを制御する方法である。
【0011】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記ブラシレスDCモータの運転条件として、ブラ
シレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と固定子
巻線の端子電圧の平均値との差電圧の振幅、ブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の
端子電圧の平均値との差電圧の積分信号の振幅、ブラシ
レスDCモータの相電圧、ブラシレスDCモータの相電
流、インバータの入力側の直流電流、ブラシレスDCモ
ータの回転数から選択された少なくとも1つの値を採用
する方法である。
【0012】請求項3のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆動する
ものを採用し、前記ブラシレスDCモータの運転条件と
して、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電
圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の振幅、
ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と固
定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の積分信号の振
幅、ブラシレスDCモータの相電圧、ブラシレスDCモ
ータの相電流、インバータの入力側の直流電流、ブラシ
レスDCモータの回転数、圧縮機の吐出管温度、凝縮温
度、圧縮機の吐出管圧力、蒸発温度、圧縮機の吸入管圧
力、圧縮機の吸入管温度から選択された少なくとも1つ
の値を採用する方法である。
【0013】請求項4のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記補正を、マップ処理により行う方法である。
【0014】請求項5のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記補正を、モータモデルを用いた演算処理により
行う方法である。
【0015】請求項6のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記モータモデルとして、ブラシレスDCモータの
等価モデルを採用する方法である。
【0016】請求項7のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記モータモデルとして、近似式を実測値により同
定したものを採用する方法である。
【0017】請求項8のブラシレスDCモータ制御方法
は、前記補正を、位置信号の誤差推定結果を用いて行う
方法である。
【0018】請求項9のブラシレスDCモータ制御方法
は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモー
タの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電
圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出さ
れた位置信号に基づいてインバータを制御し、インバー
タからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラシ
レスDCモータを制御するに当たって、ブラシレスDC
モータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端
子電圧の平均値との差を表す差電圧の位相に基づいて位
置信号を検出する方法である。
【0019】請求項10のブラシレスDCモータ制御方
法は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するに当たって、ブラシレスD
Cモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の
端子電圧の平均値との差を表す差電圧の振幅に基づいて
位置信号を検出する方法である。
【0020】請求項11のブラシレスDCモータ制御方
法は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するに当たって、ブラシレスD
Cモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の
端子電圧の平均値との差を表す差電圧の位相および振幅
に基づいて位置信号を検出する方法である。
【0021】請求項12のブラシレスDCモータ制御方
法は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するに当たって、ブラシレスD
Cモータの運転条件と、ブラシレスDCモータの固定子
巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値と
の差電圧とに基づいて位置信号を検出する方法である。
【0022】請求項13のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆動す
るものを採用し、前記ブラシレスDCモータの運転条件
として、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の
電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の振
幅、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧
と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の積分信号
の振幅、ブラシレスDCモータの相電圧、ブラシレスD
Cモータの相電流、インバータの入力側の直流電流、ブ
ラシレスDCモータの回転数、圧縮機の吐出管温度、凝
縮温度、圧縮機の吐出管圧力、蒸発温度、圧縮機の吸入
管圧力、圧縮機の吸入管温度から選択された少なくとも
1つの値を採用する方法である。
【0023】請求項14のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記位置信号の検出を、マップ処理により行う方
法である。
【0024】請求項15のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記位置信号の検出を、モータモデルを用いた演
算処理により行う方法である。
【0025】請求項16のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記モータモデルとして、ブラシレスDCモータ
の等価モデルを採用する方法である。
【0026】請求項17のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記モータモデルとして、近似式を実測値により
同定したものを採用する方法である。
【0027】請求項18のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記位置信号の検出を、差電圧を用いることなく
得られた位置信号の推定結果と差電圧を用いて得られた
位置信号との差を算出し、算出された差を差電圧を用い
て得られた位置信号に対して加減算することにより行う
方法である。
【0028】請求項19のブラシレスDCモータ制御方
法は、任意の時刻における回転子の位置を検出する方法
である。
【0029】請求項20のブラシレスDCモータ制御方
法は、任意の電気角毎に回転子の位置を検出する方法で
ある。
【0030】請求項21のブラシレスDCモータ制御方
法は、任意の時刻におけるブラシレスDCモータの回転
速度をさらに検出する方法である。
【0031】請求項22のブラシレスDCモータ制御方
法は、任意の時刻における回転子の位置情報に基づいて
所望のインバータ出力波形を生成する方法である。
【0032】請求項23のブラシレスDCモータ制御方
法は、前記インバータ波形として、負荷トルク変動に対
応させて回転速度変動を減少させるものを採用する方法
である。
【0033】請求項24のブラシレスDCモータ制御装
置は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するものであって、検出された
位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて
補正し、補正された位置信号に基づいてインバータを制
御するインバータ制御手段を含むものである。
【0034】請求項25のブラシレスDCモータ制御装
置は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するものであって、ブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値との差を表す差電圧の位相に基づい
て位置信号を検出し、検出された位置信号に基づいてイ
ンバータを制御するインバータ制御手段を含むものであ
る。
【0035】請求項26のブラシレスDCモータ制御装
置は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するものであって、ブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値との差を表す差電圧の振幅に基づい
て位置信号を検出し、検出された位置信号に基づいてイ
ンバータを制御するインバータ制御手段を含むものであ
る。
【0036】請求項27のブラシレスDCモータ制御装
置は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するものであって、ブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値との差を表す差電圧の位相および振
幅に基づいて位置信号を検出し、検出された位置信号に
基づいてインバータを制御するインバータ制御手段を含
むものである。
【0037】請求項28のブラシレスDCモータ制御装
置は、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するものであって、ブラシレス
DCモータの運転条件と、ブラシレスDCモータの固定
子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値
との差電圧とに基づいて位置信号を検出し、検出された
位置信号に基づいてインバータを制御するインバータ制
御手段を含むものである。
【0038】
【作用】請求項1のブラシレスDCモータ制御方法であ
れば、磁気突極のある回転子を有するブラシレスDCモ
ータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子
電圧の平均値とに基づいて回転子の位置を検出し、検出
された位置信号に基づいてインバータを制御し、インバ
ータからの出力をブラシレスDCモータに供給してブラ
シレスDCモータを制御するに当たって、検出された位
置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補
正し、補正された位置信号に基づいてインバータを制御
するのであるから、検出された位置信号がブラシレスD
Cモータの運転状態に起因する誤差を有していても、補
正により誤差をなくすることができ、この結果、任意の
動作点でブラシレスDCモータを動作させることがで
き、また、最大効率運転への収斂時間を短縮することが
でき、さらに、瞬時制御を行う場合であっても、脱調、
効率の低下、不安定化を防止することができる。
【0039】請求項2のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記ブラシレスDCモータの運転条件とし
て、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧
と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の振幅、ブ
ラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と固定
子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の積分信号の振
幅、ブラシレスDCモータの相電圧、ブラシレスDCモ
ータの相電流、インバータの入力側の直流電流、ブラシ
レスDCモータの回転数から選択された少なくとも1つ
の値を採用するのであるから、選択された値に基づいて
誤差をなくすることができ、ひいては、請求項1と同様
の作用を達成することができる。
【0040】請求項3のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆
動するものを採用し、前記ブラシレスDCモータの運転
条件として、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性
点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の
振幅、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電
圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の積分信
号の振幅、ブラシレスDCモータの相電圧、ブラシレス
DCモータの相電流、インバータの入力側の直流電流、
ブラシレスDCモータの回転数、圧縮機の吐出管温度、
凝縮温度、圧縮機の吐出管圧力、蒸発温度、圧縮機の吸
入管圧力、圧縮機の吸入管温度から選択された少なくと
も1つの値を採用するのであるから、選択された値に基
づいて誤差をなくすることができ、ひいては、請求項1
と同様の作用を達成することができる。
【0041】請求項4のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記補正を、マップ処理により行うのである
から、請求項1から請求項3の何れかの作用に加え、演
算処理を簡素化することができる。
【0042】請求項5のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記補正を、モータモデルを用いた演算処理
により行うのであるから、請求項1から請求項3の何れ
かの作用に加え、補正処理の精度を高めることができ
る。
【0043】請求項6のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記モータモデルとして、ブラシレスDCモ
ータの等価モデルを採用するのであるから、請求項5の
作用に加え、モータモデルの設定を簡単化することがで
きる。
【0044】請求項7のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記モータモデルとして、近似式を実測値に
より同定したものを採用するのであるから、請求項5の
作用に加え、モータモデルの設定の簡単化、および設定
されたモータモデルの高精度化を両立させることができ
る。
【0045】請求項8のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、前記補正を、位置信号の誤差推定結果を用い
て行うのであるから、計算量/時間、不安定性などの不
都合を抑制し、しかもブラシレスDCモータの固定子巻
線の中性点の電圧に基づく簡単な処理で、請求項1から
請求項3の何れかと同様の作用を達成することができ
る。
【0046】請求項9のブラシレスDCモータ制御方法
であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレスD
Cモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の
端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検出
し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、ブ
ラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固
定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電圧の位相
に基づいて位置信号を検出するのであるから、位置情報
をいつでも得ることができるとともに、得られる位置情
報が正確であるから、ブラシレスDCモータの相電流/
電圧の位相制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に
行うことができる。
【0047】請求項10のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、ブ
ラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固
定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電圧の振幅
に基づいて位置信号を検出するのであるから、位置情報
をいつでも得ることができるとともに、得られる位置情
報が正確であるから、ブラシレスDCモータの相電流/
電圧の位相制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に
行うことができる。
【0048】請求項11のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、ブ
ラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固
定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電圧の位相
および振幅に基づいて位置信号を検出するのであるか
ら、位置情報をいつでも高精度に得ることができるとと
もに、得られる位置情報が正確であるから、ブラシレス
DCモータの相電流/電圧の位相制御、速度制御などを
精度よく、かつ安定に行うことができる。
【0049】請求項12のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、ブ
ラシレスDCモータの運転条件と、ブラシレスDCモー
タの固定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧
の平均値との差電圧とに基づいて位置信号を検出するの
であるから、運転条件による誤差の影響を排除して、位
置情報をいつでも高精度に得ることができるとともに、
得られる位置情報が正確であるから、ブラシレスDCモ
ータの相電流/電圧の位相制御、速度制御などを精度よ
く、かつ安定に行うことができる。
【0050】請求項13のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記ブラシレスDCモータとして圧縮機を
駆動するものを採用し、前記ブラシレスDCモータの運
転条件として、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中
性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧
の振幅、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点の
電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧の積分
信号の振幅、ブラシレスDCモータの相電圧、ブラシレ
スDCモータの相電流、インバータの入力側の直流電
流、ブラシレスDCモータの回転数、圧縮機の吐出管温
度、凝縮温度、圧縮機の吐出管圧力、蒸発温度、圧縮機
の吸入管圧力、圧縮機の吸入管温度から選択された少な
くとも1つの値を採用するのであるから、選択された値
に基づいて誤差をなくすることができ、ひいては請求項
12と同様の作用を達成することができる。
【0051】請求項14のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記位置信号の検出を、マップ処理により
行うのであるから、請求項12または請求項13の作用
に加え、演算処理を簡素化することができる。
【0052】請求項15のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記位置信号の検出を、モータモデルを用
いた演算処理により行うのであるから、請求項12また
は請求項13の作用に加え、検出処理の精度を高めるこ
とができる。
【0053】請求項16のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記モータモデルとして、ブラシレスDC
モータの等価モデルを採用するのであるから、請求項1
5の作用に加え、モータモデルの設定を簡単化すること
ができる。
【0054】請求項17のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記モータモデルとして、近似式を実測値
により同定したものを採用するのであるから、請求項1
5の作用に加え、モータモデルの設定の簡単化、および
設定されたモータモデルの高精度化を両立させることが
できる。
【0055】請求項18のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記位置信号の検出を、差電圧を用いるこ
となく得られた位置信号の推定結果と差電圧を用いて得
られた位置信号との差を算出し、算出された差を差電圧
を用いて得られた位置信号に対して加減算することによ
り行うのであるから、請求項12または請求項13の作
用に加え、正確で、かつ全領域での位置信号の検出を達
成することができる。
【0056】請求項19のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、任意の時刻における回転子の位置を検出す
るのであるから、請求項9から請求項18の何れかの作
用に加え、位置検出における時間的制約を解消すること
ができ、しかも高精度の制御を達成することができる。
【0057】請求項20のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、任意の電気角毎に回転子の位置を検出する
のであるから、請求項9から請求項18の何れかの作用
に加え、位置検出における時間的制約を解消することが
でき、しかもロータリーエンコーダと同様の機能を達成
することができる。
【0058】請求項21のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、任意の時刻におけるブラシレスDCモータ
の回転速度をさらに検出するのであるから、請求項19
の作用に加え、回転速度を利用して周波数検出器の機能
を達成することができる。
【0059】請求項22のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、任意の時刻における回転子の位置情報に基
づいて所望のインバータ出力波形を生成するのであるか
ら、請求項21の作用に加え、所望のインバータ出力波
形に基づいてブラシレスDCモータを駆動することがで
きる。
【0060】請求項23のブラシレスDCモータ制御方
法であれば、前記インバータ波形として、負荷トルク変
動に対応させて回転速度変動を減少させるものを採用す
るのであるから、請求項22の作用に加え、負荷トルク
変動に拘わらず、ブラシレスDCモータをなめらかに動
作させることができる。
【0061】請求項24のブラシレスDCモータ制御装
置であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、イ
ンバータ制御手段によって、検出された位置信号をブラ
シレスDCモータの運転条件に基づいて補正し、補正さ
れた位置信号に基づいてインバータを制御することがで
きる。
【0062】したがって、検出された位置信号がブラシ
レスDCモータの運転状態に起因する誤差を有していて
も、補正により誤差をなくすることができ、この結果、
任意の動作点でブラシレスDCモータを動作させること
ができ、また、最大効率運転への収斂時間を短縮するこ
とができ、さらに、瞬時制御を行う場合であっても、脱
調、効率の低下、不安定化を防止することができる。
【0063】請求項25のブラシレスDCモータ制御装
置であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、イ
ンバータ制御手段によって、ブラシレスDCモータの固
定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平
均値との差を表す差電圧の位相に基づいて位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
することができる。
【0064】したがって、位置情報をいつでも得ること
ができるとともに、得られる位置情報が正確であるか
ら、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相制御、
速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことができ
る。
【0065】請求項26のブラシレスDCモータ制御装
置であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、イ
ンバータ制御手段によって、ブラシレスDCモータの固
定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平
均値との差を表す差電圧の振幅に基づいて位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
することができる。
【0066】したがって、位置情報をいつでも得ること
ができるとともに、得られる位置情報が正確であるか
ら、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相制御、
速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことができ
る。
【0067】請求項27のブラシレスDCモータ制御装
置であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、イ
ンバータ制御手段によって、ブラシレスDCモータの固
定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平
均値との差を表す差電圧の位相および振幅に基づいて位
置信号を検出し、検出された位置信号に基づいてインバ
ータを制御することができる。
【0068】したがって、位置情報をいつでも高精度に
得ることができるとともに、得られる位置情報が正確で
あるから、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相
制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことが
できる。
【0069】請求項28のブラシレスDCモータ制御装
置であれば、磁気突極のある回転子を有するブラシレス
DCモータの固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線
の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置信号を検
出し、検出された位置信号に基づいてインバータを制御
し、インバータからの出力をブラシレスDCモータに供
給してブラシレスDCモータを制御するに当たって、イ
ンバータ制御手段によって、ブラシレスDCモータの運
転条件と、ブラシレスDCモータの固定子巻線の中性点
の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧とに
基づいて位置信号を検出し、検出された位置信号に基づ
いてインバータを制御することができる。
【0070】したがって、運転条件による誤差の影響を
排除して、位置情報をいつでも高精度に得ることができ
るとともに、得られる位置情報が正確であるから、ブラ
シレスDCモータの相電流/電圧の位相制御、速度制御
などを精度よく、かつ安定に行うことができる。
【0071】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のブラシレスDCモータ制御方法およびその装置の
実施の態様を詳細に説明する。
【0072】図1はこの発明のブラシレスDCモータ制
御装置の一実施態様を概略的に示すブロック図である。
【0073】このブラシレスDCモータ制御装置は、イ
ンバータ2の出力電圧を、負荷(図示せず)を駆動する
ブラシレスDCモータ3に印加している。そして、ブラ
シレスDCモータ3の各相の固定子巻線をY結線するこ
とにより得られる第2中性点電圧とインバータ2の各相
の出力端子間に抵抗をY結線することにより得られる第
1中性点電圧(固定子巻線の端子電圧の平均値)との差
電圧を入力とする位置検出回路4からの出力信号を制御
回路5に供給し、制御回路5により制御指令を生成して
インバータ2に供給している。
【0074】図2は表面磁石構造のブラシレスDCモー
タの構成を概略的に示す図であり、回転子3aの表面所
定位置に永久磁石3bが装着されてある。また、固定子
3cは、図示しない固定子巻線が巻回された多数のスロ
ット3dを有している。また、図中矢印で示されたd軸
は、永久磁石3bが発生する磁束の方向を示す軸であ
り、q軸はd軸と電気的に90°ずれた軸である。
【0075】図3は埋込磁石構造のブラシレスDCモー
タの構成を概略的に示す図であり、回転子3eの表面に
露呈しない状態で永久磁石3fが装着されてある。但
し、隣合う永久磁石3f同士の間には非磁性体3gが装
着されてあり、隣合う永久磁石3f同士の間で磁束短絡
が生じることを防止している。尚、固定子3cの構成は
図2のブラシレスDCモータと同様であるから、説明を
省略する。
【0076】図4は位置検出回路4の一例の構成を示す
ブロック図である。
【0077】この位置検出回路4は、差電圧を入力とし
て、回転子の仮の予測位置を出力する位置検出部4a
と、差電圧を入力として予測位置の補正量を算出し、位
置検出部4aから出力される予測位置に対して補正量に
基づく補正を施して補正後の予測位置を出力する位置補
正部4bとを有している。
【0078】ここで、位置検出部4aは、例えば、差電
圧のゼロクロスを検出し、検出されたゼロクロスから回
転子の予測位置を得て出力するものであり、位置補正部
4bは、例えば、図5に示すように、差電圧の振幅と差
電圧の位相誤差との関係を予め求めておき、それを打ち
消すように、位置検出部4aから出力される予測位置を
補正するものである。
【0079】上記の構成のブラシレスDCモータ制御装
置の作用は次のとおりである。
【0080】インバータ2によってブラシレスDCモー
タ3の固定子巻線に電圧を与えることにより回転磁界を
発生させ、ブラシレスDCモータ3を強制的に起動させ
る。
【0081】そして、ブラシレスDCモータ3が回転し
始めた後は、第2中性点電圧と第1中性点電圧との差電
圧が位置検出回路4に供給される。この回転位置検出回
路4においては、位置検出部4aにより回転子の仮の予
測位置を出力し、位置補正部4bにより補正量を算出し
て仮の予測位置を補正して補正後の予測位置を得て出力
する。この補正後の予測位置は誤差がなくなっているの
で、制御回路5においては、補正後の予測位置に基づい
て制御指令を生成し、インバータ2のスイッチ(図示せ
ず)を、所定の通電幅となるように制御する。
【0082】この結果、位置情報のみから、任意の動作
点でブラシレスDCモータを動作させることができる。
また、最大効率運転への収斂時間を短縮することができ
る。さらに、瞬時制御においても脱調、効率低下、不安
定化を防止することができる。図6は位置検出回路4の
他の例の構成を示すブロック図である。
【0083】この位置検出回路4が図4の位置検出回路
と異なる点は、位置補正部4bに代えて、差電圧の振
幅、差電圧の積分信号の振幅、ブラシレスDCモータの
相電流、ブラシレスDCモータの相電圧、インバータの
入力電流(DC電流)、インバータの入力電圧(DC電
圧)、ブラシレスDCモータの回転数、インバータ内部
情報{パルス幅変調(PWM)指令、回転速度など}か
ら選択された少なくとも1つの値を入力として補正量を
算出し、算出された補正量に基づいて位置検出部4aか
ら出力される仮の予測位置を補正して、補正後の予測位
置として出力する位置補正部4cを採用した点のみであ
る。
【0084】図7はDC電流と差電圧の位相誤差との関
係を示す図、図8はブラシレスDCモータの相電圧の振
幅と差電圧の位相誤差との関係を示す図である。もちろ
ん、他の値と差電圧の位相誤差との関係も、実測データ
または計算値から予め得ておくことが可能である。具体
的には、例えば、相電流からDC電流が算出でき、PW
Mのデューティから相電圧がほぼ推定でき、DC電圧を
加味することにより相電圧が高精度に推定できるので、
これらの処理を行うことにより、差電圧の位相誤差との
関係を得ることができる。また、差電圧は回転数によっ
て直線的に増大するのであるから、差電圧の積分信号の
振幅を用いることによって、回転数によらない振幅の信
号が得られ、A/D変換や信号処理系のダイナミックレ
ンジを小さくすることができるので、処理上、好都合で
ある。もちろん、差電圧の持つ情報が損なわれないこと
はいうまでもない。
【0085】したがって、この場合にも、ブラシレスD
Cモータ3が回転し始めた後において、第2中性点電圧
と第1中性点電圧との差電圧と、ブラシレスDCモータ
の運転情報とが位置検出回路4に供給され、位置検出部
4aにより回転子の仮の予測位置を出力し、位置補正部
4cにより補正量を算出して仮の予測位置を補正して補
正後の予測位置を得て出力する。この補正後の予測位置
は誤差がなくなっているので、制御回路5においては、
補正後の予測位置に基づいて制御指令を生成し、インバ
ータ2のスイッチ(図示せず)を、所定の通電幅となる
ように制御する。
【0086】この結果、位置情報およびブラシレスDC
モータの運転情報から、任意の動作点でブラシレスDC
モータを動作させることができる。また、最大効率運転
への収斂時間を短縮することができる。さらに、瞬時制
御においても脱調、効率低下、不安定化を防止すること
ができる。
【0087】もちろん、複数の運転情報を用いて補正量
を算出することが可能であり、補正量の算出精度を高め
ることができる。
【0088】図9は位置検出回路4のさらに他の例の構
成を示すブロック図である。
【0089】この位置検出回路4が図4の位置検出回路
と異なる点は、位置補正部4bに代えて、差電圧の振幅
およびブラシレスDCモータの相電流の振幅を入力とし
て補正量(補正角度)を出力する補正マップ4dと、位
置検出部4aから出力される回転子の仮の予測位置に対
して補正量を加算して補正後の予測位置を得て出力する
加算部4eとを採用した点のみである。
【0090】したがって、この場合にも、ブラシレスD
Cモータ3が回転し始めた後において、第2中性点電圧
と第1中性点電圧との差電圧の振幅と、ブラシレスDC
モータの相電流とが位置検出回路4に供給され、位置検
出部4aにより回転子の仮の予測位置を出力し、補正マ
ップ4dから補正量を出力して加算部4eにより仮の予
測位置を補正して補正後の予測位置を得て出力する。こ
の補正後の予測位置は誤差がなくなっているので、制御
回路5においては、補正後の予測位置に基づいて制御指
令を生成し、インバータ2のスイッチ(図示せず)を、
所定の通電幅となるように制御する。
【0091】この結果、位置情報およびブラシレスDC
モータの相電流から、任意の動作点でブラシレスDCモ
ータを動作させることができる。また、最大効率運転へ
の収斂時間を短縮することができる。さらに、瞬時制御
においても脱調、効率低下、不安定化を防止することが
できる。
【0092】図10は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0093】この位置検出回路4は、差電圧を入力とし
て回転子の第1の仮の予測位置を出力する第1位置検出
部41と、相電圧PWM指令および回転子位置を入力と
してモデル化された差電圧を出力するモータモデル42
と、モデル化された差電圧を入力として回転子の第2の
仮の予測位置を出力する第2位置検出部43と、第1の
仮の予測位置と第2の仮の予測位置との差を算出する差
算出部44と、予測位置どうしの差を入力としてこれを
0にする補正量(補正角度)を得て出力する補正量出力
部45と、第1の仮の予測位置から補正量を減算して補
正後の予測位置(上記回転子位置)を得て出力する減算
部46とを有している。
【0094】前記モータモデル42は、モータの等価モ
デルを利用したものであってもよく、また近似式を実測
値により同定したものであってもよい。
【0095】したがって、この場合には、実際の差電圧
から得られる第1の仮の予測位置と、モデル化された差
電圧から得られる第2の仮の予測位置との差を算出し、
この差を0とする補正量を勾配法などによって探し、こ
の補正量によって第1の仮の予測位置を補正することに
より、補正後の予測位置を得ることができる。
【0096】ただし、この構成例において、差電圧に代
えて差電圧の積分信号を採用してもよい。
【0097】図11は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0098】この位置検出回路4が図10の位置検出回
路と異なる点は、差電圧の振幅を検出する第1振幅検出
部47と、モデル化された差電圧の振幅を検出する第2
振幅検出部48と、両振幅の差を算出する差振幅算出部
49とをさらに有する点、および、補正量出力部45に
代えて、予測位置どうしの差および両振幅の差を入力と
してこれらを0にする補正量(補正角度)を得て出力す
る補正量出力部45’を採用した点のみである。
【0099】したがって、この場合には、予測位置どう
しの差のみならず両振幅の差をも用いて、これらを0に
する補正量を探すことにより、高精度の補正量を出力す
ることができ、高精度の補正後の予測位置を得ることが
できる。
【0100】なお、図10、図11の構成例において、
相電圧PWM指令に代えて、相電圧、相電流、DC電
流、回転数の少なくとも1つを採用することが可能であ
り、同様の作用を達成することができる。
【0101】次いで、モータモデルについて説明する。
【0102】例えば、ブラシレスDCモータのモータ構
造から差電圧(中性点電位差)Vmnの等価モデルを求
めると、次の式で表される。 Vmn=ω(1−k)(Lq−Ld)Icos(3θ+
φ)/2+(1/3)d{Φa(θ)+Φb(θ)+Φ
c(θ)}/dt ここで、d{Φa(θ)+Φb(θ)+Φc(θ)}/
dt=ω{(2LfLd)/3}0.5If・(9/4)
{(Lq/Ld)0.5−1}sin3θ ただし、ωは回転数、θは回転子位置、kは相互インダ
クタンスの結合係数、Ldはd軸インダクタンス、Lq
はq軸インダクタンス、Iは電流振幅、φは電流位相、
Φa(θ)はa相の永久磁石による鎖交磁束、Φb
(θ)はb相の永久磁石による鎖交磁束、Φc(θ)は
c相の永久磁石による鎖交磁束、Lfは磁石の等価自己
インダクタンス、Ifは界磁電流である。
【0103】また、k、Ld、Lq、Φa(θ)、Φb
(θ)、Φc(θ)、Lf、Ifはモータによって定ま
る機器定数で、Iは前述したように、測定などで求めら
れる。さらに、ω、φはθが求まれば算出できる。
【0104】したがって、あるθを仮定した上で、モー
タ入力電流から差電圧を算出し、実測値と比較して位置
信号の誤差を算出し、この誤差を0に収束させること
で、正確な回転子位置を求めることができる。
【0105】また、例えば、以下に示す方法によって、
モータモデルの近似式を実測値により同定することがで
きる。
【0106】モータモデルの構造の決定は、差電圧(中
性点電位差)Vmnが既知であれば 、Vmn=Asin(3θ+B) ただし、θは電気角で達成でき、差電圧(中性点電位
差)Vmnが未知であれば、振幅A、位相Bと、電気角
θ、相電圧PWM指令vd、vqの構造として達成でき
る。
【0107】後者の場合において、kをサンプル数と
し、vu、vvをそれぞれU相電圧、V相電圧とし、v
d、vqを vd=vucos(θ)+vvcos(θ−2π/3)
+(−vu−vv)cos(θ+2π/3) vq=−vusin(θ)+vvsin(θ−2π/
3)+(−vu−vv)sin(θ+2π/3) とする。
【0108】そして、例えば、次の構造を採用する。 A(k+1)=ad11vd(k)+ad12vd(k
−1)+・・・+ad1nd1vd(k−nd1)+a
d21vd2(k)+ad22vd2(k−1)+・・・
+ad2nd2vd 2(k−nd2)+・・・+adm
d1vdmd(k)+admd2vdmd(k−1)+・・
・+admdnd2vdmd(k−ndmd)+aq11
vq(k)+aq12vq(k−1)+・・・+aq1
nv1vq(k−nv1)+aq21vq2(k)+a
q22vq2(k−1)+・・・+aq2nv2vq
2(k−nv2)+・・・+aqmv1vqmv(k)+
aqmv2vqmv(k−1)+・・・+aqmvnv2
vqmv(k−nvmv)+aa11A(k)+aa12
A(k−1)+・・・+aa1na1A(k−na1)
+aa21A2(k)+aa22A2(k−1)+・・・
+aa2na2A2(k−na2)+・・・+aama
1Ama(k)+aama2Ama(k−1)+・・・+a
amanamaAma(k−nama)=θaTφa
(k) とおく。ただし、θa=(ad11・・・aamana
ma)T、φa(k)={vd(k)・・・Ama(k−
nama)}T B(k+1)=bd11vd(k)+bd12vd(k
−1)+・・・+bd1nd1vd(k−nd1)+b
d21vd2(k)+bd22vd2(k−1)+・・・
+bd2nd2vd 2(k−nd2)+・・・+bdm
d1vdmd(k)+bdmd2vdmd(k−1)+・・
・+bdmdnd2vdmd(k−ndmd)+bq11
vq(k)+bq12vq(k−1)+・・・+bq1
nv1vq(k−nv1)+bq21vq2(k)+b
q22vq2(k−1)+・・・+bq2nv2vq
2(k−nv2)+・・・+bqmv1vqmv(k)+
bqmv2vqmv(k−1)+・・・+bqmvnv2
vqmv(k−nvmv)+bb11B(k)+bb12
B(k−1)+・・・+bb1nb1B(k−nb1)
+bb21B2(k)+bb22B2(k−1)+・・・
+bb2nb2B2(k−nb2)+・・・+bbmb
1Bmb(k)+bbmb2Bmb(k−1)+・・・+b
bmbnbmbBmb(k−nbmb)=θbTφb
(k) とおく。ただし、θb=(bd11・・・bbmbnb
mb)T、φb(k)={vd(k)・・・Bmb(k−
nbmb)}T 次いで、パラメータの同定(実機の入出力信号に基づく
ad、aq、aa、bd、bq、bbの決定)を行うた
めに、実機の入出力信号θ、vu、vv、Vmnを取得
し(ステップSP1)、Vmnから振幅A、位相Bを計
算し(ステップSP2)、最急降下法などの公知の技術
によってパラメータを同定する(ステップSP3)。
【0109】ここで、振幅Aに対するステップSP3の
実行手順は、例えば、先ず、モデルにより算出される
A、θaをAm、θamとおき、評価関数S(k)を、
S(k)={A−Am(k)}2とおく。
【0110】そして、θam(k)を次式で推定するも
のとして、最急降下法を適用してA(k+1)を同定す
る。 θam(k+1)=θam(k)−γg(k) g(k)={S(k)−S(k−1)}/{θam
(k)−θam(k−1)} ただし、γはチューニングパラメータである。
【0111】位相Bについても同様にしてB(k+1)
を同定することができる。
【0112】図12は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0113】この位置検出回路4は、差電圧を入力とし
て、回転子の第1の仮の予測位置を出力する第1位置検
出部4aと、ブラシレスDCモータの相電圧および相電
流を入力として回転子の第2の仮の予測位置を出力する
第2位置検出部4fと、第1の仮の予測位置と第2の仮
の予測位置との差を算出する差算出部4gと、算出され
た差を入力として記憶する誤差記憶部4hと、第1の仮
の予測位置に対して誤差記憶部4hに記憶されている誤
差を加算して補正後の予測位置として出力する加算部4
iとを有している。
【0114】この構成を採用した場合の作用は次の通り
である。
【0115】第2位置検出部4fは、固定子巻線の中性
点電圧を用いることなく回転子の磁極位置を検出するも
のであり、極低速での位置検出が可能であり、しかも、
回転子の回転位置の正確な推定が可能であるが、計算量
が多いという不都合、入力点数が少ないと推定ができな
いという不都合があるので、ブラシレスDCモータの運
転範囲全域をカバーすることが困難である。他方、第1
位置検出部4aは、固定子巻線の中性点電圧を用いて回
転子の磁極位置を検出するものであり、最小限、差電圧
のゼロクロスを検出することによっても位置検出を行う
ことが可能であり、計算量が少なく、運転範囲全域をカ
バーすることが可能である。
【0116】そこで、図12の構成は、差電圧に基づく
位置検出を基本とし、固定子巻線の中性点電圧を用いな
い回転子の磁極位置検出を粗い時間間隔で行って誤差算
出、誤差補正のために用いるようにしている。
【0117】したがって、第1の仮の予測位置と第2の
仮の予測位置との差を時間的に粗く算出して誤差記憶部
4hに記憶しておき、制御情報として位置情報が必要な
場合にのみ、誤差記憶部4hから差を出力して第1の仮
の予測位置を補正することにより、補正後の予測位置を
得ることができ、しかも、運転範囲全域をカバーするこ
とができる。
【0118】以上の説明においては、位置検出法を詳細
には説明していないが、差電圧のゼロクロスなどに基づ
いて検出する方法などを採用することができる。
【0119】さらに、補正後の予測位置を得るために、
図9の構成、図10の構成、図11の構成の少なくとも
2つの構成を併用することが可能であり、この場合には
補正処理の高精度化を達成することができる。
【0120】また、ブラシレスDCモータを空気調和
機、冷凍機などの圧縮機の駆動源として採用する場合に
は、第1中性点電圧と第2中性点電圧から得られる位置
情報を、両中性点電圧の差電圧の振幅、ブラシレスDC
モータの相電圧、相電流、DC電流、回転数、圧縮機の
吐出管温度、凝縮温度、吐出管圧力、蒸発温度、吸入管
圧力、吸入管温度から選択された少なくとも1つの値を
用いて補正するようにしてもよい。ただし、後述するよ
うに回転子の位置を直接検出する場合にも同様に適用す
ることができる。その理由は次のとおりである。
【0121】空気調和機の場合には、圧縮機の吐出管圧
力と吸入管圧力との差によりモータのトルクが決まるた
め、これらを見ることによってモータトルクを算出する
ことができる。モータトルクTはほぼ相電流の振幅に対
応する(次式参照)ため、これを用いて位置検出のため
の運転状態が分かる。T=Pn{φaIacosβ+
(1/2)(Lq−Ld)Ia2sin(2β)}ただ
し、Pnは極対数、φaは鎖交磁束、Iaは電流、βは
電流位相、Lqはq軸インダクタンス、Ldはd軸イン
ダクタンスである。
【0122】また、吐出管温度、凝縮温度は吐出管圧力
に対応し、蒸発温度、吸入管温度は吸入管圧力に対応す
る。そして、空気調和機の運転時には、吐出管圧力が3
0kg/cm2程度になるのに対し、吸入管圧力は数k
g/cm2であるため、吸入管圧力は無視して吐出管圧
力のみで概略トルクを予測することもできる。
【0123】図15は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0124】この位置検出回路4は、差電圧の位相を入
力として位置信号を出力する位置検出部4jを有してい
る。
【0125】この位置検出部4jによる位置検出動作は
次のとおりである。
【0126】先ず、第1の位置検出方法を図13を参照
して説明する。
【0127】第1中性点電圧と第2中性点電圧との差電
圧VMN、差電圧の推定値V’MNを正弦波と考え、 VMN=A・sin(θ) V’MN=A’・sin(θ’) で表す。ただし、Aは振幅の真値、A’は振幅の推定
値、θは位相の真値、θ’は位相の推定値である。
【0128】また、V’MNより90°進んだ信号V’
MN90 V’MN90=A’・cos(θ’) を考え、x−y座標上に(V’MN90,V’MN)をとる
と、その軌跡は半径A’の円を描く。したがって、V’
MN90が正しく推定されていれば、VMNをx軸にとった場
合にも、半径A’=Aの円上を動く。V’MNに誤差が含
まれている場合には、推定値のベクトル(V’MN90
V’MN)と(V’MN90,VMN)の2本のベクトルには誤
差を生じるので、これらが重なるように推定値を制御す
ることで、推定値を真値に合わせ込むことができる。
【0129】いま、2本のベクトルの長さの偏差をΔ
A、位相の偏差をΔθとすれば、 ΔA=A’−(VMN 2+V’MN90 20.5 Δθ=θ’−tan-1(VMN/V’MN90) で表される。
【0130】これら偏差をなくするようにA’、θ’
を、例えば、次式のようにして求めることができる。 A’(n+1)=A’(n)−GA・ΔA(n) θ’(n+1)=θ’(n)+ω’(n)・Δt ω’(n+1)=ω’(n)−Gω・Δθ(n)/Δt ただし、GAは振幅のフィードバックゲイン、Gωは角
速度のフィードバックゲイン、ωは角速度の推定値、Δ
tはサンプル時間である。
【0131】実機の中性点差電圧VMN(回転数が27r
ps、サンプル周期が10kHz)1000サンプル分
のデータを用いて上記の演算を行った。ただし、初期位
相、初期振幅、初期角速度は測定から求めた値を与え
た。シミュレーション結果を図14中(A)〜(F)に
示す。このシミュレーション結果から分かるように、位
相、振幅共に実機データに追従できている。また、測定
ノイズに対しても、推定値の大きな乱れは見られなかっ
た。
【0132】次いで、第2の位置検出法を説明する。
【0133】中性点差電圧VMNの推定モデルをA’co
s{θ’(k)+β}とする。ここで、θ(k)はkサンプル
目の回転子の位置(磁極位置)を示し、’は推定値であ
ることを示す。
【0134】サンプリング周期TがA’、dθ’/dt
の変化より十分小さいとき、kサンプル目の位相は、k
サンプル目までのVMNの値S(k)とVMN推定値S’(k)
用いて次のように算出できる。 S’(k)=A’cos{θ’(k)+β} S’(k-1)=A’cos{θ’(k)−Tdθ’/dt+
β}・・・ S’(k-i)=A’cos{θ’(k)−Tidθ’/dt+
β} ただし、i≧3である。
【0135】そして、推定値とサンプル値との誤差e
(k)をe(k)=S(k)−S’(k)として、e2 (k)+e2 (k-1)
+・・・+e2 (k-i)を最小にするA’、θ’、dθ’/
dtを、例えば、ニュートン法などで求めることで、中
性点の位相、振幅が得られる。
【0136】また、回転子の位置検出法として、例え
ば、次の方法が適用可能である。
【0137】通常、VMNには回転子の電気的1周期の3
倍調波が最も強く出力される。このため、上記したよう
に、中性点差電圧を正弦波状としてその位相から回転子
角度を求める方法では、3次調波成分から位置を算出す
ることになる。
【0138】この場合、VMNの位相θは回転子の電気角
120°毎の3つの角度(θr、θr+120°、θr
240°)を採りうることになるが、このうち、何れで
あるかは相電圧PWM指令などから容易に推測できる
(通常120°ずれると回らないか、またはトルクなど
が大きく異なる。回転開始時点に容易に推測することも
可能)。
【0139】なお、θとθrとの関係は、予め実測する
か、モータモデルにより推測することで容易に得られる
(実際には電流などの運転条件により変化するが、電流
が小さければ無視できる)。
【0140】さらに、ここではVMNを3次調波のみ(正
弦波)として扱ったが、その他の調波成分を考慮しても
よいことは明らかである。
【0141】図16は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0142】この位置検出回路4は、差電圧の振幅を入
力として位置信号を出力する位置検出部4kを有してい
る。
【0143】この位置検出部4kによる位置検出動作は
次のとおりである。
【0144】差電圧の振幅Aは、ブラシレスDCモータ
の回転数r、ブラシレスDCモータの相電圧の振幅Vu
mを媒介変数としたとき、ブラシレスDCモータの相電
圧の(初期)位相δと強い相関がある。図17に、ある
電圧のブラシレスDCモータの差電圧の振幅と相電圧の
位相との関係(実測値)を示す。
【0145】相電圧は次のように表されるものとする。 Vu=Vumsin(θ+δ) ここで、VuはU相電圧、VumはU相電圧の振幅、θ
は電流0の力のU相誘起電圧の基本波成分を基準とした
位相、δはU相誘起電圧の基本波からU相電圧の基本波
成分までの位相差を示している。
【0146】そして、δとAとの関係を δ=f(r,Vum,A) とすれば、回転子の位置はθ+f(r,Vum,A)と
表される。ここで、r、Vum、θは、インバータ内部
で生成されるPWM指令として知ることができるため、
予めf(δ,Vum,A)を測定し、またはモデルを用
いた関係式より導出しておくことにより、差電圧の振幅
Aのみを測定することにより、回転子の位置を検出する
ことができる。
【0147】図18は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0148】この位置検出回路4は、差電圧の振幅およ
び差電圧の位相を入力として位置信号を出力する位置検
出部4lを有している。
【0149】この実施態様を採用すれば、差電圧の振幅
と位相とを組み合わせて用いることにより、前記実施態
様と比較して、より高精度の位置検出を達成することが
できる、具体的には、例えば、差電圧の振幅により得ら
れた回転子の位置と差電圧の位相により得られた回転子
の位置とを平均して位置検出精度を高めることができ
る。また、PWM電圧指令および差電圧の振幅から運転
状態を判別し、各運転状態毎に、差電圧の位相から求ま
る位置情報と差電圧の振幅から求まる位置情報とを選択
して用いる。この場合において、選択の切り替わり付近
では、平均化処理を行うか、または徐々に変化させるな
どの処理を行うようにすればよい。さらに、差電圧の位
相から求まる位置情報の誤差のうち、差電圧の振幅と依
存性がある部分を予め測定しておき(図19参照)、そ
の情報に基づく補正を行って高精度の位置検出を行うこ
とができる。
【0150】図20は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0151】この位置検出回路4は、差電圧およびブラ
シレスDCモータの相電圧、相電流、DC電流、DC電
圧などから選択された少なくとも1つの値を入力として
位置信号を出力する位置検出部4mを有している。
【0152】この位置検出部4mによる位置検出動作を
行えば、前述の実施態様のPWM指令を同様に利用して
位置検出の高精度化を達成することができる。
【0153】ブラシレスDCモータの相電圧はPWM指
令とほぼ同様な信号で、PWM指令を用いた場合の誤差
要因となるデッドタイムやDC電圧の変動による誤差を
取り除いた真値である。
【0154】DC電圧は通常あまり変化しないが、負荷
や電源変動で変動する場合、DC電圧を測定すること
で、PWM指令による相電圧の算出の精度を向上させる
ことができる。なぜならば、相電圧はPWMのデューテ
ィとDC電圧とを乗算した値で近似できるからである。
【0155】この場合、デッドタイムの影響が残るが、
これについては、解析結果が知られている。したがっ
て、例えば、前述の方法をより精度アップさせるために
DC電圧、相電圧を用いることができる。
【0156】また、ブラシレスDCモータの相電流を用
いると、相電圧を用いるのと同様に、次のような位置算
出が可能である。
【0157】相電流と差電圧の振幅との関係の場合に
は、電流振幅、回転数など他の要因による影響が少ない
ため、差電圧の振幅と電流位相のみで議論する。
【0158】ある運転状態にあるブラシレスDCモータ
の電流位相と差電圧の振幅との関係は図21に示すとお
りである。
【0159】ブラシレスDCモータの相電流が次のよう
に表されるものとする。 Iu=Iumsin(θ+β) ここで、IuはU相電流、IumはU相電流の振幅、θ
は電流0の時のU相誘起電圧の基本波成分を基準とした
位相、βはU相誘起電圧の基本波からU相電流の基本波
成分までの位相差である。
【0160】そして、βと差電圧の振幅Aとの関係をβ
=G(A)とすれば、回転子の位置はθ+G(A)と表
される。ここで、予めG(A)を測定し、またはモデル
を用いた関係式より導出しておくことにより、差電圧の
振幅Aのみを測定することができる、もちろん、回転数
などの情報も考慮すれば、より詳細な位置検出を行うこ
とができる。
【0161】また、DC電流を用いると、差電圧の持つ
位相誤差を図22に示すような関係から算出でき、より
高精度の位置検出を達成することができる。
【0162】図23は位置検出回路4のさらに他の例の
構成を示すブロック図である。
【0163】この位置検出回路4は、相電圧(または相
電流)を入力として第1中性点電圧と第2中性点電圧と
の差電圧の予測値を出力するモータモデル50と、相電
圧(または相電流)を実際のブラシレスDCモータ3に
供給することにより得られる第1中性点電圧と第2中性
点電圧との差電圧とモータモデル50から出力される予
測値との差を誤差として算出する減算部51とを有し、
算出された誤差をモータモデル50にフィードバック
し、モータモデル50から回転子の予測位置を出力して
いる。
【0164】この構成を採用すれば、相電圧(または相
電流)、差電圧とこの予測値との差を入力モータモデル
50に供給することにより、回転子の高精度の予測位置
を出力することができる。
【0165】さらに説明する。
【0166】モータモデルが実現できれば、オブザーバ
ーを構成することにより回転子位置を予測することは容
易である。この際、入力には、実モータの入力となり得
る相電圧、相電流などが用いられる。また、前述したよ
うにPWM指令などの情報を用いれば、DC電圧、DC
電流などにより相電圧、相電流を算出して利用すること
ができることも明らかである。もちろん、モータモデル
に代えてマップを用いても回転子の正確な位置を検出す
ることが可能である。
【0167】また、モータモデルを実現する方法として
は、前述のように、モータの等価モデルを利用する方
法、近似式を実測値により同定する方法が例示できる。
【0168】さらに、前記の位置検出法によれば、第1
中性点電圧と第2中性点電圧との差電圧のゼロクロスを
待つ必要がないので、位置検出に時間的制約がない。し
たがって、位置検出機構をフリーランさせておけば、任
意の時間に回転子の位置が得られることになり、精密な
制御が可能になり、従来行われていたゼロクロス間の補
間などが不要になる。この場合において、位置検出結果
を時間微分すれば回転速度が求められるので、この速度
を用いることにより、従来用いられていた周波数検出器
の機能を持たせることができる。また、インバータのキ
ャリア信号毎に回転子の位置情報を得、位置情報に従っ
て駆動波形を生成することで、容易に任意の波形を生成
することができる。そして、この波形として、角度依存
性(周期性)のある負荷トルク変動を打ち消すような波
形を採用すれば、回転速度変動を減少させてブラシレス
DCモータをなめらかに回転させることができる。した
がって、圧縮機の駆動源としてブラシレスDCモータを
採用する場合に好適であり、回転変動を小さく押さえる
ことができる。
【0169】また、位置検出機構をフリーランさせてお
き、任意の回転子位置毎に信号を発生するように構成す
れば、従来から高精度な位置検出のために用いられてい
たロータリーエンコーダの機能を持たせることができ
る。
【0170】さらに、予測位置を得るために、マップ処
理、モータモデルを用いた演算処理、差電圧を用いるこ
となく得られた位置信号の推定結果と差電圧を用いて得
られた位置信号との差を算出し、算出された差を差電圧
を用いて得られた位置信号に対して加減算することによ
り行う処理の少なくとも2つの構成を併用することが可
能であり、この場合には位置検出処理の高精度化を達成
することができる。
【0171】
【発明の効果】請求項1の発明は、検出された位置信号
がブラシレスDCモータの運転状態に起因する誤差を有
していても、補正により誤差をなくすることができ、こ
の結果、任意の動作点でブラシレスDCモータを動作さ
せることができ、また、最大効率運転への収斂時間を短
縮することができ、さらに、瞬時制御を行う場合であっ
ても、脱調、効率の低下、不安定化を防止することがで
きるという特有の効果を奏する。
【0172】請求項2の発明は、選択された値に基づい
て誤差をなくすることができ、ひいては、請求項1と同
様の効果を奏する。
【0173】請求項3の発明は、選択された値に基づい
て誤差をなくすることができ、ひいては、請求項1と同
様の効果を奏する。
【0174】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
の何れかの効果に加え、演算処理を簡素化することがで
きるという特有の効果を奏する。
【0175】請求項5の発明は、請求項1から請求項3
の何れかの効果に加え、補正処理の精度を高めることが
できるという特有の効果を奏する。
【0176】請求項6の発明は、請求項5の効果に加
え、モータモデルの設定を簡単化することができるとい
う特有の効果を奏する。
【0177】請求項7の発明は、請求項5の効果に加
え、モータモデルの設定の簡単化、および設定されたモ
ータモデルの高精度化を両立させることができるという
特有の効果を奏する。
【0178】請求項8の発明は、計算量/時間、不安定
性などの不都合を抑制し、しかもブラシレスDCモータ
の固定子巻線の中性点の電圧に基づく簡単な処理で、請
求項1から請求項3の何れかと同様の効果を奏する。
【0179】請求項9の発明は、位置情報をいつでも得
ることができるとともに、得られる位置情報が正確であ
るから、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相制
御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことがで
きるという特有の効果を奏する。
【0180】請求項10の発明は、位置情報をいつでも
得ることができるとともに、得られる位置情報が正確で
あるから、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相
制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことが
できるという特有の効果を奏する。
【0181】請求項11の発明は、位置情報をいつでも
高精度に得ることができるとともに、得られる位置情報
が正確であるから、ブラシレスDCモータの相電流/電
圧の位相制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行
うことができるという特有の効果を奏する。
【0182】請求項12の発明は、運転条件による誤差
の影響を排除して、位置情報をいつでも高精度に得るこ
とができるとともに、得られる位置情報が正確であるか
ら、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相制御、
速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことができる
という特有の効果を奏する。
【0183】請求項13の発明は、選択された値に基づ
いて誤差をなくすることができ、ひいては請求項12と
同様の効果を奏する。
【0184】請求項14の発明は、請求項12または請
求項13の効果に加え、演算処理を簡素化することがで
きるという特有の効果を奏する。
【0185】請求項15の発明は、請求項12または請
求項13の効果に加え、検出処理の精度を高めることが
できるという特有の効果を奏する。
【0186】請求項16の発明は、請求項15の効果に
加え、モータモデルの設定を簡単化することができると
いう特有の効果を奏する。
【0187】請求項17の発明は、請求項15の効果に
加え、モータモデルの設定の簡単化、および設定された
モータモデルの高精度化を両立させることができるとい
う特有の効果を奏する。
【0188】請求項18の発明は、請求項12または請
求項13の効果に加え、正確で、かつ全領域での位置信
号の検出を達成することができるという特有の効果を奏
する。
【0189】請求項19の発明は、請求項9から請求項
18の何れかの効果に加え、位置検出における時間的制
約を解消することができ、しかも高精度の制御を達成す
ることができるという特有の効果を奏する。
【0190】請求項20の発明は、請求項9から請求項
18の何れかの効果に加え、位置検出における時間的制
約を解消することができ、しかもロータリーエンコーダ
と同様の機能を達成することができるという特有の効果
を奏する。
【0191】請求項21の発明は、請求項19の効果に
加え、回転速度を利用して周波数検出器の機能を達成す
ることができるという特有の効果を奏する。
【0192】請求項22の発明は、請求項21の効果に
加え、所望のインバータ出力波形に基づいてブラシレス
DCモータを駆動することができるという特有の効果を
奏する。
【0193】請求項23の発明は、請求項22の効果に
加え、負荷トルク変動に拘わらず、ブラシレスDCモー
タをなめらかに動作させることができるという特有の効
果を奏する。
【0194】請求項24の発明は、検出された位置信号
がブラシレスDCモータの運転状態に起因する誤差を有
していても、補正により誤差をなくすることができ、こ
の結果、任意の動作点でブラシレスDCモータを動作さ
せることができ、また、最大効率運転への収斂時間を短
縮することができ、さらに、瞬時制御を行う場合であっ
ても、脱調、効率の低下、不安定化を防止することがで
きるという特有の効果を奏する。
【0195】請求項25の発明は、位置情報をいつでも
得ることができるとともに、得られる位置情報が正確で
あるから、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相
制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことが
できるという特有の効果を奏する。
【0196】請求項26の発明は、位置情報をいつでも
得ることができるとともに、得られる位置情報が正確で
あるから、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相
制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことが
できるという特有の効果を奏する。
【0197】請求項27の発明は、位置情報をいつでも
高精度に得ることができるとともに、得られる位置情報
が正確であるから、ブラシレスDCモータの相電流/電
圧の位相制御、速度制御などを精度よく、かつ安定に行
うことができるという特有の効果を奏する。
【0198】請求項28の発明は、運転条件による誤差
の影響を排除して、位置情報をいつでも高精度に得るこ
とができるとともに、得られる位置情報が正確であるか
ら、ブラシレスDCモータの相電流/電圧の位相制御、
速度制御などを精度よく、かつ安定に行うことができる
という特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブラシレスDCモータ制御装置の一
実施態様を概略的に示すブロック図である。
【図2】表面磁石構造のブラシレスDCモータの構成を
概略的に示す図である。
【図3】埋込磁石構造のブラシレスDCモータの構成を
概略的に示す図である。
【図4】位置検出回路の一例の構成を示すブロック図で
ある。
【図5】差電圧の振幅と差電圧の位相誤差との関係を示
す図である。
【図6】位置検出回路の他の例の構成を示すブロック図
である。
【図7】DC電流と差電圧の位相誤差との関係を示す図
である。
【図8】相電圧の振幅と差電圧の位相誤差との関係を示
す図である。
【図9】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブロ
ック図である。
【図10】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図11】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図12】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図13】ベクトル(V’mn90,V’mn)を説明する図
である。
【図14】シミュレーション結果を示す図である。
【図15】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図16】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図17】差電圧の振幅と相電圧の位相との関係を示す
図である。
【図18】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図19】差電圧の振幅と差電圧の位相誤差との関係を
示す図である。
【図20】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【図21】差電圧の振幅とモータ電流位相との関係を示
す図である。
【図22】DC電流と差電圧の位相誤差との関係を示す
図である。
【図23】位置検出回路のさらに他の例の構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
2 インバータ 3 ブラシレスDCモータ 4 位置検出回路 5 制御回路
フロントページの続き Fターム(参考) 3H045 AA09 AA27 BA28 BA33 CA02 CA03 CA21 DA07 EA38 5H560 BB04 BB12 DA13 DB13 DC12 EB01 GG04 JJ15 XA04 XA05 XA12 XB05 XB09

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気突極のある回転子を有するブラシレ
    スDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、固
    定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置
    を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する方法において、 検出された位置信号をブラシレスDCモータ(3)の運
    転条件に基づいて補正し、補正された位置信号に基づい
    てインバータ(2)を制御することを特徴とするブラシ
    レスDCモータ制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ブラシレスDCモータ(3)の運転
    条件は、ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中
    性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧
    の振幅、ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中
    性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差電圧
    の積分信号の振幅、ブラシレスDCモータ(3)の相電
    圧、ブラシレスDCモータ(3)の相電流、インバータ
    (2)の入力側の直流電流、ブラシレスDCモータ
    (3)の回転数から選択された少なくとも1つの値であ
    る請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  3. 【請求項3】 前記ブラシレスDCモータ(3)は圧縮
    機を駆動するものであり、前記ブラシレスDCモータ
    (3)の運転条件は、ブラシレスDCモータ(3)の固
    定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均
    値との差電圧の振幅、ブラシレスDCモータ(3)の固
    定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均
    値との差電圧の積分信号の振幅、ブラシレスDCモータ
    (3)の相電圧、ブラシレスDCモータ(3)の相電
    流、インバータ(2)の入力側の直流電流、ブラシレス
    DCモータ(3)の回転数、圧縮機の吐出管温度、凝縮
    温度、圧縮機の吐出管圧力、蒸発温度、圧縮機の吸入管
    圧力、圧縮機の吸入管温度から選択された少なくとも1
    つの値である請求項1に記載のブラシレスDCモータ制
    御方法。
  4. 【請求項4】 前記補正は、マップ処理により行われる
    請求項1から請求項3の何れかに記載のブラシレスDC
    モータ制御方法。
  5. 【請求項5】 前記補正は、モータモデルを用いた演算
    処理により行われる請求項1から請求項3の何れかに記
    載のブラシレスDCモータ制御方法。
  6. 【請求項6】 前記モータモデルは、ブラシレスDCモ
    ータ(3)の等価モデルである請求項5に記載のブラシ
    レスDCモータ制御方法。
  7. 【請求項7】 前記モータモデルは、近似式を実測値に
    より同定したものである請求項5に記載のブラシレスD
    Cモータ制御方法。
  8. 【請求項8】 前記補正は、位置信号の誤差推定結果を
    用いて行われる請求項1から請求項3の何れかに記載の
    ブラシレスDCモータ制御方法。
  9. 【請求項9】 磁気突極のある回転子を有するブラシレ
    スDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、固
    定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位置
    を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する方法において、 ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電
    圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電
    圧の位相に基づいて位置信号を検出することを特徴とす
    るブラシレスDCモータ制御方法。
  10. 【請求項10】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する方法において、 ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電
    圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電
    圧の振幅に基づいて位置信号を検出することを特徴とす
    るブラシレスDCモータ制御方法。
  11. 【請求項11】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する方法において、 ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電
    圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電
    圧の位相および振幅に基づいて位置信号を検出すること
    を特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。
  12. 【請求項12】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する方法において、 ブラシレスDCモータ(3)の運転条件と、ブラシレス
    DCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と固定子
    巻線の端子電圧の平均値との差電圧とに基づいて位置信
    号を検出することを特徴とするブラシレスDCモータ制
    御方法。
  13. 【請求項13】 前記ブラシレスDCモータ(3)は圧
    縮機を駆動するものであり、前記ブラシレスDCモータ
    (3)の運転条件は、ブラシレスDCモータ(3)の固
    定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均
    値との差電圧の振幅、ブラシレスDCモータ(3)の固
    定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均
    値との差電圧の積分信号の振幅、ブラシレスDCモータ
    (3)の相電圧、ブラシレスDCモータ(3)の相電
    流、インバータ(2)の入力側の直流電流、ブラシレス
    DCモータ(3)の回転数、圧縮機の吐出管温度、凝縮
    温度、圧縮機の吐出管圧力、蒸発温度、圧縮機の吸入管
    圧力、圧縮機の吸入管温度から選択された少なくとも1
    つの値である請求項12に記載のブラシレスDCモータ
    制御方法。
  14. 【請求項14】 前記位置信号の検出は、マップ処理に
    より行われる請求項12または請求項13に記載のブラ
    シレスDCモータ制御方法。
  15. 【請求項15】 前記位置信号の検出は、モータモデル
    を用いた演算処理により行われる請求項12または請求
    項13に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  16. 【請求項16】 前記モータモデルは、ブラシレスDC
    モータ(3)の等価モデルである請求項15に記載のブ
    ラシレスDCモータ制御方法。
  17. 【請求項17】 前記モータモデルは、近似式を実測値
    により同定したものである請求項15に記載のブラシレ
    スDCモータ制御方法。
  18. 【請求項18】 前記位置信号の検出は、差電圧を用い
    ることなく得られた位置信号の推定結果と差電圧を用い
    て得られた位置信号との差を算出し、算出された差を差
    電圧を用いて得られた位置信号に対して加減算すること
    により行われる請求項12または請求項13に記載のブ
    ラシレスDCモータ制御方法。
  19. 【請求項19】 任意の時刻における回転子の位置を検
    出する請求項9から請求項18の何れかに記載のブラシ
    レスDCモータ制御方法。
  20. 【請求項20】 任意の電気角毎に回転子の位置を検出
    する請求項9から請求項18の何れかに記載のブラシレ
    スDCモータ制御方法。
  21. 【請求項21】 任意の時刻におけるブラシレスDCモ
    ータ(3)の回転速度をさらに検出する請求項19に記
    載のブラシレスDCモータ制御方法。
  22. 【請求項22】 任意の時刻における回転子の位置情報
    に基づいて所望のインバータ出力波形を生成する請求項
    19に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  23. 【請求項23】 前記インバータ波形は、負荷トルク変
    動に対応させて回転速度変動を減少させるものである請
    求項22に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
  24. 【請求項24】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する装置において、 検出された位置信号をブラシレスDCモータ(3)の運
    転条件に基づいて補正し、補正された位置信号に基づい
    てインバータ(2)を制御するインバータ制御手段
    (4)(5)を含むことを特徴とするブラシレスDCモ
    ータ制御装置。
  25. 【請求項25】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する装置において、 ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電
    圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電
    圧の位相に基づいて位置信号を検出し、検出された位置
    信号に基づいてインバータ(2)を制御するインバータ
    制御手段(4)(5)を含むことを特徴とするブラシレ
    スDCモータ制御装置。
  26. 【請求項26】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する装置において、 ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電
    圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電
    圧の振幅に基づいて位置信号を検出し、検出された位置
    信号に基づいてインバータ(2)を制御するインバータ
    制御手段(4)(5)を含むことを特徴とするブラシレ
    スDCモータ制御装置。
  27. 【請求項27】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する装置において、 ブラシレスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電
    圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値との差を表す差電
    圧の位相および振幅に基づいて位置信号を検出し、検出
    された位置信号に基づいてインバータを制御するインバ
    ータ制御手段(4)(5)を含むことを特徴とするブラ
    シレスDCモータ制御装置。
  28. 【請求項28】 磁気突極のある回転子を有するブラシ
    レスDCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と、
    固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の位
    置を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御し、インバータ(2)からの出力をブラシ
    レスDCモータ(3)に供給してブラシレスDCモータ
    (3)を制御する装置において、 ブラシレスDCモータ(3)の運転条件と、ブラシレス
    DCモータ(3)の固定子巻線の中性点の電圧と固定子
    巻線の端子電圧の平均値との差電圧とに基づいて位置信
    号を検出し、検出された位置信号に基づいてインバータ
    (2)を制御するインバータ制御手段(4)(5)を含
    むことを特徴とするブラシレスDCモータ制御装置。
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