JP4231892B2 - 研磨剤 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、ガラス製品、琺瑯製品、タイル製品、金属製品等の物品の表面や、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床、金属製床等の床の表面を研磨する研磨剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス製品、琺瑯製品、タイル製品、金属製品等を使用していると、これらの物品の表面に、油膜や水垢等の汚れが付着してくる。
例えば、自動車が街中を走行すると、様々な汚れが自動車の窓ガラスに付着する。大気中を浮遊する小さな油の粒子が窓ガラスの表面に付着し、油膜を形成する。また、雨水や洗車の際にかかる水等の中に含まれる雑物が窓ガラスの表面に付着し、水垢を形成する。窓ガラスの表面に付着した油膜や水垢は、窓ガラスを曇らせたり、ぎらつかせたりする。自動車の窓ガラスの曇りやぎらつきは、運転手の視界を遮り、自動車の安全運転を妨げる。
【0003】
自動車の窓ガラスから油膜や水垢を除去するために、界面活性剤を主成分とする洗浄剤が広く用いられている。しかし、油膜や水垢は窓ガラスに強固に付着していることが多い。作業員が、界面活性剤を主成分とする洗浄剤を用いて、強固に付着した油膜や水垢を窓ガラスから除去することは、困難であり、時間もかかる。
作業員が、薬品を使って自動車の窓ガラスを化学的に洗浄すれば、窓ガラスに付着した油膜や水垢を除去することができる。しかし、自動車の窓ガラスを化学的に洗浄する際に使用する薬品は、フッ化水素等の劇薬である。このような薬品を使用して自動車の窓ガラスを洗浄するときには、薬品に対する厳重な注意と管理が必要である。例えば、薬品を使用して自動車の窓ガラスを洗浄した後、使用済みの薬品の処理が大変である。使用済みの薬品を管理し、適切な処理を施して無害化したり、専門の廃棄物処理業者に処理を依頼しなければならない。大きな負担が環境や作業員にかかり、薬品を使用して洗浄作業を行うことができる場所が限定されてしまう。
【0004】
また、フッ化水素はガラスと化学反応するので、窓ガラスの表面がフッ化水素に犯される危険性がある。窓ガラスの表面がフッ化水素に犯されると、凹凸が窓ガラスの表面に生じる。この凹凸は窓ガラスの表面の荒れや白濁の原因となる。
さらに、窓ガラスを化学的に洗浄した後、フッ化水素が窓ガラスに残っていると、残っているフッ化水素が窓ガラスと化学反応し、窓ガラスが白濁してしまう。したがって、化学的に洗浄する方法が好ましいとは言いがたい。
【0005】
作業員が高硬度の研磨工具を用いて自動車の窓ガラスを研磨し、窓ガラスの汚れを機械的に削り落とすことが考えられる。しかし、この方法では、窓ガラスの表面が研磨工具によって傷つく危険性があり、窓ガラスの表面が傷つくことを防止しなければならない。このため、熟練した作業員が研磨作業を行わなければならず、作業を行える作業員が限定されてしまう。
そこで、作業性と安全性を考慮したガラス表面の洗浄具が提唱されている(特許文献1を参照)。この洗浄具は、火山灰土の微粉体と固化調整剤とを混合し、水で捏練りして、固形化したものである。微粉体は8〜10μm程度の粒度に精製されている。固化調整剤は石膏である。作業員が、自動車の窓ガラスの表面に水をかけつつ、この洗浄具を用いて窓ガラスの表面を摩擦する。洗浄具中の火山灰土の微粉体が、窓ガラスの表面に付着した汚れを掻き落とす。
【0006】
また、建築物の床等の人が歩く場所は、非常に汚れやすい。そこで、清掃作業により床の汚れを除去することが必要になる。特に、店舗や公共施設等の不特定多数の人が出入りする場所では、床が汚れやすく、定期的に床の清掃作業が行われている。床の清掃作業では、まず、作業員が、床の汚れと一緒に古いワックスを床から剥離して除去する。古くなったワックスは固形化して床に強固にこびりついている。また、床の汚れは、床にかけられたワックスと混ざり、床に強固にこびりついていることが多い。このため、汚れと一緒に古いワックスを床から剥離して除去する作業は、困難であり、時間がかかる。
【0007】
そこで、薬品を使って古いワックスを溶かして除去することが多い。また、へらや砥石等を使って機械的に汚れと一緒に古いワックスを床から剥離して除去することも行われている。
そして、作業員は、床から汚れと古いワックスを除去したら、床に新しくワックスをかけて清掃作業を終える。
【特許文献1】
特開平11−245168号公報
【発明の開示】
【0008】
しかし、上記した洗浄具は次のような問題を有している。
洗浄具中の火山灰土の微粉体は、固化調整剤によって固形化されて、一体化した洗浄具を形成している。作業員が、この洗浄具を用いて自動車の窓ガラスの表面を摩擦する。洗浄具の表面に露出している火山灰土の微粉体が、窓ガラスの表面にこすりつけられる。洗浄具の表面に露出している火山灰土の微粉体は、窓ガラスの表面に付着した汚れ等に引っかかりやすい。火山灰土の微粉体が窓ガラスの表面の汚れ等に引っかかっても、作業員がこの引っかかりに気づかず、そのまま洗浄具で窓ガラスの表面を摩擦し続ける可能性がある。このようなことが生じた場合、無理な力が火山灰土の微粉体から窓ガラスの表面に働き、窓ガラスの表面が傷つく。
【0009】
作業員は、火山灰土の微粉体と窓ガラスの表面の汚れとの引っかかりに気づくことができるように、細心の注意を払いつつ汚れの除去作業を行わなければならない。作業員が、このような細心の注意を払いつつ作業を行っていたのでは、迅速に作業を行うことが難しくなり、作業効率が低下しやすい。また、作業に不慣れな作業員は、火山灰土の微粉体と窓ガラスの表面の汚れとの間の引っかかりを見落す可能性が高い。作業員が引っかかりを見落したまま洗浄具で窓ガラスの表面を摩擦し続けると、窓ガラスの表面が傷ついてしまう。
【0010】
かかる問題が発生するのは、自動車の窓ガラスの汚れを除去する場合に限られない。その他のガラス製品、琺瑯製品、タイル製品、金属製品等の物品の表面に付着した汚れを除去する場合にも、同じ問題が発生する。
また、建築物の床等の清掃作業で、作業員が古いワックスを薬品で溶かして除去する場合、次のような問題が存在する。
清掃作業においては、床にこびりついたワックスを溶かすために、強アルカリ性の薬品を使用することが多い。このため、作業員は薬品の取り扱いに細心の注意を払わなければならない。薬品が周囲の壁等に飛散すると、薬品に触れた場所が変色したり変質したりする。したがって、作業員は、清掃作業前に周辺を厳重に養生しておかなければならず、作業員にとって事前準備が煩雑である。
【0011】
また、ワックスが溶け込んだ薬品が床の上に広がっていると、床が非常に滑りやすくなる。作業員は、転倒事故を防止するために細心の注意を払わなければならない。作業員がこのような細心の注意を払いつつ清掃作業を行っていたのでは、迅速に作業を行うことが難しくなり、作業効率が低下しやすい。
薬品を用いて清掃作業を行っている間は、通行人が作業領域に立ち入ることを防止しなければならない。そして、作業員は、床の上の薬品が乾いてしまう前に作業を行わねばならない。また、作業員は、薬品で古いワックスを溶かしたら、溶かしたものが固化してしまう前に作業を終えてしまわなければならない。このため、作業員は、清掃作業を開始したら、その清掃作業を途中で中止できない。したがって、公共施設や店舗等の人の通行量が多い場所においては、一回の清掃作業の対象となる面積を広くすることが難しく、一回の清掃作業にかける時間を長くすることも難しい。すなわち、公共施設や店舗等の人の通行量が多い場所において、薬品を使用して清掃作業を行う場合、様々な要素を考慮しつつ適切な清掃作業の計画を練らねばならず、清掃作業の遂行は非常に大きな困難が伴う。
【0012】
固形化して床に強固にこびりついたワックスを薬品によって溶かす場合、床が薬品によって犯されることを防止しなければならない。例えば、塩化ビニル製の床に対して無害な薬品が、リノリュウム製の床に対して無害な薬品であるとは限らない。そして、リノリュウム製の床と塩化ビニル製の床とを目で見て区別することは難しい。このため、作業員は、建築物の設計図や仕様書で床の材質を確認し、適切な薬品を選定しなければならない。適切な薬品を選定できなければ、床が変色したり変質したりしてしまう。
【0013】
さらに、清掃作業で使用した薬品を適切に処理しなければならない。この薬品の処理は煩雑な作業である。作業員は使用済みの薬品を適切に管理し、適切な処理を施して無害化したり、専門の廃棄物処理業者にその処理を依頼しなければならない。
また、建築物の床等の清掃作業で、へらや砥石等の道具を使って汚れと一緒に古いワックスを床から剥離して除去する場合、次のような問題がある。
へらや砥石等を使って古いワックスを床から剥離して除去する場合、ワックスを剥離した後の床の状態にムラが生じやすい。また、床と壁の境目や、部屋の隅には、へらや砥石等の道具が届きにくいことが多い。このような部分では、作業員が小さな道具を使って根気よく手作業を行わなければならない。このような手作業は、作業員の熟練度に負うところが大きい。熟練作業員がいない場合、古いワックスを床から完全に除去することが困難となりやすく、作業効率が非常に悪くなりやすい。
[0014]
このような建築物の床等の清掃作業における問題は、床の材質を問わず存在し、また、屋内の床であるか屋外の床であるかを問わず存在する。
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、作業性と安全性に優れ、ガラス製品、琺瑯製品、タイル製品、金属製品等の物品の表面や、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床、金属製床等の床の表面に付着した汚れを効率的に除去可能な研磨剤を提供することである。
[0015]
なお、床の表面に付着した汚れには、床の表面に付着している古いワックス等を含む。
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、当該中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体の粒径が59.87〜96.53μmであり、含有する前記中空体粉砕物の粒径が17.82〜30μmである。
請求項1の発明によれば、研磨剤は、中空体と、中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体及び中空体粉砕物が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
[0016]
中空体は、火山ガラスを焼成して発泡させたものであり、中空部を有する。中空体の中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物は、エッジを表面に有する。このエッジは中空体を粉砕する際に形成されたものである。
中空体の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。ガラス質火山岩とは、真珠岩(crude perlite)、黒曜岩(obsidian)、松脂岩(pitchstone)等を総称する火山ガラスを主とする岩石である。ガラス質火山砕屑物は、火山活動によって地表に放出された破片状の固体物質であり、ガラス質に富む。ガラス質火山砕屑物の堆積したものは、白土、火山灰、シラス、シリカサンド等と呼ばれている。日本国内でみられるガラス質火山砕屑物には、北海道の美瑛白土、東北の福島白土、九州の加久藤シラス、九州の吉田シラス、九州の一次シラス等がある。中空体は天然の原料から製造されるので、中空体や中空体粉砕物が環境や作業者に与える負担は小さい。
【0017】
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤は、ここに例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体及び中空体粉砕物が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。また、研磨剤中の中空体の一部が粉砕されて中空体粉砕物となる。
【0018】
中空体が被研磨面に付着した水垢の上を転動すると、水垢が中空体によって被研磨面から掻き落とされる。
中空体粉砕物が被研磨面に付着した油膜の上を転動すると、中空体粉砕物のエッジが油膜に食い込み、油膜が中空体粉砕物によって被研磨面から掻き落とされる。
バフと被研磨面の間で転動する中空体や中空体粉砕物が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体や中空体粉砕物は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が中空体や中空体粉砕物と被研磨面との間に働くことがない。したがって、研磨中の中空体や中空体粉砕物が被研磨面を傷つけることが防止されている。
【0019】
本発明者が試行錯誤して得た経験によれば、研磨剤中の中空体の粒径が10μm未満である場合、中空体が小さくなりすぎる。この結果、被研磨面と接触する中空体の面積が小さくなり、中空体は水垢を被研磨面から効率よく掻き落とせない。研磨剤中の中空体の粒径が100μmを超える大きさになると、肉眼で見てわかる程度の傷が被研磨面に発生しやすくなる。研磨剤中の中空体の粒径がさらに大きくなって、320μmを超える大きさとなると、中空体は被研磨面に付着した水垢の上をなでるだけとなりやすく、中空体は水垢を被研磨面から効率よく掻き落とせない。
また、本発明者が試験して得た結果によれば、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに水垢を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、10.06〜96.53μmの平均粒径の中空体が必要であることがわかった。そして、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに水垢を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、59.87μm又は96.53μmの平均粒径の中空体が必要であることがわかった。
[0020]
したがって、本発明者の経験に基づけば、研磨剤中の中空体が被研磨面に肉眼で見てわかる程度の傷を発生させずに、水垢を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、研磨剤中の中空体の粒径が、59.87〜96.53μmであればよい。
本発明者の経験によれば、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が5μm未満である場合、中空体粉砕物が小さくなりすぎる。この結果、被研磨面と接触する中空体粉砕物の面積が小さくなり、中空体粉砕物は油膜を被研磨面から効率よく掻き落とせない。研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が30μmを超える大きさになると、肉眼で見てわかる傷が被研磨面に発生しやすくなる。研磨剤中の中空体粉砕物の粒径がさらに大きくなって、200μmを超える大きさとなると、中空体粉砕物のエッジが油膜に食い込みにくくなり、中空体粉砕物は油膜を被研磨面から効率よく掻き落とせない。また、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が200μmを超える大きさとなると、大きな傷が被研磨面に発生する可能性が高い。
また、本発明者が試験して得た結果によれば、ある程度の作業時間がかかることを容認できる場合、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに油膜を被研磨面から掻き落とすためには、5.86〜31.32μmの平均粒径の中空体粉砕物が必要であることがわかった。そして、一定以上の作業効率が求められる場合、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに油膜を被研磨面から掻き落とすためには、17.82μm又は31.32μmの平均粒径の中空体粉砕物が必要であることがわかった。
[0021]
したがって、本発明者の経験に基づけば、研磨剤中の中空体粉砕物が被研磨面に肉眼で見てわかる程度の傷を発生させずに、油膜を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が、17.82〜30μmであればよい。
なお、研磨剤中の中空体の含有量や中空体粉砕物の含有量は、被研磨面に付着した水垢や油膜の状態や量に応じて調整される。水垢が強固に付着している場合や、付着している水垢の量が多い場合には、中空体の含有量を増やす。また、油膜が強固に付着している場合や、付着している油膜の量が多い場合には、中空体粉砕物の含有量を増やす。
[0022]
作業員が研磨作業を一時的に中断し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業になんら支障を生じない。作業を中断している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、乾燥した研磨剤に水分を与えれば、研磨剤は元の状態に戻る。したがって、作業員は問題なく研磨作業を再開できる。
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨剤が付着した研磨対象物やバフを水洗すると、研磨剤は簡単に水によって洗い流される。水で洗い流した研磨剤は、沈殿することなく水と一緒に流れてしまう。したがって、水と一緒に洗い流した研磨剤が、排水用配管の中に沈殿することがなく、洗い流した研磨剤によって排水用配管が詰まってしまうこともない。また、前述したように、研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、水と一緒に研磨剤を通常の排水設備に流してしまうことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
[0023]
請求項2の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させた中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体粉砕物の粒径が17.82〜30μmであり、含有する前記酸化セリウムの粒子の粒径が3〜5μmである。
請求項2の発明によれば、研磨剤は、中空体粉砕物と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体粉砕物及び酸化セリウムの粒子が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
[0024]
中空体粉砕物は、火山ガラスを焼成し発泡させた中空体を粉砕して得られる。中空体粉砕物は、エッジを表面に有する。このエッジは中空体の粉砕する際に形成されたものである。
粉砕される前の中空体は中空部を有する。この中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。
中空体粉砕物の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。中空体粉砕物は天然の原料から製造されるので、中空体粉砕物が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0025]
酸化セリウムは天然の鉱物である。天然の鉱物である酸化セリウムの粒子が環境や作業者に与える負担は小さい。
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤はこれらの例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0026]
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体粉砕物及び酸化セリウムの粒子が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。
中空体粉砕物が被研磨面に付着した油膜の上を転動すると、中空体粉砕物のエッジが油膜に食い込み、油膜が中空体粉砕物によって被研磨面から掻き落とされる。
酸化セリウムはガラスよりも大きな硬度を有する。酸化セリウムの粒子が被研磨面上を転動すると、被研磨面の凹凸や傷が研磨され、被研磨面が平滑になる。ガラス表面、琺瑯製品の表面、タイルの表面等の凹凸や傷が研磨されて平滑になれば、これらの表面から白濁や曇りがなくなる。酸化セリウムの粒子が金属表面上を転動すれば、金属表面が平滑となり、金属表面の曇りがなくなり、金属表面が鏡面仕上げされる。
[0027]
バフと被研磨面の間で転動する中空体粉砕物や酸化セリウムの粒子が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体粉砕物や酸化セリウムの粒子は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が中空体粉砕物や酸化セリウムの粒子と被研磨面との間に働くことがない。したがって、研磨剤中の中空体粉砕物や酸化セリウムの粒子が被研磨面を傷つけることが防止されている。
[0028]
本発明者の経験によれば、研磨剤中の中空体粉砕物が被研磨面に肉眼で見てわかる程度の傷を発生させずに、油膜を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が、17.82〜30μmであればよい。
本発明者の経験によれば、研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径が0.5μm未満である場合、酸化セリウムの粒子が小さくなりすぎ、酸化セリウムの粒子は被研磨面の凹凸や傷を効率よく研磨できない。研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径が5μmを超える場合、酸化セリウムの粒子が大きくなりすぎ、酸化セリウムの粒子は被研磨面の凹凸や傷を効率よく研磨できない。
また、本発明者が試験して得た結果によれば、ある程度の作業時間がかかることを容認できる場合、被研磨面から曇りをまったく残さずに白濁を完全に除去するためには、0.5〜5.0μmの粒径の酸化セリウムの粒子が必要であることがわかった。一定以上の作業効率が求められる場合、被研磨面から曇りをまったく残さずに白濁を完全に除去するためには、1.2〜2.5μm又は3.0〜5.0μmの粒径の酸化セリウムの粒子が必要であることがわかった。そして、被研磨面にから効率よく曇りをまったく残さずに白濁を完全に除去するためには、3.0〜5.0μmの粒径の酸化セリウムの粒子が必要であることがわかった。
[0029]
したがって、本発明者の経験に基づけば、研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径が、3〜5μmであればよい。
なお、研磨剤中の中空体粉砕物の含有量や酸化セリウムの粒子の含有量は、被研磨面に付着した油膜の状態や量、被研磨面の白濁や曇りの状態に応じて調整される。油膜が強固に付着している場合や、付着している油膜の量が多い場合には、中空体粉砕物の含有量を増やす。被研磨面の白濁や曇りの程度がひどい場合には、酸化セリウムの粒子の含有量を増やす。
[0030]
作業員が研磨作業を一時的に中断し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業になんら支障を生じない。作業を中断している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、乾燥した研磨剤に水分を与えれば、研磨剤は元の状態に戻る。したがって、作業員は問題なく研磨作業を再開できる。
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨剤が付着した研磨対象物やバフを水洗すると、研磨剤は簡単に水によって洗い流される。水で洗い流した研磨剤は、沈殿することなく水と一緒に流れてしまう。したがって、水と一緒に洗い流した研磨剤が、排水用配管の中に沈殿することがなく、洗い流した研磨剤によって排水用配管が詰まってしまうこともない。また、前述したように、研磨剤中の中空体粉砕物、酸化セリウムの粒子、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
[0031]
請求項3の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体の粒径が59.87〜96.53μmであり、含有する前記酸化セリウムの粒子の粒径が3〜5μmである。
請求項3の発明によれば、研磨剤は、中空体と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体及び酸化セリウムの粒子が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
[0032]
中空体は、火山ガラスを焼成して発泡させたものであり、中空部を有する。中空体の中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。
中空体の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。中空体は天然の原料から製造されるので、中空体が環境や作業者に与える負担は小さい。
酸化セリウムは天然の鉱物である。天然の鉱物である酸化セリウムの粒子が環境や作業者に与える負担は小さい。
【0033】
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤はこれらの例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体及び酸化セリウムの粒子が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。また、研磨剤中の中空体の一部が粉砕されて中空体粉砕物となり、この中空体粉砕物もバフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。
【0034】
中空体が被研磨面に付着した水垢の上を転動すると、水垢が中空体によって被研磨面から掻き落とされる。
粉砕された中空体から生じた中空体粉砕物が、被研磨面に付着した油膜の上を転動すると、中空体粉砕物のエッジが油膜に食い込み、油膜が中空体粉砕物によって被研磨面から掻き落とされる。
酸化セリウムの粒子が被研磨面上を転動すると、被研磨面の凹凸や傷が研磨され、被研磨面が平滑になる。ガラス表面、琺瑯製品の表面、タイルの表面等の凹凸や傷が研磨されて平滑になれば、これらの表面から白濁や曇りがなくなる。酸化セリウムの粒子が金属表面上を転動すれば、金属表面が平滑となり、金属表面の曇りがなくなり、金属表面が鏡面仕上げされる。
【0035】
バフと被研磨面の間で転動する中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が汚れ等に引っかかった中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子と被研磨面との間に働くことがない。したがって、汚れ等に引っかかった中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子が被研磨面を傷つけることが防止されている。
[0036]
本発明者の経験によれば、研磨剤中の中空体が被研磨面に肉眼で見てわかる程度の傷を発生させずに水垢を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、研磨剤中の中空体の粒径が、59.87〜96.53μmであればよい。
本発明者の経験によれば、研磨剤中の酸化セリウムの粒子が被研磨面の凹凸や傷を効率よく研磨し、被研磨面を平滑にするためには、酸化セリウムの粒子の粒径が、3〜5μmであればよい。
[0037]
なお、研磨剤中の中空体の含有量及び酸化セリウムの粒子の含有量は、被研磨面に付着した水垢の状態や量、被研磨面の白濁や曇りの状態に応じてそれぞれ調整される。水垢が強固に付着している場合や、付着している水垢の量が多い場合には、中空体の含有量を増やす。被研磨面の白濁や曇りの程度がひどい場合には、酸化セリウムの粒子の含有量を増やす。
作業員が研磨作業を一時的に中断し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業になんら支障を生じない。作業を中断している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、乾燥した研磨剤に水分を与えれば、研磨剤は元の状態に戻る。したがって、作業員は問題なく研磨作業を再開できる。
[0038]
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨剤が付着した研磨対象物やバフを水洗すると、研磨剤は簡単に水によって洗い流される。水で洗い流した研磨剤は、沈殿することなく水と一緒に流れてしまう。したがって、水と一緒に洗い流した研磨剤が排水用配管の中に沈殿することがなく、洗い流した研磨剤によって排水用配管が詰まってしまうこともない。また、前述したように、研磨剤中の中空体、酸化セリウムの粒子、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
[0039]
請求項4の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、当該中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体の粒径が59.87〜96.53μmであり、含有する前記中空体粉砕物の粒径が17.82〜30μmであり、含有する前記酸化セリウムの粒子の粒径が3〜5μmである。
請求項4の発明によれば、研磨剤は、中空体と、中空体粉砕物と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体、中空体粉砕物及び酸化セリウムの粒子が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
[0040]
中空体は、火山ガラスを焼成して発泡させたものであり、中空部を有する。中空体の中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物は、エッジを表面に有する。このエッジは中空体の粉砕する際に形成されたものである。
中空体の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。中空体は天然の原料から製造されるので、中空体や中空体粉砕物が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0041]
酸化セリウムは天然の鉱物である。天然の鉱物である酸化セリウムの粒子が環境や作業者に与える負担は小さい。
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤はこれらの例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0042]
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体、中空体粉砕物及び酸化セリウムの粒子が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。また、研磨剤中の中空体の一部が粉砕されて中空体粉砕物となる。
中空体が被研磨面に付着した水垢の上を転動すると、水垢が中空体によって被研磨面から掻き落とされる。
中空体粉砕物が被研磨面に付着した油膜の上を転動すると、中空体粉砕物のエッジが油膜に食い込み、油膜が中空体粉砕物によって被研磨面から掻き落とされる。
[0043]
酸化セリウムの粒子が被研磨面上を転動すると、被研磨面の凹凸や傷が研磨され、被研磨面が平滑になる。ガラス表面、琺瑯製品の表面、タイルの表面等の凹凸や傷が研磨されて平滑になれば、これらの表面から白濁や曇りがなくなる。酸化セリウムの粒子が金属表面上を転動すれば、金属表面が平滑となり、金属表面の曇りがなくなり、金属表面が鏡面仕上げされる。
バフと被研磨面の間で転動する中空体、中空体粉砕物や酸化セリウムの粒子が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が汚れ等に引っかかった中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子と被研磨面との間に働くことがない。したがって、汚れ等に引っかかった中空体、中空体粉砕物、又は、酸化セリウムの粒子が被研磨面を傷つけることが防止されている。
[0044]
本発明者の経験によれば、研磨剤中の中空体が被研磨面に肉眼で見てわかる程度の傷を発生させずに水垢を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、研磨剤中の中空体の粒径が、59.87〜96.53μmであればよい。
本発明者の経験によれば、研磨剤中の中空体粉砕物が被研磨面に肉眼で見てわかる程度の傷を発生させずに油膜を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が、17.82〜30μmであればよい。
[0045]
本発明者の経験によれば、研磨剤中の酸化セリウムの粒子が被研磨面の凹凸や傷を効率よく研磨し、被研磨面を平滑にするためには、酸化セリウムの粒子の粒径が、3〜5μmであればよい。
なお、研磨剤中の中空体の含有量、中空体粉砕物の含有量及び酸化セリウムの粒子の含有量は、被研磨面に付着した水垢や油膜の状態や量、被研磨面の白濁や曇りの状態に応じてそれぞれ調整される。
[0046]
作業員が研磨作業を一時的に中断し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業になんら支障を生じない。作業を中断している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、乾燥した研磨剤に水分を与えれば、研磨剤は元の状態に戻る。したがって、作業員は問題なく研磨作業を再開できる。
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨剤が付着した研磨対象物やバフを水洗すると、研磨剤は簡単に水によって洗い流される。水で洗い流した研磨剤は、沈殿することなく水と一緒に流れてしまう。したがって、水と一緒に洗い流した研磨剤が排水用配管の中に沈殿することがなく、洗い流した研磨剤によって排水用配管が詰まってしまうこともない。また、前述したように、研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、酸化セリウムの粒子、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
[0047]
請求項5の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体の粒径が80〜320μmであり、含有する前記中空体が、床の表面に付着した水垢を掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけ、含有する前記中空体が破砕して生じた中空体粉砕物が、床の表面に付着した油膜とワックスを掻き落とすとともに、床の表面に傷をつける。
請求項5の発明によれば、研磨剤は、中空体と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
中空体は、火山ガラスを焼成して発泡させたものであり、中空部を有する。中空体の中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。
[0048]
中空体の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。中空体は天然の原料から製造されるので、中空体が環境や作業者に与える負担は小さい。
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤はこれらの例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0049]
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。
また、作業員がバフに加える力によって、研磨剤中の中空体の一部が粉砕され、中空体粉砕物となる。この中空体粉砕物も、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。粒径が80〜320μmの中空体から生じる中空体粉砕物の殆どは、200μm以下の粒径を有し、また、この中空体粉砕物の少なくとも一部は、50〜200μmの粒径を有する。
[0050]
バフと被研磨面の間で転動する中空体や中空体粉砕物が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体や中空体粉砕物は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が中空体や中空体粉砕物と被研磨面との間に働くことがない。したがって、中空体や中空体粉砕物が被研磨面を大きく傷つけることが防止されている。
[0051]
一般に、床の表面には、水垢や油膜をはじめとする様々な汚れが、古いワックスとともに強固に付着している。また、古いワックスは、これらの汚れを中に取り込んで固形化してしまっていることが多い。
本発明者が試行錯誤して得た経験によれば、研磨対象物の被研磨面が床の表面であり、研磨剤中の中空体の粒径が80μm未満である場合、研磨剤中の中空体は、床の表面に付着した水垢等の汚れを効率よく掻き落とせない。また、研磨剤中の中空体の粒径が320μmを超える場合も、研磨剤中の中空体は、床の表面に付着した水垢等の汚れを効率よく掻き落とせない。そして、研磨剤中の中空体の粒径が320μmを超える場合、研磨剤中の中空体や、この中空体から生じた中空体粉砕物が、床の表面に目立つ傷をつけてしまうおそれがある。
[0052]
また、研磨対象物の被研磨面が床の表面であり、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が50μm未満である場合、中空体粉砕物は床の表面に付着した油膜等の汚れや古いワックス等を効率よく掻き落とせない。研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が200μmを超える場合も、中空体粉砕物は床の表面に付着した油膜等の汚れや古いワックス等を効率よく掻き落とせない。また、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が200μmを超える場合、床の表面に目立つ傷がついてしまうおそれがある。
[0053]
本発明者が試行錯誤して得た経験によれば、研磨対象物の被研磨面が床の表面であり、研磨剤中に存在する中空体の粒径が80〜320μmである場合、研磨剤中の中空体は、床の表面に付着した水垢等の汚れを効率よく掻き落とすことができ、床の表面に小さな傷をつける。また、研磨剤中に存在する中空体粉砕物の粒径が50〜200μmである場合、研磨剤中の中空体粉砕物は、床の表面に付着した油膜等の汚れや古いワックス等を効率よく掻き落とすことができ、床の表面に小さな傷をつける。
【0054】
床の表面から水垢や油膜をはじめとする様々な汚れと古いワックスを除去し、表面に小さな傷がついた床に新たにワックスをかけると、この小さな傷のためにワックスののりが非常によくなる。そして、新たにワックスをかけた後は、床の表面についた小さな傷は、ワックスによって埋まってしまい、まったく見えなくなる。
したがって、床の表面から水垢や油膜をはじめとする様々な汚れと古くなったワックスとを効率よく除去し、ワックスがけをしやすくし、きれいな床を得るためには、研磨剤中の中空体の粒径が、80〜320μmであればよい。
【0055】
なお、研磨剤中の中空体の含有量は、被研磨面に付着した汚れや古いワックスの状態や量に応じて調整される。汚れが強固に付着している場合、付着している汚れの量が多い場合、古いワックスが強固に付着している場合、付着している古いワックスの量が多い場合には、研磨剤中の中空体の含有量を増やす。
研磨剤を用いて床の表面から汚れと古いワックスを除去する作業を、作業員が途中で一時的に中止し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業にはなんら支障を生じない。作業を中止している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、水分を与えれば研磨剤は元に戻る。したがって、作業員は、作業を問題なく再開できる。すなわち、床の清掃作業を適宜一時中止できるので、床の清掃作業の計画が立てやすくなり、清掃作業の効率を高めることが容易である。
【0056】
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨対象物の被研磨面を水洗すると、研磨剤は沈殿せずに水と一緒に洗い流され、排水設備の配管等の中に研磨剤が沈殿して溜まったりすることがない。研磨剤が含有する中空体、中空体粉砕物、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
さらに、研磨剤が含有する中空体、中空体粉砕物、及び、増粘剤は、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床、金属製床等の床を変質させたり変色させたりしない。したがって、作業員は、床の清掃作業を行うに際して、床の材質を気にする必要がなくなり、床の清掃作業を効率よく行うことができる。なお、ここに列挙した床の材質は例示であり、研磨剤を使用可能な床の材質がここに列挙したものに限定されるものではない。
[0057]
請求項6の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体粉砕物の粒径が50〜200μmであり、含有する前記中空体粉砕物が、床の表面に付着した油膜とワックスを掻き落とすとともに、床の表面に傷をつける。
請求項6の発明によれば、研磨剤は、中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体粉砕物が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
中空体粉砕物は、火山ガラスを焼成し発泡させた中空体を粉砕して得られる。中空体粉砕物は、エッジを表面に有する。このエッジは中空体の粉砕する際に形成されたものである。粉砕される前の中空体は中空部を有する。この中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。
[0058]
中空体粉砕物の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。中空体粉砕物は天然の原料から製造されるので、中空体粉砕物が環境や作業者に与える負担は小さい。
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤はこれらの例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0059]
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体粉砕物が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。
バフと被研磨面の間で転動する中空体粉砕物が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体粉砕物は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が中空体粉砕物と被研磨面との間に働くことがない。したがって、中空体粉砕物が被研磨面を大きく傷つけることが防止されている。
【0060】
一般に、床の表面には、水垢や油膜をはじめとする様々な汚れが、古いワックスとともに強固に付着している。また、古いワックスは、これらの汚れを中に取り込んで固形化してしまっていることが多い。
本発明者が試行錯誤して得た経験によれば、研磨対象物の被研磨面が床の表面であり、研磨剤中に存在する中空体粉砕物の粒径が50〜200μmである場合、研磨剤中の中空体粉砕物は、床の表面に付着した油膜等の汚れや古いワックス等を効率よく掻き落とすことができ、床の表面に小さな傷をつける。
【0061】
床の表面から油膜等の様々な汚れと古いワックスを除去し、表面に小さな傷がついた床に新たにワックスをかけると、この小さな傷のためにワックスののりが非常によくなる。そして、新たにワックスをかけた後は、床の表面についた小さな傷は、ワックスによって埋まってしまい、まったく見えなくなる。
したがって、床の表面から油膜等の様々な汚れと古くなったワックスとを効率よく除去し、ワックスがけをしやすくし、きれいな床を得るためには、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が、50〜200μmであればよい。
【0062】
なお、研磨剤中の中空体粉砕物の含有量は、被研磨面に付着した油膜等の汚れや古いワックスの状態や量に応じて調整される。油膜等の汚れが強固に付着している場合、付着している油膜等の汚れの量が多い場合、古いワックスが強固に付着している場合、付着している古いワックスの量が多い場合には、研磨剤中の中空体粉砕物の含有量を増やす。
研磨剤を用いて床の表面から汚れと古いワックスを除去する作業を、作業員が一時的に中止し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業にはなんら支障を生じない。作業を中止している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、水分を与えれば研磨剤は元に戻る。したがって、作業員は作業を問題なく再開できる。すなわち、床の清掃作業を適宜一時中止できるので、床の清掃作業の計画が立てやすくなり、清掃作業の効率を高めることが容易である。
【0063】
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨対象物の被研磨面を水洗すると、研磨剤は沈殿せずに水と一緒に洗い流され、排水設備の配管等の中に研磨剤が沈殿して溜まったりすることがない。研磨剤が含有する中空体粉砕物、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
さらに、研磨剤が含有する中空体粉砕物、及び、増粘剤は、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床、金属製床等の床を変質させたり変色させたりすることはない。したがって、作業員は、床の清掃作業を行うに際して、床の材質を気にする必要がなくなり、床の清掃作業を効率よく行うことができる。なお、ここに列挙した床の材質は例示であり、研磨剤を使用可能な床の材質がここに列挙したものに限定されるものではない。
[0064]
請求項7の発明に係る研磨剤は、火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、当該中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有し、含有する前記中空体の粒径が80〜320μmであり、含有する前記中空体粉砕物の粒径が50〜200μmであり、含有する前記中空体が、床の表面に付着した水垢を掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけ、含有する前記中空体が破砕して生じた中空体粉砕物と、含有する前記中空体粉砕物と、が、床の表面に付着した油膜とワックスを掻き落とすとともに、床の表面に傷をつける。
請求項7の発明によれば、研磨剤は、中空体と、中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有する。中空体及び中空体粉砕物が増粘剤によって研磨剤中に分散している。
[0065]
中空体は、火山ガラスを焼成して発泡させたものであり、中空部を有する。中空体の中空部は、外部から独立していてもよく、また、外部と連通していてもよい。中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物は、エッジを表面に有する。このエッジは中空体の粉砕する際に形成されたものである。
中空体の原料となる火山ガラスは、ガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物から得られる。中空体は天然の原料から製造されるので、中空体や中空体粉砕物が環境や作業者に与える負担は小さい。
[0066]
増粘剤は、例えば、天然系増粘多糖類であるキサンタンガムや、セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースである。なお、増粘剤はこれらの例示したものに限定されるものではなく、従来からある他の増粘剤を用いることができる。食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤を用いれば、研磨剤の増粘剤が環境や作業者に与える負担は小さい。
作業員が、研磨剤をつけたバフを使用して研磨対象物の被研磨面を研磨すると、研磨剤中の中空体及び中空体粉砕物が、バフと被研磨面の間を転動しつつ自由に動く。
[0067]
作業員がバフに加える力によって、研磨剤中の中空体が粉砕されて中空体粉砕物となる。粒径が80〜320μmの中空体から生じる中空体粉砕物の殆どは、200μm以下の粒径を有し、また、この中空体粉砕物の少なくとも一部は、50〜200μmの粒径を有する。
バフと被研磨面の間で転動する中空体や中空体粉砕物が、被研磨面上の汚れや異物に引っかかる場合がある。このような場合、作業員がバフによる研磨をそのまま続けると、汚れ等に引っかかった中空体や中空体粉砕物は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放され、再び、自由に動けるようになる。無理な力が中空体や中空体粉砕物と被研磨面との間に働くことがない。したがって、中空体や中空体粉砕物が被研磨面を大きく傷つけることが防止されている。
[0068]
一般に、床の表面には、水垢や油膜をはじめとする様々な汚れが、古いワックスとともに強固に付着している。また、古いワックスは、これらの汚れを中に取り込んで固形化してしまっていることが多い。
本発明者が試行錯誤して得た経験によれば、研磨対象物の被研磨面が床の表面であり、研磨剤中に存在する中空体の粒径が80〜320μmである場合、研磨剤中の中空体は、床の表面に付着した水垢等の汚れを効率よく掻き落とすことができ、床の表面に小さな傷をつける。また、研磨剤中に存在する中空体粉砕物の粒径が50〜200μmである場合、研磨剤中の中空体粉砕物は、床の表面に付着した油膜等の汚れや古いワックス等を効率よく掻き落とすことができ、床の表面に小さな傷をつける。
[0069]
床の表面から水垢や油膜をはじめとする様々な汚れと古いワックスを除去し、表面に小さな傷がついた床に新たにワックスをかけると、この小さな傷のためにワックスののりが非常によくなる。そして、新たにワックスをかけた後は、床の表面についた小さな傷は、ワックスによって埋まってしまい、まったく見えなくなる。
したがって、床の表面から水垢や油膜をはじめとする様々な汚れと古くなったワックスとを効率よく除去し、ワックスがけをしやすくし、きれいな床を得るためには、研磨剤中の中空体の粒径が、80〜320μmであればよく、研磨剤中の中空体粉砕物の粒径が、50〜80μmであればよい。
【0070】
なお、研磨剤中の中空体の含有量や中空体粉砕物の含有量は、被研磨面に付着した水垢や油膜等の汚れや古いワックスの状態や量に応じて調整される。汚れが強固に付着している場合や、付着している汚れの量が多い場合、古いワックスが強固に付着している場合、付着している古いワックスの量が多い場合には、研磨剤中の中空体の含有量や中空体粉砕物の含有量を増やす。
研磨剤を用いて床の表面から汚れと古いワックスを除去する作業を、作業員が一時的に中止し、その後、作業を再開したとしても、再開した作業にはなんら支障を生じない。作業を中止している間に研磨剤が乾燥してしまったとしても、水分を与えれば研磨剤は元に戻る。したがって、作業員は問題なく作業を再開できる。すなわち、床の清掃作業を適宜一時中止できるので、床の清掃作業の計画が立てやすくなり、清掃作業の効率を高めることが容易である。
【0071】
また、本発明者の経験によれば、研磨作業終了後、研磨対象物の被研磨面を水洗すると、研磨剤は沈殿せずに水と一緒に洗い流され、排水設備の配管等の中に研磨剤が沈殿して溜まったりすることがない。前述したように、研磨剤が含有する中空体、中空体粉砕物、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
さらに、研磨剤が含有する中空体、中空体粉砕物、及び、増粘剤は、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床、金属製床等の床を変質させたり変色させたりしない。したがって、作業員は、床の清掃作業を行うに際して、床の材質を気にする必要がなくなり、床の清掃作業を効率よく行うことができる。なお、ここに列挙した床の材質は例示であり、研磨剤を使用可能な床の材質がここに列挙したものに限定されるものではない。
【0072】
請求項8の発明に係る研磨剤は、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の研磨剤であって、前記中空体がシラスバルーンである。
シラスバルーン(Shirasu−balloons)は、ガラス質火山砕屑物を高温で焼成して発泡させたものである。
請求項9の発明に係る研磨剤は、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の研磨剤であって、前記中空体がパーライトである。
【0073】
パーライト(expanded perlite)は、真珠岩、黒曜岩、松脂岩等のガラス質火山岩を高温で焼成して発泡させたものである。なお、請求項9の記載を含めて、本明細書中でパーライトというときは、ガラス質火山岩を高温で焼成して発泡させたものを示しており、真珠岩のことを示してはいない。
上記のような研磨剤であるので、作業性と安全性に優れ、ガラス製品、琺瑯製品、タイル製品、金属製品等の物品の表面や、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床等の床の表面に付着した汚れを効率的に除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】研磨用バフの外観図である。
【符号の説明】
【0075】
10 研磨用バフ
12 基材
14、16 円形端面
18 不織布
20 穴
22 面ファスナー
24、26 面テープ
28 回転式工具
30 回転軸
32 バフ装着台
【発明を実施するための最良の形態】
【0076】
本発明を実施するための第1の実施の形態を説明する。
まず、第1の実施の形態に係る研磨剤について説明する。
第1の実施の形態に係る研磨剤は、中空体と、中空体を粉砕して得られた中空体粉砕物と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有している。
中空体はシラスバルーン又はパーライトである。シラスバルーンは、ガラス質火山砕屑物を例えば1000〜1200℃に焼成し発泡させて得られる。パーライトは、ガラス質火山岩を例えば200〜500℃で余熱し900〜1100℃で急加熱して発泡させて得られる。中空体の中空部は外部から独立していてもよいし、外部と連通していてもよい。中空体の粒径は10〜100μmである。
【0077】
中空体粉砕物は、シラスバルーン又はパーライトを粉砕して得られる。中空体粉砕物は、表面にエッジを有する。このエッジはシラスバルーン又はパーライトを粉砕する際に形成されたものである。中空体粉砕物の粒径は5〜30μmである。
酸化セリウムの粒子は、天然に産する酸化セリウムを粉砕して得られる。酸化セリウムの粒子の粒径は0.5〜5μmである。
増粘剤は、増粘多糖類の一種であるキサンタンガムである。
【0078】
なお、中空体がシラスバルーンである場合、中空体粉砕物は、シラスバルーンを粉砕して得られるものであってもよいし、パーライトを粉砕して得られるものであってもよい。また、中空体がパーライトである場合、中空体粉砕物は、シラスバルーンを粉砕して得られるものであってもよいし、パーライトを粉砕して得られるものであってもよい。
第1の実施の形態に係る研磨剤を調製する手順について説明する。
まず、作業員が増粘剤を水に加えて溶かす。増粘剤が水に溶けたら、作業員は、さらに、中空体と中空体粉砕物を加え、撹拌する。中空体や中空体粉砕物の塊がなくなり、中空体や中空体粉砕物が水中でばらばらになって分散するまで、作業員が撹拌することが望ましい。
【0079】
また、作業員が、酸化セリウムの粒子を別に用意した水に加え、撹拌する。酸化セリウムの塊がなくなり、酸化セリウムの粒子が水中でばらばらになって分散するまで、作業員が撹拌することが望ましい。
そして、作業員が、中空体と中空体粉砕物が分散している水に、酸化セリウムの粒子が分散している水を加え、撹拌する。中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子が、水中でばらばらになって分散して保持されるまで、作業員が撹拌することが望ましい。充分に撹拌したら、第1の実施の形態に係る研磨剤の調製が完了する。
【0080】
第1の実施の形態に係る研磨剤中では、中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子が水中でばらばらに分散しており、増粘剤がこの分散した状態を維持している。したがって、調製された第1の実施の形態に係る研磨剤の分離が防止されている。
次に、研磨対象物の被研磨面を研磨する際に使用する研磨用バフについて説明する。
図1に示すように、研磨用バフ10は、基材12と不織布18とを有する。
基材12は弾性部材によって形成されている。この弾性部材はウレタンのスポンジである。基材12は円柱形をなし、面テープ24が基材12の一方の円形端面14に貼り付けられている。面テープ24は面ファスナー22の一部をなし、多数の小さなループを有する。
【0081】
不織布18が基材12の他方の円形端面16を覆っている。穴20が、円形端面16を覆う不織布18の中心部に開口している。穴20は、円形端面16側から円形端面14側まで、不織布18、基材12及び面テープ24を貫通して形成されている。
不織布18は、例えば、レジンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、湿式不織布のうちのいずれかの不織布である。また、これら以外の不織布を不織布18としてもよい。
【0082】
回転式工具28は回転軸30を有する。回転式工具28は、電気駆動又はエア駆動によって回転軸30が回転する構成となっている。円盤状のバフ装着台32が回転軸30の先端に取り付けられている。面テープ26がバフ装着台32に貼り付けられている。面テープ26は面ファスナー22の一部をなし、多数の小さなフックを有する。面テープ26のフックが面テープ24のループと係合し、面テープ26と面テープ24とが貼り合わされて、研磨用バフ10が回転軸30の先端に装着される構成となっている。
【0083】
次に、作用について説明する。
研磨対象物がバスの窓ガラスであり、作業員が、第1の実施の形態に係る研磨剤と研磨用バフ10とを用いて、研磨対象物の被研磨面を研磨するものとする。
研磨対象物の被研磨面は、凹凸を有している。この凹凸は、フッ化水素を使用して研磨対象物を化学的に洗浄した結果形成されたものである。この凹凸によって、白濁が被研磨面に生じている。また、油膜と水垢が被研磨面に強固に付着している。これらの油膜と水垢が、研磨対象物である窓ガラスの視界不良やぎらつきの原因となっており、研磨対象物の美観を損ねている。
【0084】
まず、作業員が、バスのボディーのうちの研磨対象物の周辺部分をビニールシートで覆い、養生する。この養生によって、被研磨面の研磨作業中に、バスのボディーが汚れたり傷ついたりすることが防止される。なお、バスのボディーのうちの研磨対象物以外の部分であって、ビニールシートによって養生されていない部分に、第1の実施の形態に係る研磨剤が付着したとしても、第1の実施の形態に係る研磨剤が付着した部分が変質等することはなく、付着した第1の実施の形態に係る研磨剤を水で簡単に洗い流すことができる。
【0085】
作業員は、バスのボディーの養生を終えたら、被研磨面を水洗いし、被研磨面に付着している鉄粉等を洗い流す。予め、被研磨面から鉄粉等を洗い流しておけば、鉄粉等によって被研磨面が傷つくことが防止される。
作業員は、研磨用バフ10を回転式工具28の回転軸30の先端のバフ装着台32に装着する。研磨用バフ10は、面ファスナー22によってバフ装着台32に固定される。
作業員は、研磨用バフ10を回転式工具28に装着したら、研磨用バフ10の不織布18を点検する。作業員は、不織布18に付着している汚れや異物を発見したら、研磨用バフ10を水洗いし、汚れや異物を不織布18から除去する。作業員は、不織布18に付着している汚れや異物が被研磨面を汚したり傷つけたりすることを防止する。
【0086】
次いで、作業員は、研磨用バフ10の不織布18に第1の実施の形態に係る研磨剤を含ませる。
作業員は、回転式工具28の回転軸30を回転させ、回転軸30とともに研磨用バフ10を回転させる。そして、作業員は、回転する研磨用バフ10の不織布18を被研磨面に押し当てる。研磨用バフ10の不織布18が研磨面となり、被研磨面を研磨する。
被研磨面と回転する不織布18との間で、第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子が転動して自由に動く。第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体が、被研磨面に付着した水垢の上を転動し、水垢が被研磨面から掻き落とされる。第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体粉砕物が、被研磨面に付着した油膜の上を転動し、中空体粉砕物のエッジが油膜に食い込み、油膜が被研磨面から掻き落とされる。第1の実施の形態に係る研磨剤中の酸化セリウムの粒子が被研磨面の凹凸の上を転動し、被研磨面の凹凸が酸化セリウムの粒子によって研磨され、被研磨面が平滑になる。
【0087】
研磨用バフ10の基材12は弾性部材であるので、研磨用バフ10は被研磨面の形状に対応して自由に変形する。したがって、不織布18はいかなる形状の被研磨面にも接触できる。被研磨面の全面が第1の実施の形態に係る研磨剤によって研磨される。
被研磨面と不織布18との間で転動しつつ自由に動く中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子が、被研磨面に付着した水垢や油膜に引っかかったり、被研磨面の凹凸に引っかかる場合がある。中空体等が水垢等に引っかかっても、作業員が研磨用バフ10をそのまま回転させて研磨作業を継続する。引っかかった中空体等は、抵抗が小さくなる方向へ移動し、引っかかりから解放されてしまう。無理な力が、引っかかった中空体等から被研磨面に働くことがなく、引っかかった中空体等が被研磨面を傷つけることもない。
【0088】
作業員が被研磨面の研磨作業を続けると、被研磨面から掻き落とされた水垢や油膜、第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、酸化セリウムの粒子、増粘剤等が、研磨滓となる。研磨滓の一部が、回転する不織布18の外周に向かって移動し、被研磨面と不織布18との間から排出される。また、研磨滓の残りは、回転する不織布18の中心に向かって移動し、不織布18の中心の穴20に入り、被研磨面と不織布18との間から排出される。研磨滓が被研磨面と不織布18との間から排出され、研磨滓が被研磨面を傷つけることが防止される。
【0089】
また、研磨滓が被研磨面と不織布18との間から排出されていくので、研磨滓が研磨面から周囲へ飛散しにくくなり、研磨面の周囲の汚れが少なくなる。したがって、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単であり、最初に養生する面積が小さくて済む。
作業員が被研磨面の研磨作業を続けると、被研磨面が乾燥してくる。被研磨面が乾燥し、被研磨面と研磨用バフ10との間の水分が少なくなると、中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子は、自由に転動できなくなる。自由に転動できなくなった中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子は、汚れなどに引っかかると、そのまま動けなくなる。そして、無理な力が動けなくなった中空体等から被研磨面に働き、被研磨面が傷つく。
【0090】
そこで、作業員は霧吹きなどを用いて水分を被研磨面に補給する。水分を被研磨面に適宜補給すれば、第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子は、転動しつつ自由に動けるようになる。また、補給された水分が、被研磨面と研磨用バフ10との間を冷却する。
研磨用バフ10は面ファスナー22によってバフ装着台32に装着されているので、その着脱が簡単である。したがって、古い研磨用バフ10と新しい研磨用バフ10との交換作業が簡単である。
【0091】
第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物及び酸化セリウムの粒子は、すべて天然の原料から得られるものである。したがって、第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物及び酸化セリウムの粒子が環境や作業者に与える負担は、小さい。また、第1の実施の形態に係る研磨剤中の増粘剤のキサンタンガムは、食品添加物や化粧品に用いられる増粘剤である。したがって、第1の実施の形態に係る研磨剤中の増粘剤が環境や作業者に与える負担も小さい。そして、研磨滓が環境や作業者に与える負担も小さい。
【0092】
作業員は、研磨作業終了後、被研磨面を水洗する。第1の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓は、沈殿せずに水と一緒に洗い流される。排水設備の配管等の中に研磨剤が沈殿して溜まったりすることがない。上記したように、第1の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、酸化セリウムの粒子、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、研磨作業後、簡単に研磨剤を通常の排水設備に洗い流すことができ、研磨作業終了後の後片付けや清掃が簡単である。
【0093】
なお、第1の実施の形態において、作業員が研磨用バフ10をバフ装着台32に装着し、回転式工具28によって研磨用バフ10を回転させている。回転式工具28を用いる代わりに、作業員が研磨用バフ10を手に持って被研磨面を研磨できることは勿論である。
次に、本発明を実施するための第2の実施の形態を説明する。
まず、第2の実施の形態に係る研磨剤について説明する。第2の実施の形態に係る研磨剤は、以下の点を除いて、第1の実施の形態に係る研磨剤と同じ構成を有する。
【0094】
すなわち、第2の実施の形態に係る研磨剤は、中空体と、中空体を粉砕して得られた中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有している。中空体はシラスバルーン又はパーライトであり、中空体の粒径は80〜320μmである。中空体粉砕物は、シラスバルーン又はパーライトを粉砕して得られ、中空体粉砕物の粒径は50〜200μmである。
第2の実施の形態に係る研磨剤の他の構成は、第1の実施の形態に係る研磨剤の構成と同じであり、重複する説明を省略する。
【0095】
第2の実施の形態に係る研磨剤を調製する手順について説明する。第2の実施の形態に係る研磨剤を調製する手順は、以下の点を除いて、第1の実施の形態に係る研磨剤を調製する手順と同じである。
すなわち、作業員は、酸化セリウムの粒子が分散している水を準備する必要がない。また、作業員は、中空体と中空体粉砕物が分散している水に、酸化セリウムの粒子が分散している水を加える必要もない。
【0096】
第2の実施の形態に係る研磨剤を調製するのに必要な他の手順は、第1の実施の形態に係る研磨剤を調製する手順と同じであり、重複する説明を省略する。
次に、研磨対象物の被研磨面を研磨する際に使用するポリッシャーについて説明する。このポリッシャーは、従来から建築物の床を磨く際に使用されているポリッシャーと同様のものであり、床の上で回転するバフを有する。
次に、作用について説明する。
【0097】
研磨対象物が建築物の床であり、被研磨面が床の表面である。作業員が、第2の実施の形態に係る研磨剤と前記ポリッシャーとを用いて、研磨対象物の被研磨面を研磨するものとする。
研磨対象物の被研磨面である床の表面は、多くの通行人が靴を履いたまま通行する。このため、水垢や油膜をはじめとする様々な汚れや古いワックスが、床の表面に強固に付着している。古いワックスは、汚れの一部を中に取り込み、固形化してしまっている。水垢や油膜をはじめとする様々な汚れや古いワックスが、床の表面を黒ずませ、建築物の美観を損ねている。
[0098]
まず、作業員が、一度に行う清掃作業の範囲を定め、その範囲の周辺にある器物等をビニールシートで覆い、養生する。この養生によって、床の清掃作業中に、周辺の器物等が汚れたり傷ついたりすることが防止される。なお、第2の実施の形態に係る研磨剤が、周辺の器物に付着したとしても、この研磨剤が付着してしまった部分が変質等することはなく、作業員は、付着した研磨剤を水で簡単に洗い流すことができる。また、作業員は、付着した研磨剤を濡らした雑巾等によって簡単にふき取ることもできる。
[0099]
作業員は、周辺の養生を終えたら、清掃作業を行う範囲の床の表面から塵を掃除機等で除去する。
作業員は、清掃作業を行う範囲の床の表面に、第2の実施の形態に係る研磨剤を適量散布する。作業員は、散布した第2の実施の形態に係る研磨剤の上で、前記ポリッシャーを動かし、前記ポリッシャーのバフを回転させる。前記ポリッシャーのバフが研磨面となり、床の表面を研磨する。
[0100]
第2の実施の形態に係る研磨剤中の中空体の一部は、前記ポリッシャーのバフから受ける力によって粉砕されて中空体粉砕物となる。粒径が80〜320μmの中空体から生じる中空体粉砕物の殆どは、200μm以下の粒径を有し、また、この中空体粉砕物の少なくとも一部は、50〜200μmの粒径を有する。
前記ポリッシャーのバフと床の表面との間で、第2の実施の形態に係る研磨剤中の中空体及び中空体粉砕物が転動して自由に動く。中空体が、床の表面に付着した水垢等の汚れの上を転動し、水垢等の汚れが被研磨面から掻き落とされる。中空体粉砕物が、床の表面に付着した油膜等の汚れや古い固形化したワックスの上を転動し、中空体粉砕物のエッジが油膜等の汚れや古い固形化したワックスに食い込み、油膜等の汚れや古い固形化したワックスが床の表面から掻き落とされる。
[0101]
清掃作業の作業対象となる範囲内に前記ポリッシャーが届かない場所がある場合、作業員はは、第1の実施の形態の研磨用バフ10及び回転式工具28を使用し、清掃作業を行うことができる。
第2の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓が床の表面に付着していたとしても、すぐに水分が蒸発し、第2の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓は乾いてしまう。したがって、床の表面が特にすべりやすくなることはなく、作業員が転倒する危険性もなくなる。第2の実施の形態に係る研磨剤が乾いてしまったら、作業員は、前記ポリッシャーをかける場所に霧吹き等を用いて水分を与えてから、前記ポリッシャーをかける。したがって、第2の実施の形態に係る研磨剤が乾いてしまうことがあったとしても、清掃作業に支障を生じない。
【0102】
作業員が、第2の実施の形態に係る研磨剤及び前記ポリッシャーを使用し、床の表面から水垢や油膜をはじめとする様々な汚れや古いワックスを除去したら、きれいな床の表面が露出する。この、床の表面には、第2の実施の形態に係る研磨剤中の中空体及び中空体粉砕物が転動してできた微小な傷が沢山残っている。
そして、作業員は、床の表面から第2の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓を水で洗い流す。第2の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓は沈殿せずに水と一緒に洗い流されるので、排水設備の配管等の中に研磨剤が沈殿して溜まったりすることがない。第2の実施の形態に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、及び、増粘剤は、環境に与える負担が小さいので、第2の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓を水と一緒に床の表面から通常の排水設備に洗い流すことができる。
【0103】
床の表面から第2の実施の形態に係る研磨剤や研磨滓を洗い流したら、新たにワックスを床の表面にかける。床の表面に微小な傷が沢山あるので、ワックスののりがよい。ワックスをかけ終えれば、床の表面についた微小な傷は、ワックスによって埋まってしまい、まったく見えなくなる。
なお、第2の実施の形態に係る研磨剤及び前記ポリッシャーを使用して床の表面の汚れを除去している間、作業員は、適宜、その作業を中断することができる。作業を中断すれば、床の表面はすぐに乾いてしまうので、滑りやすいということはなくなり、作業を中断した場所を人が安全かつ容易に通行できる。
(実施例)
以下、実施例を挙げつつ上記した第1の実施の形態において説明した研磨剤について説明する。
【0104】
実施例1〜48において、本発明者が、第1の実施の形態において説明した研磨剤を使用し、研磨対象物の被研磨面の研磨作業を行った。
まず、実施例1〜16で使用した研磨剤、研磨用バフ、研磨対象物を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
表1に示すように、実施例1〜16で使用した各研磨剤は、第1の実施の形態において説明した研磨剤である。中空体であるシラスバルーンの粒径は90μm、中空体粉砕物であるシラスバルーンの粉砕物の粒径は15μm、酸化セリウムの粒子の粒径は3μmである。
実施例1で使用した研磨用バフは、第1の実施の形態において説明した研磨用バフである。ただし、基材の一方の円形端面は、不織布によって覆われてはいない。基材をなすウレタンのスポンジが基材の一方の円形端面に露出し、このウレタンのスポンジが研磨面を形成している。
【0107】
実施例2〜6で使用した各研磨用バフは、第1の実施の形態において説明した研磨用バフである。ただし、基材の一方の円形端面は、不織布によって覆われてはいない。不織布の代わりに織布がこの円形端面を覆っており、この織布が研磨面を形成している。
実施例2において、研磨用バフの研磨面を形成する織布の素材は、100%綿である。
実施例3において、研磨用バフの研磨面を形成する織布の素材は、100%ウールである。
【0108】
実施例4において、研磨用バフの研磨面を形成する織布の素材は、100%レーヨンである。
実施例5において、研磨用バフの研磨面を形成する織布の素材は、75質量%がポリエステルであり、残部がナイロンである。
実施例6において、研磨用バフの研磨面を形成する織布の素材は、100%ポリエステルである。
【0109】
実施例7〜16で使用した各研磨用バフは、第1の実施の形態において説明した研磨用バフである。ただし、研磨面を形成する不織布がそれぞれ異なっている。
実施例7において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、100%ポリエステルである。
実施例8において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、75質量%がポリエステルであり、残部がレーヨンである。
【0110】
実施例9において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、65質量%がポリエステルであり、残部がレーヨンである。
実施例10において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、60質量%がポリエステルであり、残部がレーヨンである。
実施例11において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、55質量%がポリエステルであり、残部がレーヨンである。
【0111】
実施例12において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、50質量%がポリエステルであり、残部がレーヨンである。
実施例13において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、30質量%がポリエステルであり、残部がレーヨンである。
実施例14において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、100%ナイロンである。
【0112】
実施例15において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布の素材は、100%綿のフェルトである。
実施例16において、研磨用バフの研磨面を形成する不織布は、表面にアルミ蒸着処理が施されている。
実施例1〜16で使用した各研磨対象物は軟質系ガラスであり、フロート板ガラスである。各研磨対象物の被研磨面は500mm×500mmの正方形である。油膜と魚鱗状の水垢が各被研磨面に強固に付着している。
【0113】
実施例1〜16において、本発明者が各研磨用バフに研磨剤を含ませ、回転式工具によって各研磨用バフを回転させ、回転する研磨用バフを各研磨対象物の被研磨面に押し当て、被研磨面の研磨作業を行った。実施例1〜16で使用した各回転式工具の回転速度は1300rpmである。実施例1〜16における研磨作業の結果を表1に示す。
実施例1〜16において、研磨作業後の各被研磨面の傷の有無を調べた。傷の有無は、太陽光線下、肉眼で被研磨面を観察して調べた。
【0114】
また、実施例1〜16において、研磨作業の作業効率をA、B、C、D、Eの5段階に分けて評価した。被研磨面から水垢と油膜を除去するのに要した時間が5分未満の場合、作業効率がAであると評価した。被研磨面から水垢と油膜を除去するのに要した時間が5分以上、30分未満の場合、作業効率がBであると評価した。被研磨面から水垢と油膜を除去するのに要した時間が30分以上、60分未満の場合、作業効率がCであると評価した。被研磨面から水垢と油膜を除去するのに要した時間が60分以上の場合、作業効率がDであると評価した。太陽光線下、肉眼で見てわかる傷が被研磨面に発生した場合、作業効率がEであると評価した。
【0115】
すなわち、研磨対象物が軟質系ガラスである場合、作業効率がAの実施例の研磨用バフを用いれば、研磨作業が迅速かつきれいに行われることとなり、最も好ましい。作業効率がEの実施例の研磨用バフを用いれば、被研磨面が傷つくので、好ましくない。
この結果、実施例9〜11は、目に見える傷が被研磨面に存在せず、作業効率がAであると評価された。実施例12、13、15は、目に見える傷が被研磨面に存在せず、作業効率がBであると評価された。実施例1〜8、14、16は、被研磨面に目に見える傷が確認され、作業効率がEであると評価された。
【0116】
また、実施例13では、研磨用バフの研磨面を形成する不織布がほつれ、研磨用バフの寿命が短かった。
したがって、研磨対象物が軟質系ガラスである場合、実施例9〜11の研磨用バフを使用することが最も好ましいことが確認された。また、実施例12、13、15の研磨用バフを使用すれば、比較的速く、且つ、きれいに研磨作業を行えることが確認された。ただし、実施例13の研磨用バフを使用すれば、研磨用バフの消耗が早いことも確認された。
【0117】
次に、実施例17〜32で使用した研磨剤、研磨用バフ、研磨対象物を表2に示す。
【0118】
【表2】
【0119】
表2に示すように、実施例17〜32の各研磨剤は、実施例1〜16の研磨剤と同じである。
実施例17の研磨用バフは、実施例1の研磨用バフと同じである。実施例18の研磨用バフは、実施例2の研磨用バフと同じである。実施例19の研磨用バフは、実施例3の研磨用バフと同じである。実施例20の研磨用バフは、実施例4の研磨用バフと同じである。実施例21の研磨用バフは、実施例5の研磨用バフと同じである。実施例22の研磨用バフは、実施例6の研磨用バフと同じである。実施例23の研磨用バフは、実施例7の研磨用バフと同じである。実施例24の研磨用バフは、実施例8の研磨用バフと同じである。実施例25の研磨用バフは、実施例9の研磨用バフと同じである。実施例26の研磨用バフは、実施例10の研磨用バフと同じである。実施例27の研磨用バフは、実施例11の研磨用バフと同じである。実施例28の研磨用バフは、実施例12の研磨用バフと同じである。実施例29の研磨用バフは、実施例13の研磨用バフと同じである。実施例30の研磨用バフは、実施例14の研磨用バフと同じである。実施例31の研磨用バフは、実施例15の研磨用バフと同じである。実施例32の研磨用バフは、実施例16の研磨用バフと同じである。
【0120】
実施例17〜32で使用した各研磨対象物は、強化ガラスである。各研磨対象物の被研磨面は500mm×500mmの正方形である。凹凸が各被研磨面に存在している。この凹凸は、フッ化水素を用いた化学的な洗浄の結果生じたものであり、各被研磨面がこの凹凸によって白濁している。そして、油膜と魚鱗状の水垢が各被研磨面に強固に付着している。
実施例17〜32において、本発明者が各研磨用バフに研磨剤を含ませ、回転式工具によって各研磨用バフを回転させ、回転する研磨用バフを各研磨対象物の被研磨面に押し当て、被研磨面の研磨作業を行った。実施例17〜32で使用した各回転式工具の回転速度は2000rpmである。実施例17〜32における研磨作業の結果を表2に示す。
【0121】
実施例17〜32において、研磨作業後の各被研磨面の傷の有無を調べた。傷の有無は、太陽光線下、肉眼で被研磨面を観察して調べた。
また、実施例17〜32において、研磨作業の作業効率をA、B、C、D、Eの5段階に分けて評価した。被研磨面から水垢、油膜及び白濁を除去するのに要した時間が10分未満の場合、作業効率がAであると評価した。被研磨面から水垢、油膜及び白濁を除去するのに要した時間が10分以上、30分未満の場合、作業効率がBであると評価した。被研磨面から水垢、油膜及び白濁を除去するのに要した時間が30分以上、60分未満の場合、作業効率がCであると評価した。被研磨面から水垢、油膜及び白濁を除去するのに要した時間が60分以上の場合、作業効率がDであると評価した。太陽光線下、肉眼で見てわかる傷が被研磨面に発生した場合、作業効率がEであると評価した。
【0122】
すなわち、研磨対象物が強化ガラスである場合、作業効率がAの実施例の研磨用バフを用いれば、研磨作業が迅速かつきれいに行われることとなり、最も好ましい。作業効率がEの実施例の研磨用バフを用いれば、被研磨面が傷つくので、好ましくない。
この結果、実施例17〜32のすべてにおいて、目に見える傷が被研磨面には存在しなかった。実施例30、32は、作業効率がAであると評価された。実施例18〜29、31は、作業効率がCであると評価された。実施例17は、作業効率がDであると評価された。
【0123】
また、実施例29では、研磨用バフの研磨面を形成する不織布がほつれ、研磨用バフの寿命が短かった。
したがって、研磨対象物が強化ガラスである場合、実施例30、32の研磨用バフを使用することが最も好ましいことが確認された。また、実施例18〜29、31の研磨用バフを使用すれば、比較的時間がかかるが、きれいに研磨作業を行えることが確認された。さらに、実施例17の研磨用バフを使用すれば、かなり時間がかかるが、きれいに研磨作業を行えることが確認された。ただし、実施例29の研磨用バフを使用すれば、研磨用バフの消耗が早いことも確認された。
【0124】
次に、実施例33〜48で使用した研磨剤、研磨用バフ、研磨対象物を表3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】
表3に示すように、実施例33〜48の各研磨剤は、第1の実施の形態において説明した研磨剤である。中空体であるシラスバルーンの粒径は15μm、中空体粉砕物であるシラスバルーンの粉砕物の粒径は5μm、酸化セリウムの粒子の粒径は3μmである。
実施例33の研磨用バフは、実施例1の研磨用バフと同じである。実施例34の研磨用バフは、実施例2の研磨用バフと同じである。実施例35の研磨用バフは、実施例3の研磨用バフと同じである。実施例36の研磨用バフは、実施例4の研磨用バフと同じである。実施例37の研磨用バフは、実施例5の研磨用バフと同じである。実施例38の研磨用バフは、実施例6の研磨用バフと同じである。実施例39の研磨用バフは、実施例7の研磨用バフと同じである。実施例40の研磨用バフは、実施例8の研磨用バフと同じである。実施例41の研磨用バフは、実施例9の研磨用バフと同じである。実施例42の研磨用バフは、実施例10の研磨用バフと同じである。実施例43の研磨用バフは、実施例11の研磨用バフと同じである。実施例44の研磨用バフは、実施例12の研磨用バフと同じである。実施例45の研磨用バフは、実施例13の研磨用バフと同じである。実施例46の研磨用バフは、実施例14の研磨用バフと同じである。実施例47の研磨用バフは、実施例15の研磨用バフと同じである。実施例48の研磨用バフは、実施例16の研磨用バフと同じである。
【0127】
実施例33〜48で使用した各研磨対象物は、SUS304ステンレス板である。各研磨対象物の被研磨面は500mm×500mmの正方形である。油膜と魚鱗状の水垢が各被研磨面に強固に付着し、各被研磨面は曇っている。
実施例33〜48において、本発明者が各研磨用バフに研磨剤を含ませ、回転式工具によって各研磨用バフを回転させ、回転する研磨用バフを各研磨対象物の被研磨面に押し当て、被研磨面の研磨作業を行った。実施例33〜48で使用した各回転式工具の回転速度は1300rpmである。実施例33〜48における研磨作業の結果を表3に示す。
【0128】
実施例33〜48において、研磨作業後の各被研磨面の傷の有無を調べた。傷の有無は、太陽光線下、肉眼で被研磨面を観察して調べた。
また、実施例33〜48において、研磨作業の作業効率をA、B、C、D、Eの5段階に分けて評価した。被研磨面から水垢、油膜及び曇りを除去し、被研磨面を鏡面仕上げするのに要した時間が10分未満の場合、作業効率がAであると評価した。被研磨面から水垢、油膜及び曇りを除去し、被研磨面を鏡面仕上げするのに要した時間が10分以上、30分未満の場合、作業効率がBであると評価した。被研磨面から水垢、油膜及び曇りを除去し、被研磨面を鏡面仕上げするのに要した時間が30分以上、60分未満の場合、作業効率がCであると評価した。被研磨面から水垢、油膜及び曇りを除去し、被研磨面を鏡面仕上げするのに要した時間が60分以上の場合、作業効率がDであると評価した。太陽光線下、肉眼で見てわかる傷が被研磨面に発生した場合、作業効率がEであると評価した。
【0129】
すなわち、研磨対象物がステンレス板であり、その表面に鏡面仕上げを施す場合、作業効率がAの実施例の研磨用バフを用いれば、研磨作業が迅速かつきれいに行われることとなり、最も好ましい。作業効率がEの実施例の研磨用バフを用いれば、被研磨面が傷つくので、好ましくない。
この結果、実施例41〜43は、目に見える傷が被研磨面には存在せず、作業効率がAであると評価された。実施例44、45、47は、目に見える傷が被研磨面には存在せず、作業効率がBであると評価された。実施例33〜40、46、48は、目に見える傷が被研磨面に確認され、作業効率がEであると評価された。
【0130】
また、実施例45では、研磨用バフの研磨面を形成する不織布がほつれ、研磨用バフの寿命が短かった。
したがって、研磨対象物がステンレス板であり、その表面に鏡面仕上げを施す場合、実施例41〜43の研磨用バフを使用することが最も好ましいことが確認された。また、実施例44、45、47の研磨用バフを使用すれば、比較的速く、且つ、きれいに鏡面仕上げを行えることが確認された。ただし、実施例45の研磨用バフを使用すれば、研磨用バフの消耗が早いことも確認された。
【0131】
また、本発明者は、本発明に係る研磨剤中の中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子について試験を行い、中空体、中空体粉砕物、及び、酸化セリウムの粒子が奏する作用をそれぞれ検証した。以下、検証例を挙げながら説明する。
検証例1〜5において、本発明者は、本発明に係る研磨剤中に含有されている中空体の作用を検証した。
検証例1〜5において、本発明者は、中空体と、増粘剤と、水と、を含有する研磨剤をそれぞれ準備した。検証例1〜5の各研磨剤中では、中空体が増粘剤によって分散している。検証例1〜5の各研磨剤は、含有する中空体の平均粒径がそれぞれ異なる点を除いて、同じである。なお、検証例1〜5の各研磨剤中の中空体はシラスバルーンである。
【0132】
検証例1の研磨剤中の中空体の平均粒径は、8.26μmである。
検証例2の研磨剤中の中空体の平均粒径は、10.06μmである。
検証例3の研磨剤中の中空体の平均粒径は、59.87μmである。
検証例4の研磨剤中の中空体の平均粒径は、96.53μmである。
検証例5の研磨剤中の中空体の平均粒径は、120.96μmである。
検証例1〜5において、本発明者は、前記実施例10の研磨用バフを準備した。
【0133】
検証例1〜5において、本発明者は、軟質系ガラスを研磨対象物としてそれぞれ準備した。検証例1〜5の各研磨対象物は、フロート板ガラスであり、長方形の被研磨面を有する。各被研磨面の大きさは縦300mm×横400mmである。30日間にわたって、本発明者は、検証例1〜5の各研磨対象物の被研磨面に毎日2回散水し、屋外に放置した。この結果、検証例1〜5の各研磨対象物の被研磨面には魚鱗状の水垢が汚れとして形成された。
【0134】
検証例1〜5において、本発明者が、研磨用バフに研磨剤を含ませ、回転式工具によって研磨用バフを回転させ、回転する研磨用バフを各研磨対象物の被研磨面に押し当て、被研磨面の研磨作業を行った。検証例1〜5で使用した回転式工具の回転速度は2000rpmである。本発明者は、研磨対象物の被研磨面の同一部分に、回転する研磨用バフを合計10回押し当てて研磨した。
研磨作業を終了した後、検証例1〜5の研磨対象物の被研磨面を太陽光線の下で肉眼により観察した。観察の結果は以下に記した通りである。
【0135】
検証例1において、研磨対象物の被研磨面の水垢は、殆ど除去されなかった。回転する研磨用バフを研磨対象物の被研磨面に押し当てて研磨する回数を増やせば、研磨対象物の被研磨面の水垢は完全に除去されると考えられる。しかし、この場合、研磨作業にかかる時間が非常に長くなり、研磨作業の作業効率が非常に悪くなると判断される。
検証例2において、研磨対象物の被研磨面の水垢は、一部分除去されなかった。回転する研磨用バフを研磨対象物の被研磨面に押し当てて研磨する回数を増やせば、研磨対象物の被研磨面の水垢は完全に除去されると考えられる。しかし、この場合、研磨作業にかかる時間がある程度長くなり、研磨作業の作業効率がある程度悪いと判断される。なお、検証例1の研磨剤と検証例2の研磨剤とを比較すると、検証例1の研磨剤のほうが研磨作業にかかる時間が長く、研磨作業の作業効率が悪い。
【0136】
検証例3において、研磨対象物の被研磨面の水垢は、完全に除去され、研磨対象物の被研磨面に肉眼で見てわかる傷は存在していなかった。
検証例4において、研磨対象物の被研磨面の水垢は、完全に除去され、研磨対象物の被研磨面に肉眼で見てわかる傷は存在していなかった。
検証例5において、研磨対象物の被研磨面の水垢は、完全に除去されたが、研磨対象物の被研磨面に肉眼で見てわかる微小な傷が観察された。
【0137】
これより、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに水垢を被研磨面から掻き落とすためには、検証例1〜4の平均粒径の中空体が必要であることがわかる。ある程度の作業時間がかかることを容認できる場合、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに水垢を被研磨面から掻き落とすためには、検証例2〜4の平均粒径の中空体が必要であることがわかる。被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに水垢を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、検証例3又は4の平均粒径の中空体が必要であることがわかる。
【0138】
被研磨面に肉眼で見てわかる微小な傷がつくことを容認できる場合、被研磨面から水垢を効率よく掻き落とすためには、検証例5の平均粒径の中空体を使用できることがわかる。また、被研磨面に肉眼で見てわかる微小な傷をつけつつ水垢を効率よく掻き落とさなければならない場合、検証例5の平均粒径の中空体が必要であることがわかる。
次に、検証例6〜10において、本発明者は、本発明に係る研磨剤中に含有されている中空体粉砕物の作用を検証した。
【0139】
検証例6〜10において、本発明者は、中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有する研磨剤をそれぞれ準備した。検証例6〜10の各研磨剤中では、中空体粉砕物が増粘剤によって分散している。検証例6〜10の各研磨剤は、含有する中空体粉砕物の平均粒径がそれぞれ異なる点を除いて、同じである。なお、検証例6〜10の各研磨剤中の中空体粉砕物はシラスバルーンを粉砕したものである。
検証例6の研磨剤中の中空体粉砕物の平均粒径は、3.54μmである。
【0140】
検証例7の研磨剤中の中空体粉砕物の平均粒径は、5.86μmである。
検証例8の研磨剤中の中空体粉砕物の平均粒径は、17.82μmである。
検証例9の研磨剤中の中空体粉砕物の平均粒径は、31.32μmである。
検証例10の研磨剤中の中空体粉砕物の平均粒径は、40.62μmである。
検証例6〜10において、本発明者は、前記実施例10の研磨用バフをそれぞれ準備した。
【0141】
検証例6〜10において、本発明者は、軟質系ガラスを研磨対象物としてそれぞれ準備した。検証例6〜10の各研磨対象物は、フロート板ガラスであり、長方形の被研磨面を有する。各被研磨面の大きさは縦300mm×横400mmである。30日間にわたって、本発明者は、検証例6〜10の各研磨対象物の被研磨面を、潤滑油と水を含ませた布で毎日1回拭き、毎日30分間ガソリン車の排気ガスにさらし、屋外に放置した。この結果、検証例6〜10の各研磨対象物の被研磨面には油膜が汚れとして形成された。
【0142】
検証例6〜10において、本発明者が、研磨用バフに研磨剤を含ませ、回転式工具によって研磨用バフを回転させ、回転する研磨用バフを各研磨対象物の被研磨面に押し当て、被研磨面の研磨作業を行った。検証例6〜10で使用した回転式工具の回転速度は2000rpmである。本発明者は、研磨対象物の被研磨面の同一部分に、回転する研磨用バフを合計10回押し当てて研磨した。
研磨作業を終了した後、検証例6〜10の各研磨対象物の被研磨面を太陽光線の下で肉眼により観察した。観察の結果は以下に記した通りである。
【0143】
検証例6において、研磨対象物の被研磨面の油膜は、まったく除去されなかった。回転する研磨用バフを研磨対象物の被研磨面に押し当てて研磨する回数を増やしたとしても、研磨対象物の被研磨面から油膜は除去されないと考えられる。
検証例7において、研磨対象物の被研磨面の油膜は、一部分除去されなかった。回転する研磨用バフを研磨対象物の被研磨面に押し当てて研磨する回数を増やせば、研磨対象物の被研磨面の水垢は完全に除去されると考えられる。しかし、この場合、研磨作業にかかる時間が長くなり、研磨作業の作業効率が悪いと判断される。
【0144】
検証例8において、研磨対象物の被研磨面の油膜は、完全に除去され、研磨対象物の被研磨面に肉眼で見てわかる傷は存在していなかった。
検証例9において、研磨対象物の被研磨面の油膜は、完全に除去され、研磨対象物の被研磨面に肉眼で見てわかる傷は存在していなかった。なお、検証例8の研磨剤と検証例9の研磨剤とを比較すると、研磨対象物の被研磨面の油膜が完全に除去されるまでに、回転する研磨用バフを研磨対象物の被研磨面に押し当てて研磨しなければならない最少回数は、検証例9の研磨剤ほうが検証例8の研磨剤よりも少なかった。したがって、検証例9の研磨剤のほうが、検証例8の研磨剤よりも研磨作業にかかる時間が短くてすみ、研磨作業の作業効率が良い。
【0145】
検証例10において、研磨対象物の被研磨面の油膜は、完全に除去されたが、研磨対象物の被研磨面に肉眼で見てわかる微小な傷が観察された。
これより、ある程度の作業時間がかかることを容認できる場合、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに油膜を被研磨面から掻き落とすためには、検証例7〜9の平均粒径の中空体粉砕物が必要であることがわかる。一定以上の作業効率が求められる場合、被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに油膜を被研磨面から掻き落とすためには、検証例8又は9の平均粒径の中空体粉砕物が必要であることがわかる。被研磨面に肉眼で見てわかる傷を発生させずに油膜を被研磨面から効率よく掻き落とすためには、検証例9の平均粒径の中空体粉砕物が必要であることがわかる。
【0146】
被研磨面に肉眼で見てわかる微小な傷がつくことを容認できる場合、被研磨面から油膜を効率よく掻き落とすためには、検証例10の平均粒径の中空体粉砕物を使用できることがわかる。また、被研磨面に肉眼で見てわかる微小な傷をつけつつ油膜を効率よく掻き落とさなければならない場合、検証例10の平均粒径の中空体粉砕物が必要であることがわかる。
次に、検証例11〜14において、本発明者は、本発明に係る研磨剤中に含有されている酸化セリウムの粒子の作用を検証した。
【0147】
検証例11〜14において、本発明者は、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有する研磨剤をそれぞれ準備した。検証例11〜14の各研磨剤中では、酸化セリウムの粒子が増粘剤によって分散している。検証例11〜14の各研磨剤は、含有する酸化セリウムの粒子の粒径がそれぞれ異なる点を除いて、同じである。
検証例11の研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径は、0.1〜0.2μmである。
検証例12の研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径は、0.5μmである。
【0148】
検証例13の研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径は、1.2〜2.5μmである。
検証例14の研磨剤中の酸化セリウムの粒子の粒径は、3.0〜5.0μmである。
検証例11〜14において、本発明者は、前記実施例10の研磨用バフをそれぞれ準備した。
検証例11〜14において、本発明者は、軟質系ガラスを研磨対象物としてそれぞれ準備した。検証例11〜14の各研磨対象物は、フロート板ガラスであり、長方形の被研磨面を有する。各被研磨面の大きさは縦300mm×横400mmである。30日間にわたって、本発明者は、検証例11〜14の各研磨対象物の被研磨面を、3日毎に1回、フッ化水素の希釈液を浸した布で拭いて水洗した。この結果、検証例11〜14の各研磨対象物の被研磨面がフッ化水素によって犯され、白濁し非透明化した。
【0149】
検証例11〜14において、本発明者が、研磨用バフに研磨剤を含ませ、回転式工具によって研磨用バフを回転させ、回転する研磨用バフを各研磨対象物の被研磨面に押し当て、被研磨面の研磨作業を行った。検証例11〜14で使用した回転式工具の回転速度は2000rpmである。本発明者は、研磨対象物の被研磨面の同一部分において、回転する研磨用バフを計10回押し当てて研磨した。
研磨作業を終了した後、検証例11〜14の各研磨対象物の被研磨面を太陽光線の下で肉眼により観察した。観察の結果は以下に記した通りである。
【0150】
検証例11において、研磨対象物の被研磨面は透明性を多少回復した。しかし、被研磨面に曇りが残存した。研磨対象物の被研磨面に回転する研磨用バフを押し当てる回数を増やしたが、被研磨面に残った曇りは除去されなかった。
検証例12において、研磨対象物の被研磨面は透明性を回復した。しかし、被研磨面に白濁が曇りとしてわずかに残存した。研磨対象物の被研磨面に回転する研磨用バフを押し当てる回数を増やすと、被研磨面から曇りが完全に除去された。
【0151】
検証例13において、研磨対象物の被研磨面は透明性を回復し、被研磨面から白濁が除去され、曇りはまったく残らなかった。
検証例14において、研磨対象物の被研磨面は透明性を回復し、被研磨面から白濁が除去され、曇りはまったく残らなかった。なお、検証例13の研磨剤と検証例14の研磨剤とを比較すると、研磨対象物の被研磨面から白濁を完全に除去するまでに、回転する研磨用バフを研磨対象物の被研磨面に押し当てて研磨しなければならない最少回数は、検証例14の研磨剤のほうが検証例13の研磨剤よりも少なかった。したがって、検証例14の研磨剤のほうが、検証例13の研磨剤よりも研磨作業にかかる時間が短くてすみ、研磨作業の作業効率が良い。
【0152】
これより、ある程度の作業時間がかかることを容認できる場合、被研磨面から曇りをまったく残さずに白濁を完全に除去するためには、検証例12〜14の粒径の酸化セリウムの粒子が必要であることがわかる。一定以上の作業効率が求められる場合、被研磨面から曇りをまったく残さずに白濁を完全に除去するためには、検証例13又は14の粒径の酸化セリウムの粒子が必要であることがわかる。被研磨面にから効率よく曇りをまったく残さずに白濁を完全に除去するためには、検証例14の粒径の酸化セリウムの粒子が必要であることがわかる。
【産業上の利用の可能性】
【0153】
本発明に係る研磨剤は、ガラス製品、琺瑯製品、タイル製品、金属製品等の物品の表面や、石製床、木製床、合成樹脂製床、リノリュウム製床、レンガ製床、金属製床等の床の表面を研磨する研磨剤として有用である。
Claims (9)
- 火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、当該中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体の粒径が59.87〜96.53μmであり、
含有する前記中空体粉砕物の粒径が17.82〜30μmであることを特徴とする研磨剤。 - 火山ガラスを焼成し発泡させた中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、
酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体粉砕物の粒径が17.82〜30μmであり、
含有する前記酸化セリウムの粒子の粒径が3〜5μmであることを特徴とする研磨剤。 - 火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体の粒径が59.87〜96.53μmであり、
含有する前記酸化セリウムの粒子の粒径が3〜5μmであることを特徴とする研磨剤。 - 火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、当該中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、酸化セリウムの粒子と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体の粒径が59.87〜96.53μmであり、
含有する前記中空体粉砕物の粒径が17.82〜30μmであり、
含有する前記酸化セリウムの粒子の粒径が3〜5μmであることを特徴とする研磨剤。 - 火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体の粒径が80〜320μmであり、
含有する前記中空体が、床の表面に付着した水垢を掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけ、
含有する前記中空体が破砕して生じた中空体粉砕物が、床の表面に付着した油膜とワックスを掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけることを特徴とする研磨剤。 - 火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体粉砕物の粒径が50〜200μmであり、
含有する前記中空体粉砕物が、床の表面に付着した油膜とワックスを掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけることを特徴とする研磨剤。 - 火山ガラスを焼成し発泡させて得られる中空体と、当該中空体を粉砕して得られる中空体粉砕物と、増粘剤と、水と、を含有し、
含有する前記中空体の粒径が80〜320μmであり、
含有する前記中空体粉砕物の粒径が50〜200μmであり、
含有する前記中空体が、床の表面に付着した水垢を掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけ、
含有する前記中空体が破砕して生じた中空体粉砕物と、含有する前記中空体粉砕物と、が、床の表面に付着した油膜とワックスを掻き落とすとともに、床の表面に傷をつけることを特徴とする研磨剤。 - 前記中空体がシラスバルーンであることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の研磨剤。
- 前記中空体がパーライトであることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項に記載の研磨剤。
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