JP2017203055A - 固体表面の鏡面研磨方法及び研磨剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】生活周辺にある建物・家具・什器・備品・乗物・墓石等の硬軟様々な固体表面が汚れ又は腐蝕により粗面になったものを、汚れと傷に伴う凹凸の双方を削り取って鏡面に仕上げる研磨方法及び鏡面研磨剤を提供する。【解決手段】天然産品であるプラント・オパールを主成分、同じく略球状酸化ケイ素を増量材、又、酸化セリウムを助材として混合した粉体を、キサンタンガムで増粘した水に均一に懸濁させ、処理対象面に直接塗付するか、平織の布・極細繊維から成る不織布等に付着させて横に擦ることで、汚れと傷に伴う凹凸の双方を削り取って鏡面に仕上げる。【選択図】図1

Description

本発明は、生活周辺にある建物・家具・什器・備品・乗物・墓石等の硬軟様々な固体表面が汚れ又は腐蝕により粗面になったものを、鏡面に研磨する鏡面研磨方法及び研磨剤に関する。
生活周辺にある建物・家具・什器・備品・乗物・墓石等の硬軟様々な固体表面は、塵埃、水垢、錆や黴等が強固に付着し、又、金属である場合は永年の使用で手垢等により酸化、或いは電蝕等により窪みができて鏡面を失うことが著しい。人間社会においては、失われた鏡面を回復したい願望が常に存在する。
ここで、鏡面が傷付き粗面になる原因は種々あり、素材も様々である。通常の水洗等の表面洗浄や清拭を行なっても、当初の鏡面状態までに復帰可能か否かの予想は難しく、永年試行錯誤が繰り返されてきた。例えば、「磨き粉」と称するものを高分子材質のスポンジや布に付けて表面を擦る方法は、台所に代表される日常の清掃作業で汎用になっているが、主成分である粒子を鉱物の破砕及び分級によって得ている為、たとえ微粒子であっても破断面に鋭角な部分を有し、研磨面に無数の擦過傷を生じて鏡面は曇る。因みに、最も硬い結晶とされるダイヤモンドは、炭素のみの共有結合から成るダイヤモンド格子の構造を維持している為、同じダイヤモンド同士を衝突させて割っても自身の構造が歪んだり崩れたりしない反面、より低硬度材質の相手を傷付ける。幾何学的対称性に劣るイオン型或いは配位型結晶の硬度は低い。
高硬度の結晶性鉱物は研磨だけでなく宝石の加工に古くから使用されてきた。低級品が研磨剤になるガーネットも、品質が優れていると宝石に加工される。又、光学レンズの研磨に用いられる酸化セリウムCeOは、通常、立方体の配位多面体から導かれるホタル石(モースの硬度で(4))型構造を有している。更に、炭酸カルシウムは、モースの硬度で(3)を代表する結晶質石灰石(方解石)からつくられ、カルシウムCa2+の周りを6個の炭酸CO 2−が囲み歪んだアラレ石の構造をとる。なお、ソフトブラスト法により固形汚れ剥離を行なう際の主成分でもある炭酸カルシウムは、大きな力が加わると容易に崩れる。因って、破砕機によって種々の微小平均径の粒子に加工、分級が可能で、基本的な結晶構造に変化がない為に処理面を傷付けることもない(特許文献1参照)。
酸化アルミニウムから成るコランダム(鋼玉)、炭化ケイ素から成るカーボランダム或いはダイヤモンド粉末等の研磨材をスポンジや布に付けて擦る、いわゆる「汚れ落し」及び表面研磨方法では、たとえ汚れを落とすことができたとしても素材表面は擦過傷により平滑性を失い、大半は元の鏡面を回復できない。
研磨の対象が硬貨である場合も、十円や五円硬貨の材質は酸化しやすい銅合金である為、様々な理由により酸化し、また黒褐色の汚れが付着して新造時の輝きを失っている。輝きを取り戻すため、液体薬品である様々な酸を用いて酸化被膜除去を試み、例え成功したとしても、腐蝕で地金が露出し表面は粗くなっている。銅貨の場合、銅本来の赤みが増すが艶は出ないのが実際である。
鏡面の回復とは目的が異なり、固体表面上に頑固に付着した汚れを除去する方法の一つとして「エア・ブラスト法」がある。略六方晶の構造を残す微粒子、例えば、前記炭酸カルシウムを懸濁させた粘性の水溶液を空気搬送によって固体表面に衝突させ、反射分散する液体・粉体の力と風圧・風力で固形汚れを剥ぎ取る方法である。該搬送を水流によって行う「ウォーター・ブラスト法」も考えられ、研究開発も進んでいる。ただし、これら方法は固形汚れを剥ぎ取るのが目的で、粗面を研磨して鏡面を回復させる方法ではない。
上述の両ブラスト法では、微粒子の硬度が適正なものを選択しなければならない。たとえ固形汚れを剥がすだけの目的でも、モースの硬度が高い(6)正長石から(10)ダイヤモンドと同等の硬度を有する破砕粒子は原則的に選択できない。上述の理由で、処理表面が傷付いてしまうからである。プラスチック等の有機高分子材料に対しては、モースの硬度で(2)石膏から(5)燐灰石までの、より低硬度の微粒子を選択することが求められ、非晶体であるが故に摩擦熱で変形し易く、鏡面仕上げをするには長時間を要す。又、汚れ除去対象の平面に対し略直角で固体及び液体を衝突させるブラスト法は、平面に平行する力を加える所謂「研磨」とは原理が全く異なる。
比較的軟らかい事例に、プラスチック・ミラーがある。該ミラーは様々な分野で利用されているが、シアノアクリレート系接着剤を使って他材質の表面に貼り付ける場合がある。接着作業において、該接着剤が該ミラーの鏡面に誤って付着し硬化すると、鏡としての役割を果せず加工不良品になってしまう。該硬化被膜を剥離するのに最も確実な方法は、毀損物とは別のミラーの裏面端を該硬化被膜の端に当て、鏡面と平行に滑らしながら擦ると剥ぎ取ることができる場合がある。ただし、双方の材質が同じでなければ一方が傷付き、また強引な擦り作業によって表面が傷付き、鏡面への光が散乱、曇ってしまうことも上述説明通りである。因って、鏡面が粗面になり曇ってしまった該ミラーを元の鏡面に戻す方法は、素材が軟らかいために画期的な方法が見つからず、今に至っている。
次に、該ミラーより硬いが、屋外に設置されるため風化、塵埃を含んだ雨水が乾燥してできた汚れ等により鏡面を失った墓石を例に挙げる。傷付きを回避する意図で高圧洗浄機を用い墓石の表面洗浄を行った場合、比較的硬い石材で、且つ新規建立の鏡面仕上げ面では望む表面状態を回復できても、古いうえに風化が進んだものは部分的欠損や削孔を生じ原状回復は難しい。墓石には刻字をする為、通常は御影石・大理石等の石材を使用する。因って、軟らかい石材では高圧噴射自体が実施不適となる。又、何もせず放置すると、何代か後には刻字が読めないほど風化・侵食され、又、字の端が欠損する事態も起きる。特に大理石等の炭酸塩結晶を含む石は、周知のように酸性雨に弱い。
汚れを除去するのにダイヤモンド粉末等の高硬度研磨材を使うと汚れの除去はできるが、これら研磨材は汚れだけでなく素材も削る為、風化・侵食の速度を却って速めることになる。又、研磨材が高価であることから使用量節約等、本来は必要としない購入者への心理的負担を増すことになる。
更に、光学レンズ研磨に広く用いられ定評があるものに、酸化セリウムがある。該酸化セリウムの優れた研磨特性は、多分に当業における経験に基づいて見出された。これも、平滑度を高める研磨材の特性改良に活用されている。
視点を変え、増粘剤につき説明する。和紙の紙漉きにおいては、均一懸濁粒子の沈降速度を抑制する意図で「トロロアオイの根の粘液」等の「糊料」を添加する。本願発明でも、処理面に研磨剤を均一塗付する目的で多価アルコールやキサンタンガムを用いるが、狙いは同じである。キサンタンガムは、キャベツの常在菌(正式名:キサントモナスキャンペストリスXanthomonas campestris)が発酵過程で産生する天然高分子多糖体であり、現在はトウモロコシのでんぷんを原料として同菌を培養し得る。正確に判っていないが、分子量200万〜5000万とされ、予想以上に大きい。該物質の物理特性、特に粘性と塑性は独特で、剪断力が小さい場合は高粘度、大きい場合は低粘度で、こうした特性はチクソトロピーとも呼ばれ、多糖体の親水性及び高分子鎖の物理的性状によるものとされる。
特開2014−200867号公報
上述のとおり、従来から様々な研磨剤を用いた研磨方法が試みられている。しかしながら、これまでの研磨方法によって、生活周辺にある建物・家具・什器・備品・乗物・墓石等が粗面になったものを鏡面に研磨しようとしても必ずしも満足な結果が得られないものであった。すなわち、研磨に際しては、まず、研磨に用いる材料を選択しなければならない。平らな粗面は、凹凸部が細かく均一に分布しているからこそ光散乱する。そこで、凸部になっている固形物汚れを鏡面仕上げ前に剥ぎ取らなければならない。汚れを剥ぎ取った素材表面にも凹凸は残っており、凸部がたとえ素材構造の一部であっても、仕上げ時には該凸部を削り取ることが不可欠になる。因って、上述のブラストより高い硬度の研磨材を必要とする。単に削り取るだけであれば、上述のコランダム等を布等に付け、これで擦ればよいが、プラスチックや墓石等の、より低硬度の素材表面の場合は新たな擦過傷ができてしまう。こうしたジレンマが課題で、解決しなければならない。
又、粉末状の研磨材を乾燥したままで使用すると、「擦り作業」における力は研磨剤の粒子から他の粒子への衝突伝達になり、均一にならない。加えて摩擦熱が放散し難く、鏡面仕上げに対しては逆効果となる。そこで、水、粘液、潤滑油やグリース等の力伝導媒体を同時に用いて擦らざるを得ない。この際、親油性媒体を用いると研磨後の拭き取り作業を要し、その分だけ作業が煩雑化し好まれない。親水性媒体であっても、増粘、懸濁安定及び乳化安定等に優れ、且つ、非作業時と作業時の粘度特性が好都合なように変化する親水性コロイドが好まれる。このような増粘剤の選択肢は狭く、これまではグリセリン等の多価アルコールを使用するのが通例であった。近年、より優れた塑性特性を持つ物質が発見され、嚥下機能が落ちた老齢者の介護食において「とろみ」をつけるのに広く利用されるようになってきている。それがキサンタンガムである。
いわゆる「ワックス」を塗って凹部を埋め、布やバフで油膜表面を平滑にする方法は、鏡面に似る艶は得られても却って汚れやすくなる欠点を有す。真の鏡面ではないから、課題解決の抜本策にはならなかった。鏡面に入射した光を理論通りの光路で反射させるには、上述のように研磨面の凹凸をなくし、平滑度を極限まで高めるしかない。而も、素材の選択肢、即ち硬度範囲は広いままとし、同じ研磨材及び同じ方法で初期の鏡面まで回復させる必要があるが、従来の研磨剤を用いた研磨方法では満足な結果が得られていない。
上述の課題を解決するための手段は以下のとおりである。
(1)扁平な外見構造で角が丸くなっている天然産品「プラント・オパール」から250μm〜300μmの粒子長径のみを分級採取したものと、これも天然産品である球状酸化ケイ素を増量材とし最大で等重量を加えたことを特徴とする固体表面の鏡面研磨材。
(2)用途に応じプラント・オパールに対し最大1/8重量の酸化セリウムを更に加えたことを特徴とする(1)に記載の固体表面の鏡面研磨材。
(3)水の100部に対し、増粘剤としてキサンタンガム1部を加えた高粘度液に、更に(1)又は(2)に記載する研磨材を10〜80部添加し懸濁させたことを特徴とする鏡面研磨液。
(4)平織の合成繊維布又は極細繊維から成る同不織布・紙に、又は研磨対象面に(3)に記載の研磨液を塗り、布又は紙で擦ることによって、汚れて粗面になった固体表面を研磨し鏡面を回復させる(1)及至(3)に記載の固体表面の鏡面研磨方法。
上述の手段によれば、生活周辺にある建物・家具・什器・備品・乗物・墓石等の硬軟様々な固体表面が汚れ又は腐蝕により粗面になったものを、非常に良好に鏡面に研磨することが可能になった。
なお、本願においては、「酸化ケイ素を主体とする天然ガラス」を「プラント・オパール(植物石)」と表記する。この「プラント・オパール(植物石)」は、イネ科等のケイ酸塩植物の茎、葉や実の構造を形成する主役であり、人体内に入っても消化はされず、砂同然にそのまま排泄される無機物である。本願発明者の研究によれば、天然産品であるプラント・オパールは、タケ亜科を含むイネ科植物に多く含まれる「植物微小化石(植物石)」であり、主成分はケイ酸(酸化ケイ素SiO)である。無定形構造の天然ガラスであり、該ケイ酸体の形が元の植物の特徴を残していることから、考古学において、プラント・オパールを顕微鏡観察し、古代の生活を推理するのに活用されている。植物種及び根、茎又は幹、枝葉若しくは実等の部位によってプラント・オパールの形状は様々である。当然、籾殻と茎(稲藁)のプラント・オパールとでは形状が異なり、稲籾は「イチョウの葉」形、別植物種のネザサ節は略正方形をしている。因って、稲籾のプラント・オパールは元の籾の形状が反映されている為に異形になり、本願の目的である鏡面研磨には不向きである。
一方、わが国では鹿児島県から宮崎県で主に得られる火山灰(軽石)が「シラス(白砂)」と呼ばれ、プラント・オパールと異なって略球状になっている。分級し粒度を揃えたシラスは研磨特性に劣る一方、固形汚れが略球体に纏い付くことになり、プラント・オパールと共に用いると汚れの剥離に相乗効果を発揮する一方で、球体の一般的特性から研磨面を傷付けない。
上述の手段(1)によれば、プラント・オパールはモースの硬度で(4)蛍石から(6)正長石の範囲内であり、同(3)の方解石より硬い。しかも、扁平な粒子である為に汚れを削ぐと同時に、研磨対象素材の凸部をも鏨同様に削ぎ取る。プラント・オパールの端が素材の凸部に衝突しても該プラント・オパール及び研磨面に対し平行になる力で自身は破砕し難く、素材凸部を横から削ることが可能になる。この点が、高硬度の巨塊を破砕してつくる粒状コランダム等の研磨用微粒子と根本的に異なる。
通常、植物の焼却作業に伴い残った灰には、植物中における形状と大差ない形のプラント・オパールが含まれている。特にイネ科植物の焼却灰中には多く含まれている。ただし、稲籾の「イチョウの葉」形プラント・オパールは、本願の材料選択では不適と判断され選択肢とはしない。茎に相当する藁の灰に含まれるプラント・オパールは、ネザサ節類似の略長方形ないし鱗片状をしており、本願には最も適した素材になる。布又は紙で扁平な粒子片を研磨面に押し付け、シラスの回転および潤滑剤の役割をするキサンタンガム含有水によって横に滑らすことで刃状の突起で糸状の溝を刻む恐れもないことから、研磨面は傷付くことなく鏡面を回復する。
処理面に平行となる横の力が多少大きくても、扁平な天然ガラス体は破壊されず、作業者の力を汚れと凸部に継続して加えることができる。なお、球状酸化ケイ素(シラス)添加の目的はあくまで増量剤であり、スプレー・ドライにより球状にしたシリカゲルその他人工の無機物・略球状体を用いることもてきる。混合比率も、増量によって研磨液中のプラント・オパールがより均一に分散する程度で足り、沈降分級しない程度の粒度分布で構わない。
上述の手段(2)によれば、酸化セリウムはガラス表面の精密研磨に用いられ優れた効果を発揮する実績を有し、大きな凸部を小さな凸部へと分散形成する。因って、研磨対象素材の種類及び硬度に応じて、プラント・オパールの1/8の重量を上限に、混合比率を調節することで、より良い成果が得られる。ただし、該酸化セリウムの役割は、プラント・オパールの横滑り切削を補助するものであり、主たる材料ではない。
上述の手段(3)によれば、水の100部に対し、増粘剤としてキサンタンガム1部を加えた高粘度液に、更に(1)及び(2)に記載する研磨材を10〜80部添加し懸濁させることでプラント・オパール及び増量剤粒子の沈降速度を抑えられる。因って、事前混合操作等の手間が省ける。上述の手段(1)及び(2)の研磨剤粒子について沈降速度を計測し、使用時は軽く振るか、かき混ぜる程度で均一分散するに足りる量の増粘剤を水に添加すればよい。従って、キサンタンガム以外の、例えばグリセリン、ポリエチレングリコール等多価アルコールや上述の「トロロアオイの粘液」など多糖類(フコイダン及びアルギン酸ナトリウムを含む)との同時添加で粘度調整しても構わない。キサンタンガムは、グリセリン等に比較し少量の添加で、増粘と微粒子の均一懸濁ができる。付随的効果として、力を加える前は高粘度である為、キサンタンガム分子がプラント・オパールやシラス等研磨材と研磨対象表面との間に挟まった状態で存在し、作業に伴い力が加わると挟まった粘液の粘度は低下して隙間の外側に吐き出され、固体表面に擦過傷ができるのを防ぐ重要な役割を果す。
換言すると、増粘剤としてキサンタンガムを選択すると、プラント・オパールは沈降過程で下に位置するキサンタンガム構造によって受け止められる形になり、比較的均一に分散、沈降を抑えることができる。因って、プラント・オパール片を含む懸濁液を研磨面に滴下し、張り付くように押し付けながら横に滑らす力を与えると、力が加わった部分の粘度が急速に低下し横滑りしやすくなる特性を有する。
なお、プラント・オパール、酸化セリウム及びキサンタンガムは発見されてから間もない材料であり、用途も見つからないか限定されていた。故に、その利用・応用の研究開発は発展途上、本願に関する公知技術はほとんど見あたらない。本発明は、光学レンズや金属表面研磨及び固形物汚れ除去における永年の研究から、研磨材が具備すべき条件について既成概念を排し、研磨材主成分として天然産品を積極的に採りいれ、且つ天然高分子多糖類が持つ独特の塑性特性も活用して、はじめて考案できたものである。
上述の手段(4)によれば、平織の合成繊維布又は極細繊維から成る同不織布・紙に、又は研磨対象面に(3)に記載の研磨液を塗り、布又は紙で擦ることによって、汚れて粗面になった固体表面を研磨し鏡面を回復させることが非常に良好にできるようになる。
本発明に係るプラント・エオパールの形状を説明するための顕微鏡像のトレース図である。 本発明に係るプラント・オパールを鏡面研磨材の原材料として採取するための工程図である。 本発明に係るキサンタンガムの推定化学構造式である。 本発明に係るプラント・オパールと被研磨物体表面との位置関係及び研磨作業に伴って付着している汚れ及び凸部が削られてゆく様子を模式化した図である。 本発明に係るチクソトロピー物性に伴う粘液の流動方向とプラント・オパールが被研磨物体表面に張り付く様子を模式化した図である。
以下、図1及至図5のトレース図、工程図、構造式及び模式図を参照にしながら、鏡面研磨材及び汚れて粗面になった固体表面の鏡面研磨方法について説明する。
先ず、図1に顕微鏡像のプラント・オパールの輪郭をトレースして示した。腐植後に土中に残された、或いは焼却灰中に残ったプラント・オパールは、扁平で且つガラス同様に両面は平滑になっていることを見て取れる。次に、本願で使用するプラント・オパールの採取方法について説明する。プラント・オパールは、元の植物形状を反映する形で組織中に含まれている。扁平なシリカを選別するため、稲藁を原材料とし、シリカが熔けて粒状になりにくい低温で注意深く燃焼する。続いて、残った藁灰を篩で250μm〜300μmの粒子径のみを分級採取し、他は廃棄する。更に、水を加えて、採取材料のなかで真比重が大きい(高密度)粒状シリカを遠心分離機で分別除去し、懸濁したままの扁平なシリカのみとする。懸濁水をろ過し残ったものを、上述の手段(1)における「プラント・オパール」として使用する。
図2は、焼却及び遠心分離法によりプラント・オパールを得る工程を示したものである。試行錯誤の結果、本願実施の際、最終的に選択したのは「ワラ(藁)灰」から採取したものであった。藁灰が高温で熔融し元の形状を失って共融しガラス化しないよう注意深く藁を燃焼、得られた灰を含む懸濁液を遠心分離し、懸濁液のみを乾燥してプラント・オパールを採取する。勿論、有機物を濃硫酸などで脱水分解、又は、自然腐植によって有機質部分を分解、無機物でガラス体のプラント・オパールのみを浮遊選鉱法で得ることもできる。こうして得られたプラント・オパールは、図1のように平均的な厚みが10μm以下の扁平な構造で、且つガラス同様に両面が平滑になっていることで、研磨面を傷付けることがない。しかも、研磨面に貼り付いた形で横滑りの力が加わるから、汚れに食い込んで横から押す力を生み、汚れを剥ぎ取り易くする。
図3は、増粘剤として使用するキサンタンガムの推定化学構造式である。特異的な物理物性は、多糖鎖の側鎖にある水酸基−OH及びグルクロン酸骨格と水との親和性、圧電特性に伴うカルボキシル基−COOHの電離度変化によるもの考えられる。
図4は、研磨作業時の被研磨物体に加わるプラント・オパールの研磨力を説明したものである。扁平な研磨剤は、平織布に加えられた横滑りの力により被研磨物体との間に入っている粘液が排除されることで、被研磨物体表面の凸部及び汚れと直接接触するようになる。これにより、該凸部及び汚れは削り取られると同時にプラント・オパール自体は硬く、横向きベクトルの力に充分耐えられる。
図5は、平織布を被研磨物体表面に押し付ける力が加わる際、該押付力に応じキサンタンガム含有粘液の粘度が急速に低下、被研磨物体表面とプラント・オパール間の粘液が扁平体の横に抜けて、プラント・オパールの扁平体が略直接張り付く様子を説明したものである。これが他の増粘剤ではみられない、チクソトロピー物性を有するキサンタンガムの特徴であり、被研磨物体の凸部をガラス体であるプラント・オパールで削ることができる一方で、鋭角粒子の研磨材で頻繁に生じる擦過傷をつくらない理由でもある。
実施例1にかかる研磨液及び研磨方法の構成は以下の通りであり、また、実施例1にかかる研磨方法の有効性は表1に示す通りである。
鏡面研磨対象物:頻繁な使用で傷付き曇ったメタクリル樹脂製スケール
研磨面に研磨液を塗布、平織布で擦る手作業を実施
使用鏡面研磨液:《1》液100部(重量)中に40部のプラント・オパール
平均粒子径250μm〜300μm、厚さ約10μm
《2》液100部(重量)中に40部の略球状のシラス
平均粒子径180μm〜250μm
《3》液100部(重量)中に1部のキサンタンガム
液100部(重量)中に1部のグリセリン
《1》及至《3》が混合・懸濁した研磨液(研磨剤)を使用
作業用品:ポリプロピレン製の平織布で手作業研磨
実施例2にかかる研磨液及び研磨方法の構成は以下の通りであり、また、実施例2にかかる研磨方法の有効性は表2に示す通りである。
鏡面研磨対象物:プラスチック・ミラー 20mm×20mm
接着剤付着表面を砥石で研磨し曇りガラス状にしたもの
使用鏡面研磨液:実施例1と同じ
作業用品:眼鏡用不織布とミラー表面に研磨液を塗布し手作業研磨
実施例2のミラーは、部品としての仕様を回復、その後、水質検査器(残留塩素濃度比色器)の追加工に新品と遜色なく使用された。
実施例3にかかる研磨液及び研磨方法の構成は以下の通りであり、また、実施例3にかかる研磨方法の有効性は表3に示す通りである。
鏡面研磨対象物:墓石(研磨方法は実施例1と同じ)
使用鏡面研磨液:実施例1と同じ
作業用品:ポリプロピレン製の平織布円盤装着の電動具で研磨
実施例3の所有者から検収を受け、合格の判定を受けた。
実施例4にかかる研磨液及び研磨方法の構成は以下の通りであり、また、実施例4にかかる研磨方法の有効性は表4に示す通りである。
鏡面研磨対象物:乗用車のボンネット及びドアの微細な傷部
使用鏡面研磨液:実施例1と同じ
作業用品:ポリプロピレン製の平織布にて手作業研磨
実施例4の所有者から検収を受け、合格の判定を受けた。
このような特性から、プラスチック製文具のような軟らかいものから、墓石は無論のこと、自動車の焼付塗装面のような堅いものまで鏡面仕上げができる。従って、研磨対象物の硬度を選ばないで済み、経済的で用途も広くなる。










Claims (4)

  1. 扁平な外見構造で角が丸くなっている天然産品「プラント・オパール」から250μm〜300μmの粒子長径のみを分級採取したものと、これも天然産品である球状酸化ケイ素を増量材とし最大で等重量を加えたことを特徴とする固体表面の鏡面研磨材。
  2. 用途に応じプラント・オパールに対し最大1/8重量の酸化セリウムを更に加えたことを特徴とする請求項1に記載の固体表面の鏡面研磨材。
  3. 水の100部に対し、増粘剤としてキサンタンガム1部を加えた高粘度液に、更に請求項1又は請求項2に記載する研磨材を10〜80部添加し懸濁させたことを特徴とする鏡面研磨液。
  4. 平織の合成繊維布又は極細繊維から成る同不織布・紙に、又は研磨対象面に請求項3に記載の研磨液を塗り、布又は紙で擦ることによって、汚れて粗面になった固体表面を研磨し鏡面を回復させる請求項1及至請求項3に記載の固体表面の鏡面研磨方法。
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