以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明中、「上」及び「下」なる語を使用することがあるが、これは各図の上下方向に対応したものである。
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る積層コンデンサC1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層コンデンサC1は、図1に示されるように、積層体1と、当該積層体1に形成された第1及び第2の端子電極3、5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備える。
第1の端子電極3は、積層体1の後述の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されている。第2の端子電極5は、積層体1の後述の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成される側面1aと対向する側面1bに形成されている。第1の端子電極3と第2の端子電極5とは、互いに電気的に絶縁されている。
第1の接続導体7は、積層体1の側面1c側に位置するように積層体1の表面上に形成されている。第2の接続導体9は、積層体1の側面1d側に位置するように積層体1の表面上に形成されている。第1の接続導体7と第2の接続導体9とは、互いに電気的に絶縁されている。
積層体1は、図2にも示されるように、複数(本実施形態では、9層)の誘電体層11〜18、22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2の内部電極31〜34,41〜44とが交互に積層されることにより構成される。また、積層体1は、後述の積層方向で互いに対向する側面1e、1fを有している。実際の積層コンデンサC1では、誘電体層11〜18、22の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各第1の内部電極31〜34は、略矩形形状を呈している。第1の内部電極31〜34は、積層体1における誘電体層11〜18、22の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第1の内部電極31〜34には、積層体1の側面1cに引き出されるように伸びる引き出し導体51〜54が形成されている。
引き出し導体51は、第1の内部電極31と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極31から伸びている。引き出し導体52は、第1の内部電極32と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極32から伸びている。引き出し導体53は、第1の内部電極33と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極33から伸びている。引き出し導体54は、第1の内部電極34と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極34から伸びている。
第1の内部電極31〜34はそれぞれ、引き出し導体51〜54を介して第1の接続導体7に電気的に接続される。これにより、第1の内部電極31〜34は、第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1の内部電極31には引き出し導体37が第1の内部電極31と一体に形成されており、積層体1の側面1aに臨むように、第1の内部電極31から伸びている。第1の内部電極31は、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。第1の内部電極31〜34は第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されているため、第1の内部電極32〜34も第1の接続導体7を介して第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜34は並列接続されることとなる。また、第1の内部電極31は、積層体1の側面1eと誘電体層22を介して積層方向で隣り合う。
各第2の内部電極41〜44は、略矩形形状を呈している。第2の内部電極41〜44は、積層体1における積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第2の内部電極41〜44には、積層体1の側面1dに引き出されるように伸びる引き出し導体61〜64が形成されている。
引き出し導体61は、第2の内部電極41と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極41から伸びている。引き出し導体62は、第2の内部電極42と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極42から伸びている。引き出し導体63は、第2の内部電極43と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極43から伸びている。引き出し導体64は、第2の内部電極44と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極44から伸びている。
第2の内部電極41〜44はそれぞれ、引き出し導体61〜64を介して第2の接続導体9に電気的に接続される。これにより、第2の内部電極41〜44は、第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第2の内部電極44には引き出し導体47が第2の内部電極44と一体に形成されており、積層体1の側面1bに臨むように、第2の内部電極44から伸びている。第2の内部電極44は、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。第2の内部電極41〜44は第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されているため、第2の内部電極41〜43も第2の接続導体9を介して第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜44は並列接続されることとなる。また、第2の内部電極44は、積層体1の側面1fと誘電体層18を介して積層方向で隣り合う。
このように、積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在している。一方、積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在している。
積層コンデンサC1では、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31の数を1つとし、第1の内部電極31〜34の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極44の数を1つとし、第2の内部電極41〜44の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、第1の端子電極3に着目すると、第1の接続導体7の抵抗成分は、第1の端子電極3に対して直列接続されることとなる。また、第2の端子電極5に着目すると、第2の接続導体9の抵抗成分は、第2の端子電極5に対して直列接続されることとなる。これらにより、積層コンデンサC1は、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。また、等価直列抵抗が大きくなることによって、共振周波数での急激なインピーダンスの低下が防げ、広帯域化が可能となる。
このように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44の数とをそれぞれ調整することにより、積層コンデンサC1の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、本実施形態において、第1の内部電極31〜34同士は、並列接続されており、第2の内部電極41〜44同士は、並列接続されている。これにより、各第1の内部電極31〜34や各第2の内部電極41〜44の抵抗値にバラツキが生じても、積層コンデンサC1全体での等価直列抵抗への影響が少なく、等価直列抵抗の制御の精度低下を抑制することができる。
図3は、積層コンデンサC1を基板110に実装する状態を説明するための図である。図3では、第1の端子電極3が基板110に形成された陰極ランドパターン112に、第2の端子電極5が陽極ランドパターン114に接続されている状態を示す。
図4は、基板110に実装された積層コンデンサC1の断面構造を模式的に表した図である。図4では、積層体1の側面1fが基板110と対向するように積層コンデンサC1が実装されている状態を示す。また、図4は、基板110内において、陰極ランドパターン112が配線116に、陽極ランドパターン114が配線118にそれぞれ接続されている状態を示す。図4から理解されるように、基板110に実装された積層コンデンサC1では、陰極ランドパターン112から、第1の端子電極3、第1の端子電極3に接続された第1の内部電極31、第2の端子電極5に接続された第2の内部電極44、及び第2の端子電極5を介して、陽極ランドパターン114に至る電流経路が形成される。また、図4において、誘電体層11〜18、22及び配線116、118に相当する領域のハッチングは省略している。
ランドパターン112、114間にこうして形成された電流経路を電流が流れるとインダクタンスが発生する。このインダクタンスの大きさは、電流経路の長さによって異なる。積層コンデンサC1では、端子電極3、5に接続される内部電極31、44が、積層体1の積層方向における中心位置Mに対して互いに対称となる位置に配置されている。そのため、積層体1の側面1fではなく、側面1eを基板110に対向させるように積層コンデンサC1を実装したとしても、端子電極3、5に接続される内部電極31、44とランドパターン112、114との積層方向での距離は変化し難い。すなわち、積層コンデンサC1では、ランドパターン間に形成される電流経路の長さの実装方向による変化が抑制されている。その結果、積層コンデンサC1では、等価直列インダクタンスの値が実装する方向に依存せず、実装する方向によって等価直列インダクタンスにばらつきが生じることも抑えられる。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1の端子電極3から第2の端子電極5に向かう方向に沿って、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44が重なる長さが短くなる。その結果、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、積層コンデンサC1では等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第2実施形態)
図5を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第2実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に接続される第1の内部電極33及び引き出し導体47を介して第2の端子電極5に接続される第2の内部電極42の積層方向での位置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図5は、第2実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、図5に示されるように、4つの第1の内部電極31〜34のうち上から3つ目となる第1の内部電極33が、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極31、32、34も、第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜34は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、第1の内部電極33と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極33から伸びている。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、図5に示されるように、4つの第2の内部電極41〜44のうち上から2つ目となる第2の内部電極42が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極41、43、44も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜44は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、第2の内部電極42と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極42から伸びている。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極33の数を1つとし、第1の内部電極31〜34の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極42の数を1つとし、第2の内部電極41〜44の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。これらにより、第2実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1の端子電極3に着目すると、第1の接続導体7の抵抗成分は、第1の内部電極33を境にして、当該第1の内部電極33よりも積層方向の一方側に位置する第1の接続導体7の抵抗成分と、第1の内部電極33よりも積層方向の他方側に位置する第1の接続導体7の抵抗成分とに分けられる。これらの抵抗成分は、第1の端子電極3に対して並列接続されることとなる。また、第2の端子電極5に着目すると、第2の接続導体9の抵抗成分は、第2の内部電極42を境にして、当該第2の内部電極42よりも積層方向の一方側に位置する第2の接続導体9の抵抗成分と、第2の内部電極42よりも積層方向の他方側に位置する第2の接続導体9の抵抗成分とに分けられる。これらの抵抗成分は、第2の端子電極5に対して並列接続されることとなる。
したがって、第1及び第2の接続導体7、9の抵抗成分の差異に起因して、第2実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33の積層方向での位置及び引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第2実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42が存在する。一方、第2実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第2実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第3実施形態)
図6を参照して、第3実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第3実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37,47を介して端子電極3,5に接続される第1及び第2の内部電極31、34、41,44の数の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図6は、第3実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第3実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、図6に示されるように、4つの第1の内部電極31〜34のうち2つの第1の内部電極31,34が、引き出し導体37介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。第1の内部電極31〜34は第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されているため、第1の内部電極32、33も第1の接続導体7を介して第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜34は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、各第1の内部電極31,34と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極31,34からそれぞれ伸びている。
4つの第2の内部電極41〜44のうち2つの第2の内部電極41、44が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。第2の内部電極41〜44は第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されているため、第2の内部電極42、43も第2の接続導体9を介して第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜44は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、各第2の内部電極41,44と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極41,44からそれぞれ伸びている。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31,34の数を2つとし、第1の内部電極31〜34の総数よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41,44の数を2つとし、第2の内部電極41〜44の総数よりも少なくされている。したがって、第3実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第3実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC1に比して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31,34の数が多く、これらの引き出し導体37は第1の端子電極3に対して並列接続される。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、44が多く、これらの引き出し導体47は第2の端子電極5に対して並列接続される。したがって、第3実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC1の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31,34の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41,44の数とをそれぞれ調整することにより、第3実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第3実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41が存在する。一方、第3実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第3実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第4実施形態)
図7を参照して、第4実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第4実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2の内部電極32〜34、41〜43にスリットが形成されている点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図7は、第4実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第4実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
第1の内部電極32〜34において、引き出し導体52〜54と第1の内部電極32〜34との接続部分の脇から第1の内部電極32〜34の長手方向に伸びるようにスリットS11〜S13が形成されている。したがって、スリットS11〜S13は、各第1の内部電極32〜34において、スリットS11〜S13それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
第2の内部電極41〜43において、引き出し導体61〜63と第2の内部電極41〜43との接続部分の脇から第2の内部電極41〜43の長手方向に伸びるようにスリットS21〜S23が形成されている。したがって、スリットS21〜S23は、各第2の内部電極41〜43において、スリットS21〜S23それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
スリットS11〜S13、S21〜S23が形成された第1及び第2の内部電極32〜34、41〜43では、それぞれスリットS11〜S13、S21〜S23を挟んで対向する領域において互いに電流が逆向きに流れるため、電流に起因して発生する磁界が相殺される。また、スリットが形成された第1の内部電極32〜34と第2の内部電極41〜43とでは積層方向で見て、電流の流れる向きが逆向きとなる。そのため、第1の内部電極32〜34を流れる電流に起因して発生する磁界と第2の内部電極41〜43を流れる電流に起因して発生する磁界とは相殺される。このため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31の数を1つとし、第1の内部電極31〜34の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極44の数を1つとし、第2の内部電極41〜44の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。これらにより、第4実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44の数とをそれぞれ調整することにより、第4実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第4実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。一方、第4実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第4実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
なお、スリットが形成される内部電極は、第1及び第2の内部電極32〜34、41〜43に限られない。すなわち、スリットは第1及び第2の内部電極32〜34、41〜43以外の内部電極に形成されていてもよく、例えば引き出し導体37、47を介して第1及び第2の端子電極3、5に電気的に接続される第1及び第2の内部電極31、44に形成されていてもよい。この場合の例として、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45にスリットS11〜S14、S21〜S24が形成されている積層コンデンサの分解斜視図を図8に示す。引き出し導体37、47を介して第1及び第2の端子電極3、5に電気的に接続される第1及び第2の内部電極31、44にスリットS11、S24を形成することによって、これらの内部電極31、44においても電流に起因して発生する磁界が相殺される。そのため、積層コンデンサにおける等価直列インダクタンスのさらなる低減を図ることが可能となる。
(第5実施形態)
図9を参照して、第5実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第5実施形態に係る積層コンデンサは、第1の端子電極と接続される第1の内部電極と積層体の積層方向での中心位置に対して対称となる位置に存在する内部電極が第1の内部電極であり、第2の端子電極と接続される第2の内部電極と積層体の積層方向での中心位置に対して対称となる位置に存在する内部電極が第2の内部電極である点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図9は、第5実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第5実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
積層体1は、図9にも示されるように、複数(本実施形態では、12層)の誘電体層11〜22と、複数(本実施形態では、6層及び5層)の第1及び第2の内部電極31〜36,41〜45とが交互に積層されることにより構成される。実際の積層コンデンサでは、誘電体層11〜22の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各第1の内部電極31〜36は、略矩形形状を呈している。第1の内部電極31〜36は、積層体1における誘電体層11〜22の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第1の内部電極31〜36には、積層体1の側面1cに引き出されるように伸びる引き出し導体51〜56が形成されている。
引き出し導体51は、第1の内部電極31と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極31から伸びている。引き出し導体52は、第1の内部電極32と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極32から伸びている。引き出し導体53は、第1の内部電極33と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極33から伸びている。引き出し導体54は、第1の内部電極34と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極34から伸びている。引き出し導体55は、第1の内部電極35と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極35から伸びている。引き出し導体56は、第1の内部電極36と一体に形成されており、積層体1の側面1cに臨むように、第1の内部電極36から伸びている。
第1の内部電極31〜36はそれぞれ、引き出し導体51〜56を介して第1の接続導体7に電気的に接続される。これにより、第1の内部電極31〜36は、第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1の内部電極31には引き出し導体37が第1の内部電極31と一体に形成されており、積層体1の側面1aに臨むように、第1の内部電極31から伸びている。第1の内部電極31は、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。第1の内部電極36には引き出し導体37が第1の内部電極36と一体に形成されており、積層体1の側面1aに臨むように、第1の内部電極36から伸びている。第1の内部電極36は、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。第1の内部電極31〜36は第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されているため、第1の内部電極32〜35も第1の接続導体7を介して第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜36は並列接続されることとなる。また、第1の内部電極31は、積層体1の側面1eと誘電体層22を介して積層方向で隣り合う。第1の内部電極36は、積層体1の側面1fと誘電体層21を介して積層方向で隣り合う。
各第2の内部電極41〜45は、略矩形形状を呈している。第2の内部電極41〜45は、積層体1における積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第2の内部電極41〜45には、積層体1の側面1dに引き出されるように伸びる引き出し導体61〜65が形成されている。
引き出し導体61は、第2の内部電極41と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極41から伸びている。引き出し導体62は、第2の内部電極42と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極42から伸びている。引き出し導体63は、第2の内部電極43と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極43から伸びている。引き出し導体64は、第2の内部電極44と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極44から伸びている。引き出し導体65は、第2の内部電極45と一体に形成されており、積層体1の側面1dに臨むように、第2の内部電極45から伸びている。
第2の内部電極41〜45はそれぞれ、引き出し導体61〜65を介して第2の接続導体9に電気的に接続される。これにより、第2の内部電極41〜45は、第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されることとなる。
第2の内部電極41には引き出し導体47が第2の内部電極41と一体に形成されており、積層体1の側面1bに臨むように、第2の内部電極41から伸びている。第2の内部電極41は、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。第2の内部電極45には引き出し導体47が第2の内部電極45と一体に形成されており、積層体1の側面1bに臨むように、第2の内部電極45から伸びている。第2の内部電極45は、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。第2の内部電極41〜45は第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されているため、第2の内部電極42〜44も第2の接続導体9を介して第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45は並列接続されることとなる。
このように、積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36が存在している。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在している。
一方、積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45が存在している。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41が存在している。
第5実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31、36の数を2つとし、第1の内部電極31〜36の総数(本実施形態では、6つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、45の数を2つとし、第2の内部電極41〜45の総数(本実施形態では、5つ)よりも少なくされている。そのため、第5実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。また、等価直列抵抗が大きくなることによって、共振周波数での急激なインピーダンスの低下が防げ、広帯域化が可能となる。
このように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31、36の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41、45の数とをそれぞれ調整することにより、第5実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、本実施形態において、第1の内部電極31〜36同士は、並列接続されており、第2の内部電極41〜45同士は、並列接続されている。これにより、各第1の内部電極31〜36や各第2の内部電極41〜45の抵抗値にバラツキが生じても、第5実施形態に係る積層コンデンサ全体での等価直列抵抗への影響が少なく、等価直列抵抗の制御の精度低下を抑制することができる。
また、図10は、基板110に実装された第5実施形態に係る積層コンデンサの断面構造を模式的に表した図である。図10では、積層体1の側面1fが基板110と対向するように第5実施形態に係る積層コンデンサが実装されている状態を示す。また、図10は、基板110内において、陰極ランドパターン112が配線116に、陽極ランドパターン114が配線118にそれぞれ接続されている状態を示す。図10から理解されるように、基板110に実装された第5実施形態に係る積層コンデンサでは、陰極ランドパターン112から、第1の端子電極3、第1の端子電極3に接続された第1の内部電極31、36、第2の端子電極5に接続された第2の内部電極41、45、及び第2の端子電極5を介して、陽極ランドパターン114に至る電流経路が形成される。また、図10において、誘電体層11〜22及び配線116、118に相当する領域のハッチングは省略している。
ランドパターン間にこうして形成された電流経路を電流が流れるとインダクタンスが発生する。このインダクタンスの大きさは、電流経路の長さによって異なる。第5実施形態に係る積層コンデンサでは、端子電極3、5に接続される各内部電極31、36、41、45に対し、積層体1の積層方向における中心位置Mに対して互いに対称となる位置に内部電極36、31、45、41がそれぞれ存在する。そのため、積層体1の側面1fではなく、側面1eを基板110に対向させるように第5実施形態に係る積層コンデンサを実装したとしても、端子電極3、5に接続される内部電極31、36、41、45とランドパターン112、114との積層方向での距離は変化し難い。すなわち、第5実施形態に係る積層コンデンサでは、ランドパターン間に形成される電流経路の長さの実装方向による変化が抑制されている。その結果、第5実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列インダクタンスの値が実装する方向に依存せず、実装する方向によって等価直列インダクタンスにばらつきが生じることも抑えられる。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1の端子電極3から第2の端子電極5に向かう方向に沿って、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45が重なる長さが短くなる。その結果、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第5実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第6実施形態)
図11を参照して、第6実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第6実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に接続される第1の内部電極33、34及び引き出し導体47を介して第2の端子電極5に接続される第2の内部電極42、44の積層方向での位置の点で第5実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図11は、第6実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第6実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、図11に示されるように、6つの第1の内部電極31〜36のうち上から3つ目となる第1の内部電極33及び上から4つ目となる第1の内部電極34が、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極31、32、35、36も、第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜36は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、第1の内部電極33、34と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極33、34から伸びている。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、図11に示されるように、5つの第2の内部電極41〜45のうち上から2つ目となる第2の内部電極42及び上から4つ目となる第2の内部電極44が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極41、43、45も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、第2の内部電極42、44と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極42、44から伸びている。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極33、34の数を2つとし、第1の内部電極31〜36の総数(本実施形態では、6つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極42、44の数を2つとし、第2の内部電極41〜45の総数(本実施形態では、5つ)よりも少なくされている。これらにより、第6実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1の端子電極3に着目すると、第6実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサと比べて、第1の接続導体7の抵抗成分の第1の端子電極3への接続のされ方が異なる。すなわち、第5実施形態に係る積層コンデンサでは、第1の接続導体7の抵抗成分は、第1の内部電極31、36それぞれに対して直列接続されている。一方、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第1の接続導体7の抵抗成分は、第1の内部電極33、34それぞれを境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1の端子電極3に対して並列接続される。また、第2の端子電極5に着目すると、第6実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサと比べて、第2の接続導体9の抵抗成分の第2の端子電極5への接続のされ方が異なる。すなわち、第5実施形態に係る積層コンデンサでは、第2の接続導体9の抵抗成分は、第2の内部電極41、45それぞれに対して直列接続されている。一方、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第2の接続導体9の抵抗成分は、第2の内部電極42、44それぞれを境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2の端子電極5に対して並列接続される。
したがって、第1及び第2の接続導体7、9の抵抗成分の差異に起因して、第6実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が小さくなる。(段落0098、0099の技術的内容についてご確認ください。)
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33、34の積層方向での位置及び引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42、44の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第6実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33が存在する。一方、第6実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第6実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第7実施形態)
図12を参照して、第7実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第7実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37,47を介して端子電極3,5に接続される第1及び第2の内部電極31、32、35、36、41,42、44、45の数の点で第5実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図12は、第7実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第7実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
第7実施形態に係る積層コンデンサでは、図12に示されるように、6つの第1の内部電極31〜36のうち4つの第1の内部電極31、32、35、36が、引き出し導体37介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。第1の内部電極31〜36は第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されているため、第1の内部電極33、34も第1の接続導体7を介して第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜36は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、各第1の内部電極31、32、35、36と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極31、32、35、36からそれぞれ伸びている。
5つの第2の内部電極41〜45のうち4つの第2の内部電極41,42、44、45が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。第2の内部電極41〜45は第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されているため、第2の内部電極43も第2の接続導体9を介して第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、各第2の内部電極41,42、44、45と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極41,42、44、45からそれぞれ伸びている。
第7実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31、32、35、36の数を4つとし、第1の内部電極31〜36の総数よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41,42、44、45の数を4つとし、第2の内部電極41〜45の総数よりも少なくされている。したがって、第7実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第7実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサに比して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31,32、35、36の数が多く、これらの引き出し導体37は第1の端子電極3に対して並列接続される。また、引き出し導体47して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、42、44、45が多く、これらの引き出し導体47は第2の端子電極5に対して並列接続される。したがって、第7実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、第5実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31、32、35、36の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41,42、44、45の数とをそれぞれ調整することにより、第7実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第7実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極32と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極35が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極35と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極32が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。
一方、第7実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41が存在する。
そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第7実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第8実施形態)
図13を参照して、第8実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第8実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45にスリットが形成されている点で第5実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図13は、第8実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第8実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5と、第1及び第2の接続導体7、9とを備えている。
第1の内部電極31〜36において、引き出し導体51〜56と第1の内部電極31〜36との接続部分の脇から第1の内部電極31〜36の長手方向に伸びるようにスリットS11〜S16が形成されている。したがって、スリットS11〜S16は、各第1の内部電極31〜36において、スリットS11〜S16それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
第2の内部電極41〜45において、引き出し導体61〜65と第2の内部電極41〜45との接続部分の脇から第2の内部電極41〜45の長手方向に伸びるようにスリットS21〜S25が形成されている。したがって、スリットS21〜S25は、各第2の内部電極41〜45において、スリットS21〜S25それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
スリットS11〜S16、S21〜S25が形成された第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45では、それぞれスリットS11〜S16、S21〜S25を挟んで対向する領域において互いに電流が逆向きに流れるため、電流に起因して発生する磁界が相殺される。また、スリットが形成された第1の内部電極31〜36と第2の内部電極41〜45とでは積層方向で見て、電流の流れる向きが逆向きとなる。そのため、第1の内部電極31〜36を流れる電流に起因して発生する磁界と第2の内部電極41〜45を流れる電流に起因して発生する磁界とは相殺される。このため、第8実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
また、第8実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31、36の数を2つとし、第1の内部電極31〜36の総数(本実施形態では、6つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、45の数を2つとし、第2の内部電極41〜45の総数(本実施形態では、5つ)よりも少なくされている。これらにより、第8実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31、36の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41、45の数とをそれぞれ調整することにより、第8実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第8実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される各第1の内部電極31、36と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36、31がそれぞれ存在する。一方、第8実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される各第2の内部電極41、45と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44、41がそれぞれ存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第8実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第8実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
なお、スリットは、すべての内部電極に形成されている必要はなく、例えば引き出し導体37、47を介して第1及び第2の端子電極3、5に電気的に接続される第1及び第2の内部電極31、36、41、45に形成されていなくてもよい。ただし、第1及び第2の内部電極31、36、41、45にスリットを形成することによって、これらの内部電極31、36、41、45において電流に起因して発生する磁界が相殺される。そのため、積層コンデンサにおける等価直列インダクタンスのさらなる低減を図ることが可能となる。
(第9実施形態)
図14及び図15を参照して、第9実施形態に係る積層コンデンサC2の構成について説明する。図14は、第9実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図15は、第9実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層コンデンサC2は、図14に示されるように、積層体1と、当該積層体1に形成された第1及び第2の端子電極3、5とを備える。
第1の端子電極3は、積層体1の後述の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されている。第2の端子電極5は、積層体1の後述の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成される側面1aと対向する側面1bに形成されている。第1の端子電極3と第2の端子電極5とは、互いに電気的に絶縁されている。
積層体1は、図15にも示されるように、複数(本実施形態では、9層)の誘電体層11〜18、22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2の内部電極31〜34,41〜44とが交互に積層されることにより構成される。また、積層体1は、後述の積層方向で互いに対向する側面1e、1f、及び積層方向と平行な側面のうち短手方向に伸びる側面1c、1dを有している。実際の積層コンデンサC2では、誘電体層11〜18、22の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各第1の内部電極31〜34は、略矩形形状を呈している。第1の内部電極31〜34は、積層体1における誘電体層11〜18、22の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第1の内部電極31〜34には、誘電体層11,13,15,17が露出するように、開口31a〜34aが形成されている。各誘電体層11,13,15,17上には、第1の内部電極31〜34に形成された開口31a〜34aに対応する領域に、ランド状の内部導体71〜74が位置している。また、第1の内部電極31は、積層体1の側面1eと誘電体層22を介して積層方向で隣り合う。
各第2の内部電極41〜44は、矩形形状を呈している。第2の内部電極41〜44は、積層体1における積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第2の内部電極41〜44には、誘電体層12,14,16,18が露出するように、開口41a〜44aが形成されている。各誘電体層12,14,16,18上には、第2の内部電極41〜44に形成された開口41a〜44aに対応する領域に、ランド状の内部導体81〜84が位置している。また、第2の内部電極44は、積層体1の側面1fと誘電体層18を介して積層方向で隣り合う。
誘電体層11における内部導体81と内部導体71とに対応する位置には、誘電体層11を厚み方向に貫通するスルーホール導体91a,91bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体91aは、第1の内部電極31に電気的に接続されている。スルーホール導体91bは、内部導体71に電気的に接続されている。スルーホール導体91aは、誘電体層11,12が積層された状態で、内部導体81と電気的に接続される。スルーホール導体91bは、誘電体層11,12が積層された状態で、第2の内部電極41と電気的に接続される。
誘電体層12における内部導体81と内部導体72とに対応する位置には、誘電体層12を厚み方向に貫通するスルーホール導体92a,92bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体92aは、内部導体81に電気的に接続されている。スルーホール導体92bは、第2の内部電極41に電気的に接続されている。スルーホール導体92aは、誘電体層12,13が積層された状態で、第1の内部電極32と電気的に接続される。スルーホール導体92bは、誘電体層12,13が積層された状態で、内部導体72と電気的に接続される。
誘電体層13における内部導体82と内部導体72とに対応する位置には、誘電体層13を厚み方向に貫通するスルーホール導体93a,93bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体93aは、第1の内部電極32に電気的に接続されている。スルーホール導体93bは、内部導体72に電気的に接続されている。スルーホール導体93aは、誘電体層13,14が積層された状態で、内部導体82と電気的に接続される。スルーホール導体93bは、誘電体層13,14が積層された状態で、第2の内部電極42と電気的に接続される。
誘電体層14における内部導体82と内部導体73とに対応する位置には、誘電体層14を厚み方向に貫通するスルーホール導体94a,94bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体94aは、内部導体82に電気的に接続されている。スルーホール導体94bは、第2の内部電極42に電気的に接続されている。スルーホール導体94aは、誘電体層14,15が積層された状態で、第1の内部電極33と電気的に接続される。スルーホール導体94bは、誘電体層14,15が積層された状態で、内部導体73と電気的に接続される。
誘電体層15における内部導体83と内部導体73とに対応する位置には、誘電体層15を厚み方向に貫通するスルーホール導体95a,95bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体95aは、第1の内部電極33に電気的に接続されている。スルーホール導体95bは、内部導体73に電気的に接続されている。スルーホール導体95aは、誘電体層15,16が積層された状態で、内部導体83と電気的に接続される。スルーホール導体95bは、誘電体層15,16が積層された状態で、第2の内部電極43と電気的に接続される。
誘電体層16における内部導体83と内部導体74とに対応する位置には、誘電体層16を厚み方向に貫通するスルーホール導体96a,96bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体96aは、内部導体83に電気的に接続されている。スルーホール導体96bは、第2の内部電極43に電気的に接続されている。スルーホール導体96aは、誘電体層16,17が積層された状態で、第1の内部電極34と電気的に接続される。スルーホール導体96bは、誘電体層16,17が積層された状態で、内部導体74と電気的に接続される。
誘電体層17における内部導体84と内部導体74とに対応する位置には、誘電体層17を厚み方向に貫通するスルーホール導体97a,97bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体97aは、第1の内部電極34に電気的に接続されている。スルーホール導体97bは、内部導体74に電気的に接続されている。スルーホール導体97aは、誘電体層17,18が積層された状態で、内部導体84と電気的に接続される。スルーホール導体97bは、誘電体層17,18が積層された状態で、第2の内部電極44と電気的に接続される。
スルーホール導体91a〜97aは、誘電体層11〜17が積層されることにより、積層方向に略直線状に併設され、相互に電気的に接続されることにより通電経路を構成する。第1の内部電極31〜34は、スルーホール導体91a〜97a及び内部導体81〜84を介して互いに電気的に接続されている。
第1の内部電極31は、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極32〜34も第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜34は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、第1の内部電極31と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極31から伸びている。
スルーホール導体91b〜97bも、スルーホール導体91a〜97aと同様に、誘電体層11〜17が積層されることにより、積層方向に略直線状に併設され、相互に電気的に接続されることにより通電経路を構成する。第2の内部電極41〜44は、スルーホール導体91b〜97b及び内部導体71〜74を介して互いに電気的に接続されている。
第2の内部電極44は、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極41〜43も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜44は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、第2の内部電極44と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成される側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極44から伸びている。
積層コンデンサC2では、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31の数を1つとし、第1の内部電極31〜34の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極44の数を1つとし、第2の内部電極41〜44の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、スルーホール導体91a〜97aは第1の端子電極3に直列接続されることとなり、スルーホール導体91a〜97aの合成抵抗成分は比較的大きくなる。また、スルーホール導体91b〜97bも第2の端子電極5に直列接続されることとなり、スルーホール導体91b〜97bの合成抵抗成分は比較的大きくなる。これらにより、積層コンデンサC2は、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44の数とをそれぞれ調整することにより、積層コンデンサC2の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、本実施形態において、第1の内部電極31〜34同士は、並列接続されており、第2の内部電極41〜44同士は、並列接続されている。これにより、各第1の内部電極31〜34や各第2の内部電極41〜44の抵抗値にバラツキが生じても、積層コンデンサC2全体での等価直列抵抗への影響が少なく、等価直列抵抗の制御の精度低下を抑制することができる。
また、積層コンデンサC2の積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。一方、積層コンデンサC2の積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第9実施形態に係る積層コンデンサC2では、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、積層コンデンサC2では等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第10実施形態)
図16を参照して、第10実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第10実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37,47を介して端子電極3,5に接続される第1及び第2の内部電極33,42の積層方向で位置の点で第9実施形態に係る積層コンデンサC2と相違する。図16は、第10実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第10実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
第10実施形態に係る積層コンデンサでは、図16に示されるように、4つの第1の内部電極31〜34のうち第1の内部電極31から下に数えて3つ目となる第1の内部電極33が、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極31,32,34も第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜34は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、第1の内部電極33と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極33から伸びている。
4つの第2の内部電極41〜44のうち第2の内部電極41から下に数えて2つ目となる第2の内部電極42が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極41,43,44も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜44は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、第2の内部電極42と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極42から伸びている。
第10実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極33の数を1つとし、第1の内部電極31〜34の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極42の数を1つとし、第2の内部電極41〜44の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。これらにより、第10実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、スルーホール導体91a〜97aの抵抗成分は、第1の内部電極33を境にして、当該第1の内部電極33よりも積層方向の一方側に位置するスルーホール導体91a〜94aの合成抵抗成分と、第1の内部電極33よりも積層方向の他方側に位置するスルーホール導体95a〜97aの合成抵抗成分とに分けられる。スルーホール導体91a〜94aの合成抵抗成分と、スルーホール導体95a〜97aの合成抵抗成分とは、第1の端子電極3に対して並列接続されることとなる。また、スルーホール導体91b〜97bの抵抗成分は、第2の内部電極42を境にして、当該第2の内部電極42よりも積層方向の一方側に位置するスルーホール導体91b〜93bの合成抵抗成分と、第2の内部電極42よりも積層方向の他方側に位置するスルーホール導体94b〜97bの合成抵抗成分とに分けられる。スルーホール導体91b〜93bの合成抵抗成分と、スルーホール導体94b〜97bの合成抵抗成分とは、第2の端子電極5に対して並列接続されることとなる。したがって、第10実施形態に係る積層コンデンサは、スルーホール導体91a〜97a,91b〜97bがそれぞれ直列接続されている第9実施形態に係る積層コンデンサC2に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33の積層方向での位置と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42の積層方向での位置とをそれぞれ調整することにより、第10実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第10実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42が存在する。一方、積層コンデンサC2の積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第10実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第11実施形態)
図17を参照して、第11実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第11実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37,47を介して端子電極3,5に接続される第1及び第2の内部電極31,34,41,44の数の点で第9実施形態に係る積層コンデンサC2と相違する。図17は、第11実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第11実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
第11実施形態に係る積層コンデンサでは、図17に示されるように、4つの第1の内部電極31〜34のうち2つの第1の内部電極31,34が、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極32,33も第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜34は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、各第1の内部電極31,34と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極31,34からそれぞれ伸びている。
4つの第2の内部電極41〜44のうち2つの第2の内部電極41,44が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極42,43も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜44は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、各第2の内部電極41,44と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極41,44からそれぞれ伸びている。
第11実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31,34の数を2つとし、第1の内部電極31〜34の総数よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41,44の数を2つとし、第2の内部電極41〜44の総数よりも少なくされている。したがって、第11実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第11実施形態に係る積層コンデンサは、第9実施形態に係る積層コンデンサC2に比して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31,34の数が多く、これらの引き出し導体37は第1の端子電極3に対して並列接続される。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41,44が多く、これらの引き出し導体47は第2の端子電極5に対して並列接続される。したがって、第11実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、第9実施形態に係る積層コンデンサC2に比して等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31,34の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41,44の数とをそれぞれ調整することにより、第11実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第11実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41が存在する。一方、積層コンデンサC2の積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第11実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第11実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第12実施形態)
図18を参照して、第12実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第12実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜45にスリットが形成されている点で第9実施形態に係る積層コンデンサC2と相違する。図18は、第12実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第12実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
第1の内部電極31〜34において、積層体1の側面1dと対向する当該第1の内部電極31〜34の端辺から、スルーホール導体91a〜97aと当該第1の内部電極31〜34とが接続される部分の脇へ伸びるようにスリットS11〜S14が形成されている。したがって、スリットS11〜S14は、各第1の内部電極31〜34において、スリットS11〜S14それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
第2の内部電極41〜44において、積層体1の側面1cと対向する当該第2の内部電極41〜44の端辺から、スルーホール導体91b〜97bと当該第2の内部電極41〜44とが接続される部分の脇へ伸びるようにスリットS21〜S24が形成されている。したがって、スリットS21〜S24は、各第2の内部電極41〜44において、スリットS21〜S24それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
スリットS11〜S14、S21〜S24が形成された第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44では、それぞれスリットS11〜S14、S21〜S24を挟んで対向する領域において互いに電流が逆向きに流れるため、電流に起因して発生する磁界が相殺される。また、スリットが形成された第1の内部電極31〜34と第2の内部電極41〜44とでは積層方向で見て、電流の流れる向きが逆向きとなる。そのため、第1の内部電極31〜34を流れる電流に起因して発生する磁界と第2の内部電極41〜44を流れる電流に起因して発生する磁界とは相殺される。このため、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
また、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31の数を1つとし、第1の内部電極31〜34の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極44の数を1つとし、第2の内部電極41〜44の総数(本実施形態では、4つ)よりも少なくされている。これらにより、第12実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44の数とをそれぞれ調整することにより、第12実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第12実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。一方、第12実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜34、41〜44を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第12実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
なお、スリットは、すべての内部電極に形成されている必要はなく、例えば引き出し導体37、47を介して第1及び第2の端子電極3、5に電気的に接続される第1及び第2の内部電極31、44に形成されていなくてもよい。ただし、第1及び第2の内部電極31、44にスリットを形成することによって、これらの内部電極31、44において電流に起因して発生する磁界が相殺される。そのため、積層コンデンサにおける等価直列インダクタンスのさらなる低減を図ることが可能となる。
(第13実施形態)
図19を参照して、第13実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第13実施形態に係る積層コンデンサは、第1の端子電極と接続される第1の内部電極と積層体の積層方向での中心位置に対して対称となる位置に存在する内部電極が第1の内部電極であり、第2の端子電極と接続される第2の内部電極と積層体の積層方向での中心位置に対して対称となる位置に存在する内部電極が第2の内部電極である点で第9実施形態に係る積層コンデンサC2と相違する。図19は、第13実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第13実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
積層体1は、図19にも示されるように、複数(本実施形態では、12層)の誘電体層11〜22と、複数(本実施形態では、6層)の第1の内部電極31〜36及び複数(本実施形態では、5層)の第2の内部電極41〜45とが交互に積層されることにより構成される。実際の積層コンデンサでは、誘電体層11〜22の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
各第1の内部電極31〜36は、略矩形形状を呈している。第1の内部電極31〜36は、積層体1における誘電体層11〜22の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第1の内部電極31〜36には、誘電体層11,13,15,17、19、21が露出するように、開口31a〜36aが形成されている。各誘電体層11,13,15,17、19、21上には、第1の内部電極31〜36に形成された開口31a〜36aに対応する領域に、ランド状の内部導体71〜76が位置している。また、第1の内部電極31は、積層体1の側面1eと誘電体層22を介して積層方向で隣り合う。第1の内部電極36は、積層体1の側面1fと誘電体層21を介して積層方向で隣り合う。
各第2の内部電極41〜45は、矩形形状を呈している。第2の内部電極41〜45は、積層体1における積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置にそれぞれ形成されている。各第2の内部電極41〜45には、誘電体層12,14,16,18、20が露出するように、開口41a〜45aが形成されている。各誘電体層12,14,16,18、20上には、第2の内部電極41〜45に形成された開口41a〜45aに対応する領域に、ランド状の内部導体81〜85が位置している。
スルーホール導体91a〜97aは、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、誘電体層11〜17が積層されることにより積層方向に略直線状に併設され、相互に電気的に接続されている。スルーホール導体91b〜97bも、誘電体層11〜17が積層されることにより積層方向に略直線状に併設され、相互に電気的に接続されている。
さらに、第13実施形態に係る積層コンデンサにおいては、誘電体層18〜21が積層され、スルーホール導体98a〜100a、98b〜100bが略直線上に併設されている。
すなわち、誘電体層18における内部導体84と内部導体75とに対応する位置に、誘電体層18を厚み方向に貫通するスルーホール導体98a,98bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体98aは、内部導体84に電気的に接続されている。スルーホール導体98bは、第2の内部電極44に電気的に接続されている。スルーホール導体98aは、誘電体層18,19が積層された状態で、第1の内部電極35と電気的に接続される。スルーホール導体98bは、誘電体層18,19が積層された状態で、内部導体75と電気的に接続される。
誘電体層19における内部導体85と内部導体75とに対応する位置には、誘電体層19を厚み方向に貫通するスルーホール導体99a,99bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体99aは、第1の内部電極35に電気的に接続されている。スルーホール導体99bは、内部導体75に電気的に接続されている。スルーホール導体99aは、誘電体層19,20が積層された状態で、内部導体85と電気的に接続される。スルーホール導体99bは、誘電体層19,20が積層された状態で、第2の内部電極45と電気的に接続される。
誘電体層20における内部導体85と内部導体76とに対応する位置には、誘電体層20を厚み方向に貫通するスルーホール導体100a,100bがそれぞれ形成されている。スルーホール導体100aは、内部導体85に電気的に接続されている。スルーホール導体100bは、第2の内部電極45に電気的に接続されている。スルーホール導体100aは、誘電体層20,21が積層された状態で、第1の内部電極36と電気的に接続される。スルーホール導体100bは、誘電体層20,21が積層された状態で、内部導体76と電気的に接続される。
スルーホール導体91a〜100aは、誘電体層11〜20が積層されることにより、積層方向に略直線状に併設され、相互に電気的に接続されることにより通電経路を構成する。第1の内部電極31〜36は、スルーホール導体91a〜100a及び内部導体81〜85を介して互いに電気的に接続されている。
第1の内部電極31、36は、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極32〜35も第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜36は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、第1の内部電極31、36と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極31、36から伸びている。
スルーホール導体91b〜100bも、スルーホール導体91a〜100aと同様に、誘電体層11〜20が積層されることにより、積層方向に略直線状に併設され、相互に電気的に接続されることにより通電経路を構成する。第2の内部電極41〜45は、スルーホール導体91b〜100b及び内部導体71〜76を介して互いに電気的に接続されている。
第2の内部電極41、45は、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極42〜44も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、第2の内部電極41、45と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成される側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極41、45から伸びている。
第13実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31、36の数を2つとし、第1の内部電極31〜36の総数(本実施形態では、6つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、45の数を2つとし、第2の内部電極41〜45の総数(本実施形態では、5つ)よりも少なくされている。そのため、第13実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31、36の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41、45の数とをそれぞれ調整することにより、第13実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、本実施形態において、第1の内部電極31〜36同士は、並列接続されており、第2の内部電極41〜45同士は、並列接続されている。これにより、各第1の内部電極31〜36や各第2の内部電極41〜45の抵抗値にバラツキが生じても、13実施形態に係る積層コンデンサ全体での等価直列抵抗への影響が少なく、等価直列抵抗の制御の精度低下を抑制することができる。
また、第13実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。一方、第13実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第13実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第14実施形態)
図20を参照して、第14実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第14実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に接続される第1の内部電極33、34及び引き出し導体47を介して第2の端子電極5に接続される第2の内部電極42、44の積層方向での位置の点で第13実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図20は、第14実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第14実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
第14実施形態に係る積層コンデンサでは、図20に示されるように、6つの第1の内部電極31〜36のうち上から3つ目となる第1の内部電極33及び上から4つ目となる第1の内部電極34が、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。これにより、第1の内部電極31、32、35、36も、第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜36は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、第1の内部電極33、34と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極33、34から伸びている。
第14実施形態に係る積層コンデンサでは、図20に示されるように、5つの第2の内部電極41〜45のうち上から2つ目となる第2の内部電極42及び上から4つ目となる第2の内部電極44が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。これにより、第2の内部電極41、43、45も、第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、第2の内部電極42、44と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極42、44から伸びている。
第14実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極33、34の数を2つとし、第1の内部電極31〜36の総数(本実施形態では、6つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極42、44の数を2つとし、第2の内部電極41〜45の総数(本実施形態では、5つ)よりも少なくされている。これらにより、第14実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1の端子電極3に着目すると、第14実施形態に係る積層コンデンサは、第13実施形態に係る積層コンデンサと比べて、スルーホール導体91a〜100aの抵抗成分の第1の端子電極3への接続のされ方が異なる。すなわち、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、スルーホール導体91a〜100aの抵抗成分は、第1の内部電極31、36それぞれに対して直列接続されている。一方、第14実施形態に係る積層コンデンサでは、スルーホール導体91a〜100aの抵抗成分は、第1の内部電極33、34それぞれを境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1の端子電極3に対して並列接続される。また、第2の端子電極5に着目すると、第14実施形態に係る積層コンデンサは、第13実施形態に係る積層コンデンサと比べて、スルーホール導体91b〜100bの抵抗成分の第2の端子電極5への接続のされ方が異なる。すなわち、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、スルーホール導体91b〜100bの抵抗成分は、第2の内部電極41、45それぞれに対して直列接続されている。一方、第14実施形態に係る積層コンデンサでは、スルーホール導体91b〜100bの抵抗成分は、第2の内部電極42、44それぞれを境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2の端子電極5に対して並列接続される。
したがって、スルーホール導体91a〜100a、91b〜100bの抵抗成分の差異に起因して、第14実施形態に係る積層コンデンサは、第13実施形態に係る積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が小さくなる。(段落0198、0199の技術的内容についてご確認ください。)
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33、34の積層方向での位置及び引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42、44の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第14実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極34と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極33が存在する。一方、第14実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42が存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第14実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第14実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第15実施形態)
図21を参照して、第15実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第15実施形態に係る積層コンデンサは、引き出し導体37,47を介して端子電極3,5に接続される第1及び第2の内部電極31、32、35、36、41,42、44、45の数の点で第13実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図21は、第15実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第15実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
第15実施形態に係る積層コンデンサでは、図21に示されるように、6つの第1の内部電極31〜36のうち4つの第1の内部電極31、32、35、36が、引き出し導体37介して第1の端子電極3に電気的に接続されている。第1の内部電極31〜36は第1の接続導体7を介して互いに電気的に接続されているため、第1の内部電極33、34も第1の接続導体7を介して第1の端子電極3に電気的に接続されることとなり、第1の内部電極31〜36は並列接続されることとなる。引き出し導体37は、各第1の内部電極31、32、35、36と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに臨むように、第1の内部電極31、32、35、36からそれぞれ伸びている。
5つの第2の内部電極41〜45のうち4つの第2の内部電極41,42、44、45が、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続されている。第2の内部電極41〜45は第2の接続導体9を介して互いに電気的に接続されているため、第2の内部電極43も第2の接続導体9を介して第2の端子電極5に電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45は並列接続されることとなる。引き出し導体47は、各第2の内部電極41,42、44、45と一体に形成されており、積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ側面1aと対向する側面1bに臨むように、第2の内部電極41,42、44、45からそれぞれ伸びている。
第15実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31、32、35、36の数を4つとし、第1の内部電極31〜36の総数よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41,42、44、45の数を4つとし、第2の内部電極41〜45の総数よりも少なくされている。したがって、第15実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第15実施形態に係る積層コンデンサは、第13実施形態に係る積層コンデンサに比して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31,32、35、36の数が多く、これらの引き出し導体37は第1の端子電極3に対して並列接続される。また、第15実施形態に係る積層コンデンサは、第13実施形態に係る積層コンデンサに比して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、42、44、45の数が多く、これらの引き出し導体47は第2の端子電極5に対して並列接続される。したがって、第15実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、第13実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31、32、35、36の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41,42、44、45の数とをそれぞれ調整することにより、第15実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第15実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極32と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極35が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極35と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極32が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31が存在する。
一方、第15実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極42が存在する。積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極45と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41が存在する。
そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第15実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第15実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
(第16実施形態)
図22を参照して、第16実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第16実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45にスリットが形成されている点で第13実施形態に係る積層コンデンサと相違する。図22は、第16実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第16実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第9実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体1と、当該積層体1に形成された第1の端子電極3と、同じく積層体1に形成された第2の端子電極5とを備えている。
第1の内部電極31〜36において、積層体1の側面1dと対向する当該第1の内部電極31〜36の端辺から、スルーホール導体91a〜100aと当該第1の内部電極31〜36とが接続される部分の脇へ伸びるようにスリットS11〜S16が形成されている。したがって、スリットS11〜S16は、各第1の内部電極31〜36において、スリットS11〜S16それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
第2の内部電極41〜45において、積層体1の側面1cと対向する当該第2の内部電極41〜45の端辺から、スルーホール導体91b〜100bと当該第2の内部電極41〜45とが接続される部分の脇へ伸びるようにスリットS21〜S25が形成されている。したがって、スリットS21〜S25は、各第2の内部電極41〜45において、スリットS21〜S25それぞれを挟んで対向する領域を電流が互いに逆向きに流れるように形成されることとなる。
スリットS11〜S16、S21〜S25が形成された第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45では、それぞれスリットS11〜S16、S21〜S25を挟んで対向する領域において互いに電流が逆向きに流れるため、電流に起因して発生する磁界が相殺される。また、スリットが形成された第1の内部電極31〜36と第2の内部電極41〜45とでは積層方向で見て、電流の流れる向きが逆向きとなる。そのため、第1の内部電極31〜36を流れる電流に起因して発生する磁界と第2の内部電極41〜45を流れる電流に起因して発生する磁界とは相殺される。このため、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
また、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に直接接続される第1の内部電極31、36の数を2つとし、第1の内部電極31〜36の総数(本実施形態では、6つ)よりも少なくされている。また、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に直接接続される第2の内部電極41、45の数を2つとし、第2の内部電極41〜45の総数(本実施形態では、5つ)よりも少なくされている。これらにより、第16実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子電極に引き出し導体を介して接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極31、36の数と引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極41、45の数とをそれぞれ調整することにより、第16実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
また、第16実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される各第1の内部電極31、36と対称となる位置に、引き出し導体37を介して第1の端子電極3に電気的に接続される第1の内部電極36、31がそれぞれ存在する。一方、第16実施形態に係る積層コンデンサの積層体1では、積層方向における中心位置Mに対して、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される各第2の内部電極41、45と対称となる位置に、引き出し導体47を介して第2の端子電極5に電気的に接続される第2の内部電極44、41がそれぞれ存在する。そのため、積層体1の積層方向に対向する2つの側面1e、1fのうち何れの面を基板等に対向させて実装した場合でも、基板上のランドパターン間等に内部電極を介して形成される電流経路の長さは変化し難い。したがって、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、実装方向によって等価直列インダクタンスがばらつくことが抑制されている。
また、第1の端子電極3は直方体形状の積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸びる側面1aに形成されており、第2の端子電極5は積層体1の積層方向と平行な側面のうち長手方向に伸び且つ第1の端子電極3が形成されている側面1aと対向する側面1bに形成されている。これにより、第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45を流れる電流によって発生する磁界を小さくすることができ、第16実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスの低減を図ることが可能となる。
なお、スリットは、すべての内部電極に形成されている必要はなく、例えば引き出し導体37、47を介して第1及び第2の端子電極3、5に電気的に接続される第1及び第2の内部電極31、36、41、45に形成されていなくてもよい。ただし、第1及び第2の内部電極31、36、41、45にスリットを形成することによって、これらの内部電極31、36、41、45において電流に起因して発生する磁界が相殺される。そのため、積層コンデンサにおける等価直列インダクタンスのさらなる低減を図ることが可能となる。
第1〜第16実施形態においては、引き出し導体37、47を介して端子電極3、5に直接接続される内部電極の数及び積層方向での位置の少なくともいずれか一方を調整することにより、各積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定している。この結果、各積層コンデンサの等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
上述した第1の内部電極31〜36の数の調整は、1つ以上第1の内部電極31〜36の総数より1つ少ない数以下の範囲で行うことができる。上述した第2の内部電極41〜45の数の調整は、1つ以上第2の内部電極41〜45の総数より1つ少ない数以下の範囲で行うことができる。引き出し導体37を介して端子電極3に直接接続される第1の内部電極の数と、引き出し導体47を介して端子電極5に直接接続される第2の内部電極の数とは、異なってもよい。
更に、接続導体7、9あるいはスルーホール導体91a〜100a、91b〜100bの数を調整して、各積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定するようにしてもよい。この場合、各積層コンデンサの等価直列抵抗の制御をより一層精度良く行うことができる。
接続導体7、9の数を調整する一例を、図23及び図24に示す。図23及び図24に示された積層コンデンサでは、第1実施形態に係る積層コンデンサにおける第1及び第2の接続導体7、9の数をそれぞれ2つに設定することで、等価直列抵抗を所望の値に設定している。図23は、第1実施形態に係る積層コンデンサの変形例の斜視図である。図24は、第1実施形態に係る積層コンデンサの変形例に含まれる積層体の分解斜視図である。図23に示すように、第1実施形態に係る積層コンデンサの変形例は、第1及び第2の接続導体7、9をそれぞれ2つ備える。図24に示すように、第1の内部電極31〜34はそれぞれ、接続導体7に接続される2つの引き出し導体51〜54を有する。したがって、第1の内部電極31〜34同士は2つの通電経路を通して電気的に接続されることとなり、第2の内部電極41〜45同士も2つの通電経路を通して電気的に接続されることとなる。
第1実施形態に係る積層コンデンサ以外の第2〜第8実施形態に係る積層コンデンサにおける接続導体7、9をそれぞれ複数に設定してもよい。図25に第5実施形態に係る積層コンデンサの変形例の分解斜視図を示す。図25に示した第5実施形態に係る積層コンデンサの変形例では、第1及び第2の接続導体7、9の数をそれぞれ2つに設定している。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、誘電体層11〜22の積層数及び第1及び第2の内部電極31〜36、41〜45の積層数は、上述した実施形態に記載された数に限られない。また、引き出し導体37、47を介して端子電極3,5に直接接続される内部電極の数及び積層方向での位置は、上述した実施形態に記載された数及び位置に限られない。また、第1及び第2の内部電極は引き出し導体を介さず、直接第1及び第2の接続導体と接続していてもよい。
1…積層体、1a〜1f…側面、3…第1の端子電極、5…第2の端子電極、7…第1の接続導体、9…第2の接続導体、11〜22…誘電体層、31〜36…第1の内部電極、41〜45…第2の内部電極、51〜56、61〜65、37、47…引き出し導体、71〜76、81〜85…内部導体、91a〜100a,91b〜100b…スルーホール導体、110…基板、112…陰極ランドパターン、114…陽極ランドパターン、116、118…配線、S11〜S16、S21〜S25…スリット、C1、C2…積層コンデンサ。