JP4225694B2 - アミノアルコール類とのエステル交換による3−フェニルグリシド酸エステル類の酵素的速度論的分割方法 - Google Patents
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Description
本発明は、3−フェニルグリシド酸エステル類を分割する方法に関し、より詳細には、アミノアルコール類とのエステル交換による3−フェニルグリシド酸エステル類の酵素的(酵素による)速度論的(又は動的)分割方法に関する。
【0001】
【従来の技術】
3−フェニルグリシド酸のエステルは公知の化合物で、多くの文献に記載されており、合成中間体として広く用いられている。
例えば、適切に分割されたトランス−3−フェニルグリシド酸のエステルは、通常、公知の天然の抗癌剤であるパクリタキセル[メルクインデックス,第XII版,n.7117,1200頁]の側鎖である(2R,3S)−N−ベンゾイル−3−フェニルイソセリンの調製に使用される。
【0002】
上記以外の重要な用途として、3−フェニルグリシド酸エステル、特に(2R,3S)−3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸エステルは、薬品名ジルチアゼム[メルクインデックス,第XII版,n.3247,541頁]として公知のカルシウム遮断活性を呈する薬剤、即ち(+)−(2S,3S)−3−アセトキシ−5−(2−ジメチルアミノエチル)−2,3−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン、の合成に用いられる。
【0003】
ジルチアゼムは、幾つかの文献に記載の方法、例えば、英国特許第1236467号及び2167063号、或いは欧州特許第127882号及び158340号(いずれも田辺製薬株式会社名義)に請求されている方法に従って、3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸のエステルを出発物質として調製することができる。
【0004】
ジルチアゼムを調製するためには、各種合成中間体のうちの一つについて光学分割を行うことが必要である。当然のことではあるが、プロセスの初期段階で分割を行う方が、分割を施される製品の経済的価値が低く、従って排除される異性体に係る損失がさほど大きくないため、経済的に好都合である。
【0005】
従って、3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸エステルの純粋な鏡像異性体を得ることができれば、当該化合物が合成における最初の光学活性な反応中間体となるため、有利である。
【0006】
文献に報告されている3−フェニルグリシド酸エステルの製造方法の多くはラセミ混合物を生成する。生成し得る2対の鏡像異性体対のうち1対を主に得ることは可能である。例えば、4−メトキシベンズアルデヒドとクロロ酢酸メチルとのダルツェン縮合(Darzens Condensation)[J.Org.Chem.,(1986),51,2759]の場合、合成経路を適切に選択し、実験条件を最適化することによって、トランスラセミ体(2R*,3S*)が得られる。
【0007】
トランス鏡像異性体の1対を排除するにしても、所望の鏡像異性体を単離することが結局は必要となり、分割技術が必要となる。特に、ジルチアゼム合成に用いる3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸エステルの場合は、2R,3Sの絶対配置が所望され、又、パクリタキセルの側鎖の製造[J.Org.Chem.,(1993),58,1287]に用いる3−フェニルグリシド酸エステルの場合は、合成経路により、2R,3S又は2S,3R鏡像異性体が所望される。
【0008】
より慣用的な分割方法、即ち、純粋な鏡像異性体である分割試薬とラセミ混合物とを相互作用させることによってジアステレオマー混合物に転化し、次いで、例えばクロマトグラフィー精製又は分別晶出等の古くから用いられている方法によってこの混合物を分離する方法があるが、この方法とは別の、速度論的分割技術は実に好ましい方法である。
【0009】
このような分割技術は、上述の方法とは異なり、光学活性な試薬又は非キラル試薬(但しキラル触媒の存在下)に対するそれぞれの鏡像異性体の反応速度の違いに基づくものである。
【0010】
特に重要なキラル触媒群は酵素類から構成されるが、分割試薬としての酵素の利用が認識され、発展したのはつい最近のことである[A.Zaksら,Drug Discovery Today,(1997),2,513]。
カルボン酸類及び関連エステル類を分割する多くの酵素的方法が文献に記載されている。例えば、Angew.Chem.,Int.Ed.Eng.(1985)24,617及び(1989),28,695に発表されたレビューを参照されたい。
【0011】
当該分野における、リパーゼやプロテアーゼ等の加水分解酵素を非水性媒質中で使用し、エステル交換反応によってエステルを速度論的分割に付す方法[A.Klibanov,Acc.Chem.Res.(1990),23,114]は、例えば以下の経路に従うが、これらは特に興味深い方法である。
【0012】
【化5】
【0013】
最良の条件下において、2種の鏡像異性体のうち1種だけを選択的にエステル交換し、エステル交換した鏡像異性体と他の鏡像異性体とを分別し、次いで、ラセミ混合物をほぼ定量的収率で分割することが可能である。
上述の方法では、2種類のエステルを分離する操作、例えばクロマトグラフィー、選択的結晶化、蒸留、又は塩化を効率的に行うために、出発化合物に比べて化学的/物理的特性が全く異なるエステルを新たに形成させることが必要である。従って、アルコールRbOHの選択は重要である。
【0014】
酵素的エステル交換技術を用いてフェニルグリシド酸エステルラセミ体を分割する幾つかの方法が文献に報告されている。
第1の例として、英国特許出願第2246351号(本出願人による)に、酵素的エステル交換による3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸エステルラセミ体の分割が記載されている。
【0015】
パクリタキセルの側鎖合成に、Da−Ming Gouらが同様の手法を用いている[J.Org.Chem.(1993),58,1287]。著者らは、Mucor miehei由来のリパーゼを触媒とし、イソブチルアルコールを用いたエステル交換反応によるトランスメチル3−フェニルグリシド酸エステルの分割を記載している。
【0016】
単一種の鏡像異性体の最終的な単離に採用される方法は、クロマトグラフィー又は分留、即ち、研究室規模で一般に用いられ、工業レベルでは容易に適用しにくい方法である。
【0017】
エステラーゼを触媒とし、アルコールとしてC2〜C10アルカノールを用いたエステル交換反応によってフェニルグリシド酸エステルを速度論的に分割する同様の方法が、タナベによるJP06/078790に報告されている。例え所望の生成物、即ち上述のジルチアゼムの前駆体である(2R,3S)−3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸エステルが高い光学純度で得られたとしても、この方法は、単離にクロマトグラフィー技術を利用しているため、工業レベルに適用するのは容易ではない。
【0018】
一方、欧州特許出願第498706号[シンセラボ(Synthelabo)]に記載されている別の手法として、単一種の鏡像異性体の単離における上述の難点を克服する別の経路が提案されている。その手法は、エステル交換によって単一種の鏡像異性体を立体選択的に不溶化することに基づいており、4−ヒドロキシ酪酸ナトリウムの存在下に、トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルのラセミ体を酵素的エステル交換反応に付すことによって、(2S,3R)鏡像異性体の不溶なカルボキシエステルが形成される。ろ過およびろ液の蒸発によって所望の(2R,3S)鏡像異性体を回収する。
【0019】
しかしながら、工業的観点から好ましい高濃度条件下で処理すると、酵素の存在に加えて、トルエン相外に不溶な(2S,3R)カルボキシエステルおよびヒドロキシ酪酸ナトリウムが存在するため、トルエン反応混合物はとりわけ濃厚になる。これらの固体が酵素表面に析出するために酵素活性が低下することは不可避であり、回収も困難になる。
【0020】
懸濁液のろ過特性を向上するためには寧ろ希釈条件下で処理することが必要である。例えば、上述の特許の実施例1には3%w/v溶液の使用が記載されているが、プロセスの生産性は低下する。上述の理由から、シンセラボの請求する方法は工業的には適用し難い。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らの知る限りでは、工業分野に容易に適用することができ、且つ所望の鏡像異性体を単離する操作が極めて簡単である、アミノアルコールとのエステル交換による3−フェニルグリシド酸エステルの酵素による速度論的分割方法はどの文献にも記載されていない。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、とりわけ工業的適用に適切な3−フェニルグリシド酸エステルの鏡像異性体(エナンチオマー)混合物の酵素的速度論的分割方法を見出した。当該方法は、エステルの鏡像異性体混合物を、非水性条件下でアミノアルコールを用いてエステル交換に付し、次いで、酸性媒質を用いた抽出によって、エステル交換しなかったエステルからエステル交換したエステルを分離するものである。
【0023】
よって本発明に係る方法は、
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、Rは直鎖又は分岐のC1〜C4アルキル;R1は水素、直鎖若しくは分岐のC1〜C3アルキル、直鎖若しくは分岐のC1〜C3アルコキシ、アリール、又はハロゲン)を製造する方法であって、有機溶媒中で酵素を触媒とし、式
【0026】
【化7】
【0027】
(式中、nは2〜4の整数;R2は水素又は直鎖若しくは分岐のC1〜C4アルキル;R3は直鎖又は分岐のC1〜C4アルキル;或いは、R2及びR3は窒素原子と共に5員環〜7員環の飽和環を形成する)で表わされるアミノアルコールを用いて、式Iのトランス鏡像異性体の混合物をエステル交換に付すことによって、式
【0028】
【化8】
【0029】
で表わされるトランス3−フェニルグリシド酸エステルを酵素的速度論的に分割して、それぞれ式III及びIV:
【0030】
【化9】
【0031】
(式中、R、R1、R2、R3及びnは前記と同義である)で表わされる、逆の絶対配置を有する、エステル交換しなかったトランスエステルとエステル交換したトランスエステルとの混合物を得、次いで、上記式III及びIVのエステルの混合物を分離することを含む方法である。
【0032】
本発明に係る方法は容易に実施され、面倒な精製操作を伴わず、無毒な市販の試薬を用いて、式Iのエステルのラセミ体から単一種の鏡像異性体を高収率且つ高い鏡像異性体過剰率で得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明に係る反応であるエステル交換反応は、適切な酵素の存在下、非水性媒質中で、式Iのトランスエステルラセミ体と式IIのアミノアルコールとを反応させることによって実施される。
式Iのトランスエステルラセミ体は公知の化合物であって、例えば任意的に置換されたベンズアルデヒド及び対応する2−ハロアセテートを出発物質として、先に引用したダルツェン縮合[J.Org.Chem.,(1986),51,2759]によって容易に調製することができる。
【0034】
本発明に係る分割プロセスに使用可能な式Iのエステルとして、例えば、メチル、エチル及びプロピルエステルが挙げられる。
メチルエステルが特に好ましい。
【0035】
本発明に係る方法によれば、エステル交換反応は式IIのアミノアルコールの存在下で進行する。
【0036】
本発明に係る方法に利用できる式IIのアミノアルコールとして、例えば、3−ジメチルアミノ−1−プロパノ−ル、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンが挙げられる。
【0037】
2−ジメチルアミノエタノールは、入手が容易で、毒性が極めて低く、室温で液体であり、且つ安定な化合物であることから、特に好ましい。
本発明に係る酵素的分割方法によれば、式IIのアミノアルコールは、式Iのエステルを基準として、20:1〜0.4:1のモル比で用いられる。
好ましくは、上記モル比は10:1〜1:1であり、より好ましくは、2:1である。
【0038】
上記目的に各種酵素を使用することができる。
特に、動物、微生物又は植物由来のリパーゼを用いることができる。リパーゼとして、例えば、任意的に担持された、Candida antarctica由来リパーゼ、Mucor miehei由来リパーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、Candida cylindracea由来リパーゼ、コムギ胚芽由来リパーゼ、Chromobacterium viscosum由来リパーゼ、Aspergillus niger由来リパーゼ、Rhizopus javanicus由来リパーゼ、Pennicillium cyclopium由来リパーゼ、Rhizopus delemar由来リパーゼ、Candida lipolytica由来リパーゼ、Pennicilium roquefortii由来リパーゼ、Humicola lanuginosa由来リパーゼ、Geotrichum candidum由来リパーゼ、Pseudomonas cepacea由来リパーゼ、Rhizopus japonicus由来リパーゼ、及びPseudomonas fluorescens由来リパーゼが挙げられる。
【0039】
特に好ましくは、商品名Novozim 435(登録商標)(Novo Nordisk)である、担持されたCandida antarctica由来リパーゼ、セライトに担持されたPseudomonas cepacea由来リパーゼPS(Amano)、II型ブタ膵臓リパーゼ(Sigma)、及びHumicola lanuginosa由来リパーゼCE5(Amano)である。
商品名Novozim 435(登録商標)である担持されたCandida antarctica由来リパーゼは、その高いエナンチオ選択性、安定性、及び入手しやすさから、更に好ましい。
【0040】
本発明に係る方法に用いる酵素は、反応終了時に回収し、活性を損なうことなく繰り返し使用することが可能である。
本発明に係る酵素的エステル交換反応は、非水性媒質中で行われる。
【0041】
反応溶媒として用いることができる有機溶媒として、例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族溶媒;n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−へプタン等の炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ter−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン;ter−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール等のアルコール;アセトニトリル等の非プロトン性双極性溶媒;又は塩化メチレン等の塩素化溶媒;又はこれらの混合物が挙げられる。
実際の使用上の理由から、トルエンを用いることが好ましい。
【0042】
本発明に係るエステル交換反応は可逆反応となり得るが、特に、脱離するアルコールROHの求核性が強い場合にその傾向が強い。
反応の平衡を所望の方向に移行させるために各種手段を講じることができる。例えば、α位若しくはβ位に電子吸引基を有する求核性の低いアルコール又はビニル型のアルコールからのR残基を有する式Iのエステルを用いることができる。それによって、非反応性カルボニル種を得るか或いはRがアシル残基である式Iの無水物を得る。
【0043】
従って、Rが、例えば、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、シアノメチル、2−ニトロプロピル、ビニル、及びイソプロペニル残基、又は、ホルミル、アセチル、又はプロピオニル等のアシル残基で表わされるエステルも本発明の範囲に包含される。
【0044】
一方、別の手法として、式IIのアミノアルコールの濃度を増加する手法や、エステル交換反応中に放出されるアルコールROHを除去する手法がある。アルコールROHを除去できる方法は幾つかあり、例えば、不活性材料への吸収、又は減圧蒸留があり、好ましくは共沸蒸留が用いられる。
特に好ましくは、アルコールROHは共沸蒸留によって除去される。
【0045】
アルコール吸収に使用できる不活性材料として、例えば分子ふるいが挙げられる。メタノールの場合、好ましくは5Å分子ふるい(Union Carbide Type 5Å,1/8”ロッド,Fluka)である。
【0046】
共沸蒸留によるアルコールROHの除去は、除去すべきアルコールの種類に応じて選ばれた第2溶媒を、適切な量で反応媒質中に添加することによって実施することができる。この第2溶媒は、アルコールROHと共に、任意に反応溶媒とアミノアルコールと共に、アルコールROHそのものよりも沸点の低い共沸系を生成する。従って、減圧下で穏やかに加熱することによって共沸物を除去し、更に、任意に蒸発したアミノアルコールを回復することによって、極端な実験条件、即ち、基質の化学的安定性及び酵素の高いエナンチオ(鏡像異性体)選択性の維持と両立しない条件を用いずに、反応の平衡を好ましい状態にシフトさせることができる。
例えばアルコールROHがメタノールである場合、共沸物の形成に用いる第2溶媒はメチルシクロヘキサンであってもよい。
【0047】
本発明に係る方法の重要なパラメータは反応温度である。反応温度は速度だけでなく酵素系のエナンチオ選択性にも影響する。
一般に、基質の溶解性が最も高く、任意の共沸系が留去され、且つ理想的な酵素活性が得られる温度で実施される。
例えば、使用可能な温度は、大気圧下又は減圧下において5〜50℃の範囲とすることができる。好ましくは10〜30℃の間で実施し、更に好ましくは室温で実施する。
【0048】
本発明に係る方法によれば、反応生成物の単離操作は特に簡単で、容易に実施することができる。
一般に、単離操作は、担持された酵素及び任意の分子ふるいをろ過により除去し、ろ液を抽出することによって実施される。この抽出は、まず、水溶性の式IIのアミノアルコールの過剰分を除去するべく水を用いて実施し、次いで、酸性の水相を用いて実施する。エステル交換した式IVの生成物は酸性の水相中に、エステル交換しなかった式IIIの生成物は有機相中に存在するであろう。
酸洗浄は、有機又は無機酸、例えば酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はスルホン酸の水溶液を用いて行う。上記酸の濃度と添加条件は、アミン基を塩化させるために十分なpHの媒質を確実に得るものであると共に、所望の鏡像異性体の化学的安定性と両立するものである。
【0049】
式III及び式IVのエステルの混合物をそれぞれ有機相中と酸性の水相中とに分離した後は、簡単な蒸発操作を行って式IIIの生成物を有機相から回収することができる。
【0050】
得られた粗生成物は、更なる処理や精製を施すことなく、例えば上述の文献に記載された合成方法に従って、ジルチアゼムの製造に直接用いることができるような光学純度を有する。
一方、単離された未精製エステルの鏡像体過剰率を更に向上するべく、ホモキラル化合物の結晶で適切な飽和溶液を核に用いて引続き結晶化させることが可能である。
【0051】
本発明に係る分割方法は、2種類の鏡像異性体が酵素触媒条件下で異なる反応速度を呈することに基づいている。選択的にエステル交換反応する鏡像異性体は、使用する酵素の種類によって異なる場合がある。
例えば、担持されたCandida antarctica由来リパーゼ(Novozim 435(登録商標))の存在下で3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルのトランスラセミ混合物を出発物質に用いた場合、鏡像異性体(2S,3R)が選択的にエステル交換され、一方、ジルチアゼム合成中間体として有用な対掌体(2R,3S)は変化しない。この場合は、有用な鏡像異性体は有機相の蒸発によって回収される。
【0052】
本発明方法の好ましい実施態様においては、室温下、共沸物を形成するように選択された共溶媒の存在下、適切な有機溶媒中の、式Iのトランスエステルラセミ体の溶液に、リパーゼ及び式IIのアミノアルコールを添加する。共沸蒸留条件下で懸濁液を攪拌しながら、エステル交換の完了までに要する時間、溶媒、共溶媒及びアミノアルコールを適切に回復し、次いでろ過する。回収した酵素は有機溶媒で洗浄し、後の反応で再使用する。ろ液は、式IVのアミノエステルが完全に除去されるまで、まず水洗し次いで酸性溶液で洗浄し、蒸発乾固して、式IIIのホモキラルエステルの粗生成物を得る。式IIIのホモキラルエステルの粗生成物は、任意的に、式IIIのエステルの光学的に純粋なサンプル等を核に用いて結晶化させてもよいが、そのままの状態で用いてもよい。
【0053】
本発明に係る方法は容易に実現可能で、式Iのホモキラルなグリシド酸エステルを高収率且つ高い鏡像異性体過剰率で得ることができる。
出発物質である式Iのエステルは、ダルツェン反応によって、ほぼ完全なトランス鏡像異性体混合物として容易に調製することができる。これにより、更なる精製操作を施さずに、反応粗生成物を次の酵素的分割に直接付すことができる。
【0054】
穏やかな反応条件を用いる当該プロセスは、特に温度を制御し、非水性溶媒を使用した場合は、非常に不安定な基質である3−フェニルグリシド酸のエステルにとって特に適切なものとなる。本発明方法の実験条件は、所望の鏡像異性体のエポキシド環の加水分解開裂反応が最小限に抑えられるという効果を奏し、当該鏡像異性体の回収率が向上する。
【0055】
更に、フェニルグリシド酸エステルの有機相への溶解性が非常に高く、反応中に固体が形成しないため、高濃度な有機溶液中で本発明方法を実施することが可能となり、従って、先に引用した欧州特許出願第498706号(シンセラボ)に記載の方法に比べて生産性が向上し、本発明方法が工業的応用に特に適切なものとなる。
【0056】
本発明方法の他の有利な点は、非常に安定な酵素を用いることである。この酵素は取り扱いが容易で、反応終了後に簡単なろ過によって回収することができ、しかも高い酵素活性を維持することから、生産サイクルに繰り返し使用することができる。
最後に、本発明方法の重要な利点は、所望の鏡像異性体の最終単離操作が極めて簡単なことである。当該鏡像異性体の最終分離において、エステル交換プロセス中に得られた塩基性の官能基が利用されるが、このことによって所望のエステルが実際に定量的に回収される。クロマトグラフィーや蒸留等の他の方法に比べ、操作が極めて容易で、状況に応じた使い方ができ、低コストであるため、実使用上非常に有利であるという効果が得られる。
更に、pHの制御下に分離プロセスを行うことは、対象となる3−フェニルグリシド酸エステル等の、酸に対する感応性が高く不安定な基質には非常に適している。
【0057】
穏やかな反応条件下で、特に非水性溶媒を用い、操作が容易で反応終了後に回収可能な安定性の極めて高い酵素を利用し、2−ジメチルアミノエタノール等の簡単なアミノアルコールを用い、単一種の鏡像異性体の最終単離操作が極めて簡単で、生産性が高く、ホモキラルな3−フェニルグリシド酸エステルが高収率且つ高い鏡像異性体過剰率で得られることから、本発明方法が特に工業的応用に適切なものとなると結論づけられる。
【0058】
以下の実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】
実施例1
異なる酵素を用いた、2−ジメチルアミノエタノールを用いた酵素的エステル交換によるトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
異なるリパーゼ、特に、名称Novozim 435(登録商標)である担持されたCandida antarctica由来リパーゼ(450U/乾燥生成物100mg:Novo Nordisk)、セライトに担持されたPseudomonas cepacea由来PSリパーゼ(375U/乾燥生成物50mg:Amano)、II型ブタ膵臓由来リパーゼ(1330U/乾燥生成物100mg:Sigma)及びHumicola lanuginosa由来CE5リパーゼ(550U/乾燥品100mg:Amano)を用いて、2−ジメチルアミノエタノールを用いたトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体のエステル交換試験を数回実施した。
酵素のエナンチオ選択性Eを、以下のSihの式[J.Am.Chem.Soc.(1982),104,7294参照]に従って計算した。
E=ln[(1−c)(1−ees)]/ln[(1−c)(1+ees)]
(式中、cは反応率、eesは残留基質の鏡像異性体過剰率を表わす)
トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体(21mg;0.1mmol)をter−ブチルメチルエーテル(0.8ml)に溶解し、この溶液に、2−ジメチルアミノエタノール(0.2ml;2mmol)と市販の酵素試料(10/50/100mg)とを加えることにより反応を行った。得られた懸濁液を攪拌しながら、表に記載した時間室温下に放置した。
この反応による反応率cおよび鏡像異性体過剰率eesは、以下(表1)に示す分析条件下でHPLC分析により評価した。
【0060】
【表1】
【0061】
分析用試料は、反応物の一部を採取し、それをろ過し、有機溶液にペトロラタム:酢酸エチル混合物(95:5)を加えて適切に希釈し、次いで、0.05Mの酢酸/酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH=5)で洗浄することにより調製した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、直接HPLC分析に用いた。
具体的な試験条件と得られた結果を以下の表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
上記実施例において、2S,3R鏡像異性体が選択的にエステル交換され、一方、ジルチアゼム合成に有用な鏡像異性体は変化しなかった。
上記表に記載したデータから、ここに使用した酵素が良好なエナンチオ選択特性を示すことが判る。
【0064】
実施例2
異なる溶媒を用いた、2−ジメチルアミノエタノールを用いた酵素的エステル交換によるトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
室温下、異なる溶媒を用いて実施例1と同様の操作を行い、Novozim435(登録商標)の存在下に2−ジメチルアミノエタノールを用いてトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体のエステル交換試験を数回実施した。出発物質を以下に示す。
トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体(21mg;0.1mmol)
2−ジメチルアミノエタノール(0.2ml;2mmol)
溶媒(0.8ml)
Novozim 435(登録商標)(10mg)
実施例1に記載した手順に従って実施したHPLC分析に基づくcとees
の計算値を以下の表に列挙する。
【0065】
【表3】
【0066】
上記E値から、異なる溶媒を使用しても酵素作用は実質的に変化しないことが判る。
【0067】
実施例3
異なるアミノアルコールを用いた、酵素的エステル交換によるトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
室温下、トルエン中で異なるアミノアルコールとNovozim 435(登録商標)とを用いて実施例1と同様の操作を行い、トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体のエステル交換試験を数回実施した。出発物質を以下に示す。
トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体(Me−PGA)
アミノアルコール
トルエン
Novozim 435(登録商標)
分子ふるい5Å
実施例1に記載した手順に従って実施したHPLC分析に基づくcとeesの計算値を以下の表4に列挙する。
【0068】
【表4】
【0069】
対象とする酵素的エステル交換プロセスにアミノアルコールを用いることによって、実質的に同等の反応率と鏡像異性体過剰率が得られる。
【0070】
実施例4
異なる温度による、2−ジメチルアミノエタノールを用いたトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
系の温度を変化させ、実施例1と同様の操作を行って、エステル交換試験を数回実施した。
得られた結果と、それに対応する実験条件を以下の表5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】
上記実験データから、酵素による製造法のエナンチオ選択性は、温度を変化させても維持されることは明らかである。
【0073】
実施例5
分子ふるいの存在下における、トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体(10g)をトルエン(34g)に溶解した。この溶液に、Novozim 435(登録商標)(1g)、粉砕した分子ふるい5Å(15g)及び2−ジメチルアミノエタノール(8.7g)を順に加えた。
懸濁液を室温で3〜4時間攪拌した後、減圧下でろ過した。トルエン(20g)を用いて酵素と分子ふるいを洗浄し、トルエン相を回収した。
トルエン相全体(54.9g)には、トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステル(4.72g;c=52.8%)が含まれていた。
このトルエン溶液に、0℃に冷却した水(100g)を加え、30分間攪拌した。相分離の後、0℃に冷却した水(80g)を有機相に加え、攪拌しながら、85%リン酸溶液(1.4g)をpH6.8になるまでゆっくりと加え、水(20g)を加えた。
この溶液を1時間攪拌しながら、予め調製したリン酸溶液を加え、pHを6.8に維持した。
相分離の後、トルエン相に、0℃に冷却した水(80g)とリン酸溶液とをpH6.8になるまで加えた。この溶液を3時間攪拌しながら、pHが6.8に維持されるように酸性溶液(20g)を加えた。相分離の後、水相をトルエンで抽出した。
回収したトルエン相はトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステル(4.56g)を含み、その2R,3S:2S,3R鏡像異性体比は90:10(2R,3S鏡像異性体収率=82%)であった。
トルエン溶液を減圧下で蒸発させ、粗生成物4.7gを回収した。
この生成物にトルエン(5g)を加え、50℃まで加温して完全に溶解させた後、(2R、3S)−3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルの結晶を数粒加えることにより結晶化を開始した。
この混合物を2時間かけて0℃に冷却し、同温度で1時間保持した。析出物をろ過し、予め0℃に冷却したトルエン(1.7g)で洗浄し、60℃の減圧オーブンで4時間乾燥した。2R,3S:2S,3R鏡像異性体比が99:1である生成物3.1gを得た(2R,3S鏡像異性体の結晶収率=75%)。
【0074】
実施例6
共沸蒸留条件下における、2−ジメチルアミノエタノールを用いたトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体(12g)をトルエン(58ml)に溶解した。この溶液に、Novozim 435(登録商標)(1g)、2−ジメチルアミノエタノール(12ml)、及びメチルシクロヘキサン(10ml)を順に加えた。
この懸濁液を4時間攪拌し、減圧蒸留(P=30mmHg、T=25℃)によって共沸混合物を除去し、蒸発した溶媒と2−ジメチルアミノエタノールを、遂次的追加(トルエン6ml、メチルシクロヘキサン24ml、2−ジメチルアミノエタノール12ml)により、もとの状態に戻した。
実施例5に記載した方法と同様の方法で所望の生成物を単離し、同等の収率と鏡像異性体過剰率で2R,3S鏡像異性体を得た。
【0075】
実施例7
Novozim 435(R)を再使用した、2−ジメチルアミノエタノールを用いたトランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体の分割
数回の反応にわたり酵素を再使用した場合における酵素の安定性を評価する目的で、実施例6に記載した方法と同様の方法でエステル交換試験を数回実施した。反応が終了する毎に酵素をろ過により回収し、トルエンで洗浄し、室温の空気中で乾燥し、後の反応で再使用した。
出発物質と条件を以下に示す。
【0076】
トランス3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルラセミ体(M
e−PGA) 12g(15%w/v)
2−ジメチルアミノエタノール(DMAE) 12ml
トルエン 58ml
メチルシクロヘキサン 10ml
Novozim 435(登録商標) 1g
温度 25℃
圧力 30mmHg
他の実験変数と得られた結果を以下の表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】
変換率と鏡像異性体の過剰量が定常値を示すことから、再使用酵素系は安定性が高いという特徴を有し、従って、同等の効率を維持しながら後続のサイクルに再使用することができる、と結論づけられる。
Claims (15)
- 式
で表される化合物の製造方法であって、有機溶媒中で酵素を触媒とし、式
前記酵素が、任意に担持された、Candida antarctica由来リパーゼ、Mucor miehei由来リパーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、Candida cylindracea由来リパーゼ、コムギ胚芽由来リパーゼ、Chromobacterium viscosum由来リパーゼ、Aspergillus niger由来リパーゼ、Rhizopus javanicus由来リパーゼ、Pennicillium cyclopium由来リパーゼ、Rhizopus delemar由来リパーゼ、Cand ida lipolytica由来リパーゼ、Pennicilium roquefortii由来リパーゼ、Humicola lanuginosa由来リパーゼ、Geotrichum candidum由来リパーゼ、Pseudomonas cepacea由来リパーゼ、Rhizopus japonicus由来リパーゼ、及びPseudomonas fluorescens由来リパーゼから選ばれるリパーゼである、方法。 - Rがメチルである請求項1に記載の方法。
- 前記式IIのアミノアルコールが、3−ジメチルアミノ−1−プロパノ−ル、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、及び1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンから選ばれる請求項1に記載の方法。
- 前記式(II)のアミノアルコールが2−ジメチルアミノエタノールである請求項3の方法。
- アミノアルコール(II)とトランス−3−フェニルグリシド酸エステル(I)とのモル比が20:1〜0.4:1の間にある請求項1に記載の方法。
- アミノアルコール(II)とトランス−3−フェニルグリシド酸エステル(I)とのモル比が2:1である請求項5に記載の方法。
- 前記酵素が、担持されたCandida antarctica由来リパーゼである請求項1に記載の方法。
- 前記反応終了後に前記酵素を回収することと、それを任意に後続サイクルで再使用することとを更に含む請求項1に記載の方法。
- 前記有機溶媒が、芳香族溶媒、炭化水素、エーテル、ケトン、アルコール、非プロトン性双極性溶媒、塩素化溶媒、及びこれらの混合物から選ばれる請求項1に記載の方法。
- 前記有機溶媒が、ベンゼン、クロロベンゼン、キシレン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−へプタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ter−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ter−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、及びこれらの混合物から選ばれる請求項9に記載の方法。
- 前記反応溶媒がトルエンである請求項10に記載の方法。
- 前記エステル交換反応によって放出されるアルコールROHが分子ふるいにより除去される請求項1に記載の方法。
- 前記エステル交換反応によって放出されるアルコールROHが、適切な共溶媒の存在下、共沸蒸留によって除去される請求項1に記載の方法。
- 前記エステル交換したエステルIVおよびエステル交換しなかったエステルIIIが、酸水溶液抽出によって分離される請求項1に記載の方法。
- (2R,3S)−3−(4−メトキシフェニル)グリシド酸メチルエステルを製造する請求項1に記載の方法。
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