JP4214509B2 - 吸着保持部材及び吸着保持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の保持対象物を真空吸着により保持する吸着保持部材及び吸着保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路(IC)の集積度は年々大きくなっており、これに伴って半導体ウエハに形成される配線パターンも微細化の一途を辿っている。配線パターンが微細化してくると、半導体ウエハの表面に付着した微小パーティクル(ごみ)に起因する不具合の発生(例えば配線間のショート)が問題となるため、IC製造途中の半導体ウエハに微小パーティクルが付着することがないようにする必要がある。なお、微小パーティクルはIC製造装置内に浮遊しているほか、IC製造装置やウエハ表面の欠陥を観察するためのウエハ検査用顕微鏡装置等に備えられるウエハの吸着保持装置に付着しており、吸着保持装置がウエハを吸着・解放する際にウエハ表面に付着することが知られている。
【0003】
ところで、半導体ウエハを吸着保持する上記吸着保持装置において、ウエハと直接接触する吸着保持部材には、狭いスロットピッチのウエハカセットに挿入されてウエハを抜き差しする必要性から、安価で剛性の高いセラミックスが多く用いられている。しかし、このセラミックスは多孔質材料からなっているため、その孔に微小パーティクルが溜まり易く(特に、現在主流であるアルミナ系のセラミックスはその傾向が強い)、半導体ウエハと接触した際に、孔に溜まった微小パーティクルを半導体ウエハに付着させてしまう不都合な面も備えている。また、セラミックス等で構成された静電気絶縁性部材(電気抵抗値がおよそ1011Ω以上の部材)からなる吸着保持部材を用いると、半導体ウエハを繰り返し搬送するうちにウエハや吸着保持部材に電荷が溜まってしまい、静電気放電(スパーク)や静電沈着などを引き起こしてウエハに悪影響を及ぼす虞もあった。
【0004】
このような弊害を防止するためには、セラミックスで作られた上記吸着保持部材の外表面を、これよりも小さい電気抵抗値を有する静電気導電性を有する薄厚層(静電気導電性被膜)により覆うことが有効である(例えば、特許文献1参照)。このような構成では、セラミックスの外表面の孔が上記被膜により完全に密閉されるようになるので、半導体ウエハに付着する微小パーティクルを極めて微量にすることができるうえ、セラミックスを覆った上記被膜を電気的接地(グランド)しておくことにより、ウエハや吸着保持部材への帯電を防止して、上記した静電気放電や静電沈着などの発生を抑制することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−275513号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにセラミックスの外表面を静電気導電性被膜により覆うようにしたものでは、ウエハと直接接触する部分から微小パーティクルがウエハに付着するケースは少なくなるものの、吸着保持部材の内部に形成されている真空管路(真空源と繋がる管路)の内壁に付着する微小パーティクルは低減されないため、真空吸着状態を解除して吸着保持部材から半導体ウエハを解放した際には、これらの微小パーティクルが真空管路内から吹き出されて半導体ウエハが汚染されてしまうという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、真空吸着時等において保持対象物の表面に付着する微小パーティクルの量を極めて微量に抑えることが可能な構成の吸着保持部材及び吸着保持装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、本体部と、前記本体部の内部に形成された管路と、前記本体部の表面に形成され前記管路と繋がる開口部とを有し,前記管路を介して保持対象物を前記開口部に真空吸着する吸着保持部材において、少なくとも前記管路の内表面に、カーボンを混入した樹脂からなり、およそ10 5 Ω・cmから10 11 Ω・cmの電気抵抗値を有する静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の吸着保持部材において、前記吸着保持部材が、少なくとも前記管路の延在方向と略平行な断面で管路を分割した開口を有する第1の部材と、前記開口を覆う第2の部材とを含み、少なくとも前記第1の部材の前記分割した管路の表面と前記第2の部材の前記開口を覆う部分の表面とに、前記静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の吸着保持部材において、前記本体部は、複数の部材要素が接合されてなり、前記複数の部材要素の少なくとも一つに溝部が設けられ、前記管路は、前記溝部が設けられた前記部材要素と他の前記部材要素とが接合され前記溝部が閉じられることによって形成されており、前記複数の部材要素が前記溝部を含むそれぞれの表面に前記静電気拡散性被膜が形成された後に前記部材要素と他の前記部材要素とが接合されて前記本体部が構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、第1の管路を内部に有する配管部材と、前記配管部材の前記第1の管路と繋がる第2の管路を内部に有し,前記第2の管路と繋がる開口部を表面に有する吸着保持部材とを備え、前記第1の管路と前記第2の管路を介して保持対象物を前記開口部に真空吸着する吸着保持装置において、少なくとも前記第2の管路の内表面に、カーボンを混入した樹脂からなり、およそ10 5 Ω・cmから10 11 Ω・cmの電気抵抗値を有する静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の吸着保持装置において、前記第2の管路を電気的に接地する吸着保持部材接地手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の吸着保持装置において、前記配管部材は、少なくとも前記第1の管路の内表面を形成する部分が静電気拡散性を有する部材若しくは静電気導電性を有する部材から構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の吸着保持装置において、前記配管部材における前記静電気拡散性を有する部材若しくは静電気導電性を有する部材から構成された部分を電気的に接地する配管部材接地手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項5に記載の吸着保持装置において、前記配管部材は、少なくとも前記第1の管路の内表面を形成する部分が静電気拡散性を有する部材若しくは静電気導電性を有する部材から構成されており、その部分が前記吸着保持部材接地手段の一部又は全部を構成していることを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項5に記載の吸着保持装置において、前記接地手段は、静電気導電性を有する部材で構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項10に係る発明は、第1の管路を内部に有する配管部材と、前記配管部材の前記第1の管路と繋がる第2の管路を内部に有し、前記第2の管路と繋がる開口部を表面に有する吸着保持部材とを備え、前記第1の管路と前記第2の管路を介して保持対象物を前記開口部に真空吸着する吸着保持装置において、前記配管部材は、少なくとも前記第1の管路の内表面を形成する部分が、カーボンを混入した樹脂からなり、およそ10 5 Ω・cmから10 11 Ω・cmの電気抵抗値を有する静電気拡散性を有する部材から構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の吸着保持装置において、前記吸着保持部材が、少なくとも前記管路の延在方向と略平行な断面で管路を分割した開口を有する第1の部材と、前記開口を覆う第2の部材とを含み、少なくとも前記第1の部材の前記分割した管路の表面と前記第2の部材の前記開口を覆う部分の表面とに、前記静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項10に記載の吸着保持装置において、前記配管部材における前記静電気拡散性を有する部材若しくは前記静電気導電性を有する部材から構成された部分を電気的に接地する配管部材接地手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る吸着保持部材の構成を斜視図により示したものであり、図2は、この吸着保持部材の分解斜視図を示したものである。これらの図に示すように、本実施形態に係る吸着保持部材10は略Y字形に形成された3枚の板材(板状部材)が上下に接合されて構成されており、中間板材30と、この中間板材30の上面側に接合された上面側板材20と、中間板材30の下面側に接合された下面側板材40とからなっている。以下、説明の便宜上、Y字の根元側を基端側、Y字の二股に分かれた側を先端側と称する。
【0020】
上記3枚の板材10,20,30は、いすれも剛性が高く安価であり、機械加工が容易なセラミックスから構成される。中間板材30の内部にはその上下面を貫通するように形成されてほぼY字形に延びた溝部32が設けられており、上面側板材20の先端側には、中間板材30に形成された上記溝部32における先端側の両端部に対応する部分において上下面を貫通するように形成された開口22(2箇所)が設けられている。また、下面側板材40の基端側には、中間板材30に形成された上記溝部32における基端側の端部に対応する部分において上下面を貫通するように形成された孔42が設けられている。
【0021】
これら3つの板材20,30,40はこの順で接合されており、中間板材30に設けられた溝部32は上面側板材20の下面と下面側板材40の上面とによりその上下開放部分が閉じられて真空管路12を構成している。なお、これら3つの板材20,30,40が接合される前には予め、中間板材30の上下両面及び溝部32の内表面、上面側板材20の上下面と開口22の内表面及び上面から上方に突出して形成された接触部24(図示しない半導体ウエハと直接接触する部分)、下面側板材40の上下面及び孔42の内表面とには静電気拡散性を有する薄厚層(静電気拡散性被膜、電気抵抗値がおよそ105Ω〜1011Ωの被膜)がコートされており、3つの板材20,30,40が接合された状態では、吸着保持部材10の内部には、内表面に静電気拡散性被膜が形成された上記真空管路12が形成されるようになっている。ここで、3つの板材20,30,40にコートされる静電気拡散性被膜は静電気導電性を有する被膜(静電気導電性被膜、電気抵抗値がおよそ105Ω以下の被膜)に代えてもよいが、この場合には半導体ウエハと接触したときに静電気放電(スパーク)が発生することを避けるため、少なくとも上面側板材20の上面及び接触部24は静電気拡散性被膜によりコートされることが望ましい。
【0022】
ここで、上記静電気拡散性を有する部材には、例えば制電ポリエーテル・エーテル・ケトンに代表される、樹脂にカーボンを混入して静電気拡散性を持たせた制電樹脂材料等が用いられることが好ましいが、これに限定されることはない。また、このような静電気拡散性被膜としては、制電テフロン(登録商標)コートなどが代表的である。
【0023】
図3は本発明に係る吸着保持部材の第2の実施形態を示すものであり、図3(A)はこの吸着保持部材50の平面図、図3(B)は側面図、図3(C)は下面図である。この吸着保持部材50は略Y字形に形成された上面側板材60と、この上面側板材60よりも小さいY字形形状を有する下面側板材70とが上下に接合されて構成されている。なお、ここでも説明の便宜上、Y字の根元側を基端側、Y字の二股に分かれた側を先端側と称する。
【0024】
上面側板材60の下面側には下方に開口して形成された溝部62が設けられるとともに、この上面側板材60の先端側の両端部には、溝部62と繋がるように上下面を貫通して形成された孔64(2箇所)が設けられている。また、下面側板材70の基端側には、上面側板材60に形成された上記溝部62における基端側の端部に対応する部分において上下面を貫通するように形成された孔72が設けられている。
【0025】
上面側板材60に設けられた溝部62は下面側板材70の上面によりその下方開放部分が閉じられて真空管路52を構成している。なお、これら2つの板材60,70が接合される前には予め、上面側板材60の上下両面と溝部62の内表面及び上面側板材60の上面から上方に突出して形成された接触部66(図示しない半導体ウエハと直接接触する部分)、下面側板材70の上面及び孔72の内表面とには静電気拡散性被膜がコートされており、2つの板材60,70が接合された状態では、吸着保持部材50の内部には、内表面に静電気拡散性被膜が形成された上記真空管路52が形成されるようになっている。ここで、静電気拡散性被膜の代わりに、静電気導電性被膜をコートしてもよいこと、及びこの場合には、少なくとも上面側板材60の上面及び接触部66は静電気拡散性被膜によりコートされることが望ましいことは上述の吸着保持部材10の場合と同様である。
【0026】
次に、本発明に係る吸着保持装置の実施形態について説明する。図4は本発明の一実施形態に係る吸着保持装置が備えられたウエハ検査用顕微鏡装置の構成を斜視図により示したものである。このウエハ検査用顕微鏡装置80は、検査テーブル82上に設置された吸着保持装置110と、ウエハカセット84と、顕微鏡観察装置90とを備えて構成されている。図4に示す実施形態では、吸着保持部材10、及び後述のウエハ保持テーブル94を構成する円盤状部材95,96の外表面、真空管路が静電気拡散性被膜で構成されている例について説明する。
【0027】
吸着保持装置110はウエハ搬送ロボット120を有して構成されており、このウエハ搬送ロボット120は、検査テーブル82上に固定されたベース部122と、このベース部122の上部に取り付けられた屈伸アーム124と、屈伸アーム124の先端部に取り付けられた前述の吸着保持部材10と、検査テーブル82の外側に設置された真空源(図示せず)と、この真空源とベース部122との間を繋ぐ真空配管チューブ126,127とを備えている。ここで、屈伸アーム124は一端がベース部122に連結されており、他端は吸着保持部材10の基端側に連結されている。そして、ベース部122の内部及び屈伸アーム124自身に内蔵された図示しない電動モータ等の駆動により屈伸作動を含む動作を行って吸着保持部材10を水平姿勢のまま自在に移動させることができるようになっている。また、ベース部122内及び屈伸アーム124内にはチューブにより構成される図示しない真空管路が設けられており、その真空管路の一端側は、吸着保持部材10の下面側板材40に形成された前述の孔42に(すなわち吸着保持部材10内に形成された真空管路12に)接続されている。
【0028】
吸着保持部材10の内部に形成された真空配管12は、金属等で構成された静電気導電性部材からなる吸着保持部材用アース線130により、所定のグランドポイントGNDに接続されて電気的接地がなされている。これは、吸着保持部材10の内部に形成された真空配管12の内表面にコートされた静電気拡散性被膜(或いは静電気導電性被膜)に電荷が溜まって半導体ウエハW(後述)と接触したときに静電気放電等が発生するのを防止するためである。なお、この吸着保持部材用アース線130の中間部は、屈伸アーム124やベース部122、検査テーブル82上等の所要の箇所に設けられた金属(例えばステンレス)等で構成された導電性部材からなる吸着保持部材用アース線中継部材130aにより中継接続されている。
【0029】
真空配管チューブ126,127及び前述のベース部122内、屈伸アーム124内に設けられた不図示の真空チューブは静電気導電性を有する部材から構成されており、その内部に形成された管路により、真空源と吸着保持部材10に設けられた真空管路12との間を接続している。検査テーブル82には接続口85が設けられており、真空源と繋がる真空配管チューブ126と、ベース部122内に設けられた前述の図示しない真空チューブの端部123と繋がる真空配管チューブ127とは、この接続口85を介して連結されている。
【0030】
上記接続口85は金属等で構成された導電性部材からなっており、金属等で構成された静電気導電性部材からなる真空配管用アース線128により上述のグランドポイントGNDに繋げられている。このため真空配管チューブ126、真空配管チューブ127及び前述のベース部122内、屈伸アーム124内に設けられた不図示の真空チューブは、接続口85及び真空配管用アース線128により電気的接地がなされた状態となっている。
【0031】
ウエハカセット84は側面の一方側に開口した箱であり、検査テーブル82上に設けられた上記ウエハ搬送ロボット120の近傍位置に設置されている。内部には水平に設けられた複数段のスロットを有しており、各スロット内には半導体ウエハ(以下、ウエハと称する)Wが一枚ずつ収納されている。
【0032】
顕微鏡観察装置90は、検査テーブル82上に設置されたウエハ移動ステージ92と、このウエハ移動ステージ92に隣接して設けられた観察装置100とから構成されている。ウエハ移動ステージ92は、検査テーブル82の面内の一方向(X方向)に移動自在なXステージ93a及びこのXステージ93aの移動方向に対して検査テーブル82の面内で直交する方向(Y方向)に移動自在なYステージ93bからなるXYステージ93と、Yステージ93bの上面側に取り付けられた円盤状のウエハ保持テーブル94とを有して構成されている。
【0033】
図5はウエハ保持テーブル94の一構成例を示しており、図5(A)はその平面図、図5(B)は下面図、図5(C)は図5(A)における矢視C−Cより見た断面図である。ここに示すウエハ保持テーブル94は上下2枚の円盤状部材95,96からなっており、これら両円盤状部材95,96の厚さ方向に延びて設けられた複数(ここでは6本)のねじ97により上下方向に接合(締結)された構成となっている。ここでは上下の円盤状部材95,96がねじ97により締結される場合の例を示しているが、これは両円盤状部材95,96が接着剤等他の手段により接合される構成であってもよい。
【0034】
上下の円盤状部材95,96はアルミナ系セラミックスや金属材料などの安価で加工が容易な材料の外表面、内表面に静電気拡散性被膜が形成されて構成される。上側円盤状部材95の上面側には上方に開口した複数の円形の真空吸着溝95aが同心円状に形成されており、各真空吸着溝95a内において上下方向に貫通して設けられた真空吸着穴95bは、下面側に下方に開口して設けられた一又は複数の連通溝95cにより互いに連通されている(図5(C)参照)。また、上側円盤状部材95には上下面を貫通するように複数の大気開放穴95dが設けられており、これら大気開放穴95dは上側円盤状部材95の下面側に開口して設けられた一又は複数の連通溝95eにより互いに連通されている(図5(C)参照)。下側円盤状部材96は上側円盤状部材95とほぼ同じ径の大きさに形成されており、その中央には上下面を貫通する真空管路接続穴96aが設けられている。なお、上記真空吸着溝95aは同心円状に形成されると説明したが、これは一例であり、放射状に形成されるものであってもよい。
【0035】
上側円盤状部材95と下側円盤状部材96とは、上側円盤状部材95の上下面を貫通するように設けられた6つのねじ穴(図示せず)と、下側円盤状部材96の上下面を貫通するように設けられた6つのねじ穴96bとが合致された状態でねじ97をねじ込むことにより締結される。これにより上記連通溝95c,95eそれぞれの下方開放部分が下側円盤状部材96の上面により閉じられて真空管路94a及び大気開放管路94bが形成される。なお、上下両円盤状部材95,96が接合された状態では、下側円盤状部材96に設けられた真空管路接続穴96aはウエハ保持テーブル94の内部に形成された上記真空管路94aに接続するようになっている。
【0036】
また、上下両円盤状部材95,96が接合された状態では、ウエハ保持テーブル94の内部に形成された大気開放管路94bの一端側は図5(A)及び図5(C)に示すようにウエハ保持テーブル94の側面に開口しており、この開口に接続された大気開放管路(図示せず)を介して直接大気に、或いはエアフィルタを介して大気に開放されるようになっている。なお、この大気開放管路(大気開放管路94b及び大気開放穴95d)は、吸着保持部材10によるウエハWの吸着の解除をスムーズに行わせるために設けられたものである。
【0037】
ここで、上側円盤状部材95の上下面及び真空吸着溝95a、真空吸着穴95b、連通溝95c、大気開放穴95d、連通溝95eの各内表面、及び下側円盤状部材96の上面及び真空管路接続穴96aの内表面には上下両円盤状部材95,96の接合前に静電気拡散性被膜が形成されるようになっており、両円盤状部材95,96とが接合されることにより、ウエハ保持テーブル94の内部に形成された全ての真空管路(真空管路接続穴96a、真空管路94a、真空吸着穴95b、真空吸着溝95a)及び大気開放管路(大気開放管路94b及び大気開放穴95d)の内表面に静電気拡散性被膜が形成された状態となるようになっている。
【0038】
ウエハ保持テーブル94に形成された上記真空管路接続穴96aには、吸着保持部材10に接続された前述の真空配管チューブ126,127と同様に静電気導電性を有する部材から構成された真空配管チューブ98の一端側が接続されており、この真空配管チューブ98の他端側は検査テーブル82に設置された接続口86を介して真空源と繋がる前述の真空配管チューブ126と接続している。この接続口86は金属等で構成された導電性部材からなるとともに、金属等で構成された静電気導電性部材からなる真空配管用アース線87によりグランドポイントGNDに繋げられている。このため、この真空配管チューブ98は、吸着保持装置110における真空配管チューブ126,127と同様に、接続口86及び真空配管用アース線87により電気的接地がなされた状態となっている。
【0039】
また、上記ウエハ移動ステージ92は、金属等で構成された静電気導電性部材からなるウエハ保持テーブル用アース線99によりグランドポイントGNDに接続されている。これは、上述した吸着保持部材10の場合と同様、外表面及び内表面に形成された真空管路、大気開放管路に静電気拡散性被膜が形成されたウエハ保持テーブル94に電荷が溜まってウエハWが載置されたときに静電気放電等や静電沈着等が起きないようにするためである。なお、このウエハ保持テーブル用アース線99の中間部は、検査テーブル82上等の所要の箇所に設けられた金属等で構成された導電性部材からなるウエハ保持テーブル用アース線中継部材99aにより中継接続されている。
【0040】
顕微鏡観察装置90に備えられた観察装置100は、上記ウエハ移動ステージ92の上方を覆うように設置されたフレーム101と、このフレーム101の上部に設けられた接眼レンズ部102と、フレーム101より下方に延びて設けられた対物レンズ103とを有して構成されている。
【0041】
次に、本ウエハ検査用顕微鏡装置80に備えられたウエハ搬送ロボット120の動作について説明する。操作者により顕微鏡観察の開始の指示(例えばスイッチの投入)がなされると、ウエハ搬送ロボット120はウエハカセット84内に収納されているウエハWを取り出すために、屈伸アーム124を作動させて、吸着保持部材10をウエハカセット84内の所望の(保持対象である)ウエハWの下部に挿入する。続いて真空源を作動させ、真空配管チューブ126,127(内の管路)、屈伸アーム124内に形成された真空管路及び吸着保持部材10の内部に形成された真空管路12を介して外気を吸引し、ウエハWの真空吸着を開始する。このようにウエハWの真空吸着が開始されたら、ウエハ搬送ロボット120は屈伸アーム124を作動させて吸着保持部材10を上昇させ、吸着保持部材10の上面側板材20に形成された接触部24を保持対象物であるウエハWの下面に接触させる。これによりウエハWは吸着保持部材10の上面側に設けられた真空管路12の開口部(孔22及び接触部24からなる部分)において吸着保持される。
【0042】
上記のようにウエハWが吸着保持部材10により吸着保持されたら、ウエハ搬送ロボット120は屈伸アーム124を作動させて吸着保持部材10をウエハカセット84より引き抜き、ウエハWをウエハカセット84の外部に搬出する。そして、ウエハWを吸着保持部材10において真空吸着保持したままこれを搬送し、ウエハ保持テーブル94上に位置させたうえで、真空源による外気吸引力を調節してウエハWの真空吸着保持を解除する。この真空吸着保持の解除の途中で吸着保持部材10をウエハ保持テーブル94の下の位置まで降下させると、ウエハWはウエハ保持テーブル94上に載置される。
【0043】
ウエハ保持テーブル94上にウエハWが載置されたら、今度はウエハ保持テーブル94に繋がる真空配管チューブ98及びウエハ保持テーブル94内に形成された真空管路(真空管路接続穴96a、真空管路94a、真空吸着穴95b、真空吸着溝95aからなる管路)より外気を吸引して、ウエハWをウエハ保持テーブル94上に真空吸着保持する。ウエハ保持テーブル94上にウエハWが保持されたらXYステージ93を移動させ、ウエハWの所望の部分を顕微鏡観察装置90の対物レンズ103の直下に移動させる。これにより接眼レンズ部102からのウエハW表面の顕微鏡観察が可能となる。そして、この顕微鏡観察が終了すると、ウエハ搬送ロボット120は上述の経路とは逆の経路でウエハWを移動させ、これをウエハカセット84内に収納する。これによりウエハ搬送ロボット120の一連の動作は終了する。
【0044】
本ウエハ検査用顕微鏡装置80に備えられた吸着保持装置110の構成は以上である。上述の吸着保持装置110の説明においては、吸着保持部材10、ウエハ保持テーブル94の外表面、及び真空管路、大気開放管路に静電気拡散性被膜が形成される例について説明したが、これは静電気導電性被膜であってもよい。この場合には静電気放電を防止するために、真空配管チューブの真空流路表面を静電気拡散性被膜で形成することが望ましい。このように構成すれば、アース線130,99は不要である。この吸着保持装置110においては、上述のように、吸着保持部材10の内部に形成された真空管路12の内表面には静電気拡散性被膜(若しくは静電気導電性被膜)が形成されているので、吸着保持部材10がセラミックスのような多孔質材料からできている場合であっても、その真空配管12を構成するセラミックス表面の孔は完全に密閉されることとなり、真空管路12の内表面に微小パーティクルが溜まるのを防ぐことができる。このため、吸着保持部材10からウエハWが解放される際に、真空配管12内から吹き出されてウエハWに付着する微小パーティクルの量を極めて微量に抑えることができ、ウエハWの汚染による様々な弊害(例えば配線間のショート)を未然に防止することができる。また、このような構成では、剛性が高く工作が容易であり、かつコストの低いセラミックス材料を主とする部分(上述の例では3枚の板材20,30,40がこれに相当する)を母体とすることができるので、吸着保持部材全体を静電気拡散性を有する部材(若しくは静電気導電性を有する部材)から構成するよりも安価な構成とすることができる。
【0045】
ここで、部材(被膜も含む)の電気抵抗値Rは、一般に下式(1)のように決まる。但し、ρ:体積固有抵抗率[Ω・cm]、L:電極間距離[cm]、S:電極断面積[cm2]である。
【0046】
【数1】
R=ρ・L/S [Ω] ・・・ (1)
【0047】
体積固有抵抗率ρは、被膜、部材を構成する材料によって決まる値である。例えば、SiCセラミックスは106[Ω・cm]程度、アルミナ・セラミックスは1014[Ω・cm]より大きく、制電ポリエーテル・エーテル・ケトンは106[Ω・cm]程度、ナチュラル・ポリエーテル・エーテル・ケトンは1016[Ω・cm]程度である。電極とは、接触している他の部材との接触面である。例えば、図1の吸着保持部材10における内表面にコートされた被膜の場合、ウエハと接触する面(接触部24)にコートされた被膜の部分と、孔42の真空管路との接触面のうち被膜の断面部分が電極である。電極間距離とは、その2つの面の距離であり、電極断面積とは、その2つの面の小さい方の面積である。
【0048】
また、上述したように、吸着保持部材10の内部に形成された真空管路12は吸着保持部材接地手段である吸着保持部材用アース線130及びこれを中継する吸着保持部材用アース線中継部材130aにより接地されているので、吸着保持部材10やウエハWに電荷が帯電することがなくなり、吸着保持部材10がウエハWを吸着保持する際に静電気放電(スパーク)や静電沈着を発生させてウエハWに悪影響を及ぼす事態を未然に防止することができる。
【0049】
また、その吸着保持部材10は複数の部材要素(3枚の板材10,20,30)が接合されてなり、これら複数の部材要素の一つに設けられた溝部(ここでは中間板材30に形成された溝部32)が、この溝部が設けられた部材要素(ここでは中間板材32)と接合される他の部材要素(上面側板材20及び下面側板材40)により閉じられて真空管路12が形成されるようになっているので、真空管路12の内表面に静電気拡散性被膜(若しくは静電気導電性被膜)を形成する工程は大変容易である。
【0050】
また、上述したように、真空源と吸着保持部材10とを繋ぐ真空配管部材(真空配管チューブ126,127及び屈伸アーム124)は、少なくとも管路の内表面(真空配管チューブ126,127、屈伸アーム124及びベース部122の内部に形成された真空管路の内表面)が静電気導電性被膜(又は静電気拡散性被膜)で形成されているので、管路の内表面に付着する微小パーティクルの量を低減することができ、吸着保持部材10からウエハWが解放される際に、これら管路の内壁に付着していた微小パーティクルが吹き出されてウエハWが汚染されるような事態を防止することができる。
【0051】
また、上述したように、真空配管部材(真空配管チューブ126,127、屈伸アーム124及びベース部122の内部に形成された真空管路の内表面)における静電気導電性被膜(又は静電気拡散性被膜)で形成された部分が真空配管部材接地手段である真空配管用アース線128により接地されているので、吸着保持部材10内の真空管路12のみならず、これら真空配管部材内に形成された管路の帯電に起因する静電気放電や静電沈着等の発生を防止することができる。
【0052】
なお、上述の吸着保持装置110では、吸着保持部材10の内部に形成された真空管路12を接地するための吸着保持部材接地手段(例えば、実施形態における吸着保持部材用アース線130及びこれを中継する吸着保持部材用アース線中継部材130a)が独立して設けられていたが、これは、上記のように吸着保持部材10と真空源とを繋ぐ真空配管部材(真空配管チューブ126,127、屈伸アーム124及びベース部122の内部に形成された真空管路の内表面)の少なくとも管路の内表面が静電気導電性部材から構成されているのであれば、この静電気導電性部材から構成されている部分を利用して、これに吸着保持部材接地手段の一部又は全部の役割を担わせることも可能である。この場合には、この静電気導電性部材の部分が良好なアース線となりうるので、その効果は大きい。このような構成であれば、吸着保持部材接地手段の設備節減と、配線の簡素化とを図ることができる。なお、図4で示す実施形態においては、吸着保持部材として、図1,2に示される吸着保持部材10を用いた例について説明したが、図3に示す吸着保持部材50でも同じ効果が得られる。
【0053】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態において示した吸着保持装置110は、内部に形成された真空管路の内表面に静電気拡散性被膜(若しくは静電気導電性被膜)が形成された吸着保持部材(すなわち本発明に係る吸着保持部材)を有するとともに、これに加えて、吸着保持部材と繋がる真空配管部材内の管路の内表面を形成する部分も静電気拡散性を有する部材(若しくは静電気導電性を有する部材)から構成されるものであったが、吸着保持部材の内部に形成された真空管路の内表面に静電気拡散性被膜(若しくは静電気導電性被膜)が形成されたもののみ、或いは真空配管部材の管路の内表面を形成する部分が静電気拡散性を有する部材(若しくは静電気導電性を有する部材)から構成されるもののみの構成であってもよい。これらの構成であっても、ウエハWが解放される際に吸着保持部材より吹き出される微小パーティクルの量を従来に比して低減することができる。
【0054】
また、真空配管部材の管路の内表面を形成する部分のみが静電気拡散性を有する部材(若しくは静電気導電性を有する部材)から構成される場合であっても、その静電気拡散性を有する部材(若しくは静電気導電性を有する部材)から構成されている部分は真空配管部材接地手段により接地されていることが好ましい。このような構成であれば、吸着保持部材や半導体ウエハに電荷が帯電することを防止できるので、吸着保持部材が半導体ウエハを吸着保持する際に静電気放電や静電沈着を発生させてウエハに悪影響を及ぼす事態を防止することができる。但し、この場合も、真空配管部材(少なくとも管路)が静電気導電性を有する部材から構成される場合には、その静電気導電性を有する部材からなる部分自体が電気的接地手段の機能を有するので、図4に示すアース線130,99は必ずしも必要ではない。
【0055】
また、上述の実施形態において示した吸着保持部材10,50はともに略Y字形に形成された構成を有していたが、これは一例であり、吸着保持部材の形状は特にこれらのものに限定されない。また、上述の実施形態では、吸着保持部材10,50は複数の板材(板状部材)が接合された構成となっていたが、これは一例であり、複数の部材要素の少なくとも一つに設けられた溝部が、この溝部が設けられた部材要素と接合される他の部材要素により閉じられて真空管路が形成されるのであれば、必ずしも板材でなくてもよい。
【0056】
また、上述の実施形態において示した吸着保持装置110では、屈伸アーム124の内部及びベース部122の内部に不図示の真空チューブが形成されており、これにより吸着保持部材10内に形成された真空管路12と真空配管チューブ126との間が接続されていたが、このような構成を採用せずに、吸着保持部材10内に形成された真空管路12と真空配管チューブ126とが屈伸アーム124内部、ベース部122の内部に真空管路12,52と同様の構成で形成された真空管路によって接続されるようになっていてもよい。
【0057】
また、上述の実施形態においては、吸着保持装置110に備えられていた吸着保持部材10は、もう一つの例として示した吸着保持部材50に置き換えることが可能である。更には、上述の実施形態において示したもの以外の本発明に係る吸着保持部材に置き換えることも可能である。更に、上述の実施形態においては、本発明に係る吸着保持部材若しくは吸着保持装置により吸着保持される対象物は半導体ウエハとしていたが、これは一例であり、他の対象物、例えば液晶基板等であっても構わない。また、上述の実施形態においては、本発明に係る吸着保持装置がウエハ検査用顕微鏡装置に適用されていたが、これは一例であり、他の装置(例えばIC製造装置)等に適用することも勿論可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、保持対象物に付着する微小パーティクルの量を極めて微量に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る吸着保持部材の斜視図である。
【図2】図1に示す吸着保持部材の分解斜視図である。
【図3】本発明に係る吸着保持部材の第2の実施形態を示すものであり、(A)はその平面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る吸着保持装置が備えられたウエハ検査用顕微鏡装置の斜視図である。
【図5】上記ウエハ検査用顕微鏡装置に備えられたウエハ保持テーブルの一構成例を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は下面図、(C)は(A)における矢視C−Cより見た断面図である。
【符号の説明】
10 吸着保持部材
12 真空管路
20 上面側板材
22 真空管路の開口
24 接触部
30 中間板材
32 溝部
40 下面側板材
80 ウエハ検査用顕微鏡装置
110 吸着保持装置
124 屈伸アーム
126,127 真空配管チューブ
128 真空配管用アース線
130 吸着保持部材用アース線
130a 吸着保持部材用アース線中継部材
W 半導体ウエハ

Claims (12)

  1. 本体部と、前記本体部の内部に形成された管路と、前記本体部の表面に形成され前記管路と繋がる開口部とを有し,前記管路を介して保持対象物を前記開口部に真空吸着する吸着保持部材において、
    少なくとも前記管路の内表面に、カーボンを混入した樹脂からなり、およそ10 5 Ω・cmから10 11 Ω・cmの電気抵抗値を有する静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする吸着保持部材。
  2. 前記吸着保持部材が、少なくとも前記管路の延在方向と略平行な断面で管路を分割した開口を有する第1の部材と、前記開口を覆う第2の部材とを含み、少なくとも前記第1の部材の前記分割した管路の表面と前記第2の部材の前記開口を覆う部分の表面とに、前記静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする請求項1記載の吸着保持部材。
  3. 前記本体部は、複数の部材要素が接合されてなり、前記複数の部材要素の少なくとも一つに溝部が設けられ、
    前記管路は、前記溝部が設けられた前記部材要素と他の前記部材要素とが接合され前記溝部が閉じられることによって形成されており、
    前記複数の部材要素が前記溝部の表面を含むそれぞれの表面に前記静電気拡散性被膜が形成された後に前記部材要素と他の前記部材要素とが接合されて前記本体部が構成されることを特徴とする請求項1記載の吸着保持部材。
  4. 第1の管路を内部に有する配管部材と、前記配管部材の前記第1の管路と繋がる第2の管路を内部に有し,前記第2の管路と繋がる開口部を表面に有する吸着保持部材とを備え、前記第1の管路と前記第2の管路を介して保持対象物を前記開口部に真空吸着する吸着保持装置において、
    少なくとも前記第2の管路の内表面に、カーボンを混入した樹脂からなり、およそ10 5 Ω・cmから10 11 Ω・cmの電気抵抗値を有する静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする吸着保持装置。
  5. 前記第2の管路を電気的に接地する吸着保持部材接地手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の吸着保持装置。
  6. 前記配管部材は、少なくとも前記第1の管路の内表面を形成する部分が静電気拡散性を有する部材若しくは静電気導電性を有する部材から構成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の吸着保持装置。
  7. 前記配管部材における前記静電気拡散性を有する部材若しくは静電気導電性を有する部材から構成された部分を電気的に接地する配管部材接地手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の吸着保持装置。
  8. 前記配管部材は、少なくとも前記第1の管路の内表面を形成する部分が静電気拡散性を有する部材若しくは静電気導電性を有する部材から構成されており、その部分が前記吸着保持部材接地手段の一部又は全部を構成していることを特徴とする請求項5記載の吸着保持装置。
  9. 前記吸着保持部材接地手段は、静電気導電性を有する部材で構成されていることを特徴とする請求項5記載の吸着保持装置。
  10. 第1の管路を内部に有する配管部材と、前記配管部材の前記第1の管路と繋がる第2の管路を内部に有し、前記第2の管路と繋がる開口部を表面に有する吸着保持部材とを備え、前記第1の管路と前記第2の管路を介して保持対象物を前記開口部に真空吸着する吸着保持装置において、
    前記配管部材は、少なくとも前記第1の管路の内表面を形成する部分が、カーボンを混入した樹脂からなり、およそ10 5 Ω・cmから10 11 Ω・cmの電気抵抗値を有する静電気拡散性を有する部材から構成されていることを特徴とする吸着保持装置。
  11. 前記吸着保持部材が、少なくとも前記管路の延在方向と略平行な断面で管路を分割した開口を有する第1の部材と、前記開口を覆う第2の部材とを含み、少なくとも前記第1の部材の前記分割した管路の表面と前記第2の部材の前記開口を覆う部分の表面とに、前記静電気拡散性被膜が形成されたことを特徴とする請求項10記載の吸着保持部材。
  12. 前記配管部材における前記静電気拡散性を有する部材若しくは前記静電気導電性を有する部材から構成された部分を電気的に接地する配管部材接地手段を備えたことを特徴とする請求項10記載の吸着保持装置。
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