本発明は、以下の説明及び添付図面によって、より一層良く理解されると考えられる。ただし、これらの説明及び添付図面は、本発明の例示であって、本発明を限定するものではない。
本発明の適用例については、以下の説明で明らかになると考えられる。しかし、以下の実施形態は、本発明の好ましい例示ではあるものの、例示に過ぎず、以下の説明から本発明の範囲内における様々な変形が当業者に明らかになるであろう。
以下、添付図面を参照して、好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明中、「左」及び「右」なる語を使用することがあるが、これは各図の左右方向に対応したものである。
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る積層コンデンサC1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第1実施形態に係る積層コンデンサC1は、図1に示されるように、略直方体形状である積層体L1と、積層体L1の側面上に形成された複数の外部導体とを備える。複数の外部導体は、複数(本実施形態では、2つ)の第1端子導体3A、3B、複数(本実施形態では、2つ)の第2端子導体4A、4B、複数(本実施形態では、2つ)の第1外部接続導体5A、5B、及び複数(本実施形態では、2つ)の第2外部接続導体6A、6Bを含む。これらの複数の外部導体は、積層体L1の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
このように、第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも複数で且つ同じ数(本実施形態では、各2つ)である。第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも複数で且つ同じ数(本実施形態では、各2つ)である。
第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、後述する積層体L1の積層方向と平行な側面のうち第1側面L1a、すなわち積層体L1の積層方向と直交する側面L1c、L1dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L1a上に位置する。第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bは、図1の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第1外部接続導体5B、第1端子導体3Bの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aの第1側面L1a上における両隣のうちの一方(図1における右側)には第1外部接続導体5Aが形成されている。第1外部接続導体5Aの第1側面L1a上における両隣のうちの一方(図1における左側)には第1端子導体3Aが形成されている。このように、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L1の同一側面である第1側面L1a上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3Bの第1側面L1a上における両隣のうちの一方(図1における左側)には第1外部接続導体5Bが形成されている。第1外部接続導体5Bの第1側面L1a上における両隣のうちの一方(図1における右側)には第1端子導体3Bが形成されている。このように、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとは、積層体L1の同一側面である第1側面L1a上において互いに隣り合って形成されている。
第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、後述する積層体L1の積層方向と平行な側面のうち第2側面L1b、すなわち積層体L1の積層方向と直交する側面L1c、L1dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L1aと対向する第2側面L1b上に位置する。第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bは、図1の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第2外部接続導体6A、第2外部接続導体6B、第2端子導体4Bの順で形成されている。
したがって、第2端子導体4Aの第2側面L1b上における両隣のうちの一方(図1における右側)には第2外部接続導体6Aが形成されている。第2外部接続導体6Aの第2側面L1b上における両隣のうちの一方(図1における左側)には第2端子導体4Aが形成されている。このように、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L1の同一側面である第2側面L1b上において互いに隣り合って形成されている。
第2端子導体4Bの第2側面L1b上における両隣のうちの一方(図1における左側)には第2外部接続導体6Bが形成されている。第2外部接続導体5Bの第2側面L1b上における両隣のうちの一方(図1における右側)には第2端子導体4Bが形成されている。このように、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L1の同一側面である第2側面L1b上において互いに隣り合って形成されている。
積層体L1の中心軸のうち、積層体L1の積層方向と直交する2つの側面L1c、L1dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax1に対し、第1端子導体3Aと線対称の位置に、第2端子導体4Bが位置する。積層体L1の中心軸Ax1に対し、第1端子導体3Bと線対称の位置に第2端子導体4Aが位置する。一方、積層体L1の中心軸Ax1に対し、第2端子導体4Bと線対称の位置に第1端子導体3Aが位置する。積層体L1の中心軸Ax1に対し、第2端子導体4Aと線対称の位置に第1端子導体3Bが位置する。
積層体L1の中心軸Ax1に対し、第1外部接続導体5Aと線対称の位置に第2外部接続導体6Bが位置する。積層体L1の中心軸Ax1に対し、第1外部接続導体5Bと線対称の位置に第2外部接続導体6Aが位置する。一方、積層体L1の中心軸Ax1に対し、第2外部接続導体6Bと線対称の位置に第1外部接続導体5Aが位置する。積層体L1の中心軸Ax1に対し、第2外部接続導体6Aと線対称の位置に第1外部接続導体5Bが位置する。
積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第1端子導体3Aと対向する位置に、第2端子導体4Aが位置する。積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第1端子導体3Bと対向する位置に、第2端子導体4Bが位置する。一方、積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第2端子導体4Aと対向する位置に、第1端子導体3Aが位置する。積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第2端子導体4Bと対向する位置に、第1端子導体3Bが位置する。
積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第1外部接続導体5Aと対向する位置に、第2外部接続導体6Aが位置する。積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第1外部接続導体5Bと対向する位置に、第2外部接続導体6Bが位置する。一方、積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第2外部接続導体6Aと対向する位置に、第1外部接続導体5Aが位置する。積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で、第2外部接続導体6Bと対向する位置に、第1外部接続導体5Bが位置する。
積層体L1は、図2に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極30〜33、40〜43とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC1では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L1には、1つの第1内部接続導体50と1つの第2内部接続導体60とが積層されている。積層体L1では、2層の内部接続導体50、60の一部である1つの第1内部接続導体50とその残りである1つの第2内部接続導体60との間に、複数の第1内部電極30〜33と複数の第2内部電極40〜43とが配置されている。
各第1内部電極30〜33は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極30〜33はそれぞれ、積層体L1における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第1内部電極30〜33には、積層体L1の第1側面L1aに引き出されるように伸びる引き出し導体35A〜38A、35B〜38Bが形成されている。
引き出し導体35A及び引き出し導体35Bはいずれも、第1内部電極30と一体に形成されており、積層体L1の第1側面L1aに臨むように、第1内部電極30から伸びている。引き出し導体36A及び引き出し導体36Bはいずれも、第1内部電極31と一体に形成されており、積層体L1の第1側面L1aに臨むように、第1内部電極31から伸びている。引き出し導体37A及び引き出し導体37Bはいずれも、第1内部電極32と一体に形成されており、積層体L1の第1側面L1aに臨むように、第1内部電極32から伸びている。引き出し導体38A及び引き出し導体38Bはいずれも、第1内部電極33と一体に形成されており、積層体L1の第1側面L1aに臨むように、第1内部電極33から伸びている。
第1内部電極30は、引き出し導体35Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体35Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極31は、引き出し導体36Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体36Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極32は、引き出し導体37Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体37Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極33は、引き出し導体38Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体38Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極30〜33が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極40〜43は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極40〜43はそれぞれ、積層体L1の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第2内部電極40〜43には、積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように伸びる引き出し導体45〜48A、45〜48Bが形成されている。
引き出し導体45A及び引き出し導体45Bはいずれも、第2内部電極40と一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2内部電極40から伸びている。引き出し導体46A及び引き出し導体46Bはいずれも、第2内部電極41と一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2内部電極41から伸びている。引き出し導体47A及び引き出し導体47Bはいずれも、第2内部電極42と一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2内部電極42から伸びている。引き出し導体48A及び引き出し導体48Bはいずれも、第2内部電極43と一体に形成されており、積層体L1の第2側面L1bに臨むように、第2内部電極43から伸びている。
第2内部電極40は、引き出し導体45Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体45Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極41は、引き出し導体46Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体46Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極42は、引き出し導体47Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体47Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極43は、引き出し導体48Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体48Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極40〜43が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体50は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体60は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体50と第2内部接続導体60とは、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体50は、長方形状を呈する第1導体部50Aと、第1導体部50Aから積層体L1の第1側面L1aに引き出されるように伸びる第2〜第5導体部50B〜50Eとを含む。第1導体部50Aは、長手方向が積層体L1の第1及び第2側面L1a、L1bと平行となるように配置されている。これらの複数の内部接続導体は、積層コンデンサC1の等価直列抵抗を大きくするために、抵抗に寄与する導通路を形成するために機能するものであって、積層コンデンサC1の等価直列インダクタンスを変更するためのものではない。
第1内部接続導体50の各第2〜第5導体部50B〜50Eは、図2の左側から右側に向かって、第2導体部50B、第4導体部50D、第5導体部50E、及び第3導体部50Cの順で位置している。第2導体部50Bは、第1端子導体3Aに電気的に接続される。第3導体部50Cは、第1端子導体3Bに電気的に接続される。第4導体部50Dは、第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第5導体部50Eは、第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体50は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体60は、長方形状を呈する第1導体部60Aと、第1導体部60Aから積層体L1の第2側面L1bに引き出されるように伸びる第2〜第5導体部60B〜60Eとを含む。第1導体部60Aは、それぞれの長手方向が積層体L1の第1及び第2側面L1a、L1bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体60の第2〜第5導体部60B〜60Eは、図2の左側から右側に向かって、第2導体部60B、第4導体部60D、第5導体部60E、及び第3導体部60Cの順で位置している。第2導体部60Bは、第2端子導体4Aに電気的に接続される。第3導体部60Cは、第2端子導体4Bに電気的に接続される。第4導体部60Dは、第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第5導体部60Eは、第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体60は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体50の第1導体部50Aは、誘電体層19を介して第2内部電極43と互いに対向する領域である。第2内部接続導体60の第1導体部60Aは、誘電体層11を介して第1内部電極30と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体50、60は、積層体L1が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L1に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体50、60は、積層体L1が例えば誘電体層12を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極30及び第2内部電極40を含むように、積層体L1に積層されている。すなわち、積層体L1では、第1及び第2内部接続導体50、60がいずれも、積層体L1の積層方向において、上記1組の第1及び第2内部電極30、40の外側に配置されている。
一例として積層コンデンサC1を基板Sに実装した場合を示す。図3は、積層コンデンサC1を基板に実装する状態を説明するための図である。図3では、第1端子導体3Aが基板Sに形成された陰極ランドパターンA1に、第1端子導体3Bが基板Sに形成された陰極ランドパターンA2に、第2端子導体5Aが陽極ランドパターンB1に、第2端子導体5Bが陽極ランドパターンB2に接続されている状態を示す。また、図3は、基板Sにおいて、陰極ランドパターンA1、A2が配線A3に、陽極ランドパターンB1、B2が配線B3にそれぞれ接続されている状態を示す。
積層コンデンサC1では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極30〜33とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体50を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC1では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極40〜43とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体60を介して電気的に接続させている。その結果、積層コンデンサC1では、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3B及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第1及び第2内部接続導体50、60の数を調整することにより、積層コンデンサC1の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC1では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC1の外部導体である第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L1の第1側面L1a上に形成されている。積層コンデンサC1の外部導体である第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L1の第1側面L1aと対向する第2側面L1b上に形成されている。このように、積層コンデンサC1では外部導体(第1端子導体3A、3B、第2端子導体4A、4B、第1外部接続導体5A、5B、及び第2外部接続導体6A、6B)がすべて、積層体L1の互いに対向する2側面L1a、L1b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に端子導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC1では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC1では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体50は、積層体L1の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極43と互いに対向する領域である第1導体部50Aを有する。したがって、第1内部接続導体50も積層コンデンサC1の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC1では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第2内部接続導体60は、積層体L1の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極30と互いに対向する領域である第1導体60Aを有する。したがって、第2内部接続導体60も積層コンデンサC1の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC1では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC1の積層体L1では、複数の第1内部電極30〜33と複数の第2内部電極40〜43とが、内部接続導体50、60の一部(第1内部接続導体50)とその残り(第2内部接続導体60)との間に、配置されている。そのため、積層コンデンサC1では、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC1では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、さらに、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとが、積層体L1の第1側面L1a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC1を図3に示すように、第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5A、5Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第1内部接続導体50との間(第1内部接続導体50の第2及び第3導体部50B、50C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5A、5Bと第1内部電極30〜33との間(引き出し導体35A〜38A)を流れる電流及び第1外部接続導体5A、5Bと第1内部接続導体50との間(第1内部接続導体50の第4及び第5導体部50D、50E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC1では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第1端子導体と第1外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC1では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、さらに、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが、積層体L1の第2側面L1b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC1を図3に示すように、第2端子導体4A、4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4A、4Bと第2内部接続導体60との間(第2内部接続導体60の第2及び第3導体部60B、60C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6A、6Bと第2内部電極40〜43との間(引き出し導体45A〜48A)を流れる電流及び第2外部接続導体6A、6Bと第2内部接続導体60との間(第2内部接続導体60の第4及び第5導体部60D、60E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC1では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第2端子導体と第2外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L1の第1側面L1a上に同じ数(各2つ)だけ形成されている。さらに、積層体L1の第1側面L1a上において第1端子導体3Aの隣には第1外部接続導体5Aが、第1端子導体3Bの隣には第1外部接続導体5Bが、第1外部接続導体5Aの隣には第1端子導体3Aが、第1外部接続導体5Bの隣には第1端子導体3Bがそれぞれ形成されている。したがって、積層コンデンサC1では、第1端子導体3A、3Bと第1内部接続導体50との間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5A、5Bと第1内部電極30〜33との間を流れる電流及び第1外部接続導体5A、5Bと第1内部接続導体50との間を流れる電流に起因して発生する磁界との間で、顕著な相殺効果が得られる。
一方、第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L1の第2側面L1b上に同じ数(各2つ)だけ形成されている。さらに、積層体L1の第2側面L1b上において第2端子導体4Aの隣には第2外部接続導体6Aが、第2端子導体4Bの隣には第2外部接続導体6Bが、第2外部接続導体6Aの隣には第2端子導体4Aが、第2外部接続導体6Bの隣には第2端子導体4Bがそれぞれ形成されている。したがって、積層コンデンサC1では、第2端子導体4A、4Bと第2内部接続導体60との間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6A、6Bと第2内部電極40〜43との間を流れる電流及び第2外部接続導体6A、6Bと第2内部接続導体60との間を流れる電流に起因して発生する磁界との間で、顕著な相殺効果が得られる。
これらの結果、積層コンデンサC1では、等価直列インダクタンスをより一層顕著に低減することが可能となる。
積層コンデンサC1では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L1の中心軸Ax1に関して互いに線対称の位置に形成されている。そのため、積層コンデンサC1を基板上等で中心軸Ax1に関して180度回転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。すなわち、例えば図3のように積層コンデンサC1を実装した状態から、積層体L1の中心軸Ax1に関して積層コンデンサC1を180度回転させて実装したとしても、第1端子導体3AはランドパターンB2に、第1端子導体3BはランドパターンB1に、第2端子導体4AはランドパターンA2に、第2端子導体4BはランドパターンA1に、それぞれ接続され、外部接続導体はランドパターンと直接接続されない。
また、積層コンデンサC1では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、積層体L1の第1側面L1aと第2側面L1bとの対向方向で対向する。そのため、基板等に実装させる積層コンデンサC1の面を当該面と対向する側面となるように積層コンデンサC1を反転したとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。すなわち、例えば図3のように積層コンデンサC1を実装した状態から、積層体L1の側面L1a〜L1dに平行な軸を中心に積層コンデンサC1を反転させたとしても、第1端子導体3AはランドパターンB1に、第1端子導体3BはランドパターンB2に、第2端子導体4AはランドパターンA1に、第2端子導体4BはランドパターンA2に、それぞれ接続され、外部接続導体はランドパターンと直接接続されない。
さらに、例えば図3のように積層コンデンサC1を実装した状態から、積層体L1の側面L1a、L1bに直交する軸を中心に積層コンデンサC1を反転させたとしても、第1端子導体3AはランドパターンA2に、第1端子導体3BはランドパターンA1に、第2端子導体4AはランドパターンB2に、第2端子導体4BはランドパターンB1に、それぞれ接続され、外部接続導体はランドパターンと直接接続されない。
このように積層コンデンサC1では、端子導体3A、3B、4A、4B及び外部接続導体5A、5B、6A、6Bが上述のように配置されているため、様々な実装方向に対応して実装可能となる。そのため、積層コンデンサC1では、その実装が容易となる。
(第2実施形態)
図4を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第2実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体50、60の積層方向での位置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図4は、第2実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、図4に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体50、60は、各2層の第1及び第2内部電極30、31、40、41と、各2層の第1及び第2内部電極32、33、42、43との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体50は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体60は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第2実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体50、60はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体50、60は、積層体が例えば誘電体層11を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極30及び第2内部電極40を含むように、積層体に積層されている。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極30〜33とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体50を介して電気的に接続させている。また、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極40〜43とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体60を介して電気的に接続させている。これらにより、第2実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第2実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第1実施形態に係る積層コンデンサC1では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体50に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続される。一方、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体50を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第2実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第1実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体60に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続される。一方、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体60を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。
したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第2実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体50及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体60の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第2実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第2実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体50の第1導体部50Aは、誘電体層14を介して第2内部電極41と互いに対向する。また、第2内部接続導60の第1導体部60Aは、誘電体層16を介して第1内部電極32と互いに対向する。したがって、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体50、60も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第2実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第2実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第2実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第2実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体の第1側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体の第2側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第2実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第2実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第3実施形態)
図5を参照して、第3実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第3実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体50、60の積層方向での位置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図5は、第3実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第3実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、図5に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体50、60は、図5において各4層の第1及び第2内部電極30〜33、40〜43が積層された外側に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体50は、誘電体層18と誘電体層19との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体60は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれるように位置している。
第3実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体50、60はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体50、60は、積層体が例えば誘電体層11を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極30及び第2内部電極40を含むように、積層体に積層されている。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極30〜33とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体50を介して電気的に接続させている。また、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極40〜43とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体60を介して電気的に接続させている。これらにより、第3実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第3実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第1実施形態に係る積層コンデンサC1では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体50に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体50を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第3実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体60に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体60を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。
したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第3実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体50及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体60の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第3実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第3実施形態に係る積層コンデンサの(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体50の第1導体部50Aは、誘電体層18を介して第2内部電極43と互いに対向する。したがって、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1内部接続導体50も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第3実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第3実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第3実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第3実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体の第1側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体の第2側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第3実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第3実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第4実施形態)
図6を参照して、第4実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第4実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図6は、第4実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第4実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第4実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図6に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極30〜33、40〜43とが交互に積層されることにより構成される。
第4実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体50、51と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体60、61が積層されている。第4実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体50、51、60、61の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体50、60とその残りである第1及び第2内部接続導体51、61との間に、4層の第1内部電極30〜33と4層の第2内部電極40〜43とが配置されている。
第1内部接続導体50は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体51は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体60は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体61は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第4実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体50、51、60、61はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体50、51、60、61は、積層体が、例えば誘電体層13を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極30及び第2内部電極40を含むように積層体に積層されている。
第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極30〜33とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体50、51を介して電気的に接続させている。また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極40〜43とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体60、61を介して電気的に接続させている。これらにより、第4実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第4実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC1に比して、第1内部接続導体50、51の数が多く、これらの第1内部接続導体50、51は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第1内部接続導体50、51の数が多くなることで、第1端子電極3A、3Bと第1内部電極30〜33との間を流れる電流の経路が多くなる。一方、第4実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC1に比して、第2内部接続導体60、61の数が多く、これらの第2内部接続導体60、61は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。また、第2内部接続導体60、61の数が多くなることで、第2端子電極4A、4Bと第2内部電極40〜43との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第4実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC1の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体50、51の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体60、61の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第4実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体51の第1導体部51Aは、誘電体層20を介して第2内部電極43と互いに対向する。また、第2内部接続導60の第1導体部60Aは、誘電体層12を介して第1内部電極30と互いに対向する。したがって、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体51、60も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第4実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極30〜33、40〜43が、第1及び第2内部接続導体50、60と第1及び第2内部接続導体51、61との間に、配置されている。そのため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第4実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第4実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第4実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体の第1側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体の第2側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第5実施形態)
図7及び図8を参照して、第5実施形態に係る積層コンデンサC2の構成について説明する。図7は、第5実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図8は、第5実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第5実施形態に係る積層コンデンサC2は、図7に示すように、積層体L2と、当該積層体L2に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L2の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L2c、L2dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L2a上に位置する。第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bは、図7の左側から右側に向かって、第1外部接続導体5A、第1端子導体3A、第1端子導体3B、第1外部接続導体5Bの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L2の同一側面である第1側面L2a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとは、積層体L2の同一側面である第1側面L2a上において互いに隣り合って形成されている。
第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L2の積層方向と平行な側面のうち、積層体L2の積層方向と直交する面L2c、L2dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L2aと対向する第2側面L2b上に位置する。第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bは、図7の左側から右側に向かって、第2外部接続導体6A、第2端子導体4A、第2端子導体4B、第2外部接続導体6Bの順で形成されている。
したがって、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L2の同一側面である第2側面L2b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L2の同一側面である第2側面L2b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとは、積層体L2の中心軸のうち、積層体L2の積層方向と直交する2つの側面L2c、L2dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax2に対して互いに線対称である。第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとは、積層体L2の中心軸Ax2に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとは、積層体L2の中心軸Ax2に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L2の中心軸Ax2に対して互いに線対称である。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向に沿って対向する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとは、積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L2は、図8に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極70〜73、80〜83とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC2では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L2には、1つの第1内部接続導体90と1つの第2内部接続導体100とが積層されている。積層体L2では、第2内部接続導体100と第1内部接続導体90との間に、複数の第1内部電極70〜73と複数の第2内部電極80〜83とが配置されている。
各第1内部電極70〜73は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極70〜73はそれぞれ、積層体L2における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体75A、75Bはいずれも、第1内部電極70と一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1内部電極70から伸びている。引き出し導体76A、76Bはいずれも、第1内部電極71と一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1内部電極71から伸びている。引き出し導体77A、77Bはいずれも、第1内部電極72と一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1内部電極72から伸びている。引き出し導体78A、78Bはいずれも、第1内部電極73と一体に形成されており、積層体L2の第1側面L2aに臨むように第1内部電極73から伸びている。
第1内部電極70は、引き出し導体75Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体75Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極71は、引き出し導体76Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体76Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極72は、引き出し導体77Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体77Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極73は、引き出し導体78Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体78Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極70〜73が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極80〜83は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極80〜83はそれぞれ、積層体L2の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体85A、85Bはいずれも、第2内部電極80と一体に形成されており、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2内部電極80から伸びている。引き出し導体86A、86Bはいずれも、第2内部電極81と一体に形成されており、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2内部電極81から伸びている。引き出し導体87A、87Bはいずれも、第2内部電極82と一体に形成されており、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2内部電極82から伸びている。引き出し導体88A、88Bはいずれも、第2内部電極83と一体に形成されており、積層体L2の第2側面L2bに臨むように第2内部電極83から伸びている。
第2内部電極80は、引き出し導体85Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体85Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極81は、引き出し導体86Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体86Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極82は、引き出し導体87Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体87Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極83は、引き出し導体88Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体88Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極80〜83が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体90は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体100は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体90、100は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体90は、長方形状を呈する第1導体部90Aと、第1導体部90Aから積層体L2の第1側面L2aに引き出されるように伸びる第2〜第5導体部90B〜90Eとを含む。第1導体部90Aは、その長手方向が積層体L2の第1及び第2側面L2a、L2bと平行となるように配置されている。
第2導体部90Bは第1端子導体3Aに、第3導体部90Cは第1端子導体3Bに、第4導体部90Dは第1外部接続導体5Aに、第5導体部90Eは第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体90は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体100は、長方形状を呈する第1導体部100Aと、第1導体部100Aから積層体L2の第2側面L2bに引き出されるように伸びる第2〜第5導体部100B〜100Eとを含む。第1導体部100Aは、その長手方向が積層体L2の第1及び第2側面L2a、L2bと平行となるように配置されている。
第2導体部100Bは第2端子導体4Aに、第3導体部100Cは第2端子導体4Bに、第4導体部100Dは第2外部接続導体6Aに、第5導体部100Eは第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体100は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体90の第1導体部90Aは、誘電体層19を介して第2内部電極83と互いに対向する領域である。第2内部接続導体100の第1導体部100Aは、誘電体層11を介して第1内部電極70と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体90、101は、積層体L2が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L2に積層されている。
積層コンデンサC2では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極70〜73とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体90を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC2では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極80〜83とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体100を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC2は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体90の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体100の数を調整することにより、積層コンデンサC2の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC2では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC2の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L2の互いに対向する第1及び第2側面L2a、L2b上に形成されている。したがって、積層体L2の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC2では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC2では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体90の第1導体部90Aは、誘電体層19を介して第2内部電極83と互いに対向する。また、第2内部接続導100の第1導体部100Aは、誘電体層11を介して第1内部電極70と互いに対向する。したがって、積層コンデンサC1では、第1及び第2内部接続導体90、100も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサC1の静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC2の積層体L2では、複数の第1及び第2内部電極70〜73、80〜83が、第1内部接続導体90と第2内部接続導体100との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC2では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、さらに、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとが、積層体L2の第1側面L2a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC2を、第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5A、5Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第1内部接続導体90との間(第1内部接続導体90の第2及び第3導体部90B、90C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5A、5Bと第1内部電極70〜73との間(引き出し導体75A〜78A、75B〜75A)を流れる電流及び第1外部接続導体5A、5Bと第1内部接続導体90との間(第1内部接続導体90の第4及び第5導体部90D、90E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC2では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC2では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、さらに、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが、積層体L2の第2側面L2b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC2を、第2端子導体4A、4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4A、4Bと第2内部接続導体100との間(第2内部接続導体100の第2及び第3導体部100B、100C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6A、6Bと第2内部電極80〜83との間(引き出し導体85A〜88A、85B〜88B)を流れる電流及び第2外部接続導体6A、6Bと第2内部接続導体100との間(第2内部接続導体100の第4及び第5導体部100D、100E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC2では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC2では、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体L2の第1側面L2a上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、積層コンデンサC2では、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体L2の第2側面L2b上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、積層コンデンサC2では等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
積層コンデンサC2では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体L2の中心軸Ax2に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC2では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体L2の第1側面L2aと第2側面L2bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC2では、その実装が容易となる。
(第6実施形態)
図9を参照して、第6実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第6実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体90、100の積層方向での位置の点で第5実施形態に係る積層コンデンサC2と相違する。図9は、第6実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第6実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第5実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、図9に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体90、100は、各2層の第1及び第2内部電極70、71、80、81と、各2層の第1及び第2内部電極72、73、82、83との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体90は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体100は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体90、100はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極70〜73とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体90を介して電気的に接続させている。また、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極80〜83とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体100を介して電気的に接続させている。これらにより、第6実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第6実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサC2と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第5実施形態に係る積層コンデンサC2では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体90に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第5実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体90を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第6実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサC2と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第5実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体100に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体100を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第6実施形態に係る積層コンデンサは、第5実施形態に係る積層コンデンサC2に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体90及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体100の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第6実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第6実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体90の第1導体部90Aは、誘電体層14を介して第2内部電極81と互いに対向する。また、第2内部接続導100の第1導体部100Aは、誘電体層16を介して第1内部電極72と互いに対向する。したがって、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体90、100も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第6実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC2同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第6実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第6実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC1同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第6実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体の第1側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体の第2側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第6実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第6実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第7実施形態)
図10を参照して、第7実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第7実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第5実施形態に係る積層コンデンサC2と相違する。図10は、第7実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第7実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第5実施形態に係る積層コンデンサC2と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第7実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図10に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極70〜73、80〜83とが交互に積層されることにより構成される。
第7実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体90、91と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体100、101とが積層されている。第7実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体90、91、100、101の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体90、100とその残りである第1及び第2内部接続導体91、101との間に、4層の第1内部電極70〜73と4層の第2内部電極80〜83とが配置されている。
第1内部接続導体90は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体91は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体100は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体101は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体90、91、100、101はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第7実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極70〜72とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体90、91を介して電気的に接続させている。また、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極80〜83とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体100、101を介して電気的に接続させている。これらにより、第7実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第7実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC2に比して、第1内部接続導体90、91の数が多く、これらの第1内部接続導体90、91は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第7実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC2に比して、第2内部接続導体100、101の数が多く、これらの第2内部接続導体100〜101は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第7実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC2の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体90〜91及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体100〜101の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第7実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第7実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第4実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体91の第1導体部91Aは、誘電体層20を介して第2内部電極83と互いに対向する。また、第2内部接続導100の第1導体部100Aは、誘電体層12を介して第1内部電極70と互いに対向する。したがって、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体91、100も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第7実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極70〜73、80〜83が、第1及び第2内部接続導体90、100と第1及び第2内部接続導体91、101との間に、配置されている。そのため、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第7実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC2同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第7実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第7実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC2同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第7実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第7実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体の第1側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体の第2側面上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第7実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
第7実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第7実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第8実施形態)
図11及び図12を参照して、第8実施形態に係る積層コンデンサC3の構成について説明する。第8実施形態に係る積層コンデンサは、積層体の第1及び第2側面上に形成される外部導体の配置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図11は、第8実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図12は、第8実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第8実施形態に係る積層コンデンサC3は、図11に示すように、積層体L3と、当該積層体L3に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第1端子導体3A、3B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L3の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L3c、L3dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L3a上に位置する。第1端子導体3A、3B及び第2外部接続導体6A、6Bは、図11の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第2外部接続導体6A、第2外部接続導体6B、第1端子導体3Bの順で形成されている。
第2端子導体4A、4B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L3の積層方向と平行な側面のうち、積層体L3の積層方向と直交する面L3c、L3dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L3aと対向する第2側面L3b上に位置する。第2端子導体4A、4B及び第1外部接続導体5A、5Bは、図11の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第1外部接続導体5A、第1外部接続導体5B、第2端子導体4Bの順で形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとは、積層体L3の中心軸のうち、積層体L3の積層方向と直交する2つの側面L3c、L3dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax3に対して互いに線対称である。第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとは、積層体L3の中心軸Ax3に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとは、積層体L3の中心軸Ax3に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L3の中心軸Ax3に対して互いに線対称である。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向に沿って対向する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとは、積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L3は、図12に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極110〜113、120〜123とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC3では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L3には、1つの第1内部接続導体130と1つの第2内部接続導体140とが積層されている。積層体L3では、第2内部接続導体140と第1内部接続導体130との間に、複数の第1内部電極110〜113と複数の第2内部電極120〜123とが配置されている。
各第1内部電極110〜113は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極110〜113はそれぞれ、積層体L3における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体115A、115Bはいずれも、第1内部電極110と一体に形成されており、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第1内部電極110から伸びている。引き出し導体116A、116Bはいずれも、第1内部電極111と一体に形成されており、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第1内部電極111から伸びている。引き出し導体117A、117Bはいずれも、第1内部電極112と一体に形成されており、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第1内部電極112から伸びている。引き出し導体118A、118Bはいずれも、第1内部電極113と一体に形成されており、積層体L3の第2側面L3bに臨むように第1内部電極113から伸びている。
第1内部電極110は、引き出し導体115Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体115Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極111は、引き出し導体116Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体116Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極112は、引き出し導体117Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体117Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極113は、引き出し導体118Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体118Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極110〜113が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極120〜123は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極120〜123はそれぞれ、積層体L3の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体125A、125Bはいずれも、第2内部電極120と一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第2内部電極120から伸びている。引き出し導体126A、126Bはいずれも、第2内部電極121と一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第2内部電極121から伸びている。引き出し導体127A、127Bはいずれも、第2内部電極122と一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第2内部電極122から伸びている。引き出し導体128A、128Bはいずれも、第2内部電極123と一体に形成されており、積層体L3の第1側面L3aに臨むように第2内部電極123から伸びている。
第2内部電極120は、引き出し導体125Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体125Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極121は、引き出し導体126Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体126Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極122は、引き出し導体127Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体127Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極123は、引き出し導体128Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体128Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極120〜123が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体130は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体140は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体130、140は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体130は、長方形状を呈する第1導体部130Aと、第1導体部130Aから積層体L3の第1側面L3aに引き出されるように伸びる第2及び第3導体部130B、130Cと、第1導体部130Aから積層体L3の第2側面L3bに引き出されるように伸びる第4及び第5導体部130D、130Eとを含む。第1導体部130Aは、その長手方向が積層体L3の第1及び第2側面L3a、L3bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体140は、長方形状を呈する第1導体部140Aと、第1導体部140Aから積層体L3の第2側面L3bに引き出されるように伸びる第2及び第3導体部140B、140Cと、第1導体部140Aから積層体L3の第1側面L3aに引き出されるように伸びる第4及び第5導体部140D、140Eとを含む。第1導体部140Aは、その長手方向が積層体L3の第1及び第2側面L3a、L3bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体130においては、第2導体部130Bが第1端子導体3Aに、第3導体部130Cが第1端子導体3Bに、第4導体部130Dが第1外部接続導体5Aに、第5導体部130Eが第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体130は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体140においては、第2導体部140Bが第2端子導体4Aに、第3導体部140Cが第2端子導体4Bに、第4導体部140Dが第2外部接続導体6Aに、第5導体部140Eが第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体140は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体130の第1導体部130Aは、誘電体層19を介して第2内部電極123と互いに対向する領域である。第2内部接続導体140の第1導体部140Aは、誘電体層11を介して第1内部電極110と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部電極110、120はいずれも、積層体L3が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L3に積層されている。
積層コンデンサC3では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極110〜113とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体130を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC3では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極120〜123とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体140を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC3は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体130の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体140の数を調整することにより、積層コンデンサC3の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC3では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC3の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L3の互いに対向する第1及び第2側面L3a、L3b上に形成されている。したがって、積層体L2の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC3では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC3では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体130の第1導体部130Aは、誘電体層19を介して第2内部電極123と互いに対向する。また、第2内部接続導140の第1導体部140Aは、誘電体層11を介して第1内部電極110と互いに対向する。したがって、積層コンデンサC3では、第1及び第2内部接続導体130、140も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサC3の静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC3の積層体L3では、複数の第1及び第2内部電極110〜113、120〜123が、第1内部接続導体130と第2内部接続導体140との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC3では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体L3の中心軸Ax3に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC3では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体L3の第1側面L3aと第2側面L3bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC3では、その実装が容易となる。
(第9実施形態)
図13を参照して、第9実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第9実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体130、140の積層方向での位置の点で第8実施形態に係る積層コンデンサC3と相違する。図13は、第9実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第9実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第8実施形態に係る積層コンデンサC3と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第9実施形態に係る積層コンデンサでは、図13に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体130、140は、各2層の第1及び第2内部電極110、111、120、121と、各2層の第1及び第2内部電極112、113、122、123との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体130は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体140は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体130、140はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第9実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極110〜113とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体130を介して電気的に接続させている。また、第9実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極120〜123とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体140を介して電気的に接続させている。これらにより、第9実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第9実施形態に係る積層コンデンサは、第8実施形態に係る積層コンデンサC3と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第8実施形態に係る積層コンデンサC3では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体130に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第8実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体130を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第9実施形態に係る積層コンデンサは、第8実施形態に係る積層コンデンサC3と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第8実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体140に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第9実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体140を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第9実施形態に係る積層コンデンサは、第8実施形態に係る積層コンデンサC3に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体130及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体140の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第9実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第9実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第9実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体130の第1導体部130Aは、誘電体層14を介して第2内部電極121と互いに対向する。また、第2内部接続導140の第1導体部140Aは、誘電体層16を介して第1内部電極112と互いに対向する。したがって、第9実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体130、140も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第9実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第9実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第9実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第10実施形態)
図14を参照して、第10実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第10実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第8実施形態に係る積層コンデンサC3と相違する。図14は、第10実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第10実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第8実施形態に係る積層コンデンサC3と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第10実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図14に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極110〜113、120〜123とが交互に積層されることにより構成される。
第10実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体130、131と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体140、141とが積層されている。第10実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体130、131、140、141の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体130、140とその残りである第1及び第2内部接続導体131、141との間に、4層の第1内部電極110〜113と4層の第2内部電極120〜123とが配置されている。
第1内部接続導体130は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体131は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体140は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体141は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体130、131、140、141はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第10実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極110〜112とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体130、131を介して電気的に接続させている。また、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極120〜123とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体140、141を介して電気的に接続させている。これらにより、第10実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第10実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC3に比して、第1内部接続導体130、131の数が多く、これらの第1内部接続導体130、131は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第10実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC3に比して、第2内部接続導体140、141の数が多く、これらの第2内部接続導体140〜141は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第10実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC3の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体130〜131及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体140〜141の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第10実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第10実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体131の第1導体部131Aは、誘電体層20を介して第2内部電極123と互いに対向する。また、第2内部接続導140の第1導体部140Aは、誘電体層12を介して第1内部電極110と互いに対向する。したがって、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体131、140も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第10実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極110〜113、120〜123が、第1及び第2内部接続導体130、140と第1及び第2内部接続導体131、141との間に、配置されている。そのため、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第10実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第10実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第11実施形態)
図15及び図16を参照して、第11実施形態に係る積層コンデンサC4の構成について説明する。第11実施形態に係る積層コンデンサは、積層体の第1及び第2側面上に形成される外部導体の配置の点で第1実施形態に係る積層コンデンサC1と相違する。図15は、第11実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図16は、第11実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第11実施形態に係る積層コンデンサC4は、図15に示すように、積層体L4と、当該積層体L4に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第1端子導体3A、3B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L4の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L4c、L4dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L4a上に位置する。第1端子導体3A、3B及び第2外部接続導体6A、6Bは、図15の左側から右側に向かって、第2外部接続導体6A、第1端子導体3A、第1端子導体3B、第2外部接続導体6Bの順で形成されている。
第2端子導体4A、4B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L4の積層方向と平行な側面のうち、積層体L4の積層方向と直交する面L4c、L4dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L4aと対向する第2側面L4b上に位置する。第2端子導体4A、4B及び第1外部接続導体5A、5Bは、図15の左側から右側に向かって、第1外部接続導体5A、第2端子導体4A、第2端子導体4B、第1外部接続導体5Bの順で形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとは、積層体L4の中心軸のうち、積層体L4の積層方向と直交する2つの側面L4c、L4dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax4に対して互いに線対称に位置する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとは、積層体L4の中心軸Ax4に対して互いに線対称に位置する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとは、積層体L4の中心軸Ax4に対して互いに線対称に位置する。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L4の中心軸Ax4に対して互いに線対称に位置する。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向に沿って対向する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとは、積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L4は、図16に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極150〜153、160〜163とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC4では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L4には、1つの第1内部接続導体170と1つの第2内部接続導体180とが積層されている。積層体L4では、第2内部接続導体180と第1内部接続導体170との間に、複数の第1内部電極150〜153と複数の第2内部電極160〜163とが配置されている。
各第1内部電極150〜153は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極150〜153はそれぞれ、積層体L4における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体155A、155Bはいずれも、第1内部電極150と一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1内部電極150から伸びている。引き出し導体156A、156Bはいずれも、第1内部電極151と一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1内部電極151から伸びている。引き出し導体157A、157Bはいずれも、第1内部電極152と一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1内部電極152から伸びている。引き出し導体158A、158Bはいずれも、第1内部電極153と一体に形成されており、積層体L4の第2側面L4bに臨むように第1内部電極153から伸びている。
第1内部電極150は、引き出し導体155Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体155Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極151は、引き出し導体156Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体156Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極152は、引き出し導体157Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体157Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極153は、引き出し導体158Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体158Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極150〜153が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極160〜163は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極160〜163はそれぞれ、積層体L4の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体165A、165Bはいずれも、第2内部電極160と一体に形成されており、積層体L4の第1側面L4aに臨むように第2内部電極160から伸びている。引き出し導体166A、166Bはいずれも、第2内部電極161と一体に形成されており、積層体L4の第1側面L4aに臨むように第2内部電極161から伸びている。引き出し導体167A、167Bはいずれも、第2内部電極162と一体に形成されており、積層体L4の第1側面L4aに臨むように第2内部電極162から伸びている。引き出し導体168A、168Bはいずれも、第2内部電極163と一体に形成されており、積層体L4の第1側面L4aに臨むように第2内部電極163から伸びている。
第2内部電極160は、引き出し導体165Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体165Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極161は、引き出し導体166Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体166Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極162は、引き出し導体167Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体167Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極163は、引き出し導体168Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体168Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極160〜163が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体170は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体180は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体170、180は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体170は、長方形状を呈する第1導体部170Aと、第1導体部170Aから積層体L4の第1側面L4aに引き出されるように伸びる第2及び第3導体部170B、170Cと、第1導体部170Aから積層体L4の第2側面L4bに引き出されるように伸びる第4及び第5導体部170D、170Eとを含む。第1導体部170Aは、その長手方向が積層体L4の第1及び第2側面L4a、L4bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体180は、長方形状を呈する第1導体部180Aと、第1導体部180Aから積層体L4の第2側面L4bに引き出されるように伸びる第2及び第3導体部180B、180Cと、第1導体部180Aから積層体L4の第1側面L4aに引き出されるように伸びる第4及び第5導体部180D、180Eとを含む。第1導体部180Aは、その長手方向が積層体L4の第1及び第2側面L4a、L4bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体170においては、第2導体部170Bが第1端子導体3Aに、第3導体部170Cが第1端子導体3Bに、第4導体部170Dが第1外部接続導体5Aに、第5導体部170Eが第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体170は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体180においては、第2導体部180Bが第2端子導体4Aに、第3導体部180Cが第2端子導体4Bに、第4導体部180Dが第2外部接続導体6Aに、第5導体部180Eが第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体180は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体170の第1導体部170Aは、誘電体層19を介して第2内部電極163と互いに対向する領域である。第2内部接続導体180の第1導体部180Aは、誘電体層11を介して第1内部電極150と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部電極150、160はいずれも、積層体L4が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L4に積層されている。
積層コンデンサC4では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極150〜153とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体170を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC4では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極160〜163とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体180を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC4は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体170の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体180の数を調整することにより、積層コンデンサC4の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC4では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC4の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L4の互いに対向する第1及び第2側面L4a、L4b上に形成されている。したがって、積層体L4の例えば4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC4では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC4では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体170の第1導体部170Aは、誘電体層19を介して第2内部電極163と互いに対向する。また、第2内部接続導180の第1導体部180Aは、誘電体層11を介して第1内部電極150と互いに対向する。したがって、積層コンデンサC4では、第1及び第2内部接続導体170、180も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサC4の静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC4の積層体L4では、複数の第1及び第2内部電極150〜153、160〜163が、第1内部接続導体170と第2内部接続導体180との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC4では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体L4の中心軸Ax4に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC4では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体L4の第1側面L4aと第2側面L4bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC4では、その実装が容易となる。
(第12実施形態)
図17を参照して、第12実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第12実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体170、180の積層方向での位置の点で第11実施形態に係る積層コンデンサC4と相違する。図17は、第12実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第12実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第11実施形態に係る積層コンデンサC4と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第12実施形態に係る積層コンデンサでは、図17に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体170、180は、各2層の第1及び第2内部電極150、151、160、161と、各2層の第1及び第2内部電極152、153、162、163との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体170は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体180は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体170、180はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第12実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極150〜153とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体170を介して電気的に接続させている。また、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極160〜163とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体180を介して電気的に接続させている。これらにより、第12実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第12実施形態に係る積層コンデンサは、第11実施形態に係る積層コンデンサC4と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第11実施形態に係る積層コンデンサC4では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体170に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第11実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体170を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第12実施形態に係る積層コンデンサは、第11実施形態に係る積層コンデンサC4と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第11実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体180に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体180を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第12実施形態に係る積層コンデンサは、第11実施形態に係る積層コンデンサC4に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体170及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体180の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第12実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第12実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体170の第1導体部170Aは、誘電体層14を介して第2内部電極161と互いに対向する。また、第2内部接続導180の第1導体部180Aは、誘電体層16を介して第1内部電極152と互いに対向する。したがって、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体170、180も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第12実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第12実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第13実施形態)
図18を参照して、第13実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第13実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第11実施形態に係る積層コンデンサC4と相違する。図18は、第13実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第13実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第11実施形態に係る積層コンデンサC4と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第13実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図18に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極150〜153、160〜163とが交互に積層されることにより構成される。
第13実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体170、171と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体180、181とが積層されている。第13実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体170、171、180、181の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体170、180とその残りである第1及び第2内部接続導体171、181との間に、4層の第1内部電極150〜153と4層の第2内部電極160〜163とが配置されている。
第1内部接続導体170は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体171は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体180は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体181は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体170、171、180、181はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第13実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極150〜152とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体170、171を介して電気的に接続させている。また、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極160〜163とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体180、181を介して電気的に接続させている。これらにより、第13実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第13実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC4に比して、第1内部接続導体170、171の数が多く、これらの第1内部接続導体170、171は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第13実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC4に比して、第2内部接続導体180、181の数が多く、これらの第2内部接続導体180〜181は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第13実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC4の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体170〜171及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体180〜181の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
第13実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体171の第1導体部171Aは、誘電体層20を介して第2内部電極163と互いに対向する。また、第2内部接続導180の第1導体部180Aは、誘電体層12を介して第1内部電極150と互いに対向する。したがって、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体171、180も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第13実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極150〜153、160〜163が、第1及び第2内部接続導体170、180と第1及び第2内部接続導体171、181との間に、配置されている。そのため、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第13実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4B、4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B,6Aとがそれぞれ、積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第13実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第14実施形態)
図19及び図20を参照して、第14実施形態に係る積層コンデンサC5の構成について説明する。図19は、第14実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図20は、第14実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第14実施形態に係る積層コンデンサC5は、図19に示すように、積層体L5と、当該積層体L5に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第1端子導体3A、3B、第1外部接続導体5A、及び第2外部接続導体6Aはいずれも、積層体L5の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L5c、L5dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L5a上に位置する。第1端子導体3A、3B、第1外部接続導体5A、及び第2外部接続導体6Aは、図19の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第2外部接続導体6A、第1外部接続導体5A、第1端子導体3Bの順で形成されている。
第2端子導体4A、4B、第1外部接続導体5B、及び第2外部接続導体6Bはいずれも、積層体L5の積層方向と平行な側面のうち、積層体L5の積層方向と直交する面L5c、L5dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L5aと対向する第2側面L5b上に位置する。第2端子導体4A、4B、第1外部接続導体5B、及び第2外部接続導体6Bは、図19の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第1外部接続導体5B、第2外部接続導体6B、第2端子導体4Bの順で形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとは、積層体L5の中心軸のうち、積層体L5の積層方向と直交する2つの側面L5c、L5dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax5に対して互いに線対称に位置する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとは、積層体L5の中心軸Ax5に対して互いに線対称に位置する。第1外部接続導体5Aと第1外部接続導体5Bとは、積層体L5の中心軸Ax5に対して互いに線対称に位置する。第2外部接続導体6Aと第2外部接続導体6Bとは、積層体L5の中心軸Ax5に対して互いに線対称に位置する。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向に沿って対向する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとは、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとは、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L5は、図20に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極190〜193、200〜203とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC5では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L5には、1つの第1内部接続導体210と1つの第2内部接続導体220とが積層されている。積層体L5では、第2内部接続導体220と第1内部接続導体210との間に、複数の第1内部電極190〜193と複数の第2内部電極200〜203とが配置されている。
各第1内部電極190〜193は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極190〜193はそれぞれ、積層体L5における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体195A、195Bはいずれも、第1内部電極190と一体に形成されている。引き出し導体196A、196Bはいずれも、第1内部電極191と一体に形成されている。引き出し導体197A、197Bはいずれも、第1内部電極192と一体に形成されている。引き出し導体198A、198Bはいずれも、第1内部電極193と一体に形成されている。
引き出し導体195Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1内部電極190から伸びている。引き出し導体195Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第1内部電極190から伸びている。引き出し導体196Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1内部電極191から伸びている。引き出し導体196Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第1内部電極191から伸びている。引き出し導体197Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1内部電極192から伸びている。引き出し導体197Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第1内部電極192から伸びている。引き出し導体198Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第1内部電極193から伸びている。引き出し導体198Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第1内部電極193から伸びている。
第1内部電極190は、引き出し導体195Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体195Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極191は、引き出し導体196Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体196Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極192は、引き出し導体197Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体197Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極193は、引き出し導体198Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体198Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極190〜193が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極200〜203は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極200〜203はそれぞれ、積層体L5の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体205A、205Bはいずれも、第2内部電極200と一体に形成されている。引き出し導体206A、206Bはいずれも、第2内部電極201と一体に形成されている。引き出し導体207A、207Bはいずれも、第2内部電極202と一体に形成されている。引き出し導体208A、208Bはいずれも、第2内部電極203と一体に形成されている。
引き出し導体205Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第2内部電極200から伸びている。引き出し導体205Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2内部電極200から伸びている。引き出し導体206Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第2内部電極201から伸びている。引き出し導体206Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2内部電極201から伸びている。引き出し導体207Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第2内部電極202から伸びている。引き出し導体207Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2内部電極202から伸びている。引き出し導体208Aは、積層体L5の第1側面L5aに臨むように第2内部電極203から伸びている。引き出し導体208Bは、積層体L5の第2側面L5bに臨むように第2内部電極203から伸びている。
第2内部電極200は、引き出し導体205Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体205Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極201は、引き出し導体206Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体206Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極202は、引き出し導体207Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体207Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極203は、引き出し導体208Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体208Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極200〜203が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体210は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体220は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体210、220は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体210は、長方形状を呈する第1導体部210Aと、第1導体部210Aから積層体L5の第1側面L5aに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部210B、210C、210Dと、第1導体部210Aから積層体L5の第2側面L5bに引き出されるように伸びる第5導体部210Eとを含む。第1導体部210Aは、その長手方向が積層体L5の第1及び第2側面L5a、L5bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体220は、長方形状を呈する第1導体部220Aと、第1導体部220Aから積層体L5の第2側面L5bに引き出されるように伸びる第2、第3及び第5導体部220B、220C、220Eと、第1導体部220Aから積層体L5の第1側面L5aに引き出されるように伸びる第4導体部220Dとを含む。第1導体部220Aは、その長手方向が積層体L5の第1及び第2側面L5a、L5bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体210においては、第2導体部210Bが第1端子導体3Aに、第3導体部210Cが第1端子導体3Bに、第4導体部210Dが第1外部接続導体5Aに、第5導体部210Eが第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体210は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体220においては、第2導体部220Bが第2端子導体4Aに、第3導体部220Cが第2端子導体4Bに、第4導体部220Dが第2外部接続導体6Aに、第5導体部220Eが第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体220は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体210の第1導体部210Aは、誘電体層19を介して第2内部電極203と互いに対向する領域である。第2内部接続導体220の第1導体部220Aは、誘電体層11を介して第1内部電極190と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部電極190、200はいずれも、積層体L5が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L5に積層されている。
積層コンデンサC5では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極190〜193とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体210を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC5では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極200〜203とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体220を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC5は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体210の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体220の数を調整することにより、積層コンデンサC5の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC5では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC5の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L5の互いに対向する第1及び第2側面L5a、L5b上に形成されている。したがって、積層体L5の例えば4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC5では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC5では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体210の第1導体部210Aは、誘電体層19を介して第2内部電極203と互いに対向する。また、第2内部接続導220の第1導体部220Aは、誘電体層11を介して第1内部電極190と互いに対向する。したがって、積層コンデンサC5では、第1及び第2内部接続導体210、220も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサC5の静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC5では、複数の第1及び第2内部電極190〜193、200〜203が、第1内部接続導体210と第2内部接続導体220との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC5では、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Aとが、積層体L5の第1側面L5a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC5を、第1端子導体3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5Aがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3Bと第1内部接続導体210との間(第1内部接続導体210の第3導体部210C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5Aと第1内部電極190〜193との間(引き出し導体195A〜198A)を流れる電流及び第1外部接続導体5Aと第1内部接続導体210との間(第1内部接続導体210の第4導体部210D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC5では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC5では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが、積層体L5の第2側面L5b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC5を、第2端子導体4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4Bと第2内部接続導体220との間(第2内部接続導体220の第3導体部220C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6Bと第2内部電極200〜200との間(引き出し導体205B〜208B)を流れる電流及び第2外部接続導体6Bと第2内部接続導体220との間(第2内部接続導体220の第5導体部220E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC5では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC5では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第1外部接続導体5Bとが、第2外部接続導体6Aと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、積層体L5の中心軸Ax5に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC5では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC5では、その実装が容易となる。
(第15実施形態)
図21を参照して、第15実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第15実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体210、220の積層方向での位置の点で第14実施形態に係る積層コンデンサC5と相違する。図21は、第15実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第15実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第14実施形態に係る積層コンデンサC5と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第15実施形態に係る積層コンデンサでは、図21に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体210、220は、各2層の第1及び第2内部電極190、191、200、201と、各2層の第1及び第2内部電極192、193、202、203との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体210は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体220は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体210、220はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第15実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極190〜193とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体210を介して電気的に接続させている。また、第15実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極200〜203とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体220を介して電気的に接続させている。これらにより、第15実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第15実施形態に係る積層コンデンサは、第14実施形態に係る積層コンデンサC5と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第14実施形態に係る積層コンデンサC5では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体210に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第14実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体210を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第15実施形態に係る積層コンデンサは、第14実施形態に係る積層コンデンサC5と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第14実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体220に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第15実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体220を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第15実施形態に係る積層コンデンサは、第14実施形態に係る積層コンデンサC5に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体210及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体220の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第15実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第15実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第15実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体210の第1導体部210Aは、誘電体層14を介して第2内部電極201と互いに対向する。また、第2内部接続導220の第1導体部220Aは、誘電体層16を介して第1内部電極192と互いに対向する。したがって、第15実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体210、220も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第15実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC5同様、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第15実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第15実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC5同様、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第15実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第15実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第1外部接続導体5Bとが、第2外部接続導体6Aと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、第15実施形態に係る積層コンデンサ積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第15実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC5では、その実装が容易となる。
(第16実施形態)
図22を参照して、第16実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第16実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第14実施形態に係る積層コンデンサC5と相違する。図22は、第16実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第16実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第14実施形態に係る積層コンデンサC5と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第16実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図22に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極190〜193、200〜203とが交互に積層されることにより構成される。
第16実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体210、211と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体220、221とが積層されている。第16実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体210、211、220、221の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体210、220とその残りである第1及び第2内部接続導体211、221との間に、4層の第1内部電極190〜193と4層の第2内部電極200〜203とが配置されている。
第1内部接続導体210は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体211は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体220は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体221は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体210、211、220、221はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第16実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極190〜192とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体210、211を介して電気的に接続させている。また、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極200〜203とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体220、221を介して電気的に接続させている。これらにより、第16実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第16実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC5に比して、第1内部接続導体210、211の数が多く、これらの第1内部接続導体210、211は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第16実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC5に比して、第2内部接続導体220、221の数が多く、これらの第2内部接続導体220、221は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第16実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC5の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体210、211及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体220、221の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第16実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第16実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体211の第1導体部211Aは、誘電体層20を介して第2内部電極203と互いに対向する。また、第2内部接続導220の第1導体部220Aは、誘電体層12を介して第1内部電極190と互いに対向する。したがって、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体211、220も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第16実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極190〜193、200〜203が、第1及び第2内部接続導体210、220と第1及び第2内部接続導体211、221との間に、配置されている。そのため、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第16実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC5同様、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第16実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第16実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC5同様、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第16実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第16実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第1外部接続導体5Bとが、第2外部接続導体6Aと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、第16実施形態に係る積層コンデンサ積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第16実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L5の第1側面L5aと第2側面L5bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC5では、その実装が容易となる。
(第17実施形態)
図23及び図24を参照して、第17実施形態に係る積層コンデンサC6の構成について説明する。図23は、第17実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図24は、第17実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第17実施形態に係る積層コンデンサC6は、図23に示すように、積層体L6と、当該積層体L6に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第1端子導体3A、3B、及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L6の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L6c、L6dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L6a上に位置する。第1端子導体3A、3B、及び第1外部接続導体5A、5Bは、図23の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第1端子導体3B、第1外部接続導体5Bの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L6の同一側面である第1側面L6a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L6の同一側面である第1側面L6a上において互いに隣り合って形成されている。
第2端子導体4A、4B、及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L6の積層方向と平行な側面のうち、積層体L6の積層方向と直交する面L6c、L6dの長手方向に沿って伸びる側面である第2側面L6b上に位置する。第2端子導体4A、4B、及び第2外部接続導体6A、6Bは、図23の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第2外部接続導体6A、第2端子導体4B、第2外部接続導体6Bの順で形成されている。
したがって、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L6の同一側面である第2側面L6b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L6の同一側面である第2側面L6b上において互いに隣り合って形成されている。
積層体L6は、図24に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極230〜233、240〜243とが交互に積層されることにより構成される。
さらに、積層体L6には、1つの第1内部接続導体250と1つの第2内部接続導体260とが積層されている。積層体L6では、第2内部接続導体260と第1内部接続導体250との間に、複数の第1内部電極230〜233と複数の第2内部電極240〜243とが配置されている。
各第1内部電極230〜233は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極230〜233はそれぞれ、積層体L6における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体235A、235Bはいずれも、第1内部電極230と一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1内部電極230から伸びている。引き出し導体236A、236Bはいずれも、第1内部電極231と一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1内部電極231から伸びている。引き出し導体237A、237Bはいずれも、第1内部電極232と一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1内部電極232から伸びている。引き出し導体238A、238Bはいずれも、第1内部電極233と一体に形成されており、積層体L6の第1側面L6aに臨むように第1内部電極233から伸びている。
第1内部電極230は、引き出し導体235Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体235Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極231は、引き出し導体236Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体236Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極232は、引き出し導体237Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体237Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極233は、引き出し導体238Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導体238Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極230〜233が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極240〜243は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極240〜243はそれぞれ、積層体L6の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体245A、245Bはいずれも、第2内部電極240と一体に形成されており、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2内部電極240から伸びている。引き出し導体246A、246Bはいずれも、第2内部電極241と一体に形成されており、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2内部電極241から伸びている。引き出し導体247A、247Bはいずれも、第2内部電極242と一体に形成されており、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2内部電極242から伸びている。引き出し導体248A、248Bはいずれも、第2内部電極243と一体に形成されており、積層体L6の第2側面L6bに臨むように第2内部電極243から伸びている。
第2内部電極240は、引き出し導体245Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体245Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極241は、引き出し導体246Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体246Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極242は、引き出し導体247Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体247Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極243は、引き出し導体248Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導体248Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極240〜243が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体250は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体260は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体250、260は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体250は、長方形状を呈する第1導体部250Aと、第1導体部250Aから積層体L6の第1側面L6aに引き出されるように伸びる第2、第3、第4、及び第5導体部250B〜250Eとを含む。第1導体部250Aは、その長手方向が積層体L6の第1及び第2側面L6a、L6bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体260は、長方形状を呈する第1導体部260Aと、第1導体部260Aから積層体L6の第2側面L6bに引き出されるように伸びる第2、第3、第4、及び第5導体部260B〜260Eとを含む。第1導体部260Aは、その長手方向が積層体L6の第1及び第2側面L6a、L6bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体250においては、第2導体部250Bが第1端子導体3Aに、第3導体部250Cが第1端子導体3Bに、第4導体部250Dが第1外部接続導体5Aに、第5導体部250Eが第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体250は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体260においては、第2導体部260Bが第2端子導体4Aに、第3導体部260Cが第2端子導体4Bに、第4導体部260Dが第2外部接続導体6Aに、第5導体部260Eが第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体260は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体250の第1導体部250Aは、誘電体層19を介して第2内部電極243と互いに対向する領域である。第2内部接続導体260の第1導体部260Aは、誘電体層11を介して第1内部電極230と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体250、260はいずれも、積層体L6が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L6に積層されている。
積層コンデンサC6では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極230〜233とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体250を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC6では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極240〜243とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体260を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC6は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体250の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体260の数を調整することにより、積層コンデンサC6の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC6では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC6の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L6の互いに対向する第1及び第2側面L6a、L6b上に形成されている。したがって、積層体L6の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC6では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC6では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体250は、積層体の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極243と互いに対向する領域である第1導体部250Aを有する。また、第2内部接続導体260は、積層体L6の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極230と互いに対向する領域である第1導体部260Aを有する。したがって、第1及び第2内部接続導体250、260はいずれも積層コンデンサC6の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC6では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC6では、複数の第1及び第2内部電極230〜233、240〜243が、第1内部接続導体250と第2内部接続導体260との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC6では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、さらに、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとが、積層体L6の第1側面L6a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC6を、第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5A、5Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第1内部接続導体250との間(第1内部接続導体250の第2及び第3導体部250B、250C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5A、5Bと第1内部電極230〜233との間(引き出し導体235A〜238A、235B〜238B)を流れる電流及び第1外部接続導体5A、5Bと第1内部接続導体250との間(第1内部接続導体250の第4及び第5導体部250D、250E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC6では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC6では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、さらに、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが、積層体L6の第2側面L6b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC6を、第2端子導体4A、4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4A、4Bと第2内部接続導体260との間(第2内部接続導体260の第2及び第3導体部260B、260C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6A、6Bと第2内部電極240〜243との間(引き出し導体245A〜248A、245B〜248B)を流れる電流及び第2外部接続導体6A、6Bと第2内部接続導体260との間(第2内部接続導体260の第4及び第5導体部260D、260E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC6では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC6では、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体L6の第1側面L6a上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体L6の第2側面L6b上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、積層コンデンサC6を流れる電流に起因して発生する磁界について、顕著な相殺効果を得ることができる。その結果、積層コンデンサC6では等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
(第18実施形態)
図25を参照して、第18実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第18実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体250、260の積層方向での位置の点で第17実施形態に係る積層コンデンサC6と相違する。図25は、第18実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第18実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第17実施形態に係る積層コンデンサC6と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第18実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、各1つの第1内部接続導体250と第2内部接続導体260とが積層されている。第18実施形態に係る積層コンデンサでは、図25に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体250、260は、各2層の第1及び第2内部電極230、231、240、241と、各2層の第1及び第2内部電極232、233、242、243との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体250は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体260は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体250、260はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第18実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極230〜233とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体250を介して電気的に接続させている。また、第18実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極240〜243とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体260を介して電気的に接続させている。これらにより、第18実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第18実施形態に係る積層コンデンサは、第17実施形態に係る積層コンデンサC6と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第17実施形態に係る積層コンデンサC6では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体250に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第17実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体250を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第18実施形態に係る積層コンデンサは、第17実施形態に係る積層コンデンサC6と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第17実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体260に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第18実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体260を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第18実施形態に係る積層コンデンサは、第17実施形態に係る積層コンデンサC6に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体250及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体260の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第18実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第18実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第18実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体250の第1導体部250Aは、誘電体層14を介して第2内部電極241と互いに対向する。また、第2内部接続導体260の第1導体部260Aは、誘電体層16を介して第1内部電極232と互いに対向する。したがって、第18実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体250、260も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第18実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC6同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第18実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第18実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC6同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第18実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第18実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体L6の第1側面L6a上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体L6の第2側面L6b上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第18実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
(第19実施形態)
図26を参照して、第19実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第19実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第17実施形態に係る積層コンデンサC6と相違する。図26は、第19実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第19実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第17実施形態に係る積層コンデンサC6と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第19実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図26に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極230〜233、240〜243とが交互に積層されることにより構成される。
第19実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体250、251と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体260、261とが積層されている。第19実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、各1つの第1及び第2内部接続導体250、260と各1つの第1及び第2内部接続導体251、261との間に、4層の第1内部電極230〜233と4層の第2内部電極240〜243とが配置されている。
第1内部接続導体250は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体251は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体260は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体261は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体250、251、260、261はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第19実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極230〜232とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体250、251を介して電気的に接続させている。また、第19実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極240〜243とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体260、261を介して電気的に接続させている。これらにより、第19実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第19実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC6に比して、第1内部接続導体250、251の数が多く、これらの第1内部接続導体250、251は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第19実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC6に比して、第2内部接続導体260、261の数が多く、これらの第2内部接続導体260、261は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第19実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC6の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体250、251及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体260、261の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
第19実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第18実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体251の第1導体部251Aは、誘電体層20を介して第2内部電極243と互いに対向する。また、第2内部接続導体260の第1導体部260Aは、誘電体層12を介して第1内部電極230と互いに対向する。したがって、第19実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体251、260も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第19実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極230〜233240〜243が、第1及び第2内部接続導体250、260と第1及び第2内部接続導体251、261との間に、配置されている。そのため、第19実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第19実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC6同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第19実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第19実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC6同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第19実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第19実施形態に係る積層コンデンサでは、同数の第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bが、積層体L6の第1側面L6a上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。また、同数の第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bが、積層体L6の第2側面L6b上で互いに隣り合う対を形成しながら配置されている。そのため、第19実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスをより一層大幅に低減することが可能となる。
(第20実施形態)
図27及び図28を参照して、第20実施形態に係る積層コンデンサC7の構成について説明する。図27は、第20実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図28は、第20実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第20実施形態に係る積層コンデンサC7は、図27に示すように、積層体L7と、当該積層体L7に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第1端子導体3A、3B、及び第1外部接続導体5Aはいずれも、積層体L7の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L7c、L7dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L7a上に位置する。第1端子導体3A、3B、及び第1外部接続導体5Aは、図27の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第1端子導体3Bの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L7の同一側面である第1側面L7a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Aとは、積層体L7の同一側面である第1側面L7a上において互いに隣り合って形成されている。
第2端子導体4A、4B、及び第2外部接続導体6Aはいずれも、積層体L7の積層方向と平行な側面のうち、積層体L7の積層方向と直交する面L7c、L7dの長手方向に沿って伸びる側面である第2側面L7b上に位置する。第2端子導体4A、4B、及び第2外部接続導体6Aは、図27の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第2外部接続導体6A、第2端子導体4Bの順で形成されている。
したがって、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L7の同一側面である第2側面L7b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L7の同一側面である第2側面L7b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとは、積層体L7の中心軸のうち、積層体L7の積層方向と直交する2つの側面L7c、L7dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax7に対して互いに線対称である。第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとは、積層体L7の中心軸Ax7に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L7の中心軸Ax7に対して互いに線対称である。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向に沿って対向する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとは、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L7は、図28に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極270〜273、280〜283とが交互に積層されることにより構成される。
さらに、積層体L7には、1つの第1内部接続導体290と1つの第2内部接続導体300とが積層されている。積層体L7では、第2内部接続導体300と第1内部接続導体290との間に、複数の第1内部電極270〜273と複数の第2内部電極280〜283とが配置されている。
各第1内部電極270〜273は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極270〜273はそれぞれ、積層体L7における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体275Aは、第1内部電極270と一体に形成されており、積層体L7の第1側面L7aに臨むように第1内部電極270から伸びている。引き出し導体276Aは、第1内部電極271と一体に形成されており、積層体L7の第1側面L7aに臨むように第1内部電極271から伸びている。引き出し導体277Aは、第1内部電極272と一体に形成されており、積層体L7の第1側面L7aに臨むように第1内部電極272から伸びている。引き出し導体278Aは、第1内部電極273と一体に形成されており、積層体L7の第1側面L7aに臨むように第1内部電極273から伸びている。
第1内部電極270は、引き出し導体275Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極271は、引き出し導体276Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極272は、引き出し導体277Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極273は、引き出し導体278Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極270〜273が、第1外部接続導体5Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極280〜283は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極280〜283はそれぞれ、積層体L7の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体285Aは、第2内部電極280と一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2内部電極280から伸びている。引き出し導体286Aは、第2内部電極281と一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2内部電極281から伸びている。引き出し導体287Aは、第2内部電極282と一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2内部電極282から伸びている。引き出し導体288Aは、第2内部電極283と一体に形成されており、積層体L7の第2側面L7bに臨むように第2内部電極283から伸びている。
第2内部電極280は、引き出し導体285Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極281は、引き出し導体286Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極282は、引き出し導体287Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極283は、引き出し導体288Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極280〜283が、第2外部接続導体6Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体290は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体300は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体290、300は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体290は、長方形状を呈する第1導体部290Aと、第1導体部290Aから積層体L7の第1側面L7aに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部290B〜290Dとを含む。第1導体部290Aは、その長手方向が積層体L7の第1及び第2側面L7a、L7bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体300は、長方形状を呈する第1導体部300Aと、第1導体部300Aから積層体L7の第2側面L7bに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部300B〜300Dとを含む。第1導体部300Aは、その長手方向が積層体L7の第1及び第2側面L7a、L7bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体290においては、第2導体部290Bが第1端子導体3Aに、第3導体部290Cが第1端子導体3Bに、第4導体部290Dが第1外部接続導体5Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体290は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5Aとに電気的に接続される。
第2内部接続導体300においては、第2導体部300Bが第2端子導体4Aに、第3導体部300Cが第2端子導体4Bに、第4導体部300Dが第2外部接続導体6Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体300は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6Aとに電気的に接続される。
第1内部接続導体290の第1導体部290Aは、誘電体層19を介して第2内部電極283と互いに対向する領域である。第2内部接続導体300の第1導体部300Aは、誘電体層11を介して第1内部電極270と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体290、300はいずれも、積層体L7が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L7に積層されている。
積層コンデンサC7では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極270〜273とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体290を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC7では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極280〜283とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体300を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC7は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体290の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体300の数を調整することにより、積層コンデンサC7の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC7では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC7の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、6Aはすべて、積層体L7の互いに対向する第1及び第2側面L7a、L7b上に形成されている。したがって、積層体L7の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC7では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC7では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体290は、積層体の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極283と互いに対向する領域である第1導体部290Aを有する。また、第2内部接続導体300は、積層体L7の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極270と互いに対向する領域である第1導体部300Aを有する。したがって、第1及び第2内部接続導体290、300はいずれも積層コンデンサC7の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC7では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC7では、複数の第1及び第2内部電極270〜273、280〜283が、第1内部接続導体290と第2内部接続導体300との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC7では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、さらに、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Aとが、積層体L7の第1側面L7a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC7を、第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5Aがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第1内部接続導体290との間(第1内部接続導体290の第2及び第3導体部290B、290C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5Aと第1内部電極270〜273との間(引き出し導体275A〜278A)を流れる電流及び第1外部接続導体5Aと第1内部接続導体290との間(第1内部接続導体290の第4導体部290D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC7では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC7では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、さらに、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとが、積層体L7の第2側面L7b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC7を、第2端子導体4A、4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6Aがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4A、4Bと第2内部接続導体300との間(第2内部接続導体300の第2及び第3導体部300B、300C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6Aと第2内部電極280〜283との間(引き出し導体285A〜288A)を流れる電流及び第2外部接続導体6Aと第2内部接続導体300との間(第2内部接続導体300の第4導体部300D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC7では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC7では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L7の中心軸Ax7に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC7では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、それぞれ、積層体L7の第1側面L7aと第2側面L7bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC7では、その実装が容易となる。
(第21実施形態)
図29を参照して、第21実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第21実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体290、300の積層方向での位置の点で第20実施形態に係る積層コンデンサC7と相違する。図29は、第21実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第21実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第20実施形態に係る積層コンデンサC7と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第21実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、各1つの第1内部接続導体290と第2内部接続導体300とが積層されている。第21実施形態に係る積層コンデンサでは、図29に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体290、300は、各2層の第1及び第2内部電極270、271、280、281と、各2層の第1及び第2内部電極272、273、282、283との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体290は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体300は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体290、300はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第21実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極270〜273とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体290を介して電気的に接続させている。また、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極280〜283とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体300を介して電気的に接続させている。これらにより、第21実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第21実施形態に係る積層コンデンサは、第20実施形態に係る積層コンデンサC7と比べて、第1外部接続導体5Aの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第20実施形態に係る積層コンデンサC7では、第1外部接続導体5Aの抵抗成分は、第1内部接続導体290に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第20実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5Aの抵抗成分は、第1内部接続導体290を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第21実施形態に係る積層コンデンサは、第20実施形態に係る積層コンデンサC7と比べて、第2外部接続導体6Aの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第20実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6Aの抵抗成分は、第2内部接続導体300に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6Aの抵抗成分は、第2内部接続導体300を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、6Aの抵抗成分の差異に起因して、第21実施形態に係る積層コンデンサは、第20実施形態に係る積層コンデンサC7に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体290及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体300の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第21実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第21実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、6A)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体290の第1導体部290Aは、誘電体層14を介して第2内部電極281と互いに対向する。また、第2内部接続導体300の第1導体部300Aは、誘電体層16を介して第1内部電極272と互いに対向する。したがって、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体290、300も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第21実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC7同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5Aとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第21実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第21実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC7同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第21実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第21実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、第21実施形態に係る積層コンデンサの積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、それぞれ、第21実施形態に係る積層コンデンサ積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第22実施形態)
図30を参照して、第22実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第22実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第20実施形態に係る積層コンデンサC7と相違する。図30は、第22実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第22実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第20実施形態に係る積層コンデンサC7と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第22実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図30に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極270〜273、280〜283とが交互に積層されることにより構成される。
第22実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体290、291と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体300、301とが積層されている。第22実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、各1つの第1及び第2内部接続導体290、300と各1つの第1及び第2内部接続導体291、301との間に、4層の第1内部電極270〜273と4層の第2内部電極280〜283とが配置されている。
第1内部接続導体290は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体291は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体300は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体301は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体290、291、300、301はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第22実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極270〜272とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体290、291を介して電気的に接続させている。また、第22実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極280〜283とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体300、301を介して電気的に接続させている。これらにより、第22実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第22実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC7に比して、第1内部接続導体290、291の数が多く、これらの第1内部接続導体290、291は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第22実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC7に比して、第2内部接続導体300、301の数が多く、これらの第2内部接続導体300、301は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第22実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC7の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体290、291及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体300、301の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
第22実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、6A)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第21実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体291の第1導体部291Aは、誘電体層20を介して第2内部電極283と互いに対向する。また、第2内部接続導体300の第1導体部300Aは、誘電体層12を介して第1内部電極270と互いに対向する。したがって、第22実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体291、300も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第22実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極270〜273、280〜283が、第1及び第2内部接続導体290、300と第1及び第2内部接続導体291、301との間に、配置されている。そのため、第22実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第22実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC7同様、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5Aとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第22実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第22実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC7同様、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第22実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第22実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、第22実施形態に係る積層コンデンサの積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第22実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、それぞれ、第22実施形態に係る積層コンデンサ積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第22実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第23実施形態)
図31及び図32を参照して、第23実施形態に係る積層コンデンサC8の構成について説明する。図31は、第23実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図32は、第23実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第23実施形態に係る積層コンデンサC8は、図31に示すように、積層体L8と、当該積層体L8に形成された第1端子導体3Aと、同じく積層体に形成された第2端子導体4Aと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5A、5Bと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6A、6Bとを備えている。
第1端子導体3A、及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、積層体L8の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L8c、L8dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L8a上に位置する。第1端子導体3A、及び第1外部接続導体5A、5Bは、図31の左側から右側に向かって、第1外部接続導体5A、第1端子導体3A、第1外部接続導体5Bの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L8の同一側面である第1側面L8a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Aと第2外部接続導体5Bとは、積層体L8の同一側面である第1側面L8a上において互いに隣り合って形成されている。
第2端子導体4A、及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、積層体L8の積層方向と平行な側面のうち、積層体L8の積層方向と直交する面L8c、L8dの長手方向に沿って伸びる側面である第2側面L8b上に位置する。第2端子導体4A、及び第2外部接続導体6A、6Bは、図31の左側から右側に向かって、第2外部接続導体6A、第2端子導体4A、第2外部接続導体6Bの順で形成されている。
したがって、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L8の同一側面である第2側面L8b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L8の同一側面である第2側面L8b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L8の中心軸のうち、積層体L8の積層方向と直交する2つの側面L8c、L8dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax8に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとは、積層体L8の中心軸Ax8に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L8の中心軸Ax8に対して互いに線対称である。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L8の第1側面L8aと第2側面L8bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L8の第1側面L8aと第2側面L8bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L8の第1側面L8aと第2側面L8bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L8は、図32に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極310〜313、320〜323とが交互に積層されることにより構成される。
さらに、積層体L8には、1つの第1内部接続導体330と1つの第2内部接続導体340とが積層されている。積層体L8では、第2内部接続導体340と第1内部接続導体330との間に、複数の第1内部電極310〜313と複数の第2内部電極320〜323とが配置されている。
各第1内部電極310〜313は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極310〜313はそれぞれ、積層体L8における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体315A、315Bはいずれも、第1内部電極310と一体に形成されており、積層体L8の第1側面L8aに臨むように第1内部電極310から伸びている。引き出し導体316A、316Bはいずれも、第1内部電極311と一体に形成されており、積層体L8の第1側面L8aに臨むように第1内部電極311から伸びている。引き出し導体317A、317Bはいずれも、第1内部電極312と一体に形成されており、積層体L8の第1側面L8aに臨むように第1内部電極312から伸びている。引き出し導体318A、318Bはいずれも、第1内部電極313と一体に形成されており、積層体L8の第1側面L8aに臨むように第1内部電極313から伸びている。
第1内部電極310は、引き出し導体315Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導315Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極311は、引き出し導体316Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導316Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極312は、引き出し導体317Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導317Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極313は、引き出し導体318Aを介して第1外部接続導体5Aに、さらに、引き出し導318Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極310〜313が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極320〜323は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極320〜323はそれぞれ、積層体L8の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体325A、325Bはいずれも、第2内部電極320と一体に形成されており、積層体L8の第2側面L8bに臨むように第2内部電極320から伸びている。引き出し導体326A、326Bはいずれも、第2内部電極321と一体に形成されており、積層体L8の第2側面L8bに臨むように第2内部電極321から伸びている。引き出し導体327A、327Bはいずれも、第2内部電極322と一体に形成されており、積層体L8の第2側面L8bに臨むように第2内部電極322から伸びている。引き出し導体328A、328Bはいずれも、第2内部電極323と一体に形成されており、積層体L8の第2側面L8bに臨むように第2内部電極323から伸びている。
第2内部電極320は、引き出し導体325Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導325Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極321は、引き出し導体326Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導326Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極322は、引き出し導体327Aを介して第2外部接続導体6Aに、さらに、引き出し導327Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極323は、引き出し導体328Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に、さらに、引き出し導328Bを介して第2外部接続導体6Bに接続される。これにより、複数の第2内部電極320〜323が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体330は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体340は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体330、340は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体330は、長方形状を呈する第1導体部330Aと、第1導体部330Aから積層体L8の第1側面L8aに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部330B〜330Dとを含む。第1導体部330Aは、その長手方向が積層体L8の第1及び第2側面L8a、L8bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体340は、長方形状を呈する第1導体部340Aと、第1導体部340Aから積層体L8の第2側面L8bに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部340B〜340Dとを含む。第1導体部340Aは、その長手方向が積層体L8の第1及び第2側面L8a、L8bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体330においては、第2導体部330Bが第1端子導体3Aに、第3導体部330Cが第1外部接続導体5Aに、第4導体部330Dが第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体330は、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体340においては、第2導体部340Bが第2端子導体4Aに、第3導体部340Cが第2外部接続導体6Aに、第4導体部340Dが第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体340は、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体330の第1導体部330Aは、誘電体層19を介して第2内部電極323と互いに対向する領域である。第2内部接続導体340の第1導体部340Aは、誘電体層11を介して第1内部電極310と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体330、340はいずれも、積層体L8が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L8に積層されている。
積層コンデンサC8では、第1端子導体3Aと第1内部電極310〜313とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体330を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC8では、第2端子導体4Aと第2内部電極320〜323とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体340を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC8は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3Aに直接接続される第1内部接続導体330の数及び第2端子導体4Aに直接接続される第2内部接続導体340の数を調整することにより、積層コンデンサC8の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC8では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC8の外部導体である第1及び第2端子導体3A、4A、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L8の互いに対向する第1及び第2側面L8a、L8b上に形成されている。したがって、積層体L8の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC8では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC8では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体330は、積層体の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極323と互いに対向する領域である第1導体部330Aを有する。また、第2内部接続導体340は、積層体L8の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極310と互いに対向する領域である第1導体部340Aを有する。したがって、第1及び第2内部接続導体330、340はいずれも積層コンデンサC8の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC8では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC8では、複数の第1及び第2内部電極310〜313、320〜323が、第1内部接続導体330と第2内部接続導体340との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC8では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、さらに、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Bとが、積層体L8の第1側面L8a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC8を、第1端子導体3Aがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5A、5Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3Aと第1内部接続導体330との間(第1内部接続導体330の第2導体部330B)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5A、5Bと第1内部電極310〜313との間(引き出し導体315A〜318A、315B〜318B)を流れる電流及び第1外部接続導体5A、5Bと第1内部接続導体290との間(第1内部接続導体290の第3及び第4導体部290C、290D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC8では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC8では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、さらに、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Bとが、積層体L8の第2側面L8b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC8を、第2端子導体4Aがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4Aと第2内部接続導体340との間(第2内部接続導体340の第2導体部340B)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6A、6Bと第2内部電極320〜323との間(引き出し導体325A〜328A、325B〜328B)を流れる電流及び第2外部接続導体6Aと第2内部接続導体340との間(第2内部接続導体340の第3及び第4導体部340C、340D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC8では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
積層コンデンサC8では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B、6Aとがそれぞれ、積層体L8の中心軸Ax8に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC8では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとが、それぞれ、積層体L8の第1側面L8aと第2側面L8bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC8では、その実装が容易となる。
(第24実施形態)
図33を参照して、第24実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第24実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体330、340の積層方向での位置の点で第23実施形態に係る積層コンデンサC8と相違する。図33は、第24実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第24実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第23実施形態に係る積層コンデンサC8と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第24実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、各1つの第1内部接続導体330と第2内部接続導体340とが積層されている。第24実施形態に係る積層コンデンサでは、図33に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体330、340は、各2層の第1及び第2内部電極310、311、320、321と、各2層の第1及び第2内部電極312、313、322、323との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体330は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体340は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体330、340はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第24実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第1内部電極310〜313とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体330を介して電気的に接続させている。また、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4Aと第2内部電極320〜323とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体340を介して電気的に接続させている。これらにより、第24実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3Aに着目すると、第24実施形態に係る積層コンデンサは、第23実施形態に係る積層コンデンサC8と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3Aへの接続のされ方が異なる。すなわち、第23実施形態に係る積層コンデンサC8では、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体330に対して直列接続されて、第1端子導体3Aに接続されている。一方、第23実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体330を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3Aに対して並列接続される。
また、第2端子導体4Aに着目すると、第24実施形態に係る積層コンデンサは、第23実施形態に係る積層コンデンサC8と比べて、第2外部接続導体6A、6bの抵抗成分の第2端子導体4Aへの接続のされ方が異なる。すなわち、第23実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体340に対して直列接続されて、第2端子導体4Aに接続されている。一方、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体340を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4Aに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bの抵抗成分の差異に起因して、第24実施形態に係る積層コンデンサは、第23実施形態に係る積層コンデンサC8に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3Aに直接接続される第1内部接続導体330及び第2端子導体4Aに直接接続される第2内部接続導体340の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第24実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第24実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、4A、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体330の第1導体部330Aは、誘電体層14を介して第2内部電極321と互いに対向する。また、第2内部接続導体340の第1導体部340Aは、誘電体層16を介して第1内部電極312と互いに対向する。したがって、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体330、340も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第24実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC8同様、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5A、5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第24実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第24実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC8同様、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6A、6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第24実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第24実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6B、6Aとがそれぞれ、第24実施形態に係る積層コンデンサの積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、6Bとが、それぞれ、第24実施形態に係る積層コンデンサ積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第25実施形態)
図34を参照して、第25実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第25実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第23実施形態に係る積層コンデンサC8と相違する。図34は、第25実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第25実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第23実施形態に係る積層コンデンサC8と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第25実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図34に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極310〜313、320〜323とが交互に積層されることにより構成される。
第25実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体330、331と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体340、341とが積層されている。第25実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、各1つの第1及び第2内部接続導体330、340と各1つの第1及び第2内部接続導体331、341との間に、4層の第1内部電極310〜313と4層の第2内部電極320〜323とが配置されている。
第1内部接続導体330は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体331は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体340は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体341は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体330、331、340、341はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第25実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第1内部電極310〜312とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体330、331を介して電気的に接続させている。また、第25実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4Aと第2内部電極320〜323とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体340、341を介して電気的に接続させている。これらにより、第25実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第25実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC8に比して、第1内部接続導体330、331の数が多く、これらの第1内部接続導体330、331は対応する第1端子導体3Aに対して並列接続される。また、第25実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC8に比して、第2内部接続導体340、341の数が多く、これらの第2内部接続導体340、341は対応する第2端子導体4Aに対して並列接続される。したがって、第25実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC8の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3Aに直接接続される第1内部接続導体330、331及び第2端子導体4Aに直接接続される第2内部接続導体340、341の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
第25実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、4A、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第24実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体331の第1導体部331Aは、誘電体層20を介して第2内部電極323と互いに対向する。また、第2内部接続導体340の第1導体部340Aは、誘電体層12を介して第1内部電極310と互いに対向する。したがって、第25実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体331、340も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第25実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極310〜313、320〜323が、第1及び第2内部接続導体330、340と第1及び第2内部接続導体331、341との間に、配置されている。そのため、第25実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第25実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC8同様、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5A,5Bとがそれぞれ、積層体の第1側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第25実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第25実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC8同様、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6A,6Bとがそれぞれ、積層体の第2側面上において互いに隣り合って形成されている。そのため、第25実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
第25実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5A,5Bと第2外部接続導体6B、6Aとがそれぞれ、第25実施形態に係る積層コンデンサの積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第25実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5A、5Bと第2外部接続導体6A、5Bとが、それぞれ、第25実施形態に係る積層コンデンサ積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第25実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第26実施形態)
図35及び図36を参照して、第26実施形態に係る積層コンデンサC9の構成について説明する。図35は、第26実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図36は、第26実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第26実施形態に係る積層コンデンサC9は、図35に示すように、積層体L9と、当該積層体L9に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第1端子導体3A、3B、及び第2外部接続導体6Aはいずれも、積層体L9の積層方向と平行な側面のうち、積層体の積層方向と直交する面L9c、L9dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L9a上に位置する。第1端子導体3A、3B、及び第2外部接続導体6Aは、図35の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第2外部接続導体6A、第1端子導体3Bの順で形成されている。
第2端子導体4A、4B、及び第1外部接続導体5Aはいずれも、積層体L9の積層方向と平行な側面のうち、積層体L9の積層方向と直交する面L9c、L9dの長手方向に沿って伸びる側面である第2側面L9b上に位置する。第2端子導体4A、4B、及び第1外部接続導体5Aは、図35の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4Bの順で形成されている。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとは、積層体L9の中心軸のうち、積層体L9の積層方向と直交する2つの側面L9c、L9dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax9に対して互いに線対称である。第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとは、積層体L9の中心軸Ax9に対して互いに線対称である。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L9の中心軸Ax9に対して互いに線対称である。
第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとは、積層体L9の第1側面L9aと第2側面L9bとの対向方向に沿って対向する。第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとは、積層体L9の第1側面L9aと第2側面L9bとの対向方向に沿って対向する。第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L9の第1側面L9aと第2側面L9bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L9は、図36に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極350〜353、360〜363とが交互に積層されることにより構成される。
さらに、積層体L9には、1つの第1内部接続導体370と1つの第2内部接続導体380とが積層されている。積層体L9では、第2内部接続導体380と第1内部接続導体370との間に、複数の第1内部電極350〜353と複数の第2内部電極360〜363とが配置されている。
各第1内部電極350〜353は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極350〜353はそれぞれ、積層体L9における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体355Aは、第1内部電極350と一体に形成されており、積層体L9の第2側面L9bに臨むように第1内部電極350から伸びている。引き出し導体356Aは、第1内部電極351と一体に形成されており、積層体L9の第2側面L9bに臨むように第1内部電極351から伸びている。引き出し導体357Aは、第1内部電極352と一体に形成されており、積層体L9の第2側面L9bに臨むように第1内部電極352から伸びている。引き出し導体358Aは、第1内部電極353と一体に形成されており、積層体L9の第2側面L9bに臨むように第1内部電極353から伸びている。
第1内部電極350は、引き出し導体355Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極351は、引き出し導体356Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極352は、引き出し導体357Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極353は、引き出し導体358Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極350〜353が、第1外部接続導体5Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極360〜363は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極360〜363はそれぞれ、積層体L9の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。
引き出し導体365Aは、第2内部電極360と一体に形成されており、積層体L9の第1側面L9aに臨むように第2内部電極360から伸びている。引き出し導体366Aは、第2内部電極361と一体に形成されており、積層体L9の第1側面L9aに臨むように第2内部電極361から伸びている。引き出し導体367Aは、第2内部電極362と一体に形成されており、積層体L9の第1側面L9aに臨むように第2内部電極362から伸びている。引き出し導体368Aは、第2内部電極363と一体に形成されており、積層体L9の第1側面L9aに臨むように第2内部電極363から伸びている。
第2内部電極360は、引き出し導体365Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極361は、引き出し導体366Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極362は、引き出し導体367Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極363は、引き出し導体368Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極360〜363が、第2外部接続導体6Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体370は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体380は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1及び第2内部接続導体370、380は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体370は、長方形状を呈する第1導体部370Aと、第1導体部370Aから積層体L9の第1側面L9aに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部370B〜370Dとを含む。第1導体部370Aは、その長手方向が積層体L9の第1及び第2側面L9a、L9bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体380は、長方形状を呈する第1導体部380Aと、第1導体部380Aから積層体L9の第2側面L9bに引き出されるように伸びる第2、第3、及び第4導体部380B〜380Dとを含む。第1導体部380Aは、その長手方向が積層体L9の第1及び第2側面L9a、L9bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体370においては、第2導体部370Bが第1端子導体3Aに、第3導体部370Cが第1端子導体3Bに、第4導体部370Dが第1外部接続導体5Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体370は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5Aとに電気的に接続される。
第2内部接続導体380においては、第2導体部380Bが第2端子導体4Aに、第3導体部380Cが第2端子導体4Bに、第4導体部380Dが第2外部接続導体6Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体380は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6Aとに電気的に接続される。
第1内部接続導体370の第1導体部370Aは、誘電体層19を介して第2内部電極363と互いに対向する領域である。第2内部接続導体380の第1導体部380Aは、誘電体層11を介して第1内部電極350と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体370、380はいずれも、積層体L9が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L9に積層されている。
積層コンデンサC9では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極350〜353とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体370を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC9では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極360〜363とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体380を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC9は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体370の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体380の数を調整することにより、積層コンデンサC9の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC9では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC9の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、6Aはすべて、積層体L9の互いに対向する第1及び第2側面L9a、L9b上に形成されている。したがって、積層体L9の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC9では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC9では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体370は、積層体の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極363と互いに対向する領域である第1導体部370Aを有する。また、第2内部接続導体380は、積層体L9の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極350と互いに対向する領域である第1導体部380Aを有する。したがって、第1及び第2内部接続導体370、380はいずれも積層コンデンサC9の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC9では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC9では、複数の第1及び第2内部電極350〜353、360〜363が、第1内部接続導体370と第2内部接続導体380との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC9では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L9の中心軸Ax9に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、積層コンデンサC9では、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、それぞれ、積層体L9の第1側面L9aと第2側面L9bとの対向方向で対向する。そのため、積層コンデンサC9では、その実装が容易となる。
(第27実施形態)
図37を参照して、第27実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第27実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体370、380の積層方向での位置の点で第26実施形態に係る積層コンデンサC9と相違する。図37は、第27実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第27実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第26実施形態に係る積層コンデンサC9と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第27実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、各1つの第1内部接続導体370と第2内部接続導体380とが積層されている。第27実施形態に係る積層コンデンサでは、図37に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体370、380は、各2層の第1及び第2内部電極350、351、360、361と、各2層の第1及び第2内部電極352、353、362、363との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体370は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体380は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第1及び第2内部接続導体370、380はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第27実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極350〜353とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体370を介して電気的に接続させている。また、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極360〜363とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体380を介して電気的に接続させている。これらにより、第27実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第27実施形態に係る積層コンデンサは、第26実施形態に係る積層コンデンサC9と比べて、第1外部接続導体5Aの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第26実施形態に係る積層コンデンサC9では、第1外部接続導体5Aの抵抗成分は、第1内部接続導体370に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続されている。一方、第26実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5Aの抵抗成分は、第1内部接続導体370を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第27実施形態に係る積層コンデンサは、第26実施形態に係る積層コンデンサC9と比べて、第2外部接続導体6Aの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第26実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6Aの抵抗成分は、第2内部接続導体380に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続されている。一方、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6Aの抵抗成分は、第2内部接続導体380を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。したがって、第1及び第2外部接続導体5A、6Aの抵抗成分の差異に起因して、第27実施形態に係る積層コンデンサは、第26実施形態に係る積層コンデンサC9に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体370及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体380の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第27実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第27実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、6A)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体370の第1導体部370Aは、誘電体層14を介して第2内部電極361と互いに対向する。また、第2内部接続導体380の第1導体部380Aは、誘電体層16を介して第1内部電極352と互いに対向する。したがって、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体370、380も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第27実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、第27実施形態に係る積層コンデンサの積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、それぞれ、第27実施形態に係る積層コンデンサ積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
(第28実施形態)
図38を参照して、第28実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第28実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体の数の点で第26実施形態に係る積層コンデンサC9と相違する。図38は、第28実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第28実施形態に係る積層コンデンサは、図示は省略するが、第26実施形態に係る積層コンデンサC9と同じく、積層体と、当該積層体に形成された第1端子導体3A、3Bと、同じく積層体に形成された第2端子導体4A、4Bと、同じく積層体に形成された第1外部接続導体5Aと、同じく積層体に形成された第2外部接続導体6Aとを備えている。
第28実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図38に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極350〜353、360〜363とが交互に積層されることにより構成される。
第28実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体370、371と複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体380、381とが積層されている。第28実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、各1つの第1及び第2内部接続導体370、380と各1つの第1及び第2内部接続導体371、381との間に、4層の第1内部電極350〜353と4層の第2内部電極360〜363とが配置されている。
第1内部接続導体370は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体371は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体380は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体381は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1及び第2内部接続導体370、371、380、381はいずれも、積層体が、誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第28実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極350〜352とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体370、371を介して電気的に接続させている。また、第28実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極360〜363とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体380、381を介して電気的に接続させている。これらにより、第28実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第28実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC9に比して、第1内部接続導体370、371の数が多く、これらの第1内部接続導体370、371は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第28実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC9に比して、第2内部接続導体380、381の数が多く、これらの第2内部接続導体380、381は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。したがって、第28実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC9の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体370、371及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体380、381の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。
第28実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、6A)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第27実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体371の第1導体部371Aは、誘電体層20を介して第2内部電極363と互いに対向する。また、第2内部接続導体380の第1導体部380Aは、誘電体層12を介して第1内部電極350と互いに対向する。したがって、第28実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体371、380も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第28実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極350〜353、360〜363が、第1及び第2内部接続導体370、380と第1及び第2内部接続導体371、381との間に、配置されている。そのため、第28実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第28実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、第28実施形態に係る積層コンデンサの積層体の中心軸に関して互いに線対称の位置に形成されている。また、第28実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、それぞれ、第28実施形態に係る積層コンデンサ積層体の第1側面と第2側面との対向方向で対向する。そのため、第28実施形態に係る積層コンデンサでは、その実装が容易となる。
なお、第1〜第28実施形態において、第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4Bの数は、上述した実施形態に記載された数に限られない。したがって、例えば第1及び第2端子導体はそれぞれ1つであっても、あるいはそれぞれ3つ以上であってもよい。また、第1〜第28実施形態において、第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bの位置も、上述した実施形態に記載された位置に限られず、積層体の互いに対向する第1及び第2側面の少なくともいずれか一方に形成されていればよい。したがって、第2端子導体が積層体の第1側面上に形成されていてもよい。第1外部接続導体が積層体の第2側面上に形成されていてもよい。第2外部接続導体が積層体の第1側面上に形成されていてもよい。
(第29実施形態)
図39及び図40を参照して、第29実施形態に係る積層コンデンサC10の構成について説明する。図39は、第29実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図40は、第29実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第29実施形態に係る積層コンデンサC10は、図39に示されるように、略直方体形状である積層体L10と、積層体L10の側面上に形成された複数の外部導体とを備える。複数の外部導体は、複数(本実施形態では、2つ)の第1端子導体3A、3B、複数(本実施形態では、2つ)の第2端子導体4A、4B、複数(本実施形態では、2つ)の第1外部接続導体5A、5B、及び複数(本実施形態では、2つ)の第2外部接続導体6A、6Bを含む。これらの複数の外部導体は、積層体L10の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
外部導体3A、3B、4A、4B、5A、5B、6A、6Bは、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを積層体の外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた外部導体の上にめっき層が形成されることもある。これらの複数の外部導体は、積層体L10の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
このように、第1端子導体3A、3B及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも複数で且つ同じ数(本実施形態では、各2つ)である。第2端子導体4A、4B及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも複数で且つ同じ数(本実施形態では、各2つ)である。
第1端子導体3A、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、後述する積層体L10の積層方向と平行な側面のうち第1側面L10a、すなわち積層体L10の積層方向と直交する側面の長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L10a上に位置する。第1端子導体3A、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5A、5Bは、図39の左側から右側に向かって、第2端子導体4A、第1外部接続導体5A、第1外部接続導体5B、第1端子導体3Aの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5A、5Bは、第1側面L10a上において、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
第1端子導体3B、第2端子導体4B、及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、後述する積層体L10の積層方向と平行な側面のうち第2側面L10b、すなわち積層体L10の積層方向と直交する側面の長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L10aと対向する第2側面L10b上に位置する。第1端子導体3B、第2端子導体4B、及び第2外部接続導体6A、6Bは、図39の左側から右側に向かって、第1端子導体3B、第2外部接続導体6A、第2外部接続導体6B、第2端子導体4Bの順で形成されている。すなわち、第2外部接続導体6A、6Bは、第2側面L10b上において、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。
積層体L10の中心軸のうち、積層体L10の積層方向と直交する2つの側面L10c、L10dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax10に対し、第1端子導体3Aと線対称の位置に第1端子導体3Bが位置する。積層体L10の中心軸Ax10に対し、第2端子導体4Aと線対称の位置に第2端子導体4Bが位置する。積層体L10の中心軸Ax10に対し、第1外部接続導体5Aと線対称の位置に第2外部接続導体6Bが位置する。積層体L10の中心軸Ax10に対し、第1外部接続導体5Bと線対称の位置に第2外部接続導体6Aが位置する。
第1側面L10a上に形成された第1端子導体3Aと第2側面L10b上に形成された第2端子導体4Bとは、第1側面L10aと第2側面L10bとが対向する方向で対向する。第2側面L10b上に形成された第1端子導体3Bと第1側面L10a上に形成された第2端子導体4Aとは、第1側面L10aと第2側面L10bとが対向する方向で対向する。
積層体L10は、図40に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。各誘電体層10〜20は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。各内部電極400〜403、410〜413は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。なお、実際の積層コンデンサC10では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L10には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。積層体L10では、2層の内部接続導体420、430の一部である1つの第1内部接続導体420とその残りである1つの第2内部接続導体430との間に、複数の第1内部電極400〜403と複数の第2内部電極410〜413とが配置されている。
各第1内部電極400〜403は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極400〜403はそれぞれ、積層体L10における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第1内部電極400〜403には、積層体L10の第1側面L10aに引き出されるように伸びる引き出し導体405A〜408A、405B〜408Bが形成されている。
引き出し導体405A及び引き出し導体405Bはいずれも、第1内部電極400と一体に形成されており、積層体L10の第1側面L10aに臨むように、第1内部電極400から伸びている。引き出し導体406A及び引き出し導体406Bはいずれも、第1内部電極401と一体に形成されており、積層体L10の第1側面L10aに臨むように、第1内部電極401から伸びている。引き出し導体407A及び引き出し導体407Bはいずれも、第1内部電極402と一体に形成されており、積層体L10の第1側面L10aに臨むように、第1内部電極402から伸びている。引き出し導体408A及び引き出し導体408Bはいずれも、第1内部電極403と一体に形成されており、積層体L10の第1側面L10aに臨むように、第1内部電極403から伸びている。
第1内部電極400は、引き出し導体405Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体405Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極401は、引き出し導体406Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体406Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極402は、引き出し導体407Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体407Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極403は、引き出し導体408Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体408Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極400〜403が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極410〜413は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極410〜413はそれぞれ、積層体L10の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第2内部電極410〜413には、積層体L10の第2側面L10bに引き出されるように伸びる引き出し導体415A〜418A、415B〜418Bが形成されている。
引き出し導体415A及び引き出し導体415Bはいずれも、第2内部電極410と一体に形成されており、積層体L10の第2側面L10bに臨むように、第2内部電極410から伸びている。引き出し導体416A及び引き出し導体416Bはいずれも、第2内部電極411と一体に形成されており、積層体L10の第2側面L10bに臨むように、第2内部電極411から伸びている。引き出し導体417A及び引き出し導体417Bはいずれも、第2内部電極412と一体に形成されており、積層体L10の第2側面L10bに臨むように、第2内部電極412から伸びている。引き出し導体418A及び引き出し導体418Bはいずれも、第2内部電極413と一体に形成されており、積層体L10の第2側面L10bに臨むように、第2内部電極413から伸びている。
第2内部電極410は、引き出し導体415Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体415Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極411は、引き出し導体416Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体416Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極412は、引き出し導体417Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体417Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極413は、引き出し導体418Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体418Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極410〜413が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体420は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体420と第2内部接続導体430は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L10の第1側面L10aに引き出されるように伸びる第2、第4、及び第5導体部420B、420D、420Eと、第1導体部420Aから積層体L10の第2側面L10bに引き出されるように伸びる第3導体部420Cとを含む。第1導体部420Aは、長手方向が積層体L10の第1及び第2側面L10a、L10bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体420の第2、第4、及び第5導体部420B、420D、420Eはそれぞれ、図40の左側から右側に向かって、第4導体部420D、第5導体部420E、第2導体部420Bの順で位置している。第2導体部420Bは第1端子導体3Aに、第3導体部420Cは第1端子導体3Bに、第4導体部420Dは第1外部接続導体5Aに、第5導体部420Eは第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体420は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L10の第1側面L10aに引き出されるように伸びる第2導体部430Bと、第1導体部430Aから積層体L10の第2側面L10bに引き出されるように伸びる第3〜第5導体部430C〜430Eとを含む。第1導体部430Aは、長手方向が積層体L10の第1及び第2側面L10a、L10bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体430の第3〜第5導体部430C〜430Eは、図40の左側から右側に向かって、第4導体部430D、第5導体部430E、及び第3導体部430Cの順で位置している。第2導体部430Bは第2端子導体4Aに、第3導体部430Cは第2端子導体4Bに、第4導体部430Dは第2外部接続導体6Aに、第5導体部430Eは第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体430は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体420の第1導体部420Aは、誘電体層19を介して第2内部電極413と互いに対向する領域である。第2内部接続導体430の第1導体部430Aは、誘電体層11を介して第1内部電極400と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体420、430は、積層体L10が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L10に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体420、430は、積層体L10が例えば誘電体層12を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極400及び第2内部電極410を含むように、積層体L10に積層されている。すなわち、積層体L10では、第1及び第2内部接続導体420、430がいずれも、積層体L10の積層方向において、上記1組の第1及び第2内部電極400、410の外側に配置されている。
積層コンデンサC10では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC10では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。その結果、積層コンデンサC10では、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3B及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第1及び第2内部接続導体420、430の数を調整することにより、積層コンデンサC10の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC10では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC10の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはいずれも、積層体L10の対向する第1及び第2側面L10a、L10b上のいずれかに形成されている。このように、積層コンデンサC10では外部導体(第1端子導体3A、3B、第2端子導体4A、4B、第1外部接続導体5A、5B、及び第2外部接続導体6A、6B)がすべて、積層体L10の互いに対向する2側面L10a、L10b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に端子導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC10では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC10では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420は、積層体L10の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極413と互いに対向する領域である第1導体部420Aを有する。したがって、第1内部接続導体420も積層コンデンサC10の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC10では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第2内部接続導体430は、積層体L10の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極400と互いに対向する領域である第1導体430Aを有する。したがって、第2内部接続導体430も積層コンデンサC10の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC10では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC10の積層体L10では、複数の第1内部電極400〜403と複数の第2内部電極410〜413とが、内部接続導体420、430の一部(第1内部接続導体420)とその残り(第2内部接続導体430)との間に、配置されている。そのため、積層コンデンサC10では、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC10では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第2端子導体4A、4Bが第1端子導体3A、3Bとは極性が異なるランドパターンと直接接続され、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように積層コンデンサC10を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流の向きと、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流の向きとは、第1及び第2側面L10a、L10bの対向方向に沿って互いに逆向きになる。そのため、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC10では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。
また、積層コンデンサC10では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Bとが積層体L10の第1側面L10a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC10を第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5A、5Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第1端子導体3Aと第1内部接続導体420との間(第1内部接続導体420の第2導体部420B)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5Bと第1内部電極400〜403との間(引き出し導体405B〜408B)を流れる電流及び第1外部接続導体5Bと第1内部接続導体420との間(第1内部接続導体420の第5導体部420E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC10では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第1端子導体と第1外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC10では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが積層体L10の第2側面L10b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC10を、第2端子導体4A、4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。すなわち、第2端子導体4Bと第2内部接続導体430との間(第2内部接続導体430の第3導体部430C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6Bと第2内部電極410〜413との間(引き出し導体415B〜418B)を流れる電流及び第2外部接続導体6Bと第2内部接続導体430との間(第2内部接続導体430の第5導体部430E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC10では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第2端子導体と第2外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC10では、第1端子導体3Aと第1端子導体3Bとが、第2端子導体4Aと第2端子導体4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L10の中心軸Ax10に関して互いに線対称の位置に形成されている。そのため、積層コンデンサC10を基板上等で中心軸Ax10に関して180度回転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
また、積層コンデンサC10では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、積層体L10の第1側面L10aと第2側面L10bとの対向方向で対向する。そのため、基板等に実装させる積層コンデンサC10の面を当該面と対向する側面となるように積層コンデンサC10を反転したとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
さらに、積層体L10の側面L10a、L10bに直交する軸を中心に積層コンデンサC10を反転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
このように積層コンデンサC10では、端子導体3A、3B、4A、4B及び外部接続導体5A、5B、6A、6Bが上述のように配置されているため、様々な実装方向に対応して実装可能となる。そのため、積層コンデンサC10では、その実装が容易となる。
(第30実施形態)
図41を参照して、第30実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第30実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図41は、第30実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第30実施形態に係る積層コンデンサでは、図41に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第30実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体420、430はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(例えば、誘電体層11を介する第1及び第2内部電極400、410)含むように、積層体に積層されている。
第30実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、第30実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、第30実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第30実施形態に係る積層コンデンサは、第29実施形態に係る積層コンデンサC10と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第29実施形態に係る積層コンデンサC10では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体420に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続される。一方、第30実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体420を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第30実施形態に係る積層コンデンサは、第29実施形態に係る積層コンデンサC10と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第29実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体430に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続される。一方、第30実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体430を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。
したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第30実施形態に係る積層コンデンサは、第29実施形態に係る積層コンデンサC10に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第30実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第30実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第30実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420Aは、誘電体層14を介して第2内部電極411と互いに対向する。また、第2内部接続導430の第1導体部430Aは、誘電体層16を介して第1内部電極402と互いに対向する。したがって、第30実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体420、430も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第30実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC10同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第30実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC10同様、その実装が容易となる。
(第31実施形態)
図42を参照して、第31実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第31実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図42は、第31実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第31実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図42に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第31実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431が積層されている。第31実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体420、421、430、431の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体420、430とその残りである第1及び第2内部接続導体421、431との間に、4層の第1内部電極400〜403と4層の第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体421は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体431は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1内部接続導体421は、長方形状を呈する第1導体部421Aと、第1導体部421Aから積層体の側面に引き出されるように伸びる第2〜第5導体部421B〜421Eとを含む。第1内部接続導体421の第2〜第5導体部421B〜421Eはそれぞれ、第1内部接続導体420の第2〜第5導体部420B〜420Eそれぞれが引き出される側面に対応する側面に、引き出されるように伸びる。
第2導体部421Bは第1端子導体3Aに、第3導体部421Cは第1端子導体3Bに、第4導体部421Dは第1外部接続導体5Aに、第5導体部421Eは第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体421は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体431は、長方形状を呈する第1導体部431Aと、第1導体部431Aから積層体の側面に引き出されるように伸びる第2〜第5導体部431B〜431Eとを含む。第2内部接続導体431の第2〜第5導体部431B〜431Eはそれぞれ、第2内部接続導体430の第2〜第5導体部430B〜430Eそれぞれが引き出される側面に対応する側面に、引き出されるように伸びる。
第2導体部431Bは第2端子導体4Aに、第3導体部431Cは第2端子導体4Bに、第4導体部431Dは第2外部接続導体6Aに、第5導体部431Eは第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体431は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第31実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体420、421、430、431はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第31実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420、421を介して電気的に接続させている。また、第31実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430、431を介して電気的に接続させている。これらにより、第31実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第31実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC10に比して、第1内部接続導体420、421の数が多く、これらの第1内部接続導体420、421は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第1内部接続導体420、421の数が多くなることで、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403との間を流れる電流の経路が多くなる。一方、第31実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC10に比して、第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの第2内部接続導体430、431は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。また、第2内部接続導体430、431の数が多くなることで、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第31実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC10の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420、421の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第31実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第31実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、第31実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体421の第1導体部421Aは、誘電体層20を介して第2内部電極413と互いに対向する。また、第2内部接続導430の第1導体部430Aは、誘電体層12を介して第1内部電極400と互いに対向する。したがって、第31実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体421、430も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第31実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第31実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第31実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC10同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第31実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC10同様、その実装が容易となる。
(第32実施形態)
図43及び図44を参照して、第32実施形態に係る積層コンデンサC11の構成について説明する。第32実施形態に係る積層コンデンサC11は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図43は、第32実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図44は、第32実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L11の積層方向と平行な側面のうち積層体L11の積層方向と直交する面L11c、L11dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L11a上には、第1端子導体3A、第2外部接続導体6A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4Aが、図43の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Aは、第1側面L11a上において、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
積層体L11の積層方向と平行な側面のうち積層体L11の積層方向と直交する面L11c、L11dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L11aと対向する側面である第2側面L11b上には、第2端子導体4B、第2外部接続導体6B、第1外部接続導体5B、第1端子導体3Bが、図43の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Bは、第2側面L11b上において、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。
したがって、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとは、積層体L11の同一側面である第2側面L11b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L11の同一側面である第2側面L11b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L11の中心軸のうち、積層体L11の積層方向と直交する2つの側面L11c、L11dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax11に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L11の第1側面L11aと第2側面L11bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L11は、図44に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L11には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。
引き出し導体405A〜408Aは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L11の第1側面L11aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体405B〜408Bは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L11の第2側面L11bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体415A〜418Aは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L11の第1側面L11aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体415B〜418Bは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L11の第2側面L11bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L11の第1側面L11aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部420B、420Dと、第1導体部420Aから積層体L11の第2側面L11bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部420C、420Eとを含む。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L11の第1側面L11aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部430B、430Dと、第1導体部430Aから積層体L11の第2側面L11bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部430C、430Eとを含む。
積層コンデンサC11では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC11では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC11は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の数を調整することにより、積層コンデンサC11の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC11では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC11の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L11の互いに対向する第1及び第2側面L11a、L11b上に形成されている。したがって、積層体L11の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC11では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC11では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC11では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC11の積層体L11では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1内部接続導体420と第2内部接続導体430との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC11では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC11を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺され、その結果等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC11では、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとが、積層体L11の第2側面L11b上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC11では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが、積層体L11の第2側面L11b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC11を、端子導体3A、3B、4A、4Bがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L11内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC11の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC11では、外部導体3A〜6A、3B〜6Bと中心軸Ax11との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6Bの積層体L11の第1側面L11aと第2側面L11bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第33実施形態)
図45を参照して、第33実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第33実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第32実施形態に係る積層コンデンサC11と相違する。図45は、第33実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第33実施形態に係る積層コンデンサでは、図45に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第33実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、430を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第33実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第33実施形態に係る積層コンデンサは第32実施形態に係る積層コンデンサC11に対して第1内部接続導体420の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第33実施形態に係る積層コンデンサは第32実施形態に係る積層コンデンサC11に対して第2内部接続導体430の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第33実施形態に係る積層コンデンサは、第32実施形態に係る積層コンデンサC11に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体420、430の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第33実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第33実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第33実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC11における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC11同様、第33実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第33実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC11同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第33実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC11同様、その実装が容易となる。
(第34実施形態)
図46を参照して、第34実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第34実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第32実施形態に係る積層コンデンサC11と相違する。図46は、第34実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第34実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図46に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第34実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431が積層されている。第34実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、第1内部電極400〜403と第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体421は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体430は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体431は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第34実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、421、430、431を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第34実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第34実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC11に比して、第1内部接続導体420、421及び第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの内部接続導体420、421、430、431は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体420、421、430、431の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第34実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC11の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体420、421の数及び第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第34実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体421の第1導体部421A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第34実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第34実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第34実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第34実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC11における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC11同様、第34実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第34実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC11同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第34実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC11同様、その実装が容易となる。
(第35実施形態)
図47及び図48を参照して、第35実施形態に係る積層コンデンサC12の構成について説明する。第35実施形態に係る積層コンデンサC12は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図47は、第35実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図48は、第35実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L12の積層方向と平行な側面のうち積層体L12の積層方向と直交する面L12c、L12dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L12a上には、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第2外部接続導体6A、第2端子導体4Aが、図47の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Aは、第1側面L12a上において、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
積層体L12の積層方向と平行な側面のうち積層体L12の積層方向と直交する面L12c、L12dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L12aと対向する側面である第2側面L12b上には、第2端子導体4B、第2外部接続導体6B、第1外部接続導体5B、第1端子導体3Bが、図47の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Bは、第2側面L12b上において、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L12の同一側面である第2側面L12a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとは、積層体L12の同一側面である第2側面L12b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L12の同一側面である第1側面L12a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L12の同一側面である第2側面L12b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第
2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L12の中心軸のうち、積層体L12の積層方向と直交する2つの側面L12c、L12dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax12に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L12の第1側面L12aと第2側面L12bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L12は、図48に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L12には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。
引き出し導体405A〜408Aは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L12の第1側面L12aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体405B〜408Bは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L12の第2側面L12bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体415A〜418Aは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L12の第1側面L12aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体415B〜418Bは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L12の第2側面L12bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L12の第1側面L12aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部420B、420Dと、第1導体部420Aから積層体L12の第2側面L12bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部420C、420Eとを含む。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L12の第1側面L12aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部430B、430Dと、第1導体部430Aから積層体L12の第2側面L12bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部430C、430Eとを含む。
積層コンデンサC12では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC12では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC12は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の数を調整することにより、積層コンデンサC12の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC12では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC12の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L12の互いに対向する第1及び第2側面L12a、L12b上に形成されている。したがって、積層体L12の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC12では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC12では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC12では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC12の積層体L12では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1内部接続導体420と第2内部接続導体430との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC12では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC12を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺され、その結果等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC12では、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5A、5Bとが、積層体L12の対応する側面L12a、L12b上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC12では、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6A、6Bとが、積層体L12の対応する側面L12a、L12b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC12を、端子導体3A、3B、4A、4Bがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L12内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC12の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC12では、外部導体3A〜6A、3B〜6Bと中心軸Ax12との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6Bの積層体L12の第1側面L12aと第2側面L12bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第36実施形態)
図49を参照して、第36実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第36実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第35実施形態に係る積層コンデンサC12と相違する。図49は、第36実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第36実施形態に係る積層コンデンサでは、図49に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第36実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、430を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第36実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第36実施形態に係る積層コンデンサは第35実施形態に係る積層コンデンサC12に対して第1内部接続導体420の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第36実施形態に係る積層コンデンサは第33実施形態に係る積層コンデンサC12に対して第2内部接続導体430の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第36実施形態に係る積層コンデンサは、第35実施形態に係る積層コンデンサC12に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体420、430の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第36実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第36実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第36実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC12における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC12同様、第36実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第36実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC12同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第36実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC12同様、その実装が容易となる。
(第37実施形態)
図50を参照して、第37実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第37実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第35実施形態に係る積層コンデンサC12と相違する。図50は、第37実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第37実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図50に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第37実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431とが積層されている。第37実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、第1内部電極400〜403と第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体421は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体430は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体431は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第37実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、421、430、431を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第37実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第37実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC12に比して、第1内部接続導体420、421及び第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの内部接続導体420、421、430、431は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体420、421、430、431の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第37実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC12の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体420、421の数及び第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第37実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体421の第1導体部421A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第37実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第37実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第37実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第37実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC12における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC12同様、第37実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第37実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC12同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第37実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC12同様、その実装が容易となる。
(第38実施形態)
図51及び図52を参照して、第38実施形態に係る積層コンデンサC13の構成について説明する。第38実施形態に係る積層コンデンサC13は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図51は、第38実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図52は、第38実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L13の積層方向と平行な側面のうち積層体L13の積層方向と直交する面L13c、L13dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L13a上には、第1端子導体3A第2外部接続導体6A、、第1外部接続導体5A、第2端子導体4Aが、図51の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Aは、第1側面L13a上において、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
積層体L13の積層方向と平行な側面のうち積層体L13の積層方向と直交する面L13c、L13dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L13aと対向する側面である第2側面L13b上には、第2端子導体4B、第1外部接続導体5B、第2外部接続導体6B、第1端子導体3Bが、図51の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Bは、第2側面L13b上において、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。
第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L13の中心軸のうち、積層体L13の積層方向と直交する2つの側面L13c、L13dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax13に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L13の第1側面L13aと第2側面L13bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L13は、図52に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L13には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。
引き出し導体405A〜408Aは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L13の第1側面L13aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体405B〜408Bは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L13の第2側面L13bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体415A〜418Aは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L13の第1側面L13aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体415B〜418Bは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L13の第2側面L13bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L13の第1側面L13aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部420B、420Dと、第1導体部420Aから積層体L13の第2側面L13bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部420C、420Eとを含む。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L13の第1側面L13aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部430B、430Dと、第1導体部430Aから積層体L13の第2側面L13bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部430C、430Eとを含む。
積層コンデンサC13では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC13では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC13は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の数を調整することにより、積層コンデンサC13の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC13では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC13の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L13の互いに対向する第1及び第2側面L13a、L13b上に形成されている。したがって、積層体L13の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC13では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC13では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC13では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC13の積層体L13では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1内部接続導体420と第2内部接続導体430との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC13では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC13を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺され、その結果等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC13では、外部導体3A〜6A、3B〜6Bと中心軸Ax13との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6Bの積層体L13の第1側面L13aと第2側面L13bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第39実施形態)
図53を参照して、第39実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第39実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第38実施形態に係る積層コンデンサC13と相違する。図53は、第39実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第39実施形態に係る積層コンデンサでは、図53に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第39実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、430を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第39実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第39実施形態に係る積層コンデンサは第38実施形態に係る積層コンデンサC13に対して第1内部接続導体420の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第39実施形態に係る積層コンデンサは第38実施形態に係る積層コンデンサC13に対して第2内部接続導体430の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第39実施形態に係る積層コンデンサは、第38実施形態に係る積層コンデンサC13に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体420、430の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第39実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第39実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第39実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC13における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC13同様、第39実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第39実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC13同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第39実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC13同様、その実装が容易となる。
(第40実施形態)
図54を参照して、第40実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第40実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第38実施形態に係る積層コンデンサC13と相違する。図54は、第40実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第40実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図54に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第40実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431が積層されている。第40実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、第1内部電極400〜403と第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体421は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体430は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体431は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第40実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、421、430、431を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第40実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第40実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC13に比して、第1内部接続導体420、421及び第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの内部接続導体420、421、430、431は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体420、421、430、431の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第40実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC13の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体420、421の数及び第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第40実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体421の第1導体部421A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第40実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第40実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第40実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第40実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC13における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC13同様、第40実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第40実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC13同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第40実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC13同様、その実装が容易となる。
(第41実施形態)
図55及び図56を参照して、第41実施形態に係る積層コンデンサC14の構成について説明する。第41実施形態に係る積層コンデンサC14は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図55は、第41実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図56は、第41実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L14の積層方向と平行な側面のうち積層体L14の積層方向と直交する面L14c、L14dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L14a上には、第2外部接続導体6A、第1端子導体3A、第2端子導体4A、第1外部接続導体5Aが、図55の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
積層体L14の積層方向と平行な側面のうち積層体L14の積層方向と直交する面L14c、L14dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L14aと対向する側面である第2側面L14b上には、第1外部接続導体5B、第2端子導体4B、第1端子導体3B、第2外部接続導体6Bが、図55の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L14の中心軸のうち、積層体L14の積層方向と直交する2つの側面L14c、L14dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax14に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L14の第1側面L14aと第2側面L14bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L14は、図56に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L14には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。
引き出し導体405A〜408Aは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L14の第1側面L14aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体405B〜408Bは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L14の第2側面L14bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体415A〜418Aは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L14の第1側面L14aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体415B〜418Bは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L14の第2側面L14bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L14の第1側面L14aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部420B、420Dと、第1導体部420Aから積層体L14の第2側面L14bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部420C、420Eとを含む。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L14の第1側面L14aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部430B、430Dと、第1導体部430Aから積層体L14の第2側面L14bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部430C、430Eとを含む。
積層コンデンサC14では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC14では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC14は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の数を調整することにより、積層コンデンサC14の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC14では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC14の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L14の互いに対向する第1及び第2側面L14a、L14b上に形成されている。したがって、積層体L14の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC14では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC14では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC14では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC14の積層体L14では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1内部接続導体420と第2内部接続導体430との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC14では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC14を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺され、その結果等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC14では、外部導体3A〜6A、3B〜6Bと中心軸Ax14との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6Bの積層体L14の第1側面L14aと第2側面L14bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第42実施形態)
図57を参照して、第42実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第42実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第41実施形態に係る積層コンデンサC14と相違する。図57は、第42実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第42実施形態に係る積層コンデンサでは、図57に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第42実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、430を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第42実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第42実施形態に係る積層コンデンサは第41実施形態に係る積層コンデンサC14に対して第1内部接続導体420の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第42実施形態に係る積層コンデンサは第41実施形態に係る積層コンデンサC14に対して第2内部接続導体430の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第42実施形態に係る積層コンデンサは、第41実施形態に係る積層コンデンサC14に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体420、430の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第42実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第42実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第42実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC14における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC14同様、第42実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第42実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC14同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第42実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC14同様、その実装が容易となる。
(第43実施形態)
図58を参照して、第43実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第43実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第41実施形態に係る積層コンデンサC14と相違する。図58は、第43実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第43実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図58に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第43実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431が積層されている。第43実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、第1内部電極400〜403と第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体421は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体430は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体431は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第43実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、421、430、431を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第43実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第43実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC14に比して、第1内部接続導体420、421及び第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの内部接続導体420、421、430、431は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体420、421、430、431の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第43実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC14の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体420、421の数及び第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第43実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体421の第1導体部421A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第43実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第43実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第43実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第43実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC14における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC14同様、第43実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第43実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC14同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第43実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC14同様、その実装が容易となる。
(第44実施形態)
図59及び図60を参照して、第44実施形態に係る積層コンデンサC15の構成について説明する。第44実施形態に係る積層コンデンサC15は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図59は、第44実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図60は、第44実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L15の積層方向と平行な側面のうち積層体L15の積層方向と直交する面L15c、L15dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L15a上には、第1外部接続導体5A、第1端子導体3A、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5Bが、図59の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
積層体L15の積層方向と平行な側面のうち積層体L15の積層方向と直交する面L15c、L15dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L15aと対向する側面である第2側面L15b上には、第2外部接続導体6B、第2端子導体4B、第1端子導体3B、第2外部接続導体6Bが、図59の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L15の同一側面である第1側面L15a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L15の同一側面である第2側面L15b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L15の中心軸のうち、積層体L15の積層方向と直交する2つの側面L15c、L15dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax15に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6A、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L15の第1側面L15aと第2側面L15bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L15は、図60に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L15には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。
引き出し導体405A〜408Aは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L15の第1側面L15aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体405B〜408Bは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L15の第1側面L15aに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体415A〜418Aは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L15の第2側面L15bに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体415B〜418Bは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L15の第2側面L15bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L15の第1側面L15aに引き出されるように伸びる第2、第4及び第5導体部420B、420D、420Eと、第1導体部420Aから積層体L15の第2側面L15bに引き出されるように伸びる第3導体部420Cとを含む。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L15の第1側面L15aに引き出されるように伸びる第2導体部430Bと、第1導体部430Aから積層体L15の第2側面L15bに引き出されるように伸びる第3〜第5導体部430C〜430Eとを含む。
積層コンデンサC15では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC15では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC15は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の数を調整することにより、積層コンデンサC15の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC15では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC15の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L15の互いに対向する第1及び第2側面L15a、L15b上に形成されている。したがって、積層体L15の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC15では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC15では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC15では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC15の積層体L15では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1内部接続導体420と第2内部接続導体430との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC15では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC15を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺され、その結果等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC15では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、積層体L15の第1側面L15a上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC15では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとが、積層体L15の第2側面L15b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC15を、端子導体3A、3B、4A、4Bがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L15内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC15の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC15では、外部導体3A〜6A、3B〜6Bと中心軸Ax15との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6Bの積層体L15の第1側面L15aと第2側面L15bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第45実施形態)
図61を参照して、第45実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第45実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第44実施形態に係る積層コンデンサC15と相違する。図61は、第45実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第45実施形態に係る積層コンデンサでは、図61に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第45実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、430を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第45実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第45実施形態に係る積層コンデンサは第44実施形態に係る積層コンデンサC15に対して第1内部接続導体420の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第45実施形態に係る積層コンデンサは第44実施形態に係る積層コンデンサC15に対して第2内部接続導体430の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第45実施形態に係る積層コンデンサは、第44実施形態に係る積層コンデンサC15に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体420、430の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第45実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第45実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第45実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC15における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC15同様、第45実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第45実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC15同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第45実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC15同様、その実装が容易となる。
(第46実施形態)
図62を参照して、第46実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第46実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第44実施形態に係る積層コンデンサC15と相違する。図62は、第46実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第46実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図62に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第46実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431が積層されている。第46実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、第1内部電極400〜403と第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体421は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体430は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体431は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第46実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、421、430、431を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第46実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第46実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC15に比して、第1内部接続導体420、421及び第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの内部接続導体420、421、430、431は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体420、421、430、431の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第46実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC15の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体420、421の数及び第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第46実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体421の第1導体部421A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第46実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第46実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第46実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第46実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC15における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC15同様、第46実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第46実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC15同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第46実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC15同様、その実装が容易となる。
(第47実施形態)
図63及び図64を参照して、第47実施形態に係る積層コンデンサC16の構成について説明する。第47実施形態に係る積層コンデンサC16は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第29実施形態に係る積層コンデンサC10と相違する。図63は、第47実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図64は、第47実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L16の積層方向と平行な側面のうち積層体L16の積層方向と直交する面L16c、L16dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L16a上には、第1外部接続導体5A、第1端子導体3A、第2端子導体4A、及び第2外部接続導体6Aが、図63の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
積層体L16の積層方向と平行な側面のうち積層体L16の積層方向と直交する面L16c、L16dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L16aと対向する側面である第2側面L16b上には、第1外部接続導体5B、第2端子導体4B、第1端子導体3B、及び第2外部接続導体6Bが、図63の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L16の同一側面である第1側面L16a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L16の同一側面である第1側面L16a上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L16の中心軸のうち、積層体L16の積層方向と直交する2つの側面L16c、L16dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax16に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L16の第1側面L16aと第2側面L16bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L16は、図64に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L16には、1つの第1内部接続導体420と1つの第2内部接続導体430とが積層されている。
引き出し導体405A〜408Aは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L16の第1側面L16aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体405B〜408Bは、対応する第1内部電極400〜403から積層体L16の第2側面L16bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体415A〜418Aは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L16の第1側面L16aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体415B〜418Bは、対応する第2内部電極410〜413から積層体L16の第2側面L16bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体420は、長方形状を呈する第1導体部420Aと、第1導体部420Aから積層体L16の第1側面L16aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部420B、420Dと、第1導体部420Aから積層体L16の第2側面L16bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部420C、420Eとを含む。
第2内部接続導体430は、長方形状を呈する第1導体部430Aと、第1導体部430Aから積層体L16の第1側面L16aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部430B、430Dと、第1導体部430Aから積層体L16の第2側面L16bに引き出されるように伸びる第3及び第5導体部430C、430Eとを含む。
積層コンデンサC16では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極400〜403とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体420を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC16では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極410〜413とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体430を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC16は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体420の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体430の数を調整することにより、積層コンデンサC16の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC16では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC16の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L16の互いに対向する第1及び第2側面L16a、L16b上に形成されている。したがって、積層体L16の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC16では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC16では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC16では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC16の積層体L16では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1内部接続導体420と第2内部接続導体430との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC16では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bと第2端子導体4A、4Bとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC16を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺され、その結果等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC16では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、積層体L16の第1側面L16a上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC16では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、積層体L16の第1側面L16a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC16を、端子導体3A、3B、4A、4Bがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L16内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC16の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC16では、外部導体3A〜6A、3B〜6Bと中心軸Ax16との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6Bの積層体L16の第1側面L16aと第2側面L16bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第48実施形態)
図65を参照して、第48実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第48実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体420、430の積層方向での位置の点で第47実施形態に係る積層コンデンサC16と相違する。図65は、第48実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第48実施形態に係る積層コンデンサでは、図65に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体420、430は、各2層の第1及び第2内部電極400、401、410、411と、各2層の第1及び第2内部電極402、403、412、413との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体420は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体430は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第48実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、430を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第48実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第48実施形態に係る積層コンデンサは第47実施形態に係る積層コンデンサC16に対して第1内部接続導体420の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第48実施形態に係る積層コンデンサは第47実施形態に係る積層コンデンサC16に対して第2内部接続導体430の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第48実施形態に係る積層コンデンサは、第47実施形態に係る積層コンデンサC16に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体420、430の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体420、430によって制御されるため、第48実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体420の第1導体部420A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第48実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第48実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC16における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC16同様、第48実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第48実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC16同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第48実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC16同様、その実装が容易となる。
(第49実施形態)
図66を参照して、第49実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第49実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第47実施形態に係る積層コンデンサC16と相違する。図66は、第49実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第49実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図66に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413とが交互に積層されることにより構成される。
第49実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体420、421と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体430、431が積層されている。第49実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、第1内部電極400〜403と第2内部電極410〜413とが配置されている。
第1内部接続導体420は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体421は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体430は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体431は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第49実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体420、421、430、431を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第49実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第49実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC16に比して、第1内部接続導体420、421及び第2内部接続導体430、431の数が多く、これらの内部接続導体420、421、430、431は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体420、421、430、431の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極400〜403、410〜413との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第49実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC16の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体420、421の数及び第2内部接続導体430、431の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第49実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体421の第1導体部421A及び第2内部接続導体430の第1導体部430Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第49実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第49実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極400〜403、410〜413が、第1及び第2内部接続導体420、430と第1及び第2内部接続導体421、431との間に、配置されている。そのため、第49実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第49実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC16における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC16同様、第49実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第49実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC16同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第49実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC16同様、その実装が容易となる。
(第50実施形態)
図67及び図68を参照して、第50実施形態に係る積層コンデンサC17の構成について説明する。図67は、第50実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図68は、第50実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第50実施形態に係る積層コンデンサC17は、図67に示されるように、略直方体形状である積層体L17と、積層体L17の側面上に形成された複数の外部導体とを備える。複数の外部導体は、複数(本実施形態では、3つ)の第1端子導体3A、3B、3C、複数(本実施形態では、3つ)の第2端子導体4A、4B、4C、複数(本実施形態では、2つ)の第1外部接続導体5A、5B、及び複数(本実施形態では、2つ)の第2外部接続導体6A、6Bを含む。これらの複数の外部導体は、積層体L17の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1端子導体3A、3B、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5A、5Bはいずれも、後述する積層体L17の積層方向と平行な側面のうち第1側面L17a、すなわち積層体L17の積層方向と直交する側面の長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L17a上に位置する。第1端子導体3A、3B、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5A、5Bは、図67の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4A、第1外部接続導体5B、第1端子導体3Bの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5Aは、第1側面L17a上において、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。第1外部接続導体5Bは、第1側面L17a上において、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
第1端子導体3C、第2端子導体4B、4C、及び第2外部接続導体6A、6Bはいずれも、後述する積層体L17の積層方向と平行な側面のうち第2側面L17b、すなわち積層体L17の積層方向と直交する側面の長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L17aと対向する第2側面L17b上に位置する。第1端子導体3C、第2端子導体4B、4C、及び第2外部接続導体6A、6Bは、図67の左側から右側に向かって、第2端子導体4B、第2外部接続導体6A、第1端子導体3C、第2外部接続導体6B、第2端子導体4Cの順で形成されている。すなわち、第2外部接続導体6Aは、第2側面L17b上において、第1端子導体3Cと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。第2外部接続導体6Bは、第2側面L17b上において、第1端子導体3Cと第2端子導体4Cとの間に位置するように形成されている。
積層体L17の中心軸のうち、積層体L17の積層方向と直交する2つの側面L17c、L17dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax17に対し、第1端子導体3Aと線対称の位置に第2端子導体4Cが位置する。積層体L17の中心軸Ax17に対し、第1端子導体3Bと線対称の位置に第2端子導体4Bが位置する。積層体L17の中心軸Ax17に対し、第1端子導体3Cと線対称の位置に第2端子導体4Aが位置する。積層体L17の中心軸Ax17に対し、第1外部接続導体5Aと線対称の位置に第2外部接続導体6Bが位置する。積層体L17の中心軸Ax17に対し、第1外部接続導体5Bと線対称の位置に第2外部接続導体6Aが位置する。
第1側面L17a上に形成された第1端子導体3Aと第2側面L17b上に形成された第2端子導体4Bとは、第1側面L17aと第2側面L17bとが対向する方向で対向する。第1側面L17a上に形成された第1端子導体3Bと第2側面L17b上に形成された第2端子導体4Cとは、第1側面L17aと第2側面L17bとが対向する方向で対向する。第2側面L17b上に形成された第1端子導体3Cと第1側面L17a上に形成された第2端子導体4Aとは、第1側面L17aと第2側面L17bとが対向する方向で対向する。第1側面L17a上に形成された第1外部接続導体5Aと第2側面L17b上に形成された第2外部接続導体6Aとは、第1側面L17aと第2側面L17bとが対向する方向で対向する。第1側面L17a上に形成された第1外部接続導体5Bと第2側面L17b上に形成された第2外部接続導体6Bとは、第1側面L17aと第2側面L17bとが対向する方向で対向する。
積層体L17は、図68に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC17では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L17には、1つの第1内部接続導体460と1つの第2内部接続導体470とが積層されている。積層体L17では、2層の内部接続導体460、470の一部である1つの第1内部接続導体460とその残りである1つの第2内部接続導体470との間に、複数の第1内部電極440〜443と複数の第2内部電極450〜453とが配置されている。
各第1内部電極440〜443は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極440〜443はそれぞれ、積層体L17における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第1内部電極440〜443には、積層体L17の第1側面L17aに引き出されるように伸びる引き出し導体445A〜448A、445B〜448Bが形成されている。
引き出し導体445A及び引き出し導体445Bはいずれも、第1内部電極440と一体に形成されており、積層体L17の第1側面L17aに臨むように、第1内部電極440から伸びている。引き出し導体446A及び引き出し導体446Bはいずれも、第1内部電極441と一体に形成されており、積層体L17の第1側面L17aに臨むように、第1内部電極441から伸びている。引き出し導体447A及び引き出し導体447Bはいずれも、第1内部電極442と一体に形成されており、積層体L17の第1側面L17aに臨むように、第1内部電極442から伸びている。引き出し導体448A及び引き出し導体448Bはいずれも、第1内部電極443と一体に形成されており、積層体L17の第1側面L17aに臨むように、第1内部電極443から伸びている。
第1内部電極440は、引き出し導体445Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体445Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極441は、引き出し導体446Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体446Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極442は、引き出し導体447Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体447Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。第1内部電極443は、引き出し導体448Aを介して第1外部接続導体5Aに、引き出し導体448Bを介して第1外部接続導体5Bに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極440〜443が、第1外部接続導体5A、5Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極450〜453は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極450〜453はそれぞれ、積層体L17の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第2内部電極450〜453には、積層体L17の第2側面L17bに引き出されるように伸びる引き出し導体455A〜458A、455B〜458Bが形成されている。
引き出し導体455A及び引き出し導体455Bはいずれも、第2内部電極450と一体に形成されており、積層体L17の第2側面L17bに臨むように、第2内部電極450から伸びている。引き出し導体456A及び引き出し導体456Bはいずれも、第2内部電極451と一体に形成されており、積層体L17の第2側面L17bに臨むように、第2内部電極451から伸びている。引き出し導体457A及び引き出し導体457Bはいずれも、第2内部電極452と一体に形成されており、積層体L17の第2側面L17bに臨むように、第2内部電極452から伸びている。引き出し導体458A及び引き出し導体458Bはいずれも、第2内部電極453と一体に形成されており、積層体L17の第2側面L17bに臨むように、第2内部電極453から伸びている。
第2内部電極450は、引き出し導体455Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体455Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極451は、引き出し導体456Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体456Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極452は、引き出し導体457Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体457Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。第2内部電極453は、引き出し導体458Aを介して第2外部接続導体6Aに、引き出し導体458Bを介して第2外部接続導体6Bに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極450〜453が、第2外部接続導体6A、6Bを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体460は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体460と第2内部接続導体470は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L17の第1側面L17aに引き出されるように伸びる第2、第3、第5、及び第6導体部460B、460C、460E、460Fと、第1導体部460Aから積層体L17の第2側面L17bに引き出されるように伸びる第4導体部460Dとを含む。第1導体部460Aは、長手方向が積層体L17の第1及び第2側面L17a、L17bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体460の第2、第3、第5、及び第6導体部460B、460C、460E、460Fはそれぞれ、図68の左側から右側に向かって、第2導体部460B、第5導体部460E、第6導体部460F、第3導体部460Cの順で位置している。第2導体部460Bは第1端子導体3Aに、第3導体部460Cは第1端子導体3Bに、第4導体部460Dは第1端子導体3Cに、第5導体部460Eは第1外部接続導体5Aに、第6導体部460Fは第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体460は、第1端子導体3A〜3Cと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L17の第1側面L17aに引き出されるように伸びる第2導体部470Bと、第1導体部470Aから積層体L17の第2側面L17bに引き出されるように伸びる第3〜第6導体部470C〜470Fとを含む。第1導体部470Aは、長手方向が積層体L17の第1及び第2側面L17a、L17bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体470の第3〜第6導体部470C〜470Fは、図68の左側から右側に向かって、第3導体部470C、第5導体部470E、第6導体部470F、及び第3導体部470Cの順で位置している。第2導体部470Bは第2端子導体4Aに、第3導体部470Cは第2端子導体4Bに、第4導体部470Dは第2端子導体4Cに、第5導体部470Eは第2外部接続導体6Aに、第6導体部470Fは第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体470は、第2端子導体4A〜4Cと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第1内部接続導体460の第1導体部460Aは、誘電体層19を介して第2内部電極453と互いに対向する領域である。第2内部接続導体470の第1導体部470Aは、誘電体層11を介して第1内部電極440と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体460、470は、積層体L17が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L17に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体460、470は、積層体L17が例えば誘電体層12を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極440及び第2内部電極450を含むように、積層体L17に積層されている。すなわち、積層体L17では、第1及び第2内部接続導体460、470がいずれも、積層体L17の積層方向において、上記1組の第1及び第2内部電極440、450の外側に配置されている。
積層コンデンサC17では、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC17では、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。その結果、積層コンデンサC17では、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3C及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第1及び第2内部接続導体460、470の数を調整することにより、積層コンデンサC17の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC17では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC17の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはいずれも、積層体L17の対向する第1及び第2側面L17a、L17b上のいずれかに形成されている。このように、積層コンデンサC17では外部導体(第1端子導体3A〜3C、第2端子導体4A〜4C、第1外部接続導体5A、5B、及び第2外部接続導体6A、6B)がすべて、積層体L17の互いに対向する2側面L17a、L17b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に端子導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC17では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC17では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460は、積層体L17の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極453と互いに対向する領域である第1導体部460Aを有する。したがって、第1内部接続導体460も積層コンデンサC17の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC17では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第2内部接続導体470は、積層体L17の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極440と互いに対向する領域である第1導体470Aを有する。したがって、第2内部接続導体470も積層コンデンサC17の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC17では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC17の積層体L17では、複数の第1内部電極440〜443と複数の第2内部電極450〜453とが、内部接続導体460、470の一部(第1内部接続導体460)とその残り(第2内部接続導体470)との間に、配置されている。そのため、積層コンデンサC17では、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC17では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Cがランドパターンと直接接続され、第2端子導体4A〜4Cが第1端子導体3A〜3Cとは極性が異なるランドパターンと直接接続され、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように積層コンデンサC17を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流の向きと、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流の向きとは、第1及び第2側面L17a、L17bの対向方向に沿って互いに逆向きになる。そのため、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。
また、上記のように積層コンデンサC17を基板等に実装した場合、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流の向きと、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間を流れる電流の向きとは、第1及び第2側面L17a、L17bの対向方向に沿って互いに逆向きになる。そのため、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。これらの結果、積層コンデンサC17では等価直列インダクタンスを低減することが可能となると考えられる。
また、積層コンデンサC17では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、さらに第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Bとがそれぞれ、積層体L17の第1側面L17a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC17を第1端子導体3A〜3Cがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5A、5Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、第1端子導体3Aと第1内部接続導体460との間(第1内部接続導体460の第2導体部460B)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5Aと第1内部電極440〜443との間(引き出し導体445A〜448A)を流れる電流及び第1外部接続導体5Aと第1内部接続導体460との間(第1内部接続導体460の第5導体部460E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、第1端子導体3Bと第1内部接続導体460との間(第1内部接続導体460の第3導体部460C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5Bと第1内部電極440〜443との間(引き出し導体445B〜448B)を流れる電流及び第1外部接続導体5Bと第1内部接続導体460との間(第1内部接続導体460の第6導体部460F)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC17では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第1端子導体と第1外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC17では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとが、さらに第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとが積層体L17の第2側面L17b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC17を、第2端子導体4A〜4Cがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、第2端子導体4Bと第2内部接続導体470との間(第2内部接続導体470の第3導体部470C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6Aと第2内部電極450〜453との間(引き出し導体455A〜458A)を流れる電流及び第2外部接続導体6Aと第2内部接続導体470との間(第2内部接続導体470の第5導体部470E)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、第2端子導体4Cと第2内部接続導体470との間(第2内部接続導体470の第4導体部470D)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6Bと第2内部電極450〜453との間(引き出し導体455B〜458B)を流れる電流及び第2外部接続導体6Bと第2内部接続導体470との間(第2内部接続導体470の第6導体部470F)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC17では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第2端子導体と第2外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC17では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Cとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Bとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L17の中心軸Ax17に関して互いに線対称の位置に形成されている。そのため、積層コンデンサC17を基板上等で中心軸Ax17に関して180度回転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
また、積層コンデンサC17では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとが、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとが、第1外部接続導体5Bと第2外部接続導体6Bとがそれぞれ、積層体L17の第1側面L17aと第2側面L17bとの対向方向で対向する。そのため、基板等に実装させる積層コンデンサC17の面を当該面と対向する側面となるように積層コンデンサC17を反転したとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
さらに、積層体L17の側面L17a、L17bに直交する軸を中心に積層コンデンサC17を反転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
このように積層コンデンサC17では、端子導体3A〜3C、4A〜4C及び外部接続導体5A、5B、6A、6Bが上述のように配置されているため、様々な実装方向に対応して実装可能となる。そのため、積層コンデンサC17では、その実装が容易となる。
(第51実施形態)
図69を参照して、第51実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第51実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図69は、第51実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第51実施形態に係る積層コンデンサでは、図69に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第51実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体460、470はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(例えば、誘電体層11を介する第1及び第2内部電極440、450)含むように、積層体に積層されている。
第51実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、第51実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、第51実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A〜3Cに着目すると、第51実施形態に係る積層コンデンサは、第50実施形態に係る積層コンデンサC17と比べて、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Cそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第50実施形態に係る積層コンデンサC17では、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分はそれぞれ、第1内部接続導体460に対して直列接続されて、第1端子導体3A〜3Cそれぞれに接続される。一方、第51実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5A、5Bそれぞれの抵抗成分は、第1内部接続導体460を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A〜3Cそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A〜4Cに着目すると、第51実施形態に係る積層コンデンサは、第50実施形態に係る積層コンデンサC17と比べて、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Cへの接続のされ方が異なる。すなわち、第50実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分はそれぞれ、第2内部接続導体470に対して直列接続されて、第2端子導体4A〜4Cそれぞれに接続される。一方、第51実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6A、6Bそれぞれの抵抗成分は、第2内部接続導体470を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A〜4Cそれぞれに対して並列接続される。
したがって、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第51実施形態に係る積層コンデンサは、第50実施形態に係る積層コンデンサC17に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第51実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第51実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)がすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第51実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460Aは、誘電体層14を介して第2内部電極451と互いに対向する。また、第2内部接続導470の第1導体部470Aは、誘電体層16を介して第1内部電極442と互いに対向する。したがって、第51実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体460、470も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第51実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC17同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第51実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC17同様、その実装が容易となる。
(第52実施形態)
図70を参照して、第52実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第52実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図70は、第52実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第52実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図70に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第52実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第52実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体460、461、470、471の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体460、470とその残りである第1及び第2内部接続導体461、471との間に、4層の第1内部電極440〜443と4層の第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体461は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体471は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1内部接続導体461は、長方形状を呈する第1導体部461Aと、第1導体部461Aから積層体の側面に引き出されるように伸びる第2〜第6導体部461B〜461Fとを含む。第1内部接続導体461の第2〜第6導体部461B〜461Fはそれぞれ、第1内部接続導体460の第2〜第6導体部460B〜460Fそれぞれが引き出される側面に対応する側面に、引き出されるように伸びる。
第2導体部461Bは第1端子導体3Aに、第3導体部461Cは第1端子導体3Bに、第4導体部461Dは第1端子導体3Cに、第5導体部461Eは第1外部接続導体5Aに、第6導体部461Fは第1外部接続導体5Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体461は、第1端子導体3A〜3Cと第1外部接続導体5A、5Bとに電気的に接続される。
第2内部接続導体471は、長方形状を呈する第1導体部471Aと、第1導体部471Aから積層体の側面に引き出されるように伸びる第2〜第6導体部471B〜471Fとを含む。第2内部接続導体471の第2〜第6導体部471B〜471Fはそれぞれ、第2内部接続導体470の第2〜第6導体部470B〜470Fそれぞれが引き出される側面に対応する側面に、引き出されるように伸びる。
第2導体部471Bは第2端子導体4Aに、第3導体部471Cは第2端子導体4Bに、第4導体部471Dは第2端子導体4Cに、第5導体部471Eは第2外部接続導体6Aに、第6導体部471Fは第2外部接続導体6Bにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体471は、第2端子導体4A〜4Cと第2外部接続導体6A、6Bとに電気的に接続される。
第52実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体460、461、470、471はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第52実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460、461を介して電気的に接続させている。また、第52実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470、471を介して電気的に接続させている。これらにより、第52実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第52実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC17に比して、第1内部接続導体460、461の数が多く、これらの第1内部接続導体460、461は対応する第1端子導体3A〜3Cに対して並列接続される。また、第1内部接続導体460、461の数が多くなることで、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443との間を流れる電流の経路が多くなる。一方、第52実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC17に比して、第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの第2内部接続導体470、471は対応する第2端子導体4A〜4Cに対して並列接続される。また、第2内部接続導体470、471の数が多くなることで、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第52実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC17の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460、461の数及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第52実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第52実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6B)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、第52実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体461の第1導体部461Aは、誘電体層20を介して第2内部電極453と互いに対向する。また、第2内部接続導体470の第1導体部470Aは、誘電体層12を介して第1内部電極440と互いに対向する。したがって、第52実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体461、470も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第52実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第52実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第52実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC17同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第52実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC17同様、その実装が容易となる。
(第53実施形態)
図71及び図72を参照して、第53実施形態に係る積層コンデンサC18の構成について説明する。第53実施形態に係る積層コンデンサC18は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図71は、第53実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図72は、第53実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L18の積層方向と平行な側面のうち積層体L18の積層方向と直交する面L18c、L18dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L18a上には、第2端子導体4A、第1外部接続導体5A、第1端子導体3A、第1外部接続導体5B、及び第2端子導体4Bが、図71の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1側面L18a上において、第1外部接続導体5Aは第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に、第1外部接続導体5Bは第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間にそれぞれ位置するように形成されている。
積層体L18の積層方向と平行な側面のうち積層体L18の積層方向と直交する面L18c、L18dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L18aと対向する側面である第2側面L18b上には、第1端子導体3B、第2外部接続導体6A、第2端子導体4C、第2外部接続導体6B、及び第1端子導体3Cが、図71の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第2側面L18b上において、第2外部接続導体6Aは第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間に、第2外部接続導体6Bは第1端子導体3Cと第2端子導体4Cとの間にそれぞれ位置するように形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、さらに第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Bとは、それぞれ積層体L18の同一側面である第1側面L18a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Aとは、さらに第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとは、それぞれ積層体L18の同一側面である第2側面L18b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4B、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L18の中心軸のうち、積層体L18の積層方向と直交する2つの側面L18c、L18dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax18に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、第1端子導体3C及び第2端子導体4B、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6A、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L18の第1側面L18aと第2側面L18bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L18は、図72に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L18には、1つの第1内部接続導体460と1つの第2内部接続導体470とが積層されている。
引き出し導体445A〜448Aは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L18の第1側面L18aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体445B〜448Bは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L18の第1側面L18aに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体455A〜458Aは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L18の第2側面L18bに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体455B〜458Bは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L18の第2側面L18bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L18の第1側面L18aに引き出されるように伸びる第2、第5及び第6導体部460B、460E、460Fと、第1導体部460Aから積層体L18の第2側面L18bに引き出されるように伸びる第3及び第4導体部460C、460Dとを含む。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L18の第1側面L18aに引き出されるように伸びる第2及び第3導体部470B、470Cと、第1導体部470Aから積層体L18の第2側面L18bに引き出されるように伸びる第4〜第6導体部470D〜470Fとを含む。
積層コンデンサC18では、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC18では、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC18は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460の数及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470の数を調整することにより、積層コンデンサC18の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC18では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC18の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L18の互いに対向する第1及び第2側面L18a、L18b上に形成されている。したがって、積層体L18の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC18では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC18では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC18では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC18の積層体L18では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1内部接続導体460と第2内部接続導体470との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC18では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Cと第2端子導体4A〜4Cとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC18を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、上記のように積層コンデンサC18を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。これらの結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC18では、第1端子導体3Aと各第1外部接続導体5A、5Bとが、積層体L18の第1側面L18a上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC18では、第2端子導体4Cと各第2外部接続導体6A、6Bとが、積層体L18の第2側面L18b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC18を、端子導体3A〜3C、4A〜4Cがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L18内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC18の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC18では、外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cと中心軸Ax18との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cの積層体L18の第1側面L18aと第2側面L18bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第54実施形態)
図73を参照して、第54実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第54実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第53実施形態に係る積層コンデンサC18と相違する。図73は、第54実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第54実施形態に係る積層コンデンサでは、図73に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第54実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、470を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第54実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A〜3Cに着目すると、第54実施形態に係る積層コンデンサは第53実施形態に係る積層コンデンサC18に対して第1内部接続導体460の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Cそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A〜4Cに着目すると、第54実施形態に係る積層コンデンサは第53実施形態に係る積層コンデンサC18に対して第2内部接続導体470の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Cへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第54実施形態に係る積層コンデンサは、第53実施形態に係る積層コンデンサC18に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体460、470の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第54実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第54実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第54実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC18における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC18同様、第54実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第54実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC18同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第54実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC18同様、その実装が容易となる。
(第55実施形態)
図74を参照して、第55実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第55実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第53実施形態に係る積層コンデンサC18と相違する。図74は、第55実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第55実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図74に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第55実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第55実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、第1内部電極440〜443と第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体461は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体470は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体471は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第55実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、461、470、471を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第55実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第55実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC18に比して、第1内部接続導体460、461及び第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの内部接続導体460、461、470、471は対応する端子導体3A〜3C、4A〜4Cに対して並列接続される。また、内部接続導体460、461、470、471の数が多くなることで、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第55実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC18の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体460、461の数及び第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第55実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体461の第1導体部461A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第55実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第55実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第55実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第55実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC18における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC18同様、第55実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第55実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC18同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第55実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC18同様、その実装が容易となる。
(第56実施形態)
図75及び図76を参照して、第56実施形態に係る積層コンデンサC19の構成について説明する。第56実施形態に係る積層コンデンサC19は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図75は、第56実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図76は、第56実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L19の積層方向と平行な側面のうち積層体L19の積層方向と直交する面L19c、L19dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L19a上には、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4A、第2外部接続導体6A、及び第1端子導体3Bが、図75の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1側面L19a上において、第1外部接続導体5Aは第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に、第2外部接続導体6Aは第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間にそれぞれ位置するように形成されている。
積層体L19の積層方向と平行な側面のうち積層体L19の積層方向と直交する面L19c、L19dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L19aと対向する側面である第2側面L19b上には、第2端子導体4B、第2外部接続導体6B、第1端子導体3C、第1外部接続導体5B、及び第2端子導体4Cが、図75の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第2側面L19b上において、第1外部接続導体5Bは第1端子導体3Cと第2端子導体4Cとの間に、第2外部接続導体6Bは第1端子導体3Cと第2端子導体4Bとの間にそれぞれ位置するように形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L19の同一側面である第1側面L19a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Cと第1外部接続導体5Bとは、積層体L19の同一側面である第2側面L19b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、積層体L19の同一側面である第1側面L19a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとは、積層体L19の同一側面である第2側面L19b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4B、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L19の中心軸のうち、積層体L19の積層方向と直交する2つの側面L19c、L19dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax18に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4C、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L19の第1側面L19aと第2側面L19bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L19は、図76に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L19には、1つの第1内部接続導体460と1つの第2内部接続導体470とが積層されている。
引き出し導体445A〜448Aは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L19の第1側面L19aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体445B〜448Bは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L19の第2側面L19bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体455A〜458Aは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L19の第1側面L19aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体455B〜458Bは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L19の第2側面L19bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L19の第1側面L19aに引き出されるように伸びる第2、第3及び第5導体部460B、460C、460Eと、第1導体部460Aから積層体L19の第2側面L19bに引き出されるように伸びる第4及び第6導体部460D、460Fとを含む。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L19の第1側面L19aに引き出されるように伸びる第2及び第5導体部470B、470Eと、第1導体部470Aから積層体L19の第2側面L19bに引き出されるように伸びる第3、第4、及び第6導体部470C、470D、470Fとを含む。
積層コンデンサC19では、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC19では、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC19は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460の数及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470の数を調整することにより、積層コンデンサC19の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC19では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC19の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L19の互いに対向する第1及び第2側面L19a、L19b上に形成されている。したがって、積層体L19の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC19では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC19では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC19では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC19の積層体L19では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1内部接続導体460と第2内部接続導体470との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC19では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Cと第2端子導体4A〜4Cとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC19を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、上記のように積層コンデンサC19を基板等に実装した場合、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。これらの結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC19では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、積層体L19の第1側面L19a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Cと第1外部接続導体5Bとが、積層体L19の第2側面L19b上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC19では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが、積層体L19の第1側面L19a上において互いに隣り合って形成されている。積層コンデンサC19では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Bとが、積層体L19の第2側面L19b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC19を、端子導体3A〜3C、4A〜4Cがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L19内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC19の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC19では、外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cと中心軸Ax18との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cの積層体L19の第1側面L19aと第2側面L19bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第57実施形態)
図77を参照して、第57実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第57実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第56実施形態に係る積層コンデンサC19と相違する。図77は、第57実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第57実施形態に係る積層コンデンサでは、図77に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第57実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、470を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第57実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A〜3Cに着目すると、第57実施形態に係る積層コンデンサは第56実施形態に係る積層コンデンサC19に対して第1内部接続導体460の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Cそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A〜4Cに着目すると、第57実施形態に係る積層コンデンサは第56実施形態に係る積層コンデンサC19に対して第2内部接続導体470の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Cへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第57実施形態に係る積層コンデンサは、第56実施形態に係る積層コンデンサC19に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体460、470の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第57実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第57実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第57実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC19における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC19同様、第57実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第57実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC19同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第57実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC19同様、その実装が容易となる。
(第58実施形態)
図78を参照して、第58実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第58実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第56実施形態に係る積層コンデンサC19と相違する。図78は、第58実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第58実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図78に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第58実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第58実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、第1内部電極440〜443と第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体461は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体470は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体471は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第58実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、461、470、471を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第58実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第58実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC19に比して、第1内部接続導体460、461及び第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの内部接続導体460、461、470、471は対応する端子導体3A〜3C、4A〜4Cに対して並列接続される。また、内部接続導体460、461、470、471の数が多くなることで、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第58実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC19の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体460、461の数及び第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第58実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体461の第1導体部461A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第58実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第58実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第58実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第58実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC19における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC19同様、第58実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第58実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC19同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第58実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC19同様、その実装が容易となる。
(第59実施形態)
図79及び図80を参照して、第59実施形態に係る積層コンデンサC20の構成について説明する。第59実施形態に係る積層コンデンサC20は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図79は、第59実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図80は、第59実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L20の積層方向と平行な側面のうち積層体L20の積層方向と直交する面L20c、L20dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L20a上には、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4A、第2外部接続導体6A、及び第1端子導体3Bが、図79の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1側面L20a上において、第1外部接続導体5Aは第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に、第2外部接続導体6Aは第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間にそれぞれ位置するように形成されている。
積層体L20の積層方向と平行な側面のうち積層体L20の積層方向と直交する面L20c、L20dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L20aと対向する側面である第2側面L20b上には、第2端子導体4B、第1外部接続導体5B、第1端子導体3C、第2外部接続導体6B、及び第2端子導体4Cが、図79の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第2側面L20b上において、第1外部接続導体5Bは第1端子導体3Cと第2端子導体4Bとの間に、第2外部接続導体6Bは第1端子導体3Cと第2端子導体4Cとの間にそれぞれ位置するように形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、さらに第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとは、それぞれ積層体L20の同一側面である第1側面L20a上において互いに隣り合って形成されている。第1端子導体3Cと第1外部接続導体5Bとは、さらに第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとは、それぞれ積層体L20の同一側面である第2側面L20b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4B、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L20の中心軸のうち、積層体L20の積層方向と直交する2つの側面L20c、L20dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax20に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4C、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L20の第1側面L20aと第2側面L20bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L20は、図80に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L20には、1つの第1内部接続導体460と1つの第2内部接続導体470とが積層されている。
引き出し導体445A〜448Aは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L20の第1側面L20aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体445B〜448Bは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L20の第2側面L20bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体455A〜458Aは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L20の第1側面L20aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体455B〜458Bは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L20の第2側面L20bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L20の第1側面L20aに引き出されるように伸びる第2、第3及び第5導体部460B、460C、460Eと、第1導体部460Aから積層体L20の第2側面L20bに引き出されるように伸びる第4及び第6導体部460D、460Fとを含む。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L20の第1側面L20aに引き出されるように伸びる第2及び第5導体部470B、470Eと、第1導体部470Aから積層体L20の第2側面L20bに引き出されるように伸びる第3、第4、及び第6導体部470C、470D、470Fとを含む。
積層コンデンサC20では、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC20では、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC20は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460の数及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470の数を調整することにより、積層コンデンサC20の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC20では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC20の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L20の互いに対向する第1及び第2側面L20a、L20b上に形成されている。したがって、積層体L20の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC20では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC20では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC20では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC20の積層体L20では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1内部接続導体460と第2内部接続導体470との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC20では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Cと第2端子導体4A〜4Cとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC20を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、上記のように積層コンデンサC20を基板等に実装した場合、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。これらの結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC20では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが積層体L20の第1側面L20a上において、さらに第1端子導体3Cと第1外部接続導体5Bとが積層体L20の第2側面L20b上において、それぞれ互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC20では、第2端子導体4Aと第2外部接続導体6Aとが積層体L20の第1側面L20a上において、さらに第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとが積層体L20の第2側面L20b上において、それぞれ互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC20を、端子導体3A〜3C、4A〜4Cがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L20内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC20の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC20では、外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cと中心軸Ax20との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cの積層体L20の第1側面L20aと第2側面L20bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第60実施形態)
図81を参照して、第60実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第60実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第59実施形態に係る積層コンデンサC20と相違する。図81は、第60実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第60実施形態に係る積層コンデンサでは、図81に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第60実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、470を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第60実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A〜3Cに着目すると、第60実施形態に係る積層コンデンサは第59実施形態に係る積層コンデンサC20に対して第1内部接続導体460の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Cそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A〜4Cに着目すると、第60実施形態に係る積層コンデンサは第59実施形態に係る積層コンデンサC20に対して第2内部接続導体470の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Cへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第60実施形態に係る積層コンデンサは、第59実施形態に係る積層コンデンサC20に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体460、470の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第60実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第60実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第60実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC20における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC20同様、第60実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第60実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC20同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第60実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC20同様、その実装が容易となる。
(第61実施形態)
図82を参照して、第61実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第61実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第59実施形態に係る積層コンデンサC20と相違する。図82は、第61実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第61実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図82に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第61実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第61実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、第1内部電極440〜443と第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体461は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体470は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体471は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第61実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、461、470、471を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第61実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第61実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC20に比して、第1内部接続導体460、461及び第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの内部接続導体460、461、470、471は対応する端子導体3A〜3C、4A〜4Cに対して並列接続される。また、内部接続導体460、461、470、471の数が多くなることで、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第61実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC20の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体460、461の数及び第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第61実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体461の第1導体部461A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第61実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第61実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第61実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第61実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC20における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC20同様、第61実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第61実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC20同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第61実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC20同様、その実装が容易となる。
(第62実施形態)
図83及び図84を参照して、第62実施形態に係る積層コンデンサC21の構成について説明する。第62実施形態に係る積層コンデンサC21は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図83は、第62実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図84は、第62実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L21の積層方向と平行な側面のうち積層体L21の積層方向と直交する面L21c、L21dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L21a上には、第2外部接続導体6A、第1端子導体3A、第2端子導体4A、第1端子導体3B、及び第1外部接続導体5Aが、図83の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
積層体L21の積層方向と平行な側面のうち積層体L21の積層方向と直交する面L21c、L21dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L21aと対向する側面である第2側面L21b上には、第1外部接続導体5B、第2端子導体4B、第1端子導体3C、第2端子導体4C、及び第2外部接続導体6Bが、図83の左側から右側に向かってこの順で形成されている。。
したがって、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Aとは、積層体L21の同一側面である第2側面L21b上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとは、積層体L21の同一側面である第2側面L21b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4B、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L21の中心軸のうち、積層体L21の積層方向と直交する2つの側面L21c、L21dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax21に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4C、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L21の第1側面L21aと第2側面L21bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L21は、図84に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L21には、1つの第1内部接続導体460と1つの第2内部接続導体470とが積層されている。
引き出し導体445A〜448Aは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L21の第1側面L21aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体445B〜448Bは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L21の第2側面L21bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体455A〜458Aは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L21の第1側面L21aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体455B〜458Bは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L21の第2側面L21bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L21の第1側面L21aに引き出されるように伸びる第2、第3及び第5導体部460B、460C、460Eと、第1導体部460Aから積層体L21の第2側面L21bに引き出されるように伸びる第4及び第6導体部460D、460Fとを含む。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L21の第1側面L21aに引き出されるように伸びる第2及び第5導体部470B、470Eと、第1導体部470Aから積層体L21の第2側面L21bに引き出されるように伸びる第3、第4、及び第6導体部470C、470D、470Fとを含む。
積層コンデンサC21では、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC21では、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC21は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460の数及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470の数を調整することにより、積層コンデンサC21の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC21では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC21の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L21の互いに対向する第1及び第2側面L21a、L21b上に形成されている。したがって、積層体L21の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC21では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC21では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC21では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC21の積層体L21では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1内部接続導体460と第2内部接続導体470との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC21では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Cと第2端子導体4A〜4Cとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC21を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、上記のように積層コンデンサC21を基板等に実装した場合、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。これらの結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC21では、第1端子導体3Bと第1外部接続導体5Aとが、積層体L21の第1側面L21a上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC21では、第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとが、積層体L21の第2側面L21b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC21を、端子導体3A〜3C、4A〜4Cがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L21内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC21の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC21では、外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cと中心軸Ax21との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cの積層体L21の第1側面L21aと第2側面L21bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第63実施形態)
図85を参照して、第63実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第63実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第62実施形態に係る積層コンデンサC21と相違する。図85は、第63実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第63実施形態に係る積層コンデンサでは、図85に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第63実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、470を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第63実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A〜3Cに着目すると、第63実施形態に係る積層コンデンサは第62実施形態に係る積層コンデンサC21に対して第1内部接続導体460の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Cそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A〜4Cに着目すると、第63実施形態に係る積層コンデンサは第62実施形態に係る積層コンデンサC21に対して第2内部接続導体470の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Cへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第63実施形態に係る積層コンデンサは、第62実施形態に係る積層コンデンサC21に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体460、470の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第63実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第63実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第63実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC21における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC21同様、第63実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第63実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC21同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第63実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC21同様、その実装が容易となる。
(第64実施形態)
図86を参照して、第64実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第64実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第62実施形態に係る積層コンデンサC21と相違する。図86は、第64実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第64実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図86に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第64実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第64実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、第1内部電極440〜443と第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体461は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体470は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体471は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第64実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、461、470、471を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第64実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第64実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC21に比して、第1内部接続導体460、461及び第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの内部接続導体460、461、470、471は対応する端子導体3A〜3C、4A〜4Cに対して並列接続される。また、内部接続導体460、461、470、471の数が多くなることで、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第64実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC21の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体460、461の数及び第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第64実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体461の第1導体部461A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第64実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第64実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第64実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第64実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC21における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC21同様、第64実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第64実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC21同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第64実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC21同様、その実装が容易となる。
(第65実施形態)
図87及び図88を参照して、第65実施形態に係る積層コンデンサC22の構成について説明する。第65実施形態に係る積層コンデンサC22は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図87は、第65実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図88は、第65実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L22の積層方向と平行な側面のうち積層体L22の積層方向と直交する面L22c、L22dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L22a上には、第1外部接続導体5A、第1端子導体3A、第2端子導体4A、第1端子導体3B、及び第2外部接続導体6Aが、図87の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
積層体L22の積層方向と平行な側面のうち積層体L22の積層方向と直交する面L22c、L22dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L22aと対向する側面である第2側面L22b上には、第1外部接続導体5B、第2端子導体4B、第1端子導体3C、第2端子導体4C、及び第2外部接続導体6Bが、図87の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L22の同一側面である第1側面L22a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Cと第2外部接続導体6Bとは、積層体L22の同一側面である第2側面L22b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4B、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6B、並びに第1外部接続導体5B及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L22の中心軸のうち、積層体L22の積層方向と直交する2つの側面L22c、L22dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax22に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4C、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1外部接続導体5A及び第1外部接続導体5B、並びに第2外部接続導体6A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L22の第1側面L22aと第2側面L22bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L22は、図88に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L22には、1つの第1内部接続導体460と1つの第2内部接続導体470とが積層されている。
引き出し導体445A〜448Aは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L22の第1側面L22aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体445B〜448Bは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L22の第2側面L22bに臨むようにそれぞれ伸びている。
引き出し導体455A〜458Aは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L22の第1側面L22aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体455B〜458Bは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L22の第2側面L22bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L22の第1側面L22aに引き出されるように伸びる第2、第3及び第5導体部460B、460C、460Eと、第1導体部460Aから積層体L22の第2側面L22bに引き出されるように伸びる第4及び第6導体部460D、460Fとを含む。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L22の第1側面L22aに引き出されるように伸びる第2及び第5導体部470B、470Eと、第1導体部470Aから積層体L22の第2側面L22bに引き出されるように伸びる第3、第4、及び第6導体部470C、470D、470Fとを含む。
積層コンデンサC22では、第1端子導体3A〜3Cと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A、5B及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC22では、第2端子導体4A〜4Cと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A、6B及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC22は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Cに直接接続される第1内部接続導体460の数及び第2端子導体4A〜4Cに直接接続される第2内部接続導体470の数を調整することにより、積層コンデンサC22の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC22では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC22の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3C、4A〜4C、並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bはすべて、積層体L22の互いに対向する第1及び第2側面L22a、L22b上に形成されている。したがって、積層体L22の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC22では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC22では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC22では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC22の積層体L22では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1内部接続導体460と第2内部接続導体470との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC22では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Cと第2端子導体4A〜4Cとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC22を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。さらに、上記のように積層コンデンサC22を基板等に実装した場合、第1端子導体3Bと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。これらの結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC22では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、積層体L22の第1側面L22a上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC22では、第2端子導体4Cと各第2外部接続導体6Bとが、積層体L22の第2側面L22b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC22を、端子導体3A〜3C、4A〜4Cがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、5B、6A、6Bがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L22内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC22の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC22では、外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cと中心軸Ax22との位置関係、及び外部導体3A〜6A、3B〜6B、3C、4Cの積層体L22の第1側面L22aと第2側面L22bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第66実施形態)
図89を参照して、第66実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第66実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第65実施形態に係る積層コンデンサC22と相違する。図89は、第66実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第66実施形態に係る積層コンデンサでは、図89に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第66実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、470を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第66実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A〜3Cに着目すると、第66実施形態に係る積層コンデンサは第65実施形態に係る積層コンデンサC22に対して第1内部接続導体460の位置が相違するため、第1外部接続導体5A、5Bの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Cそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A〜4Cに着目すると、第66実施形態に係る積層コンデンサは第65実施形態に係る積層コンデンサC22に対して第2内部接続導体470の位置が相違するため、第2外部接続導体6A、6Bの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Cへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A,6Bの抵抗成分の差異に起因して、第66実施形態に係る積層コンデンサは、第65実施形態に係る積層コンデンサC22に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体460、470の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第66実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第66実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第66実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC22における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC22同様、第66実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第66実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC22同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第66実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC22同様、その実装が容易となる。
(第67実施形態)
図90を参照して、第67実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第67実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第65実施形態に係る積層コンデンサC22と相違する。図90は、第67実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第67実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図90に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第67実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第67実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、第1内部電極440〜443と第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体461は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体470は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体471は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第67実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、5B、6A、6B及び内部接続導体460、461、470、471を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第67実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第67実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC22に比して、第1内部接続導体460、461及び第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの内部接続導体460、461、470、471は対応する端子導体3A〜3C、4A〜4Cに対して並列接続される。また、内部接続導体460、461、470、471の数が多くなることで、端子導体3A〜3C、4A〜4Cと内部電極440〜443、450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第67実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC22の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体460、461の数及び第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第67実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体461の第1導体部461A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第67実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第67実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第67実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第67実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC22における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC22同様、第67実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第67実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC22同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第67実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC22同様、その実装が容易となる。
(第68実施形態)
図91及び図92を参照して、第68実施形態に係る積層コンデンサC23の構成について説明する。第68実施形態に係る積層コンデンサC23は、積層体上に形成された外部接続導体の構成及び配置の点で第50実施形態に係る積層コンデンサC17と相違する。図91は、第68実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図92は、第68実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第68実施形態に係る積層コンデンサC23は、図91に示されるように、略直方体形状である積層体L23と、積層体L23の側面上に形成された複数の外部導体とを備える。複数の外部導体は、複数(本実施形態では、4つ)の第1端子導体3A、3B、3C、3D、複数(本実施形態では、4つ)の第2端子導体4A、4B、4C、4D、1つの第1外部接続導体5A、及び1つの第2外部接続導体6Aを含む。これらの複数の外部導体は、積層体L23の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
積層体L23の積層方向と平行な側面のうち積層体L23の積層方向と直交する面L23c、L23dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L23a上には、第1端子導体3A、第2端子導体4A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4B、及び第1端子導体3Bが、図91の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
積層体L23の積層方向と平行な側面のうち積層体L23の積層方向と直交する面L23c、L23dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L23aと対向する側面である第2側面L23b上には、第2端子導体4C、第1端子導体3C、第2外部接続導体6A、第1端子導体3D、及び第2端子導体4Dが、図91の左側から右側に向かってこの順で形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4D、第1端子導体3B及び第2端子導体4C、第1端子導体3C及び第2端子導体4B、第1端子導体3D及び第2端子導体4A、並びに第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Bはそれぞれ、積層体L23の中心軸のうち、積層体L23の積層方向と直交する2つの側面L23c、L23dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax23に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第2端子導体4C、第1端子導体3B及び第2端子導体4D、第1端子導体3C及び第2端子導体4A、第1端子導体3D及び第2端子導体4B、並びに第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L23の第1側面L23aと第2側面L23bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L23は、図92に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
引き出し導体445A〜448Aは、対応する第1内部電極440〜443から積層体L23の第1側面L23aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体455A〜458Aは、対応する第2内部電極450〜453から積層体L23の第2側面L23bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部電極440は引き出し導体445Aを介して、第1内部電極441は引き出し導体446Aを介して、第1内部電極442は引き出し導体447Aを介して、第1内部電極443は引き出し導体448Aを介して、それぞれ第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極440〜443が、第1外部接続導体5Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第2内部電極450は引き出し導体455Aを介して、第2内部電極451は引き出し導体456Aを介して、第2内部電極452は引き出し導体457Aを介して、第2内部電極453は引き出し導体458Aを介して、それぞれ第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極450〜453が、第2外部接続導体6Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体460は、長方形状を呈する第1導体部460Aと、第1導体部460Aから積層体L23の第1側面L23aに引き出されるように伸びる第2、第3及び第6導体部460B、460C、460Fと、第1導体部460Aから積層体L23の第2側面L23bに引き出されるように伸びる第4及び第5導体部460D、460Eとを含む。
第1内部接続導体460の第2、第3、及び第6導体部460B、460C、460Fはそれぞれ、図92の左側から右側に向かって、第2導体部460B、第6導体部460F、第3導体部460Cの順で位置している。第1内部接続導体460の第4及び第5導体部460D、460Eはそれぞれ、図92の左側から右側に向かって、第4導体部460D、第5導体部460Eの順で位置している。第2導体部460Bは第1端子導体3Aに、第3導体部460Cは第1端子導体3Bに、第4導体部460Dは第1端子導体3Cに、第5導体部460Eは第1端子導体3Dに、第6導体部460Fは第1外部接続導体5Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体460は、第1端子導体3A〜3Dと第1外部接続導体5Aとに電気的に接続される。
第2内部接続導体470は、長方形状を呈する第1導体部470Aと、第1導体部470Aから積層体L23の第1側面L23aに引き出されるように伸びる第2及び第3導体部470B、470Cと、第1導体部470Aから積層体L23の第2側面L23bに引き出されるように伸びる第4〜第6導体部470D〜470Fとを含む。
第2内部接続導体470の第2及び第3導体部470B、470Cは、図92の左側から右側に向かって、第2導体部470B、第3導体部470Cの順で位置している。第2内部接続導体470の第4〜第6導体部470D〜470Fは、図92の左側から右側に向かって、第4導体部470D、第6導体部470F、第5導体部470Eの順で位置している。第2導体部470Bは第2端子導体4Aに、第3導体部470Cは第2端子導体4Bに、第4導体部470Dは第2端子導体4Cに、第5導体部470Eは第2端子導体4Dに、第6導体部470Fは第2外部接続導体6Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体470は、第2端子導体4A〜4Dと第2外部接続導体6Aとに電気的に接続される。
積層コンデンサC23では、第1端子導体3A〜3Dと第1内部電極440〜443とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体460を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC23では、第2端子導体4A〜4Dと第2内部電極450〜453とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体470を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC23は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A〜3Dに直接接続される第1内部接続導体460の数及び第2端子導体4A〜4Dに直接接続される第2内部接続導体470の数を調整することにより、積層コンデンサC23の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC23では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC23の外部導体である第1及び第2端子導体3A〜3D、4A〜4D、並びに第1及び第2外部接続導体5A、6Aはすべて、積層体L23の互いに対向する第1及び第2側面L23a、L23b上に形成されている。したがって、積層体L23の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC23では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC23では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC23では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC23の積層体L23では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1内部接続導体460と第2内部接続導体470との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC23では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A〜3Dと第2端子導体4A〜4Dとが互いに極性が異なるランドパターンと直接接続されるように積層コンデンサC23を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Cとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Cと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
また、上記のように積層コンデンサC23を基板等に実装した場合、第1端子導体3Bと第2端子導体4Dとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Dと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、等価直列インダクタンスが低減されると考えられる。
積層コンデンサC23では、外部導体3A〜3D、4A〜4D、5A、5Bと中心軸Ax23との位置関係、及び外部導体3A〜3D、4A〜4D、5A、5Bの積層体L23の第1側面L23aと第2側面L23bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第69実施形態)
図93を参照して、第69実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第69実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体460、470の積層方向での位置の点で第68実施形態に係る積層コンデンサC23と相違する。図93は、第69実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第69実施形態に係る積層コンデンサでは、図93に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体460、470は、各2層の第1及び第2内部電極440、441、450、451と、各2層の第1及び第2内部電極442、443、452、453との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体460は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体470は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第69実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3D、4A〜4Dと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、6A及び内部接続導体460、470を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第69実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A〜3Dに着目すると、第69実施形態に係る積層コンデンサは第68実施形態に係る積層コンデンサC23に対して第1内部接続導体460の位置が相違するため、第1外部接続導体5Aの抵抗成分の第1端子導体3A〜3Dそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A〜4Dに着目すると、第69実施形態に係る積層コンデンサは第68実施形態に係る積層コンデンサC23に対して第2内部接続導体470の位置が相違するため、第2外部接続導体6Aの抵抗成分の第2端子導体4A〜4Dへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、6Aの抵抗成分の差異に起因して、第69実施形態に係る積層コンデンサは、第68実施形態に係る積層コンデンサC23に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体460、470の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体460、470によって制御されるため、第69実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体460の第1導体部460A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第69実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第69実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC23における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC23同様、第69実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第69実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC23同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第69実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC23同様、その実装が容易となる。
(第70実施形態)
図94を参照して、第70実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第70実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第68実施形態に係る積層コンデンサC23と相違する。図94は、第70実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第70実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図94に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453とが交互に積層されることにより構成される。
第70実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体460、461と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体470、471が積層されている。第70実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、第1内部電極440〜443と第2内部電極450〜453とが配置されている。
第1内部接続導体460は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体461は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体470は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体471は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第70実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A〜3D、4A〜4Dと内部電極440〜443、450〜453とを直接接続させず、外部接続導体5A、6A及び内部接続導体460、461、470、471を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第70実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第70実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC23に比して、第1内部接続導体460、461及び第2内部接続導体470、471の数が多く、これらの内部接続導体460、461、470、471は対応する端子導体3A〜3D、4A〜4Dに対して並列接続される。また、内部接続導体460、461、470、471の数が多くなることで、端子導体3A〜3D、4A〜4Dと内部電極440〜443、450〜453との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第70実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC23の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体460、461の数及び第2内部接続導体470、471の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第70実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体461の第1導体部461A及び第2内部接続導体470の第1導体部470Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第70実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第70実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極440〜443、450〜453が、第1及び第2内部接続導体460、470と第1及び第2内部接続導体461、471との間に、配置されている。そのため、第70実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第70実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC23における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC23同様、第70実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第70実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC23同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第70実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC23同様、その実装が容易となる。
(第71実施形態)
図95及び図96を参照して、第71実施形態に係る積層コンデンサC24の構成について説明する。図95は、第71実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図96は、第71実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第71実施形態に係る積層コンデンサC24は、図95に示されるように、略直方体形状である積層体L24と、積層体L24の側面上に形成された複数の外部導体とを備える。複数の外部導体は、複数(本実施形態では、2つ)の第1端子導体3A、3B、複数(本実施形態では、2つ)の第2端子導体4A、4B、1つの第1外部接続導体5A、及び1つの第2外部接続導体6Aを含む。これらの複数の外部導体は、積層体L24の表面上においては互いに電気的に絶縁されて形成されている。
第1端子導体3A、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5Aはいずれも、後述する積層体L24の積層方向と平行な側面のうち第1側面L24a、すなわち積層体L24の積層方向と直交する側面の長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L24a上に位置する。第1端子導体3A、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5Aは、図95の左側から右側に向かって、第1端子導体3A、第1外部接続導体5A、第2端子導体4Aの順で形成されている。すなわち、第1外部接続導体5Aは、第1側面L24a上において、第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
第1端子導体3B、第2端子導体4B、及び第2外部接続導体6Aはいずれも、後述する積層体L24の積層方向と平行な側面のうち第2側面L24b、すなわち積層体L24の積層方向と直交する側面の長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L24aと対向する第2側面L24b上に位置する。第1端子導体3B、第2端子導体4B、及び第2外部接続導体6Aは、図95の左側から右側に向かって、第2端子導体4B、第2外部接続導体6A、第1端子導体3Bの順で形成されている。すなわち、第2外部接続導体6Aは、第2側面L24b上において、第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。
積層体L24の中心軸のうち、積層体L24の積層方向と直交する2つの側面L24c、L24dそれぞれの中心点Pc、Pdを通る中心軸Ax24に対し、第1端子導体3Aと線対称の位置に第1端子導体3Bが位置する。積層体L24の中心軸Ax24に対し、第2端子導体4Aと線対称の位置に第2端子導体4Bが位置する。積層体L24の中心軸Ax24に対し、第1外部接続導体5Aと線対称の位置に第2外部接続導体6Aが位置する。
第1側面L24a上に形成された第1端子導体3Aと第2側面L24b上に形成された第2端子導体4Bとは、第1側面L24aと第2側面L24bとが対向する方向で対向する。第1側面L24a上に形成された第2端子導体4Aと第2側面L24b上に形成された第1端子導体3Bとは、第1側面L24aと第2側面L24bとが対向する方向で対向する。第1側面L24a上に形成された第1外部接続導体5Aと第2側面L24b上に形成された第2外部接続導体6Aとは、第1側面L24aと第2側面L24bとが対向する方向で対向する。
積層体L24は、図96に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493とが交互に積層されることにより構成される。なお、実際の積層コンデンサC24では、誘電体層10〜20の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
さらに、積層体L24には、1つの第1内部接続導体500と1つの第2内部接続導体510とが積層されている。積層体L24では、2層の内部接続導体500、510の一部である1つの第1内部接続導体500とその残りである1つの第2内部接続導体510との間に、複数の第1内部電極480〜483と複数の第2内部電極490〜493とが配置されている。
各第1内部電極480〜483は、略矩形形状を呈している。複数の第1内部電極480〜483はそれぞれ、積層体L24における誘電体層10〜20の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第1内部電極480〜483には、積層体L24の第1側面L24aに引き出されるように伸びる引き出し導体485A〜488Aが形成されている。
引き出し導体485Aは第1内部電極480と一体に形成されており、積層体L24の第1側面L24aに臨むように第1内部電極480から伸びている。引き出し導体486Aは第1内部電極481と一体に形成されており、積層体L24の第1側面L24aに臨むように第1内部電極481から伸びている。引き出し導体487Aは第1内部電極482と一体に形成されており、積層体L24の第1側面L24aに臨むように第1内部電極482から伸びている。引き出し導体488Aは第1内部電極483と一体に形成されており、積層体L24の第1側面L24aに臨むように第1内部電極483から伸びている。
第1内部電極480は、引き出し導体485Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極481は、引き出し導体486Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極482は、引き出し導体487Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。第1内部電極483は、引き出し導体488Aを介して第1外部接続導体5Aに電気的に接続される。これにより、複数の第1内部電極480〜483が、第1外部接続導体5Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
各第2内部電極490〜493は、略矩形形状を呈している。複数の第2内部電極490〜493はそれぞれ、積層体L24の積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に形成されている。各第2内部電極490〜493には、積層体L24の第2側面L24bに引き出されるように伸びる引き出し導体495A〜498Aが形成されている。
引き出し導体495Aは第2内部電極490と一体に形成されており、積層体L24の第2側面L24bに臨むように第2内部電極490から伸びている。引き出し導体496Aは第2内部電極491と一体に形成されており、積層体L24の第2側面L24bに臨むように第2内部電極491から伸びている。引き出し導体497Aは第2内部電極492と一体に形成されており、積層体L24の第2側面L24bに臨むように第2内部電極492から伸びている。引き出し導体498Aは第2内部電極493と一体に形成されており、積層体L24の第2側面L24bに臨むように第2内部電極493から伸びている。
第2内部電極490は、引き出し導体495Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極491は、引き出し導体496Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極492は、引き出し導体497Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。第2内部電極493は、引き出し導体498Aを介して第2外部接続導体6Aに電気的に接続される。これにより、複数の第2内部電極490〜493が、第2外部接続導体6Aを介して互いに電気的に接続されることとなる。
第1内部接続導体500は、誘電体層19と誘電体層20との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体510は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体500と第2内部接続導体510は、互いに電気的に絶縁されている。
第1内部接続導体500は、長方形状を呈する第1導体部500Aと、第1導体部500Aから積層体L24の第1側面L24aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部500B、500Dと、第1導体部500Aから積層体L24の第2側面L24bに引き出されるように伸びる第3導体部500Cとを含む。第1導体部500Aは、長手方向が積層体L24の第1及び第2側面L24a、L24bと平行となるように配置されている。
第1内部接続導体500の第2及び第4導体部500B、500Dは、図96の左側から右側に向かって、第2導体部500B、第4導体部500Dの順で位置している。第2導体部500Bは第1端子導体3Aに、第3導体部500Cは第1端子導体3Bに、第4導体部500Dは第1外部接続導体5Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体500は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5Aとに電気的に接続される。
第2内部接続導体510は、長方形状を呈する第1導体部510Aと、第1導体部510Aから積層体L24の第1側面L24aに引き出されるように伸びる第2導体部510Bと、第1導体部510Aから積層体L24の第2側面L24bに引き出されるように伸びる第3及び第4導体部510C、510Dとを含む。第1導体部510Aは、長手方向が積層体L24の第1及び第2側面L24a、L24bと平行となるように配置されている。
第2内部接続導体510の第3及び第4導体部510C、510Dは、図96の左側から右側に向かって、第3導体部510C、第4導体部510Dの順で位置している。第2導体部510Bは第2端子導体4Aに、第3導体部510Cは第2端子導体4Bに、第4導体部510Dは第2外部接続導体6Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体510は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6Aとに電気的に接続される。
第1内部接続導体500の第1導体部500Aは、誘電体層19を介して第2内部電極493と互いに対向する領域である。第2内部接続導体510の第1導体部510Aは、誘電体層11を介して第1内部電極480と互いに対向する領域である。
第1及び第2内部接続導体500、510は、積層体L24が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体L24に積層されている。具体的には、第1及び第2内部接続導体500、510は、積層体L24が例えば誘電体層12を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極480及び第2内部電極490を含むように、積層体L24に積層されている。すなわち、積層体L24では、第1及び第2内部接続導体500、510がいずれも、積層体L24の積層方向において、上記1組の第1及び第2内部電極480、490の外側に配置されている。
積層コンデンサC24では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極480〜483とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体500を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC24では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極490〜493とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体510を介して電気的に接続させている。その結果、積層コンデンサC24では、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比べ、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3B及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第1及び第2内部接続導体500、510の数を調整することにより、積層コンデンサC24の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC24では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC24の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、6Aはいずれも、積層体L24の対向する第1及び第2側面L24a、L24b上のいずれかに形成されている。このように、積層コンデンサC24では外部導体(第1端子導体3A、3B、第2端子導体4A、4B、第1外部接続導体5A、及び第2外部接続導体6A)がすべて、積層体L24の互いに対向する2側面L24a、L24b上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に端子導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC24では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC24では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体500は、積層体L24の積層方向において誘電体層19を介して第2内部電極493と互いに対向する領域である第1導体部500Aを有する。したがって、第1内部接続導体500も積層コンデンサC24の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC24では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第2内部接続導体510は、積層体L24の積層方向において誘電体層11を介して第1内部電極480と互いに対向する領域である第1導体510Aを有する。したがって、第2内部接続導体510も積層コンデンサC24の容量成分の形成に寄与できる。そのため、積層コンデンサC24では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC24の積層体L24では、複数の第1内部電極480〜483と複数の第2内部電極490〜493とが、内部接続導体500、510の一部(第1内部接続導体500)とその残り(第2内部接続導体510)との間に、配置されている。そのため、積層コンデンサC24では、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC24では、等価直列インダクタンスを低減することが可能である。その理由は以下のように考えられる。すなわち、第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第2端子導体4A、4Bが第1端子導体3A、3Bとは極性が異なるランドパターンと直接接続され、第1及び第2外部接続導体5A、6Aがランドパターンと直接接続されないように積層コンデンサC24を基板等に実装した場合、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流の向きと、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流の向きとは、第1及び第2側面L24a、L24bの対向方向に沿って互いに逆向きになる。そのため、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとの間を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとの間を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC24では等価直列インダクタンスを低減することが可能となると考えられる。
また、積層コンデンサC24では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、積層体L24の第1側面L24a上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC24を第1端子導体3A、3Bがランドパターンと直接接続され、第1外部接続導体5Aがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、第1端子導体3Aと第1内部接続導体500との間(第1内部接続導体500の第2導体部500B)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第1外部接続導体5Aと第1内部電極480〜483との間(引き出し導体485A〜488A)を流れる電流及び第1外部接続導体5Aと第1内部接続導体500との間(第1内部接続導体500の第4導体部500D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC24では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第1端子導体と第1外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC24では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとが、積層体L24の第2側面L24b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC24を、第2端子導体4A、4Bがランドパターンと直接接続され、第2外部接続導体6Aがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、第2端子導体4Bと第2内部接続導体510との間(第2内部接続導体510の第3導体部510C)を流れる電流に起因して発生する磁界と、第2外部接続導体6Aと第2内部電極490〜493との間(引き出し導体495A〜498A)を流れる電流及び第2外部接続導体6Aと第2内部接続導体510との間(第2内部接続導体510の第4導体部510D)を流れる電流に起因して発生する磁界とが相殺される。その結果、積層コンデンサC24では等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。なお、互いに隣り合う第2端子導体と第2外部接続導体との対が1対でもあれば、等価直列インダクタンスが低減される。
積層コンデンサC24では、第1端子導体3Aと第1端子導体3Bとが、第2端子導体4Aと第2端子導体4Bとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L24の中心軸Ax24に関して互いに線対称の位置に形成されている。そのため、積層コンデンサC24を基板上等で中心軸Ax24に関して180度回転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
また、積層コンデンサC24では、第1端子導体3Aと第2端子導体4Bとが、第1端子導体3Bと第2端子導体4Aとが、第1外部接続導体5Aと第2外部接続導体6Aとがそれぞれ、積層体L24の第1側面L24aと第2側面L24bとの対向方向で対向する。そのため、基板等に実装させる積層コンデンサC24の面を当該面と対向する側面となるように積層コンデンサC24を反転したとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
さらに、積層体L24の側面L24a、L24bに直交する軸を中心に積層コンデンサC24を反転させたとしても、ランドパターンと端子導体及び外部接続導体との接続関係は変わらない。
このように積層コンデンサC24では、端子導体3A、3B、4A、4B及び外部接続導体5A、6Aが上述のように配置されているため、様々な実装方向に対応して実装可能となる。そのため、積層コンデンサC24では、その実装が容易となる。
(第72実施形態)
図97を参照して、第72実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第72実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体500、510の積層方向での位置の点で第71実施形態に係る積層コンデンサC24と相違する。図97は、第72実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第72実施形態に係る積層コンデンサでは、図97に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体500、510は、各2層の第1及び第2内部電極480、481、490、491と、各2層の第1及び第2内部電極482、483、492、493との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体500は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体510は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第72実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体500、510はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(例えば、誘電体層11を介する第1及び第2内部電極480、490)含むように、積層体に積層されている。
第72実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極480〜483とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体500を介して電気的に接続させている。また、第72実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極490〜493とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体510を介して電気的に接続させている。これらにより、第72実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第72実施形態に係る積層コンデンサは、第71実施形態に係る積層コンデンサC24と比べて、第1外部接続導体5Aの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。すなわち、第71実施形態に係る積層コンデンサC24では、第1外部接続導体5Aの抵抗成分は、第1内部接続導体500に対して直列接続されて、第1端子導体3A、3Bそれぞれに接続される。一方、第72実施形態に係る積層コンデンサでは、第1外部接続導体5Aの抵抗成分は、第1内部接続導体500を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第1端子導体3A、3Bそれぞれに対して並列接続される。
また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第72実施形態に係る積層コンデンサは、第71実施形態に係る積層コンデンサC24と比べて、第2外部接続導体6Aの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。すなわち、第71実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6Aの抵抗成分は、第2内部接続導体510に対して直列接続されて、第2端子導体4A、4Bそれぞれに接続される。一方、第72実施形態に係る積層コンデンサでは、第2外部接続導体6Aの抵抗成分は、第2内部接続導体510を境にして分けられ、これらの抵抗成分は、第2端子導体4A、4Bそれぞれに対して並列接続される。
したがって、第1及び第2外部接続導体5A、6Aの抵抗成分の差異に起因して、第72実施形態に係る積層コンデンサは、第71実施形態に係る積層コンデンサC24に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体500及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体510の積層方向での位置を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体500、510によって制御されるため、第72実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第72実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、6A)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができるため、第72実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体500の第1導体部500Aは、誘電体層14を介して第2内部電極491と互いに対向する。また、第2内部接続導510の第1導体部510Aは、誘電体層16を介して第1内部電極482と互いに対向する。したがって、第72実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体500、510も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第72実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC24同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第72実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC24同様、その実装が容易となる。
(第73実施形態)
図98を参照して、第73実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第73実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第71実施形態に係る積層コンデンサC24と相違する。図98は、第73実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第73実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図98に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493とが交互に積層されることにより構成される。
第73実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体500、501と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体510、511が積層されている。第73実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の内部接続導体500、501、510、511の一部である各1つの第1及び第2内部接続導体500、510とその残りである第1及び第2内部接続導体501、511との間に、4層の第1内部電極480〜483と4層の第2内部電極490〜493とが配置されている。
第1内部接続導体500は、誘電体層10と誘電体層11との間に挟まれように位置している。第1内部接続導体501は、誘電体層20と誘電体層21との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体510は、誘電体層11と誘電体層12との間に挟まれように位置している。第2内部接続導体511は、誘電体層21と誘電体層22との間に挟まれように位置している。
第1内部接続導体501は、長方形状を呈する第1導体部501Aと、第1導体部501Aから積層体の側面に引き出されるように伸びる第2〜第4導体部501B〜501Dとを含む。第1内部接続導体501の第2〜第4導体部501B〜501Dはそれぞれ、第1内部接続導体500の第2〜第4導体部500B〜500Dそれぞれが引き出される側面に対応する側面に、引き出されるように伸びる。
第2導体部501Bは第1端子導体3Aに、第3導体部501Cは第1端子導体3Bに、第4導体部501Dは第1外部接続導体5Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第1内部接続導体501は、第1端子導体3A、3Bと第1外部接続導体5Aとに電気的に接続される。
第2内部接続導体511は、長方形状を呈する第1導体部511Aと、第1導体部511Aから積層体の側面に引き出されるように伸びる第2〜第4導体部511B〜511Dとを含む。第2内部接続導体511の第2〜第4導体部511B〜511Dはそれぞれ、第2内部接続導体510の第2〜第4導体部510B〜510Dそれぞれが引き出される側面に対応する側面に、引き出されるように伸びる。
第2導体部511Bは第2端子導体4Aに、第3導体部511Cは第2端子導体4Bに、第4導体部511Dは第2外部接続導体6Aにそれぞれ電気的に接続される。したがって、第2内部接続導体511は、第2端子導体4A、4Bと第2外部接続導体6Aとに電気的に接続される。
第73実施形態に係る積層コンデンサにおいて、第1及び第2内部接続導体500、501、510、511はいずれも、積層体が誘電体層を介して積層方向に互いに隣り合う第1内部電極及び第2内部電極を少なくとも1組(本実施形態においては4組)含むように、積層体に積層されている。
第73実施形態に係る積層コンデンサでは、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極480〜483とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体500、501を介して電気的に接続させている。また、第73実施形態に係る積層コンデンサでは、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極490〜493とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体510、511を介して電気的に接続させている。これらにより、第73実施形態に係る積層コンデンサは、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
第73実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC24に比して、第1内部接続導体500、501の数が多く、これらの第1内部接続導体500、501は対応する第1端子導体3A、3Bに対して並列接続される。また、第1内部接続導体500、501の数が多くなることで、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極480〜483との間を流れる電流の経路が多くなる。一方、第73実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC24に比して、第2内部接続導体510、511の数が多く、これらの第2内部接続導体510、511は対応する第2端子導体4A、4Bに対して並列接続される。また、第2内部接続導体510、511の数が多くなることで、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極490〜493との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第73実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC24の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体500、501の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体510、511の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第73実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第73実施形態に係る積層コンデンサの外部導体(第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、第1及び第2外部接続導体5A、6A)はすべて、積層体の互いに対向する第1及び第2側面上に形成されている。したがって、積層体の3側面以上(例えば4側面)に外部導体が形成される場合に比べ、第73実施形態に係る積層コンデンサでは、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体501の第1導体部501Aは、誘電体層20を介して第2内部電極493と互いに対向する。また、第2内部接続導体510の第1導体部510Aは、誘電体層12を介して第1内部電極480と互いに対向する。したがって、第73実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2内部接続導体501、510も容量成分の形成に寄与でき、積層コンデンサの静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第73実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493が、第1及び第2内部接続導体500、510と第1及び第2内部接続導体501、511との間に、配置されている。そのため、第73実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第73実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC24同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第73実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC24同様、その実装が容易となる。
(第74実施形態)
図99及び図100を参照して、第74実施形態に係る積層コンデンサC25の構成について説明する。第74実施形態に係る積層コンデンサC25は、積層体上に形成された外部接続導体の配置の点で第71実施形態に係る積層コンデンサC24と相違する。図99は、第74実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図100は、第74実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
積層体L25の積層方向と平行な側面のうち積層体L25の積層方向と直交する面L25c、L25dの長手方向に沿って伸びる側面である第1側面L25a上には、第2端子導体4A、及び第1外部接続導体5A、第1端子導体3Aが、図99の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第1側面L25a上において、第1外部接続導体5Aは第1端子導体3Aと第2端子導体4Aとの間に位置するように形成されている。
積層体L25の積層方向と平行な側面のうち積層体L25の積層方向と直交する面L25c、L25dの長手方向に沿って伸びる側面であって且つ第1側面L25aと対向する側面である第2側面L25b上には、第2端子導体4B、第2外部接続導体6B、及び第1端子導体3Bが、図99の左側から右側に向かってこの順で形成されている。すなわち、第2側面L25b上において、第2外部接続導体6Aは第1端子導体3Bと第2端子導体4Bとの間に位置するように形成されている。
したがって、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとは、積層体L25の同一側面である第1側面L25a上において互いに隣り合って形成されている。第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとは、積層体L25の同一側面である第2側面L25b上において互いに隣り合って形成されている。
第1端子導体3A及び第2端子導体4B、第1端子導体3B及び第2端子導体4A、並びに第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L25の中心軸のうち、積層体L25の積層方向と直交する2つの側面L25c、L25dそれぞれの中心点を通る中心軸Ax25に対して互いに線対称である。第1端子導体3A及び第1端子導体3B、第2端子導体4A及び第2端子導体4B、並びに第1外部接続導体5A及び第2外部接続導体6Aはそれぞれ、積層体L25の第1側面L25aと第2側面L25bとの対向方向に沿って対向する。
積層体L25は、図100に示されるように、複数(本実施形態では、11層)の誘電体層10〜20と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493とが交互に積層されることにより構成される。さらに、積層体L25には、1つの第1内部接続導体500と1つの第2内部接続導体510とが積層されている。
引き出し導体485A〜488Aは、対応する第1内部電極480〜483から積層体L25の第1側面L25aに臨むようにそれぞれ伸びている。引き出し導体495A〜498Aは、対応する第2内部電極490〜493から積層体L25の第2側面L25bに臨むようにそれぞれ伸びている。
第1内部接続導体500は、長方形状を呈する第1導体部500Aと、第1導体部500Aから積層体L25の第1側面L25aに引き出されるように伸びる第2及び第4導体部500B、500Dと、第1導体部500Aから積層体L25の第2側面L25bに引き出されるように伸びる第3導体部500Cとを含む。
第2内部接続導体510は、長方形状を呈する第1導体部510Aと、第1導体部510Aから積層体L25の第1側面L25aに引き出されるように伸びる第2導体部510Bと、第1導体部510Aから積層体L25の第2側面L25bに引き出されるように伸びる第3及び第4導体部510C、510Dとを含む。
積層コンデンサC25では、第1端子導体3A、3Bと第1内部電極480〜483とを直接接続させず、第1外部接続導体5A及び第1内部接続導体500を介して電気的に接続させている。また、積層コンデンサC25では、第2端子導体4A、4Bと第2内部電極490〜493とを直接接続させず、第2外部接続導体6A及び第2内部接続導体510を介して電気的に接続させている。これらにより、積層コンデンサC25は、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、等価直列抵抗が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、第1端子導体3A、3Bに直接接続される第1内部接続導体500の数及び第2端子導体4A、4Bに直接接続される第2内部接続導体510の数を調整することにより、積層コンデンサC25の等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、積層コンデンサC25では静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
積層コンデンサC25の外部導体である第1及び第2端子導体3A、3B、4A、4B、並びに第1及び第2外部接続導体5A、6Aはすべて、積層体L25の互いに対向する第1及び第2側面L25a、L25b上に形成されている。したがって、積層体L25の4側面に外部導体が形成される場合に比べ、積層コンデンサC25では外部導体の形成に必要な工程を少なくすることができる。そのため、積層コンデンサC25では、その製造を容易に行うことが可能となる。
第1内部接続導体500の第1導体部500A及び第2内部接続導体510の第1導体部510Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、積層コンデンサC25では、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
積層コンデンサC25の積層体L25では、複数の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493が、第1内部接続導体500と第2内部接続導体510との間に配置されているため、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
積層コンデンサC25では、第1端子導体3Aと第1外部接続導体5Aとが、積層体L25の第1側面L25a上において互いに隣り合って形成されている。また、積層コンデンサC25では、第2端子導体4Bと第2外部接続導体6Aとが、積層体L25の第2側面L25b上において互いに隣り合って形成されている。したがって、積層コンデンサC25を、端子導体3A、3B、4A、4Bがランドパターンと直接接続され、外部接続導体5A、6Aがランドパターンと直接接続されないように基板等に実装した場合、積層体L25内を流れる電流に起因して発生する磁界の相殺効果により、積層コンデンサC25の等価直列インダクタンスは低減される。
積層コンデンサC25では、外部導体3A、3B、4A、4B、5A、6Aと中心軸Ax25との位置関係、及び外部導体3A、3B、4A、4B、5A、6Aの積層体L25の第1側面L25aと第2側面L25bとの対向方向での位置関係から、その実装が容易となる。
(第75実施形態)
図101を参照して、第75実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第75実施形態に係る積層コンデンサは、内部接続導体500、510の積層方向での位置の点で第74実施形態に係る積層コンデンサC25と相違する。図101は、第75実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第75実施形態に係る積層コンデンサでは、図101に示されるように、各1つの第1及び第2内部接続導体500、510は、各2層の第1及び第2内部電極480、481、490、491と、各2層の第1及び第2内部電極482、483、492、493との間に積層されている。より詳細には、第1内部接続導体500は、誘電体層14と誘電体層15との間に挟まれるように位置している。第2内部接続導体510は、誘電体層15と誘電体層16との間に挟まれるように位置している。
第75実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極480〜483、490〜493とを直接接続させず、外部接続導体5A、6A及び内部接続導体500、510を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第75実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
ところで、第1端子導体3A、3Bに着目すると、第75実施形態に係る積層コンデンサは第74実施形態に係る積層コンデンサC25に対して第1内部接続導体500の位置が相違するため、第1外部接続導体5Aの抵抗成分の第1端子導体3A、3Bそれぞれへの接続のされ方が異なる。また、第2端子導体4A、4Bに着目すると、第75実施形態に係る積層コンデンサは第74実施形態に係る積層コンデンサC25に対して第2内部接続導体510の位置が相違するため、第2外部接続導体6Aの抵抗成分の第2端子導体4A、4Bへの接続のされ方が異なる。
第1及び第2外部接続導体5A、6Aの抵抗成分の差異に起因して、第75実施形態に係る積層コンデンサは、第74実施形態に係る積層コンデンサC25に比して、等価直列抵抗が小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1及び第2内部接続導体500、510の積層方向での位置を調整することにより積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体500、510によって制御されるため、第75実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体500の第1導体部500A及び第2内部接続導体510の第1導体部510Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第75実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第75実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC25における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC25同様、第75実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第75実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC25同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第75実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC25同様、その実装が容易となる。
(第76実施形態)
図102を参照して、第76実施形態に係る積層コンデンサの構成について説明する。第76実施形態に係る積層コンデンサは、第1及び第2内部接続導体の数の点で第74実施形態に係る積層コンデンサC25と相違する。図102は、第76実施形態に係る積層コンデンサに含まれる積層体の分解斜視図である。
第76実施形態に係る積層コンデンサの積層体は、図102に示されるように、複数(本実施形態では、13層)の誘電体層10〜22と、複数(本実施形態では、各4層)の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493とが交互に積層されることにより構成される。
第76実施形態に係る積層コンデンサの積層体には、複数(本実施形態では2層)の第1内部接続導体500、501と、複数(本実施形態では2層)の第2内部接続導体510、511が積層されている。第76実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、第1及び第2内部接続導体500、510と第1及び第2内部接続導体501、511との間に、第1内部電極480〜483と第2内部電極490〜493とが配置されている。
第1内部接続導体500は誘電体層10と誘電体層11との間に、第1内部接続導体501は誘電体層20と誘電体層21との間にそれぞれ挟まれように位置している。第2内部接続導体510は誘電体層11と誘電体層12との間に、第2内部接続導体511は誘電体層21と誘電体層22との間にそれぞれ挟まれように位置している。
第76実施形態に係る積層コンデンサでは、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極480〜483、490〜493とを直接接続させず、外部接続導体5A、6A及び内部接続導体500、501、510、511を介して電気的に接続させている。そのため、すべての内部電極が対応する端子導体に引き出し導体を介して直接接続されている従来の積層コンデンサに比して、第76実施形態に係る積層コンデンサでは等価直列抵抗を大きくすることが可能となる。
第76実施形態に係る積層コンデンサは、積層コンデンサC25に比して、第1内部接続導体500、501及び第2内部接続導体510、511の数が多く、これらの内部接続導体500、501、510、511は対応する端子導体3A、3B、4A、4Bに対して並列接続される。また、内部接続導体500、501、510、511の数が多くなることで、端子導体3A、3B、4A、4Bと内部電極480〜483、490〜493との間を流れる電流の経路が多くなる。したがって、第76実施形態に係る積層コンデンサの等価直列抵抗は、積層コンデンサC25の等価直列抵抗に比して小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、第1内部接続導体500、501の数及び第2内部接続導体510、511の数を調整することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗が所望の値に設定されるので、等価直列抵抗の制御を容易に且つ精度良く行うことができる。また、等価直列抵抗は第1及び第2内部接続導体によって制御されるため、第76実施形態に係る積層コンデンサでは静電容量を所望の値(例えば大きい値)としつつ、等価直列抵抗を制御することができる。
第1内部接続導体501の第1導体部501A及び第2内部接続導体510の第1導体部510Aは何れも誘電体層を介して内部電極と対向するため、容量成分の形成に寄与することができる。そのため、第76実施形態に係る積層コンデンサでは、その静電容量をさらに大きくすることが可能となる。
第76実施形態に係る積層コンデンサの積層体では、複数の第1及び第2内部電極480〜483、490〜493が、第1及び第2内部接続導体500、510と第1及び第2内部接続導体501、511との間に、配置されている。そのため、第76実施形態に係る積層コンデンサでは、等価直列抵抗をバランスよく設定することが可能となる。
第76実施形態に係る積層コンデンサの外部導体の配置は積層コンデンサC25における外部導体の配置と同じであるため、積層コンデンサC25同様、第76実施形態に係る積層コンデンサの製造を容易に行うことが可能となる。第76実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC25同様、等価直列インダクタンスを低減することが可能となる。また、第76実施形態に係る積層コンデンサでも、積層コンデンサC25同様、その実装が容易となる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、誘電体層の積層数10〜22、及び第1及び第2内部電極400〜405、410〜415、440〜445、450〜455、480〜485、490〜495の積層数は、上述した実施形態に記載された数に限られない。
また、第1内部接続導体420、421、460、461、500、501の数及び積層方向での位置は、上述した実施形態に記載された数及び位置に限られない。第2内部接続導体430、431、470、471、510、511の数及び積層方向での位置は、上述した実施形態に記載された数及び位置に限られない。
第1内部接続導体420、421、460、461、500、501の形状は、上記実施形態に記載された形状に限らず、第1端子導体及び第1外部接続導体と電気的に接続されていればよい。第2内部接続導体430、431、470、471、510、511の形状は、上記実施形態に記載された形状に限らず、第2端子導体及び第2外部接続導体と電気的に接続されていればよい。
第1内部接続導体420、421、460、461、500、501は、積層体の積層方向において第2内部電極と対向する領域を有していなくてもよい。第2内部接続導体430、431、470、471、510、511は、積層体の積層方向において第1内部電極と対向する領域を有していなくてもよい。
また、第1及び第2端子導体3A〜3D、4A〜4Dの数も、上述した実施形態に記載された数に限られない。したがって、例えば第1及び第2端子導体はそれぞれ5つ以上であってもよい。あるいは、第1及び第2端子導体3A〜3D、4A〜4Dは、互いに異なる数であってもよい。また、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bの数も、上述した実施形態に記載された数に限られない。したがって、例えば第1及び第2外部接続導体はそれぞれ1つであっても、あるいはそれぞれ3つ以上であってもよい。あるいは、第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bは、互いに異なる数であってもよい。
また、第1及び第2端子導体3A〜3D、4A〜4D並びに第1及び第2外部接続導体5A、5B、6A、6Bの位置も、上述した実施形態に記載された位置に限られない。
積層体の中心軸に対して、各端子導体と線対称な位置に端子導体が位置していなくてもよい。積層体の中心軸に対して、各外部接続導体と線対称な位置に外部接続導体が位置していなくてもよい。
積層体の第1側面と第2側面との対向方向で、第1側面上の第1端子導体と対向する第2側面上の位置に第2端子導体が位置していなくてもよい。積層体の第1側面と第2側面との対向方向で、第2側面上の第1端子導体と対向する第1側面上の位置に第2端子導体が位置していなくてもよい。また、積層体の第1側面と第2側面との対向方向で、各端子導体と対向する位置に端子導体が位置していなくてもよい。積層体の第1側面と第2側面との対向方向で、各外部接続導体と対向する位置に外部接続導体が位置していなくてもよい。
また、本発明に係る積層コンデンサの積層体に対しさらに、誘電体層が積層されていても、あるいは誘電体層と内部電極とが交互に積層されていてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明は様々な変形が可能である。このような変形は、本発明の範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者に明らかなこうした変形はすべて、特許請求の範囲の何れかの請求項の範囲内に含まれるものと考えられる。