以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、第1実施形態に係る積層コンデンサが備える素体の分解斜視図である。図3及び図4は、第1実施形態に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
積層コンデンサC1は、図1に示されるように、直方体状をした素体E1と、素体E1の外表面に配置された第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。
直方体状の素体E1は、側面1〜6を有している。側面(第1の側面)1は側面(第4の側面)4と対向し、側面(第2の側面)2は側面(第3の側面)3と対向し、側面5は側面6と対向している。側面5,6は長方形状を呈しており、側面1,4は、側面5,6を連結するように側面5,6の長辺方向に沿って伸びている。側面2,3は、側面5,6を連結するように側面5,6の短辺方向に沿って伸びている。本実施形態に係る積層コンデンサC1は、側面1が実装基板と対向するように実装基板に配置される。
第1の端子電極10、第2の端子電極12、第1の接続導体14、及び第2の接続導体16は、互いに絶縁されている。第1の端子電極10は、側面2全体を覆い、側面1,4それぞれにおける側面2側の端部を覆うように配置されている。第2の端子電極12は、側面3全体を覆い、側面1,4それぞれにおける側面3側の端部を覆うように配置されている。第1の接続導体14は、側面4において第1及び第2の端子電極10,12の間に配置され、側面5,6が対向する方向に伸びている。第2の接続導体16は、側面1において第1及び第2の端子電極10,12の間に配置され、側面5,6が対向する方向に伸びている。
第1の端子電極10、第2の端子電極12、第1の接続導体14、及び第2の接続導体16は、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素体E1の対応する外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。なお必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層が形成されることもある。
素体E1は、図2に示されるように、長方形状を呈した複数(本実施形態では7層)の絶縁体層18が積層されたものである。先述した側面1〜4は絶縁体層18の積層方向に沿った面であり、側面5,6は絶縁体層18の積層方向に対向した面である。各絶縁体層18は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層コンデンサC1では、各絶縁体層18は、絶縁体層18の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
積層コンデンサC1は、図2に示されるように、1層の第1の内部電極21と、1層の第2の内部電極31と、複数(本実施形態では2層)の第3の内部電極41と、複数(本実施形態では2層)の第4の内部電極45とを素体E1内に備えている。本実施形態に係る積層コンデンサC1では、第1〜第4の内部電極21,31,41,45は、第1の内部電極21、第2の内部電極31、第3の内部電極41、第4の内部電極45、第3の内部電極41、第4の内部電極45、の順で、間に絶縁体層18を挟んだ状態で積層されている。これらの内部電極は、導電性ペーストの焼結体から構成される。
第1の内部電極21は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で第2の内部電極31と隣り合っている。図3(a)に示されるように、第1の内部電極21は、主電極(第1の主電極)22と、連結導体23,24と、引出導体25〜28とを有している。
主電極22は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極22は、長辺方向に伸びる一対の縁部29a,29bを有している。縁部29aは側面1側に位置し、縁部29bは側面4側に位置している。
主電極22は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、後述する第2の内部電極31の主電極32と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極22と主電極32とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極22全体が容量形成領域であるといえる。第1の内部電極21の容量形成領域すなわち主電極22は、端部22a,22bと中間部22cとからなっている。端部22aは素体E1の側面2側に位置しており、端部22bは素体E1の側面3側に位置している。中間部22cは、端部22aと端部22bとの間に位置している。
連結導体(第1の連結導体)23は、主電極22に接続されており、主電極22からみて側面1側に位置している。連結導体23は、主電極22の縁部29aから素体E1の側面1に向かって伸びている。連結導体23は、主電極22の中間部22cのうち素体E1の側面2寄りの部分に接続されている。
引出導体(第1の引出導体)26は、一端部が連結導体23に接続され、主電極22との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面2に向かって伸びている。引出導体26のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体26が伸びる方向において、連結導体23の長さL1は、引出導体26及び主電極22の長さL2,L3よりも短くなっている。
連結導体24は、主電極22に接続されており、主電極22からみて側面4側に位置している。連結導体24は、主電極22の縁部29bから素体E1の側面4に向かって伸びている。連結導体24は、側面1,4の対向方向から見たときに、主電極22の中間部22cのうち素体E1の側面2寄りの部分に接続されている。
引出導体27は、一端部が連結導体24に接続され、主電極22との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面2に向かって伸びている。引出導体27のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体27が伸びる方向において、連結導体24の長さは、引出導体27及び主電極22の長さよりも短くなっている。
引出導体(第7の引出導体)25は、引出導体26,27に連結されている。より具体的には、引出導体25の一端部は引出導体26に接続され、引出導体25の他端部は引出導体27に接続されている。引出導体25は、主電極22との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿って伸びている。引出導体25のうち側面2側の縁部は、側面2から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体(第2の引出導体)28は、主電極22からみて側面4側に位置している。引出導体28の一端部は主電極22に接続され、引出導体28の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体28は、主電極22の縁部29bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体28は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体23と連結導体33との間との間に位置している。また引出導体28は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体24と連結導体34との間に位置している。
第2の内部電極31は、図3(b)に示されるように、主電極(第2の主電極)32と、連結導体33,34と、引出導体35〜38とを有している。
主電極32は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極32は、長辺方向に伸びる一対の縁部39a,39bを有している。縁部39aは側面1側に位置し、縁部39bは側面4側に位置している。
主電極32は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極21の主電極22と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極22と主電極32とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極32全体が容量形成領域であるといえる。第2の内部電極31の容量形成領域すなわち主電極32は、端部32a,32bと中間部32cとからなっている。端部32aは、素体E1の側面2側に位置しており、端部32bは、素体E1の側面3側に位置している。中間部32cは、端部32aと端部32bとの間に位置している。
連結導体(第2の連結導体)33は、主電極32に接続されており、主電極32からみて側面1側に位置している。連結導体33は、主電極32の縁部39aから素体E1の側面1に向かって伸びている。連結導体33は、側面1,4の対向方向から見たときに、主電極32の中間部32cのうち素体E1の側面3寄りの部分に接続されている。
引出導体(第3の引出導体)36は、一端部が連結導体33に接続され、主電極32との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体36のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体36が伸びる方向において、連結導体33の長さL11は、引出導体36及び主電極32の長さL12,L13よりも短くなっている。
連結導体34は、主電極32に接続されており、主電極32からみて側面4側に位置している。連結導体34は、主電極32の縁部39bから素体E1の側面4に向かって伸びている。連結導体34は、側面1,4の対向方向から見たときに、主電極32の中間部32cのうち素体E1の側面3寄りの部分に接続されている。
引出導体37は、一端部が連結導体34に接続され、主電極32との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体37のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体37が伸びる方向において、連結導体34の長さは、引出導体37及び主電極32の長さよりも短くなっている。
引出導体(第8の引出導体)35は、引出導体36及び引出導体37に連結されている。より具体的には、引出導体35の一端部は引出導体36に接続され、引出導体35の他端部は引出導体37に接続されている。引出導体35は、主電極32との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿って伸びている。引出導体35のうち側面3側の縁部は、側面3から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体(第5の引出導体)38は、主電極32からみて側面1側に位置している。引出導体38の一端部は主電極32に接続され、引出導体38の他端部は側面1から露出して第2の接続導体16に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体38は、主電極32の縁部39aから素体E1の側面1に向かって伸びている。引出導体38は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体23と連結導体33との間との間に位置している。また引出導体38は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体24と連結導体34との間に位置している。
第3の内部電極41は、図4(a)に示されるように、主電極(第3の主電極)42と、引出導体(第4の引出導体)43とを有している。
主電極42は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極42は、長辺方向に伸びる一対の縁部44a,44bを有している。縁部44aは側面1側に位置し、縁部44bは側面4側に位置している。
主電極42は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極21の主電極22、第2の内部電極31の主電極32、及び後述する第4の内部電極45の主電極46と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極42は、主電極22,32,46と全体的に重なり合っている。そのため、主電極42全体が容量形成領域であるといえる。第3の内部電極41の容量形成領域すなわち主電極42は、端部42a,42bと中間部42cとからなっている。端部42aは、素体E1の側面2側に位置しており、端部42bは、素体E1の側面3側に位置している。中間部42cは、端部42aと端部42bとの間に位置している。
引出導体43は、主電極42からみて側面4側に位置している。引出導体43の一端部は主電極42に接続され、引出導体43の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体43は、主電極42の縁部44bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体43は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体23と連結導体33との間に位置している。また引出導体43は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体24と連結導体34との間に位置している。
第4の内部電極45は、図4(b)に示されるように、主電極(第4の主電極)46と、引出導体(第6の引出導体)47とを有している。
主電極46は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極46は、長辺方向に伸びる一対の縁部48a,48bを有している。縁部48aは側面1側に位置し、縁部48bは側面4側に位置している。
主電極46は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極21の主電極22、第2の内部電極31の主電極32、及び第3の内部電極41の主電極42と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極46は、主電極22,32,42と全体的に重なり合っている。そのため、主電極46全体が容量形成領域であるといえる。第3の内部電極45の容量形成領域すなわち主電極46は、端部46a,46bと中間部46cとからなっている。端部46aは、素体E1の側面2側に位置しており、端部46bは、素体E1の側面3側に位置している。中間部46cは、端部46aと端部46bとの間に位置している。
引出導体47は、主電極46からみて側面1側に位置している。引出導体47の一端部は主電極46に接続され、引出導体47の他端部は側面1から露出して第2の接続導体16に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体47は、主電極46の縁部48aから素体E1の側面1に向かって伸びている。引出導体47は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体23と連結導体33との間に位置している。また引出導体47は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体24と連結導体34との間に位置している。
以上の構成を有する第1実施形態に係る積層コンデンサC1によれば、第1の内部電極21において引出導体26と主電極22とは連結導体23によって接続され、第2の内部電極31において引出導体36と主電極32とは連結導体33によって接続される。引出導体26が伸びる方向において、連結導体23は、引出導体26及び主電極22の長さよりも短くなっている。引出導体36が伸びる方向において、連結導体33は、引出導体36及び主電極32の長さよりも短くなっている。すなわち、引出導体26,36と主電極22,32との間は、幅狭となっている。したがって積層コンデンサC1では、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成されることとなるため、ESRを大きくすることができる。
第1の内部電極21は、第1の端子電極10と第1の接続導体14とに接続される。第3の内部電極41は、第1の端子電極10には接続されず、第1の接続導体14にのみ接続される。したがって、第3の内部電極41は第1の内部電極21を介して第1の端子電極10に間接的に接続されることとなる。したがって積層コンデンサC1では、第1の端子電極10に直接的に接続されない内部電極を有することとなるため、ESRをより大きくすることができる。
主電極22,32は、積層方向から見て互いに重なりを有しており、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極22,32は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって積層コンデンサC1では、静電容量を確保することができる。
主電極42,32は、積層方向から見て互いに重なりを有しており、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極42,32は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって積層コンデンサC1では、静電容量を充分に確保することができる。
主電極46,42は、互いに重なりを有しており、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極46,42は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって積層コンデンサC1では、静電容量をより充分に確保することができる。
積層コンデンサC1は、第2の接続導体16にのみ接続される第4の内部電極45を備えている。第4の内部電極45は、第2の接続導体16及び第2の内部電極31を介して、第2の端子電極12に間接的に接続されることとなる。このように、第2の端子電極12に直接的に接続されない内部電極を備えることにより、ESRをいっそう大きくすることができる。
第1の内部電極21において、連結導体23は主電極22の縁部29aに接続され、素体E1の側面1に向かって伸びている。第2の内部電極31において、連結導体33は主電極32の縁部39aに接続され、素体E1の側面1に向かって伸びている。したがって連結導体23,33は、積層方向から見ると互いに略平行な状態となっている。また、連結導体23は第1の端子電極10に接続され、連結導体33は第1の端子電極10とは極性が異なる第2の端子電極12に接続されている。そのため連結導体23,33には、積層コンデンサC1に電圧を印加した際、互いに逆向きの電流が流れることとなる。更に、第1の内部電極21と第2の内部電極31とは絶縁体層18を介して隣り合うように積層されているので、連結導体23と連結導体33との間の距離が短くなっている。このように連結導体23と連結導体33との間の距離を短くし、且つ連結導体23,33に流れる電流の方向を互いに逆向きとすることにより、電流に起因して発生する磁界を一部相殺することができる。よって積層コンデンサC1では、ESLを低くすることも可能となる。図3中の矢印は、第1の端子電極10を陰極とし第2の端子電極12を陽極とした場合における電流の向きを示している。
第1の端子電極10は、素体E1の側面1,2に形成されている。第2の端子電極12は、素体E1の側面1,3に形成されている。第1の内部電極21は、素体E1の側面2から露出した引出導体25を有している。第2の内部電極31は、素体E1の側面3から露出した引出導体35を有している。これにより、第1及び第2の内部電極21,31と第1及び第2の端子電極10,12との接触面積が増えるため、第1及び第2の内部電極21,31と第1及び第2の端子電極10,12との接合性を高めることができる。
積層コンデンサC1を側面1が実装基板と対向するように実装基板上に配置した場合には、引出導体26及び連結導体23を介して主電極22に至る電流経路のほかに、引出導体25,27及び連結導体24を介して主電極22に至る、比較的長い電流経路が形成される。比較的長い電流経路が形成されることにより、ESRを更に大きくすることができる。また、積層コンデンサC1を側面1が実装基板と対向するように実装基板上に配置した場合には、例えば側面5が実装基板と対向するように実装基板上に配置した場合と比べて、ESLを低く抑えることができる。
積層コンデンサC1では、引出導体28,43は側面4側に位置する主電極22,42の縁部29b,44bから側面4に向かって伸び、引出導体38,47は側面1側に位置する主電極32,46の縁部39a,48aから側面1に向かって伸びている。したがって、引出導体28,43,38,47を同一の側面にではなく2つの側面に振り分けて露出させることとなるため、積層方向から見たときの連結導体23と連結導体33との間、及び連結導体24と連結導体34との間の距離を短くすることができる。連結導体23と連結導体33とでは電流が互いに逆向きに流れ、連結導体24と連結導体34とでは電流が互いに逆向きに流れるため、連結導体23と連結導体33との間、及び連結導体24と連結導体34との間において、電流に起因して発生する磁界が相殺される。よって、ESLを低くすることができる。
積層コンデンサC1では、引出導体26及び連結導体23を経て主電極22に流れ込む電流経路のほかに、引出導体27及び連結導体24を経て主電極22に流れ込む電流経路が形成されている。このように電流経路を複数形成することにより、更にESLを低くすることができる。
図3,4中の矢印は、第1の端子電極10を陰極とし第2の端子電極12を陽極とした場合における電流の向きを示している。積層コンデンサC1では、第1の内部電極21の主電極22における端部22a,22bと、第2の内部電極31の主電極32における端部32a,32bとでは、流れる電流の向きが互いに逆となる。よって、第1の内部電極21と第2の内部電極31とにおいて、電流に起因して発生する磁界が一部相殺される。第3の内部電極41の主電極42における端部42a,42bと、第4の内部電極45の主電極46における端部46a,46とでは、流れる電流の向きが互いに逆となる。よって、第3の内部電極41と第4の内部電極45とにおいて、電流に起因して発生する磁界が一部相殺される。このように、互いに隣り合う内部電極同士で磁界の相殺を発生させることにより、ESLをいっそう低くすることができる。
続いて、図5に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。図5は、第1実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図5に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23,24、及び引出導体25〜28のほかに、連結導体51を有している。連結導体51は、主電極22に接続されており、主電極22からみて素体E1の側面2側に位置している。連結導体51の一端部は、側面2側に位置する主電極22の縁部29cに接続され、連結導体51の他端部は、引出導体25に接続されている。
本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33,34、及び引出導体35〜38のほかに、連結導体52を有している。連結導体52は、主電極32に接続されており、主電極32からみて素体E1の側面3側に位置している。連結導体52の一端部は、側面3側に位置する主電極32の縁部39cに接続され、連結導体52の他端部は、引出導体35に接続されている。
このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。
図6に基づいて、第1実施形態の他の変形例について説明する。図6は、第1実施形態の他の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図6に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23,24、及び引出導体26〜28を有している。本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する引出導体25の代わりに、2つの引出導体53,54を有している。引出導体53,54は、主電極22との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿ってそれぞれ伸びている。引出導体53の一端部は引出導体26に接続され、引出導体54の一端部は引出導体27に接続されている。引出導体53の他端部と引出導体54の他端部との間には、間隙が設けられている。引出導体53,54それぞれにおける側面2側の縁部は、側面2から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。
本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33,34、及び引出導体36〜38を有している。本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する引出導体35の代わりに、2つの引出導体55,56を有している。引出導体55,56は、主電極32との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿ってそれぞれ伸びている。引出導体55の一端部は引出導体36に接続され、引出導体56の一端部は引出導体37に接続されている。引出導体55の他端部と引出導体56の他端部との間には、間隙が設けられている。引出導体55,56それぞれにおける側面3側の縁部は、側面3から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。
本変形例に係る積層コンデンサでは、引出導体54,56は引出導体53,55と非接続となっているが、積層コンデンサC1を側面1が実装基板と対向するように実装基板上に配置した場合には、第1及び第2の端子電極10,12を介して引出導体54,56にも電流が流れることとなる。このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。
図7に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。図7は、第1実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図7に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23,24、及び引出導体26〜28を有している。本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する引出導体25の代わりに、引出導体57を有している。引出導体57は、主電極22との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿って伸びている。引出導体57の一端部は引出導体26に接続され、引出導体57の他端部は引出導体27に接続されている。引出導体57は、一端と他端との間に側面2に向かう凸部57aを有しており、この凸部57aの端面のみが側面2から露出している。
本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33,34、及び引出導体36〜38を有している。本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する引出導体35の代わりに、引出導体58を有している。引出導体58は、主電極32との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿って伸びている。引出導体58の一端部は引出導体36に接続され、引出導体58の他端部は引出導体37に接続されている。引出導体58は、一端と他端との間に側面3に向かう凸部58aを有しており、この凸部58aの端面のみが側面3から露出している。
このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。
図8に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。図8は、第1実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図8に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23,24、及び引出導体26〜28を有している。本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する引出導体25の代わりに、引出導体59を有している。引出導体59の一端部は引出導体26に接続され、引出導体59の他端部は引出導体27に接続されている。引出導体59は、主電極22との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿って伸びているが、側面2から露出はしていない。
本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33,34、及び引出導体36〜38を有している。本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する引出導体35の代わりに、引出導体60を有している。引出導体60の一端部は引出導体36に接続され、引出導体60の他端部は引出導体37に接続されている。引出導体60は、主電極32との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿って伸びているが、側面3から露出はしていない。
このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。
図9に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。図9は、第1実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図9に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23、及び引出導体25,26,28を有しているが、第1実施形態の第1の内部電極21が有する連結導体24及び引出導体27は有していない。本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33、及び引出導体35,36,38を有しているが、第1実施形態の第2の内部電極31が有する連結導体34及び引出導体37は有していない。
このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。また、第1及び第2の端子電極10,12から主電極22,32に至る電流経路がそれぞれ1つであるため、ESRを更に高めることができる。
図10に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。図10は、第1実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図10に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23,24、及び引出導体26〜28を有しているが、第1実施形態の第1の内部電極21が有する引出導体25は有していない。本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33,34、及び引出導体36〜38を有しているが、第1実施形態の第2の内部電極31が有する引出導体35は有していない。
本変形例に係る積層コンデンサでは、引出導体27は引出導体26と非連続となっており、引出導体37は引出導体36と非連続となっているが、積層コンデンサC1を側面1が実装基板と対向するように実装基板上に配置した場合には、第1及び第2の端子電極10,12を介して引出導体26,27,36,37のいずれにも電流が流れることとなる。このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。
図11に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。図11は、第1実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極21,31,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図11に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極21,31の形状が第1実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極21は、第1実施形態の第1の内部電極21が有する主電極22、連結導体23、及び引出導体26,28を有しているが、第1実施形態の第1の内部電極21が有する連結導体24及び引出導体25,27は有していない。本変形例の第2の内部電極31は、第1実施形態の第2の内部電極31が有する主電極32、連結導体33、及び引出導体36,38を有しているが、第1実施形態の第2の内部電極31が有する連結導体34及び引出導体35,37は有していない。
このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極21,31の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、更に第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。また、第1及び第2の端子電極10,12から主電極22,32に至る電流経路がそれぞれ1つであるため、ESRを更に高めることができる。
(第2実施形態)
図12は、第2実施形態に係る積層コンデンサが備える素体の分解斜視図である。図13は、第2実施形態に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、直方体状をした素体E1と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。素体E1に対する第1及び第2の端子電極10,12と第1及び第2の接続導体14,16との配置位置は、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同一である。
第2実施形態に係る積層コンデンサは、1層の第1の内部電極71と、複数(本実施形態では3層)の第2の内部電極81と、複数(本実施形態では2層)の第3の内部電極91とを素体E1内に備えている。本実施形態に係る積層コンデンサでは、第1〜第3の内部電極71,81,91は、第1の内部電極71、第2の内部電極81、第3の内部電極91、第2の内部電極81、第3の内部電極91、第2の内部電極81、の順で、間に絶縁体層18を挟んだ状態で積層されている。これらの内部電極は、導電性ペーストの焼結体から構成される。
第1の内部電極71は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で第2の内部電極81と隣り合っている。図13(a)に示されるように、第1の内部電極71は、主電極(第1の主電極)72と、連結導体73,74と、引出導体75〜79とを有している。
主電極72は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極72は、長辺方向に伸びる一対の縁部80a,80bを有している。縁部80aは側面1側に位置し、縁部80bは側面4側に位置している。
主電極72は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、後述する第2の内部電極81の主電極82と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極72と主電極82とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極72全体が容量形成領域であるといえる。
連結導体(第1の連結導体)73は、主電極72に接続されており、主電極72からみて側面1側に位置している。連結導体73は、主電極72の縁部80aから素体E1の側面1に向かって伸びている。
引出導体(第1の引出導体)76は、一端部が連結導体73に接続され、主電極72との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面2に向かって伸びている。また引出導体76のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体76が伸びる方向において、連結導体73の長さL21は、引出導体76及び主電極72の長さL22,L23よりも短くなっている。
連結導体74は、主電極72に接続されており、主電極72からみて側面4側に位置している。連結導体74は、主電極72の縁部80bから素体E1の側面4に向かって伸びている。
引出導体77は、一端部が連結導体74に接続され、主電極72との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面2に向かって伸びている。また引出導体77のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体77が伸びる方向において、連結導体74の長さは、引出導体77及び主電極72の長さよりも短くなっている。
引出導体(第7の引出導体)75は、引出導体76,77に連結されている。より具体的には、引出導体75の一端部は引出導体76に接続され、引出導体75の他端部は引出導体77に接続されている。引出導体75は、主電極72との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿って伸びている。引出導体75のうち側面2側の縁部は、側面2から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体(第2の引出導体)78は、主電極72からみて側面4側に位置している。引出導体78の一端部は主電極72に接続され、引出導体78の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体78は、主電極72の縁部80bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体78は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体73と連結導体83との間に位置すると共に、連結導体74と連結導体84との間に位置している。
引出導体79は、主電極72からみて側面1側に位置している。引出導体79の一端部は主電極72に接続され、引出導体79の他端部は側面1から露出して第2の接続導体16に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体79は、主電極72の縁部80aから素体E1の側面1に向かって伸びている。引出導体79は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体73と連結導体83との間に位置すると共に、連結導体74と連結導体84との間に位置している。
第2の内部電極81は、図13(b)に示されるように、主電極(第2の主電極)82と、連結導体83,84と、引出導体85〜87とを有している。
主電極82は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極82は、長辺方向に伸びる一対の縁部89a,89bを有している。縁部89aは側面1側に位置し、縁部89bは側面4側に位置している。
主電極82は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極71の主電極72と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極72と主電極82とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極82全体が容量形成領域であるといえる。
連結導体(第2の連結導体)83は、主電極82に接続されており、主電極82からみて側面1側に位置している。連結導体83は、主電極82の縁部89aから素体E1の側面1に向かって伸びている。
引出導体(第3の引出導体)86は、一端部が連結導体83に接続され、主電極82との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体86のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体86が伸びる方向において、連結導体83の長さL31は、引出導体86及び主電極82の長さL32,L33よりも短くなっている。
連結導体84は、主電極82に接続されており、主電極82からみて側面4側に位置している。連結導体84は、主電極82の縁部89bから素体E1の側面4に向かって伸びている。
引出導体87は、一端部が連結導体84に接続され、主電極82との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体87のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体87が伸びる方向において、連結導体84の長さは、引出導体87及び主電極82の長さよりも短くなっている。
引出導体(第8の引出導体)85は、引出導体86及び引出導体87に連結されている。より具体的には、引出導体85の一端部は引出導体86に接続され、引出導体85の他端部は引出導体87に接続されている。引出導体85は、主電極82との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿って伸びている。引出導体85のうち側面3側の縁部は、側面3から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。
第3の内部電極91は、図13(c)に示されるように、主電極(第3の主電極)92と、引出導体93,94とを有している。
主電極92は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極92は、長辺方向に伸びる一対の縁部95a,95bを有している。縁部95aは側面1側に位置し、縁部95bは側面4側に位置している。主電極92は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1及び第2の内部電極71,81の主電極72,82と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極92は、主電極72,82と全体的に重なり合っている。そのため、主電極92全体が容量形成領域であるといえる。
引出導体(第4の引出導体)93は、主電極92からみて側面4側に位置している。引出導体93の一端部は主電極92に接続され、引出導体93の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体93は、主電極92の縁部95bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体93は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体73と連結導体83との間に位置すると共に、連結導体74と連結導体84との間に位置している。
引出導体94は、主電極92からみて側面1側に位置している。引出導体94の一端部は主電極92に接続され、引出導体94の他端部は側面1から露出して第2の接続導体16に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体94は、主電極92の縁部95aから素体E1の側面1に向かって伸びている。引出導体94は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体73と連結導体83との間に位置すると共に、連結導体74と連結導体84との間に位置している。
以上の構成を有する第2実施形態に係る積層コンデンサによれば、第1の内部電極71において主電極72と引出導体76とは連結導体73によって接続され、第2の内部電極81において主電極82と引出導体86とは連結導体83によって接続される。引出導体76が伸びる方向において、連結導体73は、引出導体76及び主電極72の長さよりも短くなっている。引出導体86が伸びる方向において、連結導体83は、引出導体86及び主電極82の長さよりも短くなっている。すなわち、引出導体76,86と主電極72,82との間は、幅狭となっている。したがって第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極71,81の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成されることとなるため、ESRを大きくすることができる。
第1の内部電極71は、第1の端子電極10と第1及び第2の接続導体14,16とに接続される。第3の内部電極91は、第1の端子電極10には接続されず、第1及び第2の接続導体14,16にのみ接続される。したがって、第3の内部電極91は第1の内部電極71を介して第1の端子電極10に間接的に接続されることとなる。したがって第2実施形態に係る積層コンデンサでは、第1の端子電極10に直接的に接続されない内部電極を有することとなるため、ESRをより大きくすることができる。
主電極72,82は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極72,82は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって第2実施形態に係る積層コンデンサでは、静電容量を確保することができる。
また、主電極82,92は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極82,92は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって第2実施形態に係る積層コンデンサでは、静電容量をより充分に確保することができる。
連結導体73は主電極72の縁部80aに接続され、素体E1の側面1に向かって伸びている。連結導体83は主電極82の縁部89aに接続され、素体E1の側面1に向かって伸びている。したがって連結導体73,83は、積層方向から見ると、互いに平行な状態で近くに位置することとなる。また、連結導体73は第1の端子電極10に接続され、連結導体83は第1の端子電極10とは極性が異なる第2の端子電極12に接続されている。よって連結導体73,83には、第2実施形態に係る積層コンデンサに電圧を印加した際、互いに逆向きの電流が流れることとなるため、電流に起因して発生する磁界を一部相殺することができる。よって第2実施形態に係る積層コンデンサでは、ESLを低くすることも可能となる。図13中の矢印は、第1の端子電極10を陰極とし第2の端子電極12を陽極とした場合における電流の向きを示している。
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。第3実施形態に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1及び第2実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、直方体状をした素体E1と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。素体E1に対する第1及び第2の端子電極10,12と第1及び第2の接続導体14,16との配置位置は、第1実施形態に係る積層コンデンサC1と同一である。
第1実施形態で述べたように、素体E1は側面1〜6を有している。側面1は側面(第1の側面)4と対向し、側面(第2の側面)2は側面(第3の側面)3と対向し、側面5は側面6と対向している。側面5,6は長方形状を呈しており、側面1,4は、側面5,6を連結するように側面5,6の長辺方向に沿って伸びている。側面2,3は、側面5,6を連結するように側面5,6の短辺方向に沿って伸びている。第3実施形態に係る積層コンデンサは、側面1が実装基板と対向するように実装基板に配置される。
第3実施形態に係る積層コンデンサは、第1実施形態に係る積層コンデンサC1における第1及び第2の内部電極21,31の代わりに、第1及び第2の内部電極101,111を素体E1内に備えている。
第1の内部電極101は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で第2の内部電極111と隣り合っている。図14(a)に示されるように、第1の内部電極101は、主電極(第1の主電極)102と、連結導体104と、引出導体105〜108とを有している。
主電極102は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極102は、長辺方向に伸びる一対の縁部109a,109bを有している。縁部109aは側面1側に位置し、縁部109bは側面4側に位置している。主電極102は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、後述する第2の内部電極111の主電極112と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極102と主電極42,46,112とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極102全体が容量形成領域であるといえる。なお、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第3の内部電極41の主電極42及び第4の内部電極45の主電極46は、第1の内部電極101の主電極102及び第2の内部電極111の主電極112と重なり合っている。
連結導体(第1の連結導体)104は、主電極102に接続されており、主電極102からみて側面4側に位置している。連結導体104は、主電極102の縁部109bから素体E1の側面4に向かって伸びている。
引出導体(第1の引出導体)107は、一端部が連結導体104に接続され、主電極102との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面2に向かって伸びている。また引出導体107のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体107が伸びる方向において、連結導体104の長さL41は、引出導体107及び主電極102の長さL42,L43よりも短くなっている。
引出導体106は、主電極102からみて側面1側に位置している。引出導体106は、主電極102との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面2に向かって伸びている。また引出導体106のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体105は、引出導体106,107に連結されている。より具体的には、引出導体105の一端部は引出導体106に接続され、引出導体105の他端部は引出導体107に接続されている。引出導体105は、主電極102との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿って伸びている。引出導体105のうち側面2側の縁部は、側面2から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体(第2の引出導体)108は、主電極102からみて側面4側に位置している。引出導体108の一端部は主電極102に接続され、引出導体108の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体108は、主電極102の縁部109bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体108は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体104と連結導体113との間に位置している。
第2の内部電極111は、図14(b)に示されるように、主電極(第2の主電極)112と、連結導体113と、引出導体115〜118とを有している。
主電極112は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極112は、長辺方向に伸びる一対の縁部119a,119bを有している。縁部119aは側面1側に位置し、縁部119bは側面4側に位置している。主電極112は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極101の主電極102と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極102と主電極112とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極112全体が容量形成領域であるといえる。
連結導体(第2の連結導体)113は、主電極112に接続されており、主電極112からみて側面1側に位置している。連結導体113は、主電極112の縁部119aから素体E1の側面1に向かって伸びている。
引出導体(第3の引出導体)116は、一端部が連結導体113に接続され、主電極112との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体116のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体116が伸びる方向において、連結導体113の長さL51は、引出導体116及び主電極112の長さL52,L53よりも短くなっている。
引出導体117は、主電極112からみて側面4側に位置している。引出導体117は、主電極112との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体117のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体115は、引出導体116及び引出導体117に連結されている。より具体的には、引出導体115の一端部は引出導体116に接続され、引出導体115の他端部は引出導体117に接続されている。引出導体115は、主電極112との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿って伸びている。引出導体115のうち側面3側の縁部は、側面3から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体(第5の引出導体)118は、主電極112からみて側面1側に位置している。引出導体118の一端部は主電極112に接続され、引出導体118の他端部は側面1から露出して第2の接続導体16に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体118は、主電極112の縁部119aから素体E1の側面1に向かって伸びている。引出導体118は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体104と連結導体113との間に位置している。
以上の構成を有する第3実施形態に係る積層コンデンサによれば、第1の内部電極101の引出導体107と主電極102とは連結導体104によって接続され、第2の内部電極111の引出導体116と主電極112とは連結導体113によって接続される。引出導体107が伸びる方向において、連結導体104は、引出導体107及び主電極102の長さよりも短くなっている。引出導体116が伸びる方向において、連結導体113は、引出導体116及び主電極112の長さよりも短くなっている。すなわち、引出導体107,116と主電極102,112との間は、幅狭となっている。したがって第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極101,111の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成されることとなるため、ESRを大きくすることができる。
第1の内部電極101は、第1の端子電極10と第1の接続導体14とに接続される。第3の内部電極41は、第1の端子電極10には接続されず、第1の接続導体14にのみ接続される。したがって、第3の内部電極41は第1の内部電極101を介して第1の端子電極10に間接的に接続されることとなる。よって第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第1の端子電極に直接的に接続されない内部電極を有することとなるため、ESRをより大きくすることができる。
また、第2の内部電極111は、第2の端子電極12と第2の接続導体16とに接続される。第4の内部電極45は、第2の端子電極12には接続されず、第2の接続導体16にのみ接続される。したがって、第4の内部電極45は第2の内部電極111を介して第2の端子電極12に間接的に接続されることとなる。よって第3実施形態に係る積層コンデンサでは、第2の端子電極に直接的に接続されない内部電極を有することとなるため、ESRを更に大きくすることができる。
主電極102,112は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極102,112は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって第3実施形態に係る積層コンデンサでは、静電容量を確保することができる。
続いて、図15に基づいて、第3実施形態の変形例について説明する。図15は、第3実施形態の変形例に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。
本変形例に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第3実施形態に係る積層コンデンサC1と同じく、素体E1と、第1〜第4の内部電極101,111,41,45と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1及び第2の接続導体14,16とを備えている。図15に示されるように、本変形例に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極101,111の形状が第3実施形態と異なっている。
本変形例の第1の内部電極101は、第3実施形態の第1の内部電極101が有する主電極102、連結導体104、及び引出導体105,107を有しているが、第3実施形態の第1の内部電極101が有する引出導体106は有していない。また、本変形例の第1の内部電極101は、連結導体103を有している。連結導体103は、主電極102に接続されており、主電極102からみて側面2側に位置している。連結導体103は、主電極102から素体E1の側面2に向かって伸びており、引出導体105に接続されている。
本変形例の第2の内部電極111は、第3実施形態の第2の内部電極111が有する主電極112、連結導体113、及び引出導体116,118を有しているが、第3実施形態の第2の内部電極111が有する引出導体117は有していない。また、本変形例の第2の内部電極111は、連結導体114を有している。連結導体114は、主電極112に接続されており、主電極112からみて側面3側に位置している。連結導体114は、主電極112から素体E1の側面3に向かって伸びており、引出導体115に接続されている。
このような積層コンデンサでも、第1及び第2の内部電極101,111の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成され、第1及び第2の端子電極10,12に直接的に接続されない第3及び第4の内部電極41,45を有するため、ESRを大きくすることができる。
(第4実施形態)
図16は、第4実施形態に係る積層コンデンサが備える各内部電極の構成を示す図である。第4実施形態に係る積層コンデンサは、その図示を省略するが、第1〜第3実施形態に係る積層コンデンサと同じく、直方体状をした素体E1と、第1及び第2の端子電極10,12と、第1の接続導体14とを備えている。ただし第4実施形態に係る積層コンデンサは、第1〜第3実施形態に係る積層コンデンサが備える第2の接続導体16については、備えていない。
第4実施形態に係る積層コンデンサは、第2実施形態に係る積層コンデンサと似た構成を有しているが、第1〜3の内部電極の形状が第2実施形態に係る積層コンデンサのそれと相違している。第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第2実施形態に係る積層コンデンサにおける第1〜3の内部電極71,81,91の代わりに、第1〜3の内部電極121,131,141を素体E1内に備えている。第1〜3の内部電極121,131,141の並びは、第2実施形態に係る積層コンデンサにおける第1〜3の内部電極71,81,91の並びと同一である。
第1の内部電極121は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で第2の内部電極131と隣り合っている。図16(a)に示されるように、第1の内部電極121は、主電極(第1の主電極)122と、連結導体123,124と、引出導体125,127,128とを有している。
主電極122は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極122は、長辺方向に伸びる一対の縁部129a,129bを有している。縁部129aは側面1側に位置し、縁部129bは側面4側に位置している。主電極122は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、後述する第2の内部電極131の主電極132と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極122と主電極132とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極122全体が容量形成領域であるといえる。
連結導体123は、主電極122に接続されており、主電極122からみて側面2側に位置している。連結導体123は、主電極122から素体E1の側面2に向かって伸びている。
連結導体(第1の連結導体)124は、主電極122に接続されており、主電極122からみて側面4側に位置している。連結導体124は、主電極122の縁部129bから素体E1の側面4に向かって伸びている。
引出導体(第1の引出導体)127は、一端部が連結導体124に接続され、主電極122との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面4に沿い側面2に向かって伸びている。また引出導体127のうち、側面4側の縁部は、側面4から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体127が伸びる方向において、連結導体124の長さは、引出導体127及び主電極122の長さよりも短くなっている。
引出導体125は、引出導体127及び連結導体123に連結されている。より具体的には、引出導体125の一端部は引出導体127に接続され、引出導体125の他端部は連結導体123に接続されている。引出導体125は、主電極122との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面2に沿って伸びている。引出導体125のうち側面2側の縁部は、側面2から露出して第1の端子電極10に電気的且つ物理的に接続されている。
引出導体(第2の引出導体)128は、主電極122からみて側面4側に位置している。引出導体128の一端部は主電極122に接続され、引出導体128の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体128は、主電極122の縁部129bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体128は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体124と連結導体133との間に位置している。
第2の内部電極131は、図16(b)に示されるように、主電極(第2の主電極)132と、連結導体133,134と、引出導体135,136とを有している。
主電極132は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極132は、長辺方向に伸びる一対の縁部139a,139bを有している。縁部139aは側面1側に位置し、縁部139bは側面4側に位置している。主電極132は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極121の主電極122と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極122と主電極132とは全体的に重なり合っている。そのため、主電極132全体が容量形成領域であるといえる。
連結導体(第2の連結導体)133は、主電極132に接続されており、主電極132からみて側面1側に位置している。連結導体133は、主電極132の縁部139aから素体E1の側面1に向かって伸びている。
引出導体(第3の引出導体)136は、一端部が連結導体133に接続され、主電極132との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面1に沿い側面3に向かって伸びている。また引出導体136のうち、側面1側の縁部は、側面1から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体136が伸びる方向において、連結導体133の長さは、引出導体136及び主電極132の長さよりも短くなっている。
連結導体134は、主電極132に接続されており、主電極132からみて側面3側に位置している。連結導体134は、主電極132から素体E1の側面3に向かって伸びている。
引出導体135は、引出導体136及び連結導体134に連結されている。より具体的には、引出導体135の一端部は引出導体136に接続され、引出導体135の他端部は連結導体134に接続されている。引出導体135は、主電極132との間に間隙を設けた状態で、素体E1の側面3に沿って伸びている。引出導体135のうち側面3側の縁部は、側面3から露出して第2の端子電極12に電気的且つ物理的に接続されている。
第3の内部電極141は、図16(c)に示されるように、主電極(第3の主電極)142と、引出導体(第4の引出導体)143とを有している。
主電極142は、長方形状を呈しており、側面5,6の長辺方向を長辺方向としている。主電極142は、長辺方向に伸びる一対の縁部145a,145bを有している。縁部145aは側面1側に位置し、縁部145bは側面4側に位置している。主電極142は、容量形成領域を含んでいる。容量形成領域は、絶縁体層18の積層方向からみたときに、第1の内部電極121の主電極122及び第2の内部電極131の主電極132と重なり合う領域である。本実施形態では、主電極142は、主電極122,132と全体的に重なり合っている。そのため、主電極142全体が容量形成領域であるといえる。
引出導体143は、主電極142からみて側面4側に位置している。引出導体143の一端部は主電極142に接続され、引出導体143の他端部は側面4から露出して第1の接続導体14に電気的且つ物理的に接続されている。引出導体143は、主電極142の縁部145bから素体E1の側面4に向かって伸びている。引出導体143は、側面1,4の対向方向から見たときに、連結導体124と連結導体133との間に位置している。
以上の構成を有する第4実施形態に係る積層コンデンサによれば、第1の内部電極121の引出導体127と主電極122とは連結導体124によって接続され、第2の内部電極131の引出導体136と主電極132とは連結導体133によって接続される。引出導体127が伸びる方向において、連結導体124は、引出導体127及び主電極122の長さよりも短くなっている。引出導体136が伸びる方向において、連結導体133は、引出導体136及び主電極132の長さよりも短くなっている。すなわち、引出導体127,136と主電極122,132との間は、幅狭となっている。したがって第4実施形態に係る積層コンデンサでは、第1及び第2の内部電極121,131の電流経路上において該経路の幅が絞られる箇所が形成されることとなるため、ESRを大きくすることができる。
第1の内部電極121は、第1の端子電極10と第1の接続導体14とに接続される。第3の内部電極141は、第1の端子電極10には接続されず、第1の接続導体14にのみ接続される。したがって、第3の内部電極141は第1の内部電極121を介して第1の端子電極10に間接的に接続されることとなる。したがって第4実施形態に係る積層コンデンサでは、端子電極に直接的に接続されない内部電極を有することとなるため、ESRをより大きくすることができる。
主電極122,132は、絶縁体層18を間に挟んだ状態で隣り合っている。主電極122,132は、異なる端子電極に接続されるため、電圧印加時において静電容量成分を形成することになる。よって第4実施形態に係る積層コンデンサでは、静電容量を確保することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨が逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、各内部電極の枚数は上記実施形態に示したものに限られず、内部電極の並びも、静電容量が形成されるのであれば上記実施形態に示したものに限られない。例えば第1実施形態では、第3及び第4の内部電極41,45の対を2組有しているが、1組でも3組以上であってもよい。また第1の実施形態では、第1及び第2の内部電極21,31の対を1組有しているが、2組以上であってもよい。第1及び第2の内部電極21,31の対が2組である場合には、第1の内部電極21、第2の内部電極31、第3の内部電極41、第4の内部電極45、第3の内部電極41、第4の内部電極45、第2の内部電極31、第1の内部電極21の順で積層されていることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1の主電極と第2の主電極、第1の主電極と第4の主電極、第2の主電極と第3の主電極は、全体にわたってそれぞれ重なり合うとしたが、一部のみが重なり合うとしてもよい。
また、積層コンデンサが備える複数の第3の主電極全てが、第1の接続導体にのみ接続されるものでなくてもよい。すなわち、複数の第3の内部電極のうち、1つ以上該第3の内部電極の総数よりも1つ少ない数以下の第3の内部電極については、第1の接続導体だけでなく第1の端子電極に接続されていてもよい。第4の内部電極についても同様であり、複数の第4の内部電極のうち、1つ以上該第4の内部電極の総数よりも1つ少ない数以下の第4の内部電極については、第2の接続導体だけでなく第2の端子電極に接続されていてもよい。
C1…積層コンデンサ、E1…素体、1〜6…側面、25〜28,35〜38,43,47,53〜62,75〜79,85〜87,93,94,105-108,115〜118,125,127,128,135,136,143…引出導体、10,12…端子電極、14,16…接続導体、18…絶縁体層、21,31,41,45,71,81,91,101,111,121,131,141…内部電極、22,32,42,46,72,82,92,102,112,122,132,142…主電極、23,24,33,34,51,52,73,74,83,84,103,104,113,114,123,124,133,134…連結導体。