JP4212622B2 - 時限スイッチ付き情報担体及び半導体集積回路 - Google Patents

時限スイッチ付き情報担体及び半導体集積回路 Download PDF

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Description

本発明は、寿命時間管理を無電源状態で可能とした情報担体及び半導体集積回路に関する。
情報化社会の進展に伴い、情報担体として半導体メモリーの普及が目覚しい。取り分け、デジタルカメラや携帯電話の普及に伴い、フラッシュメモリが数多く使用されるようになってきている(例えば非特許文献1参照)。音楽配信の世界では、フラッシュメモリをユニバーサルシリアルバスコネクタ付きパッケージに容れたものが、パーソナルコンピュータ(PC)との接続が容易、携帯に便利ということで多く用いられるようになっている。
コンテンツ配信はケーブルテレビやインターネットを使ったものが既に普及しており、契約したダウンロード用端末があればいつでもコンテンツ配信サービスを受けられるようになっている。しかしながら、契約した顧客であっても、ダウンロード用端末がないところでは、たとえば、書斎のパーソナルコンピュータやモバイル端末、あるいは、車内端末などを使って、コンテンツを視聴することが出来ない。
また、一定期間のみ視聴可能なCD,DVDも実用化されているが、視聴し終わった後のメディアが廃棄物となり、環境上の問題を残す。即ち、このメディアを誰が処分するかという問題があり、普及の妨げになっている。
フラッシュメモリビジネス最前線 工業調査会(東京)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コンテンツの使用期間をコンテンツ提供者が設定することができ、ビットコストの安価な情報担体及び半導体集積回路を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の時限スイッチ付き情報担体は、メモリセルアレイと、前記メモリセルアレイのビット線に接続されるビット線デコーダと、前記メモリセルアレイのワード線に接続されるワード線デコーダと、前記ビット線デコーダに接続されるビット線系増幅器と、前記ワード線デコーダに接続されるワード線系増幅器と、前記ビット線系増幅器と前記ビット線デコーダの間にクランプ若しくは架橋し、前記ビット線増幅器と前記ビット線デコーダの間のアクセスを、無電源で時間管理する半導体時限スイッチと、前記半導体時限スイッチの動作時期を設定する時限スイッチ初期化手段と、前記ビット線系増幅器と前記ワード線系増幅器に接続されてこれを制御し、入出力信号を授受するI/O端子を有するコントローラとを具備することを特徴とする。
本発明の半導体集積回路は、メモリセルアレイと、前記メモリセルアレイのビット線に接続されるビット線デコーダと、前記メモリセルアレイのワード線に接続されるワード線デコーダと、前記ビット線デコーダに接続されるビット線系増幅器と、前記ワード線デコーダに接続されるワード線系増幅器と、前記ビット線系増幅器と前記ビット線デコーダの間にクランプ若しくは架橋し、前記ビット線増幅器と前記ビット線デコーダの間のアクセスを、無電源で時間管理する半導体時限スイッチと、前記半導体時限スイッチの動作時期を設定する時限スイッチ初期化手段とを具備することを特徴とする。
コンテンツの使用期間をコンテンツ提供者が設定することができ、使用期間終了後は汎用メモリとしても使用可能な、ビットコストの安価な情報担体及び半導体集積回路を提供することができる。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の考え方を説明する。画像情報、あるいは音声情報を一定期間に限って提供したい場合がある。例えば、連続放送番組の放送期間内のみ、視聴可能なデータを提供するとか、新しいコンテンツを発表日前に配布して発表日に一斉に開示したいというような場合である。
上記の目的を達成するには、情報を記憶する半導体メモリと時間(期間)を制御する半導体時限スイッチを組み合わせることが考えられる。半導体時限スイッチについては、本発明者はエージングデバイスとして既に多くの報告をしてきた(例えば、特開2004−94922、特開2004−172404、特開2004,326,981等)。そこで、先ずエージングデバイス(SSAD(Solid State Aging Device))の概要について説明する。
図7は、SSADを用いた基本回路システムを示す図である。図示したように、SSAD3は、コンテンツや秘密情報を記録したメモリ1と、それを読み出すデコーダー2の間に架橋(上)したり、クランプ(下)したりして構成される。どちらも機能としては同じで、回路設計上の都合でどちらでも自由に選択することが可能である。機能としては、SSAD3が無電源で時間管理を行い、メモリ1とデコーダー2の間のアクセスを制御する。結果として、あらかじめSSAD3に設定した有効期限内しかメモリ1に記憶された情報を読み出すことが出来なくなる。記憶されているものが娯楽コンテンツなら、有効期限内しか娯楽コンテンツを視聴できないということになる。
図8は、上記SSADを実現するための基本構成の一例である。シリコン基板20の表面部分にソース領域21とドレイン領域22が離間して設けられ、ソース領域21とドレイン領域22との間のチャネル23上にトンネル絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)24を介してフローティングゲート25が形成され、その上に絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)26を挟んで制御ゲート27が形成されている。ソース領域21及びドレイン領域22には、夫々、ソース電極28とドレイン電極29が設けられている。
この構成では、基本的には2層ゲート構造のEEPROMと同様であるが、一般的なメモリセルに比してトンネル絶縁膜24の膜厚が薄くなっている。具体的には、一般的なメモリセルのトンネル絶縁膜の膜厚が10nm程度であるのに対し、エージングデバイスに用いるメモリセルのトンネル絶縁膜は1〜6nmと薄くなっている。ここで、例えば、フローティングゲート25に、初期化の時点で電子が注入されると、時間と共にこの電子は拡散して消滅していく。チャネル領域23は初期化の時点でオンしていたものが、最終的にはソース電極28とドレイン電極29の間をオフする。即ち、このデバイスは、ソース電極28とドレイン電極29が入出力端子とする、無電源時限スイッチを構成する。
エージングデバイスには、寿命が来ると信号が消滅するノーマリオフ型と、寿命が来ると信号が発生するノーマリオン型の2つがある。ここで、ノーマリオフ型とノーマリオン型の分類を図9に纏めておく。
ノーマリオフ型は、ゲートに電荷が注入される前はオフ状態である。ゲートに電荷を注入してオン状態にしておく(初期化)。リーク電流によってゲートに注入した電荷が抜けていき、出力信号が時間と共に減少する。図10(a)のグラフにその様子を示す。ゲートに注入するのは、pMOSFETタイプなら電子、nMOSFETタイプなら正孔である。これは、「寿命τ1で忘れる」という機能を実現する。
ノーマリオン型は、予めチャネルに不純物を拡散し、ゲートに電荷が注入される前でもオン状態である。ゲートに電荷を注入してオフ状態にしておく(初期化)。リーク電流によってゲートに注入した電荷が抜けていき、出力信号が時間と共に増大する。図10(b)のグラフにその様子を示す。時間τ2でチャネルが反転し、信号が急激に増大する様子が示されている。ゲートに注入するのは、pMOSFETタイプなら正孔、nMOSFETタイプならで電子ある。これは、「寿命τ2で思い出す」という機能を実現する。
ここで、寿命τ2のノーマリオン型のエージングデバイスと寿命τ1のノーマリオフ型のエージングデバイスを直列接続すると、τ2<τ1の条件を満たす時、図11(a)に示すように、信号の時間変化が凸型になる。一方、寿命τ2のノーマリオン型のエージングデバイスと寿命τ1のノーマリオフ型のエージングデバイスを並列接続すると、τ2>τ1の条件を満たす時、図11(b)に示すように、信号の時間変化が凹型になる。
また、エージングデバイスを単独で用いると寿命ばらつきを制御することが難しいが、エージングデバイスを複数個並列接続して寿命ばらつきを制御する方法を、本発明者は既に提案している(特開2004−172404号参照)。
次に、半導体メモリにセキュリティシステムを加味した場合の、ファイルメモリのビットコストについて考えてみる。セキュリティシステムを集積回路上で実現することを考えると、メモリ領域のコストとセキュリティ領域のコストの和をメモリのビット数で割ったものが、ビットコストになる。この場合、メモリ領域とセキュリティ領域を1チップ化できれば、ビットコストの大幅なコストダウンができる。
そこで、半導体メモリにSSADを加えた混載メモリを考えてみる。同一チップサイズの中でSSADを混載した場合、総ビット数が数%減少するかも知れないが、全体的にはビットコストが減少すると考えられる。現在ファイルメモリとしてNAND型フラッシュメモリが市場に広まっているいるが、NAND型フラッシュメモリの微細化が限界に達しても、セキュリティコストを加味したビットコストを抑えることが可能であることを意味している。
ところで、NAND型フラッシュメモリをユニバーサルシリアルバスコネクターを備えたパッケージ収納した、所謂USBメモリが情報担体(データトラベラー)として広く使用されるようになって来ている。このNANDフラッシュ情報担体にSSADを付加すれば、使用期限付き情報担体として市場に供給でき、使用期限消滅後は、新たなコンテンツをこの情報担体にチャージするか、通常の情報担体として再利用できるようにすることもできる。
図1は、本発明の基本的なコンセプトを説明する図で、本発明の構成を満たすSSAD付きNANDフラッシュからなる、例えばUSBメモリでは、NANDフラッシュからなるメモリセルアレイにコンテンツを記憶し、SSADがそのコンテンツの有効期限を管理する。SSADは、バッテリーレスで時間管理が出来るので、USBメモリにバッテリーを搭載する必要はない。さらに、SSADが管理する有効期限外では、このUSBメモリは、通常のUSBメモリとしても利用することが出来る。また、コンテンツ配信業者(1次ユーザー)が管理する暗号鍵を使って、SSADをリフレッシュすることが出来るようにしておけば、随時SSADの有効期限を設定し直すことが出来るので、コンテンツ配信用のデータトラベラーとして再利用することが出来る。このように、メディアが廃棄物にならないことも本発明の大きな利点の一つである。
以下、本発明の具体的な実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る情報担体の基本システムを示す構成図である。このシステムは、コンテンツ提供者(1次ユーザー)及び視聴者(エンドユーザー)が、I/O端子115を通じてアクセスするコントローラー113と、このコントローラー113からのインプットを受け付けるHV(high voltage)系増幅回路(ワード線系増幅回路)109と、前記コントローラー113へアウトプットを出力し、かつ、前記コントローラー113からの入力を受け付けるLV(Low Voltage)系増幅回路(ビット線系増幅回路、センスアンプ)111と、前記LV系増幅回路111が制御するビット線(BL)デコーダ107と、前記HV系増幅回路109が制御するワード線(WL)デコーダ105と、前記BLデコーダ107がビット線を制御し、前記WLデコーダーがワード線を制御するメモリセルアレイ101と、前記LV系増幅回路111と前記BLデコーダ107の間にクランプする形で、前記LV系制御装置と前記BLデコーダーの間のアクセスを、無電源で時間管理するSSAD103と、SSAD103とHV系増幅器109との間に介在してSSAD103の初期化を行なう初期化スイッチ(初期化手段)119からなる。
上記の初期化スイッチ119は暗号装置117により制御され、暗号鍵を持っている1次ユーザが暗号装置117にコントローラ113を通じて鍵を渡し(図では簡略化のために、1次ユーザと暗号装置119を点線で直接結んでいる)、初期化スイッチ119をオンにしてHV系増幅器109がSSAD103を初期化(チャージング)する。このチャージングが終了した後、メモリセルアレイ101にコンテンツが記録される。コンテンツとは、映画、画像、ゲームなどを含む。
上記情報担体は集積回路チップとして実現することができ、その場合上記初期化スイッチ119は、SSAD103が作り込まれたシリコン基板中のウェルと、メモリセルアレイ101内の各ブロックが作り込まれたシリコン基板中のウェルとの間に挿入され、その開閉が暗号によって制御される初期化スイッチとなる。
また、上記集積回路チップはUSBコネクタ付きのパッケージに収納することができ、所謂USBメモリとして使用することができる。
エンドユーザは暗号鍵は所有しておらず、コンテンツを読み出せるのみである。暗号鍵はコンテンツ配信業者が管理し、コンテンツ配信業者と契約し、コンテンツを視聴するエンドユーザーはこの暗号鍵のことは知らされないことを前提としている。
換言すれば、暗号鍵の所有有無でユーザを区別することができると言うことができる。暗号鍵を持っているユーザが1次ユーザであり、暗号鍵を持っていないユーザがエンドユーザである。また、暗号鍵を提示しないユーザはエンドユーザであるということもできる。
即ち、本実施形態の情報担体は、暗号鍵を有し、コントローラ113にアクセスするものを情報提供者と見做して、メモリセルアレイ101への書き込み・消去を許可し、暗号鍵を持たずにコントローラ113にアクセスするものを情報利用者と見做し、メモリセル101内の情報をSSAD103が管理する所望の期間のみ、情報を読み出すことを許可する。
ここで、暗号装置117はソフトウェアでもハードウェアでもよい。ソフトウェアの場合、メモリ領域(メモリセルアレイ101の1部でも良いが、コントローラ113内の別のメモリ領域でもよい)に記憶しておき、1次ユーザがコントローラ113に対して暗号鍵を提示したとき、コントローラ113がメモリ領域から暗号ソフトをロードし、1次ユーザが提示した暗号鍵を使って暗号を解く。こうして、SSAD103の初期化を行なう。
SSAD103は、バッテリーレスで視聴または閲覧の時間を管理することだけであるが、前述の図10、図11で説明したように、基本的に4つの機能を持っている。第1に、ある寿命以前はアクセスできるが、それを超えるとアクセスできなくなる(図10(a))。第2に、ある寿命以前はアクセスできないが、それを超えるとアクセスできるようになる(図10(b))。第3に、第1の寿命以前はアクセスできないが、第1の寿命から第2の寿命までの間アクセスでき、第2の寿命以後再びアクセスできなくなる(図11(a))。第4に、第1の寿命以前はアクセスできるが、第1の寿命から第2の寿命までの間アクセスできず、第2の寿命以後再びアクセスできるようになる(図11(b))。 SSAD103を用いたシステムは、コンテンツ閲覧期間を、この4つの機能の組み合わせによって管理することが出来る。しかも、時間管理は無電源で行われるので、情報担体100にバッテリーを搭載したり、電源を供給できる端末等に接続しておく必要もない。但し、情報担体100自体を動作させる時は、I/O端子115を通じて電源を供給することは言うまでも無い。
本実施形態では、このSSAD103がBLデコーダ107とLV系増幅回路111の間のアクセスを管理している。図10(b)の機能を持つノーマリオン型のSSADを使用する場合、寿命が尽きた時に、SSADは低インピーダンスになり、BLデコーダ107の機能を停止する。同様に、図10(a)、図11(a),(b)の機能を持つSSADを使用することで、SSAD103に設定されたコンテンツ閲覧期間外では、エンドユーザーがコントローラーを介してメモリセルアレイ101に記憶されたコンテンツを読み出すことができないことを意味している。
これに対し、1次ユーザーは、エンドユーザーが知らない暗号鍵を用い、コントローラ113を通じて、HV系増幅回路を制御し、SSAD103の寿命を再設定することが出来る。すなわち、一度有効期限の切れたものであっても、再び寿命を設定して閲覧期間を延長したり、別のコンテンツをメモリセルアレイ101に記録し、寿命を設定することが出きる。
また、図10(a)、図11(a),(b)のように、寿命切れで情報にアクセスできなくなる場合、即ち寿命が切れた後閲覧可能となることがないような場合、エンドユーザーが、コントローラーを通じて、メモリセルアレイにアクセスしようとしたとき、LV系増幅回路111はBLデコーダ107からの信号を受け取ることが出来ない。このとき、LV系増幅回路111は、BLデコーダ107からの信号が受け取れないかったことをコントローラ113に伝え、コントローラ113がHV系増幅回路に、メモリセルアレイ101に記録した情報を一括消去(フラッシュ)することを命じることも可能である。
即ち、コントローラー113がBLデコーダ107とHV系増幅器109の間のアクセスが遮断されていると判断したとき、コントローラー113が、LV系増幅器111に対し、WLデコーダ105を介してメモリセルアレイ101中の情報を記録したブロックか、若しくはメモリセルアレイ101の全メモリセルに一斉に書き込みを行い、記録された情報をすべて消去する命令を発信することができる。この場合、寿命の尽きた情報が物理的にこの世から消滅することになる。
一般にフラッシュメモリでは、HV系を用いてウェルに高電圧を印加し、全メモリセルを“0”にすることで実現する。具体的には図2〜6のウェルにHV系増幅回路からの高電圧を印加することによって、対応するブロックのメモリセルや全メモリセルに“0”を書き込む。これに対し、ここではワード線デコーダを用いて全メモリセルに“1”を書き込んで情報を消去する方法を説明した。本実施形態ではどちらの方法も選択できる。
また、後述の図3、図6のシステムでも、同様にしてBLデコーダ107からの信号が途絶えることによって、フラッシュを行なうことができる。一方、後述の図4、図5、図6では、ワード線デコーダ105からの信号が途絶えることによって、フラッシュを行なうことができる。図6はワード線デコーダ105またはビット線デコーダ107の信号が途絶えた時にフラッシュを行なうことができる。
上記の機能は、特開2004−326981号公報で公開された技術を応用しても実現できるので、上記公報の内容を簡単に説明する。図12は、上記公報の図11を採録したものである(但し、参照番号は変えている)。この半導体記憶装置40は、不揮発性メモリセル41と、メモリセル41のゲートに接続されるワード線と昇圧回路43との間に接続されたリセット用トランジスタ42と、入力端子が昇圧回路43に接続され、出力端子がトランジスタ42のゲートに接続され、寿命前に読み出すと出力信号がトランジスタ42の閾値より低くなり、寿命後に読み出すと出力信号がトランジスタ42の閾値より高くなるエージングデバイス44を備える。エージングデバイス44の寿命後に電源が供給されたとき、トランジスタ42がオン状態になり、メモリセル41に記憶された情報がリセットされる。
上記の方法を本実施形態に適用する場合は、エージング回路44は、SSAD103とは別に備えることが望ましいが、昇圧回路43はHV系増幅回路109を用いることができる。メモリセル41をNANDセルに置き換えるのは容易である。
また、上記の例では、寿命が切れた後、エンドユーザーが、コントローラーを通じてメモリセルアレイにアクセスしようとしたとき、LV系増幅回路111はBLデコーダ107からの信号を受け取ることが出来ないとしたが、SSAD103からアクセス拒否の信号を発信することも出来る。このとき、LV系増幅回路111は、このアクセス拒否信号をコントローラ113に転送し、コントローラ113がHV系増幅回路109にメモリセルアレイ101のフラッシュを命じることも出来る。
以上、第1の実施形態によれば、SSAD103をBLデコーダ107とLV系増幅回路111の間に介在させることにより、情報担体の使用期限を設定することができ、ビットコストの低い期限付き情報担体を実現することができる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る情報担体の構成図で、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付して、重複する説明を省略する。図3では、図10(a)、(b)、図11(a),(b)のいずれかの機能を持つSSAD103が、BLデコーダ107とLV系増幅回路の間に架橋されている。この場合、SSADが非アクセス状態(オフ状態)のとき、BLデコーダ107とLV系増幅回路の間がオフ状態となり、BLデコーダ107の機能を停止する。これにより第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る情報担体の構成図で、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付して、重複する説明を省略する。図4では、図10(a)、(b)、図11(a),(b)のいずれかの機能を持つSSAD103が、WLデコーダ105とHV系増幅回路の間に架橋されている。メモリセルアレイ101に記憶された情報を読み出すとき、WLデコーダ105が各メモリセルトランジスタのオン・オフを切り替えなければならず、HV増幅回路109とWLデコーダー105の間のアクセスが切れて、コントローラ113がWLデコーダ105をコントロールできなくなると、実質的にメモリセルアレイに記録された情報を読み出すことが出来なくなる。このように、第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様な機能と効果を実現することが可能となる。
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係る情報担体の構成図で、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付して、重複する説明を省略する。図5では、図10(a)、(b)、図11(a),(b)のいずれかの機能を持つSSAD103が、WLデコーダ105とHV系増幅回路109の間にクランプされている。SSAD103の入出力端子の一端は、例えばグランドレベルとなる。そのためWLデコーダ105に接続されたSSAD103の他端もローインピーダンスとなり、WLデコーダの機能を停止する。
このように、第4の実施形態によれば、第1〜第3の実施形態と同様な機能と効果を実現することが可能となる。
(第5の実施形態)
図6は、第4の実施形態に係る情報担体の構成図で、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付して、重複する説明を省略する。図6では、図10(a)、(b)、図11(a),(b)のいずれかの機能を持つSSAD103が、WLデコーダ105とHV系増幅回路109の間、及び、BLデコーダ107とLV系増幅回路111の間にクランプされている。SSAD103がアクセス状態になると、SSAD103の入出力端子の一端は、例えばグランドレベルとなる。そのためWLデコーダ105、BLデコーダ107に接続されたSSAD103の他端もローインピーダンスとなり、WLデコーダ105、BLデコーダ107の機能を停止する。
このように、第5の実施形態によれば、前述の実施形態と同様な機能と効果を実現することが可能となる。
以上、本発明を実施形態を通じ説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の基本概念を説明する模式図。 本発明の第1の実施形態に係る情報担体の構成図。 本発明の第2の実施形態に係る情報担体の構成図。 本発明の第3の実施形態に係る情報担体の構成図。 本発明の第4の実施形態に係る情報担体の構成図。 本発明の第5の実施形態に係る情報担体の構成図。 SSADの基本接続を説明する為の回路図。 SSADの基本構造を説明する為の断面図。 SSADの基本的な使用法を説明する為のダイアグラム。 SSADのノーマリオンオフ型とノーマリオン型の2つの基本形の経時変化を説明する図。 ノーマリオンオフ型とノーマリオン型の組み合わせによる凸型及び凹型の経時変化を説明する図。 SSADを用いて、一定時間後に複数のメモリを一括消去する方法を説明する為の回路図。
符号の説明
100…情報担体
101…メモリセルアレイ
103…SSAD(エージングデバイス)
105…ワード線(WL)デコーダ
107…ビット線(BL)デコーダ
109…ワード線系(HV系)増幅器
111…ビット線系(LV系)増幅器
113…コントローラ
115…I/O端子
117…暗号装置
119…SSAD初期化スイッチ

Claims (14)

  1. メモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのビット線に接続されるビット線デコーダと、
    前記メモリセルアレイのワード線に接続されるワード線デコーダと、
    前記ビット線デコーダに接続されるビット線系増幅器と、
    前記ワード線デコーダに接続されるワード線系増幅器と、
    前記ビット線系増幅器と前記ビット線デコーダの間にクランプ若しくは架橋し、前記ビット線増幅器と前記ビット線デコーダの間のアクセスを、無電源で時間管理する半導体時限スイッチと、
    前記半導体時限スイッチの動作時期を設定する時限スイッチ初期化手段と、
    前記ビット線系増幅器と前記ワード線系増幅器に接続されてこれを制御し、入出力信号を授受するI/O端子を有するコントローラと、
    を具備することを特徴とする時限スイッチ付き情報担体。
  2. メモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのビット線に接続されるビット線デコーダと、
    前記メモリセルアレイのワード線に接続されるワード線デコーダと、
    前記ビット線デコーダに接続されるビット線系増幅器と、
    前記ワード線デコーダに接続されるワード線系増幅器と、
    前記ワード線系増幅器と前記ワード線デコーダの間にクランプ若しくは架橋し、前記ワード線増幅器と前記ワード線デコーダの間のアクセスを、無電源で時間管理する半導体時限スイッチと、
    前記半導体時限スイッチの動作時期を設定する時限スイッチ初期化手段と、
    前記ビット線系増幅器と前記ワード線系増幅器に接続されてこれを制御し、入出力信号を授受するI/O端子を有するコントローラと、
    を具備することを特徴とする時限スイッチ付き情報担体。
  3. 時限スイッチ初期化手段は、前記半導体時限スイッチと前記ワード線増幅器の間に挿入され、その開閉が暗号によって制御される初期化スイッチであることを特徴とする請求項1または2に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  4. 前記I/O端子は、前記メモリセルアレイに記録される、情報提供者からの前記情報が入力される第1の入出力端子と、情報利用者が前記情報にアクセスするための第2の入出力端子を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  5. 前記情報提供者が前記コントローラーを介して暗号鍵を作動したとき、前記スイッチ初期化手段は前記ワード線系増幅器と前記半導体時限スイッチの間を所定の時間繋ぎ、前記ワード線系増幅器から前記半導体時限スイッチに初期電荷を注入し、前記半導体時限スイッチを時間展開の初期状態に設定することを特徴とする請求項4に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  6. 前記情報利用者が、前記コントローラーを介して、前記メモリセルアレイに記憶された前記情報を、前記半導体時限スイッチが管理する有効期限の間だけ利用することを特徴とする請求項4に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  7. 前記情報利用者が、前記コントローラーを介して、前記メモリセルアレイにアクセスするとき、前記ビット線系増幅器から前記コントローラーへの応答から、前記半導体時限スイッチによって前記ビット線デコーダと前記ビット線系増幅器の間、若しくは前記ワード線デコーダと前記ワード線系増幅器の間のアクセスが遮断されているか否かを、前記コントローラが判断することを特徴とする請求項4に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  8. 暗号鍵を有し、前記コントローラにアクセスするものを前記情報提供者と見做して、前記メモリセルアレイへの書き込み・消去を許可し、前記暗号鍵を持たずに前記コントローラにアクセスするものを前記情報利用者と見做し、前記メモリセル内の情報を前記時限スイッチが管理する所望の期間のみ、前記情報を読み出すことを許可することを特徴とする請求項4に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  9. 前記コントローラーが前記ビット線デコーダと前記ビット線系増幅器の間のアクセスが遮断されていると判断したとき、前記コントローラーが、前記ワード線系増幅器に対し、前記ワード線デコーダを介して前記メモリセルアレイ中の情報を記録したブロックか、若しくは前記メモリセルアレイの全メモリセルに一斉に書き込みを行い、記録された情報をすべて消去する命令を発信することを特徴とする請求項1に記載の時限スイッチ付き情報担体。
  10. 請求項1または2に記載の時限スイッチ付き情報担体が、ユニバーサルシリアルバスコネクター付きパッケージに収納されたことを特徴とする半導体メモリ。
  11. メモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのビット線に接続されるビット線デコーダと、
    前記メモリセルアレイのワード線に接続されるワード線デコーダと、
    前記ビット線デコーダに接続されるビット線系増幅器と、
    前記ワード線デコーダに接続されるワード線系増幅器と、
    前記ビット線系増幅器と前記ビット線デコーダの間にクランプ若しくは架橋し、前記ビット線増幅器と前記ビット線デコーダの間のアクセスを、無電源で時間管理する半導体時限スイッチと、
    前記半導体時限スイッチの動作時期を設定する時限スイッチ初期化手段と、
    を具備することを特徴とする半導体集積回路。
  12. メモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイのビット線に接続されるビット線デコーダと、
    前記メモリセルアレイのワード線に接続されるワード線デコーダと、
    前記ビット線デコーダに接続されるビット線系増幅器と、
    前記ワード線デコーダに接続されるワード線系増幅器と、
    前記ワード線系増幅器と前記ワード線デコーダの間にクランプ若しくは架橋し、前記ワード線増幅器と前記ワード線デコーダの間のアクセスを、無電源で時間管理する半導体時限スイッチと、
    前記半導体時限スイッチの動作時期を設定する時限スイッチ初期化手段と、
    を具備することを特徴とする半導体集積回路。
  13. 時限スイッチ初期化手段は、前記半導体時限スイッチと前記ワード線増幅器の間に挿入され、その開閉が暗号によって制御される初期化スイッチであることを特徴とする請求項11または12に記載の半導体集積回路。
  14. 前記時限スイッチ初期化手段は、前記半導体時限スイッチが作り込まれたシリコン基板中のウェルと、前記メモリセルアレイ内の各ブロックが作り込まれたシリコン基板中のウェルとの間に挿入され、その開閉が暗号によって制御される初期化スイッチであることを特徴とする請求項11または12に記載の半導体集積回路。
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