JP4209432B2 - 静電破壊保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置の静電破壊保護方法及び静電破壊保護装置に関し、特に半導体装置の外部端子に印加される静電気によって発生するサージ電流を静電破壊保護素子によって放電する半導体装置の静電破壊保護方法及び静電破壊保護装置に関する。
半導体装置の端子に静電気が印加されると、その静電気によって異常電流(以降、サージ電流と称す)が回路に流れる。このサージ電流が発生すると、例えば端子の電圧が上昇し、内部回路が破壊する問題がある。このような破壊を以降では静電破壊と称す。
そこで、サージ電流の放電経路を確保し、端子の電圧の上昇を防止するために、半導体装置では、一般的に静電破壊保護装置が搭載されている。静電破壊保護装置の一例に関する従来技術が特許文献1に開示されている。
従来例において開示される静電破壊保護装置100の回路図を図24に示す。図24に示すように、従来の静電破壊保護装置100は、NPNトランジスタ101、PNPトランジスタ102、ダイオード103〜105、入出力端子(I/O端子)、電源端子(VDD端子)、接地端子(GND端子)を有している。I/O端子は、半導体装置の入出力端子であり、内部回路と接続されている。NPNトランジスタ101のコレクタは、VDD端子に接続され、エミッタはI/O端子に接続され、ベースはGND端子に接続されている。PNPトランジスタ102のコレクタは、GND端子に接続され、エミッタはI/O端子に接続され、ベースは、VDD端子に接続されている。
ダイオード103のアノードはGND端子に接続され、カソードはVDD端子に接続されている。ダイオード104のアノードはI/O端子に接続され、カソードはVDD端子に接続されている。ダイオード105のアノードはGND端子に接続され、カソードはI/O端子に接続されている。
静電破壊保護装置100が内部回路を保護する動作について説明する。静電気は、VDD端子、あるいはGND端子を基準電位として、I/O端子に印加される。また、印加される静電気には、正極性と負極性とがある。まず、VDD端子を基準として、正極性の静電気が印加された場合(VDD+印加)、ダイオード104が順バイアスされることにより、またはダイオード105が降伏(以降、ブレークダウンと称す)し、ダイオード103が順バイアスされることにより、サージ電流はVDD端子へ流れる。一方、VDD端子を基準として、負極性の静電気が印加された場合(VDD−印加)、ダイオード104がブレークダウンするか、またはダイオード103がブレークダウンし、ダイオード105が順バイアスされるか、若しくはサージ立ち上がり時におけるダイオード103の寄生容量への充電電流によってNPNトランジスタ101がターンオンすることにより、負のサージ電流がVDD端子へ流れる。
次に、GND端子を基準として、正極性の静電気が印加された場合(GND+印加)、ダイオード105がブレークダウンするか、またはダイオード103がブレークダウンし、ダイオード104が順バイアスされるか、またはサージ立ち上がり時におけるダイオード103の寄生容量への充電電流によって、PNPトランジスタ102がターンオンすることにより、サージ電流はGND端子へ流れる。一方、GND端子を基準として、負極性の静電気が印加された場合(GND−印加)、ダイオード105の順バイアス、あるいはダイオード103の順バイアスとダイオード104のブレークダウンにより、負のサージ電流がGND端子へ流れる。
上記のような経路でサージ電流を放電することで、静電破壊保護装置100は、内部回路を保護する。また、静電破壊保護装置100は、素子の端子のうちI/O端子に接続される端子が形成される領域の周囲に溝形状の絶縁領域(トレンチ型酸化膜)を形成する。このトレンチ型酸化膜は、サージ電流が流れた場合に、I/O端子に接続される端子が形成される領域の端部で発生する電界の集中を分散する。これによって、静電保護回路を構成する素子の破壊耐圧を向上させ、サージ電流が印加された場合の素子の破壊を防止する。
特開平05−267588号公報
しかしながら、従来の静電破壊保護装置100では、サージ電流の放電経路としてブレークダウンしたダイオードを経由する経路を用いる。ダイオードがブレークダウンするブレークダウン電圧は、一般的に高い電圧である。従って、ブレークダウンしたダイオードを経由する放電経路で内部回路を保護する場合、端子電圧が内部回路の破壊耐圧を超えてしまい十分に内部回路を保護できない問題がある。
また、ブレークダウンしたダイオードは、順バイアスされたダイオードに比べ、流せる電流量が小さい。そのため、より多くのサージ電流を放電させる場合、ダイオードの面積が大きくなる問題がある。また、従来の静電破壊保護装置100では、ダイオードの破壊耐圧を向上させるためにトレンチ型酸化膜を用いていため、このトレンチ型酸化膜を形成するための面積がさらに必要である。つまり、このトレンチ型酸化膜によっても静電破壊保護装置100の面積が増大する。さらに、サージ電流の放電経路としてブレークダウンしたダイオードを使用した場合、ダイオードが劣化し、破壊に至る可能性がある。静電破壊保護回路には、サージ電流を放電して内部回路を保護し、かつ、回路を構成する素子が破壊しない事が求められる。回路を構成した素子が破壊した場合、例えば端子の電位がVDDの電圧に固定する故障やリーク電流が増大する故障などが発生する。
本発明にかかる半導体装置の静電破壊保護方法は、第1、第2の端子を有する半導体装置において、前記半導体装置を前記第1、第2の端子間に印加されるサージ電流から保護する半導体装置の静電破壊保護方法であって、前記半導体装置は、前記第1の端子から第2の端子に向かって順方向電流を流すダイオードと、導通状態において前記第2の端子から前記第1の端子に向う方向で電流を流すバイポーラトランジスタとを有し、前記第1、第2の端子間の電位差が前記ダイオードを降伏させる電位差となる前に前記バイポーラトランジスタのコレクタ端子とエミッタ端子とが導通状態となるものである。
本発明の静電破壊保護方法によれば、バイポーラトランジスタは、ダイオードが降伏する前に動作を開始し、サージ電流を放電する。これによって、バイポーラトランジスタの動作によってサージ電流を放電することが可能であり、サージ電流によってダイオードが降伏することはない。降伏させたダイオードを経由してサージ電流を放電する場合に、大きなサージ電流を放電すると、ダイオードの発熱によってダイオードが破壊される可能性がある。しかしながら、バイポーラトランジスタの動作によってサージ電流を放電した場合、降伏させたダイオードよりもオン抵抗が小さいために、大きなサージ電流が印加された場合であってもバイポーラトランジスタの発熱量は小さい。つまり、本発明の静電破壊保護方法によれば、より大きなサージ電流から半導体装置の内部回路を保護することが可能である。
また、バイポーラトランジスタはオン抵抗が小さいために、バイポーラトランジスタに降伏させたダイオードと同程度の保護能力を設定する場合、バイポーラトランジスタは、ダイオードよりも小さなレイアウト面積で良い。
一方、本発明にかかる静電破壊保護装置は、第1、第2の電源端子と入出力端子とを有する半導体装置において、前記第1、第2の電源端子と前記入出力端子との間に印加されるサージ電流から前記半導体装置を保護する静電破壊保護装置であって、前記第1の電源端子にコレクタ端子が接続され、前記入出力端子にエミッタ端子が接続され、前記第2の電源端子にベース端子が接続される第1のバイポーラトランジスタと、前記第2の電源端子にコレクタ端子が接続され、前記入出力端子にエミッタ端子が接続され、前記第1の電源端子にベース端子が接続される第2のバイポーラトランジスタとを有し、前記第1、第2のバイポーラトランジスタは、前記第1、第2の電源端子と前記入出力端子との電位差が、他方のバイポーラトランジスタのエミッタ端子とベース端子と間に形成されるPN接合部分の降伏電圧よりも低い状態でコレクタ端子とエミッタ端子とが導通状態となるものである。
本発明の静電破壊保護装置によれば、サージ電流が端子間に印加された場合に、第1のバイポーラトランジスタ又は第2のバイポーラトランジスタを、他方のバイポーラトランジスタのPN接合部分が降伏する前に動作をさせることが可能である。これによって、バイポーラトランジスタの動作によってサージ電流を放電することが可能であり、サージ電流によってPN接合部分を降伏させることがない。降伏させたPN接合部分を経由してサージ電流を放電する場合に、大きなサージ電流を放電すると、PN接合部分の発熱によってこのPN接合部分が破壊される可能性がある。しかしながら、バイポーラトランジスタの動作によってサージ電流を放電した場合、降伏させたPN接合部分よりもオン抵抗が小さいために、大きなサージ電流が印加された場合であってもバイポーラトランジスタの発熱量は小さい。つまり、本発明の静電破壊保護装置によれば、より大きなサージ電流から半導体装置の内部回路を保護することが可能である。
また、本発明にかかる静電破壊保護装置は、第1、第2の電源端子と入出力端子とを有する半導体装置において、前記第1、第2の電源端子と前記入出力端子との間に印加されるサージ電流から前記半導体装置を保護する静電破壊保護装置であって、前記第1の電源端子にコレクタ端子が接続され、前記入出力端子にエミッタ端子が接続され、前記第2の電源端子にベース端子が接続される第1のバイポーラトランジスタと、前記第2の電源端子にコレクタ端子が接続され、前記入出力端子にエミッタ端子が接続され、前記第1の電源端子にベース端子が接続される第2のバイポーラトランジスタとを有し、前記第1、第2のバイポーラトランジスタのうち少なくとも一方のバイポーラトランジスタは、エミッタ端子が形成されるエミッタ領域の下部であって、隣接する領域に、前記エミッタ領域と同じ導電型で形成され、前記エミッタ領域よりも不純物濃度の低い埋め込み領域を有するものである。
本発明にかかる静電破壊保護装置によれば、第1、第2のバイポーラトランジスタのエミッタ領域の下層であって、隣接する領域にエミッタ領域と同じ導電型で形成され、エミッタ領域よりも不純物濃度の低い埋め込み領域を有する。この埋め込みに領域によって、エミッタ端子とベース端子との間の電界強度を緩和させることができる。これによって、エミッタ端子とベース端子との間に形成されるPN接合部分の降伏電圧を高くすることが可能である。このようにして、PN接合部分の降伏電圧を高くし、この降伏電圧がバイポーラトランジスタの動作開始電圧よりも高くなれば、バイポーラトランジスタを介して印加されるサージ電流を放電することが可能である。
本発明の半導体装置の静電破壊保護方法及び静電破壊保護装置によれば、より大きなサージ電流に対して内部回路を保護しながら、保護回路を構成する素子の信頼性を向上させ、レイアウト面積の増大を抑制することが可能である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。実施の形態1にかかる静電破壊保護装置1の回路図を図1に示す。図1に示すように、実施の形態1にかかる静電破壊保護装置1は、第1のバイポーラトランジスタ(例えば、NPNトランジスタ2)と第2のバイポーラトランジスタ(例えば、PNPトランジスタ3)とを有している。また、静電破壊保護装置1は、第1の電源端子(例えば、電源端子であって、以降VDD端子と称す)、入出力端子(以降、I/O端子と称す)、第2の電源端子(例えば、接地端子であって、以降GND端子と称す)を有している。I/O端子は、半導体装置の内部回路と接続されている。内部回路は、例えばNMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを用いた回路である。
NPNトランジスタ2は、VDD端子にコレクタ端子が接続され、入出力端子にエミッタ端子が接続され、GND端子にベース端子が接続される。また、PNPトランジスタ3は、GND端子にコレクタ端子が接続され、I/O端子にエミッタ端子が接続され、VDD端子にベース端子が接続される。なお、NPNトランジスタ2のベース端子とGND端子との間に接続される抵抗RPWは、NPNトランジスタ2が形成される領域のPウェル領域の寄生抵抗である。また、PNPトランジスタ3のベースとVDD端子との間に接続される抵抗RNWは、PNPトランジスタ3が形成される領域のNウェル領域の寄生抵抗である。
実施の形態1にかかる静電破壊保護装置1の動作について説明する。まず、半導体装置が通常の使用状態である場合について説明する。この場合、GND端子に接地電圧が供給され、VDD端子には、電源電圧が供給され、例えば3.3V程度の電圧が印加されている。また、I/O端子は、データ信号の入出力が行われ、I/O端子の信号は、接地電圧と電源電圧との間の振幅を有する。ここで、I/O端子の電圧が接地電圧の場合、PNPトランジスタ3のエミッタ端子の電圧は接地電圧となり、ベース端子の電圧は電源電圧となるため、PNPトランジスタは動作しない。また、NPNトランジスタ2のエミッタ端子の電圧は、接地電圧となり、ベース端子の電圧は接地電圧となるため、NPNトランジスタ2は動作しない。
一方、I/O端子の電圧が電源電圧の場合、PNPトランジスタ3のエミッタ端子の電圧は電源電圧となり、ベース端子の電圧は電源電圧となるため、PNPトランジスタは動作しない。また、NPNトランジスタ2のエミッタ端子の電圧は、電源電圧となり、ベース端子の電圧は接地電圧となるため、NPNトランジスタ2は動作しない。つまり、半導体装置が通常の使用状態である場合には、静電破壊保護装置1は動作しないため、半導体装置の通常動作に何らの影響も及ぼさない。
次に、半導体装置に静電気が印加された場合の静電破壊保護装置1の動作について説明する。静電気は、第1の端子(例えば、VDD端子又はGND端子)を基準として第2の端子(例えば、I/O端子)に正極性あるいは負極性で印加される。例えば、GND端子に対して正極性で静電気が印加されると、I/O端子の電圧は、GND端子の電圧よりも高くなる(以降、この条件をGND+条件と称す)。GND端子に対して負極性で静電気が印加されると、I/O端子の電圧は、GND端子の電圧よりも低くなる(以降、この条件をGND−条件と称す)。VDD端子に対して正極性で静電気が印加されると、I/O端子の電圧は、VDD端子の電圧よりも高くなる(以降、この条件をVDD+条件と称す)。VDD端子に対して負極性で静電気が印加されると、I/O端子の電圧は、VDD端子の電圧よりも低くなる(以降、この条件をVDD−条件と称す)。
本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1は、静電気によって発生するサージ電流をトランジスタのスナップバック動作、あるいはトランジスタのエミッタ端子とベース端子との間のPN接合によって形成されるダイオード(以降、単にダイオードと称す)の順方向動作によって放電する。ダイオードの順方向動作とは、ダイオードのN型半導体領域(カソード)の電圧よりもP型半導体領域(アノード)の電圧が高くなる状態で、アノードからカソードに向う方向で電流を流す動作である。
また、スナップバック動作について説明する。トランジスタは、ベース端子がオープン状態において、エミッタ端子とコレクタ端子との電位差が大きくなると、エミッタ端子とベース端子との間に少数キャリアが発生する。これによって、トランジスタは、コレクタ端子とエミッタ端子とが導通状態となる。つまり、エミッタ端子とベース端子との間にトランジスタが動作する程度の少数キャリアが発生するエミッタ端子とコレクタ端子との電位差がトランジスタの動作開始電圧であり、この動作開始電圧を以降ではスナップバック電圧と称す。また、このスナップバック電圧に基づき動作する領域におけるトランジスタの動作がスナップバック動作である。
トランジスタがスナップバック動作を開始すると、エミッタ端子とコレクタ端子との電位差は、コレクタ端子とエミッタ端子間のブレークダウン電圧BVceoまで低下する。その後、コレクタ端子とエミッタ端子との間に流れる電流とトランジスタの導通状態における抵抗(オン抵抗)とに応じて、コレクタ端子とエミッタ端子との間の電圧が上昇する。そして、コレクタ端子とエミッタ端子との間に流れる電流が増大し、トランジスタの温度がトランジスタの破壊温度まで上昇すると、トランジスタは破壊に至る。
一方、ダイオードにおいても、アノードの電圧よりもカソードの電圧が高くなる逆バイアス状態において、逆バイアスの電圧が大きくなるとブレークダウンが発生し、カソードからアノードに向かって電流が流れる(以降、この動作をブレークダウン動作と称す)。この状態において、ダイオードにブレークダウン状態で流すことができる電流値以上の電流が流れると、ダイオードには高い抵抗が発生する。この高い抵抗に大きな電流が流れることで、ダイオードが発熱し、ダイオードは破壊する。
スナップバック動作におけるトランジスタのオン抵抗は、ブレークダウン動作におけるダイオードの抵抗値よりも小さい。また、トランジスタとダイオードとで、破壊に至る温度はほぼ同じである。従って、破壊に至るまでに流すことができる電流量は、トランジスタの方が大きくなる。
ここで、I/O端子に印加される静電気の条件毎に静電破壊保護装置1の具体的な動作を説明する。まず、静電気がGND+条件で印加された場合について説明する。この条件におけるサージ電流は、PNPトランジスタ3が導通状態になることによって、I/O端子からPNPトランジスタ3を介してGND端子に流れる。本実施の形態においては、PNPトランジスタ3のスナップバック電圧をNPNトランジスタ2のエミッタ端子とベース端子との間に形成されるダイオードの降伏電圧(以降、ブレークダウン電圧と称す)よりも低く設定している。図2に、GND+条件におけるNPNトランジスタ2、PNPトランジスタ3、内部回路のNMOSトランジスタの電流電圧特性を示す。なお、図2に示すグラフでは、縦軸にI/O端子に印加される電流の絶対値を示し、横軸にI/O端子の端子電圧の絶対値を示す。また、PNPトランジスタ3の電流電圧特性を曲線Aで示し、NPNトランジスタ2のダイオードの電流電圧特性を曲線Bで示し、NMOSトランジスタの電流電圧特性を曲線Cで示す。
図2に示すように、PNPトランジスタ3のスナップバック電圧は、NMOSトランジスタの破壊電圧及びNPNトランジスタ2のダイオードのブレークダウン電圧よりも低い電圧である。この特性より、I/O端子に静電気が印加された場合に発生するサージ電流は、PNPトランジスタ3のスナップバック動作によって放電され、I/O端子とGND端子との間の電位差の上昇を抑制する。また、I/O端子とGND端子との間の電位差の上昇が抑制されるため、NPNトランジスタ2のダイオードはブレークダウンすることはなく、このダイオードに電流はほとんど流れない。
静電気がGND−条件で印加された場合について説明する。この条件におけるサージ電流は、NPNトランジスタ2のダイオードの順方向動作によって、GND端子からNPNトランジスタ2を介してI/O端子に流れる。図3に、GND−条件におけるNPNトランジスタ2、PNPトランジスタ3、内部回路のNMOSトランジスタの電流電圧特性を示す。なお、図3に示すグラフでは、縦軸にI/O端子に印加される電流の絶対値を示し、横軸にI/O端子の端子電圧の絶対値を示す。また、PNPトランジスタ3の電流電圧特性を曲線Aで示し、NPNトランジスタ2のダイオードの電流電圧特性を曲線Bで示し、NMOSトランジスタの電流電圧特性を曲線Cで示す。
図3に示すように、NPNトランジスタ2の電流電圧特性は、ダイオードの順方向動作に基づき急峻な傾きを有する。また、PNPトランジスタ3のスナップバック電圧は、NMOSトランジスタの破壊電圧よりも高い電圧である。この特性より、I/O端子に静電気が印加された場合に発生するサージ電流は、NPNトランジスタ2のダイオードの順方向動作によって放電され、I/O端子とGND端子との間の電位差の上昇を抑制する。また、I/O端子とGND端子との間の電位差の上昇が抑制されるため、PNPトランジスタ3は、スナップバック動作することはなく、PNPトランジスタ3に電流はほとんど流れない。
静電気がVDD+条件で印加された場合について説明する。この条件におけるサージ電流は、PNPトランジスタ3のダイオードの順方向動作によって、I/O端子からNPNトランジスタ3を介してVDD端子に流れる。図4に、VDD+条件におけるNPNトランジスタ2、PNPトランジスタ3、内部回路のPMOSトランジスタの電流電圧特性を示す。なお、図4に示すグラフでは、縦軸にI/O端子に印加される電流の絶対値を示し、横軸にI/O端子の端子電圧の絶対値を示す。また、PNPトランジスタ3のダイオードの電流電圧特性を曲線Aで示し、NPNトランジスタ2の電流電圧特性を曲線Bで示し、PMOSトランジスタの電流電圧特性を曲線Dで示す。
図4に示すように、PNPトランジスタ3の電流電圧特性は、ダイオードの順方向動作に基づき急峻な傾きを有する。また、NPNトランジスタ2のスナップバック電圧は、NMOSトランジスタの破壊電圧よりも高い電圧である。この特性より、I/O端子に静電気が印加された場合に発生するサージ電流は、PNPトランジスタ3のダイオードの順方向動作によって放電され、I/O端子とVDD端子との間の電位差の上昇を抑制する。また、I/O端子とVDD端子との間の電位差の上昇が抑制されるため、NPNトランジスタ2は、スナップバック動作することはなく、NPNトランジスタ2に電流はほとんど流れない。
静電気がVDD−条件で印加された場合について説明する。この条件におけるサージ電流は、NPNトランジスタ2が導通状態になることによって、VDD端子からNPNトランジスタ2を介してI/O端子に流れる。本実施の形態においては、NPNトランジスタ2のスナップバック電圧をPNPトランジスタのダイオードのブレークダウン電圧よりも低く設定している。図5に、VDD−条件におけるNPNトランジスタ2、PNPトランジスタ3、内部回路のNMOSトランジスタの電流電圧特性を示す。なお、図5に示すグラフでは、縦軸にI/O端子に印加される電流の絶対値を示し、横軸にI/O端子の端子電圧の絶対値を示す。また、PNPトランジスタ3のダイオードの電流電圧特性を曲線Aで示し、NPNトランジスタ2の電流電圧特性を曲線Bで示し、PMOSトランジスタの電流電圧特性を曲線Dで示す。
図5に示すように、NPNトランジスタ2のスナップバック電圧は、NMOSトランジスタの破壊電圧及びPNPトランジスタ2のダイオードのブレークダウン電圧よりも低い電圧である。この特性より、I/O端子に静電気が印加された場合に発生するサージ電流は、NPNトランジスタ2のスナップバック動作によって放電され、I/O端子とVDD端子との間の電位差の上昇を抑制する。また、I/O端子とVDD端子との間の電位差の上昇が抑制されるため、PNPトランジスタ3のダイオードはブレークダウンすることはなく、このダイオードに電流はほとんど流れない。
上記説明より、本実施の形態の静電破壊保護装置1は、トランジスタのスナップバック電圧をトランジスタのエミッタ端子とベース端子との間のPN接合によって形成されるダイオードのブレークダウン電圧よりも低く設定する。これによって、本実施の形態の静電破壊保護装置1は、ダイオードをブレークダウンさせることなく、サージ電流を放電する経路として、順方向動作するダイオードとスナップバック動作するトランジスタとを用いることが可能である。また、ブレークダウンしたダイオードがサージ電流の放電経路とならないことから、トランジスタを従来よりも小さく形成した場合であっても、十分なサージ電流の放電経路を形成することが可能である。
また、トランジスタのスナップバック動作では、ダイオードのブレークダウン動作に比べ、素子の温度上昇を抑制することが可能である。このことより、本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1は、ダイオードのブレークダウン動作をサージ電流の放電経路として用いた場合に比べより多くのサージ電流を放電することが可能である。
ここで、トランジスタのスナップバック電圧をトランジスタのエミッタ端子とベース端子との間に形成されるダイオードのブレークダウン電圧よりも低く設定する場合におけるトランジスタの構造について説明する。図6に本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1の断面構造を示す。
図6に示すように、基板領域5の上層にNPNトランジスタ2が形成されるPウェル領域20と、PNPトランジスタ3が形成されるNウェル領域10を有している。Pウェル領域20は、P型半導体で形成され、Nウェル領域10は、N型半導体で形成される。
Pウェル領域20の上層には選択的にベース領域21、コレクタ領域22、エミッタ領域23が形成される。ベース領域21は、P型半導体で形成され、Pウェル領域20よりも不純物濃度が高く設定される。コレクタ領域22は、N型半導体で形成され、Nウェル領域10よりも不純物濃度が高く設定される。エミッタ領域23は、N型半導体で形成され、Nウェル領域10よりも不純物濃度が高く設定される。また、エミッタ領域23の下部であって、エミッタ領域23に接する領域には、N型半導体で形成され、エミッタ領域23よりも不純物濃度の低い埋め込み領域(例えば、LDDP領域24)が形成される。
Nウェル領域10の上層には選択的にベース領域11、コレクタ領域12、エミッタ領域13が形成される。ベース領域11は、N型半導体で形成され、Nウェル領域10よりも不純物濃度が高く設定される。コレクタ領域12は、P型半導体で形成され、Pウェル領域20よりも不純物濃度が高く設定される。エミッタ領域13は、P型半導体で形成され、Pウェル領域20よりも不純物濃度が高く設定される。また、エミッタ領域13の下部であって、エミッタ領域13に接する領域には、P型半導体で形成され、エミッタ領域13よりも不純物濃度の低い埋め込み領域(例えば、LDDB領域14)が形成される。なお、Nウェル領域10及びPウェル領域20の上層であって、ベース領域、コレクタ領域、エミッタ領域が形成されていない部分には、絶縁領域6が形成される。
上記説明より、本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1は、エミッタ領域の下部にエミッタ領域よりも不純物濃度の低い埋め込み領域(LDDB領域14及びLDDP領域24)を形成することで、エミッタ端子に印加される電圧に基づきエミッタ領域とウェル領域との間の電界強度を緩和させることができる。これによって、エミッタ端子とベース端子との間のPN接合によって形成されるダイオードのブレークダウン電圧をトランジスタのスナップバック電圧よりも高い電圧に設定する。ダイオードのブレークダウン電圧は、LDDB領域14及びLDDP領域24の不純物濃度により調整することが可能である。
次に、この静電破壊保護装置1の製造方法について説明する。図7に静電破壊保護装置1を上面視した場合のレイアウトの一例を示す。図7に示すように、静電破壊保護装置1は、Nウェル領域10とPウェル領域20を有している。Nウェル領域10には、PNPトランジスタ3のベース領域11、コレクタ領域12、エミッタ領域13が形成される。Pウェル領域20には、NPNトランジスタ2のベース領域21、コレクタ領域22、エミッタ領域23が形成される。また、ベース領域、コレクタ領域、エミッタ領域は、それぞれ上層に形成される金属配線との接続端子となるコンタクト4が形成される。
図7に示すレイアウトに対して、上層に1層目の金属配線を形成した場合のレイアウトを図8に示す。また、図8に示すレイアウトに対して、その上層に2層目の金属配線を形成した場合のレイアウトを図9に示す。図8、9に示すように、静電破壊保護装置1は2層の金属配線によってそれぞれの端子が接続される。例えば、NPNトランジスタ2のベース領域21とPNPトランジスタ3のコレクタ領域12とは、1層目の金属配線31によって接続される。図示しないが、金属配線31はGND端子に接続される。NPNトランジスタ2のエミッタ領域23とPNPトランジスタ3のエミッタ領域23とは、1層目の金属配線32によって接続される。図示しないが、金属配線32はI/O端子に接続される。NPNトランジスタ2のコレクタ領域22とPNPトランジスタ3のベース領域11とは、2層目の金属配線33によって接続される。図示しないが、金属配線32はVDD端子に接続される。
ここで、図9に示すX−X'断面に沿った断面図を用いて、静電破壊保護装置1の製造方法について詳細に説明する。第1の工程の終了時における静電破壊保護装置1の断面図を図10に示す。第1の工程では、P型半導体で形成される基板領域の上層に選択的に溝を形成し、この溝に酸化膜等の絶縁体を埋め込む。これによって、絶縁領域6を形成する。
第2の工程の終了時における静電破壊保護装置1の断面図を図11に示す。図11に示すように、第2の工程では、Nウェル領域10とPウェル領域20が形成される。Nウェル領域10と、Pウェル領域20とは、それぞれマスクを用いてレジストを選択的に塗布するパターニングによって形状が規定される。このパターニングに基づき、所定の領域に不純物を注入することでNウェル領域10とPウェル領域20が形成される。Nウェル領域10を形成する場合は、例えばリンイオンを注入する。また、Pウェル領域20を形成する場合は、例えばボロンイオンを注入する。
第3の工程の終了時における静電破壊保護装置1の断面図を図12に示す。図12に示すように、第3の工程では、ダイオードのブレークダウン電圧を向上させるための低濃度領域(LDDB領域14、LDDP領域24)を形成する。LDDB領域14は、PNPトランジスタ3のエミッタ領域13が形成される領域であって、エミッタ領域13が形成される領域よりも深い領域に達する領域に形成される。LDDB領域14は、例えばボロンイオンを注入することで形成される。LDDP領域24は、PNPトランジスタ2のエミッタ領域23が形成される領域であって、エミッタ領域23が形成される領域よりも深い領域に達する領域に形成される。LDDP領域24は、例えばリンイオンを注入することで形成される。ここで、LDDB領域14及びLDDP領域24に注入される不純物濃度は、Nウェル領域10及びPウェル領域20とほぼ同じ濃度である。
第4の工程の終了時における静電破壊保護装置1の断面図を図13に示す。図13に示すように、第4の工程では、ベース領域、コレクタ領域、エミッタ領域が形成される。NPNトランジスタ2のベース領域21及びPNPトランジスタ3のコレクタ領域12、エミッタ領域13は、ボロンイオンを注入することで形成される。このとき、注入される不純物の濃度は、Pウェル領域20の不純物の濃度よりも高い。一方、NPNトランジスタ2のコレクタ領域22、エミッタ領域23及びPNPトランジスタ3のベース領域11は、ヒ素イオンを注入することで形成される。このとき、注入される不純物の濃度は、Nウェル領域10の不純物の濃度よりも高い。第1の工程から第4の工程によって形成される領域を素子領域と称する。
第5の工程の終了時における静電破壊保護装置1の断面図を図14に示す。図14に示すように、第5の工程では、層間膜7とコンタクト4、1層目の金属配線30、31が形成される。層間膜7は、素子領域の表面を覆うように形成される。コンタクト4は、ベース領域、コレクタ領域、エミッタ領域の表面がそれぞれ露出するように層間膜7を貫通して形成される。コンタクト4は、層間膜7に形成された溝に金属材料を充填することで形成される。1層目の金属配線31、32は、静電破壊保護装置1の素子の接続に応じて配線され、層間膜7の表面に形成される。また、一部の1層目の金属配線30は、2層目の金属配線とコンタクト4とを接続するために形成される。
第6の工程の終了時における静電破壊保護装置1の断面図を図15に示す。図15に示すように、第6の工程では、層間膜8、ビア9、2層目の金属配線33が形成される。層間膜8は、1層目の金属配線と2層目の金属配線とを絶縁するように形成される。ビア9は、1層目の金属配線と2層目の金属配線とを接続する。ビア9は、層間膜8を貫通して、1層目の金属配線の表面が露出するように形成された溝に金属材料を埋め込むことで形成される。2層目の金属配線33は、層間膜8の表面に形成される。
第1の工程から第6の工程を経ることで、本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1を製造することが可能である。また、上記工程は、MOSトランジスタを形成する工程と同じ工程によって実現可能である。これによって、破壊耐圧の低いMOSトランジスタを用いる回路においても、本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1を用いて内部回路を保護することが可能である。なお、上記製造工程は、製造方法の一例であって、本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1の製造方法はこれに限られたものではない。
本実施の形態にかかる静電破壊保護装置1を実現する他の方法による断面構造について説明する。まず、第1の変形例について説明する。第1の変形例にかかる静電破壊保護装置1の断面構造を図16に示す。図16に示すように、第1の変形例にかかる静電破壊保護装置は、LDDB領域14及びLDDP領域24に代えて、Pウェル領域14a及びNウェル領域24aを有している。この場合においても、エミッタ領域とベース領域との間にエミッタ領域と同じ導電型であって、エミッタ領域よりも不純物濃度の低い領域が挿入されることになる。従って、ベース端子とエミッタ端子との間に形成されるダイオードのブレークダウン電圧を向上させることが可能である。なお、第1の変形例では、エミッタ領域13の下部に形成されるPウェル領域14aと基板領域5とを絶縁するために、PNPトランジスタ3が形成される領域の下層にディープNウェル領域15が形成される。
第2の変形例について説明する。第2の変形例にかかる静電破壊保護装置1は、PNPトランジスタ3のエミッタ領域13とNウェル領域10との間のブレークダウン電圧が高い場合である。この場合の静電破壊保護装置1の断面構造を図17に示す。図17に示すように、第2の変形例にかかる静電破壊保護装置1は、エミッタ領域に隣接する低濃度領域としてLDDP領域24のみを有している。この第2の変形例においても、LDDP領域24をNウェル領域24aに置換しても良い。LDDP領域24をNウェル領域24aに置換した場合の静電破壊保護装置1の断面図を図18に示す。
第3の変形例について説明する。第3の変形例にかかる静電破壊保護装置1は、NPNトランジスタ2のエミッタ領域23とPウェル領域20との間のブレークダウン電圧が高い場合である。この場合の静電破壊保護装置1の断面構造を図19に示す。図19に示すように、第3の変形例にかかる静電破壊保護装置1は、エミッタ領域に隣接する低濃度領域としてLDDB領域14のみを有している。この第3の変形例においても、LDDB領域14をPウェル領域14aに置換しても良い。LDDB領域14をPウェル領域14aに置換した場合の静電破壊保護装置1の断面図を図20に示す。なお、図20に示すように、ディープNウェル領域15は、PNPトランジスタ3が形成される領域の下層のみならず、NPNトランジスタ2が形成される領域の下層に形成されていても良い。
実施の形態2
実施の形態2にかかる静電破壊保護装置1aは、実施の形態1にかかる静電破壊保護装置1のウェル領域に形成される寄生抵抗(抵抗RNW及び抵抗RPW)の抵抗値を実質的に大きくしたものである。この寄生抵抗の抵抗値を大きくすると、エミッタ端子とベース端子との間に形成されるダイオードがブレークダウンした後に、I/O端子とVDD端子又はGND端子との間の電位差をサージ電流の大きさに応じて拡大することが可能である。この電位差の拡大によって、トランジスタがスナップバック動作を開始する前にダイオードがブレークダウン動作を開始した場合であっても、ダイオードが破壊する前にトランジスタがスナップバック動作を開始することが可能である。
例えば、製造工程のばらつきによって、ダイオードのブレークダウン電圧が大きくばらつく場合には、このように抵抗RNW及び抵抗RPWの抵抗値を実質的に大きくしておくことが有効である。
抵抗RNW及び抵抗RPWの抵抗値を実質的に大きくした静電破壊保護装置1aの断面図の一例を図21に示す。図21に示すように、この場合における静電破壊保護装置1aは、実施の形態1にかかる静電破壊保護装置1よりも、エミッタ領域とベース領域とが離されて配置されている。これによって、エミッタ領域とベース領域との間に形成されるNウェル領域10の距離が長くなるため、抵抗RNW及び抵抗RPWの抵抗値は大きくなる。
また、実施の形態2における第1の変形例についての断面図を図22に示す。実施の形態2における第1の変形例にかかる静電破壊保護装置1aは、各エミッタ領域とベース領域との距離は実施の形態1と同じである。実施の形態2における第1の変形例では、コレクタ領域とベース領域との間の領域に不純物濃度が低いウェル領域を有している。この不純物濃度が低いウェル領域は、周辺に形成されるウェル領域と同じ導電型の半導体によって形成される。不純物濃度が低いウェル領域の抵抗値は、周辺に形成されるウェル領域よりも抵抗値が高い。従って、この不純物濃度が低いウェル領域を配置することで、抵抗RNW及び抵抗RPWの抵抗値を高めることが可能である。
実施の形態2における第2の変形例についての断面図を図23に示す。実施の形態2における第2の変形例にかかる静電破壊保護装置1aは、実施の形態1にかかる静電破壊保護装置1と同じ構造を有している。しかし、ベース領域とベース領域が接続される端子との間に抵抗を有している。この抵抗は、例えばポリシリコンを用いた抵抗である。また、この抵抗は、NPNトランジスタ2及びPNPトランジスタ3とは別に形成される。このように、トランジスタとは別に形成される抵抗を用いることで、半導体装置を製造後に配線を加工して、抵抗RNW及び抵抗RPWの抵抗値を変更することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、トランジスタの形状は、上記実施の形態に限られたものではなく適宜変更することが可能である。
実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の回路図である。 実施の形態1にかかる静電破壊保護回路においてGND+条件で静電気を印加した場合の素子の電流電圧特性を示すグラフである。 実施の形態1にかかる静電破壊保護回路においてGND−条件で静電気を印加した場合の素子の電流電圧特性を示すグラフである。 実施の形態1にかかる静電破壊保護回路においてVDD+条件で静電気を印加した場合の素子の電流電圧特性を示すグラフである。 実施の形態1にかかる静電破壊保護回路においてVDD−条件で静電気を印加した場合の素子の電流電圧特性を示すグラフである。 実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態1にかかる静電破壊保護回路のレイアウトを示す図である。 図7に示す静電破壊保護回路の上層に1層目の金属配線を形成した場合のレイアウトを示す図である。 図7に示す静電破壊保護回路の上層に1層目と2層目の金属配線を形成した場合のレイアウトを示す図である。 第1の工程が終了したときの実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 第2の工程が終了したときの実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 第3の工程が終了したときの実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 第4の工程が終了したときの実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 第5の工程が終了したときの実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 第6の工程が終了したときの実施の形態1にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態1の第1の変形例にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態1の第2の変形例にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態1の第2の変形例にかかる静電破壊保護回路の他の一例の断面図である。 実施の形態1の第3の変形例にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態1の第3の変形例にかかる静電破壊保護回路の他の一例の断面図である。 実施の形態2にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態2の第1の変形例にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 実施の形態2の第2の変形例にかかる静電破壊保護回路の断面図である。 従来の静電破壊保護回路の回路図である。
符号の説明
1 静電破壊保護装置
2 NPNトランジスタ
3 PNPトランジスタ
4 コンタクト
5 基板領域
6 絶縁領域
7、8 層間膜
9 ビア
10 Nウェル領域
11 PNPトランジスタのベース領域
12 PNPトランジスタのコレクタ領域
13 PNPトランジスタのエミッタ領域
14 LDDB領域
14a Pウェル領域
15 ディープNウェル領域
20 Pウェル領域
21 NPNトランジスタのベース領域
22 NPNトランジスタのコレクタ領域
23 NPNトランジスタのエミッタ領域
24 LDDP領域
24a ウェル領域
30〜33 金属配線
RNW 抵抗
RPW 抵抗

Claims (3)

  1. 第1、第2の電源端子と入出力端子とを有する半導体装置において、前記第1、第2の電源端子と前記入出力端子との間に印加されるサージ電流から前記半導体装置を保護する静電破壊保護装置であって、
    前記第1の電源端子にコレクタ端子が接続され、前記入出力端子にエミッタ端子が接続され、前記第2の電源端子にベース端子が接続される第1のバイポーラトランジスタと、
    前記第2の電源端子にコレクタ端子が接続され、前記入出力端子にエミッタ端子が接続され、前記第1の電源端子にベース端子が接続される第2のバイポーラトランジスタとを有し、
    前記第1、第2のバイポーラトランジスタのうち少なくとも一方のバイポーラトランジスタは、エミッタ端子が形成されるエミッタ領域の隣接する下部に、前記エミッタ領域と同じ導電型で形成され、前記エミッタ領域よりも不純物濃度の低い埋め込み領域を有する静電破壊保護装置。
  2. 前記第1、第2のバイポーラトランジスタのうち他方のバイポーラトランジスタのコレクタ端子とエミッタ端子とが導通状態となる動作開始電圧は、上記少なくとも一方のバイポーラトランジスタのエミッタ端子とベース端子との間に形成されるPN接合部分の降伏電圧よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の静電破壊保護装置。
  3. 前記第1のバイポーラトランジスタは、NPN型のバイポーラトランジスタであり、前記第2のバイポーラトランジスタは、PNP型のバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の静電破壊保護装置。
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