JP2005123533A - 静電放電保護回路 - Google Patents

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弘 小泉
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Abstract

【課題】従来の静電放電保護回路は、ダイオードまたは、MOSFETを用いた回路であった。前者は逆バイアスの降伏電圧が高いため、内部回路を破損する恐れがあり、後者は寄生容量が大きくなるため高周波では特性劣化の問題があった。このため、本発明においてはGHz以上でも適用可能な静電保護回路の実現を目的とした。
【解決手段】内部回路の入出力端子にNPNトランジスタ10およびPNPトランジスタ20のエミッタ電極を接続し、NPNトランジスタ10のコレクタ電極を正電位側電源に、PNPトランジスタ20のコレクタ電極を接地側電位に接続し、NPNトランジスタ10のベース電極を接地し、PNPトランジスタ20のベース電極を正電位側電源に接続する構成とし、これにより高耐圧でかつ入力側で低寄生容量の小さい静電放電保護回路を実現した。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体集積回路において入出力回路に関連し、静電放電保護回路に関する。
従来回路の基本的な構成について、以下図6を用いて説明する。図6において61は接地端子(以下、VSS端子と表記)であり、62は正電位側端子(以下、VDD端子と表記)である。CMOSプロセスにおける静電放電保護回路(以下、ESD保護回路と表記)としては、NMOSトランジスタ(以下NMOSと表記)あるいは、PMOSトランジスタ(以下PMOSと表記)をダイオード接続し、ダイオード接続したNMOS(D2)は保護されるべき内部回路64の入出力端子63(以下、I/O端子と表記する。入力もしくは出力、もしくは入力と出力とを兼用するI/O端子の意として用いる。)とVSS端子61との間に、また、ダイオード接続したPMOS(D1)はI/O端子63とVDD端子62との間にそれぞれ逆バイアス方向に接続した回路を用いるのが一般的である。
また、数GHzの高速で動作するI/O端子63の場合においても、PN接合保護ダイオードをVDD端子62とI/O端子63、および、I/O端子63とVSS端子61との間にそれぞれ逆バイアス方向、すなわち、通常使用状態では電流が流れない向きに接続する回路が有効であることが下記非特許文献1において報告されている。一般に、PN接合ダイオードは、逆バイアスでの降伏電圧が数十Vに達するため、VDD端子62とVSS端子61との間に数Vで降伏(ESD保護回路ではターンオンあるいはスナップバック等と呼ばれる)する回路を電源線間保護回路として接続し、この電源線間保護回路MN1を経由してサージを迂回させる。
従来回路による保護動作中では、図6においてVDD端子62に接続されているダイオードD1は順方向バイアスの状態にあり、このオン抵抗と電源線間保護回路MN1のオン抵抗とが直列接続され図6中における破線の経路をとる形となるため、これらの合計がサージパスの合成抵抗となり、サージ電流が大きくなるほど保護されるべき内部回路64に印加される電圧が上昇する。また、オン抵抗が充分小さくても、電源線間保護回路MN1のトリガ電圧すなわち、保護開始電圧が高いと、サージパスに電流が流れる前に内部回路64への印加電圧が上昇し、内部回路64破壊の原因となる。ゲート酸化膜厚が、5nmである微細プロセス(最小線幅0.25nm以下のプロセスに相当)では、この酸化膜により形成された静電容量の影響により人体モデル(以下HBMと表記)に基づくパルス幅の電圧印加ストレスとして、約8〜10Vで破壊に至ることが下記の非特許文献2で報告されている。したがって、保護回路のトリガ電圧や保護動作中の端子電圧であるクランプ電圧は10V以下でなければならない。このように、I/O端子63と電源端子(VDD端子62もしくはVSS端子61)の間に接続された保護回路の寄生容量を抑制することと保護動作中におけるサージパスの低抵抗化とが高速I/O保護回路の課題となっていた。
このように、ダイオードを用いた従来のESD保護回路における主な間題点は、逆バイアス方向の降伏電圧が高いため、例えば、VSS端子61を基準に正バイアスのESD電圧がI/O端子63に印加された場合や、この逆に、VDD端子62を基準に負バイアスのESD電圧がI/O端子63に印加された場合には、電源線間保護回路MN1のESD保護動作が必須となり、保護動作中のI/O端子電圧上昇が避けられない点にある。保護回路自身の耐性は高くできても、内部回路64を破壊してしまう特性では、結局LSIのESD耐性を劣化させてしまうことになる。一方、従来から多用されてきたMOSFETを保護回路とする構成は、MOSFETの特徴であるスナップバック動作を利用するため、逆バイアス方向であっても、低いクランプ電圧を維持して大電流のサージを通電することが可能である。しかし、単位寄生容量に対する耐ESD電圧(以下、ESD耐量と表記)は、PN接合デバイスより劣るため、充分なESD耐量を得るためには回路占有面積と寄生容量の増加を招くのが難点であった。
I/O端子における信号の動作速度が増加すると、許容できる寄生容量は減少する。10GHz以上の動作速度においては許容できる寄生容量は100fF以下である。したがってパッドの容量を最大50fFとすると、保護回路に許される寄生容量はわずか50fF以下となる。したがって、10GHz以上で動作するI/O端子に対して充分な耐圧、例えば工場環境などで最低必要なHBMに基づく電圧印加ストレス500V〜1000Vを確保するためには、10fFあたり100〜200Vの耐性を具備しなければならないことになる。
C. Richier, et al. "Investigation on Different ESD ProtectionStrategies Devoted to 3.5 V RF Applications (2GHz) in a 0.18 μm CMOS Process", Proc. EOS/ESD Symp. 2000, pp.251-259, 2000. A. Amerasekera, et al. "The Impact of Technology Scaling on WSDRobustness and Protect Circuit Design," IEEE Trans. on Components, Packaging,and Manufacturing Technology Part A, Vol. 18, pp.314-320, 1995
以上述べたように、従来技術では保護回路の寄生容量抑制と高いESD保護耐性とを両立させることは困難である。このため、従来回路および、回路のレイアウトパタンでは困難であった低容量・高耐量のESD保護回路を実現することが課題となっていた。本発明においては、10GHz以上の高速で動作するI/O回路への適用を可能とするため、100fF以下望ましくは50fF以下の寄生容量でHBMにおいて1000V以上のESD耐量を実現することを目指し、特に、アナログ・デジタル混載LSIにおける入力および出力端子のESD保護において、低寄生容量で高耐圧な保護回路の実現を目的としている。
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1においては
半導体集積回路における静電放電保護回路において、バイポーラトランジスタを主たる保護回路として機能せしめる構成とし、正電位側電源端子と入出力端子との間に接続されたNPNトランジスタのベース電極を接地端子に接続し、入出力端子と接地端子との間に接続されたPNPトランジスタのベース電極を正電位側電源端子に接続し、かつ、正電位側電源端子と接地端子との間に電源線間保護回路が接続している構成の静電放電保護回路について規定している。
請求項2においては、請求項1に記載の静電放電保護回路において、前記バイポーラトランジスタの一方、もしくは両方をCMOSプロセスのトリプルウェル構造を用いて構成することについて規定している。
請求項3においては、請求項2に記載の静電放電保護回路において、前記バイポーラトランジスタを、トリプルウェル構造内にPN接合ダイオードを構成することによって発生する寄生的なバイポーラトランジスタとする構成について規定している。
請求項4においては、請求項1または2に記載の静電放電保護回路において、 前記バイポーラトランジスタの両方を縦型構造とするか、またはNPNトランジスタを縦型とし、PNPトランジスタを横型構造とするか、何れかの構造とすることについて規定している。
請求項5においては、請求項1乃至4の何れかに記載の静電放電保護回路において、PNP,NPNの各バイポーラトランジスタにおけるエミッタ電極を入出力端子に接続する構造について規定している。
請求項6においては、請求項5に記載の静電放電保護回路において、I/O端子における保護回路の寄生容量を100fF以下にした構成について規定している。
請求項7においては、請求項1乃至6の何れかに記載の静電放電保護回路における前記電源線間保護回路において、静電放電ストレスの入力により、接地端子に対して正電位側端子の電位が正のバイアスとなる場合、前記電源線間保護回路が10V以下でターンオンする構成について規定している。
本発明における第1の実施の形態によれば、トリプルウェル構造を用いたバイポーラトランジスタと電源線間保護回路とを組み合わせ、電源線間保護回路を経由するサージ経路の通電を、バイポーラトランジスタのターンオントリガとして用いれば、電源線間保護回路とダイオードによるサージ経路の他にバイポーラトランジスタによるサージ経路も形成することができるので、端子電圧を低く押させることが可能である。また、エミッタ電極をI/O端子に接続することは、寄生容量を抑制する効果がある。第2、第3の実施の形態で示すように、同じ等価回路を実現するために複数のレイアウトから選択できるため、保護回路設計者が適宜、内部回路にあわせた最適レイアウトを選ぶことができる。
本発明における保護回路自身のESD耐圧は、エミッタ電極の面積に依存し、同じ面積であれば従来のダイオード型保護回路と同等以上であると考えられるが、電源線間保護回路を経由したサージパスで全てのサージ電流を通電せしめる従来回路と異なり、I/O端子とVDDおよびVSSの電源端子に接続された保護回路を直接通電するサージ経路が確保されるため、端子電圧を低く抑えることが可能である。これは内部回路の耐圧が低い微細プロセスにおいては、実質的なESD耐圧の増加をもたらす。
このように、本発明の保護回路は、通信用LSIに代表される高速アナログLSIや高速アナログ・デジタル混載LSIにおいて、GHz以上の高速動作が求められるI/O回路の保護に極めて有効である。
(本発明の特徴)
本発明のESD保護回路の基本構成を図1(a)に示す。本発明のESD保護回路は、アナログ・デジタル混載用CMOSプロセスで一般的に用いられるトリプルウェル構造を利用し、縦型NPNバイポーラトランジスタ10のエミッタ電極12を従来とは逆にI/O端子63に接続することを第一の特徴としている。すなわち、寄生容量の大きなコレクタ端子11ではなく、電流増幅率は劣るものの、寄生容量を小さくできるエミッタ電極12を静電放電ストレスの入力端子とすることで、容量負荷を大幅に削減するものである。
第二の特徴として、NPNトランジスタ10とは別にPNPトランジスタ20を用意し、このPNPトランジスタのベース電極13をVDD端子62に接続し、エミッタ電極14をI/O端子63に接続し、コレクタ電極15をVSS端子61に接続する。さらに、縦型NPNトランジスタ10のベース電極16をVSS端子61に接続し、コレクタ電極11をVDD端子62に接続する。
このような接続によって構成される保護回路の等価回路を図1(b)に示す。図において、実線矢印の経路(実細線)はVSS電位を基準とした正のサージに対する電流の流れを示すもので、この場合は電源線間の電位が上昇し、保護回路MN1がスナップバックすると、I/O端子63とVSS電位(図1では接地電位)との間に接続されているPNPトランジスタ20のエミッタ14−ベース13間(E−B間)に電流が流れ、エミッタ14−コレクタ13間(E−C間)がターンオンして導通状態となる(図1(b)における矢印太線の実線および破線の経路)。一方、破線矢印の経路(破線細線)はVDD電位を基準とした負のサージを示すもので、上記正のサージに対する逆の場合である。この場合はI/O端子63とVDD電位との間に接続されているNPNトランジスタ10のエミッタ12−コレクタ11間がターンオンして導通状態となる。また、これら以外のサージに対してもPN接合(ダイオード)の順方向電流として流れる。
なお、PNPトランジスタ20は、縦型構造で構成してもよい。ただし、この場合、コレクタ電極15はP型シリコン基板(P−sub)に接続された形となるため、ノイズの回り込み防止など、特別な配慮が必要となる。また、NPNトランジスタ10とPNPトランジスタ20をそれぞれダイオード素子のパタンレイアウトを用いて、寄生的なトランジスタ素子で構成することも可能である。これらについては後述する。
本発明によるESD保護回路において、I/O端子63の寄生容量は、トランジスタのエミッタ電極の大きさに依存する。通常のCMOSプロセスの場合、PN接合のサイズが0.6μm×25μmの場合、印加される電圧条件にも依存するが、最大約90fFとなることが非特許文献1で報告されている。
本発明の構成では、単なるスナップバック動作とは異なる原理で逆バイアスの電流を通電する。例えば、図1(b)において、VSS電位を基準に正電圧のESDストレスがI/O端子63に印加されたとする。印加された電圧が上昇すると、PNPトランジスタのエミッタ−コレクタ間に電位差が生じるが、同時に、このPNPトランジスタのエミッタ−ベース間で形成されたPN接合を介して、VDD−VSS間に搭載したNMOS保護回路MN1のドレイン−ソース間にも電圧が印加されることになる。プロセスにもよるが、NMOSのスナップバック電圧は約4〜8V程度であり、PN接合ダイオードの順方向ON電圧(ビルトイン電圧)である約0.8Vと、NMOSのスナップバック電圧の合計がバイポーラトランジスタの降伏電圧より低ければ、PN接合ダイオードと電源線間保護用のNMOSを介して通電する電流パスが先行してサージ電流を流す。これはすなわち、従来のダイオードD1,D2を用いた保護回路の動作と同じである。従来と異なるのは、PN接合ダイオードがPNPバイポーラトランジスタ20の一部であるため、このダイオードに流れる電流がPNPトランジスタ20のベース電流に相当する点である。
したがって、上記の電流パスに電流が流れると、PNPトランジスタ20にとってはベース電流が流れたことと等価になり、PNPトランジスタ20がターンオンする。この動作により、保護回路としてのPNPトランジスタ20も有効となり、I/O端子63の電圧上昇を抑制する。
このように、本発明では、電源線間保護回路MN1のターンオンを主保護回路のトリガとして用いる点が従来技術と異なる。また、電源線間保護回路MN1はI/O端子63の寄生容量とは無関係であるため、面積の許す限り大型化できる。本発明のこれらの特徴的な構造により、実施の形態で示すとおり、約10fF程度の寄生容量にもかかわらず、HBM換算で約350V以上のESD耐量を実現できる。
(第1の実施の形態)
以下、図1を用いて本発明による第1の実施の形態を説明する。図1(b)に示したとおり、NPNトランジスタ10とPNPトランジスタ20のベース接続を互いに交差させる構造により、電源線間保護回路MN1を主保護回路の補助回路として用いるのではなく、主保護回路のトリガ回路として用いる。VSS電位を基準に正のバイアスがI/O端子63に印加された場合については上記において説明したので、ここでは、その他のサージ経路について説明する。
VSS電位基準に負電圧のESDストレスが印加された場合は、I/O端子63−VDD端子62間に接続したNPNトランジスタ10のベースエミッタに相当するPN接合ダイオードが主たるサージ経路となる。さらに、このPN接合ダイオードを流れる電流は、NPNトランジスタ10のベース電流に相当するため、電源線間保護回路(順方向接続となる)MN1を介してVDD端子−I/O端子間の電位差が増加すると、NPNトランジスタ10がターンオンする。
次にVDD電位基準の場合について説明する。VDD端子62を電位の基準として、I/O端子63に正電圧のESDストレスが印加された場合は、PNPトランジスタ20のPN接合ダイオードによるサージ経路が主たる経路となり、電源線間保護回路NM1の順方向パスを介したPNPトランジスタ20のエミッタ−コレクタ電流パスが加わる。これは、前述のVSS電位基準で負ESDのサージ経路と同様の経路となる。同様に、VDD電位基準で負電圧ESDストレスの場合は、電源線間保護回路MN1のスナップバックとNPNトランジスタ10のベースエミッタ間PN接合ダイオードのターンオンをトリガとしてNPNバイポーラトランジスタ10がターンオンしてI/O端子63を保護する。この場合はVSS電位基準で正電圧ESD印加の場合に対応する。
図2は、本構造の保護回路において、TLP(Transmission Line Pulsing)法によりスナップバック特性を測定した例である。エミッタ電極12をI/O端子63とし、コレクタ電極11をVSS電位に接続した縦型NPNトランジスタ10(図1(a)に相当)に対し、VSS電位を基準に正電圧のTLPストレスをI/O端子63に印加した。このとき、ベース電極に0V,0.5V,1.0Vを加えた場合の過渡変化を調べた。
TLPパルス幅は約150nsであり、HBMのESD放電を想定している。横軸のクランプ電圧は、エミッタ電極の電圧である。また、エミッタに流れ込む電流がTLP電流となる。TLP法では、同軸ケーブルをコンデンサにみたてて充電し、被試験デバイスに放電する。TLP法は充電と放電を繰り返し、放電毎に次の充電電圧を上昇させる。同軸ケーブルを用いて充放電することで、台形波を維持したまま大電流パルスを供給できるため、保護デバイス単体のESD耐性を評価する試験法として広く用いられている。本第1の実施の形態では、故障判定に一定の電圧で充電したパルスを各ストレスパルスに引き続いて印加し、そのときの電流を観測した。もし、リークなどの異常が発生すれば、定電圧パルス電流が増加する。定電圧パルス電流が急激に増加したときのTLP電流が、デバイスの耐ESD電流に相当する。HBM試験では、100pFのコンデンサに充電した電荷を1.5kΩの負荷抵抗を介して放電するため、経験的に最大TLP電流の1500〜1800倍程度がHBMにおける耐圧に相当する。例えば最大TLP電流が1Aのデバイスであれば、HBM換算で約1500〜1800Vの耐圧と判定できる。図2では、プロットで示した特性がTLPによる電流ストレスによる放電電流−クランプ電圧特性であり、プロットなしの曲線(実線、破線、一点鎖線)が定電圧パルスによる放電電流−リーク電流特性を示している。
図2で明らかなように、いずれのベース電圧Vbにおいても250mA近辺で定電圧パルス電流値が急増し故障に至っていることが知れる。一方、スナップバック電圧は、Vb=0Vと0.5Vにおいて10V以上であるのに対し、Vb=1.0Vでは、約8.5Vに低くなっている。すなわち、ベース電圧Vbがビルトイン電圧を超えるとNPNトランジスタがON状態になるため、NPNトランジスタに対するTLPストレスが通常の順方向バイアス状態に近づき、スナップバック電圧が減少する。
ただし、低電圧パルスによる特性で示すとおり、常にベース電圧VbがON状態を与えるバイアスが維持されていると、ESDストレスが印加されない通常動作状態でもI/O端子63−電源端子(VDDまたはVSS)間が低インピーダンスとなるため、保護回路として好ましくない。そこで、本発明では、内部回路64が正常に動作している状態ではこれらバイポーラトランジスタ10および20がOFF状態を維持するようにベース電極を接続し、ESDストレス印加によって保護トランジスタがONするためのバイアスがベース電極に加わるようになっている。
このように、電源線間保護回路とダイオードによるサージ経路の他にバイポーラトランジスタによるサージ経路を形成することにより、I/O端子63のクランプ電圧を低く抑えることが可能となり、これにより内部回路64を強力に保護するようにしている。
図3は本第1の実施の形態で示したNPNトランジスタのエミッタ電極における接合容量の実測例である。1辺が2μmの正方形の接合パタン(面積4μm)において中央値として約11fFの容量であることがわかる。ESD放電によるデバイスの耐電流が接合面積にほぼ比例すると仮定すれば、図2の結果から、50fFでは約1.14Aの電流を通電できることになる。したがって、HBM換算では約1710〜2052VのESD耐圧を有すると推定される。本実施の形態の回路では、I/O端子に2つのエミッタ電極が接続されるため、寄生容量はこれら電極に関わる寄生容量の合計となる。PNPトランジスタ20、NPNトランジスタ10ともに同じサイズのエミッタ電極サイズとすれば、本第1の実施の形態におけるESD耐圧は、I/O端子63の寄生容量が50fFのとき、上記の結果から約850〜1000Vとなる。
VSS電位基準に対するESD保護に重点を置くならば、エミッタ電極の合計面積を一定に保ちつつ、NPNトランジスタのエミッタ電極サイズを縮小し、PNPトランジスタのエミッタサイズを拡大すれば、VSS電位基準のESD耐圧を強化できる。
図3は以上述べた実施の形態で示したNPNトランジスタのエミッタ電極における接合容量の実測例である。図3においてサンプル1〜4は全て同じ条件で作成したサンプルであり、接合面積は図2において用いた縦型NPNトランジスタと同じである。
(第2の実施の形態)
以下、図4により本発明における第2の実施の形態を説明する。本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態でラテラル(横型)構造としたPNPトランジスタを縦型構造とした例である。この場合、縦型PNPトランジスタ101のコレクタ電極41がP−sub基板40となる。等価回路や動作については第1の実施の形態における場合と同様である。高速アナログ・デジタル混載LSIでは、ノイズの基板伝達による影響を回避するため、トリプルウェル構造を利用して、基板と回路を分離する。これは、P−sub基板40に浮いたN−Well42の島に、全ての回路を集積し、N−Well42をVDD電位に、P−sub基板40を接地することで、回路動作によるノイズを全て基板40で吸収する手法である。特に、隣接した高速動作するI/O同士の電気的分離(アイソレーション)に効果がある。
本第2の実施の形態では、保護回路の端子がP−sub基板40に接続することになるため、保護回路がノイズパスとなる懸念があるため別途アイソレーションの工夫が必要である図5はこのための回路の例を示すものであるが、図5については後述する。しかし、ラテラル構造に比べて、ベースを薄くできる縦型構造のほうがhfe値を大きくできるため、ESD耐量も大きくなると期待できる。本第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、VDD−VSS間に電源線間保護回路が必要である。
(第3の実施の形態)
図5を用いて本発明における第3の実施の形態を説明する。本第3の実施の形態はトリプルウェル構造の中に2種類のPN接合ダイオードを接近させて配置することで、このダイオード構造内に寄生的に存在するNPNトランジスタ51およびPNPトランジスタ52を構成する(図5中において破線で示した回路部分)。配線層の接続は図6に示した従来の基本的なダイオード保護回路と同じであるが、Deep N−We1lの中に2種類のダイオードを一括でレイアウトすることで、本発明の保護回路と等価な回路を実現できる。上記2つの実施の形態に比較して回路占有面積を最も小さくすることが可能である。本第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、VDD−VSS間に電源線間保護回路が必要である。
本発明を説明する基本回路図。 ベース電圧を変化せしめた場合におけるNPNトランジスタのスナップバック特性を示す特性図。 図1で示した実験に用いたデバイスの寄生容量−電圧関係図。 第2の実施の形態における保護回路の構造断面図。 第3の実施の形態における保護回路の構造断面図。 従来の代表的な保護回路である、ダイオード型保護回路の基本回路図。
符号の説明
10:縦型NPNトランジスタ
11:NPNトランジスタのコレクタ電極
12:NPNトランジスタのエミッタ電極
13:PNPトランジスタのベース電極
14:PNPトランジスタのエミッタ電極
15:PNPトランジスタのコレクタ電極
20:横型PNPトランジスタ 40:P−sub基板
41:縦型PNPトランジスタのコレクタ電極
42:N−Wellの島
51:寄生的存在のNPNトランジスタ
52:寄生的存在のPNPトランジスタ
61:VSS(接地電位側電源)端子 62:VDD(正電位側電源)端子
63:I/O(入出力)端子 64:内部回路
101:縦型PNPトランジスタ
MN1:電源線間保護回路

Claims (7)

  1. 半導体集積回路における静電放電保護回路において、
    正電位側電源端子と入出力端子との間に接続されたNPN構造のバイポーラトランジスタのベース電極を接地電位端子に接続し、
    前記入出力端子と前記接地電位端子との間に接続されたPNP構造のバイポータトランジスタのベース電極を前記正電位側電源端子に接続し、
    かつ、前記正電位側電源端子と前記接地電位端子との間に電源線間保護回路を接続していることを特徴とする静電放電保護回路。
  2. 請求項1に記載の静電放電保護回路において、
    前記2つのバイポーラトランジスタの一方、もしくは両方をCMOSプロセスのトリプルウェル構造を用いて構成することを特徴とする静電放電保護回路。
  3. 請求項2に記載の静電放電保護回路において、
    前記2つのバイポーラトランジスタを、トリプルウェル構造内にPN接合ダイオードを形成し、該P/N接合ダイオードにより寄生的なバイポーラトランジスタを構成せしめることを特徴とする静電放電保護回路。
  4. 請求項1または2に記載の静電放電保護回路において、
    前記バイポーラトランジスタの両方を縦型構造とするか、またはNPNトランジスタを縦型とし、PNPトランジスタを横型構造とするか、何れかの構造とすることを特徴とする静電放電保護回路。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の静電放電保護回路において、
    PNP,NPNの各バイポーラトランジスタにおけるエミッタ電極を入出力端子に接続することを特徴とする静電放電保護回路。
  6. 請求項5に記載の静電放電保護回路において、
    入出力端子における保護回路の寄生容量を100fF以下にしたことを特徴とする静電放電保護回路。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の静電放電保護回路における前記電源線間保護回路において、
    静電放電ストレスの入力により、接地端子に対して正電位側電源端子の電位が正のバイアスとなる場合、前記電源線間保護回路が10V以下でターンオンすることを特徴とする静電放電保護回路。
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