JP4208172B2 - フォトダイオードおよびそれを用いた回路内蔵受光素子 - Google Patents

フォトダイオードおよびそれを用いた回路内蔵受光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光領域の表面に設けた反射防止膜と、受光領域の周辺部に設けた遮光膜とを有するフォトダイオードおよび回路内蔵受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光電変換を行うフォトダイオードは、光ピックアップの信号検出用素子、光空間伝送、光ファイバーリンクにおける受信側の受光素子等として幅広く用いられている。近年、DVD等の光ピックアップの高速化が進み、また、データ通信の高速化等に伴って、より高速で高性能なフォトダイオードおよび回路内蔵素子が求められている。特に、フォトダイオードに対しては、応答速度の高速化と共に、光に対する高感度化および高周波ノイズの低減が求められている。
【0003】
フォトダイオードの光に対する高感度化を図るためには、フォトダイオードの受光領域の表面に、入射光の波長に対して、その入射光の反射率が低くなるような反射防止膜を形成し、フォトダイオードの表面における入射光の反射による損失を低減させる必要がある。このような反射防止膜として、いずれも薄いシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜を積層した構成が採用されている。シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の積層構造は、フォトダイオードの受光領域上に積層され、入射光の波長に合わせて適切な膜厚に設定することにより、入射光の反射率の最適化が図れる。例えば、特開平10−84102号公報で開示されている反射防止膜の構成は、CDおよびDVD−ROMで使用される半導体レーザ光の波長(例えば780nm)に対して、シリコン酸化膜の膜厚を10nmおよびシリコン窒化膜の膜厚を50nmとしている。
【0004】
近年の光ディスクの開発動向においては、データの読み出しおよび書き込みに使用されるレーザ光の波長が短波長化している。このように、レーザ光が短波長であるほど、そのビーム径を絞り込むことができ、光ディスクの記録密度を向上させることができる。レーザ光が短波長化すると、フォトダイオードの表面での反射による光の損失を低減して高感度化するために、反射防止膜を構成するシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜をさらに薄膜化する必要がある。
【0005】
一方、フォトダイオードの応答速度の高速化および高周波ノイズの低減を図るためには、フォトダイオードのPN接合における接合容量を低減する必要がある。フォトダイオードの接合容量を低減するためには、受光領域を構成する半導体層を高抵抗化することが望ましいが、この場合には、同時にフォトダイオードの内部直列抵抗が増加してしまうため、フォトダイオードを充分に高速化することができない。このような問題に対して、特開平8−260043号公報では、図17に示すような構成のフォトダイオードが開示されている。
【0006】
図17に示すフォトダイオードは、P型シリコン基板21上に、N−型エピタキシャル層24が積層されている。P型シリコン基板21とN−型エピタキシャル層24との界面領域には、所定の間隔を置いてP+型埋め込み拡散層22が設けられており、N−型エピタキシャル層24には、P+型埋め込み拡散層22上にP+型分離拡散層22aが設けられている。これらのP+型埋め込み拡散層22およびP+型分離拡散層22aによりN−型エピタキシャル層24が複数の領域に分割されている。複数に分割された所定のN−型エピタキシャル層24と、そのN−型エピタキシャル層24の下側に対応するP型シリコン基板21との界面のPN接合より入射光を検出するフォトダイオードが形成される。そして、P型シリコン基板21上には、複数の分割されたフォトダイオードが形成されている。
【0007】
各フォトダイオードは、各受光領域29に対応するP型シリコン基板21において、P型シリコン基板21上の受光領域29を分割するように設けられたP+型埋め込み拡散層22およびP+型分離拡散層22aの両側の近傍にN+型埋め込み拡散層23が設けられている。受光領域29を分割するようにP+型埋め込み拡散層22およびP+型分離拡散層22aが設けられたN−型エピタキシャル層24の上部には、N+型埋め込み拡散層23を覆うように、P+型拡散層26が設けられている。P+型拡散層26には、受光領域29を分割するP+型分離拡散層22aの一部分が含まれている。
【0008】
N−型エピタキシャル層24、P+型分離拡散層22aおよびP+型拡散層26の表面には、反射防止膜25であるシリコン酸化膜25aおよびシリコン窒化膜25bが順番に積層されている。フォトダイオードの受光領域29の周辺部には、導電性遮光膜27が形成され、さらに導電性遮光膜27の全体を被覆するように、導電性遮光膜27上に絶縁性保護膜28が形成されている。
このように、受光領域の分割領域であるP+型埋め込み拡散層22およびP+型分離拡散層22a近傍にのみ、低抵抗のN+型埋め込み拡散層23を設けることによりフォトダイオードの内部直列抵抗の抵抗値が低減されており、接合容量が低減されている。
【0009】
ところで、このようなフォトダイオードは、ウエハ状態にて製造され、最終的にダイシング工程において各々のチップに分割される。このために、このダイシング工程において、ウエハの表面には大量の静電気が発生し、ウエハ表面から深さ方向に形成されるフォトダイオードが静電破壊されるおそれがある。フォトダイオードの静電破壊は、ダイシング工程でのウエハ分割の際に、吹き付けられる純水とウエハとの摩擦によって、大量の静電気がフォトダイオードの受光領域29および受光領域29の周辺部のシリコン窒化膜25bおよび絶縁性保護膜28上に発生することに起因する。このため、ダイシング工程において、ウエハに吹き付ける純水に炭酸ガス等を混ぜて導電率を高くする等、静電気の発生を抑制するような工夫が図られている。
【0010】
しかし、このような方法においても、ウエハに吹き付ける純水の流量および純水に混ぜる炭酸ガスの流量が変動すると、ウエハに吹き付ける純水の抵抗率が変動して、ウエハ表面に発生する静電気を完全に抑制することは不可能となる。また、純水に炭酸ガスを多量に混ぜることにより、純水の抵抗率が低くなり静電気の発生を抑えることはできるが、純水の抵抗率が低くなるとウエハのダイシング用のブレード(刃)の寿命が短くなり、現実的な方法ではない。
【0011】
ウエハのダイシングにより、フォトダイオードの受光領域29のシリコン窒化膜25b上に発生した静電気は、厚みの薄いシリコン酸化膜25aおよびシリコン窒化膜25bの界面準位に電荷を発生させる。このシリコン酸化膜25aおよびシリコン窒化膜25bの界面に発生した電荷により、フォトダイオードの表面の半導体層の導電型が反転する。
【0012】
例えば、図17に示すフォトダイオードの構成では、フォトダイオードの受光領域29のシリコン窒化膜25b上に正の電荷の静電気が発生すると、シリコン酸化膜25aおよびシリコン窒化膜25bの界面に負の電荷が蓄積され、フォトダイオードの表面付近のN−型エピタキシャル層24は、P型半導体層に反転する。このため、N−型エピタキシャル層24内の導電型が反転したP型半導体層は、P+型分離拡散層22a等と電気的に接続され、フォトダイオードの接合容量が増大する。
【0013】
前述したように、近年の光ディスクにおいてピックアップに用いられるレーザ光は短波長化しており、フォトダイオードの表面での入射光の反射を低減するために、フォトダイオードの反射防止膜は薄膜化されている。フォトダイオードの反射防止膜を構成するシリコン酸化膜が薄くなると、静電気により生じる電位差の内、フォトダイオードの表面の半導体層に印加される割合が高くなる。このため、反射防止膜が薄膜化すると、フォトダイオードの表面の半導体層の導電型が反転しやすくなる。この結果、ダイシング工程中での静電気の発生に起因するフォトダイオードの接合容量がさらに増大するおそれがある。
【0014】
このように、フォトダイオードの接合容量が増大すると、フォトダイオードの応答速度が低下する。さらに、フォトダイオードの高周波ノイズを増大させ、フォトダイオードの特性を著しく劣化させるおそれがある。
【0015】
ダイシング工程におけるウエハ表面に発生する静電気を完全に抑制することは不可能であり、また、ウエハ表面に発生した静電気によってシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面に導入された電荷は、ポテンシャル(電位)が安定であるために、高エネルギーの紫外線照射等を行わないと、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面から除去することができない。
【0016】
このため、特開平11−40790号公報には、図18に示すような静電気によるフォトダイオードの接合容量の増大を防止するために、図18に示すような構成のフォトダイオードが開示されている。図18に示すフォトダイオードは、受光領域29の周辺部に導電性遮光膜27が形成され、導電性遮光膜27上に、導電性遮光膜27の全体を被覆しないように、絶縁性保護膜28が形成されている。絶縁性保護膜28は、受光領域29の中央側の端部が、受光領域29の中央側に位置する導電性遮光膜27の端部よりもフォトダイオードの受光領域29の外側に配置されている。このため、導電性遮光膜27の受光領域29の中央側の端部は、絶縁性保護膜28によって被覆されず、露出された状態になっている。その他の構成については、図17に示すフォトダイードの構成と同様である。
【0017】
図18に示すフォトダイオードは、導電性遮光膜27の受光領域29の中央側の端部が露出しているために、ダイシング工程において、フォトダイオードの受光領域29のシリコン窒化膜25b上に発生した多量の静電気(正電荷)が、導電性遮光膜27の受光領域29の中央側の端部を通じて、除去できる。この結果、反射防止膜25を構成するシリコン酸化膜25aとシリコン窒化膜25bとの界面に、負電荷が蓄積されない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図18に示すフォトダイオードの受光領域29の周辺部に形成される導電性遮光膜27は、通常、AlSiが使用されている。AlSiの構成元素のAl(アルミニウム)はイオン化傾向が強く、AlSi表面に不純物等を含んだ水分が付着すると、水分が付着した部分にて電子の授受が行われて、AlSiの腐食が生じる。導電性遮光膜27は、信号配線としても用いられるため、導電性遮光膜27の腐食が生じると、フォトダイオードは、遮光特性が劣化するのみならず、信号配線が切断されるために、入射光が光電変換された電気信号を検出できなくなる。
【0019】
また、フォトダイオードを有する回路内蔵受光素子では、トランジスタを高速に動作させるために、ポリシリコン電極を用いて浅い接合を形成する技術が用いられているが、信号配線に用いられているAlSiと電極用のポリシリコンとが接触すると、そのAlSiとポリシリコンとの接触界面にシリコンが析出して接触抵抗が増大する。このため、導電性遮光膜27であるAlSi層の直下には、シリコンの析出を防止するためのバリアメタルとして、チタン・タングステン合金(TiW)層が形成されている。
【0020】
ところが、図18に示すように、フォトダイオードの受光領域29に発生する静電気対策として、導電性遮光膜27のフォトダイオードの受光領域29の中央側の端部が露出すると、AlSiとTiW合金層との界面が外気に曝され、例えば前述のダイシング工程にて純水が吹き付けられると、電池効果によってAlSiが溶解し腐食するおそれがある。導電性遮光膜27のAlSiが腐食すると、フォトダイオードの受光領域29の遮光特性の劣化が生じるとともに、反射防止膜25のシリコン酸化膜25aおよびシリコン窒化膜25bの界面に静電気によって蓄積される負電荷を除去する効果も減少する。さらに、フォトダイオードの受光領域29の遮光特性が劣化すると、受光領域29以外より光がフォトダイオードに入射して光電変換されるため、ノイズ成分が増大してフォトダイオードの諸特性を劣化させるおそれがある。
【0021】
これに対して、図17に示すように、受光領域29の中央側の導電性遮光膜27の端部を絶縁性保護膜28によって被覆すると、腐食に対しては強い構造となるが、静電気に対して非常に弱い構造となり、フォトダイオードの不良率が高くなる。
【0022】
本発明は、このような課題を解決するものであり、その目的は、ダイシング工程にて発生する静電気によってフォトダイオードの接合容量が増大することを抑制するとともに、信号配線の腐食を防止する構造を有し、高周波特性に優れた信頼性の高いフォトダイオードおよび回路内蔵受光素子を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明のフォトダイオードは、第一導電型半導体基板または半導体層と、該第一導電型半導体基板または半導体層上に形成された第二導電型半導体層とを有し、該第一導電型半導体基板または半導体層、および、該第二導電型半導体層の接合により、受光領域に入射する光を検出するフォトダイオードであって、該受光領域の表面に形成された反射防止膜と、該受光領域の周辺部に形成された導電性膜と、該導電性膜上に形成された絶縁性材料からなる保護膜と、を具備し、該受光領域の周辺部において、該保護膜の一部を除去して該導電性膜を露出させた開口部を有する窓領域が形成されており、該窓領域が、前記受光領域とボンディングパッド部との間に形成されていることを特徴とする。
【0033】
本発明のフォトダイオードは、前記ボンディングパッド部が前記窓領域により囲まれていることを特徴とする
【0034】
本発明のフォトダイオードは、前記受光領域が前記窓領域により囲まれていることを特徴とする
【0035】
本発明のフォトダイオードは、前記ボンディングパッド部および前記受光領域が、それぞれ前記窓領域により囲まれていることを特徴とする
【0037】
本発明の回路内蔵受光素子は、上記本発明のいずれかのフォトダイオードと、該フォトダイオードにより光電変換された電気信号を処理する信号処理回路とが、同一基板上に形成されていることを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態であるフォトダイオードの構造を示す模式断面図であり、図2は、図1に示すフォトダイオードの参考平面図である。尚、図1は、図2のA−A’線における断面図である。
【0040】
本発明のフォトダイオードは、P型シリコン基板1上に、入射光の受光領域100、アノード部200、カソード部300および静電気を除去する窓領域400を有している。尚、図2に示すように、カソード部300には、ボンディングパッド500が受光領域100とは反対側に接続されている。
【0041】
このフォトダイオードは、P型シリコン基板1を有しており、P型シリコン基板1上には、N型エピタキシャル層2が積層され、P型シリコン基板1とN型エピタキシャル層2との界面には、複数のP+型埋め込み拡散層4が選択的に形成されている。N型エピタキシャル層2内には、P+型埋め込み拡散層4間にわたる領域上に、P型拡散層5およびP+型拡散層11が順番に形成されている。P+型拡散層11を含むN型エピタキシャル層2上には、薄いシリコン酸化膜6が全面にわたって設けられており、P+型拡散層11の両側は、半導体基板における選択的な分離酸化膜構造であるロコス(LOCOS:LOCalized Oxidation of Silicon)構造3にそれぞれなっている。ロコス構造3に挟み込まれた領域がフォトダイードのアノード部200の配線部分になっている。
【0042】
受光領域100となるN型エピタキシャル層2上の薄いシリコン酸化膜6上には、薄いシリコン窒化膜7が積層されており、これらシリコン酸化膜6およびシリコン窒化膜7によって反射防止膜が形成されている。受光領域100に対応するN型エピタキシャル層2およびP型シリコン基板1の界面にてPN接合が形成されており、これにより受光領域100に入射する光を検出するフォトダイオードが構成される。尚、本発明のフォトダイオードは、例えば、P型シリコン基板上に選択的に拡散処理等によって、形成されたN型拡散領域で形成されるものでも良く、また、導電型のN型/P型が逆になる場合でも良い。
【0043】
アノード部200の周辺部に設けられたロコス構造3およびロコス構造3上に設けられたシリコン窒化膜7上には、シリコン酸化膜8が形成されている。シリコン酸化膜8上には、受光領域100に近接した側部を除いて耐腐食性の金属膜のTiW(チタン・タングステン合金)膜12および導電性遮光膜のAlSi膜9が順番に積層されている。また、P+型拡散層11上のシリコン酸化膜6とシリコン酸化膜6上に積層されたシリコン酸化膜8には、開口部(コンタクトホール)が設けられており、その開口部にもTiW膜12およびAlSi膜9がP+型拡散層11と接続するように形成されている。P型拡散層5上のTiW膜12およびAlSi膜9は、アノード部200のアノード電極となる。
【0044】
AlSi膜9およびAlSi膜9が設けられていないシリコン酸化膜8の端部上には、例えば、絶縁性保護膜のPSG(Phosho−SilicateGlass:リンを含んだシリコン酸化膜)保護膜10が形成されている。PSG保護膜10におけるアノード部200から適当な間隔をあけた領域には、AlSi膜9が露出するように開口部10aが設けられており、この開口部10aおよびその周辺部が窓領域400となる。
【0045】
同様に、フォトダイオードの受光領域100に隣接するカソード部300にも、
N型エピタキシャル層2上にシリコン酸化膜6が形成されており、受光領域100に設けられたシリコン窒化膜7の端部がカソード部300内に位置している。カソード部300のN型エピタキシャル層2およびシリコン窒化膜7の端部上には、シリコン酸化膜8が形成されている。シリコン酸化膜8上には、シリコン酸化膜8の端部を除いてTiW膜12およびAlSi膜9が順番に積層されている。
受光領域100に近接したカソード部300内のシリコン酸化膜6および8には、開口部(コンタクトホール)が設けられており、シリコン酸化膜6の開口部内にはポリシリコン電極13が設けられている。ポリシリコン電極13上のシリコン酸化膜8の開口部にはTiW膜12およびAlSi膜9がそれぞれ形成されており、ポリシリコン電極13、TiW膜12およびAlSi膜9がカソード部300のカソード電極になっている。AlSi膜9およびシリコン酸化膜8の端部上には、例えば、PSG保護膜10が積層されている。
【0046】
AlSi膜9は、フォトダイオードの受光領域100以外への光の侵入を防止する遮光膜および信号配線として用いられている。TiW膜12は、耐腐食性を有しており、腐食による信号配線の電気的切断を防止するとともに、AlSi膜9のAl(アルミニウム)がP型シリコン基板1方向の各半導体層の内部に拡散することを防止するバリアメタルとして用いられている。
【0047】
図1および2に示すフォトダイオードは、例えば、以下に説明するように作製される。尚、カソード部300に接続されたボンディングパッド部500は、窓領域400と同様の構造になっている。
【0048】
まず、P型シリコン基板1上の所定の領域に複数のP+型埋め込み拡散層4を形成する。その後、P型シリコン基板1上の全面にN型エピタキシャル層2を積層し、P+型埋め込み拡散層4間の領域上のN型エピタキシャル層2に、その表面から不純物拡散を行う。この不純物拡散によりP型拡散層5が形成される。尚、P型拡散層5は、アノード抵抗を下げるために、アノードコンタクト形状になっている。
【0049】
次に、N型エピタキシャル層2上の所定の領域に複数のロコス構造3を形成する。各ロコス構造3は、それぞれの端部がP+型埋め込み拡散層4の上方に位置するように設けられる。その後、受光領域100およびその周辺部、さらにはアノード部200に設けられたN型エピタキシャル層2の表面に、熱酸化により、所定の膜厚のシリコン酸化膜6を形成した後に、このシリコン酸化膜6上にCVD法等により、所定の膜厚のシリコン窒化膜7を形成する。これにより、2層構造の反射防止膜が形成される。シリコン酸化膜6およびシリコン窒化膜7の膜厚は、フォトダイオードの受光領域100に入射する光の波長に対する反射率が低くなるように設定される。また、アノード部200では、ロコス構造3で挟まれたP型拡散層5の表面から不純物拡散を行うことにより、P+型拡散層11を形成して、アノード抵抗を低減している。
【0050】
尚、P+型拡散層11は、製造プロセスを変更することにより、ロコス構造3、シリコン酸化膜6およびシリコン窒化膜7から成る反射防止膜を形成する前に形成しても良く、また、ロコス構造3、シリコン酸化膜6およびシリコン窒化膜7から成る反射防止膜の形成した後に形成しても良い。
【0051】
次に、カソード部300のN型エピタキシャル層2上に形成されたシリコン酸化膜6の所定領域を、エッチングにより開口して、その開口部にポリシリコン膜を堆積させ、カソード電極となるポリシリコン電極13を形成する。
【0052】
次に、CVD法等によりシリコン酸化膜8を、P型シリコン基板1上の全面に形成する。その後、カソード部300のポリシリコン電極13およびアノード部200のP+型拡散層11上のそれぞれカソード電極およびアノード電極のコンタクト領域のシリコン酸化膜8をエッチングにより除去して開口部(コンタクトホール)を形成する。開口部が形成されると、シリコン酸化膜8上の全面に、TiW膜12およびAlSi膜9を積層し、フォトダイオードの受光領域100に積層されたシリコン酸化膜8、TiW膜12およびAlSi膜9をエッチングにより除去する。これにより、TiW膜12およびAlSi膜9の導電性遮光膜が形成される。TiW膜12およびAlSi膜9は、アノード電極と電気的に接続され、信号配線としても用いられる。
【0053】
次に、TiW膜12およびAlSi膜9を被覆するために、P型シリコン基板1上の全面にPSG保護膜10を全面に形成し、その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチングにより、フォトダイオードの受光領域100のPSG保護膜10を除去することにより、受光領域100に開口部を形成する。この時、PSG保護膜10は、TiW膜12およびAlSi膜9の端部が露出しないようにエッチングされ、エッチング後のPSG保護膜10の端部は、シリコン酸化膜8の端部と同じ位置とされる。また、この時、アノード部200から所定の間隔の位置にてPSG保護膜10の所定領域を除去して窓領域400の開口部10aを形成し、TiW膜12およびAlSi膜9を露出させるとともに、ボンディングパッド部500上を被覆しているPSG保護膜10を除去しボンディングパッド部500を開口する。尚、ボンディングパッド部500の構造は、開口部10aよりTiW膜12およびAlSi膜9が露出している窓領域400と同様の構造であるため、図1では記載を省略している。以上により、図1および2に示した本発明のフォトダイオードが作製できる。
【0054】
前述したように、フォトダイオードは、ウエハ状態にて製造され、ダイシング工程において、各々のチップに分割される。このため、ウエハをチップに分割する際に、ウエハ表面上のシリコン酸化膜6およびシリコン窒化膜7から成る反射防止膜、PSG保護膜10等の絶縁性保護膜上には、大量の静電気が発生する。このような大量の静電気が発生する状態において、本発明の第1の実施形態のフォトダイオードでは、受光領域100に近接するアノード部200から所定の距離だけ離れた位置に、導電性遮光膜のAlSi膜9が露出した開口部10aを有する窓領域400が形成されているために、シリコン酸化膜6およびシリコン窒化膜7から成る反射防止膜、PSG保護膜10等の絶縁性保護膜上に発生した静電気を窓領域400から露出したAlSi膜9を通して除去することができる。
【0055】
このような絶縁性保護膜の所定の領域に窓領域を設けて導電性遮光膜を露出させたフォトダイオードおよび窓領域を設けないフォトダイオードについて、それぞれ5個のサンプルを用いて、応答特性の波形異常の発生率(不良数/測定数)に関する実験を行った。この結果、窓領域を設けずに静電気対策を行っていないフォトダイオードの不良率は4/5であるのに対して、図1に示す窓領域を設けた構造のフォトダイオードの不良率は0/5であり、応答特性の波形異常は観測されなかった。
【0056】
図3(a)および(b)は、この実験におけるフォトダイオードの周波数に対する出力値を示すグラフであり、縦軸は出力値(dB)を示し、横軸は周波数(Hz)を示す。図3(a)に示すグラフは、図1に示す窓領域を設けたフォトダイオードの応答特性の波形であり、5個のサンプルすべて正常である。図3(b)に示すグラフは、窓領域を設けていないフォトダイオードの応答特性の波形であり、4個のサンプルに異常波形が見られる。
【0057】
さらに、本発明の第1の実施形態のフォトダイオードでは、図18に示した従来のフォトダイオードのように、TiW膜12およびAlSi膜9の端部がPSG保護膜10で覆われて露出していないために、受光領域100の端部近傍のAlSi膜9に腐食は発生しない。また、窓領域400から露出しているAlSi膜9に腐食が生じても、AlSi膜9の下側に耐腐食性金属膜のTiW膜12が設けられているため、信号配線が電気的に切断されるおそれはない。
【0058】
本実施形態のフォトダイオードには、ダイシング工程におけるウエハ分割の際に発生する静電気の対策として絶縁性保護膜であるPSG保護膜10に窓領域400を形成している。この窓領域400を形成する工程とボンディングパッド部500を形成する工程とは同一であり、受光領域100の周辺にボンディングパッド部500が形成されている構造の場合でも、同様の静電気を除去する効果が得られる。したがって、前述の窓領域400はボンディングパッド部500として機能するものであっても良い。
【0059】
また、図1に示すAlSi膜9を、図4に示すようにPSG保護膜10により、AlSi膜9aおよび9bに分割しても良い。AlSi膜9a上には、窓領域400が形成され、AlSi膜9bは、アノード電極を含む信号配線となる。この場合、窓領域400の開口部10aからAlSi膜9aが露出しており、この露出部分にてAlSi膜9aに腐食が生じても、アノード部200に接続され信号配線であるAlSi膜9bは、AlSi膜9aと分離されているために、信号配線のAlSi膜9bが腐食により電気的に切断されるおそれはなく、フォトダイオードの信頼性をさらに向上させることができる。
【0060】
尚、図1および図4に示すフォトダイオードでは、P型半導体基板1およびN型エピタキシャル層2の界面に形成されるPN接合により信号を検出するフォトダイオードを構成しているが、本発明のフォトダイオードの構成はこれに限定されるものではない。例えば、半導体基板、および、その半導体基板とは異なる導電型の不純物拡散により形成された領域の界面に形成されるPN接合によって信号を検出する構成のフォトダイオードでもよい。また、下層はP型半導体基板ではなく、P型半導体層でもよい。さらに、第一導電型(P型)と第二導電型(N型)とが反対でもよい。以下の本発明の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、全てこのような構成とすることができる。
【0061】
図5は、本発明の第2の実施形態であるフォトダイオードの構造を示す模式断面図である。この図5において、図1を参照して説明した第1の実施形態と同じ構成要素には、同じ参照番号を付しているため、以下では説明を省略する。また、図5では、カソード部300および受光領域100の一部は省略して示している。
【0062】
図5に示す本発明の第2の実施形態のフォトダイオードは、シリコン酸化膜8の開口部およびシリコン酸化膜8上に、第一層目の信号配線および遮光膜として用いられるAlSi膜16がロコス構造3上に位置するシリコン酸化膜8の端部を除いて形成されている。AlSi膜16上には、信号配線および遮光膜としてTiW膜12および第二層目のAlSi膜9が順番に積層されている。AlSi膜16上における窓領域400側のロコス構造3に対応した領域には、AlSi膜16とTiW膜12との間に、層間絶縁膜として絶縁性材料であるシリコン窒化膜14およびPSG保護膜15が順番に積層されている。
【0063】
第二層目のAlSi膜9上およびシリコン酸化膜8上には、第一層目のAlSi膜16および第二層目のAlSi膜9の端部を被覆するように、PSG保護膜10が積層されている。アノード部200に近接したPSG膜15上の第二層目のTiW膜12およびAlSi膜9は、分離領域9cによって、アノード部200側部分9bと窓領域400側部分9aとに分離されている。分離領域9c内には、PSG保護膜10の一部が進入している。
【0064】
AlSi膜9の窓領域400側部分9a上のPSG保護膜10には、PSG保護膜10の所定の領域が除去され、AlSi膜9の窓領域400側部分9aが露出した開口部10aを有する窓領域400が形成されている。AlSi膜9のアノード部200側部分9bはアノード電極を含む信号配線となる。その他の構成については、図1および4に示す第1の実施形態のフォトダイオードの構成と同様になっている。
【0065】
この第2の実施形態のフォトダイオードでは、信号配線用のAlSi膜9のアノード部200側部分9bおよび静電気を除去するための窓領域400が形成されているAlSi膜9の窓領域400側部分9aが分離領域9c内に進入したPSG保護膜10により電気的に分離されている。これにより、図4の第1実施形態において説明したように、静電気を除去するための窓領域400の開口部10aから露出しているAlSi膜9の窓領域400側部分9aに腐食が生じても、信号配線であるAlSi膜9のアノード部200側部分9bは、PSG保護膜10により保護されているために、腐食が発生しない。さらに、第2の実施形態のフォトダイオードの構造では、第二層目の信号配線となるAlSi膜9の分離領域9cから信号用の光に対して雑音となる光が入射しても、その雑音となる光を、第一層目のAlSi膜16によって、確実に遮光することができるために、S/N比の高いフォトダイオードが得られる。
【0066】
また、図6に示すように、第一層目のAlSi膜16の下側に耐腐食性の金属であるTiW膜12を形成しても良い。これにより、第一層目のAlSi膜16に腐食が発生しても、AlSi膜16の下側のTiW膜12により接続されているために、信号配線が電気的に切断されるおそれはない。
【0067】
さらに、図7に示すように、窓領域部400の開口部10aから露出しているAlSi膜9の窓領域400側部分9aを耐腐食性の金属膜、例えばTiW膜17で覆っても良い。これにより、AlSi膜9の窓領域400側部分9aに腐食が生じず、フォトダイオードの遮光特性が劣化するおそれはない。
【0068】
また、この窓領域400の形成と同様に、ボンディングパッド部500の形成においてもPSG保護膜10を、エッチングにより除去して開口部を形成することによりAlSi膜9を露出させるが、TiW膜17は、ボンディングパッド部500の開口部には形成しないことが好ましい。この理由は、TiW膜17をボンディングパッド部500の開口部に形成すると、ボンディングパッド部500にボンディングを行う際に、金ポールとボンディングパッド部500との密着性が悪くなって金ポールが、ボンディングパッド部500から剥がれ落ちたり、TiW膜17が固い金属であるためにボンディングを行う際の衝撃で破損して、TiW膜17の下側のAlSi膜9が露出して腐食するおそれがある。
【0069】
これを防止するために、図8に示すように、窓領域400およびボンディングパッド部500の両方において、PSG保護膜10のエッチングによって開口部10aをそれぞれ形成した後、耐腐食性の金属であるTiW膜17を各開口部10a内に形成し、さらにその上に金(Au)膜18を形成すれば良い。このような構造では、ボンディングパッド部500において、ボンディングを行う際の金ポールとポンディングパッド部500との密着性が向上する。また、金(Au)は、柔らかい金属であるために金膜18の下側に形成されているTiW膜17がボンディングを行う際に破損することもなく、TiW膜17の下側のAlSi膜9の腐食を防止できる。
【0070】
本発明の第1および第2の実施形態のフォトダイオードにおいて、窓領域400の開口部10aの面積は、受光領域100の面積の50分の1よりも大きくすることが望ましい。開口部10aの面積が受光領域100の面積の50分の1の大きさの窓領域400が形成された5個のフォトダイオードを用いて、応答特性の波形異常に関して実験を行った。この結果、図9に示すように、5個の内4個のサンプルから応答特性の波形に異常が見られた。図9において、縦軸は出力値(dB)を示し、横軸は周波数(Hz)を示す。一方、開口部10aの面積が受光領域100の面積の50分の1より大きい窓領域400が形成されたフォトダイオードでは、応答特性の波形異常は観測されなかった。
【0071】
さらに、前述の第1および第2の実施形態のフォトダイオードにおいて、窓領域400と受光領域100との間の距離は、200μm以下とすることが望ましい。窓領域400と受光領域100との間の距離の異なるフォトダイオードの3個のサンプルA,C、Eを用いて、応答特性の波形異常に関して実験を行った。その結果を図10に示す。図10において、縦軸は出力値(dB)を示し、横軸は周波数(Hz)を示す。ここで、窓領域400と受光領域100との間の距離は、サンプルA、サンプルC、サンプルEの順に短くなっており、サンプルEの窓領域400と受光領域100との間の距離が200μmである。図10に示すように、窓領域400と受光領域100との間の距離が200μmであるサンプルEの応答波形には波形異常が観測されないが、窓領域400と受光領域100との間の距離が200μmより長いサンプルCおよびAでは応答波形に波形異常が観測される。
【0072】
尚、第2の実施形態のフォトダイオードでは、AlSi膜9が分割される分離領域9cから、雑音となる光の入射を防止するために、シリコン窒化膜14の下層に第一層目のAlSi膜16が形成されているが、このAlSi膜16を分離領域9cの下方および下方近傍のみに設けても、同様の効果が得られる。
【0073】
また、前述の第1および第2の実施形態のフォトダイオードにおいて、窓領域400は、受光領域100とフォトダイオードのカソード部300等の電位を供給するボンディングパッド部500との間に形成されることが望ましい。図11は、このような構成のフォトダイオードを示す概略平面図である。図11では、説明を簡単にするため、ボンディングパッド部500は、カソード部300に接続されている。
【0074】
通常、フォトダイオードのカソード部300には、正の電位が印加されるが、図11に示すフォトダイオードは、正の電位を供給するボンディングパッド部500に限定したものではない。ボンディングパッド部500には、Au線等のボンディングワイヤーにより電位が供給されるが、この時、ボンディングパッド部500からその周辺部の反射防止膜、PSG保護膜10等の絶縁性保護膜上に電荷が拡がる。しかし、図11に示すように、受光領域100とボンディングパッド部500との間に窓領域400が形成されていると、ボンディングパッド部500から周辺部の絶縁性保護膜上に拡がる電荷を窓領域400にて効果的に除去できる。
【0075】
また、窓領域400は、図12に示すように、受光領域100の近傍に、受光領域100の各側縁部に沿って形成しても良い。これにより、窓領域400は、ボンディングパッド部500からの電荷のみならず、チップ上のフォトダイオード領域の外部からフォトダイオードの受光領域100に向かって移動してくる静電気も除去できる。
【0076】
また、窓領域400は、ボンディングパッド部500を完全に取り囲むように形成されることが望ましい。図13は、このような構成のフォトダイオードを示す概略平面図である。窓領域400が、ボンディングパッド部500を完全に囲むことにより、ボンディングパッド部500から拡がる電荷は必ず窓領域400を横切るため、不要な電荷を除去する効率が上がる。
【0077】
さらに、前述の第1および第2の実施形態のフォトダイオードにおいて、フォトダイオードの受光領域100は、窓領域400により周辺部を完全に取り囲まれていることが望ましい。図14は、このような構成のフォトダイオードを示す概略平面図である。図14に示すように、受光領域100は、窓領域400により周辺部を完全に囲まれており、このような構成では、ダイシング等によりウエハ上に発生した静電気等の電荷がチップ上のフォトダイオードの受光領域100に向かって移動してくると、必ず窓領域400を横切らなければならないため、窓領域400により静電気等の電荷の吸収率の一層の向上が図れる。尚、窓領域400によって取り囲まれる受光領域100は、一つのみに限らず、複数の受光領域100を一括して囲むように窓領域400が形成されても良い。また、複数の受光領域100がそれぞれの窓領域400によって囲まれていても良い。
【0078】
さらにまた、前述の第1および第2の実施形態のフォトダイオードにおいて、受光領域100およびボンディングパッド部500の両方が、それぞれ窓領域400により周辺部を完全に囲まれることが望ましい。図15は、このような構成のフォトダイオードを示す概略平面図である。図15に示すように、受光領域100およびボンディングパッド部500の両方が、それぞれ窓領域400により周辺部を完全に囲まれており、このような構成では、ダイシング等によりウエハ上に発生した静電気等の電荷が、チップ上のフォトダイオードの受光領域100およびボンディングパッド部500に向かって移動してくると、必ず窓領域400を横切らなければならないため、フォトダイオードの受光領域100に静電気等の電荷が到達することによるフォトダイオードの接合容量の異常発生率をさらに低減することができる。
【0079】
次に、本発明の第3の実施形態である分割フォトダイオードについて説明する。第3の実施形態の分割フォトダイオードは、図1に示すフォトダイオードの受光領域100のN型エピタキシャル層2をP+型埋め込み拡散層4およびP型拡散層5によって分割することにより得られる。
【0080】
図16は、本発明の第3の実施形態であるフォトダイオードの構造を示す模式断面図である。
【0081】
P型シリコン基板1上にN型エピタキシャル層2が積層されている。受光領域100のP型シリコン基板1およびN型エピタキシャル層2の界面には、選択的にP+型埋め込み拡散層4bが形成されている。N型エピタキシャル層2内のP+型埋め込み拡散層4b上に、P型拡散層5bが、N型エピタキシャル層2の表面まで形成されている。そして、これらのP+型埋め込み拡散層4bおよびP型拡散層5bによりN型エピタキシャル層2が複数に分割されている。また、アノード部200および窓領域400の領域は、受光領域100に対して対称的に配置されている。これにより、分割フォトダイオードが構成される。その他の構成については、図1に示す第1の実施形態のフォトダイオードの構成と同様になっている。
【0082】
図16に示す第3の実施形態であるフォトダイオードでは、アノード部200から受光領域100の外側に向かって所定の間隔の領域に、PSG保護膜10を除去して開口部を設けた窓領域400が形成されている。窓領域400は、導電性遮光膜のAlSi膜9上に形成されている。図16に示すフォトダイオードは、このような構造により、反射防止膜のシリコン窒化膜7、PSG保護膜10等の絶縁性保護膜上の静電気等の電荷を窓領域400から除去できる。これにより、静電気等の電荷の蓄積によるフォトダイオードの接合容量の増大を抑制し、接合容量の増大に起因するフォトダイオードの応答特性の劣化を防止できる。さらに、従来の分割フォトダイオードでは、受光領域100の反射防止膜のシリコン窒化膜7上の静電気等の電荷により、受光領域100の分割部であるP型拡散層5bの表面の導電型がN型半導体層に反転し、分割部の両側に隣接するN型エピタキシャル層2同士がショートしてしまうというおそれがあるが、図16に示すフォトダイオードでは、この問題も防止でき本発明の分割フォトダイオードの信頼性を向上させることができる。
【0083】
つぎに、本発明の実施形態である回路内蔵受光素子の例について説明する。本実施形態の回路内蔵受光素子は、第1〜3の何れかの実施形態のフォトダイオードとその信号処理回路を同一基板上に作製することにより得られる。
【0084】
このような構成の回路内蔵受光素子は、前述のN型エピタキシャル層2において、フォトダイオードが形成されている領域と電気的に分離された領域に、例えばNPNトランジスタまたは縦型PNPトランジスタからなる信号処理回路用の回路素子を形成することにより作製することができる。
【0085】
尚、本発明の実施形態では、信号配線および遮光膜として機能する導電性膜としてAlSi、耐腐食性を有する導電性膜としてTiWを用いたが、他の材料を用いた構成においても、本発明の実施形態に適用可能である。また、反射防止膜および絶縁性保護膜においても、前述したシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、PSG保護膜等に限定されるものではない。
【0086】
【発明の効果】
本発明のフォトダイオードは、受光領域の周辺部に形成した導電性膜上の保護膜を一部除去し、保護膜を除去した領域に開口部を有する窓領域を形成して開口部から導電性膜を露出させているため、反射防止膜および保護膜上に発生した静電気を窓領域の開口部から露出した導電性膜を通じて除去することができる。これにより、受光領域の反射防止膜を構成するシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面に電荷が蓄積されるおそれがなくなる。その結果、フォトダイオードの接合容量が異常に増大することがなく、応答特性の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のフォトダイオードの構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態のフォトダイオードの参考平面図である。
【図3】(a)は、第1の実施形態のフォトダイオードの応答特性の波形を示すグラフであり、(b)は、静電気対策がなされていないフォトダイオードの応答特性の波形を示すグラフである。
【図4】第1の実施形態のフォトダイオードの他の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のフォトダイオードの構成示す断面図である。
【図6】第2の実施形態のフォトダイオードの他の構成を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態のフォトダイオードのさらに他の構成を示す断面図である。
【図8】第2の実施形態のフォトダイオードのさらに他の構成を示す断面図である。
【図9】窓領域の開口面積を縮小したフォトダイオードの応答特性の波形を示すグラフである。
【図10】窓領域と受光領域との距離を変えて作製したフォトダイオードの応答特性の波形を示すグラフである。
【図11】受光領域とボンディングパッド部との間に窓領域を設けた本発明のフォトダイオードの平面図である。
【図12】受光領域の近傍に、受光領域の側縁部に沿って窓領域を設けた本発明のフォトダイオードの平面図である。
【図13】ボンディンパッド部を完全に囲むように窓領域を設けた本発明のフォトダイオードの平面図である。
【図14】受光領域を完全に囲むように窓領域を設けた本発明のフォトダイオードの平面図である。
【図15】ボンディンパッド部および受光領域を完全に囲むようにそれぞれ窓領域を設けた本発明のフォトダイオードの平面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態であるフォトダイオードの構成を示す断面図である。
【図17】従来のフォトダイオードの構成を示す断面図である。
【図18】従来のフォトダイオードの他の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 P型シリコン基板
2 N型エピタキシャル層
3 ロコス
4 P+型埋め込み拡散層
4b P+型埋め込み拡散層
5 P型拡散層
5b P型拡散層
6 シリコン酸化膜(反射防止膜)
7 シリコン窒化膜(反射防止膜)
8 シリコン酸化膜
9 AlSi膜
9a AlSi膜の窓領域側部分
9b AlSi膜のアノード部側部分
9c 分離領域
10 PSG保護膜
10a 開口部
11 P+型拡散層
12 TiW膜
13 ポリシリコン電極
14 シリコン窒化膜(層間絶縁膜)
15 PSG保護膜(層間絶縁膜)
16 AlSi膜
17 TiW膜
18 金膜
21 P型シリコン基板
22 P+型埋め込み拡散層
22a P+型分離拡散層
23 N+型埋め込み拡散層
24 N型エピタキシャル層
25 反射防止膜
25a シリコン酸化膜
25b シリコン窒化膜
26 P+型拡散層
27 導電性遮光膜
28 絶縁性保護膜
29 受光領域
100 受光領域
200 アノード部
300 カソード部
400 窓領域
500 ボンディングパッド部

Claims (5)

  1. 第一導電型半導体基板または半導体層と、該第一導電型半導体基板または半導体層上に形成された第二導電型半導体層とを有し、該第一導電型半導体基板または半導体層、および、該第二導電型半導体層の接合により、受光領域に入射する光を検出するフォトダイオードであって、
    該受光領域の表面に形成された反射防止膜と、
    該受光領域の周辺部に形成された導電性膜と、
    該導電性膜上に形成された絶縁性材料からなる保護膜と、を具備し、
    該受光領域の周辺部において、該保護膜の一部を除去して該導電性膜を露出させた開口部を有する窓領域が形成されており、
    該窓領域が、前記受光領域とボンディングパッド部との間に形成されていることを特徴とするフォトダイオード。
  2. 前記ボンディングパッド部が前記窓領域により囲まれている請求項1に記載のフォトダイオード。
  3. 前記受光領域が前記窓領域により囲まれている請求項1に記載のフォトダイオード。
  4. 前記ボンディングパッド部および前記受光領域が、それぞれ前記窓領域により囲まれている請求項またはに記載のフォトダイオード。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフォトダイオードと、該フォトダイオードにより光電変換された電気信号を処理する信号処理回路とが、同一基板上に形成されていることを特徴とする回路内蔵受光素子。
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