JP3428828B2 - 回路内蔵受光素子 - Google Patents

回路内蔵受光素子

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JP3428828B2
JP3428828B2 JP23567096A JP23567096A JP3428828B2 JP 3428828 B2 JP3428828 B2 JP 3428828B2 JP 23567096 A JP23567096 A JP 23567096A JP 23567096 A JP23567096 A JP 23567096A JP 3428828 B2 JP3428828 B2 JP 3428828B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分割フォトダイオ
ードを搭載した回路内蔵受光素子に関し、特に受光領域
が複数の光検出部に分割された分割フォトダイオードの
分割部における光感度を改善するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】このような分割フォトダイオードは、た
とえば光ピックアップの信号検出用素子として従来から
用いられている。
【0003】近年、光ディスク装置の小型高性能化に伴
い、光ピックアップの小型軽量化が重要となっている。
これを実現するために、トラッキングビームを生成する
ための機能、光分岐を行うための機能、誤差信号を生成
するための機能を1つのホログラム素子に集積化し、レ
ーザダイオード及びフォトダイオード等を1つのパッケ
ージ(図示せず)内に収容し、上記ホログラム素子をパ
ッケージ上面に配した構造の光モジユールが提案されて
いる。
【0004】図5は、上記ピックアップ光学系の概略構
成を示す。この光学系における信号検出原埋を簡単に説
明すると、レーザダイオードLDから出射された光は、
ホログラム素子31の裏面側に配置されたトラッキング
ビーム生成用回折格子30により、二つのトラッキング
用副ビームと情報信号読みだし用主ビームの三つの光ビ
ームに分けられる。
【0005】そして上記パッケージ上面のホログラム素
子31を0次光として透過したこれらの光は、コリメー
トレンズ32で平行光に変換された後、対物レンズ33
によってディスク34上に集光される。このディスク3
4上のピットによる変調を受けた反射光は、対物レンズ
33、コリメートレンズ32を透過した後、ホログラム
素子31によって回折され、l次回折光として、分割さ
れた5つの光検出部Dl〜D5を有する5分割フォトダ
イオードPD上に導かれる。
【0006】ここで上記ホログラム素子31は、回折周
期の異なる二つの領域からなり、主ビームの反射光のう
ち、その一方の領域に入射したものが、上記光検出部D
2及びD3を分割する分割線B上に、上記主ビームの反
射光のうち、他方の領域に入射したものが光検出部D4
上に集光されるようになっている。また、副ビームの反
射光は上記ホログラム素子31によりそれぞれ光検出部
Dl,D5上に集光される。また上記光学系は、ホログ
ラム素子31とディスク34との距離の変化に応じて、
主ビームの反射光のフォトダイオードPD上での位置が
光検出部D2,D3の並ぶ方向に変化するようになって
おり、主ビームの焦点がディスク上で合っている時は、
その反射光が上記光検出部D2とD3の間の分割部Bに
入射するようになっている。
【0007】従って、5分割フォトダイオードPDの、
上記各光検出部D1〜D5に対応する出力をS1〜S5
とすると、フォーカス誤差信号FESは、 FES=S2−S3 で与えられる。一方、トラッキング誤差はいわゆる3ビ
ーム法で検出される。2つのトラッキング用副ビームは
それぞれ光検出部D1,D5上に集光されるので、トラ
ッキング誤差信号TESは、 TES=S1−S5 で与えられる。この誤差信号TESが0であるとき、主
ビームが照射すべきトラック上に位置していることにな
る。また、再生信号RFは、主ビームの反射光を受光す
る光検出部D2〜D4の出力の総和として RF=S2+S3+S4 で与えられる。
【0008】このように分割フォトダイオードでは、レ
ーザ光はその分割部Bに照射されるため、分割部Bにお
ける光感度及び応答性が重要である。
【0009】図3は、上記光学系の構成に組み込まれた
分割フォトダイオードの構造を示す図であり、 図5のI
II−III線部分の断面構造を示している。
【0010】図において、201は上記分割フォトダイ
オードPDで、N型シリコン基板1と、該基板1の表面
領域に選択的に形成されたP型拡散層2とを有してお
り、該基板1と該各P型拡散層2とにより、信号光を検
出してその光電変換信号を出力する光検出部D1,D
2,D3,D5が複数構成されている。なお図3では、
図示していないが、図5に示す光検出部D4も、上記基
板1の表面部分に形成されている。また、上記基板1の
全面には、シリコン酸化膜11が形成されており、その
分割フォトダイオードの分割部Bに対応する部分の膜厚
は、使用する光の波長に対して低反射となるよう設定さ
れている。
【0011】次に上記分割フォトダイオード201の製
造方法について簡単に説明する。まず、N型シリコン基
板1を酸化性雰囲気で処理することにより、該基板表面
の全面にシリコン酸化膜11を形成する。続いて、周知
のフォト・リソグラフィ技術と酸化膜エッチング技術を
用いて、光検出部を形成すべき領域上の酸化膜を選択的
に除去して酸化膜11の窓開けを行う。つぎに、例えば
デポジション技術を用いてP型不純物を酸化膜11の開
口を介して上記基板表面部分に固相拡散し、これにより
P型拡散層2を形成する。この時の熱処理によりP型拡
散層2の表面にはシリコン酸化膜が形成される。
【0012】図4は、図3に示す分割フォトダイオード
201とは断面構造が異なる分割フォトダイオードの断
面構造を説明するための図であり、 図5のIII−III線
部分に相当する部分の断面構造を示している。
【0013】図において、202は上記分割フォトダイ
オードで、この分割フォトダイオード202は、図3に
示す分割フォトダイオード201におけるシリコン酸化
膜11に代えて、該基板1の表面のP型拡散層2に対応
する部分に開口11bを有するシリコン酸化膜11aを
備え、該シリコン酸化膜11aの表面及びその開口11
b内に露出する基板表面上に、CVD法などによりシリ
コン窒化膜12を形成したものである。その他の構成
は、上記図3に示すものと同一である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した光
ピックアップ等に使用される分割フォトダイオードにお
いては、その分割部Bにおける光感度及び応答性が重要
である。図6は、上記図3に示す分割フォトダイオード
201の樹脂モールド状態での波長650nmの光に対
する光の反射率をシリコン酸化膜の所定範囲の膜厚(0
〜700nm)について示す図である。図6に示すよう
に、上記シリコン酸化膜の膜厚の範囲では、光の反射率
は15〜19%となっており、分割フォトダイオードの
分割部のシリコン酸化膜厚を、該分割部での光の反射率
が、使用する光に対して低反射率となるようにコントロ
ールしても、該光の反射率はせいぜい15%までしか低
減できず、該分割部での光の反射は反射率の高いものと
なってしまう。従って、分割フォトダイオードの光感度
を十分高感度化することができないという問題がある。
【0015】また、図4に示す分割フォトダイオード2
02では、シリコン基板1の、P型拡散層2部分上の酸
化膜を除去して、酸化膜開口11bを形成し、この状態
で、シリコン酸化膜より屈折率の高いシリコン窒化膜を
全面に形成しているので、P型拡散層2上では光反射率
を低反射率(3%程度)にすることができる。
【0016】しかし、光が入射される分割フォトダイオ
ードの分割部Bの表面にはシリコン酸化膜11aが形成
されているため、シリコン窒化膜のみが形成されている
P型拡散層2上と、酸化膜を介してシリコン窒化膜が形
成されている分割部上とでは、光反射率が異なってしま
う。
【0017】図7は、シリコン基板上にシリコン酸化膜
を介してシリコン窒化膜を積層した構造における基板表
面での光の反射率を、該シリコン酸化膜の所定の膜厚の
範囲(0〜700nm)について示している。この図7
から、酸化膜の膜厚の違いにより上記光の反射率が大き
く異なることがわかる。
【0018】また、図4に示す分割フォトダイオード2
02の構造では、分割部Bでの酸化膜厚は、N型シリコ
ン基板1全面にシリコン酸化膜を形成する際の熱処理
と、P型不純物の固相拡散によりP型拡散層2を形成す
る際の熱処理とによって、決定されるため、分割部の酸
化膜の膜厚バラツキは、シリコン酸化膜を形成する際の
熱処理のバラツキと、P型拡散層2を形成するときの熱
処理のバラツキの影響を受ける。このため、分割部の酸
化膜厚を精度よくコントロールすることが困難である。
【0019】従って、場合によっては、酸化膜厚のバラ
ツキにより光感度の低い分割フォトダイオードができて
しまうという問題がある。
【0020】また、分割部における酸化膜の膜厚を精度
よく制御するため、シリコン窒化膜を形成する前にウェ
ットエッチングによりシリコン酸化膜をエッチングして
これを所望のシリコン酸化膜厚にする方法が考えられる
が、このようなエッチング処理を行なうためには、エッ
チングする前にシリコン酸化膜の膜厚を測定する工程が
必要となり、コストアップにつながる。また、この場合
シリコン酸化膜の形成処理における膜厚のバラツキに、
さらにエッチング処理における膜厚のバラツキが付加さ
れてしまうため、分割部の酸化膜厚を充分精度よく制御
することができない。
【0021】従って、実使用状態において光が照射され
る分割部での光反射率が、分割フォトダイオードの製造
プロセスにてばらついてしまうため、分割フォトダイオ
ードとして充分低反射のものを得ることができない。
【0022】また、分割フォトダイオードの分割部にお
ける光の反射率を低減するため、N型シリコン基板1の
表面にシリコン窒化膜をCVD等の方法で直接形成すれ
ば、該分割部上での反射率を低反射率にすることができ
るが、この場合、N型シリコン基板1とP型拡散層2で
形成されるPN接合が熱酸化膜で覆われずにPN接合が
シリコン窒化膜に直接接してしまうため、接合リークの
増大が発生してしまうという問題がある。
【0023】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、光ビームが照射される分割
部での光感度を、接合リークの増大を招くことなく、し
かも受光面での光反射率が不均一になるのを回避しつ
つ、向上することができる分割フォトダイオードを搭載
した回路内蔵受光素子を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る回路内蔵受光素子は、第1導電型半導体領域と、
第1導電型半導体領域上に形成された第2導電型半導体
層と、該第2導電型半導体層の表面から該第1導電型半
導体領域の表面に達するよう形成され、該第2導電型半
導体層を複数の第2導電型半導体領域に分割する第1導
電型半導体層とを備え、該第1導電型半導体領域と該各
第2導電型半導体領域とにより、信号光を検出してその
光電変換信号を出力する光検出部が複数構成されている
分割フォトダイオードとともに、前記光電変換信号を処
理する信号処理回路を構成する回路素子を同一の半導体
チップ上に搭載してなるものである。
【0025】
【0026】
【0027】この回路内蔵受光素子は、分割ダイオード
の第2導電型半導体層の表面全面に形成された均一な膜
厚のシリコン酸化膜と、該シリコン酸化膜上に形成され
た均一な膜厚のシリコン窒化膜とを有し、該シリコン酸
化膜とシリコン窒化膜とにより反射防止膜が構成されて
おり、前記分割フォトダイオードの表面に形成されたシ
リコン酸化膜を、ドライ酸化処理またはHCl酸化処理
により形成した酸化膜としている。そのことにより上記
目的が達成される。
【0028】
【0029】
【0030】この発明(請求項)は、請求項記載の
回路内蔵受光素子において、前記シリコン酸化膜の膜厚
を50nm以下としたものである。
【0031】以下、本発明の作用について説明する。
【0032】この発明(請求項1)においては、分割フ
ォトダイオードにおける受光面となる第1導電型半導体
領域の表面全面に形成された均一な膜厚のシリコン酸化
膜と、該シリコン酸化膜上に形成された均一な膜厚のシ
リコン窒化膜とを有し、該シリコン酸化膜とシリコン窒
化膜とにより分割フォトダイオード表面の反射防止膜を
構成したから、分割フォトダイオードを構成する、上記
第1導電型半導体領域とその表面部分に選択的に形成さ
れた第2導電型半導体層とからなる各光検出部での接合
リークを増大させることなく、しかも分割フォトダイオ
ードにおけるフォトダイオード中心部と分割部とで光反
射率が不均一となるのを回避しつつ、該分割部における
光反射率を低減できる。これにより分割フォトダイオー
ドの分割部における光感度を、接合リークの増大や分割
フォトダイオードの表面での光反射率の不均一化を招く
ことなく改善することができる。
【0033】そして、上記分割フォトダイオードととも
に、その光検出部からの光電変換信号を処理する信号処
理回路を構成する回路素子を同一の半導体チップ上に搭
載したので、接合リークの増大や分割フォトダイオード
の表面での光反射率の不均一化を招くことなく光感度が
改善された分割フォトダイオードを搭載した回路内蔵受
光素子を得ることができる。
【0034】さらに、分割フォトダイオードの表面に形
成されたシリコン酸化膜を、水蒸気を含む酸化性雰囲気
を用いるウェット酸化処理以外の酸化処理により形成し
た酸化膜としたので、NPNトランジスタの耐圧特性を
良好に保持できる。
【0035】この発明(請求項)においては、前記シ
リコン酸化膜の膜厚を50nm以下としたので、長時間
の酸化処理を回避して、NPNトランジスタの耐圧特性
の、酸化処理による劣化を防止できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本発明の実施形態1による分割フ
ォトダイオードを説明するための図であり、その断面構
造を示している。この図ではメタル配線の処理工程以降
に形成される構造、例えば多層構造、保護膜等は省略さ
れている。
【0037】図において、101はこの実施形態1の分
割フォトダイオードで、N型シリコン基板(第1導電型
半導体領域)1と、該基板1の表面領域に選択的に形成
されたP型拡散層2(第2導電型半導体層)とを有して
おり、該基板1と該各P型拡散層2とにより、信号光を
検出してその光電変換信号を出力する光検出部D1,D
2,D3,D5が複数構成されている。なお、図1で
は、図示していないが、図5に示す光検出部D4に相当
する部分も、上記基板1の表面部分に形成されている。
【0038】また、上記基板1の全面には、均一な膜厚
のシリコン酸化膜111が形成され、該シリコン酸化膜
111の表面上には均一な膜厚のシリコン窒化膜112
が形成されており、該シリコン酸化膜111及びその上
のシリコン窒化膜112により、分割フォトダイオード
の受光面における反射防止膜110が構成されている。
【0039】次に上記分割フォトダイオード101の製
造方法について簡単に説明する。まず、従来の分割フォ
トダイオード201の製造方法と同様、N型シリコン基
板1を酸化性雰囲気で処理することによりその表面全面
にシリコン酸化膜を形成する。続いて、周知のフォト・
リソグラフィ技術と、酸化膜エッチング技術とを用いて
酸化膜の窓開けを行う。つまり、基板表面の、光検出部
D1〜D5を形成すべき予定領域上の酸化膜を選択的に
除去して、酸化膜開口を形成する。
【0040】次に、例えばデポジション技術を用いて、
P型不純物を該酸化膜開口を介して基板表面に固相拡散
して、P型拡散層2を選択的に形成する。この時の熱処
理の際には、P型拡散層2の形成と同時に、その表面上
にはシリコン酸化膜が同時に形成される。
【0041】そして、一旦、分割部Bを含むフォトダイ
オード領域P上のシリコン酸化膜をすべて除去し、その
後、再度酸化性雰囲気で熱処理を行うことにより、分割
部Bを含むフォトダイオード領域P上にシリコン酸化膜
111を形成する。これにより、分割フォトダイオード
101の分割部Bの酸化膜厚はこの熱処理のバラツキの
影響しか受けないこととなり、このため膜厚バラツキの
少ないシリコン酸化膜を形成することができる。
【0042】さらに、このシリコン酸化膜111上にシ
リコン窒化膜112をCVD等の方法により形成する。
この時このシリコン酸化膜111とシリコン窒化膜11
2は、光ピックアップで使用される光の波長に対して低
反射の反射防止膜を構成するようその膜厚が設定され
る。
【0043】例えば、図7に示す通り、光ピックアップ
で使用する光の波長が650nmであり、シリコン窒化
膜112の厚さが50nmである場合、シリコン酸化膜
111の厚さは例えば30nmに設定される。
【0044】このように、反射防止膜110を構成する
シリコン酸化膜111の厚さとシリコン窒化膜112の
厚さを設定することにより、分割フォトダイオード10
1の受光面全面に渡って光の反射率を4%程度まで低減
することができる。つまり、この実施形態1の分割フォ
トダイオード101では、従来のシリコン酸化膜のみを
反射防止膜として用いた分割フォトダイオード201で
光の反射率が15〜19%であったのに比べると、光反
射率が10%以上改善されており、従って、分割フォト
ダイオードの分割部における光感度が10%以上改善で
きたことになる。
【0045】(実施形態2)図2は本発明の実施形態2
による回路内蔵受光素子を説明するための図であり、そ
の断面構造を示している。この図では、図1に示す実施
形態1の分割フォトダイオードと同様、メタル配線の処
理工程以降に形成される構造、例えば多層構造、保護膜
等は省略されている。
【0046】図において、102はこの実施形態2の回
路内蔵受光素子であり、この受光素子102は、上記実
施形態1の分割フォトダイオード101における反射防
止膜の構成を適用した、該実施形態1とは構造が異なる
分割フォトダイオードを、その光検出信号を処理する回
路素子と同一の半導体チップ上に搭載してなるものであ
る。
【0047】この受光素子102では、分割フォトダイ
オードはP型シリコン基板3のフォトダイオード領域P
1内に形成されており、P型シリコン基板(第1導電型
半導体領域)3と、該P型シリコン基板3上に形成され
たN型エピタキシャル層(第2導電型半導体層)6と、
該N型エピタキシャル層6の表面から該P型シリコン基
板3の表面に達するよう形成され、該N型エピタキシャ
ル層6を複数のN型エピタキシャル領域6aに分割する
P型拡散層(第1導電型半導体層)5,7とを備えてい
る。この分割フォトダイオードでは、該P型シリコン基
板3と該各N型エピタキシャル領域6aとにより、信号
光を検出してその光電変換信号を出力する光検出部D
1,D2,D3,D5が構成されている。なお、図1で
は、図示していないが、図5に示す光検出部D4に相当
する部分も、上記基板3の表面部分に形成されている。
【0048】また、上記P型シリコン基板3の、上記フ
ォトダイオード領域P1とは電気的に分離された回路素
子領域Sには、上記分割フォトダイオードにて光電変換
された光電変換信号を処理する信号処理回路を構成する
回路素子として、NPNトランジスタが形成されてい
る。上記回路素子領域Sでは、P型シリコン基板3とN
型エピタキシャル層6との境界部分にN型埋込み層4が
形成され、上記N型エピタキシャル層6の表面の、該N
型埋込み層4に対向する部分には、上記NPNトランジ
スタのベース拡散領域となるP型拡散層8が形成され、
該P型拡散層8の表面には、該NPNトランジスタのエ
ミッタ拡散領域となるN型拡散層9が形成されている。
ここで、上記該P型拡散層8とN型埋込み層4との間の
N型エピタキシャル領域6bは上記NPNトランジスタ
のコレクタ領域となっている。さらに、このN型エピタ
キシャル領域6bの表面には、該P型拡散層8と隣接し
て、該N型埋込み層4と対向するようN型拡散層10が
形成されており、このN型拡散層10は、コレクタ電極
取り出し用拡散領域となっている。
【0049】そして、上記N型エピタキシャル層6の表
面には、全面に均一な膜厚のシリコン酸化膜111が形
成され、該シリコン酸化膜111の表面上には均一な膜
厚のシリコン窒化膜112が形成されており、該シリコ
ン酸化膜111とシリコン窒化膜112とにより、上記
分割フォトダイオードの受光面における反射防止膜11
0が構成されている。
【0050】次に上記回路内蔵受光素子102の製造方
法について説明する。まず、P型シリコン半導体基板3
の表面の、NPNトランジスタを形成すべき回路素子領
域SにN型埋込み拡散層4を形成し、次に分割フォトダ
イオードの分割部となる領域、及び各回路素子の分離部
となる領域に、P型埋込み拡散層5を形成する。
【0051】続いて、N型埋込み拡散層4とP型埋込み
拡散層5とを含むP型シリコン基板3の表面全面にN型
エピタキシャル層6を形成する。その後、N型エピタキ
シャル層6の表面からP型埋込み拡散層5に到達するよ
うにP型拡散層7を形成する。これにより、分割フォト
ダイオードの分割部Bとなる領域及び回路素子を電気的
に分離する領域が形成されて、分割フォトダイオードに
おける分割された複数の光検出部が形成されるととも
に、分割フォトダイオードと回路素子とが電気的に分離
される。また、この時の熱処理によりN型エピタキシャ
ル層6とP型拡散層7の表面には、シリコン酸化膜が該
P型拡散層7の形成と同時に形成される。
【0052】次にNPNトランジスタが形成される回路
素子領域Sの一部に、該NPNトランジスタのベース拡
散領域となるP型拡散層8を形成し、さらにこのベース
拡散領域の一部にエミッタ拡散領域となるN型拡散層
9、及び該ベース拡散領域に隣接させて、NPNトラン
ジスタのコレクタ電極取り出し用拡散領域となるN型拡
散層10を形成する。
【0053】その後、上記実施形態1と同様、分割部を
含むフォトダイオード領域P1上のシリコン酸化膜を除
去し、再度酸化性雰囲気で熱処理を行うことにより、分
割部を含むフォトダイオード領域P1上にシリコン酸化
膜111を形成する。さらにこのシリコン酸化膜111
上にシリコン窒化膜112をCVD等の方法により形成
する。この時上記シリコン酸化膜111とシリコン窒化
膜112は、光ピックアップで使用される光の波長に対
して低反射の反射防止膜110を構成するようその膜厚
が設定される。
【0054】また、ここでは、上記分割部Bを含むフォ
トダイオード領域P1上のシリコン酸化膜を除去した
後、再度酸化性雰囲気を用いて熱処理を行う工程では、
水蒸気を含む酸化性雰囲気を用いるウェット酸化処理
(スチーム酸化処理)以外の酸化処理によりシリコン酸
化膜の形成を行った。
【0055】図8は、それぞれウェット酸化処理,HC
l酸化処理,ドライ酸化処理で用いる酸化性雰囲気別
に、上記回路素子としてのNPNトランジスタの各部で
の酸化処理前後における酸化膜厚の変化を測定した結果
を示している。この測定試験では、サンプルとして、上
記実施形態2の受光素子と同様、NPNトランジスタを
P型シリコン基板上のN型エピタキシャル層内に形成
し、該NPNトランジスタのエミッタ拡散領域,ベース
拡散領域,及び素子分離のためのフィールド領域上に予
め酸化膜を、図8に示すように所定の厚さ(酸化前)に
形成したものを用いている。
【0056】図8から、ウェット酸化処理を施したサン
プルのみエミッタ拡散領域上が異常に酸化されており、
また、ベース拡散領域上でも酸化が進んでいることが分
かる。
【0057】また、図9は、上記ウェット酸化処理,H
Cl酸化処理,ドライ酸化処理を施したサンプルにおけ
るNPNトランジスタの耐圧特性をグラフで示してい
る。
【0058】図9から分かるように、ウェット酸化処理
以外の酸化処理を施したサンプルでは、NPNトランジ
スタの耐圧特性は良好であるが、ウェット酸化処理を施
したサンプルでは、NPNトランジスタの耐圧特性が大
きく低下している。
【0059】このような耐圧特性の劣化の理由を図10
を用いて簡単に説明する。図10は、上記NPNトラン
ジスタのエミッタ拡散領域9及びベース拡散領域8の近
傍の詳細な断面構造を示している。
【0060】ウェット酸化処理を施した場合は、エミッ
タ拡散領域9とベース拡散領域8との接合部(以下、エ
ミッタ・ベース接合部という。)の表面での酸化レート
が大きく、このため、該エミッタ・ベース接合部のロコ
スエッジ部分Aにウェット酸化処理による応力が過剰に
かかる。なお、図10中、20はロコス酸化膜(SiO
2膜)である。この結果、該エミッタ・ベース接合部で
は結晶欠陥が発生して、NPNトランジスタの耐圧特性
が低下することとなる。
【0061】従って、ウェット酸化処理(スチーム酸化
処理)以外の酸化処理により上記フォトダイオード部P
1での再酸化を行うことにより、分割フォトダイオード
と同一チップに搭載されているNPNトランジスタの耐
圧不良による歩留まりの低下を回避することができる。
【0062】また、ウェット酸化処理(スチーム酸化処
理)以外の酸化処理を用いる場合においても、長時間の
酸化処理を行うと、エミッタ拡散領域9上、及びベース
拡散領域8上での酸化が進むため、NPNトランジスタ
の耐圧特性の低下が起こる。
【0063】このため、このことと、図7に示す酸化膜
厚と光反射率との関係とを考慮して、シリコン酸化膜の
膜厚は50nm以下に設定することが望ましい。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、分割フォ
トダイオードの反射防止膜を、分割部を含むフォトダイ
オード形成領域の全面に形成されたシリコン酸化膜と、
該シリコン酸化膜の表面上に形成されたシリコン窒化膜
とからなる積層構造としたので、光ビームが照射される
分割部での光感度を、接合リークの増大や分割フォトダ
イオードの表面での光反射率の不均一化を招くことなく
向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による分割フォトダイオー
ドの断面構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2による分割フォトダイオー
ドの断面構造を示す図である。
【図3】従来の分割フォトダイオードの断面構造を示す
図である。
【図4】従来の分割フォトダイオードの他の断面構造を
示す図である。
【図5】従来の分割フォトダイオードを用いた光ピック
アップの構成を示す図である。
【図6】分割フォトダイオードの受光面上に反射防止膜
としてSiO2(酸化膜)のみが形成されている場合
の、光反射率と酸化膜厚との関係を示す図である。
【図7】分割フォトダイオードの受光面上に反射防止膜
として、SiNとSiO2が形成されている場合の、光
反射率と酸化膜厚との関係を示す図である。
【図8】酸化性雰囲気を用いる酸化処理によるNPNト
ランジスタ各部の酸化膜厚の変化を、種々の酸化処理に
ついて示す図である。
【図9】酸化性雰囲気を用いる酸化処理によるNPNト
ランジスタの耐圧特性への影響を、種々の酸化処理につ
いて示す図である。
【図10】NPNトランジスタのエミッタ拡散領域及び
ベース拡散領域近傍の詳細な断面構造を示す図である。
【符号の説明】
1 N型シリコン基板 2 P型拡散層 3 P型シリコン基板 4 N型埋込み層 5 P型埋込み層 6 N型エピタキシャル層 6a,6b N型エピタキシャル領域 7 P型拡散層 8 P型ベース拡散層 9 N型エミッタ拡散層 10 コレクタ電極取出し用N型拡散層 101 分割フォトダイオード 102 回路内蔵受光素子 110 反射防止膜 111 シリコン酸化膜 112 シリコン窒化膜 B 分割部 D1〜D5 光検出部 P,P1 フォトダイオード領域 S 回路素子領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 H01L 31/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型半導体領域と、該第1導電型
    半導体領域上に形成された第2導電型半導体層と、該第
    2導電型半導体層の表面から該第1導電型半導体領域の
    表面に達するよう形成され、該第2導電型半導体層を複
    数の第2導電型半導体領域に分割する第1導電型半導体
    層とを備え、該第1導電型半導体領域と該各第2導電型
    半導体領域とにより、信号光を検出してその光電変換信
    号を出力する光検出部が複数構成されている分割フォト
    ダイオードとともに、前記光電変換信号を処理する信号
    処理回路を構成する回路素子を同一の半導体チップ上に
    搭載してなる回路内蔵受光素子であって、 前記分割ダイオードの第2導電型半導体層の表面全面に
    形成された均一な膜厚のシリコン酸化膜と、 該シリコン酸化膜上に形成された均一な膜厚のシリコン
    窒化膜とを有し、 該シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とにより反射防止膜
    が構成されており、 前記分割フォトダイオードの表面に形成されたシリコン
    酸化膜は、ドライ酸化処理またはHCl酸化処理により
    形成したものである回路内蔵受光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回路内蔵受光素子におい
    て、 前記シリコン酸化膜はその膜厚が50nm以下となるよ
    う形成したものである回路内蔵受光素子。
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