JP2000150842A - 受光素子及びその製造方法 - Google Patents

受光素子及びその製造方法

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JP2000150842A
JP2000150842A JP10315200A JP31520098A JP2000150842A JP 2000150842 A JP2000150842 A JP 2000150842A JP 10315200 A JP10315200 A JP 10315200A JP 31520098 A JP31520098 A JP 31520098A JP 2000150842 A JP2000150842 A JP 2000150842A
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type semiconductor
semiconductor substrate
type high
layer
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Isamu Okubo
勇 大久保
Naoki Fukunaga
直樹 福永
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換信号を処理する回路を内蔵した受光
素子において、その信号を処理するフォトダイオード等
の受光素子の信号処理時の応答速度を改善することがで
きる受光素子の構造及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 受光素子を、表面に酸化膜2が形成され
たP型半導体基板1と、表面にP型高濃度不純物拡散層
3が形成されたP型高比抵抗半導体基板4とが、酸化膜
2及びP型高濃度不純物拡散層3の各表面で貼り合わさ
れた構造を有し、P型高比抵抗半導体基板4の表面に形
成されたN型半導体層5と、N型半導体層5の表面から
P型高比抵抗半導体基板4の表面に達するように形成さ
れ、N型半導体層5を複数のN型半導体領域に分割する
P型半導体領域7、8とを備え、N型半導体領域と、そ
れに重畳するP型半導体領域とにより、信号光を検出す
る光検出フォトダイオード部が形成されている構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換信号を処
理する回路を内蔵した受光素子及びその製造方法に関
し、特にその信号を処理するフォトダイオードの信号処
理時の応答速度を改善することを可能とする受光素子の
構造及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CD−ROMやDVD(デジタル
ビデオディスク)等の光ディスク装置は、動画像等の多
量のデータを高速で取り扱うために高速化が急激に進ん
できており、それに使用される光ピックアップの信号処
理の高速化の要求は非常に強くなってきている。この光
ピックアップの信号検出用素子としては、従来から分割
フォトダイオードが用いられているが、光ディスク装置
の小型高性能化に伴い、光ピックアップを小型軽量化す
ることが重要となっている。これを実現するために、ト
ラッキングビームを生成するための機能、光分岐を行う
ための機能、誤差信号を生成するための機能を1つのホ
ログラム素子に集積化し、レーザダイオード及びフォト
ダイオード等を1つのパッケージ(図示せず)内に収容
し、上記ホログラム素子をパッケージ上面に配した構造
の光モジュールが提案されている(従来例1)。
【0003】この従来例1の光ピックアップの光学系の
概略構成を図4に示す。この光学系における信号検出の
原理を簡単に説明すると、まず、レーザダイオードLD
から出射された光は、ホログラム素子31の裏面側に配
置されたトラッキングビーム生成用回折格子30によ
り、2つのトラッキング用副ビームと情報信号読みだし
用主ビームの3つの光ビームに分けられる。そして、上
記パッケージ上面のホログラム素子31を0次光として
透過したこれらの光は、コリメートレンズ32で平行光
に変換された後、対物レンズ33によってディスク34
上に集光される。
【0004】このディスク34上のピットによる変調を
受けた反射光は、対物レンズ33、コリメートレンズ3
2を透過した後、ホログラム素子31によって回折され
た1次回折光が、分割された5つの光検出部(以下、光
検出フォトダイオード部という。)D1〜D5を有する
5分割フォトダイオードPD上に導かれる。ここで、上
記ホログラム素子31は、回折周期の異なる2つの領域
からなり、主ビームの反射光のうち、その一方の領域に
入射したものが、上記光検出部D2及びD3を分割する
分割線上に、上記主ビームの反射光のうち、他方の領域
に入射したものが光検出部D4上に集光されるようにな
っている。また、副ビームの反射光は上記ホログラム素
子31によりそれぞれ光検出部D1、D5上に集光され
る。
【0005】また、この光学系は、ホログラム素子31
とディスク34との距離の変化に応じて、主ビームの反
射光のフォトダイオードPD上での位置が光検出フォト
ダイオード部D2、D3の並ぶ方向に変化するようにな
っており、主ビームの焦点がディスク上で合っている時
は、その反射光が上記光検出フォトダイオード部D2と
D3の間の分割部分に入射するようになっている。従っ
て、5分割フォトダイオードPDの、上記各光検出部D
1〜D5に対応する出力をS1〜S5とすると、フォー
カス誤差信号FESは、下記の式(1)で与えられる。
【0006】FES=S2−S3・・・・(1) 他方、トラッキング誤差はいわゆる3ビーム法で検出さ
れる。2つのトラッキング用副ビームはそれぞれ光検出
部D1、D5上に集光されるので、トラッキング誤差信
号TESは、下記の式(2)で与えられる。 TES=S1−S5・・・・(2) この誤差信号TESが0であるとき、主ビームが照射す
べきトラック上に位置していることになる。また、再生
信号RFは、主ビームの反射光を受光する光検出部D2
〜D4の出力の総和として、下記の式(3)で与えられ
る。
【0007】RF=S2+S3+S4・・・・(3) 図5は、特開平8−32100号公報に開示されてお
り、上記光学系の構成に組み込まれた5分割フォトダイ
オードPDの構造の一例を示す平面図である。この5分
割フォトダイオードの形状は上記光学系により決まり、
ここではフォトダイオードの光検出部は縦長の形状とな
る。図6は、図5に示すフォトダイオードのa−a’線
部分の断面構造を示す図であるが、メタル処理工程以後
の工程により形成される構造、例えば多層配線、保護膜
等の記載は省略している。従来から用いられていた光検
出用の5分割フォトダイオードPDは、例えば、図5に
示すように、各光検出フォトダイオード部D1〜D5に
共通のアノード電極202と、上記各光検出フォトダイ
オード部D1〜D5に対応するカソード電極203a〜
203eとを有する。
【0008】次に、図7に基づいて、このフォトダイオ
ードの作製方法を説明する。図7(a)に示すように、
例えば、P型シリコン基板1上の光検出フォトダイオー
ドの形成予定領域の一部にN型埋め込み拡散層3を形成
し、次にP型半導体基板1上の光検出部を分割する分割
部となる領域に、P型埋め込み拡散層2を形成する。次
に、図7(b)に示すように、P型半導体基板1の表面
全体にN型エピタキシャル層4を形成する。次に、N型
エピタキシャル層4の表面からP型埋め込み拡散層2に
対応する部分にP型分離拡散層5を形成する。これによ
り、電気的に分離された光検出部D1〜D5が形成され
る。次に、図7(c)に示すように、N型エピタキシャ
ル層4の表面および光検出部D1〜D5の分割部となる
P型分離拡散層5の表面にP型拡散層6を形成する。次
に、図7(d)に示すように、P型拡散層6の形成時に
表面に形成された酸化膜7のうち、P型拡散層6の表面
の受光領域に対応する部分を除去して、全面に窒化膜8
を形成する。その際、この窒化膜8の膜厚は、反射防止
膜として機能するようにレーザダイオードの波長に合っ
たものとする。次に、図6に示すように、これらの窒化
膜8及び酸化膜7に電極窓を開口して、電極配線9aを
形成すると同時に窒化膜8の表面の信号光が当たらない
部分に金属膜9を形成して、5分割フォトダイオードP
Dを得る。
【0009】尚、信号処理回路部分(図示せず)は、通
常のバイポーラICプロセスにより上記半導体基板1上
に作製される。実際に集光ビームが当たるフォトダイオ
ードの光検出部D2及びD3間の分割部では、集光ビー
ムの受光面での反射は、窒化膜8により低反射に抑えら
れるため、フォトダイオードを高感度化することができ
る。また、信号光が当たらない部分に、ここでは光検出
部D1とD2の間、及び光検出部D3とD5の間に金属
膜9が形成されているため、迷光などの影響を受けにく
くなり、フォトダイオードのS/N比を向上することが
できる。
【0010】また、特開平9−153605号公報に
は、フォトダイオードの応答速度を改善するために、フ
ォトダイオードを図8(a)に示す断面構造とすること
が記載されている(従来例2)。尚、図8(b)は、図
8(a)に示すフォトダイオードのb−b’断面におけ
る不純物濃度と深さとの関係を表している。この従来例
2は、P型半導体基板84の比抵抗を高く設定し、この
P型半導体基板84内に広がる空乏層86を広がりやす
くすることで、フォトダイオードの接合容量を低減し
て、フォトダイオードの応答を律速するCR時定数を低
減し、応答速度を高速化するものである。
【0011】すなわち、基板比抵抗を高くしていくと、
フォトダイオードの応答速度を律速するCR定数のうち
C成分を低減することができるので、図11に示すよう
に、基板比抵抗がある値になるまでは、フォトダイオー
ド遮断周波数を高くして応答速度を高速化することがで
きる。
【0012】しかしながら、フォトダイオードの応答速
度をさらに高速化するために、基板比抵抗をさらに高く
していくと、今度は逆に基板比抵抗に起因するアノード
側の直列抵抗が増大するため、フォトダイオードの応答
を律速するCR時定数のR成分が大きくなるので、図1
1に示すように、フォトダイオード遮断周波数が低くな
って、応答速度が律速され、充分な高速化を達成するこ
とができない。
【0013】この問題を解決するために、図9に示すよ
うに、高抵抗層94と低抵抗層93とからなる基板上に
フォトダイオードを形成する構造が提案されている。こ
の従来例は、高抵抗層94で基板側に空乏層96を広が
りやすくすることで接合容量を低減し、その空乏層96
が広がるより深いところにある低抵抗層93で基板比抵
抗に起因するアノード側の直列抵抗をさげることにより
フォトダイオードの応答速度を律速するCR定数のC成
分とR成分を両方同時に低減し、応答速度の高速化を図
るものである。尚、図9(b)は、図9(a)に示すフ
ォトダイオードのc−c’断面における不純物濃度と深
さとの関係を表している。
【0014】ここで、高抵抗層と低抵抗層とからなる基
板として、図9に示すように、低比抵抗基板93上に高
比抵抗なシリコン層94をエピタキシャル成長により形
成したものを用いることができる(従来例3)。また、
図10に示すように、高比抵抗基板104の一方の表面
から高濃度の不純物を深く拡散した層103を形成した
ものを用いてもよい(従来例4)。尚、図10(b)
は、図10(a)に示すフォトダイオードのd−d’断
面における不純物濃度と深さとの関係を表している。
【0015】上述した高抵抗層と低抵抗層とからなる基
板を使用して応答速度を改善するには、空乏層を充分に
高抵抗層内に広げ接合容量を低減するために、例えば比
抵抗を1000Ωcm程度にすると共に、高抵抗層の厚
さを13μm程度にするのが望ましい。なぜなら、空乏
層が広がらない高抵抗層の領域が厚くなると、この高比
抵抗層が直列抵抗となってアノード側の直列抵抗が大き
くなり応答速度を向上する上での妨げになるためであ
る。
【0016】従って、高抵抗層と低抵抗層とからなる基
板を使用して応答速度を改善するには、高抵抗層の比抵
抗を、空乏層が広がって接合容量を十分低減できるよう
に調整し、同時に高抵抗層の厚さを、空乏層が広がった
時に空乏化しない高抵抗層が広く残らないようにコント
ロールする必要がある。また、空乏層が広がらないとこ
ろでのキャリアを速く移動させるために、高抵抗層と低
抵抗層の接合されている界面における不純物濃度の分布
勾配が急であることが望ましい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高抵抗
層と低抵抗層とからなる基板を、上記従来例3で示した
ような低抵抗基板上に高抵抗なシリコンをエピタキシャ
ル成長により形成した基板を用いるものでは、高比抵抗
層が100Ωcm程度のものしかエピタキシャル成長で
コントロールできないため、1000Ωcm程度の高抵
抗層を安定して形成することが困難である。
【0018】また、上記従来例4で示した高抵抗基板の
一方の表面から高濃度の不純物を深く拡散した基板を用
いるものでは、1000Ωcm程度の高比抵抗層は得ら
れるが、例えば、625μmの基板を使用する場合は、
熱処理時間が膨大な時間になり生産性が極端に落ちる。
このため、高濃度の不純物を300μm程度までしか拡
散することができず、高抵抗層を325μmまでにしか
薄くできない。
【0019】そこで、高比抵抗層の厚さを薄くするため
に、基板自体の厚さを薄くすることが考えられる。しか
しながら、高比抵抗層の厚さを13μm程度にするに
は、基板自体の厚さを313μm程度まで薄くする必要
があり、この場合にはそれより前の製造工程においてウ
ェハ割れ等が発生し生産性が極端に低下する。
【0020】また、高濃度の不純物を300μmの深さ
まで拡散するには高温で長時間の熱処理が必要となる
が、高温での長時間の拡散では高抵抗層の厚さのコント
ロールが精度良くできない。また、高温での長時間の拡
散では、拡散する不純物のプロファイルはガウシアン分
布となってしまうため、高抵抗層と低抵抗層の接合され
ている界面における不純物濃度の分布勾配が急峻にでき
ない。このため、高抵抗層と低抵抗層の接合されている
界面付近では、電界強度が弱くキャリアーの移動が遅く
なり、フォトダイオードの応答速度の改善の妨げにな
る。
【0021】また、このような低抵抗層の比抵抗を低く
した基板では、フォトダイオードを形成するプロセスに
おいて、高温での熱処理を行う時に、基板抵抗を下げる
ために基板に拡散されている不純物であるボロンがオー
トドープする。このため、表面側の高抵抗層の比抵抗が
低くなってしまったり、N型拡散層にP型不純物である
ボロンが入り、不要な接合ができてしまうという問題が
生じる。従って、低抵抗層の比抵抗を低くした基板のフ
ォトダイオードを形成するプロセスにおいては、高温で
の熱処理を行う時にナイトライド膜や酸化膜等のカバー
膜をウェハ裏面に形成し、さらに製造工程の途中で表面
をエッチングする時にカバー膜がエッチングされないよ
うに製造工程を追加する必要がある。その結果、製造工
程が複雑になり生産性が悪くなる。
【0022】本発明は、こうした従来技術の課題を解決
するものであり、光電変換信号を処理する回路を内蔵し
たフォトダイオード等の受光素子において、その信号を
処理する受光素子の信号処理時の応答速度を改善するこ
とができる受光素子の構造及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の受光素子は、表
面に酸化膜が形成された第1導電型半導体基板と、表面
に第1導電型高濃度不純物拡散層が形成された第1導電
型高比抵抗半導体基板とが、該酸化膜及び該第1導電型
高濃度不純物拡散層の各表面で貼り合わされた構造を有
し、該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に形成され
た第2導電型半導体層と、該第2導電型半導体層の表面
から該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に達するよ
うに形成され、該第2導電型半導体層を複数の第2導電
型半導体領域に分割する第1導電型半導体領域とを備
え、該第2導電型半導体領域と、それに重畳する第1導
電型半導体領域とにより、信号光を検出する光検出フォ
トダイオード部が形成されてなり、そのことにより上記
目的が達成される。
【0024】また、本発明の受光素子は、表面に第1導
電型高濃度不純物拡散層が形成された第1導電型高比抵
抗半導体基板が、該第1導電型高濃度不純物拡散層の表
面で第1導電型半導体基板と貼り合わされた構造を有
し、該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に形成され
た第2導電型半導体層と、該第2導電型半導体層の表面
から該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に達するよ
うに形成され、該第2導電型半導体層を複数の第2導電
型半導体領域に分割する第1導電型半導体領域とを備
え、該第2導電型半導体領域と、それに重畳する第1導
電型半導体領域とにより、信号光を検出する光検出フォ
トダイオード部が形成されてなり、そのことにより上記
目的が達成される。
【0025】好ましくは、印加される逆バイアス電圧に
よって前記第1導電型高比抵抗半導体基板に形成される
空乏層の深さXdと、該第1導電型高比抵抗半導体基板
の厚さXtが、Xd≦Xtという条件を満たすように、
該第1導電型高比抵抗半導体基板の比抵抗と厚さが所定
の範囲内に設定されている構成とする。
【0026】また、前記光検出フォトダイオード部が複
数に分割された構造としてもよい。
【0027】本発明の受光素子の製造方法は、表面に第
1導電型高濃度不純物拡散層が形成された第1導電型高
比抵抗半導体基板と、第1導電型半導体基板とを、該第
1導電型高濃度不純物拡散層の表面で貼り合わせる工程
と、該第1導電型高比抵抗半導体基板を所定の厚さに加
工する工程と、該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面
に第2導電型半導体層を形成する工程と、該第2導電型
半導体層の表面から該第1導電型高比抵抗半導体基板の
表面に達するように、該第2導電型半導体層を複数の第
2導電型半導体領域に分割する第1導電型半導体領域を
形成する工程とを包含し、該第2導電型半導体領域と、
それに重畳する第1導電型半導体領域とにより、信号光
を検出する光検出フォトダイオード部を形成するように
しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0028】以下に、本発明の作用について説明する。
上記構成によれば、表面に第1導電型高濃度不純物拡散
層が形成された第1導電型高比抵抗半導体基板が、この
第1導電型高濃度不純物拡散層の表面で第1導電型半導
体基板と貼り合わされた構造を有しており、上記第1導
電型高比抵抗半導体基板が所定の厚さに加工された後
に、その上にフォトダイオードが形成されている。
【0029】このため、第1導電型高比抵抗半導体基板
の比抵抗と厚さを広範囲で任意に精度よく設定できるた
め、入射される光の侵入長や印加されるバイアス電圧に
合わせて、高速応答に必要な条件を満たす基板を形成す
ることが容易となる。特に、印加される逆バイアス電圧
によって第1導電型高比抵抗半導体基板に形成される空
乏層の深さXdと、第1導電型高比抵抗半導体基板の厚
さXtが、Xd≦Xtという条件を満たすように、第1
導電型高比抵抗半導体基板の比抵抗と厚さを所定の範囲
内に設定すると、高速応答特性に優れた受光素子が確実
に得られる。
【0030】また、表面に第1導電型高濃度不純物拡散
層が形成された第1導電型高比抵抗半導体基板を、この
第1導電型高濃度不純物拡散層の表面で第1導電型半導
体基板と貼り合わせる構造をとり、エピタキシャル成長
工程や長時間の熱処理工程を伴わないので、貼り合わせ
面に形成される第1導電型高濃度不純物拡散層の不純物
濃度勾配は、急峻な勾配がそのまま維持される。従っ
て、界面付近での電界強度が強く、キャリアーの移動が
速くなるので、高速応答特性に優れた受光素子が得られ
る。
【0031】また、第1導電型高濃度不純物拡散層は、
露出することなく、2つの濃度の低い基板により挟み込
まれているために、フォトダイオードを形成する熱処理
工程においてオートドープが起こらない。このため、第
1導電型高濃度不純物拡散層の比抵抗が低くなったり、
又第2導電型半導体層に第1導電型不純物が入り不要な
接合ができるといった問題が生じることがなくなる。従
って、これらの問題を解消するために、従来必要として
いたカバー膜の形成工程等が不要となり、通常のプロセ
スで受光素子を製造することが可能となるため、受光素
子の生産性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の実施形態1による受光
素子であるフォトダイオードの断面構造を示す。尚、こ
の図1では、メタル配線の処理工程以降に形成される構
造、例えば、多層配線、保護膜等の記載は省略してい
る。
【0033】この実施形態1の受光素子は、図1(a)
に示すように、表面に酸化膜2が形成されたP型半導体
基板1と、表面にP型高濃度不純物拡散層3が形成され
たP型高比抵抗半導体基板4とが、酸化膜2及びP型高
濃度不純物拡散層3の各表面で貼り合わされた構造を有
している。このP型高比抵抗半導体基板4の表面にエピ
タキシャル成長により形成されたN型半導体層5は、そ
の表面からP型高比抵抗半導体基板4の表面に達するよ
うに形成されたP型半導体領域7、8によって、複数の
N型半導体領域に分割されている。これらのN型半導体
領域と、それに重畳するP型半導体領域とにより、信号
光を検出する光検出フォトダイオード部が形成されてい
る。尚、図1(b)は、図1(a)に示す受光素子のe
−e’断面における不純物濃度と深さとの関係を表して
いる。
【0034】ここで、このP型高比抵抗半導体基板4
は、フォトダイオードに印加されるバイアスにより広が
る空乏層6がP型高濃度不純物拡散層3に当たるより広
くなるように、比抵抗と厚さが調整される。すなわち、
図1(a)に示すように、印加される逆バイアス電圧に
よってP型高比抵抗半導体基板4に形成される空乏層6
の深さXdと、P型高比抵抗半導体基板4の厚さXt
が、Xd≦Xtという条件を満たすように、P型高比抵
抗半導体基板4の比抵抗と厚さが所定の範囲内に設定さ
れる。特に、フォトダイオードに印加されるバイアスに
より広がる空乏層6がP型高濃度不純物拡散層3にちょ
うど当たるように、P型高比抵抗半導体基板4の比抵抗
と厚さが調整されることが望ましい。例えば、フォトダ
イオードに印加されるバイアスが1.5Vの時、比抵抗
は1000Ωcm程度にし、この時の空乏層6の広がり
は約13μm程度となるので、P型高比抵抗半導体基板
4の厚さは13μm程度にすることが望ましい。ただ
し、この比抵抗と厚さは、フォトダイオードに印加され
るバイアス電圧により変わる。
【0035】N型半導体層5を複数のN型半導体領域に
分割するP型半導体領域7、8として、例えば、N型半
導体層5内には、その表面からP型分離拡散層7が形成
されており、このP型分離拡散層7と対応する領域に
は、N型半導体層5とP型高比抵抗半導体基板4との界
面を跨ぐように埋め込まれたP型分離埋め込み拡散層8
が形成されている。
【0036】次に、図3を用いて、この受光素子の製造
方法を工程順に説明する。まず、図3(a−1)に示す
所定の比抵抗のP型高比抵抗半導体基板4の裏面に、図
3(b−1)に示すように、P型高濃度不純物拡散層3
を形成する。同時に図3(a−2)に示すP型半導体基
板1の表面に、図3(b−2)に示すように、SiO2
等からなる酸化膜2を形成する。
【0037】次に、図3(c)に示すように、図3(b
−1)に示す基板と図3(b−2)に示す基板とを、P
型高濃度不純物拡散層3の表面と酸化膜2の表面とが合
わさるように、例えば熱処理を加えることによって貼り
合わせる。その後、P型高比抵抗半導体基板4の表面を
研磨し、P型高比抵抗半導体基板4を、上述した空乏層
6の深さXdとP型高比抵抗半導体基板4の厚さXtと
の関係において、Xd≦Xtの条件を満たす所定の厚さ
にする。
【0038】次に、図3(d)に示すように、従来と同
様の方法により、P型高比抵抗半導体基板4の回路を形
成する部分にP型埋め込み拡散層9を形成する。次に、
図3(e)に示すように、フォトダイオードを分割する
ためのP型分離埋め込み拡散層8を、後にN型半導体層
5とP型高比抵抗半導体基板4との界面となる部分を跨
ぐように埋め込んで形成した後に、このP型分離埋め込
み拡散層8を覆うようにN型半導体層5をエピタキシャ
ル成長により形成する。次に、図3(f)に示すよう
に、N型半導体層5におけるP型分離埋め込み拡散層8
に対応する領域に、N型半導体層5を複数のN型半導体
領域に分割し、フォトダイオードを分割するためのP型
分離拡散層7を形成する。以上により、N型半導体領域
とそれに重畳するP型半導体領域とで構成されたフォト
ダイオードが形成される。
【0039】この実施形態1による受光素子によれば、
表面に酸化膜2が形成されたP型半導体基板1と、表面
にP型高濃度不純物拡散層3が形成されたP型高比抵抗
半導体基板4とが、酸化膜2及びP型高濃度不純物拡散
層3の各表面で貼り合わされた構造を有しており、上記
P型高比抵抗半導体基板4が所定の厚さに加工された後
に、その上にフォトダイオードが形成されている。この
ため、P型高比抵抗半導体基板4の比抵抗と厚さを広範
囲で任意に精度よく設定できるため、入射される光の侵
入長や印加されるバイアス電圧に合わせて、高速応答に
必要な条件を満たす基板を形成することが容易となる。
【0040】特に、印加される逆バイアス電圧によって
P型高比抵抗半導体基板4に形成される空乏層6の深さ
Xdと、P型高比抵抗半導体基板4の厚さXtが、Xd
≦Xtという条件を満たすように、P型高比抵抗半導体
基板4の比抵抗と厚さを所定の範囲内に設定すると、高
速応答特性に優れた受光素子が確実に得られる。
【0041】また、表面に酸化膜2が形成されたP型半
導体基板1と、表面にP型高濃度不純物拡散層3が形成
されたP型高比抵抗半導体基板4とを、酸化膜2及びP
型高濃度不純物拡散層3の各表面で貼り合わせる構造を
とり、エピタキシャル成長工程や長時間の熱処理工程を
伴わないので、貼り合わせ面に形成されるP型高濃度不
純物拡散層3の不純物濃度勾配は、急峻な勾配をそのま
ま維持することができる。従って、界面付近での電界強
度が強く、キャリアーの移動が速くなるので、高速応答
特性に優れた受光素子が得られる。
【0042】また、P型高濃度不純物拡散層3は、露出
することなく、2つの濃度の低い基板1、4により挟み
込まれているために、フォトダイオードを形成する熱処
理工程においてオートドープが起こらない。このため、
P型高濃度不純物拡散層3の比抵抗が低くなったり、又
N型半導体層5にP型不純物が入り不要な接合ができる
といった問題が生じることがなくなる。従って、これら
の問題を解消するために、従来必要としていたカバー膜
の形成工程等が不要となり、通常のプロセスで受光素子
を製造することが可能となるため、受光素子の生産性が
向上する。
【0043】(実施形態2)図2は、本発明の実施形態
2による受光素子であるフォトダイオードの断面構造を
示す。尚、この図2では、メタル配線の処理工程以降に
形成される構造、例えば、多層配線、保護膜等の記載は
省略している。この実施形態2の受光素子は、図2に示
すように、表面にP型高濃度不純物拡散層3が形成され
たP型高比抵抗半導体基板4が、P型高濃度不純物拡散
層3の表面でP型半導体基板1と貼り合わされた構造を
有している。このP型高比抵抗半導体基板4の表面にエ
ピタキシャル成長により形成されたN型半導体層5は、
その表面からP型高比抵抗半導体基板4の表面に達する
ように形成されたP型半導体領域7、8によって、複数
のN型半導体領域に分割されている。これらのN型半導
体領域と、それに重畳するP型半導体領域とにより、信
号光を検出する光検出フォトダイオード部が形成されて
いる。尚、図2(b)は、図2(a)に示す受光素子の
f−f’断面における不純物濃度と深さとの関係を表し
ている。
【0044】この実施形態2の受光素子は、上述した実
施形態1に対し、貼り合わせを行う面の酸化膜2がない
構造であるが、同様の効果が得られる。貼り合わせを行
う面に酸化膜がある構造では、フォトダイオードを形成
する部分と基板裏面とは絶縁されるため、裏面よりアノ
ード電極を取り出すことができないのに対し、貼り合わ
せを行う面に酸化膜が無い構造では、裏面よりアノード
電極を取り出すことができるため、パッケージにアセン
ブリする時の生産性が向上する利点がある。
【0045】尚、上記した実施形態1及び実施形態2で
は、1つのフォトダイオードについて説明したが、本発
明はこれに限るものではなく、光検出フォトダイオード
部が複数に分割された構造のフォトダイオードに適用し
た場合にも上記と同様の効果が得られることは言うまで
もないことである。また、上記した実施形態1及び実施
形態2における受光素子を構成する各層の導電型を、P
型とN型で逆の関係としてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の受光素子
によれば、表面に第1導電型高濃度不純物拡散層が形成
された第1導電型高比抵抗半導体基板が、この第1導電
型高濃度不純物拡散層の表面で第1導電型半導体基板と
貼り合わされた構造を有しており、上記第1導電型高比
抵抗半導体基板が所定の厚さに加工された後に、その上
にフォトダイオードが形成されている。
【0047】このため、第1導電型高比抵抗半導体基板
の比抵抗と厚さを広範囲で任意に精度よく設定できるた
め、入射される光の侵入長や印加されるバイアス電圧に
合わせて、高速応答に必要な条件を満たす基板を形成す
ることが容易となる。
【0048】特に、印加される逆バイアス電圧によって
第1導電型高比抵抗半導体基板に形成される空乏層の深
さXdと、第1導電型高比抵抗半導体基板の厚さXt
が、Xd≦Xtという条件を満たすように、第1導電型
高比抵抗半導体基板の比抵抗と厚さを所定の範囲内に設
定すると、高速応答特性に優れた受光素子が確実に得ら
れる。
【0049】また、表面に第1導電型高濃度不純物拡散
層が形成された第1導電型高比抵抗半導体基板を、この
第1導電型高濃度不純物拡散層の表面で第1導電型半導
体基板と貼り合わせる構造をとり、エピタキシャル成長
工程や長時間の熱処理工程を伴わないので、貼り合わせ
面に形成される第1導電型高濃度不純物拡散層の不純物
濃度勾配は、急峻な勾配をそのまま維持することができ
る。従って、界面付近での電界強度が強く、キャリアー
の移動が速くなるので、高速応答特性に優れた受光素子
が得られる。
【0050】また、第1導電型高濃度不純物拡散層は、
露出することなく、2つの濃度の低い基板により挟み込
まれているために、フォトダイオードを形成する熱処理
工程においてオートドープが起こらない。このため、第
1導電型高濃度不純物拡散層の比抵抗が低くなったり、
又第2導電型半導体層に第1導電型不純物が入り不要な
接合ができるといった問題が生じることがなくなる。従
って、これらの問題を解消するために、従来必要として
いたカバー膜の形成工程等が不要となり、通常のプロセ
スで受光素子を製造することが可能となるため、受光素
子の生産性が向上する。
【0051】加えて、上記した2つの半導体基板を貼り
合わせを行う面に酸化膜がある構造とする場合に比べ、
貼り合わせを行う面に酸化膜が無い構造とする場合に
は、裏面よりアノード電極を取り出すことができるた
め、パッケージにアセンブリする時の生産性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による受光素子の断面構造
と不純物濃度分布を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2による受光素子の断面構造
と不純物濃度分布を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1による受光素子の製造プロ
セスを工程順に示す断面図である。
【図4】従来例1によるホログラム素子を用いた光ピッ
クアップの構成を示す図である。
【図5】図4に示す光ピックアップに用いる、光検出部
が複数の領域に分割された従来例1による分割フォトダ
イオードを示す平面図である。
【図6】図5に示す従来例1による分割フォトダイオー
ドのa−a’線部分の断面図である。
【図7】従来例1による分割フォトダイオードの製造プ
ロセスを工程順に示す断面図である。
【図8】従来例2によるフォトダイオードの断面構造と
不純物濃度分布を示す図である。
【図9】従来例3によるフォトダイオードの断面構造と
不純物濃度分布を示す図である。
【図10】従来例4によるフォトダイオードの断面構造
と不純物濃度分布を示す図である。
【図11】従来例の比抵抗応答速度の関係を表す図であ
る。
【符号の説明】
1 P型半導体基板 2 酸化膜 3 P型高濃度不純物拡散層 4 P型高比抵抗半導体基板 5 N型半導体層 6 空乏層 7 P型分離拡散層 8 P型分離埋め込み拡散層 9 P型埋め込み拡散層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 AA10 AB05 BA02 BA03 CA02 CA18 CA20 EA01 FC18 5F049 MA02 NA03 NB08 PA14 PA20 QA15 RA03 TA11 TA12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に酸化膜が形成された第1導電型半
    導体基板と、表面に第1導電型高濃度不純物拡散層が形
    成された第1導電型高比抵抗半導体基板とが、該酸化膜
    及び該第1導電型高濃度不純物拡散層の各表面で貼り合
    わされた構造を有し、 該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に形成された第
    2導電型半導体層と、 該第2導電型半導体層の表面から該第1導電型高比抵抗
    半導体基板の表面に達するように形成され、該第2導電
    型半導体層を複数の第2導電型半導体領域に分割する第
    1導電型半導体領域とを備え、 該第2導電型半導体領域と、それに重畳する第1導電型
    半導体領域とにより、信号光を検出する光検出フォトダ
    イオード部が形成された受光素子。
  2. 【請求項2】 表面に第1導電型高濃度不純物拡散層が
    形成された第1導電型高比抵抗半導体基板が、該第1導
    電型高濃度不純物拡散層の表面で第1導電型半導体基板
    と貼り合わされた構造を有し、 該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に形成された第
    2導電型半導体層と、 該第2導電型半導体層の表面から該第1導電型高比抵抗
    半導体基板の表面に達するように形成され、該第2導電
    型半導体層を複数の第2導電型半導体領域に分割する第
    1導電型半導体領域とを備え、 該第2導電型半導体領域と、それに重畳する第1導電型
    半導体領域とにより、信号光を検出する光検出フォトダ
    イオード部が形成された受光素子。
  3. 【請求項3】 印加される逆バイアス電圧によって前記
    第1導電型高比抵抗半導体基板に形成される空乏層の深
    さXdと、該第1導電型高比抵抗半導体基板の厚さXt
    が、Xd≦Xtという条件を満たすように、該第1導電
    型高比抵抗半導体基板の比抵抗と厚さが所定の範囲内に
    設定されている請求項1又は請求項2記載の受光素子。
  4. 【請求項4】 前記光検出フォトダイオード部が複数に
    分割された構造とした請求項1〜請求項3のいずれかに
    記載の受光素子。
  5. 【請求項5】 表面に第1導電型高濃度不純物拡散層が
    形成された第1導電型高比抵抗半導体基板と、第1導電
    型半導体基板とを、該第1導電型高濃度不純物拡散層の
    表面で貼り合わせる工程と、 該第1導電型高比抵抗半導体基板を所定の厚さに加工す
    る工程と、 該第1導電型高比抵抗半導体基板の表面に第2導電型半
    導体層を形成する工程と、 該第2導電型半導体層の表面から該第1導電型高比抵抗
    半導体基板の表面に達するように、該第2導電型半導体
    層を複数の第2導電型半導体領域に分割する第1導電型
    半導体領域を形成する工程とを包含し、 該第2導電型半導体領域と、それに重畳する第1導電型
    半導体領域とにより、信号光を検出する光検出フォトダ
    イオード部を形成する受光素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007032165A1 (ja) * 2005-09-12 2007-03-22 Sony Corporation 半導体装置およびその製造方法
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