JP2875244B2 - 分割フォトダイオード - Google Patents

分割フォトダイオード

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JP2875244B2
JP2875244B2 JP10010799A JP1079998A JP2875244B2 JP 2875244 B2 JP2875244 B2 JP 2875244B2 JP 10010799 A JP10010799 A JP 10010799A JP 1079998 A JP1079998 A JP 1079998A JP 2875244 B2 JP2875244 B2 JP 2875244B2
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直樹 福永
勝 久保
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Consejo Superior de Investigaciones Cientificas CSIC
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ピックア
ップ装置等に使用される受光素子に含まれる分割フォト
ダイオードに関し、特に、応答速度を改善することがで
きる構造の分割フォトダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】上述した光ピックアップ装置は、例えば
CD−ROMやDVD等の光デイスク装置に使用されて
いる。特に、DVDは、近年において盛んに開発が進め
られている。このような光ディスク装置は、動画像等の
多量のデータを扱うようになってきている。加えて将来
的には、倍速DVDから4倍速DVDへと開発が進めら
れると考えられる。それに伴って、光ピックアップ装置
の高速化への要求は非常に強い。
【0003】光ピックアップ装置の信号検出用手段とし
ては、受光領域が複数の光検出部に分割されている分割
フォトダイオード素子が、従来から用いられている。
【0004】近年、光ディスク装置の小型高性能化に伴
い、光ピックアップ装置の小型軽量化が重要となってい
る。これを実現するために、トラッキングビームを生成
するための機能部、光分岐を行うための機能部、及び誤
差信号を生成するための機能部を、1つのホログラム素
子に集積化し、レーザダイオード或いはフォトダイオー
ド等を内部に収容した1つのパッケージの上面にその集
積化したホログラム素子を配した構造の光モジュール
が、提案されている。
【0005】図18は、上記光モジュールを含む光ピッ
クアップ装置の光学系の概略構成を示す図である。
【0006】この光学系における信号検出原埋を簡単に
説明すると、レーザダイオードLDから出射された光
は、ホログラム素子31の裏面側に配置されたトラッキ
ングビーム生成用回折格子30により、2つのトラッキ
ング用副ビームと情報信号読み出し用主ビームとの3つ
の光ビームに分けられる。そして、これらの光は、上記
パッケージの上面に設けられたホログラム素子31を0
次光として透過し、コリメートレンズ32で平行光に変
換された後、対物レンズ33によってディスク34の上
に集光される。
【0007】ディスク34からの反射光は、ディスク3
4の上のピットによる変調を受けており、対物レンズ3
3及びコリメートレンズ32を透過した後、ホログラム
素子31によって回折され、1次回折光として5分割フ
ォトダイオードPDの上に導かれる。5分割フォトダイ
オードPDは、分割された5つの光検出部(以下、「光
検出フォトダイオード部」ともいう)D1〜D5を有す
る。
【0008】上記のホログラム素子31は、回折周期の
異なる2つの領域31a及び31bから構成されてお
り、主ビームの反射光のうちでその一方の領域に入射し
たものが、光検出部D2及びD3を分割する分割線上に
集光され、他方の領域に入射した主ビームの反射光が、
光検出部D4の上に集光される。また、副ビームの反射
光は、ホログラム素子31により、それぞれ光検出部D
1及びD5の上に集光される。
【0009】また、上記光学系は、ホログラム素子31
とディスク34との距離の変化に応じて、主ビームの反
射光のフォトダイオードPD上での位置が、一対の光検
出フォトダイオード部D2及びD3の並ぶ方向に変化す
る。そして、主ビームの焦点がディスク34の上に合っ
ているときには、その反射光が、上記一対のフォトダイ
オードの光検出部D2とD3の間の分割部に入射する。
【0010】これより、5分割フォトダイオードPDに
おける上記各光検出部D1〜D5に対応する出力をS1
〜S5とすると、フォーカス誤差信号FESは、 FES=S2−S3 で与えられる。
【0011】一方、トラッキング誤差は、いわゆる3ビ
ーム法で検出される。すなわち、2つのトラッキング用
副ビームはそれぞれ光検出部D1及びD5の上に集光さ
れるので、トラッキング誤差信号TESは、 TES=S1−S5 で与えられる。この誤差信号TESが0であるときは、
主ビームは、照射すべきトラック上に位置している。
【0012】また、再生信号RFは、主ビームの反射光
を受光する光検出部D2〜D4の出力の総和として、 RF=S2+S3+S4 で与えられる。
【0013】図19は、図18に示す従来の光検出用分
割フォトダイオードのa−a’線における断面図であ
る。但し、図19では、メタル処理工程以降の工程によ
って形成される構造(例えば多層配線や保護膜等)は省
略している。図19において、D1、D2、D3及びD
5は、光検出部である。
【0014】この分割フォトダイオードの作製方法を、
図20(a)及び(b)の断面図を参照して以下に説明
する。なお、図19と図20(a)及び(b)とにおい
て、同じ構成要素には同じ参照番号を付している。
【0015】まず、図20(a)に示すように、P型半
導体基板1の上において光検出部D1〜D5を分割する
分割部となる領域に、P型分離拡散領域2を形成する。
【0016】次いで、図20(b)に示すように、P型
半導体基板1の表面全面にN型エピタキシャル層4を形
成する。その後に、N型エピタキシャル層4の内部にお
いてP型分離拡散領域2に対応する部分に、P型分離拡
散領域5を形成する。このP型分離拡散領域5は、N型
エピタキシャル層4の表面からP型分離拡散領域2に達
するように形成される。従って、領域2及び5からなる
P型分離拡散領域は、N型エピタキシャル層4の表面か
らP型半導体基板1の表面にまで達するように形成され
る。これにより、N型エピタキシャル層4が複数(図示
されている例では4つ)のN型半導体領域に電気的に分
離されて、各光検出部D1〜D5(但し、D4は不図
示)が形成される。
【0017】次に、N型エピタキシャル層4の表面の分
割フォトダイオード部分に、N型拡散領域6を形成す
る。このN型拡散領域6により、フォトダイオードの直
列抵抗が低減される。これにより、CR時定数が低減し
て、高速応答性が得られることとなる。
【0018】次に、このN型拡散領域6を有するN型エ
ピタキシャル層4の上に、図19に示すように部分的に
貫通孔を有する酸化膜12を形成し、この酸化膜12の
上に電極13を形成する。以上により、前記貫通孔を介
して電極13と分離拡散領域5とが電気的に接続され
た、図19に示す従来の光検出用分割フォトダイオード
が得られる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の再生
信号RFを処理する光検出部D2、D3及びD4に対し
ては、高速動作が要求される。そのうちでも特に一対の
光検出部D2及びD3は、光ビームがこれら光検出部D
2及びD3の間の分割部に照射された場合に、高速に動
作することが必要とされる。しかし、これら一対の光検
出部D2及びD3の間の分割部に光ビームが照射された
場合は、各光検出部D2或いはD3の中央部に光ビーム
が照射された場合に比べて、遮断周波数が低下する。こ
こで、遮断周波数とは、ゲインが低周波帯域での値に対
し−3dB低下する周波数を言う。
【0020】図21(a)及び(b)は、上記の点を実
験により確認した結果を示す図である。
【0021】図21(a)は、図19の分割フォトダイ
オードの一対の光検出部D2及びD3の近傍部分の断面
図である。一方、図21(b)は、その分割フォトダイ
オードの遮断周波数の光ビーム位置依存性を示すグラフ
であって、その横軸は、光検出部D2及びD3の近傍に
おける回折光の光ビーム位置を示し、縦軸は、それぞれ
の位置における遮断周波数fc(MHz)を示す。図2
1(b)における測定条件は、P型半導体基板の比抵抗
が15Ωcmであり、フォトダイオードに印加される逆
バイアスが1.5Vであり、負荷抵抗が380Ωであ
る。
【0022】この図より、光ビームが一対の光検出部D
2及びD3の分割部の近傍に位置する場合は、光検出部
D2及びD3の中心部に位置する場合に比べて、遮断周
波数が低下していることがわかる。また、光ビームがD
2及びD3の分割部に照射された時の遮断周波数は、2
0数MHzであることがわかる。従って、この遮断周波
数の分割フォトダイオードは、DVDには対応すること
ができるが、倍速DVD或いは4倍速DVDなどにおけ
るような更なる高速化には、対応することができない。
【0023】光検出部D2及びD3の分割部に光が照射
された時に遮断周波数が低下する原因は、P型分離拡散
領域2の下部のP型半導体基板1で発生した光キャリア
が、P型分離拡散領域2を迂回してN型エピタキシャル
層4及びP型半導体基板1で形成されるPN接合の空乏
層に到達するためである。すなわち、P型分離拡散領域
2の下部で発生した光キャリアは数十μmの距離を拡散
で移動する必要があり、この長い移動成分が、フォトダ
イオードの遮断周波数を低下させる。
【0024】図22は、光検出部D2及びD3の間の分
割部に相当するP型分離拡散領域2及びその近傍におけ
る、電流の流れを求めたシミュレーション結果である。
電流の向きは、矢印で示されている。なお、縦軸におけ
る深さ0μmの位置は、基板表面を示し、P型分離拡散
領域2の下端は、その基板表面よりも下側に位置してい
る。
【0025】光キャリアである電子は、図22の中の矢
印とは逆向きに移動する。この図より、光キャリアは、
分割部のP型分離拡散領域2を迂回してN型エピタキシ
ャル層4及びP型半導体基板1で形成されるPN接合の
空乏層に到達していることが、理解される。
【0026】図23は、光検出部の間の分割部における
深さ方向のポテンシャル分布を示すグラフである。縦軸
はポテンシャル(Volts)を示し、横軸は、基板表
面からの深さ(μm)を示す。図中で「5」として示し
ている領域は、P型分離拡散領域5の部分であり、
「2」として示している領域は、P型分離拡散領域2の
部分である。
【0027】図23から理解されるように、このポテン
シャル分布によれば、基板1の中でその表面側に向かう
光キャリアである電子に対して、P型分離拡散領域2が
大きなポテンシャルを有し、ポテンシャルバリアとして
作用する。そのため、図22に示されるように、光キャ
リアはP型分離拡散領域2を迂回して移動する。
【0028】通常使用されるP型半導体基板1の比抵抗
は、約15Ωcmである。このため、各光検出部を構成
する光検出フォトダイオード部に印加される逆バイアス
電圧が1.5Vである場合には、図22にも示したよう
に、光キャリアが迂回して走る距離は数十μmとなって
しまう。
【0029】そこで、上記問題点を解決するため、種々
の対策が講じられている。
【0030】例えば、特願平8−166284号(特開
平9−153605号公報)では、図24に示すような
構造の分割フォトダイオードが提案されている。
【0031】図24の分割フォトダイオードは、図19
に示す従来の分割フォトダイオードとは異なり、P型半
導体基板として大きな比抵抗を有する基板1aを使用し
ている。これにより、図24の分割フォトダイオードで
は、図19のフォトダイオードに比べて、同じレベルの
逆バイアス電圧が印加されたときにN型エピタキシャル
層4とP型半導体基板1aとの間に形成されるPN接合
部の空乏層21の広がりが、より大きくなる。従って、
光検出部D2及びD3の間の分割部にあるP型分離拡散
領域2の下部側への空乏層の広がりが大きくなり、この
ために、P型分離拡散領域2の下部のP型半導体基板1
で発生した光キャリアがP型分離拡散領域2を迂回して
走る距離が短縮される。この結果、フォトダイオードの
応答速度が改善されて、遮断周波数が向上する。基板の
比抵抗が高ければ高い程、光キャリアが走る距離を短く
できて、フォトダイオードの応答速度は改善される。
【0032】しかし、本願発明者による更なる検討によ
れば、以上のように基板の比抵抗を高くしても、必ずし
も所望の応答速度の改善効果が得られないことがある。
【0033】本発明は、このような従来技術の課題を解
決すべくなされたものであり、応答速度を確実に改善で
きる分割フォトダイオードを提供することを目的とす
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の分割フォトダイ
オードは、第1導電型の半導体基板と、該半導体基板の
上に形成された第2導電型の半導体層と、該半導体層の
該半導体基板とは反対側の表面から該半導体基板の表面
下に達するように複数箇所に形成され、該半導体層を少
なくとも3つ以上の第2導電型の半導体領域に分割す
る、少なくとも1層からなる複数の第1導電型の分離拡
散領域と、を備える。該分離拡散領域にて分割された該
少なくとも3つ以上の半導体領域のうちで、分割部を介
して隣接する複数の半導体領域領域の組合せに対して
は、該分割部の近傍に光が照射され、また、該複数の半
導体領域の組合せ以外の他の半導体領域に対しては、そ
のほぼ中央部に光が照射される。そして、該分離拡散領
域のうちで、該複数の半導体領域の組合せの該分割部に
ある特定の分離拡散領域を除いた他の分離拡散領域の下
側に、第1導電型の第1の埋め込み拡散領域がさらに設
けられていて、印加される逆バイアスによって該他の分
離拡散領域の下部の該半導体基板の空乏層化が抑制され
ており、そのことによって上記目的が達成される。
【0035】好ましくは、前記複数の半導体領域の組合
せの前記分割部にある前記特定の分離拡散領域の下側で
は、前記第1の埋め込み拡散領域の形成が省略されてい
る。
【0036】好ましくは、前記半導体基板は100Ωc
m以上の比抵抗を有する。
【0037】好ましくは、前記第1の埋め込み拡散領域
が形成されている前記他の分離拡散領域の上に、該第1
の埋め込み拡散領域への迷光の照射を抑制する遮光膜が
形成されている。
【0038】好ましくは、前記第1の埋め込み拡散領域
が、その拡散深さ(Xj)をXj≧5μmとして形成さ
れている。
【0039】好ましくは、前記第1の埋め込み拡散領域
が、その表面濃度を1×1017atoms/cm3以下
にして形成されている。
【0040】好ましくは、前記第1の埋め込み拡散領域
と前記他の分離拡散領域とが、両者の接する部分の濃度
を5×1014atoms/cm3以上として形成されて
いる。
【0041】好ましくは、前記第1の埋め込み拡散領域
と前記他の分離拡散領域とが、該他の分離拡散領域の端
部のうちで前記分割部に位置する前記特定の分離拡散領
域に近い側の端部と、該第1の埋め込み拡散領域の端部
と、を接触して形成されている。
【0042】上記の本発明の分割フォトダイオードで
は、前記半導体基板及び前記半導体層が前記少なくとも
3つ以上の半導体領域よりも広い範囲に存在し、該半導
体領域の外側に信号処理回路が形成されている構成とす
ることができる。
【0043】また、上記の本発明の分割フォトダイオー
ドでは、前記信号処理回路が第1導電型の第2の埋め込
み拡散領域を有し、該第2の埋め込み拡散領域が前記第
1の埋め込み拡散領域と同時に形成される構成とするこ
とができる。
【0044】さらに、上記の本発明の分割フォトダイオ
ードでは、前記第1の埋め込み拡散領域からのボロンの
オートドープを防止するために、該第2導電型の半導体
層の不純物濃度が5×1015atoms/cm3以上に
設定されている構成とすることができる。
【0045】本発明の他の局面による分割フォトダイオ
ードは、第1導電型の半導体基板と、該半導体基板の上
に形成された第2導電型の半導体層と、該半導体層の該
半導体基板とは反対側の表面から該半導体基板の表面下
に達するように複数箇所に形成され、該半導体層を少な
くとも3つ以上の第2導電型の半導体領域に分割する、
少なくとも1層からなる複数の第1導電型の分離拡散領
域と、を備える。該分離拡散領域にて分割された該少な
くとも3つ以上の半導体領域のうちで、分割部を介して
隣接する複数の半導体領域の組合せに対しては、該分割
部の近傍に光が照射され、また、該複数の半導体領域の
組合せ以外の他の半導体領域に対しては、そのほぼ中央
部に光が照射される。そして、該分離拡散領域のうち
で、該複数の半導体領域の組合せの該分割部にある特定
の分離拡散領域が該半導体基板の表面下に浅く形成され
ており、他の分離拡散領域が該半導体基板の表面下に深
く形成されており、そのことによって上記目的が達成さ
れる。
【0046】本発明の分割フォトダイオードでは、前記
半導体基板及び前記半導体層が前記少なくとも3以上の
半導体領域よりも広い範囲に存在しており、該半導体領
域の外側に信号処理回路が形成されている構成とするこ
とができる。
【0047】また、上記の本発明の分割フォトダイオー
ドでは、前記信号処理回路が第1導電型の埋め込み拡散
領域を有している構成とすることができる。
【0048】以上に、本発明の作用を説明する。
【0049】本発明によれば、分割フォトダイオードの
基板電位を取出す分離拡散領域の下部の半導体基板内
に、印加される逆バイアスによって分離拡散領域の下部
の半導体基板が空乏層化しないように、埋め込み拡散領
域を設けている。このため、空乏層化によるフォトダイ
オードの直列抵抗の増大化が発生せず、フォトダイオー
ドの遮断周波数が向上する。これによって、分割フォト
ダイオードの応答速度を高速化する。
【0050】また、半導体基板の比抵抗を高くすること
によって、分割部を介して隣接する複数の半導体領域の
組合せの当該分割部に光が照射される場合に、空乏層の
拡がりを大きくできるので、空乏層の端部が分離拡散領
域の下部側へ大きく拡がる。この結果、従来技術による
分割フォトダイオードの構成では、光キャリアが分離拡
散領域を迂回して移動していたのに対して、本はつめい
においてはそのような光キャリアの迂回を抑制して、拡
散による移動距離を短くすることができる。これによっ
ても、フォトダイオードの遮断周波数が向上され、分割
フォトダイオードの応答速度が高速化される。
【0051】
【発明の実施の形態】先に述べたように、基板の比抵抗
を高くすることによって分割フォトダイオードの応答速
度の改善効果が得られるが、本願発明者がさらに実験を
行なった結果、基板比抵抗が高すぎると問題が生じるこ
とが確認された。この問題点を、図25を用いて以下に
説明する。
【0052】図25に示すように、例えば500Ωcm
という高い比抵抗を有する半導体基板を使用すると、光
が照射されるP型分離拡散領域部分(図中のB部分)で
の空乏層の広がりが大きくなって、光キャリアがP型分
離拡散領域2を迂回して走る距離が短縮される。しか
し、このとき同時に、フォトダイオードの基板電位を取
出すP型分離拡散領域の下部(図中のA及びC部分)
も、同じように空乏層化してしまう。上述のようにP型
分離拡散領域下部(図中のA及びC部分)のP型半導体
基板が空乏層化してしまうと、その部分の抵抗(図中の
R1)が極端に大きくなり、フォトダイオードの直列抵
抗が大きくなる。よって、この部分の抵抗成分によるC
R時定数の増大により、フォトダイオードの応答速度が
低下してしまう。
【0053】また、基板の比抵抗を高くしすぎると、基
板比抵抗それ自体による抵抗成分(図中のR2)が大き
くなり、この抵抗成分に関連するCR時定数により、フ
ォトダイオードの応答速度が低下してしまうという問題
が生じる。
【0054】そこで、以上のような問題点を克服するた
めに、本発明にあっては、印加される逆バイアスによっ
て分離拡散領域の下部の半導体基板が空乏層化しないよ
うに、分割フォトダイオードの基板電位を取出す分離拡
散領域の下部の半導体基板内に、埋め込み拡散領域を設
けている。このため、空乏層化によるフォトダイオード
の直列抵抗の増大化が発生せず、フォトダイオードの遮
断周波数が向上される。
【0055】また、半導体基板の比抵抗を高くすること
によって、一対の半導体領域の分割部に光が照射される
場合に、空乏層の拡がりを大きくできる。これにより、
空乏層の端部が分離拡散領域の下部側へ大きく拡がる。
この結果、従来の分割フォトダイオード素子の構成では
光キャリアが分離拡散領域を迂回して移動していたのに
比べて、本発明による場合には、そのような光キャリア
の迂回を抑制して、拡散による移動距離を短くすること
ができる。これによっても、フォトダイオードの遮断周
波数が向上される。
【0056】以下に、本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。
【0057】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
形態における分割フォトダイオードを、図面を参照して
説明する。
【0058】図1は、第1の実施形態の分割フォトダイ
オードの断面図である。この図では、メタル配線の処理
工程以降の工程で形成される構造、例えば多層配線や保
護膜等は、省略している。
【0059】この分割フォトダイオードでは、例えば5
00Ωcm程度のシリコン基板からなるP型高比抵抗半
導体基板11の上に、半導体層としてのN型エピタキシ
ャル層4が形成されている。N型エピタキシャル層4の
上表面から半導体基板11の表面よりやや下側の位置に
至るP型分離拡散領域2及び5が、複数箇所に設けられ
ている。P型分離拡散領域2は、半導体基板11の表面
よりやや下側の位置からN型エピタキシャル層4の途中
までの範囲に形成され、P型分離拡散領域5は、分離拡
散領域2の上側に、N型エピタキシャル層4の上表面に
達するように形成されている。
【0060】P型分離拡散領域2及び5は、N型エピタ
キシャル層4を複数の領域に、図示される例では4つの
領域に、電気的に分離し、且つ両端の領域の外側も電気
的に分離するように配設されている。分離された各N型
エピタキシャル層4の上層部には、N型拡散領域6が形
成されている。分離拡散領域2及び5にて分離された4
つの領域が、フォトダイオードとしての光検出部D1、
D2、D3及びD5となっている。光検出部D1とD5
は、トラッキング誤差信号TESを得るためのものであ
り、これらの光検出部D1及びD5には、ほぼその中央
部に光が照射される。また、光検出部D2及びD3は、
フォーカス誤差信号FESを得るためのものであり、こ
れら光検出部D2及びD3には、その分割部を中心とし
て光が照射される。
【0061】N型エピタキシャル層4の上には酸化膜1
2が設けられており、その酸化膜12の上には、酸化膜
12を貫通して基板電位を取出す電極13が、4箇所に
設けられている。電極13が設られている位置は、光検
出部D2とD3との間を除き、分離拡散領域5の上部で
あり、各電極13の下端は、P型分離拡散領域5に達し
ている。また、電極13が設けられた分離拡散領域5に
対応する箇所には、分離拡散領域2の下側にP型埋め込
み拡散領域3が形成されている。
【0062】次に、このように構成された第1の実施形
態の分割フォトダイオードの作製方法を、図2(a)〜
(b)の断面図を参照して、以下に説明する。なお、図
1と図2(a)〜(b)とで、同じ構成要素には同じ参
照番号を付している。
【0063】まず、図2(a)に示すように、P型高比
抵抗半導体基板11表面の光検出部D1〜D5を分割す
る5つの分割部となる領域のうち、例えば基板電位を取
出す分離拡散領域に対応する4つの領域に、P型埋め込
み拡散領域3を形成する。次に、光検出部D1〜D5を
分割する5つの分割部に、P型分離拡散領域2を形成す
る。
【0064】その後に図2(b)に示すように、P型半
導体高比抵抗基板11の表面全面にN型エピタキシャル
層4を形成する。
【0065】次に、N型エピタキシャル層4の内部にお
けるP型分離拡散領域2に対応する部分に、P型分離拡
散領域5を形成する。このP型分離拡散領域5は、N型
エピタキシャル層4の上表面からP型分離拡散領域2に
達するように形成され、その結果として、P型分離拡散
領域2及び5は、N型エピタキシャル層4の表面からP
型半導体基板1の表面にまで達するように形成される。
なお、分離拡散領域2は、この工程において、基板11
側から拡散によりN型エピタキシャル層4へ広がる。こ
のようなP型分離拡散領域2及び5の形成により、N型
エピタキシャル層4が複数のN型半導体領域に電気的に
分離されて、各光検出部D1〜D5(但し、D4は図に
表れない)が形成される。
【0066】次に、N型エピタキシャル層4の各光検出
部D1〜D5に対応する部分に、N型拡散領域6を形成
する。このN型拡散領域6は、フォトダイオードの直列
抵抗を低減することでCR時定数を低減し、高速応答性
を得る目的で形成される。
【0067】さらに、図1に示すように、酸化膜12と
電極13とを形成する。これにより、本実施形態の分割
フォトダイオードが得られる。
【0068】本実施形態の分割フォトダイオードにおい
ては、基板電位を取出すP型分離拡散部分に、フォトダ
イオードに印加される逆バイアスによってP型分離拡散
領域2の下部のP型高比抵抗半導体基板11が空乏層化
しないように、P型埋め込み分離拡散領域3が形成され
ている。このために、空乏層化によるフォトダイオード
の直列抵抗の増大は発生せず、フォトダイオードの遮断
周波数が向上される。
【0069】例えば、本実施形態のようにP型高比抵抗
基板11の比抵抗が500Ωcmの場合、フォトダイオ
ードに印加される逆バイアスを1.5Vとすると、この
ときのP型分離拡散領域2下部でのP型半導体基板11
側への空乏層の広がり幅は10μmとなる。これによ
り、P型埋め込み分離拡散領域3の幅が20μmより大
きければ、空乏層化によるフォトダイオードの直列抵抗
の増大などの問題は発生しない。
【0070】次に、埋め込み分離拡散領域3を信号光が
当たらない分離拡散領域部分に形成する理由について説
明する。
【0071】図18に示した通り、本発明の分割フォト
ダイオードの構成では、ホログラム素子31とディスク
34との距離に応じて、主ビームの反射光のフォトダイ
オードPD上での位置が、光検出部D2及びD3の並ぶ
方向に変化するようになっている。このため、主ビーム
の焦点がディスク34の上に位置している時は、その反
射光が、光検出部D2及びD3の間の分割部を光ビーム
スポットの中心として、入射する。
【0072】このとき、図3に示すように、光が照射さ
れる光検出部D2及びD3の間の分割部にも埋め込み拡
散領域3を形成すると、図22及び図23を参照して説
明したものと同様の現象が起こり、問題となる。すなわ
ち、埋め込み拡散領域3の下部で発生した光キャリア
は、埋め込み拡散領域3を迂回して、N型エピタキシャ
ル層4とP型高比抵抗基板11との間のPN接合の空乏
層に到達する。さらに、埋め込み拡散領域3は、埋め込
み拡散領域3の下部のP型高比抵抗基板11を空乏層化
させないように形成するため、図22及び図23に示し
たP型分離拡散領域2に比べて拡散深さが深く、横方向
への拡がりが大きい拡散領域である。
【0073】従って、図3のように光が照射される光検
出部D2及びD3の間の分割部にも埋め込み拡散領域3
を形成する場合には、埋め込み拡散領域3の下部で発生
した光キャリアが埋め込み拡散領域3を迂回して移動す
る距離が、図4のように、全く埋め込み拡散領域を形成
しない場合に光キャリアが分離拡散領域2を迂回して移
動する距離に比較して長くなる。この結果、フォトダイ
オードの応答速度の低下が著しいものとなる。
【0074】そこで本発明にあっては、埋め込み拡散領
域3を、光が照射される光検出部D2及びD3の間に存
在する分割部以外の分割部に、形成する。このようにす
ることにより、フォトダイオードの基板電位を取出すP
型分離拡散領域部分には、印加される逆バイアスによっ
てP型分離拡散領域2の下部のP型高比抵抗半導体基板
11が空乏層化しないように、P型埋め込み分離拡散領
域3が形成されているため、空乏層化によるフォトダイ
オードの直列抵抗の増大は発生せず、フォトダイオード
の遮断周波数を向上できる。
【0075】このとき、P型半導体基板として高比抵抗
(例えば500Ωcm)を有する基板を使用することに
より、光が照射される光検出部D2及びD3の間の分割
部においては、フォトダイオードに印加される逆バイア
スによって広がる空乏層を大きくすることができる。こ
れにより、P型分離拡散領域2の下部のP型半導体基板
1で発生した光キャリアがP型埋め込み分離拡散領域2
を迂回して走る距離を、短くすることができる。従っ
て、フォトダイオードの応答速度が改善されて、遮断周
波数が向上する。
【0076】この遮断周波数の向上に関する効果を、図
5に示す。
【0077】図5は、基板比抵抗に対する遮断周波数依
存性を示すグラフであって、埋め込み拡散領域3が基板
電位を取り出す分離拡散領域下部に存在する場合、及び
存在しない場合について、データを示している。
【0078】図5に示すように、基板の比抵抗が約10
0Ωcm以上の範囲においては、埋め込み拡散領域の設
置による遮断周波数の改善効果が、基板の比抵抗を高く
するほど、顕著に得られている。
【0079】次に、埋め込み拡散領域3の拡散深さXj
について、説明する。
【0080】埋め込み拡散領域3を浅く形成しようとす
る場合には、P型埋め込み拡散領域3の拡散深さが深い
場合に比べて空乏層が拡がり易くなるために、埋め込み
拡散領域3の下部のP型高比抵抗半導体基板11が空乏
層化しないように、P型埋め込み拡散領域3を広く形成
する必要がある。このため、P型埋め込み拡散領域3を
浅く形成すると、同じ有効受光領域を得るためにはフォ
トダイオードのサイズを大きくする必要が生じて、チッ
プサイズの増加及びそれに伴うコストアップを招く。ま
た、フォトダイオードのサイズの増加に伴ってフォトダ
イオード容量が大きくなり、応答速度が低下するという
問題が発生する。
【0081】そこで、本発明では、P型埋め込み拡散領
域3の拡散深さXjがXj≧5μmとなるように、P型
埋め込み拡散領域3を形成する。これにより、前記の問
題は発生せず、応答特性の優れた分割フォトダイオード
を提供することができる。
【0082】また、本発明において、P型埋め込み拡散
領域3は、その表面濃度を1×1017atoms/cm
3以下にして、形成する。
【0083】N型エピタキシャル層4を形成するエピタ
キシャル成長工程においては、図6に示すように、P型
埋め込み拡散領域3からの不純物の外方拡散によるボロ
ンのオートドープ現象が発生する。このボロンのオート
ドープ現象が発生すると、N型エピタキシャル層4とP
型高比抵抗半導体基板11との間に、高濃度のボロンの
オートドープ層が発生する。そして、この高濃度のボロ
ンのオートドープ層が発生すると、N型エピタキシャル
層4とP型高比抵抗半導体基抜11との間の空乏層の拡
がりが制限され、容量の増大による応答速度の低下が発
生する。
【0084】また、高濃度のボロンのオートドープ層が
発生すると、図7に示すように、P型高比抵抗半導体基
板11の中で発生した光キャリア(電子)に対してオー
トドープ層がポテンシャルバリアとして作用するため
に、応答速度の低下を招く。
【0085】上記のボロンのオートドープ量は、オート
ドープの発生源であるP型埋め込み拡散領域の表面にお
ける不純物濃度に依存している。従って、オートドープ
の発生による悪影響を抑制するためには、P型埋め込み
拡散領域の表面不純物濃度を低く抑える必要がある。
【0086】ここで、ボロンのオートドープ量は、典型
的に、そのオートドープ源であるP型埋め込み拡散領域
の表面不純物濃度の約1/103程度である。更に、P
型高比抵抗半導体基板11の比抵抗は、数100Ωcm
から数1000Ωcmの範囲に設定されるため、基板中
の不純物濃度は、概略1×1013atoms/cm3
1×1014atoms/cm3程度である。従って、ボ
ロンのオートドープが問題とならないようにするために
は、P型埋め込み拡散領域の表面不純物濃度は、1×1
17atoms/cm3以下と設定されることが望まし
い。
【0087】また、本発明において、P型埋め込み拡散
領域3とP型分離拡散領域2とは共に、両者の接する部
分の不純物濃度を5×1014atoms/cm3以上に
して形成する。
【0088】P型埋め込み拡散領域3の役割は、フォト
ダイオードに印加される逆バイアスによるP型埋め込み
拡散領域3の下部のP型高比抵抗半導体層11の空乏層
化を防ぐことである。従って、P型埋め込み拡散領域3
及びP型分離拡散領域2は、必要以上に高濃度で接する
必要はない。フォトダイオードに印加される逆バイアス
によるP型埋め込み拡散領域3とP型分離拡散領域2と
の接触部分の空乏層化が、防げさえすれば良い。
【0089】ところで、通常の半導体製造プロセスにお
いては、P型分離拡散領域2の幅を最小寸法で設計して
も、後の熱処理による横方向への拡がり拡散により、出
来上がり寸法としては4μm程度となる。このようにP
型埋め込み拡散領域3とP型分離拡散領域2とが接して
いる部分の幅が4μmであり、また、フォトダイオード
に印加される逆バイアスが1.5Vであるとすれば、P
型埋め込み分離拡散領域3とP型分離拡散領域2とが接
する部分を空乏層化させないようにするには、5×10
14atoms/cm3以上の不純物濃度で接するように
P型埋め込み分離拡散領域3を形成すればよい。これに
より、フォトダイオードにおける直列抵抗増大による応
答速度の低下等の問題が、発生しない。
【0090】上記ではP型分離拡散領域2の幅を最小寸
法で設計した場合について説明しているが、P型分離拡
散領域2の幅を最小寸法よりも大きく設定しても良い。
この場合においても、P型埋め込み拡散領域3とP型分
離拡散領域2との接する部分を5×1014atoms/
cm3以上の不純物濃度にしておけば問題はなく、空乏
層化に対して余裕度が大きくなる。
【0091】また、本発明において、P型半導体基板1
1の比抵抗は、好ましくは300Ωcm以上且つ250
0Ωcm以下の範囲に設定する。基板の比抵抗をこのよ
うな範囲に設定する理由を、以下に述べる。
【0092】DVDにおいて取り扱われる信号の周波数
は、最高レートで4.5MHzであり、倍速DVD及び
4倍速DVDでは、それぞれ9.0MHz及び18.0
MHzである。従って、倍速DVD用のフォトダイオー
ドには、低周波から9.0MHzまでのゲインが一定で
あることが要求され、一方、同様に4倍速DVD用のフ
ォトダイオードには、低周波から18MHzまでのゲイ
ンが一定であることが要求される。これからわかるよう
に、4倍速DVD或いは更なる高速化に対応するために
は、遮断周波数(−3dB)が50MHz以上であるこ
とが、フォトダイオードに要求される。
【0093】実使用状態で光が照射される光検出部にお
いては、基板比抵抗が高いほど空乏層の広がりが大きく
なり、空乏層の外で発生した光キャリアが走行する距離
が短くなる、つまり拡散電流成分の時定数が小さくな
る。このため、フォトダイオードの応答速度は改善され
る。しかし、逆に、基板の比抵抗を高くしすぎると、基
板の比抵抗それ自身に起因する抵抗成分が大きくなるこ
と、及び、基板電位を取り出す分離拡散領域の下部の基
板の空乏化による抵抗成分が増大することによって、C
R時定数が大きくなり、フォトダイオードの応答速度が
低下する。従って、図5に示す通りに、P型半導体基板
11の比抵抗を300Ωcm以上且つ2500Ωcm以
下の範囲に設定することで、4倍速DVD或いは更なる
高速化に対応できるフォトダイオードが提供される。
【0094】なお、本実施形態においては、分割フォト
ダイオードとしてN型エピタキシャル層4の表面にN型
拡散領域6を形成した構造について説明しているが、本
発明の適用はこの構成には限られない。例えば、フォト
ダイオード部分の構造に制限はなく、他の構造のフォト
ダイオードであっても、なんら問題無く適用できる。こ
の事実は、当然のことながら、以下の各実施形態におい
ても同様である。
【0095】(第2の実施の形態)図8は、再生信号R
Fを得るための光検出部D2とトラッキング誤差信号T
ESを得るための光検出部D1との間、及び、再生信号
RFを得るための光検出部D3とトラッキング誤差信号
TESを得るための光検出部D5との間に、それぞれP
N接合を短絡したダミーフォトダイオードを併せ持つ構
造に、本発明のP型埋め込み拡散領域3を適用した場合
の構造を示す。
【0096】ダミーフォトダイオードを有する本実施形
態の構成に関して、その特徴などを、光検出部D2とD
1との間のダミーフォトダイオードを例に挙げて説明す
る。上記の箇所にダミーフォトダイオードが存在しない
場合には、光検出部D2側から光検出部D1側へ向け
て、及び光検出部D1側から光検出部D2側へ向けて、
光キャリアが一点鎖線にて示すように移動する。ダミー
フォトダイオードを形成すれば、このような光キャリア
の移動を防止することができ、安定した光検出が可能と
なる。
【0097】この特徴及び効果は、もう一方の光検出部
D3とD5との間のダミーフォトダイオードに関して
も、同様である。
【0098】なお、本発明は、上記以外の構造の分割フ
ォトダイオードに適用しても、問題はない。また、図8
の構造においては、ダミーフォトダイオードのPN接合
が短絡されているが、必ずしも特に短絡されている必要
はなく、適当な逆バイアスを印加されていても問題無
い。
【0099】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
形態における受光素子である分割フォトダイオード素子
を、図面を参照して説明する。
【0100】図9は、本発明の第3の実施形態の分割フ
ォトダイオードの断面図である。
【0101】この分割フォトダイオードにおいては、分
離拡散領域2及び5を設けた領域のうち、P型埋め込み
拡散領域3を形成した領域に対応する部分に、遮光膜1
5が形成されている。遮光膜15の基板11側には、光
検出に支障のない透明な材料、例えばシリコン窒化膜か
らなる絶縁膜14が形成されており、この絶縁膜14に
よって、遮光膜15と電極13とが電気的に絶縁されて
いる。
【0102】遮光膜15を設ける理由は、以下の通りで
ある。すなわち、ピックアップ光学系の内部では、至る
所で光の反射及び回折が起こり、迷光が発生している。
本実施形態のように、光の透過率の低い遮光膜15を、
埋め込み拡散領域3を形成した領域に対応する場所に形
成することにより、光は、埋め込み拡散領域3に入射し
なくなり、これによって、埋め込み拡散領域3の下部で
発生した光キャリアが埋め込み拡散領域3を迂回する問
題は、発生しない。
【0103】遮光膜15の構成材料は遮光性を有する金
属であることが好ましいが、光検出に支障のない範囲
で、他の材料を使用してもよい。
【0104】(第4の実施の形態)第4の実施形態で
は、P型分離拡散領域2とP型埋め込み拡散領域3との
形成位置に関する他の構成例を示す。図10は、本実施
形態の分割フォトダイオードの断面図である。
【0105】図18を参照して説明したように、特に速
い応答速度を必要とする光検出部は、再生信号RFを取
り扱う光検出部D2、D3及びD4である。本実施形態
においては、P型分離拡散領域2を、P型埋め込み拡散
領域3のうちで速い応答速度を必要とする光検出部D2
及びD3の側の端部で接触するように、形成する。これ
により、速い応答速度を必要とする光検出部のサイズを
最小限に形成できるため、フォトダイオード容量が低減
できる。従って、CR時定数を低減し、フォトダイオー
ドの応答速度の改善を図ることができる。
【0106】この際に、光検出部D1及びD5というト
ラッキングを行なうフォトダイオード部分が大きくな
り、フォトダイオード容量が増大する。しかし、光検出
部D1及びD5が取り扱う信号の速度は、光検出部D
2、D3及びD4により再生信号RFを得るときの速度
に比べて1ケタ以上遅いために、これらの箇所のフォト
ダイオード容量の増大は、大きな問題とはならない。
【0107】(第5の実施の形態)本実施形態では、上
述した各実施形態に示した分割フォトダイオードの光検
出部の周辺に信号処理回路を形成した場合の構成を説明
する。
【0108】図11は、本実施形態の分割フォトダイオ
ードの断面図であり、信号処理回路としてNPNトラン
ジスタが示されている。なお、図11では、メタル配線
の処理工程以降の工程で形成される構造、例えば多層配
線や保護膜等は、省略している。
【0109】この分割フォトダイオードでは、例えばシ
リコン基板からなるP型高比抵抗半導体基板11の上
に、N型エピタキシャル層4が形成されている。さら
に、N型エピタキシャル層4の上表面から、半導体基板
11の表面よりやや下側に相当する位置までの間には、
P型分離拡散領域2及び5が設けられている。P型分離
拡散領域2は、半導体基板11の表面よりやや下側の位
置から、N型エピタキシャル層4の途中までの範囲に形
成されており、P型分離拡散領域5は、分離拡散領域2
の上側に、N型エピタキシャル層4の上表面に達するよ
うに形成されている。
【0110】P型分離拡散領域2及び5は、N型エピタ
キシャル層4を複数の領域に、図示する例では5つの領
域に電気的に分離し、且つ両端の領域の外側も電気的に
分離するように配設されている。分離拡散領域2及び5
にて分離された5つの領域のうち、図の中の左側の4つ
が、フォトダイオードとしての光検出部D1、D2、D
3及びD5となっており、一方、図の中の右端の領域
が、信号処理回路としてのNPNトランジスタとなって
いる。
【0111】分離された光検出部D1、D2、D3及び
D5の各N型エピタキシャル層4の上層部には、N型拡
散領域6が形成されている。光検出部D1及びD5は、
トラッキング誤差信号TESを得るためのものであり、
これらの光検出部D1及びD5には、ほぼその中央部に
光が照射される。また、光検出部D2及びD3は、フォ
ーカス誤差信号FESを得るためのものであり、これら
光検出部D2及びD3には、その分割部を中心として光
が照射される。
【0112】また、NPNトランジスタを構成する領域
には、半導体基板11とN型エピタキシャル層4とにわ
たってN型埋め込み拡散領域7が形成されている。ま
た、N型エピタキシャル層4の上層部には、べースとな
るP型拡散領域8、エミッタやコレクタ取り出し拡散領
域となるN型拡散領域9及び10が、形成されている。
【0113】N型エピタキシャル層4の上には、酸化膜
12が設けられており、その酸化膜12の上には、酸化
膜12を貫通して基板電位を取出す電極13が7箇所に
設けられている。ここで、電極を、図の左側からそれぞ
れ13a、13b、13c、13d、13e、13f、
13gとすると、電極13a〜13dの設置箇所は、光
検出部の領域においては、光検出部D2とD3との間の
領域を除いた分離拡散領域5の上部である。また、電極
13e〜13gは、NPNトランジスタを構成する領域
におけるP型拡散領域8及びN型拡散領域9及び10の
上部に形成されている。
【0114】光検出部の領域における各電極13a〜1
3dの下端は、P型分離拡散領域5に達している。ま
た、NPNトランジスタを構成する領域における各電極
13e〜13gは、各々P型拡散領域8及びN型拡散領
域9及び10に達している。また、電極13a〜13c
が設けられた左側3つの分離拡散領域に対応する箇所に
は、分離拡散領域2の下側に、P型埋め込み拡散領域3
が形成されている。更に、分離拡散領域2及び5からな
る右側2つの部分の間には、これら分離拡散領域を内部
に含むP型埋め込み拡散領域31が、N型埋め込み拡散
領域7の下側に形成されている。
【0115】次に、このような構成の分割フォトダイオ
ードの作製方法を、図12(a)〜(b)の断面図を参
照して以下に説明する。なお、図11と図12(a)〜
(b)とにおいて、同じ構成要素には同じ参照番号を付
している。
【0116】まず、図12(a)に示すように、例えば
シリコン基板からなるP型高比抵抗半導体基板11の表
面において、光検出部D1〜D5を分割する分割部とな
る領域のうちで、実使用状態で光が照射される光検出部
D2及びD3の間の分割部以外の領域に、P型埋め込み
拡散領域3を形成する。
【0117】次に、信号処理回路が形成される予定領域
に、P型埋め込み拡散領域31を形成する。このP型埋
め込み拡散領域31は、基板11の比抵抗が高いことに
よって発生し易くなるラッチアップ現象を防止するため
のものである。なお、本実施形態では、P型埋め込み拡
散領域3とP型埋め込み拡散領域31とを別々に形成し
ているが、本発明はこれに限らず、P型埋め込み拡散領
域3及び31を同時に形成してもなんら問題はない。む
しろ、P型埋め込み拡散領域3とP型埋め込み拡散領域
31を同時に形成した方が、製造工程が削減でき且つ製
造コストを低減できるというメリットがある。
【0118】次に、光検出部D1〜D5を分割する各分
割部と、信号処理回路部の各デバイスを分割する各部分
とに、P型埋め込み拡散領域2を形成する。このとき、
信号処理回路が形成される予定領域の一部に、NPNト
ランジスタのコレクタ抵抗を低減するためのN型埋め込
み拡散領域7が形成される。
【0119】次に、図12(b)に示すように、P型半
導体高比抵抗基板11の表面全面に、N型エピタキシャ
ル層4を形成する。続いて、N型エピタキシャル層4の
内部においてP型分離拡散領域2に対応する部分に、P
型分離拡散領域5を形成する。このP型分離拡散領域5
は、N型エピタキシャル層4の表面からP型分離拡散領
域2に達するように形成される。なお、分離拡散領域2
は、この工程において、基板11側から拡散によりN型
エピタキシャル層4へ広がる。これにより、N型エピタ
キシャル層4が複数のN型半導体領域に電気的に分離さ
れ、各光検出部D1〜D5(但しD4は不図示)と、電
気的に分離された信号処理回路とが、形成される。
【0120】続いて、N型エピタキシャル層4の表面の
分割フォトダイオード部分に、N型拡散領域6を形成す
る。このN型拡散領域6は、フォトダイオードの直列抵
抗を低減することでCR時定数を低減し、高速応答性を
得る目的で形成される。また、信号処理回路部において
は、N型エピタキシャル層4の表面の所定の位置に、べ
ースとなるP型拡散領域8や、エミッタ或いはコレクタ
取り出し拡散領域となるN型拡散領域9及び10が、順
次形成される。
【0121】次に、図11に示すように、酸化膜12及
び電極13a〜13gを形成する。これにより、図11
に示す本実施形態の光検出用分割フォトダイオードが得
られる。
【0122】このようにして製造された分割フォトダイ
オードにおいては、光検出用分割フォトダイオード部と
信号処理回路部とが同一シリコン基板上に形成されてい
る。これにより、両者を別々に形成する場合に比べてサ
イズが小さくなり、光ピックアップ装置の小型化が達成
される。
【0123】また、同一基板上に光検出用分割フォトダ
イオード部と信号処理回路部とを形成するために、分割
フォトダイオード部と信号処理回路部とをメタル配線で
結線することが可能になる。これにより、両者間をワイ
ヤで結線する場合に比べて、外来ノイズに対する耐性に
優れるとともに、高速動作時に、ワイヤのインダクタン
ス等に起因する特性の劣化が生じない。さらに、フォト
ダイオードと信号処理回路とを短いメタル配線で結線で
きるために、配線容量が小さくでき、高速動作が可能と
なる。
【0124】図13は、図8に示すダミーフォトダイオ
ードを備える分割フォトダイオードに、本実施形態の上
述した構成を適用した場合の構成を示す断面図である。
この図示する例においても、分割フォトダイオード部と
信号処理回路部とが同一シリコン基板上に形成されてい
る。
【0125】上述した本発明によれば、種々の構造の分
割フォトダイオードにおいて、光検出用分割フォトダイ
オード部と信号処理回路部とを同一の基板上に形成する
ことができる。
【0126】本実施形態において、N型エピタキシャル
層4は、N型エピタキシャル層4とP型半導体基板11
との界面に発生するボロンのオートドープ層からの影響
を防止するように、N型エピタキシャル層4の不純物濃
度を5×1015atoms/cm3以上として形成す
る。
【0127】先に述べたように、N型エピタキシャル層
4を形成するエピタキシャル成長工程においては、P型
埋め込み拡散領域3及び31から不純物の外方拡散によ
る、ボロンのオートドープ現象が発生する。ボロンのオ
ートドープ層が発生すると、特にフォトダイオードの応
答速度を低下させる。そこで本実施形態においては、N
型エピタキシャル層4を5×1015atoms/cm3
以上の濃度に形成することにより、エピタキシャル成長
後の例えば分離拡散などの熱処理により、N型エピタキ
シャル層4の中のN型不純物であるリンをP型半導体基
板11側に拡散させることができる。これによって、ボ
ロンのオートドープ層がフォトダイオードに好ましくな
い影響を及ぼすことを、防止できる。
【0128】図14及び図15は、デバイスシミュレー
ションによって行った検討結果を示す図である。
【0129】具体的には、図14及び図15は、基板比
抵抗10000ΩcmのP型基板に3μmのN型エピタ
キシャル層を成長させた構造におけるデバイスシミュレ
ーション結果を示しており、図中の深さ方向0μmと
は、基板とエピタキシャル層との界面を表している。ま
た、基板とエピタキシャル層との界面には、表面不純物
濃度が5.0×1014atoms/cm3程度であるボ
ロンのオートドープ層を、故意に発生させている。図1
4は、N型エピタキシャル層4の不純物濃度が1.7×
1015atoms/cm3の場合のフォトダイオード部
分の深さ方向の不純物濃度プロファイルであり、図15
は、N型エピタキシャル層4の不純物濃度が5.0×1
15atoms/cm3の場合のフォトダイオード部分
の深さ方向の不純物濃度プロファイルである。
【0130】図15に示すように、N型エピタキシャル
層4の不純物濃度が5.0×1015atoms/cm3
であれば、N型エピタキシャル層4の下部には、約5.
0×1013atoms/cm3で幅約1μmのオートド
ープ層のみしか存在しない。このオートドーブ層は、フ
ォトダイオードの印加される逆バイアス1.5Vで、完
全に空乏層化される。従って、フォトダイオード容量の
増大や応答速度の低下などの問題は、生じない。
【0131】これより、N型エピタキシャル層4を5×
1015atoms/cm3以上の濃度に形成することに
より、ボロンのオートドープ層によるフォトダイオード
の応答速度の低下を、防止することができる。
【0132】しかし、N型エピタキシャル層4の不純物
濃度を更に高濃度化していくと、弊害が発生する。すな
わち、分割フォトダイオードの周辺部分に形成されたN
PNトランジスタにおいて、そのコレクタ−エミッタ間
の耐圧特性が低下する。図16に、その結果を示す。図
16より理解されるように、N型エピタキシャル層4の
不純物濃度が13×1015atoms/cm3となると
耐圧が5Vを下回り、電源電圧が5V系である製品に対
応できなくなる。
【0133】従って、N型エピタキシャル層4の不純物
濃度は、5×1015atoms/cm3から13×10
15atoms/cm3の範囲に設定されることが好まし
い。
【0134】(第6の実施の形態)本実施形態では、埋
め込み拡散領域の形成が省略されている構成を説明す
る。
【0135】図17は、本実施形態にかかる分割フォト
ダイオードを示す断面図である。この分割フォトダイオ
ードは、基本的には図1に示した分割フォトダイオード
に類似した構成を有しているが、分離拡散領域2が、そ
の下端が基板11の表面よりも更に下方にまで下がった
位置に到達するように、形成されている。このような形
状的な特徴を有するように形成された分離拡散領域2a
が、埋め込み拡散領域と同じ機能を発揮する。このよう
な横方向に広がりの少ない深い拡散領域2aは、例えば
約1MeV(不純物濃度のピークの深さRP=2.32
μm、不純物の深さ方向のσ値ΔRP=0.18μm)
或いはそれよりも高エネルギーのイオン注入で、形成さ
れる。
【0136】このように構成した場合においても、図1
の分割フォトダイオードと同様の作用効果が得られる。
但し、図1の分割フォトダイオードと同様の作用効果を
得るためには、分離拡散領域2aの下端を、図1に示し
た分割フォトダイオードにおける埋め込み拡散領域3の
下端と同等の位置に配置させることが好ましい。
【0137】なお、以上の説明では、本実施形態の構成
上の特徴を図1の分割フォトダイオードに適用している
が、本実施形態の技術的特徴の適用はこれに限られず、
他の構成の分割フォトダイオードにも適用可能である。
例えば、図3、図4及び図10の分割フォトダイオード
に適用され得るほか、更には、図11や図13に示すよ
うに同一基板上に信号処理回路とともに形成されている
分割フォトダイオード部に対しても、同様に適用でき
る。
【0138】以上の説明では、半導体基板11及び分離
拡散領域2及び5などをP型導電型とし、エピタキシャ
ル層4及び拡散領域6などをN型導電型としているが、
本発明の適用はこれに限られない。逆に、半導体基板1
1及び分離拡散領域2及び5などをN型導電型とし、エ
ピタキシャル層4及び拡散領域6などをP型導電型とし
てもよいことは、もちろんである。
【0139】また、上記の説明では、図18に示した5
つの光検出部を有する分割フォトダイオードの構成を例
にとって本発明を説明しているが、本発明の適用はこれ
に限らず、少なくとも分割部を介して隣接して当該分割
部に光が照射される複数の光検出部の組合せを有する分
割フォトダイオードであれば、具体的な構成が異なって
いても、適用することが可能である。
【0140】例えば、図26(a)にパターンAとして
示しているのは、図18に示した分割フォトダイオード
の5つの光検出部D1〜D5の配置である。この配置に
代えて、図26(b)にパターンBとして示すような、
2つの光検出部Da及びDcに挟まれて4つの光検出部
の組合せDbが存在する分割フォトダイオードの配置に
対しても、本発明は適用可能であり、以上で説明したも
のと同様の効果を奏する。なお、図26(b)の配置に
おいて、光検出部の組合せDbが、図26(a)の組合
せにおける一対の光検出部D2及びD3のペアに対応し
ている。また、図26(a)及び(b)の中に描かれて
いる丸印(○印)は、それぞれ光照射位置を示してい
る。
【0141】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、分割フォトダイオードの基板電位を取出す分離拡散
領域の下部の半導体基板内に、印加される逆バイアスに
よって分離拡散領域の下部の半導体基板が空乏層化しな
いように、埋め込み拡散領域を設けている。このため、
空乏層化によるフォトダイオードの直列抵抗の増大化が
発生せず、フォトダイオードの遮断周波数を向上でき
て、分割フォトダイオードの応答速度を高速化できる。
【0142】また、半導体基板の比抵抗を高くすること
によって、分割部を介して隣接する複数の半導体領域の
組合せの当該分割部に光が照射される場合に、空乏層の
拡がりを大きくできるので、空乏層の端部が分離拡散領
域の下部側へ大きく拡がる。この結果、光キャリアの迂
回を抑制して、拡散による移動距離を短くすることがで
きる。これによっても、遮断周波数が向上され、分割フ
ォトダイオードの応答速度を高速化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における分割フォトダ
イオードの構成を示す断面図である。
【図2】(a)〜(b)は、図1の分割フォトダイオー
ドの製造工程を示す断面図である。
【図3】光キャリアがP型埋め込み拡散領域を迂回する
場合の光キャリアの動きを模式的に示す図である。
【図4】光キャリアがP型分離拡散領域を迂回する場合
の光キャリアの動きを模式的に示す図である。
【図5】本発明において、埋め込み拡散領域により遮断
周波数の向上に寄与する基板の比抵抗の効果を説明する
図である。
【図6】ボロンのオートドープ現象を説明する略断面図
である。
【図7】ボロンのオートドープが発生した場合におけ
る、フォトダイオード中心部における深さ方向の電子に
対するポテンシャル図である(図6のx−x’部の不純
物プロファイル)。
【図8】本発明の第2の実施形態における分割フォトダ
イオードの構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における分割フォトダ
イオードの構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態における分割フォト
ダイオードの構成を示す断面図である。
【図11】本発明の第5の実施形態における分割フォト
ダイオードの構成を示す断面図である。
【図12】(a)〜(b)は、図11の分割フォトダイ
オードの製造工程を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態における分割フォト
ダイオードの別の構成を示す断面図である。
【図14】N型エピタキシャル層の不純物濃度が1.7
×1015atoms/cm3の場合の不純物濃度プロフ
ァイルである。
【図15】N型エピタキシャル層の不純物濃度が5.0
×1015atoms/cm3の場合の不純物濃度プロフ
ァイルである。
【図16】N型エピタキシャル層の不純物濃度に対する
NPNトランジスタの耐圧特性を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施形態における分割フォト
ダイオードの構成を示す断面図である。
【図18】ホログラム素子を用いた光ピックアップ装置
の光学系の構成図である。
【図19】従来技術における分割フォトダイオードの構
成を示す断面図である。
【図20】(a)〜(b)は、図19の分割フォトダイ
オードの製造工程を示す断面図である。
【図21】(a)は、図19の分割フォトダイオードの
一部の断面図であり、(b)は、図19の分割フォトダ
イオードにおける遮断周波数の光ビーム位置依存性を示
す図である。
【図22】図19の分割フォトダイオードにおいて、光
ビームが分割フォトダイオードの分割部近傍を照射する
状態におけるデバイスシミュレーションの結果を示す図
である。
【図23】図19の分割フォトダイオードにおいて、分
割部の深さ方向のポテンシャルを示すデバイスシミュレ
ーションの結果を示す図である。
【図24】従来技術における分割フォトダイオードの別
の構成を示す断面図である。
【図25】図19の分割フォトダイオードにおける、フ
ォトダイオード直列抵抗を説明する断面図である。
【図26】(a)及び(b)は、本発明が適用可能な分
割フォトダイオードの光検出部の配置の例を、それぞれ
模式的に示す図である。
【符号の説明】
2、5 P型分離拡散領域 3、31 P型埋め込み拡散領域 4 N型エピタキシャル層 6 N型拡散領域 11 P型高比抵抗半導体基板 12 酸化膜 13、13a、13b、13c、13d、13e、13
f、13g 電極 D1、D2、D3、D4、D5、Da、Db、Dc 光
検出部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−35559(JP,A) 特開 平8−18093(JP,A) 特開 平8−32100(JP,A) 特開 平6−275861(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/10

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、 該半導体基板の上に形成された第2導電型の半導体層
    と、 該半導体層の該半導体基板とは反対側の表面から該半導
    体基板の表面下に達するように複数箇所に形成され、該
    半導体層を少なくとも3つ以上の第2導電型の半導体領
    域に分割する、少なくとも1層からなる複数の第1導電
    型の分離拡散領域と、を備える分割ダイオードであっ
    て、 該分離拡散領域にて分割された該少なくとも3つ以上の
    半導体領域のうちで、分割部を介して隣接する複数の半
    導体領域の組合せに対しては、該分割部の近傍に光が照
    射され、また、該複数の半導体領域の組合せ以外の他の
    半導体領域に対しては、そのほぼ中央部に光が照射さ
    れ、 該分離拡散領域のうちで、該複数の半導体領域の組合せ
    の該分割部にある特定の分離拡散領域を除いた他の分離
    拡散領域の下側に、第1導電型の第1の埋め込み拡散領
    域がさらに設けられていて、印加される逆バイアスによ
    って該他の分離拡散領域の下部の該半導体基板の空乏層
    化が抑制されている、分割フォトダイオード。
  2. 【請求項2】 前記複数の半導体領域の組合せの前記分
    割部にある前記特定の分離拡散領域の下側では、前記第
    1の埋め込み拡散領域の形成が省略されている、請求項
    1に記載の分割フォトダイオード。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板は100Ωcm以上の比
    抵抗を有する、請求項1または2に記載の分割フォトダ
    イオード。
  4. 【請求項4】 前記第1の埋め込み拡散領域が形成され
    ている前記他の分離拡散領域の上に、該第1の埋め込み
    拡散領域への迷光の照射を抑制する遮光膜が形成されて
    いる、請求項1から3のいずれか一つに記載の分割フォ
    トダイオード。
  5. 【請求項5】 前記第1の埋め込み拡散領域が、その拡
    散深さ(Xj)をXj≧5μmとして形成されている、
    請求項1から4のいずれか一つに記載の分割フォトダイ
    オード。
  6. 【請求項6】 前記第1の埋め込み拡散領域が、その表
    面濃度を1×1017atoms/cm3以下にして形成
    されている、請求項1から5のいずれか一つに記載の分
    割フォトダイオード。
  7. 【請求項7】 前記第1の埋め込み拡散領域と前記他の
    分離拡散領域とが、両者の接する部分の濃度を5×10
    14atoms/cm3以上として形成されている、請求
    項1から6のいずれか一つに記載の分割フォトダイオー
    ド。
  8. 【請求項8】 前記第1の埋め込み拡散領域と前記他の
    分離拡散領域とが、該他の分離拡散領域の端部のうちで
    前記分割部に位置する前記特定の分離拡散領域に近い側
    の端部と、該第1の埋め込み拡散領域の端部と、を接触
    して形成されている、請求項1から7のいずれか一つに
    記載の分割フォトダイオード。
  9. 【請求項9】 前記半導体基板及び前記半導体層が、前
    記少なくとも3つ以上の半導体領域よりも広い範囲に存
    在しており、該半導体領域の外側に信号処理回路が形成
    されている、請求項1から8のいずれか一つに記載の分
    割フォトダイオード。
  10. 【請求項10】 前記信号処理回路が第1導電型の第2
    の埋め込み拡散領域を有しており、該第2の埋め込み拡
    散領域は、前記第1の埋め込み拡散領域と同時に形成さ
    れる、請求項9に記載の分割フォトダイオード。
  11. 【請求項11】 前記第1の埋め込み拡散領域からのボ
    ロンのオートドープを防止するために、該第2導電型の
    半導体層の不純物濃度が5×1015atoms/cm3
    以上に設定されている、請求項9または10に記載の分
    割フォトダイオード。
  12. 【請求項12】 第1導電型の半導体基板と、 該半導体基板の上に形成された第2導電型の半導体層
    と、 該半導体層の該半導体基板とは反対側の表面から該半導
    体基板の表面下に達するように複数箇所に形成され、該
    半導体層を少なくとも3つ以上の第2導電型の半導体領
    域に分割する、少なくとも1層からなる複数の第1導電
    型の分離拡散領域と、を備える分割ダイオードであっ
    て、 該分離拡散領域にて分割された該少なくとも3つ以上の
    半導体領域のうちで、分割部を介して隣接する複数の半
    導体領域の組合せに対しては、該分割部の近傍に光が照
    射され、また、該複数の半導体領域の組合せ以外の他の
    半導体領域に対しては、そのほぼ中央部に光が照射さ
    れ、 該分離拡散領域のうちで、該複数の半導体領域の組合せ
    の該分割部にある特定の分離拡散領域が該半導体基板の
    表面下に浅く形成されており、他の分離拡散領域が該半
    導体基板の表面下に深く形成されている、分割フォトダ
    イオード。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板及び前記半導体層が、
    前記少なくとも3以上の半導体領域よりも広い範囲に存
    在しており、該半導体領域の外側に信号処理回路が形成
    されている、請求項12に記載の分割フォトダイオー
    ド。
  14. 【請求項14】 前記信号処理回路が第1導電型の埋め
    込み拡散領域を有している、請求項13に記載の分割フ
    ォトダイオード。
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