JP4014384B2 - 半導体受光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置等に使用される複数の受光部で構成された半導体受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
フォトダイオード、フォトダイオードIC(集積回路)等の半導体受光素子は、例えば光ピックアップ装置に用いられている。光ピックアップ装置において、半導体受光素子は光検出部として用いられており、光検出部の出力信号に基づいて光学記録媒体上の情報の再生、焦点誤差の検出およびトラッキング誤差の検出が行われる。
【0003】
上記の光検出部として、6個の受光部を有する半導体受光素子がよく使用されている。6個の受光部を有する半導体受光素子においては、中央部に4個の受光部が設けられ、両側にそれぞれ1個の受光部が設けられている。この他、8個の受光部で構成された半導体受光素子が使用される場合もある。例えば特開平10−241190号に開示された半導体受光素子においては、中央部に6個の受光部が設けられ、両側にそれぞれ1個の受光部が設けられている。
【0004】
代表的な光ピックアップ装置としては、光源、集光レンズ、3分割用回折素子、ホログラム光学素子および半導体受光素子を備えたものが挙げられる。
【0005】
光源は光束を光学記録媒体に向かって出射する。光源より出射された光束は、3分割用回折素子およびホログラム光学素子を透過し、集光レンズにより光学記録媒体へ集光される。そして、光束は光学記録媒体により反射され、再び集光レンズに入射する。集光レンズを透過した光束はホログラム光学素子により回折され、半導体受光素子へ入射する。半導体受光素子は、入射した光束に基づき各種情報を検出する。
【0006】
ここで、光束は3分割用回折格子により3本の光束に分割されている。これはトラッキング誤差の検出を行うための一手法であり、3ビーム法と呼ばれている。3ビーム法においては、光源から出射された光束は、主に情報の再生および焦点誤差の検出を目的とした1本の主光束と、トラッキング誤差の検出を目的とした2本の副光束とに分割される。
【0007】
図6(a)は、従来の半導体受光素子の構造を示す平面図である。図6(a)に示すように、半導体受光素子500においては、正方形の4個の受光部7a,7b,7c,7dが中央部に形成され、この両側に受光部8a,8bが形成されている。中央部の4個の受光部7a,7b,7c,7dには比較的強い主光束BSが入射し、これらの受光部7a,7b,7c,7dの出力信号に基づき焦点誤差の検出および情報の再生が行われる。一方、両側の受光部8a,8bには、比較的弱い副光束BFが入射し、これらの受光部8a,8bの出力信号に基づきトラッキング誤差の検出が行われる。
【0008】
図6(b)は、図6(a)中の半導体受光素子のJA−JA線断面を示している。図6(b)に示すように、本実施の形態に係る半導体受光素子500においては、p基板11上にi層(真性半導体層)12が形成され、i層12上にn層13が形成され、n層13の表面に複数のn+ 層14が所定間隔をおいて形成されている。さらに、複数のn+ 層14間においては、n層13の表面からi層12の内部にかけてp+ 分離層15が形成されている。
【0009】
p+ 分離層15は深く形成され、p+ 分離層15の最下部はp基板11に達している。p基板11と複数のn+ 層14との間に逆バイアス電圧を印加することにより、i層12の内部は空乏化している。
【0010】
p+ 分離層15は、半導体受光素子500を電気的に6個の受光部7a,7b,7c,7d,8a,8bに分離する。ここで、図6(b)の複数のn+ 層14は、図6(a)の受光部8a,7c,7d,8bに相当する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上に示した半導体受光素子500は、その構造上種々の課題を有する。以下に、図7に基づき従来の半導体受光素子500についての課題を説明する。図7は、従来の半導体受光素子の中央部に光束が入射した場合の半導体受光素子内部のキャリアの挙動を示す模式的断面図である。
【0012】
図7に示す半導体受光素子500においては、p+ 分離層15が素子表面からi層12を通してp基板11にまで達している。半導体受光素子500の製造過程においては、このような深いp+ 分離層15はp基板11上よりi層12およびn層13とともに成長させて形成される。このため、p+ 分離層15は、p基板11上でi層12およびn層13とともに成長する過程で横方向に拡散し、幅を持って形成される。
【0013】
半導体受光素子の応答速度を高速化するためには、受光部の面積を小さくして浮遊容量を減らすことが必要とされるが、半導体受光素子500においては上記に示す理由によりp+ 分離層15の幅を縮小することが困難である。そのため、半導体受光素子500そのものの受光面(全パターン)を比例して縮小することができない。したがって、従来の半導体受光素子500においては、小型化が困難である。
【0014】
次に、p+ 分離層15上に光束が入射した場合の半導体受光素子500内部におけるキャリアの挙動について説明する。
【0015】
半導体受光素子500においては、受光時に4つの受光部7a,7b,7c,7dのほぼ中央部に光束が入射する。その場合、必ず4つの受光部7a,7b,7c,7d間のp+ 分離層15にも光束が入射する。
【0016】
図7において、中央部のp+ 分離層15の表面に光束Lが入射する場合、p+分離層15内で発生するキャリア(電子)は、p+ 分離層15内を空乏化したi層12まで拡散により移動した後、加速されてn層13およびn+ 層14に向かって移動する。なお、この場合、p+ 分離層15内での拡散によるキャリアの移動速度が遅いため、応答速度が低下する。このように、従来の半導体受光素子500においては、中央部の受光部7a,7b,7c,7dの応答速度が遅くなる。
【0017】
さらに、図6(a)において、半導体受光素子500全体を縮小できた場合、中央部における受光部7a,7b,7c,7dとその両側の受光部8a,8bとが非常に近接する。そして、中央部の受光部7a,7b,7c,7dに強い主光束が入射するので、主光束により発生したキャリアがp+ 分離層15を通して、両側の受光部8a,8bに移動する。
【0018】
これにより、中央部の受光部7a,7b,7c,7dから両側の受光部8a,8bに漏れ電流(クロストーク)が発生する。両側の受光部8a,8bに入射する副光束の強度は微弱であるため、両側の受光部8a,8bに接続された増幅器の利得は大きく設定されている。そのため、漏れ電流は受光部8a,8bの出力信号に大きな影響を与える。
【0019】
本発明の目的は、小型化および光信号の応答速度の向上が可能な半導体受光素子を提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は、小型化および光信号の応答速度の向上が可能であるとともに、クロストークの抑制が可能な半導体受光素子を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明に係る半導体受光素子は、第1導電型の基板上に真性半導体層を介して第1導電型とは逆の第2導電型の複数の受光部が形成され、複数の受光部は第1導電型の分離層により分離され、分離層は、表面から深さ方向において基板に達することなく真性半導体層内まで延びるものである。
【0022】
本発明に係る半導体受光素子においては、第1導電型とは逆の第2導電型の複数の受光部が、表面から深さ方向において基板に達することなく真性半導体層内まで延びる第1導電型の分離層により電気的に分離される。
【0023】
そのため、分離層に光束が入射した場合、キャリアが分離層の下方の真性半導体層内で発生する。真性半導体層内で発生したキャリアは真性半導体層内を第2導電型の受光部に向かって加速されて移動するので、キャリアの移動速度の低下が生じない。したがって、応答速度が向上する。
【0024】
また、分離層の深さが浅いので、基板上に真性半導体層および受光部を形成した後に、キャリアの埋め込みにより分離層を形成することができる。それにより、分離層の幅を小さくすることができ、半導体受光素子全体を縮小することができる。その結果、半導体受光素子の小型化が可能となる。また、半導体受光素子全体を縮小して受光部の面積を小さくすることにより浮遊容量を減らすことができるので、受光部の応答速度をさらに向上させることができる。
【0025】
分離層は、共通の光束を受ける受光部間に位置する第1の分離層を含んでもよい。
【0026】
この場合、共通の光束を受ける受光部間が浅い第1の分離層により電気的に分離される。これにより、受光部間の第1の分離層に光束が入射しても応答速度が低下しない。また、浅い第1の分離層を真性半導体層および受光部の形成後にキャリアの埋め込みにより形成することができるので、半導体受光素子全体を縮小して受光部の面積を小さくすることも容易となる。
【0027】
分離層は、異なる光束を受ける受光部間に位置する第2の分離層を含んでもよい。
【0028】
この場合、異なる光束を受ける受光部間が浅い第2の分離層により分離される。これにより、受光部間の第2の分離層の下方でキャリアが発生しても応答速度が低下しない。また、浅い第2の分離層を真性半導体層および受光部の形成後にキャリアの埋め込みにより形成することができるので、半導体受光素子全体を縮小して受光部の面積を小さくすることも容易となる。
【0029】
第2の分離層と基板との間における真性半導体層内に、第2導電型の埋め込み層が設けられてもよい。
【0030】
これにより、分離層間で一の受光部の下方の領域に発生するキャリアの一部が隣接する他の受光部の下方の領域へ漏れ出る前に第2導電型の埋め込み層に吸収されるので、異なる光束を受ける受光部間でのクロストークの発生が防止される。
【0031】
第2の分離層は、異なる強度を有する光束を受ける受光部間に位置してもよい。
【0032】
この場合、大きな強度の光束を受ける受光部の下方の領域に発生するキャリアが、小さな強度の光束を受ける受光部の下方の領域に漏れ出ることが防止される。それにより、大きな強度の光束が小さな強度の光束を受ける受光部の出力信号に影響を与えることが防止される。
【0033】
複数の受光部からなる集合領域を周囲の領域から分離する第3の分離層がさらに設けられ、第3の分離層は、表面から真性半導体層を通して基板に達するように深さ方向に延びてもよい。
【0034】
この場合、深い第3の分離層により複数の受光部からなる集合領域が周囲の領域から分離される。これにより、深い第3の分離層により周囲の領域との間で確実な電気的分離を行うことが可能となる。その結果、半導体集積回路への組み込みが可能となる。
【0035】
基板、真性半導体層および受光部は、フォトダイオードを構成してもよい。この場合、小型化および光信号の応答速度の向上が可能なフォトダイオードが実現する。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る半導体受光素子は、例えば光ピックアップ装置に用いられる。光ピックアップ装置において、半導体受光素子は光検出部として用いられており、光検出部の出力信号に基づいて光学記録媒体上の情報の再生、焦点誤差の検出およびトラッキング誤差の検出が行われる。
【0037】
まず、光ピックアップ装置の構造および動作を図1に基づき説明する。図1は、光ピックアップ装置の概略図である。図1に示す光ピックアップ装置800は、ホログラムユニット850および集光レンズ807により構成される。
【0038】
この光ピックアップ装置800は、非点収差法によるフォーカスサーボおよび3ビーム法によるトラッキングサーボの制御機構を有するものである。
【0039】
ホログラムユニット850において、ステム803上に放熱ブロック804が配置され、放熱ブロック804の側面にサブマウント802が取り付けられ、サブマウント802上に半導体レーザ素子801が取り付けられている。放熱ブロック804の上面に本実施の形態に係る半導体受光素子100が配置されており、放熱ブロック804を取り囲むようにキャップ808が設けられている。
【0040】
キャップ808の上面の開口部には、ホログラム光学素子806が配置されている。ホログラム光学素子806の下面には3分割用回折格子805が設けられ、ホログラム光学素子806の上面のホログラム面810にはホログラムパターンが形成されている。
【0041】
図1において、半導体レーザ素子801は光束を光ディスク888に向かって出射する。半導体レーザ素子801より出射された光束は、3分割用回折格子805およびホログラム光学素子806を透過する。ここで、光束は3分割用回折格子805により、3本の光束(図1においては1本の光束として図示)に分割される。これはトラッキング誤差の検出を行うための一手法であり、3ビーム法と呼ばれている。
【0042】
このように3ビーム法においては、半導体レーザ素子801より出射された光束は、主に情報の再生および焦点誤差の検出を目的とした1本の主光束と、トラッキング誤差の検出を目的とした2本の副光束とに分割される。
【0043】
ホログラム光学素子806を透過した3本の光束は、集光レンズ807によって光ディスク888上にそれぞれ集光される。この集光レンズ807は、トラッキング動作およびフォーカス動作のため、アクチュエータ809により所定の方向に移動可能に支持されている。
【0044】
光ディスク888は3本の光束を反射する。光ディスク888からの3本の帰還光束(反射光束)は、ホログラム面810におけるホログラムパターンにより回折され、半導体受光素子100に入射する。以上のように用いられる半導体受光素子100の構造および動作を図1〜図5に基づき説明する。
【0045】
(第1の参考の形態)
図2(a)は、第1の参考の形態に係る半導体受光素子の構造を示す平面図である。図2(a)に示すように、半導体受光素子100においては、正方形の4個の受光部b,c,e,fが中央部に形成され、この両側に受光部a,dが形成されている。中央部の4個の受光部b,c,e,fには、比較的強い主光束BSが入射し、これらの受光部a,b,c,dの出力信号に基づき焦点誤差の検出および情報の再生が行われる。一方、両側の受光部a,dには、比較的弱い副光束BFが入射し、これらの受光部a,dの出力信号に基づきトラッキング誤差の検出が行われる。
【0046】
図2(b)は、図2(a)中の半導体受光素子のA−A線断面を示している。図2(b)に示すように、本実施の形態に係る半導体受光素子100においては、p基板1上にi層(真性半導体層)2が形成され、i層2上にn層3が形成され、n層3の表面にn+ 層4a,4b,4c,4dが所定間隔をおいて形成されている。さらに、n+ 層4a,4b,4c,4d間において、n層3の表面からi層2の内部にかけてp+ 分離層5が形成されている。
【0047】
p+ 分離層5は浅く形成され、p+ 分離層5の最下部はp基板1に達することなくi層2内部に位置する。p基板1とn+ 層4a,4b,4c,4dとの間に逆バイアス電圧を印加することにより、i層2の内部は空乏化している。
【0048】
半導体受光素子100の製造工程においては、p基板1上にi層2およびn層3を気相成長法などにより成長させる。この場合に、i層2およびn層3の結晶成長の後工程でn層3にキャリアを埋め込むことによりp+ 分離層5を形成する。それにより、p+ 分離層5の横方向への拡散を少なくし、幅を縮小することができ、半導体受光素子100の小型化が容易となる。
【0049】
図3は、第1の参考の形態に係る半導体受光素子の構造および光束がp+ 分離層上に入射した場合のキャリアの挙動を示す模式的断面図である。
【0050】
図3に示すように、半導体受光素子100のn+ 層4b,4c間のp+ 分離層5上に光束Lが入射した場合に、p+ 分離層5の下部のi層2で発生するキャリア(電子)は、i層2が空乏化されているため、加速されてn層3およびn+ 層4a,4b,4c,4dへ向かって移動する。この場合、キャリアは拡散することなく直線的に移動する。このため、光検出の応答速度が向上する。
【0051】
(第1の実施の形態)
図4は、第1の実施の形態に係る半導体受光素子の構造および光束がn+ 層上に入射した場合のキャリアの挙動を示す模式的断面図である。
【0052】
本実施の形態に係る半導体受光素子200は、図2(a)に示した第1の参考の形態に係る半導体受光素子100と同一の平面構造を有し、中央部に4個の受光部b,c,e,fが形成され、この両側に受光部a,dが形成されている。ここで、各受光部a〜fに入射する光束は第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、以下に説明するように半導体受光素子200にn+ 埋め込み層6が含まれている。
【0053】
本実施の形態に係る半導体受光素子200は、第1の参考の形態に係る半導体受光素子100と同様、前述の光ピックアップ装置に用いられる。
【0054】
図4の半導体受光素子200においては、p基板1上にi層2が形成され、i層2上にn層3が形成され、n層3の表面にn+ 層4a,4b,4c,4dが所定間隔をおいて形成されている。さらに、n+ 層4a,4b,4c,4d間においてn層3の表面からi層2の内部にかけてp+ 分離層5が形成されている。
【0055】
ここで、n+ 層4a,4b間およびn+ 層4c,4d間の領域において、i層2の内部におけるp+ 分離層5とp基板1との間に位置するように、n+ 埋め込み層6が形成されている。なお、i層2の内部は半導体受光素子100と同様に空乏化されている。
【0056】
次に、光束Lが図2(a)の中央部の受光部b,cに相当するn+ 層4b,4cにまたがって入射した場合のキャリアの挙動について説明する。
【0057】
半導体受光素子200に対し光束Lがn+ 層4b,4cにまたがって入射した場合、n+ 層4b,4c間に形成されているp+ 分離層5下部のi層2で発生するキャリアは、i層2が空乏化されているため、加速されてn層3およびn+ 層4b,4cへ向かって移動する。この場合、キャリアは拡散することなく直線的に移動する。このため、光検出の応答速度が向上する。
【0058】
ここで、中央部の受光部b,c,e,fとこれに隣接した受光部a,dとの間のp+ 分離層5の周辺で発生するキャリアの挙動を次に示す。
【0059】
n+ 層4a,4b間およびn+ 層4c,4d間に形成されているp+ 分離層5周辺のi層2で発生するキャリアは加速されてn+ 埋め込み層6に向かって移動する。これにより、中央部の受光部b,cであるn+ 層4b,4cとこれに隣接した受光部であるn+ 層4a,4dとの間が電気的に分離される。その結果、受光部n+ 層4b,4cに入射した光束に基づき発生したキャリアがn+ 層4a,4dに向かって移動することによるクロストークを低減することが可能となる。
【0060】
以上より、本実施の形態に係る半導体受光素子においては、浅いp+ 分離層5により光検出の応答速度が向上するとともに半導体受光素子全体が小型化できる。また、n+ 埋め込み層6によりクロストークが抑制される。その結果、p+ 分離層5の幅を狭めることが可能となり、さらなる小型化が図られる。
【0061】
(第2の実施の形態)
図5(a)は、第2の実施の形態に係る半導体受光素子の構造を示す平面図である。図5(b)は、図5(a)中の半導体受光素子のB−B線断面を示している。
【0062】
図5(a)に示すように、本実施の形態に係る半導体受光素子300は、図2(a)に示した第1の参考の形態に係る半導体受光素子100と同一の平面構造を有し、中央部に4個の受光部b,c,e,fが形成され、この両側に受光部a,dが形成されている。ただし、本実施の形態においては、各受光部a,b,c,d,e,f間が、浅い分離層領域S1により分離され、これらの受光部a,b,c,d,e,fを含む集合領域が、深い分離層領域S2により周囲の領域と分離されている。
【0063】
浅い分離層領域S1は、中央部の受光部b,c,e,f間、中央部の受光部b,eと一方側の受光部aとの間および中央部の受光部c,fと他方側の受光部dとの間に形成されている。そして、深い分離層領域S2は、中央部およびその両側の受光部a〜fの集合領域の外側を取り囲むように形成されている。本実施の形態に係る半導体受光素子300は、第1の参考の形態に係る半導体受光素子100と同様、上述の光ピックアップ装置に用いられる。
【0064】
図5(b)に示すように、本実施の形態に係る半導体受光素子300においては、p基板1上にi層2が形成され、i層2上にn層3が形成され、n層3の表面にn+ 層4a,4b,4c,4dが所定間隔をおいて形成されている。ここで、n+ 層4a,4b,4c,4d間の位置には浅いp+ 分離層9が形成されており、n+ 層4a,4dとその外側とを隔てる位置には深いp+ 分離層10が形成されている。
【0065】
浅いp+ 分離層9は、第1の参考の形態に係る半導体受光素子100のp+ 分離層5と同様に、n+ 層4a,4b,4c,4d間においてn層3の表面からi層2の内部にかけて浅く形成され、最下部はp基板1に達することなくi層2内部に位置する。また、深いp+ 分離層10は、n+ 層4a,4dとその外側とを隔てる位置において、n層3の表面からi層2を通してp基板1に達するように形成されている。
【0066】
ここで、n+ 層4a,4b間およびn+ 層4c,4d間の領域において、i層2の内部における浅いp+ 分離層9とp基板1との間に位置するように、n+ 埋め込み層6が形成されている。なお、i層2の内部は半導体受光素子100と同様に空乏化されている。
【0067】
上記に示す構成においては、半導体受光素子300の受光部a,b,c,d間の浅い分離層領域S1に光束が入射した場合のキャリアの挙動は、第2の実施の形態に係る半導体受光素子200のキャリアの挙動と同様である。
【0068】
一方、半導体受光素子300においては、深い分離層領域S2により受光部a,b,c,d,e,fを含む集合領域とその集合領域を取り囲む周囲の領域との間で確実に電気的な分離が行われるため、この半導体受光素子300を例えばフォトダイオード集積回路として他の素子または回路と複合化することができる。なお、当該半導体受光素子が他の素子に影響を与えない場合は、すべての分離層領域を、浅いp+ 分離層9で形成してもよい。
【0069】
以上の説明において、上面図における受光部は断面図におけるn+ 層と同一であり、また上面図における浅い分離層領域は浅いp+ 分離層と同一であり、深い分離層領域は深いp+ 分離層と同一である。
【0070】
上記、第1、第2の実施の形態及び第1の参考形態において、p型が第1の導電型に相当し、n型が第2の導電型に相当するが、第1の導電型がn型であって、第2の導電型がp型であってもよい。
【0071】
また、上述の実施の形態においては、半導体受光素子が6個の受光部を有するが、これに限らず受光部の個数はいくらであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ピックアップ装置の概略図である。
【図2】 第1の参考の形態に係る半導体受光素子の構造を示す平面図および断面図である。
【図3】 第1の参考の形態に係る半導体受光素子の構造および光束がp+ 分離層上に入射した場合のキャリアの挙動を示す模式的断面図である。
【図4】 第1の実施の形態に係る半導体受光素子の構造および光束がn+ 層上に入射した場合のキャリアの挙動を示す模式的断面図である。
【図5】 第2の実施の形態に係る半導体受光素子の構造を示す平面図および断面図である。
【図6】 従来における半導体受光素子の構造を示す平面図および断面図である。
【図7】 従来の半導体受光素子の中央部に光束が入射した場合の半導体受光素子内部のキャリアの挙動を示す模式的断面図である。
Claims (5)
- 第1導電型の基板上に真性半導体層を介して前記第1導電型とは逆の第2導電型の複数の受光部が形成され、前記複数の受光部は第1導電型の分離層により分離され、
前記分離層は、表面から深さ方向において前記基板に達することなく前記真性半導体層内まで延びるとともに、異なる光束を受ける受光部間に位置する第2の分離層を含み、
前記第2の分離層と前記基板との間における前記真性半導体層内には、第2導電型の埋め込み層が設けられていることを特徴とした半導体受光素子。 - 前記分離層は、共通の光束を受ける受光部間に位置する第1の分離層を含むことを特徴とした請求項1記載の半導体受光素子。
- 前記第2の分離層は、異なる強度を有する光束を受ける受光部間に位置することを特徴とした請求項1または2いずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記複数の受光部からなる集合領域を周囲の領域から分離する第3の分離層がさらに設けられ、前記第3の分離層は、表面から前記真性半導体層を通して前記基板に達するように深さ方向に延びることを特徴とした請求項1〜3いずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記基板、前記真性半導体層および前記受光部は、フォトダイオードを構成することを特徴とした請求項1〜4いずれかに記載の半導体受光素子。
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