JP2001144317A - 回路内蔵型受光素子 - Google Patents

回路内蔵型受光素子

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JP2001144317A
JP2001144317A JP32475099A JP32475099A JP2001144317A JP 2001144317 A JP2001144317 A JP 2001144317A JP 32475099 A JP32475099 A JP 32475099A JP 32475099 A JP32475099 A JP 32475099A JP 2001144317 A JP2001144317 A JP 2001144317A
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Naoki Fukunaga
直樹 福永
Isamu Okubo
勇 大久保
Masaru Kubo
勝 久保
Takahiro Takimoto
貴博 瀧本
Mutsumi Oka
睦 岡
Toshimitsu Kasamatsu
利光 笠松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合容量の低減と直列抵抗の低減とを同時に
実現し、かつ、応答速度が十分に高速なフォトダイオー
ドを有する回路内蔵型受光素子を提供する。 【解決手段】 半導体基板1の表面から遠ざかる方向に
向けて不純物濃度が次第に減少するオートドープ層2
と、深さ方向に均一な不純物濃度分布を有する低不純物
濃度層3を含む高比抵抗エピタキシャル層30を用い
て、フォトダイオードの接合容量を低減する。さらに、
分離拡散領域の埋め込み分離拡散層7の表面における不
純物濃度を、オートドープによって接合容量の増大が発
生しない程度に設定しても、フォトダイオードの直列抵
抗が低減されるように、P型埋め込み拡散層4の幅W
と、P型エピタキシャル層30の厚さTとを、W>2T
に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光電変換信号を処
理する回路を内蔵した回路内蔵型受光素子に関し、より
具体的には、入射光に基づいて上記光電変換信号を発生
するフォトダイオードにおいて、信号処理時における応
答速度の改善を可能とした構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク装置は、動画などの多
量のデータを高速で取り扱うようになってきている。例
えば、DVDを利用した光ディスク装置(DVD−RO
M装置)では、データの読み出し速度の高速化(等速か
ら倍速へ、など)が急速に進展してきており、今後は1
2倍速、更にはそれ以上の高速化が求められるものと考
えられる。このDVD−ROM装置では、一般に、信号
の読み出しのために、受光素子と、その受光素子によっ
て発生した光電変換信号を処理する信号処理回路とを同
一チップ上に集積させた光ピックアップチップが使用さ
れている。従って、DVD−ROM装置の動作の高速化
を実現するためには、そのような光ピックアップ(より
一般的には、回路内蔵型受光素子)に含まれる受光素子
の動作の高速化が、強く求められている。
【0003】従来より、光ピックアップに含まれる受光
素子においては、N型エピタキシャル(半導体結晶成
長)層とP型基板との間のPN接合、或いはN型エピタ
キシャル層とP型拡散層との間のPN接合が使用されて
きている。しかし、前者のN型エピタキシャル層とP型
基板との間のPN接合では、基板内で発生した光キャリ
アが拡散によって移動するので、応答速度が遅くなると
いう問題点がある。一方、後者のN型エピタキシャル層
とP型拡散層との間のPN接合では、N型エピタキシャ
ル層における不純物濃度に応じて接合容量が大きくなっ
て、応答速度が遅くなるという問題点がある。さらに、
後者のPN接合をDVD装置に適用した場合、DVD装
置で再生光として使用される波長650nmのレーザ光
の多くの部分が基板内にまで到達してしまうことから、
動作感度の低下が生じる。
【0004】このように、従来の回路内蔵型受光素子
は、回路を内蔵していない単体のpinフォトダイオー
ドに比較して、動作特性が劣る傾向にある。
【0005】以上のような問題点を解決する目的で、こ
れまでに、以下のような幾つかの構成が提案されてきて
いる。
【0006】図16に、特開昭61−154063号公
報に開示されている構成を示す。この構成では、P+
基板141の表面に、P型高不純物濃度層(オートドー
プ層)142aおよびP型低不純物濃度層142bを含
むP型エピタキシャル層142が形成されている。この
P型高不純物濃度層142aは、P型エピタキシャル層
142の成長時に、基板141から不純物の上方拡散
(オートドープ)が生じた領域に相当する。
【0007】P型エピタキシャル層142の上には、N
型エピタキシャル層143が形成されている。N型エピ
タキシャル層143には、その表面から下地のP型エピ
タキシャル層142に達するように、不純物濃度が高い
+分離拡散領域144が形成されている。この分離拡
散領域144によってN型エピタキシャル層143が幾
つかの領域に分離されている。
【0008】この分離されているN型エピタキシャル層
143の領域のうちのあるものは受光素子部180を構
成している。具体的には、分離されたN型エピタキシャ
ル層143とその下のP型エピタキシャル層142とで
形成されるPN接合によって、フォトダイオード180
が構成されている。一方、N型エピタキシャル層143
において受光素子部180と隣接する領域は信号処理回
路部190である。具体的には、図示されている例で
は、コレクタ抵抗を下げるための埋め込み領域145、
ベース領域147およびエミッタ領域148によってN
PNトランジスタ190が構成されている。これらの受
光素子部180および信号処理回路部190は、上述の
分離拡散領域144によって電気的に分離されている。
【0009】これらの構成の上面には、酸化物層149
が形成されている。そして、受光素子部(フォトダイオ
ード)180のコンタクト領域145には、酸化物層1
49に設けられたコンタクトホールを介して電極配線層
150aが接続されている。一方、信号処理回路部(N
PNトランジスタ)190には、同様に、コンタクトホ
ールを介して電極配線層150bおよび150cが接続
されている。さらに、分離拡散領域144にも、電極配
線層150bが接続されている。
【0010】この図16の構成においては、高い不純物
濃度を有する基板141の上に、それよりも不純物濃度
が低いエピタキシャル層142を形成することで、フォ
トダイオードを構成するP型半導体側の空乏層(一点鎖
線で示された領域)をエピタキシャル層142の内部に
大きく広げて、フォトダイオード180の接合容量を低
減している。同時に、この空乏層の拡がりによって、深
いところで発生した光キャリアが、十分に光電流に寄与
するようになっている。
【0011】さらに、この構成に含まれるP型高不純物
濃度層(オートドープ層)142aは、基板141から
上方に向かって不純物濃度が次第に低下する濃度勾配を
有している。これに基づくポテンシャル勾配によって内
部電界が発生し、P型エピタキシャル層142の深部で
発生した光キャリアを高速で移動させることが可能にな
っている。
【0012】次に、図17には、特開平4−27117
2号公報に開示されている構成を示す。この構成では、
P型基板223の上にノンドープの第1エピタキシャル
層224が形成され、さらに、信号処理回路素子(NP
Nトランジスタ)の形成箇所290にはP型ウェル領域
226が形成されている。第1エピタキシャル層224
の上には、N型の第2エピタキシャル層225が形成さ
れている。受光素子部(フォトダイオード)280にお
けるN型第2エピタキシャル層225の表面近傍には、
+拡散領域230が形成されている。一方、信号処理
回路素子部290におけるN型第2エピタキシャル層2
25には、その表面近傍にNPNトランジスタを構成す
る各領域235、236および237が形成され、その
下方にはN+拡散領域234が形成されている。信号処
理回路素子部290とフォトダイオード部280とは、
2つの領域228および229からなる分離拡散領域2
27によって電気的に分離されている。
【0013】これらの構成の上面には、酸化物層231
が形成されている。そして、受光素子部(フォトダイオ
ード)280には、酸化物層231に設けられたコンタ
クトホールを介して電極配線層232および233が接
続されている。一方、信号処理回路素子部(NPNトラ
ンジスタ)290には、同様に、コンタクトホールを介
して電極配線層238が接続されている。
【0014】この図17の構成においては、比抵抗が約
40Ωcm〜約60Ωcmである基板223を使用し
て、基板223からその上の第1エピタキシャル層22
4へのオートドープを抑制している。また、第1エピタ
キシャル層224としてノンドープの半導体結晶層を使
用することで、フォトダイオード部280に形成される
空乏層を、基板側に大きく広げることが可能になってい
る。さらに、P型ウェル領域226を形成することによ
って、分離拡散領域227(228および229)並び
にP型ウェル領域226というP型領域によってNPN
トランジスタを取り囲んで、寄生効果を低減することが
可能になる。
【0015】次に、図18には、特開平1−20556
4号公報に開示されている構成を示す。この構成では、
+−基板310の表面に、P型オートドープ層321
とP-型低不純物濃度層322とを含むP型エピタキシ
ャル層320が形成されている。このP型オートドープ
層321は、P型エピタキシャル層320の成長時に、
基板310から不純物が上方拡散(オートドープ)して
形成されたものである。
【0016】P型エピタキシャル層320の上にはN型
エピタキシャル層330が形成されている。そして、N
型エピタキシャル層330には、その表面からこの層3
30を貫通し、さらにその下のP型エピタキシャル層3
20を構成するオートドープ層321に達するように、
不純物濃度が高いP+分離拡散領域340が形成されて
いる。この分離拡散領域340によってN型エピタキシ
ャル層330が幾つかの領域に分離されている。
【0017】このN型エピタキシャル層330におい
て、分離されている領域のあるものは受光素子部380
を構成している。具体的には、分離されたN型エピタキ
シャル層330とその下のP型エピタキシャル層320
とで形成されるPN接合によって、フォトダイオード3
80が構成されている。この受光素子部380における
N型エピタキシャル層330の表面近傍には、受光面電
極として機能するN+型拡散層334が、比較的広い面
積に形成されている。一方、受光素子部380に隣接す
るN型エピタキシャル層330の他の領域は、信号処理
回路部390である。具体的には、図示されている例で
は、コレクタ抵抗を下げるための埋め込み層323、P
型拡散層331、及びN+型拡散層333によってNP
Nトランジスタ390が構成されている。これらのフォ
トダイオード部380および信号処理回路部390は、
上述の分離拡散領域340によって電気的に分離されて
いる。
【0018】これらの構成の上面には、絶縁膜335が
形成されている。そして、この絶縁膜335に形成され
たコンタクトホールを介して、電極および配線336、
337が、フォトダイオード部380および信号処理回
路部390の所定の箇所に電気的に接続されている。
【0019】この図18の構成においては、フォトダイ
オード部380とその周辺に形成された信号処理回路部
390とが、深くまで形成された分離拡散領域340に
よって、互いに電気的に分離されている。この結果、フ
ォトダイオード部380に形成される空乏層は、隣接す
る他のフォトダイオード部や信号処理回路部に広がるこ
となく、基板側に大きく(すなわち、P型エピタキシャ
ル層320におけるオートドープ層321の内部にま
で)広がることが可能になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】一般に、フォトダイオ
ードの応答特性は、PN接合部に形成される接合容量
と、フォトダイオードを構成する各部分の抵抗成分によ
って決定される直列抵抗とに依存する。
【0021】このうちの接合容量は、基本的に、基板の
不純物濃度によって決まる。よって、一般には、不純物
濃度が低い高比抵抗基板を使用することによって、接合
容量を改善することができる。前述した図16〜図18
に示す従来技術の構造では、基板の上に形成されるP型
エピタキシャル層の不純物濃度を低く抑えるか、或いは
ノンドープにして、その抵抗を高くすることによって、
接合容量の改善を実現している。
【0022】しかし、図16および図17に示す構成で
は、上述のように接合容量は改善されるものの、直列抵
抗が十分に改善されていない。この点について、以下に
説明する。
【0023】一般に、フォトダイオードの直列抵抗は、 R1:分離拡散領域の抵抗 R2:分離拡散領域の下に存在する埋め込み拡散層の抵
抗 R3:分離拡散領域の下に存在する高比抵抗エピタキシ
ャル層の抵抗 R4:分離拡散領域の下に存在するオートドープ層の抵
抗 R5:基板抵抗 R6:フォトダイオード部の下に存在するオートドープ
層の抵抗 R7:フォトダイオード部の下に存在する高比抵抗エピ
タキシャル層の抵抗 というような成分から構成されると考えられる(R1〜
R7については、後述する図7(a)および図7(b)
を参照)。
【0024】そこで、前述の各従来技術の構成につい
て、フォトダイオード部の直列抵抗について考察する
と、何れの構成でも、分離拡散領域の不純物濃度が高い
ために、その抵抗R1は低くなる。また、基板に関して
も、その不純物濃度が高いために基板抵抗R5は低い。
加えて、基板からの不純物の拡散によって形成されるオ
ートドープ層においても、その抵抗R4およびR6は、
直列抵抗に顕著な影響を及ぼさない。さらに、埋め込み
拡散層の抵抗R2は、その構成から判断して、存在しな
いか(図16および図18の場合)、或いはフォトダイ
オードの直列抵抗にはほとんど寄与していない(図17
の場合)。
【0025】しかし、図16の構成では、分離拡散領域
144の下に存在する高比抵抗エピタキシャル層142
bの不純物濃度が低く、その抵抗R3が高くなる。さら
に、この分離拡散領域144の下に位置する高比抵抗エ
ピタキシャル層142bの部分が、その不純物濃度の低
さに起因して、フォトダイオードに印加されるバイアス
電圧の影響で空乏化すると、抵抗R3がさらに高くな
る。この点については、図17の構成においても同様で
あり、分離拡散領域227の下に存在するノンドープエ
ピタキシャル層224の抵抗R3が、やはり高くなる。
【0026】以上の点より、図16および図17に示す
従来技術の構造では、フォトダイオードの接合容量は低
減されるものの、N型エピタキシャル層の下に位置する
低濃度或いはノンドープのP型エピタキシャル層の高抵
抗成分に起因して、直列抵抗が高い。その結果として、
フォトダイオードの応答速度が遅くなる。
【0027】これに対して、図18に示す構成では、不
純物濃度が高い基板310を使用して基板抵抗R5を低
減するとともに、分離拡散領域340を深く形成して、
高い不純物濃度を有するオートドープ層321に達する
ようにしているので、上述した抵抗R3の成分が存在し
ない。さらに、フォトダイオード部の下における抵抗成
分R7も、空乏層をオートドープ層321にまで広げる
ことによって、同様に無くすることができる。この結
果、上述した高直列抵抗という問題を克服して、応答速
度の改善が図られている。
【0028】ところで、図18に示した従来技術の構成
では、フォトダイオードの直列抵抗の低減に寄与する分
離拡散領域340が素子分離部分のみにしか形成されて
いないため、抵抗値を小さくするためには分離拡散領域
340の不純物濃度を高くする必要がある。具体的に
は、分離拡散領域340とオートドープ層321との近
傍において、不純物濃度が約1×1016atoms/c
3程度で接するようにするためには、分離拡散領域3
40のP型埋込拡散層の表面において不純物濃度を約1
×1018atoms/cm3〜約1×1019atoms
/cm3程度とする必要がある。
【0029】しかし、N型エピタキシャル層330を形
成する際に、分離拡散領域340のP型埋込拡散層表面
の不純物がオートドープされ、このようにして形成され
るオートドープ層の不純物濃度は、一般に、オートドー
プ源の10-3程度である。図18の例では、分離拡散領
域340のP型埋込拡散層の表面において不純物濃度が
約1×1018atoms/cm3〜約1×1019ato
ms/cm3程度であるので、P型エピタキシャル層3
20の表面には約1×1016atoms/cm3程度の
不純物濃度を有するオートドープ層が形成されることに
なる。一方、フォトダイオードのPN接合を形成するP
型エピタキシャル層320において、PN接合界面近傍
の不純物濃度は、接合容量の低減のためには1×1013
atoms/cm3〜約1×1014atoms/cm3
度であることが望ましい。よって、上述のような高い不
純物濃度を有するオートドープ層がPN接合界面近傍に
存在すると、空乏層の広がりが制限されて接合容量が増
大し、結果としてフォトダイオードの応答速度が遅くな
ることになる。
【0030】さらに、図19(a)および図19(b)
に模式的に示すように、PN接合界面の近傍に形成され
るオートドープ層は、P型基板内で発生したキャリア
(電子)の移動に対しても大きな影響を及ぼす。
【0031】すなわち、図19(a)に示すように、P
型基板(ここでは、基板上に形成されるP型エピタキシ
ャル層も含むものとする)の表面(PN接合界面の近
傍)にオートドープ層が存在しなければ、P型基板内で
発生したキャリア(電子)は、何の障壁を感じることも
なくN型エピタキシャル層の内部に移動できる。しか
し、図19(b)に示すように、P型基板の表面(PN
接合界面の近傍)にオートドープ層が存在すると、電子
に対するポテンシャルバリアとして作用するため、P型
基板内からN型エピタキシャル層への電子の移動が制限
されて、結果としてフォトダイオードの応答速度が遅く
なる。従って、分離拡散領域340のP型埋込拡散層の
表面における不純物濃度を、オートドープによってPN
接合界面近傍にオートドープ層が発生しない程度の不純
物濃度に設定しなければ、フォトダイオードの応答速度
を充分に向上させることができない。
【0032】このように、従来技術においては、フォト
ダイオードの接合容量の低減と直列抵抗の低減とを同時
に実現し、かつ、十分に高速なフォトダイオードの応答
速度を実現することができる構造が達成されていない。
【0033】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたものであり、接合容量の低減と直
列抵抗の低減とを同時に実現し、かつ、応答速度が十分
に高速なフォトダイオードを有する回路内蔵型受光素子
を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の回路内蔵型受光
素子は、第1導電型の半導体基板と、該半導体基板の表
面の上に形成され、該半導体基板の該表面から遠ざかる
方向に向けて不純物濃度が次第に減少する第1の部分
と、該第1の部分の上方における第1の領域に位置し、
かつ、深さ方向に均一な不純物濃度分布を有する第2の
部分と、を含む第1導電型の第1半導体結晶成長層と、
該第1半導体結晶成長層の該第1の部分の上方であっ
て、該第1の領域を除いた第2の領域に位置する第1導
電型の埋め込み拡散層と、該第1半導体結晶成長層の表
面および該埋め込み拡散層の表面にわたって形成された
第2導電型の第2半導体結晶成長層と、該第2半導体結
晶成長層を受光素子形成部に相当する領域と信号処理回
路形成部に相当する領域とに分離するように形成された
第1導電型の分離拡散領域とを少なくとも備え、該第1
の領域は該受光素子形成部内に位置し、該第2の領域は
該信号処理回路形成部と該分離拡散領域の下部を含んで
位置しており、該埋め込み拡散層の幅Wと、該第1半導
体結晶成長層の厚さTとが、W>2Tの関係を満足する
ように設定され、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0035】ある実施形態では、前記埋め込み拡散層の
長さが、受光素子形成部の長さ以上に設定されている。
【0036】ある実施形態では、前記埋め込み拡散層
が、その上部に位置する埋め込み分離拡散層よりも受光
素子形成部側にはみ出さないように形成されている。
【0037】ある実施形態では、前記埋め込み拡散層の
上部には、その端部の広がり拡散部分に形成された前記
埋め込み分離拡散層以外にも、1個または複数個の埋め
込み分離拡散層が形成されている。
【0038】ある実施形態では、前記受光素子形成部が
複数の領域に分割されて分割フォトダイオードが形成さ
れ、高速応答が必要とされるフォトダイオードの近傍で
あって、かつ、光が照射されない部分には、前記埋め込
み拡散層が全面に形成されている。
【0039】ある実施形態では、前記半導体基板の不純
物濃度が1×1016atoms/cm3以下である。
【0040】ある実施形態では、前記埋め込み拡散層と
前記第1半導体結晶成長層の前記第1の部分との間の接
触界面における不純物濃度が、1×1013atoms/
cm 3以上である。
【0041】ある実施形態では、前記分離拡散領域にお
ける埋め込み拡散層の表面濃度が1×1016atoms
/cm3以下である。
【0042】以上のような特徴を有する本発明によれ
ば、第1の半導体結晶成長層(第1導電型のエピタキシ
ャル層)と第2の半導体結晶成長層(第2導電型のエピ
タキシャル層)との間のPN接合を利用して形成される
フォトダイオード部(受光素子形成部)に隣接して信号
処理回路形成部が設けられている回路内蔵型受光素子に
おいて、半導体基板の表面から遠ざかる方向に向けて不
純物濃度が次第に減少する第1の部分(オートドープ
層)と、深さ方向に均一な不純物濃度分布を有する第2
の部分(低不純物濃度層)とを含む第1の半導体結晶成
長層(高比抵抗エピタキシャル層)を用いることによっ
て、フォトダイオードの接合容量を低減することが可能
である。さらに、第1導電型の埋め込み拡散層の幅W
と、第1半導体結晶成長層の厚さTとが、 W>2T の関係を満足するように設定することにより、分離拡散
領域の埋め込み拡散層の表面における不純物濃度を、オ
ートドープによって接合容量の増大が発生しない程度に
設定しても、フォトダイオードの直列抵抗を低減して、
フォトダイオードの応答速度を十分に高速なものとする
ことが可能である。
【0043】さらに、フォトダイオードの直列抵抗を低
減するためには、上記埋め込み拡散層とオートドープ層
の面する断面積を大きくする必要があるので、埋め込み
拡散層の長さが受光素子部(フォトダイオード)の長さ
以上であるのが好ましい。
【0044】さらに、上記埋め込み拡散層が、その上部
に位置する埋め込み分離拡散層よりも受光素子形成部側
にはみ出している場合、この部分に光が照射されると光
キャリアが拡散で移動するため、応答速度の低下等の不
具合が生じる。よって、埋め込み拡散層は、その上部に
位置する埋め込み分離拡散層よりも受光素子形成部側に
はみ出さないように形成するのが好ましい。
【0045】さらに、上記埋め込み分離拡散層が上記埋
め込み拡散層の端部の広がり拡散部分のみに形成されて
いる場合には、埋め込み拡散層の広がり拡散部分とオー
トドープ層の接触が不十分で抵抗が高いため、フォトダ
イオードの直列抵抗が増加し、応答速度が低下するおそ
れがある。よって、上記埋め込み拡散層の端部の広がり
拡散部分以外で、オートドープ層と均一に接触している
部分にも、埋め込み分離拡散層を1個または複数個を形
成するのが好ましい。
【0046】さらに、分割フォトダイオードにおいて
は、全てのフォトダイオードに高速応答性が必要な訳で
はなく、高速応答性が必要なフォトダイオード部分にW
>2Tを満たす埋め込み拡散層を形成するのが望まし
い。しかし、光学設計の制約から、そのフォトダイオー
ドの幅を十分に広く形成することができないこともあ
る。このような場合には、高速応答が必要とされるフォ
トダイオードの近傍で、かつ、光が照射されない部分
に、埋め込み拡散層を全面に形成してもよい。
【0047】半導体基板の不純物濃度は、PN接合界面
近傍におけるオートドープ層の形成を抑制するために、
1×1016atoms/cm3程度以下にするのが好ま
しい。それよりも不純物濃度が低くなれば、オートドー
プ層はさらに抑制される。なお、半導体基板の不純物濃
度を下げていくと、フォトダイオードの直列抵抗が高く
なり、フォトダイオードの応答速度に影響を与えるの
で、目標とする応答速度に応じて半導体基板の不純物濃
度を設定するのが好ましい。
【0048】埋め込み拡散層と第1半導体結晶成長層の
第1の部分との間の接触界面における不純物濃度は、高
い程、フォトダイオードの応答速度が高くなり、より高
速なデバイスを実現することができるので、例えば1×
1013atoms/cm3程度以上にするのが好まし
い。
【0049】さらに、PN接合界面近傍におけるオート
ドープ層の形成を抑制するためには、分離拡散領域にお
ける埋め込み拡散層の表面濃度を1×1016atoms
/cm3程度以下にするのが好ましい。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施形態の説明
に先立って、まず、本発明に至る過程で本願発明者らが
行った検討結果について、以下に説明する。
【0051】図18を参照して説明した上記従来技術の
構成では、比較的高い不純物濃度(具体的には約1×1
18atoms/cm3〜1×1019atoms/cm3
程度)を有する分離拡散領域340のP型埋め込み拡散
層を使用していることから、N型エピタキシャル層33
0を形成するときに、分離拡散領域のP型埋め込み拡散
層表面における不純物がオートドープされる。このよう
にして形成されるオートドープ層の不純物濃度は、一般
に、オートドープ源の不純物濃度の10-3程度であり、
図18の例では、P型埋め込み拡散層の不純物濃度が約
1×1018atoms/cm3〜1×1019atoms
/cm3程度であるので、P型エピタキシャル層320
の表面には、約1×1016atoms/cm3の不純物
濃度を有するオートドープ層が形成されることになる。
フォトダイオードのPN接合を形成するP型エピタキシ
ャル層320のPN接合近傍の不純物濃度は、接合容量
の低減のためには約1×1013atoms/cm3の〜
約1×1014atoms/cm3程度であることが好ま
しい。よって、上記のような高い不純物濃度を有するオ
ートドープ層がPN接合界面の近傍に存在していると、
空乏層の広がりが制限されて接合容量が増加し、結果と
して、フォトダイオードの応答速度が遅くなることにな
る。
【0052】従って、図18の構成では、フォトダイオ
ードの直列抵抗は低減できるものの、オートドープによ
ってフォトダイオードの接合容量を増大させると言う問
題が生じてしまう。さらに、上述の図19(a)および
図19(b)に示したように、PN接合界面の近傍に形
成されるオートドープ層は、P型基板内で発生したキャ
リア(電子)の移動に対しても大きな影響を及ぼすた
め、生じないようにするのが好ましい。
【0053】そこで、本願発明者らは、オートドープに
よってフォトダイオードの接合容量を増大させるという
問題を発生させずに、フォトダイオードの直列抵抗を低
減する構造について、特に、埋め込み拡散層の幅に着目
して検討を行った。
【0054】オートドープ層の不純物濃度は、一般に、
オートドープ源の不純物濃度の10 -3程度であることか
ら、オートドープによってフォトダイオードの接合容量
を増大させないためには、分離拡散領域340のP型埋
め込み拡散層の表面の不純物濃度を約1×1016ato
ms/cm3程度以下にする必要がある。
【0055】図2に、P型埋め込み拡散層の不純物が約
5×1015atoms/cm3である場合について、エ
ピタキシャル層厚Tを変化させてフォトダイオードのア
ノード側の抵抗を電気的に計測した結果を示す。ここで
は、埋め込み拡散層の幅Wを4μmと200μmとした
場合について計測した。この図に示す通り、埋め込み拡
散層の幅Wが狭い程、抵抗値が高く、エピタキシャル層
厚Tが厚くなるに従って抵抗値が大きくなる傾向があ
る。通常、素子分離部分の埋め込み拡散層340の幅
(図18のW1)は約4μm以下であるため、埋め込み
拡散層を素子分離部分のみに形成したのであれば、フォ
トダイオードの直列抵抗を十分に低減できていないこと
が分かる。例えば、後述する図1に示すエピタキシャル
層の厚さT=20μmとしたときに、埋め込み拡散層4
の幅W=4μmの場合と幅W=200μmの場合とで
は、抵抗値に約17倍程の差がある。これは、P型半導
体基板1からはい上がったオートドープ層2と、埋め込
み拡散層4の拡散部とが面する面積が小さいと、抵抗が
大きくなるためである。また、エピタキシャル層が厚く
なると抵抗が高くなるのは、オートドープ層2と埋め込
み拡散層4の拡散部とが接触する部分で不純物濃度が低
くなることに起因する。
【0056】図3はエピタキシャル層厚T=21μmと
した場合について、埋め込み拡散層の幅Wに対する抵抗
値の変化をデバイスシミュレーションにより検討した結
果であり、図4はエピタキシャル層厚T=35μmとし
た場合について、埋め込み拡散層の幅Wに対する抵抗値
の変化をデバイスシミュレーションにより検討した結果
である。これらの図では、いずれも、P型埋め込み拡散
層の幅Wが広くなるに従って、抵抗値が小さくなってい
る。また、P型埋め込み拡散層の幅Wがある値よりも大
きくなると、抵抗値が変化しなくなる傾向がある。さら
に、エピタキシャル層の厚さTが厚くなる程、抵抗の絶
対値が大きくなり、抵抗値が変化しなくなる幅Wの値も
大きくなる。
【0057】このように、P型埋め込み拡散層4の幅W
がある値よりも大きくなると抵抗値が変化しなくなるの
は、電流がある範囲よりも広がって流れないためであ
り、P型埋め込み拡散層4の幅Wが広くなっても電流パ
スとして寄与しなくなるためである。また、エピタキシ
ャル層厚Tが厚くなる程、抵抗値が変化しなくなる値も
大きくなるのは、オートドープ層2と埋め込み拡散層4
の拡散の接触する部分の不純物濃度が低くなって抵抗値
が大きくなり、電流の広がりが大きくなるためである。
【0058】本発明は、以上のような本願発明者らによ
る検討内容に基づいて達成されたものである。以下に
は、その具体的な幾つかの実施形態を、添付の図面を参
照しながら説明する。
【0059】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態による回路内蔵型受光素子の構成を示す断面
図である。図1に示す回路内蔵型受光素子は、隣接して
形成されたフォトダイオード部80と信号処理回路部9
0とを有している。なお、メタル配線の処理工程の後に
形成される構造、例えば多層配線や保護膜などは、図1
では省略している。
【0060】この構成では、P型半導体基板1の表面に
P型高比抵抗エピタキシャル層30が形成されている。
P型高比抵抗エピタキシャル層30は、基板1からの不
純物のオートドープによって、基板1との界面から遠ざ
かる方向に向けて厚さ方向に不純物濃度が次第に減少す
る第1の部分2(オートドープ層2とも称する)と、第
1の部分2の上方であって深さ方向に均一な不純物濃度
分布を有する第2の部分3(均一濃度層3とも称する)
とを含んでいる。なお、この図1において、5は空乏層
を示す。
【0061】さらに、P型高比抵抗エピタキシャル層3
0の上には、N型エピタキシャル層8が形成されてい
る。N型エピタキシャル層8には、その表面から所定の
深さに達する分離拡散領域が2つの拡散領域7および9
によって形成されており、これによって、N型エピタキ
シャル層8が幾つかの領域に分離されている。
【0062】N型エピタキシャル層8の分離されている
領域のうち、あるものは受光素子部80を構成してい
る。具体的には、分離されたN型エピタキシャル層8と
その下のP型エピタキシャル層30とで形成されるPN
接合によって、フォトダイオード80が構成される。受
光素子部(フォトダイオード部)80におけるN型エピ
タキシャル層8の表面近傍には、カソード抵抗を下げる
ためのN型拡散層22が形成されている。
【0063】一方、N型エピタキシャル層8におけるフ
ォトダイオード部80に隣接する領域は、信号処理回路
部90である。具体的には、図示されている例では、コ
レクタ抵抗を下げるための埋め込み領域6、N型補償拡
散層10、ベース拡散領域11、及びエミッタ拡散領域
12によってNPNトランジスタ90が構成されてい
る。
【0064】これらのフォトダイオード部80及び信号
処理回路部90は、先述の分離拡散領域7および9によ
って、電気的に分離されている。
【0065】これらの構成の上面には、例えば酸化シリ
コン層などからなる絶縁物層14が形成されている。そ
して、フォトダイオード部80のN型拡散層22の上に
相当する位置には、コンタクトホールを介してカソード
電極15が形成される。また、アノード電極16は、分
離拡散領域7および9に接続される。さらに、信号処理
回路部90の素子(NPNトランジスタ)にも、同様に
コンタクトホールを介して所定の電極および配線17が
電気的に接続されている。
【0066】図1において、P型エピタキシャル層30
の厚さTとP型埋め込み拡散層4の幅Wは、W>2Tに
なるように設定してある。このように設定した理由は、
以下の通りである。
【0067】上述したように、オートドープによってフ
ォトダイオードの接合容量を増大させないためには、分
離拡散領域340のP型埋め込み拡散層の表面の不純物
濃度を約1×1016atoms/cm3程度以下にする
必要がある。しかし、このように不純物濃度が低い埋め
込み拡散層を分離拡散領域のみに形成したのでは、抵抗
値が高くなって応答速度が遅くなるという問題がある。
上述の図3および図4に示したように、P型埋め込み拡
散層4の幅Wが狭くなるに従って抵抗値が大きくなる傾
向があり、また、P型エピタキシャル層30の厚さTが
厚くなる程、抵抗値がエピタキシャル層厚Tに対して依
存しなくなるP型埋め込み拡散層4の幅Wの値が大きく
なる傾向がある。これは、エピタキシャル層厚Tが厚く
なると、オートドープ層2と埋め込み拡散層4の拡散の
接触する部分の不純物濃度が低くなって抵抗値が大きく
なり、必要なP型埋め込み拡散層の幅Wが大きくなるか
らである。従って、エピタキシャル層厚Tによって、低
抵抗化のために必要とされるP型埋め込み拡散層4の幅
Wは変化する。
【0068】図5に、エピタキシャル層厚Tと、P型埋
め込み拡散層4の幅Wに対して抵抗値が依存しなくなる
Wの値との関係を実線で示す。また、点線でW=2Tの
ラインを示す。この図から明らかなように、W>2Tに
設定することによって、オートドープ層2と埋め込み拡
散層4の拡散の接触する部分の抵抗を十分小さくするこ
とができ、強いてはフォトダイオードの直列抵抗を低減
して応答性を向上させることができる。なお、W>2T
とすることにより、抵抗値が埋め込み拡散層4の幅Wに
依存しなくなるが、エピタキシャル層厚Tが異なればそ
の抵抗値は異なる。好ましい抵抗値はフォトダイオード
の容量値と目標とするフォトダイオードの応答速度によ
って変化するため、一概には言えない。例えば特願平1
0−374824号公報の記載のように、フォトダイオ
ードの応答速度120MHzを達成しようとした場合に
は、フォトダイオードの受光サイズを60μm×120
μmとしたときに容量が0.6pFとなり、フォトダイ
オードの直列抵抗が2.2kΩ以下であるのが好まし
い。この抵抗値を得るための好ましいエピタキシャル層
厚Tは、図3(T=21μmで900Ω)および図4
(T=35μmで4000Ω)から内挿すると、27μ
m以下となる。
【0069】次に、以上のような構成を有する本実施形
態の受光素子の製造方法を、図6(a)〜(f)を参照
しながら以下に説明する。
【0070】まず、図6(a)に示すように、P型半導
体基板1の上に、P型高比抵抗エピタキシャル層30を
形成する。この時点で、P型高比抵抗エピタキシャル層
30のうちで基板1に近い側には、基板1の表面から離
れる方向に向かって不純物濃度が次第に減少していくオ
ートドープ層2が、既にある程度の厚さで形成されるこ
とになる。また、P型高比抵抗エピタキシャル層30の
残りの部分は、一定の不純物濃度を有する均一濃度層3
となる。
【0071】次に、図6(b)に示すように、P型高比
抵抗エピタキシャル層30の所定の領域(主として、後
のプロセスで信号処理回路が形成される領域)に、P型
埋め込み拡散層4を形成する。このとき、P型埋め込み
拡散層4の幅Wは、P型高比抵抗エピタキシャル層30
の厚さTに対して、W>2Tの範囲となるように設定す
る。
【0072】続いて、図6(c)に示すように、P型埋
め込み拡散層4の表面に、分離拡散領域(埋め込み分離
拡散層)7および埋め込み領域6を形成する。
【0073】その後、図6(d)に示すように、P型埋
め込み拡散層4およびP型高比抵抗エピタキシャル層3
0の表面に、N型エピタキシャル層8を形成する。続い
て、形成されたN型エピタキシャル層8の表面から、分
離拡散領域9を、先に形成した分離拡散領域7に接続す
るように形成する。そして、信号処理回路の形成部にお
けるN型エピタキシャル層8の表面には、N型補償拡散
層10を形成する。
【0074】次に、図6(e)に示すように、信号処理
回路の形成部におけるN型エピタキシャル層8の表面
に、N型補償拡散層10に重ならないようにP型不純物
を拡散して、ベース拡散領域11を形成する。そして、
ベース拡散領域11の内部にN型不純物を拡散して、エ
ミッタ拡散領域12を形成する。なお、このエミッタ拡
散領域12の形成と同時に、受光素子の形成部における
N型エピタキシャル層8の表面に、形成される受光素子
(フォトダイオード)のカソード側直列抵抗を低減する
ためのN型拡散層22を形成する。その後、上記の各領
域が形成されたN型エピタキシャル層8の上面を覆うよ
うに、酸化シリコンなどによって絶縁物層14を形成す
る。
【0075】続いて、図6(f)に示すように、絶縁物
層14の所定の箇所にコンタクトホールを形成する。そ
して、受光素子(フォトダイオード)のN型拡散層22
に接触するカソード電極15、および分離拡散領域9に
接触するアノード電極16を、例えばアルミニウムを使
用して形成する。また、信号処理回路部に関しては、形
成された素子(NPNトランジスタ)を構成する各拡散
領域に接触する電極および配線17を、同様にアルミニ
ウムなどを使用して形成する。
【0076】その後、多層配線形成工程や保護膜形成工
程など、半導体技術で一般的に行われるプロセスを適宜
行って、信号処理回路素子(NPNトランジスタ)とフ
ォトダイオードとが一体的に隣接して形成された回路内
蔵型受光素子を作製する。これらの工程についての説明
はここでは省略する。
【0077】次に、図7(a)および図7(b)を参照
して、本実施形態におけるフォトダイオードの直列抵抗
について説明する。
【0078】図7(a)は、図1に示した本実施形態に
おける受光素子の構成に、従来技術の説明に関連して説
明したフォトダイオードの直列抵抗を構成する各抵抗成
分を重ねて描いた図である。この図からわかるように、
本実施形態の構成では、フォトダイオードの直列抵抗
は、R1:分離拡散領域7および9の抵抗、R2:埋め
込み拡散層4の抵抗、R4:分離拡散領域の下に存在す
るオートドープ層2の抵抗、R5:基板1の抵抗、およ
びR6:フォトダイオード部80の下に存在するオート
ドープ層2の抵抗によって構成される。
【0079】この構成では、埋め込み拡散層4がオート
ドープ層4に接していること、およびフォトダイオード
部80に形成される空乏層5がオートドープ層2に接し
ていることによって、従来技術に関連して説明した抵抗
成分R3およびR7は、存在しなくなる。
【0080】また、分離拡散領域7および9の不純物濃
度を高くすることにより、その抵抗R1を低くすること
ができる。なお、分離拡散領域の不純物濃度は、通常、
1×1017atoms/cm3から1×1018atom
s/cm3である。従って、この部分の比抵抗は0.0
1Ωcmから0.1Ωcm程度であり、分離拡散領域7
および9の形状から抵抗値は2Ωから20Ω程度の値と
なるので、フォトダイオードの直列抵抗成分としては無
視できるレベルである。また、この程度の不純物濃度で
あれば、分離拡散領域7は分離拡散領域4の埋め込み拡
散層4と比べて狭い幅(通常4μm程度)であるので、
オートドープへの影響も小さい。なお、分離拡散領域7
および9の不純物濃度は、必要とされるフォトダイオー
ドの応答速度によって好ましい範囲が異なり、一概には
言えない。例えば上述したようにフォトダイオードの応
答速度120MHzを達成しようとした場合には、フォ
トダイオードの直列抵抗が2.2kΩ以下であるのが好
ましいため、その1/10以下の抵抗値となるように分
離拡散領域7および9の不純物濃度を1×1016ato
ms/cm3以上とするのが好ましい。さらに、基板抵
抗R5、並びにオートドープ層2および埋め込み拡散層
4の抵抗成分R2、R4およびR6は、フォトダイオー
ドの直列抵抗にはほとんど寄与しない程度の値とするこ
とができる。
【0081】さらに、本実施形態では、埋め込み拡散層
4の幅Wを、エピタキシャル層30の厚さTに対してW
>2Tに設定してある。よって、オートドープ層2と埋
め込み拡散層4の拡散の接触する部分の抵抗R8を小さ
くして、フォトダイオードの直列抵抗を低減し、応答性
を向上させることができる。さらに、図18で説明した
従来技術の場合のように、分離拡散領域の埋め込み拡散
層4の表面における不純物濃度をPN接合界面近傍でオ
ートドープが発生するような高濃度に設定しなくてもよ
い。よって、フォトダイオードの接合容量の増大等の問
題も生じず、接合容量が小さい高速応答可能なフォトダ
イオードを得ることができる。
【0082】なお、図7(b)は、図1に示すような本
発明の第1の実施形態の構成において、一般的な従来技
術の構成(P型高比抵抗エピタキシャル層30のオート
ドープ層2と、空乏層5または埋め込み拡散層4が接し
ていない)を想定して、フォトダイオードの直列抵抗を
構成する各抵抗成分R1〜R7を重ねて描いた図であ
る。但し、本実施形態の構成との対比を明確にする目的
で、便宜上、本実施形態の各構成要素に対応する箇所に
は同じ参照番号を付している。このように埋め込み拡散
層4がオートドープ層2と接していない場合について
も、エピタキシャル層30の厚さTと埋め込み拡散層4
の幅WがW>2Tの関係を満たすように設定すれば、フ
ォトダイオードの直列抵抗を低減することができる。こ
のことは、以下の実施形態についても同様である。
【0083】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
の実施形態による回路内蔵型受光素子の構成を示す平面
図である。図8において、メタル配線の処理工程の後に
形成される構造、例えば多層配線や保護膜などは省略し
ている。さらに、図8において、図1を参照して説明し
た第1の実施形態の構成と同じ構成要素には、同じ参照
番号を付している。従って、ここでは、第1の実施形態
と同じ構成要素の説明は省略して、異なる部分のみを説
明する。
【0084】この回路内蔵型受光素子の断面構造は図1
を参照して説明した第1の実施形態の断面構造と同様で
あり、第2の実施形態の特徴は、埋め込み拡散層4の長
さLをフォトダイオード(受光素子部)の長さ以上に設
定したことにある。
【0085】第1の実施形態で説明した通り、フォトダ
イオードの直列抵抗を低減するためには、オートドープ
層2と埋め込み拡散層の面する断面積を大きくする必要
がある。そこで、本願発明者らは、埋め込み拡散層4の
長さとフォトダイオードの長さとの関係を検討した。
【0086】図9に、フォトダイオードの長さを277
μmとした場合について、埋め込み拡散層4の長さを変
化させたときのフォトダイオードの応答速度(遮断周波
数)を評価した結果を示す。この図から明らかなよう
に、埋め込み拡散層4の長さがフォトダイオードの長さ
に対して短いと応答速度が低下し、埋め込み拡散層4の
長さがフォトダイオードの長さ以上になると応答速度に
差が見られない。これは、埋め込み拡散層4の長さがフ
ォトダイオードの長さに対して短い場合、フォトダイオ
ードのアノード側の直列抵抗が増大してCR成分が増大
するためである。
【0087】従って、本実施形態のように埋め込み拡散
層4の長さLをフォトダイオードの長さ以上に設定する
ことによって、埋め込み拡散層4の長さによってフォト
ダイオードの応答速度を低下させることなく、フォトダ
イオードの高速動作を実現することが可能となる。
【0088】(第3の実施形態)図10は、本発明の第
3の実施形態による回路内蔵型受光素子の構成を示す断
面図である。図10において、メタル配線の処理工程の
後に形成される構造、例えば多層配線や保護膜などは省
略している。さらに、図10において、図1を参照して
説明した第1の実施形態の構成と同じ構成要素には、同
じ参照番号を付している。従って、ここでは、第1の実
施形態と同じ構成要素の説明は省略して異なる部分のみ
を説明する。
【0089】本実施形態の構成において、図1に示す第
1の実施形態の構成と異なる部分は、P型高比抵抗エピ
タキシャル層30の所定の箇所に形成されたP型埋め込
み拡散層4が、アノード電極取り出し用のP型分離拡散
領域(埋め込み分離拡散層)7よりも受光素子部80側
にはみ出さないように設定していることである。
【0090】図10の点線で囲んだ部分を拡大して示す
図11に示すように、埋め込み拡散層4がP型埋め込み
分離拡散層7よりも受光素子部80側にはみ出して、そ
の部分に光が照射されると、この部分では基板が空乏層
化していないために、光キャリアが拡散で移動する。そ
の結果、応答速度が低下するなどの不具合が生じる。ま
た、埋め込み拡散層4がP型埋め込み分離拡散層7より
もはみ出すと、N型エピタキシャル層8と埋め込み拡散
層4との接合容量が増大してフォトダイオードの応答速
度が低下する。さらに、P型埋め込み分離拡散層7に対
する埋め込み拡散層4の形成位置のバラツキによってフ
ォトダイオードの接合容量のバラツキや応答速度のバラ
ツキ等の不具合が生じてしまう。
【0091】従って、本実施形態のように、埋め込み拡
散層4がP型埋め込み分離拡散層7よりも受光素子部8
0側にはみ出さないように設定することによって、この
ような不具合が生じない高速応答可能なフォトダイオー
ドを実現することができる。
【0092】(第4の実施形態)図12は、本発明の第
4の実施形態による回路内蔵型受光素子の構成を示す断
面図である。図12において、メタル配線の処理工程の
後に形成される構造、例えば多層配線や保護膜などは省
略している。さらに、図12において、図10を参照し
て説明した第3の実施形態の構成と同じ構成要素には、
同じ参照番号を付している。従って、ここでは、第3の
実施形態と同じ構成要素の説明は省略して異なる部分の
みを説明する。
【0093】本実施形態の構成において、図10に示す
第3の実施形態の構成と異なる部分は、埋め込み拡散層
4端の広がり拡散部分に形成されたP型埋め込み分離拡
散層7以外にも、アノード電極取り出し用のP型埋め込
み分離拡散層7aを1個または複数個形成していること
である。
【0094】図13に、P型埋め込み拡散層4上のP型
埋め込み分離拡散層7およびP型埋め込み分離拡散層7
aの形成位置と、応答速度について検討した結果を示
す。図13(a)に示すように、埋め込み拡散層4の広
がり拡散部分のみにP型埋め込み分離拡散層7を形成し
たのであれば、埋め込み拡散層4の広がり拡散部分とP
型半導体基板1のオートドープ層2との接触が不十分で
抵抗が高いため、フォトダイオードの直列抵抗が増加
し、応答速度の低下を招いていた。これに対して、図1
3(b)および図13(c)に示すように、埋め込み拡
散層4の広がり拡散部分でない部分では、P型半導体基
板1のオートドープ層2とが均一に接触しているため、
この部分にP型埋め込み分離拡散層7aを形成すると、
フォトダイオードの応答速度が向上する。
【0095】従って、本実施形態のように、埋め込み拡
散層4の広がり拡散部分に形成しているP型埋め込み分
離拡散層7以外にも、P型埋め込み分離拡散層7を形成
することにより、フォトダイオードの応答速度低下を防
いで、高速動作が可能なフォトダイオードを実現するこ
とができる。さらに、このP型埋め込み分離拡散層7a
を、フォトダイオード近傍に形成することにより、埋め
込み拡散層4の横方向(幅方向)の抵抗成分を低減して
フォトダイオードの直列抵抗を低減することができるた
め、P型埋め込み分離拡散層7aをフォトダイオード近
傍に形成するのが望ましい。
【0096】図14に、埋め込み拡散層4の広がり拡散
部分以外にもP型埋め込み分離拡散層を形成した場合に
ついて、電流の流れをデバイスシミュレーションを用い
て検討した結果を示す。図14(a)は電流の流れを説
明するための図であり、(b)は電流分布を示す図であ
る。なお、この図14(b)は、図の奥行き方向1μm
で平面方向1cm2当たりの電流値(トータル電流値T
−j A/cm2)を示し、電流値の大きい部分ではド
ット密度を濃くしてある。
【0097】この図から明らかなように、基板1中を流
れる電流の殆どは、P型半導体基板1のオートドープ層
2が均一に接触している埋め込み拡散層4部分に形成し
たP型埋め込み分離拡散層7aの方に流れ込んでいる。
そして、埋め込み拡散層4の広がり拡散部分に形成した
P型埋め込み分離拡散層7の方に流れる電流の比率が約
30%であるのに対して、オートドープ層2が均一に接
触している部分に形成したP型埋め込み分離拡散層7a
の方に流れる電流の比率は約70%である。これは、埋
め込み拡散層4の広がり拡散部分ではオートドープ層2
との接触が不十分で抵抗が高いため、オートドープ層2
と均一に接触している埋め込み拡散層4部分に形成した
P型埋め込み分離拡散層7aの方に電流が流れ易いため
である。
【0098】なお、埋め込み拡散層4の広がり拡散部分
のみにP型埋め込み分離拡散層7を形成した場合であっ
ても、P型埋め込み分離拡散層7の幅を広くすることで
抵抗成分を低減することは可能である。しかし、この場
合には、P型埋め込み分離拡散層7表面の露出している
面積が多くなって不純物量が多くなり、また、P型埋め
込み分離拡散層7がフォトダイオード近傍にあるため
に、P型埋め込み分離拡散層7表面からのオートドープ
によってフォトダイオードの接合容量が増大して、応答
速度の低下を招く。従って、P型半導体基板1のオート
ドープ層2と埋め込み拡散層4が均一に接触している領
域にP型埋め込み分離拡散層7aを1つまたは複数個形
成して、フォトダイオードの抵抗成分を低減するのが望
ましい。但し、P型埋め込み分離拡散層7表面からのオ
ートドープがフォトダイオードの接合容量の増大を招か
ない程度であれば、P型埋め込み分離拡散層7の幅は広
く形成することが望ましい。
【0099】(第5の実施形態)図15は、本発明の第
5の実施形態による回路内蔵型受光素子の構成を示す断
面図である。図15において、メタル配線の処理工程の
後に形成される構造、例えば多層配線や保護膜などは省
略している。さらに、図15において、図1を参照して
説明した第1の実施形態の構成と同じ構成要素には、同
じ参照番号を付している。従って、ここでは、第1の実
施形態と同じ構成要素の説明は省略して異なる部分のみ
を説明する。
【0100】本実施形態の構成において、図1に示す第
1の実施形態の構成と異なる部分は、受光素子部を複数
の領域に分割して個々の領域が各々フォトダイオードと
して機能する分割フォトダイオードを形成していること
である。さらに、分割フォトダイオードのうち、応答速
度が必要なフォトダイオード近傍の光が照射されない部
分に、埋め込み拡散層4を全面的に形成している点であ
る。
【0101】従来から、光ピックアップ等に用いられる
受光素子としては、受光素子を分割してディスクで反射
した光信号の各々の出力差および和からトラッキングお
よびフォーカシング処理、RF信号等の読み出しを行な
うために、分割フォトダイオードが多用されている。こ
の場合、分割された全ての受光素子部分に光が照射され
るが、全てのフォトダイオードに高速応答性が必要なわ
けではなく、RF信号を読み出すフォトダイオードのみ
が高速応答性を要求される。そこで、分割フォトダイオ
ードのうち、高速応答性が必要なフォトダイオード部分
では、第1の実施形態に示したように、埋め込み拡散層
4の幅Wをエピタキシャル層厚Tに対してW>2Tを満
たすように設定するのが望ましい。
【0102】しかし、図15に示すように、光ピックア
ップの光学設計の制約から光ビームの照射間隔が決定さ
れるため、分割部の幅を十分に広く形成することができ
ない場合もある。このような場合には、高速応答性が必
要とされるフォトダイオード近傍の光が照射されない部
分に、埋め込み拡散層4を全面に形成することによっ
て、フォトダイオードの高速動作が可能となる。
【0103】なお、上記実施形態では、第1導電型をP
型とし、第2導電型をN型としたが、第1導電型をN型
とし、第2導電型をP型とすることも可能である。
【0104】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、P型エピタキシャル層とN型エピタキシャル層との
間のPN接合を利用して形成されるフォトダイオード部
に隣接して信号処理回路部が設けられている回路内蔵型
受光素子において、信号処理回路部の第2導電型エピタ
キシャル層の表面から第1導電型エピタキシャル層の内
部に向かって形成される埋め込み拡散層の幅Wを、第1
導電型エピタキシャル層の厚さTに対してW>2Tを満
たすように設定する。これにより、フォトダイオードの
直列抵抗を低減させることができ、また、オートドープ
によるフォトダイオード接合容量の増大等の問題もな
く、高速動作が可能なフォトダイオードを得ることがで
きる。
【0105】さらに、第2導電型エピタキシャル層の表
面から第1導電型エピタキシャル層の内部に向かって形
成される埋め込み拡散層の長さを、受光素子部(フォト
ダイオード)の長さ以上に形成することにより、フォト
ダイオードの直列抵抗における基板側の直列抵抗を低減
することができるので、フォトダイオードの応答速度を
改善することができる。
【0106】さらに、第2導電型エピタキシャル層の表
面から第1導電型エピタキシャル層の内部に向かって形
成される埋め込み拡散層が、その上部に位置する埋め込
み分離拡散層よりも受光素子形成部側にはみ出さないよ
うに形成することにより、フォトダイオード容量の増大
を防止して、フォトダイオードの応答速度を改善するこ
とができる。
【0107】この場合、さらに、上記埋め込み分離拡散
層を、埋め込み拡散層の広がり拡散部分以外の部分にも
1個または複数個形成することにより、フォトダイオー
ドの直列抵抗における基板側の直列抵抗を低減すること
ができるので、フォトダイオードの応答速度を改善する
ことができる。
【0108】さらに、分割フォトダイオードにおいて
は、光ピックアップの光学設計の制約から光ビームの照
射間隔が決定されるため、その分割部の幅をW>2Tを
満たすように十分に広く形成することができない場合も
ある。このような場合、分割フォトダイオードにおい
て、高速応答性が必要なフォトダイオードの近傍で、光
が照射されない部分に、埋め込み拡散層を全面に形成す
ることにより、フォトダイオードの高速動作を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による回路内蔵型受光
素子の構成を示す断面図である。
【図2】エピタキシャル層厚Tを変化させてフォトダイ
オードの直列抵抗を計測した結果を示すグラフである。
【図3】エピタキシャル層厚T=21μmの場合に、埋
め込み拡散層の幅Wに対する抵抗値の変化をデバイスシ
ミュレーションにより検討した結果を示すグラフであ
る。
【図4】エピタキシャル層厚T=35μmの場合に、埋
め込み拡散層の幅Wに対する抵抗値の変化をデバイスシ
ミュレーションにより検討した結果を示すグラフであ
る。
【図5】エピタキシャル層厚Tと、埋め込み拡散層の幅
Wに対して抵抗値が依存しなくなるWの値との関係を示
すグラフである。
【図6】(a)〜(f)は、第1の実施形態における回
路内蔵型受光素子の製造プロセスを説明するための断面
図である。
【図7】(a)および(b)は、本発明の回路内蔵受光
素子によってフォトダイオードの直列抵抗が低減される
ことを説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による回路内蔵型受光
素子の構成を示す平面図である。
【図9】埋め込み拡散層の長さとフォトダイオードの応
答速度(遮断周波数)との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第3の実施形態による回路内蔵型受
光素子の構成を示す断面図である。
【図11】埋め込み拡散層がその上の埋め込み分離拡散
層よりも受光素子部側にはみ出した構成において、その
部分に光が照射された場合の不具合を説明するための断
面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態による回路内蔵型受
光素子の構成を示す断面図である。
【図13】第4の実施形態による回路内蔵型受光素子に
よって、フォトダイオードの応答速度が向上することを
説明するための図である。
【図14】第4の実施形態による回路内蔵型受光素子に
おいて、電流の流れをデバイスシミュレーションを用い
て検討した結果を示す図である。(a)は電流の流れを
説明するための断面図であり、(b)は電流分布を示す
図である。
【図15】本発明の第5の実施形態による回路内蔵型受
光素子の構成を示す断面図である。
【図16】従来技術によるある回路内蔵型受光素子の構
成を示す断面図である。
【図17】従来技術による他の回路内蔵型受光素子の構
成を示す断面図である。
【図18】従来技術によるさらに他の回路内蔵型受光素
子の構成を示す断面図である。
【図19】(a)および(b)は、フォトダイオードの
PN接合界面の近傍におけるオートドープ層の形成に伴
う問題点を説明するための模式的な図である。
【符号の説明】
1 P型半導体基板 2 オートドープ層 3 均一濃度層 4 埋め込み拡散層 5 空乏層 6 埋め込み領域 7 分離拡散領域(埋め込み分離拡散層) 7a 埋め込み分離拡散層 8 N型エピタキシャル層 9 分離拡散領域 10 N型補償拡散層 11 ベース拡散領域 12 エミッタ拡散領域 14 絶縁物層 15 カソード電極 16 アノード電極 17 電極および配線 22 N型拡散層 30 P型高比抵抗エピタキシャル層 80 受光素子部(フォトダイオード部) 90 信号処理回路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 勝 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 瀧本 貴博 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 岡 睦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 笠松 利光 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4M118 AA10 AB10 BA02 CA03 CA18 EA01 FC09 5F049 MA02 NA03 NA12 NA14 NA15 NB05 NB08 PA03 QA15 RA03 RA06 SE05 SE09 SE20 SS02 WA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と、 該半導体基板の表面の上に形成され、該半導体基板の該
    表面から遠ざかる方向に向けて不純物濃度が次第に減少
    する第1の部分と、該第1の部分の上方における第1の
    領域に位置し、かつ、深さ方向に均一な不純物濃度分布
    を有する第2の部分と、を含む第1導電型の第1半導体
    結晶成長層と、 該第1半導体結晶成長層の該第1の部分の上方であっ
    て、該第1の領域を除いた第2の領域に位置する第1導
    電型の埋め込み拡散層と、 該第1半導体結晶成長層の表面および該埋め込み拡散層
    の表面にわたって形成された第2導電型の第2半導体結
    晶成長層と、 該第2半導体結晶成長層を受光素子形成部に相当する領
    域と信号処理回路形成部に相当する領域とに分離するよ
    うに形成された第1導電型の分離拡散領域と、を少なく
    とも備え、 該第1の領域は該受光素子形成部内に位置し、該第2の
    領域は該信号処理回路形成部と該分離拡散領域の下部を
    含んで位置しており、該埋め込み拡散層の幅Wと、該第
    1半導体結晶成長層の厚さTとが、 W>2T の関係を満足するように設定されている回路内蔵型受光
    素子。
  2. 【請求項2】 前記埋め込み拡散層の長さが、受光素子
    形成部の長さ以上に設定されている請求項1に記載の回
    路内蔵型受光素子。
  3. 【請求項3】 前記埋め込み拡散層が、その上部に位置
    する埋め込み分離拡散層よりも受光素子形成部側にはみ
    出さないように形成されている請求項1または請求項2
    に記載の回路内蔵型受光素子。
  4. 【請求項4】 前記埋め込み拡散層の上部には、その端
    部の広がり拡散部分に形成した前記埋め込み分離拡散層
    以外にも、1個または複数個の埋め込み分離拡散層が形
    成されている請求項3に記載の回路内蔵型受光素子。
  5. 【請求項5】 前記受光素子形成部が複数の領域に分割
    されて分割フォトダイオードが形成され、高速応答が必
    要とされるフォトダイオードの近傍であって、かつ、光
    が照射されない部分には、前記埋め込み拡散層が全面に
    形成されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の回路内蔵型受光素子。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板の不純物濃度が1×10
    16atoms/cm 3以下である請求項1乃至請求項5
    のいずれかに記載の回路内蔵型受光素子。
  7. 【請求項7】 前記埋め込み拡散層と前記第1半導体結
    晶成長層の前記第1の部分との間の接触界面における不
    純物濃度が、1×1013atoms/cm3以上である
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の回路内蔵型受
    光素子。
  8. 【請求項8】 前記分離拡散領域における埋め込み拡散
    層の表面濃度が1×1016atoms/cm3以下であ
    る請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の回路内蔵型
    受光素子。
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