JP3974322B2 - 光半導体集積回路装置及び光記憶再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホトダイオード部とアンプ部を有する光半導体集積回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホトダイオード部とアンプ部を有する光半導体集積回路装置は、光情報記録再生装置であるCD(コンパクト・ディスク)ドライブやDVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)ドライブなどにおける光検出及び信号処理に使用される。半導体集積回路装置と光検出器は、従来別々に作製され、ホトダイオードからの検出信号はリード線等の配線により半導体集積回路装置に送られ、増幅等の処理が施されことが多い。しかし、CDドライブなどにおいては、読み取り動作の高速化及び装置の小型化が要求されるようになってきており、これに対処するために、ホトダイオードと半導体集積回路を同一基板上に作製するOEIC(光電子集積回路素子)と称されるものが作られるようになってきている。その構造は、例えば特開平11−266033号公報に記載されている。また、特開平4−82268号には、第1導電形の半導体基板と第2導電形のエピタキシャル層で構成されるホトダイオードを有する半導体装置において、エピタキシャル層下にエピタキシャル層又は半導体基板より低濃度の半導体領域を形成すること、あるいはエピタキシャル層下に半導体基板より高濃度の第1導電形の半導体領域を形成することによってホトダイオードの高感度化と広帯域化を図ることが記載されている。
【0003】
図2は、SOI(Silicon on Insulator)基板上に作製したホトダイオード付き光半導体集積回路装置の一例の概略断面図である。図2の1の部分がホトダイオード部を、2の部分がアンプ部分の一部であるトランジスタ部を示す。これらの素子は、n型シリコン支持基板30と酸化膜40、シリコン結晶層すなわちSOI層31が形成されたSOI基板上に作製される。
【0004】
トランジスタ部2では、パッシベーション膜43上にコレクタ電極63、エミッタ電極64、ベース電極65が形成されている。SOI層31の上部にはn−型のエピタキシャル層32があり、ベース拡散層33、エミッタ拡散層35と共にトランジスタを構成している。エピタキシャル成長によるシリコン層を成長させる前に基板表面に作製される高濃度不純物層である埋め込み層50は、コレクタの抵抗を下げるために、SOI層31に不純物が導入されており、コレクタ接続用n型拡散層51により上部電極(コレクタ電極)と接続されている。エミッタ電極64へは、エミッタ拡散層35、エミッタ電極用ポリシリコン36、シリサイド膜66により導通がとられている。42は側壁酸化膜であり、エミッタとベースのポリシリコンを絶縁している。素子間は素子間分離埋め込み酸化膜41で分離され、素子内の分離は浅溝の埋め込み酸化膜46で行う。
【0005】
ホトダイオード部1においては、61はホトダイオードのカソード電極、62はアノード電極である。酸化膜44を透過した検出すべき光10は、p+層37、及びエピタキシャル層32、埋め込み層50で光キャリアを発生させ、電極61と62の間の光電流となる。ホトダイオードの場合もトランジスタと同様に埋め込み層50があり、カソード接続用n型拡散層52及びシリサイド層67によりカソード電極(上部電極)61に接続されている。ホトダイオードからの電流は、本例では明記していないが、多数のトランジスタ集積回路群により信号処理される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
シリコン結晶を照射したときの光のシリコン内部での強度変化を図3に示す。光の強度は表面における強度で規格化してある。光の強度は表面から深くなるほど減衰するが、その減衰状態は光の波長により異なる。CDドライブに使用される波長780nm付近では、シリコン結晶の内部まで深く侵入するが、短い波長の410nmの光はほとんど表面付近で減衰する。また、DVDドライブに使用されている波長660nmの光の侵入状態は両者の間にある。
【0007】
シリコン内部に侵入した光は光キャリアを発生させ、光電流となる。この光キャリアの発生状態とホトダイオードの構造との相互関係がホトダイオードの感度及び周波数特性を決める要因となる。図3の図中にホトダイオード断面構造の寸法の一例を示す。PD層とはホトダイオードの表面にあるp+層からn−層を含めた空乏層端までを示す。SOI層とは埋め込み層が形成されるシリコン結晶層である。PD層にはSOI層に対して逆バイアスが十分な大きさで印加されており、空乏層はSOI層まで達しているものとする。実線で示した410nmの波長においては、光はPD層内でほとんど吸収されるので、キャリアのドリフト速度により遮断周波数は決まり、ギガHz程度の遮断周波数であることが予想される。一方、短い破線で示した780nmの波長では、光はSOI層まで十分な強度で達し、さらにシリコン支持基板にまで達する。SOI層内では、空乏層のようには電圧がかかっていないので、発生した光キャリアは拡散過程を通じた光電流となる。この拡散過程は非常に遅い過程なので、この電流の比率が大きくなると、ホトダイオードの周波数帯域は著しく狭くなる。
【0008】
また、ホトダイオードの感度の向上は、より多くの光キャリアが空乏層に流入することにより達成される。SOI基板を用いたホトダイオードでは、絶縁物によりシリコン支持基板と区切られているので、シリコン支持基板で発生した光キャリアはホトダイオードの光電流に寄与しない。従って、図3に示す780nmの光のように酸化膜を透過してシリコン支持基板に多くの光が侵入する場合は、よい感度のホトダイオードが得られなくなる。
【0009】
現在、CDドライブあるいはDVDドライブでは高速の再生が要求されるようになってきており、ホトダイオードの高感度化・広帯域化が求められるようになってきている。しかし、製造プロセスが集積回路装置部分に対して最適化されているにもかかわらず、SOI層の膜厚、PD層の厚さを変更することにより、ホトダイオードの遮断周波数あるいは感度を向上させようとすると、トランジスタ等の集積回路装置部分の性能が劣化する可能性がある。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑み、集積回路装置の製造プロセスを大きく変更せずに、すなわち集積回路装置の性能を劣化させないで、集積回路装置と同一基板に作製されたホトダイオードの周波数特性あるいは感度を向上させた光半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、アンプ部分の埋め込み層とは異なる不純物分布あるいは濃度をホトダイオード部の埋め込み層において使用することにより、ホトダイオードの周波数帯域を向上させる。また、基板の絶縁膜の膜厚を最適なものにして感度の向上を図る。
【0012】
図4に、ホトダイオードの断面の模式図を示す。SOI基板300を使用しており、40は酸化膜の絶縁層である。32はエピタキシャル層であり、最上部にはp+層37が形成されているものとする。図4(A)は従来構造のホトダイオード部を示し、アンプ部分と同じ埋め込み層50を有しているものとする。本発明による図4(B)の構造のホトダイオード部においては、集積回路装置部分の埋め込み用のものとは異なるマスクを用意し、イオン打ち込み条件を変えることにより、埋め込み層501の不純物濃度を変化させている。
【0013】
エピタキシャル層は完全に空乏化されているものとし、光10の入射光による光キャリアはエピタキシャル層32及び埋め込み層へと変化したSOI層で発生するものとする。p+層埋め込み層37とSOI層の間には十分な大きさの逆バイアスが印加されているので、エピタキシャル層32にはドリフト電流が流れ、他方SOI層には電圧がかからないので光キャリアは拡散電流となる。拡散電流はホトダイオードの周波数特性を悪くする原因であるが、埋め込み層501の不純物濃度を変えると、そこでの拡散定数が変化し、拡散速度を変えることができる。
【0014】
埋め込み層の不純物濃度変化による遮断周波数(3dB減少する周波数と定義)の変化を図5に示す。計算条件は、図4(B)の断面図において、エピタキシャル層の厚さaを1.2μm、SOI層の厚さbを1.5μmとし、光の波長を780nm、埋め込み層での少数キャリア寿命を3×10−3秒とした。図5に示すように、不純物濃度を減少させると、周波数帯域が広がることが分かる。トランジスタ部の埋め込み層の不純物濃度を1×1018cm−3程度としたとき、1桁程度以内で減少させるのが現実的で、それ以上減少させても埋め込み層の抵抗増加の効果が大きくなり、遮断周波数が減少して逆効果となる。従って、ホトダイオード部の埋め込み層の不純物濃度は、1×1017cm−3〜1×1018cm−3程度とするのが好ましい。また、空乏層ができるエピタキシャル層の厚さが厚いほど周波数帯域が広くなるが、長波長の780nmの光を検出する場合は深く光が侵入するので、SOI層の厚さ等を勘案するとエピタキシャル層の厚さは0.8μm以上が望ましい。
【0015】
また、ホトダイオードの感度を向上させるために、図6に示すように、SOI基板の酸化膜401による反射光を増大させて、ホトダイオード内でより多くの光キャリアを発生させる方法をとる。図6における酸化膜401の厚さcを変化させたとき、反射光11の強度が変化する。反射光11はホトダイオードの内部に戻り光キャリアを発生させるので、これを大きくすれば感度が大きくなることになる。
シリコン内部の酸化膜401による反射率R(δ)は次式(1)で表され、δ=2πnc/λである。rはシリコンから酸化膜へ垂直入射するとき反射係数であり、nは酸化膜の屈折率、cは酸化膜の厚さ、λは光の波長である。
【0016】
R(δ)=2r2{1−cos(2δ)}/{1−2r2cos(2δ)+r4} …(1)
【0017】
式(1)より、反射光が大きくなる条件は、酸化膜厚cが略λ÷(4×n)×(正の奇数)のときであることが分かる。使用波長を780nm、表面反射率を0.26、酸化膜の屈折率nを1.46としたとき、上式から反射が最大となる酸化膜厚cの最初の二つは130nm、401nmとなる。
【0018】
また、上式を使用して、図4に使用したホトダイオードと同構造を採用したときの感度の酸化膜膜厚依存性を図7に示す。感度の計算結果も同様な傾向を示し、反射が最大になるところで感度が最大になる。ここでは最初の二つのピークが含まれる膜厚までしか計算を行っていないが、これより厚い場合も膜厚が略λ÷(4×n)×(正の奇数)のとき感度のピークが現れると予想される。以上述べたように、使用する波長に対して反射光が最大になるようにSOI基板の酸化膜の膜厚を選択することにより、より大きい感度のホトダイオードを得ることが可能となる。
【0019】
次に、遮断周波数を大きくする方法として、図8のホトダイオードの断面構造に示すように、埋め込み層をSOI層に形成するとき、図4(A)に示した従来構造の埋め込み層50と比較して埋め込み層502をSOI層の表面よりdだけ深く分布させる。このような不純物の分布の形成は、イオン打ち込み条件の制御により可能である。計算のモデルとして、SOI層の表面を基準としてd=0.2μmの深さから埋め込み層502の不純物が酸化膜40側に分布するように作製したものを考える。その他の条件は図4の場合と同様である。
【0020】
計算結果を図9に示す。図9は横軸が酸化膜の膜厚、縦軸が遮断周波数であり、実線90はd=0.2μmの打ち込みがある場合の遮断周波数の変化を示し、破線91は図4(A)に示した従来構造における変化を示す。酸化膜の膜厚の変化により遮断周波数は多少変動するが、深い不純物の分布を有する実線90の方が大きい遮断周波数を有すること分かる。ここではd=0.2μmの場合について検討したが、dを0.2μm以上としても同様の結果が得られる。
【0021】
以上の検討に基づく本発明の光半導体集積回路装置は、SOI基板と、SOI基板に形成されたアンプ部と、SOI基板に形成されたホトダイオード部とを有する光半導体集積回路装置において、アンプ部とホトダイオード部とは各々不純物を含有して上部電極と接続された埋め込み層を有し、ホトダイオード部は第1の導電型と第2の導電型との接合部がSOI基板上のエピタキシャル層の内部にあり、ホトダイオード部の埋め込み層の不純物濃度はアンプ部の埋め込み層の不純物濃度よりも低いことを特徴とする。エピタキシャル層の膜厚は0.8μm以上であることが好ましい。エピタキシャル層の膜厚の上限は、埋め込み層と上部電極(カソード電極あるいはコレクタ電極)とを接続する接続層の製造上の問題から実際上、2μm程度である。また、ホトダイオード部の埋め込み層の不純物濃度は1×1017cm−3〜1×1018cm−3の範囲とするのが好ましい。
【0022】
この構成を採用することにより、他の半導体集積回路装置と共に同一基板上に作製されたホトダイオードの周波数特性を向上させることができる。
本発明による光半導体集積回路装置は、また、SOI基板と、SOI基板に形成されたアンプ部と、SOI基板に形成されたフォトダイオード部とを有する光半導体集積回路装置において、フォトダイオード部のSOI層は、SOI基板の表面側の不純物濃度がSOI基板の絶縁膜側の不純物濃度よりも小さいことを特徴とする。
【0023】
このような構成を採用することにより、他の半導体集積回路装置と共に同一基板上に作製されたホトダイオードの周波数特性を向上させることができる。
本発明による光半導体集積回路装置は、また、SOI基板と、SOI基板に形成されたアンプ部と、SOI基板に形成されたフォトダイオード部とを有する光半導体集積回路装置において、アンプ部とホトダイオード部とは各々不純物を含有して上部電極と接続された埋め込み層を有し、ホトダイオード部の埋め込み層は前記アンプ部の埋め込み層より0.2μm以上深い場所に形成されていることを特徴とする。
【0024】
このような構成を採用することにより、他の半導体集積回路装置と共に同一基板上に作製されたホトダイオードの周波数特性を向上させることができる。
本発明による光半導体集積回路装置は、また、SOI基板と、SOI基板に形成されたアンプ部と、SOI基板に形成されたフォトダイオード部とを有する光半導体集積回路装置において、入射する光の波長をλ、絶縁膜の屈折率をn、正の奇数をmとするとき、フォトダイオード部のSOI基板の絶縁膜の膜厚は略λ÷(4×n)×mであることを特徴とする。フォトダイオード部のSOI基板の絶縁膜の膜厚は、略λ÷(4×n)×mであるのが好ましく、実際上は{λ÷(4×n)×m}±{λ÷(8×n)}の範囲に入っているのが好ましい。
【0025】
このような構成の採用により、他の半導体集積回路装置と共に同一基板上に作製されたホトダイオードの感度を向上させることできる。
本発明による光記憶再生装置は、情報を記録した光ディスクと、半導体レーザ光源と、半導体レーザ光源からの出射光を光ディスクに集光する光学系と、光ディスクからの反射光を検出する光検出器と、光検出器で検出された信号を処理する信号処理部とを含む光記憶再生装置において、前述の光半導体集積回路装置を用いて反射光の検出と、検出された信号の少なくとも一部の処理を行うことを特徴とする。
【0026】
この光記憶再生装置は、使用する光半導体集積回路装置のホトダイオードの感度向上と周波数帯域の拡大により、光記憶再生装置の再生速度を向上させることができる。また、波長の異なる光を検出する場合、感度が低く周波数帯域の狭い波長に対して、感度を向上させ、周波数帯域を広げる効果あるので、一つの光半導体集積回路装置により多波長に対処できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による光半導体集積回路装置の第1の実施例の概略断面図である。アンプ部の一部であるトランジスタ部2は図2におけるものと同等であり、製造プロセスはトランジスタ部2に対して最適化されているものとする。ホトダイオード部1においては、埋め込み層502がSOI層31に形成されるとき、深く打ち込まれている。また、酸化膜401の膜厚は反射が大きくなるように設定されており、例えば波長780nmの光を検出するために膜厚401nmが採用される。
【0028】
図1に示した素子構造の作製プロセスの概略を図10から図12を用いて説明する。図10に示したSOI基板においては、シリコン支持基板30の上に膜厚401nmの酸化膜401と、膜厚1.5μmのn−型のSOI層31(シリコン結晶層)が形成されている。このSOI層31にアンチモン等の不純物をイオン打ち込みにより注入し(図11)、埋め込み層とする。埋め込み層50はトランジスタ部2用であり、不純物は表面から分布している。一方、トランジスタ用の埋め込み層を作製したマスクとは別のマスクを用い打ち込み条件を変えてホトダイオード部1のイオン打ち込みを行う。これにより表面から0.2μmだけ離れた位置に不純物を分布させてホトダイオード部1の埋め込み層502を形成する。
【0029】
次に、図12のようにエピタキシャル層32(第1の半導体層)を1.2μm成長させる。その後、素子内分離用の浅溝46を形成し、酸化膜を埋め込み、さらに、素子間分離用の深溝41を形成し、酸化膜を埋め込む。次に、エピタキシャル層32の表面を酸化し酸化膜44を形成した後、コレクタ接続用n型拡散層51とカソード接続用n型拡散層52をリンのイオン打ち込みにより形成する。
【0030】
次に、図1に示されているように、ホトダイオード部のp+層37(第2の半導体層)とベース拡散層33を形成し、ベース引出し用及びカソード引出し用のポリシリコン34と酸化膜45、側壁酸化膜42を形成する。この後、エミッタ電極用のポリシリコン36、エミッタ拡散層35を形成した後、パッシベーション用の酸化膜を堆積する。その酸化膜に窓を開け、Tiを堆積して、熱処理によりコンタクト抵抗低減のためのシリサイド膜66,67を形成する。再度、パッシベーション膜43を堆積し、平坦化した後、コンタクト用の窓を開け、コレクタ電極63、エミッタ電極64、ベース電極65、カソード電極61、アノード電極62を形成して、素子が完成する。
本実施例の光半導体集積回路装置は、図6,7及び図8,9にて説明した効果によって、図2に示した従来構造の光半導体集積回路装置に比較して(ホトダイオードの感度が向上しと周波数帯域が広くなる。
【0031】
図13は、本発明による光半導体集積回路装置の第2の実施例を示す概略断面図である。本実施例においては、埋め込み層501の不純物濃度をトランジスタ部の埋め込み層50より低下させている。この場合、図14に示すように、作製プロセスにおいてトランジスタ部の埋め込み層50を作製したマスクとは異なるホトダイオード用のものを用いて、埋め込み層501を作製するが、不純物の打ち込み量を少なくする。ここではトランジスタ部の埋め込み層50の不純物濃度を1×1018cm−3、ホトダイオード部の埋め込み層501の不純物濃度を1×1017cm−3とした。この埋め込み層50,501の作製プロセスを、前述の図11に示した製造プロセスに置き換え、他のプロセスは前記実施例と同じにして光半導体集積回路装置を作製した。
本実施例の光半導体集積回路装置は、図4,5及び図6,7にて説明した効果によって、図2に示した従来構造の光半導体集積回路装置に比較して周波数帯域が2倍程広くなる。
【0032】
図15は、本発明による光半導体集積回路装置を用いた光記憶再生装置の実施例を示す概略図である。本実施例では2個の半導体レーザ光源111,112を使用する。半導体レーザ光源111は発光波長410nmの短波長光を出射し、半導体レーザ光源112は発光波長660nmの長波長光を出射する。
【0033】
本実施例では、使用するレーザ光源を光ディスクの種類により切り換える。両者のレーザ出射位置は光軸近傍にあり、出射光はコリメータレンズ121で平行光にされる。平行光は偏光性回折格子131を通過した後、λ/4波長板132により円偏光に変換され、対物レンズ122で光ディスク150に集光される。光ディスクに記録された情報マークからの反射光は、対物レンズ122を透過した後、λ/4波長板132で直線偏光に戻り、偏光性回折格子131により回折される。
【0034】
この偏光性回折格子は4分割されており、格子の形状が異なっているため、図16に示すように、133,134,135,136の方向にそれぞれ光を回折する。図15における回折光の表示は、一つの回折パターンからの回折光のみとし、他の3個のパターンからの回折光は省略した。回折光はコリメータレンズ121のほぼ矢印の範囲を通過し、短波長光の(−)1次回折光141及び(+)1次回折光143、長波長光の(−)1次回折光142及び(+1)次回折光144が、光半導体集積回路装置151,152上の異なる位置に集光される。光半導体集積回路装置151,152はシリコン基板153上にあり、本実施例では光半導体集積回路装置をシリコン基板上に貼り付けてあるが、シリコン基板に直接作りつけることも可能である。同様に、半導体レーザ111,112もシリコン基板153上に貼り付けられており、マイクロプリズム等により、出射方向が上方に向かうように調整されている。本実施例で使用される光半導体集積回路装置は、前述の第1の実施例あるいは第2の実施例で示した光半導体集積回路装置である。
【0035】
図17に、(−)1次の回折光を検出する光半導体集積回路装置151の概略を示す。光半導体集積回路装置151はフォーカス・エラー信号を生成するためのものであり、図15中の焦点位置調節装置180にサーボをかけて対物レンズ122の位置を制御する。光半導体集積回路装置151にはホトダイオード161〜168が配置されており、161と162の両者が133の方向の偏光性回折格子からの光を検出し、163,164のホトダイオードが134の偏光性回折格子による回折光を検出する。同様に、165,166のホトダイオードは136の方向の偏光性回折格子によるものを、167,168のホトダイオードは135の方向の偏光性回折格子によるものを検出する。それぞれのホトダイオードの大きさは40μm×600μm程度である。波長が異なると、回折方向が異なるが、ホトダイオードの長さをを調整することにより長短両波長の光を検出できる。それぞれ対のホトダイオードの間隙部分では、両者の感度が、距離が離れるに従って減少するようになっている。光ディスク150が合焦点の位置にあるときは、回折光は両者の中心位置に集光され、対のホトダイオードに入射する光量は等しくなる。他方、光ディスク150が焦点位置からはずれているときは、両者に入射する光量は等しくなくなる。本実施例では161,163,166,168のホトダイオードを結線し第1の加算信号とし、他方、162,164,165,167のホトダイオードを結線し第2の加算信号としている。この両者の差信号が焦点位置制御信号となる。これらの光電流の増幅・差分の処理を行うのがアンプ回路169であり、同一基板上に作製されている。
【0036】
光半導体集積回路装置152は、トラッキング・エラー信号を(+)1次光を用いて生成するためのものである。図18におけるホトダイオードの感度領域を171,172,173,174で示す。ホトダイオードのそれぞれの大きさは80μm×600μm程度である。ホトダイオード171は135の方向(図16)の回折光を検出し、ホトダイオード172は136の方向の回折光、ホトダイオード173は134の方向の回折光、ホトダイオード174は133の方向の回折光を、それぞれ検出する。各々のホトダイオードの大きさは二つの波長の光が入射するように設計されている。これらのホトダイオードからの光電流は、同じ基板に同じプロセスで同時に作製されたトランジスタ等によるアンプ回路175によって信号処理される。
【0037】
トラッキング・エラー信号の生成は位相差検出法で行い、図16の四つの領域を通過する光の対角のものをそれぞれ加え合わせ、その差信号をとる。すなわち、ホトダイオード171の信号と173の信号を、172の信号と174の信号をそれぞれ加え合わせ、その結果の差をとり、トラッキング・エラーとすることになる。トラッキング・エラー信号は、サーボ回路を通じて、図15の中の焦点位置調節装置180により対物レンズ122の光軸に垂直な方向での制御を行う。また、すべての信号を加え合わせたものは、光ディスクからの読み出し信号となる。
上述の実施例においては、第1の半導体層がn型、第2の半導体層がp型として説明したが、本発明はこれだけに限られるものではない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると光半導体集積回路装置上の他の半導体集積回路装置の性能を劣化させることなく、ホトダイオードの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光半導体集積回路装置の第1の実施例の概略断面図。
【図2】従来の光半導体集積回路装置の概略断面図。
【図3】シリコン結晶への光の侵入状態を表す図。
【図4】ホトダイオードの埋め込み層の不純物濃度を減少させたことを示す断面比較図。
【図5】ホトダイオードの遮断周波数の不純物濃度依存性を示す図。
【図6】SOI基板の酸化膜膜厚を変えたことを示す断面模式図。
【図7】ホトダイオードの感度の酸化膜膜厚依存性を示す図。
【図8】ホトダイオードの埋め込み層を深く分布するようにしたことを示す断面模式図。
【図9】ホトダイオードの遮断周波数の酸化膜依存性を従来構造と比較した図。
【図10】光半導体集積回路装置の製造プロセスを示す断面図。
【図11】光半導体集積回路装置の製造プロセスを示す断面図。
【図12】光半導体集積回路装置の製造プロセスを示す断面図。
【図13】本発明による光半導体集積回路装置の第2の実施例を示す概略断面図。
【図14】第2の実施例の製造プロセスの一部を表す断面構造模式図。
【図15】光記憶再生装置の実施例を示す概略図。
【図16】4分割された偏光性回折格子の光の回折方向を示す図。
【図17】フォーカス・エラー信号を検出するための光半導体集積素子の概略図。
【図18】トラッキング・エラー信号を検出するための光半導体集積素子の概略図。
【符号の説明】
1.ホトダイオード部
2.アンプ部
10.検出すべき光
11.反射光
30.シリコン支持基板
31.SOI層
32.エピタキシャル層
33.ベース拡散層
34,36.ポリシリコン層
35.エミッタ拡散層
37.p+層
40.SOI基板の酸化膜
41.素子間分離埋め込み酸化膜
43.パッシベーション膜
44.酸化膜
46.浅溝埋め込み酸化膜
50,501,502.埋め込み層
51.52.接続用n型拡散層
61.カソード電極
62.アノード電極
63.コレクタ電極
64.エミッタ電極
65.ベース電極
111,112.半導体レーザ
121.コリメータレンズ
122.対物レンズ
131.偏光性回折格子
132.λ/4波長板
133〜136.回折光の方向
141,142.(−)1次回折光
143,144.(+)1次回折光
150.光ディスク
151.フォーカス・エラー信号検出用光半導体集積回路装置
152.トラッキング・エラー信号及び読み出し信号検出用光半導体集積回路装置
153.シリコン基板
161〜168.フォーカス・エラー信号検出用ホトダイオード
169.アンプ回路
171〜174.トラッキング・エラー信号及び読み出し信号検出用ホトダイオード
175.アンプ回路
Claims (2)
- SOI基板と、前記SOI基板に形成されたアンプ部と、前記SOI基板に形成されたフォトダイオード部とを有する光半導体集積回路装置において、
前記フォトダイオード部のSOI層は、前記SOI基板のフォトダイオード側の不純物濃度が前記SOI基板の絶縁膜側の不純物濃度よりも小さいことを特徴とする光半導体集積回路装置。 - 情報を記録した光ディスクと、半導体レーザ光源と、前記半導体レーザ光源からの出射光を前記光ディスクに集光する光学系と、前記光ディスクからの反射光を検出する光検出器と、前記光検出器で検出された信号を処理する信号処理部とを含む光記憶再生装置において、
請求項1記載の光半導体集積回路装置により前記反射光の検出と、前記検出された信号の少なくとも一部の処理を行うことを特徴とする光記憶再生装置。
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