JP2006054252A - 固体撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 SOI基板110のシリコン層111に埋め込み絶縁膜112を設け、その上層のP型ウェル領域114にフォトダイオード116や転送ゲート118を設ける。シリコン層111及び埋め込み絶縁膜112の膜厚は、光入射に対する分光感度特性によって最適化されており、例えば長波長の赤色光については、埋め込み絶縁膜が反射膜として作用し、フォトダイオード116側に反射して電荷蓄積層に蓄積されるように形成する。これにより、浅いフォトダイオードでも感度低下を有効に抑制でき、かつ、フォトダイオードが浅いことにより、十分な素子分離機能が実現できる。
【選択図】 図1
Description
そして、このような固体撮像装置において、半導体チップの大きさを変えずに画像の高解像度化を図るためには画素の微細化が必須である。しかしながら画素の微細化には、物理的に回避困難な問題も少なからずあり、その1つが隣接する画素間で生じる混色の問題である。
この場合、光学的混色に関しては遮光膜の工夫によって抑制は不可能ではないが、基板内に進入した光と光電変換部以外で発生した信号による混色を抑制するのは容易ではない。特に画素間の距離が近づくにつれ、斜めに入射した光が隣接画素の下部まで到達する可能性が高まり、そこでの生成信号が隣接画素に流入する可能性もまた高まることになる。
シリコン基板10の上層には、素子形成領域となるP型ウェル領域12が形成され、このP型ウェル領域12内に各画素のフォトダイオード(PD)14及び転送ゲート(TRG)16が設けられている。
図示の例では、フォトダイオード14は、N型不純物領域14Bによる電荷蓄積領域がシリコン基板10の深い位置まで形成され、その表面にP型不純物領域14Aによる正孔蓄積領域が形成されたHAD構造を有している。
また、転送ゲート16は、シリコン基板10の上面に表面絶縁膜18を介してゲート電極16Aを配置し、フォトダイオード14のN型不純物領域14Bからフローティングデフュージョン部に接続されるN型不純物領域16Bに信号電荷を読み出すようになっている。
このような構成において、フォトダイオード14のN型不純物領域14Bがシリコン基板10の深い位置まで形成されていることから、斜めに入射した光によってシリコン基板10の深い部分でフォトダイオード14からはみ出した領域に偽信号となるキャリア20が生成され、これが隣接するフォトダイオード14に吸収されて混色の原因となる。
また、埋め込み絶縁膜や表面絶縁膜の界面にフォトダイオードの電荷蓄積領域の半導体型と異なる型の半導体領域が接するようにしことで、暗電流を防止できる構造とした。
また、埋め込み絶縁膜による反射分光特性と表面絶縁膜による透過分光特性とを意図的に異ならせることにより、埋め込み絶縁膜による反射光成分がゴーストとして生じるのを抑制できるようにした。
また、SOI基板のシリコン層の膜厚がフォトダイオードの近傍領域で大きく、それ以外のトランジスタ形成領域で小さくし、フォトダイオードの特性とトランジスタの特性の両方に最適なSOI基板とすることが可能であるが、実際の製造時における効率性に鑑み、光電変換素子と画素トランジスタが配置される画素領域全体ではフォトダイオードの特性を重視してシリコン層を厚くし、駆動回路や信号処理回路が搭載される周辺回路領域ではMOSトランジスタの特性を重視してシリコン層を薄くすることにより、加工が容易で信頼性の高い固体撮像装置を提供できる。
この固体撮像装置は、SOI基板110上に光電変換素子(フォトダイオード)やその他の素子(各種トランジスタゲート等)を形成したものであり、SOI基板110は、絶縁体層(図では省略)の上にシリコン層111を設けたものである。そして、本実施例において、SOI基板110のシリコン層111は、上下2層のシリコン層111A、111Bに分離され、その中間に埋め込み絶縁膜112を挟んだ積層構造となっている。
そして、上層のシリコン層111Aに素子形成領域となるP型ウェル領域114が形成され、このP型ウェル領域114内に各画素の光電変換素子であるフォトダイオード(PD)116及び電荷転送素子である転送ゲート(TRG)118が設けられている。なお、各シリコン層111A、111Bの膜厚と埋め込み絶縁膜112の膜厚は、光入射に対する分光感度特性によって決定し、最適化されているものとする。
また、転送ゲート118は、シリコン層111Aの上面に表面絶縁膜120を介してゲート電極118Aを配置し、フォトダイオード116のN型不純物領域116Bからフローティングデフュージョン部となるN型不純物領域118Bに信号電荷を読み出すようになっている。
一般に波長の短い光ほどシリコン層内における吸収効率が高い。たとえば、波長400nmの光(青色)は1μm以内でほぼ吸収されるのに対し、700nm付近の光(赤色)は3μm程度の深さがあっても50%程度の吸収率である。このことから、たとえば、シリコン膜111Aを1μmの深さにするとすれば、反射のピークを600〜700nm程度にすることで、感度の不均衡を改善可能である。なお、干渉した光が強め合うための条件式は一般に次式(1)で表せることが知られている。
(2n+1)λ/2=2tBOX ……式(1)
ただし、この式(1)において、tBOXは埋め込み絶縁膜の膜厚、nは整数、λは埋め込み絶縁膜中における波長を示す。
また、特にシリコン層111Aの膜厚が、入射した光のうちの青色付近の光がほぼ吸収される1μm±10%から、赤色付近(700nm±10%)の光が半分程度しか吸収されない3μm±10%までの膜厚を有する場合に、700nm±10%の光が式(1)を満たすように埋め込み絶縁膜の膜厚を決定すれば、従来は受光素子として致命的な半分以下しか吸収されなかった赤色付近の光の吸収量を増加させることができる。
図示のように、本実施例は、上層のシリコン層111Aの膜厚を大きくし、このシリコン層111Aの途中までフォトダイオードド116のN型不純物領域116Bを形成したものである。これにより、フォトダイオードド116のN型不純物領域116Bと埋め込み絶縁膜112との間にはP型ウェル領域114の一部が介在することになる。
フォトダイオード116の下部の埋め込み絶縁膜112との界面は、シリコン層111A上の表面絶縁膜120の界面と同様に、界面準位を介した暗時電流の発生源となる。このため、界面近傍を電荷蓄積領域の型(本例ではN型)と異なる型(本例ではP型)の半導体とすることで、界面で発生したキャリアの拡散を抑制し、暗時電流を抑制することができる。
図示のように、本実施例は、P型ウェル領域114と埋め込み絶縁膜112との間にN型不純物領域よりなるオーバーフロードレイン部122を設け、P型ウェル領域114の一部をポテンシャルバリアとしたものである。
すなわち、フォトダイオード116の下部に電荷蓄積領域の型(本例ではN型)と異なる型の領域(本例ではP型ウェル領域114)を配置し、さらにその下の埋め込み絶縁膜112と接する領域に電荷蓄積領域と同じ型の領域(本例ではN型のオーバーフロードレイン部122)を配置する。そして、このオーバーフロードレイン部122には所定の電圧VOFDを印加し、フォトダイオード116の電荷蓄積領域で発生した電荷のうちの余剰電荷を、ポテンシャルバリアとしてのP型ウェル領域114を介して下方に排出する縦型オーバーフロードレインを構成している。なお、本実施例の構成では、界面で発生する暗時電流は電位障壁によって電荷蓄積領域には流れずに、電源へと流れることになる。
図4は縦型の代わりに横型のオーバーフロードレイン部124を設けた例である。すなわち、フォトダイオード116の側部にP型ウェル領域114の一部を介してN型不純物領域よりなるオーバーフロードレイン部124を設けて所定の電圧VOFDを印加している。図中の楕円αで示した領域がポテンシャルバリア(オーバーフロー障壁)として機能し、フォトダイオード116の電荷蓄積領域で余剰となった電荷が横方向に排出される。
また、図5は図4に示した横型オーバーフロードレイン部124に加えて、P型ウェル領域114の上部にオーバーフロードレインの駆動ゲート電極(OFDG)126を設けてゲート制御を行い、オーバーフロー障壁のレベルを制御して、駆動電圧VDDを印加したオーバーフロードレイン部124にフォトダイオード116の余剰電荷を所定のタイミングで排出する。
本実施例は、周辺回路領域のシリコン層の膜厚を薄くして、MOSトランジスタ128等を形成するようにしたものである。すなわち、本実施例の固体撮像装置は、主にフォトダイオードと各種画素トランジスタによって構成される画素領域と、各種のトランジスタ等によって駆動回路や信号処理回路が形成される周辺回路領域とを同一半導体チップ上に構成したものであるが、画素領域のシリコン層はフォトダイオードの特性を優先して大きい膜厚に形成し、周辺回路領域はMOSトランジスタの特性を優先して小さい膜厚に形成したものである。
なお、図6に示す例では、画素領域側の構成に図2に示した構成を適用しているが、他の実施例で示した構成であってもよいものである。
そこで、図6に示すように、画素領域と周辺回路領域とでシリコン層の膜厚を変えることで、周辺回路領域でもSOI基板を用いることの恩恵を得ることができる。特にトランジスタの低消費電力化は拡散層容量の低減が重要であることから、膜厚は拡散層の深さ程度(0.5μm前後)まで薄くする必要がある。ただし、SOI基板のシリコン層の膜厚はエッチングで容易に変えられるが、画素領域内の狭い領域で膜厚の厚い領域と薄い領域が混在するのは、製造工程上好ましくないため、本実施例のように、主に周辺回路領域への適用が望ましい。
Claims (9)
- 絶縁体層の上にシリコン層を設けたSOI基板と、
前記SOI基板のシリコン層に形成され、入射光に応じた信号電荷を生成する光電変換素子と、
前記SOI基板のシリコン層に形成され、前記光電変換素子によって生成された信号電荷を転送する電荷転送素子とを有し、
前記SOI基板のシリコン層は複数のシリコン層によって埋め込み絶縁膜を挟んだ積層構造を有し、
前記埋め込み絶縁膜は所定の波長の光の反射に最適化された膜厚を有する、
ことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記シリコン層の表面に設けられる表面絶縁膜の界面及び前記埋め込み絶縁膜の界面に、前記光電変換素子の電荷蓄積領域の半導体型と異なる型の半導体領域が接することを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記埋め込み絶縁膜による反射分光特性と前記表面絶縁膜による透過分光特性が異なることを特徴とする請求項2記載の固体撮像装置。
- 前記光電変換素子の余剰電荷を排出するオーバーフロードレイン部を有することを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記オーバーフロードレイン部のオーバーフロー障壁の高さを適宜に調整する制御手段を有することを特徴とする請求項4記載の固体撮像装置。
- 前記SOI基板のシリコン層の膜厚が前記光電変換素子の近傍領域で大きく、前記近傍領域以外のトランジスタ形成領域で小さいことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記光電変換素子の近傍領域は光電変換素子と画素トランジスタが配置される画素領域全体であることを特徴とする請求項6記載の固体撮像装置。
- 前記埋め込み絶縁膜の膜厚tBOXは、埋め込み絶縁膜中の光の波長をλとした場合、任意の整数nに対し、条件式(2n+1)λ/2=2tBOXの±10%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
- 前記埋め込み絶縁膜の上層のシリコン層が1μm±10%から3μm±10%までの膜厚を有する場合に、埋め込み絶縁膜中の波長λが700nm±10%である光に対し、埋め込み絶縁膜の膜厚tBOXが条件式(2n+1)λ/2=2tBOXの±10%の範囲にあることを特徴とする請求項8記載の固体撮像装置。
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