JP4204333B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物及びインクジェット用インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物及びインクジェット用インキに関する。より詳しくは、薄膜コーティング材、印刷インキ等に有用であり、特にインクジェット用インキに好適である活性エネルギー線硬化性組成物及びそれを含有してなるインクジェット用インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
重合性の化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射すると該化合物が重合して硬化するものであり、例えば、薄膜コーティング材、印刷インキ等に適用されている。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化特性等が良好であることから、インクジェット用インキに適用することが可能であり、特に近年ではインクジェット用インキの高性能化に対する要求が大きくなるに従い、そのような分野に好適に適用することができ、薄膜での光硬化特性に優れるものが求められている。
【0003】
このような活性エネルギー線硬化性組成物を薄膜で光硬化させようとすると、空気中の酸素による重合阻害で硬化が困難であった。例えば、活性エネルギー線硬化性組成物としては、物性等が良好である(メタ)アクリレート系のものが挙げられるが、特に、光ラジカル重合開始剤による(メタ)アクリレート系の光硬化においては、空気中の酸素による影響を強く受けるという問題があった。これに対して、空気中の酸素による影響を少なくするために、光硬化させる装置内を窒素置換することが考えられるが、工業的にコストが過大となり、また、多量に光重合開始剤を用いることも考えられるが、薄膜での光硬化性を充分に向上させることは困難であった。
【0004】
一方、空気中の酸素による硬化阻害の少ない活性エネルギー線硬化性組成物としては、光酸発生剤によるエポキシ化合物やビニルエーテル化合物を用いた活性エネルギー線硬化性組成物が知られているが、硬化速度や組成物中の水分の管理面で問題があり、実用面では、依然として(メタ)アクリレート系が主流になっている。
【0005】
ところで、このような活性エネルギー線硬化性組成物を、例えば、コーティング材やインキの分野において用いる場合には、低粘度であることが要求されるため、顔料や染料を含む活性エネルギー線硬化性組成物を溶剤で希釈した溶剤型のものが用いられてきたが、近年の環境問題から有機溶剤を使用しない技術が望まれていることから、有機溶媒の代わりに水が用いられるようになってきた。しかしながら、水系の活性エネルギー線硬化性組成物は、プラスチック基材や金属基材への印刷や塗工が困難であり、また、活性エネルギー線硬化性組成物を乾燥させる際、水を飛ばすために大きな熱エネルギーが必要となるという問題がある。一方、紙基材への印刷では水が基材に吸収されるため蒸発させる必要はないが、印刷物の耐水性が不足するという問題があることから、基材表面で硬化して画像を形成する無溶剤型のものの要望が高くなっている。
【0006】
無溶剤型の活性エネルギー線硬化性組成物においては、組成物の粘度を低くして印刷性や塗工性が向上され、しかも印刷後や塗工後の基本性能が良好となることから、低粘度アクリレートモノマー、メタクリレート、N−ビニル化合物が成分として用いられている。しかしながら、低粘度アクリレートモノマーは分子量が低く、臭気や皮膚刺激性があるという問題点がある。臭気や皮膚刺激性を低減するためにアクリレートの分子量を上げると、粘度が高くなり、また、メタクリレートは、低皮膚刺激性であるが、光重合速度が低いという問題がある。N−ビニル化合物は、単独では重合しにくく、アクリレートモノマーを併用する必要があった。
したがって、活性エネルギー線硬化性組成物においては、インクジェット用インキ等の分野において好適に適用されるようにするために、薄膜における光硬化性に優れるものとしたうえで、粘度が低く、臭気や皮膚刺激性が改善され、しかも硬化後の耐溶剤性等の特性に優れるものとなるようにする工夫の余地があった。
【0007】
反応性アクリルモノマーの光重合に関し、ザ・ソシエート・ナショナーレ・デス・ポイドレス・エト・エクスプロシフス(the Societe Nationale des Poidres et Explosifs(SNPE))により合成されたいくつかのモノアクリレートの空気存在下での光重合性について開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。この文献においては、モノアクリレートをポリウレタン−ジアクリレートオリゴマーと混合して重合を行っている。しかしながら、薄膜コーティング材、印刷インキ、特にインクジェット用インキに好適な活性エネルギー線硬化性組成物については開示されていない。また、モノアクリレートの空気存在下での光重合性は、膜厚25μmにおける結果であることから、より薄膜とする場合でも、コーティング材やインキの分野において好適な光硬化性を発揮することとなるようにする工夫の余地があった。
【0008】
印刷インキに用いることができる樹脂組成物に関し、2,3−カーボネートプロピルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル(A)とオリゴマー(B)を含有するものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような樹脂組成物においては、オリゴマー(B)としては粘度が高いオリゴマー類であるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートが開示されていることから、光硬化性を充分に高めたうえで、粘度を低くしたり、皮膚刺激性等の特性を改善したりすることにより、コーティング材やインキの分野において好適なものとするための工夫の余地があった。
【0009】
【非特許文献1】
K.モーサ(K.Moussa)、他1名、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス:パートA:ポリマー・ケミストリー(Jorunal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry)、1993年、第31巻、p.2197−2203
【0010】
【特許文献1】
特開2001−19729号公報(第2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、薄膜における活性エネルギー線硬化性に優れるものとしたうえで、粘度が低く、臭気や皮膚刺激性が改善され、しかも硬化後の耐溶剤性等の特性に優れる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、活性エネルギー線硬化性組成物について種々検討したところ、(メタ)アクリレート基を有する化合物が光硬化性に優れることに着目し、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)と(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)とを併用することで、(メタ)アクリレート基のみにより硬化する場合と比較して、光硬化性が向上することにともなって空気中の酸素による硬化阻害が少なくなり、これにより、薄膜コーティング材、印刷インキ等に有用であり、特にインクジェット用インキに好適なものとすることができることを見いだした。また、これらの化合物は低粘度であり、臭気や皮膚刺激性が低いことから、活性エネルギー線硬化性組成物が上記の分野において作業性に優れるものとなり、更に、これらの化合物を併用することにより耐溶剤性等の特性が向上された硬化塗膜を形成できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。なお、光硬化性が向上する理由としては、薄膜で光硬化させる場合には、硬化阻害の原因となる酸素が大きく影響することになるが、このような場合であっても、ビニルエーテル基や複素5員環構造の作用により、これらの化合物が光硬化時に架橋して硬化性を向上するためと考えられる。
【0013】
すなわち本発明は、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上のビニルエーテル基とを有する化合物(A)、及び、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上の複素5員環構造を有する化合物(B)を含有してなる活性エネルギー線硬化性組成物である。
本発明はまた、上記活性エネルギー線硬化性組成物を含有してなるインクジェット用インキでもある。
以下に本発明を詳述する。
【0014】
本発明における(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)としては、1分子中に(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とがそれぞれ1つずつ存在していてもよく、いずれか又は両方が2つ以上存在していてもよいが、下記一般式(1);
CH=CR−COO−R−O−CH=CH−R(1)
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜20の有機残基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類であることが好ましい。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0015】
上記一般式(1)において、Rで表される有機残基としては、炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、炭素数2〜6のアルキレン基、構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基が好適に用いられる。
【0016】
上記一般式(1)において、Rで表される炭素数1〜11の有機残基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換されていてもよい芳香族基が好適である。これらの中でも、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数6〜8の芳香族基が好適に用いられる。
【0017】
上記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、以下に挙げる化合物が好適である。
(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸m−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸o−ビニロキシメチルフェニルメチル。
【0018】
(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが好適である。
【0019】
上記一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法としては、(メタ)アクリル酸と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法A)、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法B)、(メタ)アクリル酸無水物と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法C)、(メタ)アクリル酸エステル類と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル交換する方法(製法D)、(メタ)アクリル酸とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法E)、(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩とハロゲン含有ビニルエーテル類とをエステル化する方法(製法F)が好適である。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステル類と水酸基含有ビニルエーテル類とをエステル交換する方法(製法D)が好適である。
【0020】
上記(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)の粘度としては、25℃において0.1mPa・s以上が好ましく、また、1500mPa・s以下が好ましい。0.1mPa・s未満であると、一般的には揮発性が高くなり、作業環境が悪化するおそれがあり、1500mPa・sを超えると、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなるおそれがある。より好ましくは、0.2mPa・s以上であり、また、1000mPa・s以下である。更に好ましくは、0.5mPa・s以上であり、また、500mPa・s以下である。
【0021】
本発明における(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)としては、1分子中に(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とがそれぞれ1つずつ存在していてもよく、いずれか又は両方が2つ以上存在していてもよいが、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)と相溶性があるものが好適である。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0022】
上記(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)における複素5員環としては、5員環構造に少なくとも1つのヘテロ原子を有していればよく、1,3−ジオキソラン環、2−オキソ−1,3−ジオキソラン環、オキサゾリドン環、ピロリドン環、オキサゾリン環、イミド環等が好適であり、これらの中でも、1,3−ジオキソラン環及び/又は2−オキソ−1,3−ジオキソラン環であることが好ましい。
上記(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)において1,3−ジオキソラン環を有する化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。また、2−オキソ−1,3−ジオキソラン環を有する化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
【0023】
【化1】
Figure 0004204333
【0024】
上記式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R及びRは結合していてもよい。Rは、水素原子又はメチル基を表す。好ましくは、R及びRが、メチル基、エチル基、t−ブチル基、又は、ヘテロ原子である酸素原子に挟まれており、R及びRが結合している炭素原子と共に、シクロヘキシル構造を形成していることである。
【0025】
上記(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の具体例としては、下記一般式(4)で表される4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(Rは水素原子又はメチル基)、下記一般式(5)で表される4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン(Rは水素原子又はメチル基)、下記一般式(6)で表される4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン(Rは水素原子又はメチル基)、下記一般式(7)で表される4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン(R10は水素原子又はメチル基)、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−アセトニル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル 2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルカーボネート、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル 3−(メタ)アクリロイルオキシプロピオネート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル オキサゾリドン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル ピロリドン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル オキサゾリン、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸イミド等が好適である。
【0026】
【化2】
Figure 0004204333
【0027】
上記(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の粘度としては、25℃において0.1mPa・s以上が好ましく、また、1500mPa・s以下が好ましい。0.1mPa・s未満であると、一般的には揮発性が高くなり、作業環境が悪化するおそれがあり、1500mPa・sを超えると、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなるおそれがある。より好ましくは、0.2mPa・s以上であり、また、1000mPa・s以下である。更に好ましくは、0.5mPa・s以上であり、また、500mPa・s以下である。
【0028】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の使用量としては、化合物(A)と化合物(B)との質量比〔(化合物(A)の質量)/(化合物(B)の質量)〕で、1/99以上とすることが好ましく、また、99/1以下とすることが好ましい。より好ましくは、30/70以上であり、また、80/20以下である。更に好ましくは、40/60以上であり、また、70/30以下である。
【0029】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の含有量としては、活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、これらの化合物の合計質量を、10質量%以上とすることが好ましく、また、99質量%以下とすることが好ましい。10質量%未満であると、本発明の作効果を充分に発揮することができなくなるおそれがある。99質量%を超えると、それ以外に添加する必要のある光重合開始剤等の添加量が減り、充分な硬化性が得られなくなるおそれがある。より好ましくは20質量%以上であり、また、95質量%以下である。更に好ましくは、30質量%以上であり、また、90質量%以下である。
【0030】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、更に、光重合開始剤(C)を含有してなることが好ましい。これにより、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の光感度が向上することになる。光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤(C)としては、光線の照射により重合開始ラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤と、光線の照射により重合開始カチオンを発生する光カチオン重合開始剤が好適である。
【0031】
上記光ラジカル重合開始剤としては、下記の化合物が好適である。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類。これらの中でも、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類が好適である。特に2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1オンが好適である。
【0032】
上記光カチオン重合開始剤としては、下記の化合物が好適である。
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のアリールスルフォニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のアリールヨウドニウム塩;フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート等のアリールジアゾニウム塩。
これらの中でも、アリールスルフォニウム塩、ジアゾニウム塩が好適である。特に、(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好適である。
【0033】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における光重合開始剤(C)の使用量としては、活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、0.1質量%以上が好ましく、また、20質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、15質量%以下である。
【0034】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物においては、下記一般式(8);
−CH=CH−O−R−O−CH=CH−R (8)
(式中、Rは、炭素数2〜20の有機残基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)で表されるジビニルエーテル類を含むことにより、更に硬化性、粘度低減効果に優れるうえ、表面硬度や耐溶剤性に優れる硬化物を形成することができることになる。このようなジビニルエーテル類は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0035】
上記ジビニルエーテル類は、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)と相溶性があることが好ましい。
上記一般式(8)におけるR及びRは、上記一般式(1)中のR及びRと同義である。
【0036】
上記ジビニルエーテル類としては、下記の化合物が好適である。
エチレングリコールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,2−ブタンジオールジビニルエーテル、2,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1−メチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、2−メチル−1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、2−メチル−1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジビニルエーテル、p−キシレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、テトラプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールプロピレングリコール共重合体ジビニルエーテル。
【0037】
これらの中でも、エチレングリコールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,5−ペンタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジオールジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジビニルエーテル、p−キシレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテルが好適である。
【0038】
上記ジビニルエーテル類の粘度としては、25℃における粘度が0.1mPa・s以上が好ましく、また、1500mPa・s以下が好ましい。0.1mPa・s未満であると、一般的には揮発性が高くなり、作業環境が悪化するおそれがあり、1500mPa・sを超えると、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなるおそれがある。より好ましくは、0.2mPa・s以上であり、また、1000mPa・s以下である。更に好ましくは、0.5mPa・s以上であり、また、500mPa・s以下である。
【0039】
上記ジビニルエーテル類の活性エネルギー線硬化性組成物における存在量としては、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の合計100重量部に対して0.001重量部以上が好ましく、また、100重量部以下が好ましい。100重量部を超えると、充分な硬化性が得られないおそれがある。より好ましくは、0.005重量部以上であり、また、70重量部以下である。更に好ましくは、0.01重量部以上であり、また、50重量部以下である。特に好ましくは、0.02重量部以上であり、また、30重量部以下である。最も好ましくは、0.03重量部以上であり、また、10重量部以下である。
【0040】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物においてはまた、下記一般式(9);
CH=CR−COO−R−OCO−CR=CH (9)
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数2〜20の有機残基を表す。)で表されるジ(メタ)アクリレート類を含むことにより、更に硬化性、表面硬度や耐溶剤性に優れる硬化物を形成することができる。ジ(メタ)アクリレート類は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0041】
上記ジ(メタ)アクリレート類は、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)と相溶性があることが好ましい。
上記一般式(9)におけるR及びRは、上記一般式(1)中のR及びRと同義である。
【0042】
上記ジ(メタ)アクリレート類としては、下記の化合物が好適である。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−キシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールプロピレングリコール共重合体ジ(メタ)アクリレート。
【0043】
これらの中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−キシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好適である。
【0044】
上記ジ(メタ)アクリレート類の粘度としては、25℃における粘度が0.1mPa・s以上が好ましく、また、1500mPa・s以下が好ましい。0.1mPa・s未満であると、一般的には揮発性が高くなり、作業環境が悪化するおそれがあり、1500mPa・sを超えると、活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなるおそれがある。より好ましくは、0.2mPa・s以上であり、また、1000mPa・s以下である。更に好ましくは、0.5mPa・s以上であり、また、500mPa・s以下である。
【0045】
上記ジ(メタ)アクリレート類の活性エネルギー線硬化性組成物中における存在量としては、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の合計100重量部に対して、0.001重量部以上が好ましく、また、100重量部以下が好ましい。100重量部を超えると、硬化物が堅脆くなるおそれがある。より好ましくは、0.005重量部以上であり、また、70重量部以下である。更に好ましくは、0.01重量部以上であり、また、50重量部以下である。特に好ましくは、0.02重量部以上であり、また、30重量部以である。最も好ましくは、0.03重量部以上であり、また、10重量部以下である。
【0046】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、更に、着色剤を含んでいてもよく、着色剤としては、染料、顔料が好適であり、これらはそれぞれ1種又は2種以上を用いることができる。また、染料と顔料とを併用することもできる。
上記染料としては、直接染料、酸性染料、反応性染料、油溶性染料等、各種染料を用いることができるが、これらの中で、特に油溶性染料が好適である。
【0047】
上記顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料、有彩色の有機顔料等が好適である。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料;縮合アゾ系有機顔料;ベンズイミダゾロン系有機顔料;キノフタロンエロー等のキノフタロン系有機顔料;イソインドリンエロー等のイソインドリン系有機顔料;その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットが好適である。
特に黒インクとして使用されるカーボンブラックとしては、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キヤボット社製のRega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch700、Monarch 800、Monarch880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black 4等が使用できる。
【0048】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における上記着色剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、0.5質量%以上が好ましく、また、30質量%以下が好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、また、25質量%以下である。
【0049】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物においては、光(特には、紫外線)を照射する際に、活性エネルギー線硬化性組成物の染料や顔料等によって、光(特には、紫外線)が吸収又は隠蔽されることによる硬化速度の低下を防止する目的で増感剤を使用することもできる。
上記増感剤としては、脂肪族アミン、芳香族基を有するアミン、ピペリジン等の環状アミン系化合物、O−トリルチオ尿素等の尿素系化合物、ナトリウムシエチルチオホスフェート又は芳香族スルフィン酸の可溶性塩等の硫黄化合物、N,N′−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、トリ−n−ブチルホスフィン又はナトリウムジエチルジチオホスフェート等のリン化合物、ミヒラーケトン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとジアミンとの縮合物等の窒素化合物等を挙げることができる。これら増感剤は1種又は2種以上を用いることができる。
【0050】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における上記増感剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、0.1質量%以上であり、また、20質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、15質量%以下である。
【0051】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物においてはまた、上述したような構成要素と共に、これら以外の重合性モノマーや硬化性樹脂を併用してもよい。
上記重合性モノマー及び硬化性樹脂としては、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)と相溶性があるものであればよく、それぞれ1種又は2種以上を用いることができる。
【0052】
上記重合性モノマーとしては、下記の化合物が好適である。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単官能(メタ)アクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル等の単官能ビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の単官能N−ビニル化合物類;スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等の単官能ビニル化合物類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等の単官能α,β−不飽和化合物類;メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、メトキシエチルグリシジルエーテル等の単官能エポキシ化合物類。
【0053】
3−メチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン等の単官能脂環式エーテル化合物類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジグリシジルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化合物類;ジ[1−メチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス{4−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンジルエーテル等の多官能脂環式エーテル化合物類。
これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルが好適である。
【0054】
上記重合性モノマーの使用量としては、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の合計100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、また、200重量部以下が好ましい。より好ましくは、10重量部以上であり、また、100重量部以下である。
【0055】
上記硬化性樹脂とは、硬化可能な重合性基を有するマクロモノマーやプレポリマーであって、熱及び/又は紫外線、電子線、ガンマー線等の活性エネルギー線により硬化するものをいう。このような硬化性樹脂としては、ラジカル重合性基及び/又はイオン重合性基を有するマクロモノマーやプレポリマーを用いることができる。
上記硬化性樹脂としては、25℃での粘度が1.5Pa・sを超えるものが好ましく、また、80℃での粘度が10万Pa・s以下のものが好ましい。25℃で1.5Pa・s以下であると、フィラーや顔料等の分散安定剤が低下するおそれがあり、80℃で10万Pa・sを超えると、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなるおそれがある。より好ましくは、25℃で10Pa・s以上であり、また、80℃で1万Pa・s以下である。更に好ましくは、25℃で50Pa・s以上であり、また、80℃で5000Pa・s以下である。
【0056】
上記硬化性樹脂の数平均分子量としては、300以上が好ましく、1000000以下が好ましい。300未満であると、フィラーや顔料等の分散安定剤が低下するおそれがあり、1000000を超えると、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度が高くなるおそれがある。より好ましくは、500000以下であり、更に好ましくは、100000以下であり、特に好ましくは、50000以下である。
【0057】
上記ラジカル重合性基を有するマクロモノマーやプレポリマーとしては、飽和若しくは不飽和の多塩基酸又はその無水物酸(例えば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸等)と飽和又は不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールベンゼン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート;飽和又は不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)との反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート;ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;ポリアミドと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリアミドポリ(メタ)アクリレート;一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類等とカチオン重合性化合物(例えば、ビニルエーテル類、アルキレンオキサイド類、グリシジルエーテル類等)との反応によって得られる(メタ)アクリロイル基ペンダントポリマーが好適である。
【0058】
上記イオン重合性基を有するマクロモノマーやプレポリマーとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール(例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物又はビスフェノール化合物等)又はそのアルキレンサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって得られるノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、EHPE−3150(商品名、ダイセル化学工業製)等の脂環式エポキシ樹脂;多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等)そのアルキレンサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反応によって得られる脂肪族エポキシ樹脂;一般式(1)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類等とラジカル又はアニオン重合性化合物(例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル化合物類等)との反応によって得られるビニルエーテル基ペンダントポリマー;エチル−3−(メタ)アクリロキシオキセタン等の脂環式エーテル含有(メタ)アクリル酸エステル類等とラジカル又はアニオン重合性化合物(例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、ビニル化合物類等)との反応によって得られる脂環式エーテルペンダントポリマーが好適である。
【0059】
またラジカル重合性基とイオン重合性基を併せ持つマクロモノマーやプレポリマーとしては、エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリブタンジエン変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラックエポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート;上記エポキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸無水物(例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)との反応で得られるカルボン酸変性エポキシ(メタ)アクリレートが好適である。
【0060】
上記硬化性樹脂の使用量としては、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)の合計100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、また、50重量部以下が好ましい。より好ましくは、0.1重量部以上であり、また、30重量部以下である。
【0061】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物はまた、上記構成要素以外の添加剤等を1種又は2種以上を含んでいてもよく、例えば、希釈溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤等が好適である。
【0062】
上記希釈溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;脂肪族炭化水素系溶剤;高級脂肪酸系溶剤;カルビトール系溶剤;セロソルブ系溶剤;高級脂肪酸エステル系溶剤;水が好適である。
上記希釈溶剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、50質量%以下となるようにすることが好ましい。また、30質量%以下となるようにすることがより好ましい。
【0063】
上記バインダーとしては、ポリ塩化ビニル、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の樹脂が好適である。
上記バインダーの使用量としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、30質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、20質量%以下である。更に好ましくは、1質量%以上であり、また、10質量%以下である。
【0064】
上記フィラーとしては、ガラスフリット、シリカ微粒子、有機微粒子、金属微粒子等が好適である。
上記フィラーの使用量としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、30質量%以下が好ましい。より好ましくは、2質量%以上であり、また、20質量%以下である。更に好ましくは、5質量%以上であり、また、10質量%以下である。
【0065】
上記顔料分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等が好適である。
上記顔料分散剤の使用量としては、顔料100重量部に対して10重量部以上とすることが好ましく、また、200重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、20重量部以上であり、また、100重量部以下である。
【0066】
上記導電性付与剤としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に可溶な塩であればよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硝酸塩、チオシアン酸塩が用いられる。これらの中でも、硝酸リチウム、三酸化硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化水素酸ジメチルアミン等が好適である。
上記導電性付与剤の使用量としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、10質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.05質量%以上であり、また、5質量%以下である。更に好ましくは、0.5質量%以上であり、また、3質量%以下である。
【0067】
上記紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−キサンテンカルボキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル5′−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−4′−n−オクトキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−4′−ジヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの如きベンゾトリアゾール系化合物;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン類;フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートの如きベンゾフェノン類;N−(2−エトキシフェニル)−N′−(4−イソドデシルフェニル)エタンジアミド、N−(2−エトキシフェニル)−N′−(2−エチル)エタンジアミドの如きシュウ酸アニリド誘導体;2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの如きトリアジン誘導体;2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリル酸オクチル、2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3−フェニル−3−(3,4−ジメチルフェニル)アクリル酸−(2−エチルヘキシル)、2−シアノ−3−(p−メトキシフェニル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)アクリル酸−(2−エチルヘキシル)、p−メトキシ−α−(3,4−キシリル)ベンジリデンマロノニトリルの如き不飽和ニトリル基を含有する紫外線吸収剤等が好適である。
【0068】
上記紫外線吸収剤としては、これらの中でも、紫外線硬化を阻害しにくい点から、トリアジン系化合物、2−(2′−キサンテンカルボキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノンの使用が好ましい。
上記紫外線吸収剤の使用量としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上であり、また、10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.001質量%以上であり、また、5質量%以下である。
【0069】
上記酸化防止剤としては、4,4′−メチレンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−エチリデンビス−(4,6,−ジ−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコールビス−3−(t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、2,2′−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリル酸−t−ブチル、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−{メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、N.N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、1,6−ヘキサンジオールビス−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−チオジエチルビス−{3−(3′,5′−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)の如きヒンダードフェノール系化合物;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピン[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの如きヒンダードアミン系化合物;ジラウリルジチオプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス―(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジ−ミリスチルチオジプロピオネート、ジ−トリデシルチオプロピオネートの如き有機硫黄系化合物;3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸ジエチルエステル、3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸ジオクタデシルエステルの如きリン酸エステル類等が好適である。これらの中でも、耐久性向上効果の点から特にヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
上記酸化防止剤の使用量としては、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、0.0001質量%以上であり、また、10質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.001質量%以上であり、また、5質量%以下である。
【0070】
上記乾燥防止剤としては、グリセリン、ポリグリセリン、グリコール等が好適である。浸透剤としては、アルコール、グリコールエーテル等が好適である。乾燥防止剤及び浸透剤の使用量としては、いずれも本発明の活性エネルギー線硬化性組成物100質量%に対して、0.05質量%以上であり、また、20質量以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、10質量%以下である。
【0071】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法としては、必須の構成要素である(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)と、必要に応じて上述したその他の構成要素とを含むことになればよく、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)、並びに、上述した着色剤等のその他の構成要素を、サンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより活性エネルギー線硬化性組成物を製造する方法が好適である。
また本発明の活性エネルギー線硬化性組成物に着色剤を含有させる場合においては、予め着色剤を高濃度で含有する濃縮液を調製しておき、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基とを有する化合物(A)及び(メタ)アクリレート基と複素5員環構造とを有する化合物(B)を混合することで所望の着色剤濃度や粘度を有する活性エネルギー線硬化性組成物を調製することが好ましい。更に、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、孔径3μm以下のフィルターでろ過することが好ましい。より好ましくは、1μm以下のフィルターでろ過することである。
【0072】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、25℃での粘度が1.2〜50mPa・sであることが好ましく、活性エネルギー線硬化性組成物の粘度がこのようになるように、上述した必須の構成要素やその他の構成要素の種類、配合量等を適宜設定することが好ましい。25℃での粘度が1.2mPa・s未満であると、例えば本発明の活性エネルギー線硬化性組成物をインクジェット用インキに用いる場合、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性が低下するおそれがあり、50mPa・sを超えると、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出機能そのものが低下し、吐出の安定性が不良となるおそれがあり、場合によっては全く吐出できなくなるおそれがある。より好ましくは、1.5mPa・s以上であり、また、30mPa・s以下である。
【0073】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、基材に塗布後、光照射により硬化することになる。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物が塗布される基材としては、紙、プラスチック、プラスチックフィルム、セラミック、ガラス、金属、木等が好適である。
上記照射される光としては、電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、ガンマー線等が好適である。これらの中でも、特に紫外線や電子線が好ましい。
【0074】
上記紫外線による硬化の場合、波長150〜450nmの光を含む光源を用いることが好ましい。このような光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等が好適である。これらの光源と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
【0075】
上記電子線による硬化においては、加速電圧が10kV以上である電子線を用いることが好ましく、また、500kV以下が好ましい。より好ましくは、20kV以上であり、また、300kV以下である。更に好ましくは、30kV以上であり、また、200kV以下である。また、照射量としては、2kGy以上が好ましく、また、500kGy以下が好ましい。より好ましくは、3kGy以上であり、また、300kGy以下である。更に好ましくは、5kGy以上であり、また、200kGy以下である。電子線と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
【0076】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の光硬化特性としては、空気存在下において光硬化し、硬化後に膜厚20μm以下の薄膜を形成できるようにすることが可能であり、このような活性エネルギー線硬化性組成物は本発明の好ましい実施形態の一つである。より好ましくは、硬化後に膜厚10μm以下の薄膜を形成できる活性エネルギー線硬化性組成物である。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、空気存在下でも充分な光硬化性を有し、このような薄膜を形成できることにより、薄膜コーティング材、印刷インキ等の各種用途、特にインクジェット用インキにおいて好適に用いることができることとなる。
【0077】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、薄膜コーティング材、印刷インキ等の各種用途、特にインクジェット用インキに好適に用いることができるものである。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、薄膜における光硬化性に優れ、粘度が低く、臭気や皮膚刺激性が改善され、しかも硬化後の耐溶剤性等の特性に優れるものであることから、インクジェット用インキに好適に用いることができ、このような本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を含有してなるインクジェット用インキもまた、本発明の一つである。
また本発明のインクジェット用インキとしては、水や有機溶媒等の溶剤を用いない無溶剤型のものであることが好ましく、このような無溶剤型インクジェット用インキは、本発明の好ましい実施形態の一つである。
【0078】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0079】
実施例1〜8及び比較例1〜4
表1に示す配合で光硬化性組成物を調製し、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0080】
〔薄膜硬化性〕
表1に示す配合で光硬化性組成物を調製し、ガラス基材上に該光硬化性組成物をのせてスピンコーターにて5μmの厚みに調整した。次にUV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて0.5J/cm及び1.0J/cmのエネルギーを照射し、塗膜の硬化状態を指触で評価した。評価方法は、○=タックフリー、△=指紋がつく、×=未硬化(液状)とした。
〔耐溶剤性〕
表1に示す配合で光硬化性組成物を調製し、ガラス基材上に該光硬化性組成物をのせてスピンコーターにて5μmの厚みに調整した。次にUV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて1.0J/cmのエネルギーを照射して硬化させた塗膜を30秒間25℃のメタノール中に浸漬してその外観を目視にて評価した。評価方法は、◎=光沢変化無し、○=光沢低下、△=ややフクレ、×=膨潤又は溶解とした。
【0081】
【表1】
Figure 0004204333
【0082】
表1中の記載は、以下のとおりである。
「VEEA」とは、ビニロキシエトキシエチルアクリレートであり、「VEEM」とは、ビニロキシエトキシエチルメタクリレートであり、「AOMMMDO」とは、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−メチル−1,3−ジオキソランであり、「AOMODO」とは、4−アクリロイルオキシメチル−2−オキソ−1,3−ジオキソランである。「TEGDA」とは、トリエチレングリコールジアクリレートであり、「TEGDVE」とは、トリエチレングリコールジビニルエーテルであり、「イルガキュア907」(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ)とは、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オンである。
【0083】
実施例9
実施例1で調製した光硬化性組成物100部に対してカーブンブラック3部とスチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチルの共重合体0.3部を攪拌機で充分混合してインクジェットインキを得た。該インキをピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて、上質紙、PET、銅板の各基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて1.0J/cmのエネルギーを照射して硬化させた。得られた各基材上の印字の粘着性を指触により確認したところ、粘着性はなく、指にインキが付着することもなかった。更に、各基材上の印字上にメタノールを数滴落としても、印字のにじみ等は発生しなかった。
【0084】
実施例10
実施例2で調製した光硬化性組成物100部に対してカーブンブラック3部とスチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチルの共重合体0.3部を攪拌機で充分混合してインクジェットインキを得た。該インキをピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて、上質紙、PET、銅板の各基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて1.0J/cmのエネルギーを照射して硬化させた。得られた各基材上の印字の粘着性を指触により確認したところ、粘着性はなく、指にインキが付着することもなかった。更に、各基材上の印字上にメタノールを数滴落としても、印字のにじみ等は発生しなかった。
【0085】
実施例11
実施例3で調製した光硬化性組成物100部に対してカーブンブラック3部とスチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチルの共重合体0.3部を攪拌機で充分混合してインクジェットインキを得た。該インキをピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて、上質紙、PET、銅板の各基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて1.0J/cmのエネルギーを照射して硬化させた。得られた各基材上の印字の粘着性を指触により確認したところ、粘着性はなく、指にインキが付着することもなかった。更に、各基材上の印字上にメタノールを数滴落としても、印字のにじみ等は発生しなかった。
【0086】
実施例12
実施例4で調製した光硬化性組成物100部に対してカーブンブラック3部とスチレン/アクリル酸/アクリル酸ブチルの共重合体0.3部を攪拌機で充分混合してインクジェットインキを得た。該インキをピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて、上質紙、PET、銅板の各基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて1.0J/cmのエネルギーを照射して硬化させた。得られた各基材上の印字の粘着性を指触により確認したところ、粘着性はなく、指にインキが付着することもなかった。更に、各基材上の印字上にメタノールを数滴落としても、印字のにじみ等は発生しなかった。
【0087】
実施例13
実施例1で調製した光硬化性組成物100部に対してソルベントブラック6を5部添加して攪拌機で充分混合し、インクジェットインキを得た。該インキをピエゾヘッドを有するインクジェットプリンターにて、上質紙、PET、銅板の各基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯、主波長365nm)にて1.0J/cmのエネルギーを照射して硬化させた。得られた各基材上の印字の粘着性を指触により確認したところ、粘着性はなく、指にインキが付着することもなかった。更に、各基材上の印字上にメタノールを数滴落としても、印字のにじみ等は発生しなかった。
【0088】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上述のような構成よりなり、薄膜における活性エネルギー線硬化性に優れ、粘度が低く、臭気や皮膚刺激性が改善され、しかも硬化後の耐溶剤性等の特性に優れるものであり、例えば、薄膜コーティング材、印刷インキ等に有用であり、特にインクジェット用インキに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 1分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上のビニルエーテル基とを有する化合物(A)、及び、1分子中に1つ以上の(メタ)アクリレート基と1つ以上の複素5員環構造とを有する化合物(B)を含有してなる活性エネルギー線硬化性組成物であって、
    該化合物(A)は、下記一般式(1);
    CH =CR −COO−R −O−CH=CH−R (1)
    (式中、R は、水素原子又はメチル基を表す。R は、炭素数2〜20の有機残基を表す。R は、水素原子又は炭素数1〜11の有機残基を表す。)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類であり、
    該化合物(B)は、下記一般式(2);
    Figure 0004204333
    (式中、R 及びR は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R 及びR は結合していてもよい。R は、水素原子又はメチル基を表す。)で表される1,3−ジオキソラン環を有する化合物及び/又は下記一般式(3);
    Figure 0004204333
    (式中、R は、水素原子又はメチル基を表す。)で表される2−オキソ−1,3−ジオキソラン環を有する化合物である
    ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
  2. 前記R は、炭素数2〜6のアルキレン基又は構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素数2〜9のアルキレン基を表す
    ことを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 前記化合物(A)と化合物(B)との質量比は、30/70以上、80/20以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 更に、光重合開始剤(C)を含有してなる
    ことを特徴とする請求項1、2又は3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  5. 請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性組成物を含有してなる
    ことを特徴とするインクジェット用インキ。
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