JP2013203830A - 硬化性インクジェット無溶剤インク組成物 - Google Patents

硬化性インクジェット無溶剤インク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、少ない光量で光硬化させて、その後の少ない加熱量で熱硬化させて、硬化物に求められている性能を満たす、プリント配線板マーキング用の硬化性インクジェット無溶剤インクを提供することである。
【解決手段】光硬化熱硬化型の硬化性インクジェット無溶剤インクにおいて、インクは硬化性樹脂を含み、着色剤を0〜30重量%含むものであり、硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニルエーテル化合物の化合物4種類からなり、マレイミド化合物は無置換マレイミド基を1分子中に2個以上有するものであり、アリル化合物はアリル基を1分子中に2個以上有するもので、光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物および/または光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物であり、マレイミド化合物とアリル化合物の合計含有量が1〜20重量%であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板へのマーキングに利用されるもので、光硬化後に熱硬化させるインクジェットインクに関するものである。無溶剤インクで、インクジェット吐出が可能なものである。特に、少ない光量で光硬化させて、その後の少ない加熱量で熱硬化させるプリント配線板マーキング用に適したものである。
従来から、プリント配線板の製造においてインクジェット印刷技術が利用されている。プリント配線板へのマーキングに関して利用されているインクジェット印刷技術としては、例えば特開平05−269983号公報や特開平11−087883号公報にあり、光硬化型として紫外線硬化型(UV硬化型)のインクジェットインクを用いたものがある。
プリント配線板は、インクに対して非吸収材料となる。非吸収材料の表面では、インクジェット印刷技術にて印刷(吐出)されたインクが吸収されにくいので、にじみやすい。そのような非吸収材料には、光硬化型(紫外線硬化型)のインクジェットインクが用いられる。非吸収材料用の紫外線硬化性インクジェットインクとしては、弊社の特許第4082681号公報のように、アクリレート化合物と紫外線硬化性のあるアリル化合物を含むものなどがある。
一方で、特開2010−229220号公報に記載されているように、レジスト組成物には、高精度、高密度の観点から、紫外線照射した後、現像することにより画像形成し、熱や光照射で仕上げ硬化する方法がとられている。マーキングにおいても、紫外線照射した後、熱で仕上げ硬化する方法がとられるようになってきている。
国際公開第WO2004/099272号パンフレットでは、1分子中に光硬化性と熱硬化性を有する樹脂を含有したインクであり、1分子中に光硬化性のアクリロイル基と熱硬化性官能基を有する樹脂を含有するインクが記載されている。加温したヘッドでこのインクを吐出させ、光量1000mJ/cmで光硬化させ、その後、加熱量170℃×30分で熱硬化させている。
また、特開2010−229220号公報では、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂を混合したインクであり、光硬化性樹脂であるビスマレイミド化合物に、熱硬化性樹脂であるビスアリルナジイミド化合物を含有するインクが記載されている。このインクをインクジェット吐出させ、光量2000mJ/cmで光硬化させ、その後、加熱量180℃×30分で熱硬化させている。
光硬化型のインクは、光で硬化するために、光量が少ないと硬化不良を起こす。硬化不良を起こさないために、十分な光量を与える必要がある。このような光硬化に用いる紫外線照射装置における問題として、特開2008−173968号公報では、光源の発光時の発熱温度が高く、光源の発熱による熱が光源の周囲に蓄熱されてしまうと、光源の周囲の蓄熱による高温化によって紫外線ランプの発光効率が低下して、インクに対する硬化性能が低下すると、指摘している。
特開平05−269983号公報 特開平11−087883号公報 特許第4082681号公報 特開2010−229220号公報 国際公開第WO2004/099272号パンフレット 特開2008−173968号公報
このように、初めに光照射で硬化させて、照射後、次に加熱して仕上げ硬化を行う方法がとられているが、紫外線照射装置の問題から、光量を少なくする方向に進んでいる。また、エネルギー問題から加熱量も少なくする方向に進んでいる。
すなわち、発明が解決しようとする課題は、少ない光量で光硬化させて、その後の少ない加熱量で熱硬化させて、硬化物に求められている性能を満たす、プリント配線板マーキング用の硬化性インクジェット無溶剤インクを提供することである。
本発明は、光硬化熱硬化型の硬化性インクジェット無溶剤インクにおいて、インクは硬化性樹脂を含み、着色剤を0〜30重量%含むものであり、硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニルエーテル化合物の化合物4種類からなり、マレイミド化合物は無置換マレイミド基を1分子中に2個以上有するものであり、ここで無置換マレイミド基とは、マレイミド基の5員環の炭素−炭素2重結合の炭素位置に置換基を持たないものであり、アリル化合物はアリル基を1分子中に2個以上有するもので、光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物および/または光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物であり、マレイミド化合物とアリル化合物の合計含有量が1〜20重量%であることを特徴とする硬化性インクジェット無溶剤インクである。
本発明によって、少ない光量で光硬化させて、その後の少ない加熱量で熱硬化させて、硬化物に求められている性能を満たす、プリント配線板マーキング用の硬化性インクジェット無溶剤インクを提供することができた。
インクジェット印刷適性を持たせるために、インク粘度を例えばスクリーン印刷インキに比べて低粘度にする必要がある。インクジェットのインク吐出ヘッドを加温する場合でも、その温度で吐出可能なインク粘度にする必要がある。また、少ない光量での光硬化、その後の少ない加熱量での熱硬化を可能にする必要がある。そして、プリント配線板の基板に、もしくはその基板上のソルダーレジストに、強固に密着できる必要がある。
低粘度にしてインクジェット印刷適性を持たせるために、インクに溶剤を含有させて低粘度にする方法ではなく、インクに光硬化性を有するモノマーを含有させて低粘度にする方法を用いた。この希釈用光硬化性モノマーは、照射される光によって、光重合開始剤などの存在下で硬化するものであればよい。必要であれば、複数用いてもよく、異なる種類のモノマーを用いてもよい。含有量は、使用するインク吐出ヘッドに合わせて、適切な粘度になるように調整すればよい。
用いる目的の色を付けるものであり、インクに着色剤を含むことができる。着色剤は、無色の場合には含まずに0重量%であり、多くても30重量%までである。それ以上多いと、硬化不良を起こしやすくなる。着色剤はより少ない方が、硬化を阻害することがないので、0〜20重量%であるのがより好ましい。着色剤としては、用途に応じて、酸化チタン、カーボンブラック、有機顔料などから適宜選択することができる。無溶剤白色インクにする場合は、酸化チタンを10〜30重量%含むものが好ましく、酸化チタンを15〜25重量%含むものがより好ましいものである。
無溶剤インクにしたことにより、少ない光量でも光硬化しやすくなった。なお、光量(mJ/cm)は定義通りのものであり、単位面積当たりの光強度(mW/cm)と時間(秒)の積の結果である。一方、加熱量は便宜的なものであり、ここでは加熱温度(℃)と加熱時間(分)の積の形として、例えば150℃×60分のように表す。
これらを踏まえて、少ない光量での光硬化、その後の少ない加熱量での熱硬化させるために、様々な化合物を検討した。その検討の結果、下記で説明する、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニルエーテル化合物の少なくともこれら4種類の化合物を組み合わせて混合すると、求められる性能の硬化物となったものである。
ここで、インクにおいて例えば、(メタ)アクリレート化合物がアリル基を有していてアリル化合物にも相当するものであっても、インクがそれ以外のアリル化合物を含み、他に(メタ)アクリレート化合物を含まないものであれば、そのアリル基を有する(メタ)アクリレート化合物を本発明での(メタ)アクリレート化合物とするものである。このように、少なくとも上記4種類の化合物を組み合わせて混合したものである。
(メタ)アクリレート化合物は、アクリロイル基(−COCH=CH2)またはメタクリロイル基(−COC(CH3)=CH2)を有するもの、すなわち、(メタ)アクリロイル基を有するものである。これら官能基を1分子中に1個以上有していればよい。プリント配線板に要求される密着性の観点から、光による硬化性を高めるため、少なくとも1種類は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上有する(メタ)アクリレート化合物を含むのがより好ましいものである。
(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上有するものでは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどを挙げることができ、
(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個有するものでは、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレートなどを挙げることができ、
(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有するものでは、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、マレイミドアクリレートなどを挙げることができる。
この中でも、粘性、硬化性、皮膚刺激性のバランスから、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)が好ましい。また、インク吐出ヘッドの加温温度が比較的高い場合は、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(THEICTA)が好適である。
また、希釈用光硬化性モノマーとして、アクリロイルモルホリン(ACMO)やPO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが好ましいものである。
マレイミド化合物は、マレイミド基を有するものであり、プリント配線板に要求される密着性の観点から、光硬化と熱硬化における硬化性を高めるため、マレイミド基を1分子中に2個以上有するものである。また、光硬化と熱硬化における硬化性をより高めるため、マレイミド基を1分子中に3個以上有するものが好ましいものである。
また、少ない光量で光硬化を行うので、光硬化反応が早い方が好ましい。東亞合成グループ研究年報TREND2006第9号論文「ビスマレイミド化合物の光反応挙動の解析」によると、マレイミド基の5員環の炭素−炭素2重結合の炭素位置(マレイミド基の3位と4位)に置換基を持たない方が置換基を有するものよりも光硬化反応が早いことが記載されており、そこに置換基を持たない方がよい。
このようなマレイミド化合物の具体例としては、マレイミド基を1分子中に3個以上有するものでは、ポリフェニルメタンマレイミド、商品名アニリックスマレイミド(三井化学ファイン株式会社製)などを挙げることができ、
マレイミド基を1分子中に2個有するものでは、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンなどを挙げることができる。
この中でも、硬化性をより高めるため、マレイミド基を1分子中に3個以上有するものである、ポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業株式会社製BMI−2000やBMI−2300)、商品名アニリックスマレイミド(三井化学ファイン株式会社製)が好ましい。
アリル化合物は、アリル基(−CH2CH=CH2)を有するものであり、プリント配線板に要求される密着性の観点から、光硬化と熱硬化における硬化性を高めるため、アリル基を1分子中に2個以上有するものである。また、光硬化と熱硬化における硬化性をより高めるため、アリル基を1分子中に3個以上有するものが好ましいものである。光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物でも、光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物でも、このようなアリル基の1分子中の個数を満たすものである。
光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物とは、例えば光が紫外線の場合では、一般的にアリル基は光ラジカル重合反応が進みにくく、その化合物の特異的な構造によって光ラジカル重合反応が進むアリル基を有しているアリル化合物のことである。もしくは、アリル基とアリル基以外の光ラジカル重合反応する官能基の両方を有するアリル化合物でもよい。
アリル基自身が光ラジカル重合反応する例外的なアリル化合物のうち、紫外線による光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物としては、例えばトリアジン環を含有してアリル基を3個以上有するものがある。その具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレートなどを挙げることができる。この中でも、紫外線の少ない光量での光硬化性と密着性から、特にトリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
アリル基は一般的に熱硬化性を有する官能基であり、例えば紫外線による光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテルなどを挙げることができる。
ビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基(−O−CH=CH2)を有するものである。この官能基を1分子中に1個以上有していればよい。また、プリント配線板に要求される密着性の観点から、光による硬化性をより高めるため、(メタ)アクリロイル基をビニルエーテル化合物1分子中に1個以上有しているのがさらに好ましいものである。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテルなどを挙げることができ、
また、(メタ)アクリロイル基を有するビニルエーテル化合物の具体例としては、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルやメタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルなどを挙げることができる。
この中でも、硬化性をより高めるため、1分子中にビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基を1個ずつ有するものである、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(株式会社日本触媒製VEEA)が好ましい。
アクリレート化合物において、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニルエーテル化合物、これらに対する光硬化の進みやすさ、マレイミド化合物とアリル化合物の熱硬化の進みやすさと光硬化の進みにくさ、それらのバランスと、光硬化後に熱硬化を施すので、マレイミド化合物とアリル化合物の合計含有量がインクに対して1〜20重量%であるのが好ましい。より好ましくは、4〜10重量%である。これ以上でもこれ以下でも、性能を満たすことができない。
複数の反応基が1分子中にあって、少ない光量での硬化であると、1分子中の反応基のうち、どれかが結合して手をつなぎ、どれかが反応せずに残っているものである。光反応の進みやすさから、これら化合物の混合系ではアクリレート化合物の方が先に結合して手をつなぎやすいと考えられる。すると、アクリレート化合物を軸にして手がつながれていき、そこにマレイミド化合物、アリル化合物、ビニルエーテル化合物、これら化合物中のどれか一つの反応基がつながっているか、または反応基がどこともつながることなくそれら化合物が存在しているかになる。その後の加熱で、それら化合物の反応が進むものであり、架橋されて、さらに密な構造となる。それによって、硬化物に求められている性能を満たすことになる。
反応におけるこれらの説明は一般的なものであるが、実際の状況として、これらの説明以外にも何かしらの反応経緯があるのではないかと考えている。後述する評価において、光硬化だけさせた印刷部分のタック性(べたつき)がなかった(評価が○になった)ことより、光硬化だけで皮膜化されて流動性がなくなっていると考えられる。後述する評価には項目として記載していないが、光硬化だけさせたものの評価では、光硬化タック性以降の鉛筆硬度などの評価が○にはならなかった。それにも関わらず、その後の熱硬化で評価が○になり、性能が満たされるものとなっている。光硬化で皮膜化されていることより、光硬化では反応せず残っている化合物が次の加熱で動いて未反応のものが出会って熱硬化反応を起こしているとは考えにくい。これより、上記の説明以外にも何かしらの光硬化熱硬化の反応経緯があるのではないかと考えている。そしてそれがこれらの化合物の混合系で成り立つものであり、本発明たる部分である。
光重合開始剤は、使用する硬化性樹脂に適したものであれば限定されるものではなく、下記実施例と比較例にて使用する硬化性樹脂においては、表面硬化性と内部硬化性のバランスから、光ラジカル重合開始剤であるIRGACURE127とIRGACURE819を混合して用いるのが好ましい。
着色剤と光重合開始剤を除く、分散剤や表面調整剤や重合禁止剤などのその他添加剤は、適宜選択して使用することができるものである。ただし、これら添加剤が反応系に取り込まれないものであれば、その合計含有量は、インクに対して0.1〜10重量%であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0重量%であり、さらに好ましくは0.1〜3.5重量%である。これ以上多いと、反応系に取り込まれないものであるので、硬化が悪くなり、硬化物に求められている性能を満たすことができないことがある。
本発明の硬化性インクジェット無溶剤インクは、次のように作製されるが、これに限定されるものではない。まずは着色剤分散液を、着色剤と分散剤とともに希釈用光硬化性モノマーに混ぜて、攪拌分散させて作製する。この着色剤分散液と残りの成分を混ぜて、攪拌ろ過して、本発明の硬化性インクジェット無溶剤インクを作製する。インク粘度などのインクジェット適用物性は、使用するインク吐出ヘッドなどによって決まり、それに合わせて化合物の配分量や添加剤を適宜調整すればよい。
使用されるインクジェットプリンタは、インク吐出ヘッドの温度調節可能なピエゾ式のインクジェットプリンタである。ヘッドの温度調節可能なことにより、室温でインク吐出に適応していないインク粘度であっても、ヘッド温度を上げてインク粘度を20mPa・s以下できるものであれば、インク吐出に適応させることができるものである。
インクをプリント配線板に印刷(吐出)して照射する紫外線としては、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、LEDランプなどを利用することができる。
光量としては、1000mJ/cmより小さいことが求められており、80〜800mJ/cmが好ましく、80〜400mJ/cmがより好ましく、80〜200mJ/cmがさらに好ましいものである。
加熱量としては、次の加熱温度(℃)と加熱時間(分)の範囲内にある数値の積として表されるものが適している。加熱温度は100〜200℃が好ましく、120〜180℃がより好ましいものである。加熱時間は、10〜60分が好ましいものである。
実施例と比較例のそれぞれのインクを、表1〜6のような配合で作製した。これらそれぞれのインクはすべて白色インクである。表中の数値単位は「重量%」であり、インク100重量部に対しての重量部のことで、インク中の割合を意味するものである。表の左列についての詳細は次の通りである。
着色剤分散液は、着色剤と分散剤と希釈用モノマーからなる。着色剤は白色のものであり、ここでは酸化チタンを用いている。分散剤としてはアビシア社製分散剤ソルスパース32000を使用している。希釈用モノマーは光硬化性を有するものであり、ここではトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)を用いている。着色剤分散液100重量部に対して、着色剤を40.0重量部、分散剤を4.0重量部、希釈用モノマーを56.0重量部の割合で混ぜて、攪拌分散させて着色分散液を作製した。
表では、例えば実施例1のように、インクに対して着色剤分散液が50.0重量%であれば、前記の割合から着色剤が20.0重量%、分散剤が2.0重量%、希釈用モノマーが28.0重量%となるので、表の上から順に着色剤、分散剤、希釈用モノマーそれぞれの重量%を記載して、次にその小計であるインクに対する着色剤分散液の割合(50.0重量%)を記載しているものである。
TMPTAは、トリメチロールプロパントリアクリレートの略であり、ACMOは、アクリロイルモルホリンの略である。TMPTAは(メタ)アクリロイル基を1分子中に3個以上有する(メタ)アクリレート化合物である。ACMOはアクリレート化合物であり、その他の希釈用光硬化性モノマーとして使用した。
BMI−2300は、大和化成工業株式会社製ポリフェニルメタンマレイミドの型番であり、マレイミド化合物として用いた。
TAICは、日本化成株式会社製トリアリルイソシアヌレートの略であり、紫外線による光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物として用いた。DAPは、ジアリルテレフタレートの略であり、紫外線による光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物として用いた。
VEEAは、株式会社日本触媒製アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルの型番であり、ビニルエーテル化合物として用いた。
光重合開始剤は、チバスペシャルティケミカルズ社製光ラジカル重合開始剤IRGACURE127を3重量%と同社製光ラジカル重合開始剤IRGACURE819を1.5重量%とを混合して使用した。これら光重合開始剤の合計はインクに対して4.5重量%である。表面調整剤としてビックケミー社製BYK−UV3500を1.0重量%、重合禁止剤としてラーン社製GENORAD16を0.5重量%を使用した。ここで光重合開始剤と表面調整剤と重合禁止剤の配合は、実施例と比較例において表の通りすべて同じである。
表において、例えば実施例1では、インク100.0重量%に対して、着色剤分散液50.0重量%、ACMO10.0重量%、BMI−23002.0重量%、TAIC1.0重量%、DAP1.0重量%、VEEA30.0重量%、光重合開始剤4.5重量%、表面調整剤1.0重量%、重合禁止剤0.5重量%の割合を意味するものである。TMPTAは、着色剤分散液の希釈用モノマーとして28.0重量%含んでいる。マレイミド化合物とアリル化合物の合計含有量でいえば、4.0重量%となる。着色剤と光重合開始剤を除く、分散剤や表面調整剤や重合禁止剤のその他添加剤合計では、3.5重量%となる。
実施例1〜8が光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物および光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物の場合であり、実施例9〜16が光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物の場合であり、実施例17〜24が光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物の場合である。比較例1〜8がマレイミド化合物とアリル化合物のどちらか一方しか含まないものであり、比較例9〜14がマレイミド化合物とアリル化合物の合計含有量が20重量%を超えるものであり、比較例15〜20が着色剤である酸化チタンが30重量%を超えるものである。
Figure 2013203830
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これら実施例と比較例それぞれのインクについて、下記のような評価を行った。なお、評価にはインクを印刷して硬化させたものを用いた。印刷は、プリント配線板のソルダーレジスト上に加温したヘッドにてインクジェット印刷(吐出)をした。光硬化の条件は、紫外線で光量200mJ/cmである。熱硬化の条件は、加熱量150℃×60分である。
<光硬化タック性>
文字を印刷して光硬化だけさせた部分を指で触って次のように評価した。タック性(べたつき)を感じられなかったものを○、タック性(べたつき)を感じたものを×とした。
<鉛筆硬度>
幅5mmの直線を印刷して光硬化熱硬化させたものを、JISK5600−5−4の測定法に準拠して、鉛筆硬度を測定した。3H以上を○、2H以下を×とした。
<テープ剥離>
印刷して光硬化熱硬化させた幅5mmの直線上に粘着テープを貼り付けて引き剥がし、目視にて次のように評価した。硬化物がはがれることはなかったものを○、硬化物がはがれたり浮いたりしたものを×とした。
<耐溶剤性>
文字を印刷して光硬化熱硬化させたものを、アセトンに30分間浸漬した後、目視にて次のように評価した。変化のないものを○、膨潤や剥離があるものを×とした。
<耐薬品性>
文字を印刷して光硬化熱硬化させたものを、10重量%塩酸水溶液に30分間浸漬した後、目視にて次のように評価した。変化のないものを○、膨潤や剥離があるものを×とした。
<保存性>
インクを50℃3日間保存して、上記と同じ評価を行った。すべて○の評価がついたものを○、ひとつでも×の評価がついたものを×とした。
実施例すべてにおいて、上記の評価が○となった。一方、比較例において、光硬化タック性の評価が○となったのは比較例1〜3、5、6、9、12、13、15〜20であるが、それ以外の比較例では×となった。また、鉛筆硬度の評価が×となったのは、比較例すべてであった。それゆえ、これら以外の評価を比較例については行わなかった。

Claims (1)

  1. 光硬化熱硬化型の硬化性インクジェット無溶剤インクにおいて、
    インクは硬化性樹脂を含み、着色剤を0〜30重量%含むものであり、
    硬化性樹脂は、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、アリル化合物、ビニルエーテル化合物の化合物4種類からなり、
    マレイミド化合物は無置換マレイミド基を1分子中に2個以上有するものであり、ここで無置換マレイミド基とは、マレイミド基の5員環の炭素−炭素2重結合の炭素位置に置換基を持たないものであり、
    アリル化合物はアリル基を1分子中に2個以上有するもので、光ラジカル重合反応性のあるアリル化合物および/または光ラジカル重合反応性なく熱硬化性を有するアリル化合物であり、
    マレイミド化合物とアリル化合物の合計含有量が1〜20重量%であることを特徴とする硬化性インクジェット無溶剤インク。
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