JP4420618B2 - 活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクに関する。より詳しくは、保存安定性に優れかつ各種物性に優れた硬化物を得ることができる活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
重合性の化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射すると該化合物が重合して硬化するものであり、例えば、コーティング材、印刷インキ、塗料、接着剤等の各種用途に適用されている。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、硬化特性等が良好であることから、インクジェット用インキに適用することが可能であり、特に近年ではインクジェット用インキの高性能化に対する要求が大きくなるに従い、そのような分野に好適に適用することができて、光硬化特性に優れるものが求められている。
また、このような活性エネルギー線硬化性組成物を、インクジェット印刷用インクとして用いる場合には、低粘度であることが要求されるため、顔料や染料を含む活性エネルギー線硬化性組成物を溶剤で希釈した溶剤型のものが用いられてきた。一方、近年の環境問題から有機溶剤を使用しない技術が望まれており、有機溶媒の代わりに水が用いられるようになってきた。しかしながら、このような水系の硬化性組成物における硬化性化合物がエステル結合を有する化合物の場合、アルカリ性環境下では加水分解を受けて活性エネルギー線の照射による硬化性が低下したり、硬化物の耐水性が低下する傾向があり、これらの点において工夫の余地があった。
【0003】
このような硬化性を有する水系組成物について、印刷インクにおけるインクジェットの分野に適用することに関し、20〜75質量%の水と、水溶性の紫外線重合性物質と、光重合開始剤と着色剤とを含有し、紫外線により硬化可能なインクジェット用インク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、水と水溶性の光硬化型樹脂プレポリマーと光重合開始剤と水溶性染料とを少なくとも含んでなるインクジェットプリンタ用インクが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、色材、重合性オリゴマー、水に対する溶解度が3質量%以上の光重合開始剤及び水を含むインクジェット記録に用いるインクが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
一方、(メタ)アクリルアミド化合物は、(メタ)アクリレート化合物に比べて耐加水分解性に優れており、また、活性エネルギー線の照射による硬化性も良好である。多官能(メタ)アクリルアミドの合成に関する先行文献としては、ポリビニルブチラール中に含まれる水酸基にN−ヒドロキシメチルアクリルアミドを反応させた例があるが(例えば、特許文献4参照。)、水を溶媒とした感光性組成物については記載されていない。
【0005】
また特許文献5には、側鎖にカルボキシル基を有する構成単位とエチレン性二重結合を有する構成単位とを含んでなる水溶性ポリマー、多官能(メタ)アクリルアミド化合物と光重合開始剤とを含有するネガ型水溶性感光性樹脂組成物が開示されているが、インクジェット印刷インクに適用することは記載されておらず、インクジェット印刷インク用途として好適化する工夫の余地があった。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5623001号明細書(コラム7−8)
【特許文献2】
特許第3204407号明細書(第1頁)
【特許文献3】
特開2000−186242号公報(第2−22頁)
【特許文献4】
特開平2−77403号公報(第1頁)
【特許文献5】
特開2002−341530号公報(第1−2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、耐加水分解性に優れ、活性エネルギー線の照射による硬化が可能で、硬化後の耐水性や耐熱性が良好な活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(A)、水(B)及び光重合開始剤(C)を含有してなる活性エネルギー線硬化性組成物が低粘度であるため印刷性に優れ、耐加水分解性が良好であるために経時による硬化性の低下や硬化物の物性の低下がなく、また、硬化後には架橋構造を形成するために耐水性や耐溶剤性等の物性に優れた硬化物を得ることができ、インクジェット印刷用インク用途において、硬化物物性に優れた有用な組成物であることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に至った。
また、上記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物を、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリルアミド基及びアルコキシル基を有する化合物とを反応させることによって効率的に製造することができることも見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち本発明は、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(A)、水(B)及び光重合開始剤(C)を含む活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクである。
以下に、本発明を詳述する。
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクは、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(A)、水(B)及び光重合開始剤(C)を必須成分として含有してなる。
上記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(A)の製造方法としては、(1)多価アルコールとN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミドとを反応させる方法、(2)多価アルコールとN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとを反応させる方法、(3)多価ビニルエーテルとN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミドとを反応させる方法等、特に限定されないが、副反応が少なく効率的に目的生成物が得られることから、(2)の方法が好ましい。このような化合物(A)の好ましい形態としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物(多価アルコール)と下記一般式(1);
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表す。R2及びR3は、各々別々に炭素数1〜10のアルキル基を表す。)で表される化合物とを反応させることによって得られる化合物である。なお、R2及びR3は、同一の基であってもよく、異なった基であってもよい。
【0013】
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ブタンジオール、4,5−ノナンジオール、トリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、グルコース、フルクトース、マンニット、ソルビトール(ソルビット)等の単糖類;デンプン、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース等の多糖類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体を単独又は共重合して得られる水酸基含有ポリマー等が好適である。
【0014】
上記N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとしては、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が好適である。
【0015】
多価ビニルエーテル化合物としては、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル;ビニロキシエトキシエチルアクリレート(VEEA)、ビニロキシエトキシエチルメタクリレート(VEEM)の重合体や共重合体等のビニルエーテル基含有ポリマー又はオリゴマー;側鎖ビニルエーテル基含有オリゴマー又はポリマー等が好適である。
【0016】
本発明においては、上記多価アルコール、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド及び多価ビニルエーテル化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
上記1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物を製造する方法(1)〜(3)において、多価アルコール又は多価ビニルエーテルと、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとの反応モル比としては、(メタ)アクリルアミド基を有する化合物の用途や所望する物性等により適宜設定すればよいが、例えば、多価アルコールにおける水酸基又は多価ビニルエーテルにおけるビニルエーテル基1モルに対してN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドは、0.02モル以上であり、また、50モル以下となるようにすることが好ましい。より好ましくは、0.1モル以上であり、また、10モル以下である。更に好ましくは、0.5モル以上であり、また、2モル以下である。
【0018】
上記製造方法(1)〜(3)における反応方法としては、例えば、多価アルコールとN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価アルコールとN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテルとN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミドとを反応させる際の添加方法としては、反応初期に一括して仕込んでもよく、どちらか又は両方を連続又は断続的に反応系中に添加してもよい。また、上記反応(1)〜(3)は、触媒の存在下に行なわれることが好ましい。本発明で用いることができる触媒としては、酸が好適である。酸としては特に限定されず、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ピルビン酸、グリコール酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、マロン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;安息香酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、p−トルエンスルホン酸キノリニウム塩等の芳香族スルホン酸又はその塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ニッケル、硫酸銅、硫酸ジルコニウム等の硫酸塩;硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム等の硫酸水素塩;硫酸、塩酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸;リンバ等モリブデン酸、リンタングストモリブデン酸、ケイタングストモリブデン酸等のヘテロポリ酸;酸性ゼオライト;ベースレジンがフェノール系樹脂又はスチレン系樹脂であり、ゲル型、ポーラス型又はマクロポーラス型のいずれかの形態を示し、かつ、スルホン酸基及びアルキルスルホン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種のイオン交換基を有する酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、反応(1)及び(2)では、p−トルエンスルホン酸、リン酸、塩酸が好ましい。また、反応(3)では、リン酸、塩酸が好ましい。他の酸触媒の場合、付加反応の触媒として作用するほか、ビニルエーテルのカチオン重合開始剤として作用することがある。したがって温度コントロールを厳密に行う必要があるが、リン酸や塩酸の場合、カチオン重合開始剤としては作用せず、付加反応にのみ選択的に効くため、温度コントロール幅が広く、製造面で非常に有利である。
【0019】
上記触媒の使用量としては、反応に用いる多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテルの種類や組み合わせ等により適宜設定すればよいが、収率、触媒の安定性、生産性及び経済性の点から、例えば、多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテル100質量部に対して0.0005質量部以上であり、また1質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.001質量部以上であり、また、0.5質量部以下である。
【0020】
上記製造方法(1)〜(3)における反応方法においてはまた、重合禁止剤の存在下で反応を行うことが好ましい。重合禁止剤を用いることにより重合を抑制し、収率を向上することができることとなる。
上記重合禁止剤としては、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合禁止剤;4−ヒドロキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル類;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、キノン系やN−オキシル類の重合禁止剤が好ましく、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、4−ヒドロキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルが好適に用いられる。
【0021】
上記重合禁止剤の添加量としては、多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテルの種類等に応じて適宜設定すればよいが、重合抑制効果、収率、生産性及び経済性の点から、多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテル100質量部に対して0.001質量部以上とすることが好ましく、また5質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.005質量部以上であり、また、1質量部以下であり、特に好ましくは0.01質量部以上であり、また、0.1質量部以下である。
【0022】
上記製造方法(1)〜(3)における反応条件において、反応温度としては、収率、生産性及び経済性の点から反応(1)、(2)では、0〜150℃とすることが好ましい。より好ましくは、50〜130℃であり、更に好ましくは、70〜120℃である。反応(3)では、−30〜100℃とすることが好ましい。より好ましくは、0〜80℃であり、更に好ましくは、30〜70℃である。反応時間は、上記反応が完結するように、多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテル、触媒や用いる有機溶剤の種類や組み合わせ、使用量等に応じて適宜設定すればよい。反応圧力は、多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテルの種類、反応温度等により適宜設定すればよいが、反応系が液体状態に保たれる圧力であれば特に限定されず、常圧(大気圧)、減圧、加圧のいずれであってもよい。製造方法(2)においては減圧にて生成するアルコールを系外へ除去することにより反応時間を短縮できるため、より好ましい。
【0023】
上記製造方法(1)〜(3)では特に溶剤を使用する必要はないが、有機溶剤1種又は2種以上を使用することもできる。有機溶剤としては特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒類:クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
【0024】
上記有機溶剤の使用量としては、多価アルコール、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、多価ビニルエーテルの種類や組み合わせ等により適宜設定すればよいが、収率、生産性及び経済性の点から、これらの合計質量100質量部に対して200質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、100質量部以下であり、特に好ましくは、70質量部以下である。
【0025】
上記水(B)の使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、1質量%以上とすることが好ましく、また、99質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは5質量%以上であり、また、95質量%以下であり、最も好ましくは10質量%以上であり、また、90質量%以下である。
【0026】
上記光重合開始剤(C)としては、公知のものを使用でき、具体的には、以下のような化合物が好適である。これらは1種又は2種以上の混合物として使用される。
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類。
【0027】
2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシルカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;アシルフォスフィンオキサイド類及びキサントン類。
【0028】
上記光重合開始剤(C)としては、水溶性の光重合開始剤を用いることがより好ましく、具体的には、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー2959)又はそれの水酸基へ(ポリ)エチレングリコール鎖を導入したもの、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー184)の水酸基及び/又はフェニル基へ(ポリ)エチレングリコール鎖を導入したもの、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンのフェニル基へ−OCH2COO−Na+を導入したもの、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、ダロキュアー1173)の水酸基及び/又はフェニル基へ(ポリ)エチレングリコール鎖を導入したもの、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンのフェニル基へ−OCH2COO−Na+を導入したもの等のα−ヒドロキシアルキルアセトフェノン類;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、イルガキュアー369)等のα−アミノアルキルフェノン類のアミノ基を四級アンモニウム塩化したもの等が挙げられる。
【0029】
上記光重合開始剤の添加量としては、上記活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量部に対し、0.01〜30質量部とすることが好ましい。より好ましくは0.05〜20質量部、最も好ましくは0.1〜10質量部である。
【0030】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクを光により硬化させる場合、光重合開始剤とともに塩基性化合物を用いることができる。塩基性化合物としてはアミン化合物を用いることが好ましく、上記アミン化合物としては、特に制限されないが、具体的には、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、メチルジブタノールアミン、エチルジエタノールアミン、エチルジイソプロパノールアミン、エチルジブタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、プロピルジイソプロパノールアミン、プロピルジブタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルブタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、ジエチルブタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジプロピルイソプロパノールアミン、ジプロピルブタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジブチルイソプロパノールアミン、ジブチルブタノールアミン、メチルエチルエタノールアミン、メチルエチルイソプロパノールアミン、メチルエチルブタノールアミン、ベンジルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、テトラエタノールエチレンジアミン、テトラプロパノールエチレンジアミン等が挙げられる。また、これら水酸基含有三級アミン化合物にエチレンオキサイドを付加させてポリエチレングリコール鎖を導入したもの、水酸基含有三級アミン化合物に水酸基と反応性を有する官能基を含有するモノマーを付加させて重合性二重結合を導入したもの、ポリマー又はオリゴマーに三級アミノ基を導入したもの等も用いることができる。
これらのアミン化合物は1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中で水溶液の三級アミン化合物が特に好ましい。
【0031】
上記アミン化合物の使用量は、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量部に対し、0.005〜15質量部とすることが好ましい。より好ましくは0.025〜10質量部、最も好ましくは0.05〜5質重部である。
【0032】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクはまた、他の重合性モノマー、オリゴマー、ポリマーと共存させてもよい。他の重合性モノマーとしては、以下のような化合物が好適である。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の単官能(メタ)アクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル等の単官能ビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の単官能N−ビニル化合物類;スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等の単官能ビニル化合物類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、クロトン酸、クロトン酸メチル等の単官能α,β−不飽和化合物類;アクリロイルモルホリン;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンへのエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物類。
【0033】
これらの中でも特に水溶性のものが好ましく、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、アクリロイルモルホリン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンへのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等が好適である。
上記他の重合性モノマーの使用量としては、上記活性エネルギー線硬化性組成物100質量部に対し、1〜500質量部とすることが好ましい。より好ましくは5〜200質量部、最も好ましくは10〜100質量部である。
【0034】
上記重合性オリゴマー又はポリマーとしては、飽和及び不飽和の多塩基酸又はその無水物酸(例えば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸等)と飽和又は不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールベンゼン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート;飽和又は不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)との反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート;多価エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシ(メタ)アクリレート;ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;ポリアミドと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリアミドポリ(メタ)アクリレート等が好適である。これらの中でも特に水溶性のものが好ましい。
【0035】
上記重合性オリゴマー又はポリマーの使用量としては、上記活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量部に対し、1〜200質量部とすることが好ましい。より好ましくは5〜100質量部、最も好ましくは10〜50質量部である。
【0036】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクは、更に、着色剤を含んでなることが好ましい。着色剤としては、染料、顔料が好適であり、これらはそれぞれ1種又は2種以上を用いることができる。また、染料と顔料とを併用することもできる。
【0037】
上記染料としては、以下に挙げるものが好適である。
C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、62、71、108、146、154;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106、199;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、44、86、98、100、142;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59等の直接染料。
【0038】
C.I.アシッドブラック2、7、24、24、26、31、52、63、112、118;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、254;C.I.アシッドレッド1、6、8、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、256、317、315;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、49、61、71;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.I.アシッドバイオレット49等の酸性染料。
【0039】
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、15、17、18、23、24、37、42、57、58、64、75、76、77、79、81、84、85、87、88、91、92、93、95、102、111、115、116、130、131、132、133、135、136、137、139、140、142、143、144、145、146、147、148、151、162、163;C.I.リアクティブオレンジ5、7、l1、12、13、15、16、35、45、46、56、62、70、72、74、82、84、87、91、92、93、95、97、99;C.I.リアクティブレッド3、13、16、21、22、23、24、29、31、33、35、45、49、55、63、85、106、109、111、112、113、114、l18、126、128、130、131、141、151、170、l71、174、176、177、183、184、186、187、188、190、193、194、195、196、200、201、202、204、206、218、221;C.I.リアクティブバイオレット1、4、5、6、22、24、33、36、38;C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、18、19、21、25、27、28、38、39、40、41、49、52、63、71、72、74、75、77、78、79、89、100、101、104、105、119、122、147、158、160、162、166、169、170、171、172、173、174、176、179、184、190、191、194、195、198、204、211、216、217;C.I.リアクティブグリーン5、8、12、15、19、23;C.I.リアクティブブラウン2、7、8、9、11、16、17、18、21、24、26、31、32、33;C.I.リアクティブブラック1、5、8、13、14、23、31、34、39等の反応性染料。
【0040】
C.I.ベーシックブラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28、29;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、37;C.I.ベーシックバイオレット7、14、27;C.I.フードブラック1、2等のその他の染料。
C.I.ソルベントブラック6、C.I.ソルベントブラック18、24、28、29、33、36、37、38、51;C.I.ソルベントイエロー1、49、62、74、79、82、83、89、90、120、121、151、153、154;C.I.ソルベントレッド25、31、86、92、97、118、132、160、186、187、219;C.I.ソルベントブルー33、38、42、45、53、65、67、70、104、114、115、135等の油溶性染料。
【0041】
上記顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料、有彩色の有機顔料等が好適である。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料;縮合アゾ系有機顔料;ベンズイミダゾロン系有機顔料;キノフタロンエロー等のキノフタロン系有機顔料;イソインドリンエロー等のイソインドリン系有機顔料;その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレットが好適である。
特に黒インクとして使用されるカーボンブラックとしては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キヤボット社製のRega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black 4等が使用できる。
【0042】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクにおける上記着色剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、0.5質量%以上が好ましく、また、30質量%以下が好ましい。より好ましくは、1質量%以上であり、また、25質量%以下である。
【0043】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクはまた、上記成分以外の成分1種又は2種以上を含んでいてもよく、このような成分としては、希釈溶剤、バインダー、フィラー、顔料分散剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、乾燥防止剤、浸透剤、pH調整剤、金属封鎖剤、防菌防かび剤、界面活性剤、可塑剤が好適である。
【0044】
上記希釈溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;脂肪族炭化水素系溶剤;高級脂肪酸系溶剤;カルビトール系溶剤;セロソルブ系溶剤;高級脂肪酸エステル系溶剤;水が好適である。
【0045】
上記希釈溶剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、50質量%以下となるようにすることが好ましい。また、30質量%以下となるようにすることが更に好ましい。
【0046】
上記バインダーとしては、ポリ塩化ビニル、アクリル酸エステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、塩ビ−酢ビ共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の樹脂が好適である。バインダーの使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、30質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、20質量%以下である。最も好ましくは、1質量%以上であり、また、10質量%以下である。
上記顔料分散剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体が好適である。
【0047】
上記顔料分散剤の使用量としては、顔料100質量部に対して10質量部以上とすることが好ましく、また、200質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、20質量部以上であり、また、100質量部以下である。
【0048】
上記フィラーとしては、ガラスフリット、シリカ微粒子、有機微粒子、金属微粒子が好適である。フィラーの使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、30質量%以下が好ましい。より好ましくは、2質量%以上であり、また、20質量%以下である。最も好ましくは、5質量%以上であり、また、10質量%以下である。
【0049】
上記導電性付与剤としては活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクに可溶な塩であればよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、硝酸塩、チオシアン酸塩が用いられる。これらの中でも、硝酸リチウム、三酸化硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化水素酸ジメチルアミンが好適である。導電性付与剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、10質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.05質量%以上であり、また、5質量%以下である。最も好ましくは、0.5質量%以上であり、また、3質量%以下である。
【0050】
上記紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−キサンテンカルボキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル5′−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−4′−n−オクトキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−t−アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−4′−ジヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの如きベンゾトリアゾール系化合物;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン類;フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレートの如きベンゾフェノン類;N−(2−エトキシフェニル)−N′−(4−イソドデシルフェニル)エタンジアミド、N−(2−エトキシフェニル)−N′−(2−エチル)エタンジアミドの如きシュウ酸アニリド誘導体;2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの如きトリアジン誘導体;2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリル酸オクチル、2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3−フェニル−3−(3,4−ジメチルフェニル)アクリル酸−(2−エチルヘキシル)、2−シアノ−3−(p−メトキシフェニル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)アクリル酸−(2−エチルヘキシル)、p−メトキシ−α−(3,4−キシリル)ベンジリデンマロノニトリルの如き不飽和ニトリル基を含有する紫外線吸収剤が好適である。
【0051】
上記した紫外線吸収剤のうち、紫外線硬化を阻害しにくい点から、トリアジン系化合物、2−(2′−キサンテンカルボキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノンの使用が好ましい。紫外線吸収剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、0.0001質量%以上であり、また、10質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.001質量%以上であり、また、5質量%以下である。
【0052】
上記酸化防止剤としては、4,4′メチレンビス(2,6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−エチリデンビス−(4,6,−ジ−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコールビス−3−(t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、2,2′−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、6−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリル酸−t−ブチル、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−{メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、N.N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、1,6−ヘキサンジオールビス−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−チオジエチルビス−{3−(3′,5′−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)の如きヒンダードフェノール系化合物;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピン[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの如きヒンダードアミン系化合物;ジラウリルジチオプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス―(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジ−ミリスチルチオジプロピオネート、ジ−トリデシルチオプロピオネートの如き有機硫黄系化合物;3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸ジエチルエステル、3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸ジオクタデシルエステルの如きリン酸エステル類が好適である。これら酸化防止剤類のうち、耐久性向上効果の点から特にヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系化合物が好ましい。酸化防止剤の使用量としては、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、0.0001質量%以上であり、また、10質量%以下が好ましい。より好ましくは、0.001質量%以上であり、また、5質量%以下である。
【0053】
上記乾燥防止剤としては、グリセリン、ポリグリセリン、グリコールが好適である。浸透剤としては、アルコール、グリコールエーテルが好適である。乾燥防止剤及び浸透剤の使用量としては、いずれも活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、0.05質量%以上であり、また、20質量以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.5質量%以上であり、また、10質量%以下である。
【0054】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクは、25℃での粘度が1.0〜50mPa・sであることが好ましく、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷用インクの粘度がこのようになるように、上述した必須成分やその他の成分の種類、配合量等を適宜設定することが好ましい。25℃での粘度が1.0mPa・s未満であると、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性が低下するおそれがあり、50mPa・sを超えると、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出機能そのものが低下し、吐出の安定性が不良となるおそれがあり、場合によっては全く吐出できなくなるおそれがある。より好ましくは、1.2mPa・s以上であり、また、30mPa・s以下である。
【0055】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクは、インクジエットプリンターを用いて基材に塗布され、塗布後、活性エネルギー線の照射により硬化することになる。本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷用インクが塗布される基材としては、紙、プラスチック、プラスチックフィルム、セラミック、ガラス、木が好適である。活性エネルギー線としては、電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、ガンマー線が好適である。これらの中でも、特に紫外線や電子線が好ましい。
【0056】
上記紫外線による硬化の場合、波長150〜450nmの光を含む光源を用いることが好ましい。このような光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等が好適である。これらの光源と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
【0057】
上記電子線による硬化においては、加速電圧が、好ましくは10kV以上、より好ましくは20kV以上、更に好ましくは30kV以上、また、好ましくは500kV以下、より好ましくは300kV以下、更に好ましくは200kV以下である電子線を用いればよい。また、照射量としては、2kGy以上が好ましく、3kGy以上がより好ましく、5kGy以上が更に好ましく、また、500kGy以下が好ましく、300kGy以下がより好ましく、200kGy以下が更に好ましい。電子線と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
【0058】
本発明の組成物、すなわち1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物、水及び光重合開始剤を含む組成物と塩基性化合物とを含む組成物は、上述した用途に好適なものであり、このような本発明の組成物と塩基性化合物とを含む組成物は、本発明の好ましい実施形態一つである。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を意味するものとする。
【0060】
〔合成例1〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、N−メトキシメチルメタクリルアミド(笠野興産社製、アマイド3MA)1421g、ポリグリセリン(阪本薬品社製、ポリグリセリン#750)750g、4−ヒドロキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(以下、「4H−TEMPO」と呼ぶ)0.22g、及び、p−トルエンスルホン酸1.1gを入れて攪拌し、100℃に加熱した。反応中に生成したメタノールを除去しながら8時間反応を行った後、室温まで冷却し、アセトン2200gとイオン交換樹脂(オルガノ社製、IRA 96SB AG)11.6gとを添加して触媒を除去した。最後にイオン交換樹脂をろ過し、減圧にてアセトンを除去して1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(1)を得た。該化合物をIR及びNMRにて分析し、ポリグリセリン中の水酸基に起因するピークの減少とメタクリロイル基の導入を確認した。
【0061】
〔合成例2〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、N−メトキシメチルアクリルアミド(笠野興産社製、アマイド2MA)380g、トリメチロールプロパンへのエチレンオキサイド20モル付加物1014g、4H−TEMPO 0.14g、及び、p−トルエンスルホン酸0.70gを入れて攪拌し、100℃に加熱した。反応中に生成したメタノールを除去しながら8時間反応を行った後、室温まで冷却し、アセトン1400gとイオン交換樹脂(オルガノ社製、IRA 96SB AG)7.3gとを添加して触媒を除去した。最後にイオン交換樹脂をろ過し、減圧にてアセトンを除去して1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(2)を得た。該化合物をIR及びNMRにて分析し、トリメチロールプロパンへのエチレンオキサイド20モル付加物中の水酸基に起因するピークの減少とアクリロイル基の導入を確認した。
【0062】
〔実施例2、4、参考例1、3及び比較例1〜2〕
得られた化合物(1)〜(2)及び表1に示す化合物を用いて活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクを調整し、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
以下に表1について説明する。
「HEA」とは、ヒドロキシエチルアクリレートであり、「PEGDA」とは、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEG400のジアクリレート)であり、ベンゾパープリン4Bはダイレクトレッド2ともいう和光純薬工業社製の着色剤であり、イルガキュア2959はチバ・スペシャリティー・ケミカル社製の1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンである。
【0065】
インク組成物の評価は、以下の方法により行った。
(粘度)
インク組成物の25℃での粘度をE型粘度計(商品名:TOKIMEC VISCOMETER TV−20、東機産業社製)で測定した。
【0066】
(硬化性)
各インク組成物をピエゾヘッドを有するプリンターにて上質紙基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯)にて主波長365nmのUVを照射した。照射エネルギーが500mJ/cm2になるまで100mJ/cm2ごとに印字面を指触してインクの硬化性を観察した。
評価基準:○=完全に硬化し、指にインクが付着しない。△=かすかに指にインクが付着する。×=未硬化で、指にインクが付着する。
(耐水性)
各インクをピエゾヘッドを有するプリンターにて上質紙基材上に印字後、UV照射装置(250W超高圧水銀灯)にて主波長365nmのUVを照射した。500mJ/cm2の照射エネルギーで硬化させた後、印字部分を水に1分間浸漬して耐水性を調べた。
評価基準:○=印字が全くにじまない。△=印字が一部にじむ。×=印字がにじんで文字が判別できない。
(保存安定性)
各インクを密封容器に入れて、50℃で30日間保存した後、上記硬化性試験及び耐水性試験を行った。
【0067】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクは、上述のような構成であるので、保存安定性に優れており、活性エネルギー線の照射による硬化が可能で、硬化後には耐熱性や耐溶剤性等の物性に優れた硬化物を得ることができるものである。
Claims (3)
- 1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(A)、水(B)及び光重合開始剤(C)を含有してなる活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクであって、
該1分子中に2つ以上の(メタ)アクリルアミド基を有する化合物(A)は、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物と、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとを反応させることによって得られる化合物であり、
該1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物は、多価アルコールへのエチレンオキサイド付加物であり、
該水(B)の使用量は、活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク100質量%に対して、10質量%以上、99質量%以下である
ことを特徴とする活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク。 - 前記化合物(A)を得るための反応は、酸触媒及び重合禁止剤の存在下、温度70〜120℃で行われるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク。 - 前記活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インクは、更に、着色剤を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性インクジェット印刷用インク。
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