WO2007074768A1

WO2007074768A1 - 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物

Info

Publication number: WO2007074768A1
Application number: PCT/JP2006/325765
Authority: WO
Inventors: Yoshiaki Ueno; Okinori Nakajima
Original assignee: Sakata Inx Corp.
Priority date: 2005-12-26
Filing date: 2006-12-25
Publication date: 2007-07-05
Also published as: JPWO2007074768A1; JP5001858B2

Abstract

　カチオン重合硬化性を有し、さらにフタロシアニン系やブラック系の顔料を使用した際においても厚膜状態であっても内部硬化性に優れた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関し、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に、活性エネルギー線により開始剤機能が発現するカチオン重合開始剤の少なくとも１種を２～１０質量％含有し、さらにカチオン重合開始剤を含む前記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物１００質量部に対して、４００ｎｍ以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤の少なくとも１種を０．５～３質量部、および４００ｎｍ未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤の少なくとも１種を０．１～３質量部含有することを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。

Description

明細書

光硬化型インクジェット印刷用インク組成物

技術分野

[0001] 本発明は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。より詳しくは、良好なカチオン重合硬化性を有し、厚膜状態においても内部まで均等に重合して、内部硬化性に優れた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。

背景技術

[0002] 光硬化型インクは、乾燥が早！ヽこと、揮発性溶剤を含まず、環境に対して有害な成分の揮散がなぐ様々な基材に印刷できる等の優れた性能を有することにより、オフセット印刷、ダラビヤ印刷、スクリーン印刷、凸版印刷の他、各種の塗工やインクジェット印刷などの幅広ヽ分野で利用されてきて、る。

[0003] とりわけ、インクジェット印刷は、基材の材質や形状を問わず、簡便'安価に画像を作成することができるため、ロゴ、図形や写真画像等の通常の印刷から、マーキング、カラーフィルタ一等の特殊印刷まで様々な分野に応用されており、光硬化型インクの性能と相まって、より良好な印刷物が得られるものとして期待が高まっている。

[0004] このようなインクジェット印刷に使用する光硬化型インクジェット印刷用インク糸且成物として、一般的には、紫外線等の光照射によってラジカル重合して硬化する光硬化型インクジェット印刷用インク糸且成物が知られて、るが、この光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、臭気が強い等の作業環境面、さらに、皮膜の表面だけで急激に硬化が進んで、厚膜では硬化しわが発生する等硬化性の点で問題を有して!/、た。

[0005] そこで、上記問題を改良するため、近年、光照射によりカチオン重合して硬化する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物が提案されている（例えば、特開平 9 1 83928号公報参照)。

[0006] しかし、カチオン重合型の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物であっても、膜厚が厚い場合、硬化しわが発生する問題を有するものであった。

[0007] そこで、本発明者らは上記問題を改良するため、良好なカチオン重合硬化性を有し、厚膜状態であっても硬化しわの発生がな、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提案した (例えば、特願 2005— 291553号)。

発明の開示

[0008] しかし、インクジェット印刷の分野にぉ、て硬化性、密着性はインキ性能の必須条件として要求されている力とりわけフタロシア-ン系ゃブラック系の顔料を使用した際、現状においては密着性について良好なものの、膜厚が厚いと表面と内部との硬化速度の差により耐スクラッチ性が低い等未だ内部硬化性においては要求性能を満足してヽなヽと、う問題を有して、た。

[0009] そこで、本発明の課題は、良好なカチオン重合硬化性を有し、さらにフタロシアニン系やブラック系の顔料を使用した際においても厚膜状態であっても内部硬化性に優れた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供することである。

[0010] 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物として、活性エネルギー線により開始剤機能が発現するカチオン重合開始剤の少なくとも 1種、 400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤の少なくとも 1種、および 400nm未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤の少なくとも 1種とを併用して使用することにより、上記課題を全て解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。

[0011] すなわち、本発明は下記の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物およびそれを使用して得られる印刷物に関する。

[0012] (1)カチオン重合性ィ匕合物を光重合により硬化させる光硬化型インクジェット印刷用インク組成物において、当該光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に、活性エネルギー線により開始剤機能が発現するカチオン重合開始剤の少なくとも 1種を 2 〜10質量％含有し、さらにカチオン重合開始剤を含む前記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物 100質量部に対して、 400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤の少なくとも 1種を 0. 5〜3質量部、および 400nm未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤の少なくとも 1種を 0. 1〜3質量部含有することを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。

[0013] (2)前記増感助剤が、ナフタレン誘導体である前記（1)項記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。 [0014] (3)前記増感剤が、アントラセン誘導体である前記（1)項または（2)項記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。

[0015] (4)被記録材料に前記（1)項〜（3)項の、ずれかに記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を 1〜20 mの膜厚で印刷した後、可視光線で硬化して得られることを特徴とする印刷物。

発明を実施するための最良の形態

[0016] 以下、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク糸且成物について詳細に説明する。

[0017] 本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成する活性エネルギー線により開始剤機能が発現するカチオン重合開始剤としては、公知のスルホ -ゥム塩、アンモ-ゥム塩、ジァリールョードニゥム塩、トリアーリルスルホ-ゥム塩等が挙げられ、具体的には、トリアリールスルフォ -ゥムへキサフルオロフォスフエ—ト塩、ョードニゥム（4 メチルフエ-ル）（4一（2 メチルプロピル）フエ-ル）へキサフルオロフォスフエート、トリアーリルスルフォ -ゥムへキサフルォロアンチモネート、 3—メチルー 2 ブテュルテトラメチレンスルフォ -ゥムへキサフルォロアンチモネート等が挙げられる。市販品の代表例としては、 UVI— 6990 (バイエル社製）、 Uvacurel590 (ダイセル' サイテック (株)製）、 CGI— 552、 Ir250 (以上、チバ 'スペシャルティ'ケミカルズ (株）製）、 SP— 150、 152、 170、 172、 CP— 77 (以上、旭電化工業 (株)製)等が例示できる。このようなカチオン重合開始剤の使用量は、光硬化型インクジェットインク組成物中に 2〜 10質量％の範囲であり、好ましくは 4〜8質量％の範囲である。カチオン重合開始剤の使用量が前記範囲未満では、硬化性が低下する傾向があり、一方前記範囲を超えると、硬化しわが発生する他、金属を含有する開始剤では金属イオンが多く残存して環境に良くないなど問題が発生する傾向がある。

[0018] 本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成する 400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤としては、 9, 10 ジブトキシアントラセン、 9, 10 ジェトキシアントラセン、 9, 10 ジプロポキシアントラセン、 9, 10 ビス（2 —ェチルへキシルォキシ）アントラセン等の 9, 10 ジアルコキシアントラセン（アルコキシ基としては炭素数 1〜8のものが好ましい）等のアントラセン誘導体を挙げることができる。市販品の代表例としては、 DBA, DEA (川崎ィ匕成工業 (株)製)等が例示できる。このような増感剤の使用量は、カチオン重合開始剤を含む前記光硬化型インクジェット印刷用インク組成物 100質量部に対して 0. 5〜3質量部の範囲であり、好ましくは 1. 0〜2. 0質量部の範囲である。増感剤の使用量が前記範囲未満では、可視光に対する硬化性が低下し、また、硬化しわが発生するという問題が生じる傾向があり、前記範囲を超えると、効果の向上が見られず、過剰添加となり好ましくない。

[0019] 本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成する 400nm未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤としては、 1, 4 ジェトキシナフタレン、 4 ーメトキシ 1 ナフトール等のナフタレン誘導体を挙げることができ、市販品の代表例としては、 ET— 2111 (川崎ィ匕成工業 (株)製)等が例示できる。このような増感助剤の使用量は、カチオン重合開始剤を含む前記光硬化型インクジェットインク組成物 100質量部に対して 0. 1〜3質量部の範囲であり、好ましくは 0. 5〜2. 0質量部、特に好ましくは 0. 5〜1. 5質量部の範囲である。増感助剤の使用量が前記範囲未満では、内部硬化性が不十分であり、一方前記範囲を超えると、硬化性が低下する傾向がある。

[0020] 次に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を構成するカチオン重合性化合物としては、公知の各種カチオン重合性のモノマー、オリゴマーまたはポリマーが使用できる。例えば、エポキシィ匕合物、ビュルエーテルィ匕合物、ォキセタンィ匕合物、ォキソランィ匕合物、環状ァセタールイ匕合物、環状ラタトン化合物、チイランィ匕合物、チェタンィ匕合物、スピロオルソエステルイ匕合物、エチレン性不飽和化合物等から選択される 1種または 2種以上が挙げられる。

[0021] <エポキシィ匕合物 >

エポキシィ匕合物としては、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれも使用可能である。

[0022] 具体的には、従来公知の芳香族エポキシィ匕合物、脂環族エポキシィ匕合物、脂肪族エポキシィ匕合物等が挙げられる。

[0023] 芳香族エポキシィ匕合物としては、少なくとも 1個の芳香族核を有する多価フエノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とェピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられ、例えばビスフエノール Aあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノール Aあるいはそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ榭脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、それらの混合物等が挙げられる。

[0024] 脂環式エポキシィ匕合物としては、少なくとも 1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルケン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシィ匕することによって得られる、シクロへキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有ィ匕合物等が挙げられる。

[0025] 脂肪族エポキシィ匕合物としては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンォキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられ、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは 1, 6—へキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付カロ体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールある!/、はそのアルキレンオキサイド付カ卩体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、それらの混合物等が挙げられる。

[0026] これらのエポキシィ匕合物のうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシィ匕合物および脂環式エポキシィ匕合物が好ましぐ特に脂環式エポキシィ匕合物が好ま、。

[0027] <ビュルエーテル化合物 >

ビュルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビュルエーテル、ジエチレングリコーノレジビニノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレジビニノレエーテノレ、プロピレングリコールジビニノレエーテル、ジプロピレングリコールジビニノレエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、へキサンジオールジビニルエーテル、シクロへキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビュルエーテル化合物、ェチルビ-ルエーテル、 _n—ブチルビ-ルエーテル、イソブチルビ-ルエーテル、ォクタデシルビ-ルエーテル、シクロへキシルビ-ルェーテノレ、ヒドロキシブチノレビニノレエーテノレ、 2—ェチノレへキシノレビニノレエーテノレ、シク口へキサンジメタノールモノビュルエーテル、 _n—プロピルビュルエーテル、イソプロピルビ-ルエーテル、イソプロぺ-ルエーテル o プロピレンカーボネート、ドデシルビュルエーテル、ジエチレングリコールモノビュルエーテル、ォクタデシルビ-ルエーテル等のモノビュルエーテル化合物等が挙げられる。

[0028] これらのビニルエーテルィ匕合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビュルエーテルィ匕合物が好ましく、特にジビニルエーテルィ匕合物が好ましい。

[0029] <ォキセタン化合物 >

ォキセタンィ匕合物は、ォキセタン環を有する化合物であり、特開 2001— 220526 号公報、特開 2001— 310937号公報などに紹介されているような公知のあらゆるォキセタンィ匕合物を使用できる。ォキセタンィ匕合物において、ォキセタン環を 5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になつたり、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。かかる点から、ォキセタンィ匕合物としては、ォキセタン環を 1〜4個有する化合物が好ましぐ具体例としては 3 ェチルー 3 ヒドロキシメチルォキセタン、 1, 4 ビス（（（3 ェチルー 3—ォキセタ -ル)メトキシ)メチル）ベンゼンなどが挙げられる。

[0030] <ォキソラン類 >

ォキソラン類としては、テトラヒドロフラン、 2, 3 ジメチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。

[0031] <環状ァセタール類 >

環状ァセタール類としては、トリオキサン、 1, 3 ジォキソラン、 1, 3, 6 トリオキサンシクロオクタン等が挙げられる。

[0032] <環状ラタトン類 >

環状ラタトン類としては、 β—プロピオラタトン、 ε—力プロラタトン等が挙げられる。 [0033] くチイラン類〉

チイラン類としては、エチレンスルフイド、 1, 2—プロピレンスルフイド、チォェピクロロヒドリン等挙げられる。

[0034] <チェタン類 >

チェタン類としては、 3, 3—ジメチルチェタン等が挙げられる。

[0035] <スピロオルソエステル類 >

スピロオルソエステル類としては、エポキシ化合物とラタトンとの反応によって得られるスピロオルソエステル類等が挙げられる。

[0036] <エチレン性不飽和化合物類 >

エチレン性不飽和化合物類としては、ビュルシクロへキサン、イソブチレン、ポリブタジェン等が挙げられる。

[0037] 本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物においては、インク組成物の粘度、硬化速度等の点から、前記カチオン重合性ィ匕合物はインク組成物中に 70〜9 7質量％の範囲が好ましぐより好ましくは 75〜97質量％、さらに好ましくは 75〜95 質量％、特に好ましくは 80〜95質量％である。

[0038] また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じ着色剤を含有させることができる。着色剤としては、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物で従来から使用されて!、るものが特に制限なく使用できるが、インク組成物に良好に分散し、耐光性の優れた有機または無機顔料が好ま U、。

[0039] 具体的には、有機顔料として、染料レーキ顔料、ァゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジォキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等が、無機顔料として、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸ィ匕クロムグリーン、水酸ィ匕アルミニウム等が挙げられる。

[0040] 顔料を使用する場合の好ましい使用量は、光硬化型インクジェット印刷インク組成物中に 1〜20質量％である。顔料の使用量が前記範囲未満では、得られる印刷物の画像品質が低下する傾向があり、一方前記範囲を超えると、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度特性に悪影響を与える傾向がある。

[0041] また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じ溶剤を含有させることができる。溶剤としては、常圧（1. 013 X 10²kPa)における沸点が 1 50°C〜220°Cの溶剤が使用できる。具体的には、エステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤等が例示できる。ただし、インク組成物の硬化性、使用環境の安全性などの点から、有機溶剤は極力使用しな!ヽのが好ま、。

[0042] さらに、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じて種々の機能性を発現させるため、各種の添加剤を添加することができる。具体的には、光安定化剤、表面処理剤、界面活性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、重合禁止剤、可塑剤、防腐剤、 pH調整剤、消泡剤、保湿剤、分散剤等が挙げられる。

[0043] 本発明において、カチオン重合性ィ匕合物、カチオン重合開始剤、必要により使用する顔料、その他の添加剤等の含有量は、本発明の光硬化型インクジヱット印刷用インク組成物中の質量％ (内付け)で表す。本発明において、増感剤と増感助剤については、本発明の前記成分を含む光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の 1 00質量部に対する質量部数 (外付け)で表す。

[0044] 本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、良好なインク吐出性能、厚膜の印刷塗膜を得るなどの観点から、 25°Cにおける粘度が 5〜50mPa' sであるのが好ましく、より好ましくは 5〜30mPa · sである。

[0045] 次に、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を印刷、硬化する方法について説明する。具体的には、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を被記録材料に吐出した後、被記録材料に着弾した光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を光で露光し硬化させる。

[0046] 特に、 400nm以上に吸収波長を有する増感剤（アントラセン誘導体が好ま U、）と 4 OOnm未満の吸収波長を有する増感助剤を併用するので、光硬化型インクジット印刷用インク組成物を 20 mまで厚膜にしても、従来技術で硬化することが難しいとされていた可視光線での内部硬化が可能となり、かつ硬化ムラによるしわ (硬化しわ）の発生がなくなる。なお、得られる塗膜の膜厚は 1〜20 mが好ましい。特に、本発明では、膜厚が 10〜20 mの厚膜であっても硬化ムラによるしわが発生せず、良好な塗膜が得られる。なお、本発明における膜厚は硬化後の膜厚をいう。

[0047] 本発明にお、て、着弾した光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を硬化しうる光エネルギー源としては、可視光線、紫外線等が挙げられ、、可視光線と紫外線の併用が好ましい。

[0048] また、上記被記録材料としては、特に限定されず、紙、プラスチックフィルム、カプセル、ジエル、金属箔、ガラス、木材、布等が挙げられる。インクジェット印刷法では非接触印刷が可能であるので、被記録材料の形状は広範なものが使用できる。

実施例

[0049] 以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する力本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「％」は「質量％」を意味し、「部」は質量部を表す。

[0050] 以下の実施例、比較例で使用する材料はつぎの通りである。

[0051] <開始剤>

•400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤

アントラセン誘導体〔DBA(9, 10—ジブトキシアントラセン)、川崎ィ匕成工業 (株)製〕アントラセン誘導体〔DEA(9, 10—ジェトキシアントラセン)、川崎ィ匕成工業 (株)製〕

•400nm未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤

ナフタレン誘導体 [ET— 2111 (4—メトキシ— 1—ナフトール)、川崎ィ匕成工業 (株）製]

•活性エネルギー線により増感機能が発現するカチオン重合開始剤

Uvacurel590 [ (トリアリールスルフォ -ゥムへキサフルオロフォスフェート）、ダイセル 'サイテック (株)製] ]

[0052] <顔料分散剤 >

ァジスパー PB821 (味の素 (株)製）

[0053] <カチオン重合性化合物 >

セロキサイド 3000 (脂環型希釈用エポキシィ匕合物、ダイセル ·サイテック (株)製）セロキサイド 2021P (脂環型エポキシ榭脂、ダイセル ·サイテック (株)製）

OXT— 101 (3—ェチル—3—ヒドロキシメチルォキセタン、東亜合成 (株）製） DVE— 3 (トリエチレングリコールジビュルエーテル、 ISPジャパン (株）製）

[0054] <添加剤 >

BYK— 315 (ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ビックケミ一社製）

[0055] <光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の調製 >

実施例 1〜3および比較例 1、 2

顔料 [ビグメントブルー 15 : 4 (フタロシアニン系顔料）、 5412SD (大日本インキ工業 (株)製) ]と顔料分散剤 (ァジスパー PB821)とカチオン重合性ィ匕合物 (DVE— 3)とを配合比率 (質量比）が 22Z8. 8/69. 2となるように配合した混合物をアイガミル（メディアとして直径 0. 5mmのジルコユアビーズを使用）を用いて分散させて顔料べースを得た。得られた顔料ベースを用いて、表 1の配合組成 (各成分の配合量を示す数値は質量部である）となるようにその他の材料を配合し混合して、実施例 1〜3、比較例 1、 2の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物（シアンインク）を得た。

[0056] 実施例 4〜6および比較例 3、 4

顔料 [カーボンブラック、プリンテックス 35 (デダサ社製) ]と顔料分散剤 (ァジスパー PB821)とカチオン重合性ィ匕合物（DVE— 3)とを配合比率 (質量比）が 22/8. 8/ 69. 2となるように配合した混合物をアイガミル (メディアとして直径 0. 5mmのジルコ二ァビーズを使用）を用いて分散させて顔料ベースを得た。得られた顔料ベースを用 V、て、表 1の配合組成 (各成分の配合量を示す数値は質量部である）となるようにその他の材料を配合し混合して、実施例 4〜6、比較例 3、 4の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物（ブラックインク）を得た。

[0057] <光硬化型インクジェット印刷用インク糸且成物の印刷 >

ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置に上記実施例 1〜6、比較例 1〜4の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をそれぞれ充填し、ポリエチレンテレフタレートフィルム (膜厚 100 μ m)上へ連続して印字し、各画像を得た。

[0058] 上記各光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の吐出性は良好で所定の膜厚の画像が得られた。 [0059] <光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の性能評価 >

実施例 1〜6、比較例 1〜4で得られた光硬化型インクジェットインク組成物にっヽて、ポリエチレンテレフタレートフィルム（膜厚 100 μ m)に所定の膜厚（16 μ m)となるようにバーコ一ターで塗布し、ついでコンベア式光照射装置（ヘレウス社製 STM— 250E— 16、ランプ： Z—8ランプ (メタルハライドタイプ）、照射条件： 120WX 50mZ min)にて硬化させ、下記の方法で硬化性、耐スクラッチ性、硬化しわを評価した。その結果を表 1に示す。

[0060] (硬化性）

塗膜のタックがなくなるまでのパス回数を測定した。

[0061] (耐スクラッチ性）

塗膜を爪で擦り、塗膜の取られ具合を評価。

〇：塗膜取られなし

わずかに傷が残る

X：傷が残る

[0062] (硬化しわ）

前記コンベア式光照射装置において、 60WX 23mZminの照射条件で表面タックがなくなるまでのパス回数で硬化した塗膜の表面に硬化しわがあるかどうか目視にて評価した。

〇：硬化しわがないもの

X：硬化しわがあるもの

[0063] [表 1]

表 1

産業上の利用可能性

[0064] 本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物においては、 400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤の少なくとも 1種と 400nm未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤の少なくとも 1種との併用により、印刷されたィンク組成物の膜厚が厚い場合であっても内部硬化性に優れる。

[0065] さらに本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、良好なカチオン重合性を有する。

Claims

請求の範囲

[1] カチオン重合性ィ匕合物を光重合により硬化させる光硬化型インクジェット印刷用インク組成物において、当該光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に、活性エネルギ一線により開始剤機能が発現するカチオン重合開始剤の少なくとも 1種を 2〜10 質量％含有し、さらにカチオン重合開始剤を含む前記光硬化型インクジヱット印刷用インク組成物 100質量部に対して、 400nm以上の波長の光により増感機能が発現する増感剤の少なくとも 1種を 0. 5〜3質量部、および 400nm未満の波長の光により増感機能が発現する増感助剤の少なくとも 1種を 0. 1〜3質量部含有することを特徴とする光硬化型インクジェット印刷用インク糸且成物。

[2] 前記増感助剤が、ナフタレン誘導体である請求の範囲第 1項記載の光硬化型インクジェット印刷用インク糸且成物。

[3] 前記増感剤が、アントラセン誘導体である請求の範囲第 1項または第 2項記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。

[4] 被記録材料に請求の範囲第 1項〜第 3項の、ずれかに記載の光硬化型インクジエツト印刷用インク組成物を 1〜20 mの膜厚で印刷した後、可視光線で硬化して得られることを特徴とする印刷物。