JP4201326B2 - 粘着シート用離型シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シート用の離型シートと、該離型シート上に粘着剤層又は粘着剤層と基材シートを順次積層して形成されている両面粘着テープ又は片面粘着テープに関する。本発明において、特に「粘着テープ」と記載している場合を除いて、「粘着シート」という用語は、粘着シートと粘着テープを包含するものとして使用されている。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの周辺機器としてのハードディスク装置の組み立ての際の仮止めや部品の名称、番号等の表示、点検等のために蓋や本体に設けられている穴を塞ぐ目的でハードディスク装置には粘着シートが貼付されている。このような粘着シートは、通常、離型シート基材/離型剤層/粘着剤層/粘着シート基材が積層されている構造を有しており、使用時に粘着剤層と離型剤層の間を剥離し、粘着剤/粘着シート基材からなる粘着シートを目的個所に貼付することによって使用されている。
【0003】
上記目的で使用される粘着シートの離型シートにおける離型剤層は、一般には、低分子シリコーン樹脂、シリコーンオイル、シロキサン等からなるシリコーン系の離型によって形成されていることが多い。しかし、シリコーン系離型剤層を形成しているシリコーン化合物は、僅かながら、粘着シートと積層された状態で、経時的に粘着剤シートの粘着剤層中に移行することが知られており、このように粘着剤層中にシリコーン化合物が移行している粘着シートをハードディスク装置等に貼着すると、粘着剤層に移行しているシリコーン化合物がハードディスク内で徐々に気化し、磁気ヘッドやディスク表面に堆積して樹脂層を形成し、ハードディスクの読み込みや書き込みの際の障害となることのあることが知られている。
【0004】
このような障害を避けるために、ハードディスク装置内に使用される粘着シート用の離型シートには非シリコーン系離型剤を使用することが要求されてきている。しかし、上記非シリコーン系の離型剤で、シリコーン系離型剤に匹敵する離型性能を有し、コスト的にもシリコーン系離型剤に匹敵し得る離型剤は少ない。
これまでに、前記のように、ハードディスク装置内に使用される粘着シート用の離型シートとして非シリコーン系離型剤を使用しているものとしては、離型シートの離型剤層として、密度が0.80〜0.90g/cm3であるオレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン樹脂とからなる樹脂組成物層を有する離型シートが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1で提案されている樹脂組成物層を離型剤層として有する離型シートは、ハードディスク装置用の粘着シートの離型シートとして使用しても、シリコーン系離型シートを使用している粘着シートに見られるハードディスクの読み込みや書きこみに悪影響を与えることはない。しかし、該樹脂組成物を離型シート用の基材シート面に離型剤層として設けるためには、樹脂組成物がポリエチレン成分を含有するものであるため、押し出しラミネート法によらなければならず、製造ロットが大きくなり、種々の離型シート基材に対応することができないし、厚みも厚くならざるを得ない。また、離型剤層の離型力のコントロール方法が樹脂組成物におけるポリエチレン含有量を調整する方法によらざるを得ないため、耐熱性付与のために使用しているポリエチレン樹脂の種類によっては所望の離型性が得られない場合があるという難点もある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−246697号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハードディスク装置用の粘着シートの離型シートとして使用しても前記したようなシリコーン系離型シートを使用した粘着シートでは完全に回避することができないハードディスクの読み込みや書き込みの際の障害を完全に回避することができ、かつ、離型剤層に求められる離型力の値を容易に調整することができ、さらに、離型シートの用途の多様化に容易に対応することができる溶液塗布法を採用して調製することができる離型剤層を有している離型シートを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することができる本発明は、基本的には、オレフィン系熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解した溶液として剥離シート基材上に塗布し、乾燥して形成されている離型剤層を有する離型シートに関する発明であり、以下の各発明を包含する。
【0009】
(1)基材シートの少なくとも一面上に、ポリエステル系樹脂あるいはウレタン変性ポリエステル系樹脂とイソシアネート系硬化剤を主成分とする下塗剤、その上にオレフィン系熱可塑性エラストマーと有機過酸化物を必須成分とする中間層を前記下塗剤層と反応させて密着形成したのち、中間層上にオレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とする離型層を密着形成することを特徴とする粘着シート用離型シート。
(2)前記離型層は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とし、有機過酸化物および/又はブチラール樹脂を含有するとともに、その層の密度が0.85−0.90g/cm 3 であることを特徴とする、(1)に記載の離型シート。
(3)前記下塗り層、前記中間層、および前記離型層の3層の合計厚さが、5〜50μmであることを特徴とする、(1)、(2)に記載の離型シート。」
【0010】
削除。
【0011】
削除。
【0012】
削除。
【0013】
削除。
【0014】
削除。
【0015】
削除。
【0016】
削除。
【0017】
削除。
【0018】
削除。
【0019】
削除。
【0020】
削除。
【0021】
削除。
【0022】
削除。
【0023】
削除。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の粘着テープ用離型シートは、離型シート用基材上にオレフィン系熱可塑性エラストマーの有機溶剤溶液を塗布し、乾燥して形成されている離型剤層を有するものである。
離型シート用基材としては、紙、金属箔、合成樹脂シート等を使用することができるが、離型剤層としてオレフィン系熱可塑性エラストマー含有層を必須とする本発明の離型シートの場合は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂シート、及びウレタン変性ポリエステル系樹脂シートが特に好ましい。
基材シートの厚さには特に制限はなく、使用目的に応じて10〜200μmの範囲から任意に選択することができるが、通常は、25〜50μm程度である。
【0025】
離型シートにおける離型剤層は、有機溶媒に可溶なオレフィン系熱可塑性エラストマーを有機溶媒に溶解して溶液を調製し、この溶液を基材上に塗布し、乾燥して形成されているオレフィン系熱可塑性エラストマー含有層である。
離型剤層の形成に使用するオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレンと他のモノオレフィン類との共重合体が好ましく、エチレン−αオレフィン共重合体が特に好ましい。
【0026】
離型剤層形成のためのオレフィン系熱可塑性エラストマーの有機溶剤溶液を調製するために使用される有機溶剤としては、オレフィン系熱可塑性エラストマーを溶解し、かつ乾燥条件下に塗布層から容易に除去できるものであれば特に制限はないが、安定性、安全性等の面から、トルエンやノルマルヘキサンのような炭化水素系、メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤、イソプロピルアルコール等のアルコール系の溶剤が使用できるが、特にトルエン及びノルマルヘキサンが好ましい。
【0027】
離型剤層を形成するためのオレフィン系熱可塑性エラストマーの有機溶剤溶液中には、有機過酸化物類のようなオレフィン系熱可塑性エラストマーに対する架橋剤として作用する物質やブチラール樹脂を添加することができる。架橋剤としては、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物類が挙げられる。。
【0028】
離型剤層を形成するためのオレフィン系熱可塑性エラストマーの有機溶媒溶液中には、有機過酸化物類等の架橋助剤として作用する物質を添加することができる。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールメタクリレート、ビニルトルエン、キノンジオキシム等の物質が使用できる。
【0029】
本発明の離型シートは、離型シート用基材の片面又は両面に前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの有機溶媒溶液を直接か、又は予め下塗層を形成し、その上に塗工し、乾燥することによって製造することができるが、本発明では、離型シート用基材としてポリエステルシートを採用しているので、ポリエステルシートと離型剤層を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー両方の層との密着性を良くするための介在層をポリエテルシートとオレフィン系熱可塑性エラストマー離型剤層との間に設けることが好ましい。
【0030】
本発明の離型シートにおいては、上記のような介在層として、ポリエステルシートからなる基材側に下塗り剤層としてポリエステル系樹脂を含有する下塗り剤層を配置し、オレフィン系熱可塑性エラストマーからなる離型剤層側には、オレフィン系熱可塑性エラストマーと親和性を有するオレフィン系熱可塑性エラストマー含有中間層を配置している。
【0031】
そして、上記の下塗り剤層は、ポリエステル系樹脂と共にイソシアネート系硬化剤を溶解している溶液によって層を形成し、上記中間層は、オレフィン系熱可塑性エラストマーと共に有機過酸化物を溶解させた溶液によって層を形成することによって、各層間の密着性を向上せしめた介在層を形成している。
【0032】
下塗り剤層に使用することができるポリエステル系樹脂は、ポリエステル成分を含む共重合体樹脂である。ポリエステル成分としては、無水マレイン酸、フマル酸などの不飽和二塩基酸や無水フタル酸やイソフタル酸などの飽和二塩基酸と、エチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール類との縮合反応によって得られるものである。
また、ウレタン成分として、一般的なエーテル系及びエステル系骨格をもつウレタンを使用して変性されているウレタン変性ポリエステル樹脂も使用することができる。
好ましいポリエステル系樹脂は、ブロッキング防止及び塗工性の観点から、ガラス転移点が50℃以上のポリエステル樹脂やウレタン変性ポリエステル樹脂であり、より好ましいものは、密着性の観点から、ウレタン変性ポリエステル樹脂である。
【0033】
下塗り剤層に添加されるイソシアネート系硬化剤としては、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)等が用いられるが、反応性ではTDI系が好ましく、透明性ではHDI系が好適に使用される。
【0034】
下塗り剤層を形成するためにポリエステル系樹脂とイソシアネート系硬化剤を溶解して溶液を調製するために使用することができる有機溶剤としては、該両成分に対する良溶媒であり、かつ、溶液塗布後の乾燥工程で容易に塗布層から除去することができるものであれば特に制限はないが、作業環境問題等の理由から、トルエン、ノルマルヘキサンメチルエチルケトン、酢酸エチル等が好ましい。
【0035】
下塗り剤層には、他の樹脂成分として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂、NBRのような合成ゴムなどを適宜添加することができる。
【0036】
中間層に使用されるオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、有機溶剤に易溶解性で造膜性にすぐれているものであれば特に制限はないが、離型剤層との密着性を良くするためには離型剤層と同一種類のオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。そのようなオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレンと他のモノオレフィンとの共重合体が好ましく、特にエチレンとα−オレフィンの共重合体が好ましい。
【0037】
中間層を形成するためにオレフィン系熱可塑性エラストマーと有機過酸化物を溶解して溶液を調製するために使用することができる有機溶剤としては、該両成分に対する良溶媒であり、かつ、溶液塗布後の乾燥工程で容易に塗布層から除去することができるものであれば特に制限はないが、作業環境問題等の理由から、トルエンやノルマルヘキサン等の炭化水素系溶媒が好ましい。、
【0038】
本発明の離型シートにおける離型剤層は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを溶解している溶液を塗布・乾燥して形成されているオレフィン系熱可塑性エラストマー含有層である。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレンと他のモノオレフィンとの共重合体が好ましく、特にエチレンとα−オレフィンの共重合体が好ましい。
【0039】
また、上記離型剤層を形成するために、オレフィン系熱可塑性エラストマーを溶解している溶液の調製に使用される有機溶剤は、前記下塗り剤層や中間層を形成するために使用される有機溶剤と同様のものが使用される。
離型剤層を形成するために調製されるオレフィン系熱可塑性エラストマーの有機溶剤溶液には、離型剤層の剥離力を調整する目的で、各種の樹脂成分を添加することができる。そのような樹脂成分としては、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、本発明の離型シート用としてはブチラール樹脂が特に好ましい。
【0040】
上記の層構成を有する本発明の離型シートは、下塗り剤層、中間層及び離型剤層の各層を、各層を形成する樹脂成分の溶液を塗布し、乾燥して形成する以下のような方法で作製される。
【0041】
まず、ポリエステル系樹脂とイソシアネート系硬化剤を有機溶剤に溶解した溶液を調製し、該溶液を合成樹脂からなる基材シート上に塗布し、乾燥して下塗剤層を形成し、次いで、該下塗剤層上に、オレフィン系熱可塑性エラストマーを有機過酸化物と共に有機溶剤に溶解して調製した溶液を塗布・乾燥して中間層を形成し、次いで、該中間層上に、オレフィン系熱可塑性エラストマー単独、又はオレフィン系熱可塑性エラストマーと有機過酸化物及び/又はブチラール樹脂を有機溶剤に溶解して調製した溶液を塗布、乾燥して、密度が0.85〜0.90g/cm3の離型剤層を形成する。
【0042】
上記の方法により、離型剤層は基材シートの両面に形成することができる。両面に離型剤層を形成する場合は、両面の離型剤層と粘着剤層との間の剥離力に差をつけることが出来る。このような剥離力の差は、離型剤層へのブチラール樹脂等の各種樹脂の添加量を調節することによって行うことができる。また、離型剤層に有機過酸化物を添加し、その量を調節することによっても上記のような剥離力に差をつけることは可能である。
【0043】
上記のように、両面の剥離力に差をつけることによって、離型シートの一方の面に粘着剤層を積層して粘着テープを作製し、これを巻き取って両面粘着テープ巻取を作製した場合、該巻取から粘着テープを巻き出す際に剥離シート面に粘着剤層が確実に保持されている状態で巻き出すことができる粘着テープ巻取とすることができる。
【0044】
離型シートの離型剤層に積層される粘着剤層には、離型剤層を形成しているオレフィン系熱可塑性エラストマー層との離型性がよい粘着剤であれば特に制限されることなく使用でき、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル類等を主モノマー成分とし、コモノマー成分としてアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等を含有するものが挙げられる。
【0045】
粘着剤としては、上記主モノマー成分とコモノマー成分に加えて、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等の官能基含有モノマー成分を挙げることができる。
【0046】
粘着剤層には、架橋型粘着剤層の場合は架橋剤としてエポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物、金属塩化合物、アルデヒド化合物、アミン化合物、ヒドラジン化合物等が配合される。
粘着剤層には、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加物を添加することができる。粘着剤層の厚さに特に制限はなく、1〜80μm、好ましくは10〜40μmである。
【0047】
粘着剤層が粘着シート用基材と積層されて粘着シートを構成している場合には、粘着シート用基材としては、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、上質紙、グラシン紙等の紙類等が使用される。
基材の厚さに特に制限はなく、使用目的に応じて10〜200μmの範囲から任意に選択することができるが、通常は、25〜50μm程度である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例に基いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0049】
実施例1
<離型シート>
ポリエステル樹脂〔バイロン3400 東洋紡績(株)製〕をトルエンとメチルエチルケトンの8対2の混合溶剤で溶解して調製した10%溶液10g当り、イソシアネート系硬化剤〔コロネートHK 日本ポリウレタン工業(株)製〕0.05gを添加して得た溶液を、グラビアコーターにより、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗布し、80℃で乾燥して下塗り剤層を形成した。
【0050】
別に、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕をトルエンで溶解して調製した10%溶液10g当り、有機過酸化物〔ナイパーBW 日本油脂(株)製〕0.01gを添加して得た溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、80℃で2分予備乾燥し、さらに150℃で2分乾燥して中間層を形成した。
【0051】
次いで、上記中間層の上に、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕をトルエンで溶解して調製した10%溶液を乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して離型剤層を形成し、軽剥離用の離型シートを作製した。
【0052】
<粘着シート>
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、アクリル系粘着剤〔SKダイン702L 綜研化学(株)製〕100g当り、硬化剤〔L45綜研化学(株)製〕0.2gを添加し、酢酸エチルで粘度調整した粘着剤を、乾燥後の厚さ25μmとなるように塗布して粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。
【0053】
実施例2
<離型シート>
実施例1と同様にして、基材シート上に順次下塗り剤層と中間層を形成し、該中間層上にエチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕をトルエンで溶解して調製した10%溶液9g当り、ブチラール樹脂〔デンカブチラール3000K 電気化学工業(株)製〕をイソプロピルアルコールに溶解させて調製した10%溶液1gを添加、混合し、得られた溶液を乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して離型剤層を形成し、中剥離用の離型シートを作成した。
【0054】
比較例1
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕をトルエンで溶解して調製した10%溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して離型剤層を形成した。作製された離型シートは、上記実施例1及び2離型シートにおける下塗り剤層と中間層を有していない。
【0055】
比較例2
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕をトルエンに溶解して調製した10%溶液10g当り、有機過酸化物〔ナイパーBW 日本油脂(株)製〕0.01gを添加して得た溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、80℃で2分間予備乾燥し、さらに150℃で2分間乾燥して中間層を形成した。
次いで、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕をトルエンで溶解して調製した10%溶液を、乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥して離型シートを作製した。作製された離型シートは離型剤層を形成した。作製された離型シートは、実施例1及び2の離型シートにおける下塗り剤層を有していない。
【0056】
比較例3
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、ポリエチレン樹脂〔NUC8008 日本ユニカー(株)、密度0.918g/cm3〕を押し出しラミネートにて厚さ20μmの接着増強層を形成させた後、エチレン−αオレフィン共重合体樹脂〔タフマーP0280 三井化学(株)製〕67.5gとポリエチレン樹脂〔NUC8008 日本ユニカー(株)、密度0.918g/cm3〕32.5gの割合で混合した樹脂組成物を、押し出しラミネートにて厚さ20μmの離型層(密度0.886g/m3)を形成し、離型シートを作製した。
【0057】
<評価方法>
実施例1、2及び比較例1〜3の離型シートについて、以下の各試験を行い、結果を表1に示した。
【0058】
離型力:離型シートの離型剤層と粘着シートの粘着剤層とを重ね合わせた試験片を23℃及び40℃の条件下で3日間放置したのち、幅20mm、長さ200mmに切断し、離型シート側をステンレス製支持板に固定した後、JIS Z0237の試験方法にしたがって、毎分300mmの速度で剥離させたときの剥離力を測定した。
【0059】
表面平滑性:離型シート基材に塗布した中間層及び離型層の表面状態を目視にて評価した。
【0060】
離型層密着性:
A 法:離型層面を指で10回擦った後の表面状態を目視にて評価した。
B−1法:離型層面側より、カッター刃で切込みを入れた場合の密着性を目視にて評価した。
B−2法:離型層とは反対面の離型シート基材側よりカッター刃で切込みを入れた場合の密着性を目視にて評価した。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明の離型シートは、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを有機溶剤溶液として塗布、乾燥して形成されている離型剤層を有することから、離型力の経時変化が小さく、常に優れた離型性を示すものであり、また、離型シート用のシート基材の種類が多くなっても、製造ロッドが小さいために細やかな対応が可能であるという利点を有する。さらに、離型シート用の基材に下塗剤層及び中間層を設けることにより離型剤層と基材間の密着力に優れているという特性を備えた離型シートである。
Claims (3)
- 基材シートの少なくとも一面上に、ポリエステル系樹脂あるいはウレタン変性ポリエステル系樹脂とイソシアネート系硬化剤を主成分とする下塗剤、その上にオレフィン系熱可塑性エラストマーと有機過酸化物を必須成分とする中間層を前記下塗剤層と反応させて密着形成したのち、中間層上にオレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とする離型層を密着形成することを特徴とする粘着シート用離型シート。
- 前記離型層は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とし、有機過酸化物および/又はブチラール樹脂を含有するとともに、その層の密度が0.85−0.90g/cm 3 であることを特徴とする、請求項1に記載の離型シート。
- 前記下塗り層、前記中間層、および前記離型層の3層の合計厚さが、5〜50μmであることを特徴とする、請求項1,2に記載の離型シート。」
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