JP2002155175A - エアバッグ収納用カバー - Google Patents

エアバッグ収納用カバー

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JP2002155175A
JP2002155175A JP2000353767A JP2000353767A JP2002155175A JP 2002155175 A JP2002155175 A JP 2002155175A JP 2000353767 A JP2000353767 A JP 2000353767A JP 2000353767 A JP2000353767 A JP 2000353767A JP 2002155175 A JP2002155175 A JP 2002155175A
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Japan
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component
weight
thermoplastic elastomer
olefin
propylene
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Application number
JP2000353767A
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English (en)
Inventor
Tatsumi Tsuji
龍美 辻
Motoko Ito
もと子 伊藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物か
らなり、適度の剛性(柔軟性)、及び低温耐衝撃性等の
機械的特性を有すると共に、低表面光沢であり、離型性
に優れ、且つ寸法安定性にも優れた非破壊式のエアバッ
グ収納用カバーを提供する。 【解決手段】 下記の(A)成分、(B)成分、及び
(C)成分[但し、各成分の重量%はこの三成分の合計
100重量%に対するものである。]を含有し、曲げ弾
性率が500〜1,000MPaのオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物からなる非破壊式エアバッグ収納
用カバー。(A)オレフィン系熱可塑性エラストマー;
30〜70重量%(B)プロピレン系重合体;25〜4
5重量%(C)エチレン−α−オレフィン共重合体;5
〜25重量%

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車が衝突事故
等の際に、その衝撃や変形を感知することにより作動
し、膨張、展開することによって乗員を保護するエアバ
ッグ装置のエアバッグ収納用カバーに関し、更に詳しく
は、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からな
り、所謂ドアタイプと呼ばれる非破壊式のエアバッグ収
納用カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車のインストルメントパ
ネル等の内装部品に設置されているエアバッグ装置のエ
アバッグ収納用カバーは、エアバッグの膨張時に容易に
開裂するための薄肉脆弱部とした予定開裂線を裏面等に
設けた、所謂ティアタイプと呼ばれる破壊式のものが主
流とされ、又、そのエアバッグ収納用カバーの材料とし
ては、エアバッグの膨張、展開時の予定開裂線部以外で
の破壊や飛散等を防止するために、例えば、プロピレン
系樹脂を主体とした樹脂組成物からなる周辺の内装部品
に対して、脆性破壊を起こさず、設置される内装部品よ
り低剛性で柔軟性のある材料、例えば、プロピレン系樹
脂とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとの混合物
であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを主体とし、
それにスチレン系熱可塑性エラストマー、無機充填材、
炭化水素系ゴム用軟化剤等を配合したエラストマー組成
物が用いられ、通常、射出成形により製造されている。
【0003】又、そのエアバッグ収納用カバーの材料と
して、プロピレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共
重合体ゴムとの混合物であるオレフィン系熱可塑性エラ
ストーが低表面光沢が得られ難く、又、離型性等にも劣
ることから、それら諸物性の改良が求められ、又、例え
ば、特開平11−80493号公報には、プロピレン系
樹脂成分とエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム成分
とを連続重合して製造したオレフィン系熱可塑性エラス
トーを主体としたエラストマー組成物からなるエアバッ
グ収納用カバーも提案されている。
【0004】一方、近年、エアバッグの膨張、展開時に
おける収納用カバーの破壊や飛散等の惧れをなくして安
全性を向上させると共に、周辺の内装部品とエアバッグ
収納用カバーとの剛性感や外観等の差が少ないものが求
められるに到り、前記破壊式のティアタイプに代えて、
正常時には周辺の内装部品の開口部に係止する係止部で
閉鎖され、異常時にヒンジ部で開放される、所謂ドアタ
イプと呼ばれる非破壊式のエアバッグ収納用カバーが提
案され、例えば、特開平11−236483号公報に
は、プロピレン系樹脂とエチレン−α−オレフィン共重
合体ゴムとの混合物であるオレフィン系熱可塑性エラス
トマーを主体としたエラストマー組成物からなる非破壊
式のエアバッグ収納用カバーが開示されている。
【0005】しかしながら、この非破壊式エアバッグ収
納用カバーは、従来の破壊式のもの以上に温度変化に対
する寸法安定性が求められ、従来のプロピレン系樹脂と
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとの混合物から
なるオレフィン系熱可塑性エラストマー、及び、それら
を連続重合で製造したオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを主体としたそれらの組成物のいずれも、適度の柔軟
性(剛性)、及び低温耐衝撃性等の機械的特性、並び
に、離型性、表面光沢、寸法安定性等においていずれを
も満足できるものではなく、従来の破壊式から非破壊式
への変換を意図する程には、設置される内装材とエアバ
ッグ収納用カバーとの剛性感や外観等の差をなくするに
は到り得ていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物からなり、適度の
剛性(柔軟性)、及び低温耐衝撃性等の機械的特性を有
すると共に、低表面光沢であり、離型性に優れ、且つ寸
法安定性にも優れた非破壊式のエアバッグ収納用カバー
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、プロピレン系樹脂成分と
エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム成分とを連続重
合して製造したオレフィン系熱可塑性エラストマーにお
いては、プロピレン系樹脂成分中でエチレン−α−オレ
フィン共重合体ゴム成分が、均一、微細分散しているの
に対して、プロピレン系樹脂とエチレン−α−オレフィ
ン共重合体ゴムとの混合物からなるオレフィン系熱可塑
性エラストマーにおいては、不均一、粗大分散している
ことに着目し、両者オレフィン系熱可塑性エラストマー
を併用することにより、前記目的を達成できることを見
出し本発明を完成したもので、即ち、本発明は、下記の
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分[但し、各成
分の重量%はこの三成分の合計100重量%に対するも
のである。]を含有し、曲げ弾性率が500〜1,00
0MPaのオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物か
らなる非破壊式エアバッグ収納用カバー、を要旨とす
る。
【0008】(A)以下の(A1 )成分と(A2 )成分
とからなり、(A1 )成分の重合後に(A2 )成分が重
合されることにより製造され、o−ジクロロベンゼンを
溶媒とした温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別に
おける0℃での溶出分が全溶出量に対して30〜60重
量%のオレフィン系熱可塑性エラストマー;30〜70
重量% (A1 )アイソタクチックインデックスが90%以上の
プロピレンの単独重合体成分;(A)成分全体に対して
30〜60重量% (A2 )プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プ
ロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共
重合体成分;(A)成分全体に対して40〜70重量% (B)プロピレン系重合体;25〜45重量% (C)エチレン−α−オレフィン共重合体;5〜25重
量%
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を構成する(A)成分のオレ
フィン系熱可塑性エラストマーは、アイソタクチックイ
ンデックスが90%以上のプロピレンの単独重合体成分
(A1 )と、プロピレンとエチレンとを必須成分とす
る、プロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィン
との共重合体成分(A2 )とからなり、(A1 )成分の
重合後に(A2 )成分が重合されることにより製造され
たものである。
【0010】ここで、(A1 )成分は、アイソタクチッ
クインデックスが90%以上のプロピレンの単独重合体
からなり、中で、アイソタクチックインデックスが95
%以上であるのが好ましい。(A1 )成分のアイソタク
チックインデックスが前記範囲未満では、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物として柔軟性と引張特性等
の機械的特性のバランスが劣ると共に、耐熱性も劣るこ
ととなる。
【0011】又、(A2 )成分は、プロピレンとエチレ
ンとを必須成分とする、プロピレンと、炭素数2〜8の
他のα−オレフィンとの共重合体からなり、中で、プロ
ピレンとエチレンとの共重合体が好ましい。尚、ここ
で、炭素数4〜8のα−オレフィンとしては、例えば、
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン等が挙げられ、又、この(A−2)成分には、更に、
1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、6−メチル
−1,5−ヘプタジエン、1,4−オクタジエン、7−
メチル−1,6−オクタジエン、シクロヘキサジエン、
シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−メチ
レン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、5−イソ
プロペニル−2−ノルボルネン等の非共役ジエンが共重
合されていてもよい。
【0012】本発明において、(A)成分のオレフィン
系熱可塑性エラストマーは、前記(A1 )成分が30〜
60重量%、前記(A2 )成分が40〜70重量%から
なる。前記(A1 )成分が前記範囲未満で前記(A2
成分が前記範囲超過では、オレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物として柔軟性と引張特性等の機械的特性の
バランスが劣ると共に、耐熱性も劣ることとなり、一
方、前記(A1 )成分が前記範囲超過で前記(A2 )成
分が前記範囲未満では、柔軟性を有する組成物が得られ
難くなると共に、柔軟性と低温耐衝撃性等の機械的特性
のバランスが劣ることとなる。
【0013】そして、本発明においては、この(A)成
分のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、温度0〜1
40℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分
が全溶出量に対して30〜60重量%であることが必須
である。0℃での溶出分が前記範囲未満では、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物として柔軟性と低温耐
衝撃性等の機械的特性のバランスが劣ることとなり、一
方、前記範囲超過では、成形加工性、剛性が劣ることと
なる。
【0014】又、前記(A)成分のオレフィン系熱可塑
性エラストマーは、同上温度上昇溶離分別における80
〜100℃での溶出分が全溶出量に対して1〜6重量%
であるのが好ましい。80〜100℃での溶出分が前記
範囲未満では、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物として剛性、耐熱性が劣る傾向となり、一方、前記範
囲超過では、柔軟性と低温耐衝撃性等の機械的特性のバ
ランスが劣る傾向となる。
【0015】尚、ここで、温度上昇溶離分別(Temperat
ure Rising Elution Fractionation; TREF)とは、
公知の分析法であって、原理的には、高温でポリマーを
溶媒に完全に溶解させた後に冷却して、溶液中に存在さ
せておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層を形成さ
せる。このとき、結晶化し易い高結晶性成分から結晶化
しにくい低結晶性若しくは非晶性成分の順にポリマー層
が形成される。次いで、連続又は段階的に昇温すると、
前記と逆に、低結晶性若しくは非晶性成分から溶出し、
最後に高結晶性成分が溶出する。この各温度での溶出量
と溶出温度によって描かれる溶出曲線からポリマーの組
成分布を分析するものである。
【0016】又、前記(A)成分のオレフィン系熱可塑
性エラストマーは、組成物としての低表面光沢の面か
ら、エチレン含有量が30〜55重量%で、室温キシレ
ン可溶分の重量平均分子量が200,000〜800,
000であるのが好ましい。
【0017】尚、前記(A)成分のオレフィン系熱可塑
性エラストマーは、JIS K7112に準拠して測定
した密度が0.87〜0.88g/cm3 、JIS K
7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで
測定したメルトフローレートが0.05〜30g/10
分、JIS K7203に準拠して測定した曲げ弾性率
が600MPa以下であるのが、それぞれ好ましい。
【0018】尚、又、本発明における前記(A)成分の
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、前記(A1 )成
分の重合後に前記(A2 )成分が重合されることにより
製造されたものであるが、この逐次重合法によるオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの製造は従来より公知であ
り、例えば、特開2000−230089号公報等に詳
細に記載されているように、有機アルミニウム化合物
と、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子、及
び電子供与性化合物を必須とする固体成分とからなる触
媒を用いて、第一段階で、プロピレンを供給して、前記
触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜
100℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好
ましくは1.0〜3.5MPaの条件で、プロピレン単
独重合体の重合を実施して(A1 )成分を製造し、引き
続いて、第二段階で、プロピレンとエチレン、又は、プ
ロピレンとエチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンを
供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好
ましくは50〜100℃、プロピレン及びエチレンの分
圧各0.3〜4.5MPa、好ましくは0.5〜3.5
MPaの条件で、プロピレン−エチレン共重合体、又
は、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体の
重合を実施して(A2 )成分を製造することによりなさ
れる。
【0019】本発明において、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を構成する(B)成分のプロピレン系
重合体としては、プロピレン単独重合体、或いは、プロ
ピレンと、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、
1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10程度の他
のα−オレフィンとの共重合体、具体的には、例えば、
プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテ
ン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合
体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体等
が挙げられる。これらの中で、プロピレン−エチレン共
重合体が好ましく、エチレン含有量が1〜10重量%の
プロピレン−エチレンブロック共重合体が特に好まし
い。
【0020】尚、前記(B)成分のプロピレン系重合体
は、アイソタクチックインデックスが90%以上である
のが好ましく、95%以上であるのが更に好ましい。
(B)成分のアイソタクチックインデックスが前記範囲
未満では、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物と
して柔軟性と引張特性等の機械的特性のバランスが劣る
と共に、耐熱性も劣る傾向となる。
【0021】又、前記(B)成分のプロピレン系重合体
は、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重
21.18Nで測定したメルトフローレートが10〜1
20g/10分であるのが好ましく、15〜100g/
10分であるのが更に好ましい。(B)成分のメルトフ
ローレートが前記範囲未満では、オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物として成形加工性が劣る傾向とな
り、一方、前記範囲超過では、充分な機械的特性を得る
ことが困難な傾向となる。
【0022】又、本発明における前記(B)成分のプロ
ピレン系重合体は、チーグラー系触媒によって重合され
たものでもメタロセン系触媒によって重合されたもので
も、いずれでもよい。
【0023】本発明において、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を構成する(C)成分のエチレン−α
−オレフィン共重合体としては、エチレンと、プロピレ
ン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−デセン等の炭素数3〜10程度のα−オレフィンとの
共重合体、或いは、更に、1,4−ヘキサジエン、4−
メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−
ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、
1,4−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシ
クロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−
2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボル
ネン等の非共役ジエンを共重合させた共重合体、具体的
には、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重
合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン−
プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン
−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重
合体等が挙げられる。これらの中で、他のα−オレフィ
ンの含有量が10〜60重量%であるのが好ましく、
又、非共役ジエンを共重合させた共重合体における非共
役ジエンの含有量は、0.5〜20重量%であるのが好
ましい。
【0024】尚、前記(C)成分のエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、密度が0.85〜0.90g/cm
3 であるのが好ましく、0.86〜0.88g/cm3
であるのが更に好ましい。(C)成分の密度が前記範囲
超過では、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物と
しての柔軟性が劣る傾向となる。
【0025】又、前記(C)成分のエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、JIS K7210に準拠して温度
230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレ
ートが0.01〜20g/10分であるのが好ましく、
0.1〜15g/10分であるのが更に好ましい。
(C)成分のメルトフローレートが前記範囲未満では、
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物として成形加
工性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、充分
な機械的特性を得ることが困難な傾向となる。
【0026】又、本発明における前記(C)成分のエチ
レン−α−オレフィン共重合体は、バナジウム化合物等
のチーグラー系触媒によって共重合されたものでもメタ
ロセン系触媒によって共重合されたものでも、いずれで
もよい。
【0027】本発明において、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を構成する前記(A)成分のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー、前記(B)成分のプロピレ
ン系重合体、及び前記(C)成分のエチレン−α−オレ
フィン共重合体の組成割合は、(A)成分が30〜70
重量%、(B)成分が25〜45重量%、及び(C)が
成分5〜25重量%であることを必須とし、(A)成分
が40〜60重量%、(B)成分が30〜40重量%、
及び(C)が成分10〜20重量%であるのが好ましい
[但し、各成分の重量%はこの三成分の合計100重量
%に対するものである。]。
【0028】本発明において、(A)成分が前記範囲未
満では、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物とし
て低表面光沢が得られず、離型性にも劣り、一方、前記
範囲超過では、寸法安定性が低下することとなる。又、
(B)成分が前記範囲未満では、寸法安定性が劣ると共
に、剛性及び耐熱性が不足し、一方、前記範囲超過で
は、低表面光沢が得られず、離型性にも劣ると共に、柔
軟性が劣ることとなる。又、(C)成分が前記範囲未満
では、寸法安定性が劣ると共に、柔軟性が不足し、一
方、前記範囲超過では、低表面光沢が得られず、離型性
にも劣ると共に、剛性及び耐熱性が劣ることとなる。
【0029】尚、本発明において、オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物は、寸法安定性の向上、及び剛性
の調節等を目的として、前記(A)成分、(B)成分、
及び(C)成分の外に、更に、炭酸カルシウム、シリ
カ、タルク、マイカ、クレー、ガラス繊維等の無機充填
材(D)成分を含有してしていてもよく、その含有量と
しては、前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分
の合計量100重量部に対して5〜15重量部とするの
が好ましい。又、本発明における前記(D)成分の無機
充填材としては、タルクが好ましく、平均粒子径が10
μm以下のタルクが特に好ましい。
【0030】又、本発明において、オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物は、低温耐衝撃性、引張特性等の
機械的特性、及びカバー表面の耐傷付性の向上等を目的
として、前記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分
の外に、更に、スチレン系熱可塑性エラストマー(E)
成分を含有していてもよく、その含有量としては、前記
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量10
0重量部に対して5〜15重量部とするのが好ましい。
【0031】この(E)成分のスチレン系熱可塑性エラ
ストマーは、芳香族ビニルの重合体ブロックと、共役ジ
エンの重合体ブロック或いは共役ジエンと芳香族ビニル
のランダム共重合体ブロックとからなる直鎖状、分岐
状、放射状、又はこれらの組み合わせの分子構造のブロ
ック共重合体であり、その芳香族ビニルの重合体ブロッ
クがハードセグメントを、共役ジエンの重合体ブロック
或いは共役ジエンと芳香族ビニルのランダム共重合体ブ
ロックがソフトセグメントをそれぞれ構成する芳香族ビ
ニル−共役ジエンブロック共重合体、或いは、後者ソフ
トセグメントのブロックの共役ジエンの二重結合が水素
添加された水素添加、芳香族ビニル−共役ジエンブロッ
ク共重合体であって、スチレン系熱可塑性エラストマー
として従来公知のものである。
【0032】尚、前記(E)成分のスチレン系熱可塑性
エラストマーにおけるブロック共重合体の芳香族ビニル
としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ジメチルスチレン等が挙げられ、中で、本発
明においては、スチレンが好ましく、又、共役ジエンと
しては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げら
れ、中で、本発明においては、ブタジエン、イソプレ
ン、又は、ブタジエンとイソプレンの混合物であるのが
好ましい。
【0033】又、前記(E)成分のスチレン系熱可塑性
エラストマーにおけるブロック共重合体は、芳香族ビニ
ルの含有量が5〜50重量%であるのが好ましく、10
〜40重量%であるのが更に好ましい。又、共役ジエン
の重合体ブロック或いは共役ジエンと芳香族ビニルのラ
ンダム共重合体ブロックの二重結合の80%以上が水素
添加された水素添加物が好ましく、95%以上が水素添
加された水素添加物が更に好ましい。
【0034】又、前記(E)成分のスチレン系熱可塑性
エラストマーは、JIS K7210に準拠して温度2
30℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレー
トが0.05〜20g/10分であるのが好ましく、
0.1〜15g/10分であるのが更に好ましい。
【0035】又、本発明において、オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物は、成形加工性や柔軟性の付与等
を目的として、前記(A)、(B)成分、及び(C)成
分の外に、更に、炭化水素系ゴム用軟化剤(F)成分を
含有していてもよく、その含有量としては、前記(A)
成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量100重量
部に対して5〜15重量部とするのが好ましい。
【0036】この(F)成分の炭化水素系ゴム用軟化剤
は、一般に、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖
の三者の混合物であって、パラフィン鎖炭素が全炭素数
の50%以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフ
テン環炭素が全炭素数の30〜45%のものがナフテン
系オイル、芳香族環炭素が全炭素数の30%以上のもの
が芳香族系オイルと、それぞれ分類されている鉱物油系
で高沸点の石油留分であり、中で、本発明においては、
パラフィン系のものが好ましい。
【0037】又、前記(F)成分の炭化水素系ゴム用軟
化剤は、重量平均分子量が300〜2,000、更には
500〜1,500であるものが好ましく、40℃の動
粘度が20〜800cSt、更には50〜600cSt
であるもの、流動点が−40〜0℃、更には−30〜0
℃であるもの、引火点が200〜400℃、更には25
0〜350℃であるもの、がそれぞれ好ましい。
【0038】本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物は、前記(A)成分のオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー、前記(B)成分のプロピレン系重合体、及
び前記(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体
を必須成分として含有し、必要に応じて、更に、前記
(D)成分の無機充填材、前記(E)成分のスチレン系
熱可塑性エラストマー、前記(F)成分の炭化水素系ゴ
ム用軟化剤を含有する組成物からなるが、場合により、
該組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理したも
のであってもよい。
【0039】尚、ここで、動的に熱処理するとは、混練
装置を用いて前記組成物を溶融状態で混練することであ
り、この動的熱処理により、前記(A)成分のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー中の(A−1)成分のプロピ
レン単独重合体成分、及び、前記(B)成分のプロピレ
ン系重合体において有機過酸化物による超高分子量成分
の分解反応が進行し、これにより、熱可塑性エラストマ
ー組成物の流動性を向上させると共に、前記(A)成分
のオレフィン系熱可塑性エラストマー中の(A−2)成
分のエチレン−α−オレフィン共重合体成分、及び、前
記(C)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体にお
いて有機過酸化物による架橋反応が進行し、これによ
り、熱可塑性エラストマー組成物のゴム弾性を向上させ
ることとなる。
【0040】その際用いられる有機過酸化物としては、
従来の部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマーの製
造に通常用いられる有機過酸化物、具体的には、例え
ば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3、1,3−又は1,4−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロビル)ベンゼン、1,1−ジ
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3
等のパーオキシエステル類、ラウロイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイル
パーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド等のジアシルパーオキサイド類、クメンヒドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキ
サイド等のヒドロパーオキサイド類等が挙げられ、中
で、ジアルキルパーオキサイド類及びパーオキシエステ
ル類が好ましく、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3、1,3−又は1,4−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロビル)ベンゼン、1,1−ジ
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3が特に好ま
しい。
【0041】尚、これらの有機過酸化物の使用量は、前
記(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量1
00重量部に対して0.005〜0.3重量部とするの
が好ましい。
【0042】又、本発明において、オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物は、本発明の効果を著しく損なわ
ない範囲で、更に、他の樹脂やゴムを含有していてもよ
く、又、通常、熱可塑性エラストマーに加えられる酸化
防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、ブロッキング防止剤、滑剤、防曇剤、分散剤、中和
剤、核剤、導電性付与剤、抗菌剤、難燃剤、着色剤等の
各種添加剤等を必要に応じて含有していてもよい。
【0043】本発明において、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物は、前記(A)成分のオレフィン系熱
可塑性エラストマー、前記(B)成分のプロピレン系重
合体、及び前記(C)成分のエチレン−α−オレフィン
共重合体を、必要に応じて、前記(D)成分の無機充填
材、前記(E)成分のスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、前記(F)成分の炭化水素系ゴム用軟化剤、その他
の添加剤等と共に、通常は、粉状又は粒状の各成分をヘ
ンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー等により
均一に混合した後、一軸又は多軸押出機、ニーダー、バ
ンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ミキ
シングロール等により、180〜280℃程度の温度で
溶融混練することにより調製される。尚、その際、前記
有機過酸化物を共存させて動的に熱処理を施し、部分架
橋物となしてもよい。
【0044】本発明におけるオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は、非破壊式エアバッグ収納用カバーと
しての機械的特性等の面から、JIS K7203に準
拠して測定した曲げ弾性率が500〜1,000MPa
であることが必須であり、又、成形加工性、及び、耐ヒ
ンジ特性や低温耐衝撃性等の機械的特性等の面から、J
IS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.
18Nで測定したメルトフローレートが1〜60g/1
0分、JIS K7113に準拠して測定した引張破壊
強さが15MPa以上、JIS K7110に準拠して
温度−30℃で測定したノッチ付アイゾッド衝撃強度が
30kJ/m2 以上の諸物性を有するのが好ましい。
【0045】本発明の非破壊式エアバッグ収納用カバー
は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を射
出成形することにより得られ、その射出成形条件として
は、通常100〜300℃程度、好ましくは150〜2
80℃程度の成形温度、通常5〜100MPa程度、好
ましくは10〜80MPa程度の射出圧力、通常20〜
80℃程度、好ましくは20〜60℃程度の金型温度が
採られる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比
較例で用いた(A)オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、(B)プロピレン系重合体、(C)エチレン−α−
オレフィン共重合体、(D)無機充填材、(E)スチレ
ン系熱可塑性エラストマー、(F)炭化水素系ゴム用軟
化剤、及び有機過酸化物を以下に示す。
【0047】(A)オレフィン系熱可塑性エラストマー A−1;アイソタクチックインデックスが98%のプロ
ピレンの単独重合体成分(A1 )の重合後に、プロピレ
ン−エチレン共重合体成分(A2 )を共重合することに
より製造され、(A1 )成分51重量%、(A2 )成分
49重量%からなり、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし
た温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0
℃での溶出分が全溶出量に対して40重量%、80〜1
00℃での溶出分が全溶出量に対して3重量%であり、
エチレン含有量が40重量%、室温キシレン可溶分の重
量平均分子量が480,000、密度が0.88g/c
3 、メルトフローレートが1g/10分、曲げ弾性率
が400MPaのオレフィン系熱可塑性エラストマー。 A−2;アイソタクチックインデックスが98%のプロ
ピレンの単独重合体成分(A1 )の重合後に、プロピレ
ン−エチレン共重合体成分(A2 )を共重合することに
より製造され、(A1 )成分44重量%、(A2 )成分
56重量%からなり、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし
た温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0
℃での溶出分が全溶出量に対して37重量%、80〜1
00℃での溶出分が全溶出量に対して7重量%であり、
エチレン含有量が36重量%、室温キシレン可溶分の重
量平均分子量が360,000、密度が0.88g/c
3 、メルトフローレートが2.5g/10分、曲げ弾
性率が400MPaのオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー。
【0048】尚、ここで、(A1 )成分のアイソタクチ
ックインデックス、温度上昇溶離分別における溶出分、
室温キシレン可溶分の重量平均分子量、密度、メルトフ
ローレート、及び曲げ弾性率は、それぞれ以下の方法に
より測定したものである。(A1 )成分のアイソタクチックインデックス n−ヘプタンによるソックスレー抽出残として測定し
た。
【0049】温度上昇溶離分別における溶出分 測定装置として、試料を溶解温度の差を利用して分別す
る温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区
分を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラ
フ(Size Exclusion Chromatography;SEC)をオンラ
インで接続したクロス分別装置(三菱化学社製「CFC
T150A」)を使用した。溶媒としてo−ジクロロ
ベンゼンを用い、濃度が4mg/mlとなるようにポリ
マーを140℃で溶解し、これを測定装置のサンプルル
ープ内に注入する。サンプルループ内の試料溶液を、不
活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、
長さ150mmのTREF装置付属のステンレス製カラ
ムに注入した後、1℃/分の速度で140℃から0℃ま
で冷却し、不活性担体表面にコーティングする。該カラ
ムを0℃で30分間保持した後、0℃の温度で溶解して
いる成分2mlを1ml/分の流速でTREFカラムか
らSECカラム(昭和電工社製「AD80M/S」、3
本)に注入する。SECで分子サイズの分別が行われて
いる間に、TREFカラムを次の溶出温度(5℃)に昇
温し、その温度で30分間保持した後、SECカラムに
注入するという操作を繰り返す。SECでの各溶出区分
の測定は39分間隔で行った。溶出温度は、0、5、1
0、15、20、25、30、35、40、45、4
9、52、55、58、61、64、67、70、7
3、76、79、82、85、88、91、94、9
7、100、102、120、140℃の各温度とし、
段階的に昇温した。SECカラムで分子サイズに分別さ
れた溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマー濃度
に比例する吸光度を測定(波長3.42μのメチレンの
伸縮振動で検出)し、各溶出温度区分のクロマトグラム
を得る。内蔵のデータ処理ソフトを用い、得られた各溶
出温度区分のクロマトグラムのベースラインを引き、演
算処理する。各クロマトグラムの面積を積分し、積分溶
出曲線を計算する。又、この積分溶出曲線を温度で微分
して微分溶出曲線を計算する。計算結果の作図をプリン
ターに出力し、出力した微分溶出曲線の作図は、横軸に
溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量
(全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分
量とした。)0.1当たり76.5mmで行った。
【0050】室温キシレン可溶分の重量平均分子量 室温キシレン可溶分につき、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーにて測定した。密度 JIS K7112に準拠し、水中置換法にて測定し
た。メルトフローレート JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2
1.18Nで測定した。曲げ弾性率 JIS K7203に準拠し、厚さ4mm、幅10m
m、長さ90mmの試験片を用い、スパン間64mm、
曲げ速度2mm/分にて測定した。
【0051】(B)プロピレン系重合体 B−1;チーグラー系触媒によって重合され、アイソタ
クチックインデックスが98.5%、エチレン含有量が
5重量%、メルトフローレートが60g/10分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリケム社
製)。 B−2;チーグラー系触媒によって重合され、アイソタ
クチックインデックスが98.5%、エチレン含有量が
8重量%、メルトフローレートが10g/10分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリケム社
製)。 B−3;チーグラー系触媒によって重合され、アイソタ
クチックインデックスが98.5%、エチレン含有量が
10重量%、メルトフローレートが50g/10分のプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体(日本ポリケム社
製)。 尚、ここで、アイソタクチックインデックス、及びメル
トフローレートは、それぞれ前記と同様の方法により測
定したものである。
【0052】(C)エチレン−α−オレフィン共重合体 C−1;メタロセン系触媒によって重合され、1−ブテ
ン含有量が33重量%、密度が0.86g/cm3 、メ
ルトフローレートが2g/10分のエチレン−1−ブテ
ン共重合体(三井化学社製)。 C−2;メタロセン系触媒によって重合され、1−オク
テン含有量が25重量%、密度が0.87g/cm3
メルトフローレートが1g/10分のエチレン−1−オ
クテン共重合体(デュポン・ダウエラストマー社製)。 尚、ここで、密度、及びメルトフローレートは、それぞ
れ前記と同様の方法により測定したものである。
【0053】(D)無機充填材 D−1;平均粒子径が4.6μmのタルク(富士タルク
社製)。(E)スチレン系熱可塑性エラストマー E−1;スチレン含有量29重量%、水素添加率99
%、メルトフローレート1g/10分以下の、スチレン
単独重合体部−ブタジエン単独重合体部ブロック共重合
体の水素添加物(クレイトンジャパン社製)。尚、ここ
で、メルトフローレートは、前記と同様の方法により測
定したものである。(F)炭化水素系ゴム用軟化剤 F−1;重量平均分子量746、40℃の動粘度382
cSt、流動点−15℃、引火点300℃のパラフィン
系オイル(出光興産社製)。有機過酸化物 ;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン。
【0054】実施例1〜18、比較例1〜3 表1に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分、
(D)成分、(E)成分、及び(F)成分、又は、更に
有機過酸化物を加えて、それらの合計量100重量部に
対して、酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン0.1重量部を添加し
て、シリンダー径45mm、L/D33の二軸押出機
(池貝社製「PCM45」)を用いて200℃にて溶融
混練し、ペレット化することにより、オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を調製し、得られた各オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物について、前記と同様
の方法でメルトフローレートを測定し、結果を表1に示
した。
【0055】更に、得られた各オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物について、インラインスクリュータイ
プ射出成形機(東芝機械社製「IS130G」)を用い
て、射出温度220℃、射出圧力50MPa、金型温度
40℃にて、試験片サンプルを射出成形し、前記と同様
の方法で曲げ弾性率を、又、以下に示す方法で引張破断
強さ、衝撃強度、及び線膨張係数を測定し、結果を表1
に示した。
【0056】引張破断強さ JIS K 7113に準拠して、2号形試験片を用
い、引張速度50mm/分にて測定した。衝撃強度 JIS K7110に準拠し、厚さ10mm、幅4m
m、長さ80mmのノッチ付試験片を用い、温度−30
℃でのノッチ付アイゾッド衝撃強度を測定した。線膨張係数 真空理工社製熱膨張計「DL−7000Y−L」にて、
厚さ4mm、幅10mm、長さ45mmの試験片を用
い、昇温速度2℃/分で25〜80℃の温度間において
測定した。
【0057】更に、得られた各オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物について、インラインスクリュータイ
プ射出成形機(東芝機械社製「IS220」)を用い
て、射出温度220℃、射出圧力50MPa、金型温度
40℃にて、ヒンジ部を有するドアタイプのエアバッグ
収納カバーを射出成形し、以下に示す方法で、その際の
離型性を評価し、又、得られたエアバッグ収納カバーの
表面光沢を測定し、結果を表1に示した。
【0058】離型性 縦300mm、横180mm、厚さ3.5mmの平板状
試験片の成形時におけるエジェクタピンの抵抗力を動歪
計にて検出し、又、エジェクタピン跡の変形の有無を目
視観察し、以下の基準で評価した。 ○;抵抗力が200kg未満、又は、200kg以上で
あるがエジェクタピン跡に変形が認められない場合。 ×;抵抗力が200kg以上、且つ、エジェクタピン跡
に変形が認めらる場合。表面光沢 JIS K7105に準拠し、入射角60度で測定し
た。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物からなり、適度の剛性(柔軟性)、及び低温耐衝撃性
等の機械的特性を有すると共に、低表面光沢であり、離
型性に優れ、且つ寸法安定性にも優れた非破壊式のエア
バッグ収納用カバーを提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:08) C08L 23:08) (C08L 23/10 (C08L 23/10 91:00) 91:00) Fターム(参考) 3D054 AA14 BB09 FF03 FF17 4J002 AE055 BB053 BB14W BP014 BP02W BP02X DE236 DJ016 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA046 FD016

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分、(B)成分、及び
    (C)成分[但し、各成分の重量%はこの三成分の合計
    100重量%に対するものである。]を含有し、曲げ弾
    性率が500〜1,000MPaのオレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物からなることを特徴とする非破壊
    式エアバッグ収納用カバー。(A)以下の(A1 )成分
    と(A2 )成分とからなり、(A1 )成分の重合後に
    (A2 )成分が重合されることにより製造され、o−ジ
    クロロベンゼンを溶媒とした温度0〜140℃の間の温
    度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対
    して30〜60重量%のオレフィン系熱可塑性エラスト
    マー;30〜70重量% (A1 )アイソタクチックインデックスが90%以上の
    プロピレンの単独重合体成分;(A)成分全体に対して
    30〜60重量% (A2 )プロピレンとエチレンとを必須成分とする、プ
    ロピレンと、炭素数2〜8の他のα−オレフィンとの共
    重合体成分;(A)成分全体に対して40〜70重量% (B)プロピレン系重合体;25〜45重量% (C)エチレン−α−オレフィン共重合体;5〜25重
    量%
  2. 【請求項2】 (A)成分のオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマーのエチレン含有量が30〜55重量%、室温キ
    シレン可溶分の重量平均分子量が200,000〜80
    0,000である請求項1に記載の非破壊式エアバッグ
    収納用カバー。
  3. 【請求項3】 (A)成分のオレフィン系熱可塑性エラ
    ストマーの温度上昇溶離分別における80〜100℃で
    の溶出分が全溶出量に対して1〜6重量%である請求項
    1又は2に記載の非破壊式エアバッグ収納用カバー。
  4. 【請求項4】 (B)成分のプロピレン系重合体が、エ
    チレン含有量が1〜10重量%のプロピレン−エチレン
    ブロック共重合体である請求項1乃至3のいずれかに記
    載の非破壊式エアバッグ収納用カバー。
  5. 【請求項5】 (C)成分のエチレン−α−オレフィン
    共重合体の密度が0.85〜0.88g/cm3 、23
    0℃、荷重21.18Nでのメルトフローレートが0.
    01〜20g/10分である請求項1乃至4のいずれか
    に記載の非破壊式エアバッグ収納用カバー。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマー組成物が、(A)
    成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量100重量
    部に対して、更に下記の(D)成分を含有する請求項1
    乃至5のいずれかに記載の非破壊式エアバッグ収納用カ
    バー。 (D)無機充填材;5〜15重量部
  7. 【請求項7】 (D)成分の無機充填材が、平均粒子径
    が10μm以下のタルクである請求項6に記載の非破壊
    式エアバッグ収納用カバー。
  8. 【請求項8】 熱可塑性エラストマー組成物が、(A)
    成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量100重量
    部に対して、更に下記の(E)成分を含有する請求項1
    乃至7のいずれかに記載の非破壊式エアバッグ収納用カ
    バー。 (E)スチレン系熱可塑性エラストマー;5〜15重量
  9. 【請求項9】 熱可塑性エラストマー組成物が、(A)
    成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量100重量
    部に対して、更に下記の(F)成分を含有する請求項1
    乃至8のいずれかに記載の非破壊式エアバッグ収納用カ
    バー。 (F)炭化水素系ゴム用軟化剤;5〜15重量部
  10. 【請求項10】 熱可塑性エラストマー組成物の引張破
    壊強さが15MPa以上、−30℃におけるアイゾッド
    衝撃強度が30kJ/m2 以上である請求項1乃至9の
    いずれかに記載の非破壊式エアバッグ収納用カバー。
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