JP4192510B2 - 半導体装置 - Google Patents

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    • H04N5/30Transforming light or analogous information into electric information
    • H04N5/33Transforming infrared radiation

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置に関し、特に、半導体装置内の各素子のばらつきや、素子のばらつきによる特性のばらつきを補正する回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の素子のばらつきとして、例えば、抵抗やコンデンサの抵抗値や容量、トランジスタのスレッショルド電圧(しきい値電圧)Vtやオン電流、バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbe、各種センサ素子の抵抗や、容量、感度やオフセット電圧などがある。
【0003】
これら素子のばらつきによって、回路の特性が変化する。例えばオフセット電圧や感度、スピード、出力電流などである。
【0004】
なお、以下においては赤外線撮像装置を中心に説明するが、本発明は、ばらつきを補正することによって特性の改善が行える任意の半導体装置に対して適用可能である。
【0005】
半導体装置の素子のばらつきを補正する回路として、例えば、本願発明者による特願平10−284464(特開2000−114467号公報:「文献1」という)に提案される半導体装置がある。この半導体装置では、図16に示すように、入射赤外線を電気信号に変換するボロメータ1601と、ボロメータ1601に一定電圧を印加すると共に、ボロメータ1601の抵抗変化を電流変化に変換するトランジスタ1602と、トランジスタ1602のコレクタに一端が接続され他端がグランドに接続され、トランジスタ1602に流れる電流変化を積分するコンデンサ1603と、複数のボロメータ1601間のばらつきを補正するばらつき補正回路1604を持つ。ボロメータは2次元に配列されており、縦方向1列(V1〜Vn)のボロメータ信号の読み出しは1つの読み出し回路1605が担当し、各列(H1〜Hn)に対してそれそれ読み出し回路を具備することで、全画素を読み出している。図16において、1609は、キャンセル回路1607のトランジスタにバイアス電圧を供給するバイアス回路、1613は、ボロメータにバイアスを与えるバイアス回路であり、1614は、ばらつき補正回路1604にバイアス電圧を与えるバイアス回路である。
【0006】
ある読み出し回路1605は、V1〜Vnのボロメータのばらつきを補正して読み出す必要があり、ばらつき補正回路1604は、ボロメータによってその電流値を変化させることによって、補正を行っている。
【0007】
ばらつき補正回路1604は、複数の電流源1606を持ち、各電流源1606の電流値は、バイナリに、MSB(最上位ビット)からLSB(最下位ビット)まで、順番に2倍ずつ変化させて配列されている。ボロメータ1601によってオンさせる電流源を変化させることによって、ボロメータ1601の抵抗ばらつきによる電流ばらつきを補正することができる。
【0008】
また特開2000−004401号公報(「文献2」という)に開示される撮像装置の例では、図16と同様の読み出し回路1605を具備しているが、ばらつき補正回路1604を使わずに、図16のバイアスキャンセル回路1607のところでばらつき補正を行っている。
【0009】
通常、バイアスキャンセル回路1607は、ボロメータ電流のバイアス成分をキャンセルして信号成分のみをコンデンサに蓄えるために用いられる。
【0010】
文献2(特開2000−004401号公報)に開示される撮像装置では、このバイアスキャンセル回路1607(図16参照)の抵抗値を、複数のバイナリで変化する抵抗で構成することで、バイアスキャンセル回路自体にばらつき補正機能を持たせる構成になっている。すなわち、文献2(特開2000−004401号公報)において、バイアスキャンセル回路(バイアス電流相殺回路)は、FPN補正メモリと、FPN補正メモリからの出力デジタルデータでオン・オフ制御され、一端が電源に共通接続されたスイッチ群と、該複数のスイッチの他端に一端がそれぞれ接続された抵抗群と、抵抗群の他端が共通接続され、バイアスキャンセル回路1607のトランジスタのコレクタに接続されている構成とされている。
【0011】
また文献3(「ロウコスト160×128アンクールド インフラッレド センサーアレイ」("Low Cost 160×128 uncooled infrared sensor array”,SPIE Vol.3360 Part of the SPIE Conference on Infrared Readout Electronics IV April.1999))に開示されている例では、ボロメータの抵抗変化を検出するためにトランジスタを介しバイアス電圧を供給し、ボロメータに流れる電流変化をオペアンプを用いた積分回路で積分することで電圧として検出している。その後、積分回路の出力をサンプルホールドを行なっている。積分動作及びサンプルホールド動作は複数の読み出し回路で同時に動作している。その後、各読み出し回路のサンプルホールド出力を順次マルチプレクサすることで外部に出力することが提案されている。
【0012】
上記文献3に開示された手法は、図17に示すように、ボロメータ1701はスイッチを介してPチャネルMOSFET(「PchMOSFET」という)1702のソースに接続されており、PchMOSFET1702のゲートは、デジタルアナログ変換器(「D/A変換器」という)1703の出力端が接続されている。また、熱的に短絡している、ボロメータ1705は、NチャネルMOSFET(「NchMOSFET」という)1704のソースに接続され、NchMOSFET1704のゲートにはD/A変換器1706の出力端が接続されている。PchMOSFET1702のドレインとNchMOSFET1704のドレインの接続点が積分器1707に接続され、ボロメータ1701の入射赤外線による変位電流が、積分コンデンサ1708によって積分電圧に変換される。
【0013】
また、積分回路1712は、積分器1707、積分コンデンサ1708及びリセットスイッチ1709で構成され、積分コンデンサ1708はリセットスイッチ1709により、定期的にリセットされる。積分器1707は、非反転入力端子が接地され、反転入力端子が積分回路1712の入力端子に接続され、反転入力端子がと出力端子の帰還路に、コンデンサ1708とスイッチ1709の並列回路が挿入されているOPアンプ(演算増幅器)からなる。
【0014】
サンプルホールド回路(「S/H回路」という)1710は、積分回路1712の出力電圧をサンプルホールドし、マルチプレクサスイッチ1711により読み出し回路1713の出力が外部へ順次出力される。この文献では読み出し回路1713が9回路で構成されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のばらつき補正回路は、以下のような問題を有していることを、本発明者は知見した。
【0016】
第1に、ばらつき補正回路の面積と、該ばらつき補正回路が出すノイズとの間にトレードオフがある点である。例えば、上記文献1(特願平10−284464号)に示す例では、ばらつき補正回路の電流性ノイズは、電流源1606の抵抗値を大きくするほど、抵抗の体積を大きくするほど改善される。これは、
・抵抗の電流性ノイズが抵抗値に反比例する、
・抵抗の1/fノイズが体積に反比例する、
ためである。
【0017】
通常、ばらつき補正回路のノイズを、ボロメータのノイズよりも小さくする要求があり、電流源1606の抵抗値を大きく、さらに抵抗の体積を大きくする必要が生じてくる。
【0018】
しかも、MSBからLSBまでの抵抗をバイナリに2倍ずつ順番に大きくしていく必要があることから、LSBの抵抗値は、極めて大となり、広い面積が必要になる。
【0019】
第2に、消費電力と補正精度との間にトレードオフがある。まず、上記文献1(特願平10−284464号)に示す例では、ばらつき補正回路1604に流れる電流が、ボロメータ電流とは別に必要とされている。このため、さらなる消費電力の縮減が望まれる。
【0020】
さらに、上記文献1に記載された構成例では、電流源1606(図16参照)のコレクタ端子がコンデンサ1603と接続されており、コレクタ端子電圧は、積分動作と共に変化する。このため、電流源1606の電流値が微妙に変化し、リニアリティの点で改善の余地がある。
【0021】
一方、上記文献3による図17に示す例では、トランジスタ1704のドレインがオペアンプ1707によって一定電圧にコントロールされているため、この問題は少ないが、ばらつき補正を行うD/A変換器1703、1706の消費電力が、極めて大きくなる、という問題がある。
【0022】
また、上記文献2(特開2000−004401号公報)に示す例では、比較的消費電流が小さいが、上記文献1(特願平10−284464号)と同様に、リニアリティの点で問題がある。
【0023】
さらに、上記文献2の例では、バイアスキャンセル回路において、並列に並べたバイナリの抵抗では十分な補正精度が得られない、という問題がある。また、抵抗を直列に用いた場合にも、抵抗値が小さくなりすぎて、スイッチなどのオン抵抗が見えてきて、補正精度が上げられない、という問題がある。
【0024】
第3に、上記面積や消費電力の問題があるために、メモリやセルベースIC、プロセッサなどの一般のLSIへのばらつき補正回路の適用を困難にさせている。これらのLSIでは、近年の100nmレベルの微細化技術において、トランジスタの閾値電圧Vtやオン電流のばらつきが増大する、という問題があり、これに伴い、センスアンプのオフセット電圧のばらつきやゲート素子のスピードばらつきが顕著になる、という問題が顕在化してきている。
【0025】
したがって、本発明の主たる目的は、低消費電力であり、低ノイズ、小面積で高い精度の、ばらつき補正機能を実現する半導体装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明に係る半導体装置は、それぞれが抵抗に流れる電流の変化を読み出す複数の読み出し回路の間で共用形態で使われる多値電圧発生回路(図1の117)と、多値電圧を各読み出し回路に供給する多値電圧バス(図1の115)と、多値電圧からばらつき補正に適した電圧を選択するスイッチ(図1の113)と、を備えている。
【0027】
本発明においては、例えば、1つのチップに、1ヶか2ヶ程度の多値電圧発生回路を持ち、多値電圧発生回路から出力される互いに異なる複数の電圧をアナログ電圧伝送用のバスを介して、複数の読み出し回路に供給する。各読み出し回路内では、スイッチでの出力電圧の切り替えによって、補正に最適な電圧を選択する。
【0028】
かかる構成により、本発明は、従来の回路構成と比べて、特段に低消費電力化を図るとともに、小面積のばらつき補正手段を実現している。
【0029】
さらに、本発明においては、この多値電圧発生回路と多値電圧バスを複数系統具備するとにより、補正精度を向上している。
【0030】
例えばmヶの電圧と、nヶの電圧の2系統を持つ場合、m×nヶの精度の補正を行うことができ、m+nヶの1系統を持つ場合と比較して補正精度を上げられる。
【0031】
本発明において、読み出し回路は、抵抗アレイ(図1の101)に流れる電流を入力して積分し積分結果を出力する積分回路(図1の103、109)と、第1のスイッチ(113)の出力端子に非反転入力端子が接続されており、前記抵抗アレイの一端に反転入力端子が接続される第1の演算増幅器(図1の105)と、抵抗アレイの一端と積分回路の入力端子との間に接続され、第1の演算増幅器の出力端子からの出力電圧をバイアス電圧として制御端子に受ける第1のトランジスタ(図1の104)と、を含む。さらに、第2の多値電圧バス(例えば図1の116)を構成する複数のラインに対して互いに異なる複数のアナログ電圧を供給する第2の多値電圧発生回路(図1の118)を備えている。読み出し回路は、第2の多値電圧発生回路から前記第2の多値電圧バスに出力される互いに異なる複数の電圧を入力しそのうちの1つを選択して出力する第2のスイッチ(図1の114)と、一端が第2の電源に接続されている第2の抵抗(図1の106)と、第2のスイッチの出力端子に非反転入力端子が接続され、前記第2の抵抗の他端に反転入力端子が接続されている第2の演算増幅器(図1の108)と、第2の抵抗(106)の他端と、積分回路の入力端子との間に接続され、前記第2の演算増幅器(108)の出力端子からの出力電圧をバイアス電圧として制御端子に受ける第2のトランジスタ(図1の107)と、を備えている。
【0032】
本発明においては、読み出し回路は、入力される制御信号に基づき、第1のスイッチ(113)の選択を制御するデコーダ(図1の122)を備えている。
【0033】
本発明においては、第1の多値電圧発生回路は、入力される基準電圧を第1の利得で増幅する第1の増幅器(802)と、基準電圧を第2の利得で増幅する第2の増幅器(803)と、前記第1、及び第2の増幅器の出力端子の間に直列形態に接続されている複数の抵抗(804)と、を備え、前記第1、及び第2の増幅器の出力端子と、前記第1、及び第2の増幅器の出力端子間に接続される前記複数の抵抗との接続点よりなる複数のタップから複数の異なる出力電圧が取り出される。
【0034】
本発明においては、多値電圧発生回路で生成され多値電圧バスに供給される異なる複数の電圧を、スイッチで選択した電圧を、トランジスタのバックゲート電圧に供給することで、素子のばらつきを補正する構成としてもよい。かかるばらつき補正機能を具備した本発明に係る半導体装置は、差動増幅器、メモリのセンスアンプ、A/D(アナログ・デジタル)変換回路、通信回路等をなす半導体装置として実施される。すなわち、以下の説明からも明らかとされるように、上記目的は、特許請求の範囲の各請求項の本発明によっても同様にして達成される。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施の形態の半導体装置の構成を示す図である。図1を参照すると、抵抗アレイ101(R-Array)は、複数の抵抗の集合であり、例えば入射赤外線によってその抵抗値が変化するボロメータよりなる。あるいは、磁気抵抗効果を利用したMRAM(Magnetic RAM)の磁気抵抗素子であってもよい。これらの抵抗は、例えば、行方向と列方向に、2次元マトリクス状に配列されており、その列側に、読み出し回路102が複数個配置されている。読み出し回路102は、各列に配置するようにしてもよいし、あるいは複数列に1ヶ配置してもよい。複数の読み出し回路102を並列に動作させて積分を行うことで積分時間を長くとることができ、ノイズを低減することができる、という作用効果がある。
【0037】
このように読み出し回路数を増やすことは、ノイズ低減に接続されるが、消費電力の点や面積の点で、トレードオフの関係にある。特に、ボロメータや磁気抵抗素子や回路に存在するノイズが、1/fノイズでリミットされている場合、積分時間を長くして帯域を制限しても、トータルノイズが低下しない場合がある。このような場合には、読み出し回路数を増やしても意味がない。
【0038】
NTSC(National Television System Committee)仕様で動作する赤外線撮像装置では、抵抗アレイ101のフォーマットは、例えば320×240画素のボロメータで構成される。この列側の320の各列に、読み出し回路102が形成される。あるいは、抵抗アレイ101の2列に1ヶ、つまり、160個の読み出し回路102を形成する構成としてもよい。
【0039】
抵抗アレイ101からの信号は、読み出し回路102に入力され、抵抗変化が電流変化に変換され、積分コンデンサ103に蓄えられる。
【0040】
この動作が積分動作であり、積分コンデンサ103に電荷を蓄える時間をtintとすると、抵抗アレイ101からの信号の帯域(周波数)は、
1/(2・tint)
の帯域に制限されることになる。
【0041】
抵抗変化を電流変化に変換する回路として、この例では、NチャネルMOSトランジスタ(「NMOSトランジスタ」という)104と、オペアンプ105を備えている。NMOSトランジスタ104のソースは、抵抗アレイ101の一端が接続されており、ドレインは、積分コンデンサ103の一端に接続されており、ゲートは、オペアンプ105の出力端子に接続されている。オペアンプ105の反転入力端子(−)は、NMOSトランジスタ104のソースに接続されている。かかる構成により、抵抗アレイ101の一端に印加される電圧は、オペアンプ105の非反転入力端子(+)の電圧となり、抵抗アレイ101の印加電圧を高精度に制御することができる。
【0042】
抵抗106、PチャネルMOSトランジスタ(「PMOSトランジスタ」という)107、オペアンプ108からなる回路は、通常「バイアスキャンセル回路」と呼ばれ、抵抗アレイ101側に流れる電流(Ibol)と、バイアスキャンセル側に流れる電流(Ican)をほぼつり合わせ、これにより、積分コンデンサ103に流れ込むDC(直流)電流をできるだけ減らす作用をなしている。積分コンデンサ103にDC電流が流れ込むと、本来、増幅したい信号のためではなく、もっぱらDC電流のために回路のダイナミックレンジが占有されることになり、積分ゲインを上げることができない、という問題が生じるためである。バイアスキャンセル回路はこの問題を解消している。
【0043】
積分ゲインは、積分容量をCintとして、
tint/Cint
で表され、積分ゲインと、流れ込む電流とが乗算されて出力電圧となる。
【0044】
積分ゲインを上げるほど、後段のノイズが見えにくくなる効果があり、入力換算ノイズが改善される、という効果がある。
【0045】
この実施の形態では、積分コンデンサ103の一端は、NMOSトランジスタ104のドレインに接続され、さらに、オペアンプ109の反転入力端子に接続されている。積分コンデンサ103の他端は、オペアンプ109の出力端子に接続されている。オペアンプ109の非反転入力端子(+)はバイアス電圧110に接続されている。
【0046】
かかる構成によって、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタそれぞれのドレインが一定のバイアス電圧に固定されることになり、ドレインを流れる電流(Ibol及びIcan)がドレイン電圧によって変調を受けることが無くなる。
【0047】
積分コンデンサ103の端子間に並列に、リセットスイッチ111が接続されている。積分コンデンサ103は、信号が積分され信号が読み出された後に、リセットスイッチ111ががオンされて、リセットされる。
【0048】
オペアンプ105の非反転入力端子(+)は、第1のスイッチ113と多値電圧バス115を介して、多値電圧発生器117に接続されている。
【0049】
オペアンプ108の非反転入力端子(+)は、第2のスイッチ114と第2の多値電圧バス116を介して、第2の多値電圧発生器118に接続されている。
【0050】
多値電圧発生器117は、複数の電圧を発生する発生器であり、出力電圧としては、DC電圧であってもAC(交流)電圧であってもよい。重要なことは、ある電圧刻みを持って、例えばmヶの互いに異なる複数の電圧を発生することである。mヶの電圧は、多値電圧バス115によって、複数の読み出し回路102のそれぞれに分配される。
【0051】
多値電圧バス115は、m本の配線からなり、複数の読み出し回路102のそれぞれに配線されている。
【0052】
多値電圧バス115に接続されるスイッチ113は、多値電圧バス115のm本の配線に接続されているmヶのスイッチからなり、mヶの電圧から、一つの電圧を選択する。例えば、(m−1)ヶのスイッチをオフ状態とし、1つのスイッチをオン状態として1つの電圧を選択出力する。
【0053】
オペアンプ105は、非反転入力端子がスイッチ113の出力端子に接続されており、非反転入力端子には、スイッチ113を介して、多値電圧発生器117で作られた複数の電圧の一つが供給され、さらには、抵抗アレイ101にもこの電圧が供給される。
【0054】
同様にして、第2の多値電圧発生器118は、例えばnヶの電圧を発生し、その複数の電圧の一つが、オペアンプ108の非反転入力端子に供給され、さらには、バイアスキャンセル回路の抵抗106にもこの電圧が供給される。
【0055】
抵抗アレイ101に供給される電圧の選択は、抵抗アレイ101に流れる電流Ibolのばらつきが小さくなるように選択される。
【0056】
例えば抵抗アレイ101のある抵抗値をRbol、供給される電圧をVbolとした場合、
Ibol=Vbol/Rbol
である。
【0057】
Rbolのばらつきに応じて、複数のVbolの中からVbolを適切に選ぶことで、Rbolが大きくばらついていても、Ibolのばらつきを小さくすることができる。
【0058】
例えばVbolはΔVbolの刻みでmヶの電圧を発生するとする。
【0059】
m×ΔVbolのスパンは、抵抗ばらつきΔRbolをカバーできるスパンに設定する。
【0060】
例えば抵抗アレイ101の中の一番小さい抵抗に、VbolのLSBの電圧(最小の電圧)を与え、そのとき流れる電流をIbolの基準電流Ibol0とする。
【0061】
抵抗アレイ101の抵抗ばらつきに応じて選択するVbolを、最小から最大の間で選ぶことで、各抵抗に流れる電流を、基準電流Ibol0にほぼ合わせることができる。
【0062】
この最適なVbolの選択には、通常、2分岐探索法が用いられ、例えば特開2001−245222号公報に、その手順が記載されているので参照されたい。
【0063】
当然ながら、ある電圧スパンが決まったときに、電圧の階調数mが大きいほど電圧刻みΔVbolは小さくなり、電流ばらつきの補正精度は高まる。理想的には、補正を行わない場合の電流ばらつきは、m階調の補正を行うことで、1/mのばらつきまで低下する。
【0064】
第2の多値電圧発生器118の系も、上記と同様の動作をする。但し、抵抗106のばらつきは、通常、抵抗アレイ101のばらつきより、遙かに小さくすることが可能であり、第2の多値電圧発生器118のnヶの電圧は、抵抗アレイ101の抵抗ばらつきによる電流ばらつきを補正するために大部分用いることができる。
【0065】
仮に、抵抗106のばらつきが大きくても、その分、nヶの階調数を大きく取れば済む。
【0066】
積分コンデンサ103に流れ込む電流は、第2の多値電圧発生器118の系と第1の系の電流の差
Ican−Ibol
であり、第1の系で補正しきれなかったIbolのばらつき残差を、第2の系によるIcanの補正でさらに補正することができる。
【0067】
ここで、mヶとnヶの電圧の数は同数であってもよいし、互いに異なる数であってもよい。
【0068】
重要なことは、このように複数の多値電圧発生系を持つことによって、例えば2系統の場合、m×nの階調数程度まで、補正の分解能を上げられることである。例えば、第1の多値電圧発生器117の系によって、抵抗アレイ101内の抵抗ばらつきによるIbolのばらつきは、前述したように、ほぼ1/mとなる。この1/mの残差は、第2の多値電圧発生器118の系によって、さらに1/nとなる。
【0069】
このように、m×nの1ヶの系を用いる場合と同様の補正精度を、m+nの階調数で、得ることができる。
【0070】
一般的には、第1の多値電圧発生器117と第2の多値電圧発生器118が出力する電圧は、互いに異なる電圧になる。但し、読み出し回路102側の回路構成や、システムから要求される仕様によっては、両者の電圧を全く同じにすることも、ある限られた用途では、可能である。この場合、多値電圧発生器と多値電圧バスとしては、1系統で済むが、スイッチとしては、2系統設けられる。
【0071】
多値電圧発生器117は、例えば第1の電圧発生器119と、第2の電圧発生器120と、抵抗列121とから構成される。第1の電圧発生器119が、前述した電圧スパンの上側の電圧を発生し、第2の電圧発生器120が下側の電圧を発生する。抵抗列121は、このスパンの間を分圧するために用いられスパン間の任意の電圧を得ることができる。好ましくは、同じ抵抗値の複数の抵抗で構成される。この構成のメリットは、後述するが、複数のDC電圧を発生するのみならず、複数のAC電圧も容易に発生することができる点にある。
【0072】
デコーダ122は、バイナリで入力されるデータを受けて、一つのスイッチの選択に変換する動作を行う。例えば、m=16として、16ヶのスイッチがある場合、4ビットのバイナリデータをメモリやラッチ等から、デコーダ122に供給される。デコーダ122は、4ビットデータを受けて、16ヶのスイッチの中の1つを選択する。当然ながら、2系統の補正回路がある場合には、2系統のデコードを行う必要がある。
【0073】
ラッチ又はメモリ123は、バイナリデータをデコーダ122に供給する。 抵抗アレイ101のばらつきに応じて読み出し回路102に補正データを渡す必要があり、チップ外のメモリに補正データを格納しておき、チップ上のラッチに読み出してくる方法、あるいはチップ上にメモリを形成する方法がある。
【0074】
抵抗アレイ101が2次元である場合、各列の読み出し回路は、1行ずつ読み出し動作を行うため、外部にメモリを持つ場合は、1行ずつメモリからラッチにデータをロードする必要がある。
【0075】
積分コンデンサ103で積分された信号は、オペアンプ109の出力端子から取り出され、サンプルホールド回路112に渡される。信号として積分コンデンサ103の両端の電圧を出力することでも構わない。
【0076】
マルチプレクサ124は、複数のサンプルホールド回路112の信号の一つを選択して、出力端子125に信号を出力する。
【0077】
シフトレジスタ126は、マルチプレクサ124を順次走査するために用いられる。
【0078】
図1に示した実施例の構成によって、各読み出し回路102内でばらつき補正にかかわる回路は、スイッチとデコーダのみになり、読み出し回路内にバイナリの電流源や変換器を具備していた従来の構成に対して、消費電力や回路面積が特段に減少することになる。
【0079】
比較例として、電流源を用いる従来の構成では、各読み出し回路内に、バイナリの電流源が設けられ、多くの消費電流を消費していた。
【0080】
さらに、本実施例においては、オペアンプを用いた抵抗−電流変換回路を用いることにより、抵抗アレイにリニアリティ精度の良い電圧を正確に印加することができ、補正精度を上げられる。
【0081】
また、本実施例において、多値電圧の発生や、多値電圧の選択には、付加的なノイズがほとんど加わらず、抵抗アレイ等に存在する正味のノイズに抑えることができ、S/N(信号対雑音比)を大幅に改善することができる。
【0082】
これは、後に説明する多値電圧発生器の熱ノイズを極めて小さくできることと、スイッチ113等の熱ノイズも非常に小さく設定できるためである。
【0083】
比較例として、バイナリの電流源を用いた従来の構成では、抵抗が大きいほど電流源のノイズが小さくなる。また、抵抗アレイより小さい熱ノイズにするには、抵抗アレイの抵抗値よりかなり大きい電流源の抵抗を何個も用いる必要があり、この抵抗の面積が巨大化していた。
【0084】
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態の構成を示す図である。図1に示した前記第1の実施の形態と同様に、抵抗アレイ201は、複数の抵抗で構成され、その一方を水平スイッチ203を介して、読み出し回路204に、もう一方をセルスイッチ202に接続している。
【0085】
読み出し回路204には、抵抗アレイ201の中の2列が接続されており、2列の中の一方の選択に、水平スイッチ203を用いている。
【0086】
1列の中の複数の抵抗は、セルスイッチ202によって一つが選択され、セルスイッチ202の制御に垂直シフトレジスタ205が用いられている。
【0087】
これによって2列に1ヶの読み出し回路を形成すれば良く、各列に形成する場合に比べ面積や消費電力の点で有利となる。
【0088】
第1の多値電圧発生器206は、図1に示した前記第1の実施の形態と同様に、多値電圧バス207とスイッチ群208に接続され、複数の読み出し回路204に補正電圧を供給する。
【0089】
同様に、第2の多値電圧発生器209は、多値電圧バス210とスイッチ群211に接続され、第2の補正回路系を形成している。
【0090】
基準電圧回路(BGR)212は、多値電圧発生器の電圧発生の基準になる電圧を発生し、電圧温度係数が極めて小さいバンドギャップリファレンスなどが使用される。
【0091】
バイアス回路213は、基準電圧回路212からの基準電圧を受けて第1及び第2の多値電圧発生器206、209に必要な電圧を発生する。
【0092】
これによって抵抗アレイ201に供給される補正電圧は、温度安定性の良い電圧であり、さらに抵抗アレイ電流Ibolもキャンセラ電流Icanも1つの基準電圧から作られた電流となる。このため、仮にわずかな温度変化があっても、Ibol−Icanの変化はわずかである。よって、特段に、温度安定性の良い積分動作、補正動作が行える。
【0093】
これは、仮に、基準電圧回路212の発生電圧が変動しても、IbolとIcanにほぼ同様にその変動が入り、Ibol−Icanへ、基本的には変動が起きないためである。
【0094】
第2のラッチ215は、図1に示した例と同様に、補正データをデコーダ217に供給する。第1のラッチ214は、第2のラッチ215が補正データを保持している間チップ外のメモリ等からデータをロードするのに用いられる。積分動作の直前に、第1のラッチから第2のラッチに、データが一括転送される。
【0095】
【実施例】
上記した実施の形態について具体例を即してさらに詳説する。以下では、本発明の実施例について、赤外線撮像素子の読み出し回路に、本発明を実施した例についてその動作を説明する。
【0096】
図3は、この実施例における読み出し回路部と、その周辺を説明するための図であり、図1、及び図2に示した実施の形態と、基本的には同じ構成とされている。なお、図3には、複数の読み出し回路のうちの一つだけが示されているが、図1、及び図2に示したように、多値電圧バス301、302には、複数の読み出し回路が接続されている。
【0097】
ボロメータ303は、前述したように、入射赤外線を抵抗変化に変換する素子であり、1次元又は2次元に配列された複数のボロメータのうちの1ヶだけが、図3には示されている。
【0098】
このボロメータについて以下に説明しておく。ボロメータは、熱ノイズを低減する観点からは、抵抗が小さい程良いが、あまり小さいと、ある電圧をかけたときのジュール熱が大きくなる問題がある。ボロメータは、入射赤外線に対する感度を高めるために、ダイヤフラムと呼ばれる中空に支えられた薄膜上に形成し、熱が逃げにくい構造を持っている。ジュール熱が大きくなると、ボロメータの自己発熱が大きくなる問題がある。ボロメータ電圧を下げることで自己発熱は下げられるが、電圧が小さいと信号電圧も小さくなり、S/N(信号対雑音比)が悪くなる、という問題がある。通常、ボロメータの抵抗値としては、これら熱ノイズやボロメータ電圧、自己発熱を考慮して、数kΩ程度から数百kΩ程度に選ばれる。
【0099】
この実施例では、ボロメータ303の材料として、チタンや白金などのメタルや、酸化バナジウム、酸化チタンなどの酸化物半導体が用いられる。
【0100】
このうち、メタルは、シリコンラインで容易に作製され、抵抗ばらつきが小さいというメリットがあるが、入射赤外線を抵抗変化に変換する上で重要な抵抗温度係数が、一般に低い、という問題がある。通常、高くても0.5%/K程度までの抵抗温度係数が一般的である。
【0101】
一方、酸化物半導体系は、通常−数%/K台の高い抵抗温度係数を持つ反面、シリコンラインで作りにくい、という問題や、抵抗ばらつきが大きくなる、という問題がある。特に、抵抗ばらつきは、通常、数%p-p(ピークからピークまで)から大きい場合で、数十%p-pのばらつきを持つ。材料自体が多結晶であることに起因していたり、比抵抗がやや大きいために、配線メタルとのコンタクト抵抗が大きいことに起因したりする。ただ、数%/Kの抵抗温度係数は、赤外線撮像素子の温度分解能を改善する上で必要であり、抵抗ばらつき補正を採用してでも使う意味は大きい。
【0102】
前述したように、ボロメータ電圧が大きいほど、信号電圧は大きくなり、S/Nが改善される。このため、ボロメータ電圧としては、数V程度が好ましい。
【0103】
一方、キャンセル抵抗304は、ボロメータ電流をキャンセルするために使う抵抗である。抵抗値Rcanは、大きい方がボロメータ端に換算したときの熱ノイズが小さくなる現象がある。但し、あまり抵抗値が大きいと、キャンセル電流を作り出すために必要な抵抗両端の電圧(端子間電圧)が大きくなり、必要とされる回路の耐圧が大きくなるという問題がある。従って、通常、キャンセル抵抗304の抵抗値Rcanは、ボロメータの抵抗と同程度の抵抗値が選ばれる。そのため、Rcan両端の電圧もボロメータ電圧と同程度の電圧となる。ボロメータ電圧として、例えば5V弱の電圧を用いると、ボロメータ電圧Vbolを作り出す回路の耐圧が5V程度で良く、一般のロジックICのトランジスタを用いることができる、というメリットがある。
【0104】
キャンセル抵抗304の端子間電圧が、ほぼボロメータ電圧になることから、電源電圧VDDは、この倍の10V程度が必要とされる。10Vと5Vのトランジスタが混載できるプロセスは、高電圧VPPと電源電圧VDDで動作するEEPROM(電気的消去可能なプログラマブルROM)などのプロセスとして、比較的一般に存在しており、赤外線撮像素子に利用できる。
【0105】
ボロメータの抵抗ばらつきは、前述したように、数10%p-pになることがある。このように大きなばらつきがあるときに、従来技術のような一定電圧のボロメータ電圧を加えるやり方には、問題がある。ボロメータの抵抗ばらつきがある中で一定電圧をかけると、ボロメータ電流Ibolがばらつく。この状態で、ボロメータ電圧にわずかなドリフト、つまりは温度変動による電圧変動があると、画素によって、電流ドリフト量にもばらつきを生じる。
【0106】
一方、本発明では、抵抗ばらつきに応じて、ボロメータ電圧を変化させて、ボロメータ電流がほぼ一定となるようにしているため、仮に、ボロメータ電圧にドリフトが生じても、ボロメータ電流のドリフトは生じるが、画素間のばらつきはあまり生じない。
【0107】
この画素間で、ほぼ、一定のドリフト電流は、例えば、前述した図2の実施の形態の回路によって、取り除かれる。
【0108】
つまり、ボロメータ電圧Vbolと、キャンセラ電圧Vcanを、一つの基準電圧発生回路から作ることによって、仮に、基準電圧発生回路にドリフトが生じたとしても、両者の電圧に、同様のドリフトが生じることになる。このため、IbolとIcanの電流もドリフトも同様となり、積分コンデンサに流れる電流Ibol−Icanは、ほとんど変化しないことになる。
【0109】
上記は、基準電圧発生回路のドリフトだけを考えて、他の回路のドリフトを前提にしていないが、本発明においては、各部の回路を、以下のようにして、ドリフトをほぼ無視できるレベルにしている。
【0110】
図3を参照すると、NMOSトランジスタ306とオペアンプ307は、ボロメータに電圧を印加するとともに、ボロメータ電流をドレインに流す回路であり、前述したように、NMOSトランジスタのVgs(ゲート−ソース間電圧)の影響が、ドレイン電流に現れない回路となっている。
【0111】
ゲート−ソース間電圧Vgsは、通常、トランジスタのしきい値Vtの温度依存性に起因して、大きな温度係数を持つ。この実施例の回路では、ゲート−ソース間電圧Vgsがドレイン電流に現れない回路構成であるために、ゲート−ソース間電圧Vgsの温度係数の影響をなくしている。
【0112】
さらに図2に示すバイアス回路213は、最適なVbolとVcanを生成するが、いわゆる、「R−2R型A/D変換器」と呼ばれる、抵抗Rとその2倍の抵抗2Rの組み合わせを使用することで、温度変動に対するドリフトを無視できるレベルにすることができる。
【0113】
第1の多値電圧バス301の電圧スパンは、例えば以下のよう設定する。
【0114】
ボロメータ抵抗ばらつきが例えば20%p-pとする。つまり、100kΩ程度のボロメータ抵抗を仮定したときに、±10kΩの抵抗ばらつきが存在する。100kΩの抵抗値に対するボロメータ電圧を4Vに設定するとする。
【0115】
すると、第1の多値電圧バスに必要な電圧スパンは抵抗ばらつきの20%p-pをカバーできるように、同じく、20%p-pのスパン、つまりは、0.8Vのスパンを持てばよいことになる。つまりは、第1の多値電圧バスとしては、3.6Vから4.4Vの電圧範囲をカバーする。
【0116】
当然、抵抗ばらつきの規格によっては、電圧スパンとして、抵抗ばらつき以上のパーセントを持っていても良い。
【0117】
第1の多値電圧バス301の電圧刻みとしては、当然、細かいほど補正精度は向上する。しかし、バスの本数やスイッチの数、多値電圧発生器の規模やそれに伴う消費電力が大きくなる。
【0118】
前述したように、第1の系のバス本数をm、第2の系のバス本数をnとして、抵抗ばらつきによる電流ばらつきを、ほぼ1/(m×n)とすることができる。例えばmとnの両者を16階調、つまりバスの本数として、16本づつとすると、理想的には、積分コンデンサに流れ込む電流のばらつきを、1/256にすることができる。
【0119】
つまり、そのままでは20%p-pの抵抗ばらつきによる電流ばらつきがあったとすると、本発明においては、積分電流のばらつきは、
20/256≒0.08%p-p
のばらつきで済むことになる。
【0120】
電流ばらつきがこの程度まで低下すれば、後述するような積分ゲインを大きくとることが可能である。
【0121】
バス本数のトレードオフを考慮すると、第1の系のバス本数と第2の系のバス本数を16本程度づつというのは、妥当性がある。
【0122】
第1の多値電圧バスの電圧刻みは、3.6〜4.4Vのスパンを均等に16分割することになるので、この場合、
0.8/(16−1)≒0.053Vとなる。
【0123】
トータルのバス本数は、m+n、トータルの補正精度は1/(m×n)となるため、あるトータルバス本数で、最良の補正精度を得るには、理想的には、m=nが最適となる。但し、前述したドリフトのことを考えると、ボロメータ側の補正である第1の多値電圧バスの本数mを、キャンセラ側の本数nより大きくすることで、ボロメータ電流Ibolの補正残差を減らすことができ、好ましい。ドリフトなどの要求性能によって、mとnの比率を変えることは可能である。
【0124】
ボロメータの抵抗ばらつき20%p-pを、第1の補正系で、1/16である1.25%p-pにしたとする。第2の補正系であるキャンセラ回路側では、第2の多値電圧バスの電圧スパンを、例えば、この第1の系の補正残差である1.25%p-pに設定する。
【0125】
第2の補正系の電圧刻みも当然細かいほど補正精度を上げられるが、面積や回路規模、消費電力等とのトレードオフがある。ここでは、第1の系と同様に、n=16本とする。これによって、理想的には、抵抗ばらつきによる積分電流ばらつきは、そのままでは20%p-pになってしまうのを、1/(16×16)=1/256である、約0.08%p-pにまで低減することができる。
【0126】
キャンセラ抵抗304の抵抗値は、前述したように、ボロメータ抵抗より小さいと、ノイズ的に問題になり、抵抗が大きいと、ボロメータ電流のバイアス成分をキャンセルするのに必要な電圧が大きくなり、電源電圧が高くなる、という問題がある。トータルノイズvnは、次式(1)で表される。
【0127】
vn=vjb+vbb+(Rbol/Rcan)・(vjc+vbc) … (1)
【0128】
ここで、
vjbは、ボロメータ抵抗の熱ノイズ、
vjcは、キャンセラ抵抗の熱ノイズ、
vbbは、第1の多値電圧発生器や多値電圧バス301、オペアンプ307等、ボロメータのバイアス系に存在するノイズ、
vbcは、キャンセラのバイアス系のノイズ、
である。
【0129】
キャンセラ抵抗のノイズやキャンセラバイアス回路のノイズは、Rbol/Rcanの係数がかかる。つまり、Rbol/Rcanの重み付けがかかるため、Rcanを小さくすることは、ノイズを増やすことになる。電源電圧のことも考慮して、Rbol≒Rcanが好ましい。
【0130】
第2の多値電圧バス302の電圧を考える。VDD電源電圧305は、前述したように、例えば10V程度が好ましい。キャンセラ抵抗値をボロメータ抵抗値と同じ100kΩと想定する。
【0131】
ボロメータ抵抗には、そのセンターで4Vの電圧がかかっているため、バイアス成分をキャンセルするには、キャンセラ抵抗にも、4Vを印加する必要がある。
【0132】
電源電圧が10Vであるため、Vcanのセンター電圧としては、10−4=6V程度が必要となる。
【0133】
第2の多値電圧バスのスパンは1.25%p-pであるため、スパン電圧は、
4V×2.5%p-p=0.05Vp-p
となる。
【0134】
つまり、第2の多値電圧バスは、3.975から4.025Vの電圧を発生し、その間を、16本のバスで、均等に刻んで行く。その電圧刻みは、
0.05/(16−1)≒3.3mV
となる。
【0135】
第2の系の電圧刻みは、このように第1の系より小さいが、後述する回路を使うことで、容易に、このような電圧でも発生することができる。
【0136】
本実施例では、2つの多値電圧系について説明しているが、容易に3つ以上の系に拡張できる。たとえば、3つの系を考え、それぞれのバス本数をl、m、nとすると、抵抗ばらつきによる電流ばらつきを、理想的には、
1/(l×m×n)
にすることができ、トータルのバス本数は、l+m+nで済むことになる。
【0137】
3つ目の系を、NMOSトランジスタを使った接地側の系にするか、PMOSトランジスタを使ったVDD側の系にするかは、任意であり、どちらでも可能である。
【0138】
ボロメータ電流のバイアス成分を除去する意味で、2つ目の系の意味は大きい。
【0139】
3つ目以降の系は任意であり、必要とされる補正精度や、系の数を多くした場合に、多値電圧発生器の面積や、消費電力のトレードオフを考慮する必要がある。
【0140】
キャンセラ電流Icanとボロメータ電流Ibolとの差
Ican−Ibol
は、積分回路に流れ込む。
【0141】
積分回路は、オペアンプを使用している。もっとも、オペアンプを使用しない積分コンデンサとリセットスイッチだけの構成でも可能である。
【0142】
オペアンプを使用することで、前述したようにトランジスタ306、308のドレイン電圧を一定電圧に保つことができ、トランジスタのチャネル長変調によるドレイン電流の変化を抑えることができる。
【0143】
この場合、ドレイン電圧は、バイアス電源309の電圧に維持される。この電圧としては、VDD電源電圧305の半分程度の電圧が好ましい。それは、トランジスタが飽和領域で正常に動作するには、Veff(実効電圧;飽和領域で動作するのに必要なドレイン−ソース電圧)として、0.3V程度が必要であり、ボロメータ電圧Vbolや、キャンセラ電圧Vcanを考慮すると、ドレイン電圧として、電源電圧の半分程度が好ましい。
【0144】
この例では、ドレイン電圧、つまりバイアス電源309の電圧として、5Vに設定する。
【0145】
オペアンプ311のプラス入力端子とマイナス入力端子は、仮想接地により、常に同電圧となる。
【0146】
電流Ican−Ibolの積分は、リセットスイッチ310によるリセット動作が終了してから始まる。リセット動作によって、積分コンデンサ313の両端の電位差は0Vとなり、出力電圧(vout)312の電圧は、バイアス電圧309の電圧である5Vとなる。
【0147】
リセットが解除されると、電流Ican−Ibolは、積分コンデンサ313に蓄えられていき、出力電圧(vout)312の電圧が変化していく。
【0148】
電流Ican−Ibolが正であれば、出力電圧(vout)は5Vから低下していき、電流Ican−Ibolが負であれば、出力電圧(vout)は5Vから上昇していく。
【0149】
例えばボロメータとして、負の抵抗温度係数を仮定すると、被写体の温度が高くなるにつれ、入射赤外線のパワーも高くなり、ボロメータの温度も高くなってボロメータ抵抗は低下する。すると、ボロメータ電流Ibolは増大し、電流Ican−Ibolは負の方に向かって変化して、voutは正の方向に向かって変化する(図4(a)参照)。
【0150】
時間tintの間この積分動作を行い、リセットからtint後に出力電圧(vout)を前述したサンプルホールド回路でサンプリングする。
【0151】
被写体の温度変化によって、電流Ican−IbolはΔI変化したとする。この積分動作による出力電圧(vout)の変化Δvoutは,積分コンデンサの容量をCintとして次式(2)で与えられる。
Δvout=−(tint/Cint)・ΔI … (2)
【0152】
つまり、積分電流を基準とした積分ゲインの絶対値は、
tint/Cintとなる。
【0153】
ΔI=(ΔRbol/Rbol)・Vbol/Rbol
となるため、(2)式は次の(3)式となる。
Δvout=−(ΔRbol/Rbol)・Vbol・tint/(CintRbol) …(3)
【0154】
ここで、
tint/(CintRbol)は、(ΔRbol/Rbol)・Vbolの信号電圧に対する積分ゲインとなる。
【0155】
ボロメータとして、抵抗温度係数が、−2%/K程度の酸化物半導体とし、被写体の温度変化1℃あたりのボロメータの温度変化を4m℃とする。ボロメータのバイアス電流は、本実施例では、4V/100kΩ=40μAである。
【0156】
被写体の温度変化として、150℃程度の温度ダイナミックレンジが通常必要とされ、150℃による電流変化のパーセンテージは、
150×4m℃×2%/K=1.2%
である。
【0157】
前述したように、本実施例では、0.08%p-p程度の補正残差を仮定しており、1.2%より小さくなるようにしている。これは、回路のダイナミックレンジが決まっており、補正残差が支配的にならないように、つまり、被写体による信号変化が回路のダイナミックレンジを可能な限り使えるようにしている。
【0158】
例えばvout電圧のダイナミックレンジとして、2.5〜7.5Vの5Vを仮定する。さらに、被写体変化によって、この半分である2.5Vを使うとする。この時、補正残差による回路ダイナミックレンジの占有は、先ほどの温度ダイナミックレンジと、補正残差の比率である0.08%/1.2%で決まり、
2.5V×(0.08%/1.2%)≒0.17V
程度となる。
【0159】
本発明のばらつき補正により補正残差は、回路ダイナミックレンジに対して非常に小さく抑えられる。
【0160】
積分コンデンサに必要な値の計算は、次のようにして行われる。
【0161】
積分時間を30μsとすると積分コンデンサに必要な容量は、
Cint=tint×ΔI/Δvout
=30μs×40μA×1.2%/2.5V
≒5.8pF
となる。
【0162】
この場合、先ほどの信号電圧に対する積分ゲイン
tint/(CintRbol)
は、
30μs/(5.8pF・100kΩ)≒52
となる。本発明により、抵抗ばらつきによる電流ばらつきを抑えているため、高い積分ゲインを得ることができる。
【0163】
積分時間tintを長くすることには、2つの意味がある。一つは、ノイズの帯域が1/(2・tint)で決まり、tintを大きくすることで、ノイズの帯域が狭まり、ノイズの実効電圧を下げることができる。他は、積分ゲインを上げることで、後段のノイズを見えにくくできる、ということである。
【0164】
電流Ican−Ibolを第1の補正系と、第2の補正系で補正する作業は、例えば25℃一定の面を、この赤外線撮像装置の前に置いて行う。
【0165】
第1、第2の系それぞれ複数の電圧が選択できるわけであるが、例えば図4(b)のように、第2の系はIcanが最も大きくなる、ある1本のバス電圧を、第1の系はIbolが最も小さくなる、ある1本のバスを選択する。
【0166】
この状態で、欠陥画素を除いて、複数のボロメータの全てが、
Ican−Ibol≧0
を満たすとする。つまりリセット動作によって、出力電圧Voutが5Vになるとすると、
Ican−Ibol≧0
により、出力電圧Voutは5V以下となる。
【0167】
補正データの取得は、例えば図5(a)の様な構成の赤外線撮像装置で行う。例えば、図3の構成の赤外線撮像チップ501の前面に、光学系502を置き、さらに、例えば25℃で均一な赤外線面光源503を配置する。赤外線撮像チップ501の出力には、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器504が接続され、デジタル信号の演算やメモリとのやりとりを行うCPU506、NTSC信号を発生するNTSC信号発生器507を備えている。
【0168】
補正データの取得は、2分岐探索法で行う。例えば16本のバスの場合、バイナリに直せば4ビットであり、この4ビットの各ビットに"1"を立てながら、"1"を立てたことにより、目的の範囲をはずれた場合は、"0"に戻し、目的の範囲内であれば、そのままにする。目的の範囲内にあるか否かの判定は、CPU506によるデジタル演算で行う。
【0169】
このような動作は、図5(b)に示すように、赤外線撮像チップ501の出力電圧と比較電圧Vcompを電圧比較し比較結果を論理値としてCPU506に出力するアナログコンパレータ508を用いた構成でも実現できる。
【0170】
図5(a)の構成で、第1の系の補正データの2分岐探索を行う。図4(b)に示すように補正を行う前、各画素のvout出力レベルは、5V以下にばらついているとする。この電圧ばらつきを、ダイナミックレンジの中央である5V近傍に集める補正を行うとする。
【0171】
CPU506は、A/D変換後のデジタルデータを使って、ある画素のvoutレベルが5V以下か、5Vを超えるかを判断する。第1の系の補正データ、つまりは多値電圧バスのスイッチ情報は、メモリ505に格納されている。この場合、第1の系の補正データメモリとして、画素数×ビット数の記憶容量が必要となる。
【0172】
補正を行う前各画素の第1の多値電圧バスのスイッチの設定は、16階調の最低電圧になっており、4ビットのバイナリで考えれば全て"0"が立っているとする。この状態で、全ての読み出し回路において、バイナリのMSBに"1"を立てたとき、下から8階調目のバス電圧が設定される。この時、CPU506は、各画素の出力電圧(vout)レベルを順次チェックしていき、voutが5V以下の画素は、そのままMSBデータとして"1"を書き込み、5Vを超える場合は"0"を書き込む。
【0173】
これを全ての画素に関して行う。これによって、抵抗ばらつきによる出力電圧(vout)のばらつきは、図4(c)のように約半分となる。
【0174】
さらに、MSBの次の下位ビットに、"1"を立て、同様の判断を行い、このビットの"1","0"を判断する。これを、LSBまで全てのビットに関して行い、第1の系の補正データを確定する。
【0175】
これによって、抵抗ばらつきによる出力電圧(vout)ばらつきは、順次半減していき、4ビットの第1の補正系によって、約1/16の出力電圧(vout)ばらつきにまで低減される。
【0176】
第2の系の補正データの取得も同様の方法で行うことができる。図4(b)や図4(c)の例では、第2の系には、最大電流が流れている。これを減らす方向に2分岐探索する点で、第1の系の例とは異なるだけであり、同様の2分岐探索が行える。この結果、図4(d)に示すように、出力電圧(vout)ばらつきは、図4(b)に対して、約1/256程度になり、わずかな補正残差に抑えることができる。
【0177】
図3の第1のスイッチ群314は、この例では、16ヶのスイッチからなり、多値電圧バス301の16本の電圧レベルの中の一つを選択する。第1のデコーダ315は、スイッチ選択のためのバイナリデータを受けて1ヶのスイッチの選択を行う。例えば4ビットのデータを受けて16本のバスの中の1本の電圧レベルを選択する。例えば全て"0"のバイナリデータを受けた場合、多値電圧バスの中の最低電位の1本を選択する。バイナリデータをインクリメントするたびに、一つ上の電圧を選択し、全て"1"のバイナリデータでは、最高電位の1本を選択する。第2のスイッチ群316も第2のデコーダ317も同様である。なお、バイナリデータの値が全て"0"で、最低電位を選択する場合もあれば、その逆の最高電位を選択する場合もあり、デコーダの論理は任意に決められる。
【0178】
デコーダによって、例えば4本のバイナリデータが16本のスイッチ選択データに変換されるが、このデコーダは、スイッチ群の近くに配置するのが好ましい。これは第2のラッチ215からスイッチ群にデータを送るとき、少ない本数でスイッチ近くまで配線を行い、スイッチの近くのデコーダで、本数が増えた方が面積効率の点で、好ましいためである。またスイッチ群や多値電圧バスは、アナログ回路であり、デジタル信号とのオーバラップを最小限にすることが好ましい。少ない本数でスイッチ群まで配線することは、このようなアナログ回路とのオーバラップを減らして、アナログ回路に、デジタル回路のノイズを与える危険性を減らすことができる。
【0179】
第2の系は、この例でもあるように、高電圧信号になる。ボロメータ印加電圧を高くするほど、信号電圧が大きくなる、というメリットがある。このため、第2の系は、5V〜10V程度の電圧になる。
【0180】
通常、ロジック系は、低電力化の観点もあるため、5Vないしは3.3Vやそれ以下の電源電圧を使用する。
【0181】
第2のスイッチ群が扱うアナログ電圧がロジック電圧より高くなることが起き、スイッチ制御電圧のレベル変換回路が必要になる。
【0182】
第2のデコーダ317は、5V系のロジック電圧を10V系のスイッチ制御電圧に変換するレベル変換回路も兼ね備えている。例えば4ビットから16本へのデコードを行った後、5V系ロジックから10V系振幅への変換を行う。
【0183】
図6は、補正データの入力タイミングと、スイッチ群の動作タイミングを示したものである。破線から破線までが例えば1/2水平期間を表し、320×240画素、60Hzのフレーム周波数では、1/(240×60×2)≒35μs程度の時間になる。
【0184】
本実施例では、2列に1ヶ読み出し回路があるため、1水平期間に、2回の積分を行って、1行320画素の信号を読み出していく。読み出し回路の数は、この例では、160ヶであり、1/2水平期間に、第1のラッチに入力される補正データも、160ヶの読み出し回路用のデータとなる。1チャネルから160チャネルまでのデータは、図6に示すように、順次、第1のラッチに入力される。
【0185】
図2に示すように、第1のラッチ214と、第2のラッチ215は、それぞれ160チャネルのラッチで構成される。1チャネルあたり、第1の多値電圧バス設定用のデータと、第2の多値電圧バス設定用のデータを扱う。この例では、第1の系として4ビット、第2の系として4ビットの合計8ビットのラッチが1チャネルあたり、第1のラッチにも第2のラッチにも必要となる。
【0186】
1/2水平期間の始まりのタイミングで、第1のラッチから第2のラッチへデータが一括転送され、第2のラッチは、ほぼ1/2水平期間の間、このデータを保持する。データの一括転送は、リセット期間に行うことで、積分動作に影響を与えることはない。
【0187】
第2のラッチの設定は、すぐさま、デコーダを介して、第1のスイッチ群314、第2のスイッチ群316に反映され、粗補正であるボロメータ電圧Vbol、微補正であるキャンセラ電圧Vcanに、それぞれ多値電圧バスの中の1本の電圧が現れる。
【0188】
現れる電圧は、前述した2分岐探索法によって探索した補正残差が最小になる電圧である。当然、そのとき各チャネルの読み出し回路に接続されているボロメータの抵抗値によって、Vcan電圧、Vbol電圧は決定され、抵抗ばらつきによる電流ばらつきが最小になるように機能する。
【0189】
図7は、積分動作とサンプルホールド、マルチプレクサの動作を示すタイミング図である。図6と同様に、破線間は、1/2水平期間を示している。
【0190】
この例では、160ヶの読み出し回路が同時に積分動作を行う。前述したリセット動作が完了すると、積分動作が始まる。積分波形は、光学系を通過する入射赤外線によって、その傾きが変化する。例えば、この例では、リセット動作によって積分回路の出力は、5Vになる。
【0191】
25℃の赤外線面光源を見せて、5V近傍に出力電圧が集まるように、補正を行ったとすると、25℃より高い被写体を見ている画素では、ボロメータ抵抗が低下し、電流Ibolが増大し、積分出力電圧voutが上昇する。つまり、右上がりの積分波形となる。25℃より低い温度を見ている画素では、右下がりの積分波形となる。但し、これは、理想化した場合の動作であり、実際には、光学系を通ってきた以外の赤外線入射、例えばカメラ筐体の温度変化や、ボロメータにかけている電圧によるジュール熱で自己発熱する影響等を考慮する必要がある。カメラ筐体の温度変化の影響は、観測している被写体の温度変化より大きくなる場合が多い。
【0192】
積分波形は、1/2期間の終わりの方で、サンプルホールド回路によってサンプリングされ、そのサンプリングされた値が次のサンプリングまでホールドされる。サンプリングは、S/Hパルスによって、全読み出し回路わたって同時に行われる。
【0193】
サンプルホールド回路によってホールドされている間に、マルチプレクサ回路は、マルチプレクサ出力に各チャネルの信号を順次出力し、さらに、その出力は、バッファ等を介して出力216に出力される。このようなサンプルホールドとマルチプレクサの動作によって、160ヶ同時の積分動作と、積分動作中にチップ外に信号を出力する、ことを可能にしている。
【0194】
図8は、多値電圧発生器と多値電圧バス、スイッチ群、デコーダをさらに詳細な回路構成を示す図である。多値電圧発生器808は、入力電圧801を入力電圧として、第1のドライバ802、第2のドライバ803、抵抗群804によって多値のアナログ電圧を発生する。第2のドライバ803は、例えばオペアンプを使用した非反転増幅器であり、抵抗R1とR2によって、
(1+R1/R2)・VIN
の電圧を発生する。
【0195】
本実施例の第1の多値電圧発生器では、VINの1.1倍の電圧を発生する必要があることから、例えばR1=5kΩ、R2=50kΩに設定する。第1のドライバ802は、本実施例では、入力電圧の0.9倍の電圧を発生する。この例では、第2のドライバ803の出力電圧を受けて、抵抗R3とR4よる分圧回路で分圧してボルテージフォロワに入力している。
【0196】
R3/R4=0.82、例えばR3=16.4kΩ、R4=20kΩとすることで、1.1VINから0.9VINを得ることができる。
【0197】
このように、第1のドライバ802の入力電圧を、VINから直接もらうのではなく、第2のドライバ803を介して受けることによって、多値電圧発生器808の入力インピーダンスを極めて高く、理想的には、無限大にすることができる。このため、入力電圧VINを発生する回路の駆動能力を大きく取らなくて済むというメリットがある。
【0198】
抵抗群804は、15ヶの相等しい抵抗値の直列接続で構成され、抵抗群804のうち、図8で最上部に示されている端子は、第2のドライバ803の出力端子に、図8で最下部に示されている端子は、第1のドライバ802の出力端子に接続されている。抵抗群804の各タップより、第2のドライバ803の発生電圧から第1のドライバ802の発生電圧までの間に、等間隔の16ヶの電圧を発生することができる。正確には、A電圧からB電圧までをnヶの抵抗で等分割した場合、電圧刻みは、(B−A)/nとなる。この例では、0.9VINから1.1VINまでを15ヶの抵抗で分圧しているため、電圧刻みは0.0133VINとなる。VIN=4Vとすると、電圧刻みは約0.053Vとなる。
【0199】
抵抗群804の各抵抗の抵抗値は小さい方が熱ノイズが小さくなるが、抵抗に流れる電流が増大するため、トレードオフがある。抵抗に流れる電流が増大すると、消費電流的に問題があるほか、抵抗の1/fノイズが大きくなるという問題、ドライバの駆動能力を大きくする必要がある、という問題が生じてくる。
【0200】
さらに、抵抗が大きいと、多値電圧バスに接続される寄生容量と、抵抗群の抵抗によって構成される時定数が大きくなる、という問題がある。電源投入時や設定電圧の変更の時などに、多値電圧バスの電圧が安定するまでに時間がかかるという問題がある。
【0201】
さらに後述するが、入力電圧801としてDC電圧ではなく、時間的に変化する電圧を入力する場合があり、この時定数が変化電圧に影響を与えないようにする必要がある。
【0202】
1ヶあたり100Ω程度の抵抗を用いる、つまり15ヶの抵抗群として合計1.5kΩ程度の抵抗値とすることで、多くの場合、上記のトレードオフの全ての問題に対して好ましい結果を与える。
【0203】
抵抗群804は、2分岐探索等による補正データの探索や、それによる補正残差を考慮すると、15ヶなら15ヶの各抵抗の抵抗値が等しいことが好ましい。これは、各電圧刻みが等しくなって、補正残差が理論的な限界である量子化ノイズに近づくためである。このため、抵抗群804の抵抗として、動作点依存性のある拡散抵抗を使うよりも、動作点依存性が基本的にない抵抗素子を使うことが好ましい。このような抵抗として、例えば、ポリシリコンを用いた抵抗素子がある。ポリシリコンを用いた抵抗素子は、通常、半導体基板から電気的に分離されているため、ポリシリコンにかかる電圧によって、その抵抗値が変化することが原理的にはない。一方、拡散抵抗は、通常、半導体基板中に作られるため、拡散抵抗にかかっている電圧、つまり拡散抵抗を用いている動作電圧によって、その抵抗値が変化する問題がある。
【0204】
スイッチ806は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタを用いた相補型トランスファーゲートを用いることで、比較的広い電圧範囲で低いオン抵抗を実現できる。ただし、上述した時定数を下げるために、比較的小さなディメンジョン(ゲート長やゲート幅)を用いることが好ましい。NMOSトランジスタのみ又はPMOSトランジスタのみのスイッチで、オン抵抗に特に問題ない場合には、寄生容量の低減のために、各スイッチあたり、1ヶのトランジスタで構成することが好ましい。
【0205】
本実施例では、1チャネルあたり16ヶのスイッチが存在し、160ヶの読み出し回路によって、多値電圧バスには、160×16=2560ヶのスイッチが存在する。
【0206】
スイッチの後段に接続されるオペアンプ807の入力容量や、160ヶの読み出し回路をつなぐ配線の寄生容量なども加味すると、多値電圧バスには、1000pF程度の寄生容量が存在する。この容量は、上述した時定数の問題だけでなく、ドライバ802、803の駆動能力や位相補償にも影響を与えるため小さい方が好ましい。
【0207】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図9は、図2の第2の実施の形態に対して、ドリフトの改善を施した第3の実施の形態の構成を示す図である。
【0208】
図9において、抵抗アレイ901の機能や特性によって、基板温度変動による出力電圧の変動が大きく起きる場合があり、これを「ドリフト」と称している。この実施の形態では、前記第2の実施の形態と比較して、ドリフトを特段に軽減している。
【0209】
より詳細には、図9を参照すると、この実施の形態において、抵抗アレイ901は、前記第2の実施の形態と同様に、第1の多値電圧バス903からバイアス電圧の供給を受けている。参照抵抗902は、ドリフトを補正するための抵抗であり、抵抗アレイ901と同じ材料、同じ抵抗値であることが好ましい。参照抵抗902も、第1の多値電圧バス903からバイアス電圧の供給を受けている。参照抵抗902を流れる電流は、参照キャンセル抵抗905にも流れるように、トランジスタ912のドレインは、参照キャンセル抵抗905の一端に接続されている。参照キャンセル抵抗905とキャンセル抵抗906は、好ましくは同じ材料、同じ抵抗値で構成する。参照キャンセル抵抗905の他端は、電源端子VDDに接続されている。また参照キャンセル抵抗905の他端は、スイッチ909を介して、第2の多値電圧発生器907に接続されている。
【0210】
第2の多値電圧発生器907は、第2の多値電圧バス920に接続され、キャンセル抵抗906は、第2の多値電圧バス920からバイアス電圧のうちスイッチ921で選択された電圧の供給を受ける。
【0211】
かかる構成によって、参照キャンセル抵抗905に流れる電流は、参照抵抗902に流れる電流Iobと等しくなり、さらに、キャンセル抵抗906に流れる電流は、このIobに対して、ある係数をかけた電流となる。これは、第2の多値電圧発生器907が入力電圧にある係数をかけた複数の電圧を発生するからである。
【0212】
前述した2分岐探索法によって、抵抗アレイ901に流れる電流Ibolと、参照抵抗902に流れる電流Iobは、補正残差で決まる誤差以内に一致する。
【0213】
さらにキャンセル抵抗906に流れる電流Icanは、Iobにある係数をかけた電流となる。これを式で考えると、次のようになる。参照キャンセル抵抗905の抵抗値はRcan0、キャンセル抵抗の抵抗値はRcanとしている。
【0214】
Ibol=A・Vbol/Rbol …(4)
Iob=A’・Vbol/Rob …(5)
Ican=B・Iob・Rcan0/Rcan …(6)
【0215】
ここで、
A・Vbolは、2分岐探索法により決定された抵抗アレイのバイアス電圧、
A’・Vbolは、同様に、参照抵抗のバイアス電圧、
Iob・Rcan0は、第2の多値電圧発生器の入力電圧、
B・Iob・Rcan0はキャンセル抵抗のバイアス電圧
である。
【0216】
(5)、(6)式とRcan0≒Rcanを考慮すると、
Ican=A’・B・Vbol/Rob …(7)
【0217】
(4)、(7)式から、
Ican=(A’・B/A)(Rbol/Rob)・Ibol …(8)
となる。
【0218】
ここで言えることは、2分岐探索法により、AやA’、Bの探索が行われ、
(A’・B/A)(Rbol/Rob)≒1
となるように探索が行われる。この結果、IcanとIbolは、補正残差で決まる誤差以下にまで一致している。
【0219】
さらに、仮に、基板温度が変化しても、抵抗RbolとRobが同じ材料で作製され、ほぼ、同じ抵抗温度係数を持っていれば、(A’・B/A)(Rbol/Rob)は、ほとんど変化せず、相変わらず、IcanとIbolは、ほぼ一致している。
【0220】
図2に示した実施の形態のように、第2の多値電圧発生器209の入力に、VbolのC倍の電圧を入力した場合、(6)式は
Ican=B・C・Vbol/Rcan …(9)
となる。
【0221】
また(8)式は
Ican=(B・C/A)(Rbol/Rcan)・Ibol …(10)
となる。
【0222】
基準電圧の項はなくなるため、基準電圧源の変動の影響は基本的にはないが、RbolとRcanの抵抗温度係数は、通常、異なっている。したがって、基板温度が変動したときに、IcanとIbolがずれてくる。つまり、ドリフトがシステムの仕様によっては、問題になる場合がある。
【0223】
Rcanとして、抵抗アレイ901と同じ材料の抵抗を用いることもできる。これによって、(10)式にあげたドリフトの問題はなくなるメリットがある。但し、抵抗アレイ901の抵抗ばらつきが大きいのと同様に、Rcanの抵抗ばらつきも大きくなる可能性がある。また抵抗アレイに比較的大きな1/fノイズがある場合、Rcanにも、同様の1/fノイズが発生して、ノイズが悪化する可能性がある。抵抗ばらつきとノイズの問題が小さい場合、Rcanとして、抵抗アレイ901と同じ材料の抵抗を用いることは可能である。
【0224】
この実施の形態の第2のメリットは、抵抗アレイの自己発熱による電流変化を補正できることである。これは、(8)式を見ることで理解できる。抵抗アレイ901と、参照抵抗902を同じ抵抗値に設計して、構造的にも、可能な限り同一の構造にすると、抵抗RbolとRobは、抵抗ばらつき分の差は生じるが、基本的には、同様の自己発熱を起こす。RbolとRobは、抵抗温度係数もほぼ同一であるため、自己発熱による抵抗変化も、ほぼ同じ割合生じる。
【0225】
つまり、Rbol/Robは、自己発熱が生じても変化せず、IcanとIbolがほぼ一致している関係に変化がない。自己発熱による抵抗アレイの温度変化は、ボロメータのように、熱分離している抵抗体では、数℃レベルに達する場合がある。すなわち、目的とする信号変化に対して、桁違いに大きい場合がある。自己発熱の影響で、通常なら、ほぼ直線的に変化する積分波形が、大きく曲がる現象が発生し、回路のダイナミックレンジを、この積分波形の曲がりが占めてしまい、自己発熱の影響で、積分ゲインが上げられない場合がある。
【0226】
本実施の形態の構成により、自己発熱の影響が除去できるメリットは極めて大きい。この時、参照画素電流Iobは、時間的に変化する電流が流れる。例えば電圧をかける前の電流をIob0、任意の係数をa、電圧をかけ始めてからの時間をtとして、
Iob=(1+a・t)Iob0
の時間変化を起こす。
【0227】
この電流は、参照キャンセル抵抗に流れるが、参照キャンセル抵抗は、通常自己発熱を起こさないため、参照キャンセル抵抗の両端(端子間電圧)には、ほぼ(1+a・t)で時間変化する電圧が発生する。この電圧は、第2の多値電圧発生器に入力され、第2の多値電圧バスにもその影響が現れる。従って、第2の多値電圧発生器や第2の多値電圧バスは、時間変化(1+a・t)に追従できるだけの高速性が要求される。
【0228】
前述したように、本発明では、これらの回路に含まれる抵抗要素や寄生容量を時間変化(1+a・t)に追従できる程度に小さくすることができ、自己発熱の影響を十分補正することができる。
【0229】
この実施の形態の第3のメリットは、フィルタ910を用いることで、ノイズを低減することができる、ということである。例えば、通常は、スイッチ909をオンにしておき、フィルタ910をバイパスすることで、上記の自己発熱の影響を除去する。自己発熱の影響があまり大きくない場合には、例えば、積分ゲインがそれほど高くない場合、スイッチ909をオフにして、参照キャンセル抵抗905の電圧をフィルタ910を介して、第2の多値電圧発生器907に接続する。
【0230】
これによって、フィルタ910よりも手前のノイズ、例えば、参照キャンセル抵抗のノイズ、参照抵抗のノイズ、オペアンプ911のノイズ、第1の多値電圧発生器のノイズを除去することができ、トータルノイズを下げることができる。
【0231】
同様の考え方で、第1の多値電圧発生器の手前に、フィルタを設置して、基準電圧源やバイアス回路のノイズを除去することができる。
【0232】
フィルタとして、抵抗(R)と容量(C)を用いたロウパス(低域通過)フィルタなどを用いることができる。1/fノイズの影響も可能な限り除くために、フィルタの時定数として、数秒程度に設定することが好ましい。
【0233】
フィルタを用いることで、自己発熱の影響は除去できなくなるが、ドリフトの影響は、相変わらず除去できる。これは、(8)式において、Robの変化にフィルタが入ることになるが、通常、ドリフトは、数秒より長い時定数で変化するため、フィルタが入っても、係数Rbol/Robは、ほぼ一定に保たれるためである。
【0234】
[第4の実施の形態]
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。図10は、図2の第2の実施の形態の多値電圧発生器に対して改善を施した第4の実施の形態の構成を示す図である。これは、第1の系で大まかな補正を行った後、第2の系で細かい補正を行うときに有効となる。
【0235】
第2の系は、第1の系での補正で補正しきれなかった残差をさらに補正する。そのために、多値電圧発生器の電圧刻みが比較的小さくなり、必然的に限られたバス本数において電圧スパンが狭くなる、という問題がある。あるいは、電圧スパンを大きくしようとすると、バス本数が増える、という問題がある。
【0236】
第2の系は、バイアス成分をキャンセルする意味を持つことが多く、広いスパンと細かい電圧刻みを持つことが要求される場合が多い。
【0237】
図10に示す本発明の第4の実施の形態では、入力電圧1001を、電圧スパン発生器1002に入力し、そこで得られた電圧スパンを、多値電圧発生要素1003に入力し、得られた多値電圧を多値電圧バス1004に供給する。
【0238】
電圧スパン発生器1002と、多値電圧発生要素1003は、一つの多値電圧発生器を構成している。
【0239】
電圧スパン発生器1002は、多値電圧バス1004に必要な電圧スパンを発生する。例えば図11(a)に示すように、多値電圧バスとして、ある状況では、C×Vin〜D×Vinの電圧スパンを必要とするが、別の状況では、C’×Vin〜D’×Vinの電圧スパンを必要とする場合がある。つまり、多値電圧バスの電圧スパンやオフセットを任意に変えられる構成が必要になる。
【0240】
多くの場合、電圧スパン、つまり(D×Vin−C×Vin)を維持したまま、オフセット(C×Vin+D×Vin)/2を任意に変えたりする。これは、多くの場合、第2の系が、バイアス成分の除去の機能も兼ね備えているためである。この場合、図11(a)に示すように、電圧スパンを維持したまま、A×Vin〜B×Vinの電圧範囲を任意に出力できるようにする。この時、正確には、オフセットの最低電圧は、
A×Vin+(D×Vin−C×Vin)/2、
最高電圧は、
B×Vin−(D×Vin−C×Vin)/2
となる。
【0241】
別のケースでは、図11(b)に示すように、オフセットだけでなく、電圧スパンも任意に変えたい場合がある。これは、第1の系において、一番初めにばらつき補正を行うとき、補正の対象となるばらつきが、チップやウェハ、ロットによって変化する場合があるからである。
【0242】
本発明の第4の実施の形態では、図11(a)、図11(b)の両者のケースに対応できる。電圧スパン発生器1002は、入力電圧1001を受けて任意に動ける電圧範囲である、入力電圧のA倍の電圧と、B倍の電圧を決定する。電圧スパン発生器1002は、入力電圧のA倍の電圧とB倍の電圧範囲内の任意の電圧である、入力電圧のC倍の電圧とD倍の電圧を出力する。
【0243】
多値電圧発生要素は、その出力電圧を入力として、その出力電圧を電圧スパンとする多値電圧を発生する。
【0244】
図11に示す例では、多値電圧発生要素は1ヶであるが、本発明を適用することで、複数の多値電圧発生要素を任意に接続することができる。例えば、第2の多値電圧発生要素を、多値電圧発生要素1003の出力に接続する。あるいは、第2の多値電圧発生要素を、電圧スパン発生器1002の出力に接続することもできる。
【0245】
第2の多値電圧発生要素を、電圧スパン発生器1002の出力に接続する構成は以下の場合に用いられる。例えば赤外線撮像装置などにおいて、前述した参照抵抗と、抵抗アレイに与えるバイアス電圧の最適値が異なる場合がある。参照抵抗は抵抗アレイと同様の構造を持っているが、参照抵抗にも赤外線入射があると困るため、多くの場合参照抵抗の赤外線入射を遮断する遮蔽板等を設ける。これによって、前述した筐体からの赤外線輻射が参照抵抗に入らず、その分、参照抵抗のバイアス電圧を余分に変化させる必要がある。
【0246】
電圧スパン発生器1002は、入力電圧のA倍の電圧を発生するドライバ1006と、入力電圧のB倍の電圧を発生するドライバ1007を備え、両者の電圧を抵抗群1008に印加し、抵抗群の各所に、スイッチ1009を形成し、抵抗群の中の任意の電圧を取り出す構成とされている。
【0247】
[実施例]
例えば図2を用いて説明した赤外線撮像装置の第2の多値電圧発生器に、本実施の形態を適用する例を説明する。赤外線撮像装置では、いくつかの理由で、第2の多値電圧発生器のオフセットを変化させる必要性がある。
【0248】
一つは上述した筐体輻射に応じてキャンセル電流を変化させる必要があることである。筐体輻射は、装置を使用する環境温度によって変化したり、電源投入後の経過時間によっても変化したりして、オフセットを随時変化させていく必要がある。
【0249】
他の一つは、観測する被写体によっては、積分時間を切り換えて使用する場合があり、積分時間を切り換えるとボロメータの自己発熱が変化してオフセットを変える必要が出てくる。
【0250】
これら電源投入後、各部分のバイアスが決まった後にこのような変化が生じると、オフセットのみを切り換えて調整することが最も好ましくなる。
【0251】
赤外線撮像装置の例では、カメラの筐体温度が−10〜60℃程度まで変化した場合でも、回路のダイナミックレンジ内で各部が動作するように、ドライバ1006が発生する電圧を、0.8Vin、ドライバ1007が発生する電圧を1.2Vinに設定する。
【0252】
入力電圧Vinの電圧として、電源電圧(例えば10V)を基準に考える。つまり、Vin=−4Vとは、電源電圧10Vから見た電圧であり、GNDからみると、6Vとなる。
【0253】
0.8Vinとは、電源電圧から見て−3.2Vであり、1.2Vinは、同様に、−4.8Vとなる。
【0254】
つまり、任意に動ける電圧範囲として、1.6Vの範囲があるわけであり、Vinからみると、40%p-pをカバーをすることになる。
【0255】
赤外線撮像装置において、このように広い範囲を必要とするのは、筐体輻射の影響が非常に大きいためである。
【0256】
センサが光学系を見ている角度以外の角度が筐体を見ていることから、その問題は容易に類推が付く。この影響を低減するために、温度コントロールされた遮蔽板を、センサの周りに配置し、センサがこの遮蔽板を見るようにした、いわゆるコールドシールドを配置する場合がある。しかしながら、コストがかかったり、コールドシールドの体積が大きくなったりする問題がある。
【0257】
電圧スパン発生器は、この−3.2Vから−4.8Vの間の任意の電圧を電圧スパンとして出力する。赤外線撮像装置の例では、Vin入力の数%〜10%程度の電圧を、電圧スパンとして出力する。
【0258】
第1の系で、例えば20%p-pの電流ばらつきが補正によって、1/16程度、つまり1.25%p-p程度になることを考えると、10%程度の電圧スパンは大きいように感じるかもしれない。しかしながら、赤外線撮像装置では、次のような理由で、この電圧スパンが必要になる。
【0259】
赤外線撮像装置では、ボロメータの抵抗ばらつきが大きいのと同様に、入射赤外線に対する感度ばらつきも大きい。感度ばらつきが大きい状況で、筐体輻射に変化が生じると、ばらつき補正を行った後に、筐体温度が変化して、
(筐体輻射)×(感度ばらつき)
によって、再び、電流ばらつきが生じる場合がある。
【0260】
この電流ばらつきは、筐体温度変化によっては、バイアス成分の数%程度にまで達し、10%程度の電圧スパンが第2の系に必要になる。例えば電圧スパンとして、5%が必要であるとする。多値電圧発生要素1003は、−3.2Vから−4.8Vの間の任意の5%のスパンを、多値電圧バス1004に出力する。オフセット電圧の絶対値が一番小さい場合で、−3.2Vから−3.4Vの幅を出力する。オフセット電圧としては−3.3Vである。
【0261】
多値電圧バスが16本である場合、−3.2Vから−3.4Vの幅を0.2V/(16−1)の電圧刻みで出力する。
【0262】
オフセット電圧の絶対値が一番高い場合で、−4.6Vから−4.8Vのスパンを多値電圧バスに出力する。
【0263】
オフセット電圧として、−4.7Vとなる。この一番低いオフセット電圧と、一番高いオフセット電圧の間を、何Vのオフセット電圧刻みにするかは、システム要求によって変わってくるが、積分回路のダイナミックレンジを有効に使いたい要求から、バイアス成分の1%程度にするのが好ましい。この1%程度のオフセット電圧刻みと、40%の任意に動ける電圧範囲によって、電圧スパン発生器の抵抗群1008の抵抗の数が決定され、40ヶ程度の抵抗が必要となる。
【0264】
実際の動作を考える。電源投入時オフセット電圧は、−3.2〜−4.8Vの任意に動ける電圧範囲の中央である−4Vに設定する。多値電圧バスには−3.9〜−4.1Vの電圧スパンの16ヶの電圧が出力される。
【0265】
この状態で、第1の系の2分岐探索を行い、続いて第2の系の2分岐探索を行う。これによって、各画素からの信号が出てくるチップ出力での電圧ばらつきは、補正残差程度に減少する。
【0266】
その後、筐体温度が上昇すると、筐体輻射によって、チップ出力電圧が平均的に上昇すると共に、各画素間の感度ばらつきによって、チップ出力に再びばらつきが生じる。
【0267】
カメラのCPUは、電圧スパン発生器のスイッチ1009を切り換えて、オフセット電圧の絶対値を上昇させる。これは、筐体輻射によって、ボロメータ電流が増加するためである。それと共に、再び、発生したばらつきを、第2の系の2分岐探索により補正する。
【0268】
この第4の実施の形態の第1のメリットは、多値電圧バスのオフセット電圧や電圧スパンを任意に変えられる、といことである。環境温度の変化や基板温度の変化、チップ間のばらつきウェハ間のばらつきなどにより、オフセット電圧や電圧スパンを変える必要性があり、小面積で低消費電力の特徴を維持しながらこの機能を実現する。
【0269】
第2のメリットは、入力電圧1001として、時間的に変化する電圧も入力でき、多値電圧バスに出力できる、ということである。
【0270】
前述で開示した、温度ドリフトを動的に補正する構成と組み合わせて、本実施の形態は、安定で広い温度範囲での動作を可能にする。
【0271】
本発明は、任意の素子や回路のばらつきを補正することに用いることができる。素子としては、等価回路的に抵抗として表されるもの、容量として表されるもの、インダクタンスとして表されるもの、トランジスタとして表されるもの、ダイオードとして表されるもの、その複合として表されるものが考えられる。
【0272】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図12は、本発明を複数のこのような素子のばらつき補正に応用した第5の実施の形態の構成を示す図である。図12を参照すると、多値電圧発生器1207と、多値電圧バス1205と、スイッチ群1208と、ばらつきを持つこのような素子で構成される複数の回路1206からなる。
【0273】
さらに詳細には、基準電圧1201を受けて、基準電圧のA倍の電圧を発生する第1のドライバ1202と、基準電圧のB倍の電圧を発生する第2のドライバ1203と、抵抗群1204を備えている。
【0274】
ばらつきを持つ素子で構成される回路としては、電圧や電流によってその特性が変化するものであれば、補正の対象となる。電流による補正は、電圧−電流変換によって補正を行える。
【0275】
回路1206として、例えば、素子1209と、トランジスタ1210と、抵抗1211と、出力端子1212を持つ。素子1209やトランジスタ1210や抵抗1211は、何かしらのばらつきを持つことが考えられるが、本発明では、回路1206のばらつきとして扱えるため主体となるばらつきが回路の中のどこにあるかは、問題ではない。説明を容易とするため、例えば素子1209にばらつきがあるとする。
【0276】
多値電圧発生器の構成としては、複数のアナログ電圧を発生することが機能であり、この機能を実現する回路として、
・前記した抵抗群を用いるもの、
・コンデンサ群を用いるいわゆるスイッチドキャパシタ回路によるもの、
など様々ある。
【0277】
この実施の形態の動作は、前記した実施の形態の動作と基本的には同じである。入力電圧を受けるドライバ1202は、入力電圧のA倍の電圧を発生し、ドライバ1202の出力は、抵抗群1204の一端子に接続される。ドライバ1203は、B倍の電圧を発生し、ドライバ1203の出力は、抵抗群の他端に接続される。抵抗群1204の各抵抗から端子を取り出し、多値電圧バス1205に接続される。スイッチ群1208は、この多値電圧バスの中から、1つの電圧を選択して、回路1206に供給する。
【0278】
回路1206内では、この一つの電圧は、トランジスタ1210のゲートに接続され、素子1209に電圧を供給すると共に、抵抗1211に、素子に流れる電流を流す。出力端子1212には、抵抗1211に発生する電圧が現れる。
【0279】
ばらつきを補正する前、出力端子1212は、回路1206内の素子のばらつきによってばらついている。出力端子1212の電圧を観測して、各回路1206間のばらつきが小さくなるように、スイッチ群1208の選択を切り換える。これによって、出力端子1212の出力電圧のばらつきは、量子化ノイズで決まる理論的な限界程度まで低下する。
【0280】
等価回路的に抵抗として示される素子として、前述した赤外線撮像素子に限らず、圧力センサのように、ピエゾ抵抗を用いて、圧力変化による抵抗体の応力変化を抵抗変化として検出する素子や、同様に、ピエゾ抵抗を用いた加速度センサや、流体の流量をダイヤフラムの温度変化から検出するボロメータと同様の動作を利用したフローセンサまたはマスフローセンサや、磁気抵抗効果を利用したMRAM(磁気メモリ:Magnetic-RAM)や、抵抗の相変化を利用した相変化メモリ(Ovonic Unified Memory:「OUM」とも呼ばれる)などさまざまある。
【0281】
一般の半導体に用いられる拡散抵抗や、ポリシリコン抵抗も、数%から数十%程度のばらつきを持ち、本発明のばらつき補正の対象となる。
【0282】
等価回路的に容量として示される素子として、容量型加速度センサのキャパシタや、容量型圧力センサのキャパシタ、スイッチドキャパシタのキャパシタ、高周波回路で用いられるバラクタなど様々ある。
【0283】
一般の半導体で用いられるゲート酸化膜のキャパシタや層間絶縁膜のキャパシタなども、数%から数十%程度のばらつきを持ち、本発明のばらつき補正の対象となる。電圧や電流を変化させることで容量の電荷が変化し、補正が行われる。
【0284】
インダクタンスは、無線回路において、近年、積極的にチップ上で用いられる素子であり、このばらつきも、高周波アンプや発振器、パルスジェネレータ、マルチプライヤなどの特性に影響を与え、本発明のばらつき補正の対象となる。
【0285】
電流の時間変化dI/dtを変化させることで、インダクタンスの電圧は、
L・dI/dt
で変化するため補正が行われる。
【0286】
ダイオードは、その順方向電圧が、バンドギャップリファレンスなどに用いられたり、小信号容量がバラクタとして用いられたり、小信号抵抗が可変抵抗として用いられたりする。電圧や電流によって、これらの特性は変化し、本発明のばらつき補正の対象となる。
【0287】
近年の半導体の最小加工寸法は、100nm程度ないしはそれを下回るレベルに達しており、MOSトランジスタやバイポーラトランジスタのスレッショルド電圧Vtやオン電流(ゲート、ドレインに電源電圧をかけた時の電圧)、ベース・エミッタ間電圧Vbe、電流増幅率hfe、アーリー電圧、相互コンダクタンスgm、ドレイン小信号抵抗rds、コレクタ小信号抵抗rc、Sパラメータなどのばらつきが巨大になってきている。
【0288】
これらのばらつきは、プロセスやデバイス構造の改善により低減する努力が行われているが、回路的、アーキテクチャ的な面からの改善も必要となる。
【0289】
回路的、アーキテクチャ的なばらつき補正において、面積オーバヘッドや消費電力オーバヘッドは大きな問題である。本発明は、少ない面積、少ない消費電力によるばらつき補正を可能にしている。
【0290】
[第6の実施の形態]
次に本発明の第6の実施の形態について説明する。図13は、本発明の第6の実施の形態のMRAM(磁気メモリMagnetic-RAM)の構成を示す図である。MRAMの読み出し方式に、「自己リファレンス方式(2回読み出し)」と呼ばれる方式がある。この方式は、まず、未知データの読み出しを行い、その情報を保持する。その後、既知データ(例えば”1”)の書き込みを行い、その情報を読み出し、未知データの読み出し結果と既知データの読み出し結果を比較する。
【0291】
TMR(トンネル磁気抵抗)素子1301が2次元に配列され、ワード線1305及びスイッチ1302とビット線1303及びスイッチ1304により、あるTMR素子1301が選択される。
【0292】
選択されたTMR素子1301には、バイアス電圧1306が印加され、電流が流れる。2回読み出しにより、TMR素子に多少の抵抗ばらつきが有っても、動作する。しかしながら、微細化の進展により、抵抗ばらつきが大きくなった場合、または、信号が微弱で、積分ゲインを上げる必要がある場合、赤外線センサと同様のばらつき対策が必要となる。
【0293】
本発明では、基準電圧源1318、多値電圧発生器1319、多値電圧バス1320、スイッチ群1321、電圧電流変換回路1322を備え、補正電流を、TMR素子電流と合成させている。
【0294】
この例では、読み出し用の積分回路は、複数のTMR素子に1ヶあり、この複数のTMR素子と読み出し回路でバンク1307を形成しており、このバンクが複数ある。各バンク内にはスイッチ群1321があり、各バンクを横断するように多値電圧バス1320がある。
【0295】
ばらつき補正の内容は、TMR素子のばらつきの程度によって異なる。各バンク間の大きなばらつきを補正する場合、バンク内の複数のTMR素子の積分電流間の平均が、バンク間でほぼ一致するように補正をかける方法がある。
【0296】
バンク内の何個かの単位のTMR素子の積分電流間の平均が、単位間で、ほぼ一致するように補正をかける方法もある。
【0297】
さらに、個々のTMR素子の積分電流がほぼ一致するように補正をかける方法もある。
【0298】
TMR素子に、"0"又は"1"の情報だけでなく、多値の情報を記憶させることも考えられる。本発明によって、積分ゲインを上げられるため、今までノイズに埋もれていた信号も取り出すことが可能になり、多値情報の記憶によって飛躍的に記憶容量を上げられる。
【0299】
ばらつき補正データは、同一チップ上のTMR素子に記憶させれば良く、チップ単体でばらつき補正を行える。
【0300】
相変化メモリ(Ovonic Unified Memory、「OUM」とも呼ばれる)は、MRAMと同様に、抵抗体に情報を記憶させるメモリであり、MRAMと同様の読み出しを行える。
【0301】
[第7の実施の形態]
次に本発明の第7の実施の形態について説明する。図14は、本発明を複数のセンスアンプを用いる回路に使用した第7の実施の形態の構成を示す図である。図14を参照すると、複数のセル1407と、セルの信号を読み出す複数のセンスアンプ1401と、第1の多値電圧発生器1402と、第1の多値電圧バス1403と、第2の多値電圧発生器1404と、第2の多値電圧バス1405と、スイッチ群1406とを備えている。センスアンプ1401は、ソースが共通接続されて定電流源に接続され、ゲートにビット線対が接続された差動MOSトランジスタ対1408と、差動MOSトランジスタ対1408の各ドレインと電源間に接続されカレントミラーを構成し能動負荷として作用するトランジスタ対1409を備えておる。ビット線1410の間のトランジスタ1411は、ビット線対を同電位とするイコライザである。
【0302】
多値電圧バスからの信号は、スイッチ群を通して、センスアンプに接続され、複数のセンスアンプのばらつきや複数のセルのばらつきを補正する。
【0303】
赤外線撮像装置の例でも説明したように、ばらつきを補正する対象は、セルの場合もあれば、センスアンプの場合もあれば、その両方の場合もある。本発明により、ばらつきの発生箇所によらず、チップ上のばらつき要素の影響を無視できるレベルにまで低減することができる。
【0304】
多値電圧バスからの電圧は、スイッチを介して、例えばセンスアンプの中の差動トランジスタ対1408のバックゲートに接続される。これによって、バックゲート電圧をばらつきに応じて、任意に設定することができ、差動対を構成する2つのトランジスタのVtを変えることができる。これによって、トランジスタのVtばらつきを変えられるだけでなく、セル1407に存在するオフセットばらつきも補正することができる。バックゲート電圧の制御は、差動対だけでなく、センスアンプ内の全てのトランジスタに対して、実施可能であり、例えば負荷トランジスタ対1409のバックゲート電圧を制御して、各種ばらつきを補正することも可能である。
【0305】
また任意に電流源を追加し、その電流源電流を、多値電圧バスとスイッチ群によって制御することによってばらつきを補正することもできる。例えば、電流源電流によって差動対を流れる電流を変化させることで、任意に、ばらつきを補正することができる。
【0306】
センスアンプ1401は、ラッチ型のクロスカップリングを持つが、読み出す対象の材料や読み出す方式、例えば多値論理であったりアナログ信号であったり、によって差動対に電流源を接続した差動アンプであったり、シングルエンドのアンプであったりする。
【0307】
本実施の形態では、多値電圧発生器、多値電圧バスで構成される系を2つもっているが、これによって、赤外線撮像素子において説明した、少ない多値電圧数、バス本数で、補正残差を減らせる効果がある。
【0308】
例えば、第1の系のm本の多値電圧によって、ばらつきは1/mとなり、さらに、第2の系のn本の多値電圧によって、そのばらつきを、1/nにすることができ、トータルの補正として、1/(m×n)にすることができる。
【0309】
系の数は、1つ、2つに限らず、任意に増やすことによって、少ない多値電圧で大きなばらつき補正効果が得られる。
【0310】
さらに、赤外線撮像装置で説明したように、本発明では、多値電圧発生器や多値電圧バス、スイッチ群に時間的に変化する電圧も入力することができ、素子のドリフトを補正したり、素子の設定を環境変化に応じてリアルタイムに変化させることができる。
【0311】
セルとして、各種のメモリやセンサ、トランスデューサなどある機能を電気信号として扱う素子や回路が考えられる。このようなセルとして、ダイナミックRAM(DRAM)やスタティックRAM(SRAM)、強誘電体メモリ(FeRAM)やCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなど様々な素子や回路が考えられる。
【0312】
このような素子や回路も微細化の大きな流れがある中で、加工精度の限界や、特殊な材料を用いることによる均一性の悪化、多結晶構造を用いることによるばらつきの増大、キャリアそのものが少なくなってくることによる量子的なばらつきなど様々なばらつきを持っており、本発明の適用対象となる。
【0313】
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図15(a)は、本発明を、回路のばらつきを補正するために用いた第8の実施の形態の構成を示す図である。本実施の形態では、複数の回路1501と、第1の多値電圧発生器1502と、第1の多値電圧バス1503と、第2の多値電圧発生器1504と、第2の多値電圧バス1505と、複数の第1のスイッチ1509、複数の第2のスイッチ1510と、を備えている。第1、第2の多値電圧バス1503、1505からの信号は、スイッチ1509、1510を通して、回路1501内の各回路(Ch1〜Ch6、…)に接続され、複数の回路のばらつきを補正する。
【0314】
回路1501の各回路として、読み出し回路や各種アンプなどのアナログ信号を扱うやアナログ回路や、AND、OR、フリップフロップなどのゲートや、ゲートの集合体やゲートとメモリの集合体などデジタル信号を扱うデジタル回路や、アナログ回路とデジタル回路を併せ持つ回路など様々考えられる。本発明により、各回路に存在するばらつきを理想的なレベルにまで低減することができる。
【0315】
回路1501は、複数の回路Cir1、Cir2、…から構成されている。複数の回路は、同じ回路であっても、異なる回路であってもよい。本発明では、低減したいばらつきに対して、そのばらつきが、ほぼ無い状態を作り上げることができる。
【0316】
例えばデジタル回路におけるトランジスタの閾値Vtのばらつきやオン電流のばらつきを考えると、これらのばらつきによって、デジタル回路の最高動作周波数や遅延時間、ジッタ、スキュー、レイテンシー、駆動能力、消費電力等の特性が各回路間でばらつく。
【0317】
デバイス原理やデバイス構造や製造プロセスが完全であれば、つまり、しきい値Vtばらつきや、オン電流ばらつきなどがなければ、このような特性のばらつきは生じない。つまり、Vtばらつきやオン電流ばらつきを本発明により低減すれば特性のばらつきは理想的なレベルにまで低減する。
【0318】
この目的から鑑み、複数の回路が同一であるか、やや異なるか、別のものであっても本発明の優れた自由度によって対象となる。さらに補正する回路の単位も、補正する回路単位が増えるほどスイッチ群1509、1510、デコーダ1506の回路規模が増えることを考慮して決定することができる。
【0319】
上記に挙げた特性の中には、消費電力のように、可能な限り小さいこと、あるいは、特性によっては、大きいことが好ましい項目もある。このような特性も、他の特性とのトレードオフの関係がある。例えばしきい値電圧Vtの絶対値が上がれば、消費電力は低減する。しかし、回路のスピードは低下する。
【0320】
この場合、Vtばらつきを低減することが本質であり、結果的に、個々の特性のばらつきが低減される。
【0321】
特に、しきい値Vtやオン電流は、トランジスタの様々な特性を代表する基本的なパラメータであり、さらに、前述した回路の諸特性に影響を与える基本パラメータでもある。例えば、閾値電圧Vtやオン電流は、ゲート長やゲート幅、ゲート酸化膜厚、酸化膜の非誘電率、キャリア移動度などによって決定され、それらのばらつきの影響を受ける。さらにしきい値Vtやオン電流は、デジタル回路などのスピードや消費電流、論理スレッショルド、電流駆動能力に影響を与え、アナログ回路などの、消費電流やダイナミックレンジ、ノイズ、スルーレート、リニアリティ、ゲイン、ユニティゲイン周波数、入力容量、帯域、カットオフ周波数などに影響を与える。
【0322】
このしきい値Vtばらつきや、オン電流ばらつきを補正する方法として、例えば、前述したようにトランジスタのバックゲートに選択した多値電圧を印加して動作時の実効的なVtを制御する構成が考えられる。実効的な閾値Vtを制御することで、オン電流も制御できる。
【0323】
補正データは、チップ内に持つこともあれば、チップ外に持つこともある。
【0324】
図15(a)に示すように、補正データメモリ1507を、回路1501や、補正系と同一のチップ上に持つ構成としてもよい。あるいは、図15(b)に示すように、チップ上にラッチ1508を備え、チップ外から補正データをラッチ1508に随時ロードする構成としてもよい。図15(b)に示す構成においても、第1、第2の多値電圧発生器1515、1516、第1、第2の多値電圧バス1517、1518、第1、第2のスイッチ1520、1521を備え、スイッチ1520、1521は、デコーダ1514からの信号に基づき、複数の電圧の1つを選択して対応する回路1519の1つ(Ch1〜Ch6、…)に出力する。
【0325】
チップ内に補正データを持つことで、当然システムが小型になるというメリットを有することに加え、補正データの設定が高速にできたり、補正データの設定に自由度が増すという利点もある。チップ外に補正データを持つことで、例えばCPU(不図示)からの指示によって補正データを変えることで、例えばドリフトの補正を行ったり、環境変化に応じて設定を変えるなどの自由度が増す。
【0326】
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図18は本発明をコンパレータやオペアンプを多数並べた構成、例えば、フラッシュ型(並列型)のA/D変換器に応用した第9の実施の形態である。複数のコンパレータ1805と、多値電圧発生器1806、多値電圧バス1807、スイッチ1808を持つ。コンパレータ1805はオペアンプ(演算増幅器)であってもよい。
【0327】
通常、各コンパレータは、通常、オフセット電圧を持ち、しかも、各コンパレータ間でオフセット電圧がばらついている。オフセット電圧のばらつきは、主として、コンパレータ内のトランジスタ間のしきい値電圧Vtのばらつきによって発生する。
【0328】
本実施の形態では、前述した実施の形態と同様に、複数のコンパレータ間のオフセット電圧のばらつきがなくなるように、つまり、オフセット電圧がある一定電圧に集まるように、スイッチ1808を操作して、多値電圧の中のひとつのアナログ電圧を選択する。
【0329】
さらに、この実施の形態を、A/D変換器に応用した場合を考える。入力電圧1801を抵抗アレイ1804の各抵抗端で発生する複数の電圧と比較し、温度計コードの変換結果を出力する。
【0330】
端子1802と端子1803には、変換に必要な基準電圧を印加し、抵抗アレイ1804の各端子には、基準電圧を分圧した電圧が得られる。
【0331】
並列型A/D変換器では、この分圧された電圧と、入力電圧1801が、複数のコンパレータ1805によって比較される。
【0332】
A/D変換器のDNL(微分直線性エラー)やINL(積分直線性エラー)に影響を与える要素として、前述したコンパレータのオフセットばらつきや抵抗アレイ1804の抵抗間のばらつきなどが主としてあるが、ばらつきの要素としてそのほかにも、配線抵抗や寄生容量のばらつき、チップ上の温度分布によるオペアンプのオフセット電圧の変化、エッチングのマイクロローディング効果によるゲート長や配線幅のばらつきなども関連する。
【0333】
本実施の形態によって、DNLやINLなどが最小になるように、スイッチ1808が選択される。これは、結果的に、複数のばらつき要素が混合して変換結果に影響を与えている特性に対して、総合的な補正を行っていることになる。
【0334】
スイッチ1808で選択した多値電圧の一つは、例えばコンパレータの差動段トランジスタのバックゲートに接続する。これによって、差動段トランジスタのVtが変化してコンパレータのオフセット電圧が変化する。
【0335】
補正の手順として、例えば各コンパレータの横にあるスイッチ1808をすべてMSBのみオンに設定し、さらに既知の電圧を、入力電圧1801に加える。この状態では、生のばらつきが生じて、DNLやINLとして、大きなものになる。
【0336】
DNLやINLの大きい変換箇所を担当するコンパレータのスイッチ1808の設定を変化させて、DNLやINLが最小になるように、補正を行うことができる。補正の手順として、図4で説明した2分岐探索の手法を用いることもできる。
【0337】
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。図19は、本発明をシリアル通信回路に用いた本発明の第10の実施の形態の構成を示す図である。図19を参照すると、シリアル通信の送信回路1907は、多ビットのデジタル信号を1ビットのシリアルデータに変換するマルチプレクサMUXや、伝送線1909を駆動するためのドライバDRVなどからなる。
【0338】
受信回路1908は、伝送線1909を通ってきた信号波形を波形整形するためのセンスアンプSA、位相などが崩れた波形を元通りに再生するクロックデータリカバリCDR、1ビットのシリアルデータを多ビットのデータに変換するデマルチプレクサDMUXなどからなる。近年のシリアル通信回路では、このような1対の送受信ブロックを複数対同一チップ上に形成することで、伝送速度を向上させている。
【0339】
このような複数対の送受信ブロックをもつシリアル通信では、ブロック間のタイミングの同期の精度によって、伝送速度の性能が決定される場合がある。例えば、受信ブロックからでてくる信号に時間差があると、その時間差を吸収するように、後段の処理のタイミングを決定する必要があり、その分が、処理の遅れに接続される。
【0340】
本実施の形態では、例えば複数の受信ブロックに、多値電圧発生器1904、多値電圧バス1905、スイッチ1906を配置することで、このブロック間の遅れのばらつきがなくなるような補正を与える。
【0341】
たとえば、トランジスタのバックゲートに、スイッチ1906からの多値電圧の一つを接続することで、トランジスタのしきい値Vtを変えることができ、トランジスタのスイッチングスピードを変えることができる。
【0342】
このような原理で、各受信ブロックの信号出力タイミングがほぼ一定になるようにを調整する。これは、いわゆる信号のジッタを制御することでもある。
【0343】
スイッチングスピードを変える方法は、この方法に限らず、複数あるが、本実施の形態では、多値電圧バスの技術を用いることで、ブロック間の時間遅れのばらつきをほぼ一定にして、シリアル通信としての性能を向上させることである。
【0344】
ブロック間の信号出力タイミングを修正するために、送信回路に対して、多値電圧バスを用いた補正を与えることもでき、多値電圧発生器1901、多値電圧バス1902、スイッチ1903で構成される回路は送信ブロック1907に対して受信側で行ったことと同様の補正を行うことができる。
【0345】
[第11の実施の形態]
次に、本発明の第11の実施の形態について説明する。図20は、本発明を、無線通信回路に応用した第11の実施の形態のブロック構成を示す図である。図20を参照すると、複数の送信ユニット2007が、同一チップ上に搭載されており、パワーアンプ(送信電力増幅回路)2009を介して、アンテナ2011に接続されている。パワーアンプ2009は一つで書いているが、各送信ユニットにあってもよい。
【0346】
このように、複数の送信ユニットを同一チップ上に搭載する意味は、無線方式の異なる送信ユニットを複合する場合や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Modulation:直交周波数多重)などに代表される周波数の多重化や、非常に帯域の広いインパルス無線において広い帯域をカバーする目的がある。
【0347】
複数の受信ユニット2008は、ロウノイズアンプ(LNA)2010を介して、アンテナ2012に接続されている。ロウノイズアンプ2010も各受信ユニットごとに具備してもよい。
【0348】
複数の受信ユニットを用いる目的も送信ユニットの場合と同様であるが、さらに、パスダイバーシティ制御によりマルチパスを改善するために用いられるRake受信機のいわゆるフィンガー回路の場合も、このような概念のアーキテクチャが用いられる。
【0349】
このような無線送信回路、無線受信回路の場合にも位相のジッタや、出力信号の遅れのばらつきなどがシステム性能を決定する場合がある。
【0350】
特に、無線回路では、発信器のわずかな揺らぎが、低周波のビート雑音を生じる場合も多い。補正の対象となる回路は、送受信回路内のどのユニットまたはブロックでも構わない。
【0351】
本発明により、各ユニット間のばらつきが押さえられシステム性能が向上する。例えばRake受信回路は、マルチパスによって時間遅れを伴って届く電波を時間遅れが元に戻るように時間調整して合成する回路であり、フィンガーユニット間の出力信号の遅れのばらつきを補正することで、合成処理の精度を上げられる。
【0352】
以上本発明を上記各実施例に即して説明したが、本発明は、上記実施例の構成にのみ限定されるものでなく、特許請求の範囲の各請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得るでろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【0353】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、下記記載の効果を奏する。
【0354】
本発明の第1の効果は、抵抗や容量、インダクタ、トランジスタダイオードや配線、プロセス、デバイス原理、デバイス構造等に存在するばらつきを補正することができ、これらのばらつきによって生じるアナログ、デジタル回路のオフセットや感度、最高動作周波数や遅延時間、ジッタ、スキュー、レイテンシー、駆動能力、消費電力等の特性ばらつきを直接、間接的に低減することができる、ということである。
【0355】
本発明の第2の効果は、多値電圧発生器と多値電圧バスとスイッチ群による構成によって各補正箇所に必要な部分はスイッチ群程度であり、補正に必要とされる回路規模や回路面積、補正に必要な消費電力が非常に小さくて済む、ということである。
【0356】
本発明の第3の効果は、多値電圧発生器が発生するノイズを極めて小さくすることができ、全体のノイズを低減できる、ということである。
【0357】
本発明の第4の効果は、多値電圧発生器と多値電圧バスとスイッチ群による構成によって時間的に変化する補正も行うことができ、ドリフトの補正や環境変化に応じた設定などの自由度(設計自由度、マージン)を向上している、ということである。
【0358】
本発明の第5の効果は、多値電圧発生器と多値電圧バスによる系を複数持つことができ、少ない多値電圧、バス本数で高い補正精度を得ることができる、ということである。
【0359】
本発明の第6の効果は、ばらつきの低減によって例えばアナログ回路などのダイナミックレンジを上げることができ、回路の感度やS/Nを改善することができる。さらにデジタル回路のジッタを減らすことでより高速にデジタル回路を動作させることができ、トランジスタの駆動能力増大に頼る必要がないため、単位消費電力あたりの処理能力を高めることができる、ということである。
【0360】
本発明の第7の効果は、多値電圧発生器と多値電圧バスとスイッチ群による構成において、電圧スパンの設定や多値電圧のオフセットの設定には自由度があり、あらゆる回路や動作や設定に対応できる、ということである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す半導体装置の回路構成を示す図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図3】 本発明の一実施例の赤外線撮像装置の回路構成を示す図である。
【図4】 図2の本発明の一実施例の赤外線撮像装置の動作を示すタイミング図である。
【図5】 本発明の一実施例の赤外線撮像装置の概略構成を示す図である。
【図6】 図2の本発明の一実施例の赤外線撮像装置の動作を示すタイミング図である。
【図7】 図2の本発明の一実施例の赤外線撮像装置の動作を示すタイミング図である。
【図8】 多値電圧発生器と多値電圧バス、スイッチ群、デコーダの回路構成を示す図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図10】 本発明の第4の実施の形態の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図11】 図10の半導体装置の動作を説明する図である。
【図12】 本発明の第5の実施の形態の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図13】 本発明の第6の実施の形態の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図14】 本発明の第の実施の形態の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図15】 本発明の第の実施の形態の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図16】 従来の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図17】 従来の半導体装置の回路構成を示す図である。
【図18】 本発明の第9の実施の形態の構成を示す図である。
【図19】 本発明の第10の実施の形態の構成を示す図である。
【図20】 本発明の第11の実施の形態の構成を示す図である。
【符号の説明】
101 抵抗アレイ
102 読み出し回路
103 コンデンサ
104 トランジスタ
105 オペアンプ
106 抵抗
107 トランジスタ
108 オペアンプ
109 オペアンプ
111 リセットスイッチ
112 サンプルホールド回路
113 第1のスイッチ
114 第2のスイッチ
115 第1の多値電圧バス
116 第2の多値電圧バス
117 第1の多値電圧発生器
118 第2の多値電圧発生器
119 第1の電圧発生器
120 第2の電圧発生器
121 抵抗列
122 デコーダ
123 メモリ
124 マルチプレクサ
125 出力端子
126 シフトレジスタ
201 抵抗アレイ
202 セルスイッチ
203 スイッチ
204 積分回路
205 シフトレジスタ
206 第1の多値電圧発生器
207 多値電圧バス
208 スイッチ群
209 第2の多値電圧発生器
210 多値電圧バス
211 スイッチ群
212 基準電圧回路
213 バイアス回路
214 ラッチ
215 ラッチ
216 出力端子
217 デコーダ
301 第1の多値電圧バス
302 第2の多値電圧バス
303 ボロメータ
304 抵抗
305 電源電圧
306 NMOSトランジスタ
307 オペアンプ
309 バイアス電源電圧
310 リセットスイッチ
311 オペアンプ
312 出力端子
313 コンデンサ
314 スイッチ群
315 デコーダ
316 スイッチ群
317 デコーダ
501 赤外線撮像チップ
502 光学系
503 光源
504 A/D変換器
505 メモリ
506 CPU
507 NTSC信号発生器
508 アナログコンパレータ
801 入力電圧
802 第1のドライバ
803 第2のドライバ
804 抵抗群
806 スイッチ
808 多値電圧発生器
901 抵抗アレイ
902 参照抵抗
903 第1の多値電圧バス
905 参照キャンセル抵抗
906 キャンセル抵抗
907 第2の多値電発生器
909 スイッチ
910 フィルタ
911 オペアンプ
912 トランジスタ
920 第2の多値電圧バス
921 スイッチ
1001 入力電圧
1002 電圧スパン発生器
1003 多値電圧発生要素
1004 多値電圧バス
1006 ドライバ
1007 ドライバ
1008 抵抗群
1009 スイッチ
1201 基準電圧
1202 ドライバ
1203 ドライバ
1204 抵抗群
1205 多値電圧バス
1206 回路
1207 多値電圧発生器
1208 スイッチ群
1209 素子
1210 トランジスタ
1211 抵抗
1212 出力端子
1301 TMR素子
1302 スイッチ
1303 ビット線
1304 スイッチ
1305 ワード線
1306 バイアス電圧
1307 バンク
1318 基準電圧源
1319 多値電圧発生器
1320 多値電圧バス
1321 スイッチ群
1322 電圧電流変換回路
1401 センスアンプ
1402 第1の多値電圧発生器
1403 第1の多値電圧バス
1404 第2の多値電圧発生器
1405 第2の多値電圧バス
1406 スイッチ群
1407 セル
1408 差動対
1409 トランジスタ対
1410 ビット線
1411 トランジスタ
1501 回路
1502 第1の多値電圧発生器
1503 第1の多値電圧バス
1504 第2の多値電圧発生器
1505 第2の多値電圧バス
1506 デコーダ
1507 補正データメモリ
1508 ラッチ
1514 デコーダ
1515 第1の多値電圧発生器
1516 第2の多値電圧発生器
1517 第1の多値電圧バス
1518 第2の多値電圧バス
1601 ボロメータ
1602 トランジスタ
1603 コンデンサ
1604 ばらつき補正回路
1605 読み出し回路
1606 電流源
1607 バイアスキャンセル回路
1612 サンプルホールド回路
1609 キャンセル回路用バイアス回路
1613 ボロメータ用バイアス回路
1614 ばらつき補正回路用バイアス回路
1615 垂直シフトレジスタ
1617 水平シフトレジスタ
1701 ボロメータ
1702 PchMOSFET
1703 変換器
1704 NchMOSFET
1705 ボロメータ
1706 D/A変換器
1707 オペアンプ(積分器)
1708 コンデンサ
1709 リセットスイッチ
1710 サンプルホールド回路
1711 マルチプレクサスイッチ
1712 積分回路
1713 読み出し回路
1801 入力電圧
1802 端子
1803 端子
1804 抵抗アレイ
1805 コンパレータ
1806 多値電圧発生器
1807 多値電圧バス
1808 スイッチ
1901 多値電圧発生器
1902 多値電圧バス
1903 スイッチ
1904 多値電圧発生器
1905 多値電圧バス
1906 スイッチ
1907 送信回路
1908 受信回路
1909 伝送線
2001 第1の多値電圧発生器
2002 第1の多値電圧バス
2003 第1のスイッチ
2004 第2の多値電圧発生器
2005 第2の多値電圧バス
2006 第2のスイッチ
2007 送信ユニット
2008 受信ユニット
2009 パワーアンプ
2010 ロウノイズアンプ(LNA)
2011、2012 アンテナ

Claims (6)

  1. 等間隔の刻みを持った複数のアナログ電圧を発生する第1の多値電圧発生回路と、
    前記第1の多値電圧発生回路から出力される前記複数のアナログ電圧を分配する第1の多値電圧バスと、
    前記第1の多値電圧バスから供給される複数のアナログ電圧を受け、前記複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第1のスイッチと、
    等間隔の刻みを持ち、前記第1の多値電圧発生回路よりも電圧刻みが小さい第2の複数のアナログ電圧を発生する第2の多値電圧発生回路と、
    前記第2の多値電圧発生回路から出力される前記第2の複数のアナログ電圧を分配する第2の多値電圧バスと、
    前記第2の多値電圧バスから供給される第2の複数のアナログ電圧を受け、前記第2の複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第2のスイッチと、
    半導体装置内で回路間の特性ばらつきを出現させている複数のばらつき補正対象回路と
    を備え、
    前記複数のばらつき補正対象回路は、ばらつき補正対象回路の特性ばらつきに応じて、前記第1のスイッチで選択されたアナログ電圧と前記第2のスイッチで選択されたアナログ電圧それぞれの供給を受け、
    前記ばらつき補正対象回路は、入力対からの電圧を差動増幅する第3及び第4のトランジスタを含む差動増幅回路を備え、
    前記ばらつき補正対象回路内の前記第3のトランジスタのバックゲートに前記第1のスイッチで選択されたアナログ電圧が供給され、
    前記ばらつき補正対象回路内の前記第4のトランジスタのバックゲートに前記第2のスイッチで選択されたアナログ電圧が供給され、複数の前記差動増幅回路間のオフセットばらつきを補正する、ことを特徴とする半導体装置。
  2. 等間隔の刻みを持った複数のアナログ電圧を発生する第1の多値電圧発生回路と、
    前記第1の多値電圧発生回路から出力される前記複数のアナログ電圧を分配する第1の多値電圧バスと、
    前記第1の多値電圧バスから供給される複数のアナログ電圧を受け、前記複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第1のスイッチと、
    等間隔の刻みを持ち、前記第1の多値電圧発生回路よりも電圧刻みが小さい第2の複数のアナログ電圧を発生する第2の多値電圧発生回路と、
    前記第2の多値電圧発生回路から出力される前記第2の複数のアナログ電圧を分配する第2の多値電圧バスと、
    前記第2の多値電圧バスから供給される第2の複数のアナログ電圧を受け、前記第2の複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第2のスイッチと、
    半導体装置内で回路間の特性ばらつきを出現させている複数のばらつき補正対象回路と
    を備え、
    前記複数のばらつき補正対象回路は、ばらつき補正対象回路の特性ばらつきに応じて、前記第1のスイッチで選択されたアナログ電圧と前記第2のスイッチで選択されたアナログ電圧それぞれの供給を受け、
    それぞれが所定の領域に分かれて設けられ、半導体装置内で抵抗素子間の抵抗ばらつきを有している複数の第1の抵抗と、
    前記各領域に対応して設けられ、前記各領域内の前記第1の抵抗の抵抗値を読み出すとともに、前記抵抗ばらつきによって回路間の特性ばらつきを出現させている前記複数のばらつき補正対象回路を備え、
    前記ばらつき補正対象回路が、
    前記第1の抵抗に流れる電流を入力して積分し積分結果を出力する積分回路と、
    前記第1のスイッチの出力端子に非反転入力端子が接続されており、前記第1の抵抗の一端に反転入力端子が接続される第1の演算増幅器と、
    前記第1の抵抗の一端と前記積分回路の入力端子との間に接続され、前記第1の演算増幅器の出力端子からの出力電圧をバイアス電圧として制御端子に受ける第1のトランジスタと、を含むことを特徴とする半導体装置。
  3. 等間隔の刻みを持った複数のアナログ電圧を発生する第1の多値電圧発生回路と、
    前記第1の多値電圧発生回路から出力される前記複数のアナログ電圧を分配する第1の多値電圧バスと、
    前記第1の多値電圧バスから供給される複数のアナログ電圧を受け、前記複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第1のスイッチと、
    等間隔の刻みを持ち、前記第1の多値電圧発生回路よりも電圧刻みが小さい第2の複数のアナログ電圧を発生する第2の多値電圧発生回路と、
    前記第2の多値電圧発生回路から出力される前記第2の複数のアナログ電圧を分配する第2の多値電圧バスと、
    前記第2の多値電圧バスから供給される第2の複数のアナログ電圧を受け、前記第2の複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第2のスイッチと、
    半導体装置内で回路間の特性ばらつきを出現させている複数のばらつき補正対象回路と
    を備え、
    前記複数のばらつき補正対象回路は、ばらつき補正対象回路の特性ばらつきに応じて、前記第1のスイッチで選択されたアナログ電圧と前記第2のスイッチで選択されたアナログ電圧それぞれの供給を受け、
    それぞれが所定の領域に分かれて設けられ、半導体装置内で抵抗素子間の抵抗ばらつきを有している複数の第1の抵抗と、
    前記各領域に対応して設けられ、前記各領域内の前記第1の抵抗の抵抗値を読み出すとともに、前記抵抗ばらつきによって回路間の特性ばらつきを出現させている前記複数のばらつき補正対象回路を備え、
    前記ばらつき補正対象回路が、
    一端が第2の電源に接続されている第2の抵抗と、
    前記第2の抵抗に流れる電流を入力して積分し積分結果を出力する積分回路と、
    前記第2のスイッチの出力端子に非反転入力端子が接続されており、前記第2の抵抗の一端に反転入力端子が接続される第2の演算増幅器と、
    前記第2の抵抗の一端と前記積分回路の入力端子との間に接続され、前記第2の演算増幅器の出力端子からの出力電圧をバイアス電圧として制御端子に受ける第2のトランジスタと、を含むことを特徴とする半導体装置。
  4. 等間隔の刻みを持った複数のアナログ電圧を発生する第1の多値電圧発生回路と、
    前記第1の多値電圧発生回路から出力される前記複数のアナログ電圧を分配する第1の多値電圧バスと、
    前記第1の多値電圧バスから供給される複数のアナログ電圧を受け、前記複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第1のスイッチと、
    等間隔の刻みを持ち、前記第1の多値電圧発生回路よりも電圧刻みが小さい第2の複数のアナログ電圧を発生する第2の多値電圧発生回路と、
    前記第2の多値電圧発生回路から出力される前記第2の複数のアナログ電圧を分配する第2の多値電圧バスと、
    前記第2の多値電圧バスから供給される第2の複数のアナログ電圧を受け、前記第2の複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第2のスイッチと、
    半導体装置内で回路間の特性ばらつきを出現させている複数のばらつき補正対象回路と
    を備え、
    前記複数のばらつき補正対象回路は、ばらつき補正対象回路の特性ばらつきに応じて、前記第1のスイッチで選択されたアナログ電圧と前記第2のスイッチで選択されたアナログ電圧それぞれの供給を受け、
    前記ばらつき補正対象回路が、定電流源で駆動され、入力対からの電圧を差動増幅する差動トランジスタ対と、前記差動トランジスタ対の出力対に接続された負荷素子対と、を有する差動増幅回路を含み、
    前記第1、及び第2のスイッチで選択されたアナログ電圧が前記差動トランジスタ対のバックゲートにそれぞれ接続され、
    複数の前記差動増幅回路間のオフセットばらつきを補正する、ことを特徴とする半導体装置。
  5. 等間隔の刻みを持った複数のアナログ電圧を発生する第1の多値電圧発生回路と、
    前記第1の多値電圧発生回路から出力される前記複数のアナログ電圧を分配する第1の多値電圧バスと、
    前記第1の多値電圧バスから供給される複数のアナログ電圧を受け、前記複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第1のスイッチと、
    等間隔の刻みを持ち、前記第1の多値電圧発生回路よりも電圧刻みが小さい第2の複数のアナログ電圧を発生する第2の多値電圧発生回路と、
    前記第2の多値電圧発生回路から出力される前記第2の複数のアナログ電圧を分配する第2の多値電圧バスと、
    前記第2の多値電圧バスから供給される第2の複数のアナログ電圧を受け、前記第2の複数のアナログ電圧から1つのアナログ電圧を選択する第2のスイッチと、
    半導体装置内で回路間の特性ばらつきを出現させている複数のばらつき補正対象回路と、
    を備え、
    前記複数のばらつき補正対象回路は、ばらつき補正対象回路の特性ばらつきに応じて、前記第1のスイッチで選択されたアナログ電圧と前記第2のスイッチで選択されたアナログ電圧それぞれの供給を受け、
    入力電圧と参照電圧を差動入力する差動トランジスタ対を備えたコンパレータを複数並列に接続してなり、
    前記ばらつき補正対象回路が、前記コンパレータであり、
    前記第1、及び第2のスイッチの出力電圧が前記コンパレータ内の差動トランジスタ対のバックゲートにそれぞれ接続され、複数の前記コンパレータ間のオフセットばらつきを補正する、ことを特徴とする半導体装置。
  6. 前記差動増幅回路が、メモリセルアレイのビット線に接続されるセンスアンプを構成している、ことを特徴とする請求項記載の半導体装置。
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