JP4192480B2 - 描画装置および描画方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画装置および描画方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタなど、インクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド)に同ピッチで配列されたノズル列から、インク(機能液滴)を吐出することによりドットを形成する機能液滴吐出装置では、1のインクジェットヘッドをワークに対して主走査方向および副走査方向に相対的に移動することによって、描画を行っている。この場合、各ノズルの吐出パターンデータ(描画パターンデータ)や駆動波形データは、ノズル列(ヘッド)毎に生成され、生成されたこれらのデータをヘッド駆動装置に順次送ることにより、1列分の機能液滴の吐出(描画)を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、大型のプリンタ等では、機能液滴吐出ヘッドの歩留まりを考慮し、副走査方向のノズルの全並び(1ライン)を、単一の機能液滴吐出ヘッドではなく、複数の機能液滴吐出ヘッドで構成している。このため、例えば、2列のノズル列を有する機能液滴吐出ヘッドを6個並べることで1ラインが構成される場合は、パーソナルコンピュータ(以下、単に「パソコン」という)等により全部で12列分の吐出パターンデータや駆動波形データを生成する必要がある。しかしながら、12列分のデータを生成するには、膨大なデータ量となるため、制御処理が複雑化してしまう。したがって、パソコンから機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動装置へのデータの転送速度に遅れが生じ、その結果、機能液滴吐出ヘッドの移動速度(描画速度)に制約を受けていた。
【0004】
そこで、それぞれ機能液滴吐出ヘッド毎にパソコンを使用して制御処理を行うことも考えられるが、装置構成が大型化してしまうと共に各パソコンの処理速度が微妙に異なるため、吐出タイミング(機能液滴の着弾位置)がずれてしまうことが想定される。
【0005】
本発明は、複数の機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列からワークに機能液滴を選択的に吐出することで描画を行う場合に、機能液滴の着弾位置にずれを生じることなく、且つ迅速に描画可能な描画装置および描画方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の描画装置は、キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画装置であって、移動するキャリッジの位置検出信号に基づいて、吐出信号を生成する吐出信号生成手段と、吐出信号をトリガとして、ノズル列に対応する1配列分の吐出パターンデータと、当該1配列分の駆動波形データと、を転送する吐出データ・駆動波形データ転送手段と、転送された吐出パターンデータおよび駆動波形データに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動手段と、を備え、吐出データ・駆動波形データ転送手段は、転送された吐出パターンデータを格納するシフトレジスタと、駆動波形データの転送時に、シフトレジスタに格納されている吐出パターンデータをラッチするラッチと、ラッチの出力と、転送された駆動波形データとに基づいて、各ノズルに電圧印可するスイッチと、を有し、n配列目の駆動波形データがスイッチに転送されているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータをシフトレジスタに転送することを特徴とする。
この場合、機能液滴吐出ヘッドの移動領域内において、ワーク上に対する描画領域と非描画領域とを設定する描画領域設定手段を更に備え、吐出データ・駆動波形データ転送手段は、位置検出信号に基づいて、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに、吐出信号をトリガとして吐出パターンデータおよび駆動波形データを転送することが好ましい。
本発明の描画方法は、キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画方法であって、移動するキャリッジの位置検出信号に基づいて、吐出信号を生成する吐出信号生成工程と、吐出信号をトリガとして、ノズル列に対応する1配列分の吐出パターンデータと、当該1配列分の駆動波形データとを、吐出データ・駆動波形転送ブロックを介して転送する吐出データ・駆動波形データ転送工程と、転送された吐出パターンデータおよび駆動波形データに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動工程と、を備え、吐出データ・駆動波形転送ブロックは、転送された吐出パターンデータを格納するシフトレジスタと、駆動波形データの転送時に、シフトレジスタに格納されている吐出パターンデータをラッチするラッチと、ラッチの出力と、転送された駆動波形データとに基づいて、各ノズルに電圧印可するスイッチと、を有し、吐出データ・駆動波形データ転送工程では、n配列目の駆動波形データがスイッチに転送されているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータをシフトレジスタに転送することを特徴とする。
この場合、機能液滴吐出ヘッドの移動領域内において、ワーク上に対する描画領域と非描画領域とを設定する描画領域設定工程を更に備え、吐出データ・駆動波形データ転送工程では、位置検出信号に基づいて、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに、吐出信号をトリガとして吐出パターンデータおよび駆動波形データを転送することが好ましい。
なお、以下のように構成することも可能である。
本発明の描画方法は、キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画方法であって、機能液滴吐出ヘッド毎に、ビットマップ化された吐出パターンデータを記憶する吐出パターンデータ記憶工程と、移動するキャリッジを連続的に位置検出することによって位置検出信号を生成する位置検出信号生成工程と、位置検出信号を分周することにより、吐出信号を生成する吐出信号生成工程と、吐出信号をトリガとして、記憶された吐出パターンデータを転送する吐出パターンデータ転送工程と、転送された吐出パターンデータに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の描画装置は、キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画装置であって、機能液滴吐出ヘッド毎に、ビットマップ化された吐出パターンデータを記憶する吐出パターンデータ記憶手段と、移動するキャリッジを連続的に位置検出することによって位置検出信号を生成する位置検出信号生成手段と、位置検出信号を分周することにより、吐出信号を生成する吐出信号生成手段と、吐出信号をトリガとして、記憶された吐出パターンデータを転送する吐出パターンデータ転送手段と、転送された吐出パターンデータに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッド毎に吐出パターンデータを記憶し、吐出信号をトリガとしてこれを転送するため、機能液滴吐出ヘッドの数の増加によって機能液滴吐出ヘッドの移動速度(描画速度)に遅れを生じることがない。また、吐出信号は、複数の機能液滴吐出ヘッドが配設されたキャリッジを連続的に位置検出することによって得られる位置検出信号に基づいて生成されるため、キャリッジの移動速度の変化によって着弾位置がずれることがない。
【0009】
この場合、機能液滴吐出ヘッドの移動領域内において、ワーク上に対する描画領域と非描画領域とを設定する描画領域設定工程を更に備え、吐出パターンデータ転送工程は、位置検出信号に基づいて、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに、吐出信号をトリガとして吐出パターンデータを転送することが好ましい。
【0010】
また、この場合、機能液滴吐出ヘッドの移動領域内において、ワーク上に対する描画領域と非描画領域とを設定する描画領域設定手段を更に備え、吐出パターンデータ転送手段は、位置検出信号に基づいて、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに、吐出信号をトリガとして吐出パターンデータを転送することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに吐出パターンデータを転送するため、非描画領域を機能液滴吐出ヘッドが移動しているときに吐出パターンデータを転送することがない。したがって、描画領域を外れた機能液滴の吐出(オーバーヘッド)を容易に防止することができる。
【0012】
この場合、各ノズルの駆動波形データを記憶する駆動波形データ記憶工程と、吐出信号をトリガとして、記憶された駆動波形データを転送する駆動波形データ転送工程と、を更に備え、ヘッド駆動工程は、転送された駆動波形データに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動することが好ましい。
【0013】
また、この場合、各ノズルの駆動波形データを記憶する駆動波形データ記憶手段と、吐出信号をトリガとして、記憶された駆動波形データを転送する駆動波形データ転送手段と、を更に備え、ヘッド駆動手段は、転送された駆動波形データに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッド毎に駆動波形データを記憶し、吐出信号をトリガとしてこれを転送するため、機能液滴吐出ヘッドの数の増加によって機能液滴吐出ヘッドの移動速度(描画速度)に遅れを生じることがない。また、吐出信号は、複数の機能液滴吐出ヘッドが配設されたキャリッジを連続的に位置検出することによって得られる位置検出信号に基づいて生成されるため、キャリッジの移動速度の変化によって着弾位置がずれることがない。さらに、キャリッジ単位で位置検出するため、各機能液滴吐出ヘッドへの駆動波形データの転送タイミングにずれが生じることなく、正確な着弾位置に機能液滴を着弾させることができる。
【0015】
この場合、駆動波形データ転送工程は、位置検出信号に基づいて、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに、吐出信号をトリガとして駆動波形データを転送することが好ましい。
【0016】
また、この場合、駆動波形データ転送手段は、位置検出信号に基づいて、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに、吐出信号をトリガとして駆動波形データを転送することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッドが描画領域を移動中であるときに駆動波形データを転送するため、非描画領域を機能液滴吐出ヘッドが移動しているときに駆動波形データを転送することがない。したがって、描画領域を外れた機能液滴の吐出(オーバーヘッド)を容易に防止することができる。
【0018】
これらの場合、吐出パターンデータ転送工程は、1回のトリガによってノズル列に対応した1配列分の吐出パターンデータを転送し、駆動波形データ転送工程は、1配列分の吐出パターンデータの転送の後、当該1配列分の駆動波形データを転送することが好ましい。
【0019】
また、これらの場合、吐出パターンデータ転送手段は、1回のトリガによってノズル列に対応した1配列分の吐出パターンデータを転送し、駆動波形データ転送手段は、1配列分の吐出パターンデータの転送の後、当該1配列分の駆動波形データを転送することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、1配列分の吐出パターンデータの転送の後、当該1配列分の駆動波形データを転送することで、転送のタイミングをずらすことができるため、吐出パターンデータと駆動波形データとのデータの重なりによる転送速度の遅れを防止することができる。したがって、機能液滴吐出ヘッドの移動速度(描画速度)に遅れが生じることがない。
【0021】
この場合、吐出パターンデータ転送工程は、駆動波形データ転送工程により、n配列目の駆動波形データが転送されているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータを転送することが好ましい。
【0022】
また、この場合、吐出パターンデータ転送手段は、駆動波形データ転送手段が、n配列目の駆動波形データを転送しているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータを転送することが好ましい。
【0023】
この構成によれば、n配列目の駆動波形データが転送されているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータを転送するため、吐出パターンデータと駆動波形データとのデータの重なりによる転送速度の遅れを防止しつつ、全体として転送速度を早めることができる。すなわち、より描画速度を上げることができる。
【0024】
これらの場合、機能液滴吐出ヘッドは、ピエゾ圧電素子を用いたピエゾ方式により機能液滴を吐出しており、ヘッド駆動工程は、駆動波形データに基づいて各ノズルのピエゾ圧電素子に電圧が印可されることにより、各機能液滴吐出ヘッドを駆動することが好ましい。
【0025】
また、これらの場合、機能液滴吐出ヘッドは、ピエゾ圧電素子を用いたピエゾ方式により機能液滴を吐出しており、ヘッド駆動手段は、駆動波形データに基づいて各ノズルのピエゾ圧電素子に電圧が印可されることにより、各機能液滴吐出ヘッドを駆動することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、微少な機能液滴を高精度に吐出可能なピエゾ方式の機能液滴吐出ヘッドを使用することで、より機能液滴の着弾位置にずれを生じることなく描画することができる。
【0027】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、カラーフィルタの基板上に多数のフィルタエレメントを形成する液晶表示装置の製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色のフィルタ材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、フィルタ材料を選択的に吐出して多数のフィルタエレメントを形成することを特徴とする。
【0028】
本発明の有機EL装置の製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、基板上の多数の絵素ピクセルにそれぞれEL発光層を形成する有機EL装置の製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色の発光材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、発光材料を選択的に吐出して多数のEL発光層を形成することを特徴とする。
【0029】
本発明の電子放出装置の製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、電極上に多数の蛍光体を形成する電子放出装置の製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色の蛍光材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを電極に対し相対的に走査し、蛍光材料を選択的に吐出して多数の蛍光体を形成することを特徴とする。
【0030】
本発明のPDP装置の製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、背面基板上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成するPDP装置の製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色の蛍光材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを背面基板に対し相対的に走査し、蛍光材料を選択的に吐出して多数の蛍光体を形成することを特徴とする。
【0031】
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、電極上の多数の凹部に泳動体を形成する電気泳動表示装置の製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色の泳動体材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを電極に対し相対的に走査し、泳動体材料を選択的に吐出して多数の泳動体を形成することを特徴とする。
【0032】
このように、上記の機能液滴吐出装置を、液晶表示装置の製造方法、有機EL(Electro-Luminescence)装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、PDP(Plasma Display Panel)装置の製造方法および電気泳動表示装置の製造方法に適用することにより、各装置に求められるフィルタ材料や発光材料等を、適切な位置に適切な量を選択的に供給することができる。なお、液滴吐出ヘッドの走査は、一般的には主走査および副走査となるが、いわゆる1ラインを単一の液滴吐出ヘッドで構成する場合には、副走査のみとなる。また、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。
【0033】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、基板上に多数のフィルタエレメントを配列して成るカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色のフィルタ材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、フィルタ材料を選択的に吐出して多数のフィルタエレメントを形成することを特徴とする。
この場合、多数のフィルタエレメントを被覆するオーバーコート膜が形成されており、フィルタエレメントを形成した後に、複数の機能液滴吐出ヘッドに透光性のコーティング材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、コーティング材料を選択的に吐出してオーバーコート膜を形成することが、好ましい。
【0034】
本発明の有機ELの製造方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、EL発光層を含む多数の絵素ピクセルを基板上に配列して成る有機ELの製造方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに各色の発光材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、発光材料を選択的に吐出して多数のEL発光層を形成することを特徴とする。
この場合、多数のEL発光層と基板との間には、EL発光層に対応して多数の画素電極が形成されており、複数の機能液滴吐出ヘッドに液状電極材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、液状電極材料を選択的に吐出して多数の画素電極を形成することが、好ましい。この場合、多数のEL発光層を覆うように対向電極が形成されており、EL発光層を形成した後に、複数の機能液滴吐出ヘッドに液状電極材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、液状電極材料を選択的に吐出して対向電極を形成することが、好ましい。
【0035】
本発明のスペーサ形成方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、2枚の基板間に微小なセルギャップを構成すべく多数の粒子状のスペーサを形成するスペーサ形成方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドにスペーサを構成する粒子材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを少なくとも一方の基板に対し相対的に走査し、粒子材料を選択的に吐出して基板上にスペーサを形成することを特徴とする。
【0036】
本発明の金属配線形成方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、基板上に金属配線を形成する金属配線形成方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに液状金属材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、液状金属材料を選択的に吐出して金属配線を形成することを特徴とする。
【0037】
本発明のレンズ形成方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、基板上に多数のマイクロレンズを形成するレンズ形成方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドにレンズ材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、レンズ材料を選択的に吐出して多数のマイクロレンズを形成することを特徴とする。
【0038】
本発明のレジスト形成方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、基板上に任意形状のレジストを形成するレジスト形成方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドにレジスト材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、レジスト材料を選択的に吐出してレジストを形成することを特徴とする。
【0039】
本発明の光拡散体形成方法は、上記した機能液滴吐出装置を用い、基板上に多数の光拡散体を形成する光拡散体形成方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッドに光拡散材料を導入し、キャリッジを介して複数の機能液滴吐出ヘッドを基板に対し相対的に走査し、光拡散材料を選択的に吐出して多数の光拡散体を形成することを特徴とする。
【0040】
このように、上記の機能液滴吐出装置を、カラーフィルタの製造方法、有機ELの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法に適用することにより、各電子デバイスや各光デバイスに求められるフィルタ材料や発光材料等を、適切な位置に適切な量を選択的に供給することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明の描画装置を構成する機能液滴吐出装置は、その複数の機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から、微小な液滴をドット状に精度良く吐出することができることから、機能液に特殊なインクや感光性・発光性の樹脂等を用いることにより、各種部品の製造分野への応用が期待されている。
【0042】
例えば、本実施形態の描画装置は、液晶表示装置や有機EL装置等の、いわゆるフラットディスプレイの製造装置に適用され、その複数の機能液滴吐出ヘッドからフィルタ材料や発光材料等の機能液を吐出して(インクジェット方式)、液晶表示装置におけるR(レッド).G(グリーン).B(ブルー)のフィルタエレメントや、有機EL装置における各画素のEL発光層および正孔注入層を形成するものである。そこで、本実施形態では、液晶表示装置の製造装置等に組み込まれる描画装置を例に、その描画方法について説明する。
【0043】
図1および図2に示すように、描画装置1を構成する機能液滴吐出装置10は、X軸テーブル23およびこれに直交するY軸テーブル24と、Y軸テーブル24に設けたメインキャリッジ25と、メインキャリッジ25に搭載したヘッドユニット26とを有している。詳細は後述するが、ヘッドユニット26には、サブキャリッジ41を介して、複数の機能液滴吐出ヘッド7が搭載されている。また、この複数の機能液滴吐出ヘッド7に対応して、X軸テーブル23の吸着テーブル28上に基板(ワーク)Wがセットされるようになっている。
【0044】
本実施形態の機能液滴吐出装置10では、機能液滴吐出ヘッド7の駆動(機能液滴の選択的吐出)に同期して基板Wが移動する構成であり、機能液滴吐出ヘッド7のいわゆる主走査は、X軸テーブル23のX軸方向への往復の両動作により行われる。また、これに対応して、いわゆる副走査は、Y軸テーブル24により機能液滴吐出ヘッド7のY軸方向への往動動作により行われる。なお、上記の主走査をX軸方向への往動(または復動)動作のみで行うようにしてもよい。
【0045】
ヘッドユニット26は、サブキャリッジ41と、サブキャリッジ41に搭載した複数個(12個)の機能液滴吐出ヘッド7とを備えている。12個の機能液滴吐出ヘッド7は、6個づつ左右に二分され、主走査方向に対し所定の角度傾けて配設されている。なお、本実施形態の機能液滴吐出ヘッド7は、ピエゾ圧電効果を応用した精密ヘッドが使用され、微小液滴を着色層形成領域に選択的に吐出するものである。
【0046】
また、各6個の機能液滴吐出ヘッド7は、副走査方向に対し相互に位置ずれして配設され、12個の機能液滴吐出ヘッド7の全吐出ノズル38が副走査方向において連続する(一部重複)ようになっている。すなわち、実施形態のヘッド配列は、サブキャリッジ41上において、同一方向に傾けて配置した6個の機能液滴吐出ヘッド7を2列としている。このように、所定角度(副走査方向に対して角度θ)の傾斜状態で主走査を行うことにより、複数のノズルのノズル間ピッチを基板W上の画素ピッチに合わせることができる。また、各機能液滴吐出ヘッド7には、2本のノズル列37,37が相互に平行に列設されており、各ノズル列37は、等ピッチで並べた180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル38で構成されている。
【0047】
もっとも、この配列パターンは一例であり、例えば、各ヘッド列における隣接する機能液滴吐出ヘッド7,7同士を90°の角度を持って配置(隣接ヘッド同士が「ハ」字状)したり、各ヘッド列間における機能液滴吐出ヘッド7を90°の角度を持って配置(列間ヘッド同士が「ハ」字状)したりすることは可能である。いずれにしても、12個の機能液滴吐出ヘッド7の全吐出ノズル38によるドットが副走査方向において連続していればよい。
【0048】
また、各種の基板Wに対し機能液滴吐出ヘッド7を専用部品とすれば、機能液滴吐出ヘッド7をあえて傾けてセットする必要は無く、千鳥状や階段状に配設すれば足りる。さらにいえば、所定長さのノズル列37(ドット列)を構成できる限り、これを単一の機能液滴吐出ヘッド7で構成してもよいし複数の機能液滴吐出ヘッド7で構成してもよい。すなわち、機能液滴吐出ヘッド7の個数や列数、さらに配列パターンは任意である。
【0049】
ここで、描画装置1の一連の動作を簡単に説明する。先ず、準備段階として、作業に供する基板W用のヘッドユニット26が機能液滴吐出装置10に運び込まれ、これがメインキャリッジ25にセットされる。ヘッドユニット26がメインキャリッジ25にセットされると、Y軸テーブル24がヘッドユニット26を、図外のヘッド認識カメラの位置に移動させ、ヘッド認識カメラでヘッドアライメントマークを検出することにより、ヘッドユニット26が位置認識される。ここで、この認識結果に基づいて、ヘッドユニット26がθ補正され、且つヘッドユニット26のX軸方向およびY軸方向の位置補正がデータ上で行われる。位置補正後、ヘッドユニット(メインキャリッジ25)26はホーム位置に戻る。
【0050】
一方、X軸テーブル23の吸着テーブル28上に、マガジンから取り出した基板(この場合は、導入される基板毎)Wが導入されると、この位置(受渡し位置)で図外の基板認識カメラにより基板アライメントマークを検出することによって、基板Wを位置認識する。ここで、この認識結果に基づいて、基板Wがθ補正され、且つ基板WのX軸方向およびY軸方向の位置補正がデータ上で行われる。位置補正後、基板(吸着テーブル28)Wはホーム位置に戻る。
【0051】
このようにして準備が完了すると、実際の液滴吐出作業では、先ずX軸テーブル23が駆動し、基板Wを主走査方向に往復動させると共に複数の機能液滴吐出ヘッド7を駆動して、機能液滴の基板Wへの選択的な吐出動作(画素Eの形成)が行われる。基板Wが復動した後、今度はY軸テーブル24が駆動し、ヘッドユニット26を1ピッチ分、副走査方向に移動させ、再度基板Wの主走査方向への往復移動と機能液滴吐出ヘッド7の駆動が行われる。そして、これを数回繰り返すことで、全チップ形成領域Cの描画が行われる。
【0052】
以上により、チップ形成領域Cを構成するR.G.Bの3色のうちの例えばRについての描画を終えると、基板Wを例えばGの機能液滴を吐出する機能液滴吐出装置10へ搬送してGの描画を行う。そして、最終的にBの機能液滴を吐出する機能液滴吐出装置10へ搬送してBの描画を行い、カラー描画された全チップ形成領域Cを個々に切り出すことにより、1のチップ形成領域Cを得ることができる。
【0053】
一方、上記の動作に並行し、液滴吐出装置10の機能液滴吐出ヘッド7には、エアー供給装置42を圧力供給源として機能液供給装置43から機能液が連続的に供給され、また吸着テーブル28では、基板Wを吸着すべく、真空吸引装置15によりエアー吸引が行われる。また、液滴吐出作業の直前には、ヘッドユニット26が図外のクリーニングユニットおよびワイピングユニットに臨んで、機能液滴吐出ヘッド7の全吐出ノズル38からの機能液吸引と、これに続くノズル形成面の拭取りが行われる。また、液滴吐出作業中には、適宜ヘッドユニット26がフラッシングユニットに臨んで、フラッシングが行われる。
【0054】
なお、本実施形態では、ヘッドユニット26に対し、その吐出対象物である基板Wを主走査方向(X軸方向)に移動させるようにしているが、ヘッドユニット26を主走査方向に移動させる構成であってもよい。また、ヘッドユニット26を固定とし、基板Wを主走査方向および副走査方向に移動させる構成であってもよい。
【0055】
次に、図3および図4を参照し、機能液滴吐出装置10の制御構成について説明する。機能液滴吐出装置10は、機能液滴吐出ヘッド7と、これを接続するためのヘッドインターフェース基板111とを有するヘッド部110と、波形・パターン記憶回路基板121と、これを接続するためのインターフェース基板122と、波形・パターン記憶回路基板121にトリガパルスを伝送するトリガ基板123とを有し、機能液滴吐出ヘッド7を駆動する駆動部120と、直流電源131を有し、波形・パターン記憶回路基板121に電源を供給する電源部130と、リニアスケール141を有し、メインキャリッジ25(サブキャリッジ41)を連続的に位置検出する送り検出部140と、装置全体を制御する第1PC151と、主に機能液滴吐出ヘッド7の駆動を制御する第2PC152とを有する制御部150と、により構成されている。
【0056】
ヘッド部110の機能液滴吐出ヘッド7は、上記した構成であり、1ヘッド当たり180個のノズル列が2列使用されている。ヘッドインターフェース基板111は、波形・パターン記憶回路基板121から送信された信号を差動信号変換し、機能液滴吐出のためのピエゾ圧電素子184を駆動する駆動波形データおよび吐出パターンデータ(ビットマップデータ)を機能液滴吐出ヘッド7に送る。
【0057】
駆動部120の波形・パターン記憶回路基板121は、(特に図4に示すように)吐出パターンデータ転送部124と、駆動波形データ転送部125とにより構成され、トリガ基板123からのトリガパルス(トリガ1信号)を受けて吐出パターンデータおよび駆動波形データを順次転送する。詳細については後述するが、トリガ基板123は、リニアスケール141からの信号に基づいて、吸着テーブル28(基板W)に対するメインキャリッジ25(サブキャリッジ41)のX軸方向およびY軸方向の相対移動距離を連続的にカウントすることにより、トリガ1信号(吐出信号)を生成している。この吐出信号をトリガとして、波形・パターン記憶回路基板121は、予め第2PC152から送られ、吐出パターンデータ転送部124の吐出パターンメモリエリア127に格納していた吐出パターンデータをパラレルシリアル変換回路・カウンタ126を介してインターフェース基板111に転送する。なお、吐出パターンデータ転送部124と駆動波形データ転送部125は、物理的に一つの基板で構成されている。これにより、基板を安価で製造できると共に省スペースに配置することができる。
【0058】
一方、パラレルシリアル変換回路・カウンタ126では、吐出パターンデータの転送をカウントし、ノズル列37に対応する1配列分(ノズル180個分)のデータの転送を終えた後、トリガ2信号を駆動波形メモリエリア128に伝送する。駆動波形データ転送部125では、このトリガ2信号をトリガとして、駆動波形メモリエリア128から駆動波形データをアナログ回路ブロック129に送ってアナログ変換し、インターフェース基板111に転送する。また、波形・パターン記憶回路基板121は、電源部131の直流電源131より(ヘッド駆動用として)電源が供給される。
【0059】
送り検出部140のリニアスケール141は、0.5μmピッチでスキャンの送り(吸着テーブル28、メインキャリッジ25の移動)を検出し、位置検出信号をトリガ基板123に伝送する。また、制御部150の第2PC152は、第1PC151とRS−232Cにより接続され、第1PC151からのコマンドを受けて機能液滴吐出ヘッド7の駆動結果等に関するデータを返信する。また、第2PC152は、吐出パターンデータおよび駆動波形データを生成し、これらのデータおよび転送制御信号をインターフェース基板122を介して波形・パターン記憶回路基板121に送ると共に、トリガ制御信号および吐出制御信号をトリガ基板123に送る。
【0060】
次に、図5ないし図9を参照し、吐出パターンデータおよび駆動波形データの転送制御について、詳細に説明する。前述の通り、本発明では、リニアスケール141による位置検出に基づいて、各機能液滴吐出ヘッド7に吐出パターンデータおよび駆動波形データを転送するものである。図5の概略ブロック図に示すように、リニアスケール141による位置検出は、X軸方向(主走査方向)およびY軸方向(副走査方向)について行われる。X軸方向は、吸着テーブル28のモーターおよびこれを駆動するドライバーを介して位置検出し、これをタイミングカウントすることによって位置検出信号を生成する。さらに、この位置検出信号をカウンター値メモリエリアに格納すると共に分周し、吐出信号(トリガ1信号)を生成する。
【0061】
一方、Y軸方向は、メインキャリッジ25のモーターおよびこれを駆動するドライバーを介して位置検出し、これをタイミングカウントすることにより位置検出信号を生成する。但し、メインキャリッジ25のY軸方向への移動中は吐出信号の生成は行われない(すなわち、機能液滴の吐出は行われない)。したがってこの場合、リニアスケール141では、Y軸方向の位置検出を行わず、X軸方向の検出のみを行うように構成しても良い。この構成によれば、リニアスケール141の構成および検出制御を簡素化することができる。
【0062】
生成された吐出信号は、吐出信号ブロック171からそれぞれトリガ1信号・トリガ2信号として吐出データ・駆動波形転送ブロック172に転送され、吐出パターンメモリエリア127および駆動波形メモリエリア128からのデータを機能液滴吐出ヘッド7に転送する。
【0063】
ここで、位置検出信号に基づく、吐出パターンデータおよび駆動波形データの転送動作を図6のタイミングチャートを参照して説明する。まず、リニアスケール141による位置検出によって生成された位置検出信号をn倍(図示の例では12倍)に分周することにより吐出信号(トリガ1信号)を生成する。そして、この吐出信号のたち下がりエッジをトリガとしてノズル列37の1配列分(ノズル180個分)の吐出パターンデータ(例えば180ビット)の転送を行い、その後、トリガ2信号を生成する。すなわち、図示の例では、トリガ1信号の立ち上がり後、位置検出信号の11回目の立ち上がりエッジの入力により、トリガ2信号のトリガが発生する。そして、そのトリガ2信号のたち下がりエッジをトリガとして駆動波形データを転送する。なお、駆動波形データの転送は、次のトリガ2信号のたち下がりエッジの入力までに終了されている。
【0064】
以上の通り、図示点線部が、吐出パターンデータおよび駆動波形データの一連の転送動作となる。このように、ノズル列37の1配列分の吐出パターンデータの転送の後、当該1配列分の駆動波形データを転送することで、転送のタイミングをずらすことができるため、データの重なりによる転送速度の遅れを防止することができる。したがって、(吐出パターンデータおよび駆動波形データの転送時間分の制約は受けるものの)吸着テーブル28の移動速度(描画速度)に遅れが生じることがない。
【0065】
また、これに平行して、駆動波形データの転送中に、トリガ1信号が入力されて、次のノズル列37の吐出パターンデータが転送される。すなわち、n配列目の駆動波形データが転送されているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータが転送されることになる。そして、以上の転送動作を繰り返すことにより、順次吐出パターンデータおよび駆動波形データが転送されることになる。このように、駆動波形データの転送に平行して次配列の吐出パターンデータを転送することで、吐出パターンデータと駆動波形データとのデータの重なりによる転送速度の遅れを防止しつつ、全体として転送速度を早めることができる。すなわち、より描画速度を上げることができる。
【0066】
ところで、本発明では、予め設定されたワークW上に対する描画領域(ワーク領域)外への機能液滴の吐出、すなわちオーバーヘッドを防止するため、描画領域に相当する描画領域信号を生成し、これと吐出間隔パルスとのアンド出力により、吐出信号を生成している。図7(a)に示すように、リニアスケール141の位置検出により生成された位置検出信号を分周することにより、吐出間隔パルスを生成する(吐出間隔用カウンタ176;同図(b)参照)。一方、予め設定しておいた描画領域に関するデータを第2PC152から伝送し、これと位置検出信号により描画領域信号を生成する(描画領域用カウンタ175)。
【0067】
そして、同図(b)に示すように、これら吐出間隔パルスと描画領域信号とをアンド出力することによって、吐出信号を出力し、吐出信号ブロック171によりトリガ1信号、トリガ2信号が生成される。このように、吐出間隔パルスと描画領域信号とのアンド出力により、吐出パターンデータおよび駆動波形データを転送するため、非描画領域をメインキャリッジ25(各機能液滴吐出ヘッド7)が移動しているときにこれらのデータを転送することがない。したがって、描画領域を外れた機能液滴の吐出(オーバーヘッド)を容易に防止することができる。なお、描画領域信号は、メインキャリッジ25単位で(すなわち、全機能液滴吐出ヘッド7同一として)生成しても良いし、メインキャリッジ25(サブキャリッジ41)上の各ヘッド7の位置を考慮して、各全機能液滴吐出ヘッド7毎に異なる描画領域信号を生成しても良い。
【0068】
以上の通り、全ての機能液滴吐出ヘッド7における吐出パターンデータおよび駆動波形データの転送制御は、全て第2PC152によって行われる(図5参照)。すなわち、図8に示すように、リニアスケール141による吸着テーブル28およびメインキャリッジ25の位置検出に基づき、吐出信号ブロック171にて生成されるトリガ1信号およびトリガ2信号は、各機能液滴吐出ヘッド7毎に備えられた吐出データ・駆動波形転送ブロック172(波形・パターン記憶回路基板121)を介して、各機能液滴吐出ヘッド7に転送される。
【0069】
そして、図9に示すように、各吐出データ・駆動波形転送ブロック172では、パラレル変換された吐出パターンデータを、シフトレジスタ181により演算処理し、これをラッチ182で、トリガ2信号と同一のタイミングで出力されるラッチ信号によりラッチした後、ノズル38毎に備えられたアナログスイッチ183をON・OFFする。すなわち、機能液滴を吐出するノズル38はON状態(導通状態)となる。その後、アナログ変換された駆動波形データに基づき、ON状態のアナログスイッチ183を介してピエゾ圧電素子184への電圧印可を行う。このように、微少な機能液滴を高精度に吐出可能な(ピエゾ圧電素子184を用いた)ピエゾ方式の機能液滴吐出ヘッド7を使用することで、より着弾位置にずれを生じることなく描画することができる。
【0070】
なお、シフトレジスタ181は、吐出パターンデータをラッチ182に送った後は、次の吐出パターンデータを受け取り可能な状態となる。したがって、駆動波形データの転送中であっても、次の吐出パターンデータを受け取ることができる(図6参照)。また、駆動波形データの転送は、次のトリガ2信号の入力までに終了されている。これにより、駆動波形データの転送中に、次の吐出パターンデータがラッチされることがないため、ノズル38の吐出不良や損傷を防ぐことができる。
【0071】
上述の通り、本発明の描画方法および描画装置によれば、機能液滴吐出ヘッド7毎に備えられた吐出データ・駆動波形転送ブロック172を介して、吐出パターンデータおよび駆動波形データを転送するため、機能液滴吐出ヘッド7の数によってメインキャリッジ25の移動速度(描画速度)に制約を受けることがない。また、吐出信号は、複数の機能液滴吐出ヘッド7が配設されたメインキャリッジ25(サブキャリッジ41)を連続的に位置検出することによって得られる位置検出信号に基づいて生成されるため、メインキャリッジ25の移動速度の変化によって着弾位置がずれることがない。さらに、これら複数の機能液滴吐出ヘッド7におけるデータの転送制御は、複数のパソコン(CPU)ではなく全て第2PC152のみで行われているため、各CPUの処理速度の違いによる転送タイミングのずれを防止することができると共に、装置構成を簡素化することができる。
【0072】
なお、上記の実施形態では、吐出パターンデータと駆動波形データとは、いずれも波形・パターン記憶回路基板121に記憶され、吐出信号をトリガとして順次転送されるものとしたが、それぞれ別の基板に記憶されるように構成しても良い。この構成によれば、各基板の回路を単純化することができる。
【0073】
また、上記の実施形態では、n配列目の駆動波形データを転送しているときに、平行して(n+1)配列目の吐出パターンデータを転送するものとしたが、n配列目の駆動波形データを転送した後、(n+1)配列目の吐出パターンデータを転送するように構成しても良い。この構成によれば、描画速度は遅くなるものの、駆動波形データによるピエゾ圧電素子184への電圧印可中に次の吐出パターンデータが転送されるなどのトラブルの発生をより防止することができる。
【0074】
また、上記の実施形態では、複数の機能液滴吐出ヘッド7を用いた場合を例に挙げたが、単一の機能液滴吐出ヘッド7を用いた場合にも、本発明が適用できることは言うまでもない。
【0075】
ところで、本発明の描画装置1および機能液滴吐出装置10は、前述の通り、各種フラットディスプレイの製造方法や、各種の電子デバイスおよび光デバイスの製造方法等にも適用可能である。そこで、この描画装置1および機能液滴吐出装置10を用いた製造方法を、液晶表示装置の製造方法および有機EL装置の製造方法を例に、説明する。
【0076】
図10は、液晶表示装置のカラーフィルタの部分拡大図である。図10(a)は平面図であり、図10(b)は図10(a)のB−B´線断面図である。断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0077】
図10(a)に示されるように、カラーフィルタ400は、マトリクス状に並んだ画素(フィルタエレメント)412を備え、画素と画素の境目は、仕切り413によって区切られている。画素412の1つ1つには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかのインク(フィルタ材料)が導入されている。この例では赤、緑、青の配置をいわゆるデルタ配列としたが、ストライプ配列、モザイク配列など、その他の配置でも構わない。
【0078】
図10(b)に示されるように、カラーフィルタ400は、透光性の基板411と、遮光性の仕切り413とを備えている。仕切り413が形成されていない(除去された)部分は、上記画素412を構成する。この画素412に導入された各色のインクは着色層421を構成する。仕切り413及び着色層421の上面には、オーバーコート層422及び電極層423が形成されている。
【0079】
図11は、本発明の実施形態によるカラーフィルタの製造方法を説明する製造工程断面図である。断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0080】
膜厚0.7mm、たて38cm、横30cmの無アルカリガラスからなる透明基板411の表面を、熱濃硫酸に過酸化水素水を1重量%添加した洗浄液で洗浄し、純水でリンスした後、エア乾燥を行って清浄表面を得る。この表面に、スパッタ法によりクロム膜を平均0.2μmの膜厚で形成し、金属層414´を得る(図11:S1)。
【0081】
この基板をホットプレート上で、80℃で5分間乾燥させた後、金属層414´の表面に、スピンコートによりフォトレジスト層(図示せず)を形成する。この基板表面に、所要のマトリクスパターン形状を描画したマスクフィルムを密着させ、紫外線で露光をおこなう。次に、これを、水酸化カリウムを8重量%の割合で含むアルカリ現像液に浸漬して、未露光の部分のフォトレジストを除去し、レジスト層をパターニングする。続いて、露出した金属層を、塩酸を主成分とするエッチング液でエッチング除去する。このようにして所定のマトリクスパターンを有する遮光層(ブラックマトリクス)414を得ることができる(図11:S2)。遮光層414の膜厚は、およそ0.2μmである。また、遮光層414の幅は、およそ22μmである。
【0082】
この基板上に、さらにネガ型の透明アクリル系の感光性樹脂組成物415´をやはりスピンコート法で塗布する(図11:S3)。これを100℃で20分間プレベークした後、所定のマトリクスパターン形状を描画したマスクフィルムを用いて紫外線露光を行なう。未露光部分の樹脂を、やはりアルカリ性の現像液で現像し、純水でリンスした後スピン乾燥する。最終乾燥としてのアフターベークを200℃で30分間行い、樹脂部を十分硬化させることにより、バンク層415が形成され、遮光層414及びバンク層415からなる仕切り413が形成される(図11:S4)。このバンク層415の膜厚は、平均で2.7μmである。また、バンク層415の幅は、およそ14μmである。
【0083】
得られた遮光層414およびバンク層415で区画された着色層形成領域(特にガラス基板411の露出面)のインク濡れ性を改善するため、ドライエッチング、すなわちプラズマ処理を行なう。具体的には、ヘリウムに酸素を20%加えた混合ガスに高電圧を印加し、プラズマ雰囲気でエッチングスポットに形成し、基板を、このエッチングスポット下を通過させてエッチングする。
【0084】
次に、仕切り413で区切られて形成された画素412内に、上記R、G、Bの各インクをインクジェット方式により導入する(図11:S5)。機能液滴吐出ヘッド7(インクジェットヘッド)には、ピエゾ圧電効果を応用した精密ヘッドを使用し、微小インク滴を着色層形成領域毎に10滴、選択的に飛ばす。駆動周波数は14.4kHz、すなわち、各インク滴の吐出間隔は69.5μ秒に設定する。ヘッドとターゲットとの距離は、0.3mmに設定する。ヘッドよりターゲットである着色層形成領域への飛翔速度、飛行曲がり、サテライトと称される分裂迷走滴の発生防止のためには、インクの物性はもとよりヘッドのピエゾ圧電素子184を駆動する波形(電圧を含む)が重要である。従って、あらかじめ条件設定された波形をプログラムして、赤、緑、青の3色を同時に塗布することにより所定の配色パターンにインクを塗布する。
【0085】
インク(フィルタ材料)としては、例えばポリウレタン樹脂オリゴマーに無機顔料を分散させた後、低沸点溶剤としてシクロヘキサノンおよび酢酸ブチルを、高沸点溶剤としてブチルカルビトールアセテートを加え、さらに非イオン系界面活性剤0.01重量%を分散剤として添加し、粘度6〜8センチポアズとしたものを用いる。
【0086】
次に、塗布したインクを乾燥させる。まず、自然雰囲気中で3時間放置してインク層416のセッティングを行った後、80℃のホットプレート上で40分間加熱し、最後にオーブン中で200℃で30分間加熱してインク層416の硬化処理を行って、着色層421が得られる(図11:S6)。
【0087】
上記基板に、透明アクリル樹脂塗料をスピンコートして平滑面を有するオーバーコート層422を形成する。さらに、この上面にITO(Indium Tin Oxide)からなる電極層423を所要パターンで形成して、カラーフィルタ400とする(図11:S7)。なお、このオーバーコート層422を、機能液滴吐出ヘッド7(インクジェットヘッド)によるインクジェット方式で、形成するようにしてもよい。
【0088】
図12は、本発明の製造方法により製造される電気光学装置(フラットディスプレイ)の一例であるカラー液晶表示装置の断面図である。断面図各部のハッチングは一部省略している。
【0089】
このカラー液晶表示装置450は、カラーフィルタ400と対向基板466とを組み合わせ、両者の間に液晶組成物465を封入することにより製造される。液晶表示装置450の一方の基板466の内側の面には、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示せず)と画素電極463とがマトリクス状に形成されている。また、もう一方の基板として、画素電極463に対向する位置に赤、緑、青の着色層421が配列するようにカラーフィルタ400が設置されている。
【0090】
基板466とカラーフィルタ400の対向するそれぞれの面には、配向膜461、464が形成されている。これらの配向膜461、464はラビング処理されており、液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、基板466およびカラーフィルタ400の外側の面には、偏光板462、467がそれぞれ接着されている。また、バックライトとしては蛍光灯(図示せず)と散乱板の組合わせが一般的に用いられており、液晶組成物465をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。
【0091】
なお、電気光学装置は、本発明では上記のカラー液晶表示装置に限定されず、例えば薄型のブラウン管、あるいは液晶シャッター等を用いた小型テレビ、EL表示装置、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイ、FED(Field Emission Display)パネル等の種々の電気光学手段を用いることができる。
【0092】
次に、図13ないし図25を参照して、有機EL装置(有機EL表示装置)とその製造方法を説明する。
【0093】
図13ないし図25は、有機EL素子を含む有機EL装置の製造プロセスと共にその構造を表している。この製造プロセスは、バンク部形成工程と、プラズマ処理工程と、正孔注入/輸送層形成工程及び発光層形成工程からなる発光素子形成工程と、対向電極形成工程と、封止工程とを具備して構成されている。
【0094】
バンク部形成工程では、基板501に予め形成した回路素子部502上及び電極511(画素電極ともいう)上の所定の位置に、無機物バンク層512aと有機物バンク層512bを積層することにより、開口部512gを有するバンク部512を形成する。このように、バンク部形成工程には、電極511の一部に、無機物バンク層512aを形成する工程と、無機物バンク層の上に有機物バンク層512bを形成する工程が含まれる。
【0095】
まず無機物バンク層512aを形成する工程では、図13に示すように、回路素子部502の第2層間絶縁膜544b上及び画素電極511上に、無機物バンク層512aを形成する。無機物バンク層512aを、例えばCVD法、コート法、スパッタ法、蒸着法等によって第2層間絶縁膜544b及び画素電極511の全面にSiO2、TiO2等の無機物膜を形成する。
【0096】
次にこの無機物膜をエッチング等によりパターニングして、電極511の電極面511aの形成位置に対応する下部開口部512cを設ける。このとき、無機物バンク層512aを電極511の周縁部と重なるように形成しておく必要がある。このように、電極511の周縁部(一部)と無機物バンク層512aとが重なるように無機物バンク層512aを形成することにより、発光層510bの発光領域を制御することができる。
【0097】
次に有機物バンク層512bを形成する工程では、図14に示すように、無機物バンク層512a上に有機物バンク層512bを形成する。有機物バンク層512bをフォトリソグラフィ技術等によりエッチングして、有機物バンク層512bの上部開口部512dを形成する。上部開口部512dは、電極面511a及び下部開口部512cに対応する位置に設けられる。
【0098】
上部開口部512dは、図14に示すように、下部開口部512cより広く、電極面511aより狭く形成することが好ましい。これにより、無機物バンク層512aの下部開口部512cを囲む第1積層部512eが、有機物バンク層512bよりも電極511の中央側に延出された形になる。このようにして、上部開口部512d、下部開口部512cを連通させることにより、無機物バンク層512a及び有機物バンク層512bを貫通する開口部512gが形成される。
【0099】
次にプラズマ処理工程では、バンク部512の表面と画素電極の表面511aに、親インク性を示す領域と、撥インク性を示す領域を形成する。このプラズマ処理工程は、予備加熱工程と、バンク部512の上面(512f)及び開口部512gの壁面並びに画素電極511の電極面511aを親インク性を有するように加工する親インク化工程と、有機物バンク層512bの上面512f及び上部開口部512dの壁面を、撥インク性を有するように加工する撥インク化工程と、冷却工程とに大別される。
【0100】
まず、予備加熱工程では、バンク部512を含む基板501を所定の温度まで加熱する。加熱は、例えば基板501を載せるステージにヒータを取り付け、このヒータで当該ステージごと基板501を加熱することにより行う。具体的には、基板501の予備加熱温度を、例えば70〜80℃の範囲とすることが好ましい。
【0101】
次に、親インク化工程では、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。このO2プラズマ処理により、図15に示すように、画素電極511の電極面511a、無機物バンク層512aの第1積層部512e及び有機物バンク層512bの上部開口部512dの壁面ならびに上面512fが親インク処理される。この親インク処理により、これらの各面に水酸基が導入されて親インク性が付与される。図15では、親インク処理された部分を二点鎖線で示している。
【0102】
次に、撥インク化工程では、大気雰囲気中で4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。CF4プラズマ処理により、図16に示すように、上部開口部512d壁面及び有機物バンク層の上面512fが撥インク処理される。この撥インク処理により、これらの各面にフッ素基が導入されて撥インク性が付与される。図16では、撥インク性を示す領域を二点鎖線で示している。
【0103】
次に、冷却工程では、プラズマ処理のために加熱された基板501を室温、またはインクジェット工程(機能液滴吐出工程)の管理温度まで冷却する。プラズマ処理後の基板501を室温、または所定の温度(例えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程を一定の温度で行うことができる。
【0104】
次に、発光素子形成工程では、画素電極511上に正孔注入/輸送層及び発光層を形成することにより発光素子を形成する。発光素子形成工程には、4つの工程が含まれる。即ち、正孔注入/輸送層を形成するための第1組成物を各画素電極上に吐出する第1機能液滴吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて画素電極上に正孔注入/輸送層を形成する正孔注入/輸送層形成工程と、発光層を形成するための第2組成物を正孔注入/輸送層の上に吐出する第2機能液滴吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて正孔注入/輸送層上に発光層を形成する発光層形成工程とが含まれる。
【0105】
まず、第1機能液滴吐出工程では、インクジェット法(機能液滴吐出法)により、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を電極面511a上に吐出する。なお、この第1機能液滴吐出工程以降は、水、酸素の無い窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。(なお、画素電極上にのみ正孔注入/輸送層を形成する場合は、有機物バンク層に隣接して形成される正孔注入/輸送層は形成されない)
【0106】
図17に示すように、インクジェットヘッド(機能液滴吐出ヘッド7)Hに正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を充填し、インクジェットヘッドHの吐出ノズルを下部開口部512c内に位置する電極面511aに対向させ、インクジェットヘッドHと基板501とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された第1組成物滴510cを電極面511a上に吐出する。
【0107】
ここで用いる第1組成物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸(PSS)等の混合物を、極性溶媒に溶解させた組成物を用いることができる。極性溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、ノルマルブタノール、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)及びその誘導体、カルビト−ルアセテート、ブチルカルビト−ルアセテート等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。なお、正孔注入/輸送層形成材料は、R・G・Bの各発光層510bに対して同じ材料を用いても良く、発光層毎に変えても良い。
【0108】
図17に示すように、吐出された第1組成物滴510cは、親インク処理された電極面511a及び第1積層部512e上に広がり、下部、上部開口部512c、512d内に満たされる。電極面511a上に吐出する第1組成物量は、下部、上部開口部512c、512dの大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、第1組成物中の正孔注入/輸送層形成材料の濃度等により決定される。また、第1組成物滴510cは1回のみならず、数回に分けて同一の電極面511a上に吐出しても良い。
【0109】
次に正孔注入/輸送層形成工程では、図18に示すように、吐出後の第1組成物を乾燥処理及び熱処理して第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、電極面511a上に正孔注入/輸送層510aを形成する。乾燥処理を行うと、第1組成物滴510cに含まれる極性溶媒の蒸発が、主に無機物バンク層512a及び有機物バンク層512bに近いところで起き、極性溶媒の蒸発に併せて正孔注入/輸送層形成材料が濃縮されて析出する。
【0110】
これにより図18に示すように、乾燥処理によって電極面511a上でも極性溶媒の蒸発が起き、これにより電極面511a上に正孔注入/輸送層形成材料からなる平坦部510aが形成される。電極面511a上では極性溶媒の蒸発速度がほぼ均一であるため、正孔注入/輸送層の形成材料が電極面511a上で均一に濃縮され、これにより均一な厚さの平坦部510aが形成される。
【0111】
次に第2機能液滴吐出工程では、インクジェット法(機能液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出する。この第2機能液滴吐出工程では、正孔注入/輸送層510aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層510aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
【0112】
しかしその一方で正孔注入/輸送層510aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出しても、正孔注入/輸送層510aと発光層510bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層510bを均一に塗布できないおそれがある。そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層510aの表面の親和性を高めるために、発光層を形成する前に表面改質工程を行うことが好ましい。
【0113】
そこでまず、表面改質工程について説明する。表面改質工程は、発光層形成の際に用いる第1組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質用溶媒を、インクジェット法(機能液滴吐出法)、スピンコート法またはディップ法により正孔注入/輸送層510a上に塗布した後に乾燥することにより行う。
【0114】
例えば、インクジェット法による塗布は、図19に示すように、インクジェットヘッドHに、表面改質用溶媒を充填し、インクジェットヘッドHの吐出ノズルを基板(すなわち、正孔注入/輸送層510aが形成された基板)に対向させ、インクジェットヘッドHと基板501とを相対移動させながら、吐出ノズルHから表面改質用溶媒510dを正孔注入/輸送層510a上に吐出することにより行う。そして、図20に示すように、表面改質用溶媒510dを乾燥させる。
【0115】
次に第2機能液滴吐出工程では、インクジェット法(機能液滴吐出法)により、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層510a上に吐出する。図21に示すように、インクジェットヘッドHに、青色(B)発光層形成材料を含有する第2組成物を充填し、インクジェットヘッドHの吐出ノズルを下部、上部開口部512c、512d内に位置する正孔注入/輸送層510aに対向させ、インクジェットヘッドHと基板501とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された第2組成物滴510eとして吐出し、この第2組成物滴510eを正孔注入/輸送層510a上に吐出する。
【0116】
発光層形成材料としては、ポリフルオレン系高分子誘導体や、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、あるいは上記高分子に有機EL材料をドープして用いる事ができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープすることにより用いることができる。
【0117】
非極性溶媒としては、正孔注入/輸送層510aに対して不溶なものが好ましく、例えば、シクロへキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等を用いることができる。このような非極性溶媒を発光層510bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層510aを再溶解させることなく第2組成物を塗布できる。
【0118】
図21に示すように、吐出された第2組成物510eは、正孔注入/輸送層510a上に広がって下部、上部開口部512c、512d内に満たされる。第2組成物510eは1回のみならず、数回に分けて同一の正孔注入/輸送層510a上に吐出しても良い。この場合、各回における第2組成物の量は同一でも良く、各回毎に第2組成物量を変えても良い。
【0119】
次に発光層形成工程では、第2組成物を吐出した後に乾燥処理及び熱処理を施して、正孔注入/輸送層510a上に発光層510bを形成する。乾燥処理は、吐出後の第2組成物を乾燥処理することにより第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発して、図22に示すような青色(B)発光層510bを形成する。
【0120】
続けて、図23に示すように、青色(B)発光層510bの場合と同様にして、赤色(R)発光層510bを形成し、最後に緑色(G)発光層510bを形成する。なお、発光層510bの形成順序は、前述の順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。
【0121】
次に対向電極形成工程では、図24に示すように、発光層510b及び有機物バンク層512bの全面に陰極503(対向電極)を形成する。なお,陰極503は複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料を形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiF等を薄く形成した方が良い場合もある。また、上部側(封止側)には下部側よりも仕事関数が高いものが好ましい。これらの陰極(陰極層)503は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層510bの熱による損傷を防止できる点で好ましい。
【0122】
また、フッ化リチウムは、発光層510b上のみに形成しても良く、更に青色(B)発光層510b上のみに形成しても良い。この場合、他の赤色(R)発光層及び緑色(G)発光層510b、510bには、LiFからなる上部陰極層503bが接することとなる。また陰極12の上部には、蒸着法、スパッタ法、CVD法等により形成したAl膜、Ag膜等を用いることが好ましい。また、陰極503上に、酸化防止のためにSiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
【0123】
最後に、図25に示す封止工程では、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で、有機EL素子504上に封止用基板505を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、陰極503にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極503に侵入して陰極503が酸化されるおそれがあるので好ましくない。そして最後に、フレキシブル基板の配線に陰極503を接続するとともに、駆動ICに回路素子部502の配線を接続することにより、本実施形態の有機EL装置500が得られる。
【0124】
なお、画素電極511および陰極(対向電極)503の形成において、インクジェットヘッドHによるインクジェット方式を採用してもよい。すなわち、液体の電極材料をインクジェットヘッドHにそれぞれ導入し、これをインクジェットヘッドHから吐出して、画素電極511および陰極503をそれぞれ形成する(乾燥工程を含む)。
【0125】
同様に、本実施形態の機能液滴吐出装置10は、電子放出装置の製造方法、PDP装置の製造方法および電気泳動表示装置の製造方法等に、適用することができる。
【0126】
電子放出装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド7にR、G、B各色の蛍光材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、電極上に多数の蛍光体を形成する。なお、電子放出装置は、FED(電界放出ディスプレイ)を含む上位の概念である。
【0127】
PDP装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド7にR、G、B各色の蛍光材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、蛍光材料を選択的に吐出して、背面基板上の多数の凹部にそれぞれ蛍光体を形成する。
【0128】
電気泳動表示装置の製造方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド7に各色の泳動体材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、インク材料を選択的に吐出して、電極上の多数の凹部にそれぞれ泳動体を形成する。なお、帯電粒子と染料とから成る泳動体は、マイクロカプセルに封入されていることが、好ましい。
【0129】
一方、本実施形態の機能液滴吐出装置10は、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法等にも、適用可能である。
【0130】
スペーサ形成方法は、2枚の基板間に微小なセルギャップを構成すべく多数の粒子状のスペーサを形成するものであり、複数の機能液滴吐出ヘッド7にスペーサを構成する粒子材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、粒子材料を選択的に吐出して少なくとも一方の基板上にスペーサを形成する。例えば、上記の液晶表示装置や電気泳動表示装置における2枚の基板間のセルギャップを構成する場合に有用であり、その他この種の微小なギャップを必要とする半導体製造技術に適用できることはいうまでもない。
【0131】
金属配線形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド7に液状金属材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、液状金属材料を選択的に吐出して、基板上に金属配線を形成する。例えば、上記の液晶表示装置におけるドライバと各電極とを接続する金属配線や、上記の有機EL装置におけるTFT等と各電極とを接続する金属配線に適用することができる。また、この種のフラットディスプレイの他、一般的な半導体製造技術に適用できることはいうまでもない。
【0132】
レンズ形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド7にレンズ材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、レンズ材料を選択的に吐出して、透明基板上に多数のマイクロレンズを形成する。例えば、上記のFED装置におけるビーム収束用のデバイスとして適用可能である。また、各種の光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0133】
レジスト形成方法では、複数の機能液滴吐出ヘッド7にレジスト材料を導入し複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、レジスト材料を選択的に吐出して、基板上に任意形状のフォトレジストを形成する。例えば、上記の各種表示装置おけるバンクの形成は元より、半導体製造技術の主体を為すフォトリソグラフィー法において、フォトレジストの塗布に広く適用可能である。
【0134】
光拡散体形成方法では、基板上に多数の光拡散体を形成する光拡散体形成方法であって、複数の機能液滴吐出ヘッド7に光拡散材料を導入し、複数の機能液滴吐出ヘッド7を主走査および副走査し、光拡散材料を選択的に吐出して多数の光拡散体を形成する。この場合も、各種の光デバイスに適用可能であることはいうまでもない。
【0135】
【発明の効果】
以上のように、本発明の描画方法および描画装置によれば、機能液滴吐出ヘッド毎に記憶された吐出パターンデータおよび駆動波形データを順次転送するため、機能液滴吐出ヘッドの数によって描画速度に制約を受けることがない。また、吐出信号は、複数の機能液滴吐出ヘッドが配設されたキャリッジを連続的に位置検出することによって得られる位置検出信号に基づいて生成されるため、キャリッジの移動速度の変化によって着弾位置がずれることがない。
【0136】
一方、本発明の液晶表示装置の製造方法、有機EL装置の製造方法、電子放出装置の製造方法、PDP装置の製造方法および電気泳動表示装置の製造方法によれば、各装置におけるフィルタ材料や発光材料等に適した機能液滴吐出ヘッドを簡単に導入することができるため、製造効率を向上させることができる。
【0137】
また、本発明のカラーフィルタの製造方法、有機ELの製造方法、スペーサ形成方法、金属配線形成方法、レンズ形成方法、レジスト形成方法および光拡散体形成方法によれば、各電子デバイスや各光デバイスにおけるフィルタ材料や発光材料等に適した機能液滴吐出ヘッドを簡単に導入することができため、製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る描画装置の模式図である。
【図2】 実施形態に係る機能液滴吐出ヘッドと基板の模式図である。
【図3】 実施形態に係る機能液滴吐出装置の制御系のブロック図である。
【図4】 波形・パターン記憶回路基板を詳細に示した制御系のブロック図である。
【図5】 実施形態に係るデータの転送制御を概略的に示した概略ブロック図である。
【図6】 実施形態に係るデータの転送動作を示すタイミングチャートである。
【図7】 実施形態に係る描画領域信号の生成制御を概略的に示した概略ブロック図並びにタイミングチャートである。
【図8】 実施形態に係る複数の機能液滴吐出ヘッドへのデータの転送制御を概略的に示した概略ブロック図である。
【図9】 実施形態に係る吐出データ・駆動波形転送ブロックを示す模式図である。
【図10】 実施形態のカラーフィルタの製造方法により製造されるカラーフィルタの部分拡大図である。
【図11】 実施形態のカラーフィルタの製造方法を模式的に示す製造工程断面図である。
【図12】 実施形態のカラーフィルタの製造方法により製造される液晶表示装置の断面図である。
【図13】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるバンク部形成工程(無機物バンク)の断面図である。
【図14】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるバンク部形成工程(有機物バンク)の断面図である。
【図15】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるプラズマ処理工程(親水化処理)の断面図である。
【図16】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるプラズマ処理工程(撥水化処理)の断面図である。
【図17】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法における正孔注入層形成工程(機能液滴吐出)の断面図である。
【図18】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法における正孔注入層形成工程(乾燥)の断面図である。
【図19】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法における表面改質工程(機能液滴吐出)の断面図である。
【図20】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法における表面改質工程(乾燥)の断面図である。
【図21】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるB発光層形成工程(機能液滴吐出)の断面図である。
【図22】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるB発光層形成工程(乾燥)の断面図である。
【図23】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法におけるR・G・B発光層形成工程の断面図である。
【図24】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法における対向電極形成工程の断面図である。
【図25】 実施形態に係る有機EL装置の製造方法における封止工程の断面図である。
【符号の説明】
1 描画装置 7 機能液滴吐出ヘッド
10 機能液滴吐出装置 15 真空吸引装置
23 X軸テーブル 24 Y軸テーブル
25 メインキャリッジ 26 ヘッドユニット
28 吸着テーブル 37 ノズル列
38 ノズル 41 サブキャリッジ
42 エアー供給装置 43 機能液供給装置
110 ヘッド部 120 駆動部
121 波形・パターン記憶回路基板 123 トリガ基板
124 吐出パターンデータ転送部 125 駆動波形データ転送部
130 電源部 140 送り検出部
141 リニアスケール 150 制御部
152 第2PC 171 吐出信号ブロック
172 吐出データ・駆動波形転送ブロック
175 描画領域用カウンタ 176 吐出間隔用カウンタ
181 シフトレジスタ 182 ラッチ
183 アナログスイッチ 184 ピエゾ圧電素子
400 カラーフィルタ 412 画素
415 バンク層 416 インク層
422 オーバーコート層 466 基板
500 有機EL装置 501 基板
502 回路素子部 504 有機EL素子
510a 正孔注入/輸送層 510b 発光層
C チップ形成領域 W 基板
Claims (4)
- キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画装置であって、
移動する前記キャリッジの位置検出信号に基づいて、吐出信号を生成する吐出信号生成手段と、
前記吐出信号をトリガとして、前記ノズル列に対応する1配列分の吐出パターンデータと、当該1配列分の駆動波形データと、を転送する吐出データ・駆動波形データ転送手段と、
転送された前記吐出パターンデータおよび前記駆動波形データに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動手段と、を備え、
前記吐出データ・駆動波形データ転送手段は、
転送された前記吐出パターンデータを格納するシフトレジスタと、
前記駆動波形データの転送時に、前記シフトレジスタに格納されている前記吐出パターンデータをラッチするラッチと、
前記ラッチの出力と、転送された前記駆動波形データとに基づいて、前記各ノズルに電圧印可するスイッチと、を有し、
前記n配列目の駆動波形データが前記スイッチに転送されているときに、平行して(n+1)配列目の前記吐出パターンデータを前記シフトレジスタに転送することを特徴とする描画装置。 - 前記機能液滴吐出ヘッドの移動領域内において、前記ワーク上に対する描画領域と非描画領域とを設定する描画領域設定手段を更に備え、
前記吐出データ・駆動波形データ転送手段は、前記位置検出信号に基づいて、前記機能液滴吐出ヘッドが前記描画領域を移動中であるときに、前記吐出信号をトリガとして前記吐出パターンデータおよび前記駆動波形データを転送することを特徴とする請求項1に記載の描画装置。 - キャリッジに配設された複数の機能液滴吐出ヘッドを使用し、各機能液滴吐出ヘッドに列設されたノズル列から機能液滴を選択的に吐出することによりワーク上に描画を行う描画方法であって、
移動する前記キャリッジの位置検出信号に基づいて、吐出信号を生成する吐出信号生成工程と、
前記吐出信号をトリガとして、前記ノズル列に対応する1配列分の吐出パターンデータと、当該1配列分の駆動波形データとを、吐出データ・駆動波形転送ブロックを介して転送する吐出データ・駆動波形データ転送工程と、
転送された前記吐出パターンデータおよび前記駆動波形データに基づいて各機能液滴吐出ヘッドを駆動するヘッド駆動工程と、を備え、
前記吐出データ・駆動波形転送ブロックは、
転送された前記吐出パターンデータを格納するシフトレジスタと、
前記駆動波形データの転送時に、前記シフトレジスタに格納されている前記吐出パターンデータをラッチするラッチと、
前記ラッチの出力と、転送された前記駆動波形データとに基づいて、前記各ノズルに電圧印可するスイッチと、を有し、
前記吐出データ・駆動波形データ転送工程では、
前記n配列目の駆動波形データが前記スイッチに転送されているときに、平行して(n+1)配列目の前記吐出パターンデータを前記シフトレジスタに転送することを特徴とする描画方法。 - 前記機能液滴吐出ヘッドの移動領域内において、前記ワーク上に対する描画領域と非描画領域とを設定する描画領域設定工程を更に備え、
前記吐出データ・駆動波形データ転送工程では、前記位置検出信号に基づいて、前記機能液滴吐出ヘッドが前記描画領域を移動中であるときに、前記吐出信号をトリガとして前記吐出パターンデータおよび前記駆動波形データを転送することを特徴とする請求項3に記載の描画方法。
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