JP4186907B2 - 電子機器 - Google Patents
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Description
このような電子機器として、いわゆる立体音場再生方式による複数チャンネルのオーディオ信号を記録するために複数のマイクロフォンを設けたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方、電子機器の内部には、例えば、CDやDVDなどの光ディスク、MDなどの光磁気ディスクなどの記録媒体を駆動するためのモータやその動力伝達機構などが収容される。
そのため、これらモータや動力伝達機構から発生した振動や雑音が筐体を介してマイクロフォンに伝達され、雑音が記録媒体に記録されてしまうことが懸念される。
したがって、電子機器内部で発生する雑音や振動がマイクロフォンへ伝達することを如何に抑制するかが課題となっている。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的はマイクロフォンに伝達される雑音や振動を抑制し良好なオーディオ信号を得る上で有利な電子機器を提供することにある。
また、筐体の内部で発生する振動は、保持体と底壁との間に隙間が形成されているので、振動が底壁から保持体に直接伝達されることが阻止され、また、振動は底壁から支持片に伝達されるものの、保持体によって緩和される。そのため、マイクロフォンに到達する振動を抑制し、良好なオーディオ信号を得る上で有利となる。
本実施例では電子機器が撮像装置である場合について説明する。
図1は撮像装置の斜視図、図2は撮像装置の制御系のブロック図である。
図3は撮像装置の凹部の斜視図、図4はマイクロフォンユニットの分解斜視図、図5(A)、(B)はマイクロフォンユニットの斜視図、図6(A)はマイクロフォンユニットの平面図、(B)は(A)のBB線断面図、図7(A)はマイクロフォンユニットの側面図、(B)は(A)のBB線断面図である。
図8は筐体に取着されたマイクロフォンユニットの断面図である。
図9(A)はマイクロフォンユニットの平面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(A)のC矢視図、(D)は(A)のD矢視図、(E)は(A)のE矢視図、(F)は(C)のF矢視図である。
図10はマイクロフォンユニットの平面図、図11は図10のB矢視図、図12は図10のC矢視図、図13は図10のD矢視図、図14は図10のE矢視図、図15は図12のF矢視図、図16はマイクロフォンユニットの斜視図である。
ケース11の前部には撮影光学系14を収容する鏡筒10が組み込まれ、鏡筒10には前方に臨ませて対物レンズ1402が設けられている。
なお、本明細書では、ケース11の前後は対物レンズ1402の光軸の被写体側を前方、その反対側を後方といい、ケース11の左右はケース11を前方から見た状態でいうものとする。
鏡筒10の後部には撮影光学系14によって導かれた被写体像を撮像するCCDやCMOSセンサなどからなる撮像素子18(図2)が設けられている。
ケース11の後面上部には撮像素子18によって撮像された被写体像を視認するためのビューファインダー20が設けられている。
ケース11の上面前部寄りの箇所には、マイクロフォンユニット50が組み込まれている。
ケース11の右側面には、撮像素子18によって撮像された画像や記録媒体116から再生された動画や静止画、あるいは、文字や記号などが表示される矩形板状のディスプレイ110がヒンジを介して開閉可能に取着されている。
ケース11の左側面には、光ディスクからなる記録媒体116(図2)を装脱可能に保持する記録再生機構が設けられている。
記録再生機構130は、撮像素子18によって撮像された映像信号およびマイクロフォンユニット50に設けられた4個のマイクロフォン52(図2)によって捉えられたオーディオ信号を記録媒体116に記録するとともに、記録媒体116に記録されている映像信号およびオーディオ信号を再生するように構成されている。
ケース11の上面後部寄りの箇所および左右側面の後部寄りの箇所には、撮影光学系14のズーミング動作を行なわせるためのズームスイッチ、各種操作を行なうための操作ボタン、撮影開始/停止ボタンなどを含む種々の操作スイッチ108が設けられている。
制御部124は、各操作スイッチ108の操作に応じて画像処理部120、表示処理部124、記録再生機構130、オーディオ信号処理部132などを制御するように構成されている。
現在、立体音場再生方法としては、ドルビーサラウンド(DOLBY SURROUND)方式、ドルビーサラウンドプロロジック(DOLBY SURROUND PRO LOGIC)方式、ドルビーデジタル(DOLBY DIGITAL)方式及びDTS(Digital Theater Systems)方式等の左右及び前後方向の音場を再生する立体音場(以下の説明においては立体音場と称する)再生方法がよく知られている。
このような立体音場再生方法に対応して生成されたオーディオ信号が記録された記録媒体を立体音場再生方法が適用された再生装置で再生することにより臨場感を享受することができる。
また、上述した立体音場再生方法に対応したオーディオ信号を録音するためには、3方向以上の多方面からの音を別々のマイクロフォンにより収音する必要がある。
本実施例では、上述した立体音場再生方法の1つである5.1チャンネル方式に対応して4つのマイクロフォンを用いて収音を行うようにしている。
なお、ドルビー(DOLBY)、ドルビーサラウンド(DOLBY SURROUND)、ドルビーサラウンドプロロジック(DOLBY SURROUND PRO LOGIC)、ドルビーデジタル(DOLBY DIGITAL)は、米国ドルビー・ラボラトリーズ・ライセンシング・コーポレーションの登録商標、また、DTSは米国Digital Theater Systems Inc.の登録商標である。
図1、図8に示すように、マイクロフォンユニット50は、筐体11の上面前部に形成されたマイクロフォン52を配設するための収容凹部1102と、この収容凹部1102に支持片54を介して支持された保持体56と、保持体56で支持されたマイクロフォン52と、保持体56の上面5602を覆うグリル58などで構成されている。
詳細に説明すると、収容凹部1102は、筐体11に形成された底壁1104および底壁1104の外周から起立する側壁1106からなる上方に開放状の収容凹部1102とで構成されている。
実施例では、図1、図3に示すように、筐体11は、筐体本体11Aと、筐体本体11Aの上面前部に一体的に取着される分割体11Bで構成され、収容凹部1102は分割体11Bに形成されている。
振動緩和材料としては、例えば、エラストマー、ゴムなどの弾性体を用いることができる。
図4、図8に示すように、保持体56は、本実施例では円板状に形成され、外周部が収容凹部1102の側壁1106に弾接する大きさの直径の円筒面で形成されている。
保持体56の外周部が収容凹部1102に弾接され保持体56が収容凹部1102に収容された状態で、保持体56は上方を向いた上面5602と収容凹部1102の底壁1104に臨む下面5604を有し、保持体56の下面5604と収容凹部1102の底壁1104との間に隙間(空間)Sが確保されている。
また、保持体56が収容凹部1102に収容された状態で、保持体56の上面5602は対物レンズ1402の光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面で形成されている。
また、保持体56の上面5602にはマイクロフォン用凹部5606(実施例では保持体56の厚さ方向に貫通するマイクロフォン用孔)が上方に開放状に形成されている。
マイクロフォン用凹部5606は、保持体56の外周部で周方向に等間隔をおいて4つ設けられている。
各マイクロフォン用凹部5606は、保持体56が支持片54を介し収容凹部1102内に収容された状態で、保持体56の前後部および左右部に位置する箇所にそれぞれ配置されている。
さらに、各マイクロフォン用凹部5606は、保持すべきマイクロフォン52が、対物レンズ1402の光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面上に配置されるようにその深さなどが形成されている。
また、保持体56の上面5602には、保持体56の外周縁に沿ってグリル嵌め込み用溝5608が外周の全周に連続して形成されている。
また、保持体56の中心からずらした箇所に上面5602から下面5604に貫通するばね挿通用孔5610が形成されている。本実施例では、ばね挿通用孔5610は、図6(A)に示すように、上面5602側に位置する大径部5610Aと、下面5604側に位置する小径部5610Bとで構成されている。
また、周壁5614の互いに対向する箇所にはそれぞれ下方に開放状の切り欠き5618が形成されている。
図4に示すように、支持片54は、収容凹部1102の底壁1104に取着される矩形状の本体部5402と、本体部5402の四隅から突設された4つの係止爪5404と、本体部5402の互いに対向する箇所からそれぞれ突設された2つの位置決め片5406とを備えている。
4つの係止爪5404および2つの位置決め片5406は、本体部5402に対して本体部5402の厚さ方向に変位した箇所を延在するように設けられ、収容凹部1102内で保持体56を底壁1104との間に隙間Sを確保して支持するように形成されている。
図8に示すように、本体部5402の中心にねじ孔5408が形成され、図4に示すように、2つの位置決め片5406にはそれぞれ位置決め孔5410が形成されている。
図4、図5(B)に示すように、フレキシブル基板53は、各マイクロフォン52から出力される音声検出信号を伝達する導電パターンが形成された帯状の第1の配線部5302と、アース電位に接続されるアース接続用パターンが形成された帯状の第2の配線部5304とを有している。
図8に示すように、4つのマイクロフォン52は、それぞれ各マイクロフォン用凹部5606に嵌め込まれて配設され、各マイクロフォン52は、対物レンズ1402の光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面上で保持体56の前後部および左右部に位置する箇所にそれぞれ配置される。
上面部5802は、保持体56の上面5602を覆う大きさで保持体56の上面5602と合致する円筒面で形成され、側面部5804は保持体56のグリル嵌め込み用溝5608に嵌合可能に形成されている。
上面部5802には、各マイクロフォン52に臨む箇所に複数の孔5806が貫設されている。
本実施例では、図4に示すように、グリル58の上面部5802と保持体56の上面5602の間には、保持体56の各マイクロフォン用凹部5606を覆う不織布62が介在されている。不織布62は、風がマイクロフォン用孔部5606を通ってマイクロフォン52に吹き込んで雑音が発生することを防止する機能を果たしている。
保持体56のマイクロフォン用凹部5606に下面5604からマイクロフォン52が嵌め込まれ、保持体56の下面5604の下方でフレキシブル基板53が水平方向に延在する。
次にコイルスプリング60をばね挿通用孔5610に挿通する。詳細には、コイルスプリング60のコイル部6002をばね挿通用孔5610の大径部5610Aに、軸部6004をばね挿通用孔5610の小径部5610Bに挿通する。
次にグリル嵌め込み用溝5608にグリル58の側壁部5804を嵌め込み、グリル58の上面部5802の裏面に不織布62を当て付け、グリル58の上面部5802を保持体56の上面5602に装着する。
次に、支持片54の4つの係止爪5404を保持体56の係止溝5616に挿入し、2つの位置決め片5406を保持体56の切り欠き5618に収容する。これにより、第1、第2の配線部5302、5304は支持片54の上を水平方向に延在することになる。
次に、フレキシブル基板53の第1、第2の配線部5302、5304のうち、第2の配線部5304を本体部5402の上面から本体部5402の縁で折り返し、本体部5402の下面に至らせ、本体部5402の下面中央の下方に位置する第2の配線部5304の箇所を本体部5402の下面中央に接着する。これにより、フレキシブル基板53の第2の配線部5304のアース接続用パターン部分が支持片54の本体部5402に電気的に接続される。第1の配線部5302は不図示のコネクタおよび配線ケーブルを介して図2のオーディオ信号処理部132に接続される。
次に、図3、図9〜図16に示すように、マイクロフォン52やグリル58、不織布62が装着された保持体56を収容凹部1102に収容しつつフレキシブル基板53の第1、第2の配線部5302、5304の端部を底壁1104に設けられた溝1108を通し筐体11の内部に至らせる。溝1108とフレキシブル基板53の間に生じる隙間Sは、音の伝搬を防止する材料で形成された消音シートを貼り付けて閉塞する。
次に、収容凹部1102の底部を構成する分割体11Bの部分のねじ挿通孔1112を通してねじ1114を支持片54のねじ孔5408に螺合させる。
これにより、保持体56は、その下面5604が収容凹部1102内で底壁1104との間に隙間Sを確保して支持される。
また、コイルスプリング6は、支持片54とグリル58により圧縮され、これにより、支持片54とグリル58がコイルスプリング60を介して電気的に導通される。
なお、本実施例では、図8に示すように、収容凹部1102の底壁1104を構成する分割体11Bの下面箇所にアース電位に接続されたアース板70が取着されている。第2の配線部5304の部分はアース板70とともにねじ1114により分割体11Bの下面に取着されている。これにより、第2の配線部5304のアース接続用パターンとアース板70が電気的に接続され、アース板70は第2の配線部5304のアース接続用パターンを介して支持片54に電気的に接続される。
すなわち、アース板70は、第2の配線部5304のアース接続用パターンを介して支持片54に電気的に接続され、支持片54は、コイルスプリング60を介してグリル58に電気的に接続され、これにより、支持片54とグリル58はアースに確実に接続され、マイクロフォン52に対するノイズの影響を防止する上で有利となっている。
したがって、筐体11の内部で発生する雑音は、収容凹部1102を構成する底壁1104および側壁1106と、隙間Sと、保持体56によって緩和されるため、マイクロフォン52に到達する雑音を抑制し、良好なオーディオ信号を得る上で有利となる。
また、筐体11の内部で発生する振動は、保持体56と底壁1104との間に隙間Sが形成されているので、振動が底壁1104から保持体56に直接伝達されることが阻止され、また、振動は底壁1104から支持片54に伝達されるものの、保持体56によって緩和される。そのため、マイクロフォン52に到達する振動を抑制し、良好なオーディオ信号を得る上で有利となる。
したがって、5.1チャンネル方式などの立体音場再生方式による複数チャンネルのオーディオ信号を生成するために微弱な音声を効果的に収音する上で、前記雑音や振動の影響を大幅に抑制することができ、記録媒体116に記録される立体音場再生方式によるオーディオ信号の品質を高め、記録媒体116を立体音場再生方式のオーディオ装置(再生装置)で再生した場合にユーザーの臨場感を高める上で極めて有利となる。
また、本実施例では、各マイクロフォン52は、対物レンズ1402の光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面上で保持体56の前後部および左右部に位置する箇所にそれぞれ配置されている。このように4つのマイクロフォン52が円筒面上に配置されていると、4つのマイクロフォン52を同一の平面上に配置した場合に比較して、周囲の音響をよりバランスよく収音することができ、特に5.1チャンネル用のオーディオ信号の特性を向上させる上で有利となる。
また、本実施例では、本発明をデジタルビデオカメラに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、デジタルスチルカメラなどの撮像装置、あるいは、カメラを内蔵した携帯電話機、あるいは、撮像装置以外の録音装置、そのような録音装置が組み込まれた装置にも適用可能であることは無論である。
Claims (7)
- マイクロフォンが取着された電子機器であって、
前記電子機器の外装を構成する筐体と、
前記筐体に形成された底壁および底壁の外周から起立する側壁からなる外方に開放状の収容凹部と、
振動を緩和する振動緩和材料から形成され前記収容凹部内に収容される保持体と、
前記保持体を前記収容凹部内で前記底壁との間に隙間を確保して支持する支持片と、
前記保持体が前記支持片により前記収容凹部内で支持された状態で前記保持体が外方に臨む面に開放状に形成されたマイクロフォン用凹部と、
前記マイクロフォン用凹部に嵌め込まれたマイクロフォンと、
前記保持体が前記支持片により前記収容凹部内で支持された状態で前記保持体が外方に臨む面を覆うように前記保持体の面に被せられ前記マイクロフォンに臨む箇所に複数の孔が貫設されたグリルとを備え、
前記電子機器は撮像装置であり、
前記撮像装置の撮影光学系を構成する対物レンズはその光軸が被写体側を前方とした前後方向に延在し、
前記マイクロフォン用凹部は前記保持体の前後部および左右部にそれぞれ設けられ、
前記マイクロフォンは4つ設けられそれぞれ前記各マイクロフォン用凹部に配設され、
前記4つのマイクロフォンは前記保持体の前後部および左右部にそれぞれ配置され、かつ、前記光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面上に配置されている、
ことを特徴とする電子機器。 - 前記保持体が前記支持片により前記収容凹部内で支持された状態で前記保持体の外周部は前記収容凹部の側壁に嵌合されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記マイクロフォン用凹部は互いに間隔をおいて複数設けられ、前記各マイクロフォン用凹部にそれぞれマイクロフォンが嵌め込まれていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記筐体は、筐体本体と、前記筐体本体に一体的に取着される分割体で構成され、前記収容凹部が設けられた前記筐体の部分は前記分割体に構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記電子機器は撮像装置であり、前記撮像装置の撮影光学系を構成する対物レンズはその光軸が被写体側を前方とした前後方向に延在し、前記マイクロフォン用凹部は前記保持体の外周部に周方向に互いに間隔をおいて複数設けられ、前記各マイクロフォン用凹部にそれぞれマイクロフォンが嵌め込まれ、前記各マイクロフォン用凹部により前記複数のマイクロフォンは、前記光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記保持体が前記支持片により前記収容凹部内で支持された状態で前記保持体が外方に臨む面および前記グリルは、前記光軸と平行する仮想の軸を中心とした円筒面で形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記支持片とグリルは導電性を有する材料で構成され、導電性を有する材料で形成されたコイルスプリングが設けられ、前記コイルスプリングは前記保持体に貫設された孔に配設され、前記コイルスプリングは前記支持片とグリルにより圧縮されていることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
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