JP4185263B2 - シート状媒体整合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シート状媒体整合装置、画像形成装置、シート状媒体後処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成などされて一定間隔で次々と搬送されてくるシート状媒体を積載手段としてのトレイ上に積載状態で整合し、また、仕分けなどする手段として、非公知のシート状媒体整合装置が提案されている。
【0003】
その概要は、図44、45において搬送されてくるシート状媒体を排出する下コロ3a、上コロ3bの対からなる排紙コロ3を以って構成される排出手段と、この排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段(以下、トレイ12という。)と、このトレイ12上に積載されたシート状媒体の前記排出手段によるシート状媒体の排出方向aと平行な端部を挟むように接して揃える揃え手段(図44、45には図示されず。後述)と、シート状媒体を仕分けるためにトレイ12又は前記揃え手段を排出手段のシート状媒体排出方向aと直交するシフト方向dに所定量移動させてシート状媒体を仕分ける仕分け手段(トレイ移動手段又は揃え部材駆動手段)と、シート状媒体に接離自在の回転体からなりシート状媒体に接触したまま回転することでシート状媒体を移動させてトレイ12の前記排出方向aでの上流側端部に設けられた立壁(以下、エンドフェンスという。)に突き当てて整合させる戻し動作を行なうことができる戻し手段を具備したものである。図44、図45では戻し手段の一部である戻しコロ121'a、121'bを示している。
【0004】
このシート状媒体整合装置は画像形成装置の一部として構成され、或はシート状媒体後処理装置の一部として構成されて、次々の搬送されてくるシート状媒体を前記排出方向について整合する縦揃え、前記排出方向と直交する方向について整合する横揃えを行ない、又、必要に応じて仕分け処理する。
【0005】
前記整合のため、前記揃え手段による揃え動作や、前記戻し手段による戻し動作が行なわれ、また、前記仕分けのために、前記仕分け手段による仕分け動作が行なわれるが、これらの整合や仕分けのための各動作は一定の時間間隔で次々と搬送されてくるシート状媒体の前記時間間隔を利用して行なわれる。
【0006】
例えば、トレイ上にシート状媒体が排出されたら、次のシートが排出されてくるまでの時間内に、▲1▼排出直後のシート状媒体を既に排出済みのシート状媒体の排出方向での端縁に揃えるため、戻し手段によりエンドフェンスに突き当たるまでシート状媒体を戻して排出方向上での揃えを行う戻し動作、▲2▼シート状媒体のシフト方向dでの端縁を揃えるため、既に排出済みの同じ部のシート状媒体と共にシフト方向dでの端部を揃え手段で挟む動作を行う揃え動作、▲3▼部の終りのシート状媒体が排出された後、次部の第1枚目のシート状媒体が排出されてくるまでの間に限り、トレイ12を所定量シフトさせ(或は揃え部材を所定量シフトさせる)仕分け動作が行なわれる。
【0007】
かかる非公知の用紙後処理装置では、画像形成装置から受け取ったシート状媒体を搬送させ、排紙コロ3を経てトレイ12に1枚ずつ排出し積載する際に少なからずシート状媒体の自重落下に頼って整合して積載していた。すなわちトレイ12は排出口に近い方(排出方向aの下流側)が遠い方(排出方向aの上流側)と比較して低くなるように一定の角度、例えば角度α°を以って装着されている。
【0008】
これにより、トレイ12に落下したシート状媒体はその傾斜に沿って排出方向上流側に滑り落ちてくる。滑り落ちる途中で排紙コロ3の下方で積載紙に対して接離自在に定置してある戻しコロ121'a、121'bと接触して、これら戻しコロの回転力によってシート状媒体後端がエンドフェンス131に突き当てられて整合される。
【0009】
排出コロ3から排出されるシート状媒体は、その後端が排出コロ3から抜けた後、排出コロ3の下方に位置している戻しコロ121'a、121'bの外周面に沿ってトレイ12に落下するわけだが、落下した直後、シート状媒体後端部は戻しコロ121'a、121'bに接触しておらず、シート状媒体がトレイ12の傾斜に沿ってエンドフェンスの方向に滑り落ちてきた時に初めて接触する。接触すれば戻しコロ121'a、121'bの回転力で引き込めるのである。
【0010】
しかし、例えば中高のバックカール(下向きカール)のシート状媒体をトレイ12上に大量積載するとカールしたシート状媒体の積み重ねによって積載面の傾斜角度がα°よりも小さいθ°というように次第に緩慢になってきてになってしまいトレイ12に落下したシート状媒体は積載面の傾斜に沿って戻りにくくなる。戻らなければ定位置にある戻しコロ121'a、121'bとも接触できないわけで、当然、エンドフェンス131に当たるまでシート状媒体を戻すことができずに不揃いになってしまう。
【0011】
またカール方向を問わず、図45に示すようにシート状媒体としての用紙S1が排出される際に戻しコロ121'a、121'bにより後端部を捕えられない場合があり、排出される用紙S1の先端部がトレイ12上に積載されたシート状媒体としての積載用紙S2に接触すると、この排出される用紙S1によって積載紙S2が排出方向aに押し出されてしまい結果的に図45に示すような不揃いが発生してしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、シート状媒体のカール状態や積載状態にかかわらずに良好に揃えを行ない、かつ仕分けることのできるシート状媒体整合装置、画像形成装置、シート状媒体後処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、以下の構成とした。
(1).搬送されてくるシート状媒体を排出する排出手段と、この排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段と、この積載手段上に積載されたシート状媒体の前記排出手段によるシート状媒体の排出方向と平行な端部を挟むように接して揃える揃え動作を行なう揃え手段と、シート状媒体を仕分けるために前記積載手段又は前記揃え部材を前記排出手段のシート状媒体排出方向と直交するシフト方向に所定量移動させる仕分け手段と、シート状媒体に接離自在の回転体からなりシート状媒体に接触したまま回転することでシート状媒体を前記積載手段の前記排出方向での上流側端部に設けられた立壁に突き当たるまで戻す戻し動作を行なうことができる戻し手段を具備したシート状媒体整合装置であって、前記戻し手段を任意のホームポジションから前記排出方向上前記排出紙の後端部を捕え得る押え/戻し位置間で変位可能とすると共にシート状媒体に接触してシート状媒体を押える押え動作を可能とし、前記仕分け手段により仕分けを行うべく前記排出手段からシート状媒体が排出される際に、この排出されつつある排出シート状媒体の先端部が前記積載手段上に既に積載されている既積載シート状媒体の上面に接する以前に、前記戻し手段を前記押さえ/戻し位置に位置させて前記押え動作により前記既積載シート状媒体を定位置に保持した後、前記排出シート状媒体が前記積載手段上に落下する前に前記仕分け手段を駆動して仕分けを行ない、前記排出シート状媒体が前記積載手段上に落下した後に、前記戻し手段の前記戻し動作により前記排出シート状媒体を前記立壁に突き当てて整合させ、その後、前記揃え手段の前記揃え動作によりシート状媒体を揃えることを特徴とするシート状媒体整合装置。
(請求項1)。
(2).(1)記載のシート状媒体整合装置において、仕分けを行うべく部の先頭の先頭シート状媒体が排出される際には、この先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下する以前に前記戻し手段の前記押さえ動作により前記既積載シート状媒体を定位置に保持した後、先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下する直前に前記仕分け手段を駆動してシート状媒体を仕分け、前記先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下した後に前記戻し手段の前記戻し動作により前記先頭シート状媒体を前記立壁に突き当てて整合を行ない、前記揃え動作を行なうことなく、部の2枚目以降のシート状媒体が前記積載手段上に排出され始めた直後に前記戻し手段の前記押さえ動作により既積載のシート状媒体を押え、前記排出されつつあるシート状媒体が前記積載手段上に落下した後に前記戻し手段により戻し動作を行った後、前記揃え手段による揃え動作を行うこととした(請求項2)。
(3).(2)記載のシート状媒体整合装置において、前記先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下する直前に行なわれる仕分け動作時における戻し動作を省略し、前記先頭シート状媒体の次のシート状媒体について前記押え動作にて戻し動作を一緒に行なうこととした(請求項3)。
(4).(1)乃至(3)記載のシート状媒体整合装置において、前記戻し手段は前記排紙手段の駆動とは別箇に回転停止制御が可能とした(請求項4)。
(5).シート状媒体に画像形成を行なう画像形成手段およびこの画像形成されたシート状媒体を搬送する搬送手段を有する画像形成装置において、(1)乃至(4)の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置を具備していることとした(請求項5)。
(6).シート状媒体に後処理を行なう後処理手段及びこの後処理されたシート状媒体を搬送する搬送手段を有するシート状媒体後処理装置において、(1)乃至(4)の何れか一つに記載のシート状媒体整合装置を具備していることとした(請求項6)。
【0014】
【発明の実施の形態】
この明細書では、取り扱われるシート状媒体として、複写紙、転写紙、記録紙、表紙、合い紙(仕切紙)、コンピュータフォーム、特殊紙、OHPシート等が含まれるが、以下では、これらを代表して用紙の名称で表示する。
【0015】
画像形成装置から排出される画像形成済みの用紙にファイリング用のパンチ穴をあけるパンチユニットや、ステープル手段、押印などの後処理を行なうシート状媒体後処理装置や画像形成装置において、排出手段から排出されてくる用紙は、コピー業者などでは、仕分けされて積載された用紙束を次工程の例えば、パンチ機にかけたりするため、精度の良い仕分け状態での積載が要求されている。
【0016】
揃え精度の悪い用紙束であると、トレイから取り出した用紙束を再び人の手によって揃えてからパンチ機にかけなければならず作業効率の面で無駄が発生してしまう。このため、上のセグメント例えば所謂コピー業者は、積載された用紙について厳しい揃え精度を要求し、揃え精度の向上が望まれているが、以下の例に係る揃え手段、戻し手段、仕分け手段を適用することにより、このような要望に応えることができる。
【0017】
この発明にかかるシート状媒体整合装置は、▲1▼単独の装置として構成することもできるし、▲2▼シート状媒体を排出する手段をもつ他の装置、例えば、揃え機能、仕分け機能などを有しない画像形成装置、揃え機能、仕分け機能を有しないシート状媒体後処理装置等と一体的若しくは連結して組み合わせて用い、揃え機能、仕分け機能によってシート状媒体をトレイ上に揃え、また、仕分けることができる。
【0018】
以下では、最初にシート状媒体整合装置を具備したシート状媒体後処理装置を例にしてシート状媒体を排出する排出手段、排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段としてのトレイ及び揃え手段、仕分け手段を説明し、さらに戻し手段についての機械的な構成作用を説明した後、タイムチャート及びフローチャートにより、シート状媒体を揃えるための構成および手順を説明し、最後に画像形成装置などについて例示する。
【0019】
[1]シート状媒体後処理装置
a.シート状媒体後処理装置の概要
本例は請求項6に対応する。画像形成装置に連結された独立したシート状媒体後処理装置と一体的に構成されたシート状媒体整合装置を例に説明する。図3において、用紙に後処理を行なう後処理手段としてのシート状媒体後処理装置51は、画像形成装置50と連結されている。
【0020】
画像形成装置50では、オペレーターより指示された後処理内容に従い画像形成手段により画像形成された用紙Sがシート状媒体後処理装置51に送られてくる。
【0021】
シート状媒体後処理装置51における後処理内容としては、画像形成装置50が複写機の場合には次のモードがある。▲1▼用紙を排出順に単に積載する通常モード。このモードでは、用紙サイズとコピー枚数を指示することで処理が実行される。▲2▼ステープル処理を行なうステイプルモード。このモードでは、用紙サイズとコピー枚数のほか、綴じ枚数や綴じ位置等を指示することにより処理が実行される。▲3▼仕分け処理を行なう仕分けモード。このモードでは用紙サイズと仕分け部数を指示することで処理が実行される。▲4▼パンチモード。このモードでは、穴あけが行なわれる。そのほか、必要に応じて他の処理も可能である。
【0022】
これらの後処理にかかる作業指示は、複写機の操作パネルからキー操作によりCPUを含む制御手段に伝えられ、画像形成装置50及びシート状媒体後処理装置51と制御手段との間で後処理遂行の信号授受が行なわれて後処理が実行される。なお、このシート状媒体後処理装置には後述する揃え手段およびその駆動手段が一体的に構成されている。
【0023】
当該シート状媒体後処理装置において、後処理実行有無の選択ができ、後処理実行が選択されたことにより後処理された用紙、或いは後処理実行が選択されなかったことにより後処理が行なわれなかった用紙は、シート状媒体整合装置の仕分け機能及び揃え機能によってトレイ上に仕分けられた状態で揃えることができる。
【0024】
図3に本例にかかるシート状媒体後処理装置51の全体構成例を示す。本例のシート状媒体後処理装置は、用紙を排出する手段をもつ他の装置、例えば、揃え機能を有しない画像形成装置50と連結して組み合わされて用いられ、揃え機能によって用紙をトレイ12上に揃えることができる。
【0025】
画像形成装置50において画像形成された用紙は、シート状媒体後処理装置51に至る。後処理の有無は選択することができ、選択により後処理された用紙或いは選択により後処理を行なわなかった用紙はシート状媒体後処理装置51と組み合わされたシート状媒体整合装置の整合機能によって排出方向aについてトレイ上に揃えられ、かつ、必要に応じ、排出方向aと直交するシフト方向d(図3において紙面を貫く方向)について所定枚数ずつ位置をずらした仕分け状態で積載される。この仕分け機能は、シフト方向dにトレイ12を移動させるトレイ移動手段98(後述)により行なわれる。
【0026】
図3に示すように、シート状媒体後処理装置51は、積載手段としての昇降可能なトレイ12を有しているとともに、位置固定トレイとしてのプルーフトレイ14を装置上部に有している。
【0027】
画像形成装置50との用紙受け渡し部位の近傍には、入口センサー36、入口ローラ対1が設けられており、入口ローラ対1により取り込まれた用紙は、後処理モードに応じてそれぞれの搬送経路を搬送される。
【0028】
入口ローラ対1の下流には穴あけを行うパンチユニット15が設けられており、パンチユニット15の下流には搬送ローラ対2aが設けられている。搬送ローラ対2aの下流には分岐爪8aが設けられており、用紙は分岐爪8aによりプルーフトレイ14へ向かう搬送経路と、略水平に進む搬送経路とに選択的に案内される。プルーフトレイ14へ向けて搬送された場合、用紙は搬送ローラ対60で搬送され、排紙ローラ対62によりプルーフトレイ14へ排出される。
【0029】
分岐爪8aの下流には分岐爪8bが設けられており、用紙は分岐爪8bによりノンステイプルルートEと、ステイプルルートFへ選択的に案内される。分岐爪8a、8bは、図示しないソレノイドのオン/オフ制御により位置を切り替えられるようになっている。
【0030】
ノンステイプルルートEへ案内された用紙は、搬送ローラ対2bにより搬送され、排出手段としての排紙コロ3によりトレイ12に排出される。一対の排紙ローラ3の下部と重なるようにして或は下方位置には後述する戻し手段としての戻しコロ121が設けられている。戻しコロ121は後述するように2つの戻しコロ121a、121bからなり、任意のホームポジションから排出方向a上、排出紙の後端部を捕え得る押さえ/戻し位置間で変位可能である。装置本体の図中左側面は、トレイ12に対する用紙の後端揃えを行うエンドフェンス131となっている。
【0031】
排紙ローラ3は、上コロ3aと、下コロ3bを有し、下コロ3bは用紙排出方向aの上流側を支持されて上下方向に回動自在に設けられた支持部材66の自由端部に回転自在に支持されている。下コロ3bは自重又は付勢力により上コロ3aに当接し、用紙は両ローラ間に挟持されて排出される。綴じ処理された用紙束が排出されるときは、支持部材66が上方に回動され、所定のタイミングで戻される。このタイミングは排紙センサ38の検知信号に基づいて決定される。排紙センサ38は排紙コロ3の上流側直近に配置されている。
【0032】
ステイプルルートFへ案内された用紙は、搬送ローラ対2cにより搬送される。搬送ローラ対2cの下流には分岐爪8cが設けられており、用紙は分岐爪8cにより、ステイプル本ルートGと、退避ルートHへ選択的に案内される。分岐爪8cも図示しないソレノイドのオン/オフ制御により位置を切り替えられるようになっている。
【0033】
ステイプル本ルートGへ案内された用紙は、搬送ローラ対4を経て排紙センサ37で検知され排紙ローラ対68により図示しないステイプルトレイへ積載される。この場合、用紙毎に叩きローラ5で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス9にて横方向(排出方向aと直交する用紙幅方向)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、用紙束の最終紙から次の用紙束の先頭紙の間で図示しない制御手段からのステイプル信号によりステイプラー11が駆動され、綴じ処理が行われる。
【0034】
画像形成装置50から排出される用紙間の距離が短く、綴じ処理をしている間に次の用紙が来る場合には、該次の用紙は退避ルートHへ案内され、一時的に退避させられる。退避ルートHへ案内された用紙は、搬送ローラ対16により搬送される。
【0035】
綴じ処理が行われた用紙束は、直ちに放出爪10aを有する放出ベルト10によりガイド69を経て排紙コロ3へ送られ、排紙コロ3によりトレイ12へ排出される。放出爪10aはセンサ39によって所定位置を検知されるようになっている。
【0036】
叩きローラ5は支点5aを中心に図示しないソレノイドによって振り子運動を与えられ、上記ステイプルトレイへ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙をエンドフェンス131に突き当てる。図示しないが、排紙ローラ対68はブラシローラを有しており、これによって用紙後端の逆流が防止される。なお、叩きローラ5は反時計回りに回転する。ここまでがシート状媒体後処理装置の本来的な機能部分の構成及び動作の概要である。
【0037】
シート状媒体後処理装置51では、本来的な機能である後処理を行なうことができると共に、以下に述べるように、トレイ12上に積載された用紙を揃え、仕分けることができる。この揃えには、排出方向aの端部を揃える所謂縦揃えをすることと、シフト方向dの端部を揃える所謂横揃えの2つの意味があるが、前者の揃えはエンドフェンス131への突き当てを行なう戻し手段たる戻しコロ131の機能によりなされ、後者の揃えは揃え手段としての揃え部材102によりなされる。
【0038】
図3において、シート状媒体後処理装置は、排紙コロ3、排紙コロ3より排出される用紙Sを積載するトレイ12、トレイ12を昇降させるトレイの昇降手段、トレイ12の昇降方向の位置を制御する位置決め手段、トレイ12を図3の排出方向aと直交するシフト方向dに往復動させる仕分け手段としてのトレイの移動手段、トレイ12上に積載された用紙をエンドフェンス131に突き当てて揃える戻し手段としての戻しコロ121、戻しコロ121を排出方向aに変位させる変位手段、揃え手段としての揃え部材102a、102b及びその駆動手段などからなる。
【0039】
このうち、上記トレイの昇降手段は図4(a)に符号95、昇降方向の位置決め手段は図4(b)に符号96、トレイの移動手段は図5、図6に符号98で示され詳細は以下でそれぞれ説明する。
【0040】
b.トレイ及び仕分け手段としてのトレイ移動手段
図3において、用紙Sは分岐爪8bから用紙の搬送手段である搬送ローラ対2bにより排紙センサ38を経てトレイ12に向けて搬送され、排紙コロ3により排出方向aに送り出される。
【0041】
図3、図4に示すように、トレイ12の上面は排出方向aに進むほど、上面の高さが増す傾向に傾斜している。該トレイ12の傾斜面の下方基端部には鉛直面からなるエンドフェンス131が位置している。
【0042】
図3において排紙コロ3から排出された用紙Sは、後述する受け入れ位置(図10参照)で待機している揃え部材102a、102b間に進入し、基本的には重力によりトレイ12上、上記傾斜に沿って滑り、後端部がエンドフェンス131に突き当たることにより後端部が揃えられ整合される。後端部が整合されたトレイ12上の用紙Sは揃え部材102a、102bの揃え動作によりシフト方向d(幅方向)が揃えられる。
【0043】
図4(a)に示すように、トレイ12の上面であって、揃え部材102aに対向する部位には凹部80a、揃え部材102bが対向する部位は凹部80bがそれぞれ形成されていて、トレイ12の上面よりも部分的に低くなっている。少なくともこれら凹部80a、80b上に用紙が積載されていない状態では、受け入れ位置にある揃え部材102a、102bはこれら凹部80a、80bの中にその一部が進入しトレイ12とオーバーラップした状態を保持するようになっている。これは、揃え動作において揃え部材102a、102bを用紙Sの端部に確実に当てるためである。
【0044】
図4(a)において、トレイ12はトレイ昇降手段95により昇降されるとともに、位置決め手段96により用紙Sの着地に適する位置に常時制御されるようになっている。
【0045】
つまり、排紙コロ3から用紙がトレイ12上に排出され積載面が上昇すると、トレイ12はトレイの昇降手段95およびトレイの昇降方向の位置決め手段96により適量下降させられて用紙最上面の位置が排紙コロ3のニップ部から一定の高さを維持し着地位置が一定レベルに保持されるように制御される。
【0046】
図3、図4(a)において、排紙コロ3は定位置にある。よって、仮にトレイ12が昇降しない構成では、トレイ12上に用紙Sが次々に排出され積載されてくると用紙束の高さが高くなりこの用紙束が用紙の排出をさえぎることにより、遂には用紙Sの排出ができなくなる。
【0047】
昇降手段を設けることによりトレイ12を昇降させ、かつ、排紙コロ3のニップ部からトレイ12上面までの間隔、或いは排紙コロ3のニップ部からトレイ12上の用紙Sの最上面までの間隔を、位置決め手段により、排紙が適正に行なわれる適正間隔に維持することができる。これにより、トレイ12上面へ用紙Sを着地位置のバラツキが小さい状態で排出することができる。
【0048】
図4(a)に示すようにトレイ12は上下リフトベルト70により吊るされている。上下リフトベルト70はギヤ列及びタイミングベルトを介して上下モータ71により駆動され、上下モータ71の正転または逆転により上昇または下降する。これら上下リフトベルト70、上下モータ71、ギヤ列及びタイミングベルト等はトレイを昇降させる昇降手段95の主な構成要素である。
【0049】
図4(a)において、排紙コロ3の近傍位置には戻しコロ121a、121bが位置している。トレイ12上に送り出された用紙Sは、トレイ12の傾斜面に沿って滑り落ち、後端側が戻しコロ121a、121bに挾まれると、これら戻しコロ121a、121bにより送りをかけられてエンドフェンス121に突き当てられて排出方向での整合が行われる。
【0050】
こうして、順次、画像形成済みの用紙Sがトレイ12上に次々と排出され積載により用紙Sの最上面が上昇していく。戻しコロ121a、121bの近傍であって、積載された用紙の最上面には、図4(b)に示すように軸73aに揺動自在に支持された紙面レバー1200の一端側が自重で接するように設けられており、この紙面レバー1200の他端側はフォトインタラプタからなる紙面センサ130a又は紙面センサ130bにより検知されるようになっている。
【0051】
紙面センサ130bは通常積載モードにおいてトレイ12の上下位置を制御するためのものであり、紙面センサ130aはステイプルモードにおいて、同様の制御を行うためのものであり、モードに応じて用紙の排出位置を異ならせている。
【0052】
紙面レバー1200は、支点軸73aを中心にして自重によるモーメントで回動するようになっている。用紙がトレイ12上に積載され上面位置が高くなると紙面レバー1200の折曲部の先端部が積載面により押し上げられ、軸73aを支点として回動させられ、紙面センサ130bが紙面レバー120の他端側に形成された扇状の板部を検知してオンになる。この時点で上下モータ71を駆動してトレイ12を下降させる仕組みになっている。トレイ12を下降することにより紙面レバー1200が回動して紙面センサ130bがオフとなるタイミングで上下モータ71によるトレイ12の下降を停止する。このような動作を繰り返すことにより、トレイ12と排紙コロ3のニップ部との間隔は所定の間隔に制御される。通常モードでは紙面センサ130bによる制御が行なわれ、ステイプルモードでは紙面センサ130aによる制御が行なわれる。
【0053】
ここでは、通常モードであるので、用紙Sが1枚ずつ排出される毎に用紙Sの積載面が上昇し、紙面レバー120の自由端部が紙面センサ130bと重なる毎に、上下モータ71が駆動されて紙面センサ130bがオフになるまでトレイ12を下降させる制御が行われる。これにより、用紙Sのトレイ12上での着地位置の条件は、排紙コロ3とトレイ12(用紙の最上面)との間隔が前記適正間隔に制御される。紙面センサ130a、130b及び紙面レバー1200等はトレイ12の高さを一定の高さに制御するトレイの位置決め手段96の主な構成要素であり、位置決めのための情報を検知して制御手段に送る。
【0054】
このような前記適正間隔のもとでのトレイ12の高さ位置を適正排出位置と称し、カール等特殊な態様で送り出される用紙以外の普通の状態の用紙を受ける位置として適切な位置として設定された位置である。
【0055】
通常モードで用紙が1枚ずつ排出される場合と、ステイプルモードでステープル処理された用紙束が排出される場合とでは、排紙の条件が異なるので当然のことながら、トレイ12の適正排出位置は異なる。このことは、紙面センサ130a、130bで位置を異ならせていることからも明らかである。また、後処理終了時には、用紙の取り出しに備え排紙トレイ12を30mm程度下降させる動作が行なわれる。
【0056】
通常モード、ステイプルモード、何れの後処理にかかるモードでも、それぞれに適する基準高さで、排紙コロ3からの用紙Sはトレイ12上に排出され、用紙Sが積もる毎にトレイ12は下降し、遂には下限センサ76により下限位置が検知される。また、トレイ12の上昇時にはトレイ12は紙面センサ130a、130b、紙面レバー1200等の位置決め手段による紙面の検知情報に基き、基準高さまで上昇させられる。
【0057】
トレイ12は、仕分け動作を行なうため図3の紙面を貫くシフト方向、つまり、図4(a)に符号dで示す方向の一端側に移動したのち、他端側に移動し、また他端側から一端側に移動するように台座18上にスライド可能に支持されている。
【0058】
以下にトレイの移動手段98について説明する。
図4(a)においてトレイ12は、仕分け動作を行なうためシフト方向dの一方に往動したのち、他方側に復動動し、また他方側から一方側に移動するようにシフトされる。仕分けの単位である部を構成する所定枚数の排出量の用紙を処理するときの作業単位を1ジョブとすれば、同一ジョブ中、トレイ12はシフト方向dにはシフトせず、1ジョブ(部)が終わる毎にシフト方向dに移動し、一方の移動端で次のジョブにかかる用紙Sの排出を受ける。
【0059】
後述するように、用紙Sの排出の際に予め積載紙を戻しコロで押え、排出紙がトレイ12上に落下するとこの落下した用紙を戻しコロ121で戻す動作が行なわれ、その後、揃え部材102a、102bによる揃え動作が行なわれる。また、仕分けモードでは部の最終紙の積載がなされるとトレイ12のシフト方向dでの移動による仕分け動作が行なわれる。
【0060】
トレイ12上に積載された用紙(用紙束を含む)を仕分けるべく当該トレイ12をシフト方向dに移動させて仕分け動作を行なうトレイの移動手段98について図5、図6により説明する。ここで、トレイ12の移動量d'は仕分けに必要な量であって、用紙サイズや用紙の種類、オペレーターの好みなどにもよるが、例えば20mm程度に設定される。
【0061】
トレイの移動手段98は図5に示すようにトレイ12を台座18でスライド可能に支持しているトレイ支持構造と、図5、図6に示すようにトレイ12を往復動させるトレイ往復動機構からなる。
【0062】
図5によりトレイ支持構造160を説明する。図5において台座18の上部にはシフト方向dに長さを有し、左右方向に対向する2つの案内板30、31が一体的に設けられている。これらの案内板30、31の各外側には軸が突出していて、ローラ32、33が軸支されている。
【0063】
一方、トレイ12の底部には、左右方向についてはローラ32、33の間隔より広く、シフト方向dにはトレイのシフト量を十分カバーし得る奥行きを有する平坦面からなる平坦部が形成されていて、この平坦部をローラ32、33上に乗せている。また、トレイ12の上記平坦部には、案内板30、31の内側に対応する位置に、2本の軸が植設されていて、これらの2本の軸にはそれぞれ、ローラ34、35が軸支されている。これらのローラ34、35は、案内板30、31の各内側に接している。
【0064】
ローラ32、33、34、35及び案内板30、31等が、トレイ12をシフト方向dに移動可能に支持するトレイ支持構造160を構成する。かかるトレイ支持構造160により、トレイ12はその荷重をローラ32、33で支持され、ガイド板30、31に案内されてシフト方向dに可動である。
【0065】
トレイ支持構造160で支持されたトレイ12に、トレイ往復動機構を組み合わせることで、トレイ12に往復動の駆動力を与えて、シフト方向dに往復動させることができる。トレイ往復動機構としては種々のものが考えられる。例えば、図示しないが、シフト方向dに沿ってラックを設け、このラックに噛み合うピニオンを正逆回転可能なモータで駆動する駆動機構や、クランク機構などである。
【0066】
このように構成されるトレイ移動手段により、トレイ12はシフト方向dに用紙の仕分けに必要な所定量往復動させることができる。
以下に、トレイ往復動機構の具体例を、トレイの位置判別手段とともに説明する。図6において、トレイ12はエンドフェンス131の凹凸部に入り込んでいてエンドフェンス131がシフト方向dに動作することによってトレイ12も同方向に動作する。エンドフェンス131のシフト方向dの中央部には、長穴41aがあけられたブラケット41が装着されていて、この長穴41aにピン42が挿入されている。
【0067】
ピン42は図示しない本体部に軸支されたウォームホイール43に挿入固定されている。この挿入固定位置はウォームホイール43の回転中心から偏心している。この偏心量は、トレイ12のシフト方向dでの移動量d'の1/2である。
【0068】
ウォームホイール43は、モータ44からタイミングベルト45を介して回転させられるウォーム46によって回転させられるようになっている。ウォームホイール43の回転運動によりピン42が回転し、偏心量に応じてトレイ12はシフト方向dへの直線往復運動をするように運動方向が変換される。これら偏心回転するピン42と長穴41aまわりの構成がトレイ往復動機構の主要部をなす。
【0069】
図7、図8に示すように、ウォームホイール43には大きさの異なる2つの切り欠き43L、43S及びこれら切り欠き43L、43Sにより相対的に形成される半周分の長さの長い凸部とこれに隣接する短い凸部を有する円板状のエンコーダ47が設けられている。
【0070】
切り欠き43Lは長い切り欠き、切り欠き43Sは短い切り欠きである。エンコーダ47の半回転おきにホームセンサ48がエンコーダ47の切り欠きの長さを前記2つの凸部間の間隔により検知して、モータ44の停止、駆動の信号が制御手段から発せられるようになっている。
【0071】
図7において、矢印49の向きに回転したエンコーダ47の短い方の切り欠き43Sがホームセンサ48を通過して短い凸部と重なりかけた時点でモータ44は停止している。この状態ではピン42が後側にあり、図6のエンドフェンス131も後側に動作することによってトレイ12も後側に移動している。
【0072】
図9では、図7に示した状態からさらに矢印49の向きにエンコーダ47が回転して、長い切り欠き43Lがホームセンサ48を通過して長い凸部と重なりかけた時点でモータ44は停止している。この状態ではピン42が前側にあり、図6のエンドフェンス131も前側に動作することによってトレイ12も前側に移動している。
【0073】
このように、トレイ12が後側にあるか、前側にあるかは、エンコーダ47の切り欠きの長さをホームセンサ48により検知し、この検知情報に基いて判別することができる。
【0074】
このように、トレイ12のシフト方向dへの往復動のストロークの往動端で、同一ジョブ中に部を構成する用紙分の排出を受け、シフトし復動端で次のジョブ中に部を構成する用紙の排出を受ける。
【0075】
かかる仕分け動作を繰り返すことにより、ジョブ(部)毎に用紙束が凹凸状に所定の仕分け量だけ位置がずれた状態に積載され、部毎に用紙束を仕分けることができる。移動量d'は用紙のサイズに応じて仕分けが明確な適量の値5〜25mm、例えば、A4サイズで20mm前後の値に設定することができる。
【0076】
c.揃え手段
c▲1▼全体の構成
図3、図4、図6等で示した揃え部材102a、102bの上端部は図3に示すフレーム90内に支持されている。該フレーム90には、揃え部材102a、102bの揃え動作及び該揃え動作及びこれに付随して動作させるべき他の動作を行なわせるための手段として、以下の項で説明する揃え部材の移動手段、揃え部材の退避手段、揃え部材の駆動装置等が構成されている。揃え部材102a、102bを動作させるための制御手段は、図3に示したシート状媒体後処理装置51の制御手段を共用しており、図示しない入出力回線を介してフレーム90と接続されている。揃え部材102a、102bは用紙の揃え動作及び該揃え動作に付随して生ずる他の動作も行なう。
【0077】
揃え部材102a、102bを駆動する機械的構成部分は箱状のフレーム90内に納めて一体的な揃えユニットとして構成されている。図3において、フレーム90はシート状媒体後処理装置51の本体にねじ止め、或いは、凹凸状の係脱手段により着脱可能に取り付けられ、揃え部材102a、102bによる揃え機能を不要とするユーザーに対して容易に対応することができるようになっている。
【0078】
c▲2▼揃え部材
図4(a)、図9乃至図12などに示すように、1対の揃え部材102a、102bは板状体からなり、揃え部102a1、102b1はこれら揃え部材102a、102bの最下部に位置し、互いの対向面は前記シフト方向dと直交する平坦面からなる。
【0079】
このように揃え部102a1、102b1を、互いの対向面がシフト方向dと直交する平坦面で構成したことにより、揃え部材102、103をシフト方向dに移動することによって、トレイ12上に積載された用紙Sの端部に揃え部102a1、102b1を確実に接離させて用紙束を揃えることができる。また、板状体としたことにより、コンパクトな構成となし得る。
【0080】
図9において、揃え部材102a、102bは、図3、図4に示した排紙コロ3から排出された用紙Sをこれら揃え部材102a、102bの対向間隔内に導きやすくするため、各揃え部102a1、102b1の上方部分がこれら揃え部102a1、102b1の対向間隔L1よりも広い間隔L2で形成された逃げ部102a2、102b2を構成している。
【0081】
揃え動作に際し、用紙Sがトレイ12上に排出されるとき、揃え部材102a、102bは、予め揃え部102a1、102b1が該用紙幅よりも広い所定の間隔をあけた受け入れ位置に移動して待機しており、この受け入れ位置で排紙コロ3からの用紙Sの排出を待つ。この受け入れ位置は、図10において例えば、A4サイズの用紙からなる用紙束SSの紙幅よりも片側で7mm広めにとった位置である。
【0082】
揃え部材102a、102bは、シフト方向dにある程度ばらついて排出されてくる用紙を受け入れることのできる最小限の間隔をおいた受け入れ位置で待機していて、用紙が排出されてトレイ12上に積載されると、この受け入れ位置から用紙の紙幅より狭い図11に示す位置まで移動して揃える。このように受け入れ位置を設定したのは、揃え動作の都度、間隔を広くあけたホームポジションまで戻っていたのでは、時間がかかるためである。勿論、ホームポジションからその都度揃える位置まで移動させることはできる。
【0083】
用紙Sが排紙コロ3から排出されて戻しコロ121によりエンドフェンス131に突き当てられて縦揃えがなされたのち、▲1▼図10に矢印で示すように揃え部材102a、102bを互いに接近する方向に移動させ或いは、▲2▼図10において揃え部材102a或いは揃え部材102bの何れか一方を不動にしたまま、残る揃え部材を矢印方向に移動させることにより、結果的に図11に示すように揃え部102a1、102b1が用紙束SSの排紙方向(紙面を貫く方向)と平行な2つの端部に紙幅よりも僅かにせばめた揃え位置で接する状態にする。
【0084】
このせばめ度合いは、例えば、紙幅よりも片側1mmずつの食い込み量となるように用紙束SSの端部に揃え部102a1、102b1を圧接させた状態であり、この食い込み量により用紙束SSの端部が揃えられる。その後、揃え部材102a、102bは図10に示す受け入れ位置に復帰して次の用紙Sの排出積載を待つ。
【0085】
なお、上記▲1▼のように揃え動作に際して、揃え部材102a、102bを互いに接近する方向に移動させて揃える態様を両側移動態様と称する。また、上記▲2▼のように、揃え部材102a或いは揃え部材102bの何れか一方を停止したまま、残る揃え部材を矢印方向に移動させて揃える態様を片側移動態様と称する。これらの移動態様については、後述の「揃え動作」の項でさらに説明する。
【0086】
同一ジョブでは、その部を構成する全ての用紙が排出されるまで揃え部材102a、102bはトレイ12の一方の移動端で図10に示す受け入れ位置と、図11に示す揃え位置との間を移動する。
【0087】
揃え部材102a、102bが図10に示す受け入れ位置で待機しているときに排紙コロ3から排出される用紙Sのシフト方向dでの位置は正確に一定の位置ではなく、スキューなどによりバラツキがある。よって、揃え部102a1、102b1の対向間隔で決まる受け入れ位置は広いほど、用紙の受け入れが容易であるが、あまりに大きくし過ぎると、揃え動作における揃え部材102a、102bの移動量が大きくなって揃え動作に時間を要してしまい、高速排紙の機種に適合できない。
【0088】
そこで、揃え部102a1、102b1の対向間隔を可能な限りせばめ、つまり、揃え部材102a、102bの受け入れ位置をできるだけ小さくし、その上で揃え部102a1、102b1の上部の対向間隔を広げ、用紙Sを受け入れることができるようにしている。
【0089】
シフトモードでは、片側移動態様、両側移動態様の何れであっても、既に揃えられた前回ジョブでの部の上に所定のシフト量だけずれて今回ジョブにかかる部が積載され揃え動作が行なわれるとき、A4サイズでシフト量が20mm程度のシフト量の場合、今回ジョブでは揃え部材102a、102bのうち、今回ジョブの直前におけるシフトの下流側に位置する揃え部材は前回ジョブでの部の用紙束の上面に対向し、接した状態となる。
【0090】
片側移動態様では、この前回ジョブでの部の用紙束の上面に接している揃え部材を揃え動作に際して不動とし、反対側の揃え部材を移動させて揃えることができるが、両側移動態様では両方の揃え部材102a、102bが移動するのであるから、用紙の上面に接したままで揃え動作することとなる。
【0091】
また、片側移動態様、両側移動態様の何れであっても、既に揃えられた前回ジョブ終了後、図10に示す受け入れ位置に復帰したままでいると、今回ジョブに際してトレイ12がシフトする際に揃え部材102a、102bがせっかく揃えた前回ジョブの部を引っ掛けてトレイ12上でシフト方向にずらし乱してしまうことから、このようなことを回避するために、ジョブ終了後、揃え部材102a、102bを用紙上面から離間させる退避動作がとられるようになっている。
【0092】
退避動作には揃え部材102a、102b自体を移動させる態様と、トレイ12を下降させる方法などあり、具体例については「退避動作」の項で後述するが、揃え部材102a、102bを移動する方法のうち、1点を支点にして回動させて退避させる方法では、この退避動作に際して用紙の上面に揃え部材102a、102bの下端部が摺れることとなり、揃えられた用紙を乱す要因となりかねない。
【0093】
このように、両側移動態様では揃え動作に際して用紙上面との擦れがあり、また、片側移動態様、両側移動態様共に、退避動作に際して用紙上面との擦れがあり、これらの擦れは態様が異なるため擦れの程度も同じではないにしても、揃え部材102a、102bの下端部が用紙Sの上面と擦れることに変わりはなく、用紙が乱される可能性を否定できない。
【0094】
そこで、揃え部材102a、102bの下端部であって用紙Sと接触する部分の摩擦係数を、用紙相互間の摩擦係数よりも小さくなるように材質を選択し、表面粗さも小さく加工するなどして用紙相互間の摩擦係数よりも小さくし、揃え動作においてまた、退避動作において、揃え部材と接触することにより既に揃え済みの部(用紙束)が乱されることがないようにした。
【0095】
c▲3▼揃え部材の移動手段
揃え部材102a、102bは揃え動作に際してシフト方向d上、図10に示す受け入れ位置から図11に示す揃え位置間を移動することは既に述べた。その他に揃え部材102a、102bは図10に示す受け入れ位置からさらに互いに離間する方向に移動したホームポジションまで移動することができるようになっている。
【0096】
このようなシフト方向dでの移動を可能にするため、揃え部材102a、102bの移動手段を具備している。この揃え部材の移動手段について説明する。
【0097】
揃え部材の移動手段は、片側移動態様を採用する場合には、トレイ12がシフトする毎に揃え部材102a、102bの一方が不動、他方が移動となる役割が交代する。両側移動態様を採用する場合には、トレイ12がシフトする毎に揃え部材102a、102bの両方を等量、接近、離間させる動作を行なわせるだけでよい。
【0098】
したがって、両側移動態様では揃え部材の移動手段として揃え部材の一方と他方とを連動させる連動機構を採用することができるが、片側移動態様では連動機構を採用することができない。連動機構では揃え部材の一方と他方の移動用駆動源が共用化されるので一般的には構成が簡易となる長所を有するが、ここでは、片側移動態様に適する移動手段として、各揃え部材102a、102bについてそれぞれ単独で接離方向に移動させることができる移動手段について説明する。以下の説明にかかる単独で接離方向に移動させることができる移動手段では、もちろん、両側移動態様における揃え部材の移動にも対応することができる。
【0099】
図12において排出方向aの上流側から下流側に向かってトレイ12をみたときシフト方向dの左側を前側、右側を後側とすれば、揃え部材102aは前側の揃え部材であり、揃え部材102bは後側の揃え部材である。
【0100】
先ず、前側の揃え部材102aの移動手段について説明する。
図12において、揃え部材102aはシフト方向dと平行な円柱状の軸108に摺動可能に枢着されている。軸108の両端部はフレーム90に固定されている。
【0101】
図13、図14に示すように、揃え部材102aの上端部は受け台105aに形成された軸108と直交する平面と平行なスリット105a1内に嵌合している。受け台105aは軸108に摺動可能に嵌合するとともに、該軸108と平行なガイド軸109に摺動可能に嵌合している。さらに、受け台105aの上部はタイミングベルト106aに固定されている。
【0102】
タイミングベルト106aは図12に示すようにプーリ120a、120a'間に張設されている。プーリ120aはフレーム90に固定された軸に軸支されている。プーリ120a'はフレーム90に固定されたステッピングモータ104aの回転軸に固定されている。
【0103】
これらステッピングモータ104a、受け台105a、タイミングベルト106a、軸108、ガイド軸109は、揃え部材102aの移動手段を構成する主要な部材である。
【0104】
後側の揃え部材102bの移動手段について説明する。
図13、図14に示すように揃え部材102bは揃え部材102aと同じ軸108に摺動可能に枢着されている。また、この揃え部材102bは揃え部材102aと受け台105aとの係合関係と同様、受け台105bのスリット105b1に嵌合されている。
【0105】
受け台105bの上部はタイミングベルト106bに固定されている。タイミングベルト106bは図12に示すようにプーリ120b、120b'間に張設されている。プーリ120bはフレーム90に固定された軸に軸支されている。プーリ120b'はフレーム90に固定されたステッピングモータ104bの回転軸に固定されている。
【0106】
これらステッピングモータ104b、受け台105b、タイミングベルト106b、軸108、ガイド軸109は、受け部材102bの移動手段を構成する主要な部材である。
【0107】
本例では、軸108とガイド軸109については、受け台105a、105bを安定支持しかつガイドする機能を有し共用されているが、揃え部材102a、102bの移動に際して使用される領域は前側、後側でずれているので、独立して設けることもできる。
【0108】
このように、揃え部材102a、102bはそれぞれ独立した移動手段を具備しているといえるので、ステッピングモータ104a、104bをそれぞれ単独で正転、逆転を切り換え駆動することにより、タイミングベルト106a、106bがそれぞれ単独に回動し、これに伴い受け台105a、105bが移動し、受け台105a、105bに形成されたスリット105a1、105b1に挟まれた揃え部材102a、102bがシフト方向dに単独で移動する。
【0109】
各揃え部材102aと102bについてかかる構成の揃え部材の移動手段により、揃え部材102a、102bを単独で駆動できる。例えば、片側移動態様で揃え動作をする場合のように、任意のジョブで揃え部材102aを不動とし、揃え部材102bを移動させたら、トレイ12をシフト後の次のジョブで揃え部材102bを不動とし、揃え部材102aを移動させる、というように、各揃え部材102a、102bのうち不動側と移動側の役割を交互に入れ換えて仕分け後の揃え動作を行なうことができる。
【0110】
また、揃え動作において、両方の揃え部材102a、102bを移動させる両側移動態様を採用することも可能である。片側移動態様の方が、両側移動態様に比べてトレイ12上の用紙束にのせている方の揃え部材が不動となる分、用紙の揃え状態を乱にくい特性を有するが、独立した移動手段を構成した場合には、かかる片側移動態様を採用することもできる。
【0111】
c▲4▼揃え部材の位置制御
図13、図14において、軸108は揃え部材102aをシフト方向dに案内するガイドであると共に、揃え部材102aを回転可能に支持する支持軸でもある。揃え部材102aの上端部は前記したようにスリット105a1内に嵌合しており、該揃え部材102aの下端側は軸108よりも排出方向a側に延びている。このため、揃え部材102aの重心位置も排出方向aにずれており、揃え部材102aは自重により軸108を中心とする矢視Kの向きのモーメントを受けている。
【0112】
図14、図15に示すように、スリット105a1の奥部は開放されてはおらず、塞がれている。このため、矢視Kの向きのモーメントによる揃え部材102aの回転は、トレイ12上の用紙Sとの干渉がない限り、揃え部材102aの上端縁部102a3がスリット105a1の奥部と当接することにより阻止される。図15において、この回動を阻止された状態の揃え部材102aを実線で示している。
【0113】
スリット105a1は受け台105aに形成されているので、受け台105aは揃え部材102aの、軸108を中心とする回転量を規制する規制部材でもある。これと全く同じ構造及び作用が揃え部材102bと受け台105bとの間にも成り立っている。
【0114】
奥部が塞がれたスリット105a1を有する受け台105a、同じく受け台105bによる回転量の規制部材の働きにより、1対の揃え部材102a、102bは自重のモーメントによる回動が規制され、回動方向上の一定の位置が自動的に保持されることとなり、特別な回転方向の位置決め機構を設けずに済む。
【0115】
図12、図14乃至図16、図18(b)に示すように少なくともこれら凹部80a、80b上に用紙が積載されていない状態では、揃え部材102a、102bの各下端部がトレイ12の積載面より下方、つまり、凹部80a、80b内に位置する状態でこれら揃え部材102a、102bはスリット105a1、105b1の奥部により係止されるように設定されている。
【0116】
図10に示したように、揃え部材102a、102bがシフト方向d上の受け入れ位置にあるときには、トレイ12の積載面上であって、揃え部材102aと対向する部位には凹部80aが形成されており、この凹部80aを塞ぐようにして用紙が積載されていれば、揃え部材102aはこの用紙の上面に自重による当接力で当接することになる。同様に、受け入れ位置にある揃え部材102bと対向する部位には凹部80bが形成されていて、この凹部80bを塞ぐようにして用紙が積載されていれば、揃え部材102bはこの用紙の上面に自重による当接力で当接することになる。
【0117】
揃え部材102a、102bは、常時自重によるモーメントで回転しようとしており、トレイ12上に用紙が無ければ凹部80a、80b内で回動可能のため、図13、図15に示すようにスリット105a1、105b1の奥部により係止される。こうして矢視Kの向きの回転は阻止されているが、矢視Kの向きと逆向きの回転は阻止されていない。従って、トレイ12上に凹部80a、80bを塞ぐようにして用紙Sが積載された場合には、自重により該トレイ12上の用紙S上に揃え部材102a、102bが接することとなるのである。
【0118】
上記したように、トレイ12上、用紙が無ければ、揃え部材102a、102bの下端部は自重により凹部80a、80b内に位置し、用紙が有ればこの用紙の最上面に自重で接する状態となる。これらの何れの状態でも、シフト方向の移動により揃え動作に移行することが可能である。そこで、これらの状態を以下の説明の便宜上、揃え作動位置と称することとする。代表例として示す図16では、用紙が無い場合の揃え部材102aの位置を揃え作動位置として示しているが、用紙が有る場合には該用紙の上面に揃え部材102aの下端部が自重で当接した状態となる。図16に示す揃え作動位置というときは、これら何れの状態も含めるものとする。また、揃え部材102bについても揃え部材102aにおけると同様の作動位置をとり得るものとする。
【0119】
このように、図10に示す受け入れ位置にある揃え部材102a、102bは、図16に示す揃え作動位置では、トレイ12の凹部80a、80b上に用紙が積載されていなければこれら凹部80a、80bの中にその一部が進入した状態を保持するし、凹部80a、80b上に用紙が積載されていれば該用紙の最上面に自重で接する状態となる。
【0120】
揃え部材102a、102bを、シフト方向d上、図10の受け入れ位置におき、かつ、軸108を中心とする回動方向上、図16の揃え作動位置におき、これらの状態で用紙Sが揃え部材102a、102b間のトレイ12上に積載された場合、揃え部材102a、102bの両方或いは何れか一方を移動して揃え動作を行なうことで、該トレイ12上に積載された用紙を揃えることができる。
【0121】
揃え部材102a、102bは重心の位置を適切に設定することにより、用紙Sに対する接触圧力を小さく調整でき、仕分け揃え動作に際し、既に揃えられた用紙が乱さないようにすることができる。
【0122】
図9乃至図11において、受け台105a、105bには遮蔽板105a2、105b2がそれぞれ付いており、ステッピングモータ104a、104bが受け台105a、105bを互いに離間する向きに移動するように回転すると、受け台105aの遮蔽板105a2がホームポジションセンサ107a内に挿入されて光学的に遮蔽され、受け台105bの遮蔽板105b2がホームポジションセンサ107bに挿入されて光学的に遮蔽されることで、それぞれこの遮蔽状態がこれらホームポジションセンサ107a、107bにより検知され、この検知信号に基き、ステッピングモータ104a、104bが停止制御される。
【0123】
遮蔽板105a2、105b2がそれぞれホームポジションセンサ107a、107bにより検知された状態が揃え部材102a、102bのホームポジションであり、このホームポジションは揃え部材102a、102bが仕分け揃えの対象となる各種サイズの用紙のうち、最大幅よりも十分に開いた位置である。
【0124】
揃え部材102a、102bは仕分け揃え作業に入る前には、このホームポジションで待機している。図9では、揃え部材102a、102bがホームポジションにある。
【0125】
揃え部材102a、102bは、排紙コロ3から排出されてくる用紙Sの紙幅に応じて図10に示すように、各ホームポジションからステッピングモータ104a、104bが所定パルス相当分だけ図10に示す矢印方向に駆動されて受け入れ位置で待機し、用紙がトレイ12に落下し完全に停止してスタックされてから図11に示す揃え位置に移動して揃え動作を行う。この時点でトレイ12に積載された用紙束SSは揃えられ、再び次の用紙の受け入れ状態に入るために図10の受け入れ位置まで移動し待機する。
【0126】
このような動作を繰り返し、揃え動作にかかる一連のジョブが終了した時点で、再び図9に示すホームポジションまで揃え部材102a、102bが移動する。
【0127】
こうして、ステッピングモータ104a、104b、遮蔽部材105a2、105b2を含む受け台105a、105b、タイミングベルト106a、106b、軸108、ガイド軸109などの移動手段や、ホームポジションセンサ107a、107bなど、及び制御手段により、揃え部材102a、102bの揃え部102a1、102b1が、図10に示す受け入れ位置と図11に示す揃え位置の少なくとも2つの位置に位置させられる得る。このように、受け入れ位置を設定することにより、揃え動作に際しての揃え部材102a、102bの移動量をホームポジションからの移動量よりも小さい移動量で用紙を受け入れ、揃えることができる。
【0128】
c▲5▼揃え部材の退避手段
図13至図17において、揃え部材102aは前記したように軸108により枢着されているが、この枢着部を基点として排出方向aの上流側の部位には、L字状の切り欠きが形成されている。この切り欠きのうち、揃え部材102aが図16に示した揃え作動位置にあるとき、略水平方向に沿う状態となる面を押動面と称し、符号102a4で示す。同様に、揃え部材102bについても押動面102b4が形成されている。
【0129】
これらの押動面102a4、102b4には、軸108と平行な軸110が自重で当接している。軸110の軸長手方向の両端部はフレーム90の側板部に形成された鉛直方向の長穴90a、90b(図13参照)に上下動可能に嵌合されている。
【0130】
図12、図13、図16に示すように軸110の中央部にはフレーム90に軸112を軸支されたL字状のレバー113の一端側が自重で乗っている。レバー113の他端側はばね114を介してソレノイド115のプランジャと連結されている。ソレノイド115はフレーム90に設けられている。
【0131】
ソレノイド115がオフ(非励磁)の状態では、揃え部材102a、102bは自重によるモーメントにより、図14、図15に示すように上端縁部102a3がスリット105a1の奥部と当接し、或いはこれら揃え部材102a、102bの下端部がトレイ12上の用紙に接することにより上端縁部102a3がスリット105a1の奥部から少し離間した、図16に示す揃え作動位置にある。
【0132】
この揃え作動位置では、前記したように揃え部材102a、102bはトレイ12上面の凹部80a、80b内、又は、トレイ12上に積載された用紙の最上面部に当接した状態にある。
【0133】
図17に示すように、ソレノイド115をオン(励磁)にすると、該ソレノイド115のプランジャが引かれ、レバー113が回動する。これにともない図13、図14に示すように軸110がレバー113によりフレーム90に設けられた長穴90a、90bに案内されて押し下げられる。
【0134】
図13至図17に示すように軸110は揃え部材102a、102bに形成された切り欠きのうち押動面102a4、102b4に係合しているので、図17に示すように軸110が押し下げられることにより、揃え部材102a、102bは矢視Kとは逆の向きに回動し、凹部80a、凹部80b内から、或いはトレイ12上に積載された用紙の最上面から大きく離間したトレイ12の上方位置に移動する。
【0135】
このようにトレイ12が上方へ移動したときの揃え部材102a、102bの位置を図15に2点鎖線で、また図17に実線で示し、この位置を退避位置という。軸110、レバー113、ソレノイド115などは、揃え部材102a、102bを退避位置におく退避手段を構成する。
【0136】
c▲6▼揃え部材の駆動装置
図13、図14、図16、図17において、揃え部材102a、102bを支持している構成部分は、これら揃え部材102a、102bを共通に枢着する支点軸としての軸108と、この軸108からずれた揃え部材上の各作用点としての押動面102a4、102b4に当接して軸108を中心に揃え部材102a、102bを回動させる押動軸としての軸110と、揃え部材102a、102bの自重による軸108を中心とするモーメントによる回動をそれぞれ阻止し得る、スリット105a1、105b1の各奥部を具備した受け台105a、105bからなる回動阻止部材を有し、軸108は揃え部材102a、102bを揃え方向であるシフト方向dに案内するガイド軸を兼ねていて、受け台105a、105bは揃え部材102a、102bをシフト方向dに移動させる駆動手段を兼ねている構成からなり、さらに、用紙の排出方向aと平行な端部を挟むようにこれら端部に接離する揃え方向に移動して前記端部の位置を揃える揃え動作を行なう1対の揃え部材を具備した構成としてとらえることができる。
【0137】
このように、自重によるモーメントに相当する荷重で用紙Sの上面に揃え部材102a、102bを当接することができ、この荷重を調節することにより、用紙Sへの接触圧力を自在に調節可能であり、用紙Sがないときには図15に実線で示すように揃え部材102aの上部をスリット105a1の奥部に係止状態のもとで揃え部材102a、102bをトレイ12の凹部80a、80b内におくことができ、用紙S端部への揃え部102a1、102b1の確実な当接を可能とする。
【0138】
さらに、押動軸としての軸110に作用して作用点としての押動面102b4を押動させる状態と、該押動を解除する状態とを切り換え自在とする、レバー113とソレノイド115を主な構成とする切り換え駆動手段を具備していることにより、揃え部材102a、102bを同時に、用紙Sの最上面から退避する状態と、自重による回転モーメントで接する状態とを切り換えることができる。
【0139】
c▲7▼揃え部材とトレイとの関係
図4により説明した位置決め手段96により、トレイ12上面又はトレイ12上面に積載された用紙の最上面の上下方向の位置が排出コロ3からの用紙Sの排出に適する適正排出位置となるように昇降方向のトレイ12の位置が制御されるようになっていて、この適正排出位置において、図16で説明した揃え作動位置が設定されている。
【0140】
揃え部材102a、102bがシフト方向dに移動して揃え動作をするとき、揃え機能がよく発揮されるように、また、仕分けのためにトレイ12がシフトするときなどに、トレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとが干渉するのが回避されるようになっている。
【0141】
揃え部材102a、102bが図16で説明した揃え作動位置にあるとき、トレイ12上に設けられた凹部80a、80b内に揃え部材102a、102bの下端部が部分的に入り込んでいてかつ、図14、図15に示すように揃え部材102a、102bは凹部80a、80b内で間隔βをとることによりトレイ12と非干渉である。このときのトレイ12は、図4で説明したように、トレイの昇降方向の位置決め手段96により適正排出位置にある。
【0142】
凹部80a、80bを形成することにより、揃え部材102a、102bの下端部は凹部80a、80b内、つまり、トレイの12上面よりも下方に位置することにより、揃え部材102a102bの下端部、より詳しくは揃え部材102a、102bの下端部内側に位置する揃え部102a1、102b1を凹部80a、80bを介して確実に用紙Sの端部に交差させた態様をとり、揃え部102a1、102b1は一番下の用紙Sについてもその端部に確実に当てて揃えることができる。
【0143】
c▲8▼揃え部材と用紙との干渉回避
ジョブ(部)の用紙排出及びこれに続く揃えを終わり、揃え部材102a、102bが図10に示す受け入れ位置にある状態のままで、仕分けのためトレイ12がシフト方向dに移動したとすると、せっかく揃えた用紙束SSが、トレイ12のシフトとともに、揃え部材102a、102b下端部にひっかけられて整列を乱されてしまう。そこで、これを回避するために、トレイ12がシフトする前に、予めトレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとを退避手段により離間、退避させることとした。
【0144】
また、所定部数の仕分け揃えが終了し、次の所定部数の仕分け揃えに際し、用紙幅が変更される場合などに備え、揃え部材102a、103aは受け入れ位置よりも更に間隔を開けた位置まで移動させる必要がある。このための揃え部材102a、102bの移動に際しても、揃え部材102a、102bが既に揃えられたトレイ12上の用紙に干渉するのを避けるため、揃え部材102a、102bを受け入れ位置よりも開いた位置、ホームポジション或いは、ホームポジションよりも狭い任意の位置まで移動させる前に、トレイ12上の用紙Sとの干渉を避けるため予めトレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとを離間、退避させる。
【0145】
この退避の態様としては、揃え部材102a、102bを回動させる方法、トレイ12を下降させる方法、揃え部材102a、102bを回動させると共にトレイ12を下降させる方法、の3つがある。また、退避量を定めるには用紙のカールの度合いとトレイのシフト量との関係を考慮し、現実の装置において具体的に定めるのがよい。
【0146】
イ.揃え部材の退避
図13乃至図17において、軸110、レバー113、ソレノイド115などは、揃え部材102a、102bを退避位置におく退避手段を構成する。
【0147】
退避手段により、ジョブが終わる毎に、つまり、トレイ12がシフトする前毎に、予めソレノイド115をオンにして、図17に示すように揃え部材102a、102bを退避位置におく。或いは、所定部数の仕分け揃えが終了したときに、必要に応じて図17に示すように揃え部材102a、102bを退避位置におく。
【0148】
図15に示すように退避位置では、図16で揃え部材の下端部分(トレイ12とオーバーラップしていた部分)は押し上げられ、トレイ12との間に隙間が生じる。隙間が生じた時にトレイ12が仕分けをするためにシフト方向dに動作するため、用紙の最上面と揃え部材102a、102bとの接触を回避できる。
【0149】
退避手段により図17に示す退避位置におかれた揃え部材102a、102bは、ソレノイド115をオフにするだけで、揃え部材102a、102bの自重によるモーメントで図10に示す揃え作動位置に復帰させることができる。但し、退避位置から揃え作動位置に戻すタイミングは、揃え部材102a、102bが図10に示す受け入れ位置に移動した後とする。
【0150】
揃え動作が片側移動態様の場合、揃え部材102a、102bが揃え作動位置に復帰したとき、揃え部材の一方は前回ジョブでの用紙束の上に乗り、他方の揃え部材が前回ジョブでの用紙束の端部の外側に位置し、トレイ12のシフト後に行なわれる次回ジョブでは、上記前回ジョブでの用紙束上に乗った方の揃え部材が不動で、前回ジョブでの用紙の端部の外側に位置する揃え部材が該端部に接離して揃え動作を行う。
【0151】
揃え動作が両側移動態様の場合、揃え部材102a、102bが揃え作動位置に復帰したとき、揃え部材の一方は前回ジョブでの用紙束の上に乗り、他方の揃え部材が前回ジョブでの用紙束の端部の外側に位置する点は片側移動態様と同じであるが、トレイ12のシフト後に行なわれる次回ジョブでは、上記前回ジョブでの用紙束上に乗った方の揃え部材及び、前回ジョブでの用紙の端部の外側に位置する揃え部材の両方が該用紙束の端部に接離して揃え動作を行う。
【0152】
片側移動態様、両側移動態様の何れであっても、揃え部材102a、102bが揃え動作を一連の用紙に対して完了した後は用紙をトレイ12から取り出す場合がある。この場合にも、揃え部材102a、102bを図16に示す揃え作動位置から図17に示す退避位置におけば、トレイ12上からの仕分け揃え済みの用紙束の取り出しが容易となる。
【0153】
ロ.トレイの下降による退避
図4(a)に示した昇降手段95により適正排出位置よりトレイ12を下降させることにより、トレイ12のシフトに際してのトレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとの干渉を回避することができる。
【0154】
これらの事由によるトレイ12の下降状態は、トレイ12が仕分けに必要な所定のシフト量だけ移動した後、或いは、次の所定部数の仕分け揃えに際して、これから揃え動作を行なうべき用紙サイズが決まりそのサイズに合わせた受け入れ位置まで揃え部材102、103が移動された後まで継続し、その後、トレイ12は適正排出位置まで上昇させられる。これにより、用紙をトレイ上に良好な状態で排出し、揃え動作を実行することができる。
【0155】
ハ.上記イとロの組み合わせによる退避
ソレノイド115をオンさせて揃え部材102a、102bを動作させる退避と、昇降手段95を駆動することによりトレイ12を下降させる退避とを組み合わせた退避である。特別大きな退避量が必要でソレノイド115をオンさせるだけ、或いは昇降手段95を駆動するだけの退避量では足りない場合に行なうことで、必要な退避量を確保することができる。また、揃え部材102a、102bとトレイ12とを互いに離間する方向に移動させているので、短時間で必要退避量を確保することができる。
【0156】
特別大きな退避量が必要な場合のケースとして用紙Sのカールが大きい場合が考えられる。揃え部材102a、102bと、トレイ12とがシフト方向dに相対的にシフト移動する場合、用紙Sがカールしていて、カール量が大きいと通常の退避量ではカバーできないことがある。
【0157】
例えば、用紙Sがシフト方向dについて中凹にカールした場合などである。このような場合、必要に応じ、トレイ12を下降し、揃え部材102a、102bを退避させて用紙の最上面と非干渉となるような量を確保することができる。
【0158】
c▲9▼揃え動作
揃え動作として、▲1▼揃え部材102a或いは揃え部材102bの何れか一方を不動にしたまま、残る揃え部材を不動の揃え部材側に移動させて揃える片側移動態様と、▲2▼揃え部材102a、102bを互いに接近する方向に移動させて揃える両側移動態様の2つがある。
【0159】
片側移動態様では、不動側の揃え部材を既に揃えられている前回ジョブの用紙上に当接するので、揃え動作における用紙の乱れのおそれが少ない利点があるが、揃え部材を個別に動作させねばならないので動作機構が複雑になる。
【0160】
両側移動態様では、既に揃えられている前回ジョブの用紙上に1対の揃え部材が交互に当接するので、揃え部材の用紙との接触部の摩擦係数を用紙間の摩擦係数より小さくする等の配慮が必要であるが、揃え部材を連動して動作させる機構を採用することができるので駆動機構が簡単になる利点がある。
以下に、片側移動態様、両側移動態様における各揃え動作について説明する。
【0161】
イ.片側移動態様
揃え部材102a、102bによる片側移動態様による揃え動作について図18乃至図21により説明する。図18はトレイ12を図3において排出方向aの上流側から下流側に向かってみたときの図、図20乃至図21は揃え動作の斜視図で、図18(a)は図19、図18(b)は図20、図18(c)は図21にそれぞれ対応する。
【0162】
図3において搬送ローラ対2b、排紙センサ38、排紙コロ3等が配設された搬送経路を通過してきた用紙Sは、排紙コロ3より排出方向aに向けて排出される。
【0163】
[第1のジョブ]
図18(a)、図19において、用紙Sは重力の影響を受けて、斜め下方の矢視Bの向きに進みトレイ12に落下する。ここでは、既に部を構成する数枚の積載がなされている。用紙Sの排出に先立ち、トレイ12は図6〜図8で説明したトレイ往復動機構により予めシフト方向dの一端側、例えば後側に寄せられており、また、揃え部材は図10に示す受け入れ位置、図16に示す揃え作動位置にあり、最初のジョブにかかる第1の用紙束SS−No.1を構成する用紙がある程度積載されている。
【0164】
用紙Sが排出されると揃え部材102bは不動、揃え部材102aが用紙束SS−NO.1に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.1を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端部に接し、或いは叩き、図11に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、用紙束SS−NO.1は用紙Sが図44に示した自由落下距離Lを落下する間に生じたシフト方向dの横ずれΔ(図19参照)がない状態に揃えられる。その後、揃え部材102aは復動し、図10に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0165】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0166】
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、揃え部材102a、102bをホームポジション(図9参照)に戻す。
【0167】
[第2のジョブ]
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブとの境を明確にするため、トレイ12をシフトさせる。
【0168】
このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図17に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0169】
上記シフト後、揃え部材102a、102bは図17に示す退避位置から図16に準じた揃え作動位置に移行し、かつ、図10に示す受け入れ位置になる。この状態を図18(b)、図20に示す。トレイ12のシフトにより、前側の揃え部材102aが第1の用紙束SS−NO.1の上に当接して位置し、後側の揃え部材102bが所定の受け入れ位置にある。なお、図18(b)、図20では、第2のジョブにかかる第2の用紙束SS−No.2を構成する用紙がある程度積載されている。
【0170】
第2のジョブにかかる用紙Sが排出されると今度は前側の揃え部材102aが不動、後側の揃え部材102bが第2の用紙束SS−NO.2に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.2を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端部に接し、或いは叩き、図11に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。
【0171】
この揃え動作により、第2の用紙束SS−NO.2が揃えられる。その後、揃え部材102bは復動し、図10に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0172】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0173】
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、揃え部材102a、102bをホームポジションに戻す(図9参照)。
【0174】
[第3のジョブ]
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙(第1枚目)であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図17に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0175】
上記シフト後、揃え部材102a、102bは図17に示す退避位置から図16に準じた揃え作動位置に移行し、かつ、図10に示す受け入れ位置になる。この状態を図18(c)、図21に示す。トレイ12のシフトにより、後側の揃え部材102bが第2の用紙束SS−NO.2の上に当接して位置し、前側の揃え部材102aが所定の揃え作動位置にある。なお、図18(c)、図21では、第3のジョブにかかる第3の用紙束SS−No.3を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0176】
第3のジョブにかかる用紙Sが排出されると今度は後側の揃え部材102bが不動、前側の揃え部材102aが第3の用紙束SS−NO.3に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.3を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端部に接し、或いは叩き、図11に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第3の用紙束SS−NO.3が揃えられる。
【0177】
その後、揃え部材102aは復動し、図10に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0178】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0179】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、揃え部材102a、102bをホームポジション(図9参照)に戻す。
【0180】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図17に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトし、該先頭紙の排出を待つ。以下、前記したと同様の手順を繰り返す。
【0181】
ロ.両側移動態様
揃え部材102a、102bによる両側移動態様による揃え動作について図22により説明する。図22はトレイ12を図3において排出方向aの上流側から下流側に向かってみたときの図である。
【0182】
図3において搬送ローラ7、排紙センサ38、排紙コロ3等が配設された搬送経路を通過してきた用紙Sは、排紙コロ3より排出方向aに向けて排出される。
【0183】
[第1のジョブ]
図22(a)において、用紙Sは前記片側移動態様の場合と同様に、トレイ12に落下する。ここでは、既に部を構成する数枚の積載がなされている。用紙Sの排出に先立ち、トレイ12は図5〜図8で説明したトレイ往復動機構により予めシフト方向dの一端側、例えば後側に寄せられており、また、揃え部材102a、102bはシフト方向dについては図10に示す受け入れ位置、上下方向については図16に示す揃え作動位置にあり、トレイ12上には最初のジョブにかかる第1の用紙束SS−No.1を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0184】
用紙Sが排出されると揃え部材102a、102bが受け入れ位置から共に用紙束SS−NO.1に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.1を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端部に接し、或いは叩き、図11に示す揃え位置に移動する揃え動作を行なう。
【0185】
この揃え動作により、用紙束SS−NO.1は前記片側移動態様の場合と同様に用紙Sが図44に示した自由落下距離Lを落下する間に生じたシフト方向dでの横ずれΔ(図19参照)がない状態に揃えられる。その後、揃え部材102a、102bは復動し、図10に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0186】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0187】
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、揃え部材102a、102bをホームポジション(図9参照)に戻す。
【0188】
[第2のジョブ]
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図17に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0189】
上記シフト後、揃え部材102a、102bは図17に示す退避位置から図16に準じた揃え作動位置に移行し、かつ、図10に示す受け入れ位置になる。この状態を図22(b)に示す。トレイ12のシフトにより、前側の揃え部材102aが第1の用紙束SS−NO.1の上に当接して位置し、後側の揃え部材102bが所定の受け入れ位置にある。なお、図22(b)では、第2のジョブにかかる第2の用紙束SS−No.2を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0190】
第2のジョブにかかる用紙Sが排出されると前回同様揃え部材102a、102bが第2の用紙束SS−NO.2に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.2を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端部に接し、或いは叩き、図11に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第2の用紙束SS−NO.2が揃えられる。その後、揃え部材102a、102bは復動し、図10に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0191】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0192】
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、揃え部材102a、102bをホームポジション(図9参照)に戻す。
【0193】
[第3のジョブ]
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図17に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0194】
上記シフト後、揃え部材102a、102bは図17に示す退避位置から図16に準じた揃え作動位置に移行し、かつ、図10に示す受け入れ位置になる。この状態を図22(c)に示す。トレイ12のシフトにより、後側の揃え部材102bが第2の用紙束SS−NO.2の上に当接して位置し、前側の揃え部材102aが所定の受け入れ位置にある。なお、図22(c)では、第3のジョブにかかる第3の用紙束SS−No.3を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0195】
第3のジョブにかかる用紙Sが排出されると揃え部材102a、102bが第3の用紙束SS−NO.3に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.3を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端部に接し、或いは叩き、図11に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第3の用紙束SS−NO.3が揃えられる。
【0196】
その後、揃え部材102a、102bは復動し、図10に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0197】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0198】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、揃え部材102a、102bをホームポジション(図9参照)に戻す。
【0199】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図17に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトし、該先頭紙の排出を待つ。以下、前記したと同様の手順を繰り返す。
【0200】
なお、仕分けを行なう場合、上記のようにトレイ12をシフト方向に移動させて行なう方向の他に、トレイ12のシフトは行なわずに揃え部材102a、102bを必要量だけシフト方向に移動した位置で揃えることにより、シフトと揃えを行なう態様も可能である。
【0201】
d.戻し手段
d▲1▼第1の例
図23により、戻し手段としての戻しコロ121''及びこの戻しコロ121''を排出方向上に変位させる変位手段の例を説明する。
図23において、戻しコロ121''は表面が凹凸形状をしたスポンジ状の弾性材からなり、移動体500に軸支されている。移動体500は正面形状がL字状をしていて、その上部は変位方向に長い案内部材501に摺動可能に嵌合されている。戻しコロ121''は移動体500に軸支されており、戻しコロ121''と一体的な軸にはプーリ502が一体的に設けられている。また、移動体500にはモータ503が固定され、その軸にはプーリ504が固定されている。
【0202】
移動体500上、プーリ502とプーリ504の中間位置にはアイドルプーリ505が軸支されていて、アイドルプーリ505とプーリ502間にはベルト506が掛けられ、アイドルプーリ505とプーリ504間にはベルト507が掛けられている。
【0203】
モータ503の回転を戻しコロ121''に伝達して戻しコロ121''を排紙コロ3の回転とは無関係に回転させることができる。移動体500の下面にはラック508が形成されている。このラック508にはピニオン509が噛み合っている。ピニオン509は不動部材に軸支されたモータ510の回転軸に固定されている。
【0204】
かかる構成からなる変位手段において、モータ510を駆動することにより、その回転方向に応じて、ラック508とピニオン509の噛み合いを介して移動体500を案内部材501に沿って往復動させ、モータ510の回転量及び回転方向の制御により、戻しコロ121''を排出方向a(変位方向)上の任意の位置に移動させることができる。
【0205】
本例の変位手段では、ラックとピニオンの噛み合い関係を利用して変位を行なうので、戻しコロ121''の移動軌跡は直線的となるのが特徴であり、トレイ12又はトレイ12上の積載紙の上面から離間しかつ排出方向aでの上流側端近傍のホームポジション(I)と、ホームポジション(I)から排出方向上排出紙の後端部を捕え得、トレイ上の上面に軽く接する押え/戻し位置(II)間を変位可能である。
【0206】
本例にかかる変位手段においては、押え/戻し位置(II)を、上記のように定めることにより既に積載されている用紙の後端部を押さえることで、次の排出紙の先端部が押し出すのを防止することができるし、排出紙の先端部が押し出さなくなったときには一旦ホームポジション(I)まで戻り、排出紙が落下した後には再度ホームポジションから押え/戻し位置(II)まで移動させかつ戻しコロ121''を戻し方向に回転させることにより排出紙の後端がエンドフェンス131にぶつかるまで戻すことにより縦揃えを行なうことができる。
【0207】
このように、戻しコロ121''の回転駆動系であるモータ504は排紙コロ3の回転駆動系とは独立した構成にしてあるので排紙コロ3の回転速度に支配されることなく、変位動作と連動して戻しコロ121''の回転速度を停止起動および増減速制御することが可能である。
【0208】
d▲2▼第2の例
イ.構成
図24乃至図29により、戻し手段として戻しコロ121a、121bを備え、排出方向a上に変位させる別の変位手段の例を説明する。なお、説明の便宜上、戻しコロ121a、121bの2つを戻しコロ121と総称する場合もある。図24は変位手段を戻しコロ121a、121bと共に組み立て状態でその要部を示した図、図25は変位手段を戻しコロ121a、121bと共に分解した状態で示した図である。変位手段の構成部材はフレーム200に組み付けられている。
【0209】
戻しコロ121a、121bは前記例で説明した戻しコロ121''と同じ材質及び概略形状をしている。戻しコロ121aを変位させる手段と、戻しコロ121bを変位させる手段とは共通部分において全く同じ構成である。そこで、説明の煩雑を避けるため、この共通部部分の構成に関しては戻しコロ121a関係については部材を表す数字の符号にaの文字を付して詳細に説明し、戻しコロ121b関係については部材を表す数字の符号にbの文字を付すにとどめ、説明は省略する。
【0210】
変位手段の基本構成は次のとおりである。
図24、図25において、第1部材(以下、駆動レバーという。)123aはたて長の部材であって、その中間位置を軸129により貫通されることにより不動部材であるフレーム200に枢着されている。ここで、軸129は駆動レバー123aに対して回転自在であり、軸129の両端部は軸受520、521を介してフレーム200に軸支されている。駆動レバー123aについて軸129により貫通された部位は枢着部であり、この部位を第1枢着部522aと称する。駆動レバー123aは第1枢着部522aを揺動中心にして一定角度の範囲で揺動可能である。
【0211】
第2部材(以下、従動レバーという。)122aはたて長の部材であってその中間位置にて突出している軸部524aを、駆動レバー123a上の第1枢着部522aから外れた一方の自由端側である第2枢着部523aに嵌合することにより枢着されている。従動レバー122aは第2枢着部523aを中心に一定角度の範囲で揺動可能である。
【0212】
従動レバー122aの第2枢着部523aでの回転中心(軸部524aの中心)からずれた任意の自由端側には、軸部525aが一体に形成されており、この軸部525aに戻しコロ121aが枢着されている。
【0213】
これら駆動レバー123aの第1枢着部522aを中心とする揺動と、従動レバー122aの第2枢着部523aを中心とする揺動との組み合わせ動作により、従動レバー122aの自由端側に枢着された戻しコロ121aを排出方向a上の異なる位置に変位させることができる。
【0214】
本例では、揺動自在の単体レバーの先端部に戻しコロを設ける構成(不図示)や、図23により説明したラックとピニオンの組み合わせによる変位手段に比べて、後述するように、戻しコロ121aを遠方まで変位させることが可能であり、折曲自在な駆動レバー123aと従動レバー122aの構成により、同じ量の変位ストロークを達成するための他の構成と比べてコンパクトな構成となし得、しかも、山形の軌跡を描かせるなど上下方向の変位も可能でフェイスカールにより後端部が上方に跳ね上った部位を越えてトレイ上の用紙の上に当てることも可能となる。
【0215】
駆動レバー123aは第1枢着部522aを中心にして考えたときに従動レバー122aが設けられた側と反対側の自由端側に板金からなるブラケット124がねじ526aによって固定されている。これにより駆動レバー123aは板状をしたブラケット124と一体化されている。
【0216】
このブラケット124の、排出方向aでの上流側の側面部には駆動レバー123aを揺動させる偏心カム125の周面が当接している。偏心カム125はフレーム200と一体的に構成された支持板527に軸支された軸528と一体的に回転させられるようになっている。偏心カム125のカム面をブラケット124に弾性的に押し当てる第1当接手段として、ねじりコイルばね529aが設けられている。このねじりコイルばね529aのうち、ボス状をした第1枢着部522aの外周をゆるく巻いた該ねじりコイルばね529aの一端側が駆動レバー123aの側部に掛けられ、該ねじりコイルばね529aの他端側がフレーム200の一部として構成されたフック530aに掛けられている。
【0217】
このねじりコイルばね529aの弾性により、駆動レバー123aは第1枢着部522aを中心にして矢印の向きに回動付勢され、偏心カム125に弾性的に押圧される。よって、偏心カム125を回転駆動することにより、カム面の変位量に従い駆動レバー123aは第1枢着部522aを中心にして揺動する。
【0218】
偏心カム125はエンドレスなカム面を有するので、その回転運動により駆動レバー123a、ひいては戻しコロ121aに周期的な変位を与えることができる。
【0219】
第1当接手段としてのねじりコイルばね529aと偏心カム125を以って、第1揺動手段が構成され、この第1揺動手段によって偏心カム125と駆動レバー123a(ブラケット124)の自由端側の摺接が得られ、偏心カム125の回転に応じて駆動レバー123aを偏心量に従う所定角度で揺動させることができる。
【0220】
このように第1揺動手段によって駆動レバー123aを所定角度揺動させることによって、該駆動レバー123a上に乗っている従動レバーを戻しコロ121aと共に移動させ、戻しコロ121aに対して排出方向aについての円弧状の変位を与えることができる。
【0221】
偏心カム125を固定している軸528には円盤の一部を半円状に切り欠かれた遮蔽板531がその軸心部を固定されており、かつ、歯車532がその軸心部を固定されている。歯車532には歯車533が噛み合わされており、この歯車533は支持板527に固定されたステッピングモータ126により回転駆動されるようになっている。
【0222】
遮蔽板531の切欠部が通過する部位にはセンサ127が固定されていて、センサ127による遮蔽板531の検知情報により偏心カム125の回転量を検知し、ステッピングモータ126の駆動停止を制御することができる。このセンサ127は戻しコロ121のホームポジションを検知する戻しコロHPセンサとして機能させることができる。
【0223】
センサ127及び遮蔽板531の組み合わせはエンコーダを構成し、偏心カム125はステッピングモータ126を駆動源として上記エンコーダにより回転量が制御される。
【0224】
このようにステッピングモータとエンコーダの組み合わせの構成を採用することにより戻しコロ121aの位置を適正に管理することができる。例えば、戻しコロ121aを図28に示したようにホームポジション(I)、と押え/戻し位置(II)等にあるように位置決めすることができる。
【0225】
ホームポジション(I)は、トレイ12又はトレイ12上の積載紙の上面から離間しかつ排出方向aでの上流側端近傍であり、押え/戻し位置(II)はホームポジション(I)から排出方向上、排出紙の後端部を捕え得、トレイ上の用紙の上面に軽く接する位置である。
【0226】
従動レバー122aは、当該従動レバー122a上であって第2枢着部523a(軸部524a)を間にして戻しコロ121aが設けられた側と反対側の自由端側534aに作用するように設けられた第2揺動手段により揺動させられる。
【0227】
この第2揺動手段は、駆動レバー123aの揺動に伴い、第2枢着部523aを中心に従動レバー122aを所定角度量だけ揺動させるもので、かかる第2揺動手段を設けることにより、第2枢着部523aを中心とする駆動レバー123aに対する従動レバー122aの角度を変位させることで戻しコロ121aを所望の軌跡を以って所望の位置間に移動させ得る。かつ、従動レバー122aの揺動動作と駆動レバー123aの揺動動作とを組み合わせることにより、戻しコロ121aのストロークを稼ぐことができる。
【0228】
第2揺動手段は従動レバー122a上の前記第2枢着部の中心からずれた戻しコロ121aが設けられた側と反対側の自由端側534aに形成した突起535aに摺動するカムであって、曲率無限大の周面の一部に台形状の突起部536が形成された平板状カム537と、該平板状カム537を突起535aに当接させる第2当接手段を付帯している。この第2当接手段としては、軸部524aにねじりコイルばねを巻き、該ねじりコイルばねの一端側を従動レバー122aに掛け、該ねじりコイルばねの他端側を不動部材に掛けることにより構成することができる。
【0229】
第2当接手段により平板状カム537に対する突起535aの当接状態が得られることにより、駆動レバー123aの揺動に応じて戻しコロ121aを周期的に上下動させることができ、駆動レバー123a及び従動レバー122aの揺動との組み合わせにより戻しコロ121aを山形の軌跡で変位させることができるので、トレイ12上に積載された用紙にぶつかって排出方向aに押し出すことなく、押え/戻し位置(II)へ移動させることができる。
【0230】
図28に図示されるように、平板状カム537は従動レバー122aの自由端側534aの上方に位置している。このような位置関係では戻しコロ121aの下方にはトレイ12が位置している。
【0231】
既に説明したように、トレイ12は積載される用紙の上面と排紙コロ3との間の距離を一定に保つために、用紙が排出されてトレイ12上の高さが高くなるにつれて下降するようにモータ駆動されるようになっている。
【0232】
トレイ12の上限と下限には安全対策としてのリミットスイッチが設けられていて、トレイ上下動用のモータが暴走した場合でも停止するように制御されるが、かかるリミットスイッチに到達する以前に、仮に何らかの原因でトレイ12が異常事態により上昇した場合でも、本例のように平板状カム537が従動レバー122aの自由端側534aの上方に位置している構成とすれば、上昇するトレイ12が戻しコロ121aを押し上げても、第2枢着部523aを中心に従動レバー122aは平板状カム537から逃げることができ、従動レバー122aが回動するだけで他部材との干渉がないので、部材の損傷を免れることができる。
【0233】
戻しコロ121aを回転駆動するための動力伝達系について説明する。
動力伝達系は、第1枢着部522a、第2枢着部523aの各枢着中心を回転中心とするプーリおよびこれらプーリに掛けられたベルトを主要素としている。ここで、プーリ及びベルトには、歯車及びチェーンも同様な動力伝達手段として包含するものとする。
【0234】
図25において、軸129と一体的に回転するプーリ538aと、軸部524aに枢着されているプーリ539aと、これらプーリ538aとプーリ539aとに掛けまわされたベルト540aからなる組み合わせがある。
【0235】
また、軸部524aに枢着されているプーリ541aと、軸部525aに枢着され戻しコロ121aと一体に構成されたプーリ542aと、これらプーリ541aとプーリ542aとに掛けまわされたベルト543aからなる組み合わせがある。なお、プーリ541aとプーリ539aとは共通の軸部524aに嵌合された状態では側面部に形成された噛み合わせ部が噛み合うことにより一体的に回転される状態となる。
【0236】
軸129の軸端部には継手555を介してステッピングモータ556がフレーム200に固定されていて、軸129を回転させる。軸129が回転することにより、プーリ538a→ベルト540a→プーリ539a→プーリ541a→ベルト543a→プーリ542a→戻しコロ121aの順で動力の伝達して戻しコロ121aが回転させられ、用紙をエンドフェンスに向けて戻す戻しのための回転がなされる。
【0237】
このように、駆動レバー123a、従動レバー122aの各揺動支点部にプーリを配置しこれらのプーリを介して戻しコロ121aに動力伝達される構成とし動力伝達のプーリの軸部を戻しコロ変位のための揺動支点軸と共通化したので、動力伝達系を簡単に構成でき、かつ、駆動レバー123aの外部からも容易に動力をとり入れることができ変位手段を軽量かつコンパクト化できる。
【0238】
上記したように図25において、戻しコロ121a回転のための動力は、第1枢着部522aと同心の軸129と一体的に設けられたプーリ538aと、第2枢着部523aと同心の軸部524aに枢着されたプーリ539aと、これらプーリ538aとプーリ539a間に掛けまわされたベルト540aを介して伝達される構成を含んでいる。
【0239】
この動力伝達系の断面を示した図26において、プーリ538aは軸129と一体的に固定されている。プーリ539aは軸部524aに枢着されている。本例では特に、これらプーリ538aとプーリ539a間に掛けまわされたベルト540aの張力を適度に選択してこの張力によりプーリ539aを軸部524aに押しつけることにより、該プーリ539aの内径部と軸部524aとの間に適度の摩擦力を作用させる。この摩擦力によりプーリ539aの回転力は軸部524aにも伝えられて、従動レバー122aは第2枢着部523aを中心にして回動付勢される。
【0240】
図24、図25において、戻しコロ121aに用紙をエンドフェンス131側に戻す戻し機能を果たさせるための回転の向きは反時計まわりの向きである。この回転の向きで戻しコロ121aを回転させるときプーリ539aの回転の向きは反時計まわりの向きであり、この向きの回転のときに上記摩擦力によって従動レバー122aに与えられる回動付勢力もまた、第2枢着部523aと中心とする反時計まわりの向きであり、この回動付勢力により従動レバー122aの突起535aが平板状カム537に押圧される向きに付勢される。
【0241】
本例のように、ベルト540aの張力によるプーリ539aと軸部524aとの摩擦力及びプーリ539aの回転力を利用した従動レバー122aの回動付勢により、従動レバー122aの突起535aを平板状カム537に押圧させる第2付勢手段の機能を果たさせることができ、ねじりコイルばねを使用する場合に比べて、簡易な構成となすことができる。突起535aが平板状カム537に適度の押圧力で押圧された状態でプーリ539aと軸部524aとがスリップするようにベルト540aの張力は適度に設定するものとする。
【0242】
本例では、第1部材の揺動と第2部材の揺動との組み合わせ動作により回転体からなる戻し手段を排出方向の異なる位置に確実に変位させて、戻し手段による戻し機能や押さえ機能を得ることができる。
【0243】
戻し機能時には戻しコロ121を回転させるが、押さえ機能時には必ずしも回転させる必要はない。一方、排紙コロ3は継続して回転させる必要がある。本例では、戻しコロ121の回転駆動系と排紙コロ3の回転駆動系とを別箇とし、それぞれ独立して回転制御できるようにしている。
【0244】
そこで、戻しコロ121の回転駆動系の構成例を図29により説明する。戻しコロ121aには図25で説明したようにプーリ542aが一体的に形成されており、これらのプーリは軸部524a上のプーリ541aとベルト543aで結ばれている。さらに、プーリ541aと同軸かつ一体的なプーリ539aがベルト540aを介して駆動側のプーリ538aと結ばれている。
【0245】
排紙コロ3を駆動するステッピングモータ132とは別箇のステッピングモータ556に連結された軸129と一体的に回転するプーリ538aによりベルト540aが回転してプーリ539a、541aを回転させ、これによりベルト543aを介してプーリ542aが回転して戻しコロ121が回転する仕組みである。プーリ542bについても上記に準ずる。
【0246】
ここで、ベルト543aは従動レバー122aの内部に、ベルト540は駆動レバー123aの内部に各々収納されている。これらの構造は図25により説明した通りである。なお、排紙コロ3は排紙モータであるステッピングモータ132からベルトを介して回転動力を得ている。このように、排紙コロ3の駆動と戻しコロ3の駆動を個別に制御できる。
【0247】
ロ.戻しコロの変位
ここでは、前記図24〜図26で説明した構成の変位手段により戻しコロ121をホームポジション(I)と押え/戻し位置(II)間で変位させる動作について説明する。なお、前記図23における変位手段による戻しコロ121''の制御についても、以下の説明に準ずるものとし、モータ510の回転により行なう。
図28において戻しコロ121はホームポジション(I)では排紙コロ3の下部近傍、つまりトレイ12上で排出方向aでの上流側端近傍かつ積載紙の上面から離間した位置にあり、シフト方向d(用紙の幅方向)の中央部に対向して配置されている。
【0248】
戻しコロ121aと121bとの間に積載面の紙面高さを検知するための紙面レバー1200が位置している。これにより、紙面レバー1200とトレイ12上の用紙の積載面との接触点は常に一定の高さに制御される。
【0249】
図45で説明したように、トレイ12上に積載された用紙にカールがあると、トレイ12上に積載された用紙の最上面部はトレイ12に設けた傾斜よりもなだらかな傾斜となり、新たにトレイ12上に排出された用紙は自重でエンドフェンス131に突き当たるまで移動することができなくなる。このため、排出方向aの上流側端及び下流側端が揃わない。
【0250】
このように、積載紙の上に落下した用紙がエンドフェンス131まで戻らないことによる縦揃えの不揃えを防止するために、本例の変位手段で駆動される戻しコロ121を用いて、ホームポジション(I)から、その飛び出した用紙S2の後端部を捕え得る、押え/戻し位置(II)まで変位させて用紙の後端部に上から接触させ、戻しコロ121の回転力でエンドフェンス131に突き当たるまで戻す。
【0251】
既に説明したように、戻しコロ121は従動レバー122a、122bの軸部525a、525bに枢着されており、これら従動レバー122a、122bの反対側の軸部524a、524bは、駆動レバー123a、123bに挿入されて該軸部524a、524bを中心に従動レバー122a、122bは回動するようになっている。
【0252】
また、駆動レバー123a、123bは従動レバー122a、122bが枢着している反対側を軸129に挿通されていて該軸129を中心に回動するようになっている。さらに、駆動レバー123aと123bにはブラケット124が接合されており、ブラケット124を偏心カム125で変位させることによって、駆動レバー123a、123bを、軸129を中心に揺動させ、さらには駆動レバー123a、123bに枢着されている従動レバー122a、122bを揺動させ、戻しコロ121を変位させる。
【0253】
図1、図28に示されているように、用紙S1が排出されるときには予め戻しコロ121はホームポジション(I)から2点鎖線で示す押え/戻し位置(II)まで移動してトレイ12上に積載されている用紙S2を押さえて排出中の用紙S1の先端部が用紙S2を押し出すのを防止し、さらに、用紙S1が用紙S2の上に落下するまでの間に一旦ホームポジションまで戻り、用紙S1が落下した後、再度押え/戻し位置(II)まで移動して積載済みの用紙S1をエンドフェンス131に向けて戻すように機能する。その結果、図1、図2に示すように縦ずれのない整列状態を得る。
【0254】
図27において駆動レバー123a、123bに接合されているブラケット124を矢印J方向に変位させる偏心カム125がステッッピングモータ126から歯車533、532による伝達駆動を受けて回転し、この回転によりホームポジション(I)と押え/戻し位置(II)との間の戻しコロ121の変位が行なわれる。
【0255】
偏心カム125には半円状の遮蔽板531が付加されており、この遮蔽板531をセンサ127で検知することによって偏心カム125の停止位置を規制して、すなわち戻しコロ121の停止位置を規制している。
【0256】
戻しコロ121の変位のタイミングについて説明する。
通常は、ホームポジション(I)にあり、用紙が排紙コロ3から排出され、該用紙の後端部が下コロ3aの外周に沿ってトレイ12に落下した直後に、押え/戻し位置(II)に変位させる。
【0257】
排出紙が部の先頭紙の場合には、該先頭紙の後端部がまた排紙コロ3にくわえられたままの状態でトレイ12をシフトし、シフト後において排紙コロ3から該先頭紙が排出落下した後、戻しコロ121を押え/戻し位置(II)に変位させる。
【0258】
平板状カム537によるカム形状に従い山形の軌跡を辿って変位した戻しコロ121が用紙後端部に上方から下降して接触して、ある一定時間その位置にとどまり、回転力でもって用紙をエンドフェンス131戻したら、再び偏心カム125を回転させてホームポジション(I)まで変位させる。このような動作により、後述するように飛び出した用紙を確実に引き戻して排出方向aについての揃え精度を向上させることができる。
【0259】
本例では、戻しコロ121としてスポンジ状の弾性材を用い、かつ、表面形状を凹凸状にしたものを用いた。これにより、用紙Sの上面に変形して接することで適度の押圧力が得やすくなり、また、用紙を確実に捉えることができる。
【0260】
ハ.押え動作
図1に示したように、排紙コロ3からトレイ12に向けて排出される用紙S1の先端部により、積載済みの用紙S2が押し動かされないように、戻しコロ121により用紙S2を押え/押圧位置(II)で押圧するのが押え動作である。
【0261】
[4]請求項1に対応する制御例
a.制御の概要
以下の制御例では図24乃至図29の戻しコロ121について説明するが、図23の戻しコロ121''についても上記戻しコロ121についての制御に準ずる。
【0262】
図3に示したように画像形成装置50にシート状媒体後処理装置51が連結されていて、このシート状媒体後処理装置51に本発明に係るシート状媒体整合装置が設けられた装置の全体構成のもとでの用紙の揃え、戻し、仕分けを行なう制御の例である。以下では仕分け動作についてはトレイ12をシフトする態様で説明し、揃え動作については図22で述べた両側移動態様で説明する。
【0263】
b.制御回路
図30は制御手段の制御回路を示し、CPU700は制御プログラムをメモリされたROM710と情報の授受を行ないまた、クロック720からクロック信号を入力して以下の各フローチャートに示された制御を実行する。
【0264】
そのため、CPU700は、画像形成装置50との間で信号の授受をなし、また、センサ群730からの情報を入力し、ステッピングモータ制御ドライバ740、モータドライバ750、ドライバ760に情報を出力するようになっている。
【0265】
センサ群730はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のセンサをまとめて表現したもので、以下のフローチャートによる制御の中にでてくる種々のセンサが該当する。
【0266】
ステッピングモータ制御ドライバ740はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のステッピングモータを制御するもので、具体的には以下で説明するフローチャートに出てくる種々のステッピングモータが該当する。図30では符号Mで例示している。
【0267】
モータドライバ750はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のDCモータを制御するもので、具体的には以下で説明するフローチャートに出てくる種々のモータが該当する。図30では符号Mで例示している。CPU700は画像形成装置50の制御手段(CPU)50PUと情報の授受をするようにしてある。
【0268】
ドライバ760はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のソレノイドを制御するもので、具体的には以下で説明するフローチャートに出てくる種々のソレノイドが該当する。図30では符号SOLで例示している。図30におけるCPU700が、以下に示すフローを実行する主な部分であり、本発明における制御手段の中心をなす。
【0269】
c.制御例
c▲1▼前提
図3において、シート状媒体後処理装置51において用紙を仕分けするシフトモードが選択されている場合、画像形成装置50の排紙コロ560から搬送されてきた用紙は、入口ローラ対1によって受け取られ、搬送ローラ対2a及び搬送ローラ対2bを通過し、最終搬送手段である排紙コロ3によってトレイ12に排出される。その時、分岐爪8a、8bはデフォルト位置のままで、1枚1枚の用紙が順次、同様の搬送経路を通過してトレイ12に排出される。
【0270】
以下のフローはシート状媒体後処理装置で本発明に関係している部分のみを示したものである。図3の画像形成装置50およびシート状媒体後処理装置51を統括するメインスイッチをオンにし、仕分けモードを選択することにより、図31に示すイニシャルルーチン及びその後のメインルーチンが実行される。イニシャルルーチンでは、ステップP1で「各駆動部イニシャル制御」が行なわれ、揃え部材102a、102bが図9に示したホームポジションに移動し、各フラグが0にリセットされる。なお、以下のフローチャート上、ジョガーとは揃え部材102a、102bの意味である。
【0271】
ステップP1が終わるとメインルーチンへジャンプする。メインルーチンではステップP2「用紙搬送制御」(詳細は図32)、ステップP3「戻しコロ押え制御」(詳細は図35、図36)、ステップP4の「シフト制御」(詳細は図37)、ステップP5の「戻しコロ戻し制御」(詳細は図38参照)、ステップP6の「ジョガー制御」(詳細は図39、図40)が順次実行され、かつ必要回数繰り返される。
【0272】
c▲2▼用紙搬送制御
図32により用紙搬送制御について説明する。ステップP7では排紙センサonフラグは0であるので(ステップP1)、ステップP8に進み、排紙センサ38による用紙Sの先端検知があると(図41(a))、排紙センサonフラグを1にセットし(ステップP9)、時間短縮のため排紙コロ3を駆動する排紙モータであるステッピングモータ132を加速制御し(ステップP10)、ステップP11で戻しコロ押え動作フラグをセットすると共に、ステップP12で戻しコロ押さえ動作タイマをリセットする。ここまでの手順において、用紙の先端を排紙センサ38が検知した時点t1で同時に戻しコロ押え動作タイマによる時間T1の計時を開始する(図42(a)参照)。
【0273】
排出されてくる用紙にはシフトコマンド信号を伴うものと伴わないものとがある。部の先頭紙だけがシフトコマンド信号を伴い、用紙が排紙センサ38を通過する時点シフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。シフトコマンド信号は画像形成装置50の制御手段50PUよりCPU700に送信される。
【0274】
排紙センサ38を通過した用紙が部の先頭紙の場合、CPU700はシフトコマンド信号を既に受信しているのでステップP14でシフト動作フラグをセットした上で、用紙の後端が排紙センサ38を通過するのを待ち、用紙の後端が排紙センサ38を通過すると(ステップP15、図41(b))、排紙センサONフラグを0にした上で、トレイ12上での着地位置を安定させるため排紙モータであるステッピングモータ132を減速制御する(ステップP17)。上記、ステップP14でシフト動作フラグをセットしたことにより、図37後述するように、戻しコロ121が押え動作を終了した後にトレイ12をシフトさせるシフト制御が行なわれる。
【0275】
ステップP18で戻しコロ戻し動作フラグをセットし、戻しコロ戻し動作タイマをリセットし(ステップP19)、ジョガー動作フラグをセットする(ステップP20)。
【0276】
ここまでの手順において、用紙の後端を排紙センサ38が検知した時点t10で、戻しコロ戻し動作タイマによる時間T3の計時を開始する(図42(b)のt10)。
【0277】
c▲3▼戻しコロ押さえ制御
図35、図36により戻しコロ押え制御について説明する。ステップP29において既にステップP11で戻しコロ押え動作フラグはセット済みであるのでステップP30に進む。ステップP30、P31、P32において各フラグはリセットされたままであるので、ステップP33で戻しコロ押さえ動作タイマによる時間T1の経過を監視し、時間T1を経過した時点t2(図42(a))で、戻しコロ121によりトレイ12上に既に積載されている用紙の上面を押さえる押え準備に入る。この時間T1の経過時点t2では、まだ部の先頭紙である排出紙の先端部は既積載紙の上面に接する状態にはなっていない。
【0278】
戻しコロによる押え準備では、戻しコロ121をホームポジション(I)から押え/戻し位置(II)へ向けて移動を開始する戻しコロon制御(ステップP34)により戻しコロ121を移動開始する。また、戻しコロon移動開始フラグをセットし(ステップP35)、図25のステッピングモータ126を起動することでセンサ127がオフになり(ステップP36)、所定量移動して戻しコロ121が押え/戻し位置(II)に移動することでステッピングモータ1216を停止する(ステップP37)。これらの準備を終えて戻しコロ121が押え/戻し位置(II)に達した時点t3において、排出紙の先端は既積載紙の上面にまだ接触していない(図41(c))。
【0279】
戻しコロ121は押え動作を行なうときには、既積載用紙を押えるだけであるので、回転させる必要は必ずしもないので、回転を停止させるように制御することもできる。回転停止時にはモータのブレーキ機能により外力によってつれ回りすることがないようになっている。
【0280】
排紙センサ38が用紙の先端を検知してから時間T1を経過しさらに戻しコロ121がホームポジション(I)から押さえ/戻し位置(II)まで移動した後、部の先頭紙である排出用紙の先端部が既積載紙の上面に接触するようにする。戻しコロ121がホームポジション(I)から押え/戻し位置(II)まで移動するに要する距離は一定であるので所要時間も既知であり、用紙の先端が既積載紙に当接する前に戻しコロ121を押え/戻し位置(II)に移動させておくことが可能である。このような戻しコロの移動動作に要する準備時間を見込んで時間T1を設定している(図41(d))。
【0281】
押え準備を終え、戻しコロ121が押え/戻し位置(II)に移動した時点t3(図42(a)参照)で戻しコロon移動開始フラグをリセット(ステップP38)し、かつ、戻しコロ0n移動終了フラグをセットし(ステップP38)、さらに、戻しコロ押え動作タイマをリセット(ステップP39)することで、戻しコロ押え動作タイマにより時間T2の計時を開始する。この時間T2が経過するまでの間に排出紙の先端は既積載の上面に接しながら排紙コロ3より送り出される。時間T2が経過した時点t4において用紙の後端部はまだ排紙コロ3にくわえられたままである。このようにくらえられたままになっているという条件を満足するように時間T2が設定される。
【0282】
時間T2が経過する時点t4において、用紙の後端部はまだ排紙コロ3にくわえられていて、用紙の先端は既積載紙の上面に接しているが、既積載紙を押しだす量は残り僅かになっている。そして用紙の後端部を排紙コロ3にくわえたままの状態でトレイをシフトしないと、先頭紙を次の部の位置に位置させることができない。
【0283】
そこで、時間T2の経過時点で、戻しコロ121による押えを解除することとし、時間T2が経過したら(ステップP40)、戻しコロ121を押え/戻し位置(II)からホームポジション(I)へ向けて移動開始し(ステップP41、図41(e))、戻しコロon移動終了フラグをリセット、戻しコロoff移動開始フラグをセットし(ステップP42)、戻しコロ121がホームポジションに達したことをセンサ127で検知することによりチェックした上で(ステップP43)、ステッピングモータ126を停止し(ステップP44)、戻しコロ押え動作フラグ、および戻しコロoff移動開始フラグをリセットする(ステップP45)。
【0284】
c▲4▼シフト制御
シフト制御を図37により説明する。図32で説明したようにステップP14でシフト動作フラグは1にセットされているので、図37のステップP46からステップP47に進み、戻しコロ121がホームポジション(I)に向けて動作中であるか否かがチェックされ、動作中でなければ、ステップP48へ進んで、図6で説明したモータ44を駆動することによりシフト駆動制御を行なう。
【0285】
トレイ12はシフト方向dの一方の側から他方の側に向けて移動し、ホームセンサ48がオフしてからオンになる(ステップP49、50)。つまり、排紙コロ3に先頭紙の後端部がくわえられたままで、トレイ12はシフト方向dにシフトし、これにより、先頭紙は前の部である既積載紙に対して所定量ずれる(図41(e))。
【0286】
ホームセンサ48がオンになったら、ステップP51でモータ44を停止してシフト停止制御を行ない、シフト動作フラグをリセットする(ステップP52)。
【0287】
c▲5▼戻しコロ戻し制御
ここでは、戻しコロ121により、トレイ12上に排出された用紙S1をエンドフェンス131に突き当たるまで戻す戻しコロによる戻し制御が行なわれる。図38において、ステップP53では、既にステップP18で戻しコロ戻し動作フラグが1にセットされているので、ステップP54に進み、戻しコロ戻し動作タイマの計時時間が、時点t10から時間T3を経過しているか否かがチェックされる。
【0288】
時間T3は、図32のステップP15における先頭紙の後端検知に伴うステップP19の戻しコロ戻し動作タイマリセット(ステップP19)の時点t10からの経過時間であり、この時間T3の時間が経過するまでの間に、部の先頭紙について後端部がまだ排紙コロ3にくわえられている条件のもとでトレイ12のシフトが終了している。また、図42(b)において、時間T3が経過した時点t11までの間にトレイ12のシフトが終了し、部の先頭紙はトレイ12上に落下している(図41(f))。
【0289】
図38において、ステップP54で時間T3が経過した時点t11で、戻しコロ121が用紙を戻す方向に回転駆動されると共に、戻し準備動作として、戻しコロ121はホームポジション(I)から押え/戻し位置(II)に移動する(ステップP55、P56、P57、P58)。
【0290】
つまり、ステップP55では戻しコロ戻し動作フラグがリセットされ、ステップP56ではステッピングモータ126の起動により戻しコロ121が移動を開始し、ステップP57でセンサ127の検知があるとステップP58でステッピングモータ126を停止する(ステップP58)。図42(b)において、時点t12で、戻しコロ121は押え/戻し位置(II)に達している(図41(g))。
【0291】
この時点t12にて、戻しコロ戻し動作タイマがリセットされて時間T4の計時が開始され(ステップP59)、同時に戻しコロ121により先頭紙がエンドフェンス131に向けて戻される。時間T4は戻しコロ121により用紙の後端部がエンドフェンス131に突き当てられて整合されるに要する十分な時間であり、この時間T4が経過した(ステップP60)時点t13からは、戻しコロ121が押え/戻し位置(II)からホームポジション(I)に向けて移動して戻し機能が解除される(ステップP61、P62、P63)。
【0292】
c▲6▼ジョガー制御
図39、図40により説明する。ステップP64では、既にステップP20でジョガー動作フラグは1にセットされているので、ステップP65に進む。ステップP65、ステップP66、ステップP67において、各フラグはステップP1においてリセット状態のままであるのでステップP68に進み、戻しコロ戻し動作が終了していることを条件にステップP69でジョガーつまり揃え部材102a、102bを内側に移動する内側移動制御を行なう。この動作は例えば図21(b)における動作に相当する。
【0293】
ステップP70でジョガー内側移動開始フラグをセットしてからステップP71でジョガー移動終了(図11に示した揃え位置に相当)をチェックし、イエスならステップP72でジョガー内側移動開始フラグをリセット、ジョガー内側移動終了フラグをセットしてから、ステップP73でジョガー動作タイマリセットにより時間T5の計時を開始する。この時間T5は揃え部材102a、102bを揃え位置に状態を保持する時間であり、用紙を安定して揃えるためである。
【0294】
ステップP74で時間T5を経過したら、ステップP75で揃え部材102a、102bを外側に移動して開き、ステップP76でジョガー内側移動終了フラグをリセット、ジョガー外側移動開始フラグをセットした後、ステップP77にて揃え部材102a、102bが図10に示した受け入れ位置に移動したと判断されたならば、ステップP78でジョガー動作フラグ、ジョガー外側移動開始フラグを共にリセットする。
【0295】
なお、部の先頭紙でない用紙が排出されるときには、ステップP13においてシフトコマンド信号を受信しないので、トレイ12のシフトは行なわれないだけで前記したのと同様の戻し、押え、揃えの動作が行なわれる。
【0296】
このように、本例の制御により、用紙が排出される際に戻しコロを動作させ積載紙を押えて積載紙が排出方向に押し出されるのを防止すると共に、排出紙がトレイに落下後は再び戻しコロの動作により排出紙をエンドフェンスまで戻した上で、揃え部材による横揃えを行うことで、用紙のカール状態や積載状態に拘わらずに良好に揃えを行い、かつ仕分け動作を行うことができる。
【0297】
[2]請求項2に対応する制御例
請求項1では確実な揃え、および仕分けができる反面、仕分けを行う際には仕分け動作時間を必要とし、用紙の排出間隔が短い場合には仕分け動作時にのみ用紙間隔を多くする必要が生じるため生産性が低下してしまう。一方、揃え動作は1枚ごとに行わなくても、後続の用紙の排出時にまとめて行うことが出来るため、仕分け動作時における部の先頭用紙については揃えを省略してもその用紙に対しては2枚目以降の用紙の揃えでまかなえることになる。この考えを基に、請求項2の発明では請求項1の動作において、仕分け動作時に揃え動作を省略することで動作に必要な時間を短縮することとし、生産性の低下を防止する。
【0298】
図32において破線で囲んだフローを図33における破線で囲んだフローで置き換えて構成される図31、図32、図35、図36、図37、図38、図39、図40の各図にかかるフローが請求項2にかかる発明の制御に使用される。
【0299】
請求項2では仕分けを行う部の先頭紙では図33に示すようにステップP23の「シフトコマンド受信」チェックにおいて「yes」方向へ進みステップP20のジョガー動作フラグがセットされないため、図39におけるステップP64で「no」と判断されるため、リターンへ抜け、揃え部材による揃え動作が省略される。
【0300】
一方、部の先頭紙以外の用紙では仕分けを行わないため、図33におけるステップP23の「シフトコマンド受信」チェックでは「no」へ進み、ステップP20で「ジョガー動作フラグ」をセットすることで図39ではステップP64から「yes」へ進み、揃え部材102a、102bによる揃え動作を行う。
【0301】
かかる制御により部の先頭紙については仕分け動作時に揃え部材102a、102bによる揃え動作を省略することで処理時間を短縮することが可能となるため、仕分け動作時の生産性の低下を防止することができる。揃え動作が行われなかった部の先頭紙についての横揃えは2枚目の揃え動作にて2枚目と一緒に行われるため、揃えの品質については従来と同等のレベルを保つことができる。
【0302】
[3]請求項3に対応する制御例
請求項3の発明では、用紙の排出間隔がさらに短くなった場合、請求項2の動作において仕分け動作時における部の先頭紙については戻し動作を省略し、次の用紙の排出に際しての押え動作にて戻しローラを回転させて該先頭紙について戻しの作用を兼ねることで、さらなる動作時間の短縮することができ、生産性の向上を図るものである。
【0303】
図32において破線で囲んだフローを図34における破線で囲んだフローで置き換えて構成される図31、図32、図35、図36、図37、図38、図39、図40の各図にかかるフローが請求項3にかかる発明の制御に使用される。
【0304】
請求項3では仕分けを行う部の先頭紙では図34のステップP25における「シフトコマンド受信」チェックにおいて「yes」方向へ進み、ステップP18の「戻しコロ戻し動作フラグ」およびステップP20の「ジョガー動作フラグ」がセットされないため、図38における戻しコロ戻し動作および図39、図40における揃え部材による揃え動作が省略される。
【0305】
一方、部の先頭紙以外はステップP13で「シフトコマンド受信」がないためステップP14のシフト動作フラグがセットされず、ステップP37で「no」となるため仕分けが行われず、図34におけるステップP25の「シフトコマンド受信」チェックで「no」へ進み、ステップP18の「戻しコロ戻し動作フラグ」およびステップP20の「ジョガー動作フラグ」をセットすることで図38で戻しコロの戻し制御、図39で揃え部材102a、102bによる揃え動作を行う。
【0306】
本例の制御により部の先頭紙についての仕分け動作時においては戻しコロ戻し動作および揃え部材による揃え動作を省略することで処理時間を短縮することが可能となるため、仕分け動作時の生産性の低下を防止することができる。
【0307】
動作が省略された戻しコロ戻し動作については、戻し動作を兼ねた2枚目の戻しコロ押え動作にて補う。従って、本例では押え動作時において戻しコロ121は戻し方向に回転駆動させるものとする。なお、揃え部材102a、102bによる部の先頭紙についての揃え動作は請求項2におけると同様に2枚目と同時に行われるため同等の精度が確保できる。
【0308】
[4]請求項4に対応する制御例
戻しコロ121は図29で説明したように排紙コロ3とは別箇の駆動源により駆動、停止される構成であるので、押さえ動作時に回転を停止して押さえ機能を果たすことができるし、また、必要に応じ回転を継続することで押え機能時に戻し作用を果たすこともできる。
【0309】
図31乃至図40で述べた各制御例においては戻しコロ121について説明したが、図23の戻しコロ121''についても上記戻しコロ121に準ずる。
【0310】
[5]画像形成装置への適用例
本例は、用紙に画像形成を行なう画像形成手段及び画像形成された用紙を搬送する搬送手段を有する画像形成装置に関するもので、図43に示した画像形成装置50'は、図3における画像形成装置50と共通の画像形成手段を具備している。画像形成装置50'は、揃え部材102a、102b及びこれらを駆動するための手段や、戻しコロ121及びその変位手段を具備している。また、画像形成装置50'において、図3に示したシート状媒体後処理装置51における構成部分と共通の部材があり、その部分については図3におけるものと同じ符号で示し、説明は省略した。
【0311】
図43において、装置本体のほぼ中央部に画像形成部135が配置され、この画像形成部135のすぐ下方に給紙部136が配置されている。給紙部136は給紙カセット210を備えている。
【0312】
画像形成装置50'の上部には必要に応じて、原稿を読み取る原稿読み取り装置(図示せず)を配設することができる。画像形成部135の上部は、画像形成された用紙を搬送する搬送手段としてのローラRRやガイド板等が設けられている。
【0313】
画像形成部135には、装置を電気的に駆動したり、制御したりする電装ユニットQが配置されている。また、ドラム状をした感光体5000が配置されている。この感光体5000の周囲に、該感光体5000の表面に帯電処理を行う帯電装置600、画像情報を感光体表面にレーザ光で照射する露光装置7000、感光体5000の表面に露光されて形成された静電潜像を可視化する現像装置800、感光体5000上で可視化されたトナー像を用紙に転写する転写装置900、転写後感光体表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置1000等がそれぞれ配置されている。
【0314】
これら、感光体5000、帯電装置600、露光装置7000、現像装置800、転写装置900、クリーニング装置1000等は画像形成手段の主要部をなす。感光体5000の略上方であって、感光体5000よりも用紙搬送経路上の下流位置には、定着装置140が配置されている。
【0315】
画像形成装置がプリンタとして機能する場合、画像形成に際しては、画像信号が入力される。予め、感光体5000は暗中にて帯電装置600により一様に帯電されている。この一様に帯電された感光体5000に、画像信号に基づいて露光装置7000のレーザダイオードLD(不図示)の発光により露光光が照射され、公知のポリゴンミラーやレンズを介して感光体に至り、感光体5000の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体5000の回転と共に移動し、現像装置800により可視像化され、さらに移動して転写装置900に向かう。
【0316】
一方、給紙部136の給紙カセット210には、未使用の用紙が収容されており、回動可能に支持された底板220上の最上位置の用紙Sが給紙ローラ230に押し付けられるように、底板220がばね240により加圧されるようになっている。転写のための給紙に際しては、給紙ローラ230が回転し、この回転により、用紙Sは給紙カセット210から送り出され、一対のレジストローラ1400へと搬送される。
【0317】
レジストローラ1400に送られてきた用紙は、ここでその搬送が一時的に止められる。レジストローラ1400は、感光体5000の表面のトナー像と用紙Sの先端との位置関係が転写装置900を設けた転写位置で画像転写に適する所定の位置になるよう、タイミングをとって用紙の搬送を開始する。
【0318】
転写を終えた用紙は定着装置140を通過する間にトナー像が定着される。定着装置140を通過した用紙は搬送手段であるローラRRにより搬送され、排紙センサ38を経て、排紙コロ3よりトレイ12へ排出される。
【0319】
以後の戻しコロ121及び従動レバー122、駆動レバー123などの変位手段による用紙の整合機能機能については、既に前記各実施の態様において述べた内容と同じであるので、説明は省略する。
【0320】
本例の画像形成装置においても、トレイ上に積載された用紙Sに対して戻しコロ121、揃え部材102a、102bなどによる整合及び仕分け手段による仕分けが行なわれ、高精度にシート状媒体を揃えることができる。
【0321】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、シート状媒体が排出される際に戻し手段を動作させ積載済みのシート状媒体を押えて排出方向に押し出されるのを防止すると共に、排出されつつあるシート状媒体が積載手段に落下後は再び戻し手段により排出されたシート状媒体を立壁に突き当たるまで戻した上で、揃え手段による揃えを行うことで、シート状媒体のカール状態や積載状態に拘わらずに良好に揃えを行い、かつ仕分け動作を行うことができる。
【0322】
請求項2記載の発明では部の先頭の先頭シート状媒体について、仕分け動作時に揃え動作を省略することで動作に必要な時間を短縮することができ、生産性を向上できる。
【0323】
請求項3記載の発明では、シート状媒体の排出間隔がさらに短くなった場合、請求項2記載の発明にかかる動作において仕分け動作での先頭シート状媒体について戻し動作を省略し、次の用紙による押え動作にて先頭シート状媒体を戻す戻し動作を兼ねることで、さらなる動作時間の短縮、生産性の向上を図る。
【0324】
請求項4記載の発明では、戻し手段が排紙手段と別箇に回転停止制御が可能であるので、戻し手段の回転を停止して押え動作を行なっても排紙手段による排紙動作に支障はない。
【0325】
請求項5記載の発明では、画像形成装置について、シート状媒体のカール状態や積載状態に拘わらずに良好に揃えを行い、かつ仕分け動作を行うことができる。
【0326】
請求項6記載の発明では、シート状媒体後処理装置について、シート状媒体のカール状態や積載状態に拘わらずに良好に揃えを行い、かつ仕分け動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】戻しコロの位置を説明した図である。
【図2】戻しコロ及び揃え部材、トレイの斜視図である。
【図3】本発明にかかるシート状媒体後処理装置及び画像形成装置の概略構成図である。
【図4】図4(a)はシート状媒体後処理装置の要部斜視図、図4(b)はトレイの高さを制御するセンサ周辺部の概略斜視図である。
【図5】トレイをシフト方向に移動するトレイ移動手段の構造を説明した要部断面図である。
【図6】本発明にかかるトレイの駆動機構部分を説明した斜視図である。
【図7】ウォームホイール及びホームセンサを説明した正面図である。
【図8】ウォームホイール及びホームセンサを説明した正面図である。
【図9】揃え部材及び揃え部材移動手段を排紙コロ側からみた概略の正面図である。
【図10】揃え部材及び揃え部材移動手段を排紙コロ側からみた概略の正面図である。
【図11】揃え部材及び揃え部材移動手段を排紙コロ側からみた概略の正面図である。
【図12】揃え部材及び揃え部材移動手段の要部を示した斜視図である。
【図13】揃え部材の駆動機構の要部を示した斜視図である。
【図14】揃え部材の駆動機構の要部を示した斜視図である。
【図15】揃え部材の退避位置と揃え動作位置を説明した正面図である。
【図16】揃え部材の揃え動作位置を説明した正面図である。
【図17】揃え部材の退避位置を説明した正面図である。
【図18】図18(a)、(b)、(c)は、片側移動態様による仕分け揃えの工程を順番に説明した図である。
【図19】揃え部材の移動位置を用紙との関係で説明した斜視図である。
【図20】揃え部材の移動位置を用紙との関係で説明した斜視図である。
【図21】揃え部材の移動位置を用紙との関係で説明した斜視図である。
【図22】図22(a)、(b)、(c)は、両側移動態様による仕分け揃えの工程を順に説明した図である。
【図23】別実施例にかかる戻しコロまわりの正面図である。
【図24】戻しコロまわりの主要部を説明した斜視図である。
【図25】戻しコロまわりの主要部を説明した分解斜視図である。
【図26】戻しコロの回転駆動系を説明した動力伝達部の断面図である。
【図27】戻しコロ及びその駆動手段の分解斜視図である。
【図28】戻しコロの動作を説明した正面図である。
【図29】戻しコロ及び排紙コロの駆動系を説明した正面図である。
【図30】制御系のブロック図である。
【図31】本発明に係るフローチャートである。
【図32】本発明に係るフローチャートである。
【図33】本発明に係るフローチャートである。
【図34】本発明に係るフローチャートである。
【図35】本発明に係るフローチャートである。
【図36】本発明に係るフローチャートである。
【図37】本発明に係るフローチャートである。
【図38】本発明に係るフローチャートである。
【図39】本発明に係るフローチャートである。
【図40】本発明に係るフローチャートである。
【図41】図41(a)はセンサによる先端検知を示した図、図41(b)は後端検知時を示した図、図41(c)は戻しコロの押え/戻し位置への移動を示した図、図41(d)は戻しコロによる押え状態を示した図、図41(e)は戻しコロがホームポジションに移動する様子を示した図、図41(f)は用紙が落下した状態を示した図、図41(g)は戻しコロで用紙を戻している状態を示した図である。
【図42】図42(a)は戻しコロの押え動作に関するタイミングチャート、図42(b)は戻しコロの戻し動作に関するタイミングチャートである。
【図43】本発明が適用される画像形成装置の概略構成図である。
【図44】トレイ上に積載される用紙のカールによる影響を説明した斜視図である。
【図45】排出紙が積載紙を押し出す様子を説明した図である。
【符号の説明】
12 トレイ
121、121a、121b 戻しコロ
102a、102b 揃え部材
Claims (6)
- 搬送されてくるシート状媒体を排出する排出手段と、この排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段と、この積載手段上に積載されたシート状媒体の前記排出手段によるシート状媒体の排出方向と平行な端部を挟むように接して揃える揃え動作を行なう揃え手段と、シート状媒体を仕分けるために前記積載手段又は前記揃え部材を前記排出手段のシート状媒体排出方向と直交するシフト方向に所定量移動させる仕分け手段と、シート状媒体に接離自在の回転体からなりシート状媒体に接触したまま回転することでシート状媒体を前記積載手段の前記排出方向での上流側端部に設けられた立壁に突き当たるまで戻す戻し動作を行なうことができる戻し手段を具備したシート状媒体整合装置であって、
前記戻し手段を任意のホームポジションから前記排出方向上前記排出紙の後端部を捕え得る押え/戻し位置間で変位可能とすると共にシート状媒体に接触してシート状媒体を押える押え動作を可能とし、前記仕分け手段により仕分けを行うべく前記排出手段からシート状媒体が排出される際に、この排出されつつある排出シート状媒体の先端部が前記積載手段上に既に積載されている既積載シート状媒体の上面に接する以前に、前記戻し手段を前記押さえ/戻し位置に位置させて前記押え動作により前記既積載シート状媒体を定位置に保持した後、前記排出シート状媒体が前記積載手段上に落下する前に前記仕分け手段を駆動して仕分けを行ない、前記排出シート状媒体が前記積載手段上に落下した後に、前記戻し手段の前記戻し動作により前記排出シート状媒体を前記立壁に突き当てて整合させ、その後、前記揃え手段の前記揃え動作によりシート状媒体を揃えることを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項1記載のシート状媒体整合装置において、
仕分けを行うべく部の先頭の先頭シート状媒体が排出される際には、この先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下する以前に前記戻し手段の前記押さえ動作により前記既積載シート状媒体を定位置に保持した後、先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下する直前に前記仕分け手段を駆動してシート状媒体を仕分け、前記先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下した後に前記戻し手段の前記戻し動作により前記先頭シート状媒体を前記立壁に突き当てて整合を行ない、前記揃え動作を行なうことなく、部の2枚目以降のシート状媒体が前記積載手段上に排出され始めた直後に前記戻し手段の前記押さえ動作により既積載のシート状媒体を押え、前記排出されつつあるシート状媒体が前記積載手段上に落下した後に前記戻し手段により戻し動作を行った後、前記揃え手段による揃え動作を行うことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項2記載のシート状媒体整合装置において、
前記先頭シート状媒体が前記積載手段上に落下する直前に行なわれる仕分け動作時における戻し動作を省略し、前記先頭シート状媒体の次のシート状媒体について前記押え動作にて戻し動作を一緒に行なうことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項1乃至3記載のシート状媒体整合装置において、
前記戻し手段は前記排紙手段の駆動とは別箇に回転停止制御が可能であることを特徴とするシート状媒体整合装置。 - シート状媒体に画像形成を行なう画像形成手段およびこの画像形成されたシート状媒体を搬送する搬送手段を有する画像形成装置において、
請求項1乃至4の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置を具備していることを特徴とする画像形成装置。 - シート状媒体に後処理を行なう後処理手段及びこの後処理されたシート状媒体を搬送する搬送手段を有するシート状媒体後処理装置において、請求項1乃至4の何れか一つに記載のシート状媒体整合装置を具備していることを特徴とするシート状媒体後処理装置。
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