JP3920576B2 - シート状媒体整合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、シート状媒体整合装置、画像形成装置、画像形成システム、シート状媒体後処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置から排出される画像形成済みのシート状媒体(以下、用紙という。)にファイリング用のパンチ穴をあけるパンチユニットや、綴じ処理を行なうステープル手段、押印を行なう押印手段などの後処理を行なうシート状媒体後処理装置や画像形成装置において、排出手段から排出されてくる用紙はトレイと称される積載手段上に積載されるようになっている。トレイに積載された用紙は、その後の利用上、自動整合されるようになっているが、用紙揃えの程度つまり、整合の精度が問題となる。
【0003】
例えば図示しない画像形成装置で画像形成されて搬送方向に沿って当該用紙後処理装置に向けて送られてきた用紙は、用紙の通過を検知する排紙センサを経て排出手段としての一対の排紙コロに導かれる。排紙コロの下方にはトレイが位置している。排紙コロから排出された用紙は排紙コロから排出された後、慣性と自重により斜め下向きに自由落下してトレイ上に積載される。
【0004】
この用紙後処理装置は仕分け機能を有しているので、トレイ上に予め定めた枚数分の用紙の積載があると、該トレイは用紙の排出方向と直交するシフト方向に仕分けに必要な所定量のストロークだけシフトする。こうしてトレイと共に移動した部を構成する積載紙(用紙束)の上に次の部の用紙が次々と排出されて積載される。トレイ上に所定枚数分の用紙の積載があると再びトレイは上記と反対側にシフトし、次の部の用紙を受け入れて積載が行なわれる。
【0005】
こうして、トレイ上には例えば、8枚1組の用紙束を1部とし、各部間の用紙端面の段差がトレイのシフト量に相当する凹凸状の段差で仕分けられた仕分け済みの用紙束を積載状態で得ることができる。このような仕分け機能を有する用紙後処理装置において、従来、排紙コロから排出された用紙についての整合のされ方は、排紙コロのニップ部からトレイ上面に至る空間を自由落下したままの用紙をそのままトレイ上に積載しているだけであった。
【0006】
このような整合の仕方では、排紙コロから排出された用紙はトレイに着地するまではフリーな状態であり、画像形成装置から受け取った用紙の横レジストがずれたり、あるいは、スキューしたりすると、トレイ上においてもそのまま用紙の搬送方向と直交するシフト方向における用紙端面が用紙間で揃わない状態となり、用紙の不揃えを生じてしまう。
【0007】
コピー業者などでは、仕分けされて積載された用紙束を次工程の例えば、パンチ機にかけたりするため、精度の良い仕分け状態での積載が要求されている。揃え精度の悪い用紙束であると、トレイから取り出した用紙束を再び人の手によって揃えてからパンチ機にかけなければならず作業効率の面で無駄が発生してしまう。このため、上のセグメント例えば所謂コピー業者は、積載された用紙について厳しい揃え精度を要求しており、揃え精度の向上が望まれている。
【0008】
かかる要求に応えるべく、本発明者等は高性能の揃え精度を有する非公知な高性能のシート状媒体整合装置を提案した。このシート状媒体整合装置の概要は、搬送されてくる用紙を排出する排出手段と、この排出手段により排出される用紙を積載するトレイと、このトレイ上に積載された用紙の前記排出手段による用紙の排出方向と平行な端面を挟むように接して揃える揃え手段と、前記トレイ又は前記揃え手段を前記排出手段のシート状媒体排出方向と直交するシフト方向に所定量移動させてシート状媒体を仕分ける仕分け手段(トレイ移動手段又は揃え部材駆動手段)と、整合位置に設けられた立壁(以下、エンドフェンスという。)に用紙を突き当てることにより整合する回転体からなる戻し手段を具備したものである。
【0009】
前記のシート状媒体整合装置は画像形成装置の一部として構成され、或はシート状媒体後処理装置の一部として構成されて、次々に搬送されてくるシート状媒体を整合し、また必要に応じて仕分け処理する。
【0010】
揃え手段はトレイ上の用紙をその排出方向と直交する用紙の幅方向について揃える横揃え機能を有し、戻し手段はトレイ上の用紙をその排出方向について揃える縦揃え機能を有し、それぞれトレイ上の異なる位置に配置されている。
【0011】
トレイ上には用紙が次々と落下してくるためトレイ上面に積載された用紙の上面レベルも次第に上昇していくが、これを放置すると排紙コロからトレイ上の用紙上面までの距離も変化し、用紙の落下条件が変わってくることから揃え状態も乱れる。また、揃え手段や戻し手段の上下方向の高さレベルとトレイ上での積載用紙の上下方向の高さレベルがずれてくると揃え手段や戻し手段が正常に機能しなくなる。
【0012】
そこで、トレイは上下に駆動動できるように構成し、トレイ上面をセンサで検知してこの検知結果に基づきトレイを上下動させて排紙コロのニップ部からトレイ上面(トレイ上面の用紙の最上面)までの距離が一定になるように制御している。
【0013】
従来、トレイ上面の1箇所について上面レベルを検知するフィラーを設置しており、このフィラーで検知された1箇所の検知結果に基づいてトレイの高さを一定レベルに維持するように制御している。
【0014】
用紙は一般にカールする習性があり、大量積載されるとカールが集積されてトレイ上の用紙の最上面は場所によって上下方向の高さ位置が大きく異なってしまう。このため、フィラーにより検知した1つの場所での上記揃え手段(或は戻し手段の何れかによる)揃え機能が適正に行なわれるようにトレイの高さを制御しても、他の場所における上記戻し手段(或は揃え手段)による揃え機能が適正に行なわれる紙面の高さレベルとならない。
【0015】
例えば、戻し手段による用紙の戻し機能により用紙を縦揃えすることを主体に考えて、戻し手段の近傍にトレイの高さ検知用のフィラーを設置した場合には、縦揃え機能については問題ないとしても、この戻し手段とは異なる場所に位置している揃え手段については用紙に対するレベルが合わなくなり、揃え機能が十分に発揮できない場合を生じてしまうし、逆に、揃え手段の近傍にトレイの高さ検知用のフィラーを設置した場合には、この揃え手段による揃えについては問題ないとしてもこの揃え手段とは異なる場所に位置している戻し手段について用紙に対するレベルが合わなくなり、戻し手段による縦揃えが十分に発揮できない場合を生じてしまう。
【0016】
揃え手段と戻し手段とがトレイ上の同一の空間位置に設置されていればそのような問題は起きないかもしれないが、揃え手段による揃え機能を十分に発揮させるための場所と、戻し手段による戻し機能を十分に発揮させるための場所とは一致せず、また、揃え手段、戻し手段共に空間的な場所を占める部材により構成されるため、重複した同一の空間位置に両者を配置することができない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、トレイ上に積載されたシート状媒体の上面形状がカールによって一様でなくなったときに、揃え手段或は戻し手段による揃え機能を可能な限り損なわないように必要な処置をとることができるシート状媒体整合装置、画像形成装置、画像形成システム、シート状媒体後処理装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため或は前記目的を達成するための構成に伴い、以下のように構成した。
(1).搬送されてくるシート状媒体を排出する排出手段と、この排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段と、この積載手段上に積載されたシート状媒体の前記排出手段によるシート状媒体の排出方向と平行な端面を挟むように接して揃える揃え手段と、前記積載手段又は前記揃え手段を前記排出手段のシート状媒体排出方向と直交するシフト方向に所定量移動させてシート状媒体を仕分ける仕分け手段と、整合位置に設けられた立壁にシート状媒体を突き当てることにより整合する回転体からなる戻し手段を具備し、前記積載手段の上面位置検知用の複数の検知手段を、前記積載手段上面の異なる複数の位置に対応させてそれぞれ設けているシート状媒体整合装置であって、前記複数の検知手段の1つを前記戻し手段の近傍に設け、他の1つを前記揃え手段の近傍に設けた(請求項1)。
(2).(1)記載のシート状媒体整合装置において、前記戻し手段の近傍に設けた検知手段により前記戻し手段が戻し機能を果たすことができる高さに前記積載手段の高さを定める制御を行い、その上で前記揃え手段の近傍に設けられた検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が所定範囲にあることが検知された場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止することとした(請求項2)。
(3).(2)記載のシート状媒体整合装置において、前記所定範囲を、揃え作動位置をとり得る状態にある前記揃え手段がシート状媒体の上面から離間して揃え機能を果たすことができない範囲とした(請求項3)。
(4).(2)記載のシート状媒体整合装置において、前記所定範囲を、退避位置にある前記揃え手段に対して前記積載手段上に積載されたシート状媒体の上面が干渉し得る範囲とした(請求項4)。
(5).(3)又は(4)記載のシート状媒体整合装置において、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止せずに、前記揃え手段による揃え動作を禁止し、前記戻し手段による戻し動作を行なうこととした(請求項5)。
(6).(5)記載のシート状媒体整合装置において、前記揃え動作を禁止した後の前記揃え手段をホームポジションに待機させることとした(請求項6)。
(7).(1)記載のシート状媒体整合装置において、前記揃え手段の近傍に設けた検知手段により前記揃え手段が揃え機能を果たすことができる高さに前記積載手段の高さを定める制御を行い、その上で前記戻し手段の近傍に設けられた検知手段が所定範囲にあることを検知した場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止することとした(請求項7)。
(8).(7)記載のシート状媒体整合装置において、前記戻し手段は前記排出手段から排出されたシート状媒体の前記積載手段上への着地を待つ待機位置と、該着地後のシート状媒体に接して立壁に向けて戻す戻し位置をとり得るものであるとき、前記所定範囲を、待機位置にある前記戻し手段が前記積載手段上のシート状媒体に接触する範囲とした(請求項8)。
(9).(7)記載のシート状媒体整合装置において、前記所定範囲を、戻し位置にある前記戻し手段が前記積載手段上のシート状媒体に接触できない範囲とした(請求項9)。
(10).(8)又は(9)記載のシート状媒体整合装置において、前記戻し手段の近傍に設けられた検知手段が前記所定範囲にあることを検知した場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止せずに前記戻し手段による戻し動作を禁止して前記揃え手段による揃え動作のみ行なうこととした(請求項10)。
(11).(2)乃至(10)の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置において、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知された場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止する揃え優先モードと、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知さ れない場合でも前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止しない積載優先モードとを設定し、ユーザーの意思によりこれらの何れかのモードを選択可能とした(請求項11)。
(12).シート状媒体に画像形成を行なう画像形成手段及びこの画像形成されたシート状媒体を搬送する搬送手段を有する画像形成装置において、(1)乃至(11)の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置を具備していることとした(請求項12)。
(13).画像形成装置とシート状媒体整合装置を具備し、前記画像形成装置におけるシート状媒体への画像形成から、前記シート状媒体整合装置における前記画像形成されたシート状媒体に対する整合までの工程を一貫して行なう画像形成システムにおいて、前記シート状媒体整合装置については前記請求項1乃至11の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置を具備した構成とし、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されたときには前記画像形成装置における画像形成動作を停止することとした(請求項13)。
(14).(13)記載の画像形成システムにおいて、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されたときには前記画像形成装置における画像形成動作を停止することなく、シート状媒体の排出先を前記積載手段以外の積載手段に切り換えることとした(請求項14)。
(15).(13)記載の画像形成システムにおいて、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されたときには前記画像形成装置における画像形成動作を停止することなく、部の最終シート状媒体の排出が終了するまでは前記排出手段からのシート状媒体の排出を続行し、次の部からの画像形成動作を停止することとした(請求項15)。
(16).(13)記載の画像形成システムにおいて、前記積載手段上に積載されているシート状媒体の上面形状の異常を知らせる警告を行なうこととした(請求項16)。
(17).(13)記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成動作を停止した後、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲の外であることを検知したとき、前記停止した画像形成動作を再開させることとした(請求項17)。
(18).スティプル処理を行なう後処理手段と、この後処理手段に向けてシート状媒体を搬送し、また前記後処理手段により後処理されたシート状媒体を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送されてくるシート状媒体を整合するシート状媒体整合装置を具備し、シート状媒体に対して後処理としてのスティプル処理を行なうスティプルモードとスティプル処理を行なわない非スティプルモードとを選択して行なわせることができ、前記スティプルモード時は前記揃え手段の近傍位置に設けた前記検知手段により検知を行ない、前記非スティプルモード時は前記戻し手段の近傍位置に設けた前記検知手段により検知を行なう シート状媒体後処理装置であって、前記シート状媒体整合装置が前記(1)に記載のシート状媒体整合装置であることとした(請求項18)。
(19).(18)記載のシート状媒体後処理装置において、前記スティプルモード終了後に前記積載手段上のシート状媒体を取り除かずに前記非スティプルモードを行なったときには前記揃え手段近傍に設けた前記検知手段により検知を行なうこととした(請求項19)。
【0019】
【発明の実施の形態】
画像形成装置から排出される画像形成済みの用紙にファイリング用のパンチ穴をあけるパンチ処理や、綴りを行なうスティプル処理、押印を行なう押印処理などの後処理を行なうシート状媒体後処理装置や画像形成装置において、排出手段から排出されてくる用紙は、コピー業者などで機械にかけてさらなる必要な処理をしたりするため、精度の良い仕分け状態での積載が要求されている。
【0020】
揃え精度の悪い用紙束であると、トレイから取り出した用紙束を再び人の手によって揃えてからパンチ機などの機械にかけなければならず作業効率の面で無駄が発生してしまう。このため、上のセグメント例えば所謂コピー業者は、積載された用紙について厳しい揃え精度を要求し、揃え精度の向上が望まれているが、以下の例に係る揃え手段、戻し手段、仕分け手段を適用することにより、このような要望に応えることができる。
【0021】
この発明にかかるシート状媒体整合装置は、▲1▼単独の装置として構成することもできるし、▲2▼シート状媒体を排出する手段をもつ他の装置、例えば、揃え機能、仕分け機能などを有しない画像形成装置、揃え機能、仕分け機能を有しないシート状媒体後処理装置等と一体的若しくは連結して組み合わせて用い、▲3▼さらに、シート状媒体後処理装置と一体的に組み合わせた上で、画像形成装置と組み合わせて画像形成システムとして構成し、揃え機能、仕分け機能によってシート状媒体をトレイ上に揃え、また、仕分けることができる。
【0022】
以下では、最初に本発明の前提となる構成、すなわちシート状媒体整合装置を具備したシート状媒体後処理装置を例にしてシート状媒体を排出する排出手段、排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段としてのトレイ及び揃え手段、仕分け手段を説明し、さらに戻し手段についての機械的な構成作用を説明した後、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0023】
1.シート状媒体後処理装置
1[1]シート状媒体後処理装置の概要
画像形成装置に連結された独立したシート状媒体後処理装置と一体的に構成されたシート状媒体整合装置を例に説明する。
【0024】
図2において、用紙に後処理を行なう後処理手段としてのシート状媒体後処理装置51は、画像形成装置50と連結されている。
【0025】
画像形成装置50では、オペレーターにより指示された後処理内容に従い画像形成手段により画像形成された用紙Sがシート状媒体後処理装置51に送られてくる。
【0026】
シート状媒体後処理装置51における後処理内容としては、画像形成装置50が複写機の場合には次のモードがある。▲1▼用紙を排出順に単に積載する通常モード。このモードでは、用紙サイズとコピー枚数を指示することで処理が実行される。▲2▼ステープル処理を行なうスティプルモード。このモードでは、用紙サイズとコピー枚数のほか、綴じ枚数や綴じ位置等を指示することにより処理が実行される。▲3▼仕分け処理を行なう仕分けモード。このモードでは用紙サイズと仕分け部数を指示することで処理が実行される。▲4▼パンチモード。このモードでは、穴あけが行なわれる。そのほか、後述するように必要に応じて他のモード設定及び処理も可能である。
【0027】
これらの後処理にかかる作業指示は、複写機の操作パネルからキー操作によりCPUを含む制御手段に伝えられ、画像形成装置50及びシート状媒体後処理装置51と制御手段との間で後処理遂行の信号授受が行なわれて後処理が実行される。なお、このシート状媒体後処理装置には後述する揃え手段や戻し手段を具備したシート状媒体整合装置が一体的に構成されている。
【0028】
当該シート状媒体後処理装置において、後処理実行有無の選択ができ、後処理実行が選択されたことにより後処理された用紙、或いは後処理実行が選択されなかったことにより後処理が行なわれなかった用紙は、シート状媒体整合装置の仕分け機能及び揃え機能(横揃え機能、縦揃え揃え機能)によってトレイ上に仕分けられた状態で揃えることができる。
【0029】
図2に本例にかかるシート状媒体後処理装置51の全体構成例を示す。本例のシート状媒体後処理装置は、用紙を排出する手段をもつ他の装置、例えば、揃え機能を有しない画像形成装置50と連結して組み合わされて用いられ、揃え機能によって用紙をトレイ12上に揃えることができる。
【0030】
画像形成装置50において画像形成された用紙は、シート状媒体後処理装置51に至る。後処理の有無は選択することができ、選択により後処理された用紙或いは選択により後処理を行なわなかった用紙はシート状媒体後処理装置51と組み合わされたシート状媒体整合装置の整合動作によって排出方向aについてトレイ上に揃えられ、かつ、必要に応じ、排出方向aと直交するシフト方向dについて揃えられかつ、所定枚数ずつ位置をずらした仕分け状態で積載される。この仕分け状態は、シフト方向dにトレイ12を移動させるトレイ移動手段98(後述)の仕分け機能或は揃え手段による仕分け機能により行なわれる。
【0031】
図2に示すように、シート状媒体後処理装置51は、積載手段としての昇降可能かつシフト可能なトレイ12を有しているとともに、位置を固定されていて移動しないプルーフトレイ14を装置上部に有している。
【0032】
画像形成装置50との用紙受け渡し部位の近傍には、入口センサ36、入口ローラ対1が設けられており、入口ローラ対1により取り込まれた用紙は、後処理モードに応じてそれぞれの搬送経路を搬送される。
【0033】
入口ローラ対1の下流には穴開けを行うパンチユニット15が設けられており、パンチユニット15の下流には搬送ローラ対2aが設けられている。搬送ローラ対2aの下流には分岐爪8aが設けられており、用紙は分岐爪8aによりプルーフトレイ14へ向かう搬送経路と、略水平に進む搬送経路とに選択的に案内される。プルーフトレイ14へ向けて搬送された場合、用紙は搬送ローラ対60で搬送され、排紙ローラ対62によりプルーフトレイ14へ排出される。
【0034】
分岐爪8aの下流には分岐爪8bが設けられており、用紙は分岐爪8bによりノンスティプルルートEと、スティプルルートFへ選択的に案内される。分岐爪8a、8bは、図示しないソレノイドのオン/オフ制御により位置を切り替えられるようになっている。
【0035】
ノンスティプルルートEへ案内された用紙は、搬送ローラ対2bにより搬送され、排出手段としての排紙コロ3によりトレイ12に排出される。一対の排紙ローラ3の下部と重なるようにして或は下方位置には後述する戻し手段としての戻しコロ121が設けられている。後述するように戻しコロ121は戻しコロ121a、121bからなる。装置本体の図中左側面は、トレイ12に対する用紙の後端揃えを行うエンドフェンス131となっている。
【0036】
排紙コロ3は、上コロ3aと、下コロ3bを有し、下コロ3bは用紙排出方向aの上流側を支持されて上下方向に回動自在に設けられた支持部材66の自由端部に回転自在に支持されている。下コロ3bは自重又は付勢力により上コロ3aに当接し、用紙は両ローラ間に挟持されて排出される。スティプル処理された用紙束が排出されるときは、支持部材66が上方に回動され、所定のタイミングで戻される。このタイミングは排紙センサ38の検知信号に基づいて決定される。排紙センサ38は排紙コロ3の上流側直近に配置されている。
【0037】
スティプルルートFへ案内された用紙は、搬送ローラ対2cにより搬送される。搬送ローラ対2cの下流には分岐爪8cが設けられており、用紙は分岐爪8cにより、スティプル本ルートGと、退避ルートHへ選択的に案内される。分岐爪8cも図示しないソレノイドのオン/オフ制御により位置を切り替えられるようになっている。
【0038】
スティプル本ルートGへ案内された用紙は、搬送ローラ対4を経て排紙センサ37で検知され排紙ローラ対68により図示しないスティプルトレイへ積載される。この場合、用紙毎に叩きローラ5で縦方向(用紙搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス9にて横方向(シフト方向dと同じ用紙幅方向)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、部を構成する用紙束の最終紙から次の部を構成する先頭紙の間で図示しない制御手段からのスティプル信号によりスティプラー11が駆動され、綴じ処理が行われる。
【0039】
画像形成装置50から排出される用紙間の距離が短く、綴じ処理をしている間に次の用紙が来る場合には、該次の用紙は退避ルートHへ案内され、一時的に退避させられる。退避ルートHへ案内された用紙は、搬送ローラ対16により搬送される。
【0040】
綴じ処理が行われた用紙束は、直ちに放出爪10aを有する放出ベルト10によりガイド69を経て排紙コロ3へ送られ、トレイ12へ排出される。放出爪10aはセンサ39によって所定位置を検知されるようになっている。
【0041】
叩きローラ5は支点5aを中心に図示しないソレノイドによって振り子運動を与えられ、上記スティプルトレイへ送り込まれた用紙に間欠的に作用して用紙をエンドフェンスに突き当てる。図示しないが、排紙ローラ対68はブラシローラを有しており、これによって用紙後端の逆流が防止される。なお、叩きローラ5は反時計回りに回転する。ここまでがシート状媒体後処理装置の本来的な機能部分の構成及び動作の概要である。
【0042】
シート状媒体後処理装置51では、本来的な機能である後処理を行なうことができると共に、以下に述べるように、トレイ12上に積載された用紙を揃え、仕分けることができる。この揃えには、排出方向aの端部を揃える縦揃えと、シフト方向dの端部を揃える横揃えの2つがあるが、前者の縦揃えはエンドフェンス131への突き当てを行なう戻し手段としての戻しコロ131の機能によりなされ、後者の横揃えは揃え手段としての揃え部材102a、102bによりなされる。
【0043】
図2において、シート状媒体後処理装置は、排紙コロ3、排紙コロ3より排出される用紙Sを積載するトレイ12、トレイ12を昇降させるトレイの昇降手段、トレイ12の昇降方向の位置を制御する位置決め手段、トレイ12を図2の排出方向aと直交するシフト方向d(図2の紙面を貫く方向)に往復動させる仕分け手段としてのトレイの移動手段、トレイ12上に積載された用紙をエンドフェンス131に突き当てて揃える戻し手段としての戻しコロ121、戻しコロ121を排出方向aに変位させる変位手段、揃え手段としての揃え部材102a、102b及びその駆動手段などからなる。
【0044】
このうち、上記トレイの昇降手段は図3(a)に符号95、昇降方向の位置決めをする検知手段は図3(a)、(b)に符号96、トレイの移動手段は図4、図5に符号98で示され詳細は以下でそれぞれ説明する。
【0045】
1[1]A.トレイ及び仕分け手段としてのトレイ移動手段
図2において、用紙Sは分岐爪8bから用紙の搬送手段である搬送ローラ対2bにより排紙センサ38を経てトレイ12に向けて搬送され、排紙コロ3により排出方向aに送り出される。
【0046】
図2、図3に示すように、トレイ12の上面は排出方向aに進むほど、上面の高さが増す傾向に傾斜している。該トレイ12の傾斜面の下方基端部には鉛直面からなるエンドフェンス131が位置している。
【0047】
図2において排紙コロ3から排出された用紙Sは、受け入れ位置で待機している揃え部材102a、102b間に進入し、重力によりトレイ12上、上記傾斜に沿って滑り、後端部がエンドフェンス131に突き当たることにより後端部が揃えられ整合される。後端部が整合されたトレイ12上の用紙Sは揃え部材102a、102bの揃え動作によりシフト方向d(幅方向)が揃えられる。
【0048】
図3(a)に示すように、トレイ12の上面であって、揃え部材102aに対向する部位には凹部80a、揃え部材102bが対向する部位は凹部80bがそれぞれ形成されていて、トレイ12の上面よりも部分的に低くなっている。少なくともこれら凹部80a、80b上に用紙が積載されていない状態では、受け入れ位置にある揃え部材102a、102bはこれら凹部80a、80bの中にその一部が進入しトレイ12とオーバーラップした状態を保持するようになっている。これは、揃え動作において揃え部材102a、102bを用紙Sの端面に確実に当てるためである。
【0049】
図3(a)において、トレイ12はトレイ昇降手段95により昇降されて、該トレイ12の上面高さが排紙コロ3のニップ部から所定の間隔を維持するように図3(b)に示したトレイ12の上面検知用の検知手段96により時制御されるようになっている。
【0050】
つまり、排紙コロ3から用紙がトレイ12上に排出されることによりトレイ上に積載された用紙の積載面が上昇すると、トレイ12は昇降手段95および検知手段96により適量下降させられて用紙最上面の位置が排紙コロ3のニップ部から一定の高さを維持し用紙の着地位置が一定レベルに保持されるように制御される。
【0051】
図2、図3(a)において、排紙コロ3はシート状媒体後処理装置51に取り付けられているため定位置にある。よって、仮にトレイ12が昇降しない構成では、トレイ12上に用紙Sが排出積載されることにより用紙束の高さが高くなりこの用紙束が用紙の排出をさえぎることによりジャムを生じたり、遂には用紙Sの排出ができなくなる。
【0052】
昇降手段を設けることによりトレイ12を昇降させ、かつ、排紙コロ3のニップ部からトレイ12上面までの間隔、或いは排紙コロ3のニップ部からトレイ12上の用紙Sの最上面までの間隔を検知手段96により、排紙が適正に行なわれる適正間隔に維持することができる。これにより、トレイ12上面へ用紙Sを着地位置のバラツキが小さい状態で排出することができる。
【0053】
図3(a)に示すようにトレイ12は上下リフトベルト70により吊るされている。上下リフトベルト70はギヤ列及びタイミングベルトを介して上下モータ71により駆動され、上下モータ71の正転または逆転により上昇または下降する。これら上下リフトベルト70、上下モータ71、ギヤ列及びタイミングベルト等はトレイを昇降させる昇降手段95の主な構成要素である。
【0054】
図3(a)において、排紙コロ3の近傍位置には戻しコロ121a、121b(戻し手段としての戻しコロ121)が位置している。トレイ12上に送り出された用紙Sは、トレイ12の傾斜面に沿って滑り落ち、後端側が戻しコロ121a、121bに挾まれると、これら戻しコロ121a、121bにより送りをかけられてエンドフェンス131に突き当てられて縦揃えが行われる。
【0055】
こうして、順次、画像形成済みの用紙Sがトレイ12上に次々と排出され積載されることにより用紙Sの最上面が上昇していく。戻しコロ121a、121bの近傍であって、積載された用紙の最上面には、図3(a)、(b)に示すように軸73aに揺動自在に支持された紙面検知フィラー120の一端側が自重で接するように設けられており、この紙面検知フィラー120の他端側はフォトインタラプタからなる紙面検知センサ130a又は紙面検知センサ130bにより検知され、トレイ12の上下方向の高さが一定レベルになるように制御される。
【0056】
通常モードで用紙が1枚ずつ排出される場合と、スティプルモードでステープル処理された用紙束が排出される場合とでは、排紙の条件が異なるので当然のことながら、トレイ12の適正排出位置は異なる。
【0057】
通常モード、スティプルモード、何れの後処理にかかるモードでも、それぞれのモードに適するトレイ12の基準高さが維持されるように紙面検知センサ130a、130b、紙面検知フィラー120等の位置決め手段によりトレイの高さが設定される。
【0058】
例えば、排紙コロ3からの用紙Sはトレイ12上に排出され、用紙Sが積もる毎にトレイ12は下降するように検知手段96により制御される。こうして下降していき、遂には下限センサ76により下限位置が検知される。また、トレイ12の上昇時にはトレイ12は紙面検知センサ130a、130b、紙面検知フィラー120等の検知手段96による紙面の検知情報に基き、基準高さまで上昇させられる。
【0059】
トレイ12は、仕分け動作を行なうため図2の紙面を貫くシフト方向、つまり、図3(a)に符号dで示すシフト方向の一端側に移動したのち、他端側に移動し、また他端側から一端側に移動するように台座18上にスライド可能に支持されている。
【0060】
1[1]B.トレイ移動手段
以下にトレイの移動手段98について説明する。
図3においてトレイ12は、仕分け動作を行なうためシフト方向dの一方に往動したのち、他方側に復動し、また他方側から一方側に移動するようにシフトされる。仕分けの単位である部を構成する所定枚数の排出量の用紙を処理するときの作業単位を1ジョブとすれば、同一ジョブ中、トレイ12はシフト方向dにはシフトせず、1ジョブ(部)が終わる毎にシフト方向dに移動し、一方の移動端で次のジョブにかかる用紙Sの排出を受ける。用紙Sの排出を受けて、トレイ12上に用紙Sが積載される毎に、戻しコロ121による縦揃えと、揃え部材102a、102bによる横揃えが行なわれる。また、仕分けモードでは部の最終紙の積載がなされるとトレイ12のシフト方向dでの移動による仕分け動作が行なわれる。
【0061】
トレイ12上に積載された用紙(用紙束を含む)を仕分けるべく当該トレイ12をシフト方向dに移動させて仕分け動作を行なうトレイの移動手段98について図4、図5により説明する。ここで、トレイ12の移動量d'は仕分けに必要な量であって、用紙サイズや用紙の種類、オペレーターの好みなどにもよるが、例えば20mm程度に設定される。
【0062】
トレイの移動手段98は図4に示すようにトレイ12を台座18でスライド可能に支持しているトレイ支持構造と、図4、図5に示すようにトレイ12を往復動させるトレイ往復動機構からなる。
【0063】
図4によりトレイ支持構造160を説明する。図4において台座18の上部にはシフト方向dに長さを有し、左右方向に対向する2つの案内板30、31が一体的に設けられている。これらの案内板30、31の各外側には軸が突出していて、ローラ32、33が軸支されている。
【0064】
一方、トレイ12の底部には、左右方向についてはローラ32、33の間隔より広く、シフト方向dにはトレイのシフト量を十分カバーし得る奥行きを有する平坦面からなる平坦部が形成されていて、この平坦部をローラ32、33上に乗せている。また、トレイ12の上記平坦部には、案内板30、31の内側に対応する位置に、2本の軸が植設されていて、これらの2本の軸にはそれぞれ、ローラ34、35が軸支されている。これらのローラ34、35は、案内板30、31の各内側に接している。
【0065】
ローラ32、33、34、35及び案内板30、31等が、トレイ12をシフト方向dに移動可能に支持するトレイ支持構造160を構成する。かかるトレイ支持構造160により、トレイ12はその荷重をローラ32、33で支持され、ガイド板30、31に案内されてシフト方向dに可動である。
【0066】
トレイ支持構造160で支持されたトレイ12に、トレイ往復動機構を組み合わせることで、トレイ12に往復動の駆動力を与えて、シフト方向dに往復動させることができる。トレイ往復動機構としては種々のものが考えられる。例えば、図示しないが、シフト方向dに沿ってラックを設け、このラックに噛み合うピニオンを正逆回転可能なモータで駆動する駆動機構や、クランク機構などである。
【0067】
このように構成されるトレイ移動手段により、トレイ12は少なくともシフト方向dに用紙の仕分けに必要な所定量往復動させることができる。
以下に、トレイ往復動機構の具体例を、トレイの位置判別手段とともに説明する。図5において、トレイ12はエンドフェンス131の凹凸部に入り込んでいてエンドフェンス131がシフト方向dに動作することによってトレイ12も同方向に動作する。エンドフェンス131のシフト方向dの中央部には、長穴41aがあけられたブラケット41が装着されていて、この長穴41aにピン42が挿入されている。
【0068】
ピン42は図示しない本体部に軸支されたウォームホイール43に挿入固定されている。この挿入固定位置はウォームホイール43の回転中心から偏心している。この偏心量は、トレイ12のシフト方向dでの移動量d'の1/2である。
【0069】
ウォームホイール43は、モータ44からタイミングベルト45を介して回転させられるウォーム46によって回転させられるようになっている。ウォームホイール43の回転によりピン42が回転し、偏心量に応じてトレイ12はシフト方向dへの直線往復運動をするように運動方向が変換される。これら偏心回転するピン42と長穴41aまわりの構成がトレイ往復動機構の主要部をなす。
【0070】
図6、図7に示すように、ウォームホイール43には大きさの異なる2つの切り欠き43L、43S及びこれら切り欠き43L、43Sにより相対的に形成される半周分の長さの長い凸部とこれに隣接する短い凸部を有する円板状のエンコーダ47が設けられている。
【0071】
切り欠き43Lは長い切り欠き、切り欠き43Sは短い切り欠きである。エンコーダ47の半回転おきにホームセンサ48がエンコーダ47の切り欠きの長さを前記2つの凸部間の間隔により検知して、モータ44の停止、駆動の信号が制御手段から発せられるようになっている。
【0072】
図6において、矢印49の向きに回転したエンコーダ47の短い方の切り欠き43Sがホームセンサ48を通過して短い凸部と重なりかけた時点でモータ44は停止している。この状態ではピン42が後側にあり、図5のエンドフェンス131も後側に動作することによってトレイ12も後側に移動している。
【0073】
図7では、図6に示した状態からさらに矢印49の向きにエンコーダ43が回転して、長い切り欠き43Lがホームセンサ48を通過して長い凸部と重なりかけた時点でモータ44は停止している。この状態ではピン42が前側にあり、図5のエンドフェンス131も前側に動作することによってトレイ12も前側に移動している。
【0074】
このように、トレイ12が後側にあるか、前側にあるかは、エンコーダ47の切り欠きの長さをホームセンサ48により検知し、この検知情報に基いて判別することができる。トレイ12のシフト方向dへの往復動のストロークの往動端で、同一ジョブ中に部を構成する用紙分の排出を受け、シフト後の復動端で次のジョブ中に部を構成する用紙の排出を受ける。
【0075】
かかる仕分け動作を繰り返すことにより、ジョブ(部)毎に用紙束が凹凸状に所定の仕分け量だけ位置がずれた状態に積載され、部毎に用紙束を仕分けることができる。移動量d'は用紙のサイズに応じて仕分けが明確な適量の値5〜25mm、例えば、A4サイズで20mm前後の値に設定することができる。
【0076】
1[2].揃え手段
1[2]A.全体の構成
図2、図3、図5等で示した揃え部材102a、102bの上端部は図2に示すフレーム90内に支持されている。該フレーム90には、揃え部材102a、102bの揃え動作及び該揃え動作及びこれに付随して動作させるべき他の動作を行なわせるための手段として、以下の項で説明する揃え部材の移動手段、揃え部材の退避手段、揃え部材の駆動装置等が構成されている。揃え部材102a、102bを動作させるための制御手段は、図2に示したシート状媒体後処理装置51の制御手段を共用しており、図示しない入出力回線を介してフレーム90と接続されている。揃え部材102a、102bは用紙の揃え動作及び該揃え動作に付随して生ずる他の動作も行なう。
【0077】
揃え部材102a、102bを駆動する機械的構成部分は箱状のフレーム90内に納められて一体的な揃えユニットとして構成されている。図2において、フレーム90はシート状媒体後処理装置51の本体にねじ止め、或いは、凹凸状の係脱手段により着脱可能に取り付けられ、揃え部材102a、102bによる揃え機能を不要とするユーザーに対して容易に対応することができるようになっている。
【0078】
1[2]B.揃え部材
図3(a)、図8乃至図11などに示すように、1対の揃え部材102a、102bは板状体からなり、揃え部102a1、102b1はこれら揃え部材102a、102bの最下部に位置し、互いの対向面は前記シフト方向dと直交する平坦面からなる。
【0079】
このように揃え部102a1、102b1を、互いの対向面がシフト方向dと直交する平坦面で構成したことにより、揃え部材102、103をシフト方向dに移動することによって、トレイ12上に積載された用紙Sの端面に揃え部102a1、102b1を確実に接離させて用紙束を揃えることができる。また、板状体としたことにより、コンパクトな構成となし得る。
【0080】
図8において、揃え部材102a、102bは、図2、図3に示した排紙コロ3から排出された用紙Sをこれら揃え部材102a、102bの対向間隔内に導きやすくするため、各揃え部102a1、102b1の上方部分がこれら揃え部102a1、102b1の対向間隔L1よりも広い間隔L2で形成された逃げ部102a2、102b2を構成している。
【0081】
揃え動作に際し、用紙Sがトレイ12上に排出されるとき、揃え部材102a、102bは、予め揃え部102a1、102b1が該用紙幅よりも広い所定の間隔をあけた受け入れ位置に移動して待機しており、この受け入れ位置で排紙コロ3からの用紙Sの排出を待つ。この受け入れ位置は、図9において例えば、A4サイズの用紙からなる用紙束SSの紙幅よりも片側で7mm広めにとった位置である。
【0082】
揃え部材102a、102bは、シフト方向dにある程度ばらついて排出されてくる用紙を受け入れることのできる最小限の間隔をおいた受け入れ位置で待機していて、用紙が排出されてトレイ12上に積載されると、この受け入れ位置から用紙の紙幅より狭い図10に示す位置まで移動して揃える。このように受け入れ位置を設定したのは、揃え動作の都度、間隔を広くあけたホームポジションまで戻っていたのでは、時間がかかるためである。勿論、ホームポジションからその都度揃える位置まで移動させることはできる。
【0083】
用紙Sが排紙コロ3から排出されてトレイ12に落下し完全に停止する所定の時間が経過したら、▲1▼図9に矢印で示すように揃え部材102a、102bを互いに接近する方向に移動させ或いは、▲2▼図9において揃え部材102a或いは揃え部材102bの何れか一方を不動にしたまま、残る揃え部材を矢印方向に移動させることにより、結果的に図10に示すように揃え部102a1、102b1が用紙束SSの排紙方向(紙面を貫く方向)と平行な2つの端面に紙幅よりも僅かにせばめた揃え位置で接しさせる。
【0084】
このせばめ度合いは、例えば、紙幅よりも片側1mmずつの食い込み量となるように用紙束SSの端面に揃え部102a1、102b1を圧接させた状態であり、この食い込み量により用紙束SSの端面が揃えられる。その後、揃え部材102a、102bは図9に示す受け入れ位置に復帰して次の用紙Sの排出積載を待つ。
【0085】
なお、上記▲1▼のように揃え動作に際して、揃え部材102a、102bを互いに接近する方向に移動させて揃える態様を両側移動態様と称する。また、上記▲2▼のように、揃え部材102a或いは揃え部材102bの何れか一方を停止したまま、残る揃え部材を矢印方向に移動させて揃える態様を片側移動態様と称する。これらの移動態様については、後述の「揃え動作」の項でさらに説明する。
【0086】
同一ジョブでは、その部を構成する全ての用紙が排出されるまで揃え部材102a、102bはトレイ12の一方の移動端で図9に示す受け入れ位置と、図10に示す揃え位置との間を移動する。
【0087】
揃え部材102a、102bが図9に示す受け入れ位置で待機しているときに排紙コロ3から排出される用紙Sのシフト方向dでの位置は正確に一定の位置ではなく、スキューなどによりバラツキがある。よって、揃え部102a1、102b1の対向間隔で決まる受け入れ位置は広いほど、用紙の受け入れが容易であるが、あまりに大きくし過ぎると、揃え動作における揃え部材102a、102bの移動量が大きくなって揃え動作に時間を要してしまい、高速排紙の機種に適合できない。
【0088】
そこで、揃え部102a1、102b1の対向間隔を可能な限りせばめ、つまり、揃え部材102a、102bの受け入れ位置をできるだけ小さくし、その上で揃え部102a1、102b1の上部の対向間隔を広げ、用紙Sを受け入れることができるようにしている。
【0089】
シフトモードでは、片側移動態様、両側移動態様の何れであっても、既に揃えられた前回ジョブでの部の上に所定のシフト量だけずれて今回ジョブにかかる部が積載され揃え動作が行なわれるとき、後述するように揃え部材は図16に示す退避同さにより退避位置から図15に示す揃え作動位置に変位することで、A4サイズでシフト量が20mm程度のシフト量の場合、今回ジョブでは揃え部材102a、102bのうち、今回ジョブの直前におけるトレイ12のシフト動作における下流側に位置する揃え部材は前回ジョブでの部の用紙束の上面に対向し、接した状態となる。
【0090】
片側移動態様では、この前回ジョブでの部の用紙束の上面に接している揃え部材を揃え動作に際して不動とし、反対側の揃え部材を移動させて横揃えするが、両側移動態様では両方の揃え部材102a、102bが移動するのであるから、用紙の上面に接したままで横揃えすることとなる。
【0091】
また、片側移動態様、両側移動態様の何れであっても、既に揃えられた前回ジョブ終了後、図9に示す受け入れ位置に復帰したままでいると、今回ジョブに際してトレイ12がシフトする際に揃え部材102a、102bがせっかく揃えた前回ジョブの部を引っ掛けてトレイ12上でシフト方向にずらし乱してしまうことから、このようなことを回避するために、ジョブ終了後、揃え部材102a、102bを用紙上面から離間させる退避動作がとられるようになっている。
【0092】
退避動作には揃え部材102a、102b自体を移動させる態様と、トレイ12を下降させる方法などあり、具体例については「退避動作」の項で後述するが、本例のように揃え部材102a、102bを移動する方法のうち、1点を支点にして回動させて退避させることとしたときは、この退避動作に際して用紙の上面に揃え部材102a、102bの下端部が摺れることとなり、揃えられた用紙を乱す要因となりかねない。
【0093】
このように、両側移動態様では揃え動作に際して用紙上面との擦れがあり、また、片側移動態様、両側移動態様共に、退避動作に際して用紙上面との擦れがあり、これらの擦れは態様が異なるため擦れの程度も同じではないにしても、揃え部材102a、102bの下端部が用紙Sの上面と程度の違いはあっても擦れ、揃えられた用紙を乱すおそれがあることに変わりがない。
【0094】
そこで、揃え部材102a、102bの下端部であって用紙Sと接触する部分の摩擦係数を、用紙相互間の摩擦係数よりも小さくなるように材質を選択し、表面粗さも小さく加工するなどして用紙相互間の摩擦係数よりも小さくした。これにより、揃え動作においてまた、退避動作において既に揃え済みの部(用紙束)が乱されることはない。
【0095】
1[2]C.揃え部材の移動手段
揃え部材102a、102bは揃え動作に際してシフト方向d上、図9に示す受け入れ位置から図10に示す揃え位置間を移動することは既に述べた。その他に揃え部材102a、102bは図9に示す受け入れ位置からさらに互いに離間する方向に移動したホームポジションまで移動することができるようになっている。
【0096】
このようなシフト方向dでの移動を可能にするため、揃え部材102a、102bの移動手段を具備している。この揃え部材の移動手段について説明する。
【0097】
揃え部材の移動手段は、片側移動態様を採用する場合には、トレイ12がシフトする毎に揃え部材102a、102bの一方が不動、他方が移動となる役割が交代する。両側移動態様を採用する場合には、トレイ12がシフトする毎に揃え部材102a、102bの両方を等量、接近、離間させる動作を行なわせるだけでよい。
【0098】
したがって、両側移動態様では揃え部材の移動手段として揃え部材の一方と他方とを連動させる連動機構を採用することができるが、片側移動態様では連動機構を採用することができない。連動機構では揃え部材の一方と他方の移動用駆動源が共用化されるので一般的には構成が簡易となる長所を有するが、ここでは、片側移動態様に適する移動手段として、各揃え部材102a、102bについてそれぞれ単独で接離方向に移動させることができる移動手段について説明する。以下の説明にかかる単独で接離方向に移動させることができる移動手段では、もちろん、両側移動態様における揃え部材の移動にも対応することができる。
【0099】
図11において排出方向aの上流側から下流側に向かってトレイ12をみたときシフト方向dの左側を前側、右側を後側とすれば、揃え部材102aは前側の揃え部材であり、揃え部材102bは後側の揃え部材である。
【0100】
先ず、前側の揃え部材102aの移動手段について説明する。
図11において、揃え部材102aはシフト方向dと平行な円柱状の軸108に摺動可能に枢着されている。軸108の両端部はフレーム90に固定されている。
【0101】
図12、図13に示すように、揃え部材102aの上端部は受け台105aに形成された軸108と直交する平面と平行なスリット105a1内に嵌合している。受け台105aは軸108に摺動可能に嵌合するとともに、該軸108と平行なガイド軸109に摺動可能に嵌合している。さらに、受け台105aの上部はタイミングベルト106aに固定されている。
【0102】
タイミングベルト106aは図11に示すようにプーリ150a、151a間に張設されている。プーリ150aはフレーム90に固定された軸に軸支されている。プーリ151aはフレーム90に固定されたステッピングモータ104aの回転軸に固定されている。
【0103】
これらステッピングモータ104a、受け台105a、タイミングベルト106a、軸108、ガイド軸109は、揃え部材102aの移動手段を構成する主要な部材である。
【0104】
後側の揃え部材102bの移動手段について説明する。
図12、図13に示すように揃え部材102bは揃え部材102aと同じ軸108に摺動可能に枢着されている。また、この揃え部材102bは揃え部材102aと受け台105aとの係合関係と同様、受け台105bのスリット105b1に嵌合されている。
【0105】
受け台105bの上部はタイミングベルト106bに固定されている。タイミングベルト106bは図11に示すようにプーリ150b、151b間に張設されている。プーリ150bはフレーム90に固定された軸に軸支されている。プーリ151bはフレーム90に固定されたステッピングモータ104bの回転軸に固定されている。
【0106】
これらステッピングモータ104b、受け台105b、タイミングベルト106b、軸108、ガイド軸109は、受け部材102bの移動手段を構成する主要な部材である。
【0107】
本例では、軸108とガイド軸109については、受け台105a、105bを安定支持しかつガイドする機能を有し共用されているが、揃え部材102a、102bの移動に際して使用される領域は前側、後側でずれているので、独立して設けることもできる。
【0108】
このように、揃え部材102a、102bはそれぞれ独立した移動手段を具備しているといえるので、ステッピングモータ104a、104bをそれぞれ単独で正転、逆転を切り換え駆動することにより、タイミングベルト106a、106bがそれぞれ単独に回動し、これに伴い受け台105a、105bが移動し、受け台105a、105bに形成されたスリット105a1、105b1に挟まれた揃え部材102a、102bがシフト方向dに単独で移動する。
【0109】
各揃え部材102aと102bについてかかる構成の揃え部材の移動手段により、揃え部材102a、102bを単独で駆動できる。例えば、片側移動態様で揃え動作をする場合のように、任意のジョブで揃え部材102aを不動とし、揃え部材102bを移動させたら、トレイ12をシフト後の次のジョブで揃え部材102bを不動とし、揃え部材102aを移動させる、というように、各揃え部材102a、102bのうち不動側と移動側の役割を交互に入れ換えて仕分け後の揃え動作を行なうことができる。
【0110】
また、揃え動作において、両方の揃え部材102a、102bを移動させる両側移動態様を採用することも可能である。片側移動態様の方が、両側移動態様に比べてトレイ12上の用紙束にのせている方の揃え部材が不動となる分、用紙の揃え状態を乱にくい特性を有するが、独立した移動手段を構成した場合には、かかる片側移動態様を採用することもできる。
【0111】
1[2]D.揃え部材の位置制御
図12、図13において、軸108は揃え部材102aをシフト方向dに案内するガイドであると共に、揃え部材102aを回転可能に支持する支持軸でもある。揃え部材102aの上端部は前記したようにスリット105a1内に嵌合しており、該揃え部材102aの下端側は軸108よりも排出方向a側に延びている。このため、揃え部材102aの重心位置も排出方向aにずれており、揃え部材102aは自重により軸108を中心とする矢視Kの向きのモーメントを受けている。
【0112】
図13、図14に示すように、スリット105a1の奥部は開放されてはおらず、塞がれている。このため、矢視Kの向きのモーメントによる揃え部材102aの回転は、トレイ12上の用紙Sとの干渉がない限り、揃え部材102aの上端縁部102a3がスリット105a1の奥部と当接することにより阻止される。図14において、この回動を阻止された状態の揃え部材102aを実線で示している。
【0113】
スリット105a1は受け台105aに形成されているので、受け台105aは揃え部材102aの、軸108を中心とする回転量を規制する規制部材でもある。これと全く同じ構造及び作用が揃え部材102bと受け台105bとの間にも成り立っている。
【0114】
奥部が塞がれたスリット105a1と有する受け台105a、同じく受け台105bによる回転量の規制部材の働きにより、1対の揃え部材102a、102bは自重のモーメントによる回動が規制され、回動方向上の一定の位置が自動的に保持されることとなり、特別な回転方向の位置決め機構を設けずに済む。
【0115】
図11、図13乃至図15、図17(b)に示すように少なくともこれら凹部80a、80b上に用紙が積載されていない状態では、揃え部材102a、102bの各下端部がトレイ12の積載面より下方、つまり、凹部80a、80b内に位置する状態でこれら揃え部材102a、102bはスリット105a1、105b1の奥部により係止されるように設定されている。
【0116】
図9に示したように、揃え部材102a、102bがシフト方向d上の受け入れ位置にあるときには、トレイ12の積載面上であって、揃え部材102aと対向する部位には凹部80aが形成されており、この凹部80aを塞ぐようにして用紙が積載されていれば、揃え部材102aはこの用紙の上面に自重による当接力で当接することになる。同様に、受け入れ位置にある揃え部材102bと対向する部位には凹部80bが形成されていて、この凹部80bを塞ぐようにして用紙が積載されていれば、揃え部材102bはこの用紙の上面に自重による当接力で当接することになる。
【0117】
揃え部材102a、102bは、常時自重によるモーメントで回転しようとしており、トレイ12上に用紙が無ければ凹部80a、80b内で回動可能のため、図12、図14に示すようにスリット105a1、105b1の奥部により係止される。こうして矢視Kの向きの回転は阻止されているが、矢視Kの向きと逆向きの回転は阻止されていない。従って、トレイ12上に凹部80a、80bを塞ぐようにして用紙Sが積載された場合には、自重により該トレイ12上の用紙S上に揃え部材102a、102bが接することとなるのである。
【0118】
上記したように、トレイ12上、用紙が無ければ、揃え部材102a、102bの下端部は自重により凹部80a、80b内に位置し、用紙が有ればこの用紙の最上面に自重で接する状態となる。これらの何れの状態でも、シフト方向の移動により揃え動作に移行することが可能である。そこで、これらの状態を以下の説明の便宜上、揃え作動位置と称することとする。代表例として示す図15では、用紙が無い場合の揃え部材102aの位置を揃え作動位置として示しているが、用紙が有る場合には該用紙の上面に揃え部材102aの下端部が自重で当接した状態となる。図15に示す揃え作動位置というときは、これら何れの状態も含めるものとする。また、揃え部材102bについても揃え部材102aにおけると同様の作動位置をとり得るものとする。
【0119】
このように、図9に示す受け入れ位置にある揃え部材102a、102bは、図15に示す揃え作動位置では、トレイ12の凹部80a、80b上に用紙が積載されていなければこれら凹部80a、80bの中にその一部が進入した状態を保持するし、凹部80a、80b上に用紙が積載されていれば該用紙の最上面に自重で接する状態となる。
【0120】
揃え部材102a、102bを、シフト方向d上、図9の受け入れ位置におき、かつ、軸108を中心とする回動方向上、図15の揃え作動位置におき、これらの状態で用紙Sが揃え部材102a、102b間のトレイ12上に積載された場合、揃え部材102a、102bの両方或いは何れか一方を移動して揃え動作を行なうことで、該トレイ12上に積載された用紙を揃えることができる。
【0121】
揃え部材102a、102bは重心の位置を適切に設定することにより、用紙Sに対する接触圧力を小さく調整でき、仕分け揃え動作に際し、既に揃えられた用紙が乱さないようにすることができる。
【0122】
図8乃至図10において、受け台105a、105bには遮蔽板105a1、105b1がそれぞれ付いており、ステッピングモータ104a、104bが受け台105a、105bを互いに離間する向きに移動するように回転すると、受け台105aの遮蔽板105a1がホームポジションセンサ107b内に挿入されて光学的に遮蔽され、受け台105bの遮蔽板105b1がホームポジションセンサ107bに挿入されて光学的に遮蔽されることで、それぞれこの遮蔽状態がこれらホームポジションセンサ107a、107bにより検知され、この検知信号に基き、ステッピングモータ104a、104bが停止制御される。
【0123】
遮蔽板105a1、105b1がそれぞれホームポジションセンサ107a、107bにより検知された状態が揃え部材102a、102bのホームポジションであり、このホームポジションは揃え部材102a、102bが仕分け揃えの対象となる各種サイズの用紙のうち、最大幅よりも十分に開いた位置である。
【0124】
揃え部材102a、102bは仕分け揃え作業に入る前には、このホームポジションで待機している。図8では、揃え部材102a、102bがホームポジションにある。
【0125】
揃え部材102a、102bは、排紙コロ3から排出されてくる用紙Sの紙幅に応じて図9に示すように、各ホームポジションからステッピングモータ104a、104bが所定パルス相当分だけ図9に示す矢印方向に駆動されて受け入れ位置で待機し、用紙がトレイ12に落下し完全に停止してスタックされてから図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行う。この時点でトレイ12に積載された用紙束SSは揃えられ、再び次の用紙の受け入れ状態に入るために図9の受け入れ位置まで移動し待機する。
【0126】
このような動作を繰り返し、揃え動作にかかる一連のジョブが終了した時点で、再び図8に示すホームポジションまで揃え部材102a、102bが移動する。
【0127】
こうして、ステッピングモータ104a、104b、遮蔽部材105a1、105b1を含む受け台105a、105b、タイミングベルト106a、106b、軸108、ガイド軸109などの移動手段や、ホームポジションセンサ107a、107bなど、及び制御手段により、揃え部材102a、102bの揃え部102a1、102b1が、図9に示す受け入れ位置と図10に示す揃え位置の少なくとも2つの位置に位置させられる得る。このように、受け入れ位置を設定することにより、揃え動作に際しての揃え部材102a、102bの移動量をホームポジションからの移動量よりも小さい移動量で用紙を受け入れ、揃えることができる。
【0128】
1[2]E.揃え部材の退避手段
図12ないし図16において、揃え部材102aは前記したように軸108により枢着されているが、この枢着部を基点として排出方向aの上流側の部位には、L字状の切り欠きが形成されている。この切り欠きのうち、揃え部材102aが図15、図17(b)、図21(b)、揃え部材102bが図17(c)、図21(c)などに示した揃え作動位置(或は揃え作動状態、以下同じ)にあるとき、略水平方向に沿う状態となる面を押動面と称し、符号102a4で示す。同様に、揃え部材102bについても押動面102b4が形成されている。
【0129】
これらの押動面102a4、102b4には、軸108と平行な軸110が自重で当接している。軸110の軸長手方向の両端部はフレーム90の側板部に形成された鉛直方向の長穴90a、90b(図12参照)に上下動可能に嵌合されている。
【0130】
図11、図12、図15に示すように軸110の中央部にはフレーム90に軸112を軸支されたL字状のレバー113の一端側が自重で乗っている。レバー113の他端側はばね114を介してソレノイド115のプランジャと連結されている。ソレノイド115はフレーム90に設けられている。
【0131】
ソレノイド115がオフ(非励磁)の状態では、揃え部材102a、102bは自重によるモーメントにより、図13、図14に示すように上端縁部102a3がスリット105a1の奥部と当接し、図15に示す揃え作動位置をとる。或いはこれら揃え部材102a、102bの何れかの下端部がトレイ12上の用紙に接することにより、上端縁部102a3がスリット105a1の奥部から少し離間した、図17(b)や図21(b)の揃え部材102a、図17(c)や図21(c)の揃え部材102bにおけるような揃え作動位置におくことができる。これらの揃え作動位置では、前記したように揃え部材102a、102bはトレイ12上面の凹部80a、80b内、又は、トレイ12上に積載された用紙の最上面部に当接した状態にある。
【0132】
図16に示すように、ソレノイド115をオン(励磁)にすると、該ソレノイド115のプランジャが引かれ、レバー113が回動する。これにともない図12、図13に示すように軸110がレバー113によりフレーム90に設けられた長穴90a、90bに案内されて押し下げられる。
【0133】
図12ないし図16に示すように軸110は揃え部材102a、102bに形成された切り欠きのうち押動面102a4、102b4に係合しているので、図16に示すように軸110が押し下げられることにより、揃え部材102a、102bは矢視Kとは逆の向きに回動し、凹部80a、凹部80b内から、或いはトレイ12上に積載された用紙の最上面から大きく離間したトレイ12の上方位置に移動する。
【0134】
このようにトレイ12の上方へ移動したときの揃え部材102a、102bの位置を図14に2点鎖線で、また図16に実線で示し、この位置を退避位置という。軸110、レバー113、ソレノイド115などは、揃え部材102a、102bを退避位置におく退避手段を構成する。
【0135】
1[2]F.揃え部材の駆動装置
図12、図13、図15、図16において、揃え部材102a、102bを支持している構成部分は、これら揃え部材102a、102bを共通に枢着する支点軸としての軸108と、この軸108からずれた揃え部材上の各作用点としての押動面102a4、102b4に当接して軸108を中心に揃え部材102a、102bを回動させる押動軸としての軸110と、揃え部材102a、102bの自重による軸108を中心とするモーメントによる回動をそれぞれ阻止し得る、スリット105a1、105b1の各奥部を具備した受け台105a、105bからなる回動阻止部材を有し、軸108は揃え部材102a、102bを揃え方向であるシフト方向dに案内するガイド軸を兼ねていて、受け台105a、105bは揃え部材102a、102bをシフト方向dに移動させる駆動手段を兼ねている構成からなり、さらに、用紙の排出方向aと平行な端面を挟むようにこれら端面に接離する揃え方向に移動して前記端面の位置を揃える揃え動作を行なう1対の揃え部材を具備した構成としてとらえることができる。
【0136】
このように、自重によるモーメントに相当する荷重で用紙Sの上面に揃え部材102a、102bを当接することができ、この荷重を調節することにより、用紙Sへの接触圧力を自在に調節可能であり、用紙Sがないときには図14に実線で示すように揃え部材102aの上部をスリット105a1の奥部に係止状態のもとで揃え部材102a、102bをトレイ12の凹部80a、80b内におくことができ、用紙S端面への揃え部102a1、102b1の確実な当接を可能とする。
【0137】
さらに、押動軸としての軸110に作用して作用点としての押動面102b4を押動させる状態と、該押動を解除する状態とを切り換え自在とする、レバー113とソレノイド115を主な構成とする切り換え駆動手段を具備していることにより、揃え部材102a、102bを同時に、用紙Sの最上面から退避する状態と、自重による回転モーメントで接する状態とを切り換えることができる。
【0138】
1[2]G.揃え部材とトレイとの関係
図3により説明した検知手段96により、トレイ12上面又はトレイ12上面に積載された用紙の最上面の上下方向の位置が排出コロ3からの用紙Sの排出に適する適正排出位置となるように昇降方向のトレイ12の位置が制御されるようになっていて、この適正排出位置において、図15で説明した揃え作動位置が設定されている。
【0139】
揃え部材102a、102bがシフト方向dに移動して揃え動作をするとき、揃え機能がよく発揮されるように、また、仕分けのためにトレイ12がシフトするときなどに、トレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとが干渉するのが回避されるようになっている。
【0140】
揃え部材102a、102bが図15で説明した揃え作動位置にあるとき、トレイ12上に設けられた凹部80a、80b内に揃え部材102a、102bの下端部が部分的に入り込んでいてかつ、図13、図14に示すように揃え部材102a、102bは凹部80a、80b内で間隔βをとることによりトレイ12と非干渉である。このときのトレイ12は、図3で説明したように、トレイの昇降方向の検知手段96により適正排出位置にある。
【0141】
凹部80a、80bを形成することにより、揃え部材102a、102bの下端部は凹部80a、80b内、つまり、トレイの12上面よりも下方に位置することにより、揃え部材102a102bの下端部、より詳しくは揃え部材102a、102bの下端部内側に位置する揃え部102a1、102b1を凹部80a、80bを介して確実に用紙Sの端面に交差させた態様をとり、揃え部102a1、102b1は一番下の用紙Sについてもその端面に確実に当てて揃えることができる。
【0142】
1[2]H.揃え部材と用紙との干渉回避
ジョブ(部)の用紙排出及びこれに続く揃えを終わり、揃え部材102a、102bが図9に示す受け入れ位置にある状態のままで、仕分けのためトレイ12がシフト方向dに移動したとすると、せっかく揃えた用紙束SSが、トレイ12のシフトとともに、揃え部材102a、102b下端部にひっかけられて整列を乱されてしまう。そこで、これを回避するために、トレイ12がシフトする前に、予めトレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとを退避手段により離間、退避させることとした。
【0143】
また、所定部数の仕分け揃えが終了し、次の所定部数の仕分け揃えに際し、用紙幅が変更される場合などに備え、揃え部材102a、103aは受け入れ位置よりも更に間隔を開けた位置まで移動させる必要がある。このための揃え部材102a、102bの移動に際しても、揃え部材102a、102bが既に揃えられたトレイ12上の用紙に干渉するのを避けるため、揃え部材102a、102bを受け入れ位置よりも開いた位置、ホームポジション或いは、ホームポジションよりも狭い任意の位置まで移動させる前に、トレイ12上の用紙Sとの干渉を避けるため予めトレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとを離間、退避させる。
【0144】
この退避の態様としては、揃え部材102a、102bを回動させる方法、トレイ12を下降させる方法、揃え部材102a、102bを回動させると共にトレイ12を下降させる方法、の3つがある。また、退避量を定めるには用紙のカールの度合いとトレイのシフト量との関係を考慮し、現実の装置において具体的に定めるのがよい。
【0145】
1[2]H−▲1▼.揃え部材の退避
図12ないし図16において、軸110、レバー113、ソレノイド115などは、揃え部材102a、102bを退避位置(或は退避状態、以下同じ)におく退避手段を構成する。
【0146】
退避手段により、ジョブが終わる毎に、つまり、トレイ12がシフトする前毎に、予めソレノイド115をオンにして、図16に示すように揃え部材102a、102bを退避位置におく。或いは、所定部数の仕分け揃えが終了したときに、必要に応じて図16に示すように揃え部材102a、102bを退避位置におく。
【0147】
図14に示すように退避位置では、図15で揃え部材の下端部分は押し上げられ、トレイ12とオーバーラップしていた部分がなくなり、トレイ12との間に隙間が生じる。隙間が生じた時にトレイ12をシフト方向dに動作させれば、用紙の最上面と揃え部材102a、102bとの接触を回避できる。
【0148】
退避手段により図16に示す退避位置におかれた揃え部材102a、102bは、ソレノイド115をオフにするだけで、揃え部材102a、102bの自重によるモーメントで図15や図17(b)、図21(b)に示す揃え部材102a、図17(c)、図21(c)に示す揃え部材102bなどのように揃え作動位置に復帰させることができる。但し、退避位置から揃え作動位置に戻すタイミングは、揃え部材102a、102bが図9に示す受け入れ位置に移動した後とする。
【0149】
揃え動作が片側移動態様の場合、揃え部材102a、102bが揃え作動位置に復帰したとき、揃え部材の一方は前回ジョブでの用紙束の上に乗っかり、他方の揃え部材が前回ジョブでの用紙束の端面の外側に位置し、トレイ12のシフト後に行なわれる次回ジョブでは、上記前回ジョブでの用紙束上に乗っかった方の揃え部材が不動で、前回ジョブでの用紙の端面の外側に位置する揃え部材が該端面に接離して揃え動作を行う。
【0150】
揃え動作が両側移動態様の場合、揃え部材102a、102bが揃え作動位置に復帰したとき、揃え部材の一方は前回ジョブでの用紙束の上に乗っかり、他方の揃え部材が前回ジョブでの用紙束の端面の外側に位置する点は片側移動態様と同じであるが、トレイ12のシフト後に行なわれる次回ジョブでは、上記前回ジョブでの用紙束上に乗っかった方の揃え部材及び、前回ジョブでの用紙の端面の外側に位置する揃え部材の両方が該用紙束の端面に接離して揃え動作を行う。
【0151】
片側移動態様、両側移動態様の何れであっても、揃え部材102a、102bが揃え動作を一連の用紙に対して完了した後は用紙をトレイ12から取り出す場合がある。この場合にも、揃え部材102a、102bを図15に示す揃え作動位置から図16に示す退避位置におけば、トレイ12上からの仕分け揃え済みの用紙束の取り出しが容易となる。
【0152】
1[2]H−▲2▼.トレイの下降による退避
図3(a)に示した昇降手段95により適正排出位置よりトレイ12を下降させることにより、トレイ12のシフトに際してのトレイ12上の用紙と揃え部材102a、102bとの干渉を回避することができる。
【0153】
これらの事由によるトレイ12の下降状態は、トレイ12が仕分けに必要な所定のシフト量だけ移動した後、或いは、次の所定部数の仕分け揃えに際して、これから揃え動作を行なうべき用紙サイズが決まりそのサイズに合わせた受け入れ位置まで揃え部材102、103が移動された後まで継続し、その後、トレイ12は適正排出位置まで上昇させられる。これにより、用紙をトレイ上に良好な状態で排出し、揃え動作を実行することができる。
【0154】
1[2]I.揃え動作
揃え動作として、▲1▼揃え部材102a或いは揃え部材102bの何れか一方を不動にしたまま、残る揃え部材を不動の揃え部材側に移動させて揃える片側移動態様と、▲2▼揃え部材102a、102bを互いに接近する方向に移動させて揃える両側移動態様の2つがある。
【0155】
片側移動態様では、不動側の揃え部材が既に揃えられている前回ジョブの用紙上に当接しているので、揃え動作における用紙の乱れのおそれが少ない利点があるが、揃え部材を個別に動作させねばならないので動作機構が複雑になる。
【0156】
両側移動態様では、既に揃えられている前回ジョブの用紙上を1対の揃え部材の一方が交互に当接するので、揃え部材の用紙との接触部の摩擦係数を用紙間の摩擦係数より小さくする等の配慮が必要であるが、揃え部材を連動して動作させる機構を採用することができるので駆動機構が簡単になる利点がある。
以下に、片側移動態様、両側移動態様における各揃え動作について説明する。
【0157】
1[2]I▲1▼.片側移動態様による横揃え
揃え部材102a、102bによる片側移動態様による揃え動作について図17乃至図20により説明する。図17はトレイ12を図2において排出方向aの上流側から下流側に向かってみたときの図、図19乃至図20は揃え動作の斜視図で、図17(a)は図19、図17(b)は図20、図17(c)は図20にそれぞれ対応する。
【0158】
図2において搬送ローラ対2b、排紙センサ38、排紙コロ3等が配設された搬送経路を通過してきた用紙Sは、排紙コロ3より排出方向aに向けて排出される。
【0159】
[第1のジョブ]
図18において、用紙Sは重力の影響を受けて、斜め下方の矢視Bの向きに進みトレイ12に落下する(図17(a))。ここでは、既に部を構成する数枚の積載がなされている。用紙Sの排出に先立ち、トレイ12は図5〜図7で説明したトレイ往復動機構により予めシフト方向dの一端側、例えば後側に寄せられており、また、揃え部材は図9に示す受け入れ位置、図15に示す揃え作動位置にあり、最初のジョブにかかる第1の用紙束SS−No.1を構成する用紙がある程度積載されている。
【0160】
用紙Sが排出されると揃え部材102bは不動、揃え部材102aが用紙束SS−NO.1に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.1を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端面に接し、或いは叩き、図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、用紙束SS−NO.1は用紙Sが自由落下距離Lを落下する間に生じた横ずれ量Δがない状態に揃えられる。その後、揃え部材102bはそのままの位置で不動とし揃え部材102aを復動させ、図9に示す受け入れ位置に戻す。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0161】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0162】
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、必要なら揃え部材102a、102bを退避させてからホームポジション(図8参照)に戻す。
【0163】
[第2のジョブ]
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図16に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避させ、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0164】
上記シフト後、揃え部材102a、102bを図9に示す受け入れ位置に移動後、図16に示す退避位置から図15に準じた揃え作動位置に移行させる。このとき、トレイ12のシフトにより、前側の揃え部材102aが第1の用紙束SS−NO.1の上に当接して位置し、後側の揃え部材102bが所定の受け入れ位置にある。なお、図17(b)、図19では、第2のジョブにかかる第2の用紙束SS−No.2を構成する用紙が既にある程度積載されている状態を示す。
【0165】
第2のジョブにかかる用紙Sが排出されると今度は前側の揃え部材102aが不動、後側の揃え部材102bが第2の用紙束SS−NO.2に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.2を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端面に接し、或いは叩き、図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第2の用紙束SS−NO.2が揃えられる。その後、揃え部材102aはそのまま不動とし揃え部材102bだけが復動し、図8に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0166】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0167】
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、必要なら揃え部材102a、102bを退避させた上でホームポジション(図8参照)に戻す。
【0168】
[第3のジョブ]
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙(第1枚目)であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図16に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避させ、この退避状態のもとでトレイ12を後側から前側にシフトさせる。
【0169】
上記シフト後、揃え部材102a、102bを図9に示す受け入れ位置に移動後、図16に示す退避位置から図15に準じた揃え作動位置に移行させる。このとき、トレイ12のシフトにより、後側の揃え部材102bが第2の用紙束SS−NO.2の上に当接して位置し、前側の揃え部材102aが所定の受け入れ位置にある。なお、図17(c)、図20では、第3のジョブにかかる第3の用紙束SS−No.3を構成する用紙が既にある程度積載されている状態を示す。
【0170】
第3のジョブにかかる用紙Sが排出されると今度は後側の揃え部材102bが不動、前側の揃え部材102aが第3の用紙束SS−NO.3に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.3を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端面に接し、或いは叩き、図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第3の用紙束SS−NO.3が揃えられる。
【0171】
その後、揃え部材102bはそのままの位置に不動とし、揃え部材102aだけが復動し、図9に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0172】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0173】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、必要なら揃え部材102a、102bを退避させた上でホームポジション(図8参照)に戻す。
【0174】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図16に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトし、該先頭紙の排出を待つ。以下、前記したと同様の手順を繰り返す。
【0175】
1[2]I−▲2▼.両側移動態様による横揃え
揃え部材102a、102bによる両側移動態様による揃え動作について図21により説明する。図21はトレイ12を図2において排出方向aの上流側から下流側に向かってみたときの図である。
【0176】
図2において搬送ローラ7、排紙センサ38、排紙コロ3等が配設された搬送経路を通過してきた用紙Sは、排紙コロ3より排出方向aに向けて排出される。
【0177】
[第1のジョブ]
図21(a)において、用紙Sは前記片側移動態様の場合と同様に、トレイ12に落下する。ここでは、既に部を構成する数枚の積載がなされている。用紙Sの排出に先立ち、トレイ12は図4〜図7で説明したトレイ往復動機構により予めシフト方向cの一端側、例えば後側に寄せられており、また、揃え部材は図9に示す受け入れ位置、図15に示す揃え作動位置にあり、最初のジョブにかかる第1の用紙束SS−No.1を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0178】
用紙Sが排出されると揃え部材102a、102bが共に用紙束SS−NO.1に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.1を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端面に接し、或いは叩き、図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、用紙束SS−NO.1は前記片側移動態様の場合と同様に用紙Sが自由落下距離Lを落下する間に生じた横ずれ量Δがない状態に揃えられる。その後、揃え部材102a、102bは復動し、図9に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0179】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0180】
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、必要なら退避させてから揃え部材102a、102bをホームポジション(図8参照)に戻す。
【0181】
[第2のジョブ]
第1の用紙束SS−NO.1を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図16に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0182】
上記シフト後、揃え部材102a、102bは図16に示す退避位置から図15に準じた揃え作動位置に移行し、かつ、図9に示す受け入れ位置になる。この状態を図21(b)に示す。トレイ12のシフトにより、前側の揃え部材102aが第1の用紙束SS−NO.1の上に当接して位置し、後側の揃え部材102bが所定の受け入れ位置にある。なお、図21(b)では、第2のジョブにかかる第2の用紙束SS−No.2を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0183】
第2のジョブにかかる用紙Sが排出されると前回同様揃え部材102a、102bが第2の用紙束SS−NO.2に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.2を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端面に接し、或いは叩き、図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第2の用紙束SS−NO.2が揃えられる。その後、揃え部材102a、102bは復動し、図9に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0184】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0185】
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、必要なら退避させてから揃え部材102a、102bをホームポジション(図8参照)に戻す。
【0186】
[第3のジョブ]
第2の用紙束SS−NO.2を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図16に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトする。
【0187】
上記シフト後、揃え部材102a、102bは図16に示す退避位置から図15に準じた揃え作動位置に移行し、かつ、図9に示す受け入れ位置になる。この状態を図21(c)に示す。トレイ12のシフトにより、後側の揃え部材102bが第2の用紙束SS−NO.2の上に当接して位置し、前側の揃え部材102aが所定の受け入れ位置にある。なお、図21(c)では、第3のジョブにかかる第3の用紙束SS−No.3を構成する用紙が有る程度積載されている。
【0188】
第3のジョブにかかる用紙Sが排出されると揃え部材102a、102bが第3の用紙束SS−NO.3に接近する方向に移動して該用紙束SS−No.3を挟むようにして排出方向aと平行な用紙の端面に接し、或いは叩き、図10に示す揃え位置に移動して揃え動作を行なう。この揃え動作により、第3の用紙束SS−NO.3が揃えられる。
【0189】
その後、揃え部材102a、102bは復動し、図9に示す受け入れ位置に戻る。このような動作を用紙Sが排出されてトレイ12上に積載される都度行なう。
【0190】
排出されてくる用紙には、シフトコマンド信号を伴うものと伴わないものがある。シフトコマンド信号を伴う用紙は部の先頭紙であり、用紙が排紙センサ38を通過する時点でシフトコマンド信号を伴うものか否かが制御手段により認識されるようになっている。
【0191】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識することがなければそのジョブの終了を意味するので、トレイ12はシフトさせず、必要なら退避させてから揃え部材102a、102bをホームポジション(図8参照)に戻す。
【0192】
第3の用紙束SS−NO.3を構成する所定枚数の排出を終了したあと、制御手段がシフトコマンド信号を認識したときは、その用紙は次のジョブの先頭紙であり、該用紙が排紙トレイ12に到達するまでの間に、次のジョブのため、トレイ12をシフトさせる。このシフトに際しては、揃え部材102a、102bが図16に示す退避位置に移動すること(或いは、トレイ12が下降又は揃え部材の退避とトレイの下降の組み合わせるなど)により退避し、この退避状態のもとでトレイ12は後側から前側にシフトし、該先頭紙の排出を待つ。以下、前記したと同様の手順を繰り返す。
【0193】
なお、仕分けを行なう場合、上記のようにトレイ12をシフト方向に移動させて行なう方向の他に、トレイ12のシフトは行なわずに揃え部材102a、102bを必要量だけシフト方向に移動した位置で揃えることにより、シフトと揃えを行なう態様も可能である。
【0194】
1[3].戻し手段
1[3]A.戻し手段の構成
1[3]A−▲1▼.第1の例
図32に示すように、戻し手段としての戻しコロ121'及びこの戻しコロ121'を排出方向上に変位させる変位手段の例を説明する。
図22において、戻しコロ121'は表面が凹凸形状をしたスポンジ状の弾性材からなり、移動体500に軸支されている。移動体500は正面形状がL字状をしていて、その上部は変位方向に長い案内部材501に摺動可能に嵌合されている。戻しコロ121'は移動体500に軸支されており、戻しコロ121'と一体的な軸にはプーリ502が一体的に設けられている。また、移動体500にはモータ503が固定され、その軸にはプーリ504が固定されている。
【0195】
移動体500上、プーリ502とプーリ504の中間位置にはアイドルプーリ505が軸支されていて、アイドルプーリ505とプーリ502間にはベルト506が掛けられ、アイドルプーリ505とプーリ504間にはベルト507が掛けられている。かかる構成により、モータ503の回転を戻しコロ121'に伝達して戻しコロ121'を排紙コロ3の回転とは無関係に回転させることができる。移動体500の下面にはラック508が形成されている。このラック508にはピニオン509が噛み合っている。ピニオン509は不動部材に軸支されたモータ510の回転軸に固定されている。
【0196】
かかる構成からなる変位手段おいて、モータ510を駆動することにより、その回転方向に応じて、ラック508とピニオン509の噛み合いを介して移動体500を案内部材501に沿って往復動させ、モータ510の回転量及び回転方向の制御により、戻しコロ121'を排出方向a(変位方向)上の任意の位置に移動させることができる。
【0197】
本例の変位手段では、ラックとピニオンの噛み合い関係を利用して変位を行なうので、戻しコロ121'の移動軌跡は直線的となるのが特徴であり、トレイ12又はトレイ12上の積載紙の上面から離間して待機する第1位置(I)と、トレイ12又はトレイ12上の積載紙の上面に軽く接していて第1位置(I)よりも排出方向aで下流側の第2位置(II)の2位置間を移動可能である。
【0198】
本例にかかる変位手段においては、戻しコロの戻し機能により上記第2位置(II)を、図32における用紙S'の後端部上に定めることにより該用紙S'の後端がエンドフェンス131にぶつかるまで戻すことができる。また、排出中の用紙の先端が積載紙の上面に接して排出方向aに押し出すタイミングにおいても、該戻しコロ121を第2の位置におくことにより、戻しコロの押え機能により積載紙が排出中の用紙により押し出されるのを防止することができる。
【0199】
また、該戻しコロ121の回転駆動系であるモータ504は排紙コロ3の回転駆動系とは独立した構成にしてあるので排紙手段の回転速度に支配されることなく、変位動作と連動して戻しコロ121の回転速度を増減速制御することが可能である。
【0200】
1[3]A−▲2▼.第2の例
戻し手段としての戻しコロ121a、121bを備え、排出方向上に変位させる別の変位手段の例を説明する。なお、説明の便宜上、戻しコロ121a、121bの2つを戻しコロ121と総称する場合もある。図23は変位手段を戻しコロと共に組み立て状態でその要部を示した図、図24は変位手段を戻しコロと共に分解した状態で示した図である。これらの図において、構成部材はフレーム200に取り付けられて組み立てられている。
【0201】
戻しコロ121は前記例で説明した戻しコロ121'と同じ材質及び概略形状である。戻しコロ121aを変位させる手段と、戻しコロ121bを変位させる手段とは共通部分において全く同じ構成である。そこで、説明の煩雑を避けるため、この共通部部分の構成に関しては戻しコロ121a関係については部材を表す数字の符号にaの文字を付して説明し、戻しコロ121b関係については部材を表す数字の符号にbの文字を付すにとどめ、説明は省略する。
【0202】
変位手段の基本構成は次のとおりである。
図23、図24において、第1部材(以下、駆動レバーという。)123aはたて長の部材であって、その中間位置を軸129により貫通されることにより不動部材であるフレーム200に枢着されている。ここで、軸129は駆動レバー123aに対して回転自在であり、軸129の両端部は軸受520、521を介してフレーム200に軸支されている。駆動レバー123aについて軸129により貫通された部位は枢着部であり、この部位を第1枢着部522aと称する。駆動レバー123aは第1枢着部522aを揺動中心にして一定角度の範囲で揺動可能である。
【0203】
第2部材(以下、従動レバーという。)122aはたて長の部材であってその中間位置にて突出している軸部524aを、駆動レバー123a上の第1枢着部522aから外れた一方の自由端側である第2枢着部523aに嵌合することにより枢着されている。従動レバー122aは第2枢着部523aを中心に一定角度の範囲で揺動可能である。
【0204】
従動レバー122aの第2枢着部523aでの回転中心(軸部524aの中心)からずれた任意の自由端側には、軸部525aが一体に形成されており、この軸部525aに戻しコロ121aが枢着されている。
【0205】
これら駆動レバー123aの第1枢着部522aを中心とする揺動と、従動レバー122aの第2枢着部523aを中心とする揺動との組み合わせ動作により、従動レバー122aの自由端側に枢着された戻しコロ121aを排出方向a上の異なる位置に変位させることとする。
【0206】
これにより、揺動自在の単体レバーの先端部に戻しコロを設ける構成(不図示)や、図22により説明したラックとピニオンの組み合わせによる変位手段に比べて、後述するように、戻しコロ121aを遠方まで変位させることが可能であり、駆動レバー123aと従動レバー122aとの折曲自在な構成により同じストロークを達成するための他の構成と比べてコンパクトな構成となし得、しかも、山形の軌跡を描かせるなど上下方向の変位も可能でフェイスカールにより後端部が上方に跳ね上った部位を越えてトレイ上の用紙の上に当てることも可能となる。
【0207】
駆動レバー123aは第1枢着部522aを中心にして考えたときに従動レバー122aが設けられた側と反対側の自由端側に板金からなるブラケット124がねじ526aによって固定されている。これにより駆動レバー123aは板状をしたブラケット124と一体化されている。
【0208】
このブラケット124の、排出方向aの上流側の側面部には駆動レバー123aを揺動させる偏心カム125の周面が当接している。偏心カム125はフレーム200と一体的に構成された支持板527に軸支された軸528と一体的に回転させられるようになっている。偏心カム125のカム面をブラケット124に弾性的に押し当てる第1当接手段として、ねじりコイルばね529aが設けられている。このねじりコイルばね529aのうち、ボス状をした第1枢着部522aの外周をゆるく巻いた該ねじりコイルばね529aの一端側が駆動レバー123aの側部に掛けられ、該ねじりコイルばね529aの他端側がフレーム200の一部として構成されたフック530aに掛けられている。
【0209】
このねじりコイルばね529aの弾性により、駆動レバー123aは第1枢着部522aを中心にして矢印の向きに回動付勢され、偏心カム125に弾性的に押圧される。よって、偏心カム125を回転駆動することにより、カム面の変位量に従い駆動レバー123aは第1枢着部522aを中心にして揺動する。
【0210】
偏心カム125はエンドレスなカム面を有するので、その回転運動により駆動レバー123a、ひいては戻しコロ121aに周期的な変位を与えることができる。
【0211】
第1当接手段としてのねじりコイルばね529aと偏心カム125を以って、第1揺動手段が構成され、この第1揺動手段によって偏心カム125と駆動レバー123a(ブラケット124)の自由端側の摺接が得られ、偏心カム125の回転に応じて駆動レバー123aを偏心量に従う所定角度で揺動させることができる。
【0212】
このように第1揺動手段によって駆動レバー123aを所定角度揺動させることによって、該駆動レバー123a上に乗っている従動レバーを戻しコロ121aと共に移動させ、戻しコロ121aに対して排出方向aについての円弧状の変位を与えることができる。
【0213】
偏心カム125を固定している軸528には円盤の一部を半円状に切り欠かれた遮蔽板531がその軸心部を固定されており、かつ、歯車532がその軸心部を固定されている。歯車532には歯車533が噛み合わされており、この歯車533は支持板527に固定されたステッピングモータ126により回転駆動されるようになっている。また、遮蔽板531の切欠部が通過する部位にはセンサ127が固定されていて、センサ127による遮蔽板531の検知情報により偏心カム125の回転量を検知し、ステッピングモータ126の駆動停止を制御することができる。センサ127及び遮蔽板531の組み合わせはエンコーダを構成し、偏心カム125はステッピングモータ126を駆動源として上記エンコーダにより回転量が制御される。このようにステッピングモータとエンコーダの組み合わせの構成を採用することにより戻しコロ121aの位置を適正に管理することができる。例えば、戻しコロ121aを図28に示したように第1位置(I)、第2位置(II)等にあるように位置決めすることができる。
【0214】
第1位置(I)は、戻しコロ121がトレイ12或はトレイ12上の積載紙から離間した上方に位置した待機位置にあり、ホームポジションとして設定することができる位置である。第2位置(II)は第1位置(I)よりも排出方向aの下流側に位置していて、トレイ12或はトレイ12上の積載紙に軽く接触した位置である。
【0215】
従動レバー122aは、当該従動レバー122a上であって第2枢着部523a(軸部524a)を間にして戻しコロ121aが設けられた側と反対側の自由端側534aに作用するように設けられた第2揺動手段により揺動させられる。
【0216】
この第2揺動手段は、駆動レバー123aの揺動に伴い、第2枢着部523aを中心に従動レバー122aを所定角度量だけ揺動させるもので、かかる第2揺動手段を設けることにより、第2枢着部523aを中心とする駆動レバー123aに対する従動レバー122aの角度を変位させることで戻しコロ121aを所望の軌跡を以って所望の位置間に移動させ得る。かつ、従動レバー122aの揺動動作と駆動レバー123aの揺動動作とを組み合わせることにより、戻しコロ121aのストロークを稼ぐことができる。
【0217】
第2揺動手段は従動レバー122a上の前記第2枢着部の中心からずれた戻しコロ121aが設けられた側と反対側の自由端側534aに形成した突起535aに摺動するカムであって、曲率無限大の周面の一部に台形状の突起部536が形成された平板状カム537と、該平板状カム537を突起535aに当接させる第2当接手段を付帯している。この第2当接手段としては、軸部524aにねじりコイルばねを巻き、該ねじりコイルばねの一端側を従動レバー122aに掛け、該ねじりコイルばねの他端側を不動部材に掛けることにより構成することができる。
【0218】
第2当接手段により平板状カム537に対する突起535aの当接状態が得られることにより、駆動レバー123aの揺動に応じて戻しコロ121aを周期的に上下動させることができ、駆動レバー123a及び従動レバー122aの揺動との組み合わせにより戻しコロ121aを山形の軌跡で変位させることができるので、トレイ12上に積載された用紙を排出方向aに押し出すことなく、第2位置(II)へ移動することができる。
【0219】
図28に図示されるように、平板状カム537は従動レバー122aの自由端側534aの上方に位置している。このような位置関係では戻しコロ121aの下方にはトレイ12が位置している。
【0220】
既に説明したように、トレイ12は積載される用紙の上面と排紙コロ3との間の距離を一定に保つために、用紙が排出されてトレイ12上の高さが高くなるにつれて下降するようにモータ駆動されるようになっている。
【0221】
トレイ12の上限と下限には安全対策としてのリミットスイッチが設けられていて、トレイ上下動用のモータが暴走した場合でも停止するように制御されるが、かかるリミットスイッチに到達する以前に、仮に何らかの原因でトレイ12が異常事態により上昇した場合でも、本例のように平板状カム537が従動レバー122aの自由端側534aの上方に位置している構成とすれば、上昇するトレイ12が戻しコロ121aを押し上げても、第2枢着部523aを中心に従動レバー122aは平板状カム537から逃げることができ、従動レバー122aが回動するだけで他部材との干渉がないので、部材の損傷を免れることができる。
【0222】
戻しコロ121aを回転駆動するための動力伝達系について説明する。
動力伝達系は、第1枢着部522a、第2枢着部523aの各枢着中心を回転中心とするプーリおよびこれらプーリに掛けられたベルトを主要素としている。ここで、プーリ及びベルトには、歯車及びチェーンも同様な動力伝達手段として包含するものとする。
【0223】
図24において、軸129と一体的に回転するプーリ538aと、軸部524aに枢着されているプーリ539aと、これらプーリ538aとプーリ539aとに掛けまわされたベルト540aからなる組み合わせがある。
【0224】
また、軸部524aに枢着されているプーリ541aと、軸部525aに枢着され戻しコロ121aと一体に構成されたプーリ542aと、これらプーリ541aとプーリ542aとに掛けまわされたベルト543aからなる組み合わせがある。なお、プーリ541aとプーリ539aとは共通の軸部524aに嵌合された状態では側面部に形成された噛み合わせ部が噛み合うことにより一体的に回転される状態となる。
【0225】
軸129の軸端部には継手555を介してステッピングモータ556がフレーム200に固定されていて、軸129を回転させる。軸129が回転することにより、プーリ538a→ベルト540a→プーリ539a→プーリ541a→ベルト543a→プーリ542a→戻しコロ121aの順を動力の伝達して戻しコロ121aが回転され、戻しのための回転がなされる。
【0226】
このように、駆動レバー123a、従動レバー122aの各揺動支点部にプーリを配置しこれらのプーリを介して戻しコロ121aに動力伝達される構成とし動力伝達のプーリの軸部を戻しコロ変位のための揺動支点軸と共通化したので、動力伝達系を簡単に構成でき、かつ、駆動レバー123aの外部からも容易に動力をとり入れることができ変位手段を軽量かつコンパクト化できる。
【0227】
上記したように図24において、戻しコロ121a回転のための動力は、第1枢着部522aと同心の軸129と一体的に設けられたプーリ538aと、第2枢着部523aと同心の軸部524aに枢着されたプーリ539aと、これらプーリ538aとプーリ539a間に掛けまわされたベルト540aを介して伝達される構成を含んでいる。
【0228】
この動力伝達系の断面を示した図25において、プーリ538aは軸129と一体的に固定されている。プーリ539aは軸部524aに枢着されている。本例では特に、これらプーリ538aとプーリ539a間に掛けまわされたベルト540aの張力を適度に選択してこの張力によりプーリ539aを軸部524aに押しつけることにより、該プーリ539aの内径部と軸部524aとの間に適度の摩擦力を作用させる。この摩擦力によりプーリ539aの回転力は軸部524aにも伝えられて、従動レバー122aは第2枢着部523aを中心にして回動付勢される。
【0229】
図23、図24において、戻しコロ121aに用紙をエンドフェンス131側に戻す戻し機能を果たさせるための回転の向きは反時計まわりの向きである。この回転の向きで戻しコロ121aを回転させるときプーリ539aの回転の向きは反時計まわりの向きであり、この向きの回転のときに上記摩擦力によって従動レバー122aに与えられる回動付勢力もまた、第2枢着部523aと中心とする反時計まわりの向きであり、この回動付勢力により従動レバー122aの突起535aが平板状カム537に押圧される向きに付勢される。
【0230】
本例のように、ベルト540aの張力によるプーリ539aと軸部524aとの摩擦力及びプーリ539aの回転力を利用した従動レバー122aの回動付勢により、従動レバー122aの突起535aを平板状カム537に押圧させる第2付勢手段の機能を果たさせることができ、ねじりコイルばねを使用する場合に比べて、簡易な構成となすことができる。突起535aが平板状カム537に適度の押圧力で押圧された状態でプーリ539aと軸部524aとがスリップするようにベルト540aの張力は適度に設定するものとする。
【0231】
本例では、第1部材の揺動と第2部材の揺動との組み合わせ動作により回転体からなる戻し手段を排出方向の異なる位置に確実に変位させて、戻し手段による戻し機能や押さえ機能を得ることができる。
【0232】
1[3]B.戻し動作
ここでは、前記図23〜図25で説明した構成の変位手段により戻しコロ121を第1位置(I)と第2位置(II)間で変位させる戻し動作について説明する。なお、前記図22における変位手段による戻しコロ121'の制御については、以下の説明に準ずるものとし、モータ510の回転により行なう。
図26、図28において戻しコロ121は第1位置(I)では排紙コロ3の下部近傍に位置しており、排出方向aと直交するシフト方向d(用紙の幅方向)の中央部に対向して配置されている。
【0233】
戻しコロ121aと121bとの間に積載面の紙面高さを検知するための紙面検知フィラー120が位置している。これにより、紙面検知フィラー120とトレイ12上の用紙の積載面との接触点は常に一定の高さに制御される。
【0234】
図30において、トレイ12上に積載された用紙にカールがあると、その積載紙S"の最上面部はトレイ12に設けた傾斜よりもなだらかな傾斜となり、新たにトレイ12上に排出された用紙は自重でエンドフェンス131に突き当たるまで移動することができなくなる。このため、排出方向aの下流側に飛び出した用紙S'ができてしまう。
【0235】
このように、積載紙S"の上に落下した用紙がエンドフェンス131まで戻らないで飛び出した用紙S'ができてしまうのを防止するために、本例の変位手段で駆動される戻しコロ121を用いて、第1位置(I)から、その飛び出した用紙S'の後端部つまり第2の位置(II)まで移動させて用紙の後端部に接触させ、戻しコロ121の回転力でエンドフェンス131に突き当たるまで戻す。
【0236】
既に説明したように、戻しコロ121は従動レバー122a、122bの軸部525a、525bに枢着されており、これら従動レバー122a、122bの反対側の軸部524a、524bは、駆動レバー123a、123bに挿入されて該軸部524a、524bを中心に従動レバー122a、122bは回動するようになっている。
【0237】
また、駆動レバー123a、123bは従動レバー122a、122bが枢着している反対側を軸129に挿通されていて該軸129を中心に回動するようになっている。さらに、駆動レバー123aと123bにはブラケット124が接合されており、ブラケット124を偏心カム125で変位させることによって、駆動レバー123a、123bを、軸129を中心に揺動させ、さらには駆動レバー123a、123bに枢着されている従動レバー122a、122bを揺動させ、戻しコロ121を変位させる。
【0238】
図27、図28に示されているように、戻しコロ121は第1位置(I)(待機位置或はホームポジション)から2点鎖線で示す第2位置(II)(戻し位置)まで移動して、トレイ12上に落下した用紙の後端に接触してその回転力でエンドフェンス131まで該用紙を引き戻し、後端部の整合を行うことができる。
【0239】
駆動レバー123a、123bに接合されているブラケット124を矢印J方向に変位させる偏心カム125はステッッピングモータ126から歯車533、532による伝達駆動を受けて回転し、この回転により上記の変位を行なわせる。
【0240】
偏心カム125には半円状の遮蔽板531が付加されており、この遮蔽板531をセンサ127で検知することによって偏心カム125の停止位置を規制して、すなわち戻しコロ121の停止位置を規制している。図7において、戻しコロ121の第1位置(I)は実線で示した位置、第2位置(II)(戻し、押え位置)は2点鎖線で示した位置である。
【0241】
次に、戻しコロ121の変位のタイミングについて説明する。
通常は、第1位置(I)にあり、用紙が排紙コロ3から排出され、該用紙の後端部が下コロ3aの外周に沿ってトレイ12に落下した直後に、第2位置(II)に変位させる。平板状カム537によるカム形状に従い山形の軌跡を以って変位した戻しコロ121が用紙後端部に上方から下降して接触して、ある一定時間その位置にとどまり、回転力でもって用紙をエンドフェンス131まで引き戻したら、再び偏心カム125を回転させて第1位置(I)まで変位させる。このような動作により、図30における符号S'で示したように飛び出した用紙を確実に引き戻して排出方向aについての揃え精度を向上させることができる。
【0242】
次に戻しコロ121の回転駆動系の構成例を図29により説明する。戻しコロ121aには図24で説明したようにプーリ542aが一体的に形成されており、これらのプーリは軸部524a上のプーリ541aとベルト543aで結ばれている。さらに、プーリ541aと同軸かつ一体的なプーリ539aがベルト540aを介して駆動側のプーリ538aと結ばれている。
【0243】
排紙コロ3を駆動するモータとは別箇のモータ556に連結された軸129と一体的に回転するプーリ538aによりベルト540aが回転してプーリ539a、541aを回転させ、これによりベルト543aを介してプーリ542aが回転して戻しコロ121が回転する仕組みである。プーリ542bについても上記に準ずる。
【0244】
ここで、ベルト543は図28の従動レバー122aの内部に、ベルト540は駆動レバー123aの内部に各々収納されている。これらの構造は図24により説明した通りである。本例では、排紙コロ3の駆動と戻しコロ3の駆動を個別に制御できる利点がある。
【0245】
用紙が排紙コロ3を通過してトレイ12に落下するまで戻しコロ121を第1位置(I)に待機させ、用紙がトレイ12上の積載面上に落下した直後に第2位置(II)まで変位動作させることによって積載面上に落下した用紙を確実に捉えてエンドフェンス131まで戻すことができる。
【0246】
第2停止位置(戻し位置)は、第1位置(I)に対して排出方向a側にずれた位置で、要するに戻しコロ121が落下した用紙の後端に届く位置である。これにより、トレイ12上に積載された排出方向側の用紙の揃え精度を用紙のカール状態や積載状態に関わらずに良好にすることができる。
【0247】
本例では、戻しコロ121としてスポンジ状の弾性材を用い、かつ、表面形状を凹凸状にしたものを用いた。これにより、用紙Sの上面に変形して接することで適度の押圧力が得やすくなり、また、用紙を確実に捉えることができる。
【0248】
1[3]C.押え動作
図31において、排紙コロ3からトレイ12に向けて排出される用紙S1は、この排出の過程で排出速度にもよるが、該用紙S1の後端部がまだ排紙コロ3にくわえられているときに用紙S1の中間部が撓み該用紙S1の先端部がトレイ12上に既に積載されている積載紙S"に接しつつ送り出される。
【0249】
この状態の下では用紙S1の先端部が、積載紙S"の最上紙である用紙S2を排出方向aの下流側に押し動かしてしまうため、一旦はトレイ12の傾斜によりその後端部がエンドフェンス131に突き当てられて整合された用紙S2の後端部がエンドフェンス131から離間して排出方向の下流側にずれてしまい、後端揃えができない状態となってしまう。
【0250】
図32に示すように、用紙S1の先端部が積載紙に接する前に戻しコロ121を第2位置(II)に移動して回転させておけば、用紙S1による用紙の押しだしを防止する押え機能を果たさせることができ、さらに、該用紙S1をエンドフェンス131に突き当たるまで戻す戻し機能も併せて得ることができる。
【0251】
1[4].トレイ上下方向位置制御用に設けた複数の検知手段
1[4]A.検知基準を戻し手段側とした例(請求項1〜6、11)
本実施の形態では、図1に示すようにトレイ12の上面位置検知用として複数の検知手段を、該トレイ12上面の異なる複数の位置、本例では2つの位置に対応させてそれぞれ設けている。
【0252】
1つの検知手段は、図3(a)、(b)についての説明で既に述べたように、また、図1に示すように軸73aに揺動自在に支持された紙面検知フィラー120と、紙面検知センサ130a、130bからなる検知手段96であり、戻しコロ121の近傍に位置している。
【0253】
もう1つの検知手段は、図1において軸173aに揺動自在に支持された紙面検知フィラー13と、紙面検知センサ33a、33bからなる検知手段97であり、揃え手段としての揃え部材102a、102bの近傍に位置している。ここで、軸73a及び軸173aは共に上下動するトレイ12側ではなく、不動のシート状媒体後処理装置51本体側に設けられている。
【0254】
図1において、トレイ12の高さは、戻しコロ121近傍の紙面を紙面検知フィラー120、紙面検知センサ130a、130bにより検知して所定のレベルに維持する制御を行う。
【0255】
検知手段として、検知手段96しか設けない場合の不都合について説明する。シフト(仕分け)モードの場合、トレイ12の基準高さは紙面検知センサ130a、130bが紙面検知フィラー120を検知しない位置としており、トレイ12上に用紙が積載され用紙の後端部高さが上昇したのを紙面検知センサ130bがオンすることで検知し、該紙面検知センサ130bがオフするまでトレイ12を下降させて常にトレイ12の上面高さを一定に保つ制御を行う。
【0256】
紙面検知センサ130aはトレイ12上から積載紙が取り除かれた場合をセンサのオンにより検知するものであり、該積載紙の取り除きによりトレイ12の上面レベルは低下して紙面検知センサ130aがオンとなるので、この場合、該紙面検知センサ130aがオフとなるまでトレイ12を上昇させることで、戻しコロ120がトレイ12の紙面から離間し、排出紙が適正にトレイ上に着地し得る所定の基準レベルに戻す。
【0257】
戻しコロ121による戻し機能を主体としてトレイの高さを設定し、戻しコロ121側に設けられた検知手段96によりトレイ12の高さを制御した場合には戻しコロ121による用紙の所謂縦揃えは確実に行えるが、揃え部材102a、102bによる揃えのための紙面には関知していないため、トレイ12上に用紙が大量積載されることにより用紙のカールの影響が積載紙の上面に大きく現れることによって積載紙形状が変化すると、揃え部材102a、102bの機能に支障を生ずるようになる。
【0258】
バックカールの場合:
図33において、トレイ12上に積載された用紙にカールがなくその上面が理想積載面を形成するときを2点鎖線で示すと、この理想積載面のもとでは戻しコロ121の位置でトレイ12を検知手段96により基準レベルに設定したときには、揃え部材102a、102bの下端部が理想積載面の下に位置してハッチングで示したようにオーバーラップ部ORを形成するので、揃え手段による揃え機能を果たすことができる。
【0259】
これに対して、図33において、トレイ12上に積載された用紙の上面が上に向けて膨らんだ凸状をなす所謂バックカールのときにはこのバックカール積載面の形状が戻しコロ121近傍に対して揃え部材102a、102b近傍部では下降した位置を占める。このため、図33に示すように揃え部材102a、102bの下端部はバックカールした用紙の積載面からΔt離間した状態となるため揃え機能を果たすことができない。
【0260】
フェイスカールの場合:
ケース1.
図34において、トレイ12上に積載された用紙が下に向けて膨らんだ凹状をなす所謂フェイスカールのときにはこのフェイスカール積載面の形状が戻しコロ121近傍に対して揃え部材102a、102b近傍部ではやはり下降した位置を占める。このため、図34に示すように揃え部材102a、102bの下端部はバックカール積載面からΔt離間した状態となるため揃え機能を果たすことができない。
【0261】
ケース2.
図35において、トレイ12上に積載された用紙のフェイスカールの度合いが前記図34のケースよりもさらに大きい場合、揃え部材102a、102bが揃え位置にあるときには揃え部材102a、102bの下端部はフェイスカール積載面の下に位置することでオーバーラップ部OR1を形成するので揃え機能を果たすことができるものの、揃え動作を終えて2点鎖線で示す退避位置に移動させたときにも揃え部材102a、102bの下端部はフェイスカール積載面の下に位置することで依然としてオーバーラップ部OR2(OR1>OR2)を形成しており、退避しているとはいえず、シフトに際して用紙の整列を乱してしまう。
【0262】
トレイの上面を検知する検知手段として検知手段96を1つだけ戻し手段側に設けた場合には前記の各ケースのように積載面の形状がカールによって変化した場合には、戻し手段(戻しコロ121)とは異なる部位に設けられた揃え手段(揃え部材102a、102b)について揃え機能を果せないなどの不都合を生じてしまう。
【0263】
これらの不都合に対して、本実施の形態のように、揃え部材102a、102bの近傍にも検知手段97を設けた場合には、揃え部材102a、102bの機能に支障を生ずるような積載面形状を検知することができるので必要な対処が可能となる。
【0264】
1[4]A−▲1▼.カール時の対処法
図33乃至図35により説明したように、戻し側基準のトレイ上面検知によりトレイ高さを制御した場合の不都合に対する対処法を以下に述べる。
【0265】
図1において、戻しコロ121の近傍に設けた検知手段96により戻しコロ121が戻し機能を果たすことができる高さにトレイ12の高さを定める制御を行い、その上で揃え部材102a、102bの近傍に設けた検知手段97が所定範囲を検知した場合に、排紙コロ3からの用紙の排出を禁止することとした(請求項2)。
【0266】
例1.上記所定範囲を図15などに示した揃え作動位置をとり得る状態或は、図33、図34などに示した揃え作動位置にある揃え部材102a、102bが、カールに伴う用紙の上面形状の変化により図33、図34などに示すようにカールした用紙との関係では、用紙の上面から離間して揃え機能を果たすことができない範囲(揃え機能を果たすことができる範囲の外)に位置する関係となっている状態とした(請求項3)。
【0267】
このようにすれば、揃え機能を達成できない場合に、用紙の排出を禁止することで、少なくとも、揃え機能が果たせない状態での用紙の積載がなされなくなるので揃え不良を回避することができる。対処のしかたとしては、例えば、トレイ12上からカール紙のいくらかでも除去することで正常な揃え機能に復帰させることができる。
【0268】
例2.上記所定範囲を、図16に示した退避位置にある揃え部材102a、102bに対してさえ、トレイ12上の用紙がオーバーラップしてしまい、トレイ12或は揃え部材102a、102bをシフトさせることにより揃え部材102a、或は揃え部材102bが用紙と干渉して用紙を乱し得る範囲とした(請求項4)。このようにすれば、シフト時において、揃え部材102a、102bで引っ掛けられるような用紙のレベルに至る前の高さに用紙レベルを留めるなど、必要な処置をとることができる。
【0269】
例3.上記例1のように揃え部材102a、102bによる揃えができない場合や、上記例2のように退避作動位置にある揃え部材が用紙と干渉するような場合でも、とにかく用紙の排紙積載を優先したいユーザーの要求に応える手段として、かかる場合でも用紙の排紙を禁止せずに戻し手段による戻しだけを行なうことの選択の余地を与えることもできる(請求項6)。この場合、揃え部材102a、102bは受け入れ位置などにおくことで使用状態にしておく必要はなく、また排出されてくる用紙の邪魔にならないようにホームポジションに移動させる(請求項6)。
【0270】
なお、積載面に前記の異常があった場合、横揃えがうまくいかないのであるから、積載面の異常が解除されない限り、排出コロ3からの用紙の排出を禁止する揃え優先モードと、積載面の異常があり横揃えがうまくいかなくてもとにかく、画像形成が必要な場合には用紙の排出を禁止しない積載優先モードとを設定し、ユーザーの意思によりこれらの何れかのモードを選択可能とした(請求項11)。
【0271】
1[4]A−▲2▼.制御例
本例は、図2に示したように画像形成装置50にシート状媒体後処理装置51が連結されていて、このシート状媒体後処理装置51に本発明に係るシート状媒体整合装置が設けられた装置の全体構成のもとでのトレイ上での用紙の積載面形状に応じた用紙の整合にかかる各種制御に係る。なお、揃え動作については、前記図21により説明した両側移動態様のケースで、また、仕分け動作についてはトレイ12をシフトする態様で説明する。
【0272】
図36は制御手段の制御回路を示し、CPU700は制御プログラムをメモリされたROM710と情報の授受を行ないまた、クロック720からクロック信号を入力して以下の各フローチャートに示された制御を実行する。
【0273】
CPU700は、画像形成装置50との間で画像形成装置50の制御手段52と信号の授受をなし、また、センサ群730からの情報を入力し、ステッピングモータ制御ドライバ740、モータドライバ750、ドライバ760に情報を出力するようになっている。
【0274】
センサ群730はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のセンサをまとめて表現したもので、以下のフローチャートによる制御の中にでてくる種々のセンサが該当する。
【0275】
ステッピングモータ制御ドライバ740はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のステッピングモータを制御するもので、具体的には以下で説明するフローチャートに出てくる種々のステッピングモータが該当する。図36では符号Mで例示している。
【0276】
モータドライバ750はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のDCモータを制御するもので、具体的には以下で説明するフローチャートに出てくる種々のモータが該当する。図36では符号Mで例示している。
【0277】
モード指定手段53は積載面に異常があると判断されたときに、積載優先モードを選択するか、揃え優先モードを選択するかを指定する手段であり、図示省略の操作パネルに設けたタッチスイッチなどにより構成される。
【0278】
ドライバ760はシート状媒体後処理装置51及び本発明に係るシート状媒体整合装置に用いられている種々のソレノイドを制御するもので、具体的には以下で説明するフローチャートに出てくる種々のソレノイドが該当する。図36では符号SOLで例示している。図36におけるCPU700が、以下に示すフローを実行する主な部分であり、シート状媒体後処理装置における制御手段の中心をなす。
【0279】
図2に示したシート状媒体後処理装置51において用紙を仕分けするシフトモードが選択されている場合、画像形成装置50の排紙コロ560から搬送されてきた用紙は、入口ローラ対1によって受け取られ、搬送ローラ対2a及び搬送ローラ対2bを通過し、最終搬送手段である排紙コロ3によってトレイ12に排出される。その時、分岐爪8a、8bはデフォルト位置のままで、1枚1枚の用紙が順次、同様の搬送経路を通過してトレイ12に排出される。
以下のフローチャートはシート状媒体後処理装置で前記1[4]A▲1▼.カール時の対処法において説明した制御に対応している。
【0280】
a.イニシャルルーチン及びメインルーチン:(図37参照)
図2の画像形成装置50およびシート状媒体後処理装置51を統括するメインスイッチをオンにし、仕分けモードを選択すると共に、後述する積載優先モード、揃え優先モードの何れかなど必要なモードの選択をすることにより、図37に示すイニシャルルーチン及びその後のメインルーチンが実行される。イニシャルルーチンでは、ステップP1で「各駆動部イニシャル制御」が行なわれ、揃え部材102a、102bが図8に示したホームポジションに移動し、各フラグが0にリセットされる。なお、以下のフローチャート上、前ジョガーとは揃え部材102a、後ジョガーとは揃え部材102bの意味である。
【0281】
ステップP1が終わるとメインルーチンへジャンプする。メインルーチンではステップP2「動作中トレイ高さ制御」(詳細は図38)、ステップP3「ジョガーサイズ別待機位置移動制御」(詳細は図39)、ステップP4「用紙搬送制御」(詳細は図40)、ステップP5「戻しコロ制御」(詳細は図41)、ステップP6の「シフト制御」(詳細は図42)、ステップP7「ジョガー制御」(詳細は図43)、ステップP8「積載面異常チェック制御」(詳細は図44乃至図46)、ステップP9「ジョガーHP退避制御」(詳細は図47)が順次実行され、かつ必要回数繰り返される。なお、メインルーチンに入ったとき、戻しコロ121は回転しているものとする。
【0282】
b.動作中トレイ高さ制御:(図38参照)
図38に示されたこの制御は図1に示した検知手段96を用いて行なう排紙動作中のトレイ12の高さ制御に係る。請求項1乃至6に記載された構成における排紙動作中のトレイ高さ制御に関係する。
【0283】
図1において、トレイ12上には用紙が無いか、又はカールのない用紙が積載されているものとし、排紙手段から用紙を適正に受け入れることができ、かつ、戻し手段が正常に機能し得るトレイ12の高さ、つまり、トレイ12が排紙コロ3及び戻しコロ121に対して適正な高さとなるトレイ12の基準高さでは紙面検知フィラー120の一端側である扇型をした部分が紙面検知センサ130a、130bの間に位置してこれら紙面検知センサ130a、130bが共にオフの状態のときに、トレイ12は排紙コロ3からの高さが用紙を適正に着地させ得る位置にあり、かつ、戻しコロ121は第1位置(I)で積載面と離間し第2位置(II)で積載面と接し得る。前記図37のイニシャルルーチンではトレイ12は基準高さに位置させられている。
【0284】
図38では排紙動作中の制御を考えているのでトレイ12上の積載紙の高さがトレイの基準高さよりも高くなることを排除する傾向でトレイ12の高さを所定のレベルに維持する制御となる。よって、ステップP2−1「紙面検知センサ130bオン?」をチェックし、オフならば、トレイ上への用紙の排紙があっても未だトレイを下降する必要がない状況などにより、リターンへ抜ける。
【0285】
ステップP2−1で紙面検知センサ130bオンならばトレイの基準高さよりも紙面が上昇したことを意味するので、トレイ12を下降させるべくステップP2−2「トレイ昇降モータ下降制御」へ進み、図3の昇降手段95を作動させてトレイ昇降モータである上下モータ71の働きによりトレイ12を下降させる。
【0286】
トレイ12の下降の度合いを、ステップP2−3「紙面検知センサ130bオフ?」チェックで監視し、オフになるのを待ってステップP2−4「トレイ昇降モータ停止制御」にて上下モータ71を停止する。かかる制御により、トレイ12は戻しコロ121の近傍位置について排紙動作中、適正な紙面高さを維持することになる。
【0287】
c.ジョガーサイズ別待機位置移動制御:(図39参照)
図39に示されたこの制御は、揃え手段としての揃え部材102a、102b(フローチャートではジョガーと表示)を、排紙されてくる用紙のサイズに応じて、図8に示したホームポジションから図9に示した受け入れ位置(フローチャートでは待機位置と表示)に移動して用紙の受け入れの態勢を整える内容をなす。
【0288】
ステップP3−1「前ジョガーサイズ別待機位置移動制御」ではステッピングモータ104aが駆動されて揃え部材102aが用紙のサイズに適合した図9に示す受け入れ位置に向けて移動される。ステップP3−2「ジョガー動作終了?」では上記受け入れ位置までの所定のステップ数の移動がチェックされ、揃え部材102aが所定の受け入れ位置に移動したことがチェックされる。
【0289】
次に、ステップP3−3「後ジョガーサイズ別移動制御」及びステップP3−4「ジョガー動作終了?」において、今度はステッピングモータ104bが駆動されて揃え部材102bが図9に示す所定の受け入れ位置に移動される。
【0290】
d.用紙搬送制御:(図40参照)
図40により、メインルーチンにおけるステップP4の内容をなす「用紙搬送制御」について説明する。ステップP4−1「排紙センサONフラグ=1?」においては、前記ステップP1「各駆動部イニシャル制御」において最初はフラグはリセットされているのでステップP4−2「排紙センサ オン?」へ進む。この排紙センサは図2において排紙コロ3の上流に配置された排紙センサ38である。
【0291】
ステップP4−2「排紙センサON?」で排紙センサ38により用紙の先端が検知されるとステップP4−3で排紙センサONフラグをセットし、ステップP4−4で「戻しコロ動作フラグ←1」で戻しコロ動作フラグに1をセットし、かつ、戻しコロ動作タイマをリセットすることによりタイマにより後述のステップP5−2における所定時間T1用の計時を開始する。用紙の先端検知を基準として計時を開始したのは、戻しコロ121に戻し機能だけでなく、押さえ機能も持たせているためであり、用紙の先端が着地する時間を把握するためである。
【0292】
ステップP4−5では、CPU700が画像形成装置50の制御手段52から、シフトコマンド信号を受信したかどうかのチェックがなされる。シフトコマンド信号は部の切り換え時に出力される。シフトコマンド信号を受信したら、ステップP4−6で「シフト動作フラグ」をセットする。これにより、後述する図42でトレイ12が仕分けのためのシフト動作をする。
【0293】
次いで、ステップP4−7「排紙モータ加速制御」では排紙コロ3を駆動しているステッピングモータ132を排紙コロ3が受け入れ基準線速となるように増速させたのち、ステップP4−8「排紙センサオフ?」チェックで用紙が排紙センサ38を通過したか否かをみる。通過するまではリターンへ抜け、通過を検知したらステップP4−9で排紙センサONフラグをリセットしてから、ステップP4−10「排紙モータ減速制御」で先のステップP4−7で増速した排紙コロ3の線速を用紙排出時のスタック性を考慮した速度に減速する。
【0294】
次に、ステップP4−11「積載面異常フラグ=1?」で揃え手段近傍における積載面異常の有無に係る、積載面異常フラグをチェックする。当該装置の立ち上げの当初はステップP1で全てのフラグはリセットされていて、揃え手段近傍における積載面の異常はなく、積載面異常フラグはリセットされたままであるのでステップP4−12で「ジョガー揃え動作フラグ」を1にすると共に、「ジョガー揃え動作タイマ」をリセットして用紙の後端部が排紙センサ38を抜けてからトレイ上に着地するまでの時間に係る「ジョガー揃え動作タイマ」の計時を開始する。
【0295】
ステップP4−11において、「積載面異常フラグ」は後述の図44乃至図46において揃え手段近傍における積載面の異常が検知手段97により検知されたときにセットされるフラグであり、かかる積載面の異常があるときにはステップP4−11からステップP4−12を経由せずに、従ってジョガー揃え動作フラグがセットされずにリターンへ抜けるため、図43のジョガー制御のルーチンにおいてもステップP7−1からすぐにリターンへ抜け、揃え手段による揃え動作を行なわない。
【0296】
なお、ステップP4−4で「戻しコロ動作フラグ」はセットされているので、図41に示した戻しコロ制御のフローチャートにおいて戻し手段による戻し動作は禁止されない。この制御内容は本発明の請求項5に関係している。
【0297】
e.戻しコロ制御:(図41参照)
図41に示されたこの制御は、戻し手段としての戻しコロ121を、エンドフェンス131に突き当てて排紙方向の揃え(縦揃え)を行なうとの内容をなす。
【0298】
ステップP5−1では既にステップP4−4で戻しコロ動作フラグは1にセットされているので、ステップP5−2に進み、用紙の先端が排紙センサ38により検知されたステップP4−4の時点からの時間経過が、用紙の先端が積載紙に届く前までの設定時間T1を経過したら、ステップP5−3で戻し動作フラグをリセットしてから、ステップP5−4でステッピングモータ126を起動して戻しコロ121を第1位置(I)から第2位置(II)へと移動開始する。このように、用紙の先端が積載紙に届く前までの所定時間T1を設定しているので、本例では戻しコロ121により戻し動作(機能)に先立ち、押さえ動作(機能)も果たしていることになる。
【0299】
ステップP5−3で「排紙センサONフラグ」をリセットすることにより、次の用紙の先端がステップP4−2で検知され、ステップP4−4で「戻しコロ動作フラグ」が1にセットされるまではステップP5−1では「ノー」と判断されるので、戻しコロの動作は排紙センサ38による用紙先端検知の都度しか行なわれない。
【0300】
ステップP5−5では、ステッピングモータ126が所定のパルス数駆動されることにより第2位置(II)へ移動したと判断されると戻しコロ121の移動は停止され、ステップP5−6で「戻しコロ動作タイマ」をリセットしてタイマイにより戻し時間としての所定時間T2との比較のための計時を開始し、タイマの計時が所定時間T2時間を経過したかどうかがステップP5−7でチェックされ、この所定時間T2を経過するまで間に用紙はエンドフェンス131に向けて戻されて突き当てられて縦揃えが行なわれる。
【0301】
ステップP5−7でタイマによる戻し時間の計時が所定時間T2を経過したと判断されたときには用紙はエンドフェンス131に突き当てられて整合されており、ステップP5−8で第2位置(II)から第1位置(I)へ向けてのステッピングモータ126の起動がなされ、ステップP5−9で戻しコロ121が第1位置(I)に復帰したことがホームポジション用のセンサ127によりチェックされると、ステップP5−10でステッピングモータ126が停止されて戻しコロ121は第1位置(I)に移動停止する。なお、本例では図23乃至図32の戻しコロ121について説明したが、図22の戻しコロ121'についても上記戻しコロ121に準じて制御させることができる。以下の制御においても同様。
【0302】
f.シフト制御:(図42参照)
図42により、ステップP6の内容をなす「シフト制御」について説明する。既に、ステップP4−6において「シフト動作フラグ」は1にセットされているので、ステップP6−1からステップP6−2に進み「戻しコロ動作中?」をチェックし、ステップP5における戻しコロ制御が終了するのを待って、ステップP6−3「シフト駆動制御」に進み、トレイシフト用のモータ44を駆動してトレイ12をシフト方向dに移動開始させる。初期状態では、図6に示すようにシフトホームポジションセンサとしてのセンサ48がエンコーダ47と重なっておりオン状態にある。よって、ステップP64でシフトHPセンサがオフとなる位置まで回転させて停止させる。
【0303】
次に、ステップP6―5に進み、センサ48がオンになるまで回転させる(図7参照)。これにより切り欠き43Lからエンコータ47に重なった直後の符号Z1で示す部位がセンサ48により検知された位置で停止させる(ステップP6―6)。
【0304】
次の回では、図7に示すようにセンサ48がエンコーダ47の符号Z1の部位と重なっておりオン状態にある。よって、ステップP64でオフとなる切り欠き部位まで回転し停止する。次に、ステップP6―6に進み、センサ48がオンになる位置、つまり、図6に示した状態となるまで回転させて停止させる(ステップP6―6)。
【0305】
ステップP6−7では、ステップP4−5においてシフトコマンド受信の場合においてのみシフトを行なわせるためにシフト動作フラグをリセットし、リターンへ抜ける。このようにして、トレイ12を前側、後側に交互にシフトさせることが可能となる。
【0306】
g.ジョガー制御:(図43参照)
図43により、メインルーチンにおけるステップP7の内容をなす「ジョガー制御」について説明する。この制御では揃え部材102a、102bを動作させて用紙の横揃えを行なう。
【0307】
既に、ステップP4−10において「ジョガー揃え動作フラグ」は1にセットされているので、ステップP7−1からステップP7−2に進み、ステップP4−6における用紙の後端検知をトリガとして用紙の後端部がトレイ上積載紙の上面に着地するまでの所要時間として設定された所定時間T3の経過をステップP6−2で待ち、用紙が積載紙上に落下してからステップP7−3で「ジョガー揃え動作フラグ」をリセットする。
【0308】
ステップP7−3で「ジョガー揃え動作フラグ」をリセットすることにより、ステップP4−6で用紙の後端が検知されたとき以外はステップP7−1で「ノー」と判断されジョガー揃え動作は行なわないこととしている。
【0309】
ステップP7−4で、揃え部材102a、102bを図9に示した受け入れ位置から、図10に示す揃え位置に向けての移動、つまり、ジョガーの内側移動制御がなされ、ステッピングモータ104a、104bの駆動がなされる。なお、ジョガーの内側移動に際しては、図16に示した退避動作が行なわれるものとする。
【0310】
ステッピングモータ104a、104bが駆動され、ステップP7−5でステッピングモータ104a、104bが所定の駆動量駆動されたことがチェックされたときには揃え部材102a、102bは図10に示す揃え位置に移動している。
【0311】
この揃え位置に揃え部材102a、102bを一定時間保持して揃えるために、ステップP7−6、ステップP7−7で揃え位置に所定時間T4だけ保持し、ステップP7−8、ステップP7−9で揃え部材102a、102bを図9に示す受け入れ位置に復帰させる。この受け入れ位置への復帰に際してのステップP7−7のジョガー外側移動制御においても、図16に示した退避動作が行なわれるものとする。
【0312】
ここで、戻しコロ121が第2位置(II)にあるときに揃え部材102a、102bにより揃え動作させることはできず、何れか一方の動作を優先させねばならない。本例では揃え動作を戻し動作に優先させている。
【0313】
h.積載面異常チェック制御:(図44乃至図46参照)
積載面異常チェック制御は本発明の各請求項別に3パターンあり、発明に応じてこれらの何れかを適用する。
【0314】
図44は請求項2、3に関する制御のルーチンであり、揃え手段近傍における積載紙面の高さが戻し手段近傍の積載面高さよりも低いため、揃え動作を行なおうとしても揃え部材102a、102bが積載紙に当たらず空振りするような場合(図33、図34)を積載面異常として必要な処置をするようにしている。
【0315】
図45は請求項4に関する制御のルーチンであり、揃え手段近傍における積載紙面の高さが戻し手段近傍の積載面高さよりも高いため、退避位置をとる揃え部材102a、102bが積載紙に干渉するような場合(図35)を積載面異常として必要な処置をするようにしている。
【0316】
これらの制御では何れも、検知手段97を使用し、トレイ12が基準高さに位置する場合、カールのない通常の紙面形状において紙面検知センサ33a、33bが共にオフとなるように設定している。さらに、紙面検知センサ33aがオンする位置は、図33、図34で述べた不具合を防止するため、揃え部材102a、102bが用紙に接触しなくなる手前の位置に設定し、紙面センサ33bがオンする位置は、図35で述べた不具合を防止するため、揃え部材102a、102b或はトレイ12がシフトする際であって、揃え部材102a、102bが退避位置(図16)に退避した時に積載紙と接触する手前の位置として設定し、それぞれ揃えが可能な限界の位置を検出するようにしている。
【0317】
h−1.請求項2、3に対応する制御(図44参照)
戻し手段の位置近傍における積載面高さに対して揃え手段近傍の積載面高さが低くなった場合における制御である。
【0318】
ステップP8−1において、紙面検知センサ33aのオンを検知した場合には、戻し手段の位置近傍における積載面高さに対して揃え手段近傍の積載面高さが低く、揃え部材102a、102bが用紙に接触しない状態、つまり揃え手段が積載面から離間して揃え機能を果たすことができない状態になっていることを意味する(図33、図34参照)。
【0319】
よってこの場合には、ステップP8−2で、紙面上昇位置チェックタイマをリセットしてからステップP8−3「積載面異常フラグ=1?」をチェックする。当初は積載面異常フラグはステップP1でリセットされているから、ステップP8−4で「積載面異常フラグ」をセットすると共に、「積載面異常コマンド」を画像形成装置に送信する。「積載面異常コマンド」を受信した画像形成装置は排紙コロ3からトレイに向けての用紙の排出を停止する。
【0320】
なお、図44に示したフローチャートからステップP8−5「積載面異常コマンド送信」及びステップP8−9「積載面異常解除コマンド送信」を除去したフローチャートとすれば、かかる積載面異常の場合でも用紙の排出は続行され、戻し手段による縦揃えは行なわれるものの、ステップP8−4で「積載面異常フラグ」が立てられているので、図44のステップP4−11で説明したようにステップP4−11からステップP4−12を経由せずに、従ってジョガー揃え動作フラグがセットされずにリターンへ抜け、図43のジョガー制御のルーチンにおいてもステップP7−1からすぐにリターンへ抜け、揃え手段による揃え動作を行なわない。これは請求項6に対応する。
【0321】
このように、「積載面異常フラグ」は図40で述べた用紙搬送制御のルーチンにてジョガー動作を禁止する目的と、図44において複数回、「積載面異常解除コマンド」を送信しないようチェックする目的に使用している。
【0322】
画像形成装置による排紙コロ3からトレイ12への用紙排出の再開は、「積載面異常解除コマンド」をシート状媒体後処理装置51がCPU700から制御手段52を介して画像形成装置50に送信することにより行われる。
【0323】
「積載面異常解除コマンド」は「積載面異常コマンド」送信後、つまり、紙面検知センサ33aがオンした後に、紙面検知センサ33aがオフを検知したときに送信させることとしているが、紙面検知フィラー13は用紙が排紙コロ3から排出される度に用紙により跳ね上げられるため、この跳ね上りの都度、紙面センサ33aがオンからオフを検知することになる。
【0324】
すると、積載面の異常による紙面検知センサ33aのオンからオフへの変化なのか、カール紙をトレイ12から除去し、或はカールのない用紙の排紙に切り換えられるなどの理由により積載面の異常が修復したために紙面検知センサ33aがオンからオフに変化したのかの識別ができない。
【0325】
そこで、このような排出紙の押動によりなされる紙面検知フィラー13の跳ね上りに伴う紙面検知センサ33aのオンからオフへの変化による「積載面異常解除コマンド」の送信を排除するため、ステップP8−2で「紙面上昇位置チェックタイマ」のリセット(ステップP8−6で用紙の跳ね上りにより紙面検知センサ33aがオン)によるタイマの計時開始から、ステップP8−1でオフと判断されるまでの時間をステップP8−6でチェックし、この計時による時間が用紙の跳ね上げにより紙面検知センサ33aがオン状態を継続している時間として設定された所定時間T5よりも大きいときに、積載面の異常は修復されたものとして、ステップP8−7「積載面異常フラグ=0?」で積載面異常フラグが1のとき、ステップP8−8で「積載面異常フラグ」をリセットし、ステップP8−9「積載面異常解除コマンド送信」にて積載面異常解除コマンドを制御手段52に送信する制御を行なう。これにより排出手段3からトレイ12への用紙の排出が再開されることとなる。
【0326】
h−2.請求項4に対応する制御(図45参照)
戻し手段の位置近傍における積載面高さに対して揃え手段近傍の積載面高さが高くなった場合における制御である。
【0327】
ステップP8−10において、紙面検知センサ33bのオンを検知した場合には、戻し手段の位置近傍における積載面高さに対して揃え手段近傍の積載面高さが高く、トレイ12上に積載された用紙の上面が図16に示したような退避位置にある揃え部材102a、102bと干渉する状態、つまり揃え手段を退避位置に退避させてもなお、トレイをシフトさせる場合などに、揃え部材102a、102bが積載紙を引っ掛けて整列を乱し得る状態になっていることを意味する(図35参照)。
【0328】
揃え手段近傍位置での積載面高さに異常がない場合にはステップP8−10で紙面検知センサ33bがオフと判断され、ステップP8−15で、紙面下降位置チェックタイマをリセットしてからステップP8−16「積載面異常フラグ=0?」に進む。イニシャルルーチンでは、図37に示したステップP1の各駆動部イニシャル制御において全てのフラグはリセットされているのでステップP8−16からリターンへ抜ける。その後、ステップP8−10において紙面検知センサ33bがオンと判断されたときはステップP8−11に進み、前記ステップP8−15におけるタイマリセット時の計時開始から紙面検知センサ33bがオンと判断されたときまでの時間を所定時間T6とが比較される。
【0329】
所定時間T6は、通常の用紙排出時において用紙が紙面検知フィラー13を跳ね上げることにより紙面検知センサ33bをオン状態にしている時間であり、ステップP8−11でタイマの検知時間が所定時間T6未満なら用紙の排出による紙面検知センサ33bのオンの継続状態とし、タイマの検知時間が所定時間T6以上なら用紙の排出による紙面検知センサ33bのオンの継続状態ではなく、図35に示したような積載面異常によるものとみなして次へ進む。
【0330】
ステップP8−12で積載面異常フラグがセットされていると判断されたときは、ステップP8−13で積載面異常フラグを立て、ステップP8−14で積載面異常コマンドを制御手段52に送信し画像形成装置50による排紙手段3からの排紙を停止させる。
【0331】
画像形成装置50による排出手段3からの用紙排出の再開は、「積載面異常解除コマンド」を制御手段52に送信することにより行なわれる。積載面異常解除コマンドはステップP8−14の積載面異常コマンド送信後に、積載面の異常を生じていた用紙をトレイ12上から除去するなどにより紙面形状が正常になることなどにより紙面検知センサ33bがオフを検知したとき(ステップP8−10)に、ステップP8−17で積載面異常フラグをリセットした上で、ステップP8−18で行なう。
【0332】
なお、図45に示したフローチャートからステップP8−14「積載面異常コマンド送信」及びステップP8−18「積載面異常解除コマンド送信」を除去したフローチャートとすれば、かかる積載面異常の場合でも用紙の排出は続行され、戻し手段による縦揃えは行なわれるものの、ステップP8−13で「積載面異常フラグ」が立てられているので、図40のステップP4−11で説明したようにステップP4−11からステップP4−12を経由せずに、従ってジョガー揃え動作フラグがセットされずにリターンへ抜け、図43のジョガー制御のルーチンにおいてもステップP7−1からすぐにリターンへ抜け、揃え手段による揃え動作を行なわない。これは請求項6に対応する。
【0333】
h−3.請求項11に対応する制御(図46参照)
積載面異常が発生した時に、揃え優先モード/積載優先モードの別を判別し、画像形成装置にコマンドを送信する制御である。
【0334】
積載面異常を検知するための紙面検知センサ33a、33bによる判定方法は、上述のように紙面検知センサ33aがオンのとき(積載面が低く揃え手段が空振りするとき)は即、異常コマンド送信し、紙面センサ33bがオンのとき(積載面が高く揃え手段が退避してもなお積載面に干渉するとき)は一定時間後に異常コマンド送信する。
【0335】
異常を判定した場合、「積載面異常フラグ」セット後にモードをチェックし、揃え優先モードのときには画像形成装置に「積載面異常コマンド」を送信する。積載優先モードのときには「積載面異常コマンド」は送信せず、そのまま用紙の排出を継続する。
【0336】
以下、フローチャートに即して説明する。ステップP8−20で紙面検知センサ33aがオンと判断されたときは戻し手段近傍の積載面が正常の高さであるにも拘わらず、揃え手段近傍の積載面が異常に低いのであるから、ステップP8−21で「紙面検知センサ33a紙面異常フラグ」をセットし、ステップP8−22で「紙面下降位置チェックタイマ」をリセットしてタイマによる計時を開始し、ステップP8−23へ進む。
【0337】
ステップP8−23では「積載面異常フラグ」のチェックが行なわれる。図37のイニシャルルーチンにおいてステップP1で全てのフラグはリセットされているので、ステップP8−24に進み「積載面異常フラグ」がセットされ、ステップP8−25でモードチェックが行なわれる。
【0338】
モード指定手段53(図33参照)により揃え優先モードが指定されている場合にはステップP8−23からリターンへ抜け、揃え手段近傍の積載面が異常に低いため揃え手段が空振りするような状態であっても、排出手段3からの用紙の排出を禁止することはせずに排出を継続する。これにより、ユーザーは整合に多少も問題はあっても画像形成された用紙を得ることができる。
【0339】
なお、ステップP8−23からステップP26までのプロセスは後述するステップP8−30からのルートでは積載面高さが異常に高い場合であり、この場合も上記に準じた処置が採られる。
【0340】
また、モード指定手段(図33参照)により揃え優先モードが指定されている場合には、ステップP8−23からステップP8−26へ進み、「積載面異常コマンド」を制御手段52に送信し画像形成装置50による排紙手段3からの排紙を停止させる。これによりユーザーは揃え手段が空振りするような状況下での排紙が停止されるので、揃えられた状態での画像形成された用紙を得ることができる。
【0341】
ステップP8−20において、紙面検知センサ33aがオフと判断されたときは戻し手段近傍の積載面が正常の高さであるにも拘わらず、揃え手段近傍の積載面が異常に高いか、又は用紙の排出により紙面検知フィラー13が一時的に跳ね上げられている場合の何れかであるのでこれを判別する必要がある。
【0342】
そこで、ステップP8−27で「紙面検知センサ33a紙面異常フラグ」をチェックする。当該「紙面検知センサ33a紙面異常フラグ」が1ならば既にステップP8−21でセットされていることを意味するので、ステップP8−22における紙面検知センサ33aオン時におけるタイマの計時開始からステップP8−20における紙面検知センサ33aオフ時までの計時時間をステップP8−28でチェックし、この計時時間が通常の排紙動作による紙面検知センサ33aのオンからオフまでの所要時間に基づいて設定された所定時間T7未満なら少なくとも低すぎることはないという意味で正常と一応判断して、次に高すぎないかのチェックのためステップP8−29に進む。
【0343】
ステップP8−29では、「紙面検知センサ33bオン?」のチェックを行なう。紙面検知センサ33bがオフと判定されたならば、ステップP8−31で「紙面下降位置チェックタイマ」をリセットしてタイマによる計時を開始し、ステップP8−32で「積載面異常フラグ」をチェックする。「積載面異常フラグ」がリセットされたままなら、揃え手段近傍位置における積載面高さは正常であるので、リターンへ抜け、揃え手段による揃えと戻し手段による戻しが正常に行なわれる。
【0344】
ステップP8−32で「積載面異常フラグ」がセットされていると判断される場合というのはステップP8−24で既に積載面が異常とされた後のケースであるので、ステップP8−33で「積載面異常フラグ」をリセットした上でステップP8−34に進み、モード指定が積載優先モードであるときにはそのまま排紙を継続するのでリターンへ抜け、また、揃え優先モードであるときにはステップP8−26において画像形成装置からの指令により排紙が停止したままであるので、これを解除すべくステップP8−35で「積載面異常解除コマンド送信」を行ない、画像形成装置からの指令により排出手段3からの用紙の排出を開始するようにしてリターンへ抜ける。
【0345】
ステップP8−28での計時時間が所定時間T7を超えていた場合には紙面検知センサ33aがオンになった後のオフ(ステップP8−20、ステップP8−21)でかつ、オフの時間が所定時間を越えて継続しているので揃え手段近傍位置での積載面は正常な高さであると判断しステップP8−32に進む。
【0346】
ステップP8−29では、「紙面検知センサ33bオン?」のチェックを行なう。紙面検知センサ33bがオンと判定されたならば、ステップP8−30に進み、ステップP8−31においてタイマリセットされた紙面検知センサ33bオンのときからのタイマの計時時間を、通常の用紙の排出による紙面検知フィラー13の跳ね上げによる紙面検知センサ33bオンの継続時間として設定された所定時間T8と比較する。
【0347】
タイマの計時時間が設定時間T8未満なら正常であり、設定時間T8を超えていたら積載面が異常に高いと判断し、ステップP8−23に進み、既に説明した経過を辿る。
【0348】
i.揃え手段HPへの待機制御:(図47参照)
本例は請求項6に対応する。前記図40におけるステップP4−11において、積載面の異常があるときにはステップP4−11からステップP4−12を経由せずに、従ってジョガー揃え動作フラグがセットされずにリターンへ抜けるため、図43のジョガー制御のルーチンにおいてもステップP7−1からすぐにリターンへ抜け、揃え手段による揃え動作を行なわないこととしたが、この場合でも積載優先モードなどのときは排紙が継続される。その場合、揃え手段が排紙の邪魔になるのを回避するため、予め揃え手段を排紙の邪魔にならないホームポジションに退避させるのが本例である。
【0349】
ステップP9−1で積載面異常フラグのセットが判断されるとステップP9−2へ進み「ジョガーHP退避フラグ=1?」のチェックを行なう。当初は図37のフローチャートにおけるステップP1で全てのフラグはリセットされているのでステップP9−3へ進みここで、ジョガーHP退避フラグがセットされる。これは揃え手段をホームポジションへ退避させる動作を1度だけ行なうためである。
【0350】
次いでステップP9−4で退避位置(図16参照)にした上でステッピングモータ104aを駆動して前ジョガー(揃え部材102a)をホームポジションに向けて移動開始し、ステップP9−5でホームポジション107aを検知した時点で、揃え部材102aの移動を停止する(ステップP9−6)。これにより揃え部材102aはホームポジションに退避したことになる。
【0351】
同様にして後ジョガー(揃え部材102b)についても、ステップP9−7で退避位置(図16参照)にした上でステッピングモータ104bを駆動して後ジョガー(揃え部材102b)をホームポジションに向けて移動開始し、ステップP9−8でホームポジション107bを検知した時点で、揃え部材102bの移動を停止する(ステップP9−9)。これにより揃え部材102bはホームポジションに退避したことになる。
【0352】
1[4]B.検知基準を揃え手段側とした例(請求項1、7乃至11)
本実施の形態では図1に示したようにトレイ12の上面位置検知用の検知手段として検知手段97の他に検知手段97を有する構成としている。
【0353】
図1において、トレイ12の高さは、揃え部材102a、102b近傍の紙面を紙面検知フィラー13、紙面検知センサ33a、33bにより検知して所定のレベルに維持する制御を行う。
【0354】
検知手段97だけを有し検知手段96を有していない場合の不都合について説明する。
シフト(仕分け)モードの場合、トレイ12の基準高さは紙面検知センサ33a、33bが紙面検知フィラー13を検知しない位置としており、トレイ12上に用紙が積載され用紙の先端部と後端部の略中間位置における高さが上昇したのを紙面検知センサ33bがオンすることで検知し、該紙面検知センサ33bがオフするまでトレイ12を下降させて常にトレイ12の上面高さを一定に保つ制御を行う。
【0355】
紙面検知センサ33aはトレイ12上から積載紙が取り除かれた場合をセンサのオンにより検知するものであり、該積載紙の取り除きによりトレイ12の上面レベルは低下して紙面検知センサ33aがオンとなるので、この場合、該紙面検知センサ33aがオフとなるまでトレイ12を上昇させることで、揃え部材102a、102bの下端部が積載紙にオーバーラップした状態となり、用紙の所謂横揃えをすることができる。
【0356】
揃え手段による横揃え機能を主体としてトレイの高さを設定し、揃え手段側に設けられた検知手段97によりトレイ12の高さを制御した場合には揃え手段による用紙の横揃え確実に行えるが、戻し手段による揃えのための紙面には関知していないため、トレイ12上に用紙が大量積載されることにより用紙のカールの影響が積載紙の上面に大きく現れることによって積載紙形状が変化すると、戻しコロ121の機能に支障を生ずるようになる。
【0357】
バックカールの場合:
図33において、トレイ12上に積載された用紙の上面が2点鎖線で示された理想積載面のもとでは揃え部材102a、102b近傍の位置でトレイ12を検知手段97により基準レベルに設定したときには、戻しコロ121の下端部が第1位置(I)では積載面から離間し第2位置(II)では積載面に接して押さえ及び戻し機能を果たすことができる。
【0358】
これに対して、図33において、トレイ12上に積載された用紙の上面が上に向けて膨らんだ凸状をなす所謂バックカールのときには揃え部材102a、102b近傍(理想積載面)を基準としたとき、戻しコロ121近傍部は上昇した位置を占める。このため、戻しコロ121は用紙の着地を待つ待機位置である第1位置(I)においても常に積載紙に接触するため用紙の巻き込み、エンドフェンス131への強力な突き当てによる用紙の座屈を生じさせるなどにより正常な縦揃えができない。
【0359】
フェイスカールの場合:
ケース1.
図34において、トレイ12上に積載された用紙がフェイスカールのときにはこのフェイスカール積載面の形状について、揃え部材102a、102b近傍(理想積載面)よりも戻しコロ121近傍部が上昇した位置を占める。このため、戻しコロ121は第1位置(I)においても常に積載紙に接触するため用紙の巻き込み、エンドフェンス131への強力な突き当てによる用紙の座屈を生じさせるなどにより正常な縦揃えができない。
【0360】
ケース2.
図35において、トレイ12上に積載された用紙のフェイスカールの度合いが前記図34のケースよりもさらに大きい場合、揃え部材102a、102bが揃え位置にあるときには揃え部材102a、102bの下端部はフェイスカール積載面の下に位置することでオーバーラップ部を形成するので揃え機能を果たすことができるものの、揃え動作を終えて2点鎖線で示す退避位置に移動させたときにも揃え部材102a、102bの下端部はフェイスカール積載面の下に位置することで依然としてオーバーラップ部を形成しており、退避しているとはいえず、シフトに際して用紙の整列を乱してしまう。
【0361】
また、フェイスカール積載面の形状が揃え部材102a、102b近傍(理想積載面)に対して戻しコロ121近傍部では下降した位置を占める。このため、戻しコロ121は第2位置(II)においても常に積載紙から離間して用紙の押え機能、戻し機能を果たすことができない。
【0362】
これらに対して、本実施の形態のように、戻しコロ121の近傍にも検知手段96を設けた場合には、戻し手段の機能に支障を生ずるような積載面形状を検知することができるので必要な対処が可能となる。
【0363】
1[4]B−▲1▼.カール時の対処法
図33乃至図35により説明したように、揃え側基準のトレイ上面検知によりトレイ高さを制御した場合の不都合に対する対処法を以下に述べる。
【0364】
例1.図1において、揃え部材102a、102bの近傍に設けた検知手段97により揃え部材102a、102bが揃え機能を果たすことができる高さにトレイ12の高さを定める制御を行い、その上で戻しコロ121の近傍に設けられた検知手段96が所定範囲を検知した場合、排紙コロ3からの用紙の排出を禁止することとした(請求項7)。
【0365】
このようにすれば、戻し手段が所期の機能を発揮できないときは、用紙の排出を禁止することで、少なくとも、押えや戻し機能が果たせない状態での用紙の積載がなされなくなるので揃え不良を回避することができる。例えば、トレイ12上からカール紙のいくらかでも除去することで正常な揃え機能に復帰させることができる。
【0366】
例2.前記所定範囲を待機位置である第1位置(I)にある戻しコロ121がトレイ12上の用紙に接触する範囲とした(請求項8)。この場合には、用紙の巻き込み、エンドフェンス131への過剰な当接による用紙の座屈などの発生を防止することができる。
【0367】
例3.前記所定範囲を、戻し位置である第2位置(II)にある戻しコロ121がトレイ12上の用紙に非接触となる範囲とした(請求項9)。この場合には、戻しコロ121による縦揃えができない場合にはトレイ12への用紙の排出がなくなる。このような場合でも、戻し手段による縦揃えはしないものの、揃え手段による横揃え動作だけでも行なうことができる。
【0368】
なお、積載面に前記の異常があった場合、縦揃えがうまくいかないのであるから、積載面の異常が解除されない限り、排出コロ3からの用紙の排出を禁止する揃え優先モードと、積載面の異常があり横揃えがうまくいかなくてもとにかく、画像形成が必要な場合には用紙の排出を禁止しない積載優先モードとを設定し、ユーザーの意思によりこれらの何れかのモードを選択可能とした(請求項11)。
【0369】
1[4]B−▲2▼.制御例
本例は、図2に示したように画像形成装置50にシート状媒体後処理装置51が連結されていて、このシート状媒体後処理装置51に本発明に係るシート状媒体整合装置が設けられた装置の全体構成のもとでのトレイ上での用紙の積載面形状に応じた用紙の整合にかかる各種制御に係る。なお、揃え動作については、前記図21により説明した両側移動態様のケースで、また、仕分け動作についてはトレイ12をシフトする態様で説明する。本例においても、前記図36に示した制御手段と同様の制御回路を使用するものとする。よって、その詳細については説明を省略する。
【0370】
以下のフローチャートはシート状媒体後処理装置で前記1[4]B▲1▼の項における制御例において説明した制御に対応している。
【0371】
a.イニシャルルーチン及びメインルーチン:(図37)
図2の画像形成装置50およびシート状媒体後処理装置51を統括するメインスイッチをオンにし、仕分けモードを選択し、またそのほかの必要なモードを設定することにより、図37に示すイニシャルルーチン及びその後のメインルーチンが実行される。イニシャルルーチンでは、ステップP1で「各駆動部イニシャル制御」が行なわれ、戻しコロ121が図28に示した待機位置である第1位置(I)に移動し、各フラグが0にリセットされる。なお、以下のフローチャート上、前ジョガーとは揃え部材102a、後ジョガーとは揃え部材102bの意味である。
【0372】
ステップP1が終わるとメインルーチンへジャンプする。メインルーチンではステップP2「動作中トレイ高さ制御」(詳細は図48)、ステップP3「ジョガーサイズ別待機位置移動制御」(詳細は図39)、ステップP4「用紙搬送制御」(詳細は図50)、ステップP5「戻しコロ制御」(詳細は図41)、ステップP6の「シフト制御」(詳細は図42)、ステップP7「ジョガー制御」(詳細は図43)、ステップP8「積載面異常チェック制御」(詳細は図50乃至図52)が順次実行され、かつ必要回数繰り返される。なお、積載面異常でも揃え手段による揃え動作は行なうので、ステップP9「ジョガーHP退避制御」(図47の制御)は行なわない。また、メインルーチンに入ったとき、戻しコロ121は回転しているものとする。
【0373】
b.動作中トレイ高さ制御:(図48参照)
図48に示されたこの制御は図1に示した検知手段97を用いて行なう排紙動作中のトレイ12の高さ制御に係る。請求項7乃至11に記載された構成における排紙動作中のトレイ高さ制御に関係する。
【0374】
図1において、トレイ12上には用紙が無いか、又はカールのない用紙が積載されているものとし、排紙手段から用紙を適正に受け入れることができ、かつ、揃え手段が正常に機能し得るトレイ12の高さ、つまり、トレイ12が揃え部材102a、102bに対して適正な高さとなる位置をトレイ12の基準高さとすれば、この基準高さでは紙面検知フィラー13の一端側である扇型をした部分が紙面検知センサ33a、33bの間に位置してこれら紙面検知センサ33a、33bが共にオフの状態のときに、トレイ12は排紙コロ3からの高さが用紙を適正に着地させ得る位置にあり、かつ、揃え部材102a、102bは用紙を挟むことができる。前記図37のイニシャルルーチンではトレイ12は基準高さに位置させられている。
【0375】
図48では排紙動作中の制御を考えているのでトレイ12上の積載紙の高さがトレイの基準高さよりも高くなることを排除する傾向でトレイ12の高さを所定のレベルに維持する制御となる。よって、ステップP2−10「紙面検知センサ33bオン?」をチェックする。オフならばステップP2−16で「トレイ下降タイマ」をリセットしてタイマの計時を開始する。オンならばステップP2−11でタイマが所定時間Taを経過していないかをチェックする。
【0376】
ステップP2−11でタイマが所定時間Taを経過していなければ、前記ステップP2−10における紙面検知センサ33bのオンは紙面検知フィラー13が排紙コロ3からの排出紙により押し上げられたものによるものと判断しリターンへ抜ける。
【0377】
ステップP2−11でタイマが所定時間Taを経過していれば、積載面が所期の高さよりも高いものと判断し、ステップP2−12でトレイ下降タイマをリセットしてタイマの計時を開始してからステップP2−13でトレイ12を下降させるべく、図3の昇降手段95を作動させてトレイ昇降モータである上下モータ71の働きによりトレイ12を下降させる。
【0378】
トレイ12の下降の度合いを、タイマの計時時間と所定時間Tbとの大小で監視し、所定時間Tbの経過によりステップP2−3「トレイ昇降モータ停止制御」にて上下モータ71を停止する。かかる制御により、トレイ12は揃え部材102a、102bの近傍位置について排紙動作中、揃え動作に適する紙面高さを維持することになる。
【0379】
c.ジョガーサイズ別待機位置移動制御:(図39参照)
図39に示されたこの制御は、揃え手段としての揃え部材102a、102b(フローチャートではジョガーと表示)を、排紙されてくる用紙のサイズに応じて、図8に示したホームポジションから図9に示した受け入れ位置(フローチャートでは待機位置と表示)に移動して用紙の受け入れの態勢を整える内容をなすものであり、その内容は既に前記[4]A―▲2▼cの項で説明した内容と同じである。
【0380】
d.用紙搬送制御:(図50参照)
図50により、メインルーチンにおけるステップP4の内容をなす「用紙搬送制御」について説明する。ステップP4−20「排紙センサONフラグ=1?」においては、前記ステップP1「各駆動部イニシャル制御」において最初はフラグはリセットされているのでステップP4−21「排紙センサ オン?」へ進む。
この排紙センサは図2において排紙コロ3の上流に配置されたセンサである。ステップP4−22で排紙センサONフラグをセットする。
次に、ステップP4−23「積載面異常フラグ=1?」で戻し手段近傍における積載面異常の有無に係る、積載面異常フラグをチェックする。当該装置の立ち上げの当初はステップP1で全てのフラグはリセットされていて、戻し手段近傍における積載面の異常はなく、積載面異常フラグはリセットされたままであるのでステップP4−24で「戻しコロ動作フラグ」を1にすると共に、「戻しコロ動作タイマリセット」をリセットして、用紙の先端部が排紙センサ38により検知されてからトレイ上に着地するまでの時間に係る「戻しコロ動作タイマ」の計時を開始する。押え機能と戻し機能を有するので用紙の先端検知をトリガーとしてタイマの計時を開始した。
【0381】
ステップP4−23において、「積載面異常フラグ」は後述の図50乃至図52において戻し手段近傍における積載面の異常が検知手段96により検知されたときにセットされるフラグであり、かかる積載面の異常があるときにはステップP4−23からステップP4−24を経由せずに、従って戻しコロ動作フラグがセットされずにリターンへ抜けるため、図41の戻しコロ制御のルーチンにおいてもステップP5−1からすぐにリターンへ抜け、戻し段による縦揃え動作を行なわない。
【0382】
なお、ステップP4−31で「ジョガー揃え動作フラグ」はセットされるので、図43に示したジョガー制御のフローチャートにおいて揃え手段による揃え動作は禁止されない。この制御内容は本発明の請求項10に関係している。
【0383】
ステップP4−25では、CPU700が画像形成装置50の制御手段52から、シフトコマンド信号を受信したかどうかのチェックがなされる。シフトコマンド信号は部の切り換え時に出力される。シフトコマンド信号を受信したら、ステップP4−26で「シフト動作フラグ」をセットする。これにより、図42でトレイ12がシフトして仕分けがなされる。
【0384】
次いで、ステップP4−27「排紙モータ加速制御」では排紙コロ3を駆動しているステッピングモータ132を排紙コロ3が受け入れ基準線速となるように増速したのち、ステップP4−28「排紙センサオフ?」チェックで用紙が排紙センサ38を通過したか否かをみる。通過するまではリターンへ抜け、通過を検知したらステップP4−29で排紙センサONフラグをリセットしてから、ステップP4−30「排紙モータ減速制御」で先のステップP4−27で増速した排紙コロ3の線速を用紙排出時のスタック性を考慮した速度に減速する。
【0385】
ステップP4−31で「ジョガー揃え動作フラグ」を1にすると共に、「ジョガー揃え動作タイマ」をリセットして用紙の後端部が排紙センサ38を抜けてからトレイ上に着地するまでの時間に係る「ジョガー揃え動作タイマ」の計時を開始しリターンへ抜ける。
【0386】
e.戻しコロ制御:(図41参照)
図41に示された制御に準じ、説明は前記1[4]A▲2▼eの項で述べた内容と同じである。
【0387】
f.シフト制御:(図42参照)
図42に示された制御に準じ、説明は前記1[4]A▲2▼fの項で述べた内容と同じである。
【0388】
g.ジョガー制御:(図43参照)
図43に示された制御に準じ、説明は前記1[4]A▲2▼gの項で述べた内容と同じである。
【0389】
h.積載面異常チェック制御:(図50乃至図52参照)
積載面異常チェック制御は本発明の各請求項別に3パターンあり、発明に応じてこれらの何れかを適用する。
【0390】
図50は請求項7、8に関する制御のルーチンであり、戻しコロ121近傍における積載紙面の高さが揃え部材102a、102b近傍の積載面高さよりも高い低いため、第1位置(I)においても戻しコロ121が積載面に圧接して用紙を過剰に戻すため用紙後端部がエンドフェンス131に圧接して座屈するなどの場合に積載面異常として必要な処置をするようにしている。
【0391】
本制御では、検知手段96を使用し、トレイ12が基準高さ位置にある場合、カールのない通常の紙面形状において紙面検知センサ130a、130bが共にオフとなるように設定している。さらに、紙面検知センサ130aがオンする位置は、第2位置(II)(押え及び戻し位置)にある戻しコロ121が積載面に接触しなくなる位置であり、紙面センサ130bがオンする位置は第1位置(I)にある戻しコロ121が積載面に圧接する位置である。
【0392】
h−1.請求項7、8に対応する制御(図50参照)
揃え部材102a、102bの位置近傍における積載面高さに対して戻しコロ121近傍の積載面高さが高くなった場合における制御である。
【0393】
ステップP8−40において、紙面検知センサ130bのオンを検知した場合には、揃え手段の位置近傍における積載面高さに対して戻し手段近傍の積載面高さが高く、戻しコロ121が第1位置(I)つまり、待機位置において用紙に圧接し、戻し手段が用紙を過剰に戻し得る状態になっていることを意味する。
【0394】
よってこの場合には、ステップP8−41で、積載面異常フラグをチェックし、積載面異常フラグがリセット状態ならステップP8−42で積載面異常フラグをセットしてからステップP8−43で「積載面異常コマンド」を画像形成装置に送信する。「積載面異常コマンド」を受信した画像形成装置は排紙コロ3からトレイに向けての用紙の排出を停止する。
【0395】
画像形成装置による排紙コロ3からトレイ12への用紙排出の再開は、「積載面異常解除コマンド」をシート状媒体後処理装置51がCPU700から制御手段52を介して画像形成装置50に送信することにより行われる。
【0396】
ステップP8−40で紙面センサ130bがオフの場合は最初から積載面に異常がないか、異常であった積載面がカール紙の除去などにより解消されている場合であり、ステップP8−44へ進み、積載面異常フラグがリセット状態ならリターンへ抜けるし、セット状態なら積載面の異常が解消されたものとしてステップP8−45で積載面異常フラグをリセットしてステップP8−46へ進み、「積載面異常解除コマンド」を送信して用紙の排出を再開する。
【0397】
なお、戻し手段近傍の積載面が高いという積載面異常があっても排出手段からの用紙の排出を停止せずに戻し手段による戻し動作を禁止し揃え動作のみ行なう場合には、ステップP8−43及びステップP8−46のプロセスを削除した制御を行なう。この場合には図49のフローチャートでステップP4−24における戻しコロ動作フラグのセットが行なわれないので、図41の戻し動作が行なわれず、戻しコロ121は第1位置(I)に位置したままである。よって、縦方向の揃えは全く行なわれないが、それでも用紙の出力をユーザーが望む場合にかかる処理も可能である。
【0398】
h−2.請求項9に対応する制御(図51参照)
揃え部材102a、102bの位置近傍における積載面高さに対して戻しコロ121近傍の積載面高さが低いため縦揃え不能な場合における制御である。
【0399】
ステップP8−50において、紙面検知センサ130aのオンを検知した場合には、揃え手段の位置近傍における積載面高さに対して戻し手段近傍の積載面高さが低く、戻し位置である第2位置(II)においてトレイ12上に積載された用紙の上面に戻しコロ121が接することができず、用紙を戻すことができない状態になっていることを意味する。
【0400】
よってこの場合には、ステップP8−51で、積載面異常フラグをチェックし、積載面異常フラグがリセット状態ならステップP8−52で積載面異常フラグをセットしてからステップP8−53で「積載面異常コマンド」を画像形成装置に送信する。「積載面異常コマンド」を受信した画像形成装置は排紙コロ3からトレイに向けての用紙の排出を停止する。
【0401】
画像形成装置による排紙コロ3からトレイ12への用紙排出の再開は、「積載面異常解除コマンド」をシート状媒体後処理装置51がCPU700から制御手段52を介して画像形成装置50に送信することにより行われる。
【0402】
ステップP8−50で紙面センサ130aがオフの場合は最初から積載面に異常がないか、異常であった積載面がカール紙の除去などにより解消されている場合であり、ステップP8−54へ進み、積載面異常フラグがリセット状態ならリターンへ抜けるし、セット状態なら積載面の異常が解消されたものとしてステップP8−55で積載面異常フラグをリセットしてステップP8−56へ進み、「積載面異常解除コマンド」を送信して用紙の排出を再開する。
【0403】
なお、戻し手段近傍の積載面が低いという積載面異常があっても排出手段からの用紙の排出を停止せずに戻し手段による戻し動作を禁止し揃え動作のみ行なう場合には、ステップP8−53及びステップP8−56のプロセスを削除した制御を行なう。この場合には図49のフローチャートでステップP4−24における戻しコロ動作フラグのセットが行なわれないので、図41の戻し動作が行なわれず、戻しコロ121は第1位置(I)に位置したままである。よって、縦方向の揃えは全く行なわれないが、それでも用紙の出力をユーザーが望む場合にかかる処理も可能である。
【0404】
h−3.請求項11に対応する制御(図52参照)
積載面異常が発生した時に、揃え優先モード/積載優先モードの別を判別し、画像形成装置にコマンドを送信する制御である。
【0405】
積載面異常を検知するための紙面検知センサ130a、130bによる判定方法は、上述のように紙面検知センサ130aがオンのとき(積載面が高く戻し手段が負担増となり、また用紙が座屈する場合)や、紙面センサ130aがオンのとき(積載面が低く戻し手段が積載紙に接触せず用紙を戻せない場合)は異常コマンド送信する。
【0406】
異常を判定した場合、揃え優先モードのときには画像形成装置に「積載面異常コマンド」を送信する。積載優先モードのときには「積載面異常コマンド」は送信せず、そのまま用紙の排出を継続する。
【0407】
以下、フローチャートに即して説明する。ステップP8−60で紙面検知センサ130aがオンと判断されたときは揃え手段近傍の積載面が正常の高さであるにも拘わらず、戻し手段近傍の積載面が異常に低いのであるから、ステップP8−61で「積載面異常フラグ」のセット、リセットをチェックし、リセット状態ならステップP8−62でセットしてステップP8−63でモードのチェックを行なう。
【0408】
モード指定手段53(図33参照)により積載優先モードが指定されている場合にはステップP8−63からリターンへ抜け、戻し手段近傍の積載面が異常に低いため戻し手段が空振りするような状態であっても、排出手段3からの用紙の排出を禁止することはせずに排出を継続する。これにより、ユーザーは縦揃えに多少も問題はあっても画像形成された用紙を得ることができる。
【0409】
また、ステップP8−63において、揃え優先モードが指定されている場合にはステップP8−64において「積載面異常コマンド」を制御手段52に送信し画像形成装置50による排紙コロ3からの排紙を停止させる。これによりユーザーは戻し手段が空振りするような状況下での排紙が停止されるので、揃えられた状態での画像形成された用紙を得ることができる。
【0410】
ステップP8−60において紙面検知センサ130aがオフと判定された場合、ステップP8−65へ進み、紙面検知センサ130bのオン、オフがチェックされる。ステップP8−65で紙面検知センサ130bがオフならば異常はなく、ステップP8−66へ進み、積載面異常フラグのチェックを行なう。積載面異常フラグがセット状態ならステップP8−67でリセットしてステップP8−68でモードチェックを行ない、積載優先モードならリターンへ抜けるし、揃え優先モードなら積載面異常解除コマンドを送信してリターンに抜ける。何れも場合も通常の排紙動作のもとで揃え手段及び戻し手段による通常の揃え動作が行なわれる。
【0411】
ステップP8−65で紙面検知センサ130bがオンならステップP8−61へ進み積載面異常フラグのセット、リセット状態をチェックする。リセット状態ならモード判定のためステップP8−62のルートに進みし、セット状態ならリターンへ抜け、既に指定されたモードに従う。
【0412】
2.画像形成装置への適用(請求項12)
2[1].全体構成前記1[1]〜1[4]まではシート状媒体整合装置をシート状媒体後処理装置と共に構成した場合について説明した。ここでは、シート状媒体整合装置を画像形成装置と共に構成する例を述べる。前記例におけるシート状媒体後処理装置に代えて画像形成装置を構成した内容をなす。
【0413】
本例は、図53において用紙に画像形成を行なう画像形成手段及び画像形成された用紙を搬送する搬送手段を有する画像形成装置50'に関するもので、図2に示した画像形成装置50は、図53における画像形成装置50'と共通の画像形成手段を具備している。画像形成装置50'は、揃え部材102a、102b及びこれらを駆動するための手段や、戻しコロ121及びその変位手段を具備している。また、画像形成装置50'において、図2に示したシート状媒体後処理装置51におけるシート状媒体整合装置を含む構成部分と共通の部材があり、その部分については図2におけるものと同じ符号で示し、説明は省略した。
【0414】
図53において、装置本体のほぼ中央部に画像形成部135が配置され、この画像形成部135のすぐ下方に給紙部136が配置されている。給紙部136は給紙カセット210を備えている。
【0415】
画像形成装置50'の上部には必要に応じて、原稿を読み取る原稿読み取り装置(図示せず)を配設することができる。画像形成部135の上部は、画像形成された用紙を搬送する搬送手段としてのローラRRやガイド板等が設けられている。
【0416】
画像形成部135には、装置を電気的に駆動したり、制御したりする電装ユニットQが配置されている。また、ドラム状をした感光体5000が配置されている。この感光体5000の周囲に、該感光体5000の表面に帯電処理を行う帯電装置600、画像情報を感光体表面にレーザ光で照射する露光装置7000、感光体5000の表面に露光されて形成された静電潜像を可視化する現像装置800、感光体5000上で可視化されたトナー像を用紙に転写する転写装置900、転写後感光体表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置1000等がそれぞれ配置されている。
【0417】
これら、感光体5000、帯電装置600、露光装置7000、現像装置800、転写装置900、クリーニング装置1000等は画像形成手段の主要部をなす。感光体5000の略上方であって、感光体5000よりも用紙搬送経路上の下流位置には、定着装置140が配置されている。
【0418】
2[2].画像形成プロセス
画像形成装置がプリンタとして機能する場合、画像形成に際しては、画像信号が入力される。予め、感光体5000は暗中にて帯電装置600により一様に帯電されている。この一様に帯電された感光体5000に、画像信号に基づいて露光装置7000のレーザダイオードLD(不図示)の発光により露光光が照射され、公知のポリゴンミラーやレンズを介して感光体に至り、感光体5000の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体5000の回転と共に移動し、現像装置800により可視像化され、さらに移動して転写装置900に向かい、後述するように転写後、定着される。
【0419】
2[3].給紙、搬送プロセス
一方、給紙部136の給紙カセット210には、未使用の用紙が収容されており、回動可能に支持された底板220上の最上位置の用紙Sが給紙ローラ230に押し付けられるように、底板220がばね240により加圧されるようになっている。転写のための給紙に際しては、給紙ローラ230が回転し、この回転により、用紙Sは給紙カセット210から送り出され、一対のレジストローラ1400へと搬送される。
【0420】
レジストローラ1400に送られてきた用紙は、ここでその搬送が一時的に止められる。レジストローラ1400は、感光体5000の表面のトナー像と用紙Sの先端との位置関係が転写装置900が設けられた転写位置で画像転写に適する所定の位置になるよう、タイミングをとって用紙の搬送を開始する。転写を終えた用紙は定着装置140を通過する間にトナー像が定着される。
【0421】
2[4].排紙プロセス
定着装置140を通過した用紙は搬送手段であるローラRRにより搬送され、排紙センサ38を経て、排紙コロ3よりトレイ12へ排出される。以後の戻しコロ121及び従動レバー122、駆動レバー123などの変位手段による用紙の整合機能機能については、既に前記各実施の態様において述べた内容と同じであるので、説明は省略する。
【0422】
本例の画像形成装置においても、トレイ上に積載された用紙Sに対して戻しコロ121、揃え部材102a、102bなどによる整合及び仕分け手段による仕分けが行なわれ、高精度にシート状媒体を揃えることができる。
【0423】
3.画像形成システムへの適用(請求項13〜17)
本実施の形態では、図2に示されたようにシート状媒体整合装置を具備したシート状媒体後処理装置51と、画像形成装置50との組み合わせに係る画像形成システムを例にとり請求項13〜17に対応する例を説明する。この画像形成システムでは、用紙への画像形成から整合された状態での用紙を一貫して得ることができる。
【0424】
3[1].積載面異常時の警告及び画像形成動作の停止制御本実施の形態は請求項13、16、17に対応し、図2に記載のシート状媒体後処理装置51においてトレイ12上に積載された用紙の積載面異常が既に説明した前記図44のルーチンでチェックされ、それに基づき、図2に記載の画像形成装置50における画像形成が停止され、また、警告などがされる。
【0425】
画像形成装置50で画像形成された用紙をシート状媒体後処理装置51のトレイ12に積載していき、用紙のカールの影響で積載面の形状が変化し、遂にはトレイ12での揃え、戻し動作に対して悪影響を与えるようになり、シート状媒体後処理装置51側に設けられた複数箇所の紙面検知手段によって上記異常な積載状態を検知した場合に、シート状媒体後処理装置51側から画像形成装置50に対してその状態を示す積載面異常コマンドを送信し、画像形成を停止する点については図44で述べた通りである。
【0426】
図54は画像形成装置50における画像形成制御のメインルーチンを示す。ステップP10−1で、積載面異常コマンド受信の有無がチェックされる。受信がない場合には、通常のプロセスに従い、「給紙制御」、「搬送制御」、「画像形成制御」、「排紙制御」が行なわれ、シート状媒体後処理装置51へ向けて用紙が搬送される。
【0427】
一方、ステップP10−1で、積載面異常コマンドを受信していると判定された場合には、ステップP10−2で積載面の上面形状の異常を知らせる警告表示を例えば操作パネルに表示すると共に、それ以降の用紙に対する給紙動作を停止することで画像形成動作を停止させ、後処理装置のトレイ積載面状態が変化し正常に排出可能になった時に送信される「積載面異常解除コマンド」を受信することで画像形成を再開する(ステップP10−3)。
【0428】
画像形成動作の停止後、該紙面検知手段が所定の範囲内を検知することで、「積載面異常解除コマンド」は発信される要因としては次の場合が考えられる。 ▲1▼.ユーザーがトレイ上の用紙を取除くこと。
【0429】
▲2▼.積載面異常となった積載紙が時間の経過で圧縮され、積載面の状態が変化すること。
【0430】
上記▲1▼ではユーザーが状態を把握しているため、画像形成の自動的な再開はユーザーの操作を補助する役目になる。一方、上記▲2▼ではユーザーが状態を把握していない場合においても、可能な限り排出動作を行うことが可能となる。
【0431】
また、警告表示は例えば、トレイ12上のカール紙を除去するなどの内容をもつ表示とすることができる。これにより、警告時のユーザーの対応が迅速にでき、早期の動作再開が可能となる。
【0432】
上記画像形成装置の停止は、図54のステップP10―3において、積載面異常解除コマンド受信がないときは図54において「給紙制御〜排紙制御」までの画像形成プロセスが実行されないという手順で実行され、ステップP10―3において積載面異常解除コマンドの受信があるときは「給紙制御〜排紙制御」までのプロセスが実行されるという手順により実行される。
【0433】
3[2].積載面異常時の排出先変更制御
画像形成装置50において、図55に示すような、画像形成装置メインルーチンが行なわれ、「給紙制御」、「搬送制御」、「画像形成制御」、「排紙制御」の各制御が行なわれる。
【0434】
本実施の形態は上記の各制御の内、「排紙制御」に関係するので、その詳細を図56の排紙制御のルーチンにより説明する。図56は用紙を排出する毎に用紙の情報をシート状媒体後処理装置へ送信するルーチンである。
【0435】
本画像形成システムでは、用紙を部毎に仕分けてトレイ12上に積載する仕分けモードと、用紙をプルーフトレイ14上に積載するプルーフモードについて実行の可否を選択可能であるとする。
【0436】
図56において、シフトモードが選択されている場合、ステップP11−1からステップP11−2へ進み、積載面異常コマンドの受信がなければ、ステップP11−5でシート状媒体後処理装置に対して「シフトトレイ排出コマンド送信」がなされ、トレイ12へ用紙を排出するように分岐爪8a、8bなどを切り換える操作がなされる。この場合には、排紙のタイミングや揃え手段の受け入れ位置を決定するため、ステップP11−6において用紙サイズがシート状媒体後処理装置に対して送信される。
【0437】
ステップP11−2において「積載面異常コマンド受信」があると判定された場合には通常のトレイ12でよいのでステップP11−5へ進む。ステップP11−2で「積載面異常解除コマンド受信」がないと判定された場合にはステップP11−4において「プルーフトレイ排出コマンド送信」がなされプルーフトレイ14への排紙がなされる。このように、トレイ12上における用紙の積載面に異常が検出された場合には、用紙の排出先をプルーフトレイ14に変更することで、用紙の排出動作を停止することなく、用紙の排出が可能となる。
【0438】
ステップP11−1においてシフトモードでないと判定されたときにはステップP11−7へ進み、プルーフモードが否かが判定される。プルーフモードが選択されていればステップP11−4に進むし、プルーフモードが選択されていなければステップP11−8で「スティプルトレイ排出コマンド送信」を行ない、図示省略のスティプルトレイに排出する。
【0439】
3[3].部の境界で排出を停止する制御本実施の形態は請求項15に対応し、検知手段により所定範囲外が検知されることで積載面の異常が検知されたとき、画像形成動作を停止することなく、部の最終紙の排出が終わるまでは排出手段からの用紙の排出を続行し、次の部の先頭紙より画像形成装置における画像形成動作を停止することとするもので、これにより部の境界が明らかとなる。
【0440】
画像形成装置50において、図57に示すような、画像形成装置メインルーチンが行なわれ、「給紙制御」、「搬送制御」、「画像形成制御」、「排紙制御」の各制御が行なわれる。
【0441】
本実施の形態は上記の各制御の内、「排紙制御」の次に行なわれる「部数、枚数チェック制御」に関係するので、その詳細を図58のルーチンにより説明する。
図58において、画像形成装置では画像形成された枚数が1枚ずつカウントされるようになっており、ステップP12−1で枚数カウンタにより枚数のカウントがなされる。ステップP12−2で枚数カウンタのカウント値が、予め設定された部の中味をなすコピー枚数の枚数設定値Xと比較される。枚数設定値Xに達していなければ枚数設定値Xに達するまで画像形成動作を行なうためリターンへ抜ける。
【0442】
ステップP12−2で枚数設定値Xに達していると判定された場合にはステップP12−3で積載面異常コマンド受信の有無がチェックされる。積載面異常コマンド受信がなければ、ステップP12−5で枚数カウンタのカウントをリセットしてステップP12−6へ進み、部数カウンタによる部数のカウントに入る。
【0443】
ステップP12−7ではステップP12−6における部数カウンタのカウント値が、予め設定された部数設定値Yと比較される。部数設定値Yに達していなければさらなる画像形成が必要であるのでリターンへ抜け、達していればステップP12−8で部数カウンタのカウントをリセットしてステップP12−9で動作を終了する。これは通常の制御である。
【0444】
部の境界に相当するステップP12−3で「積載面異常コマンド」を受信した場合にはステップP12−4へ進み、積載面以上解除コマンドを受信していなければ、継続して次の部の画像形成をしてもよいのでステップP12−5へ進む。
【0445】
部の境界に相当するステップP12−3で「積載面異常コマンド」を受信しないときは画像形成動作を継続できないのでステップP12−9へ進み画像形成動作を終了する。
【0446】
4.スティプルモードへの対応(請求項18、19)
4[1].基本構成この実施の形態は前記1で述べたシート状媒体後処理装置におけるスティプルモード時における問題を解決する。
【0447】
シート状媒体後処理装置51では、前記1[4]Aで述べたように、トレイ12上にて揃え手段による横揃えや戻し手段コロ3による縦揃えを行う場合、確実な縦揃えを実現するために戻しコロ3側を基準にして紙面を検知し、トレイの高さ制御を行なう。その場合、カールがない用紙の場合にはトレイ12の傾斜に従い戻しコロ3まで滑り下り、図59に示すようにエンドフェンス131に突き当てられて整列される。
【0448】
しかし、スティプルモードにおいて綴じ処理された用紙束はトレイ12に排出された際に、1枚の用紙のようには軽く動かず、また綴じ部が抵抗となることもあって用紙束の単位ではトレイ12の傾斜が有るにも拘わらず滑り下がることができず、戻しコロ3に掛からないため、エンドフェンスまで戻りきらないことが考えられる。
【0449】
その状況を図示すると図60に示すようになり、スティプルされた用紙束300は戻しコロ3の手前で停滞する。このような状態では戻しコロ3の近傍位置における紙面高さを検知する検知手段96でも積載面の正しい高さを検知することができない。
【0450】
図60に示す例では、紙面検知フィラー120の紙面検知側の先端部は用紙束300の状面ではなく、フェイスカールの積載面形状部の上面を検知するにすぎない。よって、図60に示す場合には紙面検知フィラー120で検知できるまでトレイ12を上昇させると用紙束300の上面は異常な高さまで上昇してしまい、排出手段3からの排紙の通路を塞ぐことでジャムを発生する虞がある。
【0451】
そこで、スティプルモード時は用紙束300の上面位置に対応している揃え手段102a、102bの近傍位置に設けた検知手段97により検知を行ない、用紙束300のような束でなく1枚ずつの用紙が排出される非スティプルモード時は戻しコロ3の近傍位置に設けた検知手段96により検知を行なうこととした(請求項18)。
【0452】
このように、スティプルモード時には揃え位置において紙面を検知し、非スティプルモード時には戻し位置にて紙面を検知することで、確実な高さ制御を行なうことでジャム等の不具合を解消できる。
【0453】
図60において、スティプルモード時には揃え位置において紙面を検知することとしたが、その後、モードが切り換えられて非スティプルモードになった場合には、1枚ずつ排出されてくる用紙は前回のスティプルモード時に積載された後端部がエンドフェンスに達していない用紙束の上に乗ることとなり、仮に戻しコロ3近傍に設けた検知手段96により紙面検知することとなると、紙面検知フィラー120は非常に不安定な部位を押圧することとなり正確な紙面検知を除くことができない。
【0454】
そこで本例では、スティプルモード終了後にトレイ12上の用紙束300を取り除かずに非スティプルモードに移行した場合を考慮し、スティプルモード後の非スティプルモードでは揃え部材102a、102b近傍に設けた検知手段97により引き続き検知することにした(請求項19)。
【0455】
4[2].制御内容
以下にトレイ高さ制御について説明する。トレイ高さ制御は起動時にトレイの位置出しを行う「起動時トレイ制御」と、用紙の排出動作中にトレイ高さを一定に保つ「動作中トレイ制御」があり、各々スティプルモードと非スティプルモードにおいて専用の制御を行なっている。
【0456】
図61は請求項19に対応する実施の形態で使用する制御内容を記載した後処理装置のメインルーチンとなっており、ステップP131における「スティプルモード」チェック後に、それぞれのトレイ制御を行っている。
【0457】
ステップP131において非スティプルモードと判定されたときは、戻し手段近傍の検知手段96によるトレイ高さ制御を行なうべくステップP132「シフトモード起動時トレイ制御」、ステップP133「シフトモード動作中トレイ制御」の各ルーチンが実行されてから、ステップP134の「ジョガー制御」、ステップP135の「戻しコロ制御」などのルーチンが実行される。
【0458】
ステップP131においてスティプルモードと判定されたときは、揃え手段近傍の検知手段97によるトレイ高さ制御を行なうべくステップP136「スティプルモード起動時トレイ制御」、ステップP137「スティプルモード動作中トレイ制御」の各ルーチンが実行されてから、ステップP134の「ジョガー制御」、ステップP135の「戻しコロ制御」などのルーチンが実行される。
【0459】
4[2]A.モードに応じた検知手段の選択(請求項18)
4[2]A.1.非スティプルモード時非スティプルモード時であるシフトモードにおけるトレイの高さ制御について説明する。トレイ高さは図59における検知手段96中の紙面検知センサ130b及び紙面検知フィラー120によって行う。本例ではトレイ12が基準高さよりも下に位置する場合、紙面検知センサ130bはオフ、トレイ12が基準高さよりも上に位置する場合には紙面検知センサはオンとなる。
【0460】
起動時のトレイ高さ制御では、先ずステップP132の内容をなす「シフトモード起動時トレイ制御」のルーチンが実行される。このルーチンは図62に示され、ステップP132−1で起動時か否かがチェックされ、ジョブ起動時のみ実行される。
【0461】
ステップP132−2で紙面検知センサ130bがオフと判定された場合には、紙面検知センサ130bがオンになるまでトレイ12を上昇させる(P132−3、P132−4)。
【0462】
紙面検知センサ130bがオンしたら、次は該紙面検知センサ130bがオフするまでトレイ12を下降させ(P132−5、P132−6)、オフになった瞬間をトレイ12の基準高さとして停止する(P132−7)。
【0463】
一方、同じくステップP132−2の紙面検知センサ130bのオフチェックにおいて、オンと検知された場合には紙面検知センサ130bがオフするまでトレイ12を下降させていき、オフした瞬間をトレイ12の基準高さとする(P132−6、132−7)。
【0464】
動作中のトレイ制御は、ステップP133の内容をなす「シフトモード動作中トレイ制御」のルーチンが実行される。このルーチンはジョブ動作中は常に実行(チェック)されるルーチンとなっていて、詳細内容を図63に示す。
【0465】
図63において、トレイ12に用紙が排出されることにより、用紙排出口に対して積載面が高くなるのをステップP133−1で紙面検知センサ130bがオンすることによりチェックし、ステップP133−2でトレイ12を下降させる。その上で、トレイ12が下がり過ぎないようにステップP133−3で紙面検知センサ130bにより監視し、該紙面検知センサ130bがオフするまでトレイ12を下降させる。
【0466】
こうして、非スティプルモードにおけるシフトモードでは戻しコロ121側に設けた検知手段96の紙面検知センサ130bによりトレイ高さが制御される。
【0467】
4[2]A.2.スティプルモード時スティプルモード時におけるトレイの高さ制御について説明する。本例では、トレイ高さを揃え部材102a、102b近傍に設けられた検知手段97の紙面検知フィラー13及び紙面検知センサ33aにより行なう。
【0468】
トレイ12が基準高さより下に位置する場合、紙面検知センサ33aはオン、トレイ12が基準高さより上に位置する場合、該紙面検知センサ33aはオフとなる。
【0469】
起動時のトレイ制御は、ステップP136の内容をなす「スティプルモード起動時トレイ制御」のルーチンが実行される。このルーチンはジョブ起動時に実行(チェック)されるルーチンとなっていて、詳細内容を図64に示す。
【0470】
図64は、スティプルモード起動時のみ実行するルーチンとなっている。ステップP136−1で起動時と判定されたら、ステップP136−2で「紙面センサ33a」がオンか否かがチェックされる。
【0471】
ステップP136−2で紙面検知センサ33aがオンと判定されれば、紙面検知センサ33aがオフするまでトレイを上昇する(P136−3、P136−4)。ステップP136−4で紙面検知センサ33aがオフと判定されれば、紙面検知センサ33aがオンするまでトレイ12を下降する(P136−6、P136−7)。そして、オンした瞬間をトレイの基準高さとして停止する。
【0472】
一方、同じくステップP136−2の紙面検知センサ33aのチェックにおいて紙面検知センサ33aがオフの場合にはステップP136−5以下に進み、紙面検知センサ33aがオンするまでトレイ12を下降させ、オンした瞬間をトレイ12の基準高さとして停止する(ステップP136−7)。
【0473】
スティプルモード動作中のトレイ制御は、ステップP137の内容をなす「スティプルモード動作中トレイ制御」のルーチンで実行される。このルーチンはジョブ動作中に常に実行(チェック)されるルーチンとなっていて、詳細内容を図65に示す。
【0474】
図65ではトレイ12に用紙が排出され、排出口に対して積載面が高くなるのを揃え部材102a、102b近傍に設けた検知手段96の紙面検知センサ33aでチェックする。
【0475】
ステップP137−1で、紙面センサ33aがオフなら積載面が高いので、紙面検知センサ33aがオンするまでトレイ12を下降させる(P137−2、P137−3、P137−4)。
【0476】
以上のように、非スティプルモード時は戻し手段近傍の検知手段96(紙面検知センサ130b及び紙面検知フィラー120)にて、スティプルモード時は揃え手段近傍の検知手段97(紙面検知センサ33a及び紙面検知フィラー13)にて検知手段を切換えて制御する。
【0477】
4[2]B.モード切り換えに応じた検知手段(請求項19)
次にモードが切り換えられた場合について説明する。スティプルモードによりスティプル処理され綴じ部のある用紙束がトレイ12上に積載されている場合、戻しコロ121による縦揃え動作ができないため、用紙束はエンドフェンス131に戻りきらない場合がある(図60参照)。
【0478】
そこで、このような用紙束が積載されている積載面に非スティプルモードによる排紙を行った場合、通常のように戻しコロ121近傍を検知する検知手段97を用いて紙面を検知すると、正確な紙面を検知できずにジャム等の不具合が発生することが考えられる。
【0479】
そこで、非スティプルモードであっても以前にスティプルモードにて通紙を行い、かつトレイ12上の用紙を取り除かずに通紙を行った場合における不具合を考慮してかかる場合には揃え手段近傍部における検知手段97を用いてトレイ高さを制御する。
【0480】
この制御を行なうためのシート状媒体後処理装置のメインルーチンを示した図66において、スティプルモードの場合はステップP140「スティプルモードフラグ」のセット、非スティプルモードの場合はステップP138「スティプルモードフラグ」のチェック、及びステップP139「トレイ紙有無チェック」が前記図61のフローチャートに対して追加されている。図61におけるステップと共通のステップについては同じ符号を付し説明は省略する。
【0481】
図66において、ステップP131のモードチェックにおいて、非スティプルモードと判定された場合にはステップP138に進み「スティプルモードフラグ」をチェックする。
【0482】
ステップP138で「スティプルモードフラグ」がセット状態なら前回のモードがスティプルモードであるので、揃え手段近傍の検知手段97によるトレイ高さ制御にかかる、ステップP136「スティプルモード起動時トレイ制御」(図64参照)、ステップP137「スティプルモード動作中トレイ制御」(図65参照)を実行する。
【0483】
ステップP138で「スティプルモードフラグ」がリセット状態なら、戻し手段近傍の検知手段96によるトレイ高さ制御にかかる、ステップP132「シフトモード起動時トレイ制御」(図62参照)、ステップP133「シフトモード動作中トレイ制御」(図63参照)を実行する。
【0484】
また、ステップP139「トレイ紙有無チェック」の詳細を説明した図67において、ステップP139−1で「スティプルモードフラグ」がチェックされ、同フラグがセット状態ならトレイ12上の積載紙の有無を検知するトレイ紙有無検知センサ138(図1、59、60など)のオン、オフ状態にてチェックし、トレイ12上の積載紙が全て取り除かれ場合(「トレイ紙有無センサ」がオフ)ならば、ステップP139−3で「スティプルモードフラグ」をリセットする。
【0485】
このことは、ステップP140で一度セット状態になったスティプルモードフラグはトレイ紙有無検知センサ138がオンにならない限りリセットされないことを意味し、トレイ12上の用紙を取り除かずに非スティプルモードを行なうときには図66においてステップP138からステップP136、ステップP137に進み、揃え手段近傍に設けた検知手段によりトレイ高さ制御のための検知がなされることとなる。
【0486】
このように、スティプルモード後に非スティプルモード行う場合、トレイ上の用紙を取除いたか否かをチェックし、取り除いた場合は「スティプルモードフラグ」がリセットされるため通常の戻し位置にて紙面を制御し、用紙が取り除かれない場合は「スティプルモードフラグ」セットされているためスティプルモード同様に揃え位置にてトレイの高さ制御を行う。
【0487】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、複数の検知手段を設けることにより、揃え手段或は戻し手段の機能に支障を生ずるような積載面形状を検知することができるので必要な対処が可能となる。
【0488】
請求項2、3記載の発明では、揃え機能が果たせない状態でのシート状媒体の積載がなされなくなるので揃え不良を回避することができる。
【0489】
請求項4記載の発明では、シフト時において揃え手段によりシート状媒体が乱されることが回避される。
【0490】
請求項5記載の発明では、シート状媒体の積載を優先する要求に応えることができる。
【0491】
請求項6記載の発明では、排出されてくるシート状媒体と揃え手段との干渉を避けることができる。
【0492】
請求項7記載の発明では、戻し機能が果たせない状態での用紙の積載がなされなくなるので揃え不良を回避することができる。
【0493】
請求項8記載の発明では、戻し手段近傍における積載面異常高時におけるシート状媒体の排出を停止し、シート状媒体の巻き込み、座屈などの発生を防止することができる。
【0494】
請求項9記載の発明では、戻し手段近傍における積載面が異常に低いことによる縦揃え不能時においてシート状媒体の排出を停止し、縦揃え不完全状態の積載を回避する。
【0495】
請求項10記載の発明では、戻し手段近傍における積載面が異常に低い或は高い場合でも、シート状媒体の排出を停止せずに、ただ戻し手段による戻し動作を停止するだけで、揃え手段による横揃えだけでも行ない、画像形成されたシート上媒体の出力を得るこことができる。
【0496】
請求項11記載の発明では、シート状媒体の上面の状態に異常があっても、ユーザーのモード指定により多様な積載状態を選択することができる。
【0497】
請求項12記載の発明では、画像形成装置において、積載手段上に積載されたシート状媒体に対して整合、戻し、仕分けなどにより高精度にシート状媒体を揃えることができる。
【0498】
請求項13記載の発明では、積載面に異常を感知したときに画像形成動作を停止し、シート状媒体を積載手段排出させないことで、揃えが乱れるのを防止することができる。
【0499】
請求項14記載の発明では、シート状媒体の排出動作を停止することなく、継続した排出が可能となる。
【0500】
請求項15記載の発明では、積載面の異常により画像形成を停止する場合でも部の境界が明確である。
【0501】
請求項16記載の発明では、警告によりユーザーの対応が迅速に可能となる。
【0502】
請求項17記載の発明では、一定の処置や条件の変化により自動的に用紙の排紙が再開される。
【0503】
請求項18記載の発明では、スティプルモード時には揃え手段の近傍位置においてシート状媒体の積載面を検知することにより、シート状媒体束がエンドフェンスまで戻らなかった場合においても積載手段の高さを一定に保つことができ、ジャム等の不具合を防止できると共に、確実にシート状媒体束を積載することが可能となる。また、非スティプルモード時には戻し手段近傍位置にてシート状媒体の積載面を検知することで、戻し手段による確実な縦揃えを行うことが可能となる。
【0504】
請求項19記載の発明では、スティプルモード後の非スティプルモードの動作を、スティプルモードによるシート状媒体束用紙束を取り除く以前に行う場合は揃え手段の近傍位置にてシート状媒体の積載面を検知することでジャム等の不具合を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる検知手段の配置を説明したトレイまわりの正面図である。
【図2】本発明にかかるシート状媒体後処理装置及び画像形成装置の概略構成図である。
【図3】図3(a)はシート状媒体後処理装置の要部斜視図、図3(b)はトレイの高さを制御するセンサ周辺部の概略斜視図である。
【図4】トレイをシフト方向に移動するトレイ移動手段の構造を説明した要部断面図である。
【図5】本発明にかかるトレイの駆動機構部分を説明した斜視図である。
【図6】ウォームホイール及びホームセンサを説明した正面図である。
【図7】ウォームホイール及びホームセンサを説明した正面図である。
【図8】揃え部材及び揃え部材移動手段を排紙コロ側からみた概略の正面図である。
【図9】揃え部材及び揃え部材移動手段を排紙コロ側からみた概略の正面図である。
【図10】揃え部材及び揃え部材移動手段を排紙コロ側からみた概略の正面図である。
【図11】揃え部材及び揃え部材移動手段の要部を示した斜視図である。
【図12】揃え部材の駆動機構の要部を示した斜視図である。
【図13】揃え部材の駆動機構の要部を示した斜視図である。
【図14】揃え部材の退避位置と揃え動作位置を説明した正面図である。
【図15】揃え部材の揃え動作位置を説明した正面図である。
【図16】揃え部材の退避位置を説明した正面図である。
【図17】図17(a)、(b)、(c)は、片側移動態様による仕分け揃えの工程を順番に説明した図である。
【図18】揃え部材の移動位置を用紙との関係で説明した斜視図である。
【図19】揃え部材の移動位置を用紙との関係で説明した斜視図である。
【図20】揃え部材の移動位置を用紙との関係で説明した斜視図である。
【図21】図21(a)、(b)、(c)は、両側移動態様による仕分け揃えの工程を順に説明した図である。
【図22】別実施例にかかる戻しコロまわりの正面図である。
【図23】戻しコロまわりの主要部を説明した斜視図である。
【図24】戻しコロまわりの主要部を説明した分解斜視図である。
【図25】戻しコロの回転駆動系を説明した動力伝達部の断面図である。
【図26】用紙を積載した状態におかる、戻しコロ及び揃え部材、トレイの斜視図である。
【図27】戻しコロ及びその駆動手段の分解斜視図である。
【図28】戻しコロの動作を説明した正面図である。
【図29】戻しコロ及び排紙コロの駆動系を説明した正面図である。
【図30】戻しコロが機能しない場合の不都合を説明した図である。
【図31】押え機能がない場合の不都合を説明した図である。
【図32】戻しコロの押え機能を説明した図である。
【図33】バックカールによる揃え手段の空振りの状態を説明したトレイまわりの正面図である。
【図34】フェイカールによる揃え手段の空振りの状態を説明したトレイまわりの正面図である。
【図35】フェイスカールによる揃え手段退避状態での揃え手段と用紙との干渉の状態を説明したトレイまわりの正面図である。
【図36】制御系のブロック図である。
【図37】本発明に係るフローチャートである。
【図38】本発明に係るフローチャートである。
【図39】本発明に係るフローチャートである。
【図40】本発明に係るフローチャートである。
【図41】本発明に係るフローチャートである。
【図42】本発明に係るフローチャートである。
【図43】本発明に係るフローチャートである。
【図44】本発明に係るフローチャートである。
【図45】本発明に係るフローチャートである。
【図46】本発明に係るフローチャートである。
【図47】本発明に係るフローチャートである。
【図48】本発明に係るフローチャートである。
【図49】本発明に係るフローチャートである。
【図50】本発明に係るフローチャートである。
【図51】本発明に係るフローチャートである。
【図52】本発明に係るフローチャートである。
【図53】本発明に係る画像形成装置の概略構成を説明した正面図である。
【図54】本発明に係るフローチャートである。
【図55】本発明に係るフローチャートである。
【図56】本発明に係るフローチャートである。
【図57】本発明に係るフローチャートである。
【図58】本発明に係るフローチャートである。
【図59】カール無しの用紙の積載状態を検知手段と共に示したトレイまわりの正面図である。
【図60】非スティプルモード後のスティプルモードにおける積載状態を説明したトレイまわりの正面図である。
【図61】本発明に係るフローチャートである。
【図62】本発明に係るフローチャートである。
【図63】本発明に係るフローチャートである。
【図64】本発明に係るフローチャートである。
【図65】本発明に係るフローチャートである。
【図66】本発明に係るフローチャートである。
【図67】本発明に係るフローチャートである。
【符号の説明】
12 トレイ
96、97 検知手段
Claims (19)
- 搬送されてくるシート状媒体を排出する排出手段と、この排出手段により排出されるシート状媒体を積載する積載手段と、この積載手段上に積載されたシート状媒体の前記排出手段によるシート状媒体の排出方向と平行な端面を挟むように接して揃える揃え手段と、前記積載手段又は前記揃え手段を前記排出手段のシート状媒体排出方向と直交するシフト方向に所定量移動させてシート状媒体を仕分ける仕分け手段と、整合位置に設けられた立壁にシート状媒体を突き当てることにより整合する回転体からなる戻し手段を具備し、
前記積載手段の上面位置検知用の複数の検知手段を、前記積載手段上面の異なる複数の位置に対応させてそれぞれ設けているシート状媒体整合装置であって、
前記複数の検知手段の1つが前記戻し手段の近傍に設けられ、他の1つが前記揃え手段の近傍に設けられていることを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項1記載のシート状媒体整合装置において、
前記戻し手段の近傍に設けた検知手段により前記戻し手段が戻し機能を果たすことができる高さに前記積載手段の高さを定める制御を行い、その上で前記揃え手段の近傍に設けられた検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が所定範囲にあることが検知された場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止することを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項2記載のシート状媒体整合装置において、
前記所定範囲を、揃え作動位置をとり得る状態にある前記揃え手段がシート状媒体の上面から離間して揃え機能を果たすことができない範囲としたことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項2記載のシート状媒体整合装置において、
前記所定範囲を、退避位置にある前記揃え手段に対して前記積載手段上に積載されたシート状媒体の上面が干渉し得る範囲としたことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項3又は4記載のシート状媒体整合装置において、
前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止せずに、前記揃え手段による揃え動作を禁止し、前記戻し手段による戻し動作を行なうことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項5記載のシート状媒体整合装置において、
前記揃え動作を禁止した後の前記揃え手段をホームポジションに待機させることを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項1記載のシート状媒体整合装置において、
前記揃え手段の近傍に設けた検知手段により前記揃え手段が揃え機能を果たすことができる高さに前記積載手段の高さを定める制御を行い、その上で前記戻し手段の近傍に設けられた検知手段が所定範囲にあることを検知した場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止することを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項7記載のシート状媒体整合装置において、
前記戻し手段は前記排出手段から排出されたシート状媒体の前記積載手段上への着地を待つ待機位置と、該着地後のシート状媒体に接して立壁に向けて戻す戻し位置をとり得るものであるとき、
前記所定範囲を、待機位置にある前記戻し手段が前記積載手段上のシート状媒体に接触する範囲としたことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項7記載のシート状媒体整合装置において、
前記所定範囲を、戻し位置にある前記戻し手段が前記積載手段上のシート状媒体に接触できない範囲としたことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項8又は9記載のシート状媒体整合装置において、
前記戻し手段の近傍に設けられた検知手段が前記所定範囲にあることを検知した場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止せずに前記戻し手段による戻し動作を禁止して前記揃え手段による揃え動作のみ行なうことを特徴とするシート状媒体整合装置。 - 請求項2乃至10の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置において、
前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知された場合、前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止する揃え優先モードと、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されない場合でも前記排出手段からのシート状媒体の排出を禁止しない積載優先モードとを設定し、ユーザーの意思によりこれらの何れかのモードを選択可能であることを特徴とするシート状媒体整合装置。 - シート状媒体に画像形成を行なう画像形成手段及びこの画像形成されたシート状媒体を搬送する搬送手段を有する画像形成装置において、請求項1乃至11の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置を具備していることを特徴とする画像形成装置。
- 画像形成装置とシート状媒体整合装置を具備し、前記画像形成装置におけるシート状媒体への画像形成から、前記シート状媒体整合装置における前記画像形成されたシート状媒体に対する整合までの工程を一貫して行なう画像形成システムにおいて、
前記シート状媒体整合装置については前記請求項1乃至11の何れか1つに記載のシート状媒体整合装置を具備した構成とし、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されたときには前記画像形成装置における画像形成動作を停止することを特徴とする画像形成システム。 - 請求項13記載の画像形成システムにおいて、
前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されたときには前記画像形成装置における画像形成動作を停止することなく、シート状媒体の排出先を前記積載手段以外の積載手段に切り換えることを特徴とする画像形成システム。 - 請求項13記載の画像形成システムにおいて、
前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲にあることが検知されたときには前記画像形成装置における画像形成動作を停止することなく、部の最終シート状媒体の排出が終了するまでは前記排出手段からのシート状媒体の排出を続行し、次の部からの画像形成動作を停止することを特徴とする画像形成システム。 - 請求項13記載の画像形成システムにおいて、
前記積載手段上に積載されているシート状媒体の上面形状の異常を知らせる警告を行なうことを特徴とする画像形成システム。 - 請求項13記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成動作を停止した後、前記検知手段により前記積載手段上のシート状媒体の上面が前記所定範囲の外であることを検知したとき、前記停止した画像形成動作を再開させることを特徴とする画像形成システム。 - スティプル処理を行なう後処理手段と、この後処理手段に向けてシート状媒体を搬送し、また前記後処理手段により後処理されたシート状媒体を搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送されてくるシート状媒体を整合するシート状媒体整合装置を具備し、シート状媒体に対して後処理としてのスティプル処理を行なうスティプルモードとスティプル処理を行なわない非スティプルモードとを選択して行なわせることができ、
前記スティプルモード時は前記揃え手段の近傍位置に設けた前記検知手段により検知を行ない、前記非スティプルモード時は前記戻し手段の近傍位置に設けた前記検知手段により検知を行なうシート状媒体後処理装置であって、
前記シート状媒体整合装置が請求項1記載のシート状媒体整合装置であることを特徴とするシート状媒体後処理装置。 - 請求項18記載のシート状媒体後処理装置において、前記スティプルモード終了後に前記積載手段上のシート状媒体を取り除かずに前記非スティプルモードを行なったときには前記揃え手段近傍に設けた前記検知手段により検知を行なうことを特徴とするシート状媒体後処理装置。
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