JP4183562B2 - 水溶性固形描画材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、画用紙などの画面に描画後、水を含む筆等で加筆することにより、画用紙などに付着した描画材が拡散し、水彩絵の具のような綺麗な描画面が得られる水溶性固形描画材に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに水溶性固形描画材に関する技術は、既に数多く案出されている。
例えば、水溶性結合材、滑剤、体質材、顔料、界面活性剤を主材として使用し、該滑剤の少なくとも一部として平均分子量が1000〜11000のポリエチレングリコールを含有することを特徴とする水彩色鉛筆芯(例えば、特許文献1参照)や、天然ワックス、特にモンタンワックスより誘導された高級脂肪酸とポリエチレンワックスより誘導された高級脂肪酸とポリエチレングリコールでエステル化することにより得られる特定のエステル化合物及び顔料よりなる水溶性着色剤組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0003】
更に、常温で固形のワックス類、HLB価10以上の非イオン界面活性剤及びヒドロキシル価80以上のワックス類からなる基剤に着色料を配合してなる水溶性固形描画材(例えば、特許文献3参照)や、顔料と、ワックスと、ポリオキシエチレンセチルエーテル・ポリオキシエチレンステアリルエーテル・ポリオキシエチレンアラキニルエーテル・ポリオキシエチレンベへニルエーテル(但し、ポリオキシエチレンのモル数20〜50)から選ばれる1種又は複数種の界面活性剤とから少なくともなり、水を含む筆で加筆することにより、水彩絵の具のような描画面が得られる水溶性固形描画材(例えば、特許文献4参照)なども知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−153778号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献2】
特公平5−62914号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献3】
特公平8−32846号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【特許文献4】
特許第3348209号公報(特許請求の範囲、実施例等)
【0005】
しかしながら、上記特許文献1等に記載される水彩色鉛筆芯は、描画材の伸びが良好でなく、また、ポリエチレングリコールが芯表面にブリードし、白化現象を生じるという課題がある。
また、上記特許文献2に記載される水溶性着色剤組成物は、アルキル鎖が28〜32と長いため、溶解度が悪く、未だ十分な描画面が得られないという課題がある。
更に、上記特許文献3及び4に記載される水溶性固形描画材等は、各界面活性剤がブリードし、白化、吸湿し軟化する点に未だ課題があり、また、固形ワックス類を多量配合(各実施例では配合量全て20重量%以上)しているため、溶解性が未だ悪く、水彩絵の具のような十分な描画面が未だ得られないという課題を有するものである。
最近では、水溶性固形描画材の更なる質的向上が求められており、その中でも溶解性に優れ、多湿下においても吸湿がなく、しかも、ザラザラ感等もない優れた筆記性を有する水溶性固形描画材の出現が望まれているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、溶解性に優れ、多湿下においても吸湿が少なく、しかも、ザラザラ感等もない優れた筆記性を有する水溶性固形描画材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意研究を行った結果、少なくとも着色剤と、特定の界面活性剤等とを含有せしめることにより、上記目的の水溶性固形描画材が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(3)に存する。
(1) 少なくとも着色剤と、カルボキシメチルセルロースと、下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で示される界面活性剤5〜80重量%とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
【化3】
Figure 0004183562
【化4】
Figure 0004183562
(2) 更に、常温で固体状態であり、HLBが8〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有してなる上記(1)記載の水溶性固形描画材。
(3) 少なくとも着色剤と、カルボキシメチルセルロースと、常温で固体状態であり、HLBが8〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテル5〜80重量%とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を発明ごとに詳しく説明する。
本発明の第1発明となる水溶性固形描画材は、少なくとも着色剤と、下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で示される界面活性剤とを含有してなることを特徴とするものであり、また、第2発明は、少なくとも着色剤と、常温で固体状態であり、HLBが8〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルとを含有してなることを特徴とするものである。
【化5】
Figure 0004183562
【化6】
Figure 0004183562
以下において、「本発明」というときは、上記第1発明及び第2発明の両方を包含するものである。
【0009】
本発明に用いる着色剤は、従来公知の無機系及び有機系顔料、水溶性染料が使用可能である。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属粉などが挙げられる。有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられる。
【0010】
具体的には、カーボンブラック、酸化チタン、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、酸化亜鉛、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー34、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー167、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット50、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0011】
また、水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料のいずれも用いることができる。
具体的な直接染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同71、同86、同106、同119などが挙げられる。
酸性染料としては、例えば、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同114、同127、同135、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同87、同92、同94、同115、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同103、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27などが挙げられる。
これらの着色剤は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができ、その使用量は描画材の濃度等により適宜増減するものであり、描画材全量に対して、50重量%以下とすることが好ましい。
【0012】
本第1発明に用いる上記一般式(I)及び(II)で示される界面活性剤は、ポリエチレングルコール(以下、「PEG」という)脂肪酸エステル系の界面活性剤であり、上記一般式(I)はモノエステル型であり、上記一般式(II)はジエステル型であり、これらの界面活性剤を含有せしめることにより、水溶性固形描画材の溶解性の更なる向上、多湿下においても吸湿を少なくすると共に、優れた筆記性を発揮することができるものとなる。
上記一般式(I)で示されるモノエステル型では、Rの炭素数は16〜22のアルキル基であり、かつ、mは1〜60の数であることが必要であり、好ましくは、Rの炭素数が18〜20のアルキル基とし、mは10〜58の数とすることが望ましい。
また、上記一般式(II)で示されるジエステル型では、R1、R2の炭素数は16〜22のアルキル基であり、かつ、nは1〜150の数であることが必要であり、好ましくは、R1、R2の炭素数が18〜20のアルキル基とし、nは5〜150の数とすることが望ましい。
【0013】
上記一般式(I)又は(II)において、R、R1及びR2の炭素数が16未満では、吸湿し経時劣化することとなり、また、22超過では、溶解性が悪くなり、好ましくない。
更に、上記一般式(I)又は(II)において、m及びnの数は、溶解性に寄与するものであり、mの数が60超過又はnの数が150超過では、吸湿によりベタツキ、芯の軟化が起こり、好ましくない。
【0014】
具体的に用いることができる上記一般式(I)及び(II)としては、モノステアリン酸PEG(m=30)、モノセチル酸PEG(m=30)、モノべへニル酸PEG(m=30)、モノステアリン酸エチレングリコール(EG)(m=1)、モノステアリン酸PEG(m=40)、モノステアリン酸PEG(m=55)、モノアラキニル酸PEG(m=30)、モノセチル酸PEG(m=55)、ジステアリン酸PEG(n=8)、ジステアリン酸PEG(n=30)、ジステアリン酸PEG(n=150)、ジアラキニル酸PEG(n=60)、ジセチル酸PEG(n=30)、ジセチル酸PEG(n=110)、ジべへニル酸PEG(n=30)、ジステアリン酸EG(n=1)、ジステアリン酸PEG(n=60)などが挙げられる。
これらは、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
【0015】
本第2発明に用いるポリオキシエチレンアルキルエーテル、または、本第1発明の上記一般式(I)及び(II)の界面活性剤と共に併用されるポリオキシエチレンアルキルエーテルは、例えば、炭素数12〜22の脂肪族アルコールに酸化エチレンを付加重合させて得られるものであり、固体筆記具とするために、常温で固体状態であることが必要であり、かつ、HLBが8〜16であることが必要である。
この特性を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有又は併用せしめることにより、水溶性固形描画材の溶解性の更なる向上、多湿下においても吸湿を少なくすると共に、優れた筆記性を発揮することができるものとなる。
【0016】
本発明において、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLBは、溶解性と吸湿性に関与するものであり、このHLBを8〜16に限定することにより、本発明の効果を発揮するものとなる。
このHLBが8未満では、溶解性が悪くなり、また、16超過では吸湿し経時劣化することとなり、好ましくない。
なお、用いるポリオキシエチレンアルキルエーテルが上記特性(常温で固体状態、HLBを8〜16)を得るためには、原料となる脂肪族アルコールの炭素数、酸化エチレンの付加モル数等により調整することができる。
【0017】
具体的に用いることができるポリオキシエチレンアルキルエーテル〔R3O(CH2CH2O)p−H、R3:アルキル基、p:正の数〕としては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル〔POE(=CH2CH2O)=15,HLB=15.5〕、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(POE=4,HLB=9.0)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(POE=15,HLB=16)、ポリオキシエチレンステアリルオレイルエーテル(POE=15,HLB=16)などが挙げられ、これらは、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
なお、ポリオキシエチレンのモル数20〜50となるポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアラキニルエーテル及びポリオキシエチレンベへニルエーテルでは、溶解性が悪くなったり、また、吸湿し経時劣化することがあり、本発明の効果を発揮できるものではない。
【0018】
本発明において、第1発明の上記一般式(I)及び(II)の界面活性剤の含有量、または、第2発明の上記特性のポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量、並びに、これらを併用した場合の含有量は、描画材全量に対して、夫々、好ましくは、5〜80重量%、更に好ましくは、10〜60重量%とすることが望ましい。
この含有量が5重量%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、また、80重量%超過では、モノステアリル型では、吸湿によりベタツキ、芯の軟化が起こり、好ましくない。
なお、本発明では、▲1▼上記一般式(I)及び(II)の界面活性剤、または、▲2▼上記特性のポリオキシエチレンアルキルエーテルの各単独使用(▲1▼又は▲2▼の使用)よりも、これらを併用した(▲1▼+▲2▼の併用した)方が本発明の効果を更に向上せしめることができる。
【0019】
本発明において、上記成分の他に、水溶性固形描画材の常用成分として用いられる下記各成分を含有することができる。
体質材としてのタルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、硫酸バリウムなどの粉体を描画材全量に対して、10〜80重量%含有することができる。
また、描画材の骨格を形成する水溶性高分子として、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成樹脂、タラカントガムなどの多糖類を描画材全量に対して、1〜20重量%含有することができる。
更に、筆記性向上のために、描線の溶解性を低下させない範囲で、ステアリン酸、パルミチン酸、高級アルコール類や、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油などの植物系ワックス、密蝋、ラノリン、鯨蝋などの動物系ワックス、オゾケライト、セラシンなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスなど含有することができる。
本発明では、従来に較べ、溶解性に悪影響を与える、ワックス類の使用量(含有量)を極めて少なくすることができ、描画材全量に対して、5重量%未満、好ましくは1〜5重量%未満の使用量であっても、▲1▼上記一般式(I)及び/又は(II)の界面活性剤、及び/又は、▲2▼上記特性のポリオキシエチレンアルキルエーテルが筆記性の向上作用を兼ね備えているので、ワックス量が少ない含有量であっても、優れた筆記性を発揮することができ、溶解性も向上するものとなる。
【0020】
本発明の水溶性固形描画材は、上記各成分を必要に応じて(例えば、体質材40重量%以上と多い場合等は)水を添加し、加熱撹拌装置により混合、または、ニーダー、ロールミルなどの混練機で混練して、溶融状態とし、これを型に流し込んで冷却又は射出成形或いは押出成形後、必要に応じて乾燥させ、所定形状に成形することにより得られる。
【0021】
このように構成される本発明の水溶性固形描画材は、少なくとも着色剤と、▲1▼上記一般式(I)及び/又は一般式(II)で示される界面活性剤、及び/又は、▲2▼常温で固体状態であり、HLBが8〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有せしめることにより、各界面活性剤がブリードし、白化したり、吸湿し軟化したりすることもなく、また、ワックス類を多量含有しなくとも、溶解性に優れ、多湿下においても吸湿が少なく、しかも、ザラザラ感等もない優れた筆記性を有するものとなる。
【0022】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、書実施例によって何等限定されるものではない。
【0023】
〔実施例1〜16及び比較例1〜6〕
下記表1及び表2に示す各配合成分(全量100重量%)に基づき下記方法により各水溶性固形描画材を作製した。
実施例1〜12及び比較例1〜5では、各配合成分を加熱混合撹拌し、更にミキサー、ニーダー、三本ロール等で均一にした後、押出成形により各水溶性固形描画材(直径4mm×長さ180mm)を作製した。
実施例13〜16及び比較例6では、各配合成分を加熱混合撹拌し、更にミキサー、ニーダー、三本ロール等で均一にし、熔融状態にした後、流し込み成形により各水溶性固形描画材(直径4mm×長さ180mm)を作製した。
【0024】
得られた各水溶性固形描画材について、下記各評価方法により、溶解性、多湿下における吸湿性及び筆記性について評価した。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
【0025】
(溶解性の評価方法)
得られた各水溶性固形描画材を用いて画用紙に筆記(筆記条件:荷重200gで縦横2cmの正方形状に筆記)した後、水を含んだ絵具(絵筆)で筆記面を擦り、溶け具合(溶解性)を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:3回以内で完全に溶解。
○:4回〜9回擦れば完全に溶解。
×:10回以上擦りが必要。
【0026】
(吸湿性の評価方法)
得られた各水溶性固形描画材を25℃、湿度80%の環境下で1ヶ月間放置した後の重量を測定し、初期の重量と比較して下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:重量増加が1重量%未満。
○:重量増加が1〜3重量%。
×:重量増加が3重量%以上。
【0027】
(筆記性の評価方法)
得られた各水溶性固形描画材を用いて画用紙に手で筆記した際の筆記性を下記評価基準で評価した。
評価基準:
◎:非常に滑らかに筆記できる。
○:滑らかに筆記できる。
×:筆跡がかすれる。
【0028】
【表1】
Figure 0004183562
【0029】
【表2】
Figure 0004183562
【0030】
上記表1及び表2の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜16は、本発明の範囲外となる比較例1〜6に較べて、溶解性及び筆記性に優れると共に、多湿下においても吸湿がきわめて少なく、ベタツキもなく保存安定性に優れ、画用紙の画面に描画後、水を含む絵筆で擦ると、画用紙に付着した描画材が拡散し、水彩絵の具のような綺麗な描画面が得られることが判明した。
これに対して、比較例をみると、比較例1〜3及び6では、本第1発明の範囲外となる界面活性剤を用いた場合、比較例4及び5では、本第2発明の範囲外となるポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた場合は、いずれも本発明の効果が達成できないことが判った。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、溶解性及び筆記性に優れると共に、多湿下においても吸湿がきわめて少なく、ベタツキもなく保存安定性にも優れた綺麗な描画面が得られる水溶性固形描画材が提供される。

Claims (3)

  1. 少なくとも着色剤と、カルボキシメチルセルロースと、下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で示される界面活性剤5〜80重量%とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
    Figure 0004183562
    Figure 0004183562
  2. 更に、常温で固体状態であり、HLBが8〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有してなる請求項1記載の水溶性固形描画材。
  3. 少なくとも着色剤と、カルボキシメチルセルロースと、常温で固体状態であり、HLBが8〜16であるポリオキシエチレンアルキルエーテル5〜80重量%とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
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