JP2015209507A - 水溶性固形描画材 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の上質紙、画用紙、コピー用紙等の紙類はもちろん、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面にも滑らかに、濃く描画することが可能で、かつ、描画後、これら描画した面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易、均一に描画面が溶解し、水彩絵具のような描画面が得られ、かつ、十分な強度、滑らかな書き味を有する水溶性固形描画材を提供する。
【解決手段】少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB価12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB価12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
【選択図】なし
Description
本発明は、主として、木軸色鉛筆、紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に水溶性固形描画材を装填した色鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に水溶性固形描画材のみで構成して使用する水溶性固形描画材に関する。その中でも、特に、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等のプラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面にも濃く描画することが可能で、かつ、描画後、これら描画した面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易、均一に描画面が溶解し、水彩絵具のような描画面が得られ、かつ、十分な強度、滑らかな書き味を有する水溶性固形描画材に関する。
従来の水溶性固形描画材は、これまでも様々な発明などが公開され、実際に製品として発売されてきている。
代表的なものとしては、非水系ワックス、樹脂、顔料、体質材からなる従来の非水性固形描画材の配合物を、必要に応じて、前記非水系ワックスを界面活性剤またはポリエチレングリコールに置き換えてワックスとして使用したり、樹脂を水溶性樹脂に置き換えてなる水溶性固形描画材(例えば、特許文献1、2参照)などが知られている。
代表的なものとしては、非水系ワックス、樹脂、顔料、体質材からなる従来の非水性固形描画材の配合物を、必要に応じて、前記非水系ワックスを界面活性剤またはポリエチレングリコールに置き換えてワックスとして使用したり、樹脂を水溶性樹脂に置き換えてなる水溶性固形描画材(例えば、特許文献1、2参照)などが知られている。
また、1)少なくとも着色剤と界面活性剤とからなる水溶性固形描画材であって、融点55℃未満の界面活性剤及び融点55℃以上の界面活性剤をそれぞれ1種以上組み合わせて2種以上用いることを特徴とする水溶性固形描画材(例えば、特許文献3参照)、2)少なくとも顔料とワックスと常温で固体の界面活性剤とフィトステロールとを含有する水溶性固形描画材(例えば、特許文献4照)、3)少なくとも着色剤とスルホン酸変性ポリ酢酸ビニル及び脂肪酸金属塩とからなることを特徴とする水溶性固形描画材(例えば、特許文献5参照)が知られている。
しかしながら、これらの水溶性固形描画材は、平滑面に筆記する場合、滑って摩耗しにくいため、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボードに描画する場合、描画することができない点、または不十分な点などに課題がある。
また、水溶性クレヨンと称する製品も販売されているが、いずれも低融点材料、または常温液体オイル等で軟質化しているため、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に描画する場合、滑ってしまい、濃い描線が得られず、オイルの撥水性のため、描画面の溶解性が不十分であることに課題がある。
また、水溶性クレヨンと称する製品も販売されているが、いずれも低融点材料、または常温液体オイル等で軟質化しているため、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に描画する場合、滑ってしまい、濃い描線が得られず、オイルの撥水性のため、描画面の溶解性が不十分であることに課題がある。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、十分な強度、滑らかな書き味を有し、特に、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等のプラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面にも濃く描画することが可能で、かつ、描画後、これら描画した面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に描画面が溶解し、水彩絵具のような描画面が得られる水溶性固形描画材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、少なくとも特定の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして特定物性の界面活性剤と、水溶性樹脂と、着色材と、体質材とを含有せしめることで、上記目的の水溶性固形描画材が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(9)に存する。
(1) 少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
(2) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体であることを特徴とする上記(1)記載の水溶性固形描画材。
[化1]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
(3) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルであることを特徴とする上記(1)記載の水溶性固形描画材。
(4) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が70℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(5) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有量が、水溶性固形描画材全量に対して、1〜12質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(6) ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤が全ワックス中に、50質量%以上含有されていることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(7) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、水溶性固形描画材に含有される全ワックス(B)との質量比(A):(B)が、2.5:100〜18:100の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(8) 樹脂は、水に完全溶解する水溶性樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(9) 樹脂は、乾燥時融点または軟化点が100℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(1) 少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
(2) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体であることを特徴とする上記(1)記載の水溶性固形描画材。
[化1]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
(3) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルであることを特徴とする上記(1)記載の水溶性固形描画材。
(4) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が70℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(5) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有量が、水溶性固形描画材全量に対して、1〜12質量%の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(6) ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤が全ワックス中に、50質量%以上含有されていることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(7) 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、水溶性固形描画材に含有される全ワックス(B)との質量比(A):(B)が、2.5:100〜18:100の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(8) 樹脂は、水に完全溶解する水溶性樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
(9) 樹脂は、乾燥時融点または軟化点が100℃以下であることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
本発明によれば、十分な強度、滑らかな書き味を有し、特に、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面にも濃く描画することが可能で、かつ、描画後、これら描画した面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に描画面が溶解し、水彩絵具のような描画面が得られる水溶性固形描画材提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の水溶性固形描画材は、少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明の水溶性固形描画材は、少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明に用いる炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種は、平滑面にも滑らかに描画でき、かつ、十分な強度を発揮せしめる成分となるものであり、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の範疇に含まれるものであれば、特に制限なく、いずれも使用できる。
用いることができる炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体としては、例えば、下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体、炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルなどが挙げられる。
[化2]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
用いることができる炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体としては、例えば、下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体、炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルなどが挙げられる。
[化2]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕
上記式(I)中、R1は炭素数10〜28、好ましくは、14〜24の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基である。分岐鎖を有する場合、分岐鎖は炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基など)、置換あるいは未置換のアリール基、エポキシ基、グリセリンが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基では、「−(CH2)10−」〜「−(CH2)28−」までの直鎖状の各種、分岐鎖状の場合は「−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+nは炭素数10〜28)、「−(CH2)x−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−(CH2)y−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+n+x+yは炭素数10〜28)などが挙げられ、直鎖状のアルケニレン基としては、「−(CH2)x−C=(CH2)y−C=C−(CH2)z−」(式中、x+y+zは炭素数10〜28)、分岐鎖状の場合は「−(CH2)x−C〔(A)m〕=CH−(CH2)y−CH=C〔(A)m〕−(CH2)z−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+x+y+zは炭素数10〜28)などが挙げられる。
また、式(I)中、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などのアルカリ金属、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などのアミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンなどが挙げられる。
上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体は、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基では、「−(CH2)10−」〜「−(CH2)28−」までの直鎖状の各種、分岐鎖状の場合は「−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+nは炭素数10〜28)、「−(CH2)x−CH〔(A)m〕−(CH2)n−CH〔(B)m〕−(CH2)y−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+n+x+yは炭素数10〜28)などが挙げられ、直鎖状のアルケニレン基としては、「−(CH2)x−C=(CH2)y−C=C−(CH2)z−」(式中、x+y+zは炭素数10〜28)、分岐鎖状の場合は「−(CH2)x−C〔(A)m〕=CH−(CH2)y−CH=C〔(A)m〕−(CH2)z−」(式中、A,Bは同一又は異なるアルキル基、2m+x+y+zは炭素数10〜28)などが挙げられる。
また、式(I)中、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などのアルカリ金属、アンモニウム塩、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などのアミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンなどが挙げられる。
上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体は、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
本発明に用いることができる上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体としては、例えば、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、エイコサン二酸ジメチル、8−エチルオクタデカン二酸、8,13−ジメチルエイコサン二酸、8,12−エイコサジエン二酸ジメチル、8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸ビス(オキシラニルメチル)エステル、日本酸グリセリドなどの少なくとも1種(各単独、または2種以上の混合物)が挙げられ、特に好ましくは、8−エチルオクタデカン二酸、8,12−エイコサジエン二酸ジメチル、日本酸グリセリドである。なお、日本酸は炭素数20(C20)、22(C22)の二塩基酸(混合物)であり、日本酸グリセリドは2分子のグリセリンに二塩基酸(日本酸)が橋かけ的に結合した二分子型グリセリドであり、その合成法などは既知である。
本発明に用いる長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルは、主鎖が炭素数12〜30、好ましくは、炭素数14〜24の長鎖脂肪族二塩基酸のジグリシジルエステルであることが望ましく、炭素数16〜22の長鎖脂肪族二塩基酸のジグリシジルエステルであることがさらに好ましい。
脂肪族二塩基酸は、飽和脂肪族二塩基酸であってもよく、不飽和脂肪族二塩基酸であってもよい。また、直鎖の脂肪族二塩基酸であってもよく、分岐を有する脂肪族二塩基酸であってもよい。分岐を有する場合、分岐は炭素数1〜8の低級アルキル基(メチル基、エチル基など)、置換あるいは未置換のアリール基、エポキシ基が好ましい。
これらの長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルは、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
脂肪族二塩基酸は、飽和脂肪族二塩基酸であってもよく、不飽和脂肪族二塩基酸であってもよい。また、直鎖の脂肪族二塩基酸であってもよく、分岐を有する脂肪族二塩基酸であってもよい。分岐を有する場合、分岐は炭素数1〜8の低級アルキル基(メチル基、エチル基など)、置換あるいは未置換のアリール基、エポキシ基が好ましい。
これらの長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルは、既知であり、その製造方法も知られており、各種製造法により得たものを用いることができ、また、市販品があれば、市販品を用いることができる。
好ましい炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジグリシジルエステルとしては、例えば、ドデカン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、エイコサ二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、8,12−イコサジエン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、7−エチルオクタデカン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、12−ビニル−8−オクタデセン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、8,11−ジメチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボン酸ビス(2,3−エポキシプロピル)、8,9−ジフェニルヘキサデカン二酸ビス(2,3−エポキシプロピル)などの少なくとも1種が挙げられる。
本発明に用いる上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体は、本発明の効果の更なる発現、より平滑な被描画面を描画せしめる点から、好ましくは、融点が70℃以下、更に好ましくは、60℃以下であるものが望ましい。なお、本発明に用いる上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体は、常温液体でも従来固形描画材に使用されてきたオイル等の液体物のように、含有することで平滑面への描画時に上滑りすることが無く、逆に着色性が向上するので、強度低下しない範囲で常温液体、常温ペースト状でも使用可能である。
本発明に用いる上記炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の含有量は、固形描画材全量に対して、1〜12質量%(以下、単に「%」という)の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、1〜10%であることが望ましい。
この含有量が、1%未満であると、着色性向上効果などを含む本発明の効果を発現せず、一方、12%を超えても、それ以上着色性向上効果を含む本発明の効果は向上せず、書き味が悪くなるためである。
この含有量が、1%未満であると、着色性向上効果などを含む本発明の効果を発現せず、一方、12%を超えても、それ以上着色性向上効果を含む本発明の効果は向上せず、書き味が悪くなるためである。
本発明に用いる樹脂は、従来、非焼成色鉛筆芯や固形描画材に使用されてきたものであれば、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体、水溶性ナイロン、カルボキシメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプン、アラビアガム、トラカントガム、グアーガム等の合成、天然の水溶性樹脂、ロジン及び/又はロジンのグリセリンエステル等のロジン変成物、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、セルロイド、ジアリルフタレート(DAP)樹脂、エポキシ樹脂等のいずれも使用できる。また、これらは、化成品、天然物を区別することなく、単独、または2種以上混合して用いることも可能である。
また、非水溶性樹脂は、描画面の溶解性低下原因となるので、水溶性樹脂を主に使うことが望ましいが、本発明の水溶性固形描画材の保管時吸湿を抑制する等の目的で、公知の、ロジン及びその変成物、テルペン樹脂及びその変性物、石油樹脂、マレイン酸樹脂及びその誘導体、クマロン・インデン樹脂及びその誘導体、イソプレン系樹脂、エチルセルロース、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の非水溶性樹脂を適宜混合することも可能である。
なお、上記「主に使用する」とは、樹脂以外材料の配合量から、一概に言及できないが、概ね樹脂中に水溶性樹脂は70%以上である。また、本発明において、水溶性樹脂は、水に完全溶解(100%溶解)するものをいう。
なお、上記「主に使用する」とは、樹脂以外材料の配合量から、一概に言及できないが、概ね樹脂中に水溶性樹脂は70%以上である。また、本発明において、水溶性樹脂は、水に完全溶解(100%溶解)するものをいう。
また、用いることができる上記水溶性樹脂の中で、カルボキシメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、デンプン、アラビアガム、トラカントガム、グアーガム等は乾燥時熱可塑性を有さなかったり、軟化点、融点が高いので、他の二塩基酸及びその誘導体、界面活性剤、顔料、体質材と混合する際、水を加えて樹脂を溶解する必要があるため、成形後、水分を除去する必要がある。しかし、水溶性固形描画材の直径が5mm以上太いと内部の水分を除去しにくいので、その場合は、乾燥時融点または軟化点が100℃以下であるポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド共重合体、水溶性ナイロン等に代表される水溶性樹脂を選択することが望ましい。
これらの樹脂の含有量は、それぞれの強度、硬度等品質が異なるため、一概にその範囲を限定できないが、水溶性固形描画材全量に対して、2〜35%の範囲内で調整される。
これらの樹脂の含有量が、2%未満であると、芯体骨格を形成する効果が無く、一方、35%を超えて上回ると、硬く、また平滑面での定着性が劣り着色が不十分となることがある。
これらの樹脂の含有量が、2%未満であると、芯体骨格を形成する効果が無く、一方、35%を超えて上回ると、硬く、また平滑面での定着性が劣り着色が不十分となることがある。
本発明においては、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対して濃描け、かつ、良好に水で溶けるという性質の両立の点から、融点45〜85℃であり、かつHLB12以上の界面活性剤をワックスとして用いるものである。
用いることができる融点45〜85℃であり、かつHLB12以上の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸PEG)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくとも1種が挙げられる。
また、多色化のため着色材に耐久性が低い有機顔料を使用することを想定すると、本発明で用いる界面活性剤は非イオン型であることが好ましく、上記ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸PEG)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの使用が望ましい。
なお、本発明における「HLB値」は、川上法〔HLB値=7+11.7log(MW/MO)、MW:親水部分の分子量、MO:親油部分の分子量〕から求めることができる。
用いることができる融点45〜85℃であり、かつHLB12以上の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸PEG)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくとも1種が挙げられる。
また、多色化のため着色材に耐久性が低い有機顔料を使用することを想定すると、本発明で用いる界面活性剤は非イオン型であることが好ましく、上記ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(モノステアリン酸PEG)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの使用が望ましい。
なお、本発明における「HLB値」は、川上法〔HLB値=7+11.7log(MW/MO)、MW:親水部分の分子量、MO:親油部分の分子量〕から求めることができる。
本発明では、上記融点45〜85℃であり、かつHLB12以上の界面活性剤をワックスとして用いるものであるが、溶解性、強度、書き味調整のため、融点45〜85℃であり、かつHLB12以上の範囲から外れる界面活性剤、および非水系ワックスを本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよいものである。
ただし、HLB12未満の界面活性剤を用いる場合も書き味、着色性の点で、融点が85℃以下であることが望ましい。
ただし、HLB12未満の界面活性剤を用いる場合も書き味、着色性の点で、融点が85℃以下であることが望ましい。
用いることができる非水系ワックスを、例示すると、一般的に固形描画材に使用されているものであれば、従来公知のカスターワックス、モクロウ、ウルシロウ、ヤマウルシロウ、モンタンワックス、牛脂硬化油、トリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ケトンワックス、各種脂肪酸アミド等、いずれも使用できる。
また、上記非水系ワックス以外の融点が45℃を下回るHLB12以上の界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンや、HLB価12未満の界面活性剤、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウなども使用でき、更に、ホホバ油、スピンドル油、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油等の天然または合成油等も強度、書き味調整のため、目標品質を維持する範囲など本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
更には、水溶性ワックスに分類されるポリエチレングリコールも適宜使用可能である。
また、上記非水系ワックス以外の融点が45℃を下回るHLB12以上の界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンや、HLB価12未満の界面活性剤、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウなども使用でき、更に、ホホバ油、スピンドル油、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油等の天然または合成油等も強度、書き味調整のため、目標品質を維持する範囲など本発明の効果を損なわない範囲で使用できる。
更には、水溶性ワックスに分類されるポリエチレングリコールも適宜使用可能である。
また、従来では、融点45℃以下のものや、常温で液体の材料を配合すると、平滑面上で滑ってしまうため、濃い描線が得られなかったが、本発明では、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有効果で、平滑面での上滑りが抑制されるため、融点45℃以下のものや、常温で液体の材料を含有することでより軟らかく、かつ、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に濃く描画可能な水溶性固形描画材が得られることとなるので、実用強度が得られる範囲で、低融点物、液体物を使用することが可能である。
これらの非水系ワックス、融点が45℃を下回るHLB12以上の界面活性剤、HLB価12未満の界面活性剤、天然または合成油、低融点物、液体物などの含有量は、得られる水溶性固形描画材の溶解性を鑑みると、全ワックス量中50%未満、更に好ましくは、30%未満とすることが望ましい。
これらの非水系ワックス、融点が45℃を下回るHLB12以上の界面活性剤、HLB価12未満の界面活性剤、天然または合成油、低融点物、液体物などの含有量は、得られる水溶性固形描画材の溶解性を鑑みると、全ワックス量中50%未満、更に好ましくは、30%未満とすることが望ましい。
これらの全ワックスの含有量は、固形描画材全量に対して、15〜60%の範囲であることが好ましい。
得られる水溶性固形描画材の溶解性を鑑みると、融点45〜85℃で、かつHLB12以上の界面活性剤の比率が、全ワックス量の50%以上であることが望ましく、更に好ましくは、70%以上である。
得られる水溶性固形描画材の溶解性を鑑みると、融点45〜85℃で、かつHLB12以上の界面活性剤の比率が、全ワックス量の50%以上であることが望ましく、更に好ましくは、70%以上である。
本発明において、更に好ましくは、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体(A)と、水溶性固形描画材に含有される全ワックス量(融点45〜85℃かつHLB価10以上の界面活性剤、前記範囲外の界面活性剤、および非水系ワックスなどの合計量)(B)との質量比が、(A):(B)が2.5:100〜18:100の範囲であることが望ましい。
この(A):(B)が2.5:100未満では、着色性向上効果が発現せず、一方、18:100を超えてもそれ以上着色性は向上せず、書き味が悪くなったり、水溶性が低下する等の弊害があるためである。
この(A):(B)が2.5:100未満では、着色性向上効果が発現せず、一方、18:100を超えてもそれ以上着色性は向上せず、書き味が悪くなったり、水溶性が低下する等の弊害があるためである。
本発明に用いる着色材としては、例えば、ジスアゾイエローAAA、ピラゾロンオレンジ等のアゾ系有機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド等の高級有機顔料、ファナルカラー等染付け顔料、蛍光顔料、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、紺青、ルチル、アタナーゼ等の二酸化チタン等の無機顔料、染料を全て用いることができる。
これらの着色材の含有量は、着色性、書き味と、強度とのバランスの点から、水溶性固形描画材全量に対して、40%以下の範囲であることが好ましい。なお、着色材の含有量は水溶性固形描画材種により変動し、例えば、水溶性色鉛筆の場合は、非常に淡い色から、濃い色まであるので、着色材の量は一概に、上記好ましい量以下に限定できない場合があり、40%超過であってもよく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整される。
これらの着色材の含有量は、着色性、書き味と、強度とのバランスの点から、水溶性固形描画材全量に対して、40%以下の範囲であることが好ましい。なお、着色材の含有量は水溶性固形描画材種により変動し、例えば、水溶性色鉛筆の場合は、非常に淡い色から、濃い色まであるので、着色材の量は一概に、上記好ましい量以下に限定できない場合があり、40%超過であってもよく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整される。
本発明に用いる体質材としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、マイカ、窒化ホウ素、チタン酸カリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカーのウィスカー類等公知の体質材を全て用いることができる。
この体質材の含有量は、上記樹脂、ワックス類、着色材、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種などの残部となる。
この体質材の含有量は、上記樹脂、ワックス類、着色材、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種などの残部となる。
その他、本発明において、従来公知の紫外線吸収剤等各種添加剤をこれまで述べてきた強度、平滑な非吸収面への描画、良好な水溶性等の本発明の効果を低下させない範囲で適宜含有することができる。
本発明の水溶性固形描画材は、少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを配合した配合組成物、必要に応じて、水を添加し、加熱撹拌装置により混合、または、ニーダー、ロールミルなどの混練機で混練して、溶融状態とし、これを型に流し込んで冷却又は射出成型あるいは押出成形後、必要に応じて乾燥させ、各形状、各寸法(口径等)の水溶性固形描画材を得ることができる。
本発明で得られる脂溶性固形描画材は、主として、木軸色鉛筆、紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた色鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に水溶性固形描画材を装填した色鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に水溶性固形描画材のみで構成して使用に供されることとなる。
本発明で得られる脂溶性固形描画材は、主として、木軸色鉛筆、紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた色鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に水溶性固形描画材を装填した色鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に水溶性固形描画材のみで構成して使用に供されることとなる。
このように構成される本発明の水溶性固形描画材は、少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB10以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有することにより、好ましくは、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体を上記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体、及び/又は炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルとしたり、また、これらの炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が70℃以下のものを使用したり、更に、これらの含有量を、固形描画材全量に対して、1〜12%の範囲としたり、更にまた、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上(A)と、水溶性固形描画材に含有される全ワックス(B)との質量比(A):(B)を、2.5:100〜18:100の範囲とし、また、樹脂を水に完全溶解する水溶性樹脂とし、更に該水溶性樹脂の乾燥時融点または軟化点を100℃以下とすることにより、十分な強度、滑らかな書き味を有し、画用紙等通常の絵画紙はもちろん、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に対しても格段に濃く描画可能で、かつ、描画後、これら描画した面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に描画面が溶解し、水彩絵具のような描画面が得られる水溶性固形描画材が得られることになる。
このように構成される本発明の固形描画材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。
次に、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に何等限定されるものではない。
〔実施例1〜3及び比較例1〜3〕
(実施例1)
モクロウ(融点52℃) 4%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(HLB19.5) 18%
8,12−エイコサジエン二酸ジメチル(融点30℃) 3%
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩 5%
タルク 50%
パーマネントレッド 20%
上記配合組成物に同重量の水を加えて、ニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形して、直径3.8mmの木軸用非焼成赤色鉛筆芯を得た。
(実施例1)
モクロウ(融点52℃) 4%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(HLB19.5) 18%
8,12−エイコサジエン二酸ジメチル(融点30℃) 3%
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩 5%
タルク 50%
パーマネントレッド 20%
上記配合組成物に同重量の水を加えて、ニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形して、直径3.8mmの木軸用非焼成赤色鉛筆芯を得た。
(実施例2)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB18.0) 20%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HLB13.5) 28%
8,13−ジメチルエイコサン二酸(常温液体) 4%
ポリエチレンオキサイド 5%
タルク 23%
群青 10%
フタロシアニンブルー 10%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径4.4mmの青色芯とし、さらに紙を複数回巻いて、直径8.0mmの青色固形描画材を得た。
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB18.0) 20%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HLB13.5) 28%
8,13−ジメチルエイコサン二酸(常温液体) 4%
ポリエチレンオキサイド 5%
タルク 23%
群青 10%
フタロシアニンブルー 10%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径4.4mmの青色芯とし、さらに紙を複数回巻いて、直径8.0mmの青色固形描画材を得た。
(実施例3)
モノステアリン酸PEG(HLB18.0) 40%
8−エチルオクタデカン二酸(常温ペ−スト状) 5%
ポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイド共重合体 15%
カオリン 15%
二酸化チタン 15%
ジスアゾイエローAAA 2%
フタロシアニングリーン 8%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの緑色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの緑色固形描画材を得た。
モノステアリン酸PEG(HLB18.0) 40%
8−エチルオクタデカン二酸(常温ペ−スト状) 5%
ポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイド共重合体 15%
カオリン 15%
二酸化チタン 15%
ジスアゾイエローAAA 2%
フタロシアニングリーン 8%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの緑色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの緑色固形描画材を得た。
(比較例1)
モクロウ(融点52℃) 5%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(HLB19.5) 20%
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩 5%
タルク 50%
パーマネントレッド 20%
上記配合組成物に同重量の水を加えて、ニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形して、直径3.8mmの木軸用非焼成赤色鉛筆芯を得た。
モクロウ(融点52℃) 5%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(HLB19.5) 20%
カルボキシメチルセルロース・ナトリウム塩 5%
タルク 50%
パーマネントレッド 20%
上記配合組成物に同重量の水を加えて、ニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形して、直径3.8mmの木軸用非焼成赤色鉛筆芯を得た。
(比較例2)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB18.0) 24%
カスターワックス(融点85℃) 28%
ポリエチレンオキサイド 5%
タルク 23%
群青 10%
フタロシアニンブルー 10%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径4.4mmの青色芯とし、さらに紙を複数回巻いて、直径8.0mmの青色固形描画材を得た。
ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB18.0) 24%
カスターワックス(融点85℃) 28%
ポリエチレンオキサイド 5%
タルク 23%
群青 10%
フタロシアニンブルー 10%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径4.4mmの青色芯とし、さらに紙を複数回巻いて、直径8.0mmの青色固形描画材を得た。
(比較例3)
パルミチン酸ソルビタン(HLB6.7) 45%
ポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイド共重合体 15%
カオリン 15%
二酸化チタン 15%
ジスアゾイエローAAA 2%
フタロシアニングリーン 8%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの緑色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの緑色固形描画材を得た。
パルミチン酸ソルビタン(HLB6.7) 45%
ポリエチレンオキサイド・ポリプロピレンオキサイド共重合体 15%
カオリン 15%
二酸化チタン 15%
ジスアゾイエローAAA 2%
フタロシアニングリーン 8%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの緑色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの緑色固形描画材を得た。
上記実施例1〜3、及び、比較例1〜3の固形描画材について、下記評価方法により、強度、コピー紙、牛乳パック、PETフィルム、ホワイトボード(WB)に描画する際の着色性および消去性について、各評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
これらの結果を下記表1に示す。
(1)強度の評価方法
紙、シール等を巻いていない芯を、23℃の温度下、支点間60mmで3点曲げ強度測定し、折損した際の荷重を求めた。単位はメガパスカル(MPa)。
紙、シール等を巻いていない芯を、23℃の温度下、支点間60mmで3点曲げ強度測定し、折損した際の荷重を求めた。単位はメガパスカル(MPa)。
(2)着色性の評価方法
コピー用紙、牛乳パック、PETフィルム、ホワイトボード(WB)に描画し、その時の着色性をA〜Eの5段階で評価した。5段階評価中、Aが最も描線が濃く、Eが最も描線が薄い、もしくは描けない。
コピー用紙、牛乳パック、PETフィルム、ホワイトボード(WB)に描画し、その時の着色性をA〜Eの5段階で評価した。5段階評価中、Aが最も描線が濃く、Eが最も描線が薄い、もしくは描けない。
(3)消去性の評価方法
上記(2)の着色性の評価でPETフィルム、ホワイトボードに描いた描線をティッシュペーパーで擦り、その時の消去性をA〜Eの5段階で評価した。5段階評価中、Aが最も良く消え、Eが最も消えが悪い。ただし、上記(2)の着色性の評価で描けない物、あるいは非常に描線が薄いものは、消去性評価をEとした。
上記(2)の着色性の評価でPETフィルム、ホワイトボードに描いた描線をティッシュペーパーで擦り、その時の消去性をA〜Eの5段階で評価した。5段階評価中、Aが最も良く消え、Eが最も消えが悪い。ただし、上記(2)の着色性の評価で描けない物、あるいは非常に描線が薄いものは、消去性評価をEとした。
表1に示したとおり、本発明の実施例1〜3は、いずれも良好な結果であった。
これに対して、比較例1〜3は、アート紙、牛乳パック、PETフィルム等平滑面では、滑って濃く描画できなかった。また、溶解性評価も、描線が薄く、溶解後濃度が薄いため、その分、D、Eと低評価になった。
これに対して、比較例1〜3は、アート紙、牛乳パック、PETフィルム等平滑面では、滑って濃く描画できなかった。また、溶解性評価も、描線が薄く、溶解後濃度が薄いため、その分、D、Eと低評価になった。
通常の上質紙、画用紙、コピー用紙等の紙類はもちろん、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等プラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面にも濃く描画することが可能で、かつ、描画後、これら描画した面を水を含ませた筆等でなぞることで、容易に、かつ、均一に描画面が溶解し、水彩絵具のような描画面が得られ、かつ、十分な強度、滑らかな書き味を有する水溶性固形描画材が得られる。
Claims (9)
- 少なくとも、炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる1種以上と、ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤と、樹脂と、着色材と、体質材とを含有してなることを特徴とする水溶性固形描画材。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が下記式(I)で示される二塩基酸及びその誘導体であることを特徴とする請求項1記載の水溶性固形描画材。
[化1]
R2OOC−R1−COOR3 ………(I)
〔上記式(I)中のR1は炭素数12〜28の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基又はアルケニレン基であり、R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アルカリ金属、アミン塩、エポキシ基、フェニル基、グリセリンである。〕 - 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体が炭素数12〜30の長鎖二塩基酸ジクリシジルエステルであることを特徴とする請求項1記載の水溶性固形描画材。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の融点が70℃以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体の含有量が、水溶性固形描画材全量に対して、1〜12質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
- ワックスとして融点45〜85℃であり、かつ、HLB12以上の界面活性剤が全ワックス中に、50質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
- 炭素数12〜30の二塩基酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(A)と、水溶性固形描画材に含有される全ワックス(B)との質量比(A):(B)が、2.5:100〜18:100の範囲であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
- 樹脂は、水に完全溶解する水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の水溶性固形描画材。
- 水溶性樹脂は、乾燥時融点または軟化点が100℃以下であることを特徴とする請求項8に記載の水溶性固形描画材。
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JP2018127558A (ja) * | 2017-02-09 | 2018-08-16 | 株式会社サクラクレパス | 固形水彩絵具組成物 |
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-
2014
- 2014-04-28 JP JP2014092442A patent/JP2015209507A/ja active Pending
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