JP7028440B2 - 固形水彩絵具組成物 - Google Patents

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Description

この発明は、固形水彩絵具組成物に関するものである。
従来から、水を含ませた筆でその表面を擦って筆に顔料成分を含ませ、画用紙等の描画対象に描画することができる固形水彩絵具組成物が、特開昭58-96661号公報(特許文献1)および特開2007-9198号公報(特許文献2)に開示されている。
特開昭58-96661号公報 特開2007-9198号公報
固形水彩絵具組成物はブロック状の形態を有しており、仕切りが設けられたパレットに色毎に配置されている。ユーザーは描画をする際に描画したい色に相当する固形水彩絵具組成物を目視で選択し、水を含ませた筆で固形水彩絵具組成物の表面を擦って固形水彩絵具組成物を筆に含ませることとしている。そして、固形水彩絵具組成物を含ませた筆により描画対象となる画用紙等に描画する。
ここで、固形水彩絵具組成物については、水を含んだ筆で擦っても、十分に筆側に固形水彩絵具組成物の成分が移行せず、色によっては発色性に乏しい場合がある。このような状況はできるだけ避けることが望ましい。
この発明の目的は、発色性が良好な固形水彩絵具組成物を提供することである。
この発明に係る固形水彩絵具組成物は、30質量%以上の顔料と、25質量%以下の水と、湿潤剤と、平均分子量1000以上のポリエチレングリコールとを含む。
この発明に係る固形水彩絵具組成物は、30質量%以上の顔料と、25質量%以下の水とを含む。そして、湿潤剤および平均分子量1000以上のポリエチレングリコールを含むため、固形水彩絵具組成物を筆に含ませる際に、良好な水溶け性を確保して、筆に固形水彩絵具組成物を十分に含ませることができる。したがって、発色性を良好にすることができる。また、平均分子量1000以上のポリエチレングリコールを含むため、固形水彩絵具組成物自体が高湿度の環境下に置かれても、固形水彩絵具組成物の溶け出しを抑制することができる。そうすると、パレットやケース、包装資材を汚染するおそれを低減することができる。したがって、このような固形水彩絵具組成物は、ユーザーが利用しやすいものとなる。
この発明に係る固形水彩絵具組成物に含まれるポリエチレングリコールの含有割合は、20質量%以下であることが好ましい。こうすることにより、固形水彩絵具組成物を筆に含ませる際に、溶けにくくなるおそれを低減することができる。
この発明に係る固形水彩絵具組成物において、顔料のうち、体質顔料以外の顔料の割合は、30質量%以上である。こうすることにより、色によらず、発色性を良好にすることができる。
上記固形水彩絵具組成物は、さらに水溶性樹脂を含んでもよい。水溶性樹脂は、紙に顔料を定着させる展色剤として利用することができる。
上記水溶性樹脂は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、およびメチルヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される一種または二種以上の物質であってもよい。このような水溶性樹脂は、展色剤、および顔料を固結させる固結剤として良好である。
水溶性樹脂は、セルロースエーテル系水溶性樹脂であり、セルロースエーテル系水溶性樹脂の含有割合は、30質量%以下であるようにしてもよい。こうすることにより、より良好な固形水彩絵具組成物を得ることができる。
上記固形水彩絵具組成物は、さらに界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、顔料の分散助剤として利用することができる。
上記顔料は、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、ベントナイト、珪酸、および珪酸アルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の物質を含んでもよい。これらの物質は、主として賦形剤としての作用をなす。
上記湿潤剤は、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、および尿素からなる群から選択される一種または二種以上の物質であってもよい。このような湿潤剤は、凍結防止剤、および乾燥遅延剤として利用することができる。
上記顔料は、有機顔料、無機顔料、レーキ顔料、パール顔料、および蛍光顔料からなる群から選択される一種または二種以上の物質であってもよい。このような顔料を含むことで、良好な固形水彩絵具組成物を提供することができる。
このような構成の固形水彩絵具組成物は、発色性が良好である。
この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物の外観を示す斜視図である。 この発明の一実施形態に係る複数の固形水彩絵具組成物が収容されたパレットの外観の一部を示す斜視図である。 この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物を用いて描画する際の筆の外観を示す斜視図である。 この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物の代表的な製造工程を示すフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物の外観を示す斜視図である。図1を参照して、この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物11は、直方体形状であって、いわゆるブロック状である。すなわち、未使用の状態において、直方体形状に成型される。使用されるに従い、その大きさは徐々に小さくなる。それぞれの角については、若干丸められた形状である。図1中の矢印Dで示す下向きに見た場合に、固形水彩絵具組成物11の表側に位置する一つの面12は、略正方形状である。
図2は、複数の固形水彩絵具組成物11が収容されたパレットの外観の一部を示す斜視図である。図2を参照して、パレット13には、固形水彩絵具組成物11を収容する複数の凹部14が形成されている。凹部14の形状は、固形水彩絵具組成物11の直方体形状に沿ったものである。それぞれの凹部14に、色の異なる複数の固形水彩絵具組成物11が収容されている。収容された固形水彩絵具組成物11は、その直方体形状を構成する一つの面12が表側に露出した状態である。
図3は、固形水彩絵具組成物11を用いて描画する際の筆の外観を示す斜視図である。図3を参照して、筆15は、描画する際に固形水彩絵具組成物11を含ませる毛部16と、描画時等に主にユーザーが握る胴部17とを備える。胴部17は、中央の領域で第一の部材18、および第二の部材19に分離可能な構成である。第二の部材19の内方側には空洞が設けられており、胴部17を分離して、第二の部材19の内側に水を収容することができる。第二の部材19の空洞に所定量の水を収容し、第一の部材18と第二の部材19を接合し、第二の部材19の領域をユーザーの指等で押圧することにより、第二の部材19内に収容させた水を第一の部材18を通じて毛部16側に染み出させることができる。すなわち、第二の部材19内に収容させた水により毛部16を適量の水で濡らすことができる。ユーザーは、胴部17を持ち、水で濡らせた毛部16により固形水彩絵具組成物11のうちの表側に露出する面12をある程度の圧力で数回擦って、固形水彩絵具組成物11の一部を筆15側に付着させる。そして、固形水彩絵具組成物11を含まれた筆15の毛部16により、画用紙等の描画対象に塗って描画する。色の選択については、固形水彩絵具組成物11の表面を見てユーザーが判断する。
なお、固形水彩絵具組成物11の形状については、直方体形状であることとしたが、これに限らず、立方体形状や薄板状であってもよいし、柱状や棒状であってもよい。すなわち、使用される用途や求められる使い勝手等に応じて、任意にその形状が定められる。
ここで、固形水彩絵具組成物11は、30質量%以上の顔料と、25質量%以下の水と、湿潤剤と、平均分子量1000以上のポリエチレングリコールとを含む。以下、固形水彩絵具組成物11を構成する成分の詳細について説明する。
(1)顔料
顔料としては、固形水彩絵具組成物11を着色する意味で、種々のものが用いられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料、レーキ顔料、パール顔料、蛍光顔料およびその他の固形水彩絵具組成物11に用いられる顔料として一般的な着色剤などが挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。すなわち、固形水彩絵具組成物11を構成する顔料は、有機顔料、無機顔料、レーキ顔料、パール顔料、および蛍光顔料からなる群から選択される一種または二種以上の物質とすることができる。
顔料の含有割合については、30質量%以上である。また、固形水彩絵具組成物11に含まれる水は、25質量%以下である。すなわち、固形水彩絵具組成物11の全体に対して、30質量%以上の顔料が含まれる。このような構成によれば、図1に示すような固形水彩絵具組成物11としての形態を保つことができる。
ここで、顔料のうちの体質顔料は、主として賦形剤としての作用をなす。体質顔料としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、ベントナイト、珪酸、珪酸アルミニウム等が挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。固形水彩絵具組成物11を構成する顔料に含まれる体質顔料は、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、ベントナイト、珪酸、および珪酸アルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の物質とすることができる。なお、顔料としてパール顔料や蛍光顔料を採用する際には、色の濁りを抑制する観点から、体質顔料の含有割合を低く、たとえば、1.0質量%以下とすることが望ましい。
ここで、顔料のうちの体質顔料については、過剰な添加により、色によっては発色性が損なわれるおそれがある。たとえば、上記したパール顔料と共に体質顔料を含有させる場合において、その傾向は顕著である。したがって、顔料のうち、体質顔料以外の顔料の含有割合を30質量%以上とすることが好ましい。こうすることにより、色によらず、発色性を良好にすることができる。
(2)水溶性樹脂
固形水彩絵具組成物11に含まれる水溶性樹脂として、主に紙に顔料を定着させる展色剤として用いられる水溶性樹脂をさらに含むことが好ましい。具体的には、アラビアガム、デキストリン、ポリビニルアルコール(PVA(Polyvinyl Alcohol))、ポリビニルピロリドン(PVP(Polyvinylpyrrolidone))等が挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。固形水彩絵具組成物11を構成する水溶性樹脂は、アラビアガム、デキストリン、ポリビニルアルコール(PVA)、およびポリビニルピロリドン(PVP)からなる群から選択される一種または二種以上の物質とすることができる。
また、固形水彩絵具組成物11に含まれる水溶性樹脂として、セルロースエーテル系水溶性樹脂を用いてもよい。このようなセルロースエーテル系水溶性樹脂は、展色剤、および顔料を固結させる固結剤として良好である。セルロースエーテル系水溶性樹脂としては、セルロースエーテルを含む水溶性樹脂であり、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。固形水彩絵具組成物11を構成するセルロースエーテル系水溶性樹脂は、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC(Sodium Carboxymethyl Cellulose))、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、およびメチルヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される一種または二種以上の物質とすることができる。
セルロースエーテル系水溶性樹脂の含有割合として、過剰に含有させると、色によっては発色性が低下したり、水溶け性が低下したりする場合がある。したがって、全体に対して30質量%以下とすることが好ましい。
(3)湿潤剤
固形水彩絵具組成物11は、凍結防止剤、乾燥遅延剤として作用する湿潤剤を含むことが好ましい。湿潤剤は、描画を終えた後の塗膜のひび割れ防止にも作用する。湿潤剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、尿素等が挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。固形水彩絵具組成物11を構成する湿潤剤は、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、および尿素からなる群から選択される一種または二種以上の物質とすることができる。
ここで、固形水彩絵具組成物11は、さらなる湿潤剤として平均分子量1000以上のポリエチレングリコール(PEG(Polyethylene glycol))を含む。このようなPEGは、分子量がある程度高いため、水溶け性を良好にすることができる。なお、このような平均分子量については、日本分光株式会社製のGPC(Gel Permiation Chromatography)分析装置による測定により導出される。より好ましくは、平均分子量が1000~8300程度のPEGを用いる。なお、このようなPEGの含有の有無については、たとえば、ガスクロマトグラフィーによる分析で判断することができる。
(4)界面活性剤(分散剤)
固形水彩絵具組成物11は、顔料の分散助剤として作用する界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。なお、このような界面活性剤の含有の有無については、たとえば、FT-IR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)分析により判断することができる。
(5)その他の成分
固形水彩絵具組成物11は、上記(1)~(4)の成分のほか、例えば、消泡剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤等を含んでいてもよい。消泡剤としては、消泡効果を奏する界面活性剤が挙げられる。消泡効果を奏する界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、疎水性シリカ系界面活性剤、金属石鹸系界面活性剤、ポリエーテル系界面活性剤等が挙げられる。これらの物質は、単独または複数種を組み合わせて用いても良い。固形水彩絵具組成物11を構成する界面活性剤は、シリコーン系界面活性剤、疎水性シリカ系界面活性剤、金属石鹸系界面活性剤、およびポリエーテル系界面活性剤からなる群から選択される一種または二種以上の物質とすることができる。
次に、この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物11の製造方法の概略について、説明する。図4は、この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物11の代表的な製造工程を示すフローチャートである。
図4を参照して、まず、顔料、水溶性樹脂、湿潤剤、平均分子量1000以上のPEG、界面活性剤、防腐剤、および水をそれぞれ所定量準備する。そして、ニーダーで準備した材料を混練する(S11:混練工程)。
次に、混練した混練物を土練機で成型する(S12:成型工程)。この場合、細長い棒状、具体的には、四角柱状となるよう成型する。なお、成型後、45℃の状態で24時間乾燥させる。この段階における成形物に含まれる水の含有割合は、色によって多少の差異はあるものの、5.0質量%~16.0質量%程度である。
その後、成型したものを、所定の大きさに切断する(S13:切断工程)。この時に、上記した図1に示す固形水彩絵具組成物11の形状に近い形状となる。
そして、得られたものを乾燥させる(S14:乾燥工程)。乾燥工程については、自然乾燥である。このようにして、この発明の一実施形態に係る固形水彩絵具組成物11を得る。
成分組成の異なる固形水彩絵具組成物を実施例1~実施例11に示す配合に沿って作製し、評価試験を実施した。具体的な評価試験の内容については、後述する。また、この発明の範囲外であり、成分組成の異なる固形水彩絵具組成物を比較例1~比較例3に示す配合に沿って作製した。そして、同様に評価試験を実施した。実施例1~実施例11、および比較例1~比較例3の配合および評価結果については、表1および表2に示す。なお、表1および表2中の「-」は、材料が含まれていないことを示している。また、表1および表2中の数値の単位は、質量%である。以下に、実施例1~実施例11、および比較例1~比較例3の配合の詳細について説明する。
Figure 0007028440000001
Figure 0007028440000002
(実施例1)
実施例1に係る固形水彩絵具組成物の製造に際し、以下の材料を準備した。具体的には、顔料としてPR101(茶色系顔料)である商品名「バンドアンバーターキー」(三重カラーテクノ社製)、体質顔料として硫酸バリウムである商品名「簸性(ひせい)硫酸バリウム」(堺化学工業株式会社製)、同じく体質顔料としてカオリナイトである「KAOLINE ASP#170P」(林化成株式会社製)、同じく体質顔料としてモンモリロナイトである商品名「ベントナイト」(株式会社ホージュン製)、水溶性樹脂としてアラビアガムである商品名「インスタントガム BA」(ネキシラ社製)、同じく水溶性樹脂として焙焼デキストリンである商品名「赤玉デキストリン No.102S」(日澱化学株式会社製)、湿潤剤としてグリセリンである商品名「精製グリセリン」(新日本理化株式会社製)、平均分子量1000以上のPEGとして平均分子量が1000であるポリエチレングリコールである商品名「PEG-1000」(三洋化成工業株式会社製、平均分子量1000)、分散剤としてアニオン系界面活性剤である商品名「プライサーフA-212E」(第一工業製薬株式会社製)、防腐剤として商品名「サンアイバックSA」(三愛石油株式会社製)、および水を準備した。各材料を表1に示す配合割合で混ぜ、図4に示す製造工程に従い、実施例1に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、65%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例2)
実施例2に係る固形水彩絵具組成物の製造に際し、以下の材料を準備した。平均分子量1000以上のPEGとして平均分子量が8300である商品名「PEG-6000S」(三洋化成工業株式会社製、平均分子量8300)を準備した。顔料、水溶性樹脂、湿潤剤、分散剤、および防腐剤については、実施例1と同じものを用いた。各材料を表1に示す配合割合で混ぜ、図4に示す製造工程に従い、実施例2に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、65%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例3)
実施例2に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、および平均分子量が8300であるPEGの含有割合を表1に示す割合とした以外は実施例2と同様の工程で実施例3に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、70%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例4)
実施例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、および平均分子量が1000であるPEGの含有割合を表1に示す割合とした以外は実施例1と同様の工程で実施例4に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、49%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例5)
実施例2に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、および平均分子量が8300であるPEGの含有割合を表1に示す割合とした以外は実施例2と同様の工程で実施例5に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、49%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例6)
実施例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、平均分子量が1000であるPEGおよび平均分子量が8300であるPEGの含有割合を表1に示す割合とした以外は実施例1と同様の工程で実施例6に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、65%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例7)
実施例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、平均分子量が1000であるPEGおよび平均分子量が8300であるPEGの含有割合を表1に示す割合とした以外は実施例1と同様の工程で実施例7に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、49%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例8)
実施例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、および平均分子量が1000であるPEGの含有割合を表2に示す割合とした以外は実施例1と同様の工程で実施例8に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、70%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例9)
実施例2に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、および平均分子量が8300であるPEGの含有割合を表2に示す割合とした以外は実施例2と同様の工程で実施例9に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、70%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例10)
実施例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、およびカオリナイトを含まず、平均分子量が1000であるPEGの含有割合を表2に示す割合とした以外は実施例1と同様の工程で実施例10に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、43%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(実施例11)
実施例2に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、およびカオリナイトを含まず、平均分子量が8300であるPEGの含有割合を表2に示す割合とした以外は実施例2と同様の工程で実施例11に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、43%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(比較例1)
比較例1に係る固形水彩絵具組成物の製造に際し、以下の材料を準備した。平均分子量200のPEGである商品名「PEG-200」(三洋化成工業株式会社製、平均分子量200)を準備した。顔料、水溶性樹脂、湿潤剤、分散剤、および防腐剤については、実施例1と同じものを用いた。各材料を表2に示す割合で混ぜ、図4に示す製造工程に従い、比較例1に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、65%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(比較例2)
比較例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、硫酸バリウム、カオリナイト、および平均分子量が200であるPEGの含有割合を表2に示す割合とした以外は比較例1と同様の工程で比較例2に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、49%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
(比較例3)
比較例1に係る固形水彩絵具組成物の製造工程において、PEGを含まず、硫酸バリウム、およびカオリナイトの含有割合を表2に示す割合とした以外は比較例1と同様の工程で比較例3に係る固形水彩絵具組成物を得た。得られた固形水彩絵具組成物における顔料の含有割合は、71%であり、水の含有割合は、0.3%であった。
次に、評価試験の内容について説明する。評価試験については、以下の二つの評価項目について実施した。
水溶け性については、上記した図3に示す筆15で毛部16に水をたっぷりと含ませ、固形水彩絵具組成物11の面12を5回擦り、画用紙にまず塗布する。そして、色がはっきり目視で判別できる程度に着色する場合を「A」、着色するが色がはっきり判別できない場合を「B」、着色しない場合を「C」として評価した。「A」および「B」の評価までが、問題のないレベルである。
耐高湿度性については、固形水彩絵具組成物11を温度20℃、湿度100%の条件下で保存した。そして、保存後の状態に変化がなかった場合を「A」、溶け出すまではいかないが、やや変形した場合を「B」、保存後の状態において固形水彩絵具組成物11が溶け出し、変形した場合を「C」として評価した。「A」および「B」の評価が、問題のないレベルである。
表1および表2を参照して、実施例1~実施例7については、「水溶け性」、および「耐高湿度性」は全て「A」の評価であり、優良なものとなっている。実施例8および実施例9については、「耐高湿度性」について全て「A」の評価であるが、「水溶け性」については、「B」の評価である。したがって、良好な水溶け性を確保したい場合には、平均分子量1000以上のPEGの含有割合を0.50質量%よりも多くするのが良い。実施例10および実施例11については、「水溶け性」について全て「A」の評価であるが、「耐高湿度性」については、「B」の評価である。したがって、良好な耐高湿度性を確保したい場合には、平均分子量1000以上のPEGの含有割合を25.0質量%よりも少なくするのが良い。
これらに対し、比較例1~比較例3を見てみると、少なくともいずれかの項目で、「C」の評価となっている。具体的には、平均分子量1000以上のPEGを含有せず、平均分子量200のPEGを含有した比較例1および比較例2については、「耐高湿度性」の項目で「C」の評価となっている。したがって、含有されたPEGの平均分子量が1000以上ではなく200である系については、「耐高湿度性」が不十分である。PEGを全く含有しない比較例3については、「水溶け性」の項目で「C」の評価となっている。したがって、PEGを全く含有しない系については、「水溶け性」が不十分である。
以上より、この発明に係る固形水彩絵具組成物によれば、発色性が良好である。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明に係る固形水彩絵具組成物は、良好な発色性が要求される場合に、特に有効に利用される。
11 固形水彩絵具組成物、12 面、13 パレット、14 凹部、15 筆、16 毛部、17 胴部、18 第一の部材、19 第二の部材。

Claims (3)

  1. ブロック状の固形水彩絵具組成物であって、
    描画する際に、水で濡らせた筆の毛部で前記固形水彩絵具組成物の表面を擦って前記固形水彩絵具組成物を前記毛部に付着させて用いられ、
    30質量%以上の顔料と、
    0.3質量%以上16質量%以下の水と、
    湿潤剤(ポリエチレングリコールを除く)と、
    平均分子量1000以上8300以下であって、0.54質量%以上27質量%以下のポリエチレングリコールとを含む、固形水彩絵具組成物。
  2. 前記ポリエチレングリコールの含有割合は、20質量%以下である、請求項1に記載の固形水彩絵具組成物。
  3. 前記顔料のうち体質顔料以外の顔料の割合は、30質量%以上である、請求項1または請求項2に記載の固形水彩絵具組成物。
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