JP4181512B2 - 木質軸材の接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ラグスクリューボルトを用いて木質軸材相互を剛に接合するための接合構造に関する。
モーメント抵抗接合法による木質軸材の接合構造として、特許文献1には、ラグスクリューボルトを用いたものが開示されている。これは、例えば図19に示すように、ラグスクリューボルト40と引張ボルト240を用いて、柱(第1木質軸材)10と梁(第2木質軸材)20とを接合する構造である。ラグスクリューボルト40には、基端面41から所定長さの雌ネジ孔42が形成されている。引張ボルト240は、軸部の両端に雄ネジ部241,242が形成され、一方の雄ネジ部241がラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42に螺合可能となっている。また、梁20の所定位置には所定大きさの欠込部Kが形成され、さらに木口21と欠込部Kとの間を貫通する貫通孔28が形成されている。そして、基端面41が柱10の側面11と面一に露出する位置まで、ラグスクリューボルト40を柱10にねじ込み固定した後、引張ボルト240の雄ネジ部241をラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42に螺着固定し、さらに、引張ボルト240を梁20の貫通孔28に嵌挿して、欠込部K内に突出した引張ボルト240の雄ネジ部242を座金243を介してナット244で締結固定することにより、柱10と梁20とが剛に接合される。
特開2000−265553公報([0027]−[0045],[0054]−[0069],図1−4,14−21)
しかしながら、かかる木質軸材の接合構造では、一方の部材(梁20)に所定大きさの欠込部Kを形成する必要があり、この欠込部Kが部材断面を大きく減少させるので、接合部の強度が不充分となるおそれがある。また、この欠込部Kを加工する手間がかかり、コストダウンの妨げとなることがある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来のように部材に大きな欠込部を形成せずに済み、施工性も強度も高い木質軸材の接合構造(以下、単に「接合構造」という。)を提案する点にある。
請求項1に係る発明は、ラグスクリューボルトと中空断面部を有する金属製のベース材とを用い、基礎の上方に木質の柱を立設接合する接合構造であって、前記ラグスクリューボルトは、その基端面に開口し、軸方向に所定長さを有する雌ネジ孔が形成され、前記ラグスクリューボルトの前記基端面が前記柱の底面から突出しないように、当該柱に当該ラグスクリューボルトが埋設され、前記ベース材は、前記基礎の上面に沿って配置される下板部と、この下板部から所定高さで平行に配置される上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結し該上板部を支持する縦板部と、を備え、前記中空断面部から前記下板部を介して、前記基礎に埋設されたアンカーボルトの上端部がナット締結され、前記中空断面部から前記上板部を介して、前記ラグスクリューボルトの前記雌ネジ孔にボルトが螺合され、前記柱の底面を、その中央部の稜線から外周縁に向かって上方に傾斜するような傾斜面として形成した、ことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、ラグスクリューボルトと中空断面部を有する金属製のベース材とを用い、基礎の上方に木質の柱を立設接合する接合構造であって、前記ラグスクリューボルトは、その基端面に開口し、軸方向に所定長さを有する雌ネジ孔が形成され、前記ラグスクリューボルトの前記基端面が前記柱の底面から突出しないように、当該柱に当該ラグスクリューボルトが埋設され、前記ベース材は、前記基礎の上面に沿って配置される下板部と、この下板部から所定高さで平行に配置される上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結し該上板部を支持する縦板部と、を備え、前記中空断面部から前記下板部を介して、前記基礎に埋設されたアンカーボルトの上端部がナット締結され、前記中空断面部から前記上板部を介して、前記ラグスクリューボルトの前記雌ネジ孔にボルトが螺合され、前記柱の底面を、その中央部から四方の外周縁にむかって上方に傾斜するような傾斜面に形成した、ことを特徴とする。
かかる接合構造は、柱にラグスクリューボルトを埋設し、これを利用してベース材の上板部を固定するとともに、ベース材の下板部を介して突出するアンカーボルトにナットを締結することにより、柱を基礎に接合するものであり、やはり、従来のように軸材に大きな欠込部を形成せずとも、柱とベース材ないし基礎との間でせん断力とモーメントを確実に伝達することができるようになっている。
なお、柱の底面はベース材の上板部と同様水平でもよいが、柱の下端部の割裂防止のために、柱の底面をその中央部から外周縁に向かって徐々に上方に傾斜するような傾斜面として形成することが望ましい。
本発明によれば、従来のように軸材に大きな欠込部を形成せずに済み、施工性も強度も高いモーメント抵抗接合法による接合構造を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、説明において、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
<第一実施形態>
図1及び図2に示すように、第一実施形態の接合構造は、第一木質軸材たる柱10の側面11,12にそれぞれ第二木質軸材たる梁20,30の木口21,31を接合するものである。つまり、本接合構造では、柱10に二方向から梁20,30が接合されている。また、本接合構造では、ラグスクリューボルト40と、長ボルト50と、ワッシャープレート60と、ダボ70が用いられている。
柱10は木質部材であり、その互いに直交する側面11,12にはそれぞれ、ダボ70が嵌入される浅溝11a,12aが形成されている。また、柱10には、梁20,30に埋設されるラグスクリューボルト40と対応する位置に同方向のボルト挿通孔15,16が穿設されている。ボルト挿通孔15は柱10の側面11及びその反対側の側面13に開口している。ボルト挿通孔16はボルト挿通孔15と直交する向きで、かつ、高さ位置をずらして、柱10の側面12及びその反対側の側面14に開口している。
梁20も木質部材であり、その木口21にはダボ70が嵌入される浅溝21aが形成されている。また、梁20には、柱10のボルト挿通孔15と対応する位置に、該梁20の軸方向に沿う先孔22が穿設されている。先孔22の径は、ラグスクリューボルト40の軸径T1(図3(a)参照)と同じかそれよりやや大きく、ラグスクリューボルト40のネジ山径T2よりも小さい。先孔22の長さは、ラグスクリューボルト40の全長L1と同じかそれよりやや長い。
梁30も梁20と略同様の構成であり、その木口31には浅溝31aが形成されている。また、柱10のボルト挿通孔16と対応する位置に先孔32が穿設されている。先孔32の径や長さは先孔22と同様である。
ラグスクリューボルト40は、図2に示すように梁20の先孔22及び梁30の先孔32にねじ込まれ、梁20,30に埋設される。埋設状態で、ラグスクリューボルト40の基端面41は梁20の木口21及び梁30の木口31と面一又はこれよりもやや引っ込んだ状態となっている。図3(a)に示すように、ラグスクリューボルト40は、基端面41に開口するように長さL2の雌ネジ孔42が形成され、全長がL1、軸径がT1、ネジ山径がT2となっている。なお、本実施形態のラグスクリューボルト40の先端部は寸切形であるが、図3(b)に示すように先端部がテーパ状に尖ったラグスクリューボルト40’を用いてもよい。この場合、先端のテーパ部を除くラグスクリューボルト40’の長さL1と略同様の長さで、梁20,30の先孔22,32を加工する。
長ボルト50は、軸の一端部(先端部)に、ラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42の長さL2をカバーするように雄ネジ部51が形成されている。軸の他端部には、頭部52が形成されている。なお、この頭部52付きの長ボルト50を、軸ボルトとナットの組合せで代替してもよい。
ワッシャープレート60は、本発明においては必須ではないが、長ボルト50の頭部52が柱10の側面13,14にめり込むことを防止するために有効であり、ラグスクリューボルト40に対応する位置に、長ボルト50を挿通するためのボルト挿通孔61が形成されている。
ダボ70は、柱10の浅溝11aと梁20の浅溝21aとを合わせてなる空洞部分や、柱10の浅溝12aと梁30の浅溝31aとを合わせてなる空洞部分と同一断面形状の木質部材である。このダボ70は、柱10と梁20との間に作用するせん断力を伝達するせん断力伝達機構として機能する。
施工手順としては、まず、梁20の先孔22及び梁30の先孔32にラグスクリューボルト40をねじ込む。この作業は現場で行ってもよいが、工場で行っておくと、現場作業の省力化を図ることができる。
次に、梁20の木口21及び梁30の木口31をそれぞれ、柱10の側面11,12の所定位置に近づけて保持する。また、柱10の反対側の側面13,14にはそれぞれワッシャープレート60を配置保持する。そしてこの状態で、柱10の側面13,14側からワッシャープレート60のボルト挿通孔61、柱10のボルト挿通孔15,16に長ボルト50を挿通し、この長ボルト50の雄ネジ部51を梁20に埋設されたラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42に螺合し、締め付ける。すると、長ボルト50の頭部52はワッシャープレート60を介して柱10の側面13,14に強く押し付けられる。
最後に、柱10の浅溝11aと梁20の浅溝21aとを合わせてなる空洞部分と、柱10の浅溝12aと梁30の浅溝31aとを合わせてなる空洞部分に、それぞれダボ70を嵌入すれば完了である。
このようにして構成された接合構造は、柱10に長ボルト50を貫通させる形式であり、従来のように梁20,30に大きな欠込部を形成せずとも、柱10と梁20,30との間でせん断力とモーメントを確実に伝達することができるようになっている。特にせん断力に関しては、ダボ70により、簡易かつ確実に伝達される。
なお、本実施形態では柱10に対して二方向の梁20,30を接合しているところ、一方向のみから梁を接合してもよいし、三方向又は四方向から梁を接合するようにしてもよい(以下の実施形態も同様)。もちろん二方向以上から梁を接合する場合には、柱10の内部で長ボルト50、50(ボルト挿通孔15,16)が干渉しないように配慮する必要がある。
また、本実施形態は柱10の側面11,12に梁20,30の木口21,31を接合する柱勝ちの納まりとなっているが、逆に柱10の頂部に梁20又は梁30の上面又は底面を接合する梁勝ちの納まりとすることもできる(以下の実施形態も同様)。
さらに、本実施形態では、せん断力伝達機構として水平方向のダボ70を使用しているので、梁20から柱10に対して上下方向のせん断力のみ伝達可能となっているが、場合によっては、水平方向のせん断力のみ伝達可能な形状のダボとしたり、水平方向及び上下方向のせん断力を伝達可能な形状のダボとしてもよい。具体的には、スプリットリングやシェアプレート等を用いることができる。スプリットリングを用いる場合には、浅溝を環状に形成し、当該浅溝にスプリットリングを貫入する。これにより、全方向のせん断力が伝達可能になる。
また、本実施形態では、2つのラグスクリューボルト40、40と、2本の長ボルト50、50により、1本の梁20(30)を柱10に接合しているが、ラグスクリューボルト40と、長ボルト50の本数は、柱10や梁20の大きさや断面力に合わせて適宜増減可能である。他の実施形態においても同様である。
<第二実施形態>
第二実施形態の接合構造は、第一実施形態の接合構造と略同様であるが、せん断力伝達機構の構成が異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図4に示すように、柱10の側面11の一部が切り欠かれて顎掛部11bとして形成されており、この顎掛部11bに梁20の木口部20aが載せ掛けられている。したがって、柱10に顎掛部11bを形成するだけの簡易な構成により、梁20から柱10への下方向のせん断力が確実に伝達される。もちろん、顎掛部11bの形状はこれに限定されるものではなく、任意方向のせん断力が伝達されるような形状とすればよい。
なお、ここでは顎掛部11bを、柱10の側面11の一部を切り欠かいて形成したが、柱10の側面11に沿って、別の木材を取り付けることにより、顎掛部11bを形成してもよい。取り付け方法は、螺子、くぎ、接着等どのような方法であってもよい。
<第三実施形態>
第三実施形態の接合構造は、第一実施形態の接合構造と略同様であるが、せん断力伝達機構の構成が異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図5に示すように、柱10の側面11と梁20の底面23とが交差する入隅部に沿って、木ネジ81等のような適宜の手段でアングル材80が固定されている。このようにアングル材80を用いるという簡易な構成でも、梁20から柱10への上下方向のせん断力が確実に伝達される。もちろん、アングル材80の固定位置はこれに限定されず、例えば、柱10の側面11と梁20の上面24とに沿ってアングル材80を固定するようにしてもよい。
なお、アングル材80を現場搬入前に柱10又は梁20に固定しておくような施工手順とすることも可能である。
<第四実施形態>
図6及び図7に示すように、第四実施形態の接合構造は、第一木質軸材たる柱10と第二木質軸材たる梁20とを接合するものであって、ラグスクリューボルト40と、断面H形の接合金具90と、ボルト50’とを用いる。梁20は第一実施形態と同一の構成である。
柱10は、梁20の先孔22と同様で逆向きの先孔17が穿設されており、この先孔17に梁20の先孔22に埋設されるラグスクリューボルト40と逆向きで同じラグスクリューボルト40が埋設される。
接合金具90はウェブ91とフランジ92,93とで水平断面H形に形成され、フランジ92,93にはそれぞれ、ラグスクリューボルト40と対応する位置に、ボルト50’を挿通するためのボルト挿通孔92a,93aが穿設されている。
施工手順としては、まず、柱10の先孔17及び梁20の先孔22にラグスクリューボルト40をねじ込む。この作業は現場で行ってもよいが、工場で行っておくと、現場作業の省力化を図ることができる。
次に、柱10、梁20、接合金具90を所定位置に近づけて保持する。そしてこの状態で、接合金具90のフランジ92の内側からボルト50’をボルト挿通孔92aに通し、さらに柱10の先孔17に埋設されたラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42に螺合するとともに、接合金具90のフランジ93の内側からボルト50’をボルト挿通孔93aに通し、さらに梁20の先孔22に埋設されたラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42に螺合することにより、接合金具90を介して柱10と梁20とを接合する。
なお、接合金具90を現場搬入前に柱10又は梁20に接合してしまう施工手順とすることもできる。
このようにして構成された接合構造は、柱10にもラグスクリューボルト40を埋設しておいて、接合金具90を介して柱10と梁20とを接合する形式であり、従来のように梁20,30に大きな欠込部を形成せずとも、柱10と梁20,30との間でせん断力とモーメントを確実に伝達することができるようになっている。
<第五実施形態>
第五実施形態の接合構造は、第四実施形態の接合構造と略同様であるが、接合金具の構成が異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図8に示すように、対向配置した一対の断面T形の分割金具94,95のウェブ94a,95a同士をガセットプレート96で接合することにより、断面H形の接合金具を構成するようにしたので、施工手順の自由度が増し、例えば柱10、梁20にそれぞれ分割金具94,95をセットした状態で工場出荷し、現場では分割金具94,95同士をガセットプレート96で接合するだけとして、現場施工の迅速化・省力化を図るというようなことが可能となる。なお、接合強度を高めるために、ガセットプレート96を各分割金具94,95に固定する際のボルト97として、ハイテンションボルトを用いることが望ましい。
<第六実施形態>
第六実施形態の接合構造は、第四実施形態の接合構造と略同様であるが、接合対象となる部材が異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図9に示すように、断面H形の接合金具90を用いて梁20と梁30とを一直線状に接合している。
<第七実施形態>
第七実施形態の接合構造は、第五実施形態の接合構造と略同様であるが、接合対象となる部材が異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図10に示すように、対向配置した一対の断面T形の分割金具94,95のウェブ94a,95a同士をガセットプレート96で接合することにより、断面H形の接合金具を構成し、これを介して梁20と梁30とを一直線状に接合している。
<第八実施形態>
第八実施形態の接合構造は、第六実施形態の接合構造と略同様であるが、部材の接合の向きが若干異なり、それに応じて接合金具の形状が若干異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図11に示すように、断面H形の接合金具97を用いて梁20と梁30とを折れ線状に接合している。接合金具97には補強リブ97aが形成されている。
<第九実施形態>
第九実施形態の接合構造は、第七実施形態の接合構造と略同様であるが、部材の接合の向きが若干異なり、それに応じて接合金具の形状が若干異なる。つまり、本実施形態の接合構造では、図12に示すように、対向配置した一対の断面T形の分割金具94,98のウェブ94a,98a同士をガセットプレート96で接合することにより、断面H形の接合金具を構成し、これを介して梁20と梁30とを折れ線状に接合している。
<第十実施形態>
図13及び図14に示すように、第十実施形態の接合構造は、第一木質軸材たる柱10と第二木質軸材たる梁20とを接合するものであって、ラグスクリューボルト40と、断面T形の接合金具100と、ドリフトピン110とを用いる。
柱10は、第四実施形態と同様の構成である。
梁20は、木口21に開口するように所定長さの縦スリット24が形成されるとともに、側面25,26に開口するようにドリフトピン貫入用の先孔27,27,…が貫通形成されている。先孔27の径はドリフトピン110の径と同じである。
接合金具100は、第五実施形態の断面T形の分割金具94と、平板状の分割金具101とを、第五実施形態のガセットプレート96で接合することにより全体として断面T形としたものである。平板状の分割金具101は、その大部分が梁20の縦スリット24に貫入されることとなるものであって、梁20の先孔27,27,…と対応する位置にドリフトピン挿通孔101a,101a,…が穿設されている。分割金具101の高さは梁20のせいと同程度であり、分割金具101の厚さは梁20の縦スリット24の幅と同程度である。
ドリフトピン110の全長は梁20の幅と同程度である。
施工手順としては、まず、柱10の先孔17にラグスクリューボルト40をねじ込む。そして、これを利用して柱10に分割金具94を固定する。さらに、分割金具94に分割金具101を接合して、柱10に接合金具100を固定した状態とする。これらの作業は現場で行ってもよいが、工場で行っておくと、現場作業の省力化を図ることができる。
次に、梁20の縦スリット24に接合金具100の分割金具101を嵌入し、梁20の側面25又は側面26からドリフトピン110を先孔27及びドリフトピン挿通孔101aに貫入すれば、完了である。
なお、施工手順は適宜変更可能である。たとえば、柱10に分割金具94を、梁20に分割金具101を貫入しておき、現場では分割金具94と分割金具101とをガセットプレート96で接合するだけとしてもよい。
このようにして構成された接合構造は、柱10にもラグスクリューボルト40を埋設しておいて、断面T形の接合金具100を介して柱10と梁20とを接合する形式であり、従来のように梁20に大きな欠込部を形成せずとも、柱10と梁20との間でせん断力とモーメントを確実に伝達することができるようになっている。
なお、接合金具100を一体物で形成してもよいことは言うまでもない。
<第十一実施形態>
図15及び図16に示すように、第十一実施形態の接合構造は、鉄筋コンクリート製の基礎120の上方に金属製のベース材130を介して木質の柱10’を立設接合するものであって、ラグスクリューボルト40と、ボルト50’とを用いる。
柱10’の底面17には、ベース材130の長手方向に沿った中央の稜線と、この稜線から二股に分かれて上向きにやや傾斜する傾斜面とが形成されている。そして、底面17に開口する先孔18が柱10’の軸方向に形成されている。
ベース材130は、基礎120の上面に沿って配置される下板部131と、この下板部131から所定高さで平行に配置される上板部132と、下板部131と上板部132とを連結し、上板部132を支持する縦板部133とで、断面I形に形成されており、側方から手を入れて作業するための中空断面部134を備えるものである。ベース材130の下板部131には、該ベース材130を基礎120に固定するアンカーボルト121を挿通するための挿通孔131aが穿設されている。また、ベース材130の上板部132には、該ベース材130に柱10’を固定するボルト50’を挿通するための挿通孔132aが穿設されている。
施工手順としては、まず、柱10の先孔18にラグスクリューボルト40をねじ込む。この作業は現場で行ってもよいが、工場で行っておくと、現場作業の省力化を図ることができる。
次に、基礎120の上面にベース材130を配置し、基礎120に埋設したアンカーボルト121の上端部を、ベース材130の下板部131の挿通孔131aに挿通し、アンカーボルト121の上端部にナット122を螺合することにより、ベース材130を基礎120に固定する。なお、このナット122はダブルナットであることが望ましい。
また、ベース材130の中空断面部134から上板部132の挿通孔132aを通して、ラグスクリューボルト40の雌ネジ孔42にボルト50’を螺合することにより、柱10’をベース材130に固定する。
このようにして構成された接合構造は、柱10’にラグスクリューボルト40を埋設し、これを利用してベース材130の上板部132を固定するとともに、ベース材130の下板部131を介して突出するアンカーボルト121にナット122を締結することにより、柱10’を基礎120に接合するものであり、やはり、従来のように軸材に大きな欠込部を形成せずとも、柱10’とベース材130ないし基礎120との間でせん断力とモーメントを確実に伝達することができるようになっている。
なお、ここでは柱10’の底面17を、その中央部の稜線から外周縁に向かって徐々に上方に傾斜するような傾斜面として形成して、柱10’の下端部の割裂を防止するようにしたが、これに代えてベース材130の上板部132と同様の水平面としてもよい。
また、図示は省略するが、柱10’の底面17を、その中央部から四方の外周縁にむかって徐々に上方に傾斜するような傾斜面(逆錐体形状)に形成し、4本のラグスクリューボルト40を90°間隔で埋設するとともに、ベース材130の上板部132に4箇所の挿通孔132aを形成し、4本のボルト50’によって、柱10’をベース材130に固定してもよい。なお、柱10’に埋設するラグスクリューボルト40の本数は、柱10’の断面積や柱10’にかかる荷重に合わせて適宜増減可能であることはいうまでもない。
また、本実施形態では、ベース材130の長さを柱10’の幅よりも大きくとってあるが、ベース材130の長さは柱10’の幅と同じくらいであってもよい。この場合、ベース材130の縦板部133と直交する方向に補強用のリブを設けるのが望ましい。
<参考例1>
図17は、参考例1に係る接合構造を示し、柱200の両側面に梁210,220を接合するものである。柱200にはラグスクリューボルト230が埋設されている。このラグスクリューボルト230は、両端面に開口する二本の雌ネジ孔が形成されたものである。また梁220の所定位置には欠込部Kが形成されていて、ここから手を入れて、ラグスクリューボルト230の雌ネジ孔に一端を螺合した引張ボルト240の他端にナット241を螺合する。
<参考例2>
図18は、参考例2に係る接合構造を示し、鉄筋コンクリート製の基礎120の上方に金属製のベース材250を介して木質の柱260を接合するものである。ベース材250は第十一実施形態のベース材130の上面に縦板部251が固定されたものである。そしてこの縦板部251を柱260の縦スリットに嵌入して、柱260の側面からドリフトピン270を打ち込む。その他は第十一実施形態と同様である。
本発明に係る接合構造の第一実施形態を表す分解斜視図である。 本発明に係る接合構造の第一実施形態を表す縦断面図である。 ラグスクリューボルトを示す側面図である。 本発明に係る接合構造の第二実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第三実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第四実施形態を表す分解斜視図である。 本発明に係る接合構造の第四実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第五実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第六実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第七実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第八実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第九実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第十実施形態を表す分解斜視図である。 本発明に係る接合構造の第十実施形態を表す縦断面図である。 本発明に係る接合構造の第十一実施形態を表す分解斜視図である。 本発明に係る接合構造の第十一実施形態を表す縦断面図である。 参考例1に係る接合構造を表す縦断面図である。 参考例2に係る接合構造を表す縦断面図である。 従来の接合構造を表す分解斜視図である。
符号の説明
10,10’ 柱
11,12 側面
11b 顎掛部
15,16 ボルト挿通孔
17 底面
18 先孔
20,30 梁
20a 木口部
21,31 木口
25 側面
40 ラグスクリューボルト
41 基端面
42 雌ネジ孔
50 長ボルト
51 雄ネジ部
50’ ボルト
70 ダボ
80 アングル材
90 接合金具
91 ウェブ
92,93 フランジ
94,95 分割金具
94a,95a ウェブ
96 ガセットプレート
97 ボルト
100 接合金具
110 ドリフトピン
120 基礎
122 ナット
130 ベース材
131 下板部
132 上板部
133 縦板部
134 中空断面部

Claims (2)

  1. ラグスクリューボルトと中空断面部を有する金属製のベース材とを用い、基礎の上方に木質の柱を立設接合する接合構造であって、
    前記ラグスクリューボルトは、その基端面に開口し、軸方向に所定長さを有する雌ネジ孔が形成され、
    前記ラグスクリューボルトの前記基端面が前記柱の底面から突出しないように、当該柱に当該ラグスクリューボルトが埋設され、
    前記ベース材は、前記基礎の上面に沿って配置される下板部と、この下板部から所定高さで平行に配置される上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結し該上板部を支持する縦板部と、を備え、
    前記中空断面部から前記下板部を介して、前記基礎に埋設されたアンカーボルトの上端部がナット締結され、
    前記中空断面部から前記上板部を介して、前記ラグスクリューボルトの前記雌ネジ孔にボルトが螺合され、
    前記柱の底面を、その中央部の稜線から外周縁に向かって上方に傾斜するような傾斜面として形成した、
    ことを特徴とする木質軸材の接合構造。
  2. ラグスクリューボルトと中空断面部を有する金属製のベース材とを用い、基礎の上方に木質の柱を立設接合する接合構造であって、
    前記ラグスクリューボルトは、その基端面に開口し、軸方向に所定長さを有する雌ネジ孔が形成され、
    前記ラグスクリューボルトの前記基端面が前記柱の底面から突出しないように、当該柱に当該ラグスクリューボルトが埋設され、
    前記ベース材は、前記基礎の上面に沿って配置される下板部と、この下板部から所定高さで平行に配置される上板部と、前記下板部と前記上板部とを連結し該上板部を支持する縦板部と、を備え、
    前記中空断面部から前記下板部を介して、前記基礎に埋設されたアンカーボルトの上端部がナット締結され、
    前記中空断面部から前記上板部を介して、前記ラグスクリューボルトの前記雌ネジ孔にボルトが螺合され、
    前記柱の底面を、その中央部から四方の外周縁にむかって上方に傾斜するような傾斜面に形成した、
    ことを特徴とする木質軸材の接合構造。
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