JP2007077629A - 接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法 - Google Patents

接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法 Download PDF

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拓之 中島
Shigeaki Kawahara
重明 川原
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Kohei Komatsu
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Abstract

【課題】 所定の結合強度を確保しつつ、木質部材に真っ直ぐに且つ容易にねじ込むことができる接合金具を提供する。
【解決手段】 長円柱状の軸部1と、この軸部1の一端に形成された頭部2とからなり、木質部材M同士を接合するのに用いられる接合金具C。前記軸部1の外周面にはねじ部3が形成されており、前記頭部2の中心部には、前記軸部1の軸方向に沿って雌ねじ部4が穿設されている。前記ねじ部3のピッチをPとし、前記軸部1の外径をDとしたとき、Dが20mm以上であり、且つ、接合金具Cを埋め込むために前記木質部材Mに形成した下穴内に供給される接着剤が当該接合金具Cの埋め込み時に開口側に上昇し易いように、ピッチと外径の比P/Dは、0.3〜0.5である。
【選択図】 図1

Description

本発明は接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法に関する。さらに詳しくは、木造建築、特に大規模木造建築において、木質部材同士を接合するのに用いられる接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法に関する。
木造建築において木材や集成材等の木質部材同士を接合する手段として、従来より、嵌合、釘、ボルト等が知られているが、近年、接合部の剛性を高めるために、特に体育館、講堂、ホール等の大規模木造建築において、ラグスクリューが用いられている。
このラグスクリュー30は、図11に示されるように、外周面にねじ部33が形成された軸部31と、この軸部31の一端に形成された頭部32とからなっており、前記軸部31における、頭部32と反対側の端部は先が尖った先細部31aとなっている。ラグスクリュー30のねじ長さL及び軸部31の外径Dは、通常、それぞれ60〜150mm、及び12〜20mm程度であり、その全長は、ねじ長さLの1.5〜2.0倍程度にされている。
前記ラグスクリュー30を木質部材に埋め込む場合、まず当該木質部材に下穴を穿設し、ついでラグスクリュー30の断面6角形の頭部32を利用して、当該ラグスクリュー30の軸部31を前記下穴にねじ込んでいた。
前記ラグスクリュー30を用いた木質部材の接合方法では、当該ラグスクリュー30と木質部材の結合強度を確保するために、下穴の内径を軸部31の外径Dの40〜70%程度に設定している。このため、大径又は長尺のラグスクリューを打ち込む場合、木質部材への負荷が大きく、打ち込み時に木質部材が割れ、所定の強度を確保することができないという問題があった。
また、下穴はラグスクリューの軸径に対して小さいため、大きなトルクを加えながら当該ラグスクリューを真っ直ぐに打ち込むことは非常に難しかった。そして、このことは、ラグスクリューが大径又は長尺になるほど、ほとんど不可能であった。
さらに、ラグスクリューを打ち込むための六角形の頭部は、打ち込み時に当該ラグスクリューに大きなトルクを与える必要から、軸部よりも大きくなっている(六角形頭部の対角長さは軸部の1.6〜2.2倍である)ことから、木質部材に形成される座堀が大きくなり、木質部材の強度低下を招くという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の有する欠点を解消するためになされたものであり、所定の結合強度を確保しつつ、木質部材に真っ直ぐに且つ容易にねじ込むことができる接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法を提供することを目的としている。
本発明の接合金具は、長円柱状の軸部と、この軸部の一端に形成された頭部とからなり、木質部材同士を接合するのに用いられる接合金具であって、
前記軸部の外周面にはねじ部が形成されており、
前記頭部の中心部には、前記軸部の軸方向に沿って雌ねじ部が穿設されており、且つ
前記ねじ部のピッチをPとし、前記軸部の外径をDとしたとき、Dが20mm以上であり、且つ、接合金具を埋め込むために前記木質部材に形成した下穴内に供給される接着剤が当該接合金具の埋め込み時に開口側に上昇し易いように、ピッチと外径の比P/Dが、0.3〜0.5であることを特徴としている。
本発明の接合金具では、軸部の外周面に形成されたねじ部のピッチPと当該軸部の外径Dとの比P/Dが、0.3〜0.5であり、従来のラグスクリューに比べて、ピッチが大きく設定されている。すなわち、ねじ部のうち「谷」の部分の占める割合が大きいので、接着剤を供給した下穴内に軸部をねじ込むと、前記「谷」の部分を介して接着剤が容易に軸部全体に行き渡る。その結果、軸部を下穴にねじ込み易くするために前記下穴の内径を従来より大きめ(例えば、下穴の内径を軸部の外径の80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部と木質部材との結合強度を確保することができる。
また、長円柱状の軸部と、この軸部の一端に形成された頭部とからなり、木質部材同士を接合するのに用いられる接合金具であって、
前記軸部の外周面にはねじ部が形成されており、
前記頭部の中心部には、前記軸部の軸方向に沿って雌ねじ部が穿設されており、且つ
前記軸部の外周面には、接合金具を埋め込むために前記木質部材に形成した下穴内に供給される接着剤が当該接合金具の埋め込み時に開口側に上昇し易いように、当該軸部の軸方向に沿って少なくとも1本の溝が形成されていることを特徴としている。
この場合は、前記「谷」の部分に代えて、軸部の外周面に形成された溝を介して、接着剤が容易に軸部全体に行き渡る。その結果、前記と同様に軸部を下穴にねじ込み易くするために前記下穴の内径を従来より大きめ(例えば、下穴の内径を軸部の外径の80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部と木質部材との結合強度を確保することができる。
前記軸部の全長に亘って前記ねじ部が形成されているのが好ましい。この構成によれば、木質部材との結合に寄与する面積が最大限大きくなり、当該木質部材との結合強度を大きくすることができる。
また、前記軸部における、前記頭部と反対側の端部が、先端に行くに従い先細となるテーパ状に形成されており、前記ねじ部のねじ山の高さが先端に行くに従い低くなっているのが好ましい。この場合、軸部の先端が先細形状であり、ねじ部のねじ山の高さが先端に行くに従い低くなっているので、当該軸部を容易に下穴に挿入することができ、また当該下穴内における接合金具の直進性を向上させることができる。このため、接合金具を真っ直ぐに、且つ容易に下穴内に挿入することができる。
前記軸部の外径と前記頭部の外径が略同一であるのが好ましい。この場合、1本の長円柱状部材に研削加工やねじ切り加工等を施すことで、接合金具を作製することができ、製作工程を簡略化するとともに、コストダウンを図ることができる。しかも、軸部の外径と頭部の外径が略同一であるため、従来のものに比べて木質部材に形成する「座堀」を小さくすることができ、その結果、当該「座堀」を形成したことに起因する木質部材の強度低下を抑えることができる。
本発明の接合金具の埋め込み方法は、前述した接合金具を木質部材に埋め込む方法であって、
前記軸部の外径よりも径小の下穴を前記木質部材に穿設する工程と、
前記下穴内に接着剤を供給する工程と、
接着剤が供給された下穴に接合金具をねじ込む工程
とを含むことを特徴としている。
本発明の接合金具の埋め込み方法では、補助的に接着剤を利用して接合金具を木質部材に結合しているが、ねじ部のうち「谷」の部分の占める割合が大きいか、又は軸部の外周面に溝が形成されているので、接着剤を供給した下穴内に軸部をねじ込むと、前記「谷」の部分又は溝を介して接着剤が容易に軸部全体に行き渡る。その結果、軸部を下穴にねじ込み易くするために前記下穴の内径を従来より大きめ(例えば、下穴の内径を軸部の外径の80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部と木質部材との結合強度を確保することができる。
また、本発明の接合金具の埋め込み方法は、前述した接合金具のうち、軸部外周に溝が形成された接合金具を木質部材に埋め込む方法であって、
前記軸部の外径よりも径小の下穴を前記木質部材に穿設する工程と、
前記下穴に接合金具をねじ込む工程と、
前記軸部の外周に形成された溝を利用して前記下穴内に接着剤を供給する工程
とを含むことを特徴としている。この場合、下穴に接合金具をねじ込んだ後に、軸部の外周に形成された溝を利用して、下穴内に接着剤を供給しており、前記溝を介して、接着剤を容易に軸部全体に行き渡らせることができる。その結果、前記と同様に軸部を下穴にねじ込み易くするために前記下穴の内径を従来より大きめ(例えば、下穴の内径を軸部の外径の80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部と木質部材との結合強度を確保することができる。
穿設された下穴の内周面に、前記軸部のねじ部と同ピッチの案内用雌ねじを形成する工程をさらに含むのが好ましい。この場合、軸部のねじ部と同ピッチの案内用雌ねじを形成することで、当該軸部を一層容易に下穴内に挿入することができる。
本発明の接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法によれば、所定の結合強度を確保しつつ、木質部材に真っ直ぐに且つ容易にねじ込むことができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の接合金具及びこの接合金具の埋め込み方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る接合金具の平面図であり、図2は図1に示される接合金具を頭部側から見た側面図である。この接合金具Cは、長円柱状の軸部1と、この軸部1の一端に形成された頭部2とからなり、木材や集成材等の木質部材同士を接合するのに用いられる。接合金具Cは、建築構造用圧延棒鋼(SNR490B)、機械構造用炭素鋼棒材(S45C)等の金属で作製することができ、本実施の形態では、機械構造用炭素鋼棒材(S45C)からなる長さ40cm程度の丸棒に六角頭部加工、テーパ加工、ねじ切り加工(雄ねじと雌ねじの加工)を施すことで接合金具Cを作製している。1本の部材に研削加工等を施して接合金具Cを作製することで、製作工程を簡略化するとともに、コストダウンを図ることができる。
前記軸部1の外周面にはねじ部3が形成されており、また前記頭部2の中心部には、前記軸部1の軸方向に沿って雌ねじ部4が穿設されている。この雌ねじ部4は、後述するように、木質部材に埋め込まれた接合金具Cを補助金具に固定するための固定ボルトを螺入するのに用いられる。本実施の形態に係る接合金具Cは、木質部材に穿設された下穴内にねじ込まれることで当該木質部材と結合されるが、この結合は、前記ねじ部3と下穴内周面との噛み込み、及び前記下穴内に供給される接着剤によって行なわれる。
本実施の形態では、前記ねじ部3のピッチをPとし、前記軸部の外径をDとすると、Dは20mmであり、またピッチと外径の比P/Dは、0.3〜0.5、好ましくは0.35〜0.45に設定されている。従来のラグスクリューでは、前記P/Dは0.25〜0.29であり、本実施の形態は、かかる従来のラグスクリューに比べて、ピッチPが大きく設定されている。すなわち、ねじ部3のうち「谷」の部分5の占める割合が大きいので、接着剤を供給した下穴内に軸部1をねじ込むと、前記「谷」の部分5を介して接着剤が容易に軸部1全体に行き渡る。その結果、軸部1を下穴にねじ込み易くするために前記下穴の内径を従来より大きめ(例えば、下穴の内径を軸部1の外径Dの80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部1と木質部材との結合強度を確保することができる。
なお、図3に示されるように、前記ねじ部3のねじ山が、軸部1の軸線となす角度αは、通常、60〜85°程度であり、またねじ山先端部の角度βは、45〜75°程度である。
また、本実施の形態では、軸部1の全長に亘って前記ねじ部3が形成されており、これにより、木質部材との結合に寄与する面積が最大限大きくなり、当該木質部材との結合強度を大きくすることができる。
さらに、前記軸部1における、前記頭部2と反対側の端部が、先端に行くに従い先細となるテーパ状に形成されており、前記ねじ部3のねじ山6の高さが先端に行くに従い低くなっている。このように、軸部1の先端を先細形状とし、ねじ部3のねじ山6の高さを先端に行くに従い低くすることで、当該軸部1を容易に下穴に挿入することができ、また下穴内における接合金具Cの直進性を向上させることができる。その結果、接合金具Cを真っ直ぐに、且つ容易に下穴内に挿入することができる。
また、本実施の形態では、前述したように、丸棒を加工して接合金具Cを作製しており、軸部1の外径Dと前記頭部2の外径dが略同一である(図2参照。なお、本実施の形態において、頭部の外径とは、正六角形の頭部における頂点と頂点を結ぶ線分の長さのことをいう)。この場合、軸部1の外径Dと頭部2の外径dが略同一であるため、従来のものに比べて木質部材に形成する「座堀」を小さくすることができ、その結果、当該「座堀」を形成したことに起因する木質部材の強度低下を抑えることができる。
なお、前記雌ねじ部4は、頭部2だけでなく、図4に示されるように、当該頭部2と反対側の軸部端部に形成することができる。この場合、例えば柱の両側に梁を接合するに際し、両端に雌ねじ部4を有する接合金具を柱に埋め込めば、1本の接合金具でもって2本の梁を接合することができ、各梁に対して別々の接合金具を用いるのに比べ、柱内の接合金具の数を1/2に低減させることができる。
図5は本発明のさらに他の実施の形態に係る接合金具の平面図であり、図6は図5のA−A線断面図である。この接合金具Cは、軸部1の外周面に当該軸部1の軸方向に沿って少なくとも1本の溝7が形成されている点が、図1〜3に示される実施の形態と異なっており、その他の構成は同じであるので、共通する構成についての説明は省略する。
前記溝7は、軸部1の軸方向に垂直な断面の形状が矩形状であり、その幅W(図6参照)は1〜5mm程度である。本実施の形態では、軸部1の軸方向に垂直な断面において、周方向に90°間隔で4本の溝7が形成されている。前記「谷」の部分5と同じく、この溝7を介して接着剤は容易に軸部1全体に行き渡ることができる。その結果、前記と同様に軸部1を下穴にねじ込み易くするために前記下穴の内径を従来より大きめ(例えば、下穴の内径を軸部の外径の80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部1と木質部材との結合強度を確実に確保することができる。本実施の形態では、前記「谷」の部分5の幅を広くするとともに、軸部1の外周に4本の溝7を形成しているので、図1〜2に示される実施の形態に比べてさらに容易に接着剤を軸部1全体に行き渡らせることができる。
なお、前記溝7の断面形状としては、前記矩形状以外に、三角形状(図7参照)、U字状等他の形状を採用することもできる。また、溝7の本数は、4本に限定されるものではなく、1本であってもよいし、また2本であってもよく、溝7の幅や使用する接着剤の粘度等に応じて適宜選定することができる。
図8は本発明の他の実施の形態に係る接合金具の平面図であり、この実施の形態では、軸部1全体ではなく、当該軸部1のうち頭部2側の部分だけに溝7が形成されている。接合金具を木質部材に打ち込む際、軸部1の先端に近い部分で当該接合金具の溝を木質部材に切りながら接合金具が打ち込まれるが、軸部1の先端に近い部分のねじを完全に残すことで、この木質部材への切り込みを容易にすることができる。また、木質部材の下穴内に充填した接着剤は、軸部1の先端に近い部分については溝を形成しなくても頭部側に上昇させることが可能であり、軸部1全長に接着剤を供給することができる。
つぎに、本発明の接合金具の埋め込み方法について、図9を用いて説明をする。なお、図9及び後出する図10においては、分かり易くするために、接合金具等の一部の構成を実線で描いている。
まず、木質部材Mにドリル等を用いて軸部1の外径Dよりも径小の下穴8を穿設し、ついで前記木質部材Mの木口面Maに、同じくドリル等を用いて座堀部9を形成する(図9の(a)参照)。その後、ガンタイプの接着剤供給器10を用いて、前記下穴8内に所定量の接着剤11を供給又は充填する(図9の(b)参照)。接着剤11の種類は、接合金具Cと木質部材Mとを接着することができるかぎり、どのような接着剤を用いてもよく、本発明において特に限定されるものではないが、例えばエポキシ樹脂接着剤を用いることができる。なお、前記接着剤供給器10以外の機器を用いて接着剤を供給してもよく、また、機器を用いることなく、へら等を用いて手で接着剤を下穴8内に供給してもよい。
ついで、接着剤が供給された下穴8に、例えばインパクトレンチを用いて接合金具Cをねじ込む(図9の(c)参照)。その際、本発明の接合金具Cでは、前述したように、ねじ部3のうち「谷」の部分5の占める割合が大きいか、又は軸部1の外周面に溝7が形成されているので、接着剤を供給した下穴8内に軸部1をねじ込むと、前記「谷」の部分5又は溝7を介して接着剤が容易に軸部1全体に行き渡る。その結果、軸部1を下穴8にねじ込み易くするために前記下穴8の内径を従来より大きめ(例えば、下穴8の内径を軸1部の外径の80〜95%程度に設定)にしても、当該軸部1と木質部材Mとの結合強度を確保することができる。
なお、軸部1外周に溝7が形成された接合金具Cを木質部材Mに埋め込む場合、下穴8に接合金具Cをねじ込んだ後に、軸部1の外周に形成された溝7を利用して、下穴8内に接着剤を供給することもできる。この場合も前記溝7を介して、接着剤を容易に軸部1全体に行き渡らせることができる。
また、穿設された下穴8の内周面に、前記軸部1のねじ部3と同ピッチの案内用雌ねじ(図示せず)を形成する工程をさらに含むのが好ましい。この場合、軸部1のねじ部3と同ピッチの案内用雌ねじを形成することで、当該軸部1を一層容易に下穴8内に挿入することができる。
本発明の接合金具Cは、例えば図10に示すようにして用いることができる。図10は、本発明の接合金具Cを用いて柱M1と梁M2を接合する場合を示しており、(a)は平面説明図であり、(b)は側面説明図である。接合されるべき柱M1及び梁M2のうち、梁M2の端部(柱M1に接合される側の端部)には、予め金物用のシャクリ部19が形成されている。このシャクリ部19は、梁M2の端部において上下方向に形成された断面略コの字状の溝である。ついで、柱M1及び梁M2の接合金具Cを打ち込むべき箇所に座堀部9及び下穴を形成する。そして、接合金具Cを柱M1、梁M2にそれぞれ埋め込んだ後、前記シャクリ部19に断面略□の字状の補助金具12を装着する。この補助金具12の短辺部12aには、前記接合金具Cの頭部2に形成された雌ねじ部に螺合される固定ボルト13のねじ部が挿通し得る大きさの孔が穿設されている。補助金具12を装着した後、前記柱M1及び梁M2を所定の位置に配置し、ついで前記補助金具12の上又は下から固定ボルト13を前記接合金具Cの頭部2の雌ねじ部4に螺合することにより、補助金具12を介して柱M1と梁M2を接合することができる。接合完了後、前記シャクリ部19の上下の開口箇所には、接合金具Cを隠すための木製カバー20が取り付けられる。
なお、図10に示される接合方法は単なる例示にすぎず、本発明の接合金具Cは、木造構造における他の接合箇所においても用いることができる。また、使用する接合金具Cの本数は、接合する木質部材のサイズや当該木質部材に作用する荷重等を考慮して選定することができる。例えば図10に示される例では、梁の中央に1本の接合金具Cが用いられているが、梁の上部と下部のそれぞれに1本ずつ、又は2本ずつの接合金具Cを用いることもできる。
本発明の接合金具の一実施の形態の平面図である。 図1に示される接合金具を頭部側から見た側面図である。 図1に示される接合金具のねじ部の詳細平面図である。 本発明の接合金具の他の実施の形態の平面図である。 本発明の接合金具のさらに他の実施の形態の平面図である。 図5のA−A線断面図である。 溝の他の例を示す断面図である。 本発明の接合金具の他の実施の形態の平面図である。 本発明の接合金具の埋め込み方法の一実施の形態を模式的に説明する図である。 本発明の接合金具の使用例を示す図である。 従来のラグスクリューの平面図である。
符号の説明
1軸部
2頭部
3ねじ部
4雌ねじ部
7溝
8下穴
9座堀部
C接合金具
M木質部材

Claims (8)

  1. 長円柱状の軸部と、この軸部の一端に形成された頭部とからなり、木質部材同士を接合するのに用いられる接合金具であって、
    前記軸部の外周面にはねじ部が形成されており、
    前記頭部の中心部には、前記軸部の軸方向に沿って雌ねじ部が穿設されており、且つ
    前記ねじ部のピッチをPとし、前記軸部の外径をDとしたとき、Dが20mm以上であり、且つ、接合金具を埋め込むために前記木質部材に形成した下穴内に供給される接着剤が当該接合金具の埋め込み時に開口側に上昇し易いように、ピッチと外径の比P/Dが、0.3〜0.5であることを特徴とする接合金具。
  2. 長円柱状の軸部と、この軸部の一端に形成された頭部とからなり、木質部材同士を接合するのに用いられる接合金具であって、
    前記軸部の外周面にはねじ部が形成されており、
    前記頭部の中心部には、前記軸部の軸方向に沿って雌ねじ部が穿設されており、且つ
    前記軸部の外周面には、接合金具を埋め込むために前記木質部材に形成した下穴内に供給される接着剤が当該接合金具の埋め込み時に開口側に上昇し易いように、当該軸部の軸方向に沿って少なくとも1本の溝が形成されていることを特徴とする接合金具。
  3. 前記軸部の全長に亘って前記ねじ部が形成されている請求項1〜2のいずれかに記載の接合金具。
  4. 前記軸部における、前記頭部と反対側の端部が、先端に行くに従い先細となるテーパ状に形成されており、前記ねじ部のねじ山の高さが先端に行くに従い低くなっている請求項1〜3のいずれかに記載の接合金具。
  5. 前記軸部の外径と前記頭部の外径が略同一である請求項1〜4のいずれかに記載の接合金具。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の接合金具を木質部材に埋め込む方法であって、
    前記軸部の外径よりも径小の下穴を前記木質部材に穿設する工程と、
    前記下穴内に接着剤を供給する工程と、
    接着剤が供給された下穴に接合金具をねじ込む工程
    とを含むことを特徴とする接合金具の埋め込み方法。
  7. 請求項2〜5のいずれかに記載の接合金具を木質部材に埋め込む方法であって、
    前記軸部の外径よりも径小の下穴を前記木質部材に穿設する工程と、
    前記下穴に接合金具をねじ込む工程と、
    前記軸部の外周に形成された溝を利用して前記下穴内に接着剤を供給する工程
    とを含むことを特徴とする接合金具の埋め込み方法。
  8. 穿設された下穴の内周面に、前記軸部のねじ部と同ピッチの案内用雌ねじを形成する工程をさらに含む請求項6〜7のいずれかに記載の埋め込み方法。
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