JP5442365B2 - 補強梁接合金物 - Google Patents

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Description

本発明は、既存の柱間または梁間に架け渡された既存の梁の下側に設置される補強梁の端部を既存の柱または梁に接合するための補強梁接合金物に関し、主に木造住宅などの木造建物のリフォームに適用される。
例えば、木造住宅をリフォームする場合において、間取りの変更などにより既存の梁の下に設置されている既存の柱を撤去する場合、あるいは既存の梁の上に新たに柱を建て付ける場合などには、その既存の梁を補強する必要がある。
このような場合、既存の梁の下側に補強梁を新たに設置して既存の梁の梁成を増す補強方法が一般に行われている。
その際、図5(a),(b)に図示するように、通常、既存の梁2は撤去せずそのままとし、補強梁3は既存の柱1,1間に横方向から差し込み、補強梁3の端部は柱1の側部を一部欠き込み大入れ継ぎによって接合している。
実開平7−26409号公報 特開2006−132202号公報
しかし、大入れ継ぎは、補強梁3の端部を接合する相手側の柱1の側部を一部切り欠く必要があるため、余計な作業を強いられるだけでなく、断面欠損による柱1の強度低下を免れない等の課題があった。
また、柱1と補強梁3との間に作用する引張りを負担できないため、特に耐震構造上課題があった。さらに、補強梁3の端部を接合する相手方が梁の場合には、上記するような大入れ継ぎが適用できなかった。
なお、梁受け金物は既に利用されているが、従来の梁受け金物は新築用で、相手側の梁に先付けされ、梁は梁受け金物間に上から落とし込んで設置する仕様であるため、木造建築のリフォームに適用できるものではなかった。
仮に、従来の梁受け金物を用いて既存の梁の下に補強梁を設置しようとすると、既存の梁を一時撤去する必要があるために工事が大規模化し、コストが大幅に嵩む等の課題があった。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、既存の梁の下側に補強梁を容易に設置することができ、また補強梁の端部を既存の柱および梁に容易に接合できるようにした補強梁接合金物を提供することを目的とする。
請求項1記載の補強梁接合金物は、既存の柱または梁架け渡された既存の梁の下側に設置される補強梁の端部を、前記柱または梁に接合するための補強梁接合金物において、前記柱または梁の側部に止め付けられる固定部と当該固定部の下端部に前記補強梁の軸方向に突設され、当該補強梁のに止め付けられる下部梁受け部と、前記固定部の上端部に前記補強梁の軸方向に突設され、前記補強梁の端部に形成された切欠き部が載置される上部梁受け部と、当該上部梁受け部と前記下部梁受け部との間に設置された補強リブとから構成されてなることを特徴とするものである。
本発明は、木造住宅などの主として木造建築のリフォームにおいて、既存の梁を撤去することなく、既存の梁の下に補強梁を横方向から容易に設置することができ、また補強梁の端部を既存の柱または梁の側面部に容易に接合できるようにしたものである。
本発明によれば、特に補強梁受け金物が補強梁の端部と当該補強梁の端部が接合される相手側の既存の柱または梁の両方に複数のくぎによって止め付けられていることにより、接合部に作用するせん断力および引張り力の両方に抵抗し、耐震性に優れている。
また、補強梁の梁成に関係なく使用することができ、さらに補強梁の下端面とほぼ同一面に取り付けることが可能なため、天井仕上げ材の取付け等に支障を来たすこともない。
請求項2記載の補強梁接合金物は、請求項1記載の補強梁接合金物において、補強リブは、上部梁受け部と下部梁受け部ほぼ中央部と両端部にそれぞれ設置されてなることを特徴とするものであ。
固定部、上部梁受け部および下部梁固定部は、一枚の矩形板状の鋼板から曲げ加工によって形成することができ、補強リブは固定部、上部梁受け部および下部梁受け部とは別体に形成し、これらの部材に溶接により後付けすることができる。また、固定部、上部梁受け部、下部梁受け部および補強リブの全体を鋳造によって一体に形成することもできる。
本発明は、既存の柱または梁の側面部に複数のくぎによって止め付けられる固定部と当該固定部から前記補強梁の下面に添って突設され、前記補強梁の下面部に複数のくぎによって止め付けられる梁受け部とから構成されてなるので、特に木造建築のリフォームにおいて、既存の梁を撤去することなく、既存の梁の下に補強梁を横方向から容易に設置することができ、また補強梁の端部を既存の柱または梁の側面部に容易に接合することができる等の効果を有する。
また、固定部、上部梁受け部および下部梁固定部は、一枚の矩形板状の鋼板から曲げ加工によって形成することができ、補強リブは固定部、上部梁受け部および下部梁受け部とは別体に形成し、これらの部材に溶接により後付けすることができ、さらに固定部、上部梁受け部、下部梁受け部および補強リブの全体を鋳造によって一体に形成することもできるので製作も容易である。
既存の柱の側面部に補強梁の端部が補強梁受け金物を介して接合される状態を示す分解斜視図である。 既存の柱の側面部に補強梁の端部が補強梁受け金物を介して接合された状態を示す側面図である。 既存の梁の側面部に補強梁の端部が梁受け金物を介して接合される状態を示す分解斜視図である。 補強梁受け金物を示し、(a)は正面図、 (b)は平面図、(c)は縦断面図である。 既存の梁の下に補強梁を横方向から設置する方法を示し、(a)は斜視図、(b)は既存の柱と補強梁との接合部を示す側面図である。
図1〜図5は、本発明の一実施形態を示し、図において、既存の柱1,1間に既存の梁2が架け渡され、梁2の下側に補強梁3が新たに架け渡されている。補強梁3の両端部は柱1の側面部に補強梁受け金物4を介して接合されている。
補強梁受け金物4は、柱1の側面部に固定された平板状の固定部4aと、固定部4aの上端部と下端部に補強梁3の長手方向に添ってそれぞれ水平に突設され平板状の上部梁受け部4bおよび下部梁受け部4cとから構成されている。
固定部4a、上部梁受け部4bおよび下部梁受け部4cは補強梁3の梁幅とほぼ同じ幅に形成され、また下部梁受け部4cは上部梁受け部4bより長く形成されている。
さらに、固定部4aと下部梁受け部4cに複数のくぎ孔4eが形成され、上部受け部4bと下部梁受け部4c間のほぼ中央部と両端部に補強リブ4dがそれぞれ取り付けられている。
補強リブ4dは固定部4a、上部梁受け部4bおよび下部梁受け部4cに溶接することによりこれらの部材と一体に取り付けられている。
なお、固定部4a、上部梁受け部4bおよび下部梁受け部4cは、一枚の矩形板状の鋼板から曲げ加工によって形成され、補強リブ4dは固定部4a、上部梁受け部4bおよび下部梁受け部4cとは別体に形成され、これらの部材に溶接により一体的に取り付けられている。
このように形成された補強梁受け金物4は、柱1の側面部に固定部4aを添え付け、固定部4aのくぎ孔4eから柱1の側面部に複数のくぎ5を打ち込むことにより止め付けられている。
また、既存の梁2には、図3に図示するように梁2の側面部に固定部4aを添え付け、固定部4aのくぎ孔4eから梁2の側面部に複数のくぎ5を打ち込むことにより止め付けられている。
一方、補強梁3端部の下端部に切欠部3aが形成されている。切欠部3aは、補強梁3の長手方向に上部梁受け部4bの長さとほぼ同等の深さを有し、かつ補強梁3の高さ方向に固定部4aの高さとほぼ同等の深さに形成されている。
そして、切欠部3aを補強梁4の上部梁受け部4bと下部梁受け部4cの上に載せ、下部梁受け部4cのくぎ孔4eから補強梁3の下面部に複数のくぎ5を打ち込むことにより、補強梁3の端部は補強梁受け金物4の下部梁受け部4cに止め付けられている。
以上のような構成によって補強梁3の端部は既存の柱1の側面部または既存の梁2の側面部に補強梁受け金物4を介して接合されている。
本発明は、既存の梁の下に補強梁を横方向から容易に設置することができ、また補強梁の端部を既存の柱または梁の側面部に容易に接合することができる。
1 既存の柱
2 既存の梁
3 補強梁
3a 切欠部
4 補強梁受け金物
4a 固定部
4b 上部梁受け部
4c 下部梁受け部
4d 補強リブ
4e くぎ孔
5 くぎ

Claims (2)

  1. 既存の柱または梁架け渡された既存の梁の下側に設置される補強梁の端部を、前記柱または梁に接合するための補強梁接合金物において、前記柱または梁の側部に止め付けられる固定部と当該固定部の下端部に前記補強梁の軸方向に突設され、当該補強梁の止め付けられる下部梁受け部と、前記固定部の上端部に前記補強梁の軸方向に突設され、前記補強梁の端部に形成された切欠き部が載置される上部梁受け部と、当該上部梁受け部と前記下部梁受け部との間に設置された補強リブとから構成されてなることを特徴とする補強梁接合金物。
  2. 補強リブは、上部梁受け部と下部梁受け部ほぼ中央部と両端部にそれぞれ設置されてなることを特徴とする請求項1記載の補強梁接合金物。
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