JP6363902B2 - コンクリート構造物の補強構造及び方法 - Google Patents
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Description
この基礎補強工法は、上下方向に間隔をおいて一垂直面内に位置しつつ長手方向へ延びる主筋とその主筋をつなぐため長手方向に間隔をおいて並ぶ縦筋とによって補強された低層住宅用シングル配筋既設RC基礎の立ち上がり面に、長手方向に間隔をおいて一垂直面内に位置する補強用縦筋とその補強用縦筋をつなぐための桟材からなり、上部と下部に配置の二本の桟材と補強用縦筋との交差部で溶接され梯子を横置きしたような形状の一体品をなす付加補強筋組立体をあてがう。その補強筋組立体を露出させないようにアンカーを打つことなく強い付着力を発揮するポリマーセメントモルタルを基礎立ち上がり面に塗着し、基礎を拡幅すると共に剪断耐力の増強が図られるようにする。
これにより、施工が極めて簡単かつ短期に済ませられ、工事の低廉化を促進できる。
この基礎補強構造は、補強すべき基礎の立ち上がりの側壁面に、一方向に延びる補強部(リブ、鉄筋)を有するラス網を、その補強部を水平方向に延設させた状態で貼り付けるとともに、このラス網を埋設する状態でモルタルを塗り付けて壁部を形成することにより、基礎立ち上がりの側壁面を耐震補強する。
コンクリート構造物1の表面にランナ2を固定し、そのランナ2に補強鉄筋3とラス網4を組み付け、コンクリート構造物1の表面に対しランナ2と補強鉄筋3及びラス網4を埋設する状態で補強モルタル5を塗り付けて補強する構造であって、
前記ランナ2に、格子状の補強鉄筋3を挿入して保持する鉄筋保持溝2a・2dと、前記ラス網4を挿入して保持するラス網保持溝2bを形成したことを特徴とする。
請求項1に記載のコンクリート構造物の補強構造において、
前記鉄筋保持溝2a・2dが前記ランナ2に対し斜めに形成されていることを特徴とする。
請求項1または2に記載のコンクリート構造物の補強構造において、
前記格子状の補強鉄筋3が重なる鉄筋継手部に用いる前記ランナ2の前記鉄筋保持溝2dは、前記格子状の補強鉄筋3を2本重ねて挿入して保持し得る幅広形状に形成されていることを特徴とする。
コンクリート構造物1の表面にランナ2を固定し、そのランナ2に補強鉄筋3とラス網4を組み付け、コンクリート構造物1の表面に対しランナ2と補強鉄筋3及びラス網4を埋設する状態で補強モルタル5を塗り付けて補強する方法であって、
格子状の補強鉄筋3を挿入して保持する鉄筋保持溝2a・2dと、前記ラス網4を挿入して保持するラス網保持溝2bが形成された前記ランナ2を用い、
コンクリート構造物1表面に前記ランナ2を固定してから、
コンクリート構造物1表面に対し補強モルタル5を前記ランナ2の前記鉄筋保持溝2a・2dにやや被る厚さに塗り付けて第一層を形成した後、
前記鉄筋保持溝2a・2dに前記格子状の補強鉄筋3を挿入して、前記第一層の補強モルタル5に前記格子状の補強鉄筋3を押し込むことを特徴とする。
そして、コンクリート構造物1表面に対し補強モルタル5をランナ2の鉄筋保持溝2a・2dにやや被る厚さに塗り付けて第一層を形成した後、鉄筋保持溝2a・2dに格子状の補強鉄筋3を挿入して、第一層の補強モルタル5に格子状の補強鉄筋3を押し込むことで、補強モルタル5内に格子状の補強鉄筋3をより確実に埋め込むことができる。
請求項4に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
前記第一層の上に補強モルタル5を前記ランナ2がほぼ隠れる厚さに塗り付けて第二層を形成した後、
前記ラス網保持溝2bに前記ラス網4の一部を挿入して、前記第二層の補強モルタル5に前記ラス網4を押し付けることを特徴とする。
しかも、ラス網4の押し付けにより、補強モルタル5の食い付きをよくすることができて、補強モルタル5にダレ等が生じるのを防止できるとともに、微細なヒビが生じるのも抑制できる。
請求項5に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
前記第二層の上に補強モルタル5を塗り付けて第三層を形成することを特徴とする。
(実施形態)
図1は本発明に係るコンクリート構造物の補強構造として布基礎への適用例を要部破断して示したもので、1は布基礎、2はランナ、3は格子状の補強鉄筋、4はラス網、5は補強モルタルである。
ランナ2には、鉄筋保持溝2aとラス網保持溝2bが形成されている。
補強鉄筋3は、予め横筋(主筋)3aと縦筋(せん断補強筋)3bを格子状に組み付けて構成されている。
図示例では、鋼帯の一方向に延びかつ一定の間隔をおいて形成された複数の帯状部分には切れ目を設けず、その他の部分には切れ目を設けた後に、帯状部分の方向と直交する方向に引き伸ばして網目状部分を形成したラス網4である。
また、切れ目を設けない複数の帯状部分を、その幅方向において略U字状を呈するように折り曲げることで、リブ状部分4bが形成されている。
なお、鉄筋保持溝2aは、格子状の補強鉄筋3の横筋3aを挿入して保持するために、上方に開放して下方に落ち込む斜め形状に形成されている。そして、ラス網保持溝2bは、略水平なスリット状に形成されている。また、取付孔2cは、上下方向の長孔となっている。
なお、鉄筋継手部としては、図示のような出隅コーナー部の他、入隅コーナー部も含むコーナー用補強鉄筋の継手部があり、また、被取付面の長さが長い場合などもある。
すなわち、布基礎1に固定されるランナ2に、格子状の補強鉄筋3の横筋3aを挿入して保持する鉄筋保持溝2a・2dと、ラス網4のリブ状部分4bを挿入して保持するラス網保持溝2bを形成したので、ランナ2の鉄筋保持溝2a・2dに格子状の補強鉄筋3の横筋3aを保持して確実に固定できるとともに、ランナ2のラス網保持溝2bにラス網4のリブ状部分4bを保持して確実に固定することができる。
しかも、ラス網4の押し付けにより、補強モルタル5の食い付きをよくすることができて、補強モルタル5にダレ等が生じるのを防止できるとともに、微細なヒビが生じるのも抑制できる。
以上の実施形態においては、補強対象を布基礎としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のコンクリート構造物全般に適用可能である。
また、実施形態では、ランナを縦にして用いたが、横にして用いたり、平面に置いて用いたりすることも可能である。
ここで、鉄筋保持溝2aは、実施形態のような上方に開放して下方に落ち込む斜め形状だけでなく、下方に開放して上方に向かう斜め形状であっても、ランナ2の向きを、実施形態のような縦だけでなく、横向きや平置きした場合であっても、第一層の補強モルタル5の厚み方向に対して傾いた状態となる。従って、第一層の補強モルタル5に補強鉄筋3が埋め込まれた状態となるため、例えば鉄筋保持溝2aを補強モルタル5の厚み方向と平行に形成した場合に比して、補強鉄筋3が抜けにくくなる。
また、本発明はコンクリート構造物の全面補強の他、部分的補強にも適用可能である。
さらに、ランナ、ラス網の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 ランナ
2a 鉄筋保持溝
2b ラス網保持溝
2c 取付孔
2d 継手部用の鉄筋保持溝
3 格子状の補強鉄筋
3a 横筋
3b 縦筋
4 ラス網
4b リブ状部分
5 補強モルタル
Claims (6)
- コンクリート構造物の表面にランナを固定し、そのランナに補強鉄筋とラス網を組み付け、コンクリート構造物の表面に対しランナと補強鉄筋及びラス網を埋設する状態で補強モルタルを塗り付けて補強する構造であって、
前記ランナに、格子状の補強鉄筋を挿入して保持する鉄筋保持溝と、前記ラス網を挿入して保持するラス網保持溝を形成したことを特徴とするコンクリート構造物の補強構造。 - 請求項1に記載のコンクリート構造物の補強構造において、
前記鉄筋保持溝が前記ランナに対し斜めに形成されていることを特徴とするコンクリート構造物の補強構造。 - 請求項1または2に記載のコンクリート構造物の補強構造において、
前記格子状の補強鉄筋が重なる鉄筋継手部に用いる前記ランナの前記鉄筋保持溝は、前記格子状の補強鉄筋を2本重ねて挿入して保持し得る幅広形状に形成されていることを特徴とするコンクリート構造物の補強構造。 - コンクリート構造物の表面にランナを固定し、補強鉄筋とラス網を前記ランナに組み付け、コンクリート構造物の表面に対しランナと補強鉄筋及びラス網を埋設する状態で補強モルタルを塗り付けて補強する方法であって、
格子状の補強鉄筋を挿入して保持する鉄筋保持溝と、前記ラス網を挿入して保持するラス網保持溝が形成された前記ランナを用い、
コンクリート構造物表面に前記ランナを固定してから、
コンクリート構造物表面に対し補強モルタルを前記ランナの前記鉄筋保持溝にやや被る厚さに塗り付けて第一層を形成した後、
前記鉄筋保持溝に前記格子状の補強鉄筋を挿入して、前記第一層の補強モルタルに前記格子状の補強鉄筋を押し込むことを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。 - 請求項4に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
前記第一層の上に補強モルタルを前記ランナがほぼ隠れる厚さに塗り付けて第二層を形成した後、
前記ラス網保持溝に前記ラス網の一部を挿入して、前記第二層の補強モルタルに前記ラス網を押し付けることを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。 - 請求項5に記載のコンクリート構造物の補強方法において、
前記第二層の上に補強モルタルを塗り付けて第三層を形成することを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。
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